JP4085432B2 - ディスクドライブ装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、情報記録媒体として光ディスクや光磁気ディスク等の光学ディスクを用いて情報の記録(書込み)及び/又は再生(読出し)を行うディスクドライブ装置に関し、特に、情報の記録及び/又は再生動作に先立って光学ディスク及び光学ピックアップ装置間の姿勢を予め規定された初期状態に設定するようにしたディスクドライブ装置に関する。
背景技術
従来、一般に、光ディスクドライブ装置では、予め楽音データやコンピュータで処理される情報データ等が記録された再生専用のCD(コンパクト・ディスク)やCD−ROM(リード・オンリ・メモリ)等が情報記録媒体として用いられている。また、CDやCD−ROM等と大きさを共通にして、データの再度の記録を可能とする追記型のOD(光磁気ディスク)等の光学ディスクも情報記録媒体として用いられている。
これら光学ディスクを情報記録媒体として用いて情報の記憶及び/又は再生を行うディスクドライブ装置には、スピンドルモータの回転軸に取り付けられたディスクテーブルと、このディスクテーブルに装着された光学ディスクに対して情報信号の書込み及び/又は読出しを行う光学ピックアップ装置等が備えられている。そして、ディスクテーブル上に光学ディスクを水平に装着して回転駆動する一方、光学ピックアップ装置の対物レンズによって光ビームを光学ディスクの情報記録面に垂直に照射し、その対物レンズを情報記録面と平行に移動させながら、その情報記録面に情報を記録したり予め記録されている情報を再生するようにしている。
このようなディスクドライブ装置では、光学ディスクに対して良好な記録再生特性をもってデータの記録及び/又は再生を行うためには、光学ディスクの情報記録面とその情報を読出し等する光学ピックアップ装置の対物レンズとが、ある決められた傾きの範囲内に取り付けられている必要がある。これは、対物レンズの傾きが情報信号の再生の正確性に大きく依存していることによるものである。
この場合、光学ディスクの高密度、高精度の記録及び/又は再生を行うためには、対物レンズの光軸を光学ディスクに対して垂直(90°)に設定することが望ましい。このように光ビームを光学ディスクの情報記録面に垂直に入射させることにより、対物レンズにより収束されて情報記録面に照射される光ビームのビームスポットが真円となる。その結果、ビームスポットが情報記録面に形成された1の記録トラックを正確に走査することが可能となり、良好な記録再生特性をもって記録及び/又は再生が行われることになるからである。
ところが、光学ディスクの傾き、スピンドルモータの垂直度、対物レンズの垂直度等にはバラツキがあるため、対物レンズの光軸を光学ディスクに対して精密に垂直に設定するのは困難である。そのため、光学ディスクを情報記録媒体として用いるディスクドライブ装置にあっては、光学ディスクの傾き、スピンドルモータや光学ピックアップ装置の取付精度等を考慮して、光学ディスクの情報記録面と対物レンズの光軸とがなす相対的な傾きについては、一定の許容範囲が規格として認められている。
例えば、CDやCD−ROM等の直径12cmの光学ディスクを用いるディスクドライブ装置では、光学ディスクと対物レンズとの間の相対的な傾きの許容範囲を1.2°以内(光学ディスクの傾き規格が0.6°以内で、ディスクドライブ装置側におけるスピンドルモータや対物レンズの傾き規格が0.6°以内である。)に規格統一されている。そして、光学ディスクが所定位置に取り付けられた状態を基準として、対物レンズを動かすことによって光軸を決められた傾きの範囲内に調整している。
また、CDやCD−ROM等の直径12cmの光学ディスクには、その記録密度の多少によって2種類のものが製造されている。その1は、情報の記録密度が標準とされるCDやCD−ROM等の第1の光学ディスク(以下「標準密度ディスク」という。)であり、その2は、情報の記録密度がCD等の標準密度ディスクの7〜8倍もあるDVD(ディジタルビデオディスク)やHD−CD(ハイデンシティ−コンパクトディスク)等の高密度の第2の光学ディスク(以下「高密度ディスク」という。)である。
一般に、標準密度ディスクは寸法精度が比較的ラフに製造されている一方、高密度ディスクは寸法精度が高精度に製造されている。そして、高密度ディスクでは記録密度を高めるために、データが記録される記録トラックの幅が狭められているばかりでなく、ピット間の間隔も狭められて小ピッチ化が図られている。
このような高密度化を実現した光学ディスクを情報記録媒体に用いるディスクドライブ装置にあっては、光学ディスクに対する対物レンズの垂直度を一層高精度に設定する必要があり、より高精度の部品を使用したり、光学ディスクの傾きをより小さくしたり、或いは調整精度を一層高める等の措置が必要になる。しかしながら、これらには必然的に限界があり、例えば、部品精度を上げる等の措置は、製品のコストアップにつながってしまうために好ましいものではない。
更に、光学ディスクがLD(レーザディスク)の場合には、ディスク径が300mmと大きく、しかもディスク材料がAS(アクリロニトリル・スチレン樹脂)であって、CD等のディスク材料であるPC(ポリカーボネート)よりも剛性が低いため、その傾き量は一層大きくなる。
そこで、この種のディスクドライブ装置について、本出願人は先に、光学ディスクの情報記録面の反りに対する光学ピックアップ装置の対物レンズの光軸を調整するためのスキュー調整機構に係る各種の特許出願を行ってきた。そのスキュー調整機構は、情報信号を読むための対物レンズが設けられた光学ピックアップ装置を光学ディスクの傾きに対応して傾けるものや、光学ディスクの傾きに合わせてスピンドルモータを傾けるもの等である。
かかるスキュー調整機構について、更に詳細に説明すると、そのスキュー調整機構は、スピンドルモータの回転軸の軸心線を通り且つトレイセンタに対して直角で水平な基準線上に一対の回転支点を設け、この左右一対の回転支点を中心にスピンドルモータを回動させることにより、対物レンズの光軸に対する光学ディスクの傾きを調整可能としている。このスキュー調整機構によれば、スピンドルモータの傾き調整によって光学ディスクのラジアルスキュー調整を行うので、光学ピックアップ装置全体の傾き調整を行うものに比べて、構造が簡単であって駆動力も小さくて済むことから、小型、低コストであって、省電力タイプのディスクドライブ装置を得ることができる。
しかしながら、このような先行技術に係るディスクドライブ装置においては、光学ディスク及び光学ピックアップ装置間の姿勢を予め規定された初期状態に精度良く設定するものではなく、情報を記録及び/又は再生する光学ディスクの記録密度の高低を検出して、高密度ディスクの場合にはスキュー調整機構を動作させてスキュー調整を行う一方、標準密度ディスクの場合にはスキュー調整機構を停止させてスキュー調整を行わないようにしたため、高密度ディスクから標準密度ディスクにディスク交換した場合に、再生不良を生じるおそれがあるという課題があった。
このような課題は、次のような原因によって生ずるものであり、これを図35〜図37を参照して説明する。この図35〜図37は、先行技術に係るディスクドライブ装置の光学ピックアップ装置と光学ディスクとの関係を示す説明図である。図35〜図37において、290はサブシャーシ、291は、サブシャーシ290に固定されたスピンドルモータ、292は、スピンドルモータ291の回転軸に取り付けられたディスクテーブルである。このディスクテーブル292には、光学ディスクD(高密度ディスクDh又は標準密度ディスクDs)が水平に載置されて、一体に回転駆動可能とされている。
更に、サブシャーシ290には、ディスクテーブル292に装着された光学ディスクDに対して情報の書込み及び/又は読出しを行うための光学ピックアップ装置293がスライド移動可能に取り付けられている。そして、この光学ピックアップ装置293が、その対物レンズ294を光学ディスクDの情報記録面に臨ませた状態でディスクテーブル292に対して接近・離反可能に構成されている。また、光学ピックアップ装置293にはスキューセンサ295が上向きに取り付けられており、このスキューセンサ295によって光学ディスクDの傾きが検出されている。
かくして、図35に示すように、スピンドルモータ291の回転軸に固定されたディスクテーブル292に高密度ディスクDhを装着すると、その外周側がたわみ、情報記録面が二点鎖線で示すように、対物レンズ294から近づく方向に傾く。このとき、図36に示すようにスキュー調整機構の働きによって光学ピックアップ装置293の対物レンズ294が情報記録面から離れる方向に移動しつつ、その光軸を情報記録面に対して垂直にさせる方向に傾く。そして、高密度ディスクDhをイジェクトすると、図37に示すように、対物レンズ294が傾いた状態に保持される。
次に、標準密度ディスクDsを装置内に挿入してディスクテーブル292に装着すると、種類判別手段が前回と同様に記録密度の高低を判別するが、今回装着されたディスクは標準密度ディスクDsであるため、スキュー調整機構は働かない。その一方、高密度ディスクDhの場合と同様に、外周側がその重みで下方に傾く。
しかしながら、標準密度ディスクDsは、高密度ディスクDhに比べてその記録トラックピッチ、回転速度、ディスクの物理的構造等が異なるため、光ビームの光軸に対する情報記録面の傾き角が互いに異なる。
従って、高密度ディスクDhに対応して調整された対物レンズ294の傾きが、標準密度ディスクの場合、悪影響を及ぼす虞れがある。つまり、対物レンズ294から照射される光ビームの焦点が情報記録面と合わなくなり、従って、標準密度ディスクDsと対物レンズ294との姿勢関係を標準密度ディスクDsに記録されている情報を再生するための最良状態とすることができない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新たに光学ディスクを装着して情報の記録及び/又は再生を行う場合には、これに先立って光学ディスク及び光学ピックアップ装置間の姿勢を予め規定された初期状態に戻し、その後に必要に応じてスキュー調整機構を動作させる構成とすることにより、記録容量等の仕様を異にする複数種類の光学ディスクを選択的に用いることができるディスクドライブ装置を提供することを目的としている。
発明の開示
本発明に係るディスクドライブ装置は、情報の記録及び/又は再生のための光学ディスクが装着されると共にスピンドルモータによって回転駆動されるディスクテーブルと、このディスクテーブルに装着された光学ディスクに光ビームを照射することによって光学ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光学ピックアップ装置と、この光学ピックアップ装置に設けられて光学ディスクに対する光ビームの光軸の傾きを検出するスキューセンサと、このスキューセンサからの検出出力に基づきディスクテーブルに装着された光学ディスクに対する光ビームの光軸の傾きを調整するスキュー調整機構と、光学ディスクの種類を検出する検出手段と、この検出手段からの検出信号に基づき、光学ディスクの情報記録が第1の記録密度を有する第1の光学ディスクより高密度である第2の記録密度を有する第2の光学ディスクであることを検出した場合に、スキュー調整機構によるスキュー調整を行う制御手段とを備えている。
本発明に係るディスクドライブ装置は、スキューセンサによって検出される基準部を有し、スキューセンサからの基準部に対応する検出出力に基づいてスキュー調整機構を予め規定される初期状態に設定する。
本発明に係るディスクドライブ装置は、基準部は、ディスクテーブルの近傍に位置する。
本発明に係るディスクドライブ装置は、基準部は、ディスクテーブル又はスピンドルモータに設けた。
本発明に係るディスクドライブ装置は、基準部は、スピンドルモータ又はスピンドルモータを支持するシャーシに取り付けられた基準部材に設けた。
本発明に係るディスクドライブ装置は、基準部は、光学ディスクの内周部である。
本発明に係るディスクドライブ装置は、制御手段は、電源投入直後に初期設定を行う。
本発明に係るディスクドライブ装置は、情報の記録及び/又は再生のための光学ディスクを収容して装置本体に対して出し入れされるディスクトレイと、スキューセンサによって検出されると共にスキューセンサを開閉自在に覆う基準部材と、ディスクトレイに設けられ、基準部材を操作することによりスキューセンサを開放する開放部材と、スキューセンサからの基準部材に対する検出出力に基づいてスキュー調整機構を予め規定された初期状態に設定する初期状態設定手段とを備え、光学ディスクのローディング時、開放部材は基準部材を操作してスキューセンサを開放してスキュー調整機構を動作可能とした。
本発明に係るディスクドライブ装置は、制御手段は、検出手段の検出結果に応じてスキュー調整機構が、初期状態に保持される第1のモード或いはスキューセンサの検出出力に基づいて光ビームの光軸の傾きを調整する第2のモードのうちのいずれか一方のモードを選択する。
また、本発明に係るディスクドライブ装置は、制御手段は、検出手段の検出信号に基づき、第1の光学ディスクを検出したときには、スキュー調整機構を第1のモードに設定する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係るディスクドライブ装置の第1の例を示す外観斜視図である。
図2は、図1のディスクドライブ装置のディスクトレイとシャーシの内部構造を示す斜視図である。
図3は、図1のディスクドライブ装置のシャーシの内部構造を示すもので、ディスクトレイが初期状態にあるときの平面図である。
図4は、図1のディスクドライブ装置のシャーシを示すもので、ディスクトレイが初期状態にあるときの正面図である。
図5は、図1のディスクドライブ装置のシャーシの内部構造を示すもので、ディスクトレイがローディング位置に引き込んだ状態にあるときの平面図である。
図6は、図1のディスクドライブ装置のシャーシを示すもので、ディスクトレイがローディング位置に引き込んだ状態にあるときの正面図である。
図7は、図1のディスクドライブ装置のディスク回転駆動機構等が取り付けられた第1の支持フレームと光学ピックアップ装置が支持された第2の支持フレームを示す分解斜視図である。
図8は、図1のディスクドライブ装置の第1の支持フレームと第2の支持フレームとの関係を示すもので、スキュー制御が行われる状態の断面図である。
図9は、図1のディスクドライブ装置の制御回路部を示すブロック図である。
図10は、図1のディスクドライブ装置の制御回路部の制御動作を示すフローチャートである。
図11は、図1のディスクドライブ装置の制御回路部の制御動作を示すもので、種類判別データが記録されていない光学ディスクが装着されたときの具体的な動作を説明するフローチャートである。
図12は、本発明に係るディスクドライブ装置の第2の例を示すもので、ディスクトレイを突出させた状態の外観斜視図である。
図13は、図12のディスクドライブ装置のディスクトレイを引き込ませた状態の外観斜視図である。
図14は、図12のディスクドライブ装置のディスクトレイとディスククランパーを示す斜視図である。
図15は、図12のディスクドライブ装置のシャーシの内部構造を示すもので、ディスクトレイがローディング位置に引き込んだ状態にあるときの平面図である。
図16は、図12のディスクドライブ装置の昇降フレームと光学ピックアップ装置を示す斜視図である。
図17は、図12のディスクドライブ装置のシャーシとローディング駆動機構を示す斜視図である。
図18は、図12のディスクドライブ装置のシャーシとディスクトレイを示すもので、ディスクトレイをイジェクトする状態の縦断面である。
図19は、図12のディスクドライブ装置のシャーシとディスクトレイを示すもので、ディスクトレイのローディング状態の縦断面である。
図20は、図12のディスクドライブ装置のスキュー制御機構を説明するもので、図22におけるX−X線断面図である。
図21は、図12のディスクドライブ装置のスキュー制御機構を説明するもので、図22におけるY−Y線断面図である。
図22は、図12のディスクドライブ装置のスキュー制御機構を示す底面図である。
図23は、図12のディスクドライブ装置のスキュー制御機構を示す分解斜視図である。
図24は、図12のディスクドライブ装置のスキュー制御機構を構成するスライドカムを示す側面図である。
図25は、図12のディスクドライブ装置の制御回路部を示すブロック図である。
図26は、図12のディスクドライブ装置の制御回路部の制御動作を示すフローチャートである。
図27は、図12のディスクドライブ装置の制御回路部の制御動作の他の例を示すフローチャートである。
図28は、本発明に係る光学ディスクのディスク中心からの距離とディスク傾き角度との関係を示すグラフである。
図29は、本発明に係るディスクドライブ装置の第3の例を示すもので、昇降フレームとディスクテーブルと光学ピックアップ装置とスキューセンサと基準部材を示す平面図である。
図30は、図29のディスクドライブ装置の昇降フレームとディスクテーブルと光学ピックアップ装置とスキューセンサと基準部材を示す側面図である。
図31は、本発明に係るディスクドライブ装置の第4の例を示すもので、ディスクトレイと昇降フレームとディスクテーブルと光学ピックアップ装置とスキューセンサと基準部材を示すディスクイジェクト状態の平面図である。
図32は、図31のディスクドライブ装置のディスクトレイと昇降フレームとディスクテーブル等を示すディスクイジェクト状態の側面図である。
図33は、図31のディスクドライブ装置のディスクトレイと昇降フレームとディスクテーブル等を示すディスクローディング状態の平面図である。
図34は、図31のディスクドライブ装置のディスクトレイと昇降フレームとディスクテーブル等を示すディスクローディング状態の側面図である。
図35は、先行技術としてのディスクドライブ装置を示すもので、光学ピックアップ装置を再び光学ディスクの内周側に移動した状態の説明図である。
図36は、先行技術としてのディスクドライブ装置を示すもので、光学ピックアップ装置を再び光学ディスクの外周側に移動した状態の説明図である。
図37は、先行技術としてのディスクドライブ装置を示すもので、光学ディスクを取り除いた状態の説明図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係るディスクドライブ装置の例に関し、添付の図面を参照しながら説明する。
〔ディスクドライブ装置の第1の例の概要〕
第1の例として示すディスクドライブ装置は、情報記録媒体として記憶容量の異なる2種類の光学ディスク(具体的には光ディスク)を用いることができ、その光ディスクをディスクトレイによって装置本体内に自動的にローディングし、この光ディスクに記録されている情報の再生(読出し)を行うようにしたディスクトレイ方式の装置である。
このディスクドライブ装置100は、直径が12cmのCDやCD−ROM等の標準の記録密度(第1の記録密度)を有する第1の光学ディスクとしての標準密度ディスクDsと、同じく直径が12cmのDVDやHD−CD等の第1の光学ディスクに比べて高い記録密度(第2の記録密度)を有する第2の光学ディスクとしての高密度ディスクDhのどちらの光学ディスクDをも使用することができ、その記録密度の違いを自動的に判別して再生することを可能としたものである。
このディスクドライブ装置100は、図1及び図2に示すように、装置本体105の内外に亘って水平方向に移動操作されるディスクトレイ102を備えている。このディスクトレイ102は、上面に凹状をなすディスク保持部103が設けられている。このディスクドライブ装置によって再生される標準密度ディスクDs又は高密度ディスクDhは、ディスクトレイ102のディスク保持部103の底面上に載置されるように収納される。このディスク保持部103は、図2に示すように、ディスクトレイ102が装置本体105の外方に引き出されたとき装置本体105の前方に臨み、標準密度ディスクDs又は高密度ディスクDhの装入及び取出し動作が可能となる。
この光学ディスクDのローディングを行うには、図2に示すように、ディスクトレイ102を装置本体105の前方に引き出し、ディスク保持部103に再生しようとする標準密度ディスクDs又は高密度ディスクDhを載置する。その後、ディスクトレイ102の前面部102aを押圧し、装置本体105の内方に向かって押し込むことにより、ディスクトレイ102が装置本体105内に設けられた図示しないローディングスイッチを操作する。
このローディングスイッチが操作されると、ディスクトレイ102は、後述するローディング駆動機構の作動により、装置本体105の前面パネル107に設けたトレイ出入口104を介して装置本体105の内方に向かって水平に引き込まれる。このディスクトレイ102が、図1に示すように、装置本体105内に完全に収納されると、ディスク保持部103に保持された光学ディスクDは、スピンドルモータによって回転駆動されるディスクテーブル上に水平に自動的にローディングされる。
この光学ディスクDのローディングが行われた後、ホストコンピュータから再生指令信号が入力されると、スピンドルモータが駆動を開始し、ディスクテーブル上に載置された標準密度ディスクDs又は高密度ディスクDhが、一定線速度(CLV)又は一定角速度(CAV)によって回転駆動される。この光学ディスクDの回転の開始とともに、光学ピックアップ装置が駆動を開始する。この光学ピックアップ装置は、半導体レーザ等の光源から出射される光ビームによって光学ディスクDの情報記録面を走査し、この光学ディスクDに記録されている情報データの読み出しを行う。
そして、光学ディスクDに記録されている所望の情報データの再生が行われた後、ホストコンピュータから入力されるイジェクト指令信号又は前面パネル107に設けたイジェクト釦108を押圧すると、ローディング駆動機構が駆動され、ディスクトレイ102はトレイ出入口104から装置本体105の前方に向かうイジェクト方向に移動される。このイジェクト操作は、ディスク保持部103が装置本体105の前方に引き出された状態で完了する。
〔ディスクトレイ及びローディング駆動機構〕
次に、ディスクトレイ102及び、このディスクトレイ102を装置本体105の内外に亘って移動操作するディスクトレイ102のローディング駆動機構106を説明する。
このローディング駆動機構106によって装置本体105の内外に亘って移動操作されるディスクトレイ102は、合成樹脂材料を成形して形成されてなるもので、図2に示すように、ディスク保持部103の中央部から装置本体105の内方側に位置する後端部側に亘って長穴状の底面開口110が形成されている。このディスクトレイ102が装置本体105内の再生位置に移動されたとき、この底面開口110内には、ディスク駆動部を構成するディスクテーブル及び光学ピックアップ装置が臨むことになる。
このディスクトレイ102のディスク保持部103は、直径を12cmとする光学ディスクDを保持できる大きさに形成されているが、その内側には、ディスク保持部103と中心を一致させて小径の、例えば直径を8cmとする光学ディスクを保持するための補助ディスク保持部103aが設けられている。この補助ディスク保持部103aは、ディスク保持部103の底面部に凹部を設けることによって形成されている。
また、ディスクトレイ102の移動方向と平行な相対向する両側部には、左右一対のガイドレール109が一体に形成されている。更に、このディスクトレイ102の底面側の一側部には、ローディング駆動機構106の送りギア118と噛合するラックギア111が設けられている。そして、装置本体105内には、薄い金属板を打ち抜いて折曲形成されたシャーシ114が配設されている。
このシャーシ114に対してディスクトレイ102は、図2に示すように、相対向する左右の側板114a,114bの内側に取り付けられた合成樹脂からなる複数のトレイガイド部115によって左右一対のガイドレール109が支持され、これらトレイガイド部115に案内されて装置本体105の内外に亘る方向に移動するようになっている。そして、ディスクトレイ102を装置本体105の内外に亘って移動操作させるローディング駆動機構106は、図2及び図3に示すように、装置本体105内に配設されたシャーシ114のトレイ出入口104側に位置する前面側に配設されている。
このローディング駆動機構106は、図3及び図4に示すように、シャーシ114の前面側の底面に取り付けられたローディングモータ116と、このローディングモータ116の回転軸に取り付けられた駆動ギア117に噛合し且つ当該ローディングモータ116によって回転操作されるトレイ送りギア118を備えている。駆動ギア117は、トレイ送りギア118に一体に形成された第1の連結ギア118aに噛合して、ローディングモータ116の回転力をトレイ送りギア118に伝達している。
そして、トレイ送りギア118は、このギア118に一体に設けられた最も大径の第2の連結ギア118bをラックギア111に噛合させてディスクトレイ102に連結されている。従って、ディスクトレイ102は、ローディングモータ116が駆動することにより、トレイ送りギア118を介して装置本体105の内外に亘って送り操作される。
また、ローディング駆動機構106には、後述するように、シャーシ114に取り付けられるディスク駆動部120を構成するスピンドルモータを昇降操作する昇降操作板121を移動操作する首振りギア122が設けられている。この首振りギア122は、長手方向の中途部に設けた支軸119を中心に回動可能とされた首振りレバー123の一端側に回転自在に取り付けられており、この支軸119にトレイ送りギア118が回転自在に支持されている。
更に、首振りギア122は、この首振りギア122に一体に設けられた小径の連結ギア124を、トレイ送りギア118に一体に設けられた第3の連結ギア118cに噛合させることによってトレイ送りギア118に連結されている。その結果、ローディングモータ116が駆動されてトレイ送りギア118が回転されることにより、トレイ送りギア118の回転方向に応じて首振りギア122がトレイ送りギア118の外周を回転し、支軸119を中心にして首振りレバー123が、図3に示す矢印R1方向又は矢印R2方向に回動される。
また、首振りレバー123の中途部の一側には、昇降操作板121の基端部側の一側に設けられたラックギア111に噛合する扇形ギア125が設けられている。その結果、首振りギア122が図3において矢印R1方向又は矢印R2方向に回動されることにより、その回動方向に応じて昇降操作板121が、同図中矢印S1方向又は矢印S2方向に移動操作されることになる。
この昇降操作板121の、シャーシ114の底面に垂直に立上げて形成された立上げ片121aには、図4に示すように、傾斜カム溝126が設けられている。この傾斜カム溝126は、図4において右上がりに形成されていて、ローディング駆動機構106の昇降操作ピン127が摺動可能に係合されている。これにより、昇降操作板121が同図中矢印S1方向又は矢印S2方向に移動することにより、昇降操作ピン127が傾斜カム溝126に沿って移動し、ディスク駆動部120側のスピンドルモータが、シャーシ114上を移動するディスクトレイ102に対して接近又は離反するよう上下方向に移動される。
このスピンドルモータの昇降動作は、ディスクトレイ102が装置本体105内に収納された状態で行われる。これは、ディスクトレイ102がスピンドルモータ側に移動することにより、その移動途中でディスクトレイ102がスピンドルモータに衝突することを回避するためである。そのため、昇降操作板121を移動操作する首振りレバー123は、ディスクトレイ102の移動位置に応じて回動操作が規制されるようになっている。
この首振りレバー123の回動操作の規制は、ディスクトレイ102によって回動操作されるロックレバー128によって行われる。このロックレバー128は、図3及び図5に示すように、シャーシ114に立設された支軸129に支持されており、この支軸129を中心に回動可能に構成されている。そして、ロックレバー128は、支軸129に中央のコイル部が巻回されると共に一方のアーム部がロックレバー128に係止され且つ他方のアーム部がシャーシ114に係止された捻りコイルバネ130により、先端のロック部128aが首振りレバー123の他端側に設けた係止部123aと係合する方向に付勢されている。
このロックレバー128は、ディスクトレイ102が装置本体105内のローディング位置まで移動されると、このディスクトレイ102の底面側の一側の前面側に設けられた押圧部132により、その基端側に立設された押圧ピン128bが押圧される。その結果、捻りコイルバネ130の付勢力に抗してロックレバー128が回動され、首振りレバー123の係止部123aに係合しているロック部128aのロックが解除される。
このように、ディスクトレイ102が装置本体105内に移動されてロックレバー128によるロックが解除されると、首振りレバー123は、トレイ送りギア118の回転により回動操作されて昇降操作板121を移動操作する。この昇降操作板121が移動操作されると、昇降操作ピン127が傾斜カム溝126に沿って、図4に示す下部位置と図6に示す上部位置との間に亘って移動する。
また、シャーシ114上には、ディスクトレイ102が装置本体105内のローディング位置に移動されたことを検出してローディングモータ116の駆動を停止させるローディング検出スイッチ133と、昇降操作板121の移動位置を検出する昇降操作板検出スイッチ134とが配設されている。
〔ディスク駆動部〕
次に、上述したようなディスクトレイ102に保持されて装置本体105内に搬送された光学ディスクD(標準密度ディスクDs又は高密度ディスクDh)が装着され、この光学ディスクDに記録されている情報を再生するディスク駆動部120を説明する。
このディスク駆動部120は、図2に示すように、シャーシ114に支持されて装置本体105内に配設されている。このディスク駆動部120は、ディスクトレイ102を介して装置本体105内に搬送された光学ディスクDを装着して回転駆動させるディスク回転駆動機構141と、このディスク回転駆動機構141によって回転される光学ディスクDの情報記録面を光ビームによって走査して記録されている情報の読取りを行う光学ピックアップ装置142と、ディスク回転駆動機構141のディスクテーブル149上に載置された光学ディスクDをディスクテーブル149と協働してクランプするディスククランパー143を主たる構成要素として備えている。
図7に示すように、ディスク回転駆動機構141は、シャーシ114に上下方向へ傾動可能に支持される第1の支持フレーム144に取り付けられ、光学ピックアップ装置142は、第1の支持フレーム144に上下方向へ傾動可能に支持される第2の支持フレーム145に独立して取り付けられている。そして、ディスククランパー143は、図2に示すように、シャーシ114の上部に橋を掛けるように取り付けられる。
ディスク回転駆動機構141が取り付けられる第1の支持フレーム144は、図7に示すように、薄い金属板を打ち抜き、周縁部を下方へ折り曲げるようにして、矩形状に形成されている。この第1の支持フレーム144は、中央部に第2の支持フレーム145に取り付けられた光学ピックアップ装置142を臨ませる略矩形状をなす開口部146が切欠き形成されている。そして、ディスク回転駆動機構141は、第1の支持フレーム144の前端側、即ち、第1の支持フレーム144がシャーシ114に支持されて装置本体105内に配置されたとき、トレイ出入口104側に位置する側に取り付けられている。
このディスク回転駆動機構141は、スピンドルモータ147と、このスピンドルモータ147の回転軸148の先端部に取り付けられたディスクテーブル149等を有している。このディスクテーブル149の上面中央部には、これに載置される光学ディスクDの中心穴dが係合されるセンタリング部材150が、回転軸148の軸方向に進退可能なように取り付けられている。そして、回転軸148を第1の支持フレーム144と垂直にして、スピンドルモータ147の下端部に固定された取付板151を第1の支持フレーム144に取り付けることにより、ディスク回転駆動機構141が第1の支持フレーム144に立設されている。
この第1の支持フレーム144の一側部には、第2の支持フレーム145に支持された光学ピックアップ装置142をディスクテーブル149に対して接近又は離反させるように送り操作するピックアップ送り機構152が配設されている。このピックアップ送り機構152は、ピックアップ送りモータ153と、この送りモータ153によって回転駆動される互いに動力伝達可能に連結された第1、第2及び第3の駆動ギア154、155、156を有している。そして、第1の駆動ギア154は、送りモータ153の駆動軸に取り付けられた駆動ギア157に連結され、第3の駆動ギア156は、光学ピックアップ装置142に設けたラックギア158に連結されている。
また、第1の支持フレーム144のディスク回転駆動機構141が取り付けられた前端側と対向する後端側には、図7に示すように、第2の支持フレーム145を上下方向に回動操作してディスクテーブル149上に載置された光学ディスクDに対する傾きを調整するスキュー調整機構160が配設されている。このスキュー調整機構160は、スキューモータ161と、このスキューモータ161によって回動されるカムギア162等を備えている。スキューモータ161とカムギア162は、第1の支持フレーム144の後端側に立ち上がるように固定された取付板163に取り付けられている。即ち、スキューモータ161は、その回転軸164の軸心線がスピンドルモータ147の回転軸148の軸心線と直交するように設置されている。従って、スキューモータ161の回転軸164の軸心線は、光学ピックアップ装置142の第1の対物レンズ165の光軸及び第2の対物レンズ166の光軸とも直交するようになされている。
また、カムギア162は、取付板163に立設された支軸167に回転自在に支持されており、その回転中心はスキューモータ161と同様に、第1及び第2の対物レンズ165,166の光軸と直交するように設定されている。そして、カムギア162の端面側の主面には、円弧状に連続されたカム溝168が形成されている。このカム溝168は、カムギア162の回転中心を中心にして、一端側から他端側に向かって徐々に半径を増大させた螺旋状をなしている。このカム溝168には、図8に示すように、第2の支持フレーム145の後端側の端面に突設された係合ピン170が摺動可能に係合されている。
また、第1の支持フレーム144の前端側の端面の略中央部には、上述したように、シャーシ114上に配設された昇降操作板121の傾斜カム溝126に係合される昇降操作ピン127が突設されている。そして、第1の支持フレーム144の後端側の両側には、図7に示すように、インシュレータ取付部171,172が設けられており、これらインシュレータ取付部171,172には、ゴム等の弾性部材からなるインシュレータ173,174が取り付けられている。これらインシュレータ173,174をシャーシ114に立設された支持軸173a,174aに支持させることにより、第1の支持フレーム144がシャーシ114上に弾性的に支持されている。
このように、第1の支持フレーム144は、後端側の両側が弾性変位可能な一対のインシュレータ173,174を介してシャーシ114上に支持され、前端側の昇降操作ピン127が昇降操作板121の傾斜カム溝126に係合支持されている。そして、昇降操作板121が図3において矢印S1方向又は矢印S2方向に移動操作され、昇降操作ピン127が傾斜カム溝126に沿って上下方向に移動されることにより、一対のインシュレータ173,174を支点として第1の支持フレーム144が上下方向へ回動操作される。その結果、第1の支持フレーム144の前端側に取り付けられたディスク回転駆動機構141が、ディスクトレイ102に対して昇降動作されることになる。
一方、光学ピックアップ装置142が取り付けられる第2の支持フレーム145は、第1の支持フレーム144と同様に、薄い金属板を打ち抜き、周縁部を下方へ折り曲げるようにして、矩形状に形成されている。この第2の支持フレーム145は、中央部に光学ピックアップ装置142を配設するための略矩形状をなす開口部175が切欠き形成されている。
この第2の支持フレーム145に取り付けられる光学ピックアップ装置142は、光学素子が収納された光学ブロック176を有し、図7に示すように、この光学ブロック176の一側には、光学ピックアップ装置142を支持すると共に移動方向にガイドするガイド軸177が取り付けられている。このガイド軸177が取り付けられた側に対向する他方の側には、開口部175の周縁に係合する断面形状がコ字状をなすガイド支持部178が設けられている。
このガイド支持部178を開口部175の周縁に係合させ、ガイド軸177の両端を第2の支持フレーム145に設けた支持片179,180に支持させることにより、光学ピックアップ装置142がガイド軸177を基準にして、ガイド軸177と平行な方向に移動可能に構成されている。更に、光学ブロック176のガイド軸177が取り付けられた側の外側には、ガイド軸177と平行に延在されたラックギア158が取り付けられている。
このラックギア158には、第2の支持フレーム145を第1の支持フレーム144に支持させた状態において、ピックアップ送り機構152の第3の駆動ギア156が動力伝達可能に噛合される。従って、光学ピックアップ装置142は、ピックアップ送り機構152の送りモータ153が駆動することにより、この送りモータ153の回転力が第1の駆動ギア154、第2の駆動ギア155及び第3の駆動ギア156を介してラックギア158に伝達され、図7において矢印T1方向又は矢印T2方向に移動操作される。
即ち、光学ピックアップ装置142は、第2の支持フレーム145が第1の支持フレーム144に支持された状態において、送りモータ153の回転方向に応じて、ディスク回転駆動機構141に対して接近又は離反する方向に移動し、ディスクテーブル149上に装着された光学ディスクDの半径方向に移動操作される。
ところで、この例に係るディスクドライブ装置100は、CD等のような記録密度が標準である標準密度ディスクDsと、DVD等のような高記録密度化が図られた高密度ディスクDhとを選択的に再生可能とするために、この装置に用いられる光学ピックアップ装置142には、互いに独立して設けられた2種類のピックアップ部181,182が備えられている。この光学ピックアップ装置142の第1のピックアップ部181は、第1の記録密度を有する標準密度ディスクDsに最適化された光学系及びレーザ光源を有し、第2のピックアップ部182は、第2の記録密度を有する高密度ディスクDhに最適化された光学系及びレーザ光源を有している。
これらピックアップ部181,182の各レーザ光源から出射された光ビームは、標準密度ディスクDsの場合には第1の対物レンズ165を通過してその情報記録面に照射され、高密度ディスクDhの場合には第2の対物レンズ166を通過してその情報記録面に照射される。
なお、この光学ピックアップ装置142は、第2の対物レンズ166を、その移動方向の延長線がディスクテーブル149の回転中心と略一致するように配置されており、第1の対物レンズ165は、第2の対物レンズ166に対して一定の角度オフセットさせて配置されている。これは、第2の対物レンズ166を介して出射されて高密度ディスクDhの情報記録面を走査する光ビームが、その記録トラックを高精度に走査できるようにするためである。
また、光学ピックアップ装置142の光学ブロック176の上面には、発光素子と受光素子とからなるスキューセンサ183が搭載されている。このスキューセンサ183は、ディスクテーブル149上に載置された光学ディスクDの有無を検出し、光学ディスクDがディスクテーブル149に装着されている場合には、光学ディスクDと光学ピックアップ装置142との間の姿勢を予め規定された初期状態、即ち、ディスクテーブル149の水平な載置面に対して光学ピックアップ装置142の第1及び第2の対物レンズ165,166の光軸を略垂直に設定するように調整(イニシャライズ)する。これにより、光学ディスクDと第1及び第2の対物レンズ165,166との姿勢関係を、最も良い状態に設定することができる。
この他、スキューセンサ183は、ディスクテーブル149に装着されている光ディスクDが標準密度ディスクDsであるか高密度ディスクDhであるかを判断すると共に、装着されている光ディスクDが高密度ディスクDhである場合にはスキュー制御を実行するための信号を出力する。
即ち、スキューセンサ183は、発光素子から出射された光が光ディスクDに反射されて受光素子で受光されるまでの時間を計測することにより、ディスクテーブル149上に光学ディスクDが載置されているか否かを判定する。そして、光学ディスクDがディスクテーブル149上に載置されている場合には、この光学ディスクDが標準密度ディスクDsであるか高密度ディスクDhであるかを判別する(種類判別手段)。この記録密度の差によるディスクの判別は、標準密度ディスクDsの厚みと高密度ディスクDhの厚みとが異なるため、その受光量の違いから容易に判定することができる。
そして、ディスクテーブル149に装着されている光学ディスクDが高密度ディスクDhである場合には、スキューセンサ183からの検出信号に基づいて、スキュー制御が実行される。
このようなスキューセンサ183や光学ピックアップ装置142が搭載される第2の支持フレーム145の、光学ピックアップ装置142の移動方向と平行をなす両側面の中途部には、図7に示すように、それぞれ外側に突出する一対の支持ピン184,185が設けられている。この一対の支持ピン184,185は、第1の支持フレーム144の相対向する両側壁186,187に設けられた挿通孔188,189に挿通されており、これにより、図8に示すように、第2の支持フレーム145が第1の支持フレーム144に上下方向へ揺動可能に支持されている。そして、第2の支持フレーム145の後端側の端面に突設された係合ピン170が、スキュー調整機構160のカムギア162のカム溝168に係合されている。
このように、一対の支持ピン184,185によって第1の支持フレーム144に支持された第2の支持フレーム145は、スキューモータ161によって回転駆動されるカムギア162を回動させ、そのカム溝168に沿って係合ピン170を図8において矢印U1方向又は矢印U2方向に上下動させることにより、支持ピン184,185を中心に、カム溝168の偏心量に応じて図8中矢印V1方向又は矢印V2方向に回動される。
これにより、光学ピックアップ装置142が水平基準面に対して矢印U1方向又は矢印U2方向に移動して、第2の対物レンズ166の光軸O1が、ディスクテーブル149上に載置された高密度ディスクDhの情報記録面に対して垂直となるようなラジアルスキューの制御が行われる。このスキュー制御は、上述したように、高密度ディスクDhがディスクテーブル149に装着された場合に限って行われるものである。
このように、第2の支持フレーム145の回動支点を構成する一対の支持ピン184,185を、ディスクテーブル149上に装着された光学ディスクDの半径方向の略中央部に配置する構成とすることにより、第2の支持フレーム145の回動量を少なくして、光学ディスクDに対する光学ピックアップ装置142のラジアルスキューの制御を確実に行うことができる。しかも、ディスク駆動部120の薄型化を図り、装置全体の薄型化を実現することができる。
また、ディスク駆動部120には、ディスクテーブル149上に載置された光学ディスクDをディスクテーブル149と協働してクランプするディスククランパー143が設けられている。このディスククランパー143は、図2に示すように、クランパー支持板191の中央部に上下方向及び直径方向に所定の隙間をあけて回転自在に保持されている。そして、クランパー支持板191は、シャーシ114の左右両側壁114a,114bの上端部間に掛け渡すようにして取り付けられ、その取付状態においてディスククランパー143は、ディスクテーブル149の上方に位置するように構成されている。
〔光学ディスクの再生動作〕
上述したような構成を有する第1の例のディスクドライブ装置100によって、光学ディスクDとしての標準密度ディスクDs又は高密度ディスクDhを再生する動作を、図9に示すブロック部及び図10に示すフローチャートを参照して説明する。
ここで、標準密度ディスクDsとしては、直径を12cmとするCDやCD−ROM等が用いられ、高密度ディスクDhとしては、同じく直径を12cmとするDVDやHD−CD等が用いられる。
まず、標準密度ディスクDs又は高密度ディスクDhを再生するには、このディスクドライブ装置に電源を投入し、ディスクトレイ102を装置本体105の前方に引き出す。そして、トレイ出入口104から前方に露出されたディスクトレイ102のディスク保持部103に光学ディスクDを載置し、その後、ディスクトレイ102を押し込む等して、ディスクトレイ102を装置本体105内に移動させるローディング操作を行う。
このとき、ディスクトレイ102が装置本体105の内方に移動されると、ローディング検出スイッチ133によってローディング位置に移動されたことが検出され、ローディングモータ116が一旦停止される。そして、ローディングモータ116が一旦停止された後、このローディングモータ116が逆方向に回転駆動される。この際、ディスクトレイ102に設けた押圧部132によってロックレバー128が捻りコイルバネ130の付勢力に抗して回動され、首振りレバー123のロックが解除される。
そこで、ローディングモータ116が逆転駆動されると、首振りレバー123が図3において矢印R1方向に回動し、昇降操作板121を矢印S1方向に移動させる。このように昇降操作板121が移動すると、ディスク駆動部120の第1の支持フレーム144に設けた昇降操作ピン127が、図4に示す傾斜カム溝126の下部位置から図6に示す上部位置に移動される。
これにより、第1の支持フレーム144が一対のインシュレータ173,174を支点としてディスクトレイ102側に向かって上昇する。そして、ディスクテーブル149がディスクトレイ102の底面開口110内に入り込み、ディスクトレイ102に保持された光学ディスクDがディスクテーブル149上に載置される。これと略同時に、ディスククランパー143がディスクテーブル149側に圧着され、光学ディスクDをクランプしてディスクテーブル149と一体に回転可能な状態となる。
このとき、光学ディスクDをディスクテーブル149にクランプさせる位置まで第1の支持フレーム144が移動すると、昇降操作板検出スイッチ134が操作され、ローディングモータ116が停止されてローディングの完了が検出される。この昇降操作板検出スイッチ134でローディングの完了が検出されると、ディスク回転駆動機構141のスピンドルモータ147が駆動を開始すると共に、スキューセンサ183がオンされる。
このスキューセンサ183のオンにより、まず、光学ディスクDが確かにディスクテーブル149に装着されているかどうかを検出する。そして、確かに光学ディスクDがディスクテーブル149に装着されている場合には、光学ディスクDと光学ピックアップ装置142との間の姿勢を、予め規定された初期状態に調整(イニシャライズ)する。これにより、光学ピックアップ装置142の光軸が光学ディスクDに対して垂直にさせる方向に傾くように追従して調整される。
次に、光学ディスクDから情報信号を読み出して再生する前に、スキューセンサ183の検出信号に基づいて、再生の対象となる光学ディスクDが標準密度ディスクDsであるか高密度ディスクDhであるかを判定する。そして、再生の対象となる光学ディスクDの種類に応じて、光学ピックアップ装置142の第1のピックアップ部181と第2のピックアップ部182とを選択して第1のモード又は第2のモードに切り換え、スキューサーボのオン/オフ等を設定して、情報信号の再生を実行する。
まず、図10に示すように、ステップS1において、図9に示す制御手段としてのシステムコントローラ230は、ディスクトレイ102がローディング位置に移動されたことを検出するローディング検出スイッチ133からの信号を受信すると、サーボプロセッサ231を動作させる。そして、ステップS2に移行する。
ステップS2において、サーボプロセッサ231は、スキューセンサ183の出力信号のレベルに基づいて、ディスクトレイ102にいずれかの光学ディスクDが載置されているか否かを判定する。
具体的には、スキューセンサ183は、光学ディスクDに向けて光を発射すると共に反射してきた光を受光するまでの時間を測定して情報記録面までの距離を検出し、例えばその距離に反比例したレベルの検出信号を出力する。従って、ディスクトレイ102に光学ディスクDが載置されていないときには、その検出信号のレベルは小さくなる。
このスキューセンサ183の検出信号に基づいて、サーボプロセッサ231は、その検出信号のレベルが所定値以上か否かを判定し、光学ディスクDが載置されているか否かを決定する。そして、光学ディスクDが載置されている場合には、ステップS4に移行し、光学ディスクDが載置されていない場合には、ステップS3に移行する。
このステップS3において、サーボプロセッサ231は、光学ディスクDが載置されていないことを示すデータをシステムコントローラ230に送出する。これにより、システムコントローラ230は、これ以上の動作を行わないようにディスクドライブ装置全体を制御すると共に、ホストコンピュータにその旨を通知する。
一方、ステップS4において、サーボプロセッサ231は、光学ピックアップ装置142を光学ディスクDの最内周に移動させる信号をピックアップ送り機構152の送りモータ駆動部217に送出する。この送りモータ駆動部217は、この信号を増幅してピックアップ送りモータ153を駆動する。これにより、光学ピックアップ装置142は、光学ディスクDの最内周に位置することになる。次に、ステップS5に移行する。
ステップS5において、サーボプロセッサ231は、光学ディスクDと光学ピックアップ装置142との間の姿勢を予め規定された初期状態に調整(イニシャライズ)するための制御を行う。即ち、サーボプロセッサ231は、イニシャライズのための信号をスキュー調整機構160のスキューモータ駆動部216に送出する。このスキューモータ駆動部216は、この信号を増幅してスキューモータ161を駆動する。
更に詳説すると、光学ピックアップ装置142が光学ディスクDの最内周に位置した状態で、システムコントローラ230は、サーボプロセッサ231を介してスキューセンサ183からの検出信号に基づくスキュー制御を行う。これにより、光学ピックアップ装置142の姿勢が、その対物レンズ165,166の光軸が、光学ディスクDの最内周部の情報記録面に対して垂直となるように調整される。
その結果、光学ディスクDと第1及び第2の対物レンズ165,166との姿勢関係が、最も良い状態に設定される。
次に、ステップS6において、サーボプロセッサ231は、スキューサーボをオンにする。即ち、サーボプロセッサ231は、スキューセンサ183からの検出信号に基づいて、この検出信号のレベルが一定となるような信号をスキューモータ駆動部216に送出する。そして、ステップS7に移行する。
このステップS7において、サーボプロセッサ231は、CDプレーヤで標準とされている回転数でスピンドルモータ147を回転駆動させる信号をスピンドルモータ駆動部219に送出する。このスピンドルモータ駆動部219は、この信号を増幅してスピンドルモータ147を駆動する。これにより、ディスクテーブル149と一体に光学ディスクDが回転駆動される。このとき、例えばスピンドルモータ147の回転速度を検出して、光学ディスクDの回転が線速度一定(CLV)となるようにサーボ制御を行う(回転検出機構等は図示せず。)
次に、ステップS8において、システムコントローラ230は、切換接点TCDが接続されるように3個の切換スイッチ222,223,224を制御する。そして、サーボプロセッサ231は、CD用の第1のピックアップ部181のレーザダイオード181aを発光させる信号をレーザダイオード駆動部220aに送出する。このレーザダイオード駆動部220aは、この信号を出射光のレベルが再生に適したレベルとなるように増幅してレーザダイオード181aを発光させる。
このレーザダイオード181aから出射されたレーザ光は、第1のピックアップ部181の第1の対物レンズ165で集光されて光学ディスクDの情報記録面に照射され、その情報記録面で反射される。この反射光はのレベルは、光学ディスクDの情報記録面に予め形成されている、例えばピットの有無によって変化する。そして、図示しないが、戻り光は、ビームスプリッタで分離された後、光ディテクタに入射され、この光ディテクタからは、戻り光の光量に応じたRF(高周波)信号が出力される。
その結果、光学ピックアップ装置142から、光学ディスクDに記録されている情報(データ)に応じたRF信号が出力される。尚、光学ピックアップ装置142は、例えば、いわゆる非点収差法、差動増幅法等により、RF信号以外にも、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号も出力される。
次に、ステップS9において、光学ピックアップ装置142が光学ディスクDの最内周、即ち、TOC(テーブルオブコンテンツ:目次)が記録されている位置に移動されていることから、光学ピックアップ装置142からTOCに対応したRF信号がRF信号増幅器221aに出力される。この信号を受けたRF信号増幅器221aは、例えば波形等化すると共に増幅し、切換スイッチ222を介して2値化回路225に供給し、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号をサーボプロセッサ231に供給する。
これにより、2値化回路225は、RF信号を弁別してEFM変調されているデータを再生し、このデータをデコーダ226に供給する。このデコーダ226は、変調されているデータをデコードして、得られる再生データをシステムコントローラ230に供給する。この再生データは、TOCに対応したデータであるので、この再生データには光学ディスクDの種類を判別するための種類判別データが含まれている。更に、デコーダ226は、後述する光学ディスクDの判定が終了して通常の再生動作が行われているときには、再生されたデータをホストコンピュータに出力する。
次に、ステップS10において、システムコントローラ230は、デコーダ226から供給される種類判別データに基づいて、現在ディスクデーブル149に装着されている光学ディスクDが標準密度ディスクDsであるか否(高密度ディスクDh)かを判定する。そして、判定対象のディスクが高密度ディスクDhである場合には、第2のモードを選択してステップS12に移行し、標準密度ディスクDsである場合には、第1のモードを選択してステップS11に移行する。
このステップS11において、システムコントローラ230は、ディスクデーブル149に装着されている光学ディスクDがCDやCD−ROM等の標準密度ディスクDsであることを示すデータをサーボプロセッサ231に送出する。これにより、サーボプロセッサ231は、スキューセンサ183からの検出信号の値に係わらずスキューモータ駆動部216をステップS5で調整された状態に維持させて、スキューサーボを停止する。
一方、ステップS12において、システムコントローラ230は、ディスクデーブル149に装着されている光学ディスクDがDVDやHD−CD等の高密度ディスクDhであることを示すデータをサーボプロセッサ231に送出する。これにより、サーボプロセッサ231は、スキューサーボのオン状態を維持すると共に、スピンドルモータ147をDVDで標準とされている回転数で回転させる信号をスピンドルモータ駆動部219に出力する。更に、システムコントローラ230は、切換接点TDVが接続されるように3個の切換スイッチ222,223,224を制御する。そして、ステップS13に移行する。
このステップS13において、光学ディスクDの種類に応じたデータ再生が行われる。即ち、ディスクデーブル149に装着されている光学ディスクDが高密度ディスクDhである場合には、サーボプロセッサ231は、切換スイッチ223を介して高密度ディスク用のレーザダイオード182aを発光させる信号をレーザダイオード駆動部220bに送出する。このレーザダイオード駆動部220bは、この信号を出射光のレベルが再生に適したレベルとなるように増幅してレーザダイオード182aを発光させる。
尚、装着されている光学ディスクDが標準密度ディスクDsの場合には、サーボプロセッサ231は、上述したステップS8の動作を行うことになる。更に、サーボプロセッサ231は、切換スイッチ222を介して供給されるフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、これらの信号が0となるように、切換スイッチ224を介して2軸駆動部218a又は2軸駆動部218bに制御信号を送出し、フォーカス及びトラッキングサーボを掛けることは言うまでもない。
次に、ステップS14において、利用者がデータ再生を終了するための操作を行うと、そのための制御信号がシステムコントローラ230からサーボプロセッサ231に送出される。そして、サーボプロセッサ231は、スピンドルモータ駆動部219に制御信号を出力して、スピンドルモータ147の回転動作を停止すると共に、送りモータ駆動部217に制御信号を出力して、光学ピックアップ装置142に再生動作を終了する。
これと略同時に、システムコントローラ230からローディング駆動機構106にローディング状態を解除するための制御信号が出力され、上述したローディングモータ116等の逆動作を介して、光学ディスクDがディスクテーブル149から脱離されてディスクトレイ102上に載置される。そして、ディスクトレイ102が引き出され、ディスク保持部103が装置本体105の前方に露出されることにより、イジェクト動作が終了して、光学ディスクDを取り出すことができる状態となる。
尚、上記ステップS14の後に上述したステップS5と同様の処理を行い、光学ディスクDを取り出すイジェクト操作をした後には、光学ピックアップ装置142を必ず初期状態に戻す構成としてもよい。
上述した具体的な動作の説明では、光学ディスクDの種類を判別するための種類判別データがTOCとして予め光学ディスクDに記録されているものとしたが、次に、光学ディスクDに種類判別データが記録されていないときの具体的な動作について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS21において、システムコントローラ230は、サーボプロセッサ231及び3個の切換スイッチ222,223,224を制御して、このディスクドライブ装置100を第1のモードであるCDモードで動作させる。具体的には、サーボプロセッサ231は、スピンドルモータ147をCDと同じ速度で回転させ、レーザダイオード181aを発光させると共に、3個の切換スイッチ222,223,224の切換端子TCDを接続させて、トラッキングサーボをオンにする。
次に、ステップS22において、システムコントローラ230は、第1のピックアップ部181の第1の対物レンズ165の合焦点距離を検出する命令をサーボプロセッサ231に送出する。これにより、サーボプロセッサ231は、例えば、対物レンズ165を徐々に光学ディスクDに接近させ又は離反させるようなその信号レベルが直線的に変化する信号を、切換スイッチ224を介して2軸駆動部218aに出力する。
このとき、サーボプロセッサ231は、切換スイッチ222を介して供給されるフォーカスエラー信号を監視し、このフォーカスエラー信号が0となったときの2軸駆動部218aに供給している信号のレベルを検出する。そして、サーボプロセッサ231は、このレベルを示すデータ、即ち光学ディスクDの情報記録面からの対物レンズ165の合焦点距離を示すデータをシステムコントローラ230に供給する。そして、ステップS23に移行する。
このステップS23において、システムコントローラ230は、サーボプロセッサ231から供給される距離を示すデータが、予め設定された所定値以上であるか否かを判定する。そして、供給された距離を示すデータが、所定値以上であるときにはステップS24に移行し、所定値未満であるときにはステップS26に移行する。
ステップS24において、サーボプロセッサ231は、光学ピックアップ装置142を直線的に移動するために送りモータ駆動部217に供給している信号のレベルを示すデータ、即ちトラックピッチを示すデータをシステムコントローラ230に供給する。これにより、システムコントローラ230は、このトラックピッチを示すデータが所定値以上か否かを判定し、所定値以上であるときにはステップS25に移行し、所定値未満であるときにはステップS26に移行する。
次に、ステップS25において、システムコントローラ230は、ディスクトレイ102に載置されている光学ディスクDがCD等の標準密度ディスクDsであるとして、上述した図10のフローチャートに示すステップS13に移行し、それ以降のステップの動作を行う。
一方、ステップS26において、システムコントローラ230は、サーボプロセッサ231及び3個の切換スイッチ222,223,224を制御して、このディスクドライブ装置を第2のモードであるDVDモードで動作させる。具体的には、サーボプロセッサ231は、スピンドルモータ147をDVDと同じ速度で回転させ、レーザダイオード182aを発光させると共に、3個の切換スイッチ222,223,224の切換端子TDVを接続させて、トラッキングサーボをオンにする。そして、ステップS27に移行する。
このステップS27において、システムコントローラ230は、第2のピックアップ部182の第2の対物レンズ166の合焦点距離を検出する命令をサーボプロセッサ231に送出する。これにより、サーボプロセッサ231は、例えば、対物レンズ166を徐々に光学ディスクDに接近させ又は離反させるようなその信号レベルが直線的に変化する信号を、切換スイッチ224を介して2軸駆動部218bに出力する。
このとき、サーボプロセッサ231は、切換スイッチ222を介して供給されるフォーカスエラー信号を監視し、このフォーカスエラー信号が0となったときの2軸駆動部218bに供給している信号のレベルを検出する。そして、サーボプロセッサ231は、このレベルを示すデータ、即ち光学ディスクDの情報記録面からの対物レンズ166の合焦点距離を示すデータをシステムコントローラ230に供給する。そして、ステップS28に移行する。
ステップS28において、システムコントローラ230は、サーボプロセッサ231から供給される距離を示すデータが所定範囲内の値か否かを判定する。この判定の結果、供給された距離を示すデータが所定範囲内の値であるときにはステップS29に移行し、供給された距離を示すデータが所定範囲内の値でないときにはステップS31に移行する。
ステップS29において、サーボプロセッサ231は、光学ピックアップ装置142を直線的に移動するために送りモータ駆動部217に供給している信号のレベルを示すデータ、即ちトラックピッチを示すデータをシステムコントローラ230に出力する。これにより、システムコントローラ230は、データが所定範囲内の値であるか否かを判定し、データが所定範囲内の値であるときにはステップS30に移行し、データが所定範囲内の値でないときにはステップS31に移行する。
次に、ステップS30において、システムコントローラ230は、ディスクテーブル149に装着されている光学ディスクDがDVD等の高密度ディスクDhとして、上述した図10に示すフローチャートのステップS13に移行して、このステップS13以降の動作を行う。
また、ステップS31において、システムコントローラ230は、ディスクテーブル149には光学ディスクDが装着されていないか、又は装着されているディスクはCD等の標準密度ディスクDs若しくはDVD等の高密度ディスクDhのいずれでもないものと判定する。そして、システムコントローラ230は、これ以上の動作を行わないようにディスクドライブ装置全体を制御すると共に、ホストコンピュータにその旨を通知する。
尚、この第1の例においては、情報記録媒体としてCD等の剥き出しの光学ディスクを用いた例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光学ディスクをカートリッジに収納したディスクカートリッジを用いるものであってもよい。また、上述した例では、光学ディスクDに記録されたデータを専ら再生する装置の例を挙げて説明したが、データの記録手段を備えた記録再生型のディスク記憶装置に適用することもできるものである。
次に、本発明を適用したディスクドライブ装置の第2の例を、図12〜図28を参照して説明する。
このディスクドライブ装置は、上述した第1の例と同様に、直径12cmのCDやCD−ROM等の標準密度ディスクDsと、同じく直径12cmのDVDやHD−CD等の高密度ディスクDhのどちらの光学ディスクDをも情報記録媒体として用いることができるもので、その光学ディスクをディスクトレイによって装置本体内に自動的にローディングし、当該光学ディスクに記録されている情報の再生(読み取り)を行うディスクトレイ方式のディスクドライブ装置に適用したものである。
〔ディスクドライブ装置の第2の例の概要〕
まず、第2の例に係るディスクドライブ装置の概要について説明する。図12及び図13に示すように、このディスクドライブ装置1は、平たくて前面に開口した箱型の装置本体2と、この装置本体2の開口部に一体的に取り付けられた前面パネル3とを有し、装置本体2内にはシャーシ12が収納されている。
前面パネル3にはトレイ出入口4が開口されていると共に、装置本体2内にはディスクトレイ5が出し入れ可能に挿入されていて、ディスクトレイ5の前面板5aによってトレイ出入口4が閉じられている。更に、前面パネル3には、ディスクトレイ5を排出させるためのイジェクト釦6が設けられている。装置本体2の材質としては鋼板、前面パネル3及びディスクトレイ5の材質としてはABS樹脂等の合成樹脂が好適であるが、装置本体2を合成樹脂により、またディスクトレイ5等をアルミニウム合金等の金属で形成することもできる。
〔ディスクトレイ及びローディング駆動機構〕
また、図14に示すように、ディスクトレイ5の上面には、光学ディスクの一具体例を示すCDやDVD等の光学ディスクDを横置きにして収容することができる凹陥部からなるディスク保持部7と、このディスク保持部7の中央部からトレイセンタPに沿って後方に延在するように開口された長穴状の底面開口8とが設けられている。このディスクトレイ5の左右両側縁には、トレイセンタPと平行に延びる左右一対のガイドレール9,9が一体に形成されている。
そして、ディスクトレイ5の下面には、図15に示すように、ほぼJ字形をなし且つ互いに平行に延びるラックギア10及びガイド溝11が一体に形成されている。これらラックギア10及びガイド溝11の直線部10a,11aはトレイセンタPと平行に形成されていて、これに連続する円弧部10b,11bは前面板5a側の端部に形成されている。
かくして、図12に示すように、CDやDVD等の光学ディスクDをディスクトレイ5のディスク保持部7内に水平に載置した後、ディスクトレイ5を装置本体2内に挿入するように前面板5aを軽く押すと、図示しないローディング検出スイッチがオンとなり、後述するローディング駆動機構が作動する。これにより、ディスクトレイ5が前面パネル3のトレイ出入口4から装置本体2内に水平に引き込まれる。
上記装置本体2の内部には、合成樹脂等によって成形されたシャーシ12が収容されている。このシャーシ12は、図17に示すように、底の浅い四角形の筐体からなり、前面パネル3に臨む正面にはトレイ出入口4に対応する切欠き部12aが設けられていて、この切欠き部12aの内側には、ディスクトレイ5に設けた左右一対のガイドレール9の位置を規制する複数のトレイガイド13が一体に形成されている。これらのトレイガイド13に案内されてディスクトレイ5が、装置本体2に対して前後方向A1,A2に移動可能とされてトレイ出入口4から出し入れされる。このシャーシ12の底面のほぼ中央には、合成樹脂等によって成形された揺動フレーム14が出入りする底板開口部15が設けられている。この底板開口部15の奥側両側部には、揺動フレーム14の後部両端を位置決めして揺動可能に支持するための左右一対の位置決め突起12bが設けられている。そして、揺動フレーム14は、図16に示すように、底の浅い凹陥部14aを有する板状の部材からなり、後部の左右両端には一対のインシュレータ取付部14b,14bが一対の位置決め突起12b,12bに対応させて設けられ、また前部の中央にはインシュレータ取付部14cが設けられている。
この揺動フレーム14の各インシュレータ取付部14b,14cには、ゴム等の弾性部材によって形成されたインシュレータ16が取り付けられている(図18等を参照)。そして、揺動フレーム14の後部のインシュレータ取付部14bに取り付けられた各インシュレータ16がシャーシ12の左右一対の位置決め突起12bに係合され、これらを貫通する止ねじ17によってシャーシ12の底板に揺動可能に支持されている。更に、揺動フレーム14の前部に設けたインシュレータ取付部14cに取り付けられたインシュレータ16は、その中央に挿通された止ねじ17によって昇降駆動レバー18の先端部に取り付けられている。
この昇降駆動レバー18は、図17等に示すように、トレイセンタPに対して直交するように配置されていると共に、その基部の両端に設けられた軸心線を共通にする一対の支点ピン19,19によってシャーシ12の底板上に上下方向へ揺動可能に支持されている。この昇降駆動レバー18を上下に揺動させることにより、図18及び図19に示すように、揺動フレーム14が後部の一対のインシュレータ16を支点として上下方向に揺動される。そして、昇降駆動レバー18が上端に位置するときには、揺動フレーム14が略水平の状態になる。
この昇降駆動レバー18を上下に揺動させてローディング動作及びアンローディング動作を行うために、シャーシ12の底板の前側にはローディング駆動機構20が設けられている。このローディング駆動機構20は、図17等に示すように、シャーシ12に固定されたローディングモータ21と、このローディングモータ21によって正転・逆転方向に回転駆動される駆動ギア22と、この駆動ギア22の支持軸22aが立設され且つシャーシ12に立設された支点軸23aによって首振り運動可能とされた首振りレバー23と、この首振りレバー23に設けた部分ギア23bに噛合する部分ギア24bを有し且つシャーシ12に立設された支点軸24aによって回転駆動されるロックレバー24等を有している。そして、ロックレバー24には昇降駆動レバー18を上下動作させるためのカム溝25が設けられている。
ローディングモータ21の回転軸に固定された駆動プーリ21aは、動力伝達媒体としてのゴムベルト26を介して従動プーリ27と動力伝達可能に連結されている。そして、従動プーリ27がギアトレイン28の一端のギアと一体に構成されていると共に、ギアトレイン28の他端のギアが駆動ギア22と一体に構成されている。
更に、図15に示すように、駆動ギア22がディスクトレイ5のラックギア10に噛合され、駆動ギア22の支持軸22aがガイド溝11に摺動可能に係合されている。そして、駆動ギア22の支持軸22aをディスクトレイ5のJ形のガイド溝11で誘導することによって、駆動ギア22をJ形のラックギア10に沿わせて移動できるようにしている。
また、ロックレバー24のカム溝25は、支点軸24aの周囲に円弧状に湾曲されていると共に上下方向に所定の段差を設定し且つその段差間を適当な傾斜角度で連結することによって形成されている。このカム溝25には、昇降駆動レバー18の先端の一側部に形成された昇降操作ピン29が摺動可能に嵌合されている。従って、カム溝25の段差の大きさだけ昇降操作ピン29が昇降し、この昇降操作ピン29の上下動によって揺動フレーム14の姿勢が、図18に示す前下がりのアンローディング状態と図19に示す略水平のローディング状態とに切り換えられる。
かくして、ディスクトレイ5のローディング時、ローディングモータ21によって正回転駆動される駆動ギア22でラックギア10の直線部10aをディスクトレイ5の後部側から前部側に向けて直線的に移動させることにより、ディスクトレイ5を装置本体2内に水平に引き込むことができる。そして、駆動ギア22を引き続き正回転駆動させることにより、駆動ギア22をラックギア10の円弧部10bに沿って矢印B1方向に円弧状に移動させることができ、この駆動ギア22の円弧運動によって首振りレバー23に首振り運動が生じる。
この首振りレバー23の首振り運動により、一方の部分ギア23bから他方の部分ギア24bに回転力が伝達され、ロックレバー24が支点軸24aを中心に矢印C1方向に回転駆動される。その結果、ロックレバー24のカム溝25が回転駆動され、このカム溝25に嵌合された昇降操作ピン29が、下端の下部位置から傾斜面に沿って上昇して上端の上部位置まで移動し、昇降駆動レバー18を上方へ揺動させる。これにより、揺動フレーム14が、図18に示す斜め下方に傾斜された下部位置から図19に示す水平となる上部位置まで上昇駆動される。
一方、ディスクトレイ5のイジェクト時には、ローディング時の逆動作が行われる。即ち、図15において、ローディングモータ21によって逆回転駆動される駆動ギア22をラックギア10の円弧部10bにそって矢印B2方向に円弧状に移動させることにより、ロックレバー24を矢印C2方向に回転駆動してカム溝25で昇降操作ピン29を下方に下降駆動する。これにより、昇降駆動レバー18の動作を介して、揺動フレーム14が左右一対のインシュレータ16を中心に下方に揺動し、図19に示す上部位置から図18に示す下部位置まで下降駆動する。
そして、ローディングモータ21による駆動ギア22の引き続きの逆回転駆動により、駆動ギア22がラックギア10の直線部10aに噛合してディスクトレイ5が直線的に駆動される。これにより、ディスクトレイ5が前面パネル3のトレイ出入口4から装置本体2の前方へ押し出され、図13に示すローディング状態から図12に示すイジェクト状態に切り換えられる。
〔ディスク駆動部〕
また、図16に示すように、揺動フレーム14の凹陥部14a内の前端部には円形のモータ開口部14dが設けられており、このモータ開口部14dにはスピンドルモータ30が緩やかに嵌合されている。そして、スピンドルモータ30は回転軸を上に向けた状態で揺動フレーム14に取り付けられている。このスピンドルモータ30の回転軸の上端にはディスクテーブル31が水平に固着されていて、このディスクテーブル31の上部中央には光学ディスクDの中心穴dが嵌合されるセンタリングガイド31aが設けられている。そして、センタリングガイド31aの中央部にはチャッキング用のマグネットが取り付けられており、このセンタリングガイド31aによって光学ディスクDがディスクテーブル31に対してセンタリングされて装着される。
更に、揺動フレーム14の凹陥部14a内でスピンドルモータ30より後方側には、光学ピックアップ装置32が2本のガイド軸33,33によって水平にスライド可能に支持されている。2本のガイド軸33は互いに平行とされて両端が揺動フレーム14に支持されており、両ガイド軸33にガイドされて光学ピックアップ装置32がスピンドルモータ30に対して近接・離反可能に構成されている。39a,39bは、2本のガイド軸33の各端部を押さえて抜け止め等を図るための押え板である。
光学ピックアップ装置32は、対物レンズ34が上向きに取り付けられた光学ブロック35を有し、光学ブロック35の両端には軸受部35aが設けられていて、これら軸受部35aにガイド軸33がそれぞれ摺動可能に挿通されている。更に、光学ブロック35の側面には、対物レンズ34に対して光ビームを送受信する光学要素36が一体に取り付けられている。この光学ピックアップ装置32の対物レンズ34及びスピンドルモータ30はトレイセンタP上に配置されていて、このトレイセンタPに沿って前後方向A1,A2に移動される。
また、光学ブロック35のスピンドルモータ30側にはセンサ用突出部35bが設けられていて、このセンサ用突出部35bの上面には光反射型のスキューセンサ37が、その光軸を略垂直にして上向きに取り付けられている。このスキューセンサ37は、図15等に示すように、ローディング時等において光学ピックアップ装置32がスピンドルモータ30に最も近づいた時にはディスクテーブル31の傘の下に入り込み、そのテーブル下面31bの有無を検出する。このディスクテーブル31のテーブル下面31bが、ディスクテーブル31に設けた基準部の一具体例を示している。
スキューセンサ37は、ディスクテーブル31に向けて光を発射すると共に、テーブル下面31bで反射して戻ってきた光を受けてディスクテーブル31の有無を検出し、光が所定時間で戻ってきたときには光学ピックアップ装置32がスピンドルモータ30に最も近づいた位置にあって、ディスクのローディング状態にあるものと判断し、その検出信号を出力する。このディスクテーブル31は光学ディスクDが水平に載置されるところなので、このテーブル下面31bを検出した場合には、光学ディスクD及び光学ピックアップ装置32間の姿勢を予め規定された初期状態、即ち、ディスクテーブル31に水平に載置された光学ディスクDの情報記録面に対して光学ピックアップ装置32の対物レンズ34の光軸をほぼ垂直に設定するように調整する。
これにより、光学ディスクDと対物レンズ34との姿勢関係を、最も良い状態に設定することができる。その結果、次に装着されるディスクが標準密度ディスクであると高密度ディスクであるとを問わず、問題を生ずることなく共に記録又は再生動作を行うことができる。
このような光学ピックアップ装置32をスピンドルモータ30に対して進退動作させるために、揺動フレーム14にはピックアップ送り機構40が取り付けられている。このピックアップ送り機構40は、図15及び図16に示すように、揺動フレーム14に固定されたピックアップ送りモータ41と、このピックアップ送りモータ41によって正逆方向に回転駆動される駆動ギア42と、この駆動ギア42とピックアップ送りモータ41との間を動力伝達可能に連結するギアトレイン43と、光学ブロック35の一側面に取り付けられ且つ駆動ギア42に噛合されるラックギア44等を有している。そして、複数個のギアの組み合わせからなるギアトレイン43を介して正逆回転される駆動ギア42がラックギア44を直線駆動することにより、光学ブロック35が一対のガイド軸33にガイドされて進退動作される。
また、図18等に示すように、シャーシ12の上部開口には、ディスクトレイ5の上方を横切るようにクランパー支持板45が水平に架設されており、このクランパー支持板45の両端はシャーシ12の左右両側板に固定されている。クランパー支持板45の中央部には、ディスクテーブル31の真上に位置するようにディスククランパー46が、上下、左右及び前後にそれぞれ一定の範囲内で移動自在に保持されている。そして、ディスククランパー46の中央にはスチール板47が取り付けられており、このスチール板47がディスクテーブル31に内蔵されたマグネットの吸着力で吸着されることにより、光学ディスクDがディスクテーブル31上に水平にマグネットチャッキングされる。
かくして、図19に示すように、ディスクトレイ5によって光学ディスクDが装置本体2内にローディングされた後、揺動フレーム14が上部位置まで上昇して水平状態になると、ディスクテーブル31がディスクトレイ5の底面開口8から上方に挿通されて、センタリングガイド31aが光学ディスクDの中心穴dに下方から嵌合される。これにより、ディスクテーブル31によって光学ディスクDがディスクトレイ5のディスク保持部7内で上方に浮かされると共に、ディスククランパー46によって光学ディスクDがディスクテーブル31上に圧着される。
その後、制御手段としての制御装置CSの再生指令信号に基づきスピンドルモータ30によって光学ディスクDが高速で回転駆動されると共に、ピックアップ送り機構40によって光学ピックアップ装置32の光学ブロック35がスピンドルモータ30に対して接近又は離反する方向に移動され、これにより対物レンズ34がトレイセンタPに沿って光学ディスクDの半径方向内側又は外側に移動する。そして、光学要素36から送信される光ビームが対物レンズ34によって光学ディスクDの情報記録面に照射されると共に、その反射光が対物レンズ34を通して光学要素36で受信されて、情報記録面に記録された情報が再生される。
このような光学ディスクDの情報再生後、図18に示すように、制御装置CSからのイジェクト指令信号によって揺動フレーム14が下部位置まで下降する。これにより、センタリングガイド31aが光学ディスクDの中心穴dから抜け出し、ディスクテーブル31が下方に離脱することによって光学ディスクDがディスク保持部7内に載置され、ディスクトレイ5が装置本体2の前方にイジェクトされる。
次に、光学ピックアップ装置32の対物レンズ34に対する光学ディスクDの傾きを調整するためのスキュー調整機構50を説明する。このスキュー調整機構50は、スピンドルモータ30の左右両側に配置した一対の傾動支点51を中心として、トレイセンタPの方向に傾き調整するようにしたものである。
この傾動支点51は、図20〜図23に示すように、球体をなすボール52と、このボール52を回転自在に保持するボールホルダ53とからなり、これらがスピンドルモータ30の左右両側に下向きに取り付けられている。そして、スピンドルモータ30のベース板38の下部に板バネ54を配し、この板バネ54の左右両端が止ネジ55によって揺動フレーム14にそれぞれ固着されている。更に、板バネ54の、一対のボール52と対応する位置には、上向きに絞り加工された凸部54aが設けられており、この凸部54aでベース板38の水平な下面を下方から強く押圧することにより、そのベース板38の上面である水平な基準面56を一対のボール52に下方から強く圧接している。この一対のボール52の下側頂点が、左右一対の傾動支点51を構成している。
更に、図22及び図23に示すように、ベース板38の左右両側には、一対のガイド溝57を設けている。そして、各ガイド溝57には、揺動フレーム14のモータ開口部14dの両側に水平に対向設置された一対のガイドピン58がそれぞれ回動可能に嵌合されている。そして、傾動支点51を中心としてスピンドルモータ30を傾動させるために、スキュー調整機構50にはスキュー駆動機構60が設けられている。
このスキュー駆動機構60は、揺動フレーム14の下面に取り付けられるスライドカム61と、ベース板38に取り付けられると共にスライドカム61に下方から圧接されるカム従動ローラ62と、揺動フレーム14に取り付けられたスキューモータ63と、このスキューモータ63によって正転・逆転方向に回転駆動されるピニオン64と、スライドカム61に一体に形成されたラックギア65と、カム従動ローラ62をスライドカム61に下方から圧接させる板バネ66等によって構成されている。
このスキュー駆動機構60のスライドカム61は、一直線上に設けられた複数のガイド穴67を有し、各ガイド穴67には揺動フレーム14に固定されたガイドピン68がスライド可能に挿通されている。そして、スライドカム61には、図24に示すように、スライド方向E1,E2に沿って緩やかに傾斜されたスキュー調整用カム面61aと、このスキュー調整用カム面61aの端部に形成された水平な高所部であるワーキングディスタンス拡大用カム面61bと、両カム面61a,61b間を連通する傾斜面61cとが設けられている。
カム従動ローラ62は、図21等に示すように、高さ調整板69に回転自在に取り付けられており、その高さ調整板69は、ベース板38に止ネジ70で固定された取付板71に高さ調整可能に取り付けられている。そして、スキューモータ63の回転軸に取り付けられたピニオン63aがピニオン64と噛合しており、ピニオン64の回転力によってラックギア65を介してスライドカム61が直線駆動される。そして、スライドカム61のスライド位置によってローディング位置であるか否かを検出するローディングセンサ73が、揺動フレーム14の下面に止ネジ74によって取り付けられている。
更に、板バネ66は板バネ54と平行に配置されており、この板バネ66の左右両端が止ネジ72によって揺動フレーム14の下面に固定されている。板バネ66の略中央部には上向きに絞り加工された凸部66aが設けられており、この凸部66aがベース板38の下面でカム従動ローラ62の近傍位置を下方から押圧することによって、カム従動ローラ62がスライドカム61に下方から圧接されている。
このような構成を有するスキュー調整機構50によるスキュー調整動作は、ディスククランパー46によって光学ディスクDがディスクテーブル31上にマグネットチャッキングされた再生モードにおいて行われる。この再生モードで、スピンドルモータ30によって光学ディスクDを回転した状態において、光反射型のスキューセンサ37によって対物レンズ34に対する光学ディスクDの傾きを検出する。
この傾きの検出結果に基づいてスキュー調整機構50は、対物レンズ34から光学ディスクDに照射する光ビームの光軸が光学ディスクDに対して垂直(90°)となるように、対物レンズ34に対する光学ディスクDの傾きを調整する。これにより、対物レンズ34の光ビームの光軸に対して光学ディスクDが垂直に保たれた状態となり、この状態でデータの再生が行われることにより、高密度のデータであっても高精度に再生することができる。
また、光学ピックアップ装置32は、データの再生制御とは別に、光学ディスクDの種類の判別を行うための種類判別手段としても用いられている。これは、光学ディスクDの最内周位置に記録されているTOCの種類識別データを光学ピックアップ装置32で読み取ることによって行うことができ、その種類識別データに基づいて、ローディングされている光学ディスクDが第1の光学ディスクとしての標準密度ディスクDsであるか、又は第2のディスクとしての高密度ディスクDhであるかを知ることができる。
そして、ローディングされている光学ディスクDが標準密度ディスクDsであったならば、第1のモードを選択してスキューオフモードを設定し、ラジアルスキュー調整を禁止した状態でデータの再生を行う。一方、ローディングされている光学ディスクDが高密度ディスクDhであったならば、第2のモードを選択してスキューサーボモードを設定すると共に高密度ディスクであることを所定のメモリに記憶して、その高密度ディスクDhをラジアルスキュー調整しながらデータの再生を行う。
従って、このディスクドライブ装置によれば、データの単位面積が大きくてデータの再生にさほど精度を要しない標準密度ディスクDsと、データの単位面積が小さくてデータの再生に高い精度を要する高密度ディスクGhの両方を選択的に高精度に再生することができる。
上述したような各種の動作を行うために、このディスクドライブ装置1は、図25に示すような制御手段としての制御装置CSを備えている。この制御装置CSは、例えば、4ビット並列処理のマイクロコンピュータ(CPU)80と、予め所定のプログラムが書き込まれている記憶装置(ROM)及び各種情報の書き込みが可能な記憶装置(RAM)81と、CPU80によって制御されるサーボ回路82、再生回路83、スキュー制御回路84及びメカニカル制御回路85等を備えており、CPU80にはローディングセンサ73が接続されている。
制御装置CSのサーボ回路82は、スピンドルモータ30の回転制御と、光学ピックアップ装置32による光学ディスクDの再生制御を行い、光学ピックアップ装置32の再生情報が再生回路83に入力されて再生信号の出力等がなされている。更に、光学ピックアップ装置32からの情報信号はスキュー制御回路84にも入力されており、この情報信号に基づいてスキュー制御回路84がスキューモータ63に制御信号を出力し、スライドカム61及びカム従動ローラ62の作動を介してスピンドルモータ30のスキュー調整を行っている。また、メカニカル制御回路85は、ローディングモータ21その他の電気機器の制御を行うもので、例えば、ローディングモータ21を駆動制御して揺動フレーム14の昇降動作等を制御する。
そのため、装置本体2内のスピンドルモータ30やスキューセンサ37等の電気機器及び制御装置CSのCPU80やサーボ回路82等の電子機器及び回路装置には、これらに電力を供給するための電源90が電源スイッチ91を介して接続されている。
〔光学ディスクの再生動作〕
この制御装置CSは、例えば、図26のフローチャートで示すように、スキューセンサ37でディスクテーブル31を検出して光学ディスクD及び光学ピックアップ装置32間の姿勢を予め規定された初期状態に設定する制御処理を実行する。
この制御装置CSの図26に示す制御処理は、まず、ステップS41において、光学ディスクDの再生動作が終了したか否かを判定することから開始される。この判定は、CPU80が再生回路83を介して光学ピックアップ装置32から再生信号が出力されているか否かを見ることによって行われ、再生中である場合には、これで処理を終了する。一方、ステップS41で、ディスクDの再生動作が終了したと判定された場合には、ステップS42に移行する。
このステップS42では、光学ディスクDがイジェクトされたか否かを判定する。この判定は、CPU80がローディングセンサ73から入力される検出信号を見ることによって行われ、ローディングセンサ73がディスクトレイ5を検出しているローディング状態にあるときにはディスクイジェクトではないと判定し、再びステップS42に戻り、ディスクがイジェクトされるまでこの処理を繰り返す。そして、ステップS42の判定の結果、ディスクがイジェクトされた場合には、ステップS43に移行する。このステップS43では、ステップS42で取り出された光学ディスクD又は他の光学ディスクDが再びローディングされたか否かを判定する。この判定は、同じくローディングセンサ73からの検出信号を見ることによって行われ、ディスクDがディスクトレイ5に載置されていないアンローディング状態にあるときにはディスクロードではないと判定し、これで処理を終了する。一方、ステップS43で、ディスクロードであると判定された場合には、ステップS44に移行する。
このステップS44では、スキューモードをイニシャライズする。この制御は、CPU80からの制御信号とスキューセンサ37からの検出信号とに基づいてスキュー制御回路84が、スキュー駆動機構60のスキューモータ63に駆動信号を出力することによって実行される。即ち、ローディング時、光学ピックアップ装置32をスピンドルモータ30に近づけてスキューセンサ37をディスクテーブル31の下に入り込ませ、ディスクテーブル31の基準部であるテーブル下面をスキューセンサ37で検出する。この場合、基準部として光学ディスクDの最内周部を用い、その内周部をスキューセンサ37で検出してスキューモードイニシャライズを行う構成とすることもできる。
このステップ44において、前回の再生動作に使用された光学ディスクDが高密度ディスクDhであるためにスキューサーボモードが設定され、ラジアルスキュー調整が行われた場合には、スキュー駆動機構60を動作させてスピンドルモータ30を垂直に直し、光学ディスクD及び光学ピックアップ装置32間の姿勢を予め規定された初期状態に設定する。一方、前回の再生動作に使用された光学ディスクDが標準密度ディスクDsである場合には、スキューオフモードが設定されてラジアルスキュー調整が禁止された状態にあり、スピンドルモータ30が初めから垂直になっているため、新たなイニシャライズ動作は行われない。
次に、ステップS45に移行して、CPU80は光学ディスクDの種類の一具体例として記録密度を判別し、光学ディスクDが高密度ディスクDhであるか標準密度ディスクDsであるかを判定する。この判定は、光学ディスクDの最内周位置に設定されたTOCに記録されている情報を光学ピックアップ装置32で読み込むことによって行われ、高密度ディスクDhであると判定された場合には、ステップS46に移行して、スキューサーボモードを設定する。そして、ステップS47に移行して、高密度ディスクDhの再生動作を開始し、これで処理を終了する。
また、ステップS45において、標準密度ディスクDsであると判定された場合には、ステップS48に移行して、スキューサーボオフモードを設定する。そして、ステップS49に移行して、標準密度ディスクDsの再生動作を開始し、これで処理を終了する。
これにより、光学ディスクD及び光学ピックアップ装置32間の姿勢を、情報記録媒体としてのディスクの情報記録密度に応じて制御し、再生開始に最も適した初期状態に設定することができる。従って、この光学ディスク装置1によれば、標準密度ディスクDsと高密度ディスクDhとを選択的に問題なく再生できると共に、標準密度ディスク及び高密度ディスクのいずれの場合にも高精度に再生することができる。
また、上述した制御装置CSの制御処理は、図27に示すフローチャートのように、電源スイッチ91が投入されたか否かによって開始し、電源の投入直後に光学ディスクD及び光学ピックアップ装置32間の姿勢を予め規定された初期状態に設定する構成とすることもできる。尚、図27において、上述した図26のフローチャートと同一部分には同一符号を付して、その説明は省略する。
この図27に示す制御処理は、まず、ステップS51において、電源90との間を開閉する電源スイッチ91を投入することによって開始される。この電源スイッチ91が投入された後に、ステップS52に移行する。
このステップS52では、光学ディスクDの有無、即ちディスクテーブル31に光学ディスクDが装着されているか否かを判定する。この判定は、CPU80がスキューセンサ37から入力される検出信号を見ることによって行われ、スキューセンサ37が光学ディスクDを検出していないときには、ディスクテーブル31に光学ディスクDが装着されていないと判定し、再びステップS52に戻り、ディスクテーブル31に光学ディスクDが装着されるまでこの処理を繰り返す。そして、ステップS52の判定の結果、スキューセンサ37が光学ディスクDを検出するようになったときには、ディスクテーブル31に光学ディスクDが装着されていると判定し、ステップS53に移行する。
このステップS53では、光学ピックアップ装置32が光学ディスクDの最内周部にあるか否かを判定する。この判定は、図示されていない内周測に設けられたリミットスイッチがオンされているか否かをみることによって行われ、そのリミットスイッチがオフされているときには光学ピックアップ装置32が光学ディスクDの最内周部以外の位置にあると判定する一方、そのリミットスイッチがオンされているときには光学ピックアップ装置32が光学ディスクDの最内周部にあると判定する。この光学ディスクDの内周か否かの判断は、光学ディスクDの最内周位置に記録されているディスク種類判別データを読み取って記録密度による光学ディスクDの種類を判定するための他に、最内周部を検出することによってスキューモードのイニシャライズを行うためにも用いられている。
このステップS53の判定の結果、光学ピックアップ装置32が光学ディスクDの最内周部にある場合には、上述したステップS44に移行して、スキューモードイニシャライズを実行する。その後、ステップS45の判定によりディスクテーブル31に装着されている光学ディスクDの情報記録密度に応じて、高密度ディスクDhの場合にはステップS46及びステップS47の処理を実行し、また、標準密度ディスクDsの場合にはステップS48及びステップS49の処理を実行する。
一方、ステップS53において、光学ピックアップ装置32が光学ディスクDの最内周部にない場合には、ステップS54に移行する。そして、ステップS54において、光学ピックアップ装置32を光学ディスクDの最内周部に移動する。これは、制御装置CSで、CPU80からメカニカル制御回路85に制御信号を出力し、ピックアップ送り機構40の光学ブロック駆動モータ41等を駆動することによって実行される。
かくして、光学ディスクDの内周部でディスクの傾きを検出してスキューセンサ37によるイニシャライズを行う場合には、通常光学ディスクDは、図28に示すように、外周の方がスキュー角度が大きく、内周ではスキュー角度がほとんどない。この図28は、横軸にはディスク中心からの距離〔mm〕を取り、縦軸にはディスクの傾き角度〔mrad〕を取っている。この図28によれば、ディスク中心からの距離が25mmのときのディスクの傾き角度は1.7mradであり、ディスク中心からの距離が40mmになるとディスクの傾き角度は2.8mradになっている。
即ち、スピンドルモータ30のディスクテーブル31の振れによる影響は、ディスクの外周も内周も角度で考えると同じであるため、光学ピックアップ装置32の対物レンズ34のスキューは、ディスク自身の傾きだけに依存している。そのため、ディスクの位置決めをするスピンドルモータ30のディスクテーブル31のすぐ傍となる内周ではスキューがほとんどないから、スキューセンサ37のイニシャライズは、装着された光学ディスクDの内周で行うことで十分に光学ピックアップ装置32を規定の角度内に収めることができる。
尚、図27に示すフローチャートにおいて、ステップS52ではディスクの有無を判定し、その判定結果に基づいてステップS52の処理を繰り返すか又は次のステップS53に移行する例について説明したが、ディスク有無の判定に代えて、ディスクローディングか否かの判定を行い、ディスクアンローディングの場合にはステップS52の処理を繰り返し、ディスクローディングが行われた後にステップS53に移行する構成とすることもできる。このように、ディスクローディングによってスキューモードをイニシャライズする制御を行うことによっても、上述した例と同様に標準密度ディスク及び高密度ディスクのいずれの場合にも高精度に再生することができる。
図29及び図30に示す本発明の第3の例は、スキューセンサ37によるイニシャライズを行うための基準部材86をサブシャーシとしての揺動フレーム14に取り付けたものである。この第3の例が上述した第2の例と異なる点は、基準部を有する基準部材86をディスクテーブル31とは別の部材によって構成した点であり、その他の構成に変更はないため、ここでは基準部材86についてのみ説明し、他の構成部材については同一の符号を付してその説明は省略する。
この基準部材86は、短冊状の板金をクランク状に折り曲げることによって形成されており、両端の先端片86a及び基端片86bは互いに平行に設けられている。そして、基端片86bを2本の止ネジ87で固定することによって基準部材86が揺動フレーム14に固定されている。この基準部材86の先端片86aが基準部を構成しており、この先端片86aはディスクテーブル31のディスク載置面と平行に設定されている。そして、先端片86aは光学ピックアップ装置32側に突出しており、図29及び図30に示すように、光学ピックアップ装置32が最内周に移動したときには、スキューセンサ37の略全面が先端片86aによって覆われるようになっている。
かくして、この第3の例によれば、スピンドルモータ30の取付エリア及び光学ピックアップ装置32の移動エリア以外の場所に基準部材を取り付けることによっても、スキューセンサ37による光学ピックアップ装置32のイニシャライズを行うことができる。尚、基準部材は、スピンドルモータ30に直接取り付ける構造とすることもできる。
また、図31〜図34に示す本発明の第4の例は、光学ディスクDのイジェクト時に、スピンドルモータ30の傾きを修正して水平状態に戻すイニシャライズを行うようにしたものである。この第4の例が上述した第3の例と異なる点は、基準部を有する基準部材88を揺動フレーム14に回動可能に取り付けて情報信号の読み書き時にはスキューセンサ37のイニシャライズ位置から基準部を退避させるように構成した点にあり、その他の構成は第2の例のものと同様であるため、ここでは基準部材88についてのみ説明し、他の構成部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
基準部材88は、スピンドルモータ30と横並びとなるように配置されていると共に、支点軸89によって揺動フレーム14に水平方向へ回動可能に支持されている。支点軸89は、基準部材88の中途部分を貫通しており、この支点軸89の一側に延びる基準部としての基準片88aが光学ピックアップ装置32側に延在されている。この基準部材88の基準片88aは、ディスクテーブル31のディスク載置面及びセンサに対向する背面と精度よく平行に形成されている。更に、支点軸89にはねじりばね75が緩く勘合されており、このねじりばね75のばね力によって基準部材88が、図31において時計方向に常時付勢されてりる。そして、ねじりばね75のばね力による基準部材88の回動を、基準片88aの反対側に延びる停止片88bを揺動フレーム14に固定されたストッパピン76に当接させるようにして制限している。このストッパピン76に基準部材88の停止片88bが当接している場合には、基準片88aはスキューセンサ37の移動軌跡上に位置している。そして、光学ピックアップ装置32がスピンドルモータ30に最も近づいた図31等の状態では、基準片88aの下方にスキューセンサ37が入り込み、このスキューセンサ37の略全面が基準片88aによって覆われることになり、これによりスキューセンサ37によってイニシャライズ位置が検出される。
この基準部材88を回動させるために、ディスクトレイ5の底面開口8には開放部材77が取り付けられている。この開放部材77は、平面的に見ると、その移動軌跡上にストッパピン76が位置しているが、ストッパピン76との間には高さ方向に段差が設けられている。従って、ローディング時には開放部材77がストッパピン76に当接することなく基準部材88にのみ当接し、ねじりばね75のばね力に抗して基準部材88を所定角度だけ回動させることができる。
このような構成を有する第4の例のディスクドライブ装置1の作用は、例えば、次のようなものである。まず、ディスクドライブ装置1に電源が入れられ、光学ディスクDをローディング位置に運ぶディスクトレイ5がイジェクト状態になると、光学ピックアップ装置32がスピンドルモータ30側に移動する。そして、光学ピックアップ装置32がスピンドルモータ30に最も近づくと、光学ピックアップ装置32に搭載されたスキューセンサ37が基準部材88の基準片88aの下方に入り込み、基準部としての基準片88aを検出する。その結果、スキューセンサ37の検出信号が上述した図25の制御装置CSのスキュー制御回路84に入力され、スキュー駆動機構60によって、上述したと同様にスピンドルモータ30のイニシャライズが実行される。
次に、前面パネル3から所定長さだけ飛び出しているディスクトレイ5のディスク保持部7に所望の光学ディスクDを載置し、ディスクトレイ5を軽く押し込んでローディング位置に運ぶと、ディスクトレイ5に設けた開放部材77が基準部材88の停止片88bに当接し、ねじりばね75のばね力に抗して基準部材88を、図31において反時計方向に回動させる。これにより、基準部材88の基準片88aが、スキューセンサ37の上方から離れるように旋回してスキューセンサ37によるスキュー検出に影響しない位置まで移動する。
その結果、光学ディスクDの情報信号の読み書きの際には、スキューセンサ37は光学ディスクDの情報記録面の傾きだけに対応することになる。そして、ローディングされている光学ディスクDが標準密度ディスクDsである場合には、スキューオフモードが設定されて、ラジアルスキュー調整を禁止した状態で情報の再生が行われる。一方、ローディングされている光学ディスクDが高密度ディスクDhである場合には、スキューサーボモードが設定されると同時に、その高密度ディスクDhであることをメモリに記憶して、ラジアルスキュー調整しながら情報の再生を行う。
従って、この第4の例においても、上述した第2の例と同様に記憶密度の異なる光学ディスクDを再生(又は記録)する場合に、次にディスクテーブル31に装着されるディスクの種類に関係なく、標準密度ディスクDs及び高密度ディスクDhの両者を問題なく再生することができる。
以上説明したが、本発明は上述した実施の例に限定されるものではなく、例えば、上述した例においては、CDやCD−ROM等の光学ディスクを情報記録媒体とした例について説明したが、MO等の光磁気ディスクを情報記録媒体として記録及び/又は再生する各種の光磁気ディスクドライブ装置に適用することができる。更に、上記例では、光学ディスクDに記録された情報の再生(読み取り)を行うディスクトレイ方式のディスクドライブ装置について説明したが、情報の記録のみを行う記録専用のディスクドライブ装置に適用できることは勿論のこと、情報の記録及び再生の両方を行うことができるディスクドライブ装置に適用することもできる。
また、上述した例では、CD等の光学ディスクDを裸の状態で使用する例について説明したが、光学ディスクDをカートリッジの内部に収納してローディング及びイジェクトするようにしたディスクカートリッジ式とすることもできる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、光学ディスクが所定位置に装着されたとき、これをスキューセンサで検出して、まず、光学ピックアップ装置のイニシャライズを行い、光学ディスク及び光学ピックアップ装置間の姿勢を予め規定された初期状態に設定することができる。従って、記録密度の異なる光学ディスクを再生及び/又は記録する場合に、次に装着されるディスクの種類に関係なく、例えば、CDやCD−ROM等の標準密度ディスク及び、これよりも7〜8倍の記憶容量を有するDVDやHD−CD等の高密度ディスクの両者を、共に問題なく再生及び/又は記録できるディスクドライブ装置を提供することができる。

Claims (10)

  1. 情報の記録及び/又は再生のための光学ディスクが装着されると共にスピンドルモータによって回転駆動されるディスクテーブルと、
    上記ディスクテーブルに装着された上記光学ディスクに光ビームを照射することによって当該光学ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光学ピックアップ装置と、
    上記光学ピックアップ装置に設けられて上記光学ディスクに対する上記光ビームの光軸の傾きを検出するスキューセンサと、
    上記スキューセンサからの検出出力に基づき上記ディスクテーブルに装着された上記光学ディスクに対する上記光ビームの光軸の傾きを調整するスキュー調整機構と、
    上記光学ディスクの種類を検出する検出手段と、
    上記検出手段からの検出信号に基づき、上記光学ディスクの情報記録が第1の記録密度を有する第1の光学ディスクより高密度である第2の記録密度を有する第2の光学ディスクであることを検出した場合に、上記スキュー調整機構によるスキュー調整を行う制御手段とを備えてなるディスクドライブ装置。
  2. 請求の範囲第1項記載のディスクドライブ装置において、
    上記スキューセンサによって検出される基準部を有し、上記スキューセンサからの上記基準部に対応する検出出力に基づいて上記スキュー調整機構を予め規定される初期状態に設定するディスクドライブ装置。
  3. 請求の範囲第2項記載のディスクドライブ装置において、
    上記基準部は、上記ディスクテーブルの近傍に位置するディスクドライブ装置。
  4. 請求の範囲第項記載のディスクドライブ装置において、
    上記基準部は、上記ディスクテーブル又は上記スピンドルモータに設けたディスクドライブ装置。
  5. 請求の範囲第項記載のディスクドライブ装置において、
    上記基準部は、上記スピンドルモータ又は当該スピンドルモータを支持するシャーシに取り付けられた基準部材に設けたディスクドライブ装置。
  6. 請求の範囲第項記載のディスクドライブ装置において、
    上記基準部は、上記光学ディスクの内周部であるディスクドライブ装置。
  7. 請求の範囲第項記載のディスクドライブ装置において、
    上記制御手段は、電源投入直後に上記初期設定を行うディスクドライブ装置。
  8. 請求の範囲第1項記載のディスクドライブ装置において、
    情報の記録及び/又は再生のための光学ディスクを収容して装置本体に対して出し入れされるディスクトレイと、
    上記スキューセンサによって検出されると共に上記スキューセンサを開閉自在に覆う基準部材と、
    上記ディスクトレイに設けられ、上記基準部材を操作することにより上記スキューセンサを開放する開放部材と、
    上記スキューセンサからの上記基準部材に対する検出出力に基づいて上記スキュー調整機構を予め規定された初期状態に設定する初期状態設定手段とを備え、
    上記光学ディスクのローディング時、上記開放部材は上記基準部材を操作してスキューセンサを開放して上記スキュー調整機構を動作可能としたディスクドライブ装置。
  9. 請求の範囲第1項記載のディスクドライブ装置において、
    上記制御手段は、上記検出手段の検出結果に応じて上記スキュー調整機構が、上記初期状態に保持される第1のモード或いは上記スキューセンサの検出出力に基づいて上記光ビームの光軸の傾きを調整する第2のモードのうちのいずれか一方のモードを選択するディスクドライブ装置。
  10. 請求の範囲第9項記載のディスクドライブ装置において、
    上記制御手段は、上記検出手段の検出信号に基づき、上記第1の光学ディスクを検出したときには、上記スキュー調整機構を上記第1のモードに設定するディスクドライブ装置。
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