以下、本発明による物体検出方法及び物体検出装置について、図面を参照して、より詳細に説明する。なお、全ての図において、同等の部材には同じ参照符号が付してある。
図3は、本発明の実施形態が適用された監視装置E00のブロック構成の一例を示したもので、この図において、E01は撮像装置で、これはTVカメラE01aとズームレンズE01b、それに図示しない電動カメラ旋回台を含むカメラ雲台E01cで構成されている。
E02は処理装置で、画像入力部E02aと雲台制御部E02b、レンズ制御部E02c、操作入力部E02d、画像メモリE02e、MPU(マイクロプロセッシングユニット)E02f、ワークメモリE02g、外部入出力部E02h、画像出力部E02i、警報出力部E02j、それにデータバスE02kで構成され、これに操作器E03とハードディスクドライブ(hard disk drive)などからなる外部記憶装置E04、画像モニタE05、それに警告灯E06が組合わされている。
TVカメラE01aの出力は、画像入力部E02aを介してデータバスE02kに接続され、ズームレンズE01bの制御部は、レンズ制御部E02cを介してデータバスE02kに接続され、カメラ雲台E01cの電動旋回台は、雲台制御部E02bを介してデータバスE02kに接続され、ジョイスティックなどからなる操作器E03の出力は、操作入力部E02dを介してデータバスE02kに接続されている。
また、外部記憶装置E04は、外部入出力部E02hを介してデータバスE02kに接続され、監視用の画像モニタE05は、画像出力部E02iを介してデータバスE02kに接続され、警告灯E06は、警報出力部E02jを介してデータバスE02kに接続されている。一方、MPUE02fとワークメモリE02gは、そのままデータバスE02kに接続されている。
ここで、TVカメラE01aは、監視対象を所定の視野内に捉え、監視対象を撮像して映像信号を出力する。このためズームレンズE01bを備え、カメラ雲台E01cに搭載されている。そして、撮像された映像信号は、画像入力部E02aからデータバスE02kを介して画像メモリE02eに蓄積される。
外部記憶装置E04は、プログラムデータなどを記憶する働きをし、このプログラムなどのデータが必要に応じてワークメモリE02gに読み込まれ、反対にワークメモリE02gから外部記憶装置E04に保存される。
MPUE02fは、外部記憶装置E04に保存され、動作開始時にワークメモリE02gにロードされるプログラムに従って処理を実行し、ワークメモリE02g内で画像メモリE02eに蓄積された画像の解析を行なう。
そして、この処理結果に応じて、MPUE02fは、ズームレンズE01bを制御し、カメラ雲台E01cを制御して、TVカメラE01aの撮像視野を変えると共に、必要に応じて監視モニタE05に侵入物体検出結果の画像を表示し、警告灯E06を点灯させる働きをする。なお、撮像装置E01、処理装置E02、外部記憶装置E04などの機能が一体化された装置が用いられても良く、構成は図3に示された形態に限定されない。
次に、本発明による物体検出方法の実施形態について説明する。ここで、以下に説明する実施形態は、何れも図3で説明した監視装置E00のブロック構成により動作するもので、まず、本発明の第1の実施形態の動作について、図1により説明する。ここで、この図1は、本発明の第1の実施形態における処理プロセスをフローチャートで示したものである。
この図1の処理プロセスは、まず初期化処理ステップ101から開始され、ここでは、物体検出処理において使用する、画像メモリE02e内に確保された画像記録用の画像メモリ領域や、ワークメモリE02g内に確保された変数、監視情報のパラメータ(後述する)などの記憶領域の初期化を実行する。
次いで、画像入力ステップ102では、画像入力部E02aを介して、TVカメラE01aで撮像された画像信号を入力し、例えば幅方向の画素数320で、高さ方向の画素数240、1画素当りのデータビット数8、すなわち、各画素が0から255までの256段階のいずれかの画素値の入力画像を取得する。
続く再現要求判定ステップ103では、オペレータによる再現要求の有無を判定する。このため、操作入力部E02eを介して操作器E03から入力される信号を調べ、例えば操作器E03に設けられているボタンの押下があったか否かを判定する。なお、この図3では、操作器E03の例としてジョイスティックが示されているが、キーボードや他の入力手段でもよい。
そして、再現要求有りのときは監視情報退避ステップ104に進み、再現要求無しのときは画像検出処理ステップ109内の差分処理ステップ109aに分岐し、このときは、監視情報退避ステップ104と、これに続く監視情報読み込みステップ106はスキップ(skip)される。
なお、ここで「再現要求有り」とは、オペレータが所定時間後に、後述する図6Bの監視情報を再現するため、一時的にその監視情報をメモリに記憶することを言う。従って、「再現要求有り」(YES)のときは、監視情報の待避ステップ104に進み、後述する所定期間後の画像処理のために一時監視情報が記録される。一方、「監視要求なし」(NO)のときは、監視情報は、画像検出処理ステップ109に直接入力される。
監視情報退避ステップ104では、ステップ109とステップ111での処理プロセスで必要となる現在の監視情報を外部記憶装置E04に記憶(記録)し、保存する。このときの監視情報は、図6Aにテーブル601として示したような、例えば、保存時刻、保存条件、入力画像、基準背景画像、マスク画像、しきい値(閾値)、物体検出条件等のパラメータが記憶され、更に、必要に応じて他にも各種のパラメータが記憶される。ステップ104については、後でより詳細に説明する。
ここで、まず、保存時刻とは、当該監視情報を保存したときの時刻のことで、年、月、日、時、分、秒の各単位にわたって記録され、更に撮像された画像のフレーム番号も記録される。
次に、保存条件とは、当該監視情報を保存した条件のことで、これには、後述するように、例えば定期的な保存の場合、物体検出による保存の場合、異常な入力画像であった場合の保存など、それぞれの保存条件に合致した監視情報が記録される。
図6Bは、例えばテーブル形式で外部記憶装置E04に記録される監視情報の一例を示したもので、この場合、保存時刻は、2003年5月23日、13時00分06秒にフレームNo.100の画像を記録したことを示す。
このときの保存条件は、定期保存の場合、例えば1時間当たり1フレームを記録していることを示す。そして、入力画像とは、画像入力ステップ102でTVカメラE01aから取得した入力画像(例えば320×240pix、8bit/pixの画像)を示す。
一方、基準背景画像とは、後述する差分処理ステップ109aで使用される基準背景画像(例えば上記した320×240pix、8bit/pixの画像)であり、マスク画像とは、後述するマスク処理ステップ109cで使用するマスク画像(同じく、320×240pix、8bit/pixの画像)のことである。
また、しきい値(:20)とは、二値化処理ステップ109bで使用される二値化用の閾値(後述する)のことで、ここでは、その値が20であることを表しており、次に、物体検出条件とは、後述する物体存在判定ステップ111で使用される物体の最小面積、最大面積、大きさの範囲などのことであり、ここには更に監視情報に対する備考なども付加できるようになっている。
更に、物体検出条件とは、最小面積と最大面積、それに大きさの範囲などであり、ここで最小面積とは、例えば50ピクセルからなる面積のことで、最大面積とは、例えば5000ピクセルからなる面積のことであり、大きさの範囲とは、例えば図6Bに示されているように、物体の外接矩形が、例えば縦×横が5×10から50×100ピクセルの範囲のことを言う。ここで、物体検出条件の単位はピクセルである。
このとき監視情報退避ステップ104で現在の監視情報を退避する理由は、続く監視情報読み込みステップ106で、現在の監視情報と別の監視情報を読み込むため、現在の監視情報を一時的に記憶しておくためである。
続く監視情報読み込みステップ106では、外部記憶装置E04に記録されている過去の監視情報を読み込み、読み込んだ監視情報をワークメモリE02gに書き込む。なお、上述した実施形態では、読み込んだ監視情報を外部記憶装置E04に保存した場合について説明したが、監視情報は、ワークメモリE02gと画像メモリE02eに分けて記録しても良い。
例えば、詳細は後述するが、図7では、パラメータ「入力画像」、「背景画像」、「マスク画像」のデータがワークメモリE02g内に格納されているが、例えば「背景画像」と「マスク画像」のデータは画像メモリE02eに格納するようにしても良い。
続くステップ109(破線で囲った部分)は、監視処理を行うべき物体を検出するための処理で、これは差分処理ステップ109aと二値化処理ステップ109b、マスク処理ステップ109c、それにラベリング処理ステップ109dで構成されている。
差分処理ステップ109aでは、画像メモリE02eに記録された入力画像と基準背景画像を画素毎に比較し、それらの差分を計算して差分画像を得る。なお、再現要求判定ステップ103における判定結果が再現要求無しの場合は、差分処理ステップ109以下の処理は、画像入力ステップ102でTVカメラE01aから取得した入力画像に対して行われる。
次に、二値化処理ステップ109bでは、いま得られた差分画像の各画素毎に閾値処理を行い、ワークメモリE02gに保持されている二値化閾値に応じて、画素値が閾値(6以上255未満の範囲内で実験的に決めた数値で、例えば20)未満の場合は、画素値が“0”となり、閾値以上の場合は画素値が“255”となるようにして、二値化画像を得る。そうすると、このとき得られた二値化画像は、入力画像の変化領域を表わすことになる。
次に、マスク処理ステップ109cは、図5Cで説明したマスク処理を行なう。具体的に説明すると、このマスク処理ステップ109cでは、画像メモリE02e内に記録したマスク画像内で二値化画像として検出した変化領域の画素値を“255”から“0”に修正する(マスクする)のである。
このようにすることにより、二値化画像で検出される変化領域の内、例えば草木が存在する領域内で検出された、検出対象物以外で変化した変化領域について、それを削除することができる。
次のラベリング処理109dでは、二値化画像内の画素値が“255”の画素のかたまり(塊り)を検出して、各々のかたまりの領域に番号を付けて、互いに区別できるようにする。例えば、図4Bにおいて、領域402aには番号1を、領域402bには番号2を、そして、領域402cには番号3を付すのである。
従って、この物体検出ステップ109では、再現要求判定ステップ103で監視結果の再現が要求されていない場合は、画像入力ステップ102によって入力された入力画像に対して物体検出処理が実行され、再現要求判定ステップ103で監視結果の再現が要求されている場合は、外部記憶装置E04に記憶された過去の監視情報のパラメータに基づいて処理が実行される。
この結果、オペレータは、現在の入力画像についての物体検出処理による監視結果と、操作器E03を操作することにより、外部記憶装置E04に記録されている過去の監視情報に基づいて得られた監視結果とを適宜切り換えて判断することが可能である。
次に、物体検出結果表示ステップ110では、例えば入力画像に、物体検出処理ステップ109で検出した侵入物体を重畳させ、画像出力部E02iを介して出力モニタE05に供給し、表示する。
このとき、入力画像に重畳する侵入物体の表示形態は、ステップ109で得られた侵入物体の二値化画像そのもの、又はその外接矩形、或いは侵入物体が人間であれば、その頭上に三角マークを付す、更には、カラー表示する等々、様々な形態が可能である。
続く物体存在判定ステップ111では、前記ラベリング処理109dで番号付けされた二値化画像内の画素値“255”の画素のかたまりの中で、所定の物体検出条件によって検出すべき物体と判断できる画素のかたまりが存在するか否かを調べる。
そして、画素のかたまりが存在した場合、入力画像異常の判定処理ステップ1112に進み、存在しない場合は、監視情報記録判定ステップ113に分岐し、入力画像異常の判定処理ステップ1112、警報/モニタ表示ステップ112はスキップする。
このとき物体存在判定ステップ111において、検出すべき物体と判断できる上述の物体検出条件とは、二値化画像内の画素値“255”の画素のかたまりが監視情報のパラメータ「最小面積」、「最大面積」、「大きさ範囲」等と比較され、例えば、面積(画素数)が最小面積(例えば50画素)以上、最大面積(例えば5000画素)未満であるか、画素のかたまりに外接する矩形の大きさが所定の範囲内(例えば、幅が5画素で高さが10画素以上、且つ、幅が50画素で高さが100画素未満)であった場合、検出すべき物体、すなわち侵入物体が存在すると判断するのである。
次に、ステップ1112において、二値化画像内の画素値“255”の画素のかたまりの面積が監視情報に記録されたパラメータに基づき、最大面積以上、大きさが大きさ範囲以上であった場合、入力画像異常(入力画像と基準背景画像が大きく異なっている)と判断される。
なお、入力画像の異常/正常の判定は、入力画像の検出対象領域の面積に対する二値化画像内の画素値“255”の画素のかたまりの面積の比に基づいて行っても良い。これを図8Aから図8Dにより説明する。
まず、図8Aは入力画像の一例で、入力画像801に家と木が映っていて、破線で囲った木の葉の部分802にマスク領域が設定されている。すなわち、マスク領域以外の領域が検出対象領域となり、このときの入力画像801の面積をS0とする。
次に、図8Bはマスク領域802と、それ以外のハッチング(hatched)を施した領域、すなわち検出対象領域803を示したもので、このときの検出対象領域803の面積をS1とし、マスク領域S02の面積はS2とする。
更に、図8Cは入力画像801から検出された二値化画像の一例を示したもので、ハッチングを施した領域804が二値化画像内の画素値“255”の画素のかたまり、すなわち、検出物体を表わしたもので、このとき、領域804の面積をS4とする。
そして、図8Dは、入力画像の正常/異常の判定を説明するための図で、この図8Dにおいて、入力画像801を横320画素、縦240画素の画像とすると、その面積S0は以下の通りになる。すなわち、
S0=320(pixels)×240(pixels)
となる。
そうすると、検出対象領域803の面積S1は、以下のようにして求まる。すなわち、 S1=S0−S2
となる。
ここで、検出対象領域の面積の所定の割合、例えば10パーセントの領域の面積をAとする。そうすると、この面積Aは次の通りになる。すなわち、
A=0.1×S1
となる。
そして、入力画像の異常/正常の判定は、検出物体の面積S4と面積Aの比較結果に基づいて判定する。すなわち、
S4>A ⇒ 入力画像は異常
S4≦A ⇒ 入力画像は正常
となる。従って、このような判定ステップ1112を設けることにより、入力画像の異常判定を行うことができる。
図1に戻り、次の警報/モニタ表示ステップ112では、例えば出力モニタE05に検出した物体の画像を表示し、警告灯E07を点灯させ、侵入物体が存在することを表す報知が行われる。このとき、入力画像異常を表す報知も併せて行ってもよい。
次に、監視情報記録判定ステップ113では、監視情報の記録を必要とするか否かが判定される。このとき、侵入物体が検出された場合と、入力画像が異常になった場合、それに、通常の監視において例えば1時間間隔など、所定の時刻になった場合のうちの少なくとも1つの事象が現れたとき、監視情報の記録を必要とすると判定する。
そして、監視情報の記録が必要であると判定された場合は、監視情報記録ステップ114に進み、監視情報の記録が必要でないと判定された場合は、監視情報復帰判定ステップ115に分岐して、監視情報記録ステップ114はスキップする。
なお、ステップ103で再現要求があったと判定された場合についての処理の進行中の場合にも、ステップ106で読み込んだ監視情報の外部記憶装置E04への再記録は必要無い。そして、監視情報記録ステップ114では、ワークメモリE02gと画像メモリE02eに記録されている監視情報を、例えばメモリテーブルの形式で外部記憶装置E04に記録する。
次に、監視情報復帰判定ステップ115では、監視情報退避ステップ104で外部記憶装置E04に監視情報を退避した場合は、監視情報復帰ステップ116に進み、退避していない場合は、画像入力ステップ102に分岐し、監視情報復帰ステップ116はスキップする。
監視情報復帰ステップ116では、ステップ104において外部記憶装置E04に退避した監視情報を読み込み、ワークメモリE02gに書き込む。そして、この監視情報復帰ステップ116が終了したら画像入力ステップ102に戻り、同じ処理が繰り返されることになる。
次に、ステップ103で再現要求があった場合の第1の実施形態による処理について、監視情報の待避ステップ104、監視情報の読み込みステップ106、監視情報の復帰ステップ116を中心として更に図7により説明する。ここで、この図7は、例えばワークメモリ502gと外部記憶装置E04との間の情報の流れを示したものである。
ステップ103で再現要求があると、この時点の1組の監視情報1100a(図7の例では2003年5月26日、10時05分23秒、フレーム番号15)がステップ104で外部記憶装置E04に待避(格納)される。
このとき、この1組の監視情報は、「入力画像」、「背景画像」、「マスク画像」、二値化閾値その他の1組のデータを含む。なお、この1組の情報は図7では簡略化されて示されているが、ここで、より詳しくは、例えば上記した図6Bに示す通りである。
次のステップ104で情報1100aを外部記憶装置E04へ格納した後、ステップ106で外部記憶装置E04に格納されている過去の1組の監視情報1100bが外部記憶装置E04から読み出され、ワークメモリE02gに書き込まれる。そして、この書き込まれた情報1100bに対して物体検出ステップ109、物体検出結果表示ステップ110、物体存在判定ステップ111、警報/モニタ表示ステップ112、監視情報復帰判定ステップ115、監視情報復帰ステップ116の各処理が施こされる。
このとき、ステップ104で外部記憶装置E04に監視情報を待避しているので、監視情報復帰判定ステップ115では処理は監視情報復帰ステップ116に進む。そして、ここで、外部記憶装置E04に待避してあった、例えば時刻2003年5月26日、10時10分10秒、フレーム番号100の1組の監視情報を読み出し、再びワークメモリE02gに格納し、格納した監視情報にステップ102以下の処理を続行するため、処理を画像入力ステップ102へ戻す。
このようにして、再現要求の処理のために中断していた通常の監視を再開することができ、この結果、外部記憶装置E04に記録した監視情報に基づいて監視結果を再現することができ、所定の時刻に、それ以前の監視結果を再現させることができるようになる。
従って、図1の実施形態によれば、物体の誤検出が実際に現れたときの監視結果が、以後の任意の時点で簡単に再現できることになり、この結果、オペレータは、監視情報のパラメータの設定が適切か否かを、所定の時点で操作器E03を操作するだけで、再現された物体の誤検出結果(例えば、侵入者が居たにもかかわらず検出されなかった等)を用いて的確に判断することができる。
よって、この図1の実施形態によれば、オペレータの常駐を要することなく、常時、監視システムが適切に作動しているか否かを確認することができる。
次に、図2Aと図2Bにより本発明の第2の実施形態について説明する。ここで、これら図2A、Bは、本発明の第2の実施形態による処理プロセスを説明するフローチャートである。
そして、まず、これら図2A、Bに示した第2の実施形態は、図1に示した第1の実施形態において、その監視情報の待避ステップ104と監視情報読み込みステップ106の間に、検索条件入力完了判定ステップ1050と監視情報検索ステップ105を追加し、且つ監視情報読み込みステップ106と物体検出ステップ109内の差分処理ステップ109aの間に監視情報修正判定ステップ107と監視情報修正ステップ108を追加したものである。
次に、この第2の実施形態は、同じく監視情報の記録ステップ114と監視情報復帰判定ステップ115の間に、処理結果記録判定ステップ1141と処理結果記録ステップ1142を追加し、更に、監視情報の復帰ステップ116の後に監視情報反映要否判定ステップ117と監視情報の反映ステップ118を追加したものである。
そして、これら以外のステップは、図1で説明した第1の実施形態と同じであるので、追加されたステップに重点をおいて説明し、他のステップについての説明は省略する。
まず、検索条件入力完了判定ステップ1050ではオペレータが監視情報の検索条件の入力を完了したか否かを判定する。このとき、オペレータは、例えば操作器E03の操作により、監視システムに対して保存時間や保存条件等の検索ができるようになっており、さらに、所定のボタンにより検索条件入力の完了を監視システムに指示できるようになっている。
そして、まず、検索条件入力完了判定ステップ1050では、監視情報の検索条件の入力が完了していない場合は、再度検索条件入力完了判定ステップ1050に戻り(入力が完了するまでループしている)、検索条件の入力が完了したとき、監視情報検索ステップ105に進む。
監視情報検索ステップ105では、外部記憶装置E04に記録してある複数の監視情報から所定の保存時刻(例えば、現時点から1週間前までの時間範囲、フレーム番号等)、保存条件(例えば、物体検出時の保存等)の少なくとも1つの条件に合致する監視情報を検索する。このときの検索条件は、上述したように、オペレータが適宜選択した上で、操作器E03を用いて入力する。
ここで、入力された検索条件に対して複数の監視情報が合致し、検索された場合には、例えば最も新しく記録された監視情報を選択するようにしても良い。また、入力された検索条件に対して合致する監視情報がないときは、その条件に一番近い監視情報を選択するようにしても良い。
なお、検索は上述した形式に限らず、例えば、モニタE05に外部記憶装置E04に記録されている複数の監視情報の一覧リストを表示させ、オペレータにその一覧リストから所望の監視情報を選択させるようにしても良い。
次に、監視情報読み込みステップ106では、監視情報検索ステップ105で検索された監視情報を外部記憶装置E04から読み込み、更に、読み込まれた監視情報の内容をワークメモリE02gに書き込む。
次に、監視情報修正判定ステップ107では、ワークメモリE02gに保持されている監視情報の中のパラメータについて、オペレータが修正を要求しているか否かが判定される。
このとき、オペレータは、例えば操作器E03により、処理装置E02に対して修正するか否か指示することができる。そして、修正要求があると判断された場合は監視情報修正ステップ108に進むが、修正要求がない場合は差分処理ステップ109aに分岐し、監視情報修正判定ステップ107と監視情報修正ステップ108はスキップされる。
この監視情報修正判定ステップ107における判断はオペレータが行い、判断結果は、例えば操作器E03から入力される。そして、監視情報修正ステップ108では、オペレータにより操作器E03から入力された値に基づき、図6Aに示す監視情報のパラメータについて、例えば「二値化しきい値」の値を5ポイント増加させる等の修正を行う。そして、このステップ108で修正された監視情報のパラメータは、後述する監視情報反映ステップ118の処理のために、別途ワークメモリE02gに記録される。
この結果、検出処理ステップ109から監視情報復帰ステップ116までのステップによる物体検出処理では、修正された監視情報のパラメータに基づいて実行されることになる。
そして、この監視情報復帰ステップ116では、第1の実施形態に関連して説明したように、ステップ104で外部記憶装置E04に待避した監視情報を読み込みワークメモリE02gに書き込む。
次に、監視情報反映要否判定ステップ117では、監視情報修正ステップ108の修正結果を以降の通常の監視処理の監視情報に反映させることがオペレータにより要求されているか否かを判定する。
このとき、例えば、モニタE05上に反映の要否を選択する入力ボックスが表示され、オペレータは操作器E03の操作により、処理装置E02に対して反映の要否を指示することができるようになっている。
ここで、もしも修正した監視情報のパラメータについて、反映要求がなされた場合は、監視情報反映ステップ118で監視情報のパラメータの反映を行う。すなわち、ワークメモリE02gに別途記録されているステップ108の修正結果を、現在の監視情報のパラメータに反映させるのである。
その後、処理は画像入力ステップ102に戻り、入力された画像に対し、修正されたパラメータで画像入力ステップ102以下の一連の処理が実施され、他方、反映要求がなされなかった場合は、以前のパラメータのままでステップ102以降の処理が実行され、この結果、オペレータによる適切な二値化しきい値等のパラメータの設定のもとでの的確な侵入物体の検出が可能となる。
なお、監視情報修正ステップ108において監視情報のパラメータ(例えば、マスク領域や二値化しきい値など)の修正を行っていない場合には、ステップ117とステップ118の処理はスキップされる。
ここで、処理結果記録判定ステップ1141及び処理結果記録ステップ1142について説明すると、この処理結果記録判定ステップ1141では、処理結果を記録するか否かが判定される。このときの処理結果とは、例えば、物体存在判定ステップ111で検出物体が存在すると判定されたか否かや、入力画像異常判定処理ステップ1112で入力画像が異常であると判定されたか否か等の情報のことをいう。
例えば、5フレーム毎に処理結果を記録する設定の場合には、ステップ1141では、入力画像のフレーム番号に基づき、現在のフレームが処理結果を記録するフレームであるか否かが判断される。そして、処理結果を記録する設定の場合にはステップ1142に進み、記録しない場合にはステップ115に進む。
このとき、ステップ103で再現要求があったと判定される場合についての処理の進行中は、ステップ1141とステップ1142はスキップされる。なお、ここでは5フレーム毎など定期的に処理結果を記録する設定に限られず、例えば、検出物体が存在すると判定された場合にのみ、処理結果を記録するという設定にしてもよい。
次に、処理結果記録ステップ1142では、ワークメモリE02gと画像メモリE02eに記録されている監視情報と、上述した処理ステップの処理結果から、例えば、図9に示すレコード901を作成し、外部入出力部E02hを介して外部記録装置E04に記憶し、必要に応じてモニタE05に表示できるようにする。
このとき図9に示したレコード901は、5フレーム間隔で入力画像のフレーム番号とその入力画像中での侵入者の有無(ステップ111において判定)を記録したもので、ここで、フレーム番号5、10、15、20、35、40においては、侵入者が検出されたことを示し、フレーム番号25、30では侵入者がいないことを示している。
そこで、オペレータは、レコード901に記憶された情報を任意の時刻にモニタE05上で参照することが可能になり、且つ、レコード901に基づいて、侵入者の検出条件が不備で、パラメータの調整を行う必要性があるかもしれない、という情報を認識することができる。
例えば、オペレータは、図9に示したレコード901を参照することにより、侵入者が「有」から「無」へと変化しているフレーム番号25、30において、侵入者の検出条件が不備か否かを確認し、必要であればパラメータを調整する、という作業を行う。この場合、オペレータは、上述したステップ1050に際して、検索条件として「フレーム番号25、30」と入力すればよい。
このように、オペレータはレコード901を参照することにより、何らかの監視情報のパラメータ、例えば2値化しきい値レベル等の調整が必要であるか否かが分かる。
なお、このレコード901としては、侵入検知結果に限らず、入力画像異常についても同様に作成し、外部記憶装置E04に記録しても良く、処理結果記録ステップ1142において、処理結果として、上述した物体検出結果表示ステップ110で表示される、例えば、検出した侵入物体が入力画像に重畳した画像を記録するようにしてもよい。
ここで、物体検出結果表示ステップ110で表示される画像を記録するようにした場合には、上述したステップ109、110、111の処理を行うことなく、外部記録装置E04に記録された過去の監視情報に基づいて、モニタE05上に過去の処理結果画像(例えば、入力画像に検出した侵入物体を重畳した画像など)を表示させることができる。
次に、この第2の実施形態による処理について、ステップ104、106、108、116、117、118を中心とし、図10により更に詳細に説明する。ここで、この図10は、ワークメモリE02gと外部記憶装置E04間の監視情報の移動状況を示したものである。
ステップ103で再現要求があると、その時点の1組の監視情報1200aがステップ104で外部記憶装置E04に待避(格納)される。この図10の例では、2003年5月26日、10時10分10秒、フレーム番号25の1組の監視情報が監視情報1200aとなる。
その後、ステップ106で、外部記憶装置E04に格納されている過去の監視情報の中からオペレータが所望する1組の監視情報1200bが読み出され、ワークメモリE02gに書き込まれる。このとき、もしオペレータが監視情報の修正を要求している場合、修正対象の監視情報のパラメータを書換える。
そして、ワークメモリE02gに書き込まれた情報1200bに対して物体検出ステップ109、物体検出結果表示ステップ110、物体存在判定ステップ111、入力画像異常判定ステップ1112、警報/モニタ表示ステップ112、監視情報記録判定ステップ113、監視情報の記録ステップ114、監視情報復帰判定ステップ115、監視情報復帰ステップ116が実施される。
このとき、監視情報復帰判定ステップ115では、ステップ104で外部記憶装置E04に監視情報を待避しているので、処理は監視情報復帰ステップ116に進む。ステップ116では、ステップ104で外部記憶装置E04に待避させていた1組の監視情報1200aを読み出し、再びワークメモリE02gに格納する。
その際、修正された監視情報の書換え要否判定ステップ117で、以降の侵入物体監視をステップ108で修正したパラメータで実施することをオペレータが要求しているか否か判定する。
そして、もし要求しているなら、修正された監視情報への書換えステップ118で監視情報のパラメータをステップ108で修正した値に書換える。次いで、ワークメモリE02gに格納した監視情報1200aにステップ102以下の処理を続行するため、処理を画像入力ステップ102へ戻す。
このようにして、再現要求の処理のために中断していた通常の監視を再開することができ、この結果、オペレータは、任意の時点で、外部記憶装置E04に記録した複数の監視情報の中から必要とする適当な監視情報を任意に検索し、監視情報のパラメータを調整しながら監視結果を得ることができ、容易に的確なパラメータの調整作業を行なうことができる。
従って、この図2の実施形態によっても、オペレータの常駐を要することなく、適切なパラメータの設定のもとで、常時、監視システムの性能を保持することができ、信頼性の高い監視システムが容易に構築できる。
次に、第2の実施形態におけるオペレータのパラメータ設定操作の例を図12Aと図12Bで説明する。ここで、図12AはモニタE05に表示されるしきい値設定画面の一例を示したもので、次に図12Bはマスク領域設定画面の一例を示したものである。
まず、図12Aにおいて、このときの設定画面S01には、処理装置E02の入力画像とマスク画像及び処理結果を重畳した画像等を表示する表示画面S02と、監視情報のパラメータを設定するタブメニューS06、それにリストボックスS11a、S12a、表示実行ボタンS12c、設定終了ボタンS13が表示される。
タブメニューS06には、例えば、しきい値、マスク領域、面積設定、大きさ設定などの設定項目を表示するタブが存在し、しきい値設定タブS07を操作器E03で指定するとしきい値設定項目(後述する)が表示され、マスク領域タブS08を指定するとマスク領域設定項目(後述する)が表示される。
また、リストボックスS11aは、外部記憶装置E04に記録してある監視情報のパラメータを読み込むための検索条件を選択するプルダウンメニューで、検索実行ボタンS11cは、リストボックスS11aで選択された検索条件で監視情報の検索を行うボタン、リストボックスS12aは、図9に示したレコードの種類(例えば、侵入検知、入力画像異常等)を選択するボックス、表示実行ボタンS12cは、リストボックスS12aで選択されたレコードを表示するボタン、そして、設定終了ボタンS13は、監視情報のパラメータの設定操作を終了するボタンである。
ここで、いま、リストボックスS11aによって検索条件が選択されると、選択されている検索条件の名称がテキストフィールドS11bに表示されると共に、検索条件の詳細を入力する入力ボックス(図示してない)が表示される。
そこで、オペレータが検索条件を入力し、検索実行ボタンS11cが操作器E03で指定されると、外部記憶装置E04に記録してある監視情報のパラメータ(検索条件に合致したもの)がワークメモリE02gに読み込まれ、表示画面S02及びタブメニューS06によりパラメータの詳細が確認できるようになる。
また、リストボックスS12aによってレコードの種類が選択されると、選択されているレコードの種類の名称がテキストフィールドS12bに表示され、表示実行ボタンS12cが操作器E03で指定されると、外部記憶装置E04に記憶されているレコードがモニタE05上に表示される(図示してない)。
一方、設定終了ボタンS13が指定されると、監視情報のパラメータの設定操作が終了する。
ここで、この図12Aは、操作器E03により、タブメニューS06の中のしきい値設定タブS07が指定された場合の設定画面であり、この設定画面により、例えば高感度、低感度の2種類のしきい値が設定できるようになっている。
このとき、高感度とは、一般に、より小さな画像変化を検出するために、しきい値が小さく設定されている状態のことをいう。例えば小さな画像変化でも検出したい場合には、高感度のしきい値を使い、反対の場合には、低感度のしきい値を用いる。
そして、まず、高感度のしきい値設定に際しては、スライドバーS07a、スライドS07b、スライドバー増減ボタンS07c、S07d、それに入力フィールドS07eを用い、操作器E03によりスライドS07bが左右に動かされた場合には、動かした量に応じてしきい値を増減させ、この操作の結果、しきい値の値を入力フィールドS07eに表示する。
次に、しきい値増減ボタンS07cが操作器E03により指定された場合は、しきい値が例えば1ポイントづつ減少し、この操作の結果、スライドS07bをしきい値に応じた位置に描画し、しきい値の値を入力フィールドS07eに表示する。
同様に、しきい値増減ボタンS07dが操作器E03により指定された場合、しきい値は例えば1ポイントづつ増加し、この操作の結果、スライドS07bをしきい値に応じた位置に描画し、しきい値の値を入力フィールドS07eに表示する。
ここで、指定すべきしきい値の大きさが予め分かっている場合には、入力フィールドS07eに直接数値を入力しても良い。この場合、スライドS07bはしきい値に応じた位置に描画される。
そして、低感度のしきい値に関しても上記操作と同様で、スライドS07g、スライドバー増減ボタンS07h及びS07i、入力フィールドS07jを用いてしきい値の設定を行なうことができ、これにより、ワークメモリE02gの監視情報のしきい値のパラメータを修正することができる。
次に、図12Bは、操作器E03により、タブメニューS06のマスク領域設定タブS08が指定された場合の設定画面で、ここでは、図12Aと同じ符号を付与したものについては上記機能と同様であるため説明を省略する。
そして、この図12Bにおいて、マスク領域の設定操作は、入力画像を表示した表示画面S02に対して、例えば操作器E03により行なう。
マスク領域は、表示画面S02において、マスク領域S08aで示すように、多角形で表され、操作器E03で多角形の頂点を指定することにより、当該頂点の座標がワークメモリE02gに記憶されていく。このとき、マスク領域S08aは、図示のように、入力画像上に重ねて表示されるため、入力画像(監視領域)とマスク領域の位置関係を容易に把握することができる。
そして、マスク領域の設定を終了する場合は、操作器E03により終了ボタンS08bを指定する。そうすると、これまでワークメモリE02gに記憶された頂点の座標からマスク領域S08aとなる多角形が算出され、この多角形の領域がワークメモリE02gにマスク領域として設定される。
なお、上述した実施形態では、外部記録装置E04に記録した過去の監視情報に基づいて過去の監視結果を再現する場合について説明したが、他の例として、過去の監視情報とワークメモリE02に記憶されている現在の監視情報とに基づいて物体検出処理をし、パラメータの調整作業を行うこともできる。
例えば、外部記憶装置E04に記録されている過去の入力画像に対して現在ワークメモリに設定されているしきい値、マスク画像等で物体検出処理を行うようにすることも可能である。
次に、本発明の第3の実施形態について、図11Aと図11Bにより説明する。ここでこの第3の実施形態は、通常の侵入物体検出処理と、監視情報のパラメータの調整処理とを分離して独立に処理するようにした侵入物体監視方法であり、図11Aは通常の侵入物体検出処理フローを、図11Bはパラメータ調整時の処理フローを示す。
そして、通常の侵入物体監視時は、図11Aの手順に従って侵入物体の監視が行われ、このときの各ステップの処理内容は、図1の第1の実施形態及び図2の第2の実施形態で説明した処理と同様なので説明は省略し、以下、図11Bのパラメータ調整時の処理について説明する。
この図11Bのパラメータ調整時の処理は、所望の時刻にオペレータが操作器E03を操作し、パラメータの調整作業指令を出すことにより起動され、このため、監視情報の検索条件の入力が完了するのを判定処理ステップ100で待っている。
そして、監視情報の検索条件の入力が完了したら、監視情報の検索処理ステップ105に進み、オペレータの望む監視情報を外部記憶装置E004から検索し、読み込み処理ステップ106を実行する。このとき、読み出された監視情報は、例えば図6Bに示すような情報(過去の入力画像とその検出パラメータその他の情報)を含む。
画像検出処理ステップ109では、読み出された過去の入力画像に対して物体検出を行い、物体検出結果表示処理ステップ110でモニタE05上に過去の入力画像及び検出結果が再現される。このとき、前述の通り、モニタE05上には、検出した侵入物体が入力画像に重畳されて表示される。
物体存在判定ステップ111では、ラベリング処理109dで番号付された二値化画像内の画素値“255”の画素のかたまりの中で、所定の物体検出条件によって検出すべき物体と判断できるかたまりが存在するか否かを調べる。このとき物体存在判定ステップ111で検出すべき物体か否かの判定処理に使用される基準或いは判定条件については、図1の実施形態で説明した通りである。
物体存在判定ステップ111で検出すべき物体と判断できるかたまりが存在した場合、入力画像異常の判定処理ステップ1112に進み、存在しない場合は、監視情報修正判定ステップ107′に分岐し、入力画像異常の判定処理ステップ1112、警報/モニタ表示ステップ112はスキップする。
入力画像異常の判定処理ステップ1112では、二値化画像内の画素値“255”の画素値の画素のかたまりの面積を用いて入力画像異常か否かが判断される。そして、入力画像が正常な場合、警報/モニタ表示ステップ112が起動される。
ここで、オペレータが検出パラメータ(例えば、二値化しきい値、マスク画像等)の修正を望んだ場合は、警報/モニタ表示ステップ112の後で、監視情報修正判定ステップ107′と監視情報修正ステップ108′が実行され、オペレータが操作器E03から入力した値に基づいてパラメータの修正が行われた後、再び画像検出処理ステップ109に戻る。
そして、モニタE05上に表示されている入力画像に対して修正されたパラメータに基づき再度物体検出を行い、物体検出結果をモニタE05上に表示する(ステップ109とステップ110)。
次いで、操作器E03から修正したパラメータで満足出来る旨のオペレータからの指示入力があった場合、監視情報修正判定ステップ107′から監視情報記録ステップ1140に進み、ワークメモリE02gと画像メモリE02eに記録されている監視情報を書き換える。
よって、その後、図11Aの通常の侵入物体監視処理が起動されると。初期化ステップ101で修正したパラメータが読み出され、それに基づき以降の侵入物体の検出が実施されることになる。
従って、この第3の実施形態によれば、オペレータはモニタを見ながら繰り返しパラメータの調整作業を行うことができる。なお、初期値として記憶させる代わりに、新たな保存条件として「調整作業」という項目を設けて、外部記憶装置E04に修正された監視情報を記録してもよい。
ところで、上記の実施形態では、図6Aに示した監視情報の「入力画像」とは1フレーム分の画像(静止画)である場合を例に挙げて説明したが、「入力画像」は時間的に連続した複数フレームからなる動画像として記録しても良い。従って、モニタE05上に動画像を再現しながらパラメータの調整をすることもできる。
次に、本発明の第4の実施形態について、図13〜図16により説明する。ここで、この第4の実施形態は、監視装置から遠隔地において、監視装置の監視情報パラメータの調整が行なえるようにしたものであり、このとき、遠隔地とは、ユーザ側にある監視装置の運用を任されているメンテナンス業者のオフィスなどのことである。
まず、図14は、第4の実施形態に係る監視装置E00のハードウエア構成の一例を示したもので、このとき、図において、E01からE06までの構成要素は、処理装置E02を除き、図3に示した第1の実施形態におけるハードウエア構成の一例と同じある。
そして、この図14の実施形態では、第4の実施形態における処理装置E02に代えて処理装置E02′が設けてあるが、これは、上記の図3で説明した処理装置E02に通信部E02mを追加したもので、これにより、遠隔地にある遠隔操作器E10と通信が行なえるようにしてある。
ここで、通信部E02mは、例えばIP(Internet Protocol)等の通信プロトコルに従って、MPUE02fにより制御され、例えばLANやインターネットなどの外部ネットワークE09を介して遠隔操作器E10と通信が行なえるようにしてある。
このため、処理装置E02′には、通信データの経路選択を行なうためのルータE07と、外部ネットワークE09と通信データのやり取りをするためのゲートウェイE08がもうけてあり、これにより処理装置E02′の通信部E02mから遠隔操作器E10に送信される通信データは、まずルータE07により外部ネットワークE09に繋がるゲートウエイE08までの経路選択がなされ、次いで選択されたゲートウェイE08を介して外部ネットワークE09に送信される。
こうして外部ネットワークE09に送信された通信データは、ゲートウェイE11によりルータE12への経路が選択がなされ、選択されたルータE12を介して遠隔操作器E10に伝達されることになる。
反対に、遠隔操作器E10から処理装置E02′に送信される通信データは、ルータE07により、外部ネットワークE09に繋がるゲートウエイE08までの経路選択がなされ、ゲートウェイE08を介して外部ネットワークE09に送信され、外部ネットワークE09に送信された通信データは、ゲートウェイE08によりルータE07への経路選択がなされ、ルータE07を介して処理装置E02′に伝達されることになる。
次に、図15は、この第4の実施形態における遠隔操作器E10のハードウエア構成の一例で、ここでは、図14における監視装置E00と同様の機能のものには同じ符号に添字「″」を付してあり、従って、この図15において、遠隔操作器E10は、処理装置E02″、操作手段E03″、外部記憶装置E04″、監視モニタE05″、それに警告灯E06″を備えている。
但し、ここで処理装置E02″は、図14に示した処理装置E02′から画像入力部E02a、雲台制御部E02b、レンズ制御部E02cを除いたものとなる。これは、遠隔操作器E10は監視装置E00に記録された監視情報のパラメータの調整を行なうための装置であり、従って、画像入力、雲台制御、レンズ制御等の監視領域を撮像するための手段を必要としないためである。なお、それ以外の機器に関しては、図14で説明した処理装置E02′と同じであるため説明は省略する。
上記したように、処理装置E02″は通信部E02mを介して監視装置E00と通信を行なう。このときの通信経路も上記した通り、ルータE07、E12、ゲートウエイE08、E11、それに外部ネットワークE09によって構成される。
このとき、遠隔操作器E10と監視装置E00の通信は、その構成によって、例えば図16に示すように、外部ネットワークE09を介して監視装置E00a、監視装置E00b、監視装置E00cと通信したり、外部ネットワークE09を介さず、ルータE07だけを介して監視装置E00dと通信したりすることができる。すなわち、処理装置E02は、通信経路を構成する機器によって少なくとも2基の監視装置E00と通信することができる。
ここで、この図16は、本発明の第5の実施形態で、これは、監視システムが複数基あり、これら複数基の監視システムに対して共通に1基の遠隔操作器を設けた場合の一実施形態であり、図14の実施形態において、複数基の監視システムの本体である監視装置E00a〜E00dについて共通に1基の遠隔操作器E10を設けたものに相当し、このため、監視装置側のルータE07とゲートウエイE08についても、それぞれルータE07A、E07BとゲートウエイE08A、E08Bの2系統を設けたものである。
そこで、以下、図16の監視システムにおける遠隔操作器E10の処理装置E02″による処理プロセスの一例について、図13の処理フローにより説明する。なお、この図13においても、図2と同様の処理ステップには同じ符号が付してある。
ここで、まず、この図13の処理フローは、図2に示した第2の実施形態の処理フローに監視装置設定ステップ701、監視装置選択ステップ702、監視装置切換ステップ703を追加した上で、画像入力ステップ102、再現要求判定ステップ103、監視情報退避ステップ104、監視情報復帰判定ステップ115、監視情報復帰ステップ116を削除したものに相当する。
そして、この処理フローにおける監視情報検索ステップ105′、監視情報読み込みステップ106′、監視情報修正ステップ108′、監視情報記録判定ステップ113′、監視情報記録ステップ114′は、それぞれ図2の処理フローにおける監視情報検索ステップ105、監視情報読み込みステップ106、監視情報修正ステップ108、監視情報記録ステップ114について、各々の機能拡張し、遠隔操作器E10が通信部E02mを介して所定の監視装置E00と通信し、該監視装置内に記録された監視情報を検索、読み込み、修正、記録できるようにしたものである。
従って、ここでは、新たに追加されたステップを中心に説明し、それ以外のステップに関しては、図2と同様であるため、説明は省略する。そして、まず、図13において、監視装置設定ステップ701は、遠隔操作器E10を起動した際に、最初に接続する監視装置E00を決定する。例えば、処理装置E02に最も近い(通信データが通過する機器の数が最も少ない)監視装置E00dを選択したり、或いは遠隔操作器E10が前回最後に通信した監視装置を選択したりする。
次に、監視装置選択判定ステップ702では、遠隔操作器E10のオペレータから監視情報のパラメータを調整すべき監視装置E00の切替を行う旨の入力があったか否かを判定する。このためオペレータは、例えば操作器E03″を操作して監視装置E00の切換が遠隔操作器E10の処理装置E02″に指示できるようになっている。
そして、監視装置E00の切換を行なう指示の場合は監視装置切換ステップ703に分岐し、監視装置E00の切換を行なわない場合には検索条件入力判定ステップ1050へ分岐する。
監視装置切換ステップ703に分岐したときは、監視情報のパラメータを調整する監視装置E00の切換を行なう。このとき、監視装置E00(E00a〜E00d)は、例えばIPアドレスによって管理されている。ここでIPアドレスとは、IP通信プロトコルにおいて、通信データの送受信を行なう機器に割り当てられたユニークな32ビットのアドレスデータのことである。
このときの監視装置E00の切換は、監視装置E00のIPアドレスの一覧を遠隔操作器E10のモニタE05に表示し、遠隔操作器E10のオペレータがその中から一つを選択することによって行なわれ、従って、オペレータは、例えば操作器E03″を操作するだけでパラメータを調整すべき監視装置E00が選択できる。
こうして監視装置E00の切換がなされると、処理装置E02″の通信部E02mは、次回に監視装置E00の切換が行なわれるまで、選択した監視装置E00(E00a〜E00dの何れか、以下、同じ)と通信を行なうように設定される。
なお、監視装置E00の選択については、ここに示したIPアドレスの一覧を表示する方法に限るものてばなく、その他にもドメイン名や、監視装置E00の名称などを一覧表示するようにしても良い。ここで、ドメイン名とは、DNS(Domain Name Server:ドメイン名サーバー)によって管理され、通信の際にドメイン名からIPアドレスに自動的に変換されるもののことである。
また、通信系路上で、監視情報の盗聴や改ざんを防止する目的で、ゲートウエイE08上にVPN(Virtual Path Network)機能や暗号化などを行なう機能を設けても良く、更に監視情報のパラメータの調整を要求している監視装置E00の一覧や、一定期間以上パラメータの調整をしていない監視装置E00の一覧等を表示させ、オペレータに監視装置E00の選択を行わせるようにしても良い。
以上のように、遠隔操作器E10では、監視情報のパラメータの調整を行なう監視装置E00を選択し、監視情報検索ステップ105′では、選択された監視装置E00の外部記録装置E04(図14)に記録されている監視情報の検索を行う。
そして、監視情報読み込みステップ106′では、検索された所望の監視情報を通信部E02mを介して選択した監視装置E00から受け取り、受け取った監視情報を処理装置E02″のワークメモリE02gに書き込む。
監視情報修正ステップ108′では、遠隔操作器E10のオペレータからの指示に基づきパラメータの修正を行う。次に、処理装置E02′(図14)により物体検出処理等が行われ(ステップ109〜111)、ステップ112により修正したパラメータによる検出処理の結果が遠隔操作器E10のモニタE05″に表示される。
そして、遠隔操作器E10のオペレータにより操作器E03″から修正したパラメータで満足できる旨の指示入力があった場合(監視情報記録判定ステップ113′でYESと判定した場合)、監視情報記録ステップ114′では、遠隔操作器E10は通信部E02mを介して選択した監視装置E00に修正したパラメータを送信し、これにより、当該監視装置E00は、受信したパラメータを処理装置E02′のワークメモリE02g(図14)に記録させる。
また、このとき(監視情報記録判定ステップ113′でYESと判定された場合)、監視情報記録ステップ114′では、監視情報のパラメータの調整を行った監視装置E00の例えばIDナンバー、調整日時、調整内容、サービスポイント等を遠隔操作器E10の外部記憶装置E04″にテーブルとして記録する。
ここで、図17は、ステップ114´の処理により外部記憶装置E04″に記憶されたテーブル1601の内容の一例を示した図で、ここで、サービスポイントとは、メンテナンス(調整)内容に応じて予め定められている対価点のことで、この図17の例では、例えばしきい値を調整した場合は1ポイント、基準背景画像の更新をした場合は2ポイントといったようにサービスポイントが定められている。
そこで、メンテナンス業者は、テーブル1601の記録内容に基づき、例えば、月に1回、サービスポイントに応じた料金を各監視装置E00のユーザから徴集することができる。なお、このときの料金については、メンテナンスの回数等に応じて定めるようにしても良いし、月毎に定額とした料金体系としても良い。
こうして遠隔操作器E10を用いることにより、この実施形態によれば、遠隔地に設置された監視装置E00の監視情報を検索し、読み込み、修正し、記録を行ない、この結果として監視情報のパラメータの調整を行なうことができる。
すなわち、この実施形態によれば、監視情報のパラメータ調整について責務を負っているオペレータは、監視装置E00が設置された場所に行かなくても、遠隔操作器E10を介して監視装置E00の監視情報のパラメータの調整が行なえ、このとき、パラメータの調整作業の内容を記録することで、調整作業に応じた料金を各監視装置E00のユーザから徴集することができる。
従って、これら第4と第5の実施形態によれば、監視装置E00を運用するメンテナンス業者は顧客である監視装置E00のユーザに対して監視情報のパラメータ調整サービスを提供することができ、これにより、監視装置E00の侵入物体検知性能を常に高いレベルに維持することができる。
このときの監視装置E00の監視情報や、監視情報修正ステップ108′による修正後の監視情報のパラメータは、更に遠隔操作器E10の外部記録装置E04″に記録させてもよい。このとき、遠隔操作器E10から各監視装置E00の外部記録装置E04に記録されている図9のテーブル901を参照することも可能である。
また、修正作業に際して、物体検出ステップ109などの処理を監視装置E00側の処理装置E02′に行わせ、検出結果の画像のみを遠隔操作器E10が受信するようにしてもよい。
なお、遠隔操作器E10から各監視装置E00へのパラメータ調整サービスとしては、上述した形態に限られず、例えば、監視装置E00aから受け取った監視情報に基づき遠隔操作器E10内で修正したパラメータを他の監視装置、すなわち、監視装置E00b、監視装置E00c、監視装置E00cの何れか、又はそれぞれに送信することも可能であり、更に、例えば時間帯、季節、天候等に応じたパラメータを所定の監視装置E00に対して定期的に送信するようにしてもよい。
従って、これらの機能が付加された実施形態によれば、更に利便性が高められ、コストパフォーマンスに優れた監視システムを提供することができる。
ここで、上記の実施形態では、物体検出法に差分法を適用した場合を例に挙げて説明したが、物体検出法としては、差分法以外のものでも監視情報を構成するパラメータの種類が違うものの、同様の監視情報の記録、検索、読込み、パラメータの修正が行えることは言うまでもない。
また、上記の実施形態では、侵入者を検出した場合を例に挙げて説明したが、検出対象としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、静止物体の検出、外観検査のための異物検出などであっても良い。