JP4087616B2 - 液面測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液面感知の分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
既に、多数のこの種の装置が提案されている。
【0003】
例えば、フランス国特許出願第2,367,276号には、タンクに入った液体の液面制御を可能にする装置が記載されている。この装置は、液体に部分的に浸漬した抵抗測深器と、この測深器に電気エネルギーを与えることができる給電手段と、測深器の電圧および電流の大きさの少なくとも1つに対して感度の高い手段と、電気エネルギーの供給開始時に、その初期値に対する上記の大きさの変化を監視することにより、そこから液面に関する情報を引き出すための手段とを備える。従来の文献に基づいて得られる液面表示は、例えば、液面閾値に達したとき、警報を実施するのに十分な信頼度を有する。
【0004】
この装置の変形および/または改良形態は、フランス国特許出願第2,514,497号、フランス国特許出願第2,690,521号、フランス国特許出願第2,703,074号およびフランス国特許出願第2,703,775号の各文献に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、新規な液面感知装置を提供することを目的とする。
【0006】
液体中に少なくとも部分的に浸漬するよう設計された抵抗測深器(10)と、
前記測深器(10)に、制御電源からの電流を流すことができる給電手段(20)と、
前記測深器(10)の端子で得られる電圧の時間に関する導関数の値を監視する手段と、
既知の最大レベルと最小レベルのそれぞれについて得られる値と測定値に対応する導関数の基準値とを比較することにより前記最大レベルと最小レベルとの間の液体のレベルを測定する手段(32)と
を含むことを特徴とする液面感知装置、
によって達成される。
【0007】
本発明の有利な別の特徴によれば、この装置は、さらに、液体の温度に応じた補正手段を含む。
【0008】
考慮した変形例によれば、この温度に応じた補正手段は、抵抗測深器に供給した電流の振幅、最小値と最大値との間で定められる測定範囲、または測定された値に作用することができる。
【0009】
本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の詳細な説明により、また、非制限的な例として示す図面を参照すると、明らかになるであろう。
【0010】
【実施例】
図1には、液面測定装置が示され、この装置は、液体中に少なくとも部分的に浸漬するよう設計された抵抗測深器10と、調節電源22により制御されると共に、測深器10に制御電流を供給することができる、抵抗測深器10の給電手段20と、処理手段30とを含む。
【0011】
前述したように、この処理手段30は、第1に、測深器10の端子で得られる電圧の導関数を監視する手段を備え、第2に、こうして得られた導関数の値を、既知の最小値および最大値間で予め定められた目盛と比較することができる比較手段を備える。
【0012】
さらに詳細には、図1に示した実施態様によれば、処理装置30は、分流器34、ならびに増幅器−減算器36(その入力は、測深器10の端子に接続されている)からの情報を受ける取得および処理モジュール32を備える。さらに、処理手段30は、手段20から測深器10への電流供給を制御するため、取得および処理モジュール32により操作される制御モジュール38を備える。このため、このモジュールは、測深器10と、給電手段20との間に、図には参照符号21で示した断続手段を備えており、この断続手段21は、モジュール38によって操作される。
【0013】
図1には、取得および処理モジュール32の2つの出力40,42を示すが、これらはそれぞれ、液体の液面を示す情報と、液体の温度を示す情報とを送り出す。
【0014】
本発明による、図1に示した液面(例えば、油、水等)測定装置は、下記のように動作する。
【0015】
例えば、高い温度係数を有する導電線から成る測深器10は、液体中に部分的に浸漬している。液面から出ている長さと、液面下の長さとの比は、液面高さに応じて異なってくる。液面高さを測定しようとするとき、手段20から、既知の大きさの電流を瞬間的に測深器10に流す。それと同時に、取得および処理モジュール32が、測深器10の端子での電圧時間に対する導関数を測定する。
【0016】
この導関数は、導電線が完全に液体中に浸漬している値と、液面から完全に出ている場合に得られる値とでこれを基準化すると、液面高さと比例する。
【0017】
測定を再開する前に、所定の冷却時間が必要である。
【0018】
液体の温度は、同じ装置を用いて得られる。電流が測深器10に流れ始めた時点で、測深器10の端子で電圧を測定することにより、液面高さの値を求める。電流の値が一定かつ既知であれば、そこから、測深器10の抵抗値を導き出すことができる。温度の関数としての、測深器の電気抵抗の変動法則、ならびに、所与の温度での測深器10の端子における電圧の値を知ることにより、導電線の温度(その長さにわたって平均化したもの)が容易に分る。大きな熱勾配がないようにすれば、測深器10は、液体と同じ温度であると考えることができる。
【0019】
一般に、導電線の形態で実現される測深器10を、直径がD、厚さがdlの円板の積層体として考えると、各円板には電流lが流れ、したがって、熱を放出しており、各々の円板または要素は、液面下に浸漬しもしくは液面上に突出した、異なる2つの環境に位置することが可能であり、前者の場合には、発生する熱は、液体中に放出され、これによって、時間に対する温度上昇は低いが、後者の場合は、発生した熱は、空気中に放出されるため、時間に対する温度上昇は高くなる。このことから、測深器の端子での電圧の導関数の値は、液面高さに対して線形であることがわかる。
【0020】
したがって、液面の最小および最大高さに対して基準化された電圧の導関数により表される液面高さは、信頼度が高いと思われる。
【0021】
言い換えれば、測深器10のアナログ部分から発生した信号(NVと呼ぶ)は、2つの値NVhおよびNVbの間に含まれ、これらは、それぞれ、液面高さがその最大値および最小値で得られた信号に対応する。
【0022】
したがって、液面高さをNVb、すなわち、低い液面高さに対して基準化することにより、次の式に基づき、百分率で表される液面高さを得ることができる。
NV%=(NV−NVb)/(NVh−NVb)
【0023】
あるいは、次式によって得られる。
NV%=(NV−NVh)/(NVh−NVb)
ここで、NVhおよびNVbの役割は、所定の範囲内で完全に交換可能である。
【0024】
前述したように、値NVb、NVhおよびNVは、温度によって変わってくる。これは、一定の電流が測深器10に供給されることと、測深器10を構成する導電線の電気抵抗が温度に左右されることによるものである。
【0025】
一定の電流で、測深器10に供給される電力は、したがって、温度の関数として変動する。液面高さは、供給された電力に比例する温度の線形関数である。
【0026】
このことから、前述したように、好ましくは、本発明の範囲内で、温度の関数として、結果の補償を確実にする手段が備えられる。
このために、様々な手段を備えることができる。
【0027】
本発明の範囲内で、2種類の補正が考えられる。すなわち、1つは、電力を一定に維持するための供給電力の制御による方法と、測定値に対する後験的補正による方法である。
【0028】
一定電力の制御による補正は、それ自体が、多くの態様の目的となり得る。
第1の態様によれば、測深器10と同様の温度係数を有する抵抗を介して、測深器10に電流を供給する。
【0029】
図2に示すように、第2の態様によれば、処理手段30は、測深器10の端子における電圧を測定すると共に、これに供給される電流の強さを調節するモジュール31を備えている。毎回液面高さを取得する前に、制御モジュール31は、このように、供給される電流を調節し、これによって、積UI、すなわち、電力が、与えられた命令と等しくなるようにする。これは、連続して行う試験、あるいは、抵抗の測定およびI(I=(P/R)1/2)の計算のいずれかにより、実施することができる。これらの条件において、液面高さNVhおよびNVbに対応する値は不変数である。
【0030】
後験的補正は、それ自体が、多くの実施態様の目的となり得る。この補正は、上下限NVbおよびNVhにより定められる測定範囲、あるいはまた、液面高さNV自体を表す値に作用し得る。
NVbおよびNVhに対する補正は、それ自体が、多くの実施形態の目的となり得る。
【0031】
前述したように、液面高さは、温度に線形に比例する。したがって、下式で表すことができる。
NVb(T)=NVb0(1+α(T-T0))
NVh(T)=NVh0(1+α(T-T0))
式中、NVb(T):温度の関数としての低液面高さ(液面高さを基準化するのに使用する)、
NVh(T):温度の関数としての高液面高さ(液面高さを基準化するのに使用する)、
NVb0:基準温度T0での低液面高さ
NVh0:基準温度T0での高液面高さ
T:現在の温度
T0:基準温度
α:補正係数)。
【0032】
NVb(T)およびNVh(T)を計算した後、液面高さNVを基準化することにより、この高さの百分率を得ることができる。この補正のためには、導電線の温度を知る必要があり、これは、例えば、導電線の電圧を測定することにより達成することができる。
【0033】
このような補正はすべて、計算によって実施される。
【0034】
別の態様では、NVbおよびNVhに対する後験的補正は、装置の構造の改変により実施することができる。
【0035】
例として、図3に示すように、この装置は、NVb(T)およびNVh(T)を決定するための2つの抵抗R1およびR2を有する分圧器を備えることができる。これら2つの抵抗R1およびR2を計算することにより、T0でのNVb0およびNVh0を得ることができる。このブリッジ分圧器は、測深器10の導電線と同じ温度係数αを有する抵抗Rαに接続された電流発生器22により給電される。このような装置によって、電子測定処理装置32のアナログ入力を介して、NVb(T)およびNVh(T)の値を知ることができる。
【0036】
言うまでもなく、この構成では、電流発生器22に接続された抵抗Rαは、測深器10と同じ温度であるようにするのが好ましい。
【0037】
上記液面高さNVを表す値に対する後験的補正は、それ自体が、多数の実施態様の目的となり得る。
【0038】
すでに述べたように、NVbおよびNVhの値を補正することを考えたのと同様、下記の式に従い、計算によってNVを補正することができる。
NVc=NV(T)(1+α(T−T0))
式中、NV(T):温度Tで、電子測定処置装置により読取られた液面高さ、
NVc:補正された液面高さ(液面高さを基準化するのに用いる)、
T:現在の温度、
T0:基準温度、
α:補正係数)。
【0039】
この場合、液面高さNVb0およびNVh0(T0で得られる液面高さ)を用いて、NV0を基準化しなければならない。
【0040】
さらに別の態様では、測定値NVに対する補正は、装置の構造の改変により得ることができる。
【0041】
言い換えれば、信号の補正は、電子装置のレベルで実施することができる。このために、例えば、図4に示すように、可変利得の増幅を使用することができる。
【0042】
この図には、断続器21を介して、電流源20から給電される測深器10が示されている。この断続器21は、制御モジュール31および処理手段30により操作される。
【0043】
図4に示す態様の場合、処理手段30は、測定モジュール50と、処理モジュール54との間に配置された利得制御増幅器52を備えている。利得制御増幅器52自体は、段56によって操作され、段56は、温度に比例する電圧を供給する。
【0044】
実際には、この補正段56は、抵抗60,62,64に接続された演算増幅器58によって構成される。
【0045】
さらに詳細には、図4に示す態様によれば、演算増幅器58は、測深器10に接続された非反転入力端子を有する。演算増幅器58の反転入力端子は、抵抗60の端子に接続され、抵抗60の第2端子は、正の電源に接続されている。抵抗62は、アースと、演算増幅器58の反転入力端子との間に配置されている。これに対し、抵抗64は、演算増幅器58の反転入力端子と出力端子との間に取り付けられている。
【0046】
言うまでもなく、本発明は、これまで記載した特定の実施態様に限定されるわけではなく、その精神に従うあらゆる形態を含むものとする。
【0047】
本発明は、多数の用途に適用することができる。本発明は、例えば、限定するものではないが、自動車のケーシングにおける水面および油面の測定に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一般的構造による装置の概略図である。
【図2】本発明の3つの変形例における具体的実施態様の1つである。
【図3】本発明の3つの変形例における具体的実施態様の他の1つである。
【図4】本発明の3つの変形例における具体的実施態様の更に他の1つである。
【符号の説明】
10 測深器
20 給電手段
21 断続手段
30 処理手段
31 制御モジュール
32 取得および処理モジュール
34 分流器
36 増幅器−減算器
38 制御モジュール
40 出力波面高さ
42 出力温度
50 電子測定装置
52 利得制御増幅器
54 処理モジュール
56 補正段
58 演算増幅器
60,62,64 抵抗

Claims (15)

  1. 液体中に少なくとも部分的に浸漬するよう設計された抵抗測深器(10)と、
    前記測深器(10)に、制御電源からの電流を流すことができる給電手段(20)と、
    前記測深器(10)の端子で得られる電圧の時間に関する導関数の値を監視する手段と、
    既知の最大レベルと最小レベルのそれぞれについて得られる値と測定値に対応する導関数の基準値とを比較することにより前記最大レベルと最小レベルとの間の液体のレベルを測定する手段(32)と
    を含むことを特徴とする液面感知装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    さらに、前記液体の温度に応じる少なくとも一つの補正手段を含む装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は、前記測深器(10)に供給された電流の強さを調整することができる装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は前記測深器(10)と同様の温度係数を有する抵抗を有し、かつこれを介して、電流が前記測深器(10)に供給される装置。
  5. 請求項3記載の装置において、
    供給電力を一定に維持する手段を有し、
    この手段は、前記測深器の端子で電圧を測定し、前記測深器に供給される電流を調節することができる装置。
  6. 請求項2記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は前記液体の測定レベルに対応する導関数の基準値に作用する装置。
  7. 請求項6記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は前記既知の最大レベルおよび最小レベルのそれぞれについて得られる値を計算することにより補正することができる装置。
  8. 請求項記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は、下式に基づき、最小値および最大値を計算することができるように設計されている装置。
    NVb(T)=NVb0(1+α(T-T0))
    NVh(T)=NVh0(1+α(T-T0))
    式中、NVb(T):温度の関数としての低液面高さ(液面高さを基準化するのに使
    用する)、
    NVh(T):温度の関数としての高液面高さ(液面高さを基準化するのに使
    用する)、
    NVb0:基準温度T0での低液面高さ、
    NVh0:基準温度T0での高液面高さ、
    T:現在の温度、
    T0:基準温度、
    α:補正係数)。
  9. 請求項7記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は、温度の関数として補正された最小値および最大値を送り出すことができる回路を含む装置。
  10. 請求項記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は前記測深器と同じ温度係数を有する抵抗Rαに接続された電流発生器を介して供給される最小値および最大値を送り出す抵抗ブリッジ分圧器を含む装置。
  11. 請求項6記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は、測定された値NVに作用する装置。
  12. 請求項11記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は、温度の関数として補正された液面高さNV(T)の値を計算するように設計されている装置。
  13. 請求項12記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は、下式に基づき、補正された液面高さの値を計算するように設計されている装置。
    NVc=NV(T)(1+α(T−T0))
    式中、NV(T):温度Tで、電子測定処理装置によって読取られた液面高さ、
    NVc:補正された液面高さ(液面高さを基準化するのに用いる)、
    T:現在の温度、
    T0:基準温度、
    α:補正係数)。
  14. 請求項11に記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は、補正された測定値を送り出すことができる回路を含む装置。
  15. 請求項14記載の装置において、
    前記液体温度に応じる少なくとも一つの補正手段は、温度を表す信号により操作される利得制御増幅器を含む装置。
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