JP4087326B2 - クロマチン免疫沈降用レジンおよびこれを利用したクロマチン免疫沈降法 - Google Patents

クロマチン免疫沈降用レジンおよびこれを利用したクロマチン免疫沈降法 Download PDF

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この出願の発明は、クロマチン免疫沈降用レジンおよびこれを利用したクロマチン免疫沈降法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、DNAの精製工程における煩雑性を改善し、実験に要する時間を大幅に短縮し、試薬の消費量を抑えることができ、しかも、検出感度が良好な、新しいクロマチン免疫沈降法に関するものである。
クロマチン免疫沈降法(Chromatin immunoprecipitation assay、ChIP法)は、アセチル化ヒストン抗体で免疫沈降することにより、DNA上でのヒストンのアセチル化を検討する方法として広く用いられる。また、ChIP法は、転写因子や転写共役因子に対する抗体で免疫沈降して、DNAをポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)にて増幅、検出することにより、この転写因子や転写共役因子のDNA上へのリクルートを検討する方法としても用いられている。このChIP法における工程の概略としては、(1) ホルマリンによる細胞(サンプル)の固定;(2) 免疫沈降;(3) ホルマリン固定の解除とDNAの精製、回収;および(4) PCRによるDNAの増幅検出、という工程を経て行なわれることが多い。
クロマチン結合性タンパク質は、転写やDNA複製、DNA組換え、また、クロマチン構造の制御等を含む染色体機能の調節に関与している。このような染色体機能を把握するためには、生体レベル(in vivo)で染色体における調節タンパク質の局在等を明らかにすることが重要である。
ChIP法は、上記のような生体中(in vivo)でのクロマチン結合性タンパク質の局在の解析や、染色体機能の研究等に幅広く活用することのできる方法である。また、このChIP法の実施をより効果的にするために、工夫がなされたChIP法もいくつか報告されている。たとえば、ChIP法を腫瘍細胞株と正常細胞株とにおけるp53の機能解析に利用している研究報告(非特許文献1)、また、ChIP分析は、クロスリンク試薬、免疫沈殿の中で使用されるビーズおよび目的とする特定のDNA断片の検出において、いくつかのバリエーションがあり、これを利用した研究報告もなされている(たとえば、非特許文献2、非特許文献3等)。このように、このChIP法の活用範囲は広く、また、研究室では一般的に利用されている解析・分析方法の一つである。
具体的には、このChIP法は、たとえば、特定のタンパク質に結合するDNA断片の検出にも広く用いられている。すなわち、このChIP法は、タンパク質とDNA断片(例えば染色体断片等)との複合体に、タンパク質に対する抗体(免疫グロブリンG)を結合させ、この抗体に結合する、たとえば、Protein AまたはG(二次抗体)を備えた担体からなるレジンと反応させて、レジン+Protein A/B+抗体+タンパク質+DNA断片の複合体(以下、このような複合体を「レジン複合体」と記載することがある)を形成させる。そしてこの複合体を免疫沈降させて単離し、複合体からDNA断片を回収し、目的のDNA断片をPCR法等によって増幅、精製して分析する方法である。この方法によって、例えば、細胞や酵母等から、DNAの複製や修復、また細胞増殖や分化等の役割を担っているDNA結合タンパク質の挙動を特異的に検出、解析することが可能となっている。
M. D. Kaeser, and R. D. Iggo., Proc Natl Acad Sci USA., Vol. 99, p95-100, 2002 Tanaka, T., et al., Cell, Vol. 90, p649-660, 1997 Hecht, A., et al., Nature, Vol. 383, p92-96, 1996
しかしながら、上記のとおりの従来のChIP法では、その工程、特にレジン複合体からのDNA断片の回収精製工程が煩雑であり、大変な労力を必要とするものであった。しかも、サンプルの数が多くなれば、これに比例して、サンプル数に応じたDNA断片の回収精製工程を実施しなければならないため、煩雑性は増し、さらに、ChIPにおける一連の操作完了に多くの時間を必要とし、使用する試薬の量の消費量も増加するという問題があった。
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、従来のクロマチン免疫沈降法の問題点を解消して、レジン複合体からのDNA断片の回収精製工程における煩雑性を改善し、実験に要する時間を大幅に短縮し、試薬の消費量を抑えることができ、また、汎用性が高く、しかも、検出感度が良好な、新しいクロマチン免疫沈降用レジンおよびこれを利用したクロマチン免疫沈降法を提供することも課題としている。
この出願の発明は、前記の課題を解決するために、第1には、任意のタンパク質XにDNA断片を結合させ、このタンパク質Xに抗タンパク質X抗体を結合させ、この抗タンパク質X抗体に結合するタンパク質Yをカップリングしたクロマチン免疫沈降用レジンのタンパク質Yと抗タンパク質X抗体とを結合させて複合体を形成させ、この複合体のDNA断片を分析するクロマチン免疫沈降法において使用するクロマチン免疫沈降用レジンであって、タンパク質Zおよび核酸がコーティングされている担体からなることを特徴とするクロマチン免疫沈降用レジンを提供する。また、この出願の発明は、第2には、担体が、磁性ビーズ、セファロースまたはアガロースであるクロマチン免疫沈降用レジンを、第3には、タンパク質Yが、Protein A、Protein G、ストレプトアビジンまたは抗IgG抗体であるクロマチン免疫沈降用レジンを提供する。
また、この出願の発明は、第4には、タンパク質Zが、アルブミンまたはカゼインであるクロマチン免疫沈降用レジンを、第5には、アルブミンが、ウシ血清アルブミンであるクロマチン免疫沈降用レジンを提供し、第6には、核酸が、サケ精子DNAまたは酵母tRNAであるクロマチン免疫沈降用レジンを提供する。
そして、さらにこの出願の発明は、第7に、任意のタンパク質Xに結合するDNA断片を分析するクロマチン免疫沈降法において、以下の(a)−(e)からなる複合体:
(a)請求項1から6のいずれかのクロマチン免疫沈降用レジン;
(b)前記レジンに結合したタンパク質Y;
(c)前記タンパク質Yに結合した抗タンパク質X抗体;
(d)前記抗タンパク質X抗体に結合したタンパク質X;
(e)前記タンパク質Xに結合したDNA断片、
からDNA断片を分離することなく分析することを特徴とするクロマチン免疫沈降法を提供する。
この出願の前記発明によれば、目的のDNA断片を含むレジン複合体からDNA断片を分離して回収することなく、レジン複合体それ自体を鋳型としてPCR増幅するなどのDNA精製を可能とする。これによって、クロマチン免疫沈降法のDNAの回収精製工程における実験操作の煩雑性を改善することができ、また、実験に要する時間の短縮および試薬の消費量減少、さらには、検出感度の点において良好な結果を得ることができる。
この出願の発明は、上記のとおりの特徴をもつものである。以下にその実施の形態について説明する。
図1に、本願発明のクロマチン免疫沈降法の工程を模式図として概略的に例示した。
この発明の方法では、従来方法と同様に、任意のタンパク質XとDNA断片(例えば染色体断片等)との複合体に、このタンパク質Xに対する抗体(免疫グロブリンG、IgG等)である抗タンパク質X抗体を結合させ、この抗タンパク質X抗体に結合するProtein AまたはG等のタンパク質Yを備えた免疫沈降用レジンと反応させて、レジン複合体を形成させる。そして、このレジン複合体からDNA断片を分離することなく、目的のDNA断片をPCR法等によって増幅、精製して分析する。そして、上記の発明のクロマチン免疫沈降法では、この発明によって提供されるタンパク質Zおよび核酸がコーティングされている担体からなるクロマチン免疫沈降用レジンを使用することによって、このレジンに結合した状態のDNA断片を鋳型としてPCR増幅が可能であり、従来法におけるレジン複合体からのDNA断片回収工程が省略される。
この発明のクロマチン免疫沈降法は、真核生物、原核生物、生物個体やその各組織等におけるDNA結合タンパク質の挙動を解析するために使用することができ、クロマチンの基礎研究に応用することができる。また、臨床的な応用例としては、患者から採取した血清や血液リンパ球、病理組織等を対象とすることにより、クロマチン結合性の癌遺伝子等の解析を行なうこともできる。
この発明における「タンパク質X」とは、たとえば、任意のDNA結合タンパク質である。また、「抗タンパク質X抗体」とは、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり、タンパク質Xのエピトープに結合することができる全体分子、Fab、F(ab')2、さらにFv断片等が含まれている。このような抗体は、たとえば、ポリクローナル抗体の場合は、タンパク質Xまたは部分ペプチドを免疫源として動物を免疫した後、血清から得ることができる。また、タンパク質Xの発現ベクターを作成し、注射や遺伝子銃等によって、動物の筋肉や皮膚に導入した後、血清を採取することによっても作成することができる。この動物としては、たとえば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ニワトリ等を使用することができる。一方、モノクローナル抗体の場合には、公知のモノクローナル抗体の作成方法(たとえば、長宗香明、寺田弘共著、廣川書店、1990年;Molecular Antibody, James W. Goding, 3rd edition, Academic Press, 1996)に従って、作成することができる。
「タンパク質Y」とは、抗タンパク質X抗体に結合するタンパク質である。このタンパク質Yは、たとえば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ニワトリ等から得られた抗IgG抗体、あるいは、ストレプトアビジンや細菌由来のタンパク質であるProtein AやProtein G等を使用することができる。「担体」は、上記のようなタンパク質Yをカップリングすることができるものであれば、特に制限はないが、クロマチン免疫沈降法の実験操作をより簡便化するためには、磁性ビーズ、セファロースまたはアガロース等の使用が好ましい。これら磁性ビーズやセファロース、アガロース等は、各メーカーから市販されているものを使用することができ、しかも、これら市販のものの多くは、既に磁性ビーズやセファロース、アガロース等の担体にProtein AやProtein G等(タンパク質Y)がカップリングされている。たとえば、Dynal社やNEB社の磁性ビーズやAmersham社のセファロース、Upstate社のアガロース等が挙げられる。
そして、前記のとおり、この発明のクロマチン免疫沈降用レジンは、担体にタンパク質Zおよび核酸がコーティングされていることを特徴としている。「タンパク質Z」は、この発明のクロマチン免疫沈降法に影響を与えるタンパク質でなければ特にその種類には限定されるものではないが、ウシ血清アルブミン(BSA)等のアルブミンやカゼイン等の使用が好ましい。一方、核酸については、解析対象となる生物種や特定臓器に由来するDNA以外のものを使用することを条件として、任意のものを使用することができる。たとえば、後記実施例に示す酵母DNA配列、あるいはヒトDNA配列等を解析する場合にはサケ精子DNA(ss DNA)、酵母tRNA等を使用すればよい。また、解析対象となるDNA配列(特にそのPCRプライマー認識配列)を含まないようにデザインした人工核酸配列を用いてもよい。そのような人工核酸配列は、公知の方法(例えば、Carruthers(1982)Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 47:411-418; Adams(1983)J. Am. Chem. Soc. 105:661; Belousov(1997)Nucleic Acid Res. 25:3440-3444; Frenkel(1995)Free Radic. Biol. Med. 19:373-380; Blommers(1994)Biochemistry 33:7886-7896; Narang(1979)Meth. Enzymol. 68:90; Brown(1979)Meth. Enzymol. 68:109; Beaucage(1981)Tetra. Lett. 22:1859; 米国特許第4,458,066号)に記載されているような周知の化学合成技術によりin vitro合成することができる。
なお、アルブミン等のタンパク質およびssDNA等の核酸によるレジンを構成する担体へのコーティングは、使用するレジンをタンパク質溶液と核酸溶液とに順次に浸漬する等して行なうことができる。
次に、実施例を示して、この出願の発明の特徴をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、適宜変更することができる。したがって、この出願の発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1:クロマチン免疫沈降用レジンの調整
Protein Gが既にコートされている磁性ビーズ(Dynabeads-Protein G、Dynal社製)の懸濁液50μl/sampleを採取し、上清を捨て、リン酸Buffer(phosphate buffered saline、PBS)に懸濁し、再び上清を捨てた。この操作を3回繰り返して、洗浄した。
次に、PBS洗浄後の磁性ビーズを5mg/mlのウシ血清アルブミン(Bovine Serum Albumin、BSA)を含む1mlのLysis Bufferで1回、洗浄した。そして、100μlのサケ精子DNA(Sermon Sperm DNA、ss DNA)と5mg/mlのBSAを含む900μlのLysis Bufferとを混合(合計1ml)した混合液に懸濁し、4℃にて3時間、振盪した。この磁性ビーズを含む懸濁液を5秒間の遠心操作を行なって、磁性ビーズを回収した。そして、この回収した磁性ビーズをさらに5μlのss DNAと5mg/mlのBSAを含むLysis Buffer 45μl(合計50μl)とに懸濁し、クロマチン免疫沈降用レジンとして調整した。
実施例2:クロマチン免疫沈降法
(1) 酵母株
酵母株は、Orc1-3HAおよびMcm4-3HAを含む酵母株(以下、それぞれOrc1-3HA酵母株、Mcm4-3HA酵母株と略記することがある;国立遺伝研究所のH. Araki氏より提供)、また、SP1を含む酵母(以下、SP1酵母株と略記することがある;米国Cold Spring Harbor LaboratoryのB. Stillman氏より提供)を使用した。
なお、上記のOrc1-3HA酵母株は、クロマチン結合性タンパク質である複製開始点認識タンパク質複合体(Origin Recognition Complex、ORC)のサブユニットの1つ、Orc 1のC末端に3つのHAタグが付いているタンパク質を発現するものである。この出芽酵母ORCは、6つのサブユニットからなり、細胞周期を通じて複製開始点に結合していることが知られている。一方、Mcm4を含むMcm複合体は、helicase活性の開始の役割を担っていると考えられている(たとえば、Ishimi, Y., J. Biol. Chem., 272, p24508-24513, 1997等)。また、Mcm複合体は、細胞周期によって、クロマチンに結合、解離、さらには複製フォークとともにクロマチン上を移動するタンパク質である。Mcm4-3HA酵母株は、Mcm複合体のサブユニットの1つ、Mcm4のC末端に3つのHAタグが付いているタンパク質を発現するものである。SP1酵母株では、Orc1-3HAおよびMcm4-3HAは産生しないため、コントロールとして使用した。
これら酵母の基本的な取り扱い方法は、公知の酵母取り扱い技術(Kohzaki, H., et al., Mol. Cell. Biol., 19, p7428-7435, 1999)に従った。また、細胞周期の解析についても公知技術(Aparicio, O. M., et al., Cell, 91, p59-69, 1997およびMasumoto, H., et al., Mol. Cell. Biol., 20, p2809-2817, 2000)に従った。
(2) 酵母の培養
酵母培養液として、Yeast extract、ペプトンおよびグルコースを含むYPD培地(Kohzaki, H., et al., Mol. Cell. Biol., Vol. 19, p7428-7435, 1999)20mlを用いて、酵母を一晩培養し、その後、さらに20mlのYPD培地を加え、30℃にて1時間培養した。このときの酵母は、成長期(細胞周期が回っている状態)であり、目的とするクロマチン結合性DNAやタンパク質等の産生が活発な状態にある。
培養後、5.8×108cellsの酵母細胞を回収し、最終濃度1%ホルムアルデヒドを加え、25℃(室温)にて30分間の振盪を行なうことによって酵母細胞(サンプル)を固定する。そして、2.5Mのグリシンを加え、最終濃度125mMグリシンとし、室温で5分間振盪した。
なお、ホルムアルデヒドを加えて固定する際の振盪時間は、使用する抗体の種類や、免疫沈降する目的のタンパク質等によって、適宜変更することが好ましい。
(3) 全細胞抽出液(Whole Cell Extract, WCE)
以降の操作は、可能な限り、4℃(たとえば、氷上操作あるいは低温室)で行なうことが、良好な実験結果を得るために望ましい。
前記(2)で培養した酵母を遠心操作により回収し、予め冷やしておいたTris Buffer Saline(TBS; 20mM Tris-HCl(pH 7.5), 150mM NaCl)30〜40mlに懸濁して、遠心操作を行ない、酵母を再び回収した。この操作を2〜3回繰り返して、洗浄処理とした。
洗浄操作後の酵母を1mlのLysis Buffer(50mM HEPES-KOH(pH 7.5), 140mM NaCl, 1mM EDTA, 1% Triton X-100, 0.1% Na-deoxycholate, protease inhibitor cocktail(Nacalai Tesque社製))に懸濁し、遠心操作により酵母を回収した。さらに、500μlのLysis Bufferを加えて、懸濁した。
直径0.5mmのグラスビーズ450μl(酵母懸濁液に対して、90%の容量)を加え、激しく振盪し、酵母細胞を破砕した。この時、およそ90%程の酵母細胞が破砕されることが好ましい。破砕処理後、この破砕溶液を新しいエッペンチューブ(1.5ml)に移し、15秒間のソニケーション(超音波破砕)を4回行ない、抽出液とした。この時、DNAの平均長は、今後の検出感度等を良好に維持するために、およそ400-500bp程にすることが好ましい。
つぎに、ソニケーションによる処理後に得られた抽出液から、細胞の糟(cell debris)を除去するため、遠心操作を行なって上清を回収(沈殿物は、細胞の糟)し、全細胞抽出液(Whole Cell Extract, WCE)とした。なお、このうちの1/20-1/10程は、-20℃保存した。免疫沈降を行なう目的タンパク質に対する抗体をこのWCEに加えて反応させる。たとえば、上記のとおり、本実施例で用いたOrc1-3HA酵母株およびMcm4-3HA酵母株は、ORCのサブユニットの1つであるOrc 1のC末端、または、Mcm4のC末端に3つのHAがタグ付加されて産生されることから、HAを認識結合する抗HA(12CA5)モノクローナル抗体(Roche社製)を用いた。この抗HA(12CA5)モノクローナル抗体0.4μg/μlを加え、4℃にて3時間振盪して抗体処理とした。
なお、上記のようにして得られたWCEの取り扱いは、公知の方法であるフェノール抽出、次いでフェノール/クロロホルム抽出、そしてクロロホルム抽出を行ない、エタノール沈殿を行なった。そして、5μlのTE buffer(10mM Tris-HCl(pH 8.0)、1mM EDTA)に懸濁することにより、ホルマリン固定されているWCEをそのままポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に使用することができる。
(4) クロマチン免疫沈降
前記(3)にて抗体反応を行なったWCEに、実施例1で調整したクロマチン免疫沈降用レジン 50μl/sampleを加えて、4℃にて3時間振盪した。そして、磁性ビーズを含むクロマチン免疫沈降用レジンを下記のとおりのステップで洗浄した。
(4−1) Protease Inhibitor Cocktail(Nacalai Tesque社製)を含む条件下で以下の洗浄処理を行なった。
(I)1mlのLysis Bufferで3回の洗浄処理;
(II)1mlのLysis Bufferに、さらに360mMのNaClを加えた溶液(トータルNaCl濃度が、500mM)で3回の洗浄処理;
(III)1mlのWashing Buffer(10mM Tris-HCl(pH 8.0)、 250mM LiCl, 0.5% NP-40、 0.5% Na-deoxycholate、 1mM EDTA)で3回の洗浄処理;および
(IV)TE Buffer(10mM Tris-HCl(pH 8.0)、1mM EDTA)で1回の洗浄処理。
(4−2) そして、Protease Inhibitor Cocktailを含まない、TE Buffer(10mM Tris-HCl(pH 8.0)、1mM EDTA)で1回の洗浄処理を行ない、40μlのこのTE Bufferに、クロマチン免疫沈降用レジンを懸濁した。これにより、クロマチン免疫沈降用レジンと目的とするタンパク質とを特異的に結合させた。
なお、この洗浄処理の際は、適当な磁性デバイスを用いることによって、より簡便に洗浄操作を行なうことができる。たとえば、本実施例においては、磁石が配設されているケース状の磁性デバイス(MPC-S、Dynal社製)を使用した。すなわち、本実施例においては、磁性ビーズによって調整されたクロマチン免疫沈降用レジンを使用しているため、このような磁性デバイスに設置することにより、磁性デバイスに配設されている磁石の磁力に磁性ビーズが引っ張られて、溶液と分離させることができ、洗浄処理を容易にすることができる。
(5) ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase chain reaction、PCR)
前記(4)のクロマチン免疫沈降により得られたサンプル(クロマチン免疫沈降用レジンと目的とするタンパク質との結合複合体)の1μlをポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase chain reaction、PCR)にテンプレートとして使用した。本実施例におけるPCRは、25μlの系で行ない、PCR酵素(Taqポリメラーゼ)としてAmpliTaq Gold(Applied Biosystem社製)2.5Uを、プライマーとしては、ARS1(WT 5')(配列番号1、センスプライマー)と(K3'-1)(配列番号2、アンチセンスプライマー)との組み合わせ、または、CYC1(CYC1 5')(配列番号3、センスプライマー)と(CYC1 3')(配列番号4、アンチセンスプライマー)との組み合わせを使用した。また、PCR反応は、(1)94℃/5分間;(2)94℃/1分間、53℃/1分間、72℃/2分間、このステップを30サイクル;および(3)72℃、7分間、以上の反応条件でPCR反応を行なった。
なお、ARS1は、染色体上の活性化複製開始点において、Orc1-3HAおよびMcm4-3HAによって結合し、その一方で、CYC1は結合しないことから、プライマーとして、上記のとおり、ARS1におけるプライマーをWT 5'(配列番号1)およびK3'-1(配列番号2)、また、CYC1におけるプライマーをCYC1 5'(配列番号3)およびCYC1 3'(配列番号4)を設計し、用いた。
また、本実施例では、PCR酵素(Taqポリメラーゼ)として、AmpliTaq Goldを使用しているため、Hot Start法を行なうPCR反応とする必要はない。
(6) 解析結果
前記(5)にて得られたPCR反応後のサンプルを、2.3%のアガロースゲルを用いて電気泳動を行ない、たとえば、Printgraph(ATTO社製)等を用いて画像を印刷、あるいはコンピュータに保存し、解析を行なった。また、従来のクロマチン免疫沈降法と本願発明のクロマチン免疫沈降法との比較検討も行なった。なお、アガロースゲルは、0.2μg/mlのエチジウムブロマイドで染色した。
結果は、図2から図7に示したとおりであった。全ての図に共通して表記されている、「-」はネガティブコントロールを示している。図2から図5に共通して表記されている「M」はマーカーを、また、「P.C.」はポジティブコントロールを示している。図6および図7での「pHK806」も、ポジティブコントロールを示している。図6および図7の「Ab」は、α-HA抗体を意味しており、その単位はμlである。
なお、ネガティブコントロールは、DNAを含まないものを、ポジティブコントロールは、ARS1断片を有しているpHK806を使用した。
図2は、従来のクロマチン免疫沈降法(たとえば、Tanaka, T., et al., Cell, Vol. 90, p649-660, 1997)を利用して、SP1酵母株およびOrc1-3HA酵母株それぞれにおけるARS1の検出を行なった結果を示している。図2に示したとおり、クロマチン免疫沈降法を行なうことによって、SP1酵母株ではARS1は検出されず(レーン4)、Orc1-3HA酵母株においてARS1は検出される(レーン6)ことを確認した。
図3は、SP1を含む酵母株(SP1酵母株)から抽出精製したサンプルおよびOrc1-3HAを含む酵母株(Orc1-3HA酵母株)から抽出精製したサンプルの解析結果である。レーン3および4は、SP1酵母株由来のサンプルであり、レーン5および6は、Orc1-3HA酵母株由来のサンプルである。なお、これらサンプルは、フェノール抽出処理等の精製処理を行なっていないWCEを用いた。この図3に示したとおり、SP1酵母株由来のサンプルにおいては、WCEそのものをサンプルとしたもの(レーン3)およびWCEをこの出願の発明のクロマチン免疫沈降法を行なったものをサンプルとしたもの(レーン4)、両者ともに、ARS1は検出されないことが確認された。一方、Orc1-3HA酵母株由来のサンプルにおいては、SP1酵母株由来のサンプルと同様に、WCEそのもの(レーン5)およびWCEをこの出願の発明のクロマチン免疫沈降法を行なったものをサンプル(レーン6)として用いて検出を行なった。その結果、図3のレーン6に示したとおり、ARS1を特異的に検出することが確認された。
なお、WCEについてフェノール抽出等の抽出精製処理が未処理のWCEのサンプルの場合は、この図3に示したとおり、本来なら検出されるARS1が検出されなかった。このことは、PCR反応が効果的に進行しなかったためと考えられる。すなわち、この出願の発明のクロマチン免疫沈降法を実施するにあたり、WCEについてはフェノール抽出等の抽出精製処理を行なうことが望ましいことを意味すると考えられる。
そこで、図4に示したとおり、WCEについて従来のクロマチン免疫沈降法において、一般的に行なわれているホルマリンの固定解除およびDNAの精製の操作を実施した場合と、本発明に付随するフェノール抽出等の抽出精製処理を実施した場合のそれぞれのPCR反応における影響を比較検討した。ホルマリンの固定解除およびDNAの精製の操作は、Tris/EDTA/SDS溶液に65℃にて一晩サンプルを浸すことによって実施される操作である(図4中では、「TES」と表記)。また、フェノール抽出等の抽出精製処理は、前記(3)に示したとおり、フェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、そしてクロロホルム抽出を行ない、エタノール沈殿を行なって、5μlのTE buffer(10mM Tris-HCl(pH 8.0)、1mM EDTA)に懸濁したものである(図4中では、「Phenol」と表記)。
結果は、図4に示したとおり、フェノール抽出による抽出精製処理を行なった場合、TESによる処理操作よりも時間が大幅に短縮することができ、しかもPCR反応に対する影響も抑制することができることが確認された。すなわち、フェノール抽出による抽出精製処理を行なうことにより、この出願の発明のクロマチン免疫沈降法は、より有効性の高い効果を実現することができる。従って、以降のWCEにはこのフェノール抽出処理によって調製したWECを用いる。
図5は、従来のクロマチン免疫沈降法と本願発明のクロマチン免疫沈降法との比較検討の結果を示した図である。この図5のとおり、WCE(レーン3)では、ARS1およびCYC1ともに検出した。従来のクロマチン免疫沈降法(レーン4)では、CYC1を検出せずに、ARS1を特異的に検出した。本願発明のクロマチン免疫沈降法(レーン5)では、ARS1を特異的に検出するとともに、従来よりも感度が顕著に良好であることが確認された。
図6は、α-factorを用いて、Mcm4-3HA酵母株における従来のクロマチン免疫沈降法とこの出願の発明のクロマチン免疫沈降法との検出感度を比較検討した図である。また、図7は、細胞周期進行阻害剤の1種であるNocodazoleを用いて、Mcm4-3HA酵母株における従来のクロマチン免疫沈降法とこの出願の発明のクロマチン免疫沈降法との検出感度の比較検討した図である。
図6に示したとおり、従来のクロマチン免疫沈降法とこの出願の発明のクロマチン免疫沈降法ともに、ARS1を特異的に検出することができた。これは、細胞周期のG1期の後期においてα-factorが作用しており、Mcm4-3HAがクロマチン(複製開始点)に結合していることを意味している。また、この図6に示したとおり、従来のクロマチン免疫沈降法の場合は、明瞭な解析結果とするためには、8μlの抗体を要している。一方、この出願の発明のクロマチン免疫沈降法の場合は、0.5μlの抗体でも充分な検出感度(従来と比べ、およそ16倍の検出感度)であり、1μlの抗体であれば、より検出感度は良好であることが確認された。
このことは、一般に、抗体類は比較的高価な試薬であるが、本願発明のクロマチン免疫沈降法によって、抗体の使用量が少なくても、目的とするDNA断片やタンパク質等を充分に検出することができるため、経済的にも優れていると考慮することができる。
一方、図7に示した、Nocodazoleを用いての従来のクロマチン免疫沈降法とこの出願の発明のクロマチン免疫沈降法との検出感度の比較検討においては、両者の方法ともにARS1は検出されなかった。このことは、Mcm4-3HAは、上記のとおり、細胞周期依存的にクロマチン結合性を変化するタンパク質の1種であるため、Nocodazoleの作用時(G2期/M期)には、クロマチン(複製開始点)には結合していないことを意味している。
以上の結果から、この出願の発明のクロマチン免疫沈降法は、Orc1-3HAで例示したような細胞周期を通じてクロマチンとの結合を維持するタンパク質はもちろん、Mcm4-3HAのように細胞周期依存的にクロマチン結合性を変化するタンパク質であっても、感度を良好に検出することができる。
この出願の発明は、クロマチン免疫沈降法の工程であるDNAの回収精製工程における煩雑性を改善し、実験に要する時間を大幅に短縮し、試薬の消費量を抑えることができ、しかも、検出感度が良好な、新しいクロマチン沈降用レジンおよびこれを利用したクロマチン免疫沈降法が提供される。
この出願の発明のクロマチン免疫沈降法の工程を概略的に例示した模式図である。 従来のクロマチン免疫沈降法による、SP1酵母株とOrc1-3HA酵母株とにおけるARS1およびCYC1それぞれに対する検出確認の結果を示した図にかわる写真である。 この出願の発明のクロマチン免疫沈降法による、SP1酵母株とOrc1-3HA酵母株とにおけるARS1およびCYC1それぞれに対する検出確認の結果を示した図にかわる写真である。 全細胞抽出液(WCE)をTES、または、Phenolによる精製処理を行ない、従来のクロマチン免疫沈降法を行なって、精製処理の異なるWCEのPCR反応に対する影響を比較検討の結果を示した図にかわる写真である。 Orc1-3HA酵母株における、従来のクロマチン免疫沈降法と本願発明のクロマチン免疫沈降法との検出結果を示した図にかわる写真である。 α-factorを用いて、Mcm4-3HA酵母株における従来のクロマチン免疫沈降法と本願発明のクロマチン免疫沈降法との検出感度の比較検討の結果を示した図にかわる写真である。 Nocodazoleを用いて、Mcm4-3HA酵母株における従来のクロマチン免疫沈降法と本願発明のクロマチン免疫沈降法との検出感度の比較検討の結果を示した図にかわる写真である。

Claims (7)

  1. 任意のタンパク質XにDNA断片を結合させ、このタンパク質Xに抗タンパク質X抗体を結合させ、この抗タンパク質X抗体に結合するタンパク質Yをカップリングしたクロマチン免疫沈降用レジンのタンパク質Yと抗タンパク質X抗体とを結合させて複合体を形成させ、この複合体のDNA断片を分析するクロマチン免疫沈降法において使用するクロマチン免疫沈降用レジンであって、タンパク質Zおよび核酸がコーティングされている担体からなることを特徴とするクロマチン免疫沈降用レジン。
  2. 担体が、磁性ビーズ、セファロースまたはアガロースである請求項1のクロマチン免疫沈降用レジン。
  3. タンパク質Yが、Protein A、Protein G、ストレプトアビジンまたは抗IgG抗体のいずれかである請求項1または2のクロマチン免疫沈降用レジン。
  4. タンパク質Zが、アルブミンまたはカゼインである請求項1から3のいずれかのクロマチン免疫沈降用レジン。
  5. アルブミンが、ウシ血清アルブミンである請求項4のクロマチン免疫沈降用レジン。
  6. 核酸が、サケ精子DNAまたは酵母tRNAである請求項1から5のいずれかのクロマチン免疫沈降用レジン。
  7. 任意のタンパク質Xに結合するDNA断片を分析するクロマチン免疫沈降法において、以下の(a)−(e)からなる複合体:
    (a)請求項1から6のいずれかのクロマチン免疫沈降用レジン;
    (b)前記レジンに結合したタンパク質Y;
    (c)前記タンパク質Yに結合した抗タンパク質X抗体;
    (d)前記抗タンパク質X抗体に結合したタンパク質X;
    (e)前記タンパク質Xに結合したDNA断片、
    からDNA断片を分離することなく分析することを特徴とするクロマチン免疫沈降法。
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