JP4085082B2 - 往復圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池車に用いる水素ガスなどを高圧ないし超高圧に圧縮する往復圧縮機に関する。
一般に、ガスを高圧に圧縮する往復圧縮機は、複数段の圧縮部を有し、低段側の圧縮部で圧縮されたガスを高段側の圧縮部に順次送給して圧縮を繰り返し行うようになっている。また、他の圧縮機と組み合わせて使用し、低段側である他の圧縮機で圧縮されたガスを圧縮部に吸入して一段高圧に圧縮するようにすることもある。
そして、このような往復圧縮機の圧縮部の構造は、例えば特許文献1に開示されるように、低段側の圧縮部に連通された圧縮室を有するシリンダと、このシリンダ内に往復摺動可能に配置されたピストンと、このピストンの基端に連結されたクロスヘッドと、一端がクロスヘッドに、他端がクランク軸にそれぞれ連結された連接棒とを備え、クランク軸の回転運動をクロスヘッド及びピストンの往復運動に変換し、ピストンの往復運動によりシリンダの圧縮室内にガスを吸入して圧縮するようになっている。この場合、ピストンの外周面に複数の環状のピストンリング溝を設け、その各溝にそれぞれピストンリングを装着して、シリンダの圧縮室の気密性を確保するようになっている。
また、本出願人らは、先に、各ピストンリングのシリンダ内面に対する押圧力をできるだけ弱い均等の押圧力に調整することにより、ピストンリングの摩耗を少なくしてその寿命を延ばすとともに、ガスの漏洩を少なくすることができる発明を提案し(特許文献2参照)、実用化している。すなわち、この公知発明は、ピストンリング溝のうち、ピストンの先端部(つまり圧縮室)に近い複数のピストンリング溝からそれぞれピストンの先端側の圧縮室に連通する第1の連通孔を設けるとともに、ピストン先端のトップ側から遠いピストンリング溝に通ずる第1の連通孔ほどその連通孔のガス流通抵抗が大きくなるように形成し、またピストンリング溝のうち、ピストンの基端部に近い複数のピストンリング溝からそれぞれピストン基端のピストン背面に連通する第2の連通孔を設けるとともに、ピストン基端のボトム側から遠いピストンリング溝に通ずる第2の連通孔ほどその連通孔のガス流通抵抗が大きくなるように形成するものである。
特開平8−270563号公報(第3−4頁、図1、図2) 特開平8−270557号公報(全頁、全図)
ところが、燃料電池車に用いる水素ガスを1000気圧(100MPa)程度の超高圧に圧縮するために往復圧縮機を用いる場合には、ピストン径を小さくかつピストン長さを長くするとともに、ピストンの外周面に多数のピストンリングを装着する必要がある。このような往復圧縮機では、上記公知発明の如き連通孔の構造だけで各ピストンリングのシリンダ内面に対する押圧力を均等に調整することは十分にできないという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、ピストンの外周面に多数のピストンリングを装着する場合でも各ピストンリングのシリンダ内面に対する押圧力を均等に調整し得るようにし、超高圧に圧縮するのに適した往復圧縮機を提供せんとするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、往復圧縮機として、低段側の圧縮部に連通された単一の圧縮室を有するシリンダと、このシリンダ内に往復摺動可能に配置されたピストンとを備え、低段側の圧縮部から吐出された圧縮ガスをピストンの往復摺動によりシリンダの圧縮室内に吸入して一段高圧に圧縮するものを前提とする。そして、上記ピストンの外周面に多数のピストンリングを2以上のピストンリング群に分散して装着し、同一のピストンリング群ではピストンリング同士をピストンの軸方向に近接して設け、異なるピストンリング群同士は所定距離離間して設ける。また、2つのピストンリング群の間に対応するシリンダ内面とピストンとの隙間に上記圧縮室内に吸入される圧縮ガスよりも低い所定圧の圧縮ガスを導入するガス導入手段を備える構成とする。
この構成では、ピストンの外周面に多数のピストンリングを装着するに当たり、互いに所定距離離間する2以上のピストンリング群に分散して装着する一方、2つのピストンリング群の間に対応するシリンダ内面とピストンとの隙間にガス導入手段によりシリンダの圧縮室内に吸入される圧縮ガスよりも低い所定圧の圧縮ガスが導入され、所定圧に維持されるため、連通孔の構造との併用などにより各ピストンリングのシリンダ内面に対する押圧力を均等に調整することができる。
請求項に係る発明は、上述した構成に加えて、上記ガス導入手段を、シリンダ内面とピストンとの間の隙間に連通する分岐通路と、この分岐通路に介在された減圧弁と、上記隙間内の圧縮ガスを排出する排出通路と、この排出通路に介在された背圧弁とによって構成する。この構成では、2つのピストンリング群の間に対応するシリンダ内面とピストンとの隙間に導入される圧縮ガスの圧力が減圧弁と背圧弁とにより所定圧に確実に維持されるため、作動の信頼性が高められることになる。
請求項に係る発明は、請求項1記載の往復圧縮機において、異なるピストンリング群同士の離間距離を限定するものである。すなわち、上記所定距離を、ピストンの往復摺動距離以上に設定する。この場合、所定圧の圧縮ガスが導入される隙間にいずれのピストンリング群も臨まないようにすることができる。
請求項に係る発明は、請求項1又は2記載の往復圧縮機において、特に、ピストンの外周面に多数のピストンリングを2つのピストンリング群に分散して装着する場合の好ましい形態を提供するものである。すなわち、上記ピストンを、先端面が圧縮室に臨む第1ピストンと、この第1ピストンの基端に連接された第2ピストンとで構成し、かつ第1ピストンの外周面及び第2ピストンの基端側外周面にそれぞれピストンリング群を設ける構成とする。この構成では、細長くかつ外周面に多数のピストンリングを装着するためのピストンリング溝が形成されるピストンを、2つのピストンリング群に対応して第1ピストンと第2ピストンの2つに分割しているため、その分ピストンの加工精度を高めることができる。また、一方のピストンが軸線に対し水平移動又は傾く場合でも、他方のピストンは軸線方向運動を保持されるため、作動の信頼性がより高められる。
請求項4及び5に係る発明は、いずれも請求項記載の往復圧縮機において、上記第1ピストンと第2ピストンの連接構造の好ましい形態を提供するものである。すなわち、請求項に係る発明は、第1ピストン及び第2ピストンのいずれか一方に突起部を、他方にこの突起部が嵌合する嵌合穴部をそれぞれ形成し、この突起部と嵌合穴部との嵌合により第1ピストン及び第2ピストンを軸方向に抜け止め状態に連接する構成とする。この構成では、別の部材を用いることなく2つのピストン同士を簡単に連接することができる。
また、請求項に係る発明は、第1ピストン及び第2ピストンのいずれか一方にフランジ部を形成し、このフランジ部に係合する鍔部を有する連結管を他方にねじ止めすることにより第1ピストン及び第2ピストンを連接する構成とする。この構成では、2つのピストン同士が連結管を介して確実に連結されているため、作動の信頼性を高めることができる。
以上のように、本発明の往復圧縮機によれば、ピストンの外周面に多数のピストンリングが2以上のピストンリング群に分散して装着され、2つのピストンリング群の間に対応するシリンダ内面とピストンとの隙間にシリンダの圧縮室内に吸入される圧縮ガスよりも低い所定圧の圧縮ガスが導入されて所定圧に維持されるため、超高圧に圧縮しピストンの圧縮室側とボトム側との差圧が大きくなる場合でも連通孔の構造との併用などにより各ピストンリングのシリンダ内面に対する押圧力を均等に調整することができるので、ピストンリングの摩耗の低減化ないし寿命の延長化、ガス漏洩の防止化に寄与することができ、特に超高圧用の往復圧縮機として有効なものである。
その上、2つのピストンリング群の間に対応するシリンダ内面とピストンとの隙間に導入される圧縮ガスの圧力が減圧弁と背圧弁とにより所定圧に確実に維持されるため、作動の信頼性を高めることができ、実施化を図る上で有効なものである。
特に、請求項に係る発明では、細長くかつ外周面に多数のピストンリングを装着するためのピストンリング溝が形成されるピストンを、2つのピストンリング群に対応して第1ピストンと第2ピストンの2つに分割しているため、その分ピストンの加工精度を高めることができるとともに、ピストンの軸線方向運動を保持して作動の信頼性をより高めることができるという効果を併有する。
請求項に係る発明では、別の部材を用いることなく2つのピストン同士を簡単に連接することができるので、構造の簡略化及びコストの低廉化などに寄与することができる。
さらに、請求項に係る発明では、2つのピストン同士を連結管を介して確実に連結することができるので、作動の信頼性を一層高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る4段式往復圧縮機Aの全体構成を示し、この往復圧縮機Aは、4つの圧縮部1a,1b,1c,1dがクランクケース2に放射状に設けられてなる。
上記クランクケース2内にはクランク軸3が回転自在に配置され、クランク軸3の一端部はクランクケース2外にまで延出されている。このクランク軸3の一端部にはプーリ4が装着されており、モータ5の回転力がベルト6及びプーリ4を介してクランク軸3に伝達され、クランク軸3が回転するようになっている。
上記各圧縮部1a〜1dは、いずれもクランクケース2にガイドシリンダ11(図2参照)を介在して固定されたシリンダ12a,12b,12c,12dと、このシリンダ12a〜12d内に往復摺動可能に配置されたピストン13a,13b,13c,13dとを備えている。ピストン13a〜13dは、それぞれガイドシリンダ11内を往復摺動するクロスヘッド14(図2参照)及び連接棒などを介してクランク軸3に連結され、このクランク軸3の回転に伴って各ピストン13a〜13dがシリンダ12a〜12d内を往復摺動することにより、シリンダ12a〜12d先端側の圧縮室15a,15b,15c,15d内に水素ガスなどを吸入し、圧縮し、吐出するようになっている。
上記4つの圧縮部1a〜1dは、圧縮順序に従いそれぞれ1段目、2段目、3段目及び4段目(最終段)の圧縮部として称されるものであって、1段目の圧縮部1aと2段目の圧縮部1bとは第1の連絡通路21を介して接続され、2段目の圧縮部1bと3段目の圧縮部1cとは第2の連絡通路22を介して接続され、3段目の圧縮部1cと4段目の圧縮部1dとは第3の連絡通路23を介して接続されている。そして、低段側の圧縮部1a〜1cで圧縮された圧縮ガスは連絡通路21〜23を通して高段側の圧縮部1b〜1dに送出され、高段側の圧縮部1b〜1dで順次一段高圧に圧縮するようになっており、4段目の圧縮部1dは、3段目の圧縮部1cで圧縮された400気圧(40MPa)程度の圧縮ガスを1100気圧(110MPa)程度にまで昇圧する。第1〜第3の連絡通路21〜23及び4段目の圧縮部1dに接続された送出通路24にはそれぞれクーラ25が設けられ、各圧縮部1a〜1dで圧縮された圧縮ガスをクーラ25で冷却するようになっている。ここで、4つの圧縮部1a〜1dは、高段側のもの程ピストン径が小さくかつピストン長さが長く設定されている。
そして、上記4つの圧縮部1a〜1dのうち、最も高段側である4段目の圧縮部1dにおいては、ピストン長さが長いことに対応して、シリンダ12dは、図2に示すように、ガイドシリンダ11に固定された下段シリンダ31と、この下段シリンダ31に基端が固定され、先端にシリンダヘッド16が固定される上段シリンダ32とからなる。下段シリンダ31の内面には円筒状のシリンダライナ33が嵌め込んで固着され、このシリンダライナ33内をピストン13dの後述する第2ピストン42が往復摺動するようになっている。また、上段シリンダ32は基端側と先端側とで内径が異なっており、基端側の内径は下段シリンダ31の内径(つまりシリンダライナ33の外径)と略同一に設定され、先端側の内径は基端側のそれよりも小さく設定されている。この上段シリンダ32の先端側の内面には円筒状のシリンダライナ34が嵌め込んで固着され、このシリンダライナ34内をピストン13dの後述する第1ピストン41が往復摺動するようになっている。
上記ピストン13dの外周面には多数のピストンリング35,35,…及び36,36,…が2つのピストンリング群37,38に分散して装着され、同一のピストンリング群37又は38ではピストンリング35,35又は36,36同士がピストン13dの軸方向に近接して設けられ、異なるピストンリング群37,38同士はピストン13dの往復摺動距離以上に離間して設けられている。
また、上記ピストン13dは、先端面がシリンダ12dの圧縮室15dに臨む第1ピストン41と、この第1ピストン41の基端に連接された第2ピストン42とからなる。第1ピストン41は、図3に拡大詳示するように、先端部外周面に多数の環状のピストンリング溝43,43,…を有し、この各ピストンリング溝43にそれぞれピストンリング35を嵌め込んで装着することにより1つのピストンリング群37(図2参照)が設けられている。この第1ピストン41には、多数のピストンリング溝43,43,…のうち、第1ピストン41の先端部に近い複数のピストンリング溝43からそれぞれ第1ピストン41の先端側の圧縮室15dに連通する縦孔44aと横孔44bとからなる第1の連通孔44が設けられ、この連通孔44の横孔44b(詳しくは横孔に設ける絞り)は、第1ピストン41の先端から遠いピストンリング溝43に通ずるものほどそのガス流通抵抗が大きくなるように形成されている。また、第1ピストン41には、第1ピストン41の基端部に近い複数のピストンリング溝43,43,…からそれぞれ第1ピストン41の基端側に連通する縦孔45aと横孔45bとからなる第2の連通孔45が設けられ、この連通孔45の横孔45bは、第1ピストン41の基端から遠いピストンリング溝43に通ずるものほどそのガス流通抵抗が大きくなるように形成されている。
上記第2ピストン42は、図4に拡大詳示するように、基端部外周面に多数の環状のピストンリング溝46,46,…を有し、この各ピストンリン溝46にそれぞれピストンリング36を嵌め込んで装着することにより1つのピストンリング群38(図2参照)が設けられている。この第2ピストン42には、多数のピストンリング溝46,46,…のうち、第2ピストン42の基端部に近い複数のピストンリング溝46,46,…からそれぞれ第2ピストン42の基端側に連通する縦孔47aと横孔47bとからなる第3の連通孔47が設けられ、この連通孔47の横孔47bは、第2ピストン42の基端から遠いピストンリング溝46に通ずるものほどそのガス流通抵抗が大きくなるように形成されている。
そして、上記第1ピストン41と第2ピストン42とを連接するために、図5にも示すように、第1ピストン41の基端部に、直径が第1ピストン41の他の部位の直径よりも大きくかつ第2ピストン42の先端部の直径と略等しいフランジ部51が形成されている。また、図6にも示すように、このフランジ部51に係合する鍔部52aを一端に有しかつフランジ部51及び第2ピストン42の先端部に嵌合可能な連結管52を用意し、この連結管52を第1ピストン41の方から第1ピストン41と第2ピストン42との間に跨って外側から嵌合し、連結管52の鍔部52aを第1ピストン41のフランジ部51に係合させた状態で連結管52を第2ピストン42の先端部に四方からねじ53で止めることにより両ピストン41,42が連接されている。この連接個所のねじ53は、ピストン13dの往復摺動時には上段シリンダ32内の内径の大きい基端側を移動するようになっており、この上段シリンダ32の基端側内面とピストン13dとの隙間54にはガス導入手段60によりシリンダ12d(詳しくは上段シリンダ32)の圧縮室15dに吸入される圧縮ガスよりも低い所定圧、例えば300気圧(30MPa)の圧縮ガスが導入されるようになっている。
上記ガス導入手段60は、図1に示すように、第3の連絡通路23から分岐して上記隙間54に上段シリンダ32に接続した接続管61を通して連通する分岐通路62と、この分岐通路62に介在され下流側の圧力を設定圧(例えば290気圧(29MPa))に減圧する減圧弁63と、上記隙間54内の圧縮ガスを上段シリンダ32に接続した接続管64を通して排出する排出通路65と、この排出通路65に介在され上流側の圧力を設定圧(例えば300気圧(30MPa))に調圧する背圧弁66とからなる。
従って、上記往復圧縮機Aの4つの圧縮部1a〜1dのうち、最も高圧に昇圧する4段目の圧縮部1dにおいては、ピストン13dの外周面に多数のピストンリング35,36を装着するに当たり、互いにピストン13dの往復摺動距離以上に離間する2つのピストンリング群37,38に分散して装着する一方、この2つのピストンリング群37,38の間に対応するシリンダ12d内面とピストン13dとの隙間54にガス導入手段60によりシリンダ12dの圧縮室15d内に吸入される圧縮ガスよりも低い所定圧(換言すればピストン13dの先端側の圧縮室15d内の圧力とピストン13dのボトム側のガイドシリンダ11内の圧力との中間圧)の圧縮ガスが導入され、所定圧に維持されるため、ピストン13dの連通孔44,45,47の構造との併用により各ピストンリング35,36のシリンダ12d内面に対する押圧力を均等に調整することができる。その結果、ピストンリング35,36の摩耗を低減することができ、その寿命の延長化を図ることができるとともに、ガス漏洩の防止化に寄与することができる。
その上、上記ガス導入手段60は、隙間54に導入する圧縮ガスの圧力を減圧弁63と背圧弁66とにより所定圧に確実に維持するようになっているため、作動の信頼性を高めることができる。
また、上記ピストン13dは、2つのピストンリング群37,38に対応して第1ピストン41と第2ピストン42とに分割されてなるため、その分ピストン13dの加工を容易に行うことができ、その加工精度を高めることができる。しかも、第1ピストン41及び第2ピストン42のうちの一方のピストンが軸線に対し水平移動又は傾く場合でも、他方のピストンは軸線方向運動を保持されるため、作動の信頼性をより高めることができる。
さらに、上記第1ピストン41と第2ピストン42とは、第1ピストン41に設けたフランジ部51に係合する鍔部52aを有する連結管52を第2ピストン42にねじ53止めすることにより連接されているため、その連接強度を高めることができ、作動の信頼性をより一層高めることができる。
図7は本発明の第2の実施形態として4段式往復圧縮機Aの4段目の圧縮部1d(図1参照)における別の構造を示す。この第2の実施形態の場合、シリンダ12dは、第1の実施形態の場合と同様に下段シリンダ71と上段シリンダ72とからなるが、上段シリンダ72の軸方向長さは、第1の実施形態の場合のそれと比べて短く設定され、この上段シリンダ72の内面にはその軸方向略全長に亘り円筒状のシリンダライナ74が嵌め込んで固着されている。尚、下段シリンダ71の軸方向長さは、第1の実施形態の場合のそれと略同一に設定され、この下段シリンダ71の内面にはその軸方向略全長に亘り円筒状のシリンダライナ73が嵌め込んで固着されている。
また、ピストン13dは、上記上段シリンダ72側のシリンダライナ74内に往復摺動可能に配置され先端面が圧縮室15d(図1参照)に臨む第1ピストン76と、この第1ピストン76の基端に連接されかつ上記下段シリンダ71側のシリンダライナ73内に往復摺動可能に配置された第2ピストン77とからなる。このピストン13dの外周面には、第1の実施形態の場合と同様に多数のピストンリング78,78,…及び79,79,…が2つのピストンリング群81,82に分散して装着され、同一のピストンリング群81又は82ではピストンリング78,78又は79,79同士がピストン13dの軸方向に近接して設けられ、異なるピストンリング群81,82同士はピストン13dの往復摺動距離以上に離間して設けられている。
上記第1ピストン76は、図8に詳示するように、外周面の略全体に多数の環状のピストンリング溝83,83,…を有し、この各ピストンリング溝83にそれぞれピストンリング78を嵌め込んで装着することにより1つのピストンリング群81(図7参照)が設けられている。この第1ピストン76には、多数のピストンリング溝83,83,…のうち、第1ピストン76の先端部に近い複数のピストンリング溝83からそれぞれ第1ピストン76の先端側の圧縮室15dに連通する縦孔84aと横孔84bとからなる第1の連通孔84が設けられ、この連通孔84の横孔84bは、第1ピストン76の先端から遠いピストンリング溝83に通ずるものほどそのガス流通抵抗が大きくなるように形成されている。また、第1ピストン76には、第1ピストン76の基端部に近い複数のピストンリング溝83,83,…からそれぞれ第1ピストン76の基端面に連通する縦孔85aと横孔85bとからなる第2の連通孔85が設けられ、この連通孔85の横孔85bは、第1ピストン76の基端から遠いピストンリング溝83に通ずるものほどそのガス流通抵抗が大きくなるように形成されている。
一方、上記第2ピストン77は、図9に詳示するように、基端部外周面に多数の環状のピストンリング溝86,86,…を有し、この各ピストンリング溝86にそれぞれピストンリング79を嵌め込んで装着することにより1つのピストンリング群82(図7参照)が設けられている。この第2ピストン77には、多数のピストンリング溝86,86,…のうち、第2ピストン77の基端部に近い複数のピストンリング溝86,86,…からそれぞれ第2ピストン77の基端側に連通する縦孔87aと横孔87bとからなる第3の連通孔87が設けられ、この連通孔87の横孔87bは、第2ピストン77の基端から遠いピストンリング溝86に通ずるものほどそのガス流通抵抗が大きくなるように形成されている。
そして、上記第1ピストン76と第2ピストン77とを連接するために、第2ピストン77の先端面には小径部91aと大径部91bとからなる突起部91が軸方向に突出して設けられ、この突起部91の大径部91bは、小径部91aと偏心して一側方に突出している。また、第1ピストン76の基端部には上記突起部91が側方から嵌合する嵌合穴部92が設けられており、この嵌合穴部92に突起部91を嵌合して第1ピストン76と第2ピストン77とを軸回りに若干相対回転させることにより両ピストン76,77が軸方向に抜け止め状態に連接されている。
上記第2ピストン77の先端部には、その突起部91を貫通して第1ピストン76の第2の連通孔85と連通する縦孔93aと横孔93bとからなる第4の連通孔93が設けられており、この連通孔93の横孔93bは、図7に示す如くピストン13dがシリンダ12dの吸入行程下限位置にあるときには上段シリンダ72の基端側内面とピストン13dとの隙間94に開口する。この隙間94には、第1の実施形態の場合と同じくガス導入手段60(図1及び図2参照)によりシリンダ12dの圧縮室15dに吸入される圧縮ガスよりも低い所定圧の圧縮ガスが導入されるようになっている。
そして、上記第2の実施形態においても、ピストン13dの外周面に多数のピストンリング78,79を装着するに当たり、互いにピストン13dの往復摺動距離以上に離間する2つのピストンリング群81,82に分散して装着する一方、この2つのピストンリング群81,82の間に対応するシリンダ12d内面とピストン13dとの隙間94にガス導入手段60によりシリンダ12dの圧縮室15d内に吸入される圧縮ガスよりも低い所定圧の圧縮ガスが導入され、所定圧に維持されるため、ピストン13dの連通孔84,85,87,93の構造との併用により各ピストンリング78,79のシリンダ12d内面に対する押圧力を均等に調整することができるという効果を奏する。
また、上記ピストン13dは、2つのピストンリング群81,82に対応して第1ピストン76と第2ピストン77とに分割されてなるため、その分ピストン13dの加工を容易に行うことができ、その加工精度を高めることができる。しかも、第1ピストン76及び第2ピストン77のうちの一方のピストンが軸線に対し水平移動又は傾く場合でも、他方のピストンは軸線方向運動を保持されるため、作動の信頼性をより高めることができる。
さらに、上記第1ピストン76と第2ピストン77とは、第2ピストン77先端の突起部91を第1ピストン76基端の嵌合穴部92に嵌合して軸方向に抜け止め状態に連接されており、第1の実施形態における連結管52の如き別の部材を必要としないため、構造を簡略化することができるだけでなく、ピストン13dやシリンダ12dひいては圧縮部1dの軸方向長さを短くすることができ、小型化及びコストの低廉化などにも寄与することができるという効果をも奏する。
尚、本発明は上記第1及び第2の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記各実施形態では、本発明を4段式往復圧縮機Aの最も高段側である4段目の圧縮部1dに適用した場合について述べたが、本発明は、これに限らず、4段式以外の多段式往復圧縮機の高段側の圧縮部、あるいは別の圧縮機で圧縮された圧縮ガスを往復圧縮機で一段高圧に圧縮する場合などにも同様に適用することができる。
また、上記各実施形態では、ピストン13dの外周面に多数のピストンリング35,36又は78,79を装着するに当たり、2つのピストンリング群37,38又は81,82に分散して装着したが、本発明は、必要に応じて、3つ以上のピストンリング群に分散して装着するようにしてもよい。この場合、隣接する2つのピストンリング群同士をそれぞれ互いに所定距離、好ましくはピストンの往復摺動距離以上に離間して設ける一方、この2つピストンリング群の間に対応するシリンダ内面とピストンとの隙間にそれぞれ圧縮室に吸入される圧縮ガスよりも低くかつピストンの先端から離れた位置にある隙間ほど低い所定圧の圧縮ガスを導入するように構成すればよい。
本発明の第1の実施形態に係る4段式往復圧縮機の全体構成を示す配管系統図である。 上記往復圧縮機の4段目圧縮部の構造を示す縦断側面図である。 第1ピストンの拡大縦断面図である。 第2ピストンの拡大縦断面図である。 図2の第1ピストンと第2ピストンの連接付近の拡大図である。 (a)は連結管の平面図、(b)は同断面図である。 第2の実施形態を示す図5相当図である。 同じく図3相当図である。 同じく図4相当図である。
符号の説明
A 4段式往復圧縮機
1a,1b,1c,1d 圧縮部
12d シリンダ
13d ピストン
15d 圧縮室
23 第3の連絡通路
35,36,78,79 ピストンリング
37,38,81,82 ピストンリング群
41,76 第1ピストン
42,77 第2ピストン
51 フランジ部
52 連結管
52a 鍔部
53 ねじ
54,94 隙間
60 ガス導入手段
62 分岐通路
63 減圧弁
65 排出通路
66 背圧弁
91 突起部
92 嵌合穴部

Claims (5)

  1. 低段側の圧縮部に連通された単一の圧縮室を有するシリンダと、このシリンダ内に往復摺動可能に配置されたピストンとを備え、低段側の圧縮部から吐出された圧縮ガスをピストンの往復摺動によりシリンダの圧縮室内に吸入して一段高圧に圧縮する往復圧縮機において、
    上記ピストンの外周面には多数のピストンリングが2以上のピストンリング群に分散して装着され、同一のピストンリング群ではピストンリング同士がピストンの軸方向に近接して設けられ、異なるピストンリング群同士は所定距離離間して設けられており、2つのピストンリング群の間に対応するシリンダ内面とピストンとの隙間に上記圧縮室内に吸入される圧縮ガスよりも低い所定圧の圧縮ガスを導入するガス導入手段を備えており、
    上記ガス導入手段は、シリンダ内面とピストンとの間の隙間に連通する分岐通路と、この分岐通路に介在された減圧弁と、上記隙間内の圧縮ガスを排出する排出通路と、この排出通路に介在された背圧弁とからなることを特徴とする往復圧縮機。
  2. 上記所定距離は、ピストンの往復摺動距離以上である請求項1記載の往復圧縮機。
  3. 上記ピストンは、先端面が圧縮室に臨む第1ピストンと、この第1ピストンの基端に連接された第2ピストンとからなり、第1ピストンの外周面及び第2ピストンの基端側外周面にそれぞれピストンリング群が設けられている請求項1又は2記載の往復圧縮機。
  4. 上記第1ピストン及び第2ピストンは、いずれか一方に突起部が、他方にこの突起部が嵌合する嵌合穴部がそれぞれ形成され、この突起部と嵌合穴部との嵌合により軸方向に抜け止め状態に連接されている請求項3記載の往復圧縮機。
  5. 上記第1ピストン及び第2ピストンは、いずれか一方にフランジ部が形成され、このフランジ部に係合する鍔部を有する連結管を他方にねじ止めすることにより連接されている請求項3記載の往復圧縮機。
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