以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載した発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本明細書に記載されている発明をサポートする実施の形態が明細書に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書には記載されているが、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、明細書に記載されている発明が、全て請求されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出願、または追加される発明の存在を否定するものではない。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るコンテンツ管理システムの一実施の形態を示す図である。同図においてパーソナルコンピュータ4が、ローカルエリアネットワークまたはインターネットなどから構成されるネットワーク3に接続されている。パーソナルコンピュータ4は、EMD(Electrical Music Distribution)サーバ1から受信した、またはCD(Compact Disc)から読み取った楽曲のデータ(以下、コンテンツと称する)を、そのまま記録するか、または所定の符号化の方式(例えば、ATRAC3plus(商標))に変換するとともにDES(Data Encryption Standard)などの暗号化方式で暗号化して記録する。
パーソナルコンピュータ4は、平文のまま、または暗号化して記録しているコンテンツに対応して、コンテンツの利用条件(例えば、コピー可能回数など)を示す権利情報を記録する。
パーソナルコンピュータ4は、暗号化して記録しているコンテンツを、例えば、コンテンツに関連するデータ(例えば、曲名、または再生条件など)と共に、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを介して、接続されている記録再生装置5−1または5−2に記憶させるとともに、記録再生装置5−1または5−2に記憶させたことに対応して、記憶させたコンテンツに対応する権利情報を更新する。例えば、コンテンツが記録再生装置5−1または5−2にコピーされて記憶されたとき、パーソナルコンピュータ4が記録している、そのコンテンツに対応する権利情報のコピー可能回数は、1減らされる。コピー可能回数が0になると、対応するコンテンツを記録再生装置5−1または5−2にコピーすることができない。
EMDサーバ1は、パーソナルコンピュータ4の要求に対応して、ネットワーク3を介して、コンテンツに関連するデータ(例えば、曲名など)と共に、パーソナルコンピュータ4にコンテンツを供給する。
EMDサーバ1が供給するコンテンツは、所定の符号化の方式で符号化され、また、コンテンツの著作権を保護するため所定の暗号化の方式で暗号化されている。EMDサーバ1は、コンテンツとともにコンテンツを復号するための鍵をパーソナルコンピュータ1に供給する。
WWW(World Wide Web)サーバ2は、パーソナルコンピュータ4の要求に対応して、ネットワーク2を介して、画像、テキストデータなどのデータをパーソナルコンピュータ4に供給する。
記録再生装置5−1または5−2は、後述するディスク21または22が記録媒体として装着され、USBケーブルなどを介して接続されるパーソナルコンピュータ4と通信し、コンテンツをディスク21または22に記憶するとともに、ユーザの指令に基づいてディスク21または22に記憶されているコンテンツを再生する。
図2は、図1の各機器におけるコンテンツの記憶状態の例を示す図である。同図において、サーバに記憶されるコンテンツの例として、例えば、上述したEMDサーバ1によりパーソナルコンピュータ4に供給される楽曲などのコンテンツAと、例えば上述したWWWサーバ2によりパーソナルコンピュータ4に供給されるコンテンツBが示されている。上述したように、EMDサーバ1が供給するコンテンツは、コンテンツの著作権を保護するため所定の暗号化の方式で暗号化されている。本発明においては、著作権を保護するため所定の暗号化の方式で暗号化されたコンテンツをセキュアーコンテンツと称し、同図のコンテンツAのように示す。一方、コンテンツBは、特に著作権などを持たないコンテンツとし、コンテンツAとは異なり、(平文のまま)暗号化されていないものとする。
パーソナルコンピュータ4において、コンテンツAは、やはり暗号化されたセキュアーコンテンツとして、コンテンツBは平文のまま、それぞれパーソナルコンピュータ4のHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部に記憶されている。
記録再生装置5−1は、コンテンツを記憶するとき、そのコンテンツがセキュアーコンテンツであるか否かを判定し、セキュアーコンテンツはディスク21におけるセキュアー領域41に記憶され、セキュアーコンテンツではないコンテンツ(以後、ノンセキュアーコンテンツと称する)は、ディスク21におけるノンセキュアー領域42に記憶される。したがって、ディスク21においては、コンテンツAはセキュアー領域41に、暗号化されたセキュアーコンテンツとして記憶され、コンテンツBは平文のまま、ノンセキュアーコンテンツとして記憶されている。なお、セキュアー領域41およびノンセキュアー領域42は、記録されるコンテンツをそのコンテンツの種類に応じて管理するためのディスク内の仮想的な領域であり、例えばそれぞれの領域に対して所定の記憶容量が割り当てられるものではない。
記録再生装置5−2も、記録再生装置5−1と同様にコンテンツAまたはコンテンツBを記憶する。
また、記録再生装置5−1と5−2を相互に接続し、ディスク21からディスク22にコンテンツを移動またはコピーすることも可能である。この場合、図3に示されるように、コンテンツAはディスク21のセキュアー領域41−1からディスク22のセキュアー領域41−2に移動され、コンテンツBはディスク21のノンセキュアー領域42−1からディスク22のノンセキュアー領域42−2にコピーまたは移動される。
記録再生装置5−1または5−2は、著作権保護のため、セキュアーなコンテンツを他の装置(記録媒体)にコピーすることを許可せず、著作権をもつコンテンツの複製が際限なく生成されることを防止する。したがって、コンテンツAは、ディスク22に移動されるとき、ディスク21から消去される。一方、著作権を持たないコンテンツBは、その複製をディスク22に生成してコピーすることもできるし、ディスク22に移動されるとき、ディスク21から消去されるようにすることも可能である。
なお、ノンセキュアーコンテンツであるコンテンツBをディスク22のセキュアー領域41−2に移動(またはコピー)することはできない。同様に、セキュアーコンテンツであるコンテンツAをディスク22のノンセキュアー領域42−2に移動(またはコピー)することはできない。
また、記録再生装置5−1または5−2は、著作権保護のため、ノンセキュアーコンテンツを楽曲として再生しない。例えば、ファイル交換などにより入手された楽曲データのコンテンツは、所定の方式で暗号化されていないため、ノンセキュアーコンテンツとして記憶され、そのノンセキュアーコンテンツは楽曲データであっても、楽曲として再生されることはない。すなわち、記録再生装置5−1または5−2は、正規の手順に従ってEMDサーバ1から受信した、またはCD(Compact Disc)から読み取った楽曲のデータ以外は、楽曲のコンテンツとして認識しない。このようにすることで、記録再生装置5−1または5−2のユーザにとって、正規の手順に則らず不正に入手されたコンテンツは価値のないものとなり、コンテンツの著作権保護を強化することができる。
次に、記録再生装置5−1(または5−2)に装着されるディスク21(または22)について説明する。
ディスク21は、光磁気ディスクであって、フォームファクタのような、ディスクの物理的属性は、いわゆるMD(Mini-Disc )システムによって使用されるディスクと実質的に同じである。ディスク21の記録再生のフォーマットとしては、現行のMDシステムで用いられているディスク、現行のMDシステムで用いられているディスクと同様の物理媒体を用いた次世代MD1のディスク、現行のMDシステムで用いられているディスクと外形は同様であるが、記録密度を上げて、記録容量をより増大した次世代MD2のディスクの3種類があり、記録再生装置5−1または5−2は、それら3種類のいずれのディスクにも対応できる(データの記録または再生を行う)ように構成されている。
また、記録再生装置5−1は、楽曲データのようなコンテンツデータを記録再生するために、ファイル管理システムとしてFAT(File Allocation Table)システムを使用する。上述した次世代MD1のディスク、または次世代MD2のディスクは、FATシステムに対応しており、これにより、記録再生装置5−1は、現行のパーソナルコンピュータに対して互換性を保証することができる。
なお、ここで「FAT」又は「FATシステム」という用語は、種々のPCベースのファイルシステムを指すのに総称的に用いられ、DOS(Disk Operating System)で用いられる特定のFATベースのファイルシステム、Windows(登録商標)95/98で使用されるVFAT(Virtual FAT)、Windows(登録商標)98/ME/2000で用いられるFAT32、及びNTFS(NT File System(New Technology File System とも呼ばれる))のどれかを示すことを意図したものではない。
現行のMDシステムでは、カートリッジに収納された直径64mmの光磁気ディスクが記録媒体として用いられている。ディスクの厚みは1.2mmであり、その中央に11mmの径のセンターホールが設けられている。カートリッジの形状は、長さ68mm、幅72mm、厚さ5mmである。
次世代MD1の仕様でも次世代MD2の仕様でも、これらディスクの形状やカートリッジの形状は、全て同じである。
また、次世代MD2の仕様のディスクでは、磁気超解像技術などを使うことにより、線密度方向の記録容量を向上するようにしている。磁気超解像技術は、所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、再生層に転写されていた磁壁が移動することで、微少なマークがビームスポットの中で大きく見えるようになることを利用したものである。
記録方式は、次世代MD1のディスクも次世代MD2のディスクも、グルーブ記録方式が採用されている。つまり、グルーブ(ディスクの盤面上の溝)をトラックとして記録再生に用いるようにしている。エラー訂正符号化方式としては、現行のMDシステムでは、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code) による畳み込み符号が用いられているが、次世代MD1および次世代MD2の仕様では、RS−LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)とBIS(Burst Indicator Subcode)とを組み合わせたブロック完結型の符号が用いられている。ブロック完結型のエラー訂正符号を採用することにより、リンキングセクタが不要になる。
アドレス方式は、次世代MD1のディスクも次世代MD2のディスクも、シングルスパイラルによるグルーブを形成したうえで、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブルを形成したウォブルドグルーブ方式が採用されている。このようなアドレス方式は、ADIP(Address in Pre-groove)と呼ばれている。
変調方式は、現行のMDシステムでは、EFM(8 to 14 Modulation)が用いられているのに対して、次世代MD1および次世代MD2のディスクでは、RLL(1,7)PP(RLL;Run Length Limited ,PP;Parity Preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))(以下、1−7pp変調と称する)が採用されている。また、データの検出方式は、次世代MD1ではパーシャルレスポンスPR(1,2,1)MLを用い、次世代MD2ではパーシャルレスポンスPR(1,−1)MLを用いたビタビ復号方式とされている。
現行のMDシステムで用いられるディスクをそのまま流用する次世代MD1の仕様では、ディスク1枚当たりのデータ総記録容量は約300Mバイト(80分ディスクを用いた場合)になる。変調方式がEFMから1−7pp変調とされることで、ウィンドウマージンが0.5から0.666となり、この点で、1.33倍の高密度化が実現できる。また、エラー訂正方式として、ACIRC方式からBISとLDCを組み合わせたものとしたことで、データ効率が上がり、この点で、1.48倍の高密度化が実現できる。総合的には、全く同様のディスクを使って、現行のMDシステムに比べて、約2倍のデータ容量が実現されたことになる。
磁気超解像度などを利用した次世代MD2の仕様のディスクでは、更に線密度方向の高密度化が図られ、データ総記録容量は、約1Gバイトになる。
図4は、次世代MD1のディスクの構成を示す図である。次世代MD1のディスクは、現行のMDシステムのディスクをそのまま流用したものである。すなわち、ディスクは、透明のポリカーボネート基板上に、誘電体膜と、磁性膜と、誘電体膜と、反射膜とを積層して構成される。更に、その上に、保護膜が積層される。
次世代MD1のディスクでは、図4に示すように、ディスクの内周(ディスクのレコーダブル領域の最も内側の周(「最も内側」は、ディスクの中心から放射状に延びる方向において最も内側を示す)のリードイン領域に、P−TOC(プリマスタードTOC(Table Of Contents))領域が設けられる。ここは、物理的な構造としては、プリマスタード領域となる。すなわち、エンボスピットにより、コントロール情報等が、例えば、P−TOC情報として記録されている。
P−TOC領域が設けられるリードイン領域の外周(ディスクの中心から放射状に延びる方向において外側の周)は、レコーダブル領域(光磁気記録可能な領域)とされ、記録トラックの案内溝としてグルーブが形成された記録再生可能領域となっている。このレコーダブル領域の内周には、U−TOC(ユーザTOC)が設けられる。
U−TOCは、現行のMDシステムでディスクの管理情報を記録するために用いられているU−TOCと同様の構成のものである。U−TOCは、現行のMDシステムにおいて、トラック(オーディオトラック/データトラック)の曲順、記録、消去などに応じて書き換えられる管理情報であり、各トラック(トラックを構成するパーツ)について、開始位置、終了位置や、モードを管理するものである。
U−TOCの外周には、アラートトラックが設けられる。このトラックには、ディスクが現行のMDシステムにロードされた場合に、MDプレーヤによって起動(出力)される警告音が記録される。この警告音は、そのディスクが次世代MD1方式で使用され、現行のシステムでは再生できないことを示すものである。レコーダブル領域の残りの部分は、リードアウト領域まで、放射状に延びる方向に広がっている。
図5は、図4に示す次世代MD1の仕様のディスクのレコーダブル領域の構成を示すものである。レコーダブル領域の先頭(内周側)には、U−TOCおよびアラートトラックが設けられる。U−TOCおよびアラートトラックが含まれる領域は、現行のMDシステムのプレーヤでも再生できるように、EFMでデータが変調されて記録される。EFM変調でデータが変調されて記録される領域の外周に、次世代MD1方式の1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域が設けられる。EFMでデータが変調されて記録される領域と、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域との間は所定の距離の間だけ離間されており、「ガードバンド」が設けられている。このようなガードバンドが設けられるため、現行のMDプレーヤに次世代MD1の仕様のディスクが装着されて、不具合が発生されることが防止される。
1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域の先頭(内周側)には、DDT(Disc Description Table)領域と、リザーブトラックが設けられる。DDT領域には、物理的に欠陥のある領域に対する交替処理をするために設けられる。DDT領域には、さらに、ディスク毎に固有の識別コードが記録される。以下、このディスク毎に固有の識別コードをUID(ユニークID)と称する。次世代MD1の場合、UIDは、例えば所定に発生された乱数に基づき生成され、例えばディスクの初期化の際に記録される。UIDを用いることで、個々のディスクが識別され、ディスクの記録内容に対する強固なセキュリティ管理を行うことができる。リザーブトラックは、コンテンツの保護を図るための情報が格納される。
更に、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域には、FAT(File Allocation Table)領域が設けられる。FAT領域は、FATシステムでデータを管理するための領域である。FATシステムは、汎用のパーソナルコンピュータで使用されているFATシステムに準拠したデータ管理を行うものである。FATシステムは、ルートにあるファイルやディレクトリのエントリポイントを示すディレクトリと、FATクラスタの連結情報が記述されたFATテーブルとを用いて、FATチェーンによりファイル管理を行うものである。
次世代MD1の仕様のディスクにおいては、U−TOC領域には、アラートトラックの開始位置の情報と、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域の開始位置の情報が記録される。さらに、U−TOC領域には、そのディスクが次世代MD1のディスクであることを表す判別情報(例えば、「HIMD」などの文字列)が記録されるようにしてもよい。
現行のMDシステムのプレーヤに、次世代MD1のディスクが装着されると、U−TOC領域が読み取られ、U−TOCの情報から、アラートトラックの位置が分かり、アラートトラックがアクセスされ、アラートトラックの再生が開始される。アラートトラックには、例えば、このディスクが次世代MD1方式で使用され、現行のMDシステムのプレーヤでは再生できないことを示す警告音が記録されている。この警告音から、このディスクが現行のMDシステムのプレーヤでは使用できないことが知らされる。
次世代MD1に準拠したプレーヤ(例えば、記録再生装置5−1または5−2)に、次世代MD1のディスクが装着されると、U−TOC領域が読み取られ、U−TOCの情報から、1−7pp変調でデータが記録された領域の開始位置が分かり、DDT、リザーブトラック、FAT領域が読み取られる。1−7pp変調のデータの領域では、U−TOCを使わずに、FATシステムを使ってデータの管理が行われる。
図6は、次世代MD2のディスクの構成を示す図である。ディスクは、透明のポリカーボネート基板上に、誘電体膜と、磁性膜と、誘電体膜と、反射膜とを積層して構成される。更に、その上に、保護膜が積層される。
同図に示されるように、次世代MD2のディスクでは、ディスクの内周(ディスクの中心から放射状に延びる方向において内側の周)のリードイン領域には、ADIP信号により、コントロール情報が記録されている。次世代MD2のディスクには、リードイン領域にはエンボスピットによるP−TOCは設けられておらず、その代わりに、ADIP信号によるコントロール情報が用いられる。リードイン領域の外周からレコーダブル領域が開始され、記録トラックの案内溝としてグルーブが形成された記録再生可能領域となっている。このレコーダブル領域には、1−7pp変調で、データが変調されて記録される。
なお、図示されていないが、次世代MD2のディスクでは、記録可能領域の内周側の、コンシューマ向けの記録再生装置で再生可能であるが記録不可であるような領域に、上述したUIDが予め記録される。次世代MD2のディスクの場合、UIDは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)で用いられているBCA(Burst Cutting Area)の技術と同様の技術により、ディスクの製造時に予め記録される。ディスクの製造時にUIDが生成され記録されるため、UIDの管理が可能となり、上述の次世代MD1による、ディスクの初期化時などに乱数に基づきUIDを生成する場合に比べ、セキュリティを向上できる。
なお、次世代MD2においてUIDが予め記録されるこの領域を、以降、BCAと呼ぶことにする。
次世代MD1であるか次世代MD2であるかは、例えば、リードインの情報から判断できる。すなわち、リードインにエンボスピットによるP−TOCが検出されれば、現行のMDまたは次世代MD1のディスクであると判断できる。リードインにADIP信号によるコントロール情報が検出され、エンボスピットによるP−TOCが検出されなければ、次世代MD2であると判断できる。上述したBCAにUIDが記録されているか否かで判断することも可能である。なお、次世代MD1と次世代MD2との判別は、このような方法に限定されるものではない。オントラックのときとオフトラックのときとのトラッキングエラー信号の位相から判別することも可能である。勿論、ディスク識別用の検出孔等を設けるようにしても良い。
図7は、次世代MD2の仕様のディスクのレコーダブル領域の構成を示す図である。同図4に示されるように、レコーダブル領域では全て1−7pp変調でデータが変調されて記録され、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域の先頭(内周側)には、DDT領域と、リザーブトラックが設けられる。DDT領域は、物理的に欠陥のある領域に対する交替領域を管理するための交替領域管理データを記録するために設けられる。
具体的には、DDT領域は、物理的に欠陥のある上記領域に替わるレコーダブル領域を含む置き換え領域を管理する管理テーブルを記録する。この管理テーブルは、欠陥があると判定された論理クラスタを記録し、その欠陥のある論理クラスタに替わるものとして割り当てられた置き換え領域内の論理クラスタ(1つ又は複数)も記録する。さらに、DDT領域には、上述したUIDが記録される。リザーブトラックは、コンテンツの保護を図るための情報が格納される。
更に、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域には、FAT領域が設けられる。FAT領域は、FATシステムでデータを管理するための領域である。FATシステムは、汎用のパーソナルコンピュータで使用されているFATシステムに準拠したデータ管理を行うものである。
次世代MD2のディスクにおいては、U−TOC領域は設けられていない。次世代MD2に準拠したプレーヤに、次世代MD2のディスクが装着されると、所定の位置にあるDDT、リザーブトラック、FAT領域が読み取られ、FATシステムを使ってデータの管理が行われる。
次世代MD1および次世代MD2のディスクでは、時間のかかる初期化作業は不要とされる。すなわち、次世代MD1および次世代MD2の仕様のディスクでは、DDTやリザーブトラック、FATテーブル等の最低限のテーブルの作成以外に、初期化作業は不要で、未使用のディスクからレコーダブル領域の記録再生を直接行うことが可能である。
なお、次世代MD2のディスクは、上述したように、ディスクの製造時にUIDが生成され記録されるため、より強固にセキュリティ管理を行うことが可能である一方、現行のMDシステムで用いられるディスクに比べて膜の積層数が多く、より高価である。そこで、ディスクの記録可能領域およびリードイン、リードアウト領域は、次世代MD1と共通とし、UIDのみ、DVDと同様のBCAを用いて次世代MD2と同様にしてディスクの製造時に記録するようにしたディスクシステム(次世代MD1.5と称する)も提案されている。本発明では、次世代MD1.5に関して、特に必要となる場合を除き、説明を省略する。すなわち、次世代MD1.5は、UIDに関しては次世代MD2に準じ、オーディオデータの記録再生などに関しては次世代MD1に準ずるものとする。
次に、上述したUIDについて、より詳細に説明する。上述したように、次世代MD2のディスクにおいて、UIDは、DVDで用いられているBCAと称される技術と同様の技術により、ディスクの製造時に予め記録される。図8に、このUIDの一例のフォーマットの例を概略的に示す。UIDの全体をUIDレコードブロックと称する。
UIDブロックにおいて、先頭から2バイト分がUIDコードのフィールドとされる。UIDコードは、2バイトすなわち16ビットのうち上位4ビットがディスク判別用とされる。例えば、この4ビットが〔0000〕で当該ディスクが次世代MD2のディスクであることが示され、〔0001〕で当該ディスクが次世代MD1.5のディスクであることが示される。UIDコードの上位4ビットの他の値は、例えば将来の拡張のために予約される。UIDコードの下位12ビットは、アプリケーションIDとされ、例えば、4096種類のアプリケーションサービスに対応することができる。
UIDコードの次に1バイトのバージョンナンバのフィールドが配され、その次に、1バイトでデータ長のフィールドが配される。このデータ長により、データ長の次に配されるUIDレコードデータのフィールドのデータ長が示される。UIDレコードデータのフィールドは、UID全体のデータ長が188バイトを超えない範囲で、4m(m=0、1、2、・・・)バイト分、配される。UIDレコードデータのフィールドに、所定の方法で生成したユニークなIDを格納することができ、これにより、ディスク個体が識別可能とされる。
なお、次世代MD1のディスクでは、このUIDレコードデータのフィールドに、乱数に基づき生成されたIDが記録される。
UIDレコードブロックは、最大188バイトまでのデータ長で、複数個、作ることができる。
次に、記録再生装置5−1または5−2の構成について説明する。なお、記録再生装置5−1または5−2を個々に区別する必要がない場合、単に記録再生装置5と称する。図9は、記録再生装置5の構成例を示すブロック図である。
同図において、記録再生装置5には、メディアドライブ部102、メモリ転送コントローラ103、クラスタバッファメモリ104、補助メモリ105、USB(Universal Serial Bus)インタフェース106,および108、USBハブ107、システムコントローラ109、オーディオ処理部110が設けられている。
メディアドライブ部102は、装填されたディスク21に対する記録/再生を行う。ディスク21は、上述したように、次世代MD1のディスク、次世代MD2のディスク、または現行のMDのディスクである。
メモリ転送コントローラ103は、メディアドライブ部2からの再生データやメディアドライブ部102に供給する記録データについての受け渡しの制御を行う。
クラスタバッファメモリ104は、メモリ転送コントローラ103の制御に基づいて、メディアドライブ部102によってディスク21のデータトラックからレコーディングブロック単位で読み出されたデータのバッファリングを行う。
補助メモリ105は、メモリ転送コントローラ103の制御に基づいて、メディアドライブ部102によってディスク21から読み出されたデータ、各種管理情報、特殊情報などを記憶する。
システムコントローラ109は、記録再生装置5の各部の制御を行うと共に、接続されたパーソナルコンピュータ4との間の通信制御を行う。
すなわち、システムコントローラ109は、USBインタフェース108、USBハブ107を介して接続されたパーソナルコンピュータ4との間で通信可能とされ、書込要求、読出要求等のコマンドの受信やステイタス情報その他の必要情報の送信などを行う。
システムコントローラ109は、例えばディスク21がメディアドライブ部102に装填されることに応じて、ディスク21からの管理情報等の読出をメディアドライブ部102に指示し、メモリ転送コントローラ103によって読み出した管理情報等を補助メモリ105に格納させる。
パーソナルコンピュータ4からのあるFATセクタの読出要求があった場合は、システムコントローラ109はメディアドライブ部102に、そのFATセクタを含むデータブロックの読み出しを実行させる。読み出されたデータブロックのデータはメモリ転送コントローラ103によってクラスタバッファメモリ104に書き込まれる。
システムコントローラ109はクラスタバッファメモリ104に書き込まれているデータブロックのデータから、要求されたFATセクタのデータを読み出させ、USBインタフェース106、USBハブ107を介してパーソナルコンピュータ4に送信させる制御を行う。
例えば、パーソナルコンピュータ4から、あるFATセクタの書き込み要求があった場合は、システムコントローラ109はメディアドライブ部102に、まずそのFATセクタを含むデータブロックの読み出しを実行させる。読み出されたデータブロックはメモリ転送コントローラ103によってクラスタバッファメモリ104に書き込まれる。
システムコントローラ109は、パーソナルコンピュータ4からのFATセクタのデータをUSBインタフェース106を介してメモリ転送コントローラ103に供給させ、クラスタバッファメモリ104上で、該当するFATセクタのデータの書き換えを実行させる。
システムコントローラ109は、メモリ転送コントローラ103に指示して、必要なFATセクタが書き換えられた状態でクラスタバッファメモリ4に記憶されているデータブロックのデータを、記録データとしてメディアドライブ部102に転送させる。メディアドライブ部102では、そのデータブロックの記録データを変調してディスク21に書き込む。
また、システムコントローラ109に対して、スイッチ150が接続されている。このスイッチ150は、記録再生装置5の動作モードを次世代MD1システムおよび現行MDシステムの何れかに設定する。すなわち、記録再生装置5では、現行のMDシステムによるディスク21に対して、現行のMDシステムのフォーマットと、次世代MD1システムのフォーマットの両方で、オーディオデータの記録を行うことができる。このスイッチ150により、ユーザに対して記録再生装置5の動作モードを明示的に示すことができる。機械的構造のスイッチが示されているが、電気または磁気を利用したスイッチ、あるいはハイブリッド型のスイッチを使用することもできる。
ディスプレイ151は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)で構成され、テキストデータや簡単なアイコンなどを表示することにより、システムコントローラ109から供給される表示制御信号に基づき、記録再生装置5の状態に関する情報や、メッセージなどをユーザに提示する。
オーディオ処理部110は、入力系として、例えばライン入力回路/マイクロホン入力回路等のアナログ音声信号入力部、A/D変換器や、ディジタルオーディオデータ入力部を備え、オーディオデータの入出力を制御する。また、オーディオ処理部110はATRAC圧縮エンコーダ/デコーダや、圧縮データのバッファメモリを備え、オーディオデータのエンコード、デコードの処理を制御する。更に、オーディオ処理部110には、出力系として、ディジタルオーディオデータ出力部や、D/A変換器およびライン出力回路/ヘッドホン出力回路等のアナログ音声信号出力部が設けられる。
メディアインタフェース111は、ディスク21以外のメディアとのデータの送受信を制御する。例えば、メディアインタフェースを介してディスク22(記録再生装置5−2)との接続が行われるようにしてもよいし、メモリーカード、光ディスクなどのメディアを駆動する別のメディアドライブとの接続が行われるようにしてもよい。
なお、パーソナルコンピュータ4との接続はUSBに限られるものではではなく、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394等の他の外部インタフェース、または無線接続などが用いられるようにしてもよい。
次に、記録再生装置5によるデータの管理方式について説明する。記録装置5は、次世代MD1または次世代MD2のディスクを利用してセキュアーコンテンツを記録することができる。
上述したように、次世代MD1および次世代MD2のシステムでは、FATシステムでデータが管理される。また、記録されるセキュアーコンテンツ(例えば、オーディオデータ)は、所望の圧縮方式で圧縮され、著作者の権利の保護のために、暗号化される。オーディオデータの圧縮方式としては、例えば、ATRAC3、ATRAC5等を用いることが考えられている。勿論、MP3(MPEG1 Audio Layer-3 )やAAC(MPEG2 Advanced Audio Coding )等、それ以外の圧縮方式を用いることも可能である。
また、セキュアーコンテンツとして、オーディオデータばかりでなく、静止画データや動画データを扱うことも可能である。勿論、FATシステムを使っているので、テキストデータなどの汎用データの記録再生を行うこともできる。更に、コンピュータが読み取り可能でかつ実行可能な命令をディスク上に符号化することもでき、次世代MD1または次世代MD2は、実行可能ファイルを含むこともできることになる。
このような次世代MD1および次世代MD2のディスクに、セキュアーコンテンツとして、オーディオデータを記録再生するときの管理方式について説明する。
次世代MD1のシステム、および次世代MD2のシステムでは、長時間で高音質の音楽データが再生できるようにしたことから、1枚のディスクで管理される楽曲の数も、膨大になっている。また、FATシステムを使って管理することで、コンピュータとの親和性が図られている。これにより、ユーザの利便性向上が図れるというメリットがある反面、音楽データが違法にコピーされてしまい、著作権者の保護が図られなくなる恐れもある。このため、上述したようにセキュアーコンテンツは暗号化してディスクに記録されている。ここでは、セキュアーコンテンツとしてのオーディオデータの管理方式について、2つの例を説明する。
図10は、オーディオデータの第1の管理方式の例を示す図である。同図に示されるように、第1の管理方式では、ディスク上には、トラックインデックスファイルと、オーディオデータファイルとが生成される。トラックインデックスファイルおよびオーディオデータファイルは、FATシステムで管理されるファイルである。
オーディオデータファイルは、図11に示すように、複数の音楽データが1つのファイルとして納められたものであり、FATシステムでオーディオデータファイルを見ると、1つの巨大なファイルに見える。オーディオデータファイルは、その内部がパーツとして区切られ、オーディオデータは、パーツの集合として扱われる。
トラックインデックスファイルは、オーディオデータファイルに納められた音楽データを管理するための各種の情報が記述されたファイルである。トラックインデックスファイルは、例えば、図12に示すように、プレイオーダテーブル、プログラムドプレイオーダテーブルと、グループインフォメーションテーブル、トラックインフォメーションテーブル、パーツインフォメーションテーブル、およびネームテーブルにより構成される。
プレイオーダテーブルは、デフォルトで定義された再生順序を示すテーブルである。プレイオーダテーブルには、図13に示すように、各トラックナンバ(曲番)についてのトラックインフォメーションテーブルのトラックデスクリプタ(後述)へのリンク先を示す情報TINF1、TINF2、…が格納されている。トラックナンバは、例えば「1」から始まる連続したナンバである。
プログラムドプレイオーダテーブルは、再生手順を各ユーザが定義したテーブルである。プログラムドプレイオーダテーブルには、図14に示すように、各トラックナンバについてのトラックデスクリプタへのリンク先の情報トラック情報PINF1、PINF2、…が記述されている。
グループインフォメーションテーブルには、グループに関する情報が記述されている。ここで、グループは、連続したトラックナンバを持つ1つ以上のトラックの集合、または連続したプログラムドトラックナンバを持つ1つ以上のトラックの集合である。グループインフォメーションテーブルは、図15に示されるように、各グループのグループデスクリプタで記述されている。そして、グループデスクリプタには、図16に示すように、そのグループが開始されるトラックナンバ、終了トラックのナンバ、グループネーム、およびフラグが記述される。
トラックインフォメーションテーブルは、各曲に関する情報が記述される。トラックインフォメーションテーブルは、図17に示されるように、各トラック毎(各曲毎)のトラックデスクリプタからなる。各トラックデスクリプタには、図18に示されるように、符号化方式、著作権管理情報、コンテンツの復号鍵情報、その楽曲が開始するエントリとなるパーツナンバへのポインタ情報、アーチストネーム、タイトルネーム、元曲順情報、録音時間情報等が記述されている。アーチストネーム、タイトルネームは、ネームそのものではなく、ネームテーブルへのポインタ情報が記述されるようにしてもよい。
パーツインフォメーションテーブルは、パーツナンバから実際の楽曲の位置をアクセスするポインタが記述されている。パーツインフォメーションテーブルは、図19に示されるように、各パーツ毎のパーツデスクリプタからなる。パーツとは、1トラック(楽曲)の全部、または1トラックを分割した各パーツである。図20は、パーツインフォメーションテーブル内のパーツデスクリプタの構成例を示す図である。同図に示されるように、パーツデスクリプタには、オーディオデータファイル上のそのパーツの先頭のアドレスと、そのパーツの終了のアドレスと、そのパーツに続くパーツへのリンク先とが記述される。
ネームテーブルは、ネームの実体となる文字を表すためのテーブルである。ネームテーブルは、図21に示されるように、複数のネームスロットからなる。各ネームスロットは、ネームを示す各ポインタからリンクされて呼び出される。ネームを呼び出すポインタは、トラックインフォメーションテーブルのアーチストネームやタイトルネーム、グループインフォメーションテーブルのグループネーム等がある。また、各ネームスロットは、複数から呼び出されることが可能である。各ネームスロットは、図22に示されるように、文字情報であるネームデータ、この文字情報の属性であるネームタイプ、およびリンク先からなる。1つのネームスロットで収まらないような長いネームは、複数のネームスロットに分割して記述することが可能である。そして、1つのネームスロットで収まらない場合には、それに続くネームが記述されたネームスロットへのリンク先が記述される。
オーディオデータの第1の管理方式においては、図23に示されるように、プレイオーダテーブル(図13)により、再生するトラックナンバが指定されると、トラックインフォメーションテーブルのリンク先のトラックデスクリプタ(図17)が読み出され、このトラックデスクリプタから、符号化方式、著作権管理情報、コンテンツの復号鍵情報、その楽曲が開始するパーツナンバへのポインタ情報、アーチストネームおよびタイトルネームのポインタ、元曲順情報、録音時間情報等が読み出される。
トラックインフォメーションテーブルから読み出されたパーツナンバの情報から、パーツインフォメーションテーブル(図19)にリンクされ、このパーツインフォメーションテーブルから、そのトラック(楽曲)の開始位置に対応するパーツの位置のオーディオデータファイルがアクセスされる。オーディオデータファイルのパーツインフォメーションテーブルで指定される位置のパーツのデータがアクセスされたら、その位置から、オーディオデータの再生が開始される。このとき、トラックインフォメーションテーブルのトラックデスクリプタから読み出された符号化方式に基づいて復号化が行われる。オーディオデータが暗号化されている場合には、トラックデスクリプタから読み出された鍵情報が使われる。
そのパーツに続くパーツがある場合には、そのパーツのリンク先がパーツデスクリプタが記述されており、このリンク先にしたがって、パーツデスクリプタが順に読み出される。このパーツデスクリプタのリンク先を辿っていき、オーディオディデータファイル上で、そのパーツデスクリプタで指定される位置にあるパーツのオーディオデータを再生していくことで、所望のトラック(楽曲)のオーディオディオデータが再生できる。
また、トラックインフォメーションテーブルから読み出されたアーチストネームやタイトルネームのポインタにより指し示される位置(ネームポインタ情報)にあるネームテーブルのネームスロット(図21)が呼び出され、その位置にあるネームスロットから、ネームデータが読み出される。
このように、オーディオデータを再生するとき、トラックインフォメーションテーブルに基づいて、そのオーディオデータを構成するパーツの位置が特定されるとともに、トラックインフォメーションテーブルのトラックデスクリプタから読み出された符号化方式に基づいて復号化が行われ、トラックデスクリプタから読み出された鍵情報に基づいて暗号化されたオーディオデータが復号される。したがって、この管理方式に則さないデータ(いまの場合、トラックインフォメーションテーブルに所定の情報が記述されていないデータ)は、例えオーディオデータであっても記録再生装置5では再生することはできない。このようにして、セキュアーコンテンツの著作権保護をより強固にすることができる。
次に、オーディオデータの第2の管理方式の例について説明する。図24に示されるように、第2の管理方式では、ディスク上には、トラックインデックスファイルと、複数のオーディオデータファイルとが生成される。トラックインデックスファイルおよび複数のオーディオデータファイルは、FATシステムで管理されるファイルである。
オーディオデータファイルは、図25に示されるように、原則的には1曲が1ファイルの音楽データが納められたものである。このオーディオデータファイルには、ヘッダが設けられている。ヘッダには、タイトルと、復号鍵情報と、著作権管理情報とが記録されるとともに、インデックス情報が設けられる。インデックスは、1つのトラックの楽曲を複数に分割するものである。ヘッダには、インデックスにより分割された各トラックの位置がインデックスナンバに対応して記録される。インデックスは、例えば、255箇設定できる。
トラックインデックスファイルは、オーディオデータファイルに納められた音楽データを管理するための各種の情報が記述されたファイルである。トラックインデックスファイルは、図26に示されるように、プレイオーダテーブルと、プログラムドプレイオーダテーブルと、グループインフォメーションテーブルと、トラックインフォメーションテーブルと、ネームテーブルとからなる。
プレイオーダテーブルは、デフォルトで定義された再生順序を示すテーブルである。プレイオーダテーブルには、図27に示されるように、各トラックナンバ(曲番)についてのトラックインフォメーションテーブルのトラックデスクリプタ(図46)へのリンク先を示す情報TINF1、TINF2、…が格納されている。トラックナンバは、例えば「1」から始まる連続したナンバである。
プログラムドプレイオーダテーブルは、再生手順を各ユーザが定義したテーブルである。プログラムドプレイオーダテーブルには、図28に示されるように、各トラックナンバについてのトラックデスクリプタへのリンク先の情報トラック情報PINF1、PINF2、…が記述されている。
グループインフォメーションテーブルには、図29に示されるように、グループに関する情報が記述されている。グループは、連続したトラックナンバを持つ1つ以上のトラックの集合、または連続したプログラムドトラックナンバを持つ1つ以上のトラックの集合である。グループインフォメーションテーブルは、図30に示されるように、各グループのグループデスクリプタで記述されている。グループデスクリプタには、そのグループが開始されるトラックナンバと、終了トラックのナンバと、グループネームと、フラグが記述される。
トラックインフォメーションテーブルには、各曲に関する情報が記述される。トラックインフォメーションテーブルは、図31に示されるように、各トラック毎(各曲毎)のトラックデスクリプタからなる。各トラックデスクリプタには、図32に示されるように、その楽曲が納められているオーディオデータファイルのファイルのポインタ、インデックスナンバ、アーチストネーム、タイトルネーム、元曲順情報、録音時間情報等が記述されている。アーチストネーム、タイトルネームは、ネームそのものではなく、ネームテーブルへのポインタであってもよい。
ネームテーブルは、ネームの実体となる文字を表すためのテーブルである。ネームテーブルは、図33に示されるように、複数のネームスロットからなる。各ネームスロットは、ネームを示す各ポインタからリンクされて呼び出される。ネームを呼び出すポインタは、トラックインフォメーションテーブルのアーチストネームやタイトルネーム、グループインフォメーションテーブルのグループネーム等がある。また、各ネームスロットは、複数から呼び出されることが可能である。各ネームスロットは、図34に示されるように、ネームデータと、ネームタイプと、リンク先とからなる。1つのネームスロットで収まらないような長いネームは、複数のネームスロットに分割して記述することが可能である。そして、1つのネームスロットで収まらない場合には、それに続くネームが記述されたネームスロットへのリンク先が記述される。
オーディオデータの第2の管理方式においては、図35に示されるように、プレイオーダテーブル(図27)により、再生するトラックナンバが指定されると、トラックインフォメーションテーブルのリンク先のトラックデスクリプタ(図31)が読み出され、このトラックデスクリプタから、その楽曲のファイルポインタおよびインデックスナンバ、アーチストネームおよびタイトルネームのポインタ、元曲順情報、録音時間情報等が読み出される。
そして、その楽曲のファイルのポインタから、そのオーディオデータファイルがアクセスされ、そのオーディオデータファイルのヘッダの情報が読み取られる。オーディオデータが暗号化されている場合には、ヘッダから読み出された鍵情報が使われる。そして、そのオーディオデータファイルが再生される。このとき、もし、インデックスナンバが指定されている場合には、ヘッダの情報から、指定されたインデックスナンバの位置が検出され、そのインデックスナンバの位置から、再生が開始される。
また、トラックインフォメーションテーブルから読み出されたアーチストネームやタイトルネームのポインタにより指し示される位置にあるネームテーブルのネームスロットが呼び出され、その位置にあるネームスロットから、ネームデータが読み出される。
このように、オーディオデータを再生するとき、トラックインフォメーションテーブルのトラックデスクリプタから、その楽曲のファイルポインタが特定され、ファイルポインタに基づいてその楽曲のオーディオファイルが特定されるとともに、オーディオファイルのヘッダに含まれる鍵情報に基づいて暗号化されたオーディオデータが復号される。したがって、この管理方式に則さないデータは、例えオーディオデータであっても記録再生装置5では再生することはできない。このようにして、セキュアーコンテンツの著作権保護をより強固にすることができる。
以上のような管理方式により記録再生されるセキュアーコンテンツは、図3を参照して上述したように、ディスク21からディスク22に移動される。
図36は、図9のシステムコントローラ109により実行されるソフトウェアの機能的構成例を示すブロック図である。
同図において、操作入力受付部201は、ユーザによる操作の入力を受け付け、ディスク種類判別部202、コンテンツ移動制御部203、データコピー制御部204に操作内容に対応するコマンドなどを出力する。
ディスク種類判定部202は、記録再生装置5に装着されたディスクの種類が、現行MDのディスク、次世代MD1のディスク、または次世代MD2のディスクのいずれであるかを判定し、その判定結果をコンテンツ移動制御部203、またはデータコピー制御部204に出力する。
コンテンツ移動制御部203は、ディスク種類判定部202の判定結果に基づいて、コンテンツのディスクからディスクへの移動を制御する。
データコピー制御部204は、ディスク種類判定部202の判定結果に基づいて、データ(コンテンツ)のディスクから補助メモリ105、または補助メモリ105からディスクへのコピーを制御する。
ディスク記録実行部205は、コンテンツ移動制御部203またはデータコピー制御部204の指令に基づいて、メディアドライブ部102を制御してディスクへのデータの書き込みを行わせる。
次に、図37のフローチャートを参照して、記録再生装置5による、メディア間でコンテンツを移動(またはコピー)させるコンテンツ移動処理について説明する。この処理は、例えば、ユーザがディスプレイ151の表示内容に基づいて、図示せぬ入力部を操作することにより、メディア間でのコンテンツの移動が指令されたとき、実行される。ここでは、記録再生装置5−1において、ディスク21に記録されたコンテンツを、記録再生装置5−2のディスク22に移動することが指令された場合の例について説明する。
ステップS1において、操作入力受付部201は、ユーザの操作により、コンテンツの移動またはコピーが指令されたか否かを判定し、コンテンツの移動またはコピーが指令されたと判定されるまで待機する。
ステップS2において、操作入力受付部201は、ステップS1で指令されたと判定された操作の内容に基づいて、移動するコンテンツと移動先のメディアの情報を取得する。いまの場合、移動するコンテンツとして、ディスク21に記録されているコンテンツのコンテンツ名(例えば、コンテンツA、コンテンツBなど)が取得され、移動先のメディアの情報として、ディスク22を特定する情報が取得される。
ステップS3において、ディスク種類判定部202は、移動元のディスクの種類を判定する。いまの場合、ディスク21の種類が、現行MDのディスク、次世代MD1のディスク、または次世代MD2のディスクのいずれであるかが判定される。
ディスクの種類の判定は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、リードインにエンボスピットによるP−TOCが検出されれば、現行のMDまたは次世代MD1のディスクであると判断でき、U−TOCの外周のアラートトラックに、警告音などの所定の情報が記録されていなければ、現行MDのディスクと判断できる。また、リードインにADIP信号によるコントロール情報が検出され、エンボスピットによるP−TOCが検出されなければ、次世代MD2であると判断できる。
あるいは、サーボ信号の立ち上がりや立ち下がり等を識別することにより、次世代MD2のみが選択的に判別され、次に、UTOCにおける所定の記録位置の判別情報(例えば、「HIMD」等の文字列)に基づいて、次世代MD1が選択的に判別されるようにしてもよい。
なお、ディスクの種類の判定方法はこれに限られるものではなく、例えば、オントラックのときとオフトラックのときとのトラッキングエラー信号の位相からディスクの種類が判定されるようにしてもよいし、ディスク識別用の検出孔等が設けられるようにしても良い。
ステップS4において、ディスク種類判定部202は、ステップS3の処理による判定結果が、現行MDのディスクであったか否かを判定し、現行MDのディスクではないと判定された場合、すなわち、ディスク21は、次世代MD1のディスク、または次世代MD2のディスクであると判定された場合、処理はステップS5に進む。
ステップS5において、コンテンツ移動制御部203は、移動(またはコピー)するコンテンツの種類を判定される。ここでは、コンテンツの種類として、セキュアーコンテンツか、ノンセキュアーコンテンツかが判定される。
ステップS6において、コンテンツ移動制御部203は、図38を参照して後述するコンテンツ種類別処理を実行する。これにより、セキュアーコンテンツまたはノンセキュアーコンテンツのそれぞれに対応して、コンテンツの移動またはコピーが行われる。
ステップS4において、移動元のディスクが現行MDのディスクであると判定された場合、処理は、ステップS8に進み、ディスク記録実行部205は、メディアインタフェース111を介して記録再生装置5−2にアクセスし、移動先のメディアであるディスク22にコンテンツを移動する。すなわち、現行MDのディスクには、セキュアーコンテンツは記録できないので、ノンセキュアーコンテンツの移動またはコピーが行われることになる。
次に、図38のフローチャートを参照して、図37のステップS6のコンテンツ種類別処理の詳細について説明する。
ステップS21において、コンテンツ移動制御部203は、ステップS5の処理により、移動またはコピーするコンテンツは、セキュアーコンテンツか否かを判定し、セキュアーコンテンツであると判定された場合、処理は、ステップS22に進む。
ステップS22において、コンテンツ移動制御部203は、移動先のメディアの種類を判定する。このとき、メディアインタフェース111を介して記録再生装置5−2からディスク22の種類に関する情報が取得される。このとき、記録再生装置5−2は、ステップS3の処理と同様にして、ディスク22の種類を判定し、その判定結果を、メディアインタフェース111を介して送信する。
ステップS23において、コンテンツ移動制御部203は、ステップS22の処理により判定されたメディアの種類がセキュアーなメディアであるか否かを判定する。ここで、セキュアーなメディアとは、上述した図10乃至図35を参照して上述したセキュアーコンテンツの管理方式に対応するメディアを指すものであり、例えば、次世代MD1のディスク、または次世代MD2のディスクはセキュアーなメディアと判定される。
ステップS23において、移動先のメディアの種類がセキュアーなメディアであると判定された場合、処理はステップS24に進み、コンテンツ移動制御部203は、ディスク記録実行部205を制御して、メディアインタフェース111を介して記録再生装置5−2にアクセスし、移動先のメディアであるディスク22にコンテンツを移動させる。これにより、図3を参照して上述したように、セキュアーコンテンツであるコンテンツAがディスク22に移動される。なお、図3を参照して上述したように、セキュアーコンテンツについては、コピーは許可されず、移動のみ可能となる。
一方、ステップS23において、移動先のメディアの種類がセキュアーなメディアではないと判定された場合、処理はステップS25に進み、コンテンツ移動制御部203は、エラー処理を行う。すなわち、セキュアーコンテンツをセキュアーなメディア以外のメディアに移動させることはできないので、処理エラーとなる。このとき、例えば、ディスプレイ151に、移動先のメディアがセキュアーなメディアでないため、コンテンツを移動できない旨のメッセージが表示され、ユーザに通知される。
一方、ステップS21において、移動またはコピーするコンテンツは、セキュアーコンテンツではない(すなわち、ノンセキュアーコンテンツ)と判定された場合、処理は、ステップS26に進み、コンテンツ移動制御部203は、ディスク記録実行部205を制御して、メディアインタフェース111を介して記録再生装置5−2にアクセスし、移動先のメディアであるディスク22にコンテンツを移動させる。これにより、図3を参照して上述したように、ノンセキュアーコンテンツであるコンテンツBがディスク22に移動される。
このようにして、メディア間でのコンテンツの移動(またはコピー)が行われる。移動またはコピーされるコンテンツがセキュアーコンテンツか、ノンセキュアーコンテンツかを判定し、当該コンテンツがセキュアーコンテンツであった場合、さらに移動先のメディアがセキュアーなメディアであるか否かを判定して、コンテンツの移動を行うようにしたので、コンテンツの著作権をより強固にかつ適切に保護することができる。
なお、この例では、記録再生装置5−1のディスク21から記録再生装置5−2のディスク22にコンテンツが移動される例について説明したが、例えば、メディアインタフェース111を介して、新たなメディアドライブ部が接続され、そのメディアドライブ部にディスク22が装着されるようにしてもよい。すなわち、記録再生装置5−1が2つのメディアドライブ部を備え、記録再生装置5−1にディスク21とディスク22が装着されるようすることも可能であり、この場合も、図37と図38を参照して上述したようにコンテンツ移動処理を行うことができる。
さらに、この例では、1つのディスクから別のディスクへコンテンツが移動される例について説明したが、例えば、ディスクからメモリーカードなどのメディアにコンテンツが移動されるようにしてもよい。この場合、移動先のメディアが、例えば、マジックゲートメモリースティックインタフェース(MGMS)、メモリースティックプロ(MSpro)(いずれも商標)など、コンテンツをセキュアーに管理できるメディアか否かが、図38のステップS22で判定されることになる。
あるいはまた、メディアインタフェース111を介して、例えば、携帯電話機などにより構成され、やはりコンテンツをセキュアーに管理することが可能な、別のポータブルデバイスが接続され、ディスク21からそのポータブルデバイスが内蔵する記録部に対してコンテンツが移動されるようにしてもよい。
ところで、これまで記録再生装置5は、おもにオーディオデータの記録/再生を行うものとして説明してきたが、記録再生装置5の用途はこれに限られるものではない。例えば、記録再生装置5に撮像部を追加することにより、記録再生装置5をデジタルスチルカメラとして利用するという用途も考えられる。この場合、記録再生装置5により撮像された画像は、ディスク(例えば、次世代MD1または次世代MD2のディスク21)に記録されることになる。
近年、デジタルスチルカメラで撮影した画像のデータを、例えば、写真の焼き増しのように、その場で複製して他の人に渡したいというニーズが高まっており、デジタルスチルカメラが画像のデータを簡単に複製できるアプリケーションを実装している場合も多い。図39は、撮影された画像データを複製して提供する例を説明する図である。いま、記録再生装置5により画像が撮像され、その画像のデータがコンテンツBとしてディスクAに記録されているものとする。
画像のデータ(コンテンツB)を複製して他の人に渡す場合、ユーザは、画像のデータを簡単に複製できるアプリケーションを実行し、これにより他の人が所有するディスクBにコンテンツBが複製されるようにすればよい。すなわち、コンテンツBを記録再生装置5の補助メモリ105に一旦記録してから、ディスクAを取り出し、新たにディスクBを記録再生装置5に装着してから、コンテンツBを、補助メモリ105からディスクBに記録させるようにすればよい。なお、ディスクAに、セキュアーコンテンツであるコンテンツAがある場合、セキュアーコンテンツは著作権保護のため、コピーすることはできず、移動のみ可能とされるため、コンテンツAは、補助メモリ105に記録されない。
図40と図41のフローチャートを参照して、上述した、コンテンツを複製して他の人に渡す場合の、データコピー処理の詳細について説明する。この処理は、例えば、記録再生装置5において、画像のデータを簡単に複製できるアプリケーションが実装されており、ユーザがディスプレイ151の表示内容に基づいて、図示せぬ入力部を操作して、その実行を指令することにより実行される。
ステップS41において、操作入力受付部201は、コピー(すなわち、アプリケーションの実行)が指令されたか否かを判定し、指令されたと判定されるまで待機する。
ステップS42において、ディスク種類判定部202は、現在、記録再生装置5に装着されているディスクの種類を判定する。これによりディスクの種類が、現行MDのディスク、次世代MD1のディスク、または次世代MD2のディスクのいずれであるかが判定される。
ディスクの種類の判定は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、リードインにエンボスピットによるP−TOCが検出されれば、現行のMDまたは次世代MD1のディスクであると判断でき、U−TOCの外周のアラートトラックに、警告音などの所定の情報が記録されていなければ、現行MDのディスクと判断できる。また、リードインにADIP信号によるコントロール情報が検出され、エンボスピットによるP−TOCが検出されなければ、次世代MD2であると判断できる。
あるいは、サーボ信号の立ち上がりや立ち下がり等を識別することにより、次世代MD2のみが選択的に判別され、次に、UTOCにおける所定の記録位置の判別情報(例えば、「HIMD」等の文字列)に基づいて、次世代MD1が選択的に判別されるようにしてもよい。
なお、ディスクの種類の判定方法はこれに限られるものではなく、例えば、オントラックのときとオフトラックのときとのトラッキングエラー信号の位相からディスクの種類が判定されるようにしてもよいし、ディスク識別用の検出孔等が設けられるようにしても良い。
ステップS43において、ディスク種類判定部202は、ステップS42の処理による判定結果が現行MDのディスクであったか否かを判定し、現行MDのディスクではない、すなわち現在装着されているディスク(例えば、ディスクA)は、次世代MD1のディスク、または次世代MD2のディスクであると判定された場合、処理は、ステップS44に進む。
ステップS44において、データコピー制御部204は、ディスクAのUIDを取得する。
UDIは、上述したように、ディスク毎に固有の識別コードであり、次世代MD1のディスクの場合、DDT領域にされ、例えば、所定に発生された乱数に基づき生成され、ディスクの初期化の際に記録される。次世代MD2のディスクの場合、UIDは、記録可能領域の内周側の、コンシューマ向けの記録再生装置で再生可能であるが記録不可であるような領域に、例えばDVD(Digital Versatile Disc)で用いられているBCA(Burst Cutting Area)の技術と同様の技術により、ディスクの製造時に予め記録される。ステップS44では、ステップS42の処理により判定されたディスクの種類に対応して、上述のUIDが取得される。
ステップS45において、データコピー制御部204は、コピーすべきコンテンツを選択する。このとき、例えば、ディスクAに記録されているコンテンツAとコンテンツBのうち、ノンセキュアーコンテンツであるコンテンツBが、コピーすべきコンテンツとして選択される。また、コピーすべきコンテンツは、ユーザの指令に基づいて選択されるようにしてもよい。ただし、この場合は、ユーザがセキュアーコンテンツであるコンテンツAを選択するとエラーとなる。
ステップS46において、データコピー制御部204は、コピーすべきコンテンツのコンテンツIDを取得する。このとき、コンテンツIDとしては、例えば、コンテンツBを構成するデータファイルのファイル名がコンテンツIDとして取得されるようにしてもよいし、ファイル名とそのファイルサイズを関連されてコンテンツIDが生成されて取得されるようにしてもよい。
ステップS47において、データコピー制御部204は、ディスクのUIDとコンテンツIDを対応付けるテーブルを生成する。
図42に、このとき生成されるテーブルの例を示す。同図において、コンテンツIDとして、「jpeg001」、「jpeg002」、・・・が記録されており、コンテンツID「jpeg001」に対応するコンテンツが記録されていたディスクのUID「001」、コンテンツID「jpeg002」に対応するコンテンツが記録されていたディスクのUID「002」、・・・がそれぞれ対応づけられて記録されている。ステップS47では、図42に示されるようなテーブルが生成され、例えば、補助メモリ105内の所定の領域に記録される。
ステップS47の処理の後、処理は、ステップS48に進み、データコピー制御部204は、コピーすべきコンテンツ(いまの場合、コンテンツB)を補助メモリ105にコピーする。
ステップS48の処理の後、ステップS49において、データコピー制御部204は、現在装着されているディスク(いまの場合、ディスクA)が、記録再生装置5から取り外されたか否かを判定し、ディスクが取り外されたと判定されるまで待機する。
ステップS49において、ディスクが取り外されたと判定された場合、処理は、図41のステップS51に進み、データコピー制御部204は、記録再生装置5に再びディスクが装着されたか否かを判定し、ディスクが装着されたと判定されるまで待機する。
ステップS51において、ディスクが装着されたと判定された場合、処理は、ステップS52に進み、ディスク種類判定部202は、現在、記録再生装置5に装着されているディスクの種類を判定する。これによりディスクの種類が、現行MDのディスク、次世代MD1のディスク、または次世代MD2のディスクのいずれであるかが判定される。ディスクの種類の判定は、ステップS42の処理と同様にして行われる。
ステップS53において、ディスク種類判定部202は、ステップS52の処理による判定結果が現行MDのディスクであったか否かを判定し、現行MDのディスクではない、すなわち現在装着されているディスクは、次世代MD1のディスク、または次世代MD2のディスクであると判定された場合、処理は、ステップS54に進む。
ステップS54において、データコピー制御部204は、ディスクのUIDを取得する。ディスクのUIDの取得は、ステップS44の処理と同様にして行われる。
ステップS55において、データコピー制御部204は、テーブルを参照して、コピーすべきコンテンツに対応づけられたディスクのUIDを取得する。このとき、ステップS47の処理により生成されたディスクのUIDとコンテンツIDを対応付けるテーブルが参照され、コピーすべきコンテンツであるコンテンツBのコンテンツIDに対応づけられたディスクのUIDが取得される。いまの場合、コンテンツBはディスクAに記録されていたのでディスクAのUIDが取得される。
ステップS56において、データコピー制御部204は、ステップS54の処理により取得されたディスクのUIDと、ステップS55の処理により取得されたディスクのUIDが同じか否かを判定する。
例えば、ユーザが自身で撮影した画像のコンテンツなどについては、各ディスクにどのコンテンツが記録されているかは、ユーザが、自身で管理しかない。しかし、通常、ディスクは同じ形状をしており、ディスクの外見から特定のディスクを判別するのは困難であるため、誤って同じディスクにコンテンツをコピーしてしまう恐れがある。そこで、ステップS56においては、ディスクのUIDが同じか否かを判定する。
例えば、ユーザが誤って同じディスク(いまの場合、ディスクA)を再び装着した(ステップS51)場合、ステップS54の処理では、ディスクAのUIDが取得され、ステップS55の処理でもディスクAのUIDが取得されるため、ステップS56では、同じUIDであると判定され、ステップS58に進み、例えば、ディスプレイ151にエラーメッセージが出力され、ユーザに対して同じディスクが装着された旨が提示される。
一方、ステップS56において、ステップS54の処理により取得されたディスクのUIDと、ステップS55の処理にしょり取得されたディスクのUIDが同じではないと判定された場合、処理は、ステップS57に進み、ディスク記録実行部205は、補助メモリ105に記憶されているコンテンツ(いまの場合コンテンツB)のデータをディスクにコピーする。
例えば、ユーザが再び装着した(ステップS51)ディスクがディスクBであった場合、ステップS54の処理では、ディスクBのUIDが取得され、ステップS55の処理では、ディスクAのUIDが取得されるため、ステップS56では、同じUIDではないと判定され、処理は、ステップS57に進む。
なお、ステップS43の処理、またはステップS53の処理において、現在装着されているディスク現行MDのディスクであると判定された場合、それぞれ、処理はステップS50または、S59に進みエラー処理が実行され、その後処理は終了される。
このようにして、データ(例えば、デジタルスチルカメラで撮影した画像のデータ)が、ディスクにコピーされる。これにより例えば、写真の焼き増しのように、画像データ(コンテンツ)をその場で複製し、ディスクを介して他の人に渡すことができる。
また、コンテンツのIDとディスクのUIDを参照して、コピーが行われるようにしたので、ディスクの外見から特定のディスクを判別するのは困難であっても、誤って同じディスクにコンテンツをコピーしてしまうことが抑制され、その結果、ユーザにとっては、コンテンツの管理の負担が軽減され、記録再生装置5の利便性が向上する。
さらに、補助メモリ105にコピーされるコンテンツとして、ノンセキュアーコンテンツが選択されるようにしたので、セキュアーコンテンツが簡単に複製されてしまうことが抑制され、その結果、コンテンツの著作権をより適切に保護することができる。
なお、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、例えば、システムコントローラ109は、図43に示されるようなコンピュータ300と同様の構成となる。
図43において、CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)
302に記憶されているプログラム、または記憶部306からRAM(Random Access Memory)303にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM303にはまた、CPU301が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU301、ROM302、およびRAM303は、バス304を介して相互に接続されている。このバス304にはまた、入出力インタフェース305も接続されている。
入出力インタフェース305には、ドライブ310が接続され(メディアドライブ部102と兼用されるようにしてもよい)、リムーバブルメディア311(ディスク21であってもよい)が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部306にインストールされる。
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディア311などからなる記録媒体からインストールされる。
なお、本明細書において上述した一連の処理を実行するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
1 EMDサーバ, 3 ネットワーク, 4 パーソナルコンピュータ, 5−1,5−2 記録再生装置, 21,22 ディスク, 102 メディアドライブ部, 105 補助メモリ, 108 USBインタフェース, 109 システムコントローラ, 110 オーディオ処理部, 111 メディアインタフェース, 201 操作入力受付部, 202 ディスク種類判定部, 203 コンテンツ移動制御部, 204 データコピー制御部, 205 ディスク記録実行部