JP4088101B2 - 超音波式流速測定方法および流速計 - Google Patents

超音波式流速測定方法および流速計 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は超音波式流速測定方法および流速計に関し、特に、川の両岸と同岸にセンサを設置することにより、水の濁度上昇による超音波の減衰の影響を受けずに流速を計測できる超音波式流速測定方法および流速計に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の超音波伝達時間差方式による流速計で流速・流向を計測する方法を示す図である。図4において、河川1の一方側岸に超音波を用いた上流側センサS11が設置されており、対岸には同じく超音波を用いた下流側センサS12が設置されている。上流側センサS11と下流側センサS12との距離は精度を上げるために長く選ばれる。
【0003】
図4において、センサS11とセンサS12とを結ぶ線が流れに対してなす角度をθとする。音の見かけ速度は流速に比例し、下流のセンサS12から上流のセンサS11に向かって発信された超音波信号の速度は、上流のセンサS11から下流のセンサS12に向かって発信されたものより遅くなる。双方から発信された超音波信号が相手側に到達するまでの時間差を計測することにより、下記の式を用いて流速および流向を計算することができる。
【0004】
下流向き到達時間Td=L/(c+Vcosθ)…(1)
上流向き到達時間Tu=L/(c−Vcosθ)…(2)
L:測線間距離、c:水中音速、V:測線水位での平均流速
ここで、c≫Vであるため、
V=(c2ΔT)/(2Lcosθ)…(3)
ここで、ΔT=Tu−Td
水中の音速cは、水温によって変わるため、計測された時間差と取付け時に入力した測線間距離とに基づいて計算する。
【0005】
すなわち、c=L/T :時間差平均=(Tu+Td)/2
したがって、平均流速Vは、
V=(LΔT)/(2Tcosθ)…(4)
で表される。よって、上式の中に水中音速cが消えることにより、平均流速Vは水温による誤差がなくなる。
【0006】
また、下流のセンサS12から上流のセンサS11に向かって発信された超音波信号の速度は、上流のセンサS11から下流のセンサS12に向かって発信されたものより遅くなるので、それぞれのセンサS11,S12の出力を比較することにより流向を測定できる。
【0007】
また、河川1は上層と下層とでは流速が異なることが多いため、水深による補正をかけるために深さの異なる位置に2台(合計4台)のセンサが設置される。
【0008】
河川1の流速は、計測する場所によってもかなり差があるため、センサの設置場所による流速誤差を生じる。この誤差を補正するために、たとえば特開昭62−148862号公報には数箇所にセンサを配置することが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水中の浮遊物などにより濁度が上昇すると、超音波の伝搬が阻害され、計測不可となるため、計測可能な濁度の範囲が指定される。このため、濁度が指定された範囲を超えると図4に示す流速・流向の計測方法は使用することができないという問題がある。
【0010】
流速・流向計は、図5に示すように本流2の河川に流れ込む支流3の水量を調整するための樋門4の開閉制御に用いられており、本流2の水位が上昇したり、流速が速くなると樋門4を閉じて本流2の流れが支流3に逆流しないように制御される。ところが、支流3の濁度が上昇して流量の測定ができなくなると、樋門4の制御ができなくなり、水が本流2から支流3へ逆流してしまい、洪水の原因になるという問題がある。
【0011】
それゆえに、この発明の主たる目的は、水の濁度が大きいか小さいかを問わずに河川の水の流速を計測し得る超音波式流速測定方法および超音波式流速測定計を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
の発明に係る超音波式流速測定方法は、河川の水の流速を測定する超音波式流速測定方法であって、河川の一方側岸に第1の超音波センサを配置し、河川の他方側岸に第1の超音波センサから流れに沿って所定距離離れた位置に第2の超音波センサを配置し、河川の一方側岸に第1の超音波センサから流れに沿って所定距離よりも短い距離離れた位置に第3の超音波センサを配置し、水の濁度が小さいときは第1の超音波センサから送信された超音波信号が河川の水を介して第2の超音波センサに到達するのに必要な第1の時間と、第2の超音波センサから送信された超音波信号が河川の水を介して第1の超音波センサに到達するのに必要な第2の時間とを検出し、検出した第1および第2の時間の差に基づいて河川の水の流速を求め、水の濁度が大きいときは第1の超音波センサから送信された超音波信号が河川の水を介して第3の超音波センサに到達するのに必要な第3の時間と、第3の超音波センサから送信された超音波信号が河川の水を介して第1の超音波センサに到達するのに必要な第4の時間とを検出し、検出した第3および第4の時間の差に基づいて河川の水の流速を求めることを特徴とする。
【0015】
これにより、濁度が大きいか小さいかを問わず流速の測定が可能になる。
さらに、河川の水の流速に基づいて河川の水の流向を求めることを特徴とする。
【0016】
また、第2および第3の超音波センサは第1の超音波センサよりも河川の下流側に配置されることを特徴とする。
【0017】
また、この発明に係る超音波式流速計は、河川の水の流速を測定する超音波式流速計であって、河川の一方側岸に配置される第1の超音波センサと、河川の他方側岸に第1の超音波センサから流れに沿って所定距離離れた位置に配置される第2の超音波センサと、河川の一方側岸に第1の超音波センサから流れに沿って所定距離よりも短い距離離れた位置に配置される第3の超音波センサと、水の濁度が小さいときは第1の超音波センサから送信された超音波信号が河川の水を介して第2の超音波センサに到達するのに必要な第1の時間と、第2の超音波センサから送信された超音波信号が河川の水を介して第1の超音波センサに到達するのに必要な第2の時間とを検出し、検出した第1および第2の時間の差に基づいて河川の水の流速を求め、水の濁度が大きいときは第1の超音波センサから送信された超音波信号が河川の水を介して第3の超音波センサに到達するのに必要な第3の時間と、第3の超音波センサから送信された超音波信号が河川の水を介して第1の超音波センサに到達するのに必要な第4の時間とを検出し、検出した第3および第4の時間の差に基づいて河川の水の流速を求める測定手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、測定手段は、水の濁度が小さいときは第2の超音波センサを選択し、水の濁度が大きいときは第3の超音波センサを選択するためのセンサ切換手段と、第1の超音波センサセンサ切換手段によって選択された第2または第3の超音波センサとのうちの一方の超音波センサを送信側センサとして選択するとともに他方の超音波センサを受信側センサとして選択した後、一方の超音波センサを受信側センサとして選択するとともに他方の超音波センサを送信側センサとして選択するための送受切換手段と、送受切換手段によって選択された送信側センサに超音波発振信号を与えるための発振手段と、送受切換手段によって選択された受信側センサ出力に基づいて、送信側センサから送信され、河川の水中を伝搬してきた超音波信号を受信する受信手段と、発振手段によって送信側センサに超音波発振信号が与えられてから受信手段によって超音波信号が受信されるまでの時間に基づいて河川の水の流速を計測する計測手段とを含むことを特徴とする。
【0019】
また、計測手段は、さらに、河川の水の流速に基づいて河川の水の流向を求めることを特徴とする。
また、第2および第3の超音波センサは第1の超音波センサよりも河川の下流側に置されることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施形態である超音波伝搬時間差方式の原理を示す図である。図1において、河川1の一方側岸には超音波式のセンサS1が設置され、他方側の対岸には下流側に流れに対して角度θを有しかつ所定の距離を隔てて超音波式のセンサS2が設置され、センサS1と同岸側の下流側には超音波式のセンサS3が設置される。センサS1とS2との距離はセンサS1とS3との距離に比べて十分長くなるように選ばれている。
【0024】
河川1の降雨時の濁度が小さい場合は、前述の図4での流速計の説明と同様にしてセンサS1とS2との間で流速・流向の計測が行なわれる。これにより精度の高い測定が行なわれる。
【0025】
降雨時の濁度が大きくなると微粒子の影響を受けるため超音波の伝搬が阻害されることにより、超音波が伝搬されなくなり、センサS1とセンサS2とによる流速の計測が不可となる。
【0026】
そこで、降雨時の濁度が大きくなると、河川1の同岸に設置されているセンサS1とS3との間で流速・流向の計測が行なわれる。濁度による超音波の伝搬の影響は距離に比例し、伝搬距離が短い場合は濁度の影響を受けず、超音波の伝搬が可能となる。センサS1とセンサS3との距離は短く設定されているので、濁度が大きくなっても流速の計測は可能となる。
【0027】
図2はこの発明の第1の実施形態における流速計のブロック図である。図2において、センサS1は送受切換スイッチ11の端子c側に接続され、センサS2はセンサ切換スイッチ12の端子a側に接続され、センサS3はセンサ切換スイッチ12の端子b側に接続される。センサ切換スイッチ12は、降雨時の濁度が小さい場合にはセンサS2を選択し、濁度の大きい場合にはセンサS3を選択するように手動的に切換える。センサ切換スイッチ12の共通端子cは送受切換スイッチ13の共通端子cに接続される。
【0028】
送受切換スイッチ11,13はセンサS1,S2,S3を送信または受信状態に切換えるものであり、たとえばリレーや半導体切換回路などによって構成される。送受切換スイッチ11,13の端子aは受信アンプ16の入力に接続され、送受切換スイッチ11の端子bは加振部14の出力に接続され、送受切換スイッチ13の端子aは加振部15の出力に接続される。受信アンプ16の出力は波形整形回路18に与えられるとともに、AGC回路17に与えられる。AGC回路17は受信アンプ16の出力レベルが一定になるように受信アンプ16の出力に応じて受信アンプ16の利得を制御する。波形整形回路18は受信アンプ16から出力された信号の波形整形を行って計測回路19に出力する。
【0029】
計測回路19は受信出力に基づいて流速を計測するとともに、制御回路20に測定指令信号を出力する。制御回路20は計測回路19からの測定指令信号に応じて、加振部14,15からセンサS1〜S3を加振させるための超音波信号を発振させるために発振指令信号を加振部14,15に与える。この発振指令信号は計測回路19にも与えられる。また、制御回路20は切換信号を送受切換スイッチ11,13に与え、これらを送信側,受信側に切換える。センサ切換スイッチ12は降雨時の濁度が小さい場合はセンサS2側に切換え、濁度が大きい場合はセンサS3側に切換えられるが、この切換えは手動で行なわれる。
【0030】
次に、この発明の一実施形態における流速計の動作について説明する。雨が降っていないときや降雨時であっても濁度が小さいときには手動でセンサ切換回路12をセンサS2側の端子a側に切換える。制御回路20は加振部14,15に発振指令信号を与えて超音波信号を発振させるとともに、送受切換スイッチ11を送信側のb端子側に切換え、送受切換スイッチ13を受信側の端子b側に切換える。これにより、加振部14で発振された超音波信号は送受切換スイッチ11からセンサS1に与えられる。
【0031】
センサS2はセンサS1から水中を通過した超音波信号を受信し、センサS2の出力はセンサ切換スイッチ12から送受切換スイッチ13を介して受信アンプ16に与えられる。受信アンプ16は受信信号を増幅し、AGC回路17により一定の受信レベルにされて波形整形回路18に与えられる。波形整形回路18は受信信号の波形整形を行って計測回路19に与える。計測回路19は制御回路20からの発振指令信号が与えられてから波形整形された受信出力が与えられるまでの時間に基づいて、従来例で説明した第(1)式を用いて下流向き到達時間Td1を計測する。
【0032】
次に、制御回路20は送受切換スイッチ11,13を切換えて、センサS1を受信側とし、センサS2を送信側とし、センサS2からセンサS1に向けて超音波信号を発振させる。そして、センサS1の受信出力が受信アンプ16に与えられて増幅され、AGC回路17により受信レベルが一定にされ、波形整形回路18で波形整形され、計測回路19により第(2)式を用いて上流向き到達時間Tu1が計測される。
【0033】
第(1)式および第(2)式で求めた下流向き到達時間Td1および上流向き到達時間Tu1に基づいて第(3)式を用いて測線水位での平均流速V1を算出し、第(4)式を用いて水中での平均流速を求める。
【0034】
これにより雨が降っていないときや、降雨時であっても濁度が小さい場合は、センサS1とS2とを用いて通常の設置状態で流速を計測することができ、精度のよい流速を測定できる。
【0035】
河川1の水の濁度が上昇し、流速の計測が不可能になると、センサ切換スイッチ12をセンサS3側に切換える。そして、送受切換スイッチ11,13を切換えてセンサS1を送信状態にするとともにセンサS3を受信状態にして、下流向き到達時間Td2を計測し、次にセンサS1を受信状態にするとともにセンサS3を送信状態に切換えて上流向き到達時間Tu2を計測し、これらの値から平均流速V2を算出し、さらに水中での平均流速を求める。
【0036】
降雨時の濁度が大きい場合は、センサS1とS2とを用いる通常の計測方法では、砂や土などの微粒子の影響を受け、超音波の伝搬が阻害されることにより、超音波が伝搬されなくなり、流速の計測が不可能になる。しかし、濁度による超音波の伝搬の影響は、距離に比例し、伝搬距離が短い場合は、上述のごとく比較的近くに設置されているセンサS1とS3とを用いることにより、濁度の影響を受けず、超音波の伝搬は可能となる。
【0037】
なお、上述の実施形態では、超音波の伝搬状態を人間が判断してセンサ切換スイッチ12を手動的に切換えるようにしたが、計測回路19によって超音波の伝搬状態を判断し、その結果に基づいて制御回路20によってセンサ切換スイッチ12を切換えるようにしてもよい。
【0038】
また、計測した流速に基づいて水の流れがいずれの方向(流向)であるかを容易に検知できるので流速・流向計としても利用できる。
【0039】
上述のごとく、この実施形態によれば、濁度が小さい通常の状態ではそれぞれが対岸に設けられているセンサS1とS2とを用いて、河川1全体の流速・流向を計測することにより精度の良好な計測ができ、降雨時の濁度上昇時には同岸に設けられているS1とセンサS3とを用いて流速・流向を計測することにより、どのような水質であっても流速・流向の計測が可能となる。
【0040】
なお、濁度が上昇した場合、同岸に設置されているセンサS1とS3とを用いた計測となるため、センサS1とS3の設置箇所周辺のみの流速計測しかできないが、濁度が上昇している場合は、流速が速く、乱流条件となるため岸近傍の流速計測であっても特に問題になることはない。
【0041】
また、降雨時に同岸に設置したセンサS1とS3とを用いて濁度の影響を受けることなく流向のみを計測するようにしてもよい。これにより、降雨時に本流の河川から支流への逆流のみを検知する単なる流向計としての使用に十分対応でき、設置費も安くなる。
【0042】
さらに、この発明は本流と支流との間の樋門制御のみならず、ポンプにて支流の水を本流に放出する場合のポンプ制御にも適用できる。
【0043】
なお、上述の実施形態では、3つのセンサS1〜S3を設置する必要があるが、1つのセンサを超音波ドップラのセンサとして用いることにより、上述の実施形態と同様の効果を奏することもできる。次に、そのような実施形態について説明する。
【0044】
図3はこの発明の第2の実施形態におけるドップラ方式を用いた流速計のブロック図である。図3において、発振回路21は、水中へ送信する超音波周波数信号を出力するものであり、その発振信号はバースト作成回路22と混合回路23とに与えられる。バースト作成回路22はタイミング発生器24からのタイミング信号を受けて、ある時間間隔の間のみ発振回路21からの超音波周波数信号をセンサS4に印加させる。センサS4は超音波周波数信号を水中に送信し、浮遊物により反射した超音波信号を受信する。
【0045】
切換回路25はバースト作成回路から与えられる超音波周波数信号をセンサS4に与えるか、超音波センサS4で受信した超音波信号を受信回路26に与えるかを切換える。受信回路26は受信された超音波信号を増幅して混合回路23に与える。混合回路23は送信した超音波周波数信号と受信した超音波周波数信号とを混合することにより、送信した周波数と受信した周波数の差分を検出する。この差分の周波数がドップラ周波数になる。
【0046】
混合回路23から出力された周波数の差分はLPF27に与えられ、低域帯の周波数であるドップラ周波数に対してノイズ成分となる高域の周波数成分が除去される。高域成分の除去された周波数の差分信号は周波数分析回路28に与えられてドップラ周波数が解析される。周波数の解析結果は計測回路29に与えられてドップラ周波数から流速が演算される。演算された流速に関する情報は出力部30に与えられる。出力部30はプリンタや表示部などから構成されていて、演算された流速が表示される。
【0047】
この実施形態では、切換回路25が送信側に切換えられ、発振回路21で発振されたある周波数の超音波信号がバースト作成回路22によってタイミング発生器24からのタイミング期間だけ超音波センサ20に供給され、センサS4によりセンサ音が打出される。センサ音が打出されると直ちに切換回路25が受信側に切換えられる。
【0048】
受信回路26は切換回路25を介して与えられる水中の浮遊物により反射した超音波信号を受信して増幅し、増幅された超音波信号と送信した超音波信号とが混合回路23で混合されてドップラ周波数が出力される。LPF27でドップラ信号に含まれる高域成分が除去され、計測回路29でドップラ周波数から流速が演算されて出力部30に出力される。
【0049】
この実施形態では、1個のセンサS4を用いてドップラ方式で流速を測定できる利点がある。また、この実施形態においても測定した流速に基づいて流向を検知するようにしてもよい。
【0050】
なお、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせて構成してもよい。すなわち、図1に示したセンサS1とS2とを用いて、通常時には第1の実施形態で説明した超音波伝搬時間差方式によって流速を測定し、濁度の上昇時にはいずれかのセンサを用いて超音波ドップラ方式により流速を測定すればよい。この場合、センサは3個設ける必要がなくなり、2個のセンサで対応できる。
【0051】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、河川の一方側岸に第1の超音波センサを配置し、対岸に第1の超音波センサから流れに沿って所定距離離れた位置に第2の超音波センサを配置することにより、水の濁度が小さいときは第1の超音波センサと、第2の超音波センサとの間で流速を測定することができる。
【0053】
さらに、同岸側に流れに沿って所定距離よりも短い距離を隔てて第3の超音波センサを配置し水の濁度が大きいときは第1の超音波センサと第3の超音波との間で流速を測定することができ、濁度に応じて流速の測定が可能となり、樋門やポンプの制御などに有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の原理を示す図である。
【図2】 この発明の原理を用いた流量計の一実施形態のブロック図である。
【図3】 この発明の他の実施形態におけるドップラ方式を用いた流量計のブロック図である。
【図4】 従来の超音波伝達時間差方式による流速計で流速・流向を計測する方法を示す図である。
【図5】 本流の河川に流れ込む支流の水量を調整するための樋門を示す図である。
【符号の説明】
11,13,25 送受切換回路、12 センサ切換えスイッチ、14、15加振部、16,26 受信アンプ、17 AGC回路、18 波形整形回路、19,29 計測回路、20 制御回路、21 発振回路、22 バースト作成回路、23 混合回路、24 タイミング発生器、27 LPF、28 周波数分析回路、30 出力回路。

Claims (7)

  1. 河川の水の流速を測定する超音波式流速測定方法であって、
    前記河川の一方側岸に第1の超音波センサを配置し、前記河川の他方側岸に前記第1の超音波センサから流れに沿って所定距離離れた位置に第2の超音波センサを配置し、前記河川の一方側岸に前記第1の超音波センサから流れに沿って前記所定距離よりも短い距離離れた位置に第3の超音波センサを配置し、
    前記水の濁度が小さいときは前記第1の超音波センサから送信された超音波信号が前記河川の水を介して前記第2の超音波センサに到達するのに必要な第1の時間と、前記第2の超音波センサから送信された超音波信号が前記河川の水を介して前記第1の超音波センサに到達するのに必要な第2の時間とを検出し、検出した前記第1および第2の時間の差に基づいて前記河川の水の流速を求め、
    前記水の濁度が大きいときは前記第1の超音波センサから送信された超音波信号が前記河川の水を介して前記第3の超音波センサに到達するのに必要な第3の時間と、前記第3の超音波センサから送信された超音波信号が前記河川の水を介して前記第1の超音波センサに到達するのに必要な第4の時間とを検出し、検出した前記第3および第4の時間の差に基づいて前記河川の水の流速を求めることを特徴とする、超音波式流速測定方法。
  2. さらに、前記河川の水の流速に基づいて前記河川の水の流向を求めることを特徴とする、請求項1に記載の超音波式流速測定方法。
  3. 前記第2および第3の超音波センサは前記第1の超音波センサよりも前記河川の下流側に配置されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の超音波式流速測定方法。
  4. 河川の水の流速を測定する超音波式流速計であって、
    前記河川の一方側岸に配置される第1の超音波センサ、
    前記河川の他方側岸に前記第1の超音波センサから流れに沿って所定距離離れた位置に配置される第2の超音波センサ、
    前記河川の一方側岸に前記第1の超音波センサから流れに沿って前記所定距離よりも短い距離離れた位置に配置される第3の超音波センサ、および
    前記水の濁度が小さいときは前記第1の超音波センサから送信された超音波信号が前記河川の水を介して前記第2の超音波センサに到達するのに必要な第1の時間と、前記第2の超音波センサから送信された超音波信号が前記河川の水を介して前記第1の超音波センサに到達するのに必要な第2の時間とを検出し、検出した前記第1および第2の時間の差に基づいて前記河川の水の流速を求め、前記水の濁度が大きいときは前記第1の超音波センサから送信された超音波信号が前記河川の水を介して前記第3の超音波センサに到達するのに必要な第3の時間と、前記第3の超音波センサから送信された超音波信号が前記河川の水を介して前記第1の超音波センサに到達するのに必要な第4の時間とを検出し、検出した前記第3および第4の時間の差に基づいて前記河川の水の流速を求める測定手段を備えたことを特徴とする、超音波式流速計。
  5. 前記測定手段は、
    前記水の濁度が小さいときは前記第2の超音波センサを選択し、前記水の濁度が大きいときは前記第3の超音波センサを選択するためのセンサ切換手段と、
    前記第1の超音波センサ前記センサ切換手段によって選択された前記第2または第3の超音波センサとのうちの一方の超音波センサを送信側センサとして選択するとともに他方の超音波センサを受信側センサとして選択した後、前記一方の超音波センサを受信側センサとして選択するとともに前記他方の超音波センサを送信側センサとして選択するための送受切換手段と、
    前記送受切換手段によって選択された送信側センサに超音波発振信号を与えるための発振手段と、
    前記送受切換手段によって選択された受信側センサ出力に基づいて、前記送信側センサから送信され、前記河川の水中を伝搬してきた超音波信号を受信する受信手段と、
    前記発振手段によって前記送信側センサに超音波発振信号が与えられてから前記受信手段によって超音波信号が受信されるまでの時間に基づいて前記河川の水の流速を計測する計測手段とを含むことを特徴とする、請求項に記載の超音波式流速計。
  6. 前記計測手段は、さらに、前記河川の水の流速に基づいて前記河川の水の流向を求めることを特徴とする、請求項5に記載の超音波式流速計。
  7. 前記第2および第3の超音波センサは前記第1の超音波センサよりも前記河川の下流側に置されることを特徴とする、請求項4から請求項6までのいずれかに記載の超音波式流速計。
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