JP4088865B2 - スクータ型自動二輪車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搭乗用シートの下方側から前輪側にわたって配設されるフロアステップを、左右一対の足載せ用のステップ部と、両ステップ部間のエンジンを跨ぐ状態に覆うトンネル部とから構成してあるスクータ型自動二輪車に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、大排気量車などの水平に近い前倒しエンジンを搭載するスクータ型自動二輪車では、前輪と搭乗用シートの間にエンジンが配置されることからフロアステップが上記のようなセンタートンネル構造になっている。
前記フロアステップは一般にポリプロピレン(PP)等の樹脂材から成り、トンネル部に、エンジンをメンテナンスするためのメンテナンス用孔とリッドを設けてある。
このメンテナンス用孔は大きい方がメンテナンスしやすいが、ライダーがトンネル部の上に荷物を置いて運転することがあることから、従来、トンネル部の強度が低下しないように、メンテナンス用孔やリッドを小さく形成してあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、エンジン関係のメンテナンスは、アイドリング調整、エンジンオイル補給や交換、タペット調整、冷却水補充等の多くの項目にわたるため、上記従来の構成では、各項目に対応するメンテナンス用孔とリッドを多数設けなければならず、その結果、樹脂材の数が増え、そのうえ、リッドやリッド周りの部材の強度が低下しないような補強構造に構成する必要もあって構造が複雑化するとともに見栄えが悪くなるという問題があった。
【0004】
この問題を解消する手段として、複数のメンテナンス用孔をまとめて大きな孔に形成したうえで、メンテナンス用孔周りを補強した構造にすることも考えられる。 つまり、単にメンテナンス用孔やリッドを大きくしただけでは、大きなリッド(以下、「大リッド」と称する)が変形すること等により、トンネル部を形成する樹脂材と大リッドとの合わせが崩れ、隙間ができて見栄えが悪くなることから、車体フレームに大リッド用の取付けステーを設けたり、大リッドの裏側に金属製の補強フレームを一体に設けたりするか、あるいは大リッドの肉厚をより厚くする。しかしながらこの手段によれば、リッドの数は減るものの、車体フレーム周りの部品が増加するとともに、大リッドの構造が複雑化するために製作コストが高くなる。
【0005】
ところで、上記のスクータ型自動二輪車には、前輪部分に位置するフロントレッグシールドと、搭乗用シートの下方に位置するリヤーレッグシールド(又はフートボード)とを連結して、フロントレッグシールド後部とリヤーレッグシールド前部とでセンタートンネル構造のフロアステップを形成する機種がある(この構造にしたのは、成形型をあまり大きくすることができないという型成形上の都合による)。
このような機種に大きなメンテナンス用孔と大リッドを備える構造を適用して、エンジンを跨ぐ状態に覆うトンネル部を着脱自在な単一のメンテナンス用の大リッドにすると、フロントレッグシールド・大リッド・リヤーレッグシールドという大きな樹脂材による三部材を合せる構造になる。
複数の大型樹脂材の端面同士の位置合せや曲面ライン同士の位置合せ、それに端面処理(樹脂材の端面が見えないようにする処理)を所望の通りに行うことは非常に難しいということはよく知られており、上記のように大きな樹脂材の三部材を合せる構造では、二部材を合せる構造に比べると、部材の製作誤差等が累積して上記の位置合わせ等がさらに難しくなるとともに強度の確保も難しくなる。
【0006】
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、センタートンネル構造のフロアステップを有するスクータ型自動二輪車であって、部品点数の増加や製作コストのアップを抑制できながら、エンジン回りのメンテナンスがしやすく、必要な強度を確保できるスクータ型自動二輪車を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴構成は、請求項1に記載したように、搭乗用シートの下方側から前輪側にわたって配設されるフロアステップを、左右一対の足載せ用のステップ部と、両ステップ部間のエンジンを跨ぐ状態に覆うトンネル部とから構成してあるスクータ型自動二輪車であって、
前記トンネル部を、前記ステップ部に一体に設けた内側トンネルと、この内側トンネルに着脱自在に重合させる外側トンネルとの二重構造に構成して、前記内側トンネルに、前記外側トンネルに覆われる複数のメンテナンス用孔を形成してある点にある。
【0008】
また、請求項2に記載したように、請求項1の構成において、前記ステップ部と内側トンネルから成るフロアベースを、互いに連結される前側の分割フロアベースと後側の分割フロアベースとから構成してある点にある。
【0009】
また、請求項3に記載したように、請求項1又は2の構成において、前記内側トンネルの縦壁の下端部に、前後方向に沿う排水溝と、前記排水溝に入り込んだ液体を外部に排出させる排水部とを形成するとともに、前記外側トンネルの内面に、この内面を伝って流下する液体を前記排水溝に導く導水部を形成してある点にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2,図3にスク−タ型自動二輪車を示してある。この自動二輪車は、前シート部1aと後シート部1bから成る二人乗り用の搭乗用シート1の下方側から前輪2側にわたってポリプロピレン製のフロアステップFを配設するとともに、ステアリング部分を覆うフロントカバー3と、搭乗用シート1の下方から後方にわたるフレームカバー4を設けた大型スクーターに構成してある。
そして車体前部に、前輪2やフロントカバー3の他に、操向ハンドル6、ウインドスクリーン7、左右一対の前照灯8、左右一対のバックミラー9、フロントフェンダー10等を設け、車体後部に、搭乗用シート1やフレームカバー4の他に、リヤーキャリヤー11、背凭れ12、リヤ−フェンダー13、消音器14、後輪15等を設けてある。前輪2はディスク式制動装置5を備えている。
【0011】
前記フレームカバー4は、搭乗用シート1の下側の左右それぞれに設けたサイドカバー54と、ロアーカバー55、リヤセンターカバー56、及びリヤ−フェンダー13から成るリヤフレームカバーとで構成してある。また、車体中央の下部に、センタースタンド16・サイドスタンド17・サイドレッグシールド43,44等を設けてある。29はフロントフォーク、30はリヤークッションユニットである。
【0012】
図5、図6に示すように、車体下部の前後輪間に動力ユニットUを配設してある。この動力ユニットUは、ベルト無段変速機構(図示せず)を内臓したミッションケース19を設け、ほぼ水平に近く前傾されたシリンダ20と、シリンダヘッド21と、ヘッドカバー22等から成るエンジンEを設け、ミッションケース19からの出力回転を後輪15に伝達する伝動ケース23、燃料供給装置24等を設けて構成してある。ヘッドカバー22の前方にラジエータ26を配置し、ウォータポンプ27等と連通接続する一対の給排ホース28を設けてある。25はオイルフィルタである。
【0013】
次に、前記フロアステップFの構造について詳しく説明する。
[フロアステップFの全体構造]
図4,図5に示すようにフロアステップFは、左右のレッグシールド39b及び中央のボックス部分39cを備えたフロントボックス部39と、左右一対の足載せ用のステップ部Sと、両ステップ部S間のエンジンEを跨ぐ状態に覆うトンネル部Tと、ピリオンライダー用の後足載せ面41を備えたフートボード42とから成る。
【0014】
前記トンネル部Tは、ステップ部Sに一体に設けた断面下向きU字状の内側トンネル31と、この内側トンネル31に着脱自在に重合させる断面下向きU字状の外側トンネル34との二重構造に構成してある。外側トンネル34は、後述するようにメンテナンス用孔を覆うリッドであり、以下、「メンテナンスリッド34」と称する。前記左右のステップ部Sと内側トンネル31とでフロアベース32を構成する。このフロアベース32の構造は次の通りである。
【0015】
[フロアベース32の構造]
フロアベース32は、前側の分割フロアベース35と後側の分割フロアベース36に前後方向に二分割し、前側の分割フロアベース35と後側の分割フロアベース36とを連結及び連結解除自在に構成してある。
【0016】
図7,図8に示すように、前側の分割フロアベース35は、フロントボックス部39と一体に型成形した部材であり、前側の足載せ用ステップ部分39aと前側の第1内側トンネル部分37から成る。そして、前記第1内側トンネル部分37の後部を外面が一段下がった段部37Aに形成し、この段部37Aに複数のメンテナンス用孔K1,K2,K3を形成するとともに、各メンテナンス用孔K1,K2,K3の周りに、その孔周囲を下方に折り曲げ突出させた縦リブ部を形成して、前記段部37Aの強度を上げてある。この縦リブは、後述する第2内側トンネル部分38の段部38Aに形成した縦リブ38a(図11(a)参照)とほぼ同様の構造である。
【0017】
図6にも示すように、第1内側トンネル部分37に形成したメンテナンス用孔K1,K3は、燃料供給装置24(燃料噴射装置やキャブレター等)を操作してアイドリング調整等を行うための小さい孔であり、メンテナンス用孔K2は、ヘッドカバー22部位を操作してタペット調整を行ったり、オイルキャップ54を挿脱してエンジンオイル補給や交換を行ったり、リザーバタンク(図示せず)に対する冷却水補充等を行うための大きい孔である。
【0018】
図9,図10に示すように、後側の分割フロアベース36は、フートボード42と一体に型成形した部材であり、後側の足載せ用ステップ部分40と後側の第2内側トンネル部分38から成る。そして、第2内側トンネル部分38の前部を外面が一段下がった段部38Aに形成し、この段部38Aに複数のメンテナンス用孔K4を形成するとともに、各メンテナンス孔K4の周りに、図11(a)に示すように、その孔周囲を下方に折り曲げ突出させた縦リブ部38aを形成して、前記段部38Aの強度を上げてある。第2内側トンネル部分38の前部は複数のメンテナンス用孔K4を形成したことで格子状になっている。
図6にも示すように、第2内側トンネル部分38に形成したメンテナンス用孔K4は、ウォータポンプ27、セルモータ18等、エンジンE上に配置された各補機類を点検・整備するための孔である。
【0019】
前側の分割フロアベース35と後側の分割フロアベース36との連結構造について説明すると、図7,図10に示すように、前記両段部37A,38Aに設けた複数のネジ止め部n同士をネジ連結するとともに、図4に示すように、前側の足載せ用ステップ部分39aの後端部と後側の足載せ用ステップ部分40の前端部とにそれぞれ設けた複数のネジ止め部n同士をネジ連結してフレーム部材(図示せず)に連結する。
【0020】
この連結状態で前側の足載せ用ステップ部分39aと後側の足載せ用ステップ部分40とにわたって長尺の前フロアマット45,46を重合して取り付ける。また、ピリオンライダー用の後足載せ面41に後フロアマット47,48を重合して取り付ける。完成した製品状態では前フロアマット45,46が前記複数のネジ止め部nを覆っている。次にメンテナンスリッド34の構造について説明する。
【0021】
[メンテナンスリッド34の構造]
図12,図13,図14に示すようにメンテナンスリッド34は、側面視で前縁が「く」の字状の左右の縦壁部34a,34bと、それらの間の上面部34cとから成り、連結状態の第1内側トンネル部分37の段部37Aから第2内側トンネル部分38の段部38Aにわたって着脱自在に重合して組付け、その組付け状態で、両段部37A,38Aの全てのメンテンス用孔K1,K2,K3,K4を覆うように構成してある。
【0022】
前記左右の縦壁部34a,34bの前端部に左右一対のフック49を形成し、前寄りの前後中間部における下端に左右一対の挿入片部50を形成し、後ろ下端部に左右一対の横向きの係合突起51を形成し、上面部34cの後端中央部にネジ挿通孔52を形成してある。
【0023】
メンテナンスリッド34は、内側トンネル31(つまり連結状態の第1内側トンネル部分37と第2内側トンネル部分38)にわたって次のようにして組付ける(図5参照)。
(1)連結状態の内側トンネル31の上方でメンテナンスリッド34を前下がり傾斜姿勢にして、左右の前側の足載せ用ステップ部分39aの側部に形成した孔部53の前部側(排水部に相当する。この孔は後述するように前後に長い孔である)に各フック49を嵌め入れる。
(2)このフック49を中心としてメンテナンスリッド34を下方に揺動移動させ、左右の縦壁部34a,34bの後端部を弾性変形させて外側に張り出させ、前記孔部53の後部側に各挿入片50を嵌め入れる。
(3)外側に強制移動されている後端側の左右の係合突起51を内側に移動させ、第2内側トンネル部分38側のリング状のゴム材67(図9参照)に押し込み挿入する。
(4)メンテナンスリッド34のネジ挿通孔52にネジを通し(図4参照)、第2内側トンネル部分38に設けたネジ止め部nにネジ止めする。
【0024】
内側トンネル31からメンテナンスリッド34を取り外すときは逆の手順で操作すればよい。
【0025】
図15(a)に、メンテナンスリッド34と第1内側トンネル部分37と第2内側トンネル部分38との連結構造を示してある(図1におけるXの箇所である)。つまり、第1内側トンネル部分37の円弧状の後端部とメンテナンスリッド34の円弧状の端部とを上下に重合させ、メンテナンスリッド34の端部に設けた下向きの係合突起70を、第1内側トンネル部分37に設けた係合孔に係合させ、第1内側トンネル部分37に設けた下向きの第1当て板72と、第2内側トンネル部分38に設けた第1当て板73とを前後方向で突き合わせてある。
【0026】
上記のように、トンネル部Tを内側トンネル31とメンテナンスリッド34から成る二重構造にするとともに、それらの断面形状を、剛性の強い下向きU字状に形成してあることから、トンネル部Tの強度及び剛性を上げることができ、重い荷物を載せても変形しにくくなる。さらに、左右の足でトンネル部Tを挟み込んでしっかりとホールドすることができ、トンネル部Tを両足でグリップするライディングをしやすくなる。
そして、メンテナンスの際にはメンテナンスリッド34を内側トンネル31から取り外すだけで、全てのメンテナンス孔K1,K2,K3,K4を露出させることができるから、各メンテナンス孔K1,K2,K3,K4から多くの項目にわたる点検や整備、すなわちメンテナンスを簡単に行うことができる。
【0027】
図7,図8,図15(b)に示すように、第1内側トンネル部分37における左右の縦壁31aの下端部に、前後方向に沿う排水溝57と、排水溝57に導かれた液体を外部に排出させるための排水孔(排水部の一例)59とを形成するとともに、メンテナンスリッド34の裏面34uに、この裏面34uを伝って流下する液体を排水溝57に導く導水部dを形成してある(縦壁31aとメンテナンスリッド34の裏面との間には隙間がある)。前記導水部dは、メンテナンスリッド34の各縦壁部34a,34bの下端部を、内側が外側よりも下方に突出する段付き状に形成して構成してある。そして、前記導水部dを排水溝57に入り込ませてある。
【0028】
前記排水溝57は、前側の足載せ用ステップ部分39aの付根近くに位置しており、その前端から後部にわたる大部分は底の無い孔状である。その孔の部分が、フック49や挿入片50の挿入する部分である前述した長い孔部53になっている。これにより、前側の排水溝57に導かれた雨水や泥水の大部分は孔部53から流下排出される。
【0029】
図9,図10,図11(a),図11(b)に示すように、第2内側トンネル部分38における左右の縦壁31aの下端部に、前後方向に沿う排水溝58と、排水溝58に導かれた液体を外部に排出させるための排水孔(排水部の一例)とを形成するとともに、メンテナンスリッド34の裏面34uに、この裏面34uを伝って流下する液体を排水溝58に導く導水部(第1内側トンネル部分37側の導水部と同一構造である)を形成してある。
前記排水溝58は、後側の足載せ用ステップ部分40の付根近くに位置していある。これにより、後側の排水溝58に導かれた雨水や泥水を流下排出する。
【0030】
上記の構造により、走行に伴って前輪2から飛散した泥水や雨水がメンテナンス孔K1,K2,K3,K4を通ってメンテナンスリッド34の裏面34uに付着しても、その裏面34uを伝って流下する泥水は、導水部dから前後の排水溝57,58に導かれ、ステップ部Sに漏れ出ることなく機外に排出される。排水部59としては、縦姿勢の溝やパイプ状のものでも良い。導水部dは、リッド裏面34uを流下してくる泥水を内側に向きを変えて排水溝57,58に導けるよう、メンテナンスリッド34の裏面34uに舌片を一体に設けて構成してあってもよい。
【0031】
〔別実施形態〕
[1]上記の実施形態ではフロアベース32を前後方向に二分割した分割構造に構成したが、この構造に代えてフロアベース32を分割することなく単体に構成してあってもよい。また、請求項1の「エンジン」とは、シリンダ等の燃焼部だけでなく、ミッションケース、気化器、ラジエータやその配管系、オイルクーラーやその配管系等、伝動部やエンジン用の補機類も含む。
【0032】
[2]図4、図15に示すフロアステップFでは、製作誤差が大きくなると、メンテナンスリッド34と第1及び第2内側トンネル部分37,38の段差や、それらの端面同士の間隔が大きくなり、製品によって見た目の状態がばらつきやすくなることも考えられるが、例えば前記段差を無くし、その上にメンテナンスリッド34を重ねる構造(図示せず)にすれば、製品誤差がばらついてもメンテナンスリッド34の端面と第1及び第2内側トンネル部分37,38との位置関係が崩れないので、外観をよくすることができる。
【0033】
[3]メンテナンスリッド34の後端側のネジ止め構造に代えて、図16に示すように、メンテナンスリッド34の後端部の裏面に係合片60を形成し、その係合片60の上側に張り出た係止作用位置と、平面視において係合片60から後方に退避した非作用位置とに切換え自在なロック片61を第2内側トンネル部分38の裏面側に設けてあってもよい(例えば、前後スライド自在にレール62に支持させる)。
【0034】
図16では、開閉自在な搭乗用シート1を開くことで操作可能となる操作レバー65(操作レバー65をハンドル部等の他の場所に置いても良い)を設け、これとロック片61とをワイヤー64を介して連係させることで、操作レバー65の人為操作によってロック片61を位置切換できるようにすれば、ネジ類等が目に付かない状態で、メンテナンスリッド34を着脱自在に組付けることができるようになる。66はロック片61を係止作用位置に向けて突出付勢する巻バネである。
【0035】
【発明の効果】
本発明によるスクータ型自動二輪車は、搭乗用シートの下方側から前輪側にわたって配設されるフロアステップを、左右一対の足載せ用のステップ部と、両ステップ部間のエンジンを跨ぐ状態に覆うトンネル部とから構成してあるスクータ型自動二輪車であって、前記トンネル部を、前記ステップ部に一体に設けた内側トンネルと、この内側トンネルに着脱自在に重合させる外側トンネルとの二重構造に構成して、前記内側トンネルに、前記外側トンネルに覆われる複数のメンテナンス用孔を形成してあるから、単一の外側トンネルを内側トンネルから取り外すだけの簡単な着脱操作で、エンジン関係の全てのメンテナンス用孔を露出させることができ、それら複数のメンテナンス用孔からアイドリング調整、タペット調整、エンジンオイル補充等のエンジンのメンテナンスを行うことができる。
【0036】
足載せ用のステップ部と内側トンネルとから成るフロアベースは、外側トンネルの内側に位置する内側トンネルによって、左右のステップ部同士、及び前レッグシールド部と後レッグシールド部とが一体となる状態に構成されて各部の位置関係が定められるから、これら前後のレッグシールド部やステップ部と外側トンネルとの接合部に、隙間等の外観不良の虞が生じないようになるとともに、外側トンネルを取外した状態でも、それらレッグシールド部やステップ部の取付剛性低下を招かないようにすることができる。
【0037】
トンネル部は、外側トンネルと内側トンネルとの二重構造となって補強されて強度が向上するから、走行中等において運転者がトンネル部を足で挟持してグリップさせるような乗り方をしても、トンネル部をしっかりとホールドすることができ、グリップ時の感触を良好にすることができる。また、内側トンネルにより、フロアステップにおける内側トンネル周りの剛性も向上するから、その周辺部位や外側トンネルの取付け箇所を減少させて、組立の容易化や製作コストの軽減を図ることができる。
【0038】
そして、前記ステップ部と内側トンネルから成るフロアベースを、互いに連結される前側の分割フロアベースと後側の分割フロアベースとから構成してある場合は、次の効果を得ることができる。
つまり、例えば前記内側トンネルに代えて、外側トンネルで隠れる程度の単一の大孔を形成した場合には、フロアベースにおける互いに前後に大きく離れた箇所となる大孔の前端部と後端部との前後方向の位置が大きくばらつき、外側トンネルとの間に隙間ができるといった不具合が生じやすいが、本発明にかかる上記の構成によれば、前記前端部と後端部とが連結された状態になるから、設計通りの寸法精度に組み立てやすく、外側トンネルと端面同士を正確に合わせることができる。
【0039】
前記内側トンネルの縦壁の下端部に、前後方向に沿う排水溝と、前記排水溝に入り込んだ液体を外部に排出させる排水部とを形成するとともに、前記外側トンネルの内面に、この内面を伝って流下する液体を前記排水溝に導く導水部を形成してある場合、雨天走行時等において、前輪によって撒き上げられた泥水や雨水が内側トンネルのメンテナンス用孔を通って外側トンネルの裏面にまで飛散するようになっても、外側トンネルの裏面を伝って左右に流下してきた泥水等が、導水部によって排水溝に導かれ、排水部からカバー外に排水されるようになる。これにより、外側トンネルの裏面に飛散された泥水等の液体が、外側トンネルとフロアベース、あるいはフレームカバーやレッグシールドとの接合部から漏れ出るのを回避できる。この構造は、フロアベースに排水溝と排水部とを形成するだけでよく、新たな部品を追加することないことから安価に構成することができる。
【0040】
従って、製作コストが高くなるのを抑制した状態で、雨天走行時でもフロアステップを泥水で汚れにいスクータ型自動二輪車を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】スク−タ型自動二輪車の側面図
【図2】スク−タ型自動二輪車の平面図
【図3】スク−タ型自動二輪車の正面図
【図4】フロアステップの構造を示す分解斜視図
【図5】エンジンとフロアステップとの位置関係を示す側面図
【図6】エンジンとフロアステップとの位置関係を示す平面図
【図7】フロントボックス及び前側の分割フロアベースを示す側面図
【図8】フロントボックス及び前側の分割フロアベースを示す平面図
【図9】フートボード及び後側の分割フロアベースを示す側面図
【図10】後側の分割フロアベースを示す平面図
【図11】 (a)は図9におけるA−A視図、(b)は図9におけるB−B視図
【図12】メンテナンスリッドの側面図
【図13】メンテナンスリッドの平面図
【図14】メンテナンスリッドの背面図
【図15】 (a)は図1のXの部位を示す断面図、(b)は前側の分割フロアベースとメンテナンスリッドを示す断面図
【図16】メンテナンスリッド別取付け手段を示す別実施形態の機構図
【符号の説明】
1 搭乗用シート
31 内側トンネル
31a 縦壁
32 フロアベース
34 外側トンネル
34u 裏面
35 前側の分割フロアベース
36 後側の分割フロアベース
58 排水溝
59 排水部
d 導水部
E エンジン
K1,k2,k3,k4 メンテナンス用孔
T トンネル部
F フロアステップ

Claims (3)

  1. 搭乗用シートの下方側から前輪側にわたって配設されるフロアステップを、左右一対の足載せ用のステップ部と、両ステップ部間のエンジンを跨ぐ状態に覆うトンネル部とから構成してあるスクータ型自動二輪車であって、
    前記トンネル部を、前記ステップ部に一体に設けた内側トンネルと、この内側トンネルに着脱自在に重合させる外側トンネルとの二重構造に構成して、前記内側トンネルに、前記外側トンネルに覆われる複数のメンテナンス用孔を形成してあるスクータ型自動二輪車。
  2. 前記ステップ部と内側トンネルから成るフロアベースを、互いに連結される前側の分割フロアベースと後側の分割フロアベースとから構成してある請求項1記載のスクータ型自動二輪車。
  3. 前記内側トンネルの縦壁の下端部に、前後方向に沿う排水溝と、前記排水溝に入り込んだ液体を外部に排出させる排水部とを形成するとともに、前記外側トンネルの内面に、この内面を伝って流下する液体を前記排水溝に導く導水部を形成してある請求項1又は2に記載のスクータ型自動二輪車。
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