JP4083579B2 - 電気蓄電池において硫酸化に耐える方法および装置 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、パルス電流を用いて電気鉛蓄電池における電極プレートの硫酸化を防止する方法およびその方法を実施するための装置に関する。
【０００２】
例えば、車両におけるスターターバッテリーなどのタイプの鉛／酸蓄電池には、多くの蓄電池セル、蓄電池ケース、蓋、および該蓋に与えられた端子が含まれる。蓄電池セルは一団に結合され、個々のセル電圧は約２ボルトで、所定の電圧を与えるために加えられる。内燃機関によって運転される自動車に対し、名目上の蓄電池電圧は通常１２または２４ボルトで、電気駆動車両に対してはかなり大きい。
【０００３】
エネルギーの効率的、化学的な貯蔵や放出を達成するために、２つの異なる伝導性材料を伝導液中で互いに接して配列することが必要である。かかる液体は電解質と称し、鉛／酸蓄電池中の希釈硫酸からなる。
【０００４】
前記鉛／酸蓄電池における伝導性材料は、多くの鉛／アンチモン、または鉛／カルシウムプレートを酸化鉛ペーストで満たしたグリッドの形態で含む。化工および充電後、酸化鉛は正極で過酸化鉛に、負極でスポンジ状鉛に転化する。
【０００５】
これらの二つの材料は、電気伝導性が相違する。放電すると、両タイプのプレートにおけるペーストが硫酸鉛に変化する。
【０００６】
化学的に不活性なプレートセパレーター、好ましくは紙または焼結ＰＶＣ材料に基づく形態のものは、積み重ねられた正極および負極の帯電プレート間にある空間に備え付けられて短絡を防止する。プレートセパレーターは安定で、高放電中に蓄電池に生ずる機械的な力に耐性を有すべきである。プレートセパレーターは、同様に、電解質の効率的な通過を許容するために多孔質構造であるべきである。
【０００７】
蓄電池を充電すると、直接的電流が放電の通常の方向と反対方向に付与されるはずである。印加電圧は、充電電流の流れを作るために蓄電池の電圧よりも高くすべきである。充電中に、充電電流が電解質を分解し、放出された酸素は正極の鉛と結合して過酸化鉛を形成する。両タイプのプレートは、電解質に入って硫酸を形成する硫酸塩を放出する。上記のように、負極プレート材料はスポンジ状鉛に変化する。このプロセスは蓄電池の酸濃度に通じ、酸の比重が増加する。
【０００８】
蓄電池の放電中に、蓄電池中の電流の流れが電解質の分解に通じるのでプロセスが反転する。硫酸塩は電解質からプレートに進み、そこで全放電すると、鉛ペーストは硫酸鉛に転化する。さらに、酸素は正に負荷されたプレートから去り、電解質に戻り、そこで水を形成する。
【０００９】
通常の放電中に、硫酸鉛の微細結晶が蓄電池プレート上に生じる。充電すると、大部分の結晶が溶解する。蓄電池が長期間充電されずにそのままであると、微細結晶は結合して、微細結晶に再び戻ることが困難な粗結晶を形成する。硫酸鉛結晶は多孔質プレートのいくらかの穴をブロックし、蓄電池のキャパシティを減少させる。蓄電池は結晶の多くの蓄積によって損傷を受ける。
【００１０】
パルス電流を鉛／酸蓄電池に供給することによって、硫酸鉛結晶の形成が減少することは知られている。米国特許５６７７６１２は、所定のエネルギーがクリーンにすべき蓄電池からマルチバイブレーターに供給され、かかるマルチバイブレーターが低出力／高周波パルスを蓄電池に送る装置を記載する。パルス電流は蓄電池プレートから硫酸鉛を自由にし、電解質に溶解させるものと思われる。
【００１１】
同様に、例えば米国特許５６４８７１４にパルス周波数、アンペア数、ライズタイムおよび幅は蓄電池の状態にマッチさせられることが記載されており、それ自体は公知である。蓄電池の状態には、インピーダンス特性、電荷状態、内部電気抵抗、電解質レベル、電解質濃度および蓄電池プレートにおける硫酸鉛の蓄積の程度などに関する物理的なパラメーターが含まれる。従来技術によると、蓄電池は一つのユニットとしてモニターされ、パルス特性は測定値にマッチされる。このように、従来技術によると、パルス特性を個々の蓄電池セルにマッチさせることはできなかった。
【００１２】
本発明の目的は、従来技術の不利益を解消することにある。
【００１３】
本発明の目的は、後から述べる記述および添付の請求項で述べる特徴によって達成される。
【００１４】
本発明方法では、それ自体は公知であるパルス発生器を、バッテリーのセルのそれぞれに接続する。パルス発生器の測定ユニットは、一もしくはそれ以上の上記特性に関する個々のセルの状態をモニターするように設計される。測定された特性は、パルス発生器の制御部で化工され、パルス周波数、アンペア数、電圧、ライズタイムと幅とマッチするパルスが個々のセルに移される。
【００１５】
実験は、蓄電池のセルが相違する負荷を受け、個々のセルへのパルスを制御して蓄電池の寿命を長くできることを示す。
【００１６】
本発明を実施する装置には、それ自体は公知の、多くの単純なパルス発生器であって、個々の蓄電池セルに接続されるものが含まれる。また、マッチしたパルス発生器は、個々のセルにパルスをマッチさせるために、蓄電池の全セルをモニターするように設計されていてもよい。パルス発生器は、蓄電池の中あるいは外側に設けられていてもよく、多分蓄電池の蓋のなかでもよい。
【００１７】
次は、添付図面に示された、非制限的な好適な実施態様を示す。
【００１８】
図１はパルス発生器を備えた電気蓄電池の回路図を示す。
【００１９】
図において、符号１は名目電圧が１２ボルトである電気鉛／酸蓄電池を示す。蓄電池１には、ケース２、蓄電池セル４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ，４ｅ，４ｆ、セル結線６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ，６ｅおよび端子８ａ、８ｂが含まれる。端子８ａ、８ｂ用のアパーチャーを備える蓄電池用の蓋は示されていない。
【００２０】
パルス発生器１０は、導線１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，１２ｄ，１２ｅ，１２ｆ，１２ｇを介し直接的に蓄電池の個々の全セルと結ばれている。
【００２１】
上記のように、パルス発生器は、個々の蓄電池セルをモニターするように設計され、さらにパルスをパルス周波数、アンペア数、電圧、ライズタイムおよび幅に関する個々のセルの状態とマッチするように設計されている。
【００２２】
本発明の方法は、パルスと個々の蓄電池セルの状態とのマッチングを改善し、従来技術の使用方法に対し、蓄電池の寿命を長くできる方法である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 パルス発生器を備えた電気蓄電池の回路図を示す。
【符号の説明】
１…蓄電池
２…ケース
４…セル
６…結線
８…端子
１０…パルス発生器
１２…導線

Claims (2)

1. 蓄電池（１）にパルス電流を流すことによって、マルチセルの電気鉛／酸蓄電池（１）における硫酸鉛の蓄積を減少させる方法において、
   蓄電池の個々のセル（４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｅ，４ｆ）のインピーダンス特性、電荷状態、内部電気抵抗、電解質レベル、電解質濃度に関する一もしくはそれ以上のパラメーターを測定することにより前記蓄電池の個々のセル（４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｅ，４ｆ）の蓄電池プレートにおける硫酸鉛の蓄積の程度をモニタするパルス発生器（１０）と、前記蓄電池（１）の個々のセル（４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｅ，４ｆ）とを、導線（１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，１２ｄ，１２ｅ，１２ｆ，１２ｇ）でそれぞれ電気的に接続し、
   さらに前記パルス発生器（１０）のパルス周波数、アンペア数、電圧、ライズタイムと幅を、前記個々のセル（４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｅ，４ｆ）の蓄電池プレートにおける硫酸鉛の蓄積の程度にマッチさせるように前記パルス発生器（１０）を制御することを特徴とする方法。
2. 蓄電池（１）にパルス電流を流すことによって、マルチセルの電気鉛／酸蓄電池（１）における硫酸鉛の蓄積を減少させる装置において、
   前記装置は、蓄電池の個々のセル（４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｅ，４ｆ）のインピーダンス特性、電荷状態、内部電気抵抗、電解質レベル、電解質濃度に関する一もしくはそれ以上のパラメーターを測定することにより前記蓄電池の個々のセル（４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｅ，４ｆ）の蓄電池プレートにおける硫酸鉛の蓄積の程度をモニタするパルス発生器（１０）を備え、
   前記パルス発生器（１０）は、前記蓄電池（１）の個々のセル（４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｅ，４ｆ）に、導線（１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，１２ｄ，１２ｅ，１２ｆ，１２ｇ）でそれぞれ電気的に接続され、
   さらに前記パルス発生器（１０）は、そのパルス周波数、アンペア数、電圧、ライズタイムと幅が、前記個々のセル（４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｅ，４ｆ）の蓄電池プレートにおける硫酸鉛の蓄積の程度にマッチするように設計されてなることを特徴とする装置。

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