JP4088163B2 - ガスタービン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮空気を燃焼させ、その燃焼ガスにより軸動力を得るガスタービンに係り、特に適切な冷却系統の設置によりタービンロータの信頼性を向上させることができるガスタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンとは、一般的に、取り入れた吸気を圧縮し圧縮空気を精製する圧縮機と、この圧縮機からの圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼ガスによって軸動力を得るタービンとを備えている。通常、圧縮機及びタービンのロータは、それぞれ外周部に動翼を配設した複数のディスクを軸方向に積層して構成され、互いに中間軸を介して連結されている場合が多い。タービンロータは回転体であるため、極力芯ずれがないよう、通常、これを構成する各ディスク同士、又は各ディスクとそれに介設されるスペーサとが、例えばインロー構造によって互いに同心状に嵌合されている。
【0003】
また、タービンロータは高温の燃焼ガスに晒されるため、一般的なガスタービンにおいては、その冷却空気として、圧縮機の圧縮空気主流路からの抽気を上記中間軸の中空部を介しタービンロータに導くよう構成する場合が多い。このように中間軸の内側を介して導かれた冷却空気は、構成上、必然的にタービンロータにおける嵌合部(例えば上記のインロー部)よりも内側の空間に導かれ、そこから高温環境下にあるディスク外周側の動翼に流通することになる(例えば特許文献1、特許文献2等参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−301627号公報
【特許文献2】
特開平10−121903号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、上記の従来技術においては、冷却空気は上記の嵌合部の内側の空間からタービンロータの外側に供給されるため、嵌合部は冷却空気に接触する。そのため、起動前、ほぼ大気温度程度にある嵌合部のメタル温度は、起動後には供給される冷却空気の温度まで上昇することになる。
【0006】
ところで、近年においては、高い耐温強度を有する素材の開発や内部の冷却構造の発達により圧縮機ロータの動翼の耐熱性が向上してきている。これにより、ガスタービンの高出力化が可能となり、そにれ伴って圧縮機で精製される圧縮空気も徐々に高圧化してきているため、それだけ圧縮空気の温度も上昇してきており、タービンロータに導かれる冷却空気が高温化する傾向にある。
【0007】
その結果、前述の上記の嵌合部のメタル温度の変動幅は益々大きくなる傾向にあり、嵌合部の熱変形量の増大に起因して芯ずれが発生しタービンロータがアンバランスになり易くなる。この場合、高速回転するタービンロータにおいては信頼性の著しい低下につながり、このことは、今後更なる高出力化が想定されるガスタービンにおいて、より顕著な課題となり得る。
【0008】
ここで、タービンロータへの冷却空気温度を抑制する限りにおいては、例えば空気が昇圧する前の圧縮機中程又はそれ以前の段落から冷却空気を抽気することも考えられるが、この場合には、タービン初段付近の燃焼ガスよりも冷却空気の圧力が低くなるため、タービンロータ内への燃焼ガスの流入につながる危険性がある。従って、圧縮機の圧縮空気主流路からの抽気の一部をタービンロータの冷却空気として用いる場合、いずれにしても少なくともタービン初段付近の冷却空気には、圧縮機の後方の段落から抽気した高圧の圧縮空気を用いざるを得ないのが現状である。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮機から抽気した冷却空気を適切に導くことで、タービンロータの信頼性を向上させることができるガスタービンを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、取り入れた吸気を圧縮し圧縮空気を精製する圧縮機と、この圧縮機からの圧縮空気を燃焼させ燃焼ガスを生成する燃焼器と、外周部に複数の動翼を取付けた中空のタービンディスクを軸方向に複数段落設けたタービンロータを有し、燃焼ガス路を流れる前記燃焼器からの燃焼ガスにより前記タービンロータの軸動力を得るタービンと、前記圧縮機の圧縮機ロータ及び前記タービンロータを連結する中空の中間軸と、前記圧縮機の圧縮空気主流路の高圧部に設けた高圧抽気スリットと、前記中間軸の外周面よりも径方向外側に設けられ、前記高圧抽気スリットからの抽気を前記タービンに導く抽気導入路と、前記タービンロータにおける各タービンディスクのインロー部と、前記タービンロータにおける前記インロー部よりも径方向外側に穿設され内周側に前記インロー部に接触する通路を分岐させることなく前記燃焼ガス路に接続し、前記抽気導入路を介して導かれた抽気を該段落の動翼の冷却空気として前記インロー部又はその近傍に接触させずに流通させる冷却空気流路と、前記圧縮機の圧縮空気主流路の中圧部に設けられ、前記中間軸及び前記タービンディスクの各中空空間を介し、少なくとも前記燃焼ガス路の中圧部の段落の前記動翼に導かれる冷却空気を抽気する中圧抽気スリットとを備える。
【0011】
本発明は、従来中間軸の内部空間を通していた冷却空気を中間軸の外周面の外側を通すことで、タービンロータにおける各タービンディスクの嵌合部(例えばインロー部)よりも外側位置に高圧の冷却空気を流入させる。これにより、高温の冷却空気がインロー部又はその近傍に接触することを防止することができるので、嵌合部に対する冷却空気からの熱の流入を飛躍的に低減させることができる。従って、本発明においては、更に高出力化が進み冷却空気がより高温化したとしても、嵌合部の熱変形を極力抑制することができ、タービンロータのアンバランスを抑制し信頼性を向上させることができる。
【0013】
本発明においては、タービンの燃焼ガス路が高圧の段落の動翼には、高圧抽気スリットから抽気した高圧の冷却空気を中間軸の外周面外側を通すことで、各タービンディスクの嵌合部(例えばインロー部)外側に供給し、それ以後の中圧又は低圧の段落のタービンの動翼には、中圧抽気スリットから抽気した中圧の冷却空気を中間軸の内側を通してタービンロータの中心部に供給する。そのため、タービンにおける中圧又は低圧の段落の嵌合部は冷却空気に接触することになるが、この冷却空気は比較的低温で嵌合部に与える熱変形は許容範囲内である。そして、高圧抽気スリットからの高圧の冷却空気は、先のようにタービンディスクの嵌合部に接触することがない。従って、上記と同様の効果を得ることができる。
【0014】
加えて、本発明においては、タービンにおける中圧又は低圧の段落の動翼の冷却に際し、比較的低温の中圧の冷却空気をタービンロータの中心部に供給することにより、起動時にタービンロータを内側から暖気することができるので、タービンロータの各構成部品のメタル温度勾配を緩和することができ、より高い信頼性を確保することができる。
【0015】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記中圧抽気スリットからの抽気は、前記圧縮機ロータの中心部を流通し前記中間軸の中空空間に導かれる。
【0016】
(3)上記(1)において、また好ましくは、前記中圧抽気スリットからの抽気は、前記圧縮機ロータを構成する複数の圧縮機ディスクの互いの嵌合部よりも径方向外側位置を流通し、前記中間軸の中空空間に導かれる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のガスタービンの実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明のガスタービンの第1の実施の形態の全体構成を簡略的に表す回路図である。この図1に示すように、本実施の形態のガスタービンは、取り入れた吸気1aを圧縮し圧縮空気を精製する圧縮機1と、この圧縮機1からの燃焼用の圧縮空気1bを燃料2aと共に燃焼し高温高圧の燃焼ガス2bを生成する燃焼器2と、この燃焼器2からの燃焼ガス2bによって軸動力を得るタービン3とを備えている。また、圧縮機1の圧縮機ロータ1Aとタービン3のタービンロータ3Aとは中心軸4によって互いに同心状に連結されており、更に圧縮機ロータ1Aは発電機ロータ5に対し連結軸6を介して同心状に連結している。これによって、タービンロータ3Aと共に発電機ロータ5が回転し、タービンロータ3Aの回転エネルギーが電気エネルギーに変換されるようになっている。なお、タービンロータ3Aに軸動力を与えた燃焼ガス3aは機外に排出され、例えば浄化装置等に導かれた後、放出される。
【0018】
図2は、本実施の形態のガスタービンの要部の詳細構造を表す部分断面図である。但し、この図2において、図1と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
圧縮機1は、上記圧縮機ロータ1Aと、この圧縮機ロータ1Aの周方向外側を覆うケーシング7とを備えている。圧縮機ロータ1Aは、外周部に動翼8を周方向に複数設けた中空又は中実の圧縮機ディスク9を、軸方向に複数積層して構成されている。各圧縮機ディスク9は、図に示すようにインロー構造により互いに同心状に嵌合しており、上記中間軸4の前側ピース4Aのフランジ4Aaに対し、スタッキングボルト10によって締結されている。
【0019】
また、ケーシング7の内側には、軸方向に各動翼8と交互に位置するよう、複数の静翼11が環状に固定されている。これら動翼8及び静翼11は軸方向に隣り合う1組で1つの段落を形成し、圧縮機1においてはこの段落が複数(数に限定はないが例えば15段落、但し図2にはそのうちの8段落分図示した状態である)設けられており、圧縮空気主流路12に取り込んだ吸気1aを各段落で徐々に圧縮昇圧させ圧縮空気1bが上記燃焼器2に供給されるようになっている。また、この圧縮空気主流路12の圧縮空気1bの一部は、後段のタービン3の冷却用空気として用いられる(詳細は後述)。
【0020】
タービン3は、上記タービンロータ3Aと、このタービンロータ3Aの周方向外側を覆うケーシング15とを備えている。タービンロータ3Aは、外周部に動翼16を周方向に複数設けた中空又は中実のタービンディスク17と、各タービンディスク17に介設した中空のスペーサ18とを軸方向に交互に複数積層して構成されている。隣り合うタービンディスク17とスペーサ18とは、互いに嵌合するインロー部19を有しており、このインロー部19によって互いに同心状に積層されている。また、各タービンディスク17及びスペーサ18は、上記前側ピース4Aに締結された中間軸4の後側ピース4Bのフランジ4Baに対し、スタッキングボルト20によって締結されている。
なお、各タービンディスク17及びスペーサ18に穿設されたスタッキングボルト20挿通用のボルト穴は、製造上、スタッキングボルト20に対する公差に余裕を持たせてあるため、タービンロータ3Aの軸精度は、実質的にインロー部19の嵌め合い公差により決定付けられる。
【0021】
また、ケーシング15の内側には、軸方向に各動翼16と交互に位置するよう、複数の静翼21が環状に固定されている。これら動翼16及び静翼21は、圧縮機1と同様、軸方向に隣り合う1組で1つの段落を形成し、本実施の形態においてはこうした段落が4段落(これに限られない)設けられており、便宜上、以下において各段落を上流側から第1〜第4段落22a〜22dと適宜記載する。燃焼器2からの燃焼ガス2bは、タービン3の燃焼ガス路23に供給され、各段落22a〜22dにて膨張仕事をしてタービンロータ3Aに軸動力を与えつつ、徐々に圧力を失って下流側端部からタービン3外へ排出される。
【0022】
本実施の形態の最も大きな特徴は、圧縮空気主流路12からの抽気を中間軸4の外周面よりも径方向外側を通してタービンロータ3Aの冷却空気として導くよう構成している点である。但し、この中間軸がフランジを有する場合、フランジ部を除いた部分(つまり胴部)の外周面よりも径方向外側に圧縮空気主流路12からの抽気を導くよう構成する(本例はこの場合を図示している)。
本実施の形態においては、圧縮機主流路12後端の内周側に圧縮空気1bの一部を抽気する高圧抽気スリット25を備えており、この高圧抽気スリット25から抽気された冷却空気26は、中間軸4の外周側にスリーブ27により画定された抽気導入路(中間軸4及びスリーブ27の間の空間)を介してタービンロータ3Aに供給される。
【0023】
ここで、図3は図2中のA−A断面によるタービンロータ3Aの断面図である。但し、この図3において図2と同符号の部位は図2と同様の部分である。この図に示すように、スペーサ18にはインロー部19よりも外周側に位置するよう、スタッキングボルト20と周方向に交互に冷却空気の流通孔28が複数穿設されている。図3では第4段落22dのスペーサ18の断面を表しているが、この流通孔28は、他の第1〜第3段落のタービンディスク17及びスペーサ18、並びに中間軸4のフランジ4Baにも同様に穿設されており、これら連通孔28は、軸方向に隣り合うもの同士が連通して連続した冷却空気流路を形成する。これにより、中間軸4の外側の抽気導入路を通って導かれた冷却空気26が流通孔28に流入し、各段落22a〜22dにおいて、流通孔28から径方向外側に分岐した動翼16への冷却空気流路としての各分岐流路29を介して各タービンディスク17、各動翼16へと流入し、最終的に燃焼ガス路23内に放出されるようになっている。
【0024】
なお、繁雑防止のため特に図示していないが、圧縮空気主流路12には、上記高圧抽気スリット25の他にも外周側に圧縮空気を抽気する抽気スリットが設けられている。この抽気スリットとしては、例えば、低圧段落(上流側の段落)の低圧抽気スリット、中圧段落(中央付近の段落)の中圧抽気スリット、高圧段落(下流側の段落、例えば上記注記孔25付近)の高圧抽気スリットと複数系統設けられている。そして、例えば、高圧抽気スリットを介した冷却空気はタービン3の第1段落22a、中圧抽気スリットを介した冷却空気は第2段落22b、低圧抽気スリットを介した冷却空気は第3及び第4段落22c,22dのそれぞれの静翼21に対し、圧縮機1及びタービン3の外周側から導かれるようになっている。
【0025】
次に、以上の構成の本実施の形態のガスタービンの動作を説明する。
図2において、吸気1aが圧縮機1に取り込まれ、各段落の動翼8及び静翼11間を通過する際に徐々に圧縮昇圧され燃焼用の圧縮空気1bが精製される。燃焼器2では、供給された圧縮空気1bに燃料2aを混合して燃焼し燃焼ガス2bを生成する。この燃焼ガス2bは、タービン3の燃焼ガス路23に供給され、各段落22a〜22dの動翼16及び静翼21間を通過する際にタービンロータ3Aに軸動力を与え徐々に圧力を失いつつタービン3の外へ排出され、最終的に浄化装置等を介して放出される。そして、タービンロータ3Aと一体となって回転する発電機ロータ5(図1参照)において、回転エネルギーが電気エネルギーに変換される。
【0026】
また、タービン3においては、燃焼ガス路23に臨む動翼16及び静翼21が高温高圧の燃焼ガス2bとの接触により加熱されるので、これらを圧縮機主流路12の各段から抽気した冷却空気によって冷却する。
例えば、燃焼ガスの圧力が高い第1段落22aの静翼21には圧縮空気主流路12の高圧抽気スリット(図示せず)を介した冷却空気を、第1段落22aよりも圧力の下がった第2段落22bの静翼21には圧縮空気主流路12の中圧抽気スリット(図示せず)を介した冷却空気を、更に第2段落22bよりも圧力の下がった第3及び第4段落22c,22dの静翼21には圧縮空気主流路12の低圧抽気スリット(図示せず)を介した冷却空気を、それぞれ別系統で導いて冷却する。
一方、タービンロータ3Aの各動翼16には、圧縮空気主流路12の高圧部から高圧抽気スリット25を介して抽気された冷却空気26が供給される。この冷却空気26は、前述のように中間軸4の外側の抽気導入路を通ってタービンロータ3A内に流入し、上記流通孔28、分岐流路29(図3参照)を介して各段落22a〜22dのタービンディスク17及び動翼16に順次導かれる。
そして、各動翼16及び静翼21を冷却した各冷却空気は、各翼の表面の孔(図示せず)から燃焼ガス路23内に放出される。
【0027】
以下に、本実施の形態により得られる作用効果を順次説明する。
(1)タービンロータの信頼性向上
ここで、本実施の形態との比較例を図4を用いて説明する。但し、図4において図2と同様又は同様の機能を果たす部分には同符号を付し説明を省略する。
この図4に示すように、従来、動翼16の冷却空気26は、高圧抽気スリット25から抽気され中空の中間軸4の内部空間を通ってタービンロータ3Aに供給されていた。即ち、冷却空気26は一旦タービンロータ3Aの軸心付近の内部空間に導かれてからタービンロータ3A外周側、つまり動翼16に導かれる。そのため、冷却空気26は、タービンロータ3Aの内側から外側に導かれる際、各タービンディスク17とスペーサ18とを嵌合するインロー部19に接触する。
【0028】
近年においては、ガスタービンの高出力化に伴って圧縮機1で精製される圧縮空気1bが高圧化してきており、それだけ冷却空気26が高温化してきている。そのため、インロー部19は、タービンロータ3Aの軸精度を決定付ける部位でありながら、高温の冷却空気26との接触によってメタル温度の変動幅が大きく、熱変形量も増大してきている。比較的低温の中圧又は低圧の圧縮空気を冷却空気に用いることも考えられるが、燃焼ガス路23の圧力が高い第1段落22aにおいては、中圧又は低圧の冷却空気では燃焼ガス路23の圧力よりも低くなってしまい、動翼16に燃焼ガス2bが流入し動翼16を溶損してしまう可能性があるため、少なくともこの第1段落22aの動翼16には高圧の冷却空気26を用いる必要がある。従って、今後更なる高出力化が予想されるガスタービンにおいては、図4のような従来構造のままでは、上記の熱変形に起因するタービンロータ3Aの芯振れ(アンバランス)の増大が予想され、タービンロータ3Aの信頼性確保のためにはインロー部19の熱変形量を何等かの方策により極力抑制しなければならない。
【0029】
本実施の形態の特徴は、このような観点に基づくものであり、従来中間軸4の内部空間を通していた冷却空気26を中間軸4(前述のように、フランジがある場合はそれを除く胴部)の外周面よりも径方向外側を通すことで、タービンロータ3Aにおけるインロー部19よりも外側位置に高圧の冷却空気26を流入させる。これにより、各動翼16への冷却空気26がインロー部19(又はその近傍)に接触することを防止することができ、インロー部19に対する冷却空気26からの熱の流入を飛躍的に低減させることができる。従って、本実施の形態においては、更に高出力化が進み冷却空気26がより高温化したとしても、インロー部19の熱変形を極力抑制することができ、タービンロータ3Aのアンバランスを抑制し信頼性を向上させることができる。
【0030】
(2)製作容易性向上
インロー部19には熱変形に起因する応力が発生し、しかもその熱変形量は運転状態によって変化する。従って、設計時には想定される各運転状態においてインロー部19に緩みが生じないようその変形量を考慮しなければならない。従って、熱変形量が大きいとそれだけ設計も難しくなり、製作性が悪くなる。それに対し、本実施の形態においては、前述のようにインロー部19の熱変形量を極力抑制することができるので、製作性を向上させることができる。
【0031】
また、一般的に、回転体の中心付近には大きい遠心応力が働くので、その回転体を中空にした場合、中空部内壁近傍部分は、作用する応力に耐え得るだけの強度を有していなければならない。そこで、この種の高速回転下におかれる回転体においてこれを中空に形成する場合、一般的に定格回転よりも高い回転速度で回転させた状態(オーバースピン)で中空部内壁付近に熱処理を施し、常温時に圧縮応力が残留するようにする。これにより、高速回転下において遠心応力と残留応力とを相殺させ、各運転状態において中空部内壁に作用する応力の絶対値を低減させることができる。従来のようにタービンディスクを中空にせざるを得ない場合、製造過程において、こうした熱処理工程を行う必要があった。
【0032】
これに対し、本実施の形態においては、冷却空気26をタービンロータ3Aの軸心付近に供給する必要がないので、タービンロータ3Aを構成するタービンディスク17やスペーサ18(勿論、圧縮機ディスク9も同様)を必ずしも中実に形成する必要はなく、中実に構成することもできる。従って、中実に構成した場合には、上記の熱処理工程を省略することができ、製作の容易性を向上させると共に、それだけ低コスト化することもできる。
【0033】
本発明のガスタービンの第2の実施の形態を図5を用いて説明する。
図5は、本実施の形態のガスタービンの要部の詳細構造を表す部分断面図で、先の図2に対応する図である。但し、この図5において、図2と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
本実施の形態は、ガスタービンの更なる高出力化に伴ない、作動ガスの高温・高圧化が更に進んだ場合においても有効な実施の形態である。
【0034】
図5に示すように、本実施の形態においては、タービン3の第1段落22aのタービンディスク17及び第2段落22bのスペーサ18に前述の流通孔28(図3参照)を設け(その他のタービンディスク17及びスペーサ18の流通孔28は省略)、第1〜第3段落22a〜22cのタービンディスク17を中空に形成している。また、中圧の段落の圧縮空気主流路12の内周側には、中圧抽気スリット30を設けると共に、この中圧抽気スリット30を設けた段落以後の段落の圧縮機ディスク9を中空に形成している。中圧抽気スリット30の設置位置は、圧縮空気主流路12において、抽気する冷却空気が燃焼ガス路23の第2段落22b付近の圧力よりも高くなる位置とする。但し、冷却空気の流れに伴う圧力損失があるのでこれを考慮する。
これにより、本実施の形態においては、高圧抽気スリット25から抽気した高圧の冷却空気26を、中間軸4外側の抽気導入路、流通孔28、分岐流路29(図3参照)を介して高圧環境の第1段落22aのタービン動翼16に供給すると共に、中圧抽気スリット30から抽気した中圧の冷却空気26’を、圧縮機ディスク9、中間軸4、タービンディスク17の各中空部、及び各タービンディスク17の中空部から径方向外側に設けた分岐流路(図示せず)を介し、徐々に燃焼ガス圧力が下がりつつある第2〜第4段落22b〜22dの動翼16に供給するようになっている。その他の構成は、前述の第1の実施の形態と同様である。
【0035】
ここで、インロー部19のメタル温度は接触する部品及び雰囲気との熱伝導により決定付けられる。即ち、図4の比較例ではタービンディスク17及びスペーサ18の熱伝導及び冷却空気26との熱伝導により定まり、前述の第1の実施の形態ではタービンディスク17及びスペーサ18の熱伝導及びスペーサ18の中空部に介在する雰囲気との熱伝導により定まる。
ガスタービンの起動過程を考えると、タービンロータの構成部品(本実施の形態の動翼16、タービンディスク17、スペーサ18等)は、一般的に起動前の常温状態から、燃焼ガス路や冷却空気流路に臨む部分から上昇し周辺に熱伝導していく。よって、第1の実施の形態と図4の比較例とでは、前述の効果によりガスタービン中心部の温度上昇は第1の実施の形態の方が遅くなり、この傾向はガスタービン出力が高くなればなるほど顕著となる。このことは、タービン3のタービンディスク17は勿論のこと、圧縮機ディスク9、中間軸4等の径方向のメタル温度勾配が、第1の実施の形態の方が比較例よりも大きくなることを意味する。その結果、仮に、更に高出力化が進み冷却空気26が高温化した場合、第1の実施の形態において、タービンディスク17のメタル温度勾配が大きくなると、熱応力発生による強度信頼性、回転体としてのアンバランスによる運用上の信頼性が低下することも考えられないわけではない。
【0036】
そこで、本実施の形態においては、高圧の第1段落22aの動翼16には、第1の実施の形態と同様に、インロー部19より外側位置から供給する一方、それ以後の第2〜第4段落22b〜22dの動翼16には、中圧抽気スリット30から抽気した中圧の冷却空気26’をタービンロータ3Aの中心部経由で供給する。そのため、第2段落22b以後のインロー部19は冷却空気26’に接触することになるが、この冷却空気26’は中圧であって冷却空気26に比して低温であり、インロー部19に与える熱変形は許容範囲内であると共に、高圧の冷却空気26はいずれのインロー部19にも接触しないので、本実施の形態においても前述した効果(1)を得ることができる。
【0037】
加えて、本実施の形態においては、第2段落22b以後の動翼16の冷却に際し、比較的低温の中圧の冷却空気26’を中間軸4内側を通してタービンロータ3Aの中心部に供給することにより、起動時にタービンロータ3Aを内側から暖気することで、タービンロータ3Aの各構成部品のメタル温度勾配を緩和することができ、今後更に高出力化が進んだ場合に第1の実施の形態において生じる可能性のある前述の技術的課題に対応することができる。
【0038】
更に、燃焼ガス流路23において中圧〜低圧領域にある第2〜第4段落22b〜22dの動翼16の冷却空気として、比較的低温の中圧の冷却空気26’を使用するので、冷却空気量を削減することができ、燃焼ガス2bを増加させることができる。これにより、タービン出力が増大し、ガスタービン全体としてエネルギー効率を向上させることができる。また、第1〜第4段落22b〜22dにおいては、燃焼ガス路23内の圧力は第1段落22aに対して低くなっており、第1の実施の形態のように、第2〜第4段落22b〜22dの動翼16の冷却空気として、第1段落22aと同じ高圧の冷却空気26を用いると、第2〜第4段落22b〜22dにおける冷却空気と燃焼ガスとの圧力差が必要以上に大きくなり、それだけエネルギーロスにつながる。これに対しても、本実施の形態においては、第2〜第4段落22b〜22dに中圧の冷却空気26’を供給することにより、そうしたエネルギーロスを緩和することができる。これによってもエネルギー効率を向上させることができる。
【0039】
なお、本実施の形態において、中圧抽気スリット30から抽気した冷却空気26’を、そのまま圧縮機ロータ1Aの中心部に導く構成としたが、この中圧の冷却空気26’の流通経路としては、図5の態様に限られない。例えば図6に示したように、中圧抽気スリット30以後の段落において、圧縮機ディスク9を先に図3に示したタービンディスク17とほぼ同じ態様に構成することにより、冷却空気26’を圧縮機ロータ1Aの中心部ではなく、圧縮機ディスク9のインロー部よりも径方向外側(例えば各スタッキングボルト10の間の位置)に設けた流通孔を通して中間軸4内に導くようにしても良い。この場合も第2の実施の形態と同様の効果を得ることができ、なおかつ、本例の場合には、圧縮機ディスク8を中実に形成することもできる。
【0040】
また、図5及び図6には、タービン3における低圧領域である第3及び第4段落22c,22dの動翼16の冷却空気に、中圧抽気スリット30から抽気した中圧の冷却空気26’を用いた例を図示したが、必ずしもこれに限られない。例えば、中圧抽気スリット30よりも更に圧縮空気主流路12の上流側に低圧抽気スリットを別途設けると共に、中間軸4を二重管構造とする等して、低圧抽気スリットから抽気した更に低圧低温の冷却空気を冷却空気26’と別系統で第3及び第4段落22c,22dの動翼16に供給しても良い。これらの場合も同様の効果を得ると共に、更なるエネルギー効率向上の効果を得ることができる。
【0041】
また、図2、図4〜図6においては、各タービンディスク17間にスペーサ18を介設したものを例示したが、スペーサ18は必ずしもタービンディスク17と別部材でなくてもよく、タービンディスク17と一体構成としても構わない。また、以上において、圧縮機ディスク9やタービンディスク17をインロー構造によって嵌合する場合を説明したが、他の嵌合構造を採用した場合にも、本発明は適用可能である。これらの場合も同様の効果を得る。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、高温の冷却空気がディスクの嵌合部又はその近傍に接触することを防止することができるので、嵌合部に対する冷却空気からの熱の流入を飛躍的に低減させることができ、更に高出力化が進み冷却空気がより高温化したとしても、嵌合部の熱変形を極力抑制することができ、タービンロータのアンバランスを抑制し信頼性を確保することができる。
【0043】
請求項2記載の発明によれば、上記に加え、タービンにおける中圧又は低圧の段落の動翼の冷却に際し、比較的低温の中圧の冷却空気を中間軸内側を通してタービンロータの中心部に供給することにより、起動時にタービンロータを内側から暖気することができるので、タービンロータの各構成部品のメタル温度勾配を緩和することができ、より高い信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービンの第1の実施の形態の全体構成を簡略的に表す回路図である。
【図2】本発明のガスタービンの第1の実施の形態の要部の詳細構造を表す部分断面図である。
【図3】図2中のA−A断面による断面図である。
【図4】本発明のガスタービンの第1の実施の形態との比較例を表す図である。
【図5】本発明のガスタービンの第2の実施の形態の要部の詳細構造を表す部分断面図である。
【図6】本発明のガスタービンの第2の実施の形態の変形例の要部の詳細構造を表す部分断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
2 燃焼器
3 タービン
3A タービンロータ
4 中間軸
12 圧縮空気主流路
16 動翼
17 タービンディスク
19 インロー部
23 燃焼ガス
25 高圧抽気スリット
28 流通孔(冷却空気流路)
29 分岐流路(冷却空気流路)
30 中圧抽気スリット
Claims (3)
- 取り入れた吸気を圧縮し圧縮空気を精製する圧縮機と、
この圧縮機からの圧縮空気を燃焼させ燃焼ガスを生成する燃焼器と、
外周部に複数の動翼を取付けた中空のタービンディスクを軸方向に複数段落設けたタービンロータを有し、燃焼ガス路を流れる前記燃焼器からの燃焼ガスにより前記タービンロータの軸動力を得るタービンと、
前記圧縮機の圧縮機ロータ及び前記タービンロータを連結する中空の中間軸と、
前記圧縮機の圧縮空気主流路の高圧部に設けた高圧抽気スリットと、
前記中間軸の外周面よりも径方向外側に設けられ、前記高圧抽気スリットからの抽気を前記タービンに導く抽気導入路と、
前記タービンロータにおける各タービンディスクのインロー部と、
前記タービンロータにおける前記インロー部よりも径方向外側に穿設され内周側に前記インロー部に接触する通路を分岐させることなく前記燃焼ガス路に接続し、前記抽気導入路を介して導かれた抽気を該段落の動翼の冷却空気として前記インロー部又はその近傍に接触させずに流通させる冷却空気流路と、
前記圧縮機の圧縮空気主流路の中圧部に設けられ、前記中間軸及び前記タービンディスクの各中空空間を介し、少なくとも前記燃焼ガス路の中圧部の段落の前記動翼に導かれる冷却空気を抽気する中圧抽気スリットと
を備えたことを特徴とするガスタービン。 - 請求項1記載のガスタービンにおいて、前記中圧抽気スリットからの抽気は、前記圧縮機ロータの中心部を流通し前記中間軸の中空空間に導かれることを特徴とするガスタービン。
- 請求項1記載のガスタービンにおいて、前記中圧抽気スリットからの抽気は、前記圧縮機ロータを構成する複数の圧縮機ディスクの互いの嵌合部よりも径方向外側位置を流通し、前記中間軸の中空空間に導かれることを特徴とするガスタービン。
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