JP4079254B2 - 連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。更に詳しくは、フォーム形成時の発熱温度を低く抑えることができ、金型等により成形した際の形状保持性に優れ、且つ低密度でありながら十分な硬度を有する連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
本発明の連続気泡硬質ポリウレタンフォームは、天井用基材、サンバイザー用基材等の自動車用内装材などの用途に幅広く利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、連続気泡硬質ポリウレタンフォームは、常温成形性及び熱成形性に優れているため、天井用基材、サンバイザー用基材等の自動車用内装材などの用途に幅広く用いられている。しかし、一般的に、連続気泡硬質ポリウレタンフォームは、フォーム形成時の発熱温度が高い傾向にあり、特に、連続スラブ発泡によりフォームを生産する場合には、より激しい内部発熱が生じ、スコーチといわれる灼けが生じたり、火災が発生する危険性がある。
また、近年では、フォームの軽量化が課題となっており、特に自動車用途において、盛んに検討されている。しかし、上記のようなポリウレタンフォームを用いて軽量化を進めた場合、フォーム形成時の発熱温度が更に高くなってしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
常温成形性及び熱成形性に優れる連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法としては、特開平4−211416号公報等が知られているが、この方法により得られる連続気泡硬質ポリウレタンフォームは、密度が23〜30kg/cm3と高めであるため、更なる軽量化が求められている。また、このようにして得られるフォームは、フォーム形成時のクリームタイムが長いため、連続スラブ発泡による生産には適していない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、フォーム形成時の発熱温度を低く抑えることができ、金型等により成形した際の形状保持性に優れ、且つ低密度でありながら十分な硬度を有する連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、平均官能基数2.5〜4、水酸基価200〜300mgKOH/gのポリエーテルポリオール(a)と、平均官能基数4〜6、水酸基価400〜900mgKOH/gのポリエーテルポリオール(b)と、ポリイソシアネートと、水とを含有するフォーム原料を用いる連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、上記フォーム原料は、更に、平均官能基数2.5〜3.5、水酸基価20〜60mgKOH/gのポリエーテルポリオール(c)を含有し、上記ポリエーテルポリオール(a)及び(b)と、該ポリエーテルポリオール(c)との合計を100質量部とした場合に、該ポリエーテルポリオール(a)は35〜80質量部であり、該ポリエーテルポリオール(b)は3質量部以上、65質量部未満であり、且つ該ポリエーテルポリオール(c)は40質量部以下であり、ポリオール全量を100質量部とした場合に、上記水は10〜30質量部であり、イソシアネートインデックスは30〜50であり、上記ポリオールの全てが上記ポリイソシアネートと反応するとした場合の、該ポリイソシアネートとの化学量論的な水の反応量と、水の配合量から該反応量を差し引いた水の過剰量との比(過剰量/反応量)が0.8〜20であり、発泡を常温、常圧下のスラブ発泡で行い、フォーム形成時の発熱温度が160℃以下、製造されるフォームの密度が5〜14kg/m 3 、且つフォームの圧縮硬さが0.9〜10N/cm 2 であることを特徴とする。
尚、本発明において、連続気泡とは、後述する実施例に記載した方法により測定される独泡率が10%未満であるものとする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明におけるフォーム原料には、ポリオール成分として、少なくとも上記「ポリエーテルポリオール(a)」及び上記「ポリエーテルポリオール(b)」、上記「ポリエーテルポリオール(c)」が含まれる。上記「ポリエーテルポリオール(c)」を含むことにより、フォームの成形性、深絞り加工した際の形状保持性をより向上させることができる。
ポリエーテルポリオール(a)は、平均官能基数が2.5〜4であり、好ましくは2.8〜3.8、より好ましくは3〜3.5である。この平均官能基数が2.5未満の場合、架橋反応が十分になされず、硬さの低いフォームとなるため好ましくない。一方、4を超える場合、架橋反応は十分になされるが、独泡率の高いフォームとなるため好ましくない。
また、水酸基価が200〜300mgKOH/gであり、好ましくは220〜280、より好ましくは220〜250である。この水酸基価が200mgKOH/g未満の場合、所定のイソシアネートインデックスとするのに必要なイソシアネート量が少なくなり、軟らかいフォームとなるため好ましくない。一方、300を超える場合、所定のイソシアネートインデックスとするのに必要なイソシアネート量が多くなり、脆いフォームとなるため好ましくない。
【0006】
ポリエーテルポリオール(b)は、平均官能基数が4〜6であり、好ましくは4.2〜5.7、より好ましくは4.5〜5.5である。この平均官能基数が4未満の場合、ポリエーテルポリオール(a)と反応性の差が小さくなり、フォームの連通性が悪くなるため好ましくない。一方、6を超える場合、ポリエーテルポリオール(a)との反応性の差が大きくなり、フォームのセル形状が不安定となるため好ましくない。
また、水酸基価が400〜900mgKOH/gであり、好ましくは500〜800mgKOH/g、より好ましくは550〜750mgKOH/gである。この水酸基価が400mgKOH/g未満の場合、架橋密度の低いフォームとなり、成形後、形状が復元し易いため好ましくない。一方、900mgKOH/gを超える場合、所定のイソシアネートインデックスとするのに必要なイソシアネート量が多くなり、フォーム形成時の発熱温度が高くなるため好ましくない。
【0007】
ポリエーテルポリオール(c)は、平均官能基数が2.5〜3.5であり、好ましくは2.7〜3.3、より好ましくは2.9〜3.2である。この平均官能基数が2.5未満の場合、直鎖に近い反応となり、硬さの低下を招くため好ましくない。一方、3.5を超える場合、架橋密度が高くなり、深絞り加工が難しくなるため好ましくない。
また、水酸基価が20〜60mgKOH/gであり、好ましくは25〜50、mgKOH/gより好ましくは30〜40mgKOH/gである。この水酸基価が20mgKOH/g未満の場合、反応性が低くなり、良好なフォームが得られないため好ましくない。一方、60mgKOH/gを超える場合、架橋密度が高くなり、深絞り加工が難しくなるため好ましくない。
【0008】
ここで、ポリエーテルポリオール(c)を含む場合のポリエーテルポリオール(a)、(b)及び(c)の配合割合は、ポリエーテルポリオール(a)、(b)及び(c)の合計を100質量部とした場合に、ポリエーテルポリオール(a)は35〜80質量部であり、好ましくは45〜70質量部、より好ましくは50〜65質量部である。ポリエーテルポリオール(a)が35質量部未満の場合は、ポリエーテルポリオール(b)の量が多くなるため、所定のイソシアネートインデックスとするのに必要なイソシアネート量が多くなり、フォーム形成時の発熱温度が高くなるため好ましくない。一方、80質量部を超える場合は、ポリエーテルポリオール(c)の添加により、架橋密度の低いフォームとなり、成形後、形状が復元し易いため好ましくない。
また、ポリエーテルポリオール(b)は3質量部以上、65質量部未満であり、好ましくは10〜50質量部、より好ましくは15〜40質量部である。ポリエーテルポリオール(b)が3質量部未満の場合は、架橋密度の低いフォームとなり成形後、形状が復元し易いため好ましくない。一方、65質量部以上の場合は、所定のイソシアネートインデックスとするのに必要なイソシアネート量が多くなり、フォーム形成時の発熱温度が高くなるため好ましくない。
更に、ポリエーテルポリオール(c)は40質量部以下であり、好ましくは5〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部である。ポリエーテルポリオール(c)が40質量部を超える場合は、フォームを熱成形等した際、十分に形状保持されないため好ましくない。
【0009】
また、フォーム原料に含まれるポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール(a)及び(b)、更にはポリエーテルポリオール(c)を含めた3種のみからなっていることが好ましい。但し、本発明の効果を損なわない範囲であれば、これら以外の他のポリオール(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等)が含まれていてもよい。尚、ポリオール全量を100質量部とした場合に、ポリエーテルポリオール(a)、(b)及び(c)の合計は、80質量部以上であり、好ましくは90質量部以上、より好ましくは95質量部以上である。
【0010】
上記「ポリイソシアネート」は、特に限定されず、例えば、芳香族系、脂肪族系及び脂環族系の各種ポリイソシアネートを用いることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、4,4’−MDI、2,4’−MDI、2,2’−MDI及びポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等のMDI、TDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート及びm−キシレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートとしては、HDI、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び水添MDI等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、併用する場合、芳香族系、脂肪族系及び脂環族系のいずれを組み合わせてもよい。
なかでも、ポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートであることが好ましい。このポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを用いた場合には、発泡後、硬化が早く、更には高硬度である連続気泡硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0011】
また、ポリイソシアネートの配合量は、所定のイソシアネートインデックスにより適宜調整される。このイソシアネートインデックスは、30〜50である。イソシアネートインデックスが30未満の場合、発泡が正常に行われず、割れが生じたり、泡体の崩落が発生することがある。一方、65を超える場合、フォーム形成時の発熱温度が高くなり、自然発火する可能性が高まる。また、水とポリイソシアネートとの反応による二酸化炭素の発生量が多くなり、良好な圧縮硬さを有するフォームが得られない。
尚、イソシアネートインデックスとは、フォーム原料中のポリオール等が有する全ての活性水素と反応するポリイソシアネートの化学量論により算出される必要量に対する実際の配合量の百分率を意味する。例えば、イソシアネートインデックス30とは、フォーム原料中のポリオール等が有する全ての活性水素と反応するのに必要な化学量論的な必要量に対して、質量百分率で30%に相当するポリイソシアネートが配合されていることを意味する。
【0012】
上記「水」は、特に限定されるものではなく、例えば、イオン交換水、水道水、蒸留水等が用いられる。
水の配合量は、ポリオール全量を100質量部とした場合に、10〜30質量部である。本発明においては、水の配合量が10〜30質量部と、一般に発泡剤として用いられる水の量よりも多めであるため、フォーム形成時に生じる内部の発熱を過剰な水の気化による除熱により十分に低減させることができる。この水の配合量が6質量部未満の場合、フォーム形成時の発熱を十分に抑制することができないため好ましくない。一方、30質量部を超える場合、水とポリイソシアネートとの反応による二酸化炭素の発生量が多くなり、所定のフォームを形成できないため好ましくない。
【0013】
また、ポリオールの全てがポリイソシアネートと反応すると仮定した場合に算出される、ポリイソシアネートとの化学量論的な水の反応量と、実際の水の配合量から反応量を差し引いた水の過剰量との比(過剰量/反応量)が0.8〜20であることが好ましく、より好ましくは0.9〜18、更に好ましくは1.0〜15である。この値が0.8未満の場合、冷却に関与する水の割合が少なくなり、発泡時の発熱を十分に抑制することができない場合がある。一方、この値が20を超える場合、水とポリイソシアネートとの反応による二酸化炭素の発生量が多くなりすぎ、所定のフォームを形成できないことがある。
【0014】
更に、フォーム原料には、ポリオール、ポリイソシアネート及び水の他にも、触媒、シリコーン整泡剤等の整泡剤、メチレンクロライド等の発泡助剤などが含有されていてもよい。また、必要に応じてその他の助剤等を含有させることもできる。この助剤としては、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、及びフォーム原料の粘度を低下させ、攪拌、混合を容易にするための各種の希釈剤などが挙げられる。これらは本発明の効果が損なわれない範囲で適量を含有させることができる。
【0015】
また、本発明のポリウレタンフォームの製造方法における、フォーム形成時の発熱温度は160℃以下とすることができ、特に150℃以下、更には140℃以下とすることができる。このため、火災の危険性を低減でき、連続スラブ発泡等の自由発泡による生産も安心して行うことができる。更に、フォーム形成時の発熱温度が低減されると、スコーチ等の発生も抑制される。
尚、この温度は、下記実施例に記載した方法により測定されるものである。
また、本発明の連続気泡硬質ポリウレタンフォームの好ましい形態は、スラブフォームである。このスラブフォームとは、常温、常圧下で、発泡させ、硬化させて得られるものであって、熱成形等した際の形状保持性に優れるフォームをいう。
【0016】
上記方法により製造される連続気泡硬質ポリウレタンフォームでは、その密度を5〜25kg/m3、特に7〜23kg/m3、更には9〜20kg/m3とすることができる。また、この連続気泡硬質ポリウレタンフォームの圧縮硬さは0.9〜10N/cm2、特に0.9〜8N/cm2、更には1〜6N/cm2とすることができる。
更に、本発明では、密度が5〜25kg/m3、且つ圧縮硬さが0.9〜10N/cm2、特に密度が7〜23kg/m3、且つ圧縮硬さが0.9〜8N/cm2、更には密度が9〜20kg/m3、且つ圧縮硬さが1〜6N/cm2である連続気泡硬質ポリウレタンフォームとすることができる。
また、この連続気泡硬質ポリウレタンフォームでは、独泡率を0〜9%、特に0〜7%、更には0〜5%とすることができる。
尚、これらの密度、圧縮硬さ及び独泡率は、下記実施例に記載した方法により測定されるものである。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
(1)使用原料
(A)ポリオール
ポリエーテルポリオール(a)
(1)旭電化工業株式会社製、商品名「G700」(平均官能基数:3、水酸基価:225mgKOH/g)
(2)旭電化工業株式会社製、商品名「EDP1100」(平均官能基数:4、水酸基価:214mgKOH/g)
ポリエーテルポリオール(b)
(1)旭電化工業株式会社製、商品名「EDP300」(平均官能基数:4、水酸基価:750mgKOH/g)
(2)旭電化工業株式会社製、商品名「SP600」(平均官能基数:6、水酸基価:550mgKOH/g)
ポリエーテルポリオール(c)
三洋化成工業株式会社製、商品名「FA703」(平均官能基数:3、水酸基価:35mgKOH/g)
(B)ポリイソシアネート
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;バスフ イノアック ポリウレタン株式会社製、商品名「MS−12」(NCO%;31%)
(C)発泡剤
水;イオン交換水
(D)触媒
アミン触媒;花王株式会社製、商品名「カオーライザーNo.25」
(E)界面活性剤(整泡剤)
シリコーン整泡剤;日本ユニカー株式会社製、商品名「Y6827」
【0018】
(2)連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造
参考例1、実施例2〜5、参考例2及び比較例1、2
表1に記載の配合により、先ず、ポリイソシアネートを除くそれぞれの成分を所定の配合量でハンドミキサーを用いて攪拌した。その後、所定のイソシアネートインデックスに従ってポリイソシアネートを配合し、この混合物540gを発泡箱(縦300mm、横400mm、高さ400mm)に投入し、常温、常圧下で発泡させ、硬化させて、連続気泡硬質ポリウレタンフォームを製造した。尚、ポリイソシアネートを配合した際にクリームタイム及びゲルタイムを測定し、その結果を表2に記載した。
また、原料を発泡させ、フォームの高さが安定した際に、レコーダー(横河電機株式会社製、型番「4176」)に接続されたシース型K熱電対を挿入し、発泡箱の平面方向の中心部において底から150mmの位置における温度を測定し、この際のピークの値をフォーム形成時の発熱温度として表2に併記した。
尚、表1に示す「水」欄の「過剰量/反応量」は、ポリオールの全てがポリイソシアネートと反応すると仮定した場合に算出されるポリイソシアネートとの化学量論的な水の反応量と、実際の水の配合量から反応量を差し引いた水の過剰量との比(過剰量/反応量)を示す。
【0019】
(3)フォームの評価
得られた各ポリウレタンフォームの各物性(密度、圧縮硬度及び独泡率)、成形性及び外観を以下のように測定した。これらの結果を表2に併記した。
(物性)
(1)密度;JIS K 6400に準拠して測定。
(2)圧縮硬度;JIS K 7220に準拠して測定。
(3)独泡率;ASTM D 2856 エアピクノメータ法に準拠して測定。
(成形性及び外観)
各ポリウレタンフォームを、縦200mm×横200mm×厚み10mmの大きさとなるように切断し、150℃の成形温度にて、60秒間保持し、厚みが5mmとなるように熱プレス成形した際の厚みの保持性をフォームの成形性として評価した。尚、成形性の評価基準は、熱プレス成形してから1時間後の初期厚みに対する変化率が20%以内のものを「良好」とし、その範囲以外のものを「成形性不良」とした。
また、熱プレス成形後のフォーム表面の外観を目視により評価し、凹凸の少ないものを「良好」、凹凸の多いものを「外観不良」とした。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
(4)実施例の効果
表1及び表2によれば、ポリエーテルポリオール(b)を含まず、且つポリエーテルポリオール(c)の配合量が50質量部と多い比較例1のフォームでは、圧縮硬さが0.8N/cm2と低く、軟質フォームに近かった。また、フォームの成形性及び外観の評価は、熱プレス後の厚みを保持することができず、「成形性不良」であった。尚、フォーム形成時の発熱温度は121℃であり問題はなかった。また、密度は14.2kg/m3、独泡率は0%であり、連続気泡で低密度のフォームであった。
また、イソシアネートインデックスの値が70と大きい比較例2のフォームでは、独泡率が10%と大きく、連続気泡のフォームとなっていなかった。また、フォームの成形性及び外観の評価は、独泡が多いためフォーム表面の凹凸が激しく、「外観不良」であった。また、フォーム形成時の発熱温度が173℃と高かった。尚、密度及び圧縮硬さには問題はなかった。
【0023】
これらに対して、参考例1、実施例2〜5、参考例2のフォームでは、独泡率が1〜3%であり、全て連続気泡のフォームとなっていた。また、密度は10.1〜15.9kg/m3であり、且つ圧縮硬度は1.0〜5.1N/cm2であり、低密度でありながら、十分な硬度を有するフォームとなっていた。更に、これらのフォームは熱プレス後の厚みをそのまま保持することができ、成形性及び外観の評価は全て「良好」であった。このように、参考例1、実施例2〜5,参考例2のフォームは、低密度であり、成形性に優れる連続気泡硬質ポリウレタンフォームであった。
また、これらのフォームは、水の過剰量と反応量との比(過剰量/反応量)が1.7〜14.0であるため、フォーム形成時の発熱温度を110〜155℃に抑えることができ、比較例2(173℃)に比べて十分に低いものであった。
更に、参考例1、実施例2〜5、参考例2のフォームを形成する際の、フォーム原料のクリームタイムは22〜25秒と短く、且つ上述したようにフォーム形成時の発熱温度が低いため、火災を心配することなく、低密度であり、成形性に優れる連続気泡硬質ポリウレタンフォームを連続スラブにより生産することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、フォーム形成時の発熱温度を低く抑えることができ、金型等により成形した際の形状保持性に優れ、且つ低密度でありながら十分な硬度を有する連続気泡硬質ポリウレタンフォームを容易に製造することができる。
また、フォーム原料に、特定のポリエーテルポリオールを含めた場合には、フォームの成形性及び深絞り加工した際の形状保持性がより優れた連続気泡硬質ポリウレタンフォームとすることができる。
更に、特定のポリイソシアネートを用いた場合には、発泡後の硬化が早く、高い硬度を有する連続気泡硬質ポリウレタンフォームとすることができる。
また、フォーム形成時の発熱温度を160℃以下とした場合には、火災の危険性をより低減でき、連続スラブ発泡による生産も安心して行うことができる。
更に、ポリイソシアネートとの化学量論的な水の反応量と、実際の水の配合量からこの反応量を差し引いた水の過剰量との比を特定の値とした場合には、フォーム形成時の発熱温度をより低く抑えることができる。
Claims (1)
- 平均官能基数2.5〜4、水酸基価200〜300mgKOH/gのポリエーテルポリオール(a)と、平均官能基数4〜6、水酸基価400〜900mgKOH/gのポリエーテルポリオール(b)と、ポリイソシアネートと、水とを含有するフォーム原料を用いる連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
上記フォーム原料は、更に、平均官能基数2.5〜3.5、水酸基価20〜60mgKOH/gのポリエーテルポリオール(c)を含有し、上記ポリエーテルポリオール(a)及び(b)と、該ポリエーテルポリオール(c)との合計を100質量部とした場合に、該ポリエーテルポリオール(a)は35〜80質量部であり、該ポリエーテルポリオール(b)は3質量部以上、65質量部未満であり、且つ該ポリエーテルポリオール(c)は40質量部以下であり、
ポリオール全量を100質量部とした場合に、上記水は10〜30質量部であり、イソシアネートインデックスは30〜50であり、上記ポリオールの全てが上記ポリイソシアネートと反応するとした場合の、該ポリイソシアネートとの化学量論的な水の反応量と、水の配合量から該反応量を差し引いた水の過剰量との比(過剰量/反応量)が0.8〜20であり、
発泡を常温、常圧下のスラブ発泡で行い、フォーム形成時の発熱温度が160℃以下、製造されるフォームの密度が5〜14kg/m 3 、且つフォームの圧縮硬さが0.9〜10N/cm 2 である連続気泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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