JP4081928B2 - 溶融槽のヒータ交換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は溶融槽及び溶融槽のヒータ交換装置に係り、特に溶融ガラスや溶融金属等の高温溶融物の清澄工程において、高温溶融物内の気泡を除去する減圧脱泡槽(溶融槽)に好適であり、その減圧脱泡槽に設けられたヒータの交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の減圧脱泡槽としては、サイフォン式、水平式等の減圧脱泡槽が知られており、特開平3−33020号公報には、サイフォン式の減圧脱泡槽が適用された減圧脱泡システムの一例が開示されている。
【0003】
前記減圧脱泡システムは、溶融ガラス用のシステムであり、主として溶解槽、上昇管、減圧脱泡槽、下降管、及び貯留槽から構成されている。脱泡前の溶融ガラスは、溶解槽に溜められた後、サイフォンの原理によって上昇管から、減圧状態の減圧脱泡槽に導かれ、ここで脱泡される。そして、脱泡された溶融ガラスは、下降管から貯留槽に導かれ、そして、成形工程に導かれる。以上が減圧脱泡システムによる溶融ガラスの流れである。
【0004】
ところで、従来の減圧脱泡槽のうち、白金製のものは、白金に直接電流を流して槽全体を加熱し、槽内の溶融ガラスを加熱することにより溶融ガラスの温度低下を抑えて脱泡を促進させていた。しかしながら、白金は非常に高価なものなので、現在では、槽の製造コストを抑えた耐熱煉瓦製の減圧脱泡槽も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、耐熱煉瓦製の減圧脱泡槽でも白金製の減圧脱泡槽でも従来の減圧脱泡槽は、減圧脱泡槽内の溶融ガラスの表面温度が低下(溶融ガラスの全体温度が低下するが空気と接触している表面温度が特に低下)し、これが原因で溶融ガラスの表面に浮上してきた泡が破泡し難いという欠点があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、溶融槽内における高温溶融物の表面温度の低下を防止できる溶融槽及び溶融槽のヒータ交換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、高温溶融物が貯留された溶融槽に設けられるとともに該溶融槽内の高温溶融物の表面を所定の温度に加熱するヒータであって、溶融槽の壁面に形成された貫通孔を介して溶融槽内に挿入配置されたヒータの交換装置において、前記溶融槽の貫通孔に連結されるとともに、該貫通孔から溶融槽の外側に突出配置されたヒータの基端部を収容し、溶融槽の内部空間を溶融槽の外部空間から遮断する遮断手段を備えたケーシングと、該ケーシングの開口部に装着されて溶融槽の内部空間を溶融槽の外部空間から遮断するとともに、ヒータを収納可能な収納ケースと、該収納ケースに設けられ、該収納ケースに収納されたヒータを前記溶融槽に挿入配置する挿入手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、溶融槽内の高温溶融物の表面を所定の温度に加熱するヒータを溶融槽に設けたので、高温溶融物の表面温度の低下を防止でき、よって高温溶融物が溶融ガラスの場合には破泡を促進できる。また、ヒータは、ヒータ自体の劣化が進んだり破損したりした場合には、交換手段によって交換される。
【0011】
前記ヒータは、棒状のヒータであり、このヒータは、溶融槽の壁面から溶融槽内に挿入配置されている。このヒータを溶融槽の流路に対して直交方向に配設することによって、流路を流れる高温溶融物の表面をその輻射熱で均一に加熱できる。
【0012】
前記ヒータは、その基端部が溶融槽の外部で支持されるとともに、その先端部が溶融槽の内壁に取り付けられた支持部材に支持されているので、即ち、ヒータは両持ち支持されているので、片持ち支持に起因するヒータの折れ等の損傷を防止できる。また、前記支持部材によって、ヒータと高温溶融物の表面とが仕切られているので、高温溶融物から発生する揮散物(溶融ガラスの場合には水、SOx ガス、カーボン等の多種類の揮散物)はヒータに付着しない。よって、揮散物付着に起因するヒータの使用寿命低下を防止できる。また、ヒータの熱は、支持部材を介して高温溶融物に伝導されるので、高温溶融物は問題なく加熱される。
【0013】
一方、ヒータの交換装置においては、ヒータの基端部を収容しているケーシングの開口部に収納ケースを装着し、そして、収納ケースに設けられている抜出手段を駆動させて前記ヒータを溶融槽から抜き出し、又は収納ケースに設けられている挿入手段を駆動させて前記ヒータを溶融槽に挿入配置する。これにより、溶融槽の高温雰囲気と溶融槽の外部雰囲気とをケーシング及び収納ケースで遮断した状態で、ヒータを交換できる。
【0014】
ヒータを収納ケースに収納させた後、収納ケースをケーシングから取り外す場合には、ケーシングに設けられている遮断手段で溶融槽の内部空間と外部空間とを遮断した後、ケーシングから収納ケースをヒータと一緒に取り外す。これにより、溶融槽は大気開放されないので過冷却されず、よって過冷却に起因する溶融槽の異常変形を防止でき、白金や煉瓦の割れ等の破損を防止できる。また、溶融槽が減圧脱泡槽の場合には、減圧状態が維持されるので、減圧脱泡槽の運転中に運転を阻害することなく減圧下でヒータを取り出すことができる。
【0015】
取り出したヒータを新しいヒータに交換する場合には、新しいヒータを収納ケースに収納し、この収納ケースをケーシングに装着した後、前記遮断手段による遮断を解除する。そして、挿入手段を駆動してヒータを溶融槽内に挿入配置する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る溶融槽及び溶融槽のヒータ交換装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0017】
図1の減圧脱泡システム10に適用された本実施の形態の減圧脱泡槽12は、サイフォン式の脱泡槽であり、その左端部には上昇管14が取り付けられ、この上昇管14の下端部は、溶解槽16に貯留されている溶融ガラスGに浸漬されている。また、溶解槽16にはスターラー18が設置され、スターラー18の回転駆動によって溶解槽16内の溶融ガラスGが攪拌される。
【0018】
減圧脱泡槽12の図1上右側には、下降管20が取り付けられる。下降管20の下端部は、貯留槽22の溶融ガラスGに浸漬されており、この貯留槽22にも、貯留槽22内の溶融ガラスGを攪拌するスターラ24が設置されている。
【0019】
減圧脱泡槽12内の溶融ガラスGの表面は、減圧脱泡槽12内に設置された本実施の形態の加熱装置50によって1000〜1450℃程度に加熱される。上昇管14、減圧脱泡槽12及び下降管20は、耐熱煉瓦28によって構成され、これらの耐熱煉瓦28は金属製のケーシング26によって収容されている。
【0020】
このように構成された上昇管14、減圧脱泡槽12及び下降管20は、真空ハウジング30に包囲され、この真空ハウジング30に減圧装置32が排気配管34を介して接続されている。減圧装置32によって減圧脱泡槽12が所定の減圧度に減圧されると、溶解槽16内の溶融ガラスGがサイフォンの原理によって上昇管14を介して減圧脱泡槽12内に導かれ、ここで脱泡される。脱泡された溶融ガラスGは、下降管20から貯留槽22に導かれた後、図示しない成形工程に導かれる。以上が減圧脱泡システム10の作用である。
【0021】
加熱装置50は、図2に示すように棒状に形成されたヒータ52、このヒータ52の基部を減圧脱泡槽12の外で支持するケーシング54等から構成される。ヒータ52は、減圧脱泡槽12の流路13に直交して配置されるとともに、その先端部52Aは、耐熱煉瓦製又はコンクリート製の板状支持板(支持部材)56の先端部56Aに載置されて支持されている。このように構成されたヒータ52は、図1に示すように減圧脱泡槽12において、溶融ガラスGの表面から所定量離間した位置で所定の間隔をもって複数設置されている。なお、本実施の形態のヒータ52は、炭化珪素(SiC)製等の電気ヒータである。
【0022】
ケーシング54は、図3に示すように遮熱部材58、ボールバルブ(遮断手段)60の本体ケーシング62、及び小ケーシング64等を連結することにより構成されている。ボールバルブ60は、レバー61によって開閉操作され、ヒータ52の使用時には開放され、ヒータ52の交換時には閉鎖される。
【0023】
小ケーシング64の右端開口部の周囲には、後述するソケット(収納ケース)92を装着するためのフランジ65が形成されている。また、小ケーシング64の右端開口部は、ヒータ52が正規の位置に取り付けられた図3の状態において、ヒータ52の基部52Bに固定されたヒータ連結板(遮断手段)66によって閉塞される。これにより、減圧脱泡槽12内の高温・減圧雰囲気と減圧脱泡槽12外の常温・大気圧雰囲気とがヒータ52の使用時において遮断されている。また、ヒータ連結板66には気密端子68、68が気密状態で貫通配置され、気密端子68、68を介して電極70、70がヒータ52のコネクタ72、72に接続されている。更に、ヒータ連結板66の左側面には絶縁スリーブ74が設けられ、この絶縁スリーブ74にヒータ52の基部52Bが嵌入されている。また、ヒータ連結板66の右側面にはスタッドボルト76が突設され、このスタッドボルト76は、ヒータ52を交換する際に使用される。
【0024】
ここで、減圧脱泡槽12の耐熱煉瓦28の温度、及びヒータ52の発熱部53の温度は1000〜1450℃という高温状態になる。この輻射熱をケーシング54が受けると、ケーシング54の温度は直ぐに数百℃まで達するという問題が起きる。このような問題は、特に応力状態の高いケーシング54に発生すると、クリープ破損又はケーシング54の短寿命化につながる。
【0025】
そこで、本実施の形態では、ケーシング54の図3上左端部を遮熱部材58で構成し、この遮熱部材58によってケーシング54の過熱を防止している。また、遮熱部材58のヒータ挿入用孔59の径を可能な限り小さくするべく、遮熱部材58をモルタル型耐火キャスター施工し、孔59の径をヒータ52の径に近づけることで、ヒータ発熱部53からバルブ60、気密端子68への熱輻射を大幅に低減している。この場合、ヒータ52と遮熱部材58との隙間は1〜20mm程度がよく、好ましくは約5mm程度が適切である。また、遮熱部材58のヒータ挿入側開口部58Aは、開口部58Aに当接されたヒータ52の先端部52Aを挿入用孔59にスムーズに導くためにテーパ加工されている。
【0026】
ヒータ52の場合、発熱部53の熱は溶融ガラスGに伝わるのみならず、熱伝導によりヒータ本体51が加熱されはじめる。発熱部53の温度が1400℃を超えると、バルブ60近傍のヒータ本体51の温度は500℃まで上昇することがあり、その結果、バルブ60の構成部品(樹脂製パッキン)が輻射加熱され破損する。特に減圧下では、パッキン類の破損は減圧解除につながる危険があるので、これを防止しなければならない。
【0027】
そこで、ヒータ発熱部53とバルブ60との間、バルブ60と気密端子68との間のケーシング54に複数本のジャケット水路78、78…を設け、これらのジャケット水路78、78…に冷却水を流すことにより、ケーシング54を水冷している。これにより、ヒータ本体51の熱は、ケーシング54を介して冷却水へ排熱されるので、バルブ60やパッキン類への熱伝導が軽減される。
【0028】
熱がバルブ60やパッキン類に伝達されるのを更に防止するために、ヒータ本体51に遮熱材80が巻き付けられる。この遮熱材80として、アルミナチューブや煉瓦等の剛性部材を適用できるが、ヒータ52の製作精度を高くすることが製造上困難であることとコスト低減のために、硬化材を含浸させたフェルト状断熱材が適用されている。ヒータ52と遮熱材80との交換性を向上させるために、ヒータ52と遮熱材80とは一体化させておくのが好ましい。
【0029】
ヒータ本体51を横、上、斜め方向から溶融ガラスGの近傍に設置する上で、ヒータ52の熱膨張によるヒータ52の移動により、ヒータ52が周囲金物等に接触して電気的に地落し、ヒータ52が破損する場合がある。これを防止するために、ヒータ52は固定する必要があるが、熱膨張の問題とヒータ52の製作精度が製法上±数mmになることによって容易でない。そこで、図4のようにヒータ基部52Bを絶縁スリーブ74に挿入し、絶縁スリーブ74内に配置された圧縮ばね82によってばね圧をヒータ52にかけることで、熱膨張をヒータ52の軸方向に逃がすことができ、周辺金物にヒータ52が接触することがなくなる。また、圧縮ばね82を用いることで、ヒータ52の軸方向の製作精度が±数mmずれても、この誤差を吸収できる。また、ヒータ本体51の直径方向の製作精度を吸収するために、ヒータ基部52Bの円筒は二分割されている。
【0030】
次に、前記の如く構成された加熱装置50の作用について説明する。
【0031】
ヒータ52の電極70からヒータ52に電流を流すと、発熱部53が発熱し、この発熱部53の輻射熱(1000〜1400℃の熱)が、減圧脱泡槽12の流路13を流れる溶融ガラスGに伝導される。これにより、減圧脱泡槽12内の溶融ガラスGの表面は、温度低下が防止されるとともに破泡可能な温度に維持されるので、溶融ガラスGの破泡が促進される。したがって、本実施の形態では、耐熱煉瓦28を使用した減圧脱泡槽12において、溶融ガラスGの脱泡量を向上させることができる。
【0032】
また、ヒータ52は、減圧脱泡槽12の流路13に対して直交方向に配設されるとともに流路13の幅全長にわたって配設されているので、流路13を流れる溶融ガラスGの表面をその輻射熱で均一に加熱できる。これにより、溶融ガラスGの脱泡量を更に向上させることができる。
【0033】
更に、ヒータ52は、その基端部52Bが絶縁スリーブ74に固定され、また、ヒータ52の中途部が遮熱部材58によって載置支持され、そして、先端部52Aが支持板56に支持されているので、即ち、ヒータ52全体を安定支持したので、片持ち支持に起因するヒータ52の折れ等の損傷を防止できる。
【0034】
また、支持板56によって、ヒータ52と溶融ガラスGの表面とを仕切ったので、溶融ガラスGから発生する水、SOx ガス、カーボン等の多種類の揮散物はヒータ52に付着しない。よって、揮散物付着に起因するヒータ52の使用寿命低下を防止できる。また、ヒータ52の熱は、支持板56を介して溶融ガラスGに伝導されるので、溶融ガラスGの表面は問題なく加熱される。
【0035】
次に、加熱装置50の交換装置90について説明する。この交換装置90は、ヒータ52の基端部52Bを収容するケーシング54を含み、このケーシング54、図5、図6に示すソケット92、及び抜出手段及び挿入手段であるワイヤ牽引装置94から構成される。
【0036】
ソケット92は、図5上左端部が開口された筒状ケーシングであり、その長さは、ヒータ52を収納できるようにヒータ52の長さよりも長く形成されている。このソケット92は、左端部の開口部がケーシング54側のフランジ65にねじ等で固定され、ケーシング54と気密状態で連結される。
【0037】
ワイヤ牽引装置94は、図示しないモータで駆動されるプーリ96を有し、このプーリ96がソケット92の右端下部に形成された凹部93に配置され、ヒータ52をソケット92に収納した際に、ヒータ52がプーリ96に干渉するのが防止されている。プーリ96に巻回されたワイヤ98は、プーリ96の上方に配置された従動プーリ100に巻き掛けられて左側方に方向転換され、その先端部98Aが、ソケット92の内周面に密着されているグランドパッキン102に固定されている。グランドパッキン102の中央部には開口部が形成され、この開口部の左側からスタッドボルト76の先端部が挿通され、そして、この開口部の右側からナット104をスタットボルト76に螺入することによって、グランドパッキン102がスタッドボルト76に固定される。これにより、ワイヤ牽引装置94とヒータ52とがスタッドボルト76を介して連結される。なお、ソケット92の左端部の一部外周面には、スタッドボルト76にナット104を螺入する作業を行うための開口部(図示せず)が形成される。また、この開口部には、開口部を気密状態で閉塞する蓋(図示せず)が設けられ、この蓋によって開口部は前記作業の終了後に閉塞される。
【0038】
ソケット92の左端部の下部には、ヒータ支持部材106が配置される。ヒータ支持部材106は、ソケット92の壁面に気密状態で貫通されたロッド108の上部に固定され、このロッド108を上下に操作することによって、ヒータ52から退避した位置(図5)とヒータ52を支持する位置(図6)との間で移動される。ロッド108の上下移動方法は、モータで行ってもよく手動で行ってもよい。
【0039】
ケーシング54とソケット92との間には、ケーシング54とソケット92の双方の空間を連通又は遮断させる小型のバルブ110が設けられている。
【0040】
次に、前記の如く構成された交換装置90の作用について説明する。
【0041】
まず、ケーシング54にソケット92を連結する前に、図4のボルト84を緩めてヒータ連結板66から取り外し、フランジ65に対するヒータ連結板66の固定を解除する。この時、ケーシング54内は減圧脱泡槽12と連通されて減圧状態にあるので、即ち、ヒータ連結板66はケーシング54に吸着された状態にあるので、ケーシング54からヒータ連結板66が脱落することはない。
【0042】
次に、図5の如くケーシング54にソケット92を連結する。そして、ソケット92の蓋(図示せず)を開き、スタッドボルト76にグランドパッキン102をナット104で連結する。連結後、前記蓋を閉めてソケット92内を気密状態に戻す。
【0043】
この後、小型バルブ110を開き、ケーシング54とソケット92の双方の空間を連通させ、ソケット92内を減圧状態にする。ソケット92内をケーシング54内と同じ減圧状態にしなければ、ヒータ52を減圧脱泡槽12から抜き出せないからである。
【0044】
次いで、プーリ96をモータで巻取方向に回転させると、ヒータ52がワイヤ98に牽引されてソケット92に向けて移動されていく。そして、ヒータ支持部材106の上方にヒータ52が位置したところでヒータ支持部材106を上昇させ、ヒータ支持部材106でヒータ52を支持させた状態でヒータ52の牽引を継続して行う。これにより、ヒータ52は、絶縁スリーブ74とヒータ支持部材106とに支持された状態で牽引されるので、破損することなく安定してソケット92に収納されていく。
【0045】
そして、ヒータ52の先端部52Aがバルブ60を通過したところで、バルブ60を閉じ、減圧脱泡槽12とソケット92とを遮断させる。そして、ヒータ52がソケット92内に完全に収納された図6の状態で、ヒータ52の取出作業が終了する。
【0046】
この後、小型バルブ110を閉じ、ソケット92内に大気又はガスを導入させ、ソケット92内圧力を大気圧にした後、ケーシング54からソケット92をヒータ52と一緒に取り外す。この時、バルブ60は閉じられているので、減圧脱泡槽12は大気開放されず、よって、大気で過冷却されないので、過冷却に起因する減圧脱泡槽12の耐熱煉瓦28の割れ等の破損を防止できる。また、減圧脱泡槽12は、減圧状態が維持されるので、減圧脱泡槽12の運転中に運転を阻害することなく減圧下でヒータ52を取り出すことができる。
【0047】
取り出したヒータ52を新しいヒータ52に交換する場合には、新しいヒータ52をソケット92に収納するとともに、新しいヒータ52のスタッドボルト76をグランドパッキン102に連結する。次に、ソケット92をケーシング54に連結した後、バルブ60を徐々に開放していく。これにより、差圧の作用によってヒータ52が、減圧脱泡槽12側に吸引されるとともに交換装置90のグランドパッキン102にガイドされながら挿入されていき、結果としてヒータ52が図3の如く減圧脱泡槽12の正規の位置に取り付けられる。なお、絶縁スリーブ74がヒータ支持部材106に衝突する前に、ヒータ支持部材106を下降移動させておくことはいうまでもない。この後、図4のボルト84でヒータ連結板66をケーシング54のフランジ65に締結する。以上の操作によって、ケーシング54内圧力を解除することなくヒータ52を交換することができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、サイフォン式の煉瓦製減圧脱泡槽12にヒータ52を適用した例について説明したが、これに限られるものではなく、水平式の脱泡槽、白金製の減圧脱泡槽のような他の減圧脱泡槽にもヒータ52を適用してもよい。
【0049】
また、本実施の形態では、ヒータ52の抜出手段と挿入手段とをワイヤ牽引装置94で兼用したが、これに限られるものではなく、ワイヤ牽引装置94はヒータ52の抜き出し専用に使用し、そして、挿入手段を別個に設け、この挿入手段でヒータ52を減圧脱泡槽12に挿入配置させてもよい。ヒータ52の挿入手段としては、ヒータ52を把持する把持手段、把持手段を挿入方向に駆動する駆動手段等からなる挿入手段を適用できる。
【0050】
本実施の形態では、溶融ガラスGを脱泡するための減圧脱泡槽に本発明のヒータを適用した例について説明したが、溶融ガラスGや溶融金属が貯留される溶融槽に本発明のヒータを適用してもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように本発明に係る溶融槽によれば、溶融槽内の高温溶融物の表面を所定の温度に加熱するヒータが設けられているので、高温溶融物の表面温度の低下を防止でき、よって高温溶融物が溶融ガラスの場合には破泡を促進できる。また、本発明は、溶融槽にヒータの交換手段を設けたので、ヒータの交換を行うことができる。
【0052】
本発明に係る溶融槽のヒータ交換装置によれば、ヒータの基端部を収容しているケーシングの開口部に収納ケースを装着し、収納ケースに設けられている抜出手段を駆動させてヒータを溶融槽から抜き出し、又は、収納ケースに設けられている挿入手段を駆動させてヒータを溶融槽に挿入配置したので、溶融槽の高温雰囲気、減圧雰囲気と溶融槽の外部雰囲気とをケーシング及び収納ケースで遮断した状態で、ヒータを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る減圧脱泡槽が適用された減圧脱泡システムの構造図
【図2】図1の減圧脱泡槽の2−2線に沿う断面図
【図3】図1の減圧脱泡槽に設置されたヒータの断面図
【図4】図3のヒータの要部拡大断面図
【図5】ヒータの交換手順を示す説明図
【図6】ヒータの交換手順を示す説明図
【符号の説明】
10…減圧脱泡システム、12…減圧脱泡槽、50…加熱装置、52…ヒータ、54…ケーシング、58…遮熱部材、60…ボールバルブ、66…ヒータ連結板、74…絶縁スリーブ、78…ジャケット水路、80…遮熱材、90…交換装置、92…ソケット(収納ケース)、94…ワイヤ牽引装置
Claims (3)
- 高温溶融物が貯留された溶融槽に設けられるとともに該溶融槽内の高温溶融物の表面を所定の温度に加熱するヒータであって、溶融槽の壁面に形成された貫通孔を介して溶融槽内に挿入配置されたヒータの交換装置において、
前記溶融槽の貫通孔に連結されるとともに、該貫通孔から溶融槽の外側に突出配置されたヒータの基端部を収容し、溶融槽の内部空間を溶融槽の外部空間から遮断する遮断手段を備えたケーシングと、
該ケーシングの開口部に装着されて溶融槽の内部空間を溶融槽の外部空間から遮断するとともに、ヒータを収納可能な収納ケースと、
該収納ケースに設けられ、該収納ケースに収納されたヒータを前記溶融槽に挿入配置する挿入手段と、
を備えたことを特徴とする溶融槽のヒータ交換装置。 - 前記収納ケースには、前記ヒータを溶融槽から抜き出して前記ケーシングの開口部を介して収納ケースに収納させる抜出手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の溶融槽のヒータ交換装置。
- 前記挿入手段、及び前記抜出手段がワイヤ牽引装置であることを特徴とする請求項2に記載の溶融槽のヒータ交換装置。
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