JP4086115B2 - ロック機構付自転車用ハブ及び自転車用錠前装置 - Google Patents

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本発明は、自転車の盗難防止のための車輪の回転を不能とするロック機構、及び錠前装置に係り、より詳細にはロック機構の外部からの容易な開錠を困難とする自転車のロック機構、及び錠前装置に関する。
従来から、自転車には、駐輪中の盗難防止のために車輪の回転を不能にしておくものが多数ある。従来の車輪の回転を不能にするロック機構の一例には、自転車のフレームに取り付けて車輪の隣接するスポーク間にストッパーを差込んで固定する突出鍵方式や、フレーム等を含んでスポーク間に鎖等の綱を巻きつけて両端を接続して固定する綱状鍵方式等がある。しかしながら、従来の車輪の回転を不能にする何れのロック機構、及び錠前装置においても、ロック機構となる鍵部が外部から触れるところに露出しており、しかも鍵部の開錠が比較的簡単に行うことができることから、充分な盗難防止としての効果を発揮できなかった。
そこで、従来の自転車用盗難防止システムには、車輪の回転を規制する自転車用ハブを用いるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自転車用盗難防止システムは、ハンドル制御部、内装変速ハブ、及び制御ケーブルを備えている。そして、ハンドル制御部は、自転車のフロントフォークの回動を規制する第1の規制状態と、規制を解除する第1の規制解除状態を取り得るようになっている。内装変速ハブは、自転車の後輪の回転を規制する第2の規制状態と、規制を解除する第2の規制解除状態を取り得るようになっている。制御ケーブルは、ハンドル制御部と、内装変速ハブとを連結してハンドル制御部の第1の規制状態と、第1の規制解除状態との規制操作に連動して内装変速ハブを第2の規制状態と、第2の規制解除状態とに状態を変化させることができるようにしている。
また、従来の自転車用リモコン式オート錠前装置には、走行中において絶対的に安全である、自転車用リモコン式オート錠前装置とするものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この自転車用リモコン式オート錠前装置は、自転車用ロック錠の錠杆を施錠方向、又は開錠方向へ指令する信号電波類を発射する送信器と、この送信器の指令信号電波類を受信する受信器とを具えた自転車用リモコン式オート錠前装置において、錠杆と連係し、施錠方向と、その反対の開錠方向へ移動させる錠杆駆動部と接続する受信器に自転車走行センサーを解除指令源とする安全スイッチ回路を接続するようにしている。
更に、従来の二輪車の鍵及び自動鍵掛装置には、二輪車のスタンドの動きと鍵を連係して、スタンドを立てると鍵が掛かるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。これらの二輪車の鍵及び自動鍵掛装置は、いずれも駐輪する時にスタンドをたてると同時にハブの中で施錠するように構成した機構を持つようにしたものである。
特開2003−11864号公報 特開2000−128039号公報 特開平9−175459号公報 特開平7−300086号公報
しかしながら、前述したような従来のロック機構付自転車用ハブ及び自転車用錠前装置は、未だ解決すべき次のような問題がある。
(1)特開2003−11864号公報に示す自転車用盗難防止システムは、自転車用ハブを用いるものであって、自転車の前かごに重量物を搭載した状態で自転車を駐輪した時に、ハンドルと共に前輪が回動することがあるのを防止するハンドルのロック装置と、自転車用ハブをロックする装置を制御ケーブルで連結させたものである。しかしながら、このハブ軸に装着されたロッド部材を移動させると連動手段によって回転規制手段がハブ軸方向に移動するような構成からなる装置は、複雑な機構からなり、非常に高価なものとなっている。また、特開2003−11864号公報で開示しているハンドル部の固定についてのロック手段は、「着脱自在な鍵と鍵により揺動する揺動体とを含む錠前、及び揺動体の揺動に連動して移動する移動体を有し、操作体が規制位置にあるとき、移動体により規制位置で操作体をロックする」とあり、従来形式の着脱自在な鍵を差込んで操作する錠前であるので、外部から錠前を操作されやすく盗難防止に対して大きな弱点を有している。
(2)特開2000−128039号公報に示す錠前装置にリモコンを用いるものは、ハブダイナモ(ハブ発電機)を採用しているものの、これで発電された電力を自転車走行センサーとして使用するものであり、制御系の動力源には電池が用いられているので、電池の交換が煩雑であり、リモコン操作に支障が発生する場合がある。
(3)特開平9−175459号公報、又は特開平7−300086号公報に示すスタンドを立てる(降ろす)ことでハブ内で施錠することができる機構からなるものは、鍵掛忘れの防止を行うことができるものの、開錠するのに記号ロック方式や、合鍵方式が用いられているので、外部から錠前を操作されやすく盗難防止に対して大きな弱点を有している。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、ロック機構付自転車用ハブを用いて自転車の走行中のロック機構作動防止や、鍵掛忘れや、盗難を防止でき、かつ安価な自転車用錠前装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るロック機構付自転車用ハブは、自転車のフレームに回転自在に装着される前車輪又は後車輪の中心部に設けられ、円筒体からなる本体内部にロック機構を備えるロック機構付自転車用ハブであって、前記円筒体内壁に形成された受動部に係合して物理的なブレーキ力を有する制動体と、この制動体に外挿され電磁コイルの磁気作用によってその出し入れを制御するソレノイドとこのソレノイドの一端に設置される永久磁石と前記ソレノイドの他端に設置される引きバネからなるアクチュエータとを備え、前記前車輪又は後車輪の車軸に固定されるロック機構と、作動用の要求信号を無線で受信して前記アクチュエータを駆動する要求信号受信部を有する。
従って、無線の要求信号によって受動部に係合するようにアクチュエータによって制動体が駆動されると、制動体によってブレーキ力が発揮されて施錠状態となり、逆に無線の要求信号によって受動部から外れるようにアクチュエータによって制動体が駆動されると開錠状態となる。
前記目的に沿う本発明に係る請求項2記載の自転車用錠前装置は、自転車のフレームに回転自在に装着される前車輪又は後車輪の中心部に円筒体からなる本体内部にロック機構を備えたロック機構付自転車用ハブを設ける自転車用錠前装置であって、前記円筒体内壁に形成された受動部に係合して物理的なブレーキ力を有する制動体と、この制動体に外挿され電磁コイルの磁気作用によってその出し入れを制御するソレノイドとこのソレノイドの一端に設置される永久磁石と前記ソレノイドの他端に設置される引きバネからなるアクチュエータとを備え、前記前車輪又は後車輪の車軸に固定されるロック機構と、このロック機構を作動させるための無線の要求信号を発信する要求信号発信機と、この要求信号発信機からの要求信号を無線で受信して前記アクチュエータを駆動する要求信号受信部を有する。
本発明に係る自転車用錠前装置においてもそのロック機構の作用は、請求項1に記載のロック機構付自転車用ハブと同様であり、請求項2乃至請求項6に記載の自転車用錠前装置においても同様である。
前記目的に沿う本発明に係る請求項3記載の自転車用錠前装置は、請求項2記載の自転車用錠前装置において、前記円筒体内部に設けられ自転車の前車輪又は後車輪の回転によって発電を行なうハブ発電機と、前記ハブ発電機の起電力を検知して無線の発電信号を発信する発電検知部と、前記要求信号受信部と前記発電検知部からの発電信号を受信する発電信号受信部とを有する制御部とを有し、前記制御部は、前記発電信号を発電信号受信部が受信していないという条件と前記要求信号を前記要求信号受信部が受信しているという条件の双方が満足された場合に前記アクチュエータを駆動する。
前記目的に沿う本発明に係る請求項4記載の自転車用錠前装置は、請求項3記載の自転車用錠前装置において、前記自転車のスタンド部に設けられ、このスタンド部の使用を検知して停止信号を発生させるスイッチ部と、前記円筒体内部に設けられ自転車の前車輪又は後車輪の回転によって発電を行なうハブ発電機と、前記ハブ発電機の起電力を検知して発電信号を発信する発電検知部と、前記要求信号受信部に代えて前記スイッチ部からの停止信号を受信するスイッチ信号受信部を備えた制御部とを有し、前記制御部は、前記発電信号を発電信号受信部が受信していないという条件と前記停止信号を前記スイッチ信号受信部が受信しているという条件の双方が満足された場合に前記アクチュエータを駆動する。
前記目的に沿う本発明に係る請求項5記載の自転車用錠前装置は、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の自転車用錠前装置において、前記アクチュエータに給電可能なバッテリーを備えるものである。
前記目的に沿う本発明に係る請求項6記載の自転車用錠前装置は、請求項2又は請求項3に記載の自転車用錠前装置において、前記要求信号発信機は、前記アクチュエータ又は前記要求信号受信部に接続及び給電可能な端子を備えるものである。
前記目的に沿う本発明に係る請求項7記載の自転車用錠前装置は、請求項3又は請求項4に記載の自転車用錠前装置において、前記要求信号発信機は、前記制御部に接続及び給電可能な端子を備えるものである。
請求項1記載のロック機構付自転車用ハブは、自転車のフレームに回転自在に装着される前車輪又は後車輪の中心部に設けられ、円筒体からなる本体内部にロック機構を備えるロック機構付自転車用ハブであって、ロック機構が、電磁コイルと永久磁石と引きバネからなるアクチュエータと物理的なブレーキ力を有する制動体とを有し、前車輪又は後車輪の車軸に固定されて円筒体内壁との間で前車輪、又は後車輪を回転不能、又は回転可能にできるので、自転車用ハブ内部にロック機構が収納されて外部からロック機構の存在が容易に分らない上に手の届きにくい所にあり、しかも鍵の使用がなく、自転車の盗難を防止することができる。また、ロック機構を作動させるための電源は、自転車用ハブ内部のハブ発電機を備える自転車の場合では、そのハブ発電機からでも供給可能であり、電源切れを防止できる。また、比較的簡単なロック機構であるので、ロック機構を安価にできる。さらに、ソレノイドへの通電が停止された後でも永久磁石あるいは引きバネによって制動体が固定保持されるので、ロック位置、又はロック開放位置での緩みが確実に防止されると同時に、制動体が強固に固定保持されると共に、施錠後、又は開錠後にソレノイドへの通電が不要なため、電気の消費を少なくすることができる。
請求項2記載の自転車用錠前装置は、請求項1記載のロック機構付自転車用ハブと、このロック機構付自転車用ハブの要求信号受信部に対して無線の要求信号を発信する要求信号発信機を備えることで、自転車の所有者が要求信号発信機を携帯して、駐車する自転車に対して容易かつ確実に施錠することができる。また、ロック機構は、前車輪のハブの中の比較的手の届き難い位置にあり、外部から手をかけ難い錠前装置となっており、自転車の盗難を防止することができる。
請求項3記載の自転車用錠前装置は、ハブ発電機の起電力を検知して発電信号を発信する発電検知部と、要求信号受信部に加えて発電信号を受信する発電信号受信部を制御部として備え、発電信号を受信していない条件と無線の要求信号を受信している条件の双方が満足された場合にアクチュエータを駆動するので、特に、自転車の走行中に誤って施錠されることがなく、走行中の安全を確保することが可能である。
請求項4記載の自転車用錠前装置は、請求項3の要求信号発信機と要求信号受信部に代えて、スタンド部に設けられるスイッチ部と、スイッチ信号受信部を制御部として備え、発電信号を受信していない条件と停止信号を受信している条件の双方が満足された場合にアクチュエータを駆動するので、請求項3と同様に、自転車の走行中に誤って施錠されることがなく、走行中の安全確保が可能である。また、運転中にのみ起電力が生じるハブ発電機からの発電信号がないこととスタンドを使用することでスイッチ部から発信される停止信号があることによって施錠状態となるため、駐車する際にスタンドを用いることだけで施錠され、鍵の掛け忘れを防止することができ、その結果盗難を防止することができる。
請求項5記載の自転車用錠前装置は、アクチュエータに給電可能なバッテリーを備えるので、電気的駆動源として利用が可能であり、また、ハブ発電機を備える自転車であれば、このバッテリーに充電も可能となる。
請求項6記載の自転車用錠前装置は、要求信号発信機が、アクチュエータ又は要求信号受信部に接続及び給電可能な端子を備えることで、要求信号発信機が備える電気的駆動源をアクチュエータ又は要求信号受信部に接続して、給電することで予備的電源として利用することが可能であり、自転車用錠前装置が備える電気的駆動源の電圧低下時などに対応可能である。
請求項7記載の自転車用錠前装置は、要求信号発信機が、制御部に接続及び給電可能な端子を備えることで、要求信号発信機が備える電気的駆動源を制御部に接続して、給電することで予備的電源として利用することが可能であり、自転車用錠前装置が備える電気的駆動源の電圧低下時などに対応可能である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した場合の最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係るロック機構付自転車用ハブの説明図、図2は本発明の一実施の形態に係る自転車用錠前装置の説明図、図3は同自転車用錠前装置のシステム構成図、図4は同自転車用錠前装置の施錠方法のフローチャート、図5(A)〜(D)はそれぞれ同自転車用錠前装置のスタンドの説明図、図6は同自転車用錠前装置の開錠方法のフローチャート、図7(A)、(B)はそれぞれ同自転車用錠前装置の無線発信機の説明図、図8は同自転車用錠前装置のバッテリーが切れた時の開錠方法のフローチャートである。
本発明の一実施の形態に係るロック機構付自転車用ハブのロック機構には、様々な形態のものがある。自転車のフレームに固定されて回転自在に装着される前車輪又は後車輪の中心部の円筒体からなる本体内部に設けられるロック機構は、前車輪又は後車輪の回転を不能にしたり、回転を可能にしたりするために、ロックピンとピン受け穴を用いる方法や、クラッチを用いる方法や、ブレーキを用いる方法、あるいは、ハブ発電機をショートさせる方法等が考えられる。何れの場合においても、ロック機構は、電気的駆動源で稼動する物理的なブレーキ力を有し、前車輪、又は後車輪の車軸に固定されて円筒体内壁との間で前車輪又は後車輪を回転不能、又は回転可能にできる制動体を有している。
図1(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るロック機構付自転車用ハブの一例であるロック機構に制動体として回転ローラーを端部に備えるロックピンと、受動部としてピン受け穴が用いられるロック機構付自転車用ハブを説明する。図1(A)、(B)に示すように、ロック機構付自転車用ハブ10は、自転車のフレーム31(図2参照)に回転自在に装着される前車輪34(図2参照)又は後車輪37(図2参照)の中心部に設けられ、円筒体11を本体として、この内部に電気的駆動源で稼動するロック機構を備えている。円筒体11には、外側左右(図1(A)では上下)に自転車のスポークを取り付けるためのフランジ12が付いており、円筒体11の内部を閉塞状態としている。この円筒体11は、フランジ12の両内側が円環状に膨らんで、その中と、フレーム31に固定されている軸心13との間に複数個のベアリング及びグリースが入って軸受(図示せず)となり、軸心13の回りを前車輪34又は後車輪37の回転に連動して回転するようになっている。円筒体11内部のロック機構は、前車輪34又は後車輪37の軸心13に固定され、前車輪34又は後車輪37の回転を停止させるためのロックピン14の出し入れを制御する、電磁コイルの磁気作用によって電気的エネルギーを機械的直線運動に変換するソレノイド15を有している。また、ロック機構は、円筒状のソレノイド15よって移動するロックピン14が往復移動を可能とするために、バネ22をソレノイド15の両端部のうち軸心13に近い側の端部に、円筒状の永久磁石16をソレノイド15の両端部のうち軸心13に遠い側の端部に、それぞれ有している。この永久磁石16によって、ロックピン14は、ソレノイド15への通電が停止された後でも固定保持されるので、ロック位置、又はロック開放位置で緩みを確実に防止すると同時に、強固に固定保持することができると共に、施錠後、又は開錠後のソレノイドへの通電を必要としなく電気の消費を少なくすることができる。
すなわち、バネ22、ソレノイド15及び永久磁石16でいわゆる自己保持型のソレノイドとして機能している。このバネ22は伸ばした際に縮む方向に力が働く引きバネである。なお、本願では、バネ22、ソレノイド15及び永久磁石16をもって、アクチュエータとしている。この自己保持ソレノイドユニットの動作については後述する。アクチュエータとしては、自己保持型ソレノイドに限定するものではなく、電気エネルギーを機械的な直線運動あるいは場合によっては円運動や螺旋運動に変換するような構造を備えて、制動体としてのロックピンなどを駆動し、ピン受け穴のような受動部に導入することで制動可能な機構であればよい。
ロック機構は、円筒体11の内壁に、ロックピン14を差込んでロックピン14との間で物理的ブレーキ力としての噛み合い力を発揮させるための1又は複数個のピン受け穴17を有している。このロック機構のピン受け穴17とロックピン14との係合には、ピン受け穴17の損傷を防止してピン受け穴17の中にロックピン14が滑り込むようにして差込まれるように、例えば、円筒体11の回転方向のピン受け穴17の角部をなだらかなアール形状にすると共に、ロックピン14の先端に制動部材として回転ローラー18を設けることができる。このロック機構付自転車用ハブ10は、ロックピン14と、この端部に設けられた回転ローラー18によって、電気的駆動源で稼動して前車輪34又は後車輪37を回転不能、又は回転可能にできる制動体19を構成している。
この制動体19と、この制動体19を駆動するバネ22、ソレノイド15及び永久磁石16で構成される自己保持ソレノイドユニットをアクチュエータとしてロック機構が構成される。
まず、施錠されていない状態、すなわちロックピン14の回転ローラー18がピン受け穴17に係合していない状態において、この制動体19を作動させるために、円筒体11の内部に設けられた要求信号受信部23で、無線信号である第1の要求信号を受信すると、要求信号受信部23はソレノイド15に第1の指令信号を出し、ソレノイド15には永久磁石16の磁極の向きと同一の向きとなるような磁極となるべくコンデンサバッテリー21から供給される電流が流れる。このため、ロックピン14はバネ22に抗して、ソレノイド15と永久磁石16に引き出されて、回転ローラー18がピン受け穴17に係合され施錠される。一旦施錠の状態になれば、電流を遮断しても永久磁石16のみの力によって状態が保持される。
一方、開錠する場合には、要求信号受信部23で、無線信号である第2の要求信号を受信することで、同じくソレノイド15に第2の指令信号を出し、ソレノイド15に永久磁石16の磁力を打ち消すような磁極を形成するようにコンデンサバッテリー21から電流が供給される。この場合には、引きバネとして作用するバネ22によって、ロックピン14は軸心13側に引き寄せられ開錠される。一旦開錠された場合には、電流を遮断しても永久磁石16の磁力よりもバネ22の引張力が大きいため開錠の状態が保持される。
図1に示す本実施の形態では要求信号受信部23を円筒体11からなる本体内部に収納している。これはもちろん要求信号を受信して、ソレノイド15を動作容易にするためであるが、このように円筒体11の内部に限定するものではなく、可能であれば円筒体11の外部に設けてもよい。
なお、本実施の形態においては、ロックピン14の先端部に回転ローラー18を備えたものを用いて説明したが、ロックピン14の端部自体が制動部材を備えていたり、そのような部材を備えなくとも構造的に制動可能であれば、特に回転ローラー18を使用しなくともよい。また、電気的駆動源として、コンデンサバッテリー21を用いた場合を説明したが、バッテリーの種類はコンデンサ型に限定するものではなく、可能であれば、後述するアンチモンバッテリー、鉛バッテリー、カルシウムバッテリー等の自動車用や、ニカドバッテリー、ニッケル水素バッテリー等の電動自転車用等のバッテリーを用いてもよい。
前車輪34又は後車輪37のいずれの側にロック機構付自転車用ハブ10を設ける場合においても、前車輪34又は後車輪37のいずれかには、ロック機構を電気的駆動源で稼動させるための電力を発電するハブ発電機20を有している。このハブ発電機20は、近年盛んに用いられるようになった自転車のハブ内で回転させて発電させる自転車用の発電機であるが、従来のタイヤの側面にローラーを接触させて発電機を回転さすローラー発電機に比べて、ペダルを漕ぐ力は1/5程度と軽く、しかもローラー発電機と同様に車輪の回転中は絶えず発電を行うので、バッテリーを備えれば、発電された電力の蓄電を行うことができる。
なお、前述のとおり、ロック機構付自転車用ハブ10には、円筒体11内部にハブ発電機20で発電された電力を蓄電するための補助的なコンデンサバッテリー21を設けることもできる。このコンデンサバッテリー21に蓄電された電力は、自転車が走行している時の各機器の動力源、及び自転車を施錠する時の動力源として用いることができる。コンデンサバッテリー21は、コンパクトで且つメンテナンスを殆ど要さないので、狭い円筒体11内部に取り付け、容易に電源を蓄電して確保することができると共に、外部から手が届き難く、あまり分解を行う必要がないところへ設けるのにも適している。
次いで、図2、図3、図4、図5(A)〜(D)、図6を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る自転車用錠前装置を説明する。図2、図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る自転車用錠前装置30は、自転車のいずれかの場所に設置して、各部の動作を検知して制御するための制御部32を、例えば、人が腰掛けるためのサドル33の下部に有している。このサドル33の下部は、自転車を構成する部材の中で比較的振動や、衝撃等の影響を受け難いので、IC等で制御回路を構成した精密な機器である制御部32を配置するのに適している。また制御部32は施錠、開錠に関する指令信号を出すところであるために、容易に触れることのできない構造を必要とするので、コンパクト化ができれば前車輪34、又は後車輪37のいずれかのハブ内、すなわち図1に示す円筒体11内に設けることも可能である。この自転車用錠前装置30は、制御部32からの指令信号によって作動する、例えば、上記の実施例のようなロック機構付自転車用ハブ10を備えている。そして、この自転車用錠前装置30は、自転車が停止していることを確認する停止確認手段、自転車を施錠する施錠手段、及び自転車を開錠する開錠手段を有している。なお、下記に説明する自転車錠前装置30における各名称番号は、上記の実施例のロック機構付自転車用ハブ10の説明に用いた名称番号を用いている。
(停止確認手段)
自転車錠前装置30の停止確認手段は、制御部32であり、この制御部32に含まれる発電信号受信部24とスイッチ信号受信部25が対応する。
具体的には、図4に示されるとおり、自転車が停止して前車輪34、又は後車輪37の中心部のハブ内に設けられたハブ発電機20に起電力が発生し電流が流れていることを検知して発電信号を発信する発電検知部26が、発電信号を発していないことと、自転車のフレーム31に回転自在に装着され自転車の後車輪37近傍のフレーム31に固定して装着されるスタンド38の回動自在の支持体39が降りたことをスイッチ42によって電気的に検知することの両方で停止を確認することになる。
もちろん、いずれか一方でもよいし、これらの両方によって確認するようにしてもよいし、さらに停止を確認するセンサなどを追加して適宜組み合わせて確認手段としてもよい。
停止確認手段の作動方法について、図3及び4によって説明する。制御部32において、先ず前車輪34、又は後車輪37の中心部のハブ内に設けられたハブ発電機20に電流が流れていないことを、発電検知部26からの発電信号が発電信号受信部24で受信されていないことで検知して、自転車が停車したことを確認する。そして、さらに自転車のフレーム31に回転自在に装着され自転車の後車輪37近傍のフレーム31に固定して装着されるスタンド38の回動自在の支持体39が降りたことをスタンド38に設置されるスイッチ42で電気的に検知することで、スタンド38の支持体39が立てられたことを確認すると、停止確認がなされる。このような条件下で、要求信号受信部35が無線発信機36からの第1の要求信号を受信することで施錠手段が作動する。先の停止確認の際には制御部32が機能するため、この制御部32と要求信号受信部35の間で停止確認と施錠要求の情報あるいは信号のやりとりが必要であるので、図3に示すとおり制御部32と要求信号受信部35の間は有線あるいは無線で接続される必要がある。
本実施の形態では、アクチュエータとして機能するソレノイド15の作動のための指令信号は、要求信号受信部35あるいは制御部32のいずれかから発するようにすればよい。なお、本実施の形態においては、要求信号受信部35は制御部32に含まれていないが、これを含めて制御部32を構成してもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態における変形例として、無線発信機36からの要求信号受信部35への要求信号なしで、すなわち、発電検知部26からの発電信号を発電信号受信部24が受信していないという停止確認の条件と、スタンド38のスイッチ42からのスイッチ信号をスイッチ信号受信部25が受信しているという停止確認の条件の2つのみで施錠のための指令信号を制御部32からソレノイド15に発信するようにしてもよい。
このとき自転車の使用者が無線発信器36から第1の要求信号を発することが施錠に対する必須条件ではないため、自転車が停車して、スタンド38の支持体39を立てれば、停止確認がなされて施錠がなされることになり、施錠忘れを防ぐことができる。
さらに、制御部32において、ハブ発電機20に電流が流れていないことが検知されるのみで自転車の停車を確認するとした場合には、自転車の使用者が無線発信器36から第1の要求信号を発し、これが要求信号受信部35で感知されると、施錠手段が作動することによって、スタンド38の支持体39が立てられることを条件とせずに施錠することになるが、これはスタンドが不要な駐輪場や何かに立てかけて駐輪する場合には有効であると考えられる。このように自転車の停車が確認され、スタンドが立てられるか、第1の要求信号が発せられれば、施錠されることで、施錠忘れを防ぐ効果が期待でき、かつスタンドを立てない場合にも対応が可能となる。
なお自転車の停車後、スタンドを立てる、あるいは第1の要求信号を発することで施錠が行われるわけであるが、このいずれもなされないときは、施錠がなされないことになるために、自転車の停車後、一定時間経過すれば自動的に施錠することにより施錠忘れを確実に防ぐことができる。この場合、制御部32に予め所定の時間を記憶させたタイマーを設けておき、発電信号受信部24で発電検知部26からの発電信号を当該所定の時間受信しない場合に、自動的にソレノイド15へ指令信号を発信するようにすればよい。
さらに、制御部32から無線発信機36に警告信号を送り、自転車使用者に施錠忘れを警告する方法も有効である。この場合、同様に制御部32に予め所定の時間を記憶させたタイマーを設けておき、発電信号受信部24で発電検知部26からの発電信号を当該所定の時間受信しない場合に、自動的に無線発信機36へ警告信号を発信するようにすればよい。
ここで、スタンド38の支持体39が降りたことを電気的に検知する方法の一例を説明する。通常、スタンド38には、自転車の片側に設けて後車輪37を接地させた状態で、支持体39で自転車を支えて停車させておくタイプと、自転車の両側に跨ぐように設けて後車輪37を浮かせて支持体39で自転車を支えて停車させておくタイプがあるが、ここでは支持体39を自転車の片側に設けるタイプで説明する。図5(A)に示すように、スタンド38は、自転車のフレーム31に固定される固定部40と、この固定部40と軸41を介して回動自在となる支持体39を有している。図5(B)に示すように、固定部40には、支持体39の回動と共に支持体39で感知部が押し付けられたり、開放されたりするスイッチ42が固定されて設けられている。そして、図5(C)、(D)に示すように、スイッチ42は、自転車の走行時には、支持体39が軸41を支点として上げた(横にした)状態でスイッチ42の感知部を押し付けてスイッチ回路に電流が流れている状態となり、自転車の停車時には、支持体39が軸41を支点として降ろした(立てた)状態でスイッチ42の感知部が開放されてスイッチ回路に電流が流れていない状態になるように設けられている。制御部32では、このスイッチ42の感知部が開放されてスイッチ回路に電流が流れていない状態でスタンド38の支持体39が降りたことを検知することができるようになっている。そして、スイッチ42は、スイッチ回路に電流が流れていないことを検知すると内蔵された発信回路からスイッチ信号を発信して、このスイッチ信号は制御部32のスイッチ信号受信部25によって受信される。
このようなスイッチ回路の場合には、自転車の走行中にスイッチ回路に絶えず電気が流れている状態となっているが、走行中にはハブ発電機20で絶えず電力を供給できるので電力不足の発生はおこらない。なお、スイッチ回路は、上記と逆の自転車の走行時には、支持体39を上げた(横にした)状態でスイッチ42の感知部を開放してスイッチ回路に電気が流れていない状態になり、自転車の停車時には、支持体39を降ろした(立てた)状態でスイッチ42の感知部を押し付けてスイッチ回路に電気が流れている状態となるように設けられていてもよい。そして、この場合には、制御部32では、このスイッチ42の感知部が押し付けられてスイッチ回路に電気が流れている状態でスタンド38の支持体39が降りたことを検知することができるようになっている。また、その検知によって内蔵された発信回路からスイッチ信号を発信し、スイッチ信号受信部25によって受信されるのも同様である。なお、感知部の押し付け時あるいは開放時にスイッチ回路に電流が流れるとしたが、いずれの場合も感知部の動作によって一瞬のみ電流が流れ、瞬時にスタンド38の支持体39が降りたことを検知することができるように感知部を工夫してもよい。無駄な電力の消費を防止することができる。
(施錠手段)
自転車用錠前装置30には、前車輪34の中心部に設けられているハブ発電機20で発電された電力を蓄電するためのメインのバッテリー43を、例えば、フレーム31に固定してサドル33の下部の制御部32の近傍に有している。
自転車用錠前装置30の施錠手段は、制御部32からの指令信号に基づき、このバッテリー43と、例えば、ロック機構付自転車用ハブ10の円筒体11内部にコンデンサバッテリー21を有する場合には、このコンデンサバッテリー21を含める電源を用いる電気的駆動力で稼動する制動体19を、前車輪34又は後車輪37の中心部に設けられたロック機構付自転車用ハブの円筒体11内部に有している。
そして、施錠手段は、この制動体19の物理的なブレーキ力の作動、例えば、ロックピン14とピン受け穴20を用いる方法や、クラッチを用いる方法や、ブレーキを用いる方法や、あるいは、ハブ発電機20をショートさせる方法等で前車輪34、又は後車輪37の回転を回転不能としている。そして、施錠手段は、スタンド38の支持体39が降りたことを電気的に検知しているスイッチ回路を遮断するようにしている。この回路を遮断するということは、自転車が停車中に何らかの理由でスタンド38の支持体39が軸31を支点として上げた(横にした)り、降ろした(立てた)たりした状態になってもスイッチ42が入る状態とはならないようにしてバッテリー43や、コンデンサバッテリー21の放電を防止することができる。
前車輪34又は後車輪37の中心部に設けられた、ロック機構付自転車用ハブ10の円筒体11内部に、例えば、コンデンサバッテリー21が設けられる場合の、フレーム31に固定して設けられるメインのバッテリー43との関係は、制御部32がハブ発電機20に電流が流れていないことを検知した後、自転車の各部に供給する電源をコンデンサバッテリー21から比較的蓄電能力の大きいメインのバッテリー43に変換するようにするのがよい。なお、バッテリーには、アンチモンバッテリー、鉛バッテリー、カルシウムバッテリー等の自動車用や、ニカドバッテリー、ニッケル水素バッテリー等の電動自転車用等があるが、自動車用バッテリーは、大型で、例えば鉛バッテリーに代表されるように水の補給が必要等のメンテナンスに難点がある。そこで、このメインのバッテリー43には、小型で、メンテナンスが余りかからなくて、比較的長時間の蓄電が行えるニカドバッテリーや、ニッケル水素バッテリー等が適している。自転車走行中にハブ発電機20によって発電された電気は、コンデンサバッテリー21や、バッテリー43に蓄えられ、コンデンサバッテリー21に蓄えられた電源を自転車走行中の制御部32の動力源、自転車の施錠用の動力源に用いるのがよい。そして、比較的大きい蓄電能力を有するメインのバッテリー43に蓄えられた電源は、自転車が停車している時の制御部32の動力源、自転車のロック機構の開錠用の動力源として用いるのがよいが、メインのバッテリー43とコンデンサバッテリー21は、それぞれ制御部32や要求信号受信部35、さらにソレノイド15を駆動することも可能であり、予め容量を考慮しておけば、いずれの電源を用いてもよい。もちろん、制御部32を構成する発電信号受信部24及びスイッチ信号受信部25に対しても同様にこれらの2つのコンデンサバッテリー21とバッテリー43のいずれからでも給電可能である。
バッテリーは、コンデンサバッテリー21と、メインのバッテリー43を使い分けることで、メインのバッテリー43の蓄電サイクルを長くすることができる。なおバッテリーはメインのバッテリーだけでも作動可能であることはいうまでもない。
本実施の形態においては、施錠手段として制御部32、バッテリー43あるいはコンデンサバッテリー21、及びロック機構として説明したが、この他にも、制御部32に代えて要求信号受信部35のみを備えた施錠手段もある。すなわち、無線発信機36からの第1の要求信号を要求信号受信部35で受信してソレノイド15を駆動させるような場合が該当する。また、要求信号受信部35は前述のとおり、制御部32に含めることも可能であり、機能面からすれば、制御部32と同義とも考えられるが慎重を期して個別に説明するものである。また、制御部32は、図3に示されるように発電信号受信部24とスイッチ信号受信部25を常に含むものではなく、いずれか一方のみでもよい。さらに、施錠手段として、無線発信機36、発電検知部26あるいはスイッチ42を含む概念としてもよい。
(開錠手段)
図6及び7に示すように、自転車用錠前装置30の開錠手段は、先ず、自転車を使用しようとする人の無線発信機36の開錠用ボタン36bを押すことで発せられる開錠用の第2の要求信号を、例えば、制御部32が収納されているボックス内に制御部32の近傍に固定されて有する要求信号受信部35で感知する。要求信号受信部35は、その第2の要求信号を制御部32に転送し、第2の要求信号を受信した制御部32の指令によってスタンド38の支持体39が降りたことを電気的に検知しているスイッチ回路を再接続する。スイッチ回路が再接続されると前述と同様に、内蔵された発信回路からスイッチ信号を発信し、そのスイッチ信号はスイッチ信号受信部25によって受信される。
このような動作によって、スタンド38の支持体39が降りているという条件と使用者が開錠を意図しているという条件が確認される。
そして、この2つの条件が確認されると開錠手段は、制御部32の指令信号によって、例えば、ロック機構付自転車用ハブ10のロック機構に設けられている制動体19の物理的なブレーキ力の作動、例えば、ロックピン14とピン受け穴17を用いる方法や、クラッチを用いる方法や、ブレーキを用いる方法や、あるいは、ハブ発電機20をショートさせる方法等の作動力を開放することで前車輪34、又は後車輪37の回転を回転可能としている。なお、自転車用錠前装置30の蓄電電力は、コンデンサバッテリー21を補助的に用いる場合には、制御部32がハブ発電機20に電流が流れていることを検知して更にハブ発電機20で発電されてコンデンサバッテリー21の蓄電が一定時間なされた後、自転車の各部に供給する電源をメインのバッテリー43からコンデンサバッテリー21に変換するようにするのがよい。
本実施の形態においては、開錠手段として、無線発信機36、要求信号受信部35、スイッチ42、スイッチ信号受信部25、制御部32及びロック機構として説明したが、特に、この組合せに限定するものではなく、施錠手段と同様に、スイッチ42やスイッチ信号受信部25、制御部32を備えていないものや、発電検知部26と発電信号受信部24を加えたもの、あるいはこれらの中から施錠手段の組合せに併せて適宜組み合わせたものなどが概念される。
次に、図7(A)、(B)、図8を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る自転車用錠前装置30の開錠補助手段を説明する。上記の自転車用錠前装置30においては、制御部32が収納されているボックス内に制御部32の近傍に固定されて有する要求信号受信部35に無線発信機36から開錠用の第2の要求信号を開錠用ボタン36bを押すことで発してもメインのバッテリー43及びコンデンサバッテリー21の蓄電電力が長時間放置の放電によって電源不足となり、開錠手段が作動しない場合がある。この場合のために、図7(A)、(B)、図8に示すように、自転車用錠前装置30の開錠補助手段は、無線発信機36に設けている外部接続端子44をソレノイド15に設けている端子に接続して無線発信機36の電源をソレノイド15及び前記制動体19を駆動する電気的駆動源に供給すると共に、無線発信機36の開錠用ボタン36bを押して開錠用の第2の要求信号を発し開錠手段を作動させるようにしている。
また、ソレノイド15と図3に示される制御部32や要求信号受信部35が電気的に接続されている場合には、ソレノイド15に接続された外部接続端子44の電源をこれらの動力源としても使用することも可能としておくとよい。もちろん、制御部32は要求信号受信部35に外部接続端子44を接続した場合でも、外部接続端子44の電源をそれぞれで利用可能とし、かつ、接続された装置以外の装置に対しても給電が可能とすることも可能である。さらに、制御部32を構成する発電信号受信部24やスイッチ信号受信部25が単独で設けられている場合も同様である。
なお、ソレノイド15と制御部32あるいは要求信号受信部35が離れて設置されており、しかも電気的にそれぞれが接続されておらず、なおかつ蓄電電力が不足することが想定される場合には、外部接続端子44のみならず、リード線を備えた別個の接続端子を1乃至複数備えるなどしてアクチュエータ側の電力のみならず制御部32や要求信号受信部35の電力をも同時に供給可能としてもよい。
外部接続端子44は、例えば、不必要時には内部に収納(図7(A)参照)されており、必要時に内部から引き出す(図7(B)参照)ような形態のものでよい。無線発信機36の電源は、乾電池等で構成されており、乾電池等の電源切れが発生したとしても比較的容易に手に入れることができるものなので、対処を容易に行うことができる。なお、この無線発信機36には、第1の要求信号を発することで施錠を行うための施錠用ボタン36aを併せて設けられている。また、無線発信機36の第1、及び第2の要求信号には、赤外線、電磁波、音波等のあらゆる種類の無線信号を用いることができる。
なお、外部接続端子44は、アクチュエータとしてのソレノイド15に設けられた端子の他にも、要求信号受信部35や制御部32、あるいはコンデンサバッテリー21やバッテリー43に設けられた端子に接続されるようにしてもよい。さらに、発電信号受信部24やスイッチ信号受信部25が制御部32に設けられていない場合には、これらの構成要素に端子を設けて接続されるようにしてもよい。
本発明のロック機構付自転車用ハブ及び自転車用錠前装置は、走行中のロック機構の作動を防止し、鍵掛忘れを防止でき、盗難防止の精度を向上させ、比較的安価にできるロック機構付自転車用ハブ及び自転車用錠前装置としてあらゆる自転車に適用することができる。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係るロック機構付自転車用ハブの説明図である。 本発明の一実施の形態に係る自転車用錠前装置の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る自転車用錠前装置のシステム構成図である。 同自転車用錠前装置の施錠方法のフローチャートである。 (A)〜(D)はそれぞれ同自転車用錠前装置のスタンドの説明図である。 同自転車用錠前装置の開錠方法のフローチャートである。 (A)、(B)はそれぞれ同自転車用錠前装置の無線発信機の説明図である。 同自転車用錠前装置のバッテリーが切れた時の開錠方法のフローチャートである。
符号の説明
10:ロック機構付自転車用ハブ、11:円筒体、12:フランジ、13:軸心、14:ロックピン、15:ソレノイド、16:永久磁石、17:ピン受け穴、18:回転ローラー、19:制動体、20:ハブ発電機、21:コンデンサバッテリー、22:バネ、23:要求信号受信部、24:発電信号受信部、25:スイッチ信号受信部、26:発電検知部、30:自転車用錠前装置、31:フレーム、32:制御部、33:サドル、34:前車輪、35:要求信号受信部、36:無線発信機、36a:施錠用ボタン、36b:開錠用ボタン、37:後車輪、38:スタンド、39:支持体、40:固定部、41:軸、42:スイッチ、43:バッテリー、44:外部接続端子

Claims (7)

  1. 自転車のフレームに回転自在に装着される前車輪又は後車輪の中心部に設けられ、円筒体からなる本体内部にロック機構を備えるロック機構付自転車用ハブであって、
    前記円筒体内壁に形成された受動部に係合して物理的なブレーキ力を有する制動体と、この制動体に外挿され電磁コイルの磁気作用によってその出し入れを制御するソレノイドとこのソレノイドの一端に設置される永久磁石と前記ソレノイドの他端に設置される引きバネからなるアクチュエータとを備え、前記前車輪又は後車輪の車軸に固定されるロック機構と、
    作動用の要求信号を無線で受信して前記アクチュエータを駆動する要求信号受信部を有することを特徴とするロック機構付自転車用ハブ。
  2. 自転車のフレームに回転自在に装着される前車輪又は後車輪の中心部に円筒体からなる本体内部にロック機構を備えたロック機構付自転車用ハブを設ける自転車用錠前装置であって、
    前記円筒体内壁に形成された受動部に係合して物理的なブレーキ力を有する制動体と、この制動体に外挿され電磁コイルの磁気作用によってその出し入れを制御するソレノイドとこのソレノイドの一端に設置される永久磁石と前記ソレノイドの他端に設置される引きバネからなるアクチュエータとを備え、前記前車輪又は後車輪の車軸に固定されるロック機構と、
    このロック機構を作動させるための無線の要求信号を発信する要求信号発信機と、この要求信号発信機からの要求信号を無線で受信して前記アクチュエータを駆動する要求信号受信部を有することを特徴とする自転車用錠前装置。
  3. 前記円筒体内部に設けられ自転車の前車輪又は後車輪の回転によって発電を行なうハブ発電機と、
    前記ハブ発電機の起電力を検知して無線の発電信号を発信する発電検知部と、
    記要求信号受信部と前記発電検知部からの発電信号を受信する発電信号受信部とを有する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記発電信号を発電信号受信部が受信していないという条件と前記要求信号を前記要求信号受信部が受信しているという条件の双方が満足された場合に前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項2記載の自転車用錠前装置。
  4. 前記自転車のスタンド部に設けられ、このスタンド部の使用を検知して停止信号を発生させるスイッチ部と、
    前記円筒体内部に設けられ自転車の前車輪又は後車輪の回転によって発電を行なうハブ発電機と、
    前記ハブ発電機の起電力を検知して発電信号を発信する発電検知部と、
    前記要求信号受信部に代えて前記スイッチ部からの停止信号を受信するスイッチ信号受信部を備えた制御部とを有し、
    前記制御部は、前記発電信号を発電信号受信部が受信していないという条件と前記停止信号を前記スイッチ信号受信部が受信しているという条件の双方が満足された場合に前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項3記載の自転車用錠前装置。
  5. 前記アクチュエータに給電可能なバッテリーを備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の自転車用錠前装置。
  6. 前記要求信号発信機は、前記アクチュエータ又は前記要求信号受信部に接続及び給電可能な端子を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の自転車用錠前装置。
  7. 前記要求信号発信機は、前記制御部に接続及び給電可能な端子を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の自転車錠前装置。
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