JP4079593B2 - 特に板貫通形椎骨ねじ止めの際の使用のための骨締結ねじ - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、少なくとも部分的にねじ山を備えたシャフト、並びに少なくとも１つの端部に形成された、工具作用部を備えた頭部を有する、特に板貫通形（translaminarer）椎骨ねじ止めの際の使用のための骨締結ねじに関する。
【０００２】
板貫通形ねじ止めは、腰脊柱における補強手術（脊椎固定術）（Spondylodesen）、および損傷の手術による処置の領域において、おおよそ２０年来使用されてきた。この板貫通形ねじ止めの原理は、椎間関節の定着（Blockierung）によって起こる椎骨の間での運動を骨締結ねじを使って阻止することに在り、そして結果として、腰脊柱の当該の部分の上記の構成によって達成された固定によって、脊椎固定術の固定あるいは損傷の治癒が保証される。これらのねじは、椎骨のとげ状突起の一方の側で入り、相互の板（Lmina）によって引張り、椎骨間の関節を横断し、且つ下部の椎骨の横突起の基底内に終わる。その場合、このねじの自由端部は、椎骨の横突起の基底の腹腔尾側の（ventrokaudalen）境界部の中にあり、そこではしかし突き出してはならない。
【０００３】
椎骨の背中の構造内における板貫通形ねじの位置決めのために、場所は僅かに得られるだけである。解剖学上の理由から、解剖学的および機械的の観点で最も有利なねじ位置に関して非常に僅かな許容差が、存在する。理想位置からのただ僅かな誤差により、当該のねじの有効性が迅速に減少する。この理由から、ねじを位置決めするために、特別の照準器の使用が推奨されている。
【０００４】
椎骨内において、それぞれただ一つの理想位置が、両方の板貫通形ねじのそれぞれのために存在することの事実から、上部の椎骨のとげ状突起の領域内で、即ち、ねじが骨内へ使用される領域内で、このねじが交差する領域内で、およびこのねじが互いに並列して設けられる領域内で、両方のねじが理想的に位置決めされず、従って第１のねじの装着の際にすでに、第２のねじの位置が考慮されねばならないという問題が生じる。さもなければ、第２のねじにとって、ますます非常に不利な位置決めの可能性が残るだけである。特に第５腰椎において、遊び空間は僅かに得られる。
【０００５】
これらのねじは、原理的には、椎骨関節部を定着するピンのように作用する。滑らかなピンが、骨内において滑り、且つ他方で意のままならないので、従来、一貫したねじ山を有する通常の骨締結ねじが、使用されてきた。しかしこのことは、若干の欠点を有している。即ち、比較的堅い骨の際にねじ山は、予切削されねばならず、このことは手数のかかることであり、且つ神経損傷の危険を高める、等の欠点を有している。機械的な強度値に関して寄与しないねじ山であるという理由で、このねじの外径は、不必要に大きい。椎間関節の領域において要求される治癒経過の数ヶ月の間に、ねじ軸線に対して横方向に整向された力が、ねじおよびこのねじの支承部に多量に作用するので、この支承部は、鋭利なねじ山エッジ部によって時間と共に破壊される。ねじはまた、つられて強固に締付けられる。この板貫通形ねじのねじ山は、一貫して、即ち椎骨のとげ状突起内およびそれによって引き続いて板へと予切削されているので、ねじの強固な締付けによって、椎骨のとげ状突起が折れる。従来の板貫通形ねじの重大な欠点は、これらのねじが、椎骨のとげ状突起内で互いに並列して設けられねばならず、且つここで、場所は余裕が無いので、第１のねじの位置決めの際、既に第２のねじの位置決めが考慮されねばならないことにある。もしも考慮がなされない場合、ねじは、解剖学的および機械的な点で有利な状態が得られる。要するに、この椎骨のとげ状突起は、２つの互いに並列して設けられたねじ通路によって弱められる。このことは、付加的な荷重を収容する部材、例えば骨削り屑が、椎骨のとげ状突起の間に挟み込まれる場合、不利な結果を生む。この慣習的な従来のねじの突出た頭部は、埋設された配置を不可能にする。これらのねじは、後に再び除去されねばならない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、冒頭に記載した様式の骨締結ねじを、この骨締結ねじが骨の損傷無しにねじ込まれ、更に軸線方向および回転方向における固定が保証され、且つ適用技術の改善が達せられるように形成することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記の課題解決のために本発明により、
シャフトが、頭部の方を向く端部分に、ねじ山を備えた領域を有し、且つこのねじ山を備えた領域に続くこのシャフトの残りの領域が自由端部に至るまでねじ山が無く形成されていること、
この頭部が、少なくともほぼねじ山の外径に相応する直径を有し、且つ内側工具の作用部を備えていること、および、
ねじ山を有するシャフトの領域及び／またはシャフトのねじ山の無い領域が、非円形状に形成され、等辺幅の様式、例えば三葉形状によって形成され、あるいは多角形状に形成されていること、及び／または隆起部及び／または凹部を有していること、および、
シャフト上のねじ山が、自己でねじ溝を形成するように、及び／または自己でねじ切りするように構成されていることが提案される。
【０００８】
シャフトの部分領域におけるねじ山の形成により、および大きなねじ山の無い領域により、比較的大きな谷径の場合に骨壁部の破損は、非常に僅かに保持される。即ち、このねじ山は、ただ軸線方向における骨締結ねじの摺動を阻止するために設けられている。その際に更に加えて、ねじ山を有する領域及び／またはねじ山の無い領域が、非円形状、等々で形成されている場合、弾性的に変形可能な骨の弾性的な適合によるねじの据付けの直後に、初めから且つ後になって再生してくる骨によって、骨材料と骨締結ねじの表面の間の形状一体状態は、達成される。従って、この新しいねじは、既に初めから且つ次いで増大して、通常は従来の骨締結ねじの場合に繰返しの負荷変動の結果として生じる自動的な回転外れに抗して、阻止される。更に、頭部の特別な構成により、この本発明による骨締結ねじは、埋設可能であり、従って障害となる突出しが無い。従って、ねじ込みの際に頭部が骨部分に載るような場合に、危険な骨折の事態の状態になることも無い。
【０００９】
骨締結ねじの誤回転防止のために、大きな力は必要でないので、形状一体化が、弾性的な変形および再生してくる骨組織によって達成する。従ってしかし、骨締結ねじの後における除去の可能性も与えられる。何故ならば、この形状一体化が、骨締結ねじの回転方向への力作用によって、問題なくこの形状一体化を終結させるからである。
【００１０】
本発明による構成により、２つの適用技術が可能となる。十分な場所が存在する所では、これらのねじは従来の様式で移植され、即ち、椎骨のとげ状突起の表面にゆとりを持って存在する頭部片の状態で、および椎骨のとげ状突起内において交差するように移植される。第２の、即ち多くの場合に比較的有利な技術として、先ず第１に、そのねじの頭部が埋設される比較的短いねじを使用することが可能である。その場合に、この第２のねじは、第１のねじの位置にかまわず、移植される。この技術の利点は、最も有利な解剖学的および機械的なねじ位置に関して、妥協の余地が無いことにある。両方のねじは、最適に位置決めされる。
【００１１】
このような骨締結ねじにおいて、ねじ山がシャフト上で自体で溝を形成するように及び／または自体で切削するように形成されているような場合には、有利である。
【００１２】
特別な実施例では、シャフトのねじ山の無い領域が、円筒形あるいは円錐形に形成されており、その際、ねじ山を有するシャフトの領域が、非円形状に形成され、等辺幅の様式、例えば三葉形状によって形成され、あるいは多角形状に形成されていること、及び／または隆起部及び／または凹部を有している。ねじ山の短い領域が、例えば三葉形状に形成されているような場合には、誤回転防止にとって十分である。その他に、その際に更に、骨締結ねじのねじ込み、および従ってねじ山の形成も、骨の穿孔内において、容易に行われる。このような実施形態は、骨締結ねじの深くねじ込まれた領域において、骨材料の円筒形の領域に当接の状態になることができ、従ってこの場合、誤回転を妨害する形状一体化が行われないので有利である。このことは、骨締結ねじの後における取外しおよび捩じり出しにとって有利である。
【００１３】
本発明の領域内において、しかし同様に、ねじ山およびシャフトが、この領域において円筒形に形成されていることは可能であり、その際、ねじ山を有する領域に隣接する、シャフトのねじ山の無い領域が、非円形状に形成され、等辺幅の様式、例えば三葉形状によって形成され、あるいは多角形状に形成されていること、及び／または隆起部及び／または凹部を有している。このような実施形態は、例えばその際、深く位置している骨材料あるいは骨組織が、再生してくる材料に関してあまりに強固でない場合に可能である。誤回転防止のために、同様にこの実施形は有利であり、その際にしかしながら常に、骨締結ねじの捩じり出しの必然的な可能性も、周知でなければならない。この場合に他方また、軸線方向の固定のために、このねじ山を有する領域も、設けられている。
【００１４】
更に、ねじ山を有するシャフトの領域が、直接的に頭部に隣接して設けられていることが提案される。このねじ山があまりに深く骨の中へと形成されるべきでないような場合には、骨を損傷しないで使用するために、特に有利である。従って、骨締結ねじの装着の際、大部分に関しては、一種の押込みで十分である。
【００１５】
形成された穿孔の全長さの上に、互いに結合されるべき骨部分の完全な定着を行うために、シャフトのねじ山の無い領域の外径が、少なくともほぼねじ山を有する領域の谷径に相応するように構成される。即ち、骨締結ねじの全長さにわたって均等な支持部が、穿孔壁に与えられ、その際、ねじ山は付加的に穿孔壁内へと、軸線方向への摺動阻止として噛み合う。
【００１６】
骨締結ねじの軸線方向の固定を達成するために、ねじ山のかみ合いの短い領域も既に十分であるので、ねじ山を有する領域の軸線方向の長さが、シャフトのねじ山の無い領域の軸線方向の長さよりもより短いことが提案される。
【００１７】
骨締結ねじの埋設可能な頭部の結果として、内側工具の作用部が考慮の対象になるので、骨締結ねじの後における捩じり出しの必要性のために配慮されねばならない。工具の挿入の際にそのことだけで、骨材料等々が内側工具の作用部内へと侵入することは、繰返し生じていることである。従って、この内側工具の作用部が、頭部においてこの内側工具の作用部の最も深い境界部に付加的な切欠き部あるいはポケット形の凹部を有することが提案される。上記のことにより、工具のかみ合いが障害されないように、このような故意でない内側工具の作用部内に達する材料を収容可能にするため、小さな収容空間が形成される。
【００１８】
他の実施形の可能性では、頭部が、この自由端部に、頭部の外径に比べてより小さい直径を有する環状のカラー部を備えるように構成している。この有利な構造により、このような骨締結ねじの比較的良い操作可能性を顧慮して、新しい可能性は、相応する工具との協動作用において、しかしまた、場合によっては配置されるべき保護部材あるいはカバーキャップとの協動作用において得られる。
【００１９】
その際、しかし断面の弱化を誘起しないために、環状の部分の軸線方向長さが、頭部の全長さの半分より少ない長さ、特に頭部の全長さの３分の１より少ない長さであることが提案される。
【００２０】
有利な構成では、この環状の部分が工具上に載置された環状継ぎ手に適合されており、この環状継ぎ手は捩じり工程の際に頭部の環状の部分を囲繞するように構成されている。上記のことによって、ねじ込まれるべき骨締結ねじの最適な保持が工具において可能となり、従って骨締結ねじによる精確な目標が、達せられる。このような環状継ぎ手によって、骨締結ねじは、この骨締結ねじが骨の穿孔内へと挿入されるまで、失われることなく工具に保持される。上記のことによってその他に、この環状のカラー部は、工具および従ってまた継ぎ手を引出すまで、汚染物および沈殿物の無い状態に保持される。
【００２１】
骨締結ねじの比較的容易な挿入が、準備された穿孔部分内へと可能となるために、シャフトのねじ山の無い領域の自由端部に、例えば円錐台形あるいは半球形に先細りの部分が形成されていることが提案される。
【００２２】
付加的な実施形態は、力一体的及び／または形状一体的に頭部上に載置可能な、内側工具の作用部の閉鎖のためのカバーキャップを備えている。それと共に、この内側工具の作用部の自由な空間は、骨締結ねじの後において再び必要な捩じり出しのために自由に保持される。従って、この再生してくる骨材料も、内側工具の作用部のこの領域内へと進入しない。
【００２３】
この関連において、このカバーキャップは、頭部への方向へ指向する環状に延在するウエッブを有し、このウエッブが、頭部のより小さい直径の環状のカラー部上に押込み可能であるような場合には、有利である。これに伴って、カバーキャップの最適な保持が保証され、且つその他に、環状のカラー部も、再生してくる骨材料から自由に保持される。このようなカバーキャップの除去の後、すぐに再びこの工具は、環状継ぎ手との協動で取付けられる。
【００２４】
その際に、カバーキャップの外径が、頭部の外径に少なくともほぼ等しいような場合には、有利である。上記のことは、実際に穿孔に適合している部分が使用されるので、骨締結ねじの装着の後におけるカバーキャップの取付けを容易にする。これによってもちろん、カバーキャップを後に除去することも容易になる。
【００２５】
他の実施形態によれば、このカバーキャップは、軸線方向で見て両方の側に向かって横へ突き出している、環状に延在したウエッブを有している時に、その場合、このようなカバーキャップも工具によって骨締結ねじの頭部の自由端部上に差込むことができる可能性が得られる。他方の側に横へ突き出している環状のウエッブによって、この工具の端部は囲繞され、その場合、この工具によってこのカバーキャップは、穿孔内に自体埋設されて存在する頭部上に押圧される。
【００２６】
骨締結ねじの頭部上にこの骨締結ねじのねじ込みの後に取付けられるカバーキャップとの関連において、後のカバーキャップの引出しあるいは除去のための最適な解決策も、提案される。この解決策は、このカバーキャップがその中心に基準破断位置、及び／または例えば円錐形あるいは角錐形の尖端部を有する工具の使用の際に開口部を形成するための基準破断線を介して扇形に結合する部分を有することで得られる。従って、簡単な方法で工具が収納され、この工具によってこのカバーキャップは、貫通される。矢じりのフックの様式によって、カバーキャップは、この工具をこのカバーキャップの中心領域内において後方から固持され、その際、工具の引き戻しによって、このカバーキャップが頭部から引出される。その場合に更に、この工具は、わずかに骨締結ねじの内側工具の作用部に対して使用されているだけであり、これに基づいてこの骨締結ねじが、再び捩り出しされる。その際に、カバーキャップの引出しの後に、内側工具の作用部だけでなく、環状のカラー部も堆積物無しに、自由に取扱い可能である。
【００２７】
カバーキャップが、この外側境界部に一つまたは多数の溝状の凹部を有している場合、このカバーキャップ自体の失われることの無い状態が、骨締結ねじの頭部上に載置される位置において保証される。直ぐにこの再生してくる骨材料も、形状一体的にこの、あるいはこられの溝状の凹部内へと食込み、且つ骨に対するおよび従ってもちろん同様に骨締結ねじに対する、後における軸線方向の摺動が、阻止される。
【００２８】
他の実施形態は、骨締結ねじの埋設された装着の後に穿孔の解放されている部分を少なくとも部分的に充填する、弾性的な、組織に合う、非吸収性の材料から成るプラグを特徴とする。たとえ長い時間の後にこの骨締結ねじが再び除去されるべき場合でも、常にこの方法で、取扱い可能性がねじ頭部に対して保証される。従って、穿孔の拘束の無い領域が侵入する骨組織によって癒合し、且つ従って実際に閉鎖されることも、防止される。
【００２９】
他の構成は、骨締結ねじの内側工具の作用部内へと挿入可能な工具を備えており、この工具上に同軸にスリーブが載置されており、このスリーブは少なくとも、骨締結ねじの頭部の軸線方向長さの大部分を同軸に囲繞して収容していることを特徴とする。この構成によって、骨締結ねじの最適な整向状態および保持が、ねじ込みの際に達せられる。これに伴って、ねじと工具の間の傾倒は、ねじ込みの際に排除されるべきである。
【００３０】
【発明の実施の形態】
他の特徴および利点は、図において図示された実施例を基にして、以下の記載において更に詳細に説明される。図１に図示された骨締結ねじ１は、特に板貫通形椎骨ねじ止めに際の使用のために形成されている。この骨締結ねじ１は、少なくとも部分的にねじ山２を有するシャフト３、並びに工具作用部５を有する少なくとも１つの端部に形成された頭部４から成っている。このシャフト３は、頭部４に向いた端部分に、ねじ山２を有する領域Ａを備えている。自由端部までのシャフト３の残りの領域Ｂは、ねじ山が無く形成されている。この頭部４は、少なくともほぼねじ山２の外径ＤＡに相応する直径ＤＫを有している。更に、この頭部４は、内側工具の作用部５を備えている。
【００３１】
このシャフト３のねじ山の無い領域Ｂは、円筒形に形成されており、且つシャフト３のねじ山２を有する領域Ａが、等辺幅の様式、特別の場合にここで、三葉形状の断面を有している。
【００３２】
ねじ山２を有するシャフト３の領域Ａ及び／またはシャフト３のねじ山の無い領域Ｂが、非円形状に形成され、等辺幅の様式、例えば三葉形状によって形成され、あるいは多角形状に形成されていること、及び／または隆起部及び／または凹部を有していること、はしかし基本的に可能である。従って即ち、このねじ山２およびシャフト３も、この領域Ａにおいて円筒形に形成されており、その際、シャフト３のねじ山２を有する領域Ａに隣接するねじ山の無い領域Ｂが、このねじ山の無い領域の全長さにわたって、あるいはしかし一つまたは多数の部分区間にわたって、非円形状に形成され、等辺幅の様式、例えば三葉形状によって形成され、あるいは多角形状に形成されていること、及び／または隆起部及び／または凹部を有している。有利には、このシャフト３上のねじ山２は、自体で溝を形成するように及び／または自体で切削するように形成されている。
【００３３】
このねじ山２を有するシャフト３の領域Ａは、直接的に頭部４に隣接して設けられている。この骨締結ねじ１の特別な特徴は、シャフト３のねじ山の無い領域Ｂの外径ＤＧが、ねじ山２を有する領域Ａの谷径ＤＫに、少なくともほぼ適合することである。このねじ山２を有する領域Ａの軸線方向長さが、示された実施例の場合、シャフト３のねじ山の無い領域Ｂの軸線方向の長さよりもより短い。
【００３４】
骨締結ねじ１の頭部４が、内側工具の作用部５を備えていることは、既に述べられている。偶然に、この内側工具の作用部５内へと落ち込む骨の残余、等々を収容するために、内側工具の作用部５は、この内側工具の作用部最も深い境界部に付加的な切欠き部あるいはポケット形の凹部６を有する。この頭部４は、この自由端部に、頭部４の外径Ｄ１に比べてより小さい直径ＤＢを有する環状のカラー部７を備えている。この環状のカラー部７の軸線方向長さＬが、頭部４の全長さＫの半分より少ない長さ、特に頭部４の全長さＫの３分の１より少ない長さである。この環状のカラー部７は、カバーキャップ１８の更により良い付着のために、波状起伏あるいは粗面化部を備えている。更に、この環状のカラー部７の本質は、詳しく説明される。シャフト３のねじ山の無い領域Bの自由端部に、円錐台形に先細りの部分１７が、形成されている。これによって、この骨締結ねじ１は、比較的容易に準備された孔内へと挿入される。
【００３５】
この骨締結ねじ１は、金属から、例えば不銹鋼、チタン、タンタル、ＣｏＣｒ合金から、あるいは他の金属から形作られる。しかし、重合体および適当な強化ファイバーで、あるいはしかもセラミック材料で形成されている合成材料から成る製造物も有利である。複合材料から成る製造物に場合、有効な方法において、高いレントゲン線吸収能を有する材料から成るファイバー及び／またはファイバー状の材料が使用され、即ち例えば、タンタル、タングステン、金、白金、等々が使用される。これらのファイバーの適当な整向および量によって、使用された骨締結ねじのレントゲン線可視性も、調整可能である。この記載されている骨締結ねじは、医療技術の他の領域のために使用可能であり、即ち極めて大きな領域が使用される固定部材の長さにわたって、ねじ山の成形によって傷つけられないことが特別に重要である領域で使用可能であり、且つ誤回転防止および軸線方向の固定が保証されていること、および頭部が埋設されて設けられることが重要である領域で使用可能である。
【００３６】
通常はまず第1に、穿孔機を用いて当該の骨領域において、穿孔部が、骨締結ねじ１のその後の収容のために形成される。板貫通形ねじ止めの場合、穿孔部を予め空けることは、照準器なしで十分に可能であるが、しかし推奨されることはない。狭い椎骨関節部内への骨締結ねじ１のねじ込みの後、これら骨締結ねじは、完全に埋設されて設けられる。ねじ山２の三葉形状の断面により、迅速に再生してくる骨組織の結果として、誤回転防止は、達成される。このねじ山２は、自体で軸線方向への摺動に抗して固定をもたらす。
【００３７】
図３から明らかなように、板貫通形ねじ止めの際に使用も必要であり、これらの使用の際にまた第２の骨締結ねじ１を第１のねじによる妨害無に最も有利な位置に位置決め可能とするために、第１の骨締結ねじ１を異なる深さに埋設することが必要である。その場合にまず第１に、穿孔部が、第１の深く埋設されて設けられるべきねじのために形成され、且つこのねじがねじ込まれる。次いで、第２の穿孔部は形成される。そこでしかし、直ぐにこの第２のねじは使用されず、むしろ先ず第１に、第１の穿孔部３２のねじの頭部の後ろの開放されている領域が、図１７からも明らかなようにプラグ２７を用いて充填される。このプラグは、基本的には円筒形の部材として形成されており、このプラグがこの一方の端部に突起部３４を有し、その内側工具の作用部をねじ込みの前に組織材料から保護するために、この突起部が骨締結ねじの頭部４の内側工具の作用部５内へと噛み合う。このプラグ２７は、弾性的な、組織に合う、非吸収性の材料、例えばシリコーン弾性ゴムから成る。しかし、弾性的な／可塑的な材料の使用も可能である。このプラグ２７の使用の後、このプラグは、弾性的な材料の結果として、ねじの内側工具の作用部５の開口部内へと最適に噛み合い、プラグ２７の第２の穿孔部を交差する領域を、例えばリーマを用いて突き通され,且つそこで第２のねじが使用される。即ち、この第２のねじは、プラグ２７を横切って使用され、あるいはしかし、これらのねじが一つの面の中に存在せずあるいは直接的に交差せずに設けられる場合には、このプラグと側方で並んで使用される。最初からこのプラグ２７は、通常はあまりに大きな長さを有しており、且つ次いで第２のねじの装着の後に長さを短くされ、即ちプラグの自由に突き出た領域が分離される。この第２のねじが、ほんの少しだけあるいは実際的に全く埋設されないで設けられる場合には、このねじ上に、一種のカバーキャップ２６が載置される。このカバーキャップ２６は、全く異なる方法で構成され得る。従って、実施形態を、図１０による構成と同じように行うことが可能であるか、あるいは図１６による実施形態、あるいは同様にプラグ２７の場合のような同一の材料を使用する実施形態を行うことが可能である。図１６による構成の場合、骨締結ねじ１の内側工具の作用部５内へと噛み合う領域３５が設けられており、この噛み合う領域は、例えば、使用の後に内側工具の作用部５の内側壁に弾性的にばね作用を行うように当接する２つの部分を有している。これによって、このカバーキャップ２６は、骨締結ねじ１の内側工具の作用部５を、および場合によっては生じる第２の骨締結ねじの収容のための穿孔部の拘束の無い領域を閉鎖する。
【００３８】
図７から図９までで明らかなように、環状のカラー部７は、工具１１上に載置されている、捩じり工程の際に頭部４の環状のカラー部７を囲繞する環状継ぎ手１０に適合されている。従って、骨締結ねじが作用部１２自体によって軸線を同一に整向され、且つ同軸にそれに対して設けられた環状継ぎ手１０によって保持されるところで、この骨締結ねじ１は、ねじ込み工程の以前に工具１１に取付けられる。これらの作用部１２の作用リブ１５は、骨締結ねじ１の内側工具の作用部５の深さよりもより短く形成されており、即ちこの場合、取り囲んでいる溝１４が形成される。従って、作用部１２が、内側工具の作用部５内へと完全に挿入されないような場合にも、特別に柔軟な力の導入が可能となる。作用部１２の比較的容易な挿入を可能とするために、この内側工具の作用部５内の作用リブ１６は、自由端部に向かって傾斜面１３を備えている。
【００３９】
図１０から１２までは、力一体的及び／または形状一体的に頭部４上に載置可能な、内側工具の作用部５の閉鎖のためカバーキャップ１８を示している。このカバーキャップ１８は、頭部４への方向へ整向された環状に延在するウエッブ１９を有し、このウエッブが、頭部４のより小さい直径ＤＢの環状のカラー部７上に押込み可能である。カバーキャップ１８の外径Ｄは、頭部４の外径Ｄ１に少なくともほぼ同一である。このカバーキャップ１８が、工具２０またはこのような工具２０の突起部２１によって簡単な方法で骨締結ねじ１に載置されるために、このカバーキャップ１８は、軸線方向で見て両方の側に向かって横へ突き出している、環状に延在したウエッブ１９および２２を有している。このカバーキャップ１８は、この外側境界部に、一つまたは多数の溝状の凹部２３を有する。骨締結ねじ１の頭部４上にカバーキャップ１８の載置の後、この迅速に再生してくる骨組織も、この、あるいはこられの溝状の凹部２３内へと侵入し、且つ従ってまた付加的に、カバーキャップ１８をこの頭部４に対するカバーキャップの位置に固定する。
【００４０】
図１３および１４は、カバーキャップ１８の特別な形成、およびその際に使用可能な工具２４を示す。このカバーキャップ１８は、その中心に基準破断位置、及び／または例えば円錐形あるいは角錐形の尖端部２５を有する工具２４の使用の際に開口部を形成するための基準破断線を介して扇形に結合する部分を有する。従って、若干の時間の後、骨締結ねじ１が再び除去、即ち捩り出されるべき場合、この工具４は挿入され、その際この工具２４の自由端部の尖端部２５が、カバーキャップ１８を、そのカバーキャップの中心において突き通る。この工具２４の矢じりのフック形の構成は、カバーキャップ１８が骨締結ねじ１の頭部４からこの工具自体を引き戻す際に引き出されることをもたらす。その場合に、カバーキャップ１８の除去の後、簡単な方法で作用部１２と環状継ぎ手１０を有する工具１１が、取付けられる。何故ならば、この工具１１の作用部のための全てのこの領域が、カバーキャップ１８によって閉鎖されており、且つそこで再び取り扱い可能になるからである。カバーキャップの突き破りは、直接的にねじ回しを用いても可能であり、従って、この骨締結ねじは、カバーキャップを除去すること無しに捩り出しされる。
【００４１】
図１５による構成の場合、骨締結ねじ１をねじ込むための工具１１の特別な様式が重要である。この場合、このねじの頭部４の直径は、しかもその上更にねじ山２の外径よりも幾分より小さく形成されている。ここで、ねじの内側工具の作用部５内へと使用可能なこの工具１１は、スリーブ２８によって同軸に囲繞されている。このスリーブ２８は少なくとも、ねじの頭部４の軸線方向長さの大部分を同軸に捕捉し、且つ従ってねじのために強固な保持を行う。これによって、このねじと工具１１間の軸線方向の整向は、最適になる。肩部３３を用いて、このスリーブ２８は頭部４の自由端部に支持される。このスリーブの後方の端部は、工具１１に突き出しているカラー部２９、等々によって、当接される。これに伴ってこのスリーブ２８は、常に工具１１に関して正しく位置合わせされており、従って、一定の噛み合いも内側工具の作用部の領域において保証される。カラー部の配置の代わりに、この工具１１が相応するストッパを備えること、従って例えばこのストッパ領域から直径においてより大きく形成することも可能である。その場合に、例えばスリーブ２８およびスリーブ上に続く工具の部分は、同一の外径を有することができる。ねじの頭部４を直接的に囲繞する、スリーブ２８の部分３０は、特別な構造によって、スリーブ２８の残りの部分よりも幾分より薄い。これによって、この部分３０は外径がそれ程大きくなく、従って、形成されるべき穿孔部が基本的にねじのシャフト領域のための穿孔部よりもより大きくする必要はない。穿孔部の領域におけるスリーブ２８の自由端部の比較的良い挿入のために、スリーブ２８の部分３０の自由端部が保持部３１を備えているような場合には、有利である。
【００４２】
比較的に簡単な装着を、極めて大きなスラスト力無しに骨領域において可能とするために、図１５による工具の使用の際、他の穿孔技術が使用される。その場合まず第１に、穿孔部が、ねじのシャフト領域に対して適合の状態で形成される。これによって、穿孔部の必要な深さの正確な選択が可能となる。ねじ１の最適な装着のために、特に図１５による工具との関連で、しかしながら一種の段付き穿孔が有効である。その場合に従って、第２の穿孔ステップとして、一種の段付き穿孔機が使用される。主穿孔の穿孔直径に適合された円筒形のピンに対して、このスリーブ２８の直径にあるいはまさに比較的大きなねじの頭部に適合されている穿孔部分が、後に続く。
【００４３】
本発明の範囲内で、他のねじ山とシャフトの組合せも可能である。全く特別なねじ山の様式も、使用される。異なるねじピッチを有する２つのねじ山部分、あるいはそのねじ部分の経過においてねじピッチが変化するねじ山部分も可能である。更にこのことは、誤回転防止のためおよび長手方向の固定のための付加的な実施形を形成する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 拡大された図示における、骨締結ねじの図である。
【図２】 平面図における椎骨関節部を有する椎骨を示し、その際、おおよそ使用された骨締結ねじの状態が明らかな図である。
【図３】 平面図における椎弓の部分領域の、図２に比べて拡大された図示を示し、その際、おおよそ使用された骨締結ねじの状態が明らかであり、且つその際、穿孔の開放されている領域内に、プラグが使用されている図である。
【図４】 骨締結ねじのシャフトのねじ山を有する領域の、図１に比べて拡大された図示である。
【図５】 図４における、Ｖ−Ｖ線に関する断面図である。
【図６】 骨締結ねじの頭部上の平面図である。
【図７】 骨締結ねじの回転のための工具の側面図である。
【図８】 骨締結ねじの頭部の領域を拡大して図示した図である。
【図９】 骨締結ねじの頭部に使用された工具と共に図示した図である。
【図１０】 縦断面図の図示における、頭部上に載置可能なカバーキャップの図である。
【図１１】 載置されたカバーキャップを有する頭部の領域を通る断面図である。
【図１２】 工具の自由端部に載置されたカバーキャップを有する、カバーキャップの載置の際に取扱うための工具の図である。
【図１３】 カバーキャップの捩じり出しのための工具の図である。
【図１４】 カバーキャップを貫通した後の、且つカバーキャップを引出す前の使用における、図１３に従う工具の図である。
【図１５】 骨締結ねじのねじ込みのための工具の、他の実施形態の図である。
【図１６】 ねじの頭部上に載置可能なキャップの別の実施例の図である。
【図１７】 そのプラグが図３に従う例の際の使用の状態になるような、プラグの図である。

Claims (19)

1. 少なくとも部分的にねじ山を備えたシャフト、並びに少なくとも１つの端部に形成された工具作用部を備えた頭部を有する、特に板貫通形椎骨ねじ止めの際の使用のための骨締結ねじにおいて、
   シャフト（３）が、頭部（４）の方を向く端部分に、ねじ山（２）を備えた領域（Ａ）を有し、且つこのねじ山（２）を備えた領域（Ａ）に続くこのシャフト（３）の残りの領域（Ｂ）が自由端部に至るまでねじ山が無く形成されていること、
   この頭部（４）が、少なくともほぼねじ山（２）の外径（ＤＡ）に相応する直径（Ｄ１）を有し、且つ内側工具の作用部（５）を備えていること、および、
   ねじ山（２）を有するシャフト（３）の領域（Ａ）及び／またはシャフト（３）のねじ山の無い領域（Ｂ）が、非円形状に形成され、等辺幅の様式、例えば三葉形状によって形成され、あるいは多角形状に形成されていること、及び／または隆起部及び／または凹部を有していること、および、
   シャフト（３）上のねじ山（２）が、自己でねじ溝を形成するように、及び／または自己でねじ切りするように構成されていること、
   を特徴とする骨締結ねじ。
2. シャフト（３）のねじ山の無い領域（Ｂ）が、円筒形あるいは円錐形に形成されており、その際、ねじ山（２）を有するシャフト（３）の領域（Ａ）が、非円形状に形成され、等辺幅の様式、例えば三葉形状によって形成され、あるいは多角形状に形成されていること、及び／または隆起部及び／または凹部を有していることを特徴とする請求項１に記載の骨締結ねじ。
3. ねじ山（２）およびシャフト（３）が、この領域（Ａ）において円筒形に形成されており、その際、ねじ山（３）を有する領域（Ａ）に隣接する、シャフト（３）のねじ山の無い領域（Ｂ）が、非円形状に形成され、等辺幅の様式、例えば三葉形状によって形成され、あるいは多角形状に形成されていること、及び／または隆起部及び／または凹部を有していることを特徴とする請求項１に記載の骨締結ねじ。
4. ねじ山（２）を有するシャフト（３）の領域（Ａ）が、直接的に頭部（４）に隣接して設けられていることを特徴とする請求項１から３のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
5. シャフト（３）のねじ山の無い領域（Ｂ）の外径（ＤＧ）が、少なくともほぼねじ山（２）を有する領域（Ａ）の谷径（ＤＫ）に相応するように構成されることを特徴とする請求項１から４のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
6. ねじ山（２）を有する領域（Ａ）の軸線方向の長さが、シャフト（３）のねじ山の無い領域（Ｂ）の軸線方向の長さよりもより短いことを特徴とする請求項１から５のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
7. 内側工具の作用部（５）が、頭部（４）においてこの内側工具の作用部の最も深い境界部に付加的な切欠き部あるいはポケット形の凹部（６）を有することを特徴とする請求項１から６のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
8. 頭部（４）が、この自由端部に、頭部（４）の外径（Ｄ１）に比べてより小さい直径（ＤＢ）を有する環状のカラー部（７）を備えるように構成していることを特徴とする請求項１から７のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
9. 環状のカラー部（７）の軸線方向長さ（Ｌ）が、頭部（４）の全長さ（Ｋ）の半分より少ない長さ、特に頭部（４）の全長さ（Ｋ）の３分の１より少ない長さであることを特徴とする請求項８に記載の骨締結ねじ。
10. 環状のカラー部（７）が、工具（２０）上に載置された環状継ぎ手（１０）に適合されており、この環状継ぎ手は、捩じり工程の際に頭部（４）の環状のカラー部（７）を囲繞するように構成されていることを特徴とする請求項８または９に記載の骨締結ねじ。
11. シャフト（３）のねじ山の無い領域（Ｂ）の自由端部に、例えば円錐台形あるいは半球形に先細りの部分（１７）が、形成されていることを特徴とする請求 項１から１０のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
12. 力一体的及び／または形状一体的に頭部（４）上に載置可能な、内側工具の作用部（５）の閉鎖のためカバーキャップ（１８）を備えていることを特徴とする請求項１から１１のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
13. このカバーキャップ（１８）は、頭部（４）への方向へ指向する環状に延在するウエッブ（１９）を有し、このウエッブが、頭部（４）のより小さい直径（ＤＢ）の環状のカラー部（７）上に押込み可能であることを特徴とする請求項１２に記載の骨締結ねじ。
14. カバーキャップ（１８）の外径（Ｄ）が、頭部（４）の外径（Ｄ１）に少なくともほぼ等しいことを特徴とする請求項１２または１３に記載の骨締結ねじ。
15. カバーキャップ（１８）は、軸線方向で見て両方の側に向かって横へ突き出している、環状に延在したウエッブ（１９，２２）を有していることを特徴とする請求項１２から１４のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
16. カバーキャップ（１８）が、その中心に基準破断位置、及び／または例えば円錐形あるいは角錐形の尖端部（２５）を有する工具（２４）の使用の際に開口部を形成するための基準破断線を介して扇形に結合する部分を有することを特徴とする請求項１２から１５のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
17. カバーキャップ（１８）が、この外側境界部に一つまたは多数の溝状の凹部（２３）を有していることを特徴とする請求項１２から１６のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
18. 骨締結ねじ（１）の埋設された装着の後に穿孔（３２）の解放されている部分を少なくとも部分的に充填する、弾性的な、組織に合う、非吸収性の材料から成るプラグ（２７）を備えていること特徴とする請求項１から１７のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。
19. 骨締結ねじ（１）の内側工具（５）の作用部内へと挿入可能な工具（１１）を備えており、この工具上に同軸にスリーブ（２８）が載置されており、このスリーブは少なくとも、骨締結ねじ（１）の頭部（４）の軸線方向長さの大部分を同軸に囲繞して収容していることを特徴とする請求項１から１７のいずれか一つに記載の骨締結ねじ。

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