JP4084829B2 - 熱現像材料 - Google Patents

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Description

本発明は、熱現像材料、なかでも熱現像感光材料(以下、熱現像感材ということがある)に関するものであり、特に熱現像時の亀裂の発生を抑えた熱現像感光材料に関するものである。
熱現像感光材料は既に古くから提案されており、例えば、米国特許3152904号、同3457075号の各明細書およびB.シェリー(Shely) による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp) 編集、第2頁、1996年)に記載されている。 熱現像感光材料は、一般に、触媒活性量の光触媒(例、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した感光性層を有している。熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、ハロゲン化銀あるいは還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀画像は、露光領域に形成される。
熱現像感光材料は、従来、ポリビニルブチラール(PVB)をバインダーとする有機溶剤系の感光性層が用いられているが、調液・塗布作業上や設備上の観点から水系溶媒で塗布することが望まれてきた。そのような問題に対して、欧州特許公開第(EP)803764A1号等において、感光性層を、疎水性ポリマーを水分散して塗布する方法が提案された。しかしながら、そのような水系塗布された感光性層上にゼラチンを用いた保護層を用いると熱現像したときに亀裂が発生することがわかった。この亀裂の問題は前述のPVBを有機溶剤系で塗設した感光性層上にゼラチン、セルロース類等の保護層を設けても発生しない問題であり、感光性層を、疎水性ポリマーを水分散して塗布した場合に発生する新たな問題であった。
本発明の目的は、熱現像材料、なかでも熱現像感光材料において、熱現像時の亀裂の発生を防止することである。
この課題は下記手段によって達成された。
(1) 支持体上に少なくとも1層の画像記録層を含む構成層を有する熱現像材料において、前記画像記録層が少なくとも有機銀塩と銀イオン用還元剤と感光性ハロゲン化銀粒子とバインダーとを含有する銀画像形成感光性層であり、溶媒の30重量%以上が水である塗布液で塗布し、乾燥して形成され、前記画像記録層の主バインダーが25℃60%RHの平衡含水率2重量%以下のポリマーであり、前記構成層のなかの画像記録層側の最表面層がポリビニルアルコールを0.3g/m2以上2.0g/m2以下含有し、マット剤を1〜400mg/m2含有することを特徴とする熱現像材料。
(2) 支持体に対して、前記画像記録層と反対側にポリビニルアルコールを含有する層を有する(1)の熱現像材料。
(3)100℃以上の温度で熱現像する(1)または(2)の熱現像材料。
(4) 支持体に対して、前記画像記録層と同一面側に前記画像記録層を含む少なくとも2層の構成層を有し、この少なくとも2層の構成層を同時に塗布する(1)〜(3)のいずれかの熱現像材料。
(5) 前記最表面層が、さらにホウ酸を含有する(1)〜(4)のいずれかの熱現像材料。
(6)さらに、画像形成層側の最表面層に隣接する層がポリビニルアルコールを含む(1)〜(5)のいずれか1項に記載の熱現像材料。
(7)前記画像形成層と反対側の面に、ポリビニルアルコールを含む層を有する、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の熱現像材料。
本発明により、熱現像時の亀裂の発生を防止できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱現像材料は、支持体上に少なくとも1層の画像記録層を含む構成層を有するものであり、好ましくは感光性ハロゲン化銀とバインダーとを含有する感光性層を有する熱現像感光材料である。そして、最も好ましくは画像記録層として感光性層を有するものであり、この場合の感光性層は感光性ハロゲン化銀と有機銀塩と銀イオン用還元剤とを含有することが好ましい。このような熱現像材料において、画像記録層、特に好ましくは感光性層は、環境面で好ましいとされる溶媒の30重量%が水である塗布液を用いた水系塗布が可能であり、かつ良好な写真性能を得る上で好ましい25℃60%RHの平衡含水率2重量%以下のポリマーを主バインダーとして用いている。本発明では、このような画像記録層(特に感光性層)側の最表面層に、ポリビニルアルコール(PVA)を含有させており、これにより、熱現像時、特に100℃以上の温度での熱現像時の亀裂の発生を防止することができる。また、ポリビニルアルコール含有層は水系塗布が可能であり、画像記録層や、ポリビニルアルコール含有最表面層のほかの親水性バインダーを用いた保護層や中間層とともに同時に塗布することが可能であり、製造上好ましい。
また、本発明の熱現像材料は、支持体の一方の面のみに画像記録層を有する片面タイプのものが好ましいが、このようなタイプの熱現像材料において、ポリビニルアルコールを含有する層は、上記のほか、支持体に対して画像記録層と反対側のバック面に設けることが好ましく、これによりシートの平面性が保持される。
本発明の最表面層に用いられるポリビニルアルコール(PVA)としては以下の化合物がある。
完全けん化物としては、
PVA−105[ポリビニルアルコール(PVA)含有率94.0wt%以上、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.5wt%以下、揮発分5.0wt%以下、粘度(4wt%、20℃)5.6±0.4CPS]、
PVA−110[PVA含有率94.0wt%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.5wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)11.0±0.8CPS]、
PVA−117[PVA含有率94.0wt%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)28.0±3.0CPS]、
PVA−117H[PVA含有率93.5wt%、けん化度99.6±0.3モル%、酢酸ナトリウム含有率1.85wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)29.0±3.0CPS]、
PVA−120[PVA含有率94.0wt%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)39.5±4.5CPS]、
PVA−124[PVA含有率94.0wt%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)60.0±6.0CPS]、
PVA−124H[PVA含有率93.5wt%、けん化度99.6±0.3モル%、酢酸ナトリウム含有率1.85wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)61.0±6.0CPS]、
PVA−CS[PVA含有率94.0wt%、けん化度97.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)27.5±3.0CPS]、
PVA−CST[PVA含有率94.0wt%、けん化度96.0±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)27.0±3.0CPS]、
PVA−HC[PVA含有率90.0wt%、けん化度99.85モル%以上、酢酸ナトリウム含有率2.5wt%、揮発分8.5wt%、粘度(4wt%、20℃)25.0±3.5CPS](以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)など、
部分けん化物としては、
PVA−203[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)3.4±0.2CPS]、
PVA−204[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)3.9±0.3CPS]、
PVA−205[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)5.0±0.4CPS]、
PVA−210[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)9.0±1.0CPS]、
PVA−217[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)22.5±2.0CPS]、
PVA−220[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)30.0±3.0CPS]、
PVA−224[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)44.0±4.0CPS]、
PVA−228[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)65.0±5.0CPS]、
PVA−235[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)95.0±15.0CPS]、
PVA−217EE[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)23.0±3.0CPS]、
PVA−217E[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)23.0±3.0CPS]、
PVA−220E[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)31.0±4.0CPS]、
PVA−224E[PVA含有率94.0wt%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)45.0±5.0CPS]、
PVA−403[PVA含有率94.0wt%、けん化度80.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)3.1±0.3CPS]、
PVA−405[PVA含有率94.0wt%、けん化度81.5±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)4.8±0.4CPS]、
PVA−420[PVA含有率94.0wt%、けん化度79.5±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%]、
PVA−613[PVA含有率94.0wt%、けん化度93.5±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%、揮発分5.0wt%、粘度(4wt%、20℃)16.5±2.0CPS]、
L−8[PVA含有率96.0wt%、けん化度71.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0wt%(灰分)、揮発分3.0wt%、粘度(4wt%、20℃)5.4±0.4CPS](以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)などがある。
なお、上記の測定値はJISK−6726−1977に準じて求めたものである。
変性ポリビニルアルコールについては「ポバール」長野浩一ら共著 高分子刊行会発行に記載のものが用いられる。カチオン、アニオン、−SH化合物、アルキルチオ化合物、シラノールによる変性がある。
このような変性ポリビニルアルコール(変性PVA)としては、CポリマーとしてC−118、C−318、C−318−2A、C−506(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、
HLポリマーとしてHL−12E、HL−1203(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、
HMポリマーとしてHM−03、HM−N−03(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、
KポリマーとしてKL−118、KL−318、KL−506、KM−118T、KM−618(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、
MポリマーとしてM−115(クラレ(株)製の商品名)、
MPポリマーとしてMP−102、MP−202、MP−203(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、
RポリマーとしてR−1130、R−2105、R−2130(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、
VポリマーとしてV−2250(クラレ(株)製の商品名)などがある。
ポリビニルアルコールを含有する最表面層中のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当たり)は0.3g/m 2 〜2.0g/m 2 である。なお、バック面の層等にポリビニルアルコールを添加するときの塗布量(1層当たり)も同程度である。
ポリビニルアルコールを含有する最表面層を塗布する際にはその塗布液に増粘剤としてホウ酸を含有させることで塗布面質を向上させることができ、好ましい。ホウ酸の添加量は、ポリビニルアルコールに対し0.01〜40wt%であることが好ましい。
本発明において最表面層にはマット剤を含有し、好ましく用いられるマット剤は、一般に水に不溶性の有機または無機化合物の微粒子である。マット剤としては任意のものを使用でき、例えば米国特許第1,939,213号、同2,701,245号、同2,322,037号、同3,262,782号、同3,539,344号、同3,767,448号等の各明細書に記載の有機マット剤、同1,260,772号、同2,192,241号、同3,257,206号、同3,370,951号、同3,523,022号、同3,769,020号等の各明細書に記載の無機マット剤など当業界で良く知られたものを用いることができる。例えば具体的にはマット剤として用いることのできる有機化合物の例としては、水分散性ビニル重合体の例としてポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなど、セルロース誘導体の例としてはメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなど、澱粉誘導体の例としてカルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱粉、尿素−ホルムアルデヒド−澱粉反応物など、公知の硬化剤で硬化したゼラチンおよびコアセルベート硬化して微少カプセル中空粒体とした硬化ゼラチンなど好ましく用いることができる。無機化合物の例としては二酸化珪素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土などを好ましく用いることができる。上記のマット剤は必要に応じて異なる種類の物質を混合して用いることができる。
本発明の実施に際しては2μm〜6μmの平均粒径のものを用いるのが更に好ましい。また、マット剤の粒径分布は狭くても広くても良い。一方、マット剤は感材のヘイズ、表面光沢に大きく影響することから、マット剤作製時あるいは複数のマット剤の混合により、粒径、形状および粒径分布を必要に応じた状態にすることが好ましい。
なお、本発明におけるマット剤の粒子サイズは電子顕微鏡を用い、投影面積から円相当径を出し、平均した値を粒径とする。
マット剤の塗布量は、1〜400mg/m2、より好ましくは、5〜300mg/m2であり、特に、4μm以上の粒子が5〜150mg/m2あることが好ましい。
画像記録層面ないし感光性層面においてマット剤を含有する層としては、保護層が最適である。保護層は必要に応じて2層にすることができ、現像に関与する添加剤、膜面pH調節剤、帯電調整剤、紫外線吸収剤、滑り剤や、界面活性剤などを、添加する添加層を選ぶことにより、塗布性、製造適性と画質性能とが両立できるように設計することができる。最外保護層には、マット剤とともに、フッ素系界面活性剤を含むことが好ましい。フッ素系界面活性剤として具体的には、特開昭62−170950号、米国特許5,380,644号などに記載のフッ素系高分子界面活性剤、特開昭60−244945号、特開昭63−188135号などに記載のフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
本発明においては最外保護層にマット剤を含有することが好ましい。
また、マット剤はバック層にも添加することができ、この場合はバック面側の最外層でない方が好ましい。
本発明の画像記録層(好ましくは感光性層)、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いてもよい。硬膜剤の例としてはT.H.James著"THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION"(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊)77頁から87頁に記載の各方法があり、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許第4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許第4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
本発明の表面保護層としては、いかなる付着防止材料を使用してもよい。付着防止材料の例としては、ワックス、シリカ粒子、スチレン含有エラストマー性ブロックコポリマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン)、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネートやこれらの混合物などがある。また、表面保護層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
本発明における画像記録層もしくは画像記録層の保護層には、米国特許第3,253,921号、同第2,274,782号、同第2,527,583号および同第2,956,879号に記載されているような光吸収物質およびフィルター染料を使用することができる。また、例えば米国特許第3,282,699号に記載のように染料を媒染することができる。
本発明における画像記録層もしくは画像記録層の保護層には、艶消剤、例えばデンプン、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、米国特許第2,992,101号および同第2,701,245号に記載された種類のビーズを含むポリマービーズなどを含有することができる。また、乳剤面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでもよいが、ベック平滑度が200秒以上10000秒以下が好ましく、特に300秒以上10000秒以下が好ましい。
以下、熱現像感光材料について、さらに説明する。
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。本発明は、赤〜赤外露光用熱現像感光材料において特に有効である。
熱現像感光材料は、感光性ハロゲン化銀(触媒活性量の光触媒)および還元剤を含む感光性層と非感光性層とを有する。感光性層は、さらにバインダー(一般に合成ポリマー)、有機銀塩(還元可能な銀源)を含有する。更にヒドラジン化合物(超硬調化剤)や色調調整剤(銀の色調を制御する)を含むことが好ましい。複数の感光性層を設けてもよい。例えば、階調の調節を目的として、高感度感光性層と低感度感光性層とを熱現像感光材料に設けることができる。高感度感光性層と低感度感光性層との配列の順序は、低感度感光性層を下(支持体側)に配置しても、高感度感光性層を下に配置してもよい。
非感光性層は、染料を含む層、すなわちフィルター層やハレーション防止層に加えて、表面保護層のような別の機能層として設けてもよい。
熱現像感光材料の支持体としては、紙、ポリエチレンを被覆した紙、ポリプロピレンを被覆した紙、羊皮紙、布、金属(例、アルミニウム、銅、マグネシウム、亜鉛)のシートまたは薄膜、ガラス、金属(例、クロム合金、スチール、銀、金、白金)で被覆したガラスおよびプラスチックフイルムが用いられる。好ましくは、透明プラスチックフィルムで、支持体の用いられるプラスチックの例には、ポリアルキルメタクリレート(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート:PET)、ポリビニルアセタール、ポリアミド(例、ナイロン)およびセルロースエステル(例、セルロースニトレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート)が含まれる。支持体としては、特に90〜190μm の厚さのものが好ましく、より好ましくは150〜185μm である。
支持体を、ポリマーで被覆してもよい。ポリマーの例には、ポリ塩化ビニリデン、アクリル酸系ポリマー(例、ポリアクリロニトリル、メチルアクリレート)不飽和ジカルボン酸(例、イタコン酸、アクリル酸)のポリマー、カルボキシメチルセルロースおよびポリアクリルアミドが含まれる。コポリマーを用いてもよい。ポリマーで被覆する代わりに、ポリマーを含む下塗り層を設けてもよい。
ハロゲン化銀としては、臭化銀、ヨウ化銀、塩化銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀および塩ヨウ臭化銀のいずれも用いることができる。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましくいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
ハロゲン化銀粒子の粒子サイズは0.001μm以上0.04μm以下であり、好ましくは0.005μm以上0.04μm以下である。なお、本発明におけるハロゲン化銀粒子の粒子サイズは電子顕微鏡を用い、投影面積から円相当径を出し、平均した値を粒径とする。
ハロゲン化銀の添加量は、感材1m2当たりの塗布量で示して、0.03〜0.6g/m2であることが好ましく、0.05〜0.4g/m2であることがさらに好ましく、0.1〜0.4g/m2であることが最も好ましい。
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えばリサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができる。具体的には、ハロゲン化銀は、ハロゲン化銀乳剤として硝酸銀と可溶性ハロゲン塩との反応により調製する。なお、銀石鹸とハロゲンイオンとを反応させ、銀石鹸の石鹸部をハロゲン変換して調製してもよい。また、銀石鹸の形成時にハロゲンイオンを添加してもよい。
ハロゲン化銀は、一般に分光増感して使用する。分光増感色素については、特開昭60−140335号、同63−159841号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号の各公報、米国特許4639414号、同4740455号、同4741966号、同4751175号、同4835096号の各明細書に記載がある。
本発明において好ましく用いられる還元剤としては、フェニドン、ヒドロキノン類、カテコールおよびヒンダードフェノールが好ましい。還元剤については、米国特許3770448号、同3773512号、同3593863号、同4460681号の各明細書、およびリサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)誌17029号、同29963号に記載がある。
還元剤の例には、アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物(例、2−ヒドロキシ−ピペリジノ−2−シクロヘキセノン)、N−ヒドロキシ尿素誘導体(例、N−p−メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿素)、アルデヒドまたはケトンのヒドラゾン類(例、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラゾン)、ホスファーアミドフェノール類、ホスファーアミドアニリン類、ポリヒドロキシベンゼン類(例、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピルヒドロキノン、2,5−ジヒドロキシ−フェニルメチルスルホン)、スルホヒドロキサム酸類(例、ベンゼンスルホヒドロキサム酸)、スルホンアミドアニリン類(例、4−(N−メタンスルホンアミド)アニリン)、2−テトラゾリルチオヒドロキノン類(例、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン)、テトラヒドロキノキサリン類(例、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン)、アミドオキシン類、アジン類(例、脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド類)とアスコルビン酸との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンとの組み合わせ、リダクトン、ヒドラジン、ヒドロキサム酸類、アジン類とスルホンアミドフェノール類との組み合わせ、α−シアノフェニル酢酸誘導体、ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体との組み合わせ、5−ピラゾロン類、スルホンアミドフェノール類、2−フェニリンダン−1,3−ジオン、クロマン、1,4−ジヒドロピリジン類(例、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン)、ビスフェノール類(例、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチル)フェノール)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体および3−ピラゾリドン類が含まれる。
還元剤の前駆体として機能するアミノレダクトン類のエステル(例、ピペリジノヘキソースリダクトンモノアセテート)を還元剤として用いてもよい。
特に好ましい還元剤は、ヒンダードフェノールである。
還元剤の添加量は0.01〜5.0g/m2であることが好ましく、0.1〜3.0g/m2であることがより好ましい。
感光性層および非感光性層は、バインダーを含むことが好ましい。バインダーとしては、一般に無色の透明または半透明のポリマーが用いられる。
本発明の効果は、感光性層が溶媒の30wt%以上が水である塗布液を用いて塗布し乾燥して形成される場合に、さらに感光性層の主バインダー(感光性層の全バインダーの70wt%以上、好ましくは80wt%以上)が水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能で、特に25℃60%RH での平衡含水率が2wt%以下のポリマーラテックスからなる場合に向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
ここでいう本発明の感光性層の主バインダー(以下、本発明のポリマーということあり)が可溶または分散可能である水系溶媒とは、水または水に70wt%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミドなどを挙げることができる。
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。本発明でいう「25℃60%RH における平衡含水率」とは、25℃60%RH の雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの重量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの重量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RH における平衡含水率=〔(W1−W0)/W0〕×100(wt%)含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
本発明のポリマーの25℃60%RH における平衡含水率は2wt%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01wt% 以上1.5wt%以下、さらに好ましくは0.02wt%以上1wt% 以下が望ましい。
本発明のポリマーは、前述の水系溶媒に可溶または分散可能で25℃60%RH における平衡含水率が2wt%以下であれば特に制限はない。これらのポリマーのうち、水系溶媒に分散可能なポリマーは特に好ましい。
分散状態の例としては、固体ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態またはミセルを形成して分散しているものなどがあるが、いずれも好ましい。
本発明において好ましい態様としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ゴム系樹脂(例えばSBR樹脂)、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。ポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよい。ポリマーとしては単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。ポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜200000がよい。分子量が小さすぎるものは乳剤層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。
本発明のポリマーとしてはこれらのポリマーが水系分散媒に分散したものである。ここで水系とは、組成の30wt%以上が水である分散媒をいう。分散状態としては乳化分散したもの、ミセル分散したもの、更に分子中に親水性部位を持ったポリマーを分子状態で分散したものなど、どのようなものでもよいが、これらのうちでラテックスが特に好ましい。
好ましいポリマーの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値はwt%、分子量は数平均分子量である。
P−1;−MMA(70)−EA(27)−MAA(3)−のラテックス(分子量37000)
P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000)
P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)−のラテックス(分子量45000)
P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(分子量60000)
P−5;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(分子量120000)
P−6;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(分子量108000)
P−7;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)− のラテックス(分子量150000)
P−8;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(分子量280000)
P−9;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
P−10;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MMA(5)−のラテックス(分子量67000)
P−11;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
P−12;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000)
P−13;−MMA(63)−EA(35)−AA(2)のラテックス(分子量33000)
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート、EA;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸、2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート、St;スチレン、Bu;ブタジエン、AA;アクリル酸、DVB;ジビニルベンゼン、VC;塩化ビニル、AN;アクリロニトリル、VDC;塩化ビニリデン、Et;エチレン、IA;イタコン酸。
以上に記載したポリマーは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル樹脂の例としては、セビアンA−4635,46583,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリエステル樹脂の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリウレタン樹脂の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム系樹脂の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹脂の例としては、G351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂の例としては、L502、L513(以上旭化成工業(株)製)など、オレフィン樹脂の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
これらのポリマーはポリマーラテックスとして単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60〜99wt%であることが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン共重合体のラテックスとしては、前記のP−3〜P−8、市販品であるLACSTAR−3307B、7132C、Nipol Lx416、等が挙げられる。
本発明の感光材料の感光性層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は感光性層の全バインダーの30wt%以下、より好ましくは20wt%以下が好ましい。
本発明の感光性層は、ポリマーラテックスを用いて形成されたものが好ましいが、感光性層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の重量比が1/10〜10/1、更には1/5〜4/1の範囲が好ましい。
また、全バインダー/ハロゲン化銀の重量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲が好ましい。
本発明の感光性層の全バインダー量は0.2〜30g/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好ましい。本発明の感光性層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
本発明において感光材料の感光性層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す)は、水を30wt%以上含む水系溶媒である。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50wt%以上、より好ましくは70wt%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水のほか、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値はwt%)。
感光性層は、さらに非感光性の有機銀塩を含むことが好ましく、このような有機銀塩はさらに非感光性層に含まれていてもよい。銀塩を形成する有機酸は、長鎖の脂肪酸が好ましい。脂肪酸の炭素原子数は、10乃至30であることが好ましく、15乃至25であることがさらに好ましい。有機銀塩錯体を用いてもよい。錯体の配位子は、銀イオンに対する総安定度定数を4.0乃至10.0の範囲で有することが好ましい。有機銀塩については、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)誌17029号および同29963号に記載がある。
有機銀塩の例には、脂肪酸(例、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸)の銀塩、カルボキシアルキルチオ尿素(例、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素)の銀塩、アルデヒド(例、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド)とヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体、芳香族カルボン酸(例、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸)の銀塩、チオエン類(例、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チオエン、3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオエン)の銀塩または銀錯体、窒素酸(例、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール、1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール)の銀塩または銀錯体、サッカリンの銀塩、5−クロロサリチルアルドキシムの銀塩およびメルカプチド類の銀塩が含まれる。ベヘン酸銀が最も好ましい。有機銀塩は、銀量として0.05g/m2以上3g/m2以下で用いることが好ましく、0.3g/m2以上2g/m2以下で用いることがさらに好ましい。
感光性層は、さらに超硬調化剤を含むことが好ましく、超硬調化剤はさらに非感光性層に含まれていてもよい。熱現像感光材料を印刷用写真の分野で用いる場合、網点による連続階調画像や線画像の再現が重要である。超硬調化剤を使用することで、網点画像や線画像の再現性を改善することができる。超硬調化剤としては、ヒドラジン化合物、四級アンモニウム化合物あるいはアクリロニトリル化合物(米国特許5545515号明細書記載)が用いられる。ヒドラジン化合物が特に好ましい超硬調化剤である。
ヒドラジン化合物は、ヒドラジン(H2 N−NH2 )とその水素原子の少なくも一つを置換した化合物を含む。置換基は、脂肪族基、芳香族基または複素環基がヒドラジンの窒素原子に直結するか、あるいは脂肪族基、芳香族基または複素環基が連結基を介してヒドラジンの窒素原子に結合する。連結基の例には、−CO−、−CS−、−SO2 −、−POR−(Rは脂肪族基、芳香族基または複素環基)、−CNH−およびそれらの組み合わせが含まれる。
ヒドラジン化合物については、米国特許5464738号、同5496695号、同5512411号、同5536622号の各明細書、特公平6−77138号、同6−93082号、特開平6−230497号、同6−289520号、同6−313951号、同7−5610号、同7−77783号、同7−104426号の各公報に記載がある。
ヒドラジン化合物は、適当な有機溶媒に溶解して、感光性層の塗布液に添加することができる。有機溶媒の例には、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびメチルセロソルブが含まれる。また、ヒドラジン化合物を油性(補助)溶媒に溶解した溶液を、塗布液中に乳化してもよい。油性(補助)溶媒の例には、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテート、ジエチルフタレート、酢酸エチルおよびシクロヘキサノンが含まれる。さらに、ヒドラジン化合物の固体分散物を塗布液に添加してもよい。ヒドラジン化合物の分散は、ボールミル、コロイドミル、マントンゴーリング、マイクロフルイダイザーや超音波分散機のような公知の分散機を用いて実施できる。
超硬調化剤の添加量は、ハロゲン化銀1モルに対して、1×10-6乃至1×10-2モルであることが好ましく、1×10-5乃至5×10-3モルであることがさらに好ましく、2×10-5乃至5×10-3モルであることが最も好ましい。
超硬調化剤に加えて、硬調化促進剤を用いてもよい。硬調化促進剤の例には、アミン化合物(米国特許5545505号明細書記載)、ヒドロキサム酸(米国特許5545507号明細書記載)、アクリロニトリル類(米国特許5545507号明細書記載)およびヒドラジン化合物(米国特許5558983号明細書記載)が含まれる。
感光性層または非感光性層は、さらに色調調整剤を含むことが好ましい。色調調整剤については、リサーチ・ディスクロージャー誌17029号に記載がある。
色調調整剤の例には、イミド類(例、フタルイミド)、環状イミド類(例、スクシンイミド)、ピラゾリン−5−オン類(例、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール)、キナゾリノン類(例、キナゾリン、2,4−チアゾリジンジオン)、ナフタールイミド類(例、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド)、コバルト錯体(例、コバルトのヘキサミントリフルオロアセテート)、メルカプタン類(例、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール)、N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例、N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド)、ブロックされたピラゾール類(例、N,N'ヘキサメチレン−1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、イソチウロニウム(isothiuronium)誘導体(例、1,8−(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)と光漂白剤(例、2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾール)との組み合わせ、メロシアニン染料(例、3−エチル−5−((3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン(benzothiazolinylidene))−1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン(oxazolidinedione))、フタラジノン化合物およびその金属塩(例、フタラジノン、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン、8−メチルフタラジン)、フタラジノン化合物とスルフィン酸誘導体(例、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム)との組み合わせ、フタラジノン化合物とスルホン酸誘導体(例、p−トルエンスルホン酸ナトリウム)との組み合わせ、フタラジンおよびその誘導体(例、フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−メチルフタラジン)、フタラジン類とフタル酸との組み合わせ、フタラジンまたはフタラジン付加物とジカルボン酸(好ましくはo−フェニレン酸)またはその無水物(例、マレイン酸無水物、フタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、フタル酸無水物、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、テトラクロロフタル酸無水物)との組み合わせ、キナゾリンジオン類、ベンズオキサジン、ナルトキサジン誘導体、ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例、1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン)、ピリミジン類、不斉−トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン)、テトラアザペンタレン誘導体(例、3,6−ジメロカプト−1,4−ジフェニル−1H、4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)が含まれる。フタラジン類が特に好ましい。
色調調整剤は感光性層面に銀1モル当たり0.1〜50モル%の量で含まれることが好ましく、0.5〜20モル%含まれることが更に好ましい。
感光性層または非感光性層(好ましくは感光性層)に、カブリ防止剤を添加してもよい。カブリ防止剤としては、水銀化合物(米国特許3589903号明細書記載)よりも、非水銀化合物(米国特許3874946号、同4546075号、同4452885号、同4756999号、同5028523号、英国特許出願番号92221383.4号、同9300147.7号、同9311790.1号の各明細書、特開昭59−57234公報記載)を用いることが好ましい。
特に好ましいカブリ防止剤は、ハロゲン(F、Cl、Br、I)置換メチル基を有するヘテロ環化合物である。
熱現像感光材料には、さらに界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、感光性層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等の各明細書を参考にすることができる。
本発明における感光性層には、可塑剤および潤滑剤として多価アルコール(例えば、米国特許第2,960,404号に記載された種類のグリセリンおよびジオール)、米国特許第2,588,765号および同第3,121,060号に記載の脂肪酸またはエステル、英国特許第955,061号に記載のシリコーン樹脂などを用いることができる。
本発明では熱現像感光材料の非感光性層に消色染料と塩基プレカーサーとを添加して、非感光性層をフィルター層またはアンチハレーション層として機能させることが好ましい。熱現像感光材料は一般に、感光性層に加えて非感光性層を有する。非感光性層は、その配置から(1)感光性層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる保護層、(2)複数の感光性層の間や感光性層と保護層の間に設けられる中間層、(3)感光性層と支持体との間に設けられる下塗り層、(4)感光性層の反対側に設けられるバック層に分類できる。フィルター層は、(1)または(2)の層として感光材料に設けられる。アンチハレーション層は、(3)または(4)の層として感光材料に設けられる。
消色染料と塩基プレカーサーとは、同一の非感光性層に添加することが好ましい。ただし、隣接する二つの非感光性層に別々に添加してもよい。また、二つの非感光性層の間にバリアー層を設けてもよい。本明細書において「層が消色染料と塩基プレカーサーとを含む」とは、『層』が複数である場合、すなわち複数の層が消色染料と塩基プレカーサーとを別々に含む隣接層の場合も含まれる。
消色染料を非感光性層に添加する方法としては、溶液、乳化物、固体微粒子分散物あるいはポリマー含浸物を非感光性層の塗布液に添加する方法が採用できる。また、ポリマー媒染剤を用いて非感光性層に染料を添加してもよい。これらの添加方法は、通常の熱現像感光材料に染料を添加する方法と同様である。ポリマー含浸物に用いるラテックスについては、米国特許4199363号、西独特許公開25141274号、同2541230号、欧州特許公開029104号の各明細書および特公昭53−41091号公報に記載がある。また、ポリマーを溶解した溶液中に染料を添加する乳化方法については、国際公開番号88/00723号明細書に記載がある。
消色染料の添加量は、染料の用途により決定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.2乃至2であることが好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001乃至1g/m2程度である。好ましくは、0.005乃至0.8g/m2程度であり、特に好ましくは、0.01乃至0.2g/m2程度である。
なお、本発明に従い染料を消色すると、光学濃度を0.1以下に低下させることができる。二種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現像感光材料において併用してもよい。同様に、二種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。
本発明における感光材料は、帯電防止または導電性層、例えば、可溶性塩(例えば塩化物、硝酸塩など)、蒸着金属層、米国特許第2,861,056号および同第3,206,312号に記載のようなイオン性ポリマーまたは米国特許第3,428,451号に記載のような不溶性無機塩などを含む層などを有してもよい。
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F. Kistler、Petert M. Schweizer著"LIQUID FILM COATING"(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号および英国特許第837,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。同時に被覆する方法は好ましく用いられる。
本発明には塗布性、帯電改良などを目的として界面活性剤を用いても良い。界面活性剤の例としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、フッ素系などいかなるものも適宜用いられる。具体的には、特開昭62−170950号、米国特許5,380,644号などに記載のフッ素系高分子界面活性剤、特開昭60−244945号、特開昭63−188135号などに記載のフッ素系界面活性剤、米国特許3,885,965号などに記載のポリシロキ酸系界面活性剤、特開平6−301140号などに記載のポリアルキレンオキサイドやアニオン系界面活性剤などが挙げられる。
熱現像感光材料は、画像露光後に加熱することで画像を形成する。この熱現像により、黒色の銀画像が形成される。画像露光は、レーザーを用いて実施することが好ましい。熱現像の加熱温度は、80乃至250℃であることが好ましく、100乃至200℃であることがさらに好ましい。加熱時間は一般に1秒乃至2分である。
熱現像の方式としてはプレートヒーター方式が好ましい。プレートヒーター方式による熱現像方式とは特願平9−229684号、特願平10−177610号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒータからなり、かつ前記プレートヒータの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒータとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。
熱現像処理における加熱方式としては、例えば図1、2のような形態が挙げられる。
画像露光部に搬送された熱現像感光材料は、光ビーム走査されるレーザー光等によって露光され、熱現像感光材料上に潜像が形成された後、搬送ローラ等によって熱現像部18へ搬送される。その際、熱現像感光材料は、塵埃除去ローラによって裏面および表面の塵埃が除去される。
図1に示しているように、熱現像部18は、熱現像感光材料を加熱することにより、熱現像を行って潜像を可視像とする部位であり、本発明は、この熱現像部18において、プレートヒータ120とこのプレートヒータ120に対向して配置した複数個の押えローラ122とを有することを特徴とする。
プレートヒータ120は、その内部にニクロム線等の発熱体を平面状に敷設して収容した板状の加熱部材であり、熱現像感光材料の現像温度に維持される。また、このプレートヒータ120の表面には、摩擦抵抗を小さくしたり、耐磨耗性を付与する目的でフッ素樹脂をコーティングしたり、フッ素樹脂製のシートを貼着することが好ましい。
更に、熱現像感光材料は熱現像に際して加熱により揮発成分が蒸発し、それに伴って熱現像感光材料がプレートヒータ120から浮き上がり、熱現像感光材料とプレートヒータ120との接触が不均一になることがある。そこで、この蒸気を逃がすためにプレートヒータ120の表面に微小の凹凸を形成することも好ましい。
また、プレートヒータ120の両端部の放熱による温度低下を補償するために、両端部の温度を他の部分よりも高くなるように温度勾配を設けることが好ましい。
押えローラ122は、プレートヒータ120の一方の面に接して、または熱現像感光材料の厚み以下の間隔をもってプレートヒータ120の搬送方向全長に渡り所定のピッチで配設され、それらの押えローラ122とプレートヒータ120とによって熱現像感光材料搬送路を形成している。熱現像感光材料搬送路を熱現像感光材料の厚み以下の間隔をあけることにより、熱現像感光材料の座屈が防止できる。この熱現像感光材料搬送路の両端には、熱現像感光材料を熱現像部18に図示矢印方向から供給する供給ローラ対126と、熱現像後に図示矢印方向に熱現像感光材料を排出する排出ローラ対128とが配設されている。
また、押えローラ122のプレートヒータ120とは反対側に、保温のための保温カバー125を配設することが好ましい。
なお、熱現像感光材料が搬送される際に、熱現像感光材料の先端が押えローラ122に突き当たると、一瞬、熱現像感光材料が停止する。その時、各押えローラ122が等ピッチで離間している場合には、熱現像感光材料の同じ部分が各押えローラ122毎に停止してその部分がプレートヒータ120に長い時間押圧されることになり、結果として熱現像感光材料には、その幅方向に延びるスジ状の現像ムラを生じることにある。そこで、各押えローラ122のピッチを不均一にすることが好ましい。
また、図2に示すように、各押えローラ122の包絡面を周面とする駆動ローラ130を各押えローラ122に接して設置し、駆動ローラ130が回転することにより各押えローラ122を回転させる構成とすることもできる。
なお、上記の説明において、プレートヒータ120は、熱伝導体からなるプレート部材と、このプレート部材の熱現像感光材料の加熱面とは反対側に熱源を配した構成も含むものとする。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1
(ハロゲン化銀乳剤1の調製)
蒸留水1421ccに1wt%臭化カリウム溶液8ccを加え、さらに1N硝酸を8.2cc、フタル化ゼラチン20gを添加した液をチタンコートしたステンレス製反応壷中で撹拌しながら、37℃に液温を保ち、硝酸銀37.04gに蒸留水を加えて159ccに希釈した溶液Aと臭化カリウム32.6gを蒸留水にて容量200ccに希釈した溶液Bを準備し、コントロールダブルジェット法でpAgを8.1に維持しながら、溶液Aの全量を一定流量で1分間かけて添加した(溶液Bは、コントロールドダブルジェット法にて添加)。その後、3.5wt%の過酸化水素水溶液を30cc添加し、さらに化合物1の3wt%水溶液を36cc添加した。その後、再び溶液Aを蒸留水希釈して317.5ccにした溶液A2と、溶液Bに対して最終的に銀1モル当たり1×10-4モルになるよう化合物2を溶解し、液量を溶液Bの2倍の400ccまで蒸留水希釈した溶液B2を用いて、やはりコントロールドダブルジェット法にて、pAgを8.1に維持しながら、一定流量で溶液A2を10分間かけて全量添加した(溶液B2は、コントロールドダブルジェット法で添加)。その後、化合物3の0.5wt%メタノール溶液を50cc添加し、さらに硝酸銀でpAgを7.5に下げてから、1N硫酸を用いてpHを3.8に調整し、撹拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程を行い、脱イオンゼラチン3.5gを加えて1Nの水酸化ナトリウムを添加して、pH6.0、pAg8.2に調整してハロゲン化銀分散物を作成した。
できあがったハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均円相当径0.053μm、球相当径の変動係数18%の純臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い、1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の〔100〕面比率は、クベルカムンク法を用いて85%と求められた。
この乳剤を撹拌しながら50℃に昇温し、化合物4の0.5wt%溶液を5ccと化合物5の3.5wt%溶液5ccを加え、1分後に化合物6を銀1モルに対して3×10-5モル加えた。さらに2分後、分光増感色素Aの固体分散物(ゼラチン水溶液)を銀1モル当たり、5×10-3モル加え、さらに2分後テルル増感剤Bを銀1モル当たり5×10-5モル加えて50分間熟成した。熟成終了間際に、化合物3を銀1モル当たり1×10-3モル添加して温度を下げ、化学増感を終了し、ハロゲン化銀乳剤1を作成した。
《脂肪酸銀塩の調製》
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名EdenorC22−85R)87.6g、蒸留水423ml、5N−NaOH水溶液49.2ml、tert−ブタノール120mlを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4gの水溶液206.2ml(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635mlの蒸留水と30mlのtert−ブタノールを入れた反応容器を30℃に保温し、撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ62分10秒と60分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後7分20秒間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後9分30秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が上がらないように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、スチームトレースにより保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるようにスチーム開度を調整した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。
ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調整した。ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均投影面積径0.52μm、平均粒子厚み0.14μm、平均球相当径の変動係数15%の鱗片状の結晶であった。
乾燥固形分100g相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−205)7.4gおよび水を添加し、全体量を385gとしてからホモミキサーにて予備分散した。
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110S−EH、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)の圧力を1750kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで所望の分散温度に設定した。
(還元剤の25wt% 分散物の調製)
1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン80gとクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールポバールMP−203の20wt%水溶液64gに水176gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて5時間分散し還元剤分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子は平均粒径0.72μmであった。
(メルカプト化合物の20wt%分散物の調製)
3−メルカプト−4−フェニル−5−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール64gとクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールポバールMP−203の20wt%水溶液32gに水224gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて10時間分散しメルカプト分散物を得た。こうして得たメルカプト化合物分散物に含まれるメルカプト化合物粒子は平均粒径0.67μmであった。
(有機ポリハロゲン化合物の30wt%分散物の調製)
トリブロモメチルフェニルスルホン48gと3−トリブロモメチルスルホニル−4−フェニル−5−トリデシル−1,2,4−トリアゾール48gとクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールポバールMP−203の20wt%水溶液48gに水224gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて5時間分散し有機ポリハロゲン化合物分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれるポリハロゲン化合物粒子は平均粒径0.74μmであった。
(フタラジン化合物の10wt%メタノール溶液の調製)
6−イソプロピルフタラジン10gをメタノール90gに溶解して使用した。
(顔料の20wt%分散物の調製)
C.I. Pigment Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し顔料分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
(SBR ラテックス40wt%の調製)
限外濾過(UF)精製したSBRラテックスは以下のように得た。
下記のSBR ラテックスを蒸留水で10倍に希釈したものをUF−精製用モジュール、FS03−FC−FUY03A1(ダイセン・メンブレン・システム(株)を用いてイオン伝導度が1.5mS/cmになるまで希釈精製したものを用いた。この時ラテックス濃度は40wt%であった。
(SBRラテックス:−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス)
平衡含水率は0.6wt%、
平均粒径0.1μm、
濃度45wt%、
イオン伝導度4.2mS/cm
(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用しラテックス原液(40wt%)を25℃にて測定)、
pH8.2
(乳剤層(感光性層)塗布液の調製)
上記で得た顔料の20wt%分散物を1.1g、有機酸銀分散物103g、ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)の20wt%水溶液5g、上記25wt%還元剤分散物25g、有機ポリハロゲン化合物30wt%分散物11.5g、メルカプト化合物20wt%分散物3.1g、UF精製したSBR ラテックス40wt%を106g、フタラジン化合物の20wt%液8mlを添加し、ハロゲン化銀粒子を10gをよく混合し乳剤層塗布液を調製し、70ml/m2となるように塗布した。
上記乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター)で85〔mPa・s〕であった。
レオメトリックスファーイースト株式会社製RFSフルードスペクトロメーターを使用した25℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000〔1/秒〕においてそれぞれ1500、220、70、40、20〔mPa・s〕であった。
(乳剤面中間層塗布液の調製)
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)の10wt%水溶液772g、顔料の20wt%分散物0.5g、メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比59/9/26/5/1)ラテックス27.5wt%液226gにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5wt%水溶液を2mlを加えて中間層塗布液とし、5ml/m2になるように塗布した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター)で21〔mPa・s〕であった。
(乳剤面保護層第1層塗布液の調製)
イナートゼラチン80gを水に溶解し、顔料の20wt%分散物0.3g、フタル酸の10wt%メタノール溶液を64ml、4−メチルフタル酸の10wt%水溶液74ml、1Nの硫酸を28ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5wt%水溶液を5mlを加え、総量1000gになるように水を加えて乳剤面保護層第1層塗布液とし、10ml/m2になるように塗布した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター)で17〔mPa・s〕であった。また、ゼラチンの代わりにポリビニルアルコールを用いた塗布液を調製した。
(乳剤面保護層第2層塗布液の調製)
イナートゼラチン100gを水に溶解し、N−パーフルオロオクチルスルフォニル−N−プロピルアラニンカリウム塩の5wt%溶液を20ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5wt%溶液を16ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.0μm)25g、フタル酸1.4g、4−メチルフタル酸1.6g、1Nの硫酸を44ml、4wt%のクロムみょうばんを445mlを加え、総量2000gとなるように水を添加して乳剤面保護層第2層塗布液とし、10ml/m2になるように塗布した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター)で9〔mPa・s〕であった。また、ゼラチンの代わりにポリビニルアルコールを用い、クロムみょうばんの代わりにホウ酸を用いた塗布液を調製した。
(PET 支持体の作成)
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作成した。
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
(表面コロナ処理)
ピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
(下塗り支持体の作成)
(1)下塗塗布
(1−1)下塗層塗布
処方(1)(第1層)
ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス 13ml
(固形分43wt% 、ブタジエン/スチレン重量比=32/68)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩 8wt%水
溶液 7ml
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム−1wt%水溶液 1.6ml
蒸留水 80ml
処方(2)(感光性層側第2層)
ゼラチン 0.9g
顔料の20wt%分散物 1g
メチルセルロース(メトローズSM15 置換度1.79〜1.83) 0.1g
酢酸(濃度99wt%) 0.02ml
蒸留水 98ml
処方(3)(バック面側第2層)
SnO2/Sb(9/1重量比、平均粒径0.25μm) 100mg/m2
ゼラチン 77mg/m2
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1mg/m2
ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 4mg/m2
(下塗り支持体の作成)
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、下塗り塗布液処方(1)をワイヤーバーでウエット塗布量が6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥した。次いでこの片面(感光性層側)にコロナ放電処理を施した後、下塗り塗布液処方(2)をワイヤーバーでウエット塗布量が9ml/m2になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に下塗り塗布液処方(3)をワイヤーバーでウエット塗布量が5ml/m2になるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作成した。
(バック面塗布液の調製)
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物(11)64g、ジフェニルスルフォン化合物(12)28gおよび 花王(株)製界面活性剤デモールN10gを蒸留水220mlと混合し、混合液をサンドミル(1 /4Gallonサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散し、平均 粒子径0.2μmの、塩基プレカーサー化合物とジフェニルスルフォン化合物との固体微粒子共分 散液を得た。
(染料固体微粒子分散液の調製)
シアニン染料化合物(13)9.6gおよびP−アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液をサンドミル(1/4Gallonサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散して平均粒子径0.2μmの染料固体微粒子分散液を得た。
(ハレーション防止層塗布液の調製)
PVA−217;17g、ポリアクリルアミド9.6g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)70g、上記染料の固体微粒子分散液56g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ6.5μm)1.5g、ポリエチレンスルフォン酸ナトリウム2.2g、着色染料化合物(14)0.2g、H2Oを844ml混合しハレーション防止層塗布液を調製した。
(バック面保護層塗布液の調製)
容器を40℃に保温し、PVA−117;50g、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム0.2g、N,N−エチレンビス(ビニルスルフォンアセトアミド)2.4g、t−オクチルフェノキシエトキシエタンスルフォン酸ナトリウム1g、化合物(15)30mg、C817SO3K 32mg、C817SO2N(C37)(CH2CH2O)4(CH24−SO3Na 64mg、H2Oを950ml混合してバック面保護層塗布液とした。
Figure 0004084829
Figure 0004084829
Figure 0004084829
《熱現像感光材料の作製》
上記下塗りを施したポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)のバック面側に、ハレーション防止層塗布液を固体微粒子染料の固形分塗布量が0.04g/m2となるように、またバック面保護層塗布液をPVA塗布量が1g/m2 となるように同時重層塗布し、乾燥し、ハレーション防止バック層を作成した。
バック面と反対の面に下塗り面から乳剤層、中間層、保護層第1層、保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隔を0.18mmに、減圧室の圧力を大気圧に対して392Pa低く設定した。引き続くチリングゾーンでは、乾球温度が18℃、湿球温度が12℃の風を30秒間吹き当てて、塗布液を冷却した後、つるまき式の浮上方式の乾燥ゾーンにて、乾球温度が30℃、湿球温度が18℃の乾燥風を200秒間吹き当てた後70℃の乾燥ゾーンを30秒間通し、その後25℃に冷却して、塗布液中の溶剤の揮発を行った。チリングゾーンおよび乾燥ゾーンでの塗布液膜面に吹き当たる風の平均風速は7m/secであった。
(亀裂の評価)
作成した熱現像感光材料の試料を25℃60%RH(相対湿度)条件下で乳剤面側に先端が0.5mmの半円球となっているステンレス針にて50gの荷重をかけて1cm/秒の速度でひっかいた後、660nm 発光の半導体レーザーを用い、高周波重畳をかけて縦マルチ化したレーザービームを用い、「薔薇」の文字を露光した。その後、特願平9−229684号実施例の図1に記載のプレートヒータ方式の熱現像装置10で120℃、20秒の熱現像を行い、目視で評価した。但し、金属メッシュと活性炭のフィルターを使い、臭いを消した。
○:亀裂なく良好
△:少し亀裂があるが許容内
×:亀裂がある(問題である)
Figure 0004084829
表1から本発明の効果は明らかである。また、本発明の試料は写真性能が良好であった。
実施例2
実施例1と同様に、但し、乳剤層をSBRラテックスの代わりに、ゼラチン(平衡含水率は9wt%)またはPVA(平衡含水率5wt%)を用いて試料を作成した。
実施例1のような効果は認められず、いずれも亀裂の問題は生じなかった。これより、亀裂は乳剤層のSBRラテックスにおいて特有の問題であることがわかった。
実施例3
実施例1と同様に、但し乳剤層をSBRラテックスの代わりに以下のラテックスLb1とLc1(ともに平衡含水率2wt%未満)を用いて試料を作成した。実施例1と同じポリビニルアルコールの効果が得られた。なお、平衡含水率はいずれも25℃60%RH下のものである。
(Lb1の合成)
ガラス製オートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製TEM−V1000)にスチレン140g、蒸留水280g 、界面活性剤(サンデットBL(三洋化成(株)製))4.44g 、アクリル酸6g を入れ、窒素気流下で1時間撹拌した。その後2−エチルヘキシルアクリレート54g を添加し、70℃まで昇温した。次に過硫酸アンモニウム水溶液(5wt%)を20g 添加し、そのまま10時間撹拌した。その後、反応容器の温度を室温まで下げてスチレン−アクリルラテックスを得た。このラテックスに1Nのアンモニア水溶液を添加してpHを7.5に調整した。
こうして平均粒径98nm、濃度42wt%のラテックス(Lb1)を得た。ポリマーの25℃60%RH下での平衡含水率は0.7wt% であった。
(Lc1の合成)
ガラス製オートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製TEM−V1000)にメチルメタクリレート126g、蒸留水280g、界面活性剤(サンデットBL(三洋化成(株)製))8.2g、アクリル酸4gを入れ、窒素気流下で1時間撹拌した。その後エチルアクリレート70gを添加し、60℃まで昇温した。次に過硫酸カリウム水溶液(5wt%)を20g添加し、そのまま10時間撹拌した。その後、反応容器の温度を室温まで下げてアクリルラテックスを得た。このラテックスに1Nのアンモニア水溶液を添加してpHを7.5に調整した。
こうして平均粒径101nm、濃度44wt%のラテックス(Lc1)を得た。ポリマーの25℃60%RH下での平衡含水率は0.7wt%であった。
実施例4感熱方式のサーマルヘッドで100℃以上(最高230℃までの温度範囲)に加熱したときにも実施例1〜3と同様の結果が得られた。
プレートヒータ方式の熱現像部の横断面概略図である。 プレートヒータ方式の熱現像部の横断面概略図である。
符号の説明
18 熱現像部
120 プレートヒータ
122 押えローラ
130 駆動ローラ

Claims (7)

  1. 支持体上に少なくとも1層の画像記録層を含む構成層を有する熱現像材料において、前記画像記録層が少なくとも有機銀塩と銀イオン用還元剤と感光性ハロゲン化銀粒子とバインダーとを含有する銀画像形成感光性層であり、溶媒の30重量%以上が水である塗布液で塗布し、乾燥して形成され、前記画像記録層の主バインダーが25℃60%RHの平衡含水率2重量%以下のポリマーであり、前記構成層のなかの画像記録層側の最表面層がポリビニルアルコールを0.3g/m2以上2.0g/m2以下含有し、マット剤を1〜400mg/m2含有することを特徴とする熱現像材料。
  2. 支持体に対して、前記画像記録層と反対側にポリビニルアルコールを含有する層を有する請求項1の熱現像材料。
  3. 100℃以上の温度で熱現像する請求項1または2の熱現像材料。
  4. 支持体に対して、前記画像記録層と同一面側に前記画像記録層を含む少なくとも2層の構成層を有し、この少なくとも2層の構成層を同時に塗布する請求項1〜3のいずれかの熱現像材料。
  5. 前記最表面層が、さらにホウ酸を含有する請求項1〜4のいずれかの熱現像材料。
  6. 前記画像形成層側の最表面層に隣接する層がポリビニルアルコールを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱現像材料。
  7. 前記画像形成層と反対側の面に、ポリビニルアルコールを含む層を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱現像材料。
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