JP4077730B2 - Method for manufacturing container having lid made of shape memory polybutylene terephthalate film laminate and container with lid - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品用容器として好適な形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法及び係る蓋体付き容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂は、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性、電気的性質等に優れるために、従来よりエンジニアリング用プラスチックとして注目され、自動車部品、電気・電子部品等の射出成形分野を中心にその応用が進められてきた。特にポリブチレンテレフタレートからなるフィルムはガスバリア性や保香性に優れるので、ポリブチレンテレフタレートフィルム又はそれを含む積層体に形状記憶性を付与することができれば、包装材等の用途に非常に有用である。
【0003】
これに対して、例えば特許文献1はポリブチレンテレフタレートと脂肪族ポリラクトンとのブロック共重合体からなる形状記憶性樹脂を記載している。特許文献2は、結晶融解エントロピーが3cal/g 以下となるように第3成分を共重合したポリエチレンテレフタレートからなる形状記憶性共重合ポリエステル成形体を記載している。特許文献3は、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレングリコールとのブロック共重合体からなる形状記憶性樹脂を記載している。
【0004】
【特許文献1】
特開平2-123129号公報
【特許文献2】
特開平2-269735号公報
【特許文献3】
特開平2-240135号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1〜3に記載の形状記憶能を有する樹脂は、いずれもポリブチレンテレフタレート単独からなる樹脂ではなく、融点が低いために耐熱性に問題があった。
【0006】
これに対して本発明者は、ポリブチレンテレフタレートフィルムを、ガラス転移温度超〜融点未満の温度T1で外力をかけて加熱変形加工後、外力をかけない状態でガラス転移温度以下の温度T2にして一次形状に固定し、さらにガラス転移温度超〜温度T1未満の温度T3で外力をかけて加熱変形加工することにより二次形状とし、二次形状を保持したままガラス転移温度以下の温度T4にして二次形状に固定し、これに外力をかけない状態で温度T1以上〜融点未満の温度にすると一次形状に回復することを利用し、このような工程によりカール形状を記憶させたポリブチレンテレフタレートフィルム層を備えた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を提案した(特願2002-303500号)。特願2002-303500号に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は優れた形状記憶能と耐熱性を有する。
【0007】
しかし特願2002-303500号に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、巻きフィルムとした状態で保管・移送するため、形状回復温度が比較的低い場合、保管が長期にわたる場合、夏場の高温期に保管された場合等において、保管時に除々にカール形状が回復していたり、保管時の巻いた状態により形状記憶によるカール形状とは反対側に反る癖が付いていたりすることがあった。特にデッドホールド性の強い紙層やアルミニウム箔層等を有さない形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の場合、上記要因により平坦性を消失しやすかった。
【0008】
特願2002-303500号に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を用いて食品用容器を製造する際、蓋体シール装置により形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を打ち抜き加工し、得られた蓋体を直ちに容器にヒートシールすることにより製造されるが、巻きフィルムから巻き出した形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体がほぼ平坦でないと、容器へのヒートシールができないか、又はできても蓋体がたわんだ不良品となってしまう。
【0009】
従って、本発明の目的は、不良品を発生することなく形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器を製造する方法及び係る蓋体付き容器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、巻きフィルムから巻き出した形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、二つのニップロール間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度を超える温度で急速に焼きなまし、得られたほぼ平坦な形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、蓋材シール手段により打ち抜き加工し、直ちに容器にヒートシールすることにより、不良品が発生しないことを発見した。本発明はかかる発明に基づき完成したものである。
【0011】
すなわち、本発明の第1の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法は、(1) (a) ポリブチレンテレフタレートフィルムと、(b) 紙シート、他の熱可塑性樹脂フィルム及び金属箔からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むフィルム状成形体とを接着し、得られた積層体のポリブチレンテレフタレートフィルム面を接触面として冷間加工用ロールに摺接させながら前記ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度以下の温度T1で処理し、もって前記冷間加工用ロールの外形に沿って冷間加工を施すことによりカール形状を示すカール性積層体を作製し、(2) 得られたカール性積層体を、二つのニップロール(I),(I’)間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることにより前記ガラス転移温度を超える温度T2で急速に焼きなまし、(3) 前記焼きなましにより見かけ上ほぼ平坦にした前記カール性積層体を、冷却ロール又は冷却空気と接触させることにより前記ガラス転移温度以下の温度T3まで急冷することにより形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を作製し、(4) 得られた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体のフィルム状成形体層を内側として室温で巻き取ることにより巻きフィルムとし、(5) 前記巻きフィルムから巻き出した形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を二つのニップロール(II),(II’)間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることにより前記ガラス転移温度を超える温度T4で急速に焼きなまし、(6) 得られたほぼ平坦な形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、蓋材シール手段により打ち抜き加工するとともにヒートシールし、もって前記カール形状を記憶させた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を容器に密着させることを特徴とする。
【0012】
第1の製造方法において、前記温度T1は35 ℃以下であり、前記温度T2は45℃超 〜65℃以下であり、前記温度T3は15 〜25 ℃であり、前記温度T4は80 〜120℃であるのが好ましい。前記温度T1は15 〜25 ℃であるのがより好ましい。
【0013】
本発明の第2の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法は、(1) (i) (a) ポリブチレンテレフタレートフィルムと、(b) 紙シート、他の熱可塑性樹脂フィルム及び金属箔からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むフィルム状成形体とを接着することにより予め積層体を作製し、そのポリブチレンテレフタレートフィルム面を接触面として加熱可能な変形加工用ロールに摺接させながら前記ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点未満の温度T5で加熱処理し、もって前記変形加工用ロールの外形に沿って変形加工を施すか、又は(ii) 前記ポリブチレンテレフタレートフィルムを前記変形加工用ロールに摺接させながら前記温度T5で処理し、もって前記変形加工用ロールの外形に沿って変形加工を施し、次いで前記フィルム状成形体と接着することにより、前記カール形状を示すカール性積層体を作製し、(2) 得られたカール性積層体を、冷却ロール又は冷却空気と接触させて前記ガラス転移温度以下の温度T6で冷却し、(3) 次いで前記フィルム状成形体層を内側として室温で巻き取り、前記ガラス転移温度超〜前記温度T5未満の温度T7で加熱処理し、前記ガラス転移温度以下の温度T8で冷却し、もって前記カール形状を記憶させた巻きフィルム状の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を作製し、(4) 前記巻きフィルムから巻き出した前記形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を二つのニップロール間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることにより前記ガラス転移温度を超える温度T4で急速に焼きなまし、(5) 得られたほぼ平坦な前記形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、蓋材シール手段により打ち抜き加工するとともにヒートシールし、もって前記形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を容器に密着させることを特徴とする。
【0014】
第2の製造方法において、前記温度T5は75 〜100℃であり、前記温度T6は40℃以下であり、前記温度T7は45 〜65℃であり、前記温度T8は40℃以下であるのが好ましい。
【0015】
第1及び第2の製造方法における好ましい実施例では、前記フィルム状成形体は順に、剛性フィルムと、接着剤層と、シーラントフィルムとからなる層構成を有し、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに予め接着剤層を設け、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの接着剤層と、前記フィルム状成形体の剛性フィルム層とをドライラミネーション法により接着する。前記剛性フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)又はナイロンフィルムであるのがより好ましい。前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの前記フィルム状成形体層側の面か、又は前記剛性フィルムの前記シーラントフィルム層側の面に予め遮光性インク層を設けることができる。
【0016】
第1及び第2の製造方法において、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに4kgf/m幅以上の張力をかけながら前記フィルム状成形体に接着するのが好ましい。前記張力が10 〜20 kgf/m幅であるのが好ましい。
【0017】
本発明の第1及び第2の製造方法により得られる蓋体付き容器の蓋体は、前記容器から剥離することにより形状記憶によるカール形状を示す。本発明の第1又は第2のいずれの製造方法により得られる蓋体付き容器も、その蓋体の前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの少なくとも一方の面に多数の実質的に平行な線状痕を形成することにより、蓋体の任意の部位から前記線状痕に沿って実質的に直線的に裂くことができる。前記線状痕の深さはポリブチレンテレフタレートフィルム層厚みの1〜40%であるのが好ましい。前記線状痕の深さは0.1 〜10μmであるのが好ましい。前記線状痕の幅は0.1 〜10μmであるのが好ましい。前記線状痕同士の間隔は10 〜200μmであるのが好ましい。前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの少なくとも一方の面にセラミック又は金属を蒸着してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
[1] 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法
(I) 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造
(1) 第1の製造方法
形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の第1の製造方法は、以下の(イ)〜(ニ)の工程を含む。
(イ) ポリブチレンテレフタレートフィルムとフィルム状成形体とを接着し、得られた積層体のポリブチレンテレフタレートフィルム面を接触面として冷間加工用ロールに摺接させながらポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度以下の温度T1で処理し、もって冷間加工用ロールの外形に沿って冷間加工を施すことによりカール形状を示すカール性積層体を作製する。
(ロ) 得られたカール性積層体を二つのニップロール間で平坦に保持しながら、加熱空気と接触させることにより上記ガラス転移温度を超える温度T2で急速に焼きなまし、見かけ上ほぼ平坦にする。
(ハ) 見かけ上ほぼ平坦にしたカール性積層体を上記ガラス転移温度以下の温度T3まで急冷し、ほぼ平坦な状態を固定した形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を得る。
(ニ) 得られた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体のフィルム状成形体層を内側として室温で巻き取ることにより巻きフィルムとする。
【0019】
上記(イ)〜(ニ)の加工工程により製造された形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、T1以上の温度下で形状回復能により実質的にカール形状を回復する。なおポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度は通常22〜45℃である。
【0020】
ポリブチレンテレフタレートフィルム層が、上記(ロ)〜(ハ)の工程でほぼ平坦に固定されてもT1以上の温度下でカール形状を回復する理由は定かではないが、例えば温度T1の冷間加工で高分子鎖の絡み合いにひずみが保持され、このひずみの大部分は温度T2での焼きなましを急速に行えば緩和されないので、T1以上の温度下でカール形状を回復するといったことが考えられる。以下、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の第1の製造方法を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を第1の製造方法により製造するための装置の一例を示す概略側面図である。ポリブチレンテレフタレートフィルム原反を巻いたリール10から巻き戻されたフィルム1は、ガイドロール20を経て、グラビアロール21,21において一方の面に接着剤22が塗布され、乾燥炉23で接着剤層が乾燥された後、圧力調整ロール24を経て、フィルム状成形体13が接着層に重なりながら一対の加熱ロール38,38間を通る(ドライラミネーション)。得られた積層体は冷間加工用ロール26に摺接しながらポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度以下の温度T1で冷間加工される。これにより積層体のポリブチレンテレフタレートフィルム層にカール性が付与される。冷間加工用ロール26の温度は、摺接する積層体のポリブチレンテレフタレート層の温度がT1となるように調節する。得られたカール性積層体11は二つのニップロール間27,27’で平坦に保持されながら、ヒーター29による加熱空気により、ガラス転移温度を超える温度T2で急速に焼きなまされ、次いで冷却ロール28と接触することにより上記ガラス転移温度以下の温度T3で冷却される。冷却ロール28の温度は、摺接する積層体のポリブチレンテレフタレート層の温度がT3となるように調節する。その後カール性積層体は、そのフィルム状成形体層を内側として巻き取りリールにより室温で巻き取られることにより巻きフィルム12(形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50)とされる。
【0022】
カール性積層体を平坦に保持しながらガラス転移温度を超える温度T2で急速に焼きなます処理は、冷間加工により付与したカール性を消失しない程度に行う必要がある。このため温度T2は45℃超 〜65℃以下であるのが好ましく、この温度範囲まで急速に加熱して30 〜60秒間焼きなます。二つのニップロール間27,27’で平坦に保持するためにかける張力は5〜10kgf/m幅とする。ヒーター29,29の温度設定は、カール性積層体11のポリブチレンテレフタレートフィルム層が温度T2に加熱されるようにする。図1では、ヒーター29,29によりカール性積層体11の両面から加熱しているが、カール性積層体11のポリブチレンテレフタレートフィルム層側(図1では上側)にのみヒーター29を設置してもよい。ヒーター29から出る加熱空気を、ノズルを用いてカール性積層体11のポリブチレンテレフタレートフィルム層に吹き付けてもよい。
【0023】
得られた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、T1以上の温度条件下で放置又は処理することにより、カール形状を回復する。図1に示す例では、カール性積層体11を温度T3で冷却した後、そのフィルム状成形体層を内側として巻き取っている。上記(ロ)〜(ハ)の工程でほぼ平坦に固定されたカール性積層体11をさらに巻きフィルム12とすることにより、保存時にほぼ平坦な状態を保持できる。そのため巻きフィルム12(形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50)を巻き戻す時のカール性積層体11は通常ほぼ平坦である。
【0024】
冷間加工温度T1は、ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度以下であることを必須とするが、35℃以下であるのが好ましく、15 〜25℃であるのがより好ましい。焼きなまし後のカール性積層体11を冷却する温度T3は、上記ガラス転移温度以下であることを必須とするが、15 〜25℃であるのが好ましい。
【0025】
形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体に使用するポリブチレンテレフタレートフィルムに特に限定はないが、[2](I)(1)で後述する製造方法により得られるフィルムを使用するのが好ましい。ポリブチレンテレフタレートフィルムの厚みは6μm以上であるのが好ましい。
【0026】
ポリブチレンテレフタレートフィルムに積層するフィルム状成形体は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の用途に応じて、紙シート、他の熱可塑性樹脂フィルム、金属箔等の中から適宜選択することができ、これらの組合せによる積層シートであってもよい。フィルム状成形体として、剛性フィルムと、接着剤層と、シーラントフィルムとをこの順に有するもの等が挙げられる。剛性フィルムとしてはポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、ナイロンフィルム等を挙げることができる。
【0027】
冷間加工用ロール26へのポリブチレンテレフタレートフィルム1の巻き掛け方については、図1に示すようにポリブチレンテレフタレートフィルム1の巻き込み方向と巻き解き方向とがなす角度θ1を45 〜60°の範囲となるようにするのが好ましい。これによりポリブチレンテレフタレートフィルム1に十分なカール性を付与することができる。角度θ1を所望の値にするには、冷間加工用ロール26と圧力調整ロール24’との位置関係を適宜調整すればよい。
【0028】
ポリブチレンテレフタレートフィルム1とフィルム状成形体13とを一対の加熱ロール25,25において接着する時、圧力調整ロール24により、ポリブチレンテレフタレートフィルム1に通常4kgf/m幅以上の張力をかけながら行う。特にポリブチレンテレフタレートフィルム1に10 〜20 kgf/m幅の張力をかけることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム1を弾性伸縮可能な伸度に、機械方向に延伸しながらフィルム状成形体13に接着できる。これによりポリブチレンテレフタレートフィルム1は、弾性復元力を保持した伸長状態でフィルム状成形体13に接着される。弾性復元力を保持した伸長状態とは、ポリブチレンテレフタレートフィルム1の延伸を固定する力を解いた時に、ポリブチレンテレフタレートフィルム1が原型に収縮しようとする力を保持している状態のことである。これにより形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50のカール性を一層向上することができる。本明細書において、カール性とは、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50を反らした状態で維持できるデッドホールド性とは異なり、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50を反らすことができる性質を意味する。弾性伸縮可能な伸度とは、延伸により外観上ポリブチレンテレフタレートフィルムに皺ができない程度であり、一般的には1〜3%の伸度である。
【0029】
冷間加工用ロール26の直径は20 〜80cmであるのが好ましい。これによりポリブチレンテレフタレートフィルム1に十分なカール性を付与することができる。通常冷間加工用ロール26の周速は30 〜100 m/分とする。
【0030】
図1に示す例では、ポリブチレンテレフタレートフィルムとフィルム状成形体とを押出ラミネーション法により接着しているが、ドライラミネーション法により接着してもよい。また図1に示す例では、ポリブチレンテレフタレートフィルム1の片面のみにフィルム状成形体13を接着しているが、ポリブチレンテレフタレートフィルム1の両面にフィルム状成形体13を接着した上で、カール性を付与することも可能である。
【0031】
図2は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を第1の製造方法により製造するための装置の別の例を示す概略側面図である。なお図1に示す実施例と同じ部材又は部分には同じ参照番号を付してある。この例においては、ポリブチレンテレフタレートフィルム1とフィルム状成形体13とを、押出ラミネーション法により接着すること以外は図1に示す例と同じである。接着剤層が設けられたポリブチレンテレフタレートフィルム1は、圧力調整ロール24を経て、ダイ22より押出された溶融ポリエチレン55を介して、フィルム状成形体13が接着層に重なりながら冷却ロール25とゴムロール25’との間を通る(押出ラミネーション)。よってポリブチレンテレフタレートフィルム1とフィルム状成形体13との間の接着層は接着剤層と押出ラミネーションされたポリエチレン層とからなる。但し形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体が、紙シートや金属箔等のデッドホールド性を有する層を含まない場合は、ドライラミネーション法により十分接着することができる。よってフィルム状成形体として、上述の剛性フィルムと、接着剤層と、シーラントフィルムとをこの順に有するものを用いる場合、通常はドライラミネーション法により接着する。なおフィルム状成形体13に関しても、押出ラミネーション法又はドライラミネーション法のいずれにより形成してもよい。
【0032】
(2) 第2の製造方法
形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の第2の製造方法は、以下の(ホ)〜(ト)の工程を含む。
(ホ) (i) ポリブチレンテレフタレートフィルムとフィルム状成形体とを接着することにより予め積層体を作製し、そのポリブチレンテレフタレートフィルム面を接触面として加熱ロールに摺接させながらポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点未満の温度T5で加熱処理し、もって加熱ロールの外形に沿って変形加工を施すか、又は(ii) ポリブチレンテレフタレートフィルムを加熱ロールに摺接させながら温度T5で処理し、もって加熱ロールの外形に沿って変形加工を施し、次いでフィルム状成形体と接着することにより、カール形状を示すカール性積層体を作製する。
(ヘ) 得られたカール性積層体を、冷却ロール又は冷却空気と接触させて上記ガラス転移温度以下の温度T6で冷却する。
(ト) 次いでフィルム状成形体層を内側として室温で巻き取り、上記ガラス転移温度超〜温度T5未満の温度T7で加熱処理し、上記ガラス転移温度以下の温度T8で冷却し、もって巻きフィルム状の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を作製する。
【0033】
上記(ホ)〜(ト)の加工工程により製造された形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、T5以上の温度下で形状回復能により実質的にカール形状を回復する。
【0034】
ポリブチレンテレフタレートフィルム層が、上記(ト)工程でほぼ平坦に固定されても、T5以上の温度下でカール形状を回復する理由は定かではないが、例えば温度T5の加熱変形加工ではポリマーの結晶化が促進され、かつ結晶化部分の絡み合いを引き起こして固定点を生じており、温度T7での焼純しで変形の一部が緩和されてほぼ平坦となるが、大部分の分子鎖の配向は変化しないので、形状記憶は保持されるといったことが考えられる。ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化度は通常20 〜30%程度である。またポリブチレンテレフタレート樹脂は、ガラス転移温度前後での弾性率変化が大きいことも形状記憶性に優れる要因の一つであると考えられる。
【0035】
ポリブチレンテレフタレート樹脂のガラス転移温度は22 〜45℃と室温に近く、ガラス転移温度以上への加熱、ガラス転移温度未満への冷却操作が容易である。しかも融点が約230℃と高いので、ガラス転移温度から融点までの温度範囲が広く、温度T5と温度T6の差を大きくできる。そのため上記(ホ)〜(ト)の操作を容易に行うことができる。以下、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の第2の製造方法を図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
図3は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を第2の製造方法により製造するための装置の一例を示す概略側面図である。この例では予めカール性を付与したポリブチレンテレフタレートフィルムにフィルム状成形体を接着する。ポリブチレンテレフタレートフィルム1の一方の面に接着剤22が塗布され、乾燥炉23で接着剤層が乾燥されるまでの工程は、図1に示す例と同じである。図3に示すように、接着剤層が乾燥された後のポリブチレンテレフタレートフィルム1は、圧力調整ロール24を経て、接着層を有しない面を接触面として加熱可能な変形加工用ロール30に摺接しながら上記温度T5で変形加工されることによりカール性が付与される。変形加工用ロール30の温度は、摺接する積層体のポリブチレンテレフタレート層の温度がT5となるように調節する。その後、フィルム状成形体13がポリブチレンテレフタレートフィルム1の接着層に重なりながら、変形加工用ロール30と、変形加工用ロール30に当接する当接ロール30’との間を通ることにより両者が接着される。得られたカール性積層体11は冷却ロール28と接触することにより上記ガラス転移温度以下の温度T6で冷却され、次いでカール性積層体のフィルム状成形体層を内側として巻き取りリールにより室温で巻き取られることにより巻きフィルム12とされる。冷却ロール28の温度は、摺接する積層体のポリブチレンテレフタレート層の温度がT6となるように調節する。得られた巻きフィルム12は上記ガラス転移温度超〜温度T5未満の温度T7で加熱処理され、次いで上記ガラス転移温度以下の温度T8で冷却されることにより形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50が得られる。巻きフィルム12とした上で、温度T7で加熱処理し、次いで温度T8で冷却することにより上記積層体のカール形状は潜在化され、見かけ上ほぼ平坦な積層体となる。巻きフィルム12を加熱・冷却処理するための手段に限定はなく、例えば槽中に巻きフィルム12を入れ、槽の周囲をヒーターで加熱したり、冷却装置で冷却したりする方法が挙げられる。係るヒーターや冷却装置の温調は、巻きフィルム12の温度が温度T7又は温度T8となるようにする。
【0037】
得られた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、温度T5以上〜ポリブチレンテレフタレートフィルムの融点未満の温度で加熱処理されることにより、カール形状を回復する。なお図3に示す例では二次形状としてほぼ平坦な形状とするために、カール性積層体のフィルム状成形体層を内側として巻き取っているが、これによりフィルムを効率的に平坦にすることができる。
【0038】
変形加工用ロール30における加熱温度T5は、ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点未満の温度であることを必須とするが、75 〜100℃であるのが好ましく、90 〜100℃であるのがより好ましい。冷却ロール28における冷却温度T6は上記ガラス転移温度以下の温度であることを必須とするが、40℃以下であるのが好ましい。カール性積層体11の冷却は、冷却ロール28を用いる代わりに冷却空気を用いるものであってもよい。巻きフィルム12を加熱処理するための温度T7は、上記ガラス転移温度超〜温度T5未満であることを必須とするが、45 〜65℃であるのが好ましく、45 〜50℃であるのがより好ましい。また温度T7での加熱処理は、24時間程度行うのが好ましい。巻きフィルム12を加熱処理した後の冷却温度T8は上記ガラス転移温度以下であることを必須とするが、40℃以下であるのが好ましい。
【0039】
変形加工用ロール30へのポリブチレンテレフタレートフィルム1の巻き掛け方については、図3に示すポリブチレンテレフタレートフィルム31の巻き込み方向と巻き解き方向とがなす角度θ2を45 〜60°の範囲となるようにするのが好ましい。これによりポリブチレンテレフタレートフィルム1に十分なカール性を付与することができる。角度θ2を所望の値にするには、変形加工用ロール30と圧力調整ロール24,24との位置関係を適宜調整すればよい。
【0040】
上記(1)で第1の製造方法について説明したように、ポリブチレンテレフタレートフィルム1とフィルム状成形体13とを変形加工用ロール30と、当接ロール30’との間を通すことにより接着する時、一対の圧力調整ロール24,24により、ポリブチレンテレフタレートフィルム1に通常4kgf/m幅以上の張力をかけながら行う。第1の製造方法と同様に、ポリブチレンテレフタレートフィルム1に10 〜20 kgf/m幅の張力をかけるのが好ましい。
【0041】
変形加工用ロール30の直径は60 〜80cmであるのが好ましい。これによりポリブチレンテレフタレートフィルム1に十分なカール性を付与することができる。通常変形加工用ロール30の周速は30 〜100 m/分とする。
【0042】
図4は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を第2の製造方法により製造するための装置の別の例を示す概略側面図である。なお図1に示す実施例と同じ部材又は部分には同じ参照番号を付してある。この例では、ポリブチレンテレフタレートフィルムとフィルム状成形体とを接着することにより予め積層体を作製した後、そのポリブチレンテレフタレートフィルム層にカール性を付与する。ポリブチレンテレフタレートフィルム1とフィルム状成形体13とを一対の加熱ロール38,38により接着するまでの工程は、図1に示す例と同じである。得られた積層体は変形加工用ロール30に摺接しながらポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点未満の温度T5で変形加工される。これにより積層体のポリブチレンテレフタレートフィルム層にカール性が付与される。得られたカール性積層体11は冷却ロール28と接触することにより上記ガラス転移温度以下の温度T6で冷却され、次いでカール性積層体のフィルム状成形体層を内側として巻き取りリールにより室温で巻き取られることにより巻きフィルム12とされる。得られた巻きフィルム12は上記ガラス転移温度超〜温度T5未満の温度T7で加熱処理され、次いで上記ガラス転移温度以下の温度T8で冷却されることにより形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50が得られる。
【0043】
なお図4に示す実施例において、温度T5〜T8に関する要件は図3に示す実施例と同じである。積層体11の巻き込み方向と巻き解き方向とがなす角度θ3を45 〜60°の範囲となるようにするのが好ましい。
【0044】
なお図4に示す例では、ポリブチレンテレフタレートフィルム1の片面のみにフィルム状成形体13を接着しているが、ポリブチレンテレフタレートフィルム1の両面にフィルム状成形体13を接着した上で、形状記憶性を付与することも可能である。
【0045】
(II) ヒートシール方法
上記(I)に記載の方法により得られる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50は、その製造工程において見かけ上ほぼ平坦とされ、さらに巻きフィルム12として保管されているので、これを巻き出す時には見かけ上ほぼ平坦である。しかし形状回復温度が比較的低い場合、保管が長期にわたる場合、上記(I)で述べたフィルム状成形体に接着する際の張力の影響が強い場合、夏場の高温期に保管された場合等には、保管時に除々にカール形状が回復していたり、保管時の巻きにより形状記憶によるカール形状とは反対側に反る癖が付いていたりすることがある。特にデッドホールド性の強い紙層やアルミニウム箔層等を有さない形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の場合、上記要因により平坦性を消失しやすい。
【0046】
本発明の蓋体付き容器は、上記(I)に記載の方法により得られる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を打ち抜き加工し、容器にヒートシールすることにより製造されるが、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を巻き出した時にほぼ平坦でないと、容器へのヒートシールができないか、できても蓋体がたわんだ不良品となってしまう。よって蓋体付き容器を製造するにあたり、巻き出した時に平坦でない形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、ヒートシールする直前にほぼ平坦にする必要がある。
【0047】
図5は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器を製造するための装置の一例を示す概略側面図である。上記(I)に記載のいずれかの方法により得られた巻きフィルム12から巻き出された形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50は、二つのニップロール31,31’間で平坦に保持されながら、ヒーター32,32による加熱空気と接触することにより、ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度を超える温度T4で急速に焼きなまされ、見かけ上ほぼ平坦とされる。ほぼ平坦となった形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50は、シールヘッド81が上下動する蓋材シール装置8により打ち抜き加工され、直ちに容器7にヒートシールされる。なお必要に応じて容器内に不活性ガスを吹込むことができる。
【0048】
但し、温度T4での焼きなましは形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体が記憶しているカール性を消失しない程度に行う必要がある。このため温度T4は80 〜120℃であるのが好ましい。温度T4まで急速に加熱して30 〜60秒間焼きなます。二つのニップロール間31,31’で平坦に保持するためにかける張力は5〜10kgf/m幅とする。通常形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50の走行速度は30 〜100 m/分とする。ヒーター32,32の温度設定は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50のポリブチレンテレフタレートフィルム層が温度T4に加熱されるようにする。図5では、ヒーター32,32により形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50の両面から加熱しているが、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50のポリブチレンテレフタレートフィルム層側(図5では下側)にのみヒーター32を設置してもよい。ヒーター32から出る加熱空気を、ノズルを用いて形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50のポリブチレンテレフタレートフィルム層に吹き付けてもよい。
【0049】
蓋体の打ち抜き加工と容器7へのヒートシールは間欠的に行われるため、図5に示すように、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50がガイドロール20,当接ロール15間でたわまず、一定の張力に保たれるようにするためのたわみ防止用ロール33が設けられている。たわみ防止用ロール33は、ガイドロール20,当接ロール15間の積層体シートを一定の張力に保つように上下動自在である。なお図5において、14は蓋体を打ち抜いた後の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50からなる巻きフィルムを示す。
【0050】
ヒートシールにおいて、蓋体のシール部がシールヘッド81により通常120 〜160℃に加熱され、そのとき蓋体のシール部以外の部分にも熱が加わるため、蓋体は容器にヒートシールされる時にカール形状を回復し、容器にシールされている間は平坦であるが、容器から剥離することにより形状記憶によるカール形状を示す。
【0051】
[2] 半固体状食品用容器
上記[1]で述べた製造方法により得られる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器は半固体状食品用の容器として好適である。
(I) 蓋体の層構成
図6及び図7は、ゼリー、プリン等の半固体状食品を収容するための容器に使用する蓋体を構成する形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の層構成の代表例を示す。図6に示す積層体は、基本構成としてポリブチレンテレフタレートフィルム層51と、剛性フィルム層層57と、シーラントフィルム層54とからなる。半固体状食品を収容するための容器に使用する蓋体は、即席食品用容器に用いる蓋体のように注湯後の再封性が要求されないので、デッドホールド性の強い紙シートやアルミニウム箔を有しないことが多い。但しポリブチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンフィルムの2層のみを接着することにより積層体を構成すると、ポリブチレンテレフタレートフィルムに付与されたカール性がポリエチレンフィルムに吸収され易く、形状記憶性が不十分となる恐れがある。よってポリブチレンテレフタレートフィルム層とポリエチレンフィルム層とを有する形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造する場合は、ポリブチレンテレフタレートフィルム層とポリエチレンフィルム層との間にポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、ナイロンフィルム等の剛性フィルムからなる層を設けるのが好ましい。以下、各層について詳述する。
【0052】
(1) ポリブチレンテレフタレートフィルム層
形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体に使用するポリブチレンテレフタレートフィルムとしては、以下に説明するインフレーション成形法又は一軸延伸法により製造されたものが好ましい。これらの製造方法により得られるポリブチレンテレフタレートフィルムを用いることにより、付与した形状を安定的に再現できる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体が得られる。ポリブチレンテレフタレートフィルムの厚さは6μm以上であるのが好ましく、10 〜50μmであるのがより好ましく、10 〜30μmであるのがさらに好ましい。ポリブチレンテレフタレートフィルムの厚さが6μm以上であれば、十分な形状記憶能、保香性及びガスバリア性を有するとともに、光沢性及び印刷特性も良好である。
【0053】
(A) 原料ポリブチレンテレフタレート樹脂
原料とするポリブチレンテレフタレート樹脂に特に制限はないが、1,4-ブタンジオールとテレフタル酸とを構成成分とするホモポリマーからなるのが好ましい。但し形状記憶能、熱収縮性等の物性を損なわない範囲で、1,4-ブタンジオール以外のジオール成分と、テレフタル酸以外のカンボン酸成分が共重合成分として含まれていてもよい。そのようなジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンメタノール等が挙げられる。ジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸等が挙げられる。好ましいポリブチレンテレフタレート樹脂の具体例としては、例えば東レ(株)から商品名「トレコン」として市販されているホモポリブチレンテレフタレート樹脂を挙げることができる。
【0054】
ポリブチレンテレフタレート樹脂には一般の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の添加剤、すなわち可塑剤、酸化肪止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、染料や顔料等の着色剤、流動性の改善のための潤滑剤、結晶化促進剤(核剤)、無機充填剤等も要求性能に応じ適宜使用することが出来る。また本発明の効果を阻害しない範囲で、目的に応じ少量の他の熱可塑性樹脂を補助的に添加使用することも出来る。
【0055】
(B) インフレーション成形法
図8は、ポリブチレンテレフタレートフィルムをインフレーション成形法により製造する方法の工程を示す概略側面図である。押出機412に取り付けられた環状ダイ401から押出されたチューブ状フィルムは、内部に空気が送り込まれて除々に所定の幅のフィルムに膨張し、引取り機ニップロール413に挟まれて引き取られ、巻き取りリール414により巻き取られる。
【0056】
ポリブチレンテレフタレートフィルムを製造するには、まずポリブチレンテレフタレート樹脂及び所望の添加剤などの混練を、240 〜260℃の樹脂温度で行う。混練温度が260℃より高いと、樹脂の熱劣化が進行する恐れがある。このため、二軸押出機のような押出機中で混練を行う場合、発熱しないようなスクリュー構造を有するもの、又は適当な冷却装置を有するものを使用する。なお混練温度の下限が240℃未満になると、押出量が不安定となるため好ましくない。
【0057】
インフレーション用環状ダイ401から押し出す樹脂温度は210 〜250℃とする。環状ダイ401から押し出す樹脂の温度が250℃を超えていると、第一冷却リング402によりバブル407を十分に冷却することができない。好ましくは、環状ダイ401から押し出す樹脂温度は220 〜230℃である。またインフレーション用環状ダイ401から押し出す樹脂圧力は100 〜120kg/cm2とする。インフレーション用環状ダイ401の直径は150 〜300mmであるのが好ましい。
【0058】
環状ダイ401から押し出されたバブル407は、冷却装置により、冷却されながらMD方向のみならずTD方向にも延伸される。これを図9に概略的に示す。
【0059】
図9において、バブル冷却装置は、環状ダイ401の付近に設けられた第一冷却リング402と、第一冷却リング402の上方に設けられた第二冷却リング403と、第二冷却リング403のやや上方に設けられた第三冷却リング404と、第一冷却リング402と第二冷却リング403との間に設けられた円筒状のネット405と、ネット405の下部に設けられた冷却空気吹出装置406とを有する。
【0060】
以上の構成の装置において、各冷却リングの配置は空冷インフレーション法により形成されるバブル407の温度コントロールにより決まるので、以下にバブル407の形状及び温度分布について説明する。
【0061】
ダイ401の環状オリフィス411より溶融したポリブチレンテレフタレート樹脂又はポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を押し出して、バブル407を形成するが、押し出された直後のバブル407は、溶融張力が低いために細径状となり、いわゆるネック部471を形成する。ネック部471において、バブル407は主としてMD方向に延伸される。次にバブル407は急激に膨張し、所定のバブル径となる。この膨張部472において、バブル407はMD方向のみならずTD方向にも延伸される。膨張部472のほぼ上方付近にフロストライン474があり、ここでポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は冷却固化状態となる。フロストライン474より上方のバブル領域473に設けられた第二冷却リング403及び第三冷却リング404で、バブル407はさらに冷却される。
【0062】
このような空冷インフレーション法によりポリブチレンテレフタレートフィルムを得るためには、バブル407の各部の温度を以下の通りコントロールする。
(a) 環状ダイ401より押し出し直後の温度は170℃以下。
(b) ネック部471では130℃以下まで冷却。
(c) フロストライン474では100℃以下まで冷却。
(d) 第二冷却リング403により80℃以下まで冷却。
【0063】
上記条件(a)については、上述の通りであるが、条件(b)については、ネック部471で130℃以下まで冷却しないと、次の膨張部472でTD方向の延伸を十分に達成することができない。すなわちネック部471で130℃以下まで冷却されないと、膨張部472で十分な溶融張力を有さず、MD方向の延伸が主となってしまう。
【0064】
なおこのような温度条件を満たすためには、ブローアップ比を1.5 〜2.8とする。好ましくはブローアップ比を2.0 〜2.8とする。
【0065】
条件(c)について、フロストライン474でのバブル温度を100℃以下まで低くすることにより、バブル407の冷間延伸を達成することができる。このためフロストライン474においてバブル温度が100℃より高いと、膨張部472においてバブル407のMD方向及びTD方向の両方における延伸が不十分である。
【0066】
条件(d)については、フロストライン474の上方でバブル407を80℃以下に冷却することにより、均一な薄いバブル407の形成を安定化することができる。第二冷却リング403を設けずに、フロストライン474上方のバブル407の温度を80℃より高い状態に保つと、不均一な延伸が起こるおそれがあり、そのためバブル407全体が不安定となる。
【0067】
第二冷却リングによる冷却の後、さらに条件(e)として、第三冷却リング404により50℃以下まで冷却するのが好ましい。第二冷却リング403だけでバブル407を完全に冷却しようとすると、不均一な冷却が生ずるおそれがある。第三冷却リング404により30 〜40℃まで冷却するのが好ましい。これらの第二冷却リング403及び第三冷却リング404により、それより上方のバブル407では延伸が起こらない。
【0068】
以上のようなバブル407の温度コントロールを行うために、第一冷却リング402、第二冷却リング403、第三冷却リング404、ネット405及び冷却空気吹出装置406の配置は以下の通りである。
(イ) 第一冷却リング402
環状ダイ401のすぐ近くに設け、ネック部471の温度が130℃までに低下するように、冷却空気を噴出する。これにより、膨張部472以降のフロストライン474において、バブル407の温度は100℃以下となる。
(ロ) 第二冷却リング403
環状ダイ401の口径の5〜10倍の距離H1だけ環状ダイ401の上方位置に配置し、バブル407の温度が80℃以下となるように冷却空気を噴出する。
(ハ) 第三冷却リング404
環状ダイ401の口径の0.5 〜5.0倍の距離H2だけ第二冷却リング403より上方の位置に配置し、バブル407の温度が50℃以下となるように冷却空気を噴出する。
(ニ) ネット405
円筒状の形状を有し、第一冷却リング402と第二冷却リング403の間に位置し、バブル407を包囲する。後述の冷却空気吹出装置406により冷却され、第一冷却リング402及び第二冷却リング403による冷却が外部の環域(気温・温度等)の影響を受けずに常に同一条件で行われ、もってバブル407の温度が前述の条件(b)〜(d)に維持されるようにバブル407周囲の温度を均一に保持する。
(ホ) 冷却空気吹出装置406
ネット405の下部外側に設けられ、ネット405の下端部に沿って円状に冷却空気吹き出し口を有し、ネット405の周囲の温度が30 〜40℃、好ましくは30 〜35℃の範囲内で安定した温度となるように冷却空気を斜上方に噴出する。斜上方に吹き出された冷却空気は、ネット405に沿って吹き上がり、ネット全体を冷却する(図9中の矢印)。
【0069】
以上の方法において、第一冷却リング402よりバブル407に噴射する冷却空気としては、加湿空気を用いるのが好ましい。加湿空気は冷水により加湿冷却した空気で、ほぼ飽和状態の水分を含有し、単なる冷却空気より約5℃も冷却効果が大きい。また第二及び第三冷却リング403,404よりバブル407に噴射する冷却空気としても、冷却効率の観点から加湿空気を用いるのが好ましい。また安定した冷却効果が得られないと、バブル407が不安定となるので、冷却空気の温度及び湿度はできるだけ変化しないようにコントロールする。
【0070】
また冷却空気吹出装置406よりネット405に噴射する冷却空気は、上述の第一〜第三冷却リング402から404の場合と同様に、加湿空気を用いてもよいし、通常の室内の空気を所望の温度に調整したものを用いてもよい。
【0071】
図10は加湿空気を供給するシステムを示す概略断面図である。ブロワーBから供給された空気は、冷水器R及び冷水リサイクルポンプPを備えた加湿器415で加湿冷却され、第一〜三冷却リング402〜404及び冷却空気吹出装置406にそれぞれ供給される。
【0072】
さらにネット405としては、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル等のプラスチック製のものや、ステンレススチール、銅、黄銅、ニッケル等の金属製のもの等を用いることができるが、その網目が5〜20メッシュのものが好ましく、特に8〜10メッシュのものが好ましい。
【0073】
ポリブチレンテレフタレート樹脂のインフレーション法による製膜は以上の要件を保持することにより可能であり、他の条件はインフレーション方式の一般的な条件が適用出来る。即ちクロスヘッドダイを用いて、上方又は下方にチューブ状溶融ポリブチレンテレフタレート樹脂を押出し、端をピンチロールで挟んでその中に空気を送り込んで所定のサイズに膨らませつつ連続的に巻き取り、この間ダイを回転又は反転して偏肉を防止する事も出来る。
【0074】
以上のようにして製造されたポリブチレンテレフタレートフィルムの熱収縮率の値は200℃までほぼ0%であり、200℃まで実質的に熱収縮しない。このためヒートシール、印刷等の二次加工においてフィルム寸法の変化が少ない。また延伸は加熱及び非加熱の両方において可能であり、例えば約130℃において3.2倍程度に容易に延伸でき、乳白色から半透明の延伸フィルムが得られる。非加熱で延伸した場合には、透明なフィルムが得られる。以上説明した製造方法により、厚み10μm以上、フィルム幅400 〜1200mmのポリブチレンテレフタレートフィルムの製造が可能である。
【0075】
以上説明した製造方法によれば、常にバブルの各部(押し出し直後、ネック部、膨張部、フロストライン)がそれぞれ所望の温度に維持されるので、品質が常に均一である。さらに冷却速度を大きくできるので、高速製膜が可能である。
【0076】
(C) 一軸延伸法
図11は、一軸延伸法によるポリブチレンテレフタレートフィルムの製造工程を示す概略側面図である。シート用ダイ(Tダイ)507から押し出された溶融樹脂505が、加熱キャスティングロール501で引き取られ、除冷却されることにより結晶化シート506が形成される。得られた結晶化シート506は、加熱キャスティングロール501とこれに平行に設けられた第2のロール502との間で延伸されることにより延伸フィルムとなる。
【0077】
(a) 結晶化シート形成工程
まずポリブチレンテレフタレート樹脂と、上記(1)で述べた添加剤、他の樹脂等とを溶融混練し、溶融樹脂505を調製する。溶融混練の方法は特に限定されないが、通常は二軸押出機中で均一に混練することにより行う。混練温度は230 〜260 ℃であるのが好ましい。混練温度が260 ℃より高いと、樹脂の熱劣化が進行する恐れがある。このため二軸押出機のような押出機中で混練を行う場合、発熱しないようなスクリュー構造を有するもの、又は適当な冷却装置を有するものを使用する。なお混練温度の下限が230 ℃未満になると、押出量が不安定となるため好ましくない。
【0078】
溶融混練した溶融樹脂505を直接に又は別の押出機を介して、或いは一旦冷却してペレット化した後再度押出機を介してシート用ダイ507から押し出す。シート用ダイ507のギャップは通常5mm以下とする。シート用ダイ507から押し出す樹脂温度は210 〜250 ℃とするのが好ましく、220 〜230 ℃とするのがより好ましい。
【0079】
このようにしてシート用ダイ507から押し出した溶融樹脂505を、加熱キャスティングロール501で引き取り、除冷却することにより結晶化シート506を形成する。結晶化シート506を形成することにより延伸に対する加工性が向上するので、高延伸化かつ薄膜化が容易になる。加熱キャスティングロール501と接触する前に、押し出された溶融樹脂505の温度が200 ℃以下に低下しないように、シート用ダイ507と加熱キャスティングロール501間の距離を20 cm以下とするのが好ましい。加熱キャスティングロール501は150 〜200 ℃に温度調整するのが好ましい。加熱キャスティングロール501の温度を200 ℃超とすると、溶融張力が低くなるため結晶化シート506の形成が困難となる。一方加熱キャスティングロール501の温度を150 ℃未満とすると、得られる結晶化シート506の結晶化度が低くなるため、後続の延伸に対する加工性が低下する。
【0080】
結晶化シート506の厚みを50 〜100μmとするのが好ましい。これにより後続の延伸工程による薄膜化が容易になる。結晶化シート506の厚みを50 〜100μmとし、かつ結晶化シート506形成の際のネックイン現象(ダイから押し出され、キャストされたシートがダイの有効幅よりも狭くなる現象)を極力抑制するには、加熱キャスティングロール501の周速を5 〜15 m/分とする。加熱キャスティングロール1の外径は35 〜70 cmであるのが好ましい。
【0081】
(b) 延伸工程
(i) 一次延伸
次いで図11に示すように、得られた結晶化シート506を加熱キャスティングロール501と第2のロール502との間で、両ロールの周速差を利用し、機械方向に延伸する(一次延伸)。この時、加熱キャスティングロール501を上記(a)で述べたように150 〜200 ℃に温度調整するとともに、加熱キャスティングロール501と第2のロール502とのロール間距離(両ロール間の共通接線間距離)を10 cm以下とするのが好ましい。このような条件で一次延伸を行うことにより、結晶化シート506が延伸される領域(延伸領域)を比較的狭くでき、且つ延伸領域の温度を130 〜150 ℃とすることができる。延伸領域の温度を130 〜150 ℃とすることにより、溶融張力を比較的高倍率の延伸に適した範囲とすることができるので、膜厚ムラの少ない均一な延伸が可能となる。また延伸領域を狭くするに従い、ネックイン現象の抑制効果が向上する。なお延伸領域の温度を一定に保つために、熱線ヒータ等を用いて両ロール間のフィルムを加熱してもよい。なお図11において、509はガイドロールを示し、508は巻き取りリールを示す。
【0082】
延伸倍率は結晶化シート506の厚みによって異なるが、1.5倍以上とするのが好ましく、2〜4倍とするのがより好ましい。延伸倍率を上げるほど透明性が向上する。加熱キャスティングロール501と第2のロール502との周速比を適宜設定することにより、所望の倍率に延伸することができる。第2のロール502の外径に特に制限はなく、加熱キャスティングロール501と同じく35 〜70 cmとすればよい。
【0083】
一次延伸の後、後述する再延伸(二次延伸)も行う場合は、第2のロール502を100 〜150 ℃に温度調整するのが好ましい。一方延伸工程として一次延伸のみを行う場合には、第2のロール502を40 ℃以下に温度調整することにより、一次延伸を施したフィルムに対して冷却固定処理を施すことができる。本明細書において、冷却固定処理とは、ポリブチレンテレフタレートのガラス転移温度(20 〜45 ℃)以下の温度でフィルムを処理することを意味する。冷却固定処理を施すことにより、延伸された状態を安定化することができる。また冷却固定処理をさらに長くしたい場合には、図12に示すように第2のロール502と平行に第3のロール503を設け、これを40 ℃以下に温度調整するとともに第2のロール502と同じ周速で回転させて、一次延伸を施したフィルムを引き取るようにすればよい。なお図12において、図11に示す製造装置と同じ部分には同じ参照番号を付してある。第3のロール503の外径は、第2のロール502と同じく35 〜70 cmとすればよい。なお図12において、510はニップロールを示す。
【0084】
第3のロール503により冷却固定処理を行う場合、第2のロール502をポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点−50 ℃以下に温度調整してもよく、これによりフィルムの熱収縮率が一層低くなる。
【0085】
(ii) 二次延伸
一次延伸により得られた延伸フィルムをさらに機械方向に延伸するのが好ましい(二次延伸)。二次延伸により透明性が一層向上するとともに、一層薄膜化することができる。二次延伸も行う場合、図12に示す第2のロール502と第3のロール503との間に周速差を設け、機械方向に延伸する。この時、第2のロール502を100 〜150 ℃に温度調整するとともに、第2のロール502と第3のロール503とのロール間距離を10 cm以下とするのが好ましい。ロール間距離を10 cm以下とすることにより、ネックイン現象を抑制できることは、上記(i)で述べた通りである。
【0086】
二次延伸の後、後述する再々延伸(三次延伸)も行う場合は、第3のロール503を40 〜100 ℃に温度調整するのが好ましい。一方三次延伸を行わない場合には、第3のロール503を40 ℃以下に温度調整することにより、二次延伸を施したフィルムに対して冷却固定処理を施すことができる。また冷却固定処理をさらに長くしたい場合には、図13に示すように第3のロール503と平行に第4のロール504を設け、これを40 ℃以下に温度調整するとともに第3のロール503と同じ周速で回転させて、二次延伸を施したフィルムを引き取るようにすればよい。なお図13において、図12に示す製造装置と同じ部分には同じ参照番号を付してある。第4のロール504の外径は、第3のロール503と同じく35 〜70 cmとすればよい。
【0087】
なお第4のロール504により冷却固定処理を行う場合、フィルムの熱収縮率を一層低下させるために第3のロール503をポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点−50 ℃以下に温度調整してもよい。
【0088】
(iii) 三次延伸
二次延伸により得られた延伸フィルムをさらに機械方向に延伸してもよい(三次延伸)。三次延伸も行う場合、図13に示す第3のロール503と第4のロール504との間に周速差を設け、機械方向に延伸する。この時、第3のロール503を40 〜100 ℃に温度調整するとともに、上記(i)で述べたのと同じ理由により第3のロール503と第4のロール504とのロール間距離を10 cm以下とするのが好ましい。このような冷間延伸を施すことにより、フィルムの透明性を一層向上することができる。また第4のロール504は40 ℃以下に温度調整するのが好ましく、これにより三次延伸を施したフィルムに対して冷却固定処理を施すことができる。
【0089】
(iv) 横延伸
上記(i)〜(iii)のいずれかの方法で製造されたポリブチレンテレフタレートフィルムに対して、引き続きTD(幅方向)への横延伸を施すことができる。横延伸を行う方法としては、テンター法等の公知の方法を適用すればよい。
【0090】
(v) 熱処理
以上のようにして製造されたポリブチレンテレフタレートフィルムは優れた寸法安定性を有するが、熱収縮率を一層向上させるために、さらに熱処理を施してもよい。熱処理方法としては、熱固定処理又は熱収縮処理のいずれを用いてもよい。これらの熱処理は、ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点−50 ℃以下で行うのが好ましい。
【0091】
熱固定処理は、テンター方式、ロール方式又は圧延方式により行う。また熱収縮処理は、テンター方式、ロール方式若しくは圧延方式により行うか、又はベルトコンベア若しくはフローティングを用いて行ってもよい。熱固定処理及び熱収縮処理を組み合せて行ってもよい。
【0092】
以上のようにして製造されたポリブチレンテレフタレートフィルムは、半透明から透明であり、従来の一軸延伸フィルムと比較して、膜厚の均一性に優れるとともに熱収縮率が低い。具体的には、平均膜厚8〜20μmのフィルムの膜厚差は1〜2μmであり、熱収縮率はMD(機械方向)0.1%以下、TD(幅方向)0.2%以下である[本明細書において、膜厚差とは、ポリブチレンテレフタレートフィルムの幅方向における中心部及び両端部の厚みをそれぞれ2点ずつ計6点測定し、そのうちの最大値と最小値との差を算出した値である。この値が小さいほうが良好な結果となる。また熱収縮率とは、ポリブチレンテレフタレートフィルムを150 ℃で10分間暴露したときのMD及びTDの収縮率をそれぞれ測定した値である。]。このためムラの少ない印刷層や金属蒸着層を形成することができる。またヒートシール、印刷等の二次加工においてフィルム寸法の変化が少ない。
【0093】
以上説明した製造方法によれば、常に加熱キャスティングロール及び第1〜第4のロールがそれぞれ所望の温度に維持されるので、品質が常に均一である。さらに未延伸フィルムの作製において一旦冷却しないので、高速製膜が可能である。
【0094】
(D) 線状痕形成
形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を即席食品用容器の蓋体用の包装材として用いる場合、フィルム状成形体と接着する前のポリブチレンテレフタレートフィルムに対して、以下に述べる方法により多数の実質的に平行な線状痕を形成しておくのが好ましい。これによりポリブチレンテレフタレートフィルムに直線的易裂性を付与することができ、蓋体を部分開封することが可能となる。直線的易裂性ポリブチレンテレフタレートフィルムは、連続走行するポリブチレンテレフタレートフィルムを、多数の微細な突起を有する線状痕形成手段に摺接させ、多数の実質的に平行な線状痕を形成することにより製造される。以下、直線的易裂性ポリブチレンテレフタレートフィルムの製造方法を図面を参照して詳細に説明する。
【0095】
(a) フィルムに進行方向の線状痕を形成する場合
図14は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に線状痕を形成するための装置の一例を示す概略側面図である。図14は、表面に多数の微細な突起を有するロール(以下「パターン・ロール」という)602を線状痕形成手段として用い、ノズル603を圧縮空気吹き付け手段として用いた例を示す。フィルム原反を巻いたリール607から巻き戻されたポリブチレンテレフタレートフィルム601は、ニップロール671を経て、パターン・ロール602に接触する際に線状痕が形成され、得られた直線的易裂性ポリブチレンテレフタレートフィルムはニップロール672、ガイドロール673及び674を経て、巻き取りリール675に巻き取られる。
【0096】
パターン・ロール602は、図15に示すようにその回転軸がポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向と並行となるように定位置に固定されており、軸線方向長さがポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅より長く、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅全体がパターン・ロールに摺接するようになっている。
【0097】
張力調整ロールとしてニップロール671及び672をパターン・ロール602の前後に設けることよりパターン・ロール602を走行するポリブチレンテレフタレートフィルム601に張力を与えられるようになっている。さらに図15に示すように、ポリブチレンテレフタレートフィルム601がパターン・ロール602に摺接する面(摺接面)に、ノズル603により所定の風圧を伴った空気を吹き付けることにより、摺接面に均一な接触力をかけることができる。これによりフィルム面に均一な線状痕を形成することができる。ノズル603を用いてパターン・ロール602にポリブチレンテレフタレートフィルム601を押し付けることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の厚みむらによる摺接面での接触不均一性を緩和することができる。パターン・ロール602にポリブチレンテレフタレートフィルム601を押し付ける手段としてゴムロールを用いると、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の厚みむらが原因となって摺接面での接触力が不均一となり、最悪の場合にはポリブチレンテレフタレートフィルム601が破損する恐れがある。このためブロワーやノズルのような空気吹き付け手段は、パターン・ロール602にポリブチレンテレフタレートフィルム601を押し付ける手段として、ゴムロールより優れている。
【0098】
パターン・ロール602は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行速度より遅い周速で、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向の逆方向に回転させるのが好ましい。これによりフィルム皺の発生を防止できるとともに、線状痕の形成に伴い発生する削り屑がパターン・ロール602の表面に溜まるのを防止できるので、適切な長さ及び深さの線状痕を形成する上で好ましい。ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行速度は10 〜500 m/分とするのが好ましい。パターン・ロール602の周速(ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向と逆方向に回転させる速度)は、1〜50 m/分とするのが好ましい。
【0099】
パターン・ロール602としては、例えば特開2002-059487号に記載のものを用いることができる。これは金属製ロール本体の表面に鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の微粒子を電着法、又は有機系又は無機系の結合剤により付着させた構造を有する。金属製ロール本体は、例えば鉄および鉄合金、または表面にニッケルめっき層、クロムめっき層を被覆したもの等から形成される。モース硬度5以上の微粒子としては、例えばタングステンカーバイト等の超硬合金粒子、炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子、サファイア粒子、立方晶窒化ホウ素(CBN)粒子、天然又は合成のダイヤモンド微粒子等を挙げることができる。特に硬度、強度等が大きい合成ダイヤモンド微粒子が望ましい。微粒子の粒径は形成する線状痕の深さあるいは幅に応じて適宜選択する。微粒子の粒径は10〜100μmで、粒径のばらつきが5%以下のものが望ましい。微粒子を付着させる程度は、形成する線状痕同士の間隔が所望の程度となるように、適宜選択する。均一な線状痕を得るために、微粒子はロール本体表面に50%以上付着させることが望ましい。パターン・ロール602の具体例としては、鉄製のロール本体表面に鋭い角部を有する多数の合成ダイヤモンド微粒子が50%以上の面積率でニッケル系の電着層を介して結合・固定されているものが挙げられる。パターン・ロール602の外径は2 〜20 cmであるのが好ましく、3 〜10 cmであるのがより好ましい。
【0100】
パターン・ロール602としては、金属製ロール本体の表面に金属製針が微小間隔で縦横に規則的に埋め込まれている針歯ロールを用いることもできる。また線状痕形成手段としては、パターン・ロール602の他に、プレート状本体の表面に、上記のようなモース硬度が5以上で、鋭い角部を有する微粒子を表面に多数有するパターン・プレートを用いてもよい。
【0101】
図16はポリブチレンテレフタレートフィルム601がパターン・ロール602と摺接し、線状痕が形成される様子を示す部分拡大横断面図である。例えばパターン・ロール602の表面上の微粒子604のうち少なくとも一つの微粒子の角部がポリブチレンテレフタレートフィルム601の下面に切り込んでいくが、上述のようにポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行速度はパターン・ロール602が逆回転する周速より速いので、切り込んだ微粒子604の角部がポリブチレンテレフタレートフィルム601の下面から離れるまで一本の長い線状痕が形成される。
【0102】
圧縮空気吹き付け手段としては、図17(a)に示すように帯状の吹き出し口631を有するノズル(図14〜16に示すものと同様)に代えて、図17(b)に示すように複数の吹き出し口631を有するノズルを用いてもよい。また図17(c)に示すようにフード632を有するノズルを用いてパターン・ロール602を覆う形で圧縮空気を吹き付けると、吹き出し口631から吹き出す圧縮空気が摺接面に到達するまでに拡散しにくいので、摺接面におけるポリブチレンテレフタレートフィルム601とパターン・ロール602の接触力を一層均一にすることができる。このような圧縮空気吹き付け手段により吹き付ける圧縮空気流の圧力は、0.05 〜5 kgf/cm2であるのが好ましい。これにより摺接面におけるポリブチレンテレフタレートフィルム601とパターン・ロール602の接触力を均一にすることができる。より好ましい圧縮空気流の圧力は0.1 〜2 kgf/cm2である。また吹き出し口631から摺接面までの距離は10 〜50 cmであるのが好ましい。圧縮空気は、少なくとも摺接面をカバーする範囲に均一に当たればよい。しかし、必要以上にブロワー又はノズルの吹き出し口631を大きくすると、適切な風圧を得るために要する圧縮空気の量が多くなるため好ましくない。
【0103】
定位置に固定したパターン・ロール602へのポリブチレンテレフタレートフィルム601の巻き掛け方については、図17(c)に示すポリブチレンテレフタレートフィルム601の巻き込み方向と巻き解き方向とがなす角度θ4を60 〜170°の範囲となるようにするのが好ましい。これにより線状痕の長さ及び深さが調整し易くなる。角度θ4は90 〜150°の範囲となるようにするのがより好ましい。角度θ4を所望の値にするには、パターン・ロール602の高さ位置を変更する等により、パターン・ロール602とニップロール671及び672との位置関係を適宜調整すればよい。またパターン・ロール602へのポリブチレンテレフタレートフィルム601の巻き掛け方及び外径に応じて、ニップロール671及び672によりポリブチレンテレフタレートフィルム601に与える張力とノズル603により与える風圧とを適宜調整し、所望の長さ及び深さの線状痕が得られるようにする。ニップロール671及び672によりフィルムに掛ける張力(幅当りの張力)については、0.01 〜5 kgf/cm幅の範囲となるようにするのが好ましい。
【0104】
線状痕の長さ及び深さは、所望の直線的易裂性の長さを満たすように、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の走行速度、パターン・ロール602の周速、ダイヤモンド微粒子604の粒子径、パターン・ロールの外径、ノズル603の風圧、ニップロール671及び672により与える張力等を適宜設定することにより、調整する。
【0105】
(b) フィルムに斜めの線状痕を形成する場合
図18は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための装置の一例を示す概略側面図である。図14と同じ部材又は部分には同じ参照番号を付してある。図18は、線状痕形成手段として、図19に示すようにフィルム幅方向に移動可能に設置された多数のパターン・ロール621a及び621bを備えている。
【0106】
パターン・ロール621a及び621bはそれぞれガイドレール661a及び661bに沿って、そのロール軸線方向がポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向と直交するように直線的に移動することができる。このような構成の装置を用いる場合は、パターン・ロール621a及び621bの軸線方向長さ及びロールの幅は5〜10 cm程度でよい。またパターン・ロール621a同士の隙間は、少なくともパターン・ロール621aのロール幅より狭くし、パターン・ロール621aの密度を高くするのが好ましい。これはパターン・ロール621bについても同様である。図19に示すように多数のパターン・ロール621a及び621bを備えることにより、摺接面におけるポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅全体がパターン・ロールにより常に実質的に覆われた状態で線状痕を形成できるので、線状痕を密に形成することができる。
【0107】
またパターン・ロール621a及び621bはその高さ位置を変化させながら移動できる機構を備える(図示せず)。このような機構として、例えばパターン・ロール621a及び621bを支える支持軸651a及び651bが上下する機構や、ガイドレール661a及び661bが上下する機構等が挙げられる。このような機構を備えることにより、パターン・ロール621a及び621bをポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して直交する方向への直線的移動を伴って繰り返し一定方向にのみ摺接させることができ、その結果ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して一定の斜めの線状痕を形成することができる。
【0108】
例えば、パターン・ロール621a及び621bが右方向に移動する時にのみポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接し、パターン・ロール621a及び621bが左方向に移動する時には高さを下げてポリブチレンテレフタレートフィルム601から離れるようにし、かつパターン・ロール621a及び621bのどちらか一方が常にポリブチレンテレフタレートフィルム601に接触するようほぼ交互に摺接するように制御プログラムを設定すればよい。これにより斜め方向に一定の線状痕を形成することができる。
【0109】
斜め方向の線状痕のフィルム進行方向に対する角度は、パターン・ロール621a及び621bを摺接させる速度とポリブチレンテレフタレートフィルム601の走行速度を適宜調整することにより変更可能である。またパターン・ロール621a及び621bは、ポリブチレンテレフタレートフィルム601との摺接面においてポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行に対して抗う方向に回転させる。回転させる速度は、上記(a)で述べたパターン・ロール602の周速と同程度でよい。
【0110】
図20(a)及び(b)はポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための線状痕形成手段の別の例を示す。図20(b)は、図20(a)において(A)方向から見た図である。この例では、図20に示すようなパターン・ロールをガイドレールに沿わせる方法に代えて、多数のパターン・ロール622を接続したパターン・エンドレスベルト608を用いている。このようなパターン・エンドレスベルト608を図20(a)及び(b)のように一定方向に回転させながらポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接させることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成することができる。またこのようなパターン・エンドレスベルト608を用いる場合、なるべくパターン・ロール622の数を多くし、パターン・ロール622の密度を高くするのが好ましい。
【0111】
図21(a)及び(b)はポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための線状痕形成手段の別の例を示す。この例では、軸線方向長さがポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅より長い2つのパターン・ロール623a及び623bを前後に並行に設置している。これによりパターン・ロール623a及び623bを、常に摺接面におけるポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅全体に摺接させることができる。軸線方向長さはポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅の2倍以上であるのが好ましい。
【0112】
パターン・ロール623a及び623bはガイドレール662a及び662bに沿って、その回転軸線方向に直線的移動可能に設置されている。またパターン・ロール623a及び623bは、高さ位置を変化させながら移動できる機構を備える(図示せず)。このような機構を備えることにより、パターン・ロール623a及び623bをポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向への直線的移動を伴って繰り返し一定方向に摺接させることができ、その結果ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して一定の斜めの線状痕を形成することができる。斜め方向の線状痕のフィルム進行方向に対する角度は、パターン・ロール623a及び623bを摺接させる速度とポリブチレンテレフタレートフィルム601の走行速度を適宜調整することにより変更可能である。なお652a及び652bはそれぞれパターン・ロール623a及び623bの支持軸を示す。
【0113】
(c) フィルムに幅方向の線状痕を形成する場合
図22は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601に幅方向の線状痕を形成するための線状痕形成手段の一例を示す。この例では、多数のパターン・ロール624aを接続したパターン・エンドレスベルト608a、及び多数のパターン・ロール624bを接続したパターン・エンドレスベルト608bを用いるので、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609の両側で互いに中心線609に対する所定の角度を保ちながらポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接させることが可能である。
【0114】
このような構成の手段を用いて、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行速度、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609に対するパターン・エンドレスベルト608a及び608bの角度、パターン・エンドレスベルト608a及び608bの回転速度等の運転条件を適宜設定した上で、パターン・エンドレスベルト608a及び608bをポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接させることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向への線状痕を形成することができる。この場合、ノズルもガイドレール663a及び663bに沿って2つ設ける(図示せず)。
【0115】
なお図22の構成では、上記運転条件の設定を適宜変更することにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成することもできる。
【0116】
図23は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向に線状痕を形成するための線状痕形成手段の別の例を示す。この例では、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609に対して所定の角度を保つようにガイドレール664a及び664bを設け、多数のパターン・ロール625a及び625bを備えている。
【0117】
パターン・ロール625a及び625bはその高さ位置を変化させながら移動できる機構を備える(図示せず)。このような機構を備えることにより、パターン・ロール625a及び625bをポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜め方向への直線的移動を伴って繰り返し一定方向にのみ摺接させることができる。そのためパターン・ロール625a及び625bを摺接させる速度とポリブチレンテレフタレートフィルム601の走行速度を適宜調整することにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向に一定の線状痕を形成することができる。またパターン・ロール625a及び625bは、ポリブチレンテレフタレートフィルム601との摺接面においてポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行に対して抗う方向に回転させる。回転させる速度は、上記(a)で述べたパターン・ロール602の周速と同程度でよい。
【0118】
図24(a)及び(b)は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向に線状痕を形成するための線状痕形成手段の別の例を示す。図24(b)は係る線状痕形成手段の左側面を示す(図24(a)における(C)方向から見た図である)。この例では、軸線方向長さがポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅より長い2つのパターン・ロール626a及び626bを備えている。これによりパターン・ロール626a及び626bを、常に摺接面におけるポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅全体に摺接させることができる。軸線方向長さは少なくともポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅の2倍以上であるのが好ましい。なお653a及び653bはそれぞれパターン・ロール626a及び626bの支持軸を示す。
【0119】
パターン・ロール626a及び626bはそれぞれガイドレール665a及び665bに沿って、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609に対して所定の角度を保つように平行移動可能に設置されている。パターン・ロール626a及び626bはその高さ位置を変化させながら移動できる機構を備える(図示せず)。また軸線方向長さについて、パターン・ロール626bはパターン・ロール626aより長い。これによりパターン・ロール626a及び626bは互いに逆方向への進行時にすれ違うことが可能である。
【0120】
図24(a)に示すように、パターン・ロール626a及び626bの回転軸がポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609に対して所定の角度を保ち、かつ回転軸線方向と直交する方向へ回転軸が平行移動するように所定の距離だけパターン・ロール626a及び626bを繰り返し一定方向にポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接させる。図24(a)の例では、パターン・ロール626a及び626bを回転軸線方向と直交する方向のうち、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行に抗う方向に摺接させている。所定の距離だけポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接したパターン・ロール626a及び626bは、図24(b)に示すように、高さを下げてポリブチレンテレフタレートフィルム601から離れ、摺接した時と逆方向に所定の距離だけ戻り、再び高さを上げてポリブチレンテレフタレートフィルム601との摺接を開始するようにし、かつパターン・ロール626a及び626bのどちらか一方が常にポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接するように制御プログラムを設定すればよい。
【0121】
このような構成の手段を用いて、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行速度、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609に対する回転軸の角度、パターン・ロール626a及び626bを摺接させる速度等の運転条件を適宜設定した上で、パターン・ロール626a及び626bをポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接させることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向への線状痕を形成することができる。この場合図24(b)に示すように、ノズル603a及び603bを設け、パターン・ロール626a及び626bのポリブチレンテレフタレートフィルム601との摺接面の移動に合わせて、ノズル603a及び603bをリレー式に移動させるようにする。これによりパターン・ロール626a又は626bのポリブチレンテレフタレートフィルム601との摺接面に対して、常にエアーを吹き付けることができる。
【0122】
なお図24(a)及び(b)の構成では、上記運転条件の設定を適宜変更することにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成することもできる。
【0123】
(E) セラミック又は金属の蒸着
ポリブチレンテレフタレートフィルムには、必要に応じて金属、セラミック等を蒸着したり、樹脂をコーティングしたりすることができる。蒸着するセラミックの具体例としてシリカ、アルミナ等が挙げられる。セラミック又は金属を蒸着することにより、ポリブチレンテレフタレートフィルムのガスバリア性が向上する。金属、セラミック等の蒸着は、公知の方法により行うことができる。金属、セラミック等を直線的易裂性ポリブチレンテレフタレートフィルムに蒸着する場合、フィルムの線状痕形成面又は非形成面のどちらに蒸着してもよい。
【0124】
(2) シーラントフィルム層
本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を半固体状食品用容器の蓋体に適用する場合、容器本体の上端フランジ部に熱シールするためのシーラントフィルム層54を形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体に設ける。シーラントフィルム層54は、ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、ポリスチレンフィルム等により形成することができる。また蓋体を容器本体から容易に剥離できるように、シーラントフィルム54はイージーピール性を有するのが好ましい。そのために、シーラントフィルム54は比較的弱い熱接着性を有するのが好ましい。また熱シール用材料として公知のホットメルトも用いることができる。
【0125】
シーラントフィルム54として、例えば剛性フィルム57側のポリエチレンベースフィルムと、容器本体の上端フランジ部側の低分子量ポリエチレンフィルムとの積層フィルムを使用することができる。このポリエチレンベースフィルムの厚さは約10〜40μmが好ましく、約20〜30μmがより好ましい。また低分子量ポリエチレンフィルムの厚さは約5〜20μmが好ましく、約7〜15μmがより好ましい。このような積層ポリエチレンフィルムは、例えば760FD(東レ合成フイルム(株)製)として市販されている。またシーラントフィルム54としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)とポリエチレンとの混合物からなるフィルムも使用することができる。この混合物からなるフィルムにおいて、ポリエチレンとしては線状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。この混合物からなるフィルムの厚さも約10〜40μmが好ましく、約20〜30μmがより好ましい。またホットメルト層の厚さは10〜50μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。
【0126】
またシーラントフィルム層54として、特願2002-183197号に開示のものを用いてもよい。特願2002-183197号に開示のシーラントフィルムは、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとを共重合して得られ、密度(JIS K6922)が0.870 〜0.910 g/cm3、MFR(JIS K6921、190℃、2.16kg荷重)が1〜100 g/10分である直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体及びポリスチレンを含む樹脂組成物からなるものである。これにより容器本体のシール面がポリエチレン又はポリスチレンのいずれであっても、本発明の蓋体を熱シールすることにより密封性と易開封性を両立できるマルチシーラント層を形成することができる。
【0127】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体として、具体的には、エチレンと1種類の炭素数3〜18のα−オレフィンとを共重合して得られる2元共重合体、及びエチレンと2種類の炭素数3〜18のα−オレフィンとを共重合して得られる3元共重合体が挙げられる。炭素数が3〜18のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられ、単独で用いても2種以上用いてもよい。
【0128】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、密度が0.870 g/cm3未満ではブロッキング性が悪く、シーラントフィルム形成時の伸びや破断が起きる可能性があり、フィルムのカット性にも劣る。一方、密度が0.910 g/cm3を超えると容器のシール面との接着性に劣る。好ましい密度は0.875 〜0.905 g/cm3である。
【0129】
また直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、MFRが1 g/10分未満では溶融粘度が高すぎるため押出加工時の延展性が不足し、100 g/10分超だと溶融粘度が低すぎるためネックインが大きく、成形性に劣る。好ましいMFRは2〜80 g/10分である。
【0130】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、公知のチタン系触媒またはメタロセン触媒を用いて重合して製造することができるが、重合触媒としてメタロセン化合物を用いて高圧イオン重合、気相重合又は溶液重合により製造した共重合体を用いるのが好ましい。
【0131】
メタロセン触媒としては、例えば特開昭58-19309号、特開昭59-95292号、特開昭60-35005号、特開昭60-35006号、特開昭60-35007号、特開昭60-35008号、特開昭60-35009号、特開昭61-130314号、特開平3-163088号、ヨーロッパ特許出願公開第420,436号明細書、米国特許第5,055,438号明細書、国際公開公報WO91/04257号明細書等に記載されているメタロセン触媒もしくはメタロセン/アルモキサン触媒、又は例えば国際公開公報WO92/07123号明細書等に開示されているようなメタロセン化合物と、かかるメタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化合物とからなる触媒を挙げることができる。
【0132】
このような直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体の具体例としては、商品名「カーネルKF-360」、「カーネルKF-365」、「カーネルKC-650」(いずれも日本ポリケム(株)製)等が挙げられる。
【0133】
ポリスチレンとしては、いわゆる汎用ポリスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹脂及びこれらの混合物を用いることができる。汎用ポリスチレン樹脂として、通常はスチレンホモポリマーを用いる。またゴム変性ポリスチレン樹脂とは、ブタジエンゴム等のゴム状重合体の存在下にスチレン系モノマーを重合して得られるものである。ポリスチレンの分子構造としては直鎖型又は分岐型のいずれを用いても良い。ポリスチレンは、ジビニルベンゼン等の多官能性ビニルモノマーと共重合するか、又は多官能開始剤、多官能連鎖移動剤等を用いて重合することにより分岐型にすることができる。
【0134】
汎用ポリスチレン樹脂又はゴム変性ポリスチレン樹脂の重合に使用されるスチレン系モノマーとしては、スチレンが一般的であるが、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のアルキル置換スチレンも使用できる。ポリスチレンの具体例としては、商品名「PSP-G930」、「HIPS-475D」、「HIPS-HT516」(いずれもエーアンドエムポリスチレン(株)製)等が挙げられる。
【0135】
シーラントフィルムがポリスチレンを含むことにより、上記マルチシーラント層を形成できるだけでなく、引裂性向上効果、ブロッキング防止効果、帯電防止効果等も発現する。
【0136】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体とポリスチレンとの配合割合は、(直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体):(ポリスチレン)の重量比が50:50 〜90:10であるのが好ましく、75:25 〜85:15であるのがより好ましい。
【0137】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体とポリスチレンの合計を100重量%として直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体の割合が90重量%を超えると、容器本体のシール面がポリスチレン樹脂である場合に、接着強度が十分でなくなる。一方ポリスチレンの割合が50重量%を超えると、シール面がポリエチレン樹脂層である場合に、接着強度が十分でなくなる。
【0138】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体及びポリスチレンを含む樹脂組成物は、接着性、フィルム強度等を調整するために、密度が0.910 〜0.940 g/cm3、MFRが1〜50 g/10分のエチレン系樹脂をさらに含むのが好ましい。このようなエチレン系樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度エチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。エチレン系樹脂の配合割合は、シーラントフィルムを構成する樹脂組成物全体を100重量%として10 〜30重量%であるのが好ましい。樹脂組成物には、滑剤、アンチブッロキング剤、安定剤、帯電防止剤、着色剤、その他各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
【0139】
以上述べたような直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体及びポリスチレンを含む樹脂組成物からなるシーラントフィルムは、例えば直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリスチレン及びエチレン系樹脂を溶融しておき、Tダイから押し出す等の方法により成膜することができる。このようにして得られるシーラントフィルムの厚さは約10 〜40μmが好ましく、約20 〜30μmがより好ましい。
【0140】
易開封性(易引裂性)を付与するために、シーラントフィルム54にも上記(1)(D)で述べたような方法により、少なくとも一方の面に多数の実質的に平行な線状痕を形成してもよい。この場合蓋体の引裂方向とシーラントフィルムの線状痕方向が一致するようにシーラントフィルム層54を設ける。
【0141】
また易開封性(易引裂性)を付与するために、シーラントフィルム54の少なくとも引裂領域に無数の微細孔を設けてもよい。微細孔はシーラントフィルム54を貫通していても貫通していなくても良い。一般に微細孔は0.5 〜100μmの平均開口径を有し、かつ引裂領域での密度は約500個/cm2以上であるのが好ましい。微細孔の密度が約500個/cm2未満であると、引裂性が不十分である。なお微細孔密度の上限は技術的に可能な限りいくらでも良く、特に制限されない。
【0142】
シーラントフィルム54に微細孔を形成するには、例えば特公平7-90567号や特開2002-059487号に開示の方法を採用する。特公平7-90567号に開示の長尺多孔質シーラントフィルムの製造方法は、鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の微粒子が表面に付着された第一ロール(上記(a)で説明したパターン・ロール8と同様のもの)と、表面が平滑な第二ロールとの間に長尺シーラントフィルムを通過させるとともに、各ロール間を通過する長尺シーラントフィルムへの押圧力を各ロールと接触するフィルム面全体に亘って均一となるように調節することにより、第一ロール表面の多数の微粒子の鋭い角部で長尺シーラントフィルムに50μm以下の径を有する貫通又は未貫通の孔を500個/cm2以上の密度で多数形成するものである。
【0143】
(3) 遮光性インク層
形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体に遮光性が必要な場合、図7に示すように、遮光性インク層53を設ける。図7に示す例では、遮光性インク層53を予めポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに印刷したインク層形成PETフィルムを作成し、これをシーラントフィルム層54の外側面に設けている。このようなPETフィルムとして、例えば「エンブレットPC」(ユニチカ(株))として市販されている、一軸配向又は配向度が異なる二軸配向のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いることができる。また遮光性インク層53を、ポリブチレンテレフタレートフィルム層51の内側面に設けたり、紙シート層52の一方の面(例えば紙シート層52の内側面)に設けたりすることができる(図示せず)。遮光性インクは、例えばカーボンブラックのような黒色又は暗色の顔料又は染料を含むインクであれば、特に限定的ではない。遮光性インク層53の厚さはインク中の黒色顔料又は染料の濃度に依存するが、一般に紫外線及び可視光線を十分に遮断し得る程度であれば良い。本明細書において「外側面」及び「内側面」とは、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を即席食品用容器等の蓋体として用いた場合における容器に対する外側の面及び内側の面であることを意味する。
【0144】
(4) 層構成例
図6に示す積層体は、基本構成としてポリブチレンテレフタレートフィルム層51と、剛性フィルム層層57と、シーラントフィルム層54とからなる層構成を示す。ポリブチレンテレフタレートフィルム層51と剛性フィルム層57との間には接着剤層(例えばホットメルト層)56があり、紙シート52とシーラントフィルム層54との間には接着剤層(例えばホットメルト層)56’がある。
【0145】
図7は、良好な遮光性を付与するために剛性フィルム層57の内側面に遮光性インク層53を設けた例を示す。
【0146】
(II) 半固体状食品用容器
図25及び図26は、本発明の蓋体付き容器をゼリー、プリン等の半固体状食品を収容するための容器に適用した例を示す斜視図である。図25に示すように、密封状態において、容器にシールされている蓋体は平坦である。しかし蓋体は容器にヒートシールされる時にカール形状を回復している(但し見かけ上は平坦である)ので、図6及び図7で述べた紙シートやアルミニウム箔を有しない形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体は、容器から剥離されることにより、図26に示すように形状記憶によって強くカールする。容器本体7は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂により形成することができる。容器本体7の形状は図示のものに限定されず、内容物の種類に応じて種々変更することができる。
【0147】
[3] 即席食品用容器
上記[1]で述べた製造方法により得られる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器は即席食品用の容器としても好適である。
(I) 蓋体の層構成
図27に示すように、代表的な形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体はポリブチレンテレフタレートフィルム層51、紙シート層52及びシーラントフィルム層54を備える。以下、各層について詳述する。
(1) ポリブチレンテレフタレートフィルム層
即席食品用容器の蓋体におけるポリブチレンテレフタレートフィルム層に関する要件は、上記[2]で述べた半固体状食品用の場合と同じなので説明を省略する。
【0148】
(2) 紙シート層
即席食品用容器の蓋体に適用する場合、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、デッドホールド性付与層として紙シートからなる層も有するのが好ましい。紙シート層52の紙の種類は限定されず、合成紙も含む。紙シート層52の厚さは、約60〜110 g/m2とするのが好ましく、約75〜90 g/m2とするのがより好ましい。紙シートの厚さが約60 g/m2未満であると、紙シートの腰が弱すぎて、十分なデッドホールド性を付与することができない。一方、紙シートの厚さを約110 g/m2超にしても、コスト高になるだけで、さらなるデッドホールド性の向上は認められない。
【0149】
(3) シーラントフィルム層
即席食品用容器の蓋体におけるシーラントフィルム層に関する要件は、上記[2]で述べた半固体状食品用の場合と同じなので説明を省略する。
【0150】
(4) 遮光性インク層
即席食品用容器の蓋体における遮光性インク層に関する要件は、上記[2]で述べた半固体状食品用の場合と同じなので説明を省略する。
【0151】
(5) 層構成例
図27〜図29は、カール性の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50を即席食品用容器の蓋体用の包装材として用いる場合の層構成を例示する。図27に示す積層体は、基本構成としてポリブチレンテレフタレートフィルム層51と、紙シート52と、シーラントフィルム層54とからなる層構成を示す。ポリブチレンテレフタレートフィルム層51と紙シート52との間には接着剤層56と押出ラミネーションされたポリエチレン層(I)55とからなる接着層(I)があり、紙シート52とシーラントフィルム層54との間には接着剤層56’と押出ラミネーションされたポリエチレン層(II)55’とからなる接着層(II)がある。図27に示す層構成例の場合、ポリブチレンテレフタレートフィルム51及び接着層(I)(55及び56)からなる外側層と、接着層(II) (55’及び56’)及びシーラントフィルム54からなる内側層(A)との層厚比は、外側層/内側層(A)=100/35 〜100/100であるのが好ましい。これにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム51のデッドホールド性を有効に機能させることができる。
【0152】
図28は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の剛性を高め、良好な形状記憶能を付与するために紙シート層52とシーラントフィルム層54との間にポリエチレンテレフタレート層57を設けた例を示す。なお図28において55’’は押出ラミネーションされたポリエチレン層(III)を示し、56’’は接着剤層(III)を示す。図29は、良好な遮光性を付与するためにポリエチレンテレフタレート層57の内側面に遮光性インク層53を設けた例を示す。
【0153】
(II) 即席食品用容器
上記[1]で述べた方法により製造されるカール形状を記憶した形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、即席食品用容器の蓋体用の包装材として用いると、アルミニウム箔等の金属を用いなくても、蓋体に十分なデッドホールド性(蓋を剥がした状態で維持できる性質)を付与することができる。即席食品用容器を製造する際、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体が蓋材シール装置により打ち抜き加工され、得られた蓋体は直ちに容器にヒートシールされる。ヒートシールにおいて、蓋体のシール部が蓋材シール装置のシールヘッドにより通常120 〜160℃に加熱され、そのとき蓋体のシール部以外の部分にも熱が加わるため、蓋体は容器にヒートシールされる時にT1以上の温度条件下で処理される。そのため蓋体はカール形状を回復し、容器にシールされている間は平坦であるが、容器から剥離することにより形状記憶によるカール形状を示す。すなわち図30に示すように、蓋体2のタブ部3を持って蓋体2を容器本体7からマーク40まで剥離すると、開封によりできたフラップ部はカールしたままに保持され、アルミニウム層を有さなくても十分なデッドホールド性を有する。特に上述のようにポリブチレンテレフタレートフィルムの弾性復元力を保持した伸長状態で紙シートに接着してあると、カール性が一層向上する。従って、そのまま熱湯を注ぐことができる。
【0154】
蓋体をアルミニウムレスとすることにより、焼却処理するときの環境への悪影響を回避できる。容器本体もアルミニウムレスとすれば蓋体を密封後に金属探知機による金属系異物の探知を行うことができる。よって即席食品等の安全性をいっそう高めることができるのみならず、検査コストを著しく低減することができる。
【0155】
上記[2](1)(D)で述べた直線的易裂性ポリブチレンテレフタレートフィルム層を有する形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を即席食品用容器の蓋体に適用した場合、図31に示すように、切り口4,4をタブ部3の両側に設けることにより、蓋体2を容易に部分開封することができる。蓋体2のタブ部3を指で掴んで蓋体2の反対側に引っ張ると、切り口4,4から蓋体2は直線的に引き裂かれ、蓋体2に開口部5ができる。引裂によりできたフラップ部6は十分なデッドホールド性を有し、カールしたままに保持される。従って、そのまま熱湯を開口部5に注げば良い。
【0156】
熱湯を注いだ後、フラップ部6を元の位置に戻すと、フラップ部6の片側又は両側の外縁に紙のギザギザの破断部6a(6a,6a)があるので、それが開口部5の紙のギザギザ5a(5a,5a)の破断部と係合し、フラップ部6は持ち上がらなくなる。なおこの場合開口部5の面積が従来の全面開封式の開口部より小さいのみならず、フラップ部6が開口部5に係止した状態にあるので、容器本体7を誤って転倒させても、熱湯が漏れる量は低減される。なお図31において60は乾燥麺を示す。
【0157】
容器本体7は、例えば紙、発泡スチロール等の合成樹脂により形成することができる。紙製容器本体の場合、焼却が容易であるのみならず、焼却時に環境に悪影響を及ぼすガスが発生しないという利点がある。また発泡スチロール製容器本体の場合、保温性に優れているという利点がある。容器本体7の形状は図示のものに限定されず、内容物の種類に応じて種々変更することができる。
【0158】
蓋体には、特願2002-351576号に記載のように、タブ部に切れ目又はスリット状貫通孔を設けることができる。これによりタブ部を持ち上げると蓋体は外周縁の他端方向に容易に開封でき、開封によりできたフラップ部はデッドホールド性により実質的にカールしたままであり、フラップ部を引き剥がし位置に戻した後、切れ目又はスリット状貫通孔を開口縁部に係止することにより再封できる。切れ目又はスリット状貫通孔は蓋体のシール部内よりも内側に入り込まず且つ開口縁部に係合できる位置に形成する。以下タブ部に切れ目又はスリット状貫通孔を設ける例について詳細に説明する。
【0159】
例えば図32及び図33に示す実施例では、非金属容器本体101の開口縁部111の外縁にほぼ沿った円弧状に形成されたスリット状貫通孔104が、タブ部103に設けられている。このため図34に示すように、蓋体102をめくった後、元の位置に戻し、舌片部131の内縁部を開口縁部111に係止させれば、蓋体102は持ち上がらなくなる。なお図34において、110はタブ部103を持って蓋体102を剥離する限界を示すマークである。
【0160】
図35に詳細に示すように円弧状のスリット状貫通孔104の内縁は蓋体のシール部102a(容器本体101の上端フランジ部111に熱シールされる部分)内に位置し、外縁は開口縁部111の外縁より外側に位置している。一般的にスリット状貫通孔104は、この内縁がシール部102a内よりも内側に入り込まず、且つスリット状貫通孔104の外縁とタブ部103の外縁とで形成される舌片部131の内縁部が開口縁部111に係合できる位置に設けられていればよい。スリット状貫通孔104の内縁が蓋体102のシール部102a内かそれよりも外側に位置していなければならない理由は、開封前には蓋体102が少しの隙間もなく容器本体101に熱シールされていなければならないからである。
【0161】
連続した積層フィルムを打ち抜いて蓋体102を高速で製造する場合の公差は約1mm程度であるので、スリット状貫通孔104の内縁は蓋体102のシール部102aの中心線102a’に関して外周側であるのが好ましく、外周側からシール部102aの幅D1の30〜50%の範囲内であるのがより好ましい。
【0162】
スリット状貫通孔104のスリット幅d1及び両端の間隔d2は、スリット状貫通孔104とタブ部103の外縁とで形成される舌片部131の内縁部が開口縁部111に係合できるように、開口縁部111の外径、開口縁部111の厚み、タブ部103の大きさ等に応じて、適宜設定すればよい。例えばお湯を注ぐカップ麺の場合、容器本体101の開口縁部111の外径を約10 cmとし、開口縁部111の厚みを3 mmすると、スリット幅d1を約1〜4mmとし、両端の間隔d2を約3〜6cmとするのが好ましい。以下、スリット状貫通孔104又は切れ目104が異なる蓋体102の別の実施例について後述するが、いずれの実施例においてもスリット状貫通孔104のスリット幅及び両端の間隔、並びに切れ目104の両端の間隔についての要件は、図35について述べたd1やd2と同じである。
【0163】
図36に示すように、蓋体102には引裂始点としてタブ部103の両側に一対の切り口105,105を設けてもよく、また図37に示すようにタブ部103の一方の側に切り口105を設けてもよい(以下特段の断りがない限り「切り口105」及び「一対の切り口105,105」をまとめて「切り口105」と称する)。これにより蓋体102を容易に開封することができる。引裂始点としての切り口105は、引裂が容易に始まるような形状であれば特に限定されず、例えばI字型ノッチとしたり、V字型ノッチにしたりすることができる。一対の切り口105,105を設ける場合、その間隔D2は、内容物の種類に応じて適宜設定することができる。例えばお湯を注ぐカップ麺の場合、容器本体101の開口縁部111の外径を約10 cmとすると、切り口105,105の間隔D2を約4〜5cmとするのが好ましい。なお喫食時に蓋体102を全面開封するために、図37に示すように蓋体102に第二のタブ部132をタブ部103と反対側の外周縁に一体的に設けても良い。
【0164】
図38は、切れ目又はスリット状貫通孔を備えた蓋体102の別の実施例を示す。この例では、スリット状貫通孔104に代えて、開口縁部111の外縁と略同一の円弧状切れ目104が設けられている。切れ目104以外では蓋体102は図32〜図35に示す実施例と同じで良いので、図32〜図35に示す蓋体102と同じ部分には同じ参照番号を付してある。円弧状切れ目104は蓋体のシール部102a内かそれよりも外側であれば、円弧状切れ目104とタブ部103の外縁とで形成される舌片部131の内縁部が開口縁部111に係合できる位置に設けることができる。好ましくは、蓋体102のシール部102aの中心線102a’に関して外周側の位置である。図38に示すような円弧状切れ目104を設ける場合、その両端には図39に示すようにエッジ切れ防止用の円形の切れ込み141,141を設けるのが好ましい。
【0165】
図40は、切れ目又はスリット状貫通孔を備えた蓋体102のさらに別の実施例を示す。この例では、スリット状貫通孔104が開口縁部111側に湾曲した円弧状に形成されている。なお図32〜図35に示す蓋体102と同じ部分には同じ参照番号を付してある。開口縁部111側に湾曲した円弧状のスリット状貫通孔104は、その内端がシール部102a内かそれよりも外側にあれば、これとタブ部103の外縁とで形成される舌片部131の内縁部が開口縁部111に係合できる位置に設ければよいが、両端部は開口縁部111の外縁かそれより外側に位置するのが好ましい。
【0166】
図41は、切れ目又はスリット状貫通孔を備えた蓋体102のさらに別の実施例を示す。なお図32〜図35に示す蓋体102と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例では、切れ目104が開口縁部111側に湾曲した円弧状に形成されている。開口縁部111側に湾曲した円弧状の切れ目104を設ける位置は、図40に示すスリット状貫通孔104と同様でよい。
【0167】
以上述べた切れ目104やスリット状貫通孔104を図42及び図43に示すようにミシン目状としてもよい。これらの場合、開封によりできたフラップ部を引き剥がし位置に戻し、舌片部131の内縁部を下側に押し込んでミシン目を切断することにより、舌片部131の内縁部を開口縁部111に係止することができる。
【0168】
図44は、切れ目又はスリット状貫通孔を備えた蓋体102のさらに別の実施例を示す。この例では切れ目104は実質的にコの字状に形成されている。なお図32〜図35に示す蓋体102と同じ部分には同じ参照番号を付してある。コの字状切れ目104は直線部142,142と、両直線部142,142を蓋体のシール部102a内で連結する連結部143とからなり、コの字状切れ目104の直線部142,142の先端は開口縁部111の外側に位置している。蓋体102と容器本体101とのシールを確保するために、コの字状切れ目104の連結部143が蓋体のシール部102a内に入り込んだ位置は、蓋体のシール部102aの中心線102a’に関して外周側に位置するのが好ましく、シール部102aの幅の30〜50%の範囲内であるのがより好ましい。コの字状切れ目104は2〜4個形成するのが好ましい。なお各コの字状切れ目104が「実質的にコの字」であるとは、正確にコの字である必要はなく、コの字又はUの字のように一対の直線部と連結部とからなる形状であれば良いことを意味する。
【0169】
図45及び図46は、切れ目又はスリット状貫通孔を備えた蓋体102のさらに別の実施例を示す。これらの例では切れ目104は波型状に形成されている。なお図32〜図35に示す蓋体102と同じ部分には同じ参照番号を付してある。波型状の切れ目104は、その内端がシール部102a内かそれよりも外側であれば、これとタブ部103の外縁とで形成される舌片部131の内縁部を開口縁部111に係止できる位置に設ければよいが、波型の凹凸が蓋体のシール部102a内及び開口縁部111より外側の両領域に渡るように設けるのが好ましい。波型の形状は図示のものに限定されず、適宜変更を加えることができる。なおコの字状切れ目104及び波型状切れ目104についても、上述のようにミシン目状としてもよい。
【0170】
図47及び図48は、本発明の蓋体付き容器を即席食品用容器に適用した別の実施例を示す。これは特願2002-264398号に記載の湯切り可能な即席食品用容器の蓋体に、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を適用した例である。図47及び図48に示す実施例では、蓋体202は実質的に円形状であり、タブ部203と、タブ部203に設けられた一対の切れ目204,204により形成された茸状フラップ部203aとを有する。
【0171】
図49に詳細に示すように、切れ目204,204は、タブ部203の外縁から蓋体202のシール部212内まで略L字状に延びて茸状フラップ部203aを形成する略L字部204aと、略L字部204aの先端から蓋体202の外縁と同心円状に延びる円弧部204bとからなり、切れ目204,204の円弧部204b,204bはそれらの先端241,241が互いに離れる方向に延びている。
【0172】
一対の切れ目204,204の円弧部204b,204bはいずれも、蓋体202のシール部212(容器本体201の上端フランジ部201aに熱シールされる部分)内に位置していなければならない。というのは、(イ) 開封前は蓋体202は少しの隙間もなく容器本体201に熱シールされていなければならず、かつ(ロ)茸状フラップ部203aを持って蓋体202を剥離する時には、茸状フラップ部203a及びそれに続く帯状フラップ部206だけが剥離するように、タブ部203の舌片部203bを始めとするその他の部分は容器本体201に密着していなければならないからである。
【0173】
図50は蓋体202が開封された状態を示す。蓋体202は茸状フラップ部203a及び一対の切れ目204,204の円弧部204b,204bを有するので、容易に帯状に開封することができる。茸状フラップ部203a及びそれに続く帯状フラップ部206が剥離した後には、舌片部203b,203bは、容器本体201の上端フランジ部201aに密着したまま残留する。
【0174】
蓋体202をめくった状態で熱湯を注ぎ、図51に示すように、茸状フラップ部203aと帯状フラップ部206を元の位置に戻し、茸状フラップ部203aを舌片部203b,203bに係止させるとともに、帯状フラップ部206の外縁破断部206a,206aを開口部205の側縁破断部205a,205aに係合させれば、帯状フラップ部206は持ち上がらなくなる。
【0175】
これに対して、一対の切れ目204,204の円弧部204b,204bが蓋体202のシール部212内の位置にないと舌片部203b,203bが容器本体201に密着しないため、その位置が変わり易く、茸状フラップ部203aを舌片部203b,203bに係止させにくい。
【0176】
連続した積層フィルムを打ち抜いて蓋体202を高速で製造する場合の公差は約1mm程度であるので、一対の切れ目204,204の円弧部204b,204bはいずれも、蓋体202のシール部212の中心線212aに関して外周側であるのが好ましく、外周側からシール部212の幅Dの30〜50%の範囲内であるのがより好ましい。
【0177】
一対の切り口204,204の先端241,241の間隔d3は、内容物の種類に応じて適宜設定することができる。また茸状フラップ部203aは指で摘んで蓋体202を引き裂くのに十分な大きさであれば良い。この時茸状フラップ部203aの柄状部232は、茸状フラップ部203aを持って蓋体202を剥離するのに十分な強度を有すればよいが、その最小幅d5は、一対の切り口204,204の先端241,241の間隔d3及び茸状フラップ部203aの傘状部231の最大幅d4に応じて適宜変更するのが好ましい。例えばお湯を注ぐカップ麺の場合、容器本体201の開口縁部201aの外径を約10 cmすると、切り口204,204の先端241,241の間隔d3を約4〜5cmとし、茸状フラップ部203aの傘状部231の最大幅d4を約2〜3cmとし、柄状部232の最小幅d5を約1〜1.5cmとするのが好ましい。茸状フラップ部203aの形状は図示のものに限定されず、その趣旨を変更しない限り種々の変更を加えることができる。
【0178】
図52及び図53は、本発明の蓋体付き容器を即席食品用容器に適用した別の実施例を示す。これは特願2002-161680号に記載の湯切り可能な即席食品用容器の蓋体に、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を適用した例である。図52及び図53に示す実施例では、蓋体302は実質的に円形状であり、第一のタブ部3と第二のタブ部304とはほぼ直径方向に対向する位置に設けられている。第一のタブ部303は湯切り口形成用であり、第二のタブ部304は蓋体302の開封用である。
【0179】
第一のタブ部303は、その両端部付近に設けられた一対の直線状切れ目305a,305bと、両直線状切れ目305a,305bの間に等間隔に形成された複数の実質的にコの字状の切れ目306とを有する。図54に詳細に示すように、各コの字状切れ目306は、一対の直線部306a,306aと、それらの連結部306bとからなり、切れ目306のコの字は、その開口部が蓋体302の内側に向くように配向している。そのため、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aの先端は、いずれも蓋体302の内側に向いている。なお各切れ目306が「実質的にコの字」であるとは、正確にコの字である必要はなく、コの字又はUの字のように一対の直線部と連結部とからなる形状であれば良いことを意味する。
【0180】
図54(a) に詳細に示すように、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aの先端はいずれも、蓋体302のシール部312(容器本体301の上端フランジ部301aに熱シールされる部分)内に位置していなければならない。というのは、(イ) 開封前は蓋体302は少しの隙間もなく容器本体301に熱シールされていなければならず、かつ(ロ) 湯切り口の形成のために第一のタブ部303を持って蓋体302を剥離する時には、図中にハッチングで示した部分315だけが剥離するように、その他の部分は容器本体301に密着していなければならないからである。
【0181】
図54(b) はハッチング部分315が開封された状態を示す。ハッチング部分315が剥離した後には、コの字状切れ目306により囲まれた部分及びその延長部分からなる帯片部316は、容器本体301の上端フランジ部301aに密着したまま残留する。これに対して、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aの先端が蓋体302のシール部312内の位置にないと、第一のタブ部303を持って蓋体302を剥離する時に、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aのそれぞれ延長線に沿って蓋体302が引き裂かれず、帯片部316も剥離されてしまう。
【0182】
連続した積層フィルムを打ち抜いて蓋体302を高速で製造する場合の公差は約1mm程度であるので、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aの先端はいずれも、蓋体302のシール部312の中心線312aに関して外周側であるのが好ましく、外周側からシール部312の幅D4の30〜50%の範囲内であるのがより好ましい。
【0183】
第一のタブ部303を持って蓋体302を剥離する時に、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aのそれぞれ延長線に沿って蓋体302が直線的に引き裂かれるようにする観点から、直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aの方向は、蓋体302の易引裂方向と実質的に一致している必要がある。
【0184】
コの字状切れ目306の数は、一対の直線状切れ目305a,305bの間隔、及びコの字状切れ目306の幅等により適宜決められるが、焼きそばの場合には麺の太さ等を考慮して、1〜6個が好ましく、2〜5個がより好ましい。例えば図55は、正確なコの字型の切れ目306を2個設けた蓋体302の一例を示す。
【0185】
直線状切れ目305a,305bとそれから最も近いコの字状切れ目との間隔d6及びコの字状切れ目306同士の間隔d7は、3〜10 mmであるのが好ましく、コの字状切れ目6の幅d8は3〜10 mmであるのが好ましい。
【0186】
蓋体302には、第一のタブ部303を持って蓋体302を剥離する限界を示すマーク308を設けるのが好ましい。マーク308まで蓋体302を剥離すると、蓋体302及び複数の帯片部316により形成された複数の湯切り口318ができる。湯切り口318の長さはマーク308の位置により決まるので、容器内の即席食品(焼きそば等)が漏れずに効率よく湯切りができるように、マーク308の位置を決める。一般的に湯切り口318の長さは3〜10 mmであればよい。
【0187】
第二のタブ部304は、容器内の即席食品に熱湯を注ぐために蓋体302を開封するためのものである。第二のタブ部304の位置は限定的ではないが、図52及び図53に示す円形の蓋体302の場合、第一のタブ部303と直径方向に対向する位置に設けるのが好ましい。また図52及び図53に示すように、蓋体302の適当な位置に設けたマーク310まで蓋体302を容器本体301のフランジ部301aから全面的に剥離する方式でも良いが、図56に示すように部分的に剥離する方式にしても良い。この場合、第二のタブ部304の両端部付近に一対の切れ目304a,304aを設けておく。第二のタブ部304を持って蓋体302を容器本体301から剥離すると、蓋体302は切れ目304a,304aからそれらの延長線304b,304bに沿って引き裂かれる。延長線304b,304b上に適当なマーク310を設けておけば、そこで引き裂を止めることができる。
【0188】
またマーク310として、図57に示すようなU字型の一対の切り口310を設けても良い。これによりマーク310まで蓋体302を剥離した時に、剥離を停止すべき位置の確認が容易になるとともに、一対のマーク310を結ぶ線310’に沿って蓋体302が屈曲し易くなるので、剥離を容易に止めることができる。なおこのような一対の切り口310の型に限定はなく、例えばV字型のものでも良い(図示せず)。さらにマーク310として、切れ目を設けてもよい(図示せず)。
【0189】
図58は、湯切り口を有する蓋体302のさらに別の実施例を示す。なお図53及び図54に示す蓋体302と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例においては、図53及び図54に示す蓋体302と同様に、各第一のタブ部303は湯切り口形成用である。但し、この例では各第一のタブ部303を一つずつ引裂く。
【0190】
各第一のタブ部303は、その両端部付近に設けられた一対の直線状切れ目305a,305bを有する。図59(a)に詳細に示すように、一対の直線状切れ目305a,305bの先端はいずれも、蓋体302のシール部312内に位置していなければならない。これにより各第一のタブ部303を持って蓋体302を引裂いた時に、図59(b)に示すように図中にハッチングで示した部分315だけを容易に引裂くことができ、帯片部316が容器本体1の上端フランジ部301aに密着したまま残留する。
【0191】
第一のタブ部303の数は、一対の直線状切れ目305a,305bの間隔、帯片部316の幅等により適宜決められるが、焼きそばの場合には麺の太さ等を考慮して、1〜6個 が好ましく、3〜5個がより好ましい。また第一のタブ部303は指で摘んで蓋体302を引き裂くのに十分な大きさであれば良い。第一のタブ部303の型に限定はなく、例えば図58に示すような実質的にコの字状のものが挙げられる。
【0192】
図60は湯切り口を有する蓋体を備えた即席食品用容器の別の例を示す斜視図である。なお図52に示す実施例と同じ部材又は部分には同じ参照番号を付してある。この例では、蓋体302は実質的に長方形状であり、第一のタブ部303と第二のタブ部304とはほぼ対角線方向に対向する位置に設けられている。
【0193】
図61は湯切り口を有する蓋体302のさらに別の実施例を示す。なお図53及び図54に示す蓋体302と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例では、実質的に長方形状の蓋体302の一方の短辺のほぼ中央に第一のタブ部303が設けられており、第二のタブ部304は他方の短辺の対向する位置に設けられている。マーク308は直線状切れ目305a,305bの延長線308a,308a上に設けられており、蓋体302を延長線308a,308aに沿ってマーク308まで引き裂けばよい。
【0194】
図62は湯切り口を有する蓋体302のさらに別の実施例を示す。なお図56及び図61に示す蓋体302と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例では、実質的に長方形状の蓋体302の一方の長辺のほぼ中央に第一のタブ部303が設けられており、第二のタブ部304は他方の長辺の対向する位置に設けられている。
【0195】
図52〜62に示す容器は密封性及び湯切り性が良く、低コストであり、湯を注いだ後湯切りする必要がある焼きそば用の容器として特に有用である。図52〜62に示す容器の蓋体の第二のタブ部304に、図32〜46に示す切れ目又はスリット状貫通孔を設けてもよい。
【0196】
【発明の効果】
本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法は、巻きフィルムから巻き出した形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、二つのニップロール間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度を超える温度で急速に焼きなまし、得られたほぼ平坦な形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、蓋材シール手段により打ち抜き加工し、直ちに容器にヒートシールするので、不良品を発生しない。
【0197】
本発明の製造方法により得られる蓋体付き容器は、その蓋体が形状記憶による優れたカール性を有するので、即席食品用容器、ゼリー、プリン等を保存する半固体状食品用容器、コーヒーミルク等を保存するポーションパック用容器等の用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造するための装置の一例を示す概略側面図である。
【図2】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造するための装置の別の例を示す概略側面図である。
【図3】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造するための装置のさらに別の例を示す概略側面図である。
【図4】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造するための装置のさらに別の例を示す概略側面図である。
【図5】 本発明の蓋体付き容器を製造するための装置の一例を示す概略側面図である。
【図6】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の層構成例を示す断面図である。
【図7】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の別の層構成例を示す断面図である。
【図8】 インフレーション成形法によりポリブチレンテレフタレートフィルムを製造する方法の工程を示す概略側面図である。
【図9】 バブルを冷却するための装置の一例を示す概略側面図である。
【図10】 加湿空気を供給するシステムを示す概略断面図である。
【図11】 一軸延伸法によりポリブチレンテレフタレートフィルムを製造する工程の例を示す概略側面図である。
【図12】 一軸延伸法によりポリブチレンテレフタレートフィルムを製造する工程の別の例を示す概略側面図である。
【図13】 一軸延伸法によりポリブチレンテレフタレートフィルムを製造する工程のさらに別の例を示す概略側面図である。
【図14】 ポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に線状痕を形成するための装置の一例を示す概略側面図である。
【図15】 図14に示す装置において、フィルムがパターン・ロールと摺接する面に圧縮空気を吹き付ける様子を示す部分拡大平面図である。
【図16】 図15に示す装置において、フィルムがパターン・ロールと摺接する様子を示す部分拡大横断面図である。
【図17】 (a)はノズルの一例を示す正面図及び右側面図であり、(b)はノズルの別の例を示す正面図及び右側面図であり、(c)はフードを有するノズルを用いてパターン・ロールに圧縮空気を吹き付ける様子を示すとともに、パターン・ロールへのフィルムの巻き掛け方の例を示す概略側面図である。
【図18】 ポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための装置の一例を示す概略側面図である。
【図19】 図18に示す装置において、パターン・ロールが作動する様子を示す部分拡大平面図である。
【図20】 (a)はポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための装置の別の例を示す部分拡大平面図であり、 (b)は(a)の図において(A)方向から見た概略側面図である。
【図21】 (a)はポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための装置の別の例を示す部分拡大平面図であり、(b)は(a)の図において(B)方向から見た概略側面図である。
【図22】 ポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して幅方向の線状痕を形成するための装置の一例を示す部分拡大平面図である。
【図23】 ポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して幅方向の線状痕を形成するための装置の別の例を示す部分拡大平面図である。
【図24】 (a)はポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して幅方向の線状痕を形成するための装置の別の例を示す部分拡大平面図であり、(b)は(a)の図において(C)方向から見た概略側面図である。
【図25】 本発明の蓋体付き容器を半固体状食品用容器に適用した例を示す斜視図である。
【図26】 図25の蓋体付き容器を開封した様子を示す斜視図である。
【図27】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の層構成例を示す断面図である。
【図28】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の別の層構成例を示す断面図である。
【図29】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体のさらに別の層構成例を示す断面図である。
【図30】 注湯のために、本発明の蓋体付き容器を開封した即席食品用容器を示す斜視図である。
【図31】 注湯のために、本発明の蓋体付き容器を部分開封した即席食品用容器を示す斜視図である。
【図32】 本発明の蓋体付き容器を即席食品用容器に適用した例を示す斜視図である。
【図33】 図32の即席食品用容器を示す平面図である。
【図34】 図32の即席食品用容器を開封後再封した様子を示す斜視図である。
【図35】 図33の蓋体のタブ部付近を示す部分拡大図である。
【図36】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体の別の例を示す平面図である。
【図37】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図38】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図39】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図40】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図41】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図42】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図43】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図44】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図45】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図46】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図47】 本発明の蓋体付き容器を即席食品用容器に適用した別の例を示す斜視図である。
【図48】 図47の即席食品用容器を示す平面図である。
【図49】 図47の蓋体のタブ部付近を示す部分拡大図である。
【図50】 図47の即席食品用容器を開封した様子を示す斜視図である。
【図51】 図47の即席食品用容器を開封後再封した様子を示す斜視図である。
【図52】 本発明の蓋体付き容器を即席食品用容器に適用したさらに別の例を示す斜視図である。
【図53】 図52の即席食品用容器を示す平面図である。
【図54】 図52の蓋体の第一のタブ部付近を示す部分拡大図であり、(a) は第一のタブ部付近の蓋体をめくっていない状態を示し、(b) は第一のタブ部付近の蓋体をめくった状態を示す。
【図55】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例の第一のタブ部付近を示す部分拡大図である。
【図56】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図57】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図58】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図59】 図58の蓋体の第一のタブ部付近を示す部分拡大図であり、(a) は第一のタブ部付近の蓋体をめくっていない状態を示し、(b) は第一のタブ部付近の蓋体をめくった状態を示す。
【図60】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図61】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図62】 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・ポリブチレンテレフタレートフィルム
10・・・フィルム原反
11・・・カール性積層体
12・・・巻きフィルム
13・・・フィルム状成形体
14・・・打ち抜き後のPBTフィルム積層体からなる巻きフィルム
15・・・当接ロール
20・・・ガイドロール
21・・・グラビアロール
22・・・ダイ
23・・・乾燥炉
24・・・圧力調整ロール
25・・・加熱ロール
25’・・・ゴムロール
26・・・冷間加工用ロール
27,27’・・・ニップロール
28・・・冷却ロール
29・・・ヒーター
30・・・変形加工ロール
30’・・・当接ロール
31,31’・・・ニップロール
32・・・ヒーター
33・・・たわみ防止用ロール
38・・・加熱ロール
2・・・蓋体
3・・・タブ部
7・・・非金属容器本体
71・・・開口縁部(上端フランジ部)
2a・・・シール部
8・・・蓋材シール装置
81・・・シールヘッド
4・・・引裂始点(切り口)
5・・・開口部
5a,6a・・・紙シート層のギザギザな破断面
6・・・フラップ部
40・・・マーク
50・・・形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体
51・・・ポリブチレンテレフタレートフィルム層
52・・・紙シート
53・・・遮光性インク層
54・・・シーラントフィルム層
55・・・ポリエチレン(層)(I)
55’・・・ポリエチレン(層)(II)
55’’・・・ポリエチレン(層)(III)
56・・・接着剤(層)(I)
56’・・・接着剤(層)(II)
56’’・・・接着剤(層)(III)
57・・・PET層
60・・・乾燥麺
101・・・非金属容器本体
111・・・開口縁部(上端フランジ部)
102・・・蓋体
102a・・・シール部
102a’・・・シール部の中心線
103・・・タブ部
131・・・舌片部
104・・・スリット状貫通孔(切れ目)
141・・・切れ込み
142・・・コの字状切れ目の直線部
143・・・コの字状切れ目の連結部
105・・・引裂始点(切り口)
105’・・・引裂始点の延長線
106・・・フラップ部
201・・・容器本体
201a・・・上端フランジ部
202・・・蓋体
212・・・シール部
212a・・・シール部の中心線
203・・・タブ部
203a・・・茸状フラップ部
231・・・茸状フラップ部の傘状部
232・・・茸状フラップ部の柄状部
203b・・・舌片部
204・・・切れ目
204a・・・切れ目の略L字部
204b・・・切れ目の円弧部
241・・・切れ目の先端
204’・・・切れ目の延長線
205・・・開口部
205a・・・紙シート層のギザギザな破断面
206・・・帯状フラップ部
206a・・・紙シート層のギザギザな破断面
230・・・乾燥麺
301・・・容器本体
301a・・・上端フランジ部
302・・・蓋体
312・・・シール部
312a・・・シール部の中心線
303・・・第一のタブ部
304・・・第二のタブ部
304a・・・切れ目
304b・・・切れ目の延長線
305a,305b・・・直線状切れ目
306・・・コの字状切れ目
306a・・・直線部
306b・・・連結部
308・・・マーク
308a・・・切れ目の延長線
310,310’・・・マーク
315・・・第一のタブ部付近で剥離する部分(ハッチング部分)
316・・・帯片部
318・・・湯切り口
401・・・環状ダイ
411・・・環状オリフィス
402・・・第一冷却リング
403・・・第二冷却リング
404・・・第三冷却リング
405・・・ネット
406・・・冷却空気吹出装置
407・・・バブル
471・・・ネック部
472・・・膨張部
473・・・バブル領域
474・・・フロストライン
412・・・押出機
413・・・引取り機ニップロール
414・・・巻き取りリール
415・・・加湿器
501・・・加熱キャスティングロール
502・・・第2のロール
503・・・第3のロール
504・・・第4のロール
505・・・溶融樹脂
506・・・結晶化シート
507・・・シート用ダイ
508・・・巻き取りリール
509・・・ガイドロール
510・・・ニップロール
601・・・フィルム
62,621a,621b,622,623a,623b,624a,624b,625a,625b,626a,626b,・・・パターン・ロール
603,603a,603b・・・ブロワー
631・・・吹き出し口
632・・・フード
604・・・ダイヤモンド微粒子
651a,651b,652a,652b,653a,653b・・・パターン・ロール用支持体
661a,661b,662a,662b,663a,663b,664a,664b,665a,665b・・・ガイドレール
607・・・フィルム原反
671,672・・・ニップロール
673,674・・・ガイドロール
675・・・巻き取りリール
608,608a,608b・・・パターン・エンドレスベルト
609・・・フィルムの中心線
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a method for producing a container provided with a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate suitable as a food container and a container with such a lid.
[0002]
[Prior art]
Polybutylene terephthalate (PBT) resin has been attracting attention as an engineering plastic since it has excellent mechanical strength, heat resistance, chemical resistance, impact resistance, electrical properties, etc., and has been widely used for automobile parts, electrical / electronic parts, etc. Its application has been promoted mainly in the field of injection molding. In particular, a film made of polybutylene terephthalate is excellent in gas barrier properties and fragrance retention properties. Therefore, if shape memory property can be imparted to a polybutylene terephthalate film or a laminate containing the same, it is very useful for applications such as packaging materials. .
[0003]
On the other hand, for example, Patent Document 1 describes a shape memory resin made of a block copolymer of polybutylene terephthalate and aliphatic polylactone. Patent Document 2 describes a shape-memory copolymerized polyester molded body made of polyethylene terephthalate obtained by copolymerizing a third component so that the crystal melting entropy is 3 cal / g or less. Patent Document 3 describes a shape memory resin made of a block copolymer of polybutylene terephthalate and polyethylene glycol.
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 2-123129
[Patent Document 2]
JP-A-2-269735
[Patent Document 3]
JP-A-2-240135
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the resins having the shape memory ability described in Patent Documents 1 to 3 are not resins made of polybutylene terephthalate alone, and have a problem in heat resistance because of a low melting point.
[0006]
On the other hand, the present inventor made a polybutylene terephthalate film at a temperature T above the glass transition temperature to below the melting point. 1 After heat-deformation with external force applied at, temperature T below the glass transition temperature without applying external force 2 And fixed to the primary shape, and the glass transition temperature is over to temperature T 1 Less than temperature T Three A secondary shape is formed by applying an external force to heat and deform, and the temperature T is equal to or lower than the glass transition temperature while maintaining the secondary shape. Four And fix it to the secondary shape, and apply temperature T without applying external force to it. 1 A shape memory polybutylene terephthalate film laminate comprising a polybutylene terephthalate film layer in which a curl shape is memorized by such a process has been proposed by utilizing the fact that it recovers to a primary shape when the temperature is lower than the melting point to below the melting point (special feature). Application No. 2002-303500). The shape memory polybutylene terephthalate film laminate described in Japanese Patent Application No. 2002-303500 has excellent shape memory ability and heat resistance.
[0007]
However, since the shape memory polybutylene terephthalate film laminate described in Japanese Patent Application No. 2002-303500 is stored and transported in the form of a wound film, if the shape recovery temperature is relatively low, if the storage is prolonged, the high temperature in summer When stored in the initial stage, the curl shape gradually recovered during storage, or there was a wrinkle that warped on the opposite side of the curl shape due to shape memory due to the wound state during storage . In particular, in the case of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate that does not have a paper layer, an aluminum foil layer, or the like that has a strong dead hold property, the flatness is easily lost due to the above factors.
[0008]
When manufacturing food containers using the shape memory polybutylene terephthalate film laminate described in Japanese Patent Application No. 2002-303500, the lid obtained by punching the shape memory polybutylene terephthalate film laminate with a lid sealing device It is manufactured by immediately heat-sealing the body to the container, but if the shape memory polybutylene terephthalate film laminate unwound from the wound film is not substantially flat, heat sealing to the container is not possible or even if it is possible Will be a defective product.
[0009]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a method for producing a container provided with a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate without generating a defective product, and a container with such a lid.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent research in view of the above-mentioned object, the present inventors made contact with heated air while holding the shape memory polybutylene terephthalate film laminate unwound from the wound film flat between the two nip rolls. By rapidly annealing at a temperature exceeding the glass transition temperature of the butylene terephthalate film, the resulting substantially flat shape memory polybutylene terephthalate film laminate is punched out by a lid sealing means and immediately heat-sealed in a container. We found that no good products were generated. The present invention has been completed based on this invention.
[0011]
That is, the method for producing a container provided with the first shape memory polybutylene terephthalate film laminate lid of the present invention comprises (1) (a) a polybutylene terephthalate film, (b) a paper sheet, and other thermoplastics. Adhering to a film-shaped molded article containing at least one selected from the group consisting of a resin film and a metal foil, while making the polybutylene terephthalate film surface of the laminate obtained to be in contact with a cold working roll as a contact surface Temperature T below the glass transition temperature of the polybutylene terephthalate film 1 The curled laminate having a curl shape is prepared by performing cold working along the outer shape of the cold working roll, and (2) the obtained curled laminate is formed into two nip rolls. A temperature T exceeding the glass transition temperature by contacting with heated air while keeping it flat between (I) and (I '). 2 (3) The curled laminate that is apparently substantially flattened by the annealing, is brought into contact with a cooling roll or cooling air, and the temperature T is equal to or lower than the glass transition temperature. Three To form a shape memory polybutylene terephthalate film laminate by rapid cooling to (4) a wound film by winding the resulting shape memory polybutylene terephthalate film laminate inside the film-like molded body layer at room temperature, (5) Exceeding the glass transition temperature by bringing the shape memory polybutylene terephthalate film laminate unwound from the wound film into contact with heated air while being held flat between the two nip rolls (II) and (II ′) Temperature T Four (6) The shape memory polybutylene terephthalate obtained by punching and heat-sealing the obtained substantially flat shape memory polybutylene terephthalate film laminate by a lid sealing means and storing the curl shape. A lid made of a film laminate is adhered to the container.
[0012]
In the first manufacturing method, the temperature T 1 Is 35 ° C. or less, and the temperature T 2 Is above 45 ° C. and below 65 ° C., and the temperature T Three Is 15-25 ° C. and the temperature T Four Is preferably 80 to 120 ° C. Temperature T 1 Is more preferably 15 to 25 ° C.
[0013]
The manufacturing method of the container provided with the lid made of the second shape memory polybutylene terephthalate film laminate of the present invention includes (1) (i) (a) polybutylene terephthalate film, (b) paper sheet, other heat For deformation processing, a laminate is prepared in advance by adhering a film-like molded body containing at least one selected from the group consisting of a plastic resin film and a metal foil, and the polybutylene terephthalate film surface can be heated as a contact surface Temperature T above the glass transition temperature to below the melting point of the polybutylene terephthalate film while being in sliding contact with the roll Five And (ii) the temperature T while the polybutylene terephthalate film is slidably contacted with the deformation processing roll. Five And then deforming along the outer shape of the deformation processing roll, and then adhering to the film-shaped molded body to produce a curled laminate exhibiting the curled shape, (2) obtained The curled laminate is brought into contact with a cooling roll or cooling air, and the temperature T is equal to or lower than the glass transition temperature. 6 (3) Next, the film-shaped molded body layer is wound inside at room temperature, and the glass transition temperature is higher than the temperature T. Five Less than temperature T 7 At a temperature T equal to or lower than the glass transition temperature. 8 The shape memory polybutylene terephthalate film laminate having the shape of a curled film stored in the curled shape is cooled, and (4) the shape memory polybutylene terephthalate film laminate unwound from the wound film is divided into two Temperature T exceeding the glass transition temperature by contacting with heated air while keeping it flat between nip rolls Four (5) The substantially flat shape memory polybutylene terephthalate film laminate obtained is punched by a lid sealing means and heat-sealed, and thus comprises the shape memory polybutylene terephthalate film laminate. The lid is closely attached to the container.
[0014]
In the second manufacturing method, the temperature T Five Is 75 to 100 ° C., and the temperature T 6 Is 40 ° C. or less, and the temperature T 7 Is 45 to 65 ° C., and the temperature T 8 Is preferably 40 ° C. or lower.
[0015]
In a preferred embodiment of the first and second production methods, the film-shaped molded body has a layer structure composed of a rigid film, an adhesive layer, and a sealant film in order, and the polybutylene terephthalate film and the film. When adhering to the molded article, an adhesive layer is provided in advance on the polybutylene terephthalate film, and the adhesive layer of the polybutylene terephthalate film and the rigid film layer of the film-like molded article are adhered by a dry lamination method. . The rigid film is more preferably a polyethylene terephthalate film, a biaxially stretched polypropylene film (OPP film), or a nylon film. A light-shielding ink layer can be provided in advance on the surface of the polybutylene terephthalate film on the film-like molded body layer side or on the surface of the rigid film on the sealant film layer side.
[0016]
In the first and second production methods, when the polybutylene terephthalate film and the film-shaped molded body are bonded, the polybutylene terephthalate film is bonded to the film-shaped molded body while applying a tension of 4 kgf / m width or more. It is preferable to do this. The tension is preferably 10 to 20 kgf / m width.
[0017]
The lid of the container with a lid obtained by the first and second manufacturing methods of the present invention exhibits a curl shape by shape memory by peeling from the container. The container with a lid obtained by either the first or second production method of the present invention forms a number of substantially parallel linear marks on at least one surface of the polybutylene terephthalate film of the lid. Thereby, it can be torn substantially linearly along the linear mark from any part of the lid. The depth of the linear scar is preferably 1 to 40% of the thickness of the polybutylene terephthalate film layer. The depth of the linear scar is preferably 0.1 to 10 μm. The width of the linear mark is preferably 0.1 to 10 μm. The interval between the linear marks is preferably 10 to 200 μm. Ceramic or metal may be deposited on at least one surface of the polybutylene terephthalate film.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[1] Method for manufacturing container having lid made of shape memory polybutylene terephthalate film laminate
(I) Production of shape memory polybutylene terephthalate film laminate
(1) First manufacturing method
The first manufacturing method of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate includes the following steps (a) to (d).
(A) The glass transition temperature of the polybutylene terephthalate film while adhering the polybutylene terephthalate film and the film-shaped molded body and sliding the polybutylene terephthalate film surface of the obtained laminate on the cold working roll as the contact surface. Below temperature T 1 Thus, a cold-worked laminate having a curl shape is produced by cold working along the outer shape of the cold-working roll.
(B) While maintaining the obtained curled laminate flat between two nip rolls, the temperature T exceeding the glass transition temperature by contacting with heated air. 2 And rapidly anneal to make it look almost flat.
(C) A temperature T below the glass transition temperature of the curled laminate that is apparently substantially flat. Three And a shape memory polybutylene terephthalate film laminate in which the substantially flat state is fixed is obtained.
(D) A wound film is obtained by winding at room temperature with the film-like molded body layer of the obtained shape memory polybutylene terephthalate film laminate inside.
[0019]
The shape memory polybutylene terephthalate film laminate produced by the processing steps (a) to (d) above is T 1 The curl shape is substantially recovered by the shape recovery ability at the above temperature. In addition, the glass transition temperature of a polybutylene terephthalate film is 22-45 degreeC normally.
[0020]
Even if the polybutylene terephthalate film layer is fixed almost flat in the steps (b) to (c) above, T 1 The reason for recovering the curl shape under the above temperature is not clear, but for example, temperature T 1 During the cold working, strain is retained in the entanglement of polymer chains, and most of this strain is 2 T 1 It is conceivable that the curl shape is recovered under the above temperature. Hereinafter, the 1st manufacturing method of the shape memory polybutylene terephthalate film laminated body of this invention is demonstrated in detail with reference to drawings.
[0021]
FIG. 1 is a schematic side view showing an example of an apparatus for producing a shape memory polybutylene terephthalate film laminate by the first production method. The film 1 rewound from the reel 10 on which the polybutylene terephthalate film is wound is passed through a guide roll 20, an adhesive 22 is applied to one surface of a gravure roll 21, 21, and an adhesive layer is formed in a drying furnace 23. After the film is dried, the film-shaped molded body 13 passes between the pair of heating rolls 38 and 38 while passing through the pressure adjusting roll 24 (dry lamination). The obtained laminate was slidably contacted with the cold working roll 26 while the temperature T was below the glass transition temperature of the polybutylene terephthalate film. 1 Cold processed. This imparts curl properties to the polybutylene terephthalate film layer of the laminate. The temperature of the cold-working roll 26 is such that the temperature of the polybutylene terephthalate layer of the laminated body in sliding contact is T 1 Adjust so that The obtained curled laminate 11 is kept flat between the two nip rolls 27, 27 ′, and is heated to a temperature T exceeding the glass transition temperature by the air heated by the heater 29. 2 At a temperature T equal to or lower than the glass transition temperature by contact with the cooling roll 28. Three Cooled by. The temperature of the cooling roll 28 is such that the temperature of the polybutylene terephthalate layer of the laminated body in sliding contact is T Three Adjust so that Thereafter, the curled laminate is wound up at room temperature by a take-up reel with the film-like molded body layer as the inner side to form a wound film 12 (shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50).
[0022]
Temperature T above the glass transition temperature while holding the curled laminate flat 2 The rapid annealing process must be performed to such an extent that the curling property imparted by the cold working is not lost. Temperature T 2 Is preferably above 45 ° C and below 65 ° C. It is rapidly heated to this temperature range and annealed for 30-60 seconds. The tension applied to keep flat between the two nip rolls 27 and 27 'is 5 to 10 kgf / m width. The temperature of the heaters 29 and 29 is set so that the polybutylene terephthalate film layer of the curled laminate 11 has a temperature T 2 To be heated. In FIG. 1, the heaters 29 and 29 are heated from both sides of the curled laminate 11, but the heater 29 may be installed only on the polybutylene terephthalate film layer side (upper side in FIG. 1) of the curled laminate 11. Good. The heated air exiting from the heater 29 may be blown onto the polybutylene terephthalate film layer of the curled laminate 11 using a nozzle.
[0023]
The resulting shape memory polybutylene terephthalate film laminate is T 1 The curled shape is recovered by leaving or treating under the above temperature conditions. In the example shown in FIG. Three After cooling, the film-like molded body layer is wound up as the inner side. By further using the curled laminate 11 that is fixed almost flat in the steps (b) to (c) as the wound film 12, a substantially flat state can be maintained during storage. Therefore, the curled laminate 11 when the wound film 12 (shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50) is rewound is usually almost flat.
[0024]
Cold working temperature T 1 Is essential to be not higher than the glass transition temperature of the polybutylene terephthalate film, but is preferably not higher than 35 ° C., more preferably 15 to 25 ° C. Temperature T for cooling the curled laminate 11 after annealing Three Is essential to be not higher than the glass transition temperature, but is preferably 15 to 25 ° C.
[0025]
The polybutylene terephthalate film used for the shape memory polybutylene terephthalate film laminate is not particularly limited, but it is preferable to use a film obtained by the production method described later in [2] (I) (1). The thickness of the polybutylene terephthalate film is preferably 6 μm or more.
[0026]
The film-like molded product laminated on the polybutylene terephthalate film can be appropriately selected from paper sheets, other thermoplastic resin films, metal foils, etc. according to the use of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate, A laminated sheet by a combination of these may be used. Examples of the film-shaped molded body include those having a rigid film, an adhesive layer, and a sealant film in this order. Examples of the rigid film include a polyethylene terephthalate film, a biaxially stretched polypropylene film (OPP film), and a nylon film.
[0027]
About how to wind the polybutylene terephthalate film 1 around the roll 26 for cold working, as shown in FIG. 1, an angle θ formed by the winding direction and the unwinding direction of the polybutylene terephthalate film 1. 1 Is preferably in the range of 45 to 60 °. Thereby, sufficient curling property can be imparted to the polybutylene terephthalate film 1. Angle θ 1 In order to obtain a desired value, the positional relationship between the cold working roll 26 and the pressure adjusting roll 24 ′ may be adjusted as appropriate.
[0028]
When the polybutylene terephthalate film 1 and the film-shaped molded body 13 are bonded by a pair of heating rolls 25, 25, the pressure adjusting roll 24 is applied to the polybutylene terephthalate film 1 while applying a tension of usually 4 kgf / m width or more. In particular, by applying a tension of 10 to 20 kgf / m width to the polybutylene terephthalate film 1, the polybutylene terephthalate film 1 can be adhered to the film-shaped molded body 13 while being stretched in the machine direction to an elastically stretchable elongation. As a result, the polybutylene terephthalate film 1 is bonded to the film-like molded body 13 in an expanded state while maintaining an elastic restoring force. The stretched state that retains the elastic restoring force is a state in which the polybutylene terephthalate film 1 retains the force to shrink to the original shape when the force for fixing the stretching of the polybutylene terephthalate film 1 is released. . Thereby, the curl property of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 can be further improved. In this specification, the curling property means the property that the shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 can be warped, unlike the dead hold property that can be maintained in the state where the shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 is warped. To do. The elastic stretchable elongation is such an extent that the polybutylene terephthalate film cannot be wrinkled by stretching, and is generally an elongation of 1 to 3%.
[0029]
The diameter of the cold working roll 26 is preferably 20 to 80 cm. Thereby, sufficient curling property can be imparted to the polybutylene terephthalate film 1. Usually, the peripheral speed of the cold working roll 26 is 30 to 100 m / min.
[0030]
In the example shown in FIG. 1, the polybutylene terephthalate film and the film-shaped molded body are bonded by an extrusion lamination method, but may be bonded by a dry lamination method. In the example shown in FIG. 1, the film-like molded body 13 is bonded to only one side of the polybutylene terephthalate film 1. However, after the film-shaped molded body 13 is bonded to both sides of the polybutylene terephthalate film 1, the curling property Can also be given.
[0031]
FIG. 2 is a schematic side view showing another example of an apparatus for producing a shape memory polybutylene terephthalate film laminate by the first production method. The same members or portions as those in the embodiment shown in FIG. This example is the same as the example shown in FIG. 1 except that the polybutylene terephthalate film 1 and the film-like molded body 13 are bonded together by an extrusion lamination method. The polybutylene terephthalate film 1 provided with the adhesive layer is passed through the pressure adjusting roll 24 and the molten polyethylene 55 extruded from the die 22 so that the film-like molded body 13 overlaps the adhesive layer and the cooling roll 25 and the rubber roll. Pass between 25 '(extrusion lamination). Therefore, the adhesive layer between the polybutylene terephthalate film 1 and the film-like molded body 13 is composed of an adhesive layer and an extrusion-laminated polyethylene layer. However, when the shape memory polybutylene terephthalate film laminate does not include a layer having a dead hold property such as a paper sheet or a metal foil, it can be sufficiently bonded by a dry lamination method. Therefore, when using what has the above-mentioned rigid film, an adhesive bond layer, and a sealant film in this order as a film-form molded object, it adhere | attaches normally by the dry lamination method. The film-shaped molded body 13 may also be formed by either extrusion lamination method or dry lamination method.
[0032]
(2) Second manufacturing method
The second manufacturing method of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate includes the following steps (e) to (g).
(E) (i) A laminate was prepared in advance by adhering a polybutylene terephthalate film and a film-shaped molded article, and the polybutylene terephthalate film was slidably contacted with a heating roll using the polybutylene terephthalate film surface as a contact surface. Temperature T above glass transition temperature to below melting point Five (Ii) The temperature T while sliding the polybutylene terephthalate film on the heating roll. Five Thus, a deformation process is performed along the outer shape of the heating roll, and then the film is bonded to a film-like molded body to produce a curled laminate exhibiting a curled shape.
(F) The obtained curled laminate is brought into contact with a cooling roll or cooling air, and the temperature T is equal to or lower than the glass transition temperature. 6 Cool with.
(G) Next, the film-shaped molded body layer is wound inside at room temperature, and the glass transition temperature is above-temperature T. Five Less than temperature T 7 At a temperature T equal to or lower than the glass transition temperature. 8 Then, a wound film-like shape memory polybutylene terephthalate film laminate is produced.
[0033]
The shape memory polybutylene terephthalate film laminate produced by the processing steps (e) to (g) is T Five The curl shape is substantially recovered by the shape recovery ability at the above temperature.
[0034]
Even if the polybutylene terephthalate film layer is fixed almost flat in the above (g) step, Five The reason for recovering the curl shape under the above temperature is not clear, but for example, temperature T Five In the heat deformation process, the crystallization of the polymer is promoted, and the crystallization part is entangled to generate a fixed point. 7 However, it is conceivable that the shape memory is maintained because the orientation of most of the molecular chains does not change. The degree of crystallinity of the polybutylene terephthalate resin is usually about 20-30%. In addition, the polybutylene terephthalate resin has a large change in elastic modulus around the glass transition temperature.
[0035]
The polybutylene terephthalate resin has a glass transition temperature of 22 to 45 ° C., which is close to room temperature, and can be easily heated to a glass transition temperature or higher and cooled to a temperature lower than the glass transition temperature. Moreover, since the melting point is as high as about 230 ° C, the temperature range from the glass transition temperature to the melting point is wide, and the temperature T Five And temperature T 6 The difference can be increased. Therefore, the operations (e) to (g) can be easily performed. Hereafter, the 2nd manufacturing method of the shape memory polybutylene terephthalate film laminated body of this invention is demonstrated in detail with reference to drawings.
[0036]
FIG. 3 is a schematic side view showing an example of an apparatus for producing a shape memory polybutylene terephthalate film laminate by the second production method. In this example, a film-like molded body is bonded to a polybutylene terephthalate film that has been previously imparted with curling properties. The process until the adhesive 22 is applied to one surface of the polybutylene terephthalate film 1 and the adhesive layer is dried in the drying furnace 23 is the same as the example shown in FIG. As shown in FIG. 3, the polybutylene terephthalate film 1 after the adhesive layer has been dried is slid onto a deformation processing roll 30 that can be heated with a surface having no adhesive layer as a contact surface through a pressure adjusting roll 24. The above temperature T Five The curling property is imparted by the deformation process. The temperature of the deformation processing roll 30 is such that the temperature of the polybutylene terephthalate layer of the laminated body in sliding contact is T Five Adjust so that Thereafter, the film-like molded body 13 is adhered to the polybutylene terephthalate film 1 while passing between the deformation processing roll 30 and the abutting roll 30 ′ in contact with the deformation processing roll 30 while overlapping with the adhesive layer of the polybutylene terephthalate film 1. Is done. The obtained curled laminate 11 is brought into contact with the cooling roll 28, so that the temperature T below the glass transition temperature. 6 Then, the film is formed into a wound film 12 by being wound at room temperature by a take-up reel with the film-like molded body layer of the curlable laminate as the inner side. The temperature of the cooling roll 28 is such that the temperature of the polybutylene terephthalate layer of the laminated body in sliding contact is T 6 Adjust so that The resulting wound film 12 is above the glass transition temperature to temperature T Five Less than temperature T 7 At a temperature T equal to or lower than the glass transition temperature. 8 The shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 is obtained by cooling in step (a). After making the wound film 12, the temperature T 7 Heat treatment at temperature T 8 By cooling at, the curled shape of the laminate is made latent and an apparently substantially flat laminate is obtained. The means for heating / cooling the wound film 12 is not limited, and examples thereof include a method of putting the wound film 12 in a tank and heating the periphery of the tank with a heater or cooling with a cooling device. The temperature control of the heater and cooling device 7 Or temperature T 8 To be.
[0037]
The resulting shape memory polybutylene terephthalate film laminate has a temperature T Five The curl shape is recovered by heat treatment at a temperature lower than the melting point of the polybutylene terephthalate film. In addition, in the example shown in FIG. 3, in order to make it a substantially flat shape as the secondary shape, the film-like molded body layer of the curled laminate is wound up inside, so that the film can be efficiently flattened. Can do.
[0038]
Heating temperature T in deformation processing roll 30 Five Although it is essential that the temperature be higher than the glass transition temperature of the polybutylene terephthalate film to less than the melting point, it is preferably 75 to 100 ° C, more preferably 90 to 100 ° C. Cooling temperature T in cooling roll 28 6 Although it is essential that the temperature be lower than the glass transition temperature, it is preferably 40 ° C. or lower. The curled laminate 11 may be cooled by using cooling air instead of the cooling roll 28. Temperature T for heating the wound film 12 7 Is above the glass transition temperature to T Five However, it is preferably 45 to 65 ° C, more preferably 45 to 50 ° C. Also temperature T 7 The heat treatment at is preferably performed for about 24 hours. Cooling temperature T after heat treatment of the wound film 12 8 Is essential to be not higher than the above glass transition temperature, but is preferably not higher than 40 ° C.
[0039]
About how to wrap the polybutylene terephthalate film 1 around the deformation processing roll 30, an angle θ formed by the winding direction and the unwinding direction of the polybutylene terephthalate film 31 shown in FIG. 2 Is preferably in the range of 45 to 60 °. Thereby, sufficient curling property can be imparted to the polybutylene terephthalate film 1. Angle θ 2 In order to obtain a desired value, the positional relationship between the deformation processing roll 30 and the pressure adjusting rolls 24, 24 may be adjusted as appropriate.
[0040]
As described in the first manufacturing method in (1) above, the polybutylene terephthalate film 1 and the film-like molded body 13 are bonded by passing between the deformation processing roll 30 and the contact roll 30 ′. At this time, the polybutylene terephthalate film 1 is usually applied with a tension of 4 kgf / m width or more by a pair of pressure adjusting rolls 24, 24. Similar to the first production method, it is preferable to apply a tension of 10 to 20 kgf / m width to the polybutylene terephthalate film 1.
[0041]
The diameter of the deformation roll 30 is preferably 60 to 80 cm. Thereby, sufficient curling property can be imparted to the polybutylene terephthalate film 1. Usually, the peripheral speed of the deformation processing roll 30 is 30 to 100 m / min.
[0042]
FIG. 4 is a schematic side view showing another example of an apparatus for producing a shape memory polybutylene terephthalate film laminate by the second production method. The same members or portions as those in the embodiment shown in FIG. In this example, a polybutylene terephthalate film and a film-shaped molded body are bonded in advance to produce a laminate, and then the curl property is imparted to the polybutylene terephthalate film layer. The steps until the polybutylene terephthalate film 1 and the film-like molded body 13 are bonded by the pair of heating rolls 38 are the same as the example shown in FIG. The resulting laminate was in sliding contact with the deformation processing roll 30 while the glass transition temperature of the polybutylene terephthalate film was above the temperature T to below the melting point T. Five Is deformed. This imparts curl properties to the polybutylene terephthalate film layer of the laminate. The obtained curled laminate 11 is brought into contact with the cooling roll 28, so that the temperature T below the glass transition temperature. 6 Then, the film is formed into a wound film 12 by being wound at room temperature by a take-up reel with the film-like molded body layer of the curlable laminate as the inner side. The resulting wound film 12 is above the glass transition temperature to temperature T Five Less than temperature T 7 At a temperature T equal to or lower than the glass transition temperature. 8 The shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 is obtained by cooling in step (a).
[0043]
In the embodiment shown in FIG. Five ~ T 8 The requirements regarding are the same as those of the embodiment shown in FIG. Angle θ formed by the winding direction and unwinding direction of laminate 11 Three Is preferably in the range of 45 to 60 °.
[0044]
In the example shown in FIG. 4, the film-shaped molded body 13 is bonded to only one side of the polybutylene terephthalate film 1, but the shape memory is formed after the film-shaped molded body 13 is bonded to both surfaces of the polybutylene terephthalate film 1. It is also possible to impart sex.
[0045]
(II) Heat sealing method
The shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 obtained by the method described in the above (I) is apparently substantially flat in the production process and further stored as a wound film 12, so when it is unwound It is almost flat. However, when the shape recovery temperature is relatively low, when storing for a long period of time, when the influence of tension when adhering to the film-like molded product described in (I) above is strong, when storing in the high temperature season of summer, etc. In some cases, the curl shape gradually recovers during storage, or wrinkles that warp on the opposite side of the curl shape due to shape memory may occur due to winding during storage. In particular, in the case of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate that does not have a paper layer, an aluminum foil layer, or the like with a strong dead hold property, flatness tends to be lost due to the above factors.
[0046]
The container with a lid of the present invention is manufactured by punching a shape memory polybutylene terephthalate film laminate obtained by the method described in (I) above and heat-sealing the container, but the shape memory polybutylene terephthalate If the film laminate is not substantially flat when unrolled, heat sealing to the container cannot be performed, or even if possible, the lid body will be bent and defective. Therefore, when manufacturing a container with a lid, it is necessary to make the shape memory polybutylene terephthalate film laminate that is not flat when unrolled substantially flat before heat sealing.
[0047]
FIG. 5 is a schematic side view showing an example of an apparatus for producing a container having a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate. The shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 unwound from the wound film 12 obtained by any one of the methods described in (I) above is heated while being held flat between the two nip rolls 31 and 31 ′. Temperature T exceeding the glass transition temperature of polybutylene terephthalate film by contact with heated air by 32, 32 Four Is rapidly annealed and apparently nearly flat. The substantially flat shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 is punched by the lid seal device 8 in which the seal head 81 moves up and down and immediately heat-sealed to the container 7. An inert gas can be blown into the container as necessary.
[0048]
However, temperature T Four It is necessary to carry out the annealing at such an extent that the curl property stored in the shape memory polybutylene terephthalate film laminate is not lost. Temperature T Four Is preferably 80 to 120 ° C. Temperature T Four Heat rapidly until 30-60 seconds. The tension applied to hold flat between the two nip rolls 31 and 31 'is 5 to 10 kgf / m width. The running speed of the normal shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 is 30 to 100 m / min. The temperature of the heaters 32 and 32 is set so that the polybutylene terephthalate film layer of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 has a temperature T Four To be heated. In FIG. 5, the heaters 32 and 32 are heated from both sides of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50, but the shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 is on the polybutylene terephthalate film layer side (lower side in FIG. 5). Only the heater 32 may be installed. The heated air exiting from the heater 32 may be sprayed onto the polybutylene terephthalate film layer of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 using a nozzle.
[0049]
Since the punching of the lid and the heat sealing to the container 7 are performed intermittently, the shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 is not bent between the guide roll 20 and the contact roll 15 as shown in FIG. In addition, a deflection preventing roll 33 is provided for maintaining a constant tension. The deflection preventing roll 33 is movable up and down so as to keep the laminated sheet between the guide roll 20 and the contact roll 15 at a constant tension. In FIG. 5, reference numeral 14 denotes a wound film made of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 after punching out the lid.
[0050]
In heat sealing, the sealing part of the lid is normally heated to 120 to 160 ° C. by the seal head 81, and at that time, heat is also applied to parts other than the sealing part of the lid, so that when the lid is heat sealed to the container The curl shape is recovered and is flat while being sealed to the container, but shows a curl shape by shape memory by peeling from the container.
[0051]
[2] semi-solid food containers
A container provided with a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate obtained by the production method described in [1] above is suitable as a container for semi-solid food.
(I) Layer structure of the lid
6 and 7 show representative examples of the layer structure of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate constituting a lid used for a container for containing semi-solid food such as jelly and pudding. The laminated body shown in FIG. 6 includes a polybutylene terephthalate film layer 51, a rigid film layer layer 57, and a sealant film layer 54 as a basic configuration. The lid used for containers for storing semi-solid foods does not require resealability after pouring, unlike the lids used for instant food containers. Often does not have. However, if the laminate is constructed by adhering only two layers of a polybutylene terephthalate film and a polyethylene film, the curling property imparted to the polybutylene terephthalate film is easily absorbed by the polyethylene film, and the shape memory property may be insufficient. There is. Therefore, when manufacturing a shape memory polybutylene terephthalate film laminate having a polybutylene terephthalate film layer and a polyethylene film layer, a polyethylene terephthalate film, a biaxially stretched polypropylene film (between the polybutylene terephthalate film layer and the polyethylene film layer ( It is preferable to provide a layer made of a rigid film such as an OPP film) or a nylon film. Hereinafter, each layer will be described in detail.
[0052]
(1) Polybutylene terephthalate film layer
The polybutylene terephthalate film used for the shape memory polybutylene terephthalate film laminate is preferably one produced by an inflation molding method or a uniaxial stretching method described below. By using the polybutylene terephthalate film obtained by these production methods, a shape memory polybutylene terephthalate film laminate capable of stably reproducing the applied shape can be obtained. The thickness of the polybutylene terephthalate film is preferably 6 μm or more, more preferably 10 to 50 μm, and even more preferably 10 to 30 μm. If the thickness of the polybutylene terephthalate film is 6 μm or more, it has sufficient shape memory ability, aroma retention and gas barrier properties, as well as good glossiness and printing characteristics.
[0053]
(A) Raw material polybutylene terephthalate resin
The polybutylene terephthalate resin used as a raw material is not particularly limited, but is preferably composed of a homopolymer having 1,4-butanediol and terephthalic acid as constituent components. However, a diol component other than 1,4-butanediol and a cambonic acid component other than terephthalic acid may be included as a copolymer component as long as physical properties such as shape memory ability and heat shrinkability are not impaired. Examples of such a diol component include ethylene glycol, diethylene glycol, neopentyl glycol, 1,4-cyclohexane methanol, and the like. Examples of the dicarboxylic acid component include isophthalic acid, sebacic acid, adipic acid, azelaic acid, and succinic acid. Specific examples of preferable polybutylene terephthalate resins include homopolybutylene terephthalate resins commercially available from Toray Industries, Inc. under the trade name “Trecon”.
[0054]
Polybutylene terephthalate resin is a known additive added to general thermoplastic resins and thermosetting resins, that is, stabilizers such as plasticizers, antioxidants and ultraviolet absorbers, antistatic agents, surfactants, Colorants such as dyes and pigments, lubricants for improving fluidity, crystallization accelerators (nucleating agents), inorganic fillers, and the like can be appropriately used according to the required performance. In addition, a small amount of other thermoplastic resin can be supplementarily used depending on the purpose within a range not impairing the effects of the present invention.
[0055]
(B) Inflation molding method
FIG. 8 is a schematic side view showing the steps of a method for producing a polybutylene terephthalate film by an inflation molding method. The tubular film extruded from the annular die 401 attached to the extruder 412 is gradually blown into a film having a predetermined width by air being sent into the inside, and is taken up by being sandwiched between nip rolls 413 of the take-up machine. It is wound up by a take-up reel 414.
[0056]
In order to produce a polybutylene terephthalate film, the polybutylene terephthalate resin and desired additives are first kneaded at a resin temperature of 240 to 260 ° C. If the kneading temperature is higher than 260 ° C, the resin may be thermally deteriorated. For this reason, when kneading is performed in an extruder such as a twin screw extruder, one having a screw structure that does not generate heat or one having an appropriate cooling device is used. It is not preferable that the lower limit of the kneading temperature is less than 240 ° C. because the amount of extrusion becomes unstable.
[0057]
The resin temperature extruded from the inflation annular die 401 is 210 to 250 ° C. When the temperature of the resin extruded from the annular die 401 exceeds 250 ° C., the bubble 407 cannot be sufficiently cooled by the first cooling ring 402. Preferably, the resin temperature extruded from the annular die 401 is 220 to 230 ° C. Also, the resin pressure extruded from the inflation annular die 401 is 100 to 120 kg / cm 2 And The diameter of the inflation annular die 401 is preferably 150 to 300 mm.
[0058]
Bubbles 407 pushed out from the annular die 401 are stretched not only in the MD direction but also in the TD direction while being cooled by the cooling device. This is shown schematically in FIG.
[0059]
In FIG. 9, the bubble cooling device includes a first cooling ring 402 provided in the vicinity of the annular die 401, a second cooling ring 403 provided above the first cooling ring 402, and a little of the second cooling ring 403. A third cooling ring 404 provided above, a cylindrical net 405 provided between the first cooling ring 402 and the second cooling ring 403, and a cooling air blowing device 406 provided below the net 405 And have.
[0060]
In the apparatus having the above configuration, the arrangement of each cooling ring is determined by controlling the temperature of the bubble 407 formed by the air cooling inflation method, so the shape and temperature distribution of the bubble 407 will be described below.
[0061]
The melted polybutylene terephthalate resin or polybutylene terephthalate resin composition is extruded from the annular orifice 411 of the die 401 to form a bubble 407. The so-called neck portion 471 is formed. In the neck portion 471, the bubble 407 is extended mainly in the MD direction. Next, the bubble 407 rapidly expands to a predetermined bubble diameter. In the inflating portion 472, the bubble 407 extends not only in the MD direction but also in the TD direction. There is a frost line 474 in the vicinity of the upper part of the inflating part 472, where the polybutylene terephthalate resin composition is cooled and solidified. Bubble 407 is further cooled by second cooling ring 403 and third cooling ring 404 provided in bubble region 473 above frost line 474.
[0062]
In order to obtain a polybutylene terephthalate film by such an air cooling inflation method, the temperature of each part of the bubble 407 is controlled as follows.
(a) The temperature immediately after extrusion from the annular die 401 is 170 ° C. or less.
(b) The neck portion 471 is cooled to 130 ° C or lower.
(c) Cooled to 100 ° C or lower in frost line 474.
(d) Cooled to 80 ° C. or lower by the second cooling ring 403.
[0063]
The condition (a) is as described above, but the condition (b) is that the neck part 471 does not cool to 130 ° C. or less, and the next expansion part 472 can sufficiently achieve stretching in the TD direction. I can't. In other words, unless the neck portion 471 is cooled to 130 ° C. or lower, the expansion portion 472 does not have sufficient melt tension, and stretching in the MD direction is mainly performed.
[0064]
In order to satisfy such a temperature condition, the blow-up ratio is set to 1.5 to 2.8. Preferably, the blow-up ratio is 2.0 to 2.8.
[0065]
With respect to the condition (c), by reducing the bubble temperature in the frost line 474 to 100 ° C. or lower, cold stretching of the bubble 407 can be achieved. For this reason, if the bubble temperature is higher than 100 ° C. in the frost line 474, the expansion of the bubble 407 in the MD direction and the TD direction is insufficient in the expansion portion 472.
[0066]
Regarding condition (d), the formation of uniform thin bubbles 407 can be stabilized by cooling the bubbles 407 above 80 ° C. above the frost line 474. If the temperature of the bubble 407 above the frost line 474 is maintained at a temperature higher than 80 ° C. without providing the second cooling ring 403, non-uniform stretching may occur, so that the bubble 407 as a whole becomes unstable.
[0067]
After cooling by the second cooling ring, it is preferable to further cool to 50 ° C. or less by the third cooling ring 404 as the condition (e). If the bubble 407 is completely cooled only by the second cooling ring 403, non-uniform cooling may occur. It is preferable to cool to 30 to 40 ° C. by the third cooling ring 404. These second cooling ring 403 and third cooling ring 404 do not cause stretching in the bubble 407 above it.
[0068]
In order to control the temperature of the bubble 407 as described above, the arrangement of the first cooling ring 402, the second cooling ring 403, the third cooling ring 404, the net 405, and the cooling air blowing device 406 is as follows.
(A) First cooling ring 402
Cooling air is jetted so that the temperature of the neck part 471 is reduced to 130 ° C., provided near the annular die 401. Thereby, in the frost line 474 after the expansion part 472, the temperature of the bubble 407 becomes 100 ° C. or less.
(B) Second cooling ring 403
Distance H 5 to 10 times the diameter of the annular die 401 1 Only above the annular die 401, the cooling air is ejected so that the temperature of the bubble 407 is 80 ° C. or lower.
(C) Third cooling ring 404
Distance H that is 0.5 to 5.0 times the diameter of the annular die 401 2 Only at a position above the second cooling ring 403, cooling air is jetted out so that the temperature of the bubble 407 is 50 ° C. or lower.
(D) Net 405
It has a cylindrical shape and is located between the first cooling ring 402 and the second cooling ring 403 and surrounds the bubble 407. Cooled by a cooling air blowing device 406, which will be described later, the cooling by the first cooling ring 402 and the second cooling ring 403 is always performed under the same conditions without being affected by the external ring area (air temperature, temperature, etc.) The temperature around bubble 407 is kept uniform so that the temperature of 407 is maintained under the above-mentioned conditions (b) to (d).
(E) Cooling air blowing device 406
Provided on the lower outer side of the net 405, has a cooling air outlet in a circular shape along the lower end of the net 405, and the temperature around the net 405 is in the range of 30-40 ° C, preferably 30-35 ° C Cooling air is jetted obliquely upward so that the temperature is stable. The cooling air blown obliquely upward blows up along the net 405 and cools the entire net (arrow in FIG. 9).
[0069]
In the above method, it is preferable to use humidified air as the cooling air injected from the first cooling ring 402 to the bubble 407. Humidified air is air that has been humidified and cooled with cold water, contains almost saturated water, and has a cooling effect that is about 5 ° C. greater than mere cooling air. In addition, as the cooling air injected from the second and third cooling rings 403 and 404 to the bubble 407, it is preferable to use humidified air from the viewpoint of cooling efficiency. If a stable cooling effect cannot be obtained, the bubble 407 becomes unstable. Therefore, the temperature and humidity of the cooling air are controlled so as not to change as much as possible.
[0070]
Further, as the cooling air to be injected from the cooling air blowing device 406 to the net 405, humidified air may be used as in the case of the first to third cooling rings 402 to 404 described above, or normal indoor air is desired. You may use what was adjusted to temperature of.
[0071]
FIG. 10 is a schematic cross-sectional view showing a system for supplying humidified air. The air supplied from the blower B is humidified and cooled by a humidifier 415 equipped with a chiller R and a chilled water recycle pump P, and supplied to the first to third cooling rings 402 to 404 and the cooling air blowing device 406, respectively.
[0072]
Further, as the net 405, a plastic made of nylon, polypropylene, polyester or the like, or a metal made of stainless steel, copper, brass, nickel or the like can be used. In particular, those having 8 to 10 mesh are preferred.
[0073]
Film formation by the inflation method of polybutylene terephthalate resin is possible by maintaining the above requirements, and general conditions of the inflation method can be applied to other conditions. That is, using a crosshead die, the tube-shaped molten polybutylene terephthalate resin is extruded upward or downward, the end is sandwiched between pinch rolls, air is fed into the inside, and the die is continuously wound while being inflated to a predetermined size. It is also possible to prevent uneven thickness by rotating or reversing.
[0074]
The heat shrinkage of the polybutylene terephthalate film produced as described above is almost 0% up to 200 ° C. and does not substantially heat shrink to 200 ° C. For this reason, there is little change of a film dimension in secondary processing, such as heat sealing and printing. The film can be stretched both heated and unheated. For example, the film can be easily stretched about 3.2 times at about 130 ° C., and a milky white to translucent stretched film can be obtained. When stretched without heating, a transparent film is obtained. By the manufacturing method described above, a polybutylene terephthalate film having a thickness of 10 μm or more and a film width of 400 to 1200 mm can be manufactured.
[0075]
According to the manufacturing method described above, each part of the bubble (immediately after extrusion, the neck part, the expansion part, and the frost line) is always maintained at a desired temperature, so that the quality is always uniform. Furthermore, since the cooling rate can be increased, high-speed film formation is possible.
[0076]
(C) Uniaxial stretching method
FIG. 11 is a schematic side view showing a production process of a polybutylene terephthalate film by a uniaxial stretching method. The molten resin 505 extruded from the sheet die (T die) 507 is taken up by the heating casting roll 501 and is cooled to form a crystallization sheet 506. The obtained crystallized sheet 506 becomes a stretched film by being stretched between the heating casting roll 501 and the second roll 502 provided in parallel therewith.
[0077]
(a) Crystallization sheet formation process
First, a polybutylene terephthalate resin is melt-kneaded with the additive described in the above (1), another resin, and the like to prepare a molten resin 505. Although the method of melt kneading is not particularly limited, it is usually carried out by uniformly kneading in a twin screw extruder. The kneading temperature is preferably 230 to 260 ° C. If the kneading temperature is higher than 260 ° C, the resin may be thermally deteriorated. For this reason, when kneading is performed in an extruder such as a twin screw extruder, one having a screw structure that does not generate heat or one having an appropriate cooling device is used. If the lower limit of the kneading temperature is less than 230 ° C., the extrusion amount becomes unstable, which is not preferable.
[0078]
The melted and kneaded molten resin 505 is directly or via another extruder, or once cooled and pelletized, and then extruded from the sheet die 507 again via the extruder. The gap of the sheet die 507 is usually 5 mm or less. The resin temperature extruded from the sheet die 507 is preferably 210 to 250 ° C, and more preferably 220 to 230 ° C.
[0079]
The crystallized sheet 506 is formed by taking out the molten resin 505 extruded from the sheet die 507 in this way with the heating casting roll 501 and removing the cooling. By forming the crystallized sheet 506, processability for stretching is improved, so that high stretching and thinning are facilitated. Before contacting with the heating casting roll 501, it is preferable that the distance between the sheet die 507 and the heating casting roll 501 is 20 cm or less so that the temperature of the extruded molten resin 505 does not decrease to 200 ° C. or less. The temperature of the heating casting roll 501 is preferably adjusted to 150 to 200 ° C. If the temperature of the heating casting roll 501 exceeds 200 ° C., the melt tension becomes low, so that the formation of the crystallization sheet 506 becomes difficult. On the other hand, when the temperature of the heating casting roll 501 is less than 150 ° C., the crystallinity of the resulting crystallized sheet 506 is lowered, so that the workability for subsequent stretching is lowered.
[0080]
The thickness of the crystallization sheet 506 is preferably 50 to 100 μm. This facilitates thinning by a subsequent stretching process. The thickness of the crystallization sheet 506 is set to 50 to 100 μm, and the neck-in phenomenon (a phenomenon in which the cast sheet extruded from the die becomes narrower than the effective width of the die) when forming the crystallization sheet 506 is suppressed as much as possible. The peripheral speed of the heating casting roll 501 is 5 to 15 m / min. The outer diameter of the heating casting roll 1 is preferably 35 to 70 cm.
[0081]
(b) Stretching process
(i) Primary stretching
Next, as shown in FIG. 11, the obtained crystallization sheet 506 is stretched in the machine direction between the heating casting roll 501 and the second roll 502 by utilizing the peripheral speed difference between both rolls (primary stretching). . At this time, the temperature of the heating casting roll 501 is adjusted to 150 to 200 ° C. as described in (a) above, and the distance between the heating casting roll 501 and the second roll 502 (between the common tangent lines between both rolls) The distance) is preferably 10 cm or less. By performing primary stretching under such conditions, the region (stretching region) in which the crystallization sheet 506 is stretched can be made relatively narrow, and the temperature of the stretching region can be set to 130 to 150 ° C. By setting the temperature of the stretching region to 130 to 150 ° C., the melt tension can be in a range suitable for stretching at a relatively high magnification, so that uniform stretching with little film thickness unevenness is possible. Moreover, the effect of suppressing the neck-in phenomenon is improved as the stretched region is narrowed. In addition, in order to keep the temperature of an extending | stretching area | region constant, you may heat the film between both rolls using a hot wire heater etc. In FIG. 11, reference numeral 509 denotes a guide roll, and 508 denotes a take-up reel.
[0082]
The draw ratio varies depending on the thickness of the crystallization sheet 506, but is preferably 1.5 times or more, and more preferably 2 to 4 times. Transparency improves as the draw ratio is increased. By appropriately setting the peripheral speed ratio between the heating casting roll 501 and the second roll 502, it can be stretched to a desired ratio. There is no restriction | limiting in particular in the outer diameter of the 2nd roll 502, What is necessary is just to be 35-70 cm like the heating casting roll 501. FIG.
[0083]
In the case where re-stretching (secondary stretching) described later is also performed after the primary stretching, the temperature of the second roll 502 is preferably adjusted to 100 to 150 ° C. On the other hand, when only primary stretching is performed as the stretching step, the temperature of the second roll 502 is adjusted to 40 ° C. or lower, whereby the film subjected to primary stretching can be subjected to cooling and fixing treatment. In the present specification, the cooling and fixing treatment means that the film is treated at a temperature not higher than the glass transition temperature (20 to 45 ° C.) of polybutylene terephthalate. By applying the cooling and fixing treatment, the stretched state can be stabilized. If it is desired to further extend the cooling and fixing process, a third roll 503 is provided in parallel with the second roll 502 as shown in FIG. 12, and the temperature of the third roll 503 is adjusted to 40 ° C. or lower. It is only necessary to rotate the film at the same peripheral speed and take out the film subjected to primary stretching. In FIG. 12, the same parts as those in the manufacturing apparatus shown in FIG. 11 are denoted by the same reference numerals. The outer diameter of the third roll 503 may be 35 to 70 cm like the second roll 502. In FIG. 12, 510 indicates a nip roll.
[0084]
When the cooling and fixing treatment is performed with the third roll 503, the temperature of the second roll 502 may be adjusted to a temperature exceeding the glass transition temperature of the polybutylene terephthalate film to a melting point of −50 ° C. or less, thereby reducing the thermal shrinkage of the film. It becomes even lower.
[0085]
(ii) Secondary stretching
It is preferable to stretch the stretched film obtained by primary stretching further in the machine direction (secondary stretching). The secondary stretching can further improve the transparency and further reduce the thickness. When secondary stretching is also performed, a circumferential speed difference is provided between the second roll 502 and the third roll 503 shown in FIG. 12, and the stretching is performed in the machine direction. At this time, the temperature of the second roll 502 is preferably adjusted to 100 to 150 ° C., and the distance between the rolls of the second roll 502 and the third roll 503 is preferably 10 cm or less. As described in (i) above, the neck-in phenomenon can be suppressed by setting the distance between rolls to 10 cm or less.
[0086]
When secondary re-stretching (tertiary stretching) described later is also performed after the secondary stretching, it is preferable to adjust the temperature of the third roll 503 to 40 to 100 ° C. On the other hand, when the third stretching is not performed, the temperature of the third roll 503 is adjusted to 40 ° C. or lower so that the film subjected to the second stretching can be cooled and fixed. If it is desired to further extend the cooling and fixing process, a fourth roll 504 is provided in parallel with the third roll 503 as shown in FIG. 13, and the temperature is adjusted to 40 ° C. or lower. What is necessary is just to make it rotate at the same peripheral speed and to take out the film which gave secondary stretching. In FIG. 13, the same parts as those in the manufacturing apparatus shown in FIG. The outer diameter of the fourth roll 504 may be 35 to 70 cm, similar to the third roll 503.
[0087]
When the cooling and fixing treatment is performed by the fourth roll 504, the temperature of the third roll 503 is adjusted to be higher than the glass transition temperature of the polybutylene terephthalate film to the melting point of −50 ° C. or lower in order to further reduce the thermal shrinkage of the film. May be.
[0088]
(iii) Tertiary stretching
The stretched film obtained by secondary stretching may be further stretched in the machine direction (tertiary stretching). When tertiary stretching is also performed, a circumferential speed difference is provided between the third roll 503 and the fourth roll 504 shown in FIG. 13, and the stretching is performed in the machine direction. At this time, the temperature of the third roll 503 is adjusted to 40 to 100 ° C., and the distance between the rolls of the third roll 503 and the fourth roll 504 is 10 cm for the same reason as described in (i) above. The following is preferable. By performing such cold stretching, the transparency of the film can be further improved. In addition, the temperature of the fourth roll 504 is preferably adjusted to 40 ° C. or lower, so that the film subjected to the third stretching can be subjected to a cooling and fixing treatment.
[0089]
(iv) Transverse stretching
The polybutylene terephthalate film produced by any one of the methods (i) to (iii) can be subsequently subjected to transverse stretching in the TD (width direction). As a method of performing transverse stretching, a known method such as a tenter method may be applied.
[0090]
(v) Heat treatment
The polybutylene terephthalate film produced as described above has excellent dimensional stability, but may be further subjected to heat treatment in order to further improve the heat shrinkage rate. As the heat treatment method, either heat setting or heat shrinking may be used. These heat treatments are preferably performed at a temperature higher than the glass transition temperature of the polybutylene terephthalate film to a melting point of −50 ° C. or lower.
[0091]
The heat setting treatment is performed by a tenter method, a roll method or a rolling method. Moreover, you may perform a heat shrink process by a tenter system, a roll system, or a rolling system, or may be performed using a belt conveyor or a floating. You may perform combining a heat setting process and a heat shrink process.
[0092]
The polybutylene terephthalate film produced as described above is translucent to transparent, and has excellent film thickness uniformity and low thermal shrinkage compared to conventional uniaxially stretched films. Specifically, the film thickness difference of an average film thickness of 8 to 20 μm is 1 to 2 μm, and the thermal contraction rate is MD (machine direction) 0.1% or less and TD (width direction) 0.2% or less. In the book, the film thickness difference is a value obtained by measuring the thickness of the center and both ends in the width direction of the polybutylene terephthalate film at two points, a total of 6 points, and calculating the difference between the maximum value and the minimum value. is there. Smaller values give better results. The thermal shrinkage is a value obtained by measuring the shrinkage of MD and TD when a polybutylene terephthalate film is exposed at 150 ° C. for 10 minutes. ]. For this reason, a printed layer and a metal vapor deposition layer with little unevenness can be formed. In addition, there is little change in film dimensions in secondary processing such as heat sealing and printing.
[0093]
According to the manufacturing method described above, since the heating casting roll and the first to fourth rolls are always maintained at desired temperatures, the quality is always uniform. Furthermore, since it is not cooled once in preparation of an unstretched film, high-speed film formation is possible.
[0094]
(D) Line mark formation
When the shape memory polybutylene terephthalate film laminate is used as a packaging material for the lid of an instant food container, a number of substantial effects can be obtained from the polybutylene terephthalate film before bonding to the film-like molded product by the following method. It is preferable to form a linear trace parallel to the. Thereby, linear easy tearability can be provided to the polybutylene terephthalate film, and the lid can be partially opened. A linear easily tearable polybutylene terephthalate film is formed by sliding a continuously running polybutylene terephthalate film on a linear trace forming means having a large number of fine protrusions to form a large number of substantially parallel linear traces. It is manufactured by. Hereinafter, a method for producing a linear easily tearable polybutylene terephthalate film will be described in detail with reference to the drawings.
[0095]
(a) When forming linear marks in the direction of travel on the film
FIG. 14 is a schematic side view showing an example of an apparatus for forming linear marks in the traveling direction of the polybutylene terephthalate film 601. As shown in FIG. FIG. 14 shows an example in which a roll (hereinafter referred to as “pattern roll”) 602 having a large number of fine protrusions on the surface is used as a linear trace forming means, and a nozzle 603 is used as a compressed air blowing means. The polybutylene terephthalate film 601 that has been rewound from the reel 607 wound with the original film is subjected to a nip roll 671 to form a linear mark when contacting the pattern roll 602. The butylene terephthalate film is wound around a take-up reel 675 via a nip roll 672 and guide rolls 673 and 674.
[0096]
As shown in FIG. 15, the pattern roll 602 is fixed at a fixed position so that the rotation axis thereof is parallel to the width direction of the polybutylene terephthalate film 601, and the axial length is the width of the polybutylene terephthalate film 601. Longer, the entire width of the polybutylene terephthalate film 601 is in sliding contact with the pattern roll.
[0097]
Nip rolls 671 and 672 are provided as tension adjusting rolls before and after the pattern roll 602 so that tension is applied to the polybutylene terephthalate film 601 running on the pattern roll 602. Further, as shown in FIG. 15, air with a predetermined wind pressure is blown onto the surface (sliding contact surface) where the polybutylene terephthalate film 601 is in sliding contact with the pattern roll 602 by the nozzle 603, so that the sliding contact surface is uniform. Contact force can be applied. Thereby, uniform linear traces can be formed on the film surface. By pressing the polybutylene terephthalate film 601 against the pattern roll 602 using the nozzle 603, contact nonuniformity on the sliding contact surface due to uneven thickness of the polybutylene terephthalate film 601 can be reduced. If a rubber roll is used as a means for pressing the polybutylene terephthalate film 601 against the pattern roll 602, the contact force on the sliding contact surface becomes uneven due to uneven thickness of the polybutylene terephthalate film 601. The butylene terephthalate film 601 may be damaged. For this reason, air blowing means such as blowers and nozzles are superior to rubber rolls as means for pressing the polybutylene terephthalate film 601 against the pattern roll 602.
[0098]
The pattern roll 602 is preferably rotated at a peripheral speed slower than the traveling speed of the polybutylene terephthalate film 601 in the direction opposite to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film 601. As a result, the generation of film wrinkles can be prevented, and shavings generated due to the formation of linear traces can be prevented from accumulating on the surface of the pattern roll 602, so that linear traces of appropriate length and depth can be formed. This is preferable. The traveling speed of the polybutylene terephthalate film 601 is preferably 10 to 500 m / min. The peripheral speed of the pattern roll 602 (the speed at which the polybutylene terephthalate film 601 is rotated in the direction opposite to the traveling direction) is preferably 1 to 50 m / min.
[0099]
As the pattern roll 602, for example, those described in JP-A-2002-059487 can be used. This has a structure in which a large number of fine particles having a Mohs hardness of 5 or more having sharp corners on the surface of a metal roll main body are adhered by an electrodeposition method or an organic or inorganic binder. The metal roll body is made of, for example, iron or an iron alloy, or a surface coated with a nickel plating layer or a chromium plating layer. Examples of fine particles having a Mohs hardness of 5 or more include cemented carbide particles such as tungsten carbide, silicon carbide particles, boron carbide particles, sapphire particles, cubic boron nitride (CBN) particles, natural or synthetic diamond fine particles, and the like. Can do. In particular, synthetic diamond fine particles having high hardness, strength and the like are desirable. The particle diameter of the fine particles is appropriately selected according to the depth or width of the linear marks to be formed. The fine particles preferably have a particle size of 10 to 100 μm and a particle size variation of 5% or less. The degree to which the fine particles are adhered is appropriately selected so that the interval between the linear marks to be formed becomes a desired degree. In order to obtain uniform linear marks, it is desirable that the fine particles adhere to the roll body surface by 50% or more. As a specific example of the pattern roll 602, a large number of synthetic diamond fine particles having sharp corners on the surface of an iron roll main body are bonded and fixed with a nickel-based electrodeposition layer at an area ratio of 50% or more. Is mentioned. The outer diameter of the pattern roll 602 is preferably 2 to 20 cm, and more preferably 3 to 10 cm.
[0100]
As the pattern roll 602, a needle-tooth roll in which metal needles are regularly embedded in the surface of the metal roll main body at fine intervals can be used. In addition to the pattern roll 602, as the linear scar forming means, a pattern plate having a large number of fine particles having a Mohs hardness of 5 or more and sharp corners on the surface of the plate-like main body is used. It may be used.
[0101]
FIG. 16 is a partial enlarged cross-sectional view showing a state in which the polybutylene terephthalate film 601 is in sliding contact with the pattern roll 602 to form a linear mark. For example, at least one corner of the fine particles 604 on the surface of the pattern roll 602 cuts into the lower surface of the polybutylene terephthalate film 601, but as described above, the traveling speed of the polybutylene terephthalate film 601 is the pattern roll. Since it is faster than the peripheral speed at which 602 rotates in the reverse direction, one long linear mark is formed until the corner of the cut fine particle 604 is separated from the lower surface of the polybutylene terephthalate film 601.
[0102]
As the compressed air blowing means, instead of a nozzle (similar to that shown in FIGS. 14 to 16) having a strip-like outlet 631 as shown in FIG. 17 (a), a plurality of means as shown in FIG. A nozzle having an outlet 631 may be used. Also, as shown in FIG. 17 (c), when compressed air is blown in a form that covers the pattern roll 602 using a nozzle having a hood 632, the compressed air blown from the outlet 631 diffuses until it reaches the sliding contact surface. Therefore, the contact force between the polybutylene terephthalate film 601 and the pattern roll 602 on the sliding contact surface can be made more uniform. The pressure of the compressed air flow blown by such compressed air blowing means is 0.05 to 5 kgf / cm. 2 Is preferred. As a result, the contact force between the polybutylene terephthalate film 601 and the pattern roll 602 on the sliding contact surface can be made uniform. More preferable compressed air flow pressure is 0.1-2 kgf / cm 2 It is. The distance from the outlet 631 to the sliding contact surface is preferably 10 to 50 cm. The compressed air may be uniformly applied to a range covering at least the sliding contact surface. However, making the blower or nozzle outlet 631 larger than necessary is not preferable because the amount of compressed air required to obtain an appropriate wind pressure increases.
[0103]
Regarding how to wind the polybutylene terephthalate film 601 around the pattern roll 602 fixed at a fixed position, the angle θ formed by the winding direction and the unwinding direction of the polybutylene terephthalate film 601 shown in FIG. Four Is preferably in the range of 60 to 170 °. This makes it easy to adjust the length and depth of the linear trace. Angle θ Four Is more preferably in the range of 90 to 150 °. Angle θ Four Can be adjusted to a desired value by appropriately adjusting the positional relationship between the pattern roll 602 and the nip rolls 671 and 672 by changing the height position of the pattern roll 602 or the like. Further, according to the winding method and outer diameter of the polybutylene terephthalate film 601 around the pattern roll 602, the tension applied to the polybutylene terephthalate film 601 by the nip rolls 671 and 672 and the wind pressure applied by the nozzle 603 are appropriately adjusted to obtain a desired value. A linear trace of length and depth is obtained. The tension (tension per width) applied to the film by the nip rolls 671 and 672 is preferably in the range of 0.01 to 5 kgf / cm width.
[0104]
The length and depth of the linear traces are such that the polybutylene terephthalate film 601 travel speed, the pattern roll 602 peripheral speed, the diamond fine particle 604 particle size, so as to satisfy the desired linear tearability length. Adjustment is performed by appropriately setting the outer diameter of the pattern roll, the wind pressure of the nozzle 603, the tension applied by the nip rolls 671 and 672, and the like.
[0105]
(b) When forming oblique linear marks on the film
FIG. 18 is a schematic side view showing an example of an apparatus for forming linear traces oblique to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film 601. As shown in FIG. The same members or parts as in FIG. 14 are given the same reference numerals. FIG. 18 includes a large number of pattern rolls 621a and 621b that are movably installed in the film width direction as shown in FIG.
[0106]
The pattern rolls 621a and 621b can move linearly along the guide rails 661a and 661b so that the roll axis direction is orthogonal to the width direction of the polybutylene terephthalate film 601, respectively. When the apparatus having such a configuration is used, the axial length of the pattern rolls 621a and 621b and the width of the roll may be about 5 to 10 cm. The gap between the pattern rolls 621a is preferably at least narrower than the width of the pattern roll 621a to increase the density of the pattern roll 621a. The same applies to the pattern roll 621b. As shown in FIG. 19, by providing a large number of pattern rolls 621a and 621b, linear traces are formed in a state where the entire width of the polybutylene terephthalate film 601 on the sliding contact surface is always substantially covered by the pattern roll. As a result, linear traces can be formed densely.
[0107]
The pattern rolls 621a and 621b have a mechanism (not shown) that can move while changing the height position. Examples of such a mechanism include a mechanism in which the support shafts 651a and 651b supporting the pattern rolls 621a and 621b move up and down, and a mechanism in which the guide rails 661a and 661b move up and down. By providing such a mechanism, the pattern rolls 621a and 621b can be brought into sliding contact only in a fixed direction repeatedly with a linear movement in a direction orthogonal to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film 601. As a result, it is possible to form a certain oblique line mark with respect to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film 601.
[0108]
For example, when the pattern rolls 621a and 621b move in the right direction, they come into sliding contact with the polybutylene terephthalate film 601, and when the pattern rolls 621a and 621b move in the left direction, the height is lowered to leave the polybutylene terephthalate film 601. The control program may be set so that either one of the pattern rolls 621a and 621b is slid substantially alternately so as to always contact the polybutylene terephthalate film 601. Thereby, a fixed linear trace can be formed in the diagonal direction.
[0109]
The angle of the linear traces in the oblique direction with respect to the film traveling direction can be changed by appropriately adjusting the speed at which the pattern rolls 621a and 621b are brought into sliding contact with the traveling speed of the polybutylene terephthalate film 601. Further, the pattern rolls 621a and 621b are rotated in a direction that resists the progress of the polybutylene terephthalate film 601 on the sliding contact surface with the polybutylene terephthalate film 601. The rotating speed may be approximately the same as the peripheral speed of the pattern roll 602 described in (a) above.
[0110]
20 (a) and 20 (b) show another example of linear trace forming means for forming linear traces oblique to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film 601. FIG. FIG. 20 (b) is a view from the direction (A) in FIG. 20 (a). In this example, a pattern endless belt 608 to which a large number of pattern rolls 622 are connected is used in place of the pattern roll as shown in FIG. 20 along the guide rail. Such a pattern endless belt 608 is slidably brought into contact with the polybutylene terephthalate film 601 while rotating in a certain direction as shown in FIGS. Diagonal line marks can be formed. When such a pattern endless belt 608 is used, it is preferable to increase the number of pattern rolls 622 and increase the density of the pattern rolls 622 as much as possible.
[0111]
FIGS. 21A and 21B show another example of linear trace forming means for forming diagonal traces with respect to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film 601. FIG. In this example, two pattern rolls 623a and 623b whose length in the axial direction is longer than the width of the polybutylene terephthalate film 601 are installed in parallel in the front-rear direction. As a result, the pattern rolls 623a and 623b can always be brought into sliding contact with the entire width of the polybutylene terephthalate film 601 on the sliding contact surface. The axial length is preferably at least twice the width of the polybutylene terephthalate film 601.
[0112]
The pattern rolls 623a and 623b are installed along the guide rails 662a and 662b so as to be linearly movable in the rotation axis direction. The pattern rolls 623a and 623b include a mechanism (not shown) that can move while changing the height position. By providing such a mechanism, the pattern rolls 623a and 623b can be repeatedly brought into sliding contact in a certain direction with linear movement in the width direction of the polybutylene terephthalate film 601, and as a result, the polybutylene terephthalate film 601 It is possible to form a certain slanted linear trace with respect to the traveling direction. The angle of the linear traces in the oblique direction with respect to the film traveling direction can be changed by appropriately adjusting the speed at which the pattern rolls 623a and 623b are brought into sliding contact with the traveling speed of the polybutylene terephthalate film 601. Reference numerals 652a and 652b denote support shafts for the pattern rolls 623a and 623b, respectively.
[0113]
(c) When forming linear traces in the width direction on the film
FIG. 22 shows an example of a linear trace forming means for forming a linear trace in the width direction on the polybutylene terephthalate film 601. In this example, a pattern endless belt 608a connected to a large number of pattern rolls 624a and a pattern endless belt 608b connected to a large number of pattern rolls 624b are used, so both sides of the center line 609 of the polybutylene terephthalate film 601 are used. It is possible to make sliding contact with the polybutylene terephthalate film 601 while maintaining a predetermined angle with respect to the center line 609.
[0114]
Using the means of such a configuration, the traveling speed of the polybutylene terephthalate film 601, the angle of the pattern endless belts 608a and 608b with respect to the center line 609 of the polybutylene terephthalate film 601, the rotational speed of the pattern endless belts 608a and 608b, etc. In addition, the pattern endless belts 608a and 608b are slidably brought into contact with the polybutylene terephthalate film 601, and the linear traces in the width direction of the polybutylene terephthalate film 601 can be formed. In this case, two nozzles are also provided along the guide rails 663a and 663b (not shown).
[0115]
In the configuration of FIG. 22, by changing the setting of the above operating conditions as appropriate, oblique traces can be formed with respect to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film 601.
[0116]
FIG. 23 shows another example of a linear trace forming means for forming linear traces in the width direction of the polybutylene terephthalate film 601. In this example, guide rails 664a and 664b are provided so as to maintain a predetermined angle with respect to the center line 609 of the polybutylene terephthalate film 601, and a large number of pattern rolls 625a and 625b are provided.
[0117]
The pattern rolls 625a and 625b include a mechanism (not shown) that can move while changing the height position thereof. By providing such a mechanism, the pattern rolls 625a and 625b can be repeatedly brought into sliding contact only in a certain direction with linear movement in an oblique direction with respect to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film 601. Therefore, by adjusting the sliding speed of the pattern rolls 625a and 625b and the running speed of the polybutylene terephthalate film 601, a certain linear mark can be formed in the width direction of the polybutylene terephthalate film 601. Further, the pattern rolls 625a and 625b are rotated in a direction to resist the progress of the polybutylene terephthalate film 601 on the sliding contact surface with the polybutylene terephthalate film 601. The rotating speed may be approximately the same as the peripheral speed of the pattern roll 602 described in (a) above.
[0118]
24 (a) and 24 (b) show another example of a linear trace forming means for forming a linear trace in the width direction of the polybutylene terephthalate film 601. FIG. FIG. 24 (b) shows the left side surface of the linear trace forming means (as viewed from the (C) direction in FIG. 24 (a)). In this example, two pattern rolls 626a and 626b having an axial length longer than the width of the polybutylene terephthalate film 601 are provided. As a result, the pattern rolls 626a and 626b can always be brought into sliding contact with the entire width of the polybutylene terephthalate film 601 on the sliding contact surface. The length in the axial direction is preferably at least twice the width of the polybutylene terephthalate film 601. Reference numerals 653a and 653b denote support shafts for the pattern rolls 626a and 626b, respectively.
[0119]
The pattern rolls 626a and 626b are installed so as to be movable along the guide rails 665a and 665b so as to maintain a predetermined angle with respect to the center line 609 of the polybutylene terephthalate film 601. The pattern rolls 626a and 626b have a mechanism (not shown) that can move while changing the height position thereof. The pattern roll 626b is longer than the pattern roll 626a with respect to the axial length. This allows the pattern rolls 626a and 626b to pass each other when traveling in opposite directions.
[0120]
As shown in FIG. 24 (a), the rotation axes of the pattern rolls 626a and 626b maintain a predetermined angle with respect to the center line 609 of the polybutylene terephthalate film 601, and the rotation axes are perpendicular to the rotation axis direction. The pattern rolls 626a and 626b are repeatedly brought into sliding contact with the polybutylene terephthalate film 601 in a predetermined direction so as to move in parallel. In the example of FIG. 24 (a), the pattern rolls 626a and 626b are slidably contacted in a direction against the progress of the polybutylene terephthalate film 601 in the direction orthogonal to the rotation axis direction. The pattern rolls 626a and 626b slidably contacted with the polybutylene terephthalate film 601 by a predetermined distance are opposite to those when the pattern rolls 626a and 626b are separated from the polybutylene terephthalate film 601 by lowering the height as shown in FIG. Return to the direction by a predetermined distance, increase the height again to start sliding contact with the polybutylene terephthalate film 601, and one of the pattern rolls 626a and 626b always slides against the polybutylene terephthalate film 601. The control program may be set as follows.
[0121]
Using such a configuration means, the operating conditions such as the traveling speed of the polybutylene terephthalate film 601, the angle of the rotation axis with respect to the center line 609 of the polybutylene terephthalate film 601, and the speed at which the pattern rolls 626 a and 626 b slide are contacted. After appropriately setting, linear traces in the width direction of the polybutylene terephthalate film 601 can be formed by sliding the pattern rolls 626a and 626b to the polybutylene terephthalate film 601. In this case, as shown in FIG. 24 (b), nozzles 603a and 603b are provided, and the nozzles 603a and 603b are relayed in accordance with the movement of the sliding contact surface of the pattern rolls 626a and 626b with the polybutylene terephthalate film 601. Try to move it. As a result, air can always be blown against the sliding surface of the pattern roll 626a or 626b with the polybutylene terephthalate film 601.
[0122]
In the configurations of FIGS. 24 (a) and 24 (b), linear traces oblique to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film 601 can be formed by appropriately changing the setting of the operating conditions.
[0123]
(E) Ceramic or metal deposition
If necessary, the polybutylene terephthalate film can be vapor-deposited with metal, ceramic, etc., or can be coated with a resin. Specific examples of the ceramic to be deposited include silica and alumina. By vapor-depositing ceramic or metal, the gas barrier property of the polybutylene terephthalate film is improved. Vapor deposition of metal, ceramic, etc. can be performed by a known method. When vapor-depositing a metal, ceramic, or the like on a linear easily tearable polybutylene terephthalate film, it may be vapor-deposited on either the linear mark-formed surface or the non-formed surface of the film.
[0124]
(2) Sealant film layer
When the shape memory polybutylene terephthalate film laminate of the present invention is applied to the lid of a semi-solid food container, the shape memory polybutylene terephthalate film laminate is provided with a sealant film layer 54 for heat sealing to the upper end flange portion of the container body. Provide on the body. The sealant film layer 54 can be formed of a polyethylene film, an unstretched polypropylene film, an ionomer resin film, a polystyrene film, or the like. Moreover, it is preferable that the sealant film 54 has an easy peel property so that the lid can be easily peeled from the container body. Therefore, it is preferable that the sealant film 54 has a relatively weak thermal adhesiveness. Moreover, a well-known hot melt can also be used as a heat sealing material.
[0125]
As the sealant film 54, for example, a laminated film of a polyethylene base film on the rigid film 57 side and a low molecular weight polyethylene film on the upper end flange portion side of the container body can be used. The thickness of the polyethylene base film is preferably about 10 to 40 μm, more preferably about 20 to 30 μm. The thickness of the low molecular weight polyethylene film is preferably about 5 to 20 μm, more preferably about 7 to 15 μm. Such a laminated polyethylene film is commercially available, for example, as 760FD (manufactured by Toray Synthetic Film Co., Ltd.). As the sealant film 54, a film made of a mixture of ethylene-vinyl acetate copolymer (EVA) and polyethylene can also be used. In the film made of this mixture, linear low density polyethylene (LLDPE) is preferable as the polyethylene. The thickness of the film made of this mixture is also preferably about 10 to 40 μm, more preferably about 20 to 30 μm. The thickness of the hot melt layer is preferably 10 to 50 μm, more preferably 20 to 40 μm.
[0126]
As the sealant film layer 54, one disclosed in Japanese Patent Application No. 2002-183197 may be used. The sealant film disclosed in Japanese Patent Application No. 2002-183197 is obtained by copolymerizing ethylene and an α-olefin having 3 to 18 carbon atoms, and has a density (JIS K6922) of 0.870 to 0.910 g / cm. Three , MFR (JIS K6921, 190 ° C., 2.16 kg load) is a resin composition containing a linear ethylene / α-olefin copolymer and polystyrene having a weight of 1 to 100 g / 10 min. Thereby, even if the sealing surface of a container main body is either polyethylene or a polystyrene, the multi-sealant layer which can make sealing performance and easy-opening property compatible can be formed by heat-sealing the cover body of this invention.
[0127]
Specifically, as the linear ethylene / α-olefin copolymer, a binary copolymer obtained by copolymerizing ethylene and one kind of α-olefin having 3 to 18 carbon atoms, and ethylene and 2 Examples thereof include terpolymers obtained by copolymerizing various kinds of α-olefins having 3 to 18 carbon atoms. Examples of the α-olefin having 3 to 18 carbon atoms include propylene, 1-butene, 1-hexene, 1-heptene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, and the like. You may use above.
[0128]
The linear ethylene / α-olefin copolymer has a density of 0.870 g / cm Three If it is less than the above, the blocking property is poor, there is a possibility of elongation or breakage at the time of forming the sealant film, and the cut property of the film is also inferior. On the other hand, the density is 0.910 g / cm Three Exceeding is inferior in adhesion to the sealing surface of the container. Preferred density is 0.875-0.905 g / cm Three It is.
[0129]
In addition, linear ethylene / α-olefin copolymers have a melt viscosity that is too high when the MFR is less than 1 g / 10 min, and thus the extensibility during extrusion is insufficient, and the melt viscosity exceeds 100 g / 10 min. Since it is too low, the neck-in is large and the moldability is poor. The preferred MFR is 2-80 g / 10 min.
[0130]
The linear ethylene / α-olefin copolymer can be produced by polymerization using a known titanium-based catalyst or metallocene catalyst, but high pressure ion polymerization, gas phase polymerization or It is preferable to use a copolymer produced by solution polymerization.
[0131]
Examples of the metallocene catalyst include JP-A-58-19309, JP-A-59-95292, JP-A-60-35005, JP-A-60-35006, JP-A-60-35007, and JP-A-60. -35008, JP-A 60-35009, JP-A 61-130314, JP-A 3-163088, European Patent Application Publication No. 420,436, US Patent No. 5,055,438, International Publication WO91 / The metallocene catalyst or metallocene / alumoxane catalyst described in the specification of No. 04257 or the like, or the metallocene compound disclosed in, for example, International Publication No. WO92 / 07123, etc. The catalyst which consists of a compound used as ion can be mentioned.
[0132]
Specific examples of such linear ethylene / α-olefin copolymers include trade names “Kernel KF-360”, “Kernel KF-365”, and “Kernel KC-650” (all of which are Nippon Polychem Co., Ltd.) Manufactured) and the like.
[0133]
As the polystyrene, so-called general-purpose polystyrene resins, rubber-modified polystyrene resins, and mixtures thereof can be used. As a general-purpose polystyrene resin, a styrene homopolymer is usually used. The rubber-modified polystyrene resin is obtained by polymerizing a styrene monomer in the presence of a rubbery polymer such as butadiene rubber. The molecular structure of polystyrene may be either linear or branched. Polystyrene can be made into a branched type by copolymerizing with a polyfunctional vinyl monomer such as divinylbenzene, or by polymerization using a polyfunctional initiator, a polyfunctional chain transfer agent or the like.
[0134]
As a styrenic monomer used for polymerization of general-purpose polystyrene resin or rubber-modified polystyrene resin, styrene is generally used, but alkyl such as α-methylstyrene, o-methylstyrene, m-methylstyrene, and p-methylstyrene is used. Substituted styrene can also be used. Specific examples of polystyrene include trade names “PSP-G930”, “HIPS-475D”, “HIPS-HT516” (all manufactured by A & M Polystyrene Co., Ltd.) and the like.
[0135]
When the sealant film contains polystyrene, not only the multi-sealant layer can be formed, but also a tearability improving effect, an antiblocking effect, an antistatic effect and the like are exhibited.
[0136]
The blending ratio of the linear ethylene / α-olefin copolymer and polystyrene is such that the weight ratio of (linear ethylene / α-olefin copolymer) :( polystyrene) is 50:50 to 90:10. Is more preferable, and 75:25 to 85:15 is more preferable.
[0137]
When the total of the linear ethylene / α-olefin copolymer and polystyrene is 100% by weight and the proportion of the linear ethylene / α-olefin copolymer exceeds 90% by weight, the sealing surface of the container body is made of polystyrene resin. In some cases, the adhesive strength is not sufficient. On the other hand, when the proportion of polystyrene exceeds 50% by weight, the adhesive strength becomes insufficient when the sealing surface is a polyethylene resin layer.
[0138]
The resin composition containing a linear ethylene / α-olefin copolymer and polystyrene has a density of 0.910 to 0.940 g / cm in order to adjust adhesion, film strength and the like. Three It is preferable that the resin further contains an ethylene resin having an MFR of 1 to 50 g / 10 min. Examples of such an ethylene-based resin include high-pressure low-density polyethylene, linear low-density ethylene copolymer, and ethylene / vinyl acetate copolymer. The blending ratio of the ethylene-based resin is preferably 10 to 30% by weight based on 100% by weight of the entire resin composition constituting the sealant film. A lubricant, an anti-blocking agent, a stabilizer, an antistatic agent, a colorant, and other various additives may be added to the resin composition as necessary.
[0139]
A sealant film comprising a resin composition containing a linear ethylene / α-olefin copolymer and polystyrene as described above is obtained by, for example, melting linear ethylene / α-olefin copolymer, polystyrene and ethylene-based resin. The film can be formed by a method such as extrusion from a T die. The thickness of the sealant film thus obtained is preferably about 10 to 40 μm, more preferably about 20 to 30 μm.
[0140]
In order to provide easy opening (easy tearing), the sealant film 54 is also provided with a number of substantially parallel linear marks on at least one surface by the method described in (1) and (D) above. It may be formed. In this case, the sealant film layer 54 is provided so that the tear direction of the lid and the linear mark direction of the sealant film coincide.
[0141]
Further, in order to provide easy opening (easy tearing), an infinite number of fine holes may be provided in at least the tear region of the sealant film 54. The fine holes may or may not penetrate through the sealant film 54. In general, the fine pores have an average opening diameter of 0.5 to 100 μm, and the density in the tear region is about 500 holes / cm. 2 The above is preferable. The density of micropores is about 500 / cm 2 If it is less than 1, the tearability is insufficient. The upper limit of the fine pore density is not particularly limited as long as it is technically possible.
[0142]
In order to form micropores in the sealant film 54, for example, methods disclosed in Japanese Patent Publication No. 7-90567 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-059487 are employed. The method for producing a long porous sealant film disclosed in Japanese Examined Patent Publication No. 7-90567 is a first roll in which a large number of fine particles having Mohs hardness of 5 or more having sharp corners are attached to the surface (described in the above (a)) The same as pattern roll 8) and the second roll with a smooth surface are passed through the long sealant film, and the pressing force to the long sealant film passing between the rolls is in contact with each roll. 500 through or non-through holes with a diameter of 50 μm or less in the long sealant film at the sharp corners of many fine particles on the surface of the first roll by adjusting to be uniform over the entire film surface /cm 2 Many are formed with the above density.
[0143]
(3) Light-shielding ink layer
When the shape memory polybutylene terephthalate film laminate requires light shielding properties, a light shielding ink layer 53 is provided as shown in FIG. In the example shown in FIG. 7, an ink layer-formed PET film in which the light-shielding ink layer 53 is previously printed on a polyethylene terephthalate (PET) film is prepared, and this is provided on the outer surface of the sealant film layer 54. As such a PET film, for example, a biaxially oriented polyethylene terephthalate (PET) film having a uniaxial orientation or a different orientation degree, which is commercially available as “Emblet PC” (Unitika Ltd.), can be used. Further, the light-shielding ink layer 53 can be provided on the inner surface of the polybutylene terephthalate film layer 51, or can be provided on one surface of the paper sheet layer 52 (for example, the inner surface of the paper sheet layer 52) (not shown). ). The light-shielding ink is not particularly limited as long as it is an ink containing a black or dark pigment or dye such as carbon black. The thickness of the light-shielding ink layer 53 depends on the concentration of the black pigment or dye in the ink, but generally only needs to be sufficient to block ultraviolet rays and visible light. In this specification, the “outer surface” and the “inner surface” are the outer surface and the inner surface of the container when the shape memory polybutylene terephthalate film laminate is used as a lid for an instant food container or the like. Means.
[0144]
(4) Layer configuration example
The laminated body shown in FIG. 6 shows a layer structure comprising a polybutylene terephthalate film layer 51, a rigid film layer layer 57, and a sealant film layer 54 as a basic structure. There is an adhesive layer (for example, a hot melt layer) 56 between the polybutylene terephthalate film layer 51 and the rigid film layer 57, and an adhesive layer (for example, a hot melt layer) between the paper sheet 52 and the sealant film layer 54. ) 56 '.
[0145]
FIG. 7 shows an example in which a light-shielding ink layer 53 is provided on the inner surface of the rigid film layer 57 in order to impart good light-shielding properties.
[0146]
(II) Semi-solid food containers
25 and 26 are perspective views showing an example in which the container with a lid according to the present invention is applied to a container for containing semi-solid food such as jelly and pudding. As shown in FIG. 25, in the sealed state, the lid sealed by the container is flat. However, since the lid has recovered its curl shape when it is heat-sealed to the container (however, it is apparently flat), the shape memory polybutylene terephthalate without the paper sheet or aluminum foil described in FIGS. 6 and 7 is used. The lid made of the film laminate is strongly curled by shape memory as shown in FIG. 26 by being peeled from the container. The container body 7 can be formed of a synthetic resin such as polypropylene or polyethylene. The shape of the container body 7 is not limited to that shown in the figure, and can be variously changed according to the type of contents.
[0147]
[3] instant food containers
A container provided with a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate obtained by the production method described in [1] above is also suitable as a container for instant food.
(I) Layer structure of the lid
As shown in FIG. 27, a typical shape memory polybutylene terephthalate film laminate includes a polybutylene terephthalate film layer 51, a paper sheet layer 52, and a sealant film layer. Hereinafter, each layer will be described in detail.
(1) Polybutylene terephthalate film layer
Since the requirements regarding the polybutylene terephthalate film layer in the lid of the instant food container are the same as those for the semi-solid food described in [2] above, the description is omitted.
[0148]
(2) Paper sheet layer
When applied to the lid of an instant food container, the shape memory polybutylene terephthalate film laminate preferably has a layer made of a paper sheet as a dead hold property-imparting layer. The paper type of the paper sheet layer 52 is not limited and includes synthetic paper. The thickness of the paper sheet layer 52 is about 60 to 110 g / m. 2 It is preferably about 75 to 90 g / m. 2 Is more preferable. The thickness of the paper sheet is about 60 g / m 2 If it is less than 1, the waist of the paper sheet is too weak to provide sufficient dead hold property. Meanwhile, the thickness of the paper sheet is about 110 g / m 2 Even if it exceeds the maximum, only the cost increases and no further improvement in dead hold property is recognized.
[0149]
(3) Sealant film layer
The requirements for the sealant film layer in the lid of the instant food container are the same as those for the semi-solid food described in [2] above, and the description is omitted.
[0150]
(4) Light-shielding ink layer
Since the requirements regarding the light-shielding ink layer in the lid of the instant food container are the same as those for the semi-solid food described in [2] above, description thereof is omitted.
[0151]
(5) Layer structure example
27 to 29 exemplify a layer structure when the curled shape memory polybutylene terephthalate film laminate 50 is used as a packaging material for a lid of an instant food container. The laminated body shown in FIG. 27 shows a layer structure including a polybutylene terephthalate film layer 51, a paper sheet 52, and a sealant film layer 54 as a basic structure. Between the polybutylene terephthalate film layer 51 and the paper sheet 52, there is an adhesive layer (I) consisting of an adhesive layer 56 and an extrusion-laminated polyethylene layer (I) 55, and the paper sheet 52 and the sealant film layer 54 Between them there is an adhesive layer (II) consisting of an adhesive layer 56 'and an extrusion-laminated polyethylene layer (II) 55'. In the case of the layer configuration shown in FIG. 27, the outer layer is composed of the polybutylene terephthalate film 51 and the adhesive layer (I) (55 and 56), the adhesive layer (II) (55 ′ and 56 ′) and the sealant film 54. The layer thickness ratio with the inner layer (A) is preferably outer layer / inner layer (A) = 100/35 to 100/100. Thereby, the dead hold property of the polybutylene terephthalate film 51 can be functioned effectively.
[0152]
FIG. 28 shows an example in which a polyethylene terephthalate layer 57 is provided between the paper sheet layer 52 and the sealant film layer 54 in order to increase the rigidity of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate and to give good shape memory ability. . In FIG. 28, 55 ″ represents an extrusion-laminated polyethylene layer (III), and 56 ″ represents an adhesive layer (III). FIG. 29 shows an example in which a light-shielding ink layer 53 is provided on the inner side surface of the polyethylene terephthalate layer 57 in order to impart good light-shielding properties.
[0153]
(II) Instant food containers
When the shape memory polybutylene terephthalate film laminate that stores the curl shape produced by the method described in [1] above is used as a packaging material for the lid of an instant food container, a metal such as an aluminum foil is not used. However, sufficient dead hold property (property that can be maintained with the lid peeled off) can be imparted to the lid. When manufacturing an instant food container, the shape memory polybutylene terephthalate film laminate is punched out by a lid sealer, and the obtained lid is immediately heat sealed to the container. In heat sealing, the sealing part of the lid body is usually heated to 120 to 160 ° C. by the sealing head of the lid material sealing device. At that time, heat is also applied to parts other than the sealing part of the lid body. T when sealed 1 It is processed under the above temperature conditions. Therefore, the lid body recovers its curl shape and is flat while being sealed by the container, but exhibits a curl shape by shape memory when peeled from the container. That is, as shown in FIG. 30, when the lid 2 is peeled from the container body 7 to the mark 40 by holding the tab portion 3 of the lid 2, the flap portion formed by opening is kept curled and has an aluminum layer. Even if it does not, it has sufficient dead hold property. In particular, when the polybutylene terephthalate film is adhered to the paper sheet in an expanded state while retaining the elastic restoring force as described above, the curling property is further improved. Therefore, hot water can be poured as it is.
[0154]
By making the lid body aluminum-free, adverse effects on the environment when incineration can be avoided. If the container main body is also made of aluminum-free material, it is possible to detect a metallic foreign object using a metal detector after sealing the lid. Therefore, not only the safety of instant foods and the like can be further increased, but also the inspection cost can be significantly reduced.
[0155]
When the shape memory polybutylene terephthalate film laminate having the linearly tearable polybutylene terephthalate film layer described in [2] (1) (D) above is applied to the lid of an instant food container, it is shown in FIG. Thus, by providing the cut edges 4 and 4 on both sides of the tab part 3, the cover body 2 can be easily partially opened. When the tab portion 3 of the lid 2 is grasped with a finger and pulled to the opposite side of the lid 2, the lid 2 is torn linearly from the cut ends 4, 4, and an opening 5 is formed in the lid 2. The flap portion 6 formed by tearing has a sufficient dead hold property and is held curled. Therefore, hot water may be poured into the opening 5 as it is.
[0156]
After pouring hot water, when the flap portion 6 is returned to the original position, there is a jagged broken portion 6a (6a, 6a) on one or both sides of the flap portion 6, and that is the paper in the opening 5 The flap portion 6 cannot be lifted up by engaging with the rupture portion of the knurled portion 5a (5a, 5a). In this case, since the area of the opening 5 is not only smaller than the conventional full-opening opening, but the flap 6 is in the state of being locked to the opening 5, even if the container body 7 is accidentally turned over, The amount of hot water leaking is reduced. In FIG. 31, 60 indicates dry noodles.
[0157]
The container body 7 can be formed of a synthetic resin such as paper or styrene foam. In the case of a paper container main body, not only incineration is easy, but there is an advantage that gas that adversely affects the environment is not generated during incineration. In the case of a polystyrene foam container body, there is an advantage that it has excellent heat retention. The shape of the container body 7 is not limited to that shown in the figure, and can be variously changed according to the type of contents.
[0158]
As described in Japanese Patent Application No. 2002-351576, the lid can be provided with slits or slit-like through holes in the tab portion. As a result, when the tab portion is lifted, the lid body can be easily opened in the direction of the other end of the outer peripheral edge, and the flap portion formed by the opening remains substantially curled due to the dead hold property, and the flap portion is returned to the peeling position. After that, it can be resealed by locking the cut or slit-like through hole to the opening edge. The cut or slit-like through hole is formed at a position that does not enter the inside of the seal portion of the lid and can be engaged with the opening edge. Hereinafter, an example in which a cut or slit-like through hole is provided in the tab portion will be described in detail.
[0159]
For example, in the embodiment shown in FIGS. 32 and 33, the tab portion 103 is provided with a slit-like through-hole 104 formed in an arc shape substantially along the outer edge of the opening edge portion 111 of the non-metallic container main body 101. Therefore, as shown in FIG. 34, if the lid 102 is turned and then returned to its original position and the inner edge of the tongue piece 131 is locked to the opening edge 111, the lid 102 cannot be lifted. In FIG. 34, reference numeral 110 denotes a mark indicating the limit of peeling the lid 102 with the tab portion 103.
[0160]
As shown in detail in FIG. 35, the inner edge of the arcuate slit-shaped through-hole 104 is located in the sealing portion 102a of the lid (the portion heat-sealed by the upper end flange portion 111 of the container body 101), and the outer edge is the opening edge. It is located outside the outer edge of the part 111. Generally, the slit-shaped through hole 104 has an inner edge of the tongue piece portion 131 that is formed by the outer edge of the slit-shaped through hole 104 and the outer edge of the tab portion 103, and the inner edge does not enter the inside of the seal portion 102a. May be provided at a position where it can engage with the opening edge 111. The reason why the inner edge of the slit-like through-hole 104 must be located inside or outside the seal portion 102a of the lid 102 is that the lid 102 is heat-sealed to the container body 101 without any gap before opening. Because it must be.
[0161]
Since the tolerance when manufacturing the lid 102 at a high speed by punching a continuous laminated film is about 1 mm, the inner edge of the slit-like through hole 104 is on the outer peripheral side with respect to the center line 102a ′ of the seal portion 102a of the lid 102. Preferably, there is a width D of the seal portion 102a from the outer peripheral side. 1 More preferably, it is within the range of 30 to 50%.
[0162]
Slit width d of slit-shaped through-hole 104 1 And distance d between both ends 2 The outer diameter of the opening edge 111, the opening edge 111 of the opening edge 111 so that the inner edge of the tongue piece 131 formed by the slit-like through hole 104 and the outer edge of the tab 103 can be engaged with the opening edge 111. What is necessary is just to set suitably according to thickness, the magnitude | size of the tab part 103, etc. FIG. For example, in the case of cup noodles poured with hot water, if the outer diameter of the opening edge 111 of the container body 101 is about 10 cm and the thickness of the opening edge 111 is 3 mm, the slit width d 1 Is about 1 to 4 mm, and the distance d between both ends 2 Is preferably about 3 to 6 cm. Hereinafter, another embodiment of the lid body 102 having different slit-like through holes 104 or cuts 104 will be described later. In any of the examples, the slit width and the distance between both ends of the slit-like through hole 104, and both ends of the cut 104 are provided. The requirements for the spacing d described for Figure 35 1 And d 2 Is the same.
[0163]
As shown in FIG. 36, the lid 102 may be provided with a pair of cuts 105, 105 on both sides of the tab part 103 as a tear starting point, and the cut part 105 on one side of the tab part 103 as shown in FIG. (Unless otherwise specified, the “cut 105” and the “pair of cuts 105, 105” are collectively referred to as “cut 105”). Thereby, the lid 102 can be easily opened. The cut edge 105 serving as the tear starting point is not particularly limited as long as tearing starts easily, and can be, for example, an I-shaped notch or a V-shaped notch. When providing a pair of cuts 105, 105, the distance D 2 Can be appropriately set according to the type of contents. For example, in the case of cup noodles poured with hot water, if the outer diameter of the opening edge 111 of the container body 101 is about 10 cm, the distance D between the cut ends 105, 105 2 Is preferably about 4 to 5 cm. Note that in order to open the entire lid 102 during eating, a second tab portion 132 may be integrally provided on the outer peripheral edge on the opposite side of the tab portion 103 as shown in FIG.
[0164]
FIG. 38 shows another embodiment of the lid body 102 having a cut line or a slit-like through hole. In this example, instead of the slit-shaped through hole 104, an arc-shaped cut 104 substantially the same as the outer edge of the opening edge 111 is provided. Since the lid 102 may be the same as the embodiment shown in FIGS. 32 to 35 except for the cut 104, the same reference numerals are assigned to the same parts as the lid 102 shown in FIGS. If the arcuate cut 104 is inside or outside the seal part 102a of the lid, the inner edge of the tongue piece 131 formed by the arcuate cut 104 and the outer edge of the tab 103 is related to the opening edge 111. It can be provided at a position where it can be combined. Preferably, the position is on the outer peripheral side with respect to the center line 102a ′ of the seal portion 102a of the lid 102. When the arc-shaped cut 104 as shown in FIG. 38 is provided, it is preferable to provide circular cuts 141 and 141 for preventing edge cuts at both ends as shown in FIG.
[0165]
FIG. 40 shows still another embodiment of the lid body 102 having a cut line or a slit-like through hole. In this example, the slit-like through hole 104 is formed in an arc shape curved toward the opening edge 111 side. The same reference numerals are assigned to the same portions as those of the lid body 102 shown in FIGS. If the inner end of the arc-shaped slit-shaped through hole 104 curved toward the opening edge 111 is located inside or outside the seal portion 102a, the tongue piece portion formed by this and the outer edge of the tab portion 103 The inner edge portion of 131 may be provided at a position where it can engage with the opening edge portion 111, but it is preferable that both end portions are located on the outer edge of the opening edge portion 111 or on the outer side.
[0166]
FIG. 41 shows still another embodiment of the lid body 102 having a cut line or a slit-like through hole. The same reference numerals are assigned to the same portions as those of the lid body 102 shown in FIGS. In this example, the cut 104 is formed in an arc shape curved toward the opening edge 111 side. The position where the curved arc-shaped cut 104 is provided on the opening edge 111 side may be the same as that of the slit-shaped through hole 104 shown in FIG.
[0167]
The cut 104 and the slit-shaped through hole 104 described above may be perforated as shown in FIGS. In these cases, the flap portion formed by opening is returned to the peeling position, and the inner edge portion of the tongue piece 131 is pushed downward to cut the perforation, whereby the inner edge portion of the tongue piece 131 is opened. Can be locked to.
[0168]
FIG. 44 shows still another embodiment of the lid body 102 having a cut line or a slit-like through hole. In this example, the cut 104 is substantially U-shaped. The same reference numerals are assigned to the same portions as those of the lid body 102 shown in FIGS. The U-shaped cut 104 includes straight portions 142 and 142 and a connecting portion 143 that connects both the straight portions 142 and 142 within the seal portion 102a of the lid, and the straight portions 142 and 142 of the U-shaped cut 104. The tip of is located outside the opening edge 111. In order to secure the seal between the lid 102 and the container body 101, the position where the connecting portion 143 of the U-shaped cut 104 enters the seal portion 102a of the lid is at the center line 102a of the seal portion 102a of the lid It is preferably located on the outer peripheral side with respect to ', and more preferably in the range of 30 to 50% of the width of the seal portion 102a. Two to four U-shaped cuts 104 are preferably formed. Each U-shaped cut 104 is “substantially U-shaped”, and does not have to be exactly U-shaped, but a pair of straight portions and connecting portions like U-shaped or U-shaped. This means that any shape consisting of
[0169]
45 and 46 show still another embodiment of the lid body 102 having a cut line or a slit-like through hole. In these examples, the cut 104 is formed in a wave shape. The same reference numerals are assigned to the same portions as those of the lid body 102 shown in FIGS. If the inner end of the corrugated cut 104 is inside or outside the seal portion 102a, the inner edge of the tongue piece 131 formed by this and the outer edge of the tab portion 103 becomes the opening edge 111. It is only necessary to provide it at a position where it can be locked, but it is preferable to provide it so that the corrugated unevenness extends over both the region inside the seal portion 102a of the lid and the region outside the opening edge portion 111. The corrugated shape is not limited to the illustrated shape, and can be appropriately changed. Note that the U-shaped cut 104 and the corrugated cut 104 may be perforated as described above.
[0170]
47 and 48 show another embodiment in which the container with a lid of the present invention is applied to an instant food container. This is an example in which the shape memory polybutylene terephthalate film laminate of the present invention is applied to the lid of a container for instant food that can be drained as described in Japanese Patent Application No. 2002-264398. In the embodiment shown in FIGS. 47 and 48, the lid 202 has a substantially circular shape, and a hook-shaped flap portion 203a formed by a tab portion 203 and a pair of cuts 204, 204 provided in the tab portion 203. And have.
[0171]
As shown in detail in FIG. 49, the cuts 204, 204 extend in a substantially L shape from the outer edge of the tab portion 203 to the inside of the seal portion 212 of the lid body 202 to form a substantially L-shaped portion 204a. And arc portions 204b extending concentrically with the outer edge of the lid 202 from the front end of the substantially L-shaped portion 204a. ing.
[0172]
Both of the arc portions 204b and 204b of the pair of cuts 204 and 204 must be located in the seal portion 212 of the lid 202 (portion that is heat sealed to the upper end flange portion 201a of the container body 201). (I) Before opening, the lid 202 must be heat sealed to the container body 201 without any gaps, and (b) when the lid 202 is peeled off with the hook-shaped flap 203a. This is because other portions including the tongue piece portion 203b of the tab portion 203 must be in close contact with the container body 201 so that only the hook-shaped flap portion 203a and the belt-like flap portion 206 following the flange-shaped flap portion 203a are peeled off.
[0173]
FIG. 50 shows a state in which the lid 202 is opened. Since the lid 202 has the hook-shaped flap portion 203a and the arc portions 204b and 204b of the pair of cuts 204 and 204, they can be easily opened in a band shape. After the hook-shaped flap portion 203a and the subsequent strip-shaped flap portion 206 are peeled off, the tongue pieces 203b and 203b remain in close contact with the upper end flange portion 201a of the container body 201.
[0174]
As shown in FIG. 51, hot water is poured with the lid 202 turned over, and the hook-shaped flap 203a and the band-shaped flap 206 are returned to their original positions, and the hook-shaped flap 203a is engaged with the tongue pieces 203b and 203b. If the outer edge break portions 206a and 206a of the belt-shaped flap portion 206 are engaged with the side edge break portions 205a and 205a of the opening 205, the belt-shaped flap portion 206 cannot be lifted.
[0175]
On the other hand, since the tongue pieces 203b and 203b are not in close contact with the container body 201 unless the arc portions 204b and 204b of the pair of cuts 204 and 204 are located in the seal portion 212 of the lid 202, the positions thereof are changed. It is easy to lock the hook-shaped flap portion 203a to the tongue pieces 203b and 203b.
[0176]
When the lid 202 is manufactured at a high speed by punching a continuous laminated film, the tolerance is about 1 mm. Therefore, the arc portions 204b and 204b of the pair of cuts 204 and 204 are both of the seal portion 212 of the lid 202. The center line 212a is preferably on the outer peripheral side, and more preferably in the range of 30 to 50% of the width D of the seal portion 212 from the outer peripheral side.
[0177]
The distance d between the ends 241 and 241 of the pair of cuts 204 and 204 Three Can be appropriately set according to the type of contents. The hook-shaped flap 203a may be of a size sufficient to be picked with a finger and tear the lid 202. At this time, the handle portion 232 of the hook-shaped flap portion 203a may have sufficient strength to peel off the lid 202 with the hook-shaped flap portion 203a, but its minimum width d Five Is the distance d between the ends 241 and 241 of the pair of cut ends 204 and 204 Three And the maximum width d of the umbrella-shaped portion 231 of the hook-shaped flap portion 203a Four It is preferable to change appropriately according to. For example, in the case of cup noodles poured with hot water, if the outer diameter of the opening edge 201a of the container body 201 is about 10 cm, the distance d between the tips 241 and 241 of the cut ends 204 and 204 is d. Three Is about 4 to 5 cm, and the maximum width d of the umbrella-shaped part 231 of the hook-shaped flap part 203a Four Is about 2 to 3 cm, and the minimum width d of the handle 232 Five Is preferably about 1 to 1.5 cm. The shape of the hook-shaped flap portion 203a is not limited to that shown in the figure, and various changes can be made without changing the gist thereof.
[0178]
52 and 53 show another embodiment in which the container with a lid of the present invention is applied to an instant food container. This is an example in which the shape memory polybutylene terephthalate film laminate of the present invention is applied to the lid of an instant food container that can be drained as described in Japanese Patent Application No. 2002-161680. In the embodiment shown in FIGS. 52 and 53, the lid 302 is substantially circular, and the first tab portion 3 and the second tab portion 304 are provided at positions that oppose each other in the diametrical direction. . The first tab portion 303 is for hot water cut opening formation, and the second tab portion 304 is for opening the lid 302.
[0179]
The first tab portion 303 includes a pair of linear cuts 305a and 305b provided near both ends thereof, and a plurality of substantially U-shaped portions formed at equal intervals between the linear cuts 305a and 305b. And a cut 306 having a shape. As shown in detail in FIG. 54, each U-shaped cut 306 is composed of a pair of straight portions 306a, 306a and a connecting portion 306b thereof, and the opening of the U-shaped cut 306 has a lid. Oriented to face the inside of 302. Therefore, the ends of the straight portions 306 a of the pair of straight cuts 305 a and 305 b and the U-shaped cuts 306 are all directed toward the inside of the lid 302. It should be noted that each cut 306 is “substantially U-shaped” and does not need to be exactly U-shaped, but is a shape composed of a pair of linear portions and a connecting portion like a U-shape or U-shape. If so, that means good.
[0180]
As shown in detail in FIG. 54 (a), the ends of the straight portions 306a of the pair of linear cuts 305a and 305b and the U-shaped cuts 306 are both sealed portions 312 (the container body 301 of the container body 301). It must be located within the portion that is heat sealed to the upper end flange portion 301a. (B) Before opening, the lid 302 must be heat-sealed to the container body 301 without any gaps, and (b) it has a first tab portion 303 to form a hot water outlet. This is because when the lid 302 is peeled off, the other portions must be in close contact with the container body 301 so that only the hatched portion 315 is peeled off.
[0181]
FIG. 54 (b) shows a state where the hatched portion 315 is opened. After the hatched portion 315 is peeled off, the strip portion 316 composed of the portion surrounded by the U-shaped cut 306 and its extended portion remains in close contact with the upper end flange portion 301a of the container body 301. On the other hand, if the tip of the straight portion 306a of the pair of linear cuts 305a and 305b and the U-shaped cuts 306 is not located in the seal portion 312 of the lid 302, the first tab portion 303 is provided. When the lid 302 is peeled off, the lid 302 is not torn along the extension lines of the pair of straight cuts 305a and 305b and the straight portions 306a of the U-shaped cuts 306, and the strip 316 is also peeled off. End up.
[0182]
Since the tolerance when manufacturing the lid 302 at a high speed by punching a continuous laminated film is about 1 mm, the tip of the straight portion 306a of each of the pair of linear cuts 305a and 305b and the U-shaped cuts 306 is either In addition, it is preferable that the outer peripheral side with respect to the center line 312a of the seal portion 312 of the lid 302, and the width D of the seal portion 312 from the outer peripheral side. Four More preferably, it is within the range of 30 to 50%.
[0183]
When the lid 302 is peeled off with the first tab portion 303, the lid 302 is linear along the extension lines of the pair of straight cuts 305a and 305b and the straight portions 306a of the U-shaped cuts 306, respectively. From the viewpoint of tearing the cover 302, the straight cuts 305a and 305b and the direction of the straight part 306a of each U-shaped cut 306 need to substantially coincide with the easy tear direction of the lid 302.
[0184]
The number of U-shaped cuts 306 is appropriately determined depending on the distance between the pair of linear cuts 305a and 305b, the width of the U-shaped cuts 306, etc. 1 to 6 is preferable, and 2 to 5 is more preferable. For example, FIG. 55 shows an example of a lid 302 provided with two accurate U-shaped cuts 306.
[0185]
Distance d between straight cuts 305a and 305b and the closest U-shaped cut 6 And the distance d between the U-shaped cuts 306 7 Is preferably 3 to 10 mm, and the width d of the U-shaped cut 6 8 Is preferably 3 to 10 mm.
[0186]
The lid 302 is preferably provided with a mark 308 indicating the limit of peeling the lid 302 with the first tab portion 303. When the lid 302 is peeled up to the mark 308, a plurality of hot water outlets 318 formed by the lid 302 and the plurality of strip portions 316 are formed. Since the length of the hot water cut opening 318 is determined by the position of the mark 308, the position of the mark 308 is determined so that instant food (yakisoba or the like) in the container can be efficiently cut without leaking. Generally, the length of the hot water cut opening 318 may be 3 to 10 mm.
[0187]
The 2nd tab part 304 is for opening the cover body 302 in order to pour hot water into the instant food in a container. The position of the second tab portion 304 is not limited, but in the case of the circular lid 302 shown in FIGS. 52 and 53, it is preferable that the second tab portion 304 is provided at a position facing the first tab portion 303 in the diametrical direction. Further, as shown in FIGS. 52 and 53, a method may be used in which the cover 302 is entirely peeled from the flange portion 301a of the container body 301 up to the mark 310 provided at an appropriate position of the cover 302. In this way, a partial peeling method may be used. In this case, a pair of cut lines 304a and 304a are provided in the vicinity of both end portions of the second tab portion 304. When the lid 302 is peeled from the container main body 301 with the second tab portion 304, the lid 302 is torn along the extended lines 304b and 304b from the cuts 304a and 304a. If an appropriate mark 310 is provided on the extension lines 304b and 304b, tearing can be stopped there.
[0188]
Further, as the mark 310, a pair of U-shaped cut edges 310 as shown in FIG. 57 may be provided. As a result, when the lid 302 is peeled up to the mark 310, the position where the peeling should be stopped can be easily confirmed, and the lid 302 can be easily bent along the line 310 ′ connecting the pair of marks 310. Can be easily stopped. In addition, there is no limitation in the type | mold of such a pair of cut 310, For example, a V-shaped thing may be used (not shown). Furthermore, a cut may be provided as the mark 310 (not shown).
[0189]
FIG. 58 shows still another embodiment of the lid 302 having a hot water outlet. The same reference numerals are given to the same portions as those of the lid 302 shown in FIGS. 53 and 54. In this example, each of the first tab portions 303 is used for forming a hot water cutout, as in the case of the lid body 302 shown in FIGS. However, in this example, each first tab portion 303 is torn one by one.
[0190]
Each first tab portion 303 has a pair of linear cuts 305a and 305b provided near both ends thereof. As shown in detail in FIG. 59 (a), both ends of the pair of linear cuts 305a and 305b must be located within the seal portion 312 of the lid 302. Thus, when the lid 302 is torn with each first tab portion 303, only the portion 315 indicated by hatching in the figure can be easily torn as shown in FIG. The portion 316 remains in close contact with the upper end flange portion 301a of the container body 1.
[0191]
The number of the first tab portions 303 is appropriately determined depending on the distance between the pair of straight cuts 305a and 305b, the width of the strip portion 316, etc. -6 are preferable, and 3-5 are more preferable. The first tab portion 303 may be large enough to be picked with a finger and tear the lid 302. The type of the first tab portion 303 is not limited, and for example, a substantially U-shaped one as shown in FIG.
[0192]
FIG. 60 is a perspective view showing another example of an instant food container provided with a lid having a hot water outlet. The same members or portions as those in the embodiment shown in FIG. 52 are denoted by the same reference numerals. In this example, the lid 302 has a substantially rectangular shape, and the first tab portion 303 and the second tab portion 304 are provided at positions that face each other in a substantially diagonal direction.
[0193]
FIG. 61 shows still another embodiment of a lid 302 having a hot water outlet. The same reference numerals are given to the same portions as those of the lid 302 shown in FIGS. 53 and 54. In this example, a first tab portion 303 is provided at substantially the center of one short side of the substantially rectangular lid 302, and the second tab portion 304 is at a position opposite to the other short side. Is provided. The mark 308 is provided on the extension lines 308a and 308a of the straight cuts 305a and 305b, and the lid 302 may be torn to the mark 308 along the extension lines 308a and 308a.
[0194]
FIG. 62 shows still another embodiment of the lid 302 having a hot water outlet. The same reference numerals are assigned to the same parts as those of the lid 302 shown in FIGS. 56 and 61. In this example, a first tab portion 303 is provided at substantially the center of one long side of the substantially rectangular lid 302, and the second tab portion 304 is at a position opposite to the other long side. Is provided.
[0195]
The containers shown in FIGS. 52 to 62 have good sealing performance and hot water removal, are low in cost, and are particularly useful as containers for fried noodles that require hot water to be poured after pouring. The second tab portion 304 of the container lid shown in FIGS. 52 to 62 may be provided with a cut or slit-like through hole shown in FIGS.
[0196]
【The invention's effect】
The manufacturing method of the container provided with the lid made of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate of the present invention is heated while holding the shape memory polybutylene terephthalate film laminate unwound from the wound film flat between two nip rolls. By rapid contact with air, the polybutylene terephthalate film is rapidly annealed at a temperature exceeding the glass transition temperature, and the resulting substantially flat shape memory polybutylene terephthalate film laminate is stamped by a lid sealant and immediately containerized. Because it is heat-sealed, no defective products are generated.
[0197]
The container with a lid obtained by the production method of the present invention has an excellent curl property due to shape memory, so that the container for instant food, the semi-solid food container for storing jelly, pudding, etc., coffee milk It is suitable for uses such as a container for a portion pack that preserves etc.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic side view showing an example of an apparatus for producing a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 2 is a schematic side view showing another example of an apparatus for producing a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 3 is a schematic side view showing still another example of an apparatus for producing a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 4 is a schematic side view showing still another example of an apparatus for producing a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 5 is a schematic side view showing an example of an apparatus for producing a container with a lid according to the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a layer configuration example of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 7 is a cross-sectional view showing another layer configuration example of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 8 is a schematic side view showing the steps of a method for producing a polybutylene terephthalate film by an inflation molding method.
FIG. 9 is a schematic side view showing an example of an apparatus for cooling bubbles.
FIG. 10 is a schematic sectional view showing a system for supplying humidified air.
FIG. 11 is a schematic side view showing an example of a process for producing a polybutylene terephthalate film by a uniaxial stretching method.
FIG. 12 is a schematic side view showing another example of a process for producing a polybutylene terephthalate film by a uniaxial stretching method.
FIG. 13 is a schematic side view showing still another example of a process for producing a polybutylene terephthalate film by a uniaxial stretching method.
FIG. 14 is a schematic side view showing an example of an apparatus for forming linear marks in the traveling direction of a polybutylene terephthalate film.
15 is a partially enlarged plan view showing a state in which compressed air is blown onto a surface of a film that is in sliding contact with a pattern roll in the apparatus shown in FIG.
16 is a partially enlarged cross-sectional view showing a state where a film is in sliding contact with a pattern roll in the apparatus shown in FIG.
17A is a front view and a right side view showing an example of a nozzle, FIG. 17B is a front view and a right side view showing another example of the nozzle, and FIG. 17C is a nozzle having a hood. It is a schematic side view which shows a mode that a compressed roll is sprayed on a pattern roll using, and shows the example of how to wind the film around a pattern roll.
FIG. 18 is a schematic side view showing an example of an apparatus for forming linear traces oblique to the traveling direction of a polybutylene terephthalate film.
FIG. 19 is a partially enlarged plan view showing how the pattern roll operates in the apparatus shown in FIG.
20 (a) is a partially enlarged plan view showing another example of an apparatus for forming linear traces oblique to the traveling direction of a polybutylene terephthalate film, and FIG. 20 (b) is a partially enlarged plan view of FIG. It is the schematic side view seen from the (A) direction in the figure.
FIG. 21 (a) is a partially enlarged plan view showing another example of an apparatus for forming linear traces oblique to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film, and FIG. 21 (b) is a plan view of (a). It is the schematic side view seen from the (B) direction in the figure.
FIG. 22 is a partially enlarged plan view showing an example of an apparatus for forming linear traces in the width direction with respect to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film.
FIG. 23 is a partially enlarged plan view showing another example of an apparatus for forming linear traces in the width direction with respect to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film.
FIG. 24A is a partially enlarged plan view showing another example of an apparatus for forming linear traces in the width direction with respect to the traveling direction of the polybutylene terephthalate film, and FIG. It is the schematic side view seen from the (C) direction in the figure.
FIG. 25 is a perspective view showing an example in which the container with a lid of the present invention is applied to a semi-solid food container.
26 is a perspective view showing a state where the container with a lid of FIG. 25 is opened.
FIG. 27 is a cross-sectional view showing a layer configuration example of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 28 is a cross-sectional view showing another layer configuration example of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 29 is a cross-sectional view showing still another layer configuration example of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 30 is a perspective view showing an instant food container in which a container with a lid of the present invention is opened for pouring.
FIG. 31 is a perspective view showing a container for instant food in which a container with a lid of the present invention is partially opened for pouring hot water.
FIG. 32 is a perspective view showing an example in which the container with a lid of the present invention is applied to an instant food container.
33 is a plan view showing the instant food container of FIG. 32. FIG.
34 is a perspective view showing a state where the instant food container of FIG. 32 is resealed after opening. FIG.
35 is a partially enlarged view showing the vicinity of a tab portion of the lid body of FIG. 33. FIG.
FIG. 36 is a plan view showing another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 37 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 38 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 39 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 40 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 41 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 42 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 43 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 44 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 45 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 46 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 47 is a perspective view showing another example in which the container with a lid according to the present invention is applied to an instant food container.
48 is a plan view showing the instant food container of FIG. 47. FIG.
49 is a partially enlarged view showing the vicinity of the tab portion of the lid body of FIG. 47. FIG.
50 is a perspective view showing a state where the instant food container of FIG. 47 is opened. FIG.
51 is a perspective view showing a state in which the instant food container of FIG. 47 is resealed after opening. FIG.
FIG. 52 is a perspective view showing still another example in which the lidded container of the present invention is applied to an instant food container.
53 is a plan view showing the instant food container of FIG. 52. FIG.
FIG. 54 is a partially enlarged view showing the vicinity of the first tab portion of the lid body of FIG. 52, (a) showing a state where the lid body near the first tab portion is not turned, and (b) showing the first tab portion. The state which turned the cover body of one tab part vicinity is shown.
FIG. 55 is a partially enlarged view showing the vicinity of a first tab portion of still another example of a lid body made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 56 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 57 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 58 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
59 is a partially enlarged view showing the vicinity of the first tab portion of the lid of FIG. 58, (a) showing a state where the lid near the first tab portion is not turned, and (b) showing the first tab portion. The state which turned the cover body of one tab part vicinity is shown.
FIG. 60 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 61 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
FIG. 62 is a plan view showing still another example of a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate.
[Explanation of symbols]
1 ... Polybutylene terephthalate film
10 ... Original film
11 ... Curl laminate
12 ... Rolled film
13 ... Film-shaped molded body
14 ... Wound film made of PBT film laminate after punching
15 ... Abutting roll
20 ... Guide roll
21 ... Gravure roll
22 ... Die
23 ・ ・ ・ Drying oven
24 ... Pressure adjustment roll
25 ... Heating roll
25 '・ ・ ・ Rubber roll
26 ... Roll for cold working
27, 27 '... Nip roll
28 ... Cooling roll
29 ... Heater
30 ... Deformation processing roll
30 '・ ・ ・ Contact roll
31, 31 '... Nip roll
32 ... Heater
33 ... Deflection prevention roll
38 ... Heating roll
2 ... Lid
3 ... Tab part
7. Non-metallic container body
71 ・ ・ ・ Open edge (upper flange)
2a ・ ・ ・ Seal part
8 ... Lid sealing device
81 ・ ・ ・ Seal head
4 ... Tearning start point (cut)
5 ... opening
5a, 6a ... Jagged fracture surface of paper sheet layer
6. Flap part
40 ... mark
50 ... Shape memory polybutylene terephthalate film laminate
51 ・ ・ ・ Polybutylene terephthalate film layer
52 ・ ・ ・ Paper sheet
53 ... Light-shielding ink layer
54 ・ ・ ・ Sealant film layer
55 ... Polyethylene (layer) (I)
55 '... Polyethylene (layer) (II)
55 "... Polyethylene (layer) (III)
56 ・ ・ ・ Adhesive (layer) (I)
56 '・ ・ ・ Adhesive (layer) (II)
56 "・ ・ ・ Adhesive (layer) (III)
57 ・ ・ ・ PET layer
60 ・ ・ ・ Dried noodles
101 ・ ・ ・ Non-metal container body
111 ・ ・ ・ Open edge (upper flange)
102 ... lid
102a ・ ・ ・ Seal part
102a '・ ・ ・ Center line of seal part
103 ... Tab part
131 ・ ・ ・ Tongue
104 ... Slit-shaped through hole (cut)
141 ... notches
142 ・ ・ ・ Linear part of U-shaped cut
143 ... Connection part of U-shaped cut
105 ... Tearning start point (cut)
105 '・ ・ ・ Extension line of tear start point
106 ・ ・ ・ Flap part
201 ・ ・ ・ Container body
201a ・ ・ ・ Upper flange part
202 ... lid
212 ・ ・ ・ Seal part
212a ・ ・ ・ Center line of seal part
203 ・ ・ ・ Tab
203a ・ ・ ・ Strap-shaped flap
231 ・ ・ ・ Umbrella-shaped part of the hook-shaped flap
232 ... Patterned part of bowl-shaped flap
203b ・ ・ ・ Tongue piece
204 ... cut
204a ・ ・ ・ Abbreviated L-shaped part of the cut
204b ・ ・ ・ Arc portion of the cut
241 ... Cut tip
204 '・ ・ ・ Extension line
205 ... Opening
205a ... Jagged fracture surface of paper sheet layer
206 ・ ・ ・ Strip flap
206a ・ ・ ・ Jagged fracture surface of paper sheet layer
230 ... Dried noodles
301 ... Container body
301a ・ ・ ・ Upper flange
302 ... Lid
312 ・ ・ ・ Seal part
312a ・ ・ ・ Center line of seal part
303 ・ ・ ・ First tab
304 ・ ・ ・ Second tab
304a ・ ・ ・ Cut
304b ・ ・ ・ Extension line
305a, 305b ・ ・ ・ Linear cut
306 ・ ・ ・ U-shaped cut
306a ・ ・ ・ Linear part
306b ・ ・ ・ Connecting part
308 ... mark
308a ・ ・ ・ Extension line of cut
310, 310 '... mark
315 ・ ・ ・ Peeling part near the first tab (hatched part)
316 ・ ・ ・ Strip part
318 ... hot water outlet
401 ・ ・ ・ annular die
411 ... Annular orifice
402 ・ ・ ・ First cooling ring
403 ... Second cooling ring
404 ・ ・ ・ Third cooling ring
405 ... Net
406 ... Cooling air blowing device
407 ... Bubble
471 ... Neck
472 ・ ・ ・ Expansion part
473 ... Bubble area
474 ... Frost line
412 ... Extruder
413 ... Tipper nip roll
414 ... Take-up reel
415 ... Humidifier
501 ... Heating casting roll
502 ... Second roll
503 ... Third roll
504 ... Fourth roll
505 ... Molten resin
506 ・ ・ ・ Crystalization sheet
507 ... Die for sheet
508 ... take-up reel
509 ... Guide roll
510 ・ ・ ・ Nip roll
601 ... Film
62, 621a, 621b, 622, 623a, 623b, 624a, 624b, 625a, 625b, 626a, 626b, ... pattern roll
603, 603a, 603b ... Blower
631 ・ ・ ・ Outlet
632 ... Food
604 ・ ・ ・ Diamond fine particles
651a, 651b, 652a, 652b, 653a, 653b ... Pattern roll support
661a, 661b, 662a, 662b, 663a, 663b, 664a, 664b, 665a, 665b ... guide rail
607 ・ ・ ・ Original film
671,672 ... Nip roll
673,674 ・ ・ ・ Guide roll
675 ・ ・ ・ Rewind reel
608, 608a, 608b ... Pattern endless belt
609 ・ ・ ・ Center line of film

Claims (21)

カール形状を記憶させた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を容器にヒートシールし、前記蓋体を備えた容器を製造する方法であって、
(1) (a) ポリブチレンテレフタレートフィルムと、(b) 紙シート、他の熱可塑性樹脂フィルム及び金属箔からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むフィルム状成形体とを接着し、得られた積層体のポリブチレンテレフタレートフィルム面を接触面として冷間加工用ロールに摺接させながら前記ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度以下の温度T1で処理し、もって前記冷間加工用ロールの外形に沿って冷間加工を施すことにより前記カール形状を示すカール性積層体を作製し、
(2) 得られたカール性積層体を、二つのニップロール(I),(I’)間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることにより前記ガラス転移温度を超える温度T2で急速に焼きなまし、
(3) 前記焼きなましにより見かけ上ほぼ平坦にした前記カール性積層体を、冷却ロール又は冷却空気と接触させることにより前記ガラス転移温度以下の温度T3まで急冷することにより形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を作製し、
(4) 得られた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体のフィルム状成形体層を内側として室温で巻き取ることにより巻きフィルムとし、
(5) 前記巻きフィルムから巻き出した形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を二つのニップロール(II),(II’)間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることにより前記ガラス転移温度を超える温度T4で急速に焼きなまし、
(6) 得られたほぼ平坦な形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、蓋材シール手段により打ち抜き加工するとともにヒートシールし、もって前記カール形状を記憶させた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を容器に密着させる
ことを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法。
A method of manufacturing a container provided with the lid by heat-sealing a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate in which a curl shape is memorized.
(1) (a) a polybutylene terephthalate film and (b) a film-like molded article containing at least one selected from the group consisting of a paper sheet, another thermoplastic resin film, and a metal foil were obtained. Treating the polybutylene terephthalate film surface of the laminate as a contact surface with the cold work roll while being in sliding contact with the temperature T 1 below the glass transition temperature of the polybutylene terephthalate film, thereby forming the outer shape of the cold work roll. To produce a curled laminate showing the curl shape by cold working along,
(2) The obtained curled laminate is rapidly annealed at a temperature T 2 exceeding the glass transition temperature by bringing it into contact with heated air while being held flat between the two nip rolls (I) and (I ′). ,
(3) The shape memory polybutylene terephthalate film laminated by rapidly cooling to the temperature T 3 below the glass transition temperature by bringing the curled laminate apparently flattened by annealing into contact with a cooling roll or cooling air. Make the body,
(4) The resulting shape memory polybutylene terephthalate film laminate is formed into a wound film by winding it at room temperature with the film-like molded body layer inside,
(5) Exceeding the glass transition temperature by bringing the shape memory polybutylene terephthalate film laminate unwound from the wound film into contact with heated air while being held flat between the two nip rolls (II) and (II ′) Rapid annealing at temperature T 4
(6) The obtained substantially flat shape memory polybutylene terephthalate film laminate is punched out by a lid sealing means and heat-sealed, and thus comprises a shape memory polybutylene terephthalate film laminate in which the curl shape is memorized. A method for producing a container provided with a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate, wherein the lid is brought into close contact with the container.
請求項1に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記温度T4は80 〜120℃であることを特徴とする方法。The method of manufacturing a container with a shape memory polybutylene terephthalate film laminate made closure of claim 1, wherein the said temperature T 4 is 80 to 120 ° C.. 請求項1又は2に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記温度T1は35 ℃以下であり、前記温度T2は45℃超 〜65℃以下であり、前記温度T3は15 〜25 ℃であることを特徴とする方法。The method of manufacturing a container with a shape memory polybutylene terephthalate film laminate made closure of claim 1 or 2, wherein the temperature T 1 of is at 35 ° C. or less, the temperature T 2 is 45 ° C. Ultra to 65 ° C. The temperature T 3 is 15 to 25 ° C. 請求項3に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記温度T1は15 〜25 ℃であることを特徴とする方法。The method of manufacturing a container with a shape memory polybutylene terephthalate film laminate made closure of claim 3, wherein the said temperatures T 1 is 15 to 25 ° C.. 請求項1〜4のいずれかに記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記フィルム状成形体は順に、剛性フィルムと、接着剤層と、シーラントフィルムとからなる層構成を有し、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに予め接着剤層を設け、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの接着剤層と、前記フィルム状成形体の剛性フィルム層とをドライラミネーション法により接着することを特徴とする方法。In the manufacturing method of the container provided with the lid made from the shape memory polybutylene terephthalate film laminate according to any one of claims 1 to 4, the film-shaped molded body is in order, a rigid film, an adhesive layer, and a sealant film. When bonding the polybutylene terephthalate film and the film-shaped molded body, an adhesive layer is provided in advance on the polybutylene terephthalate film, and an adhesive layer of the polybutylene terephthalate film, A method comprising adhering a rigid film layer of the film-shaped molded body by a dry lamination method. 請求項5に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記剛性フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム又はナイロンフィルムであることを特徴とする方法。6. A method of manufacturing a container having a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate according to claim 5, wherein the rigid film is a polyethylene terephthalate film, a biaxially stretched polypropylene film or a nylon film. . 請求項5又は6に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの前記フィルム状成形体層側の面か、又は前記剛性フィルムの前記シーラントフィルム層側の面に予め遮光性インク層を設けることを特徴とする方法。In the manufacturing method of the container provided with the lid made of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate according to claim 5 or 6, the surface of the polybutylene terephthalate film on the side of the film-like molded product layer, or the rigid film A method comprising providing a light-shielding ink layer in advance on the surface on the sealant film layer side. 請求項1〜7のいずれかに記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに4kgf/m幅以上の張力をかけながら前記フィルム状成形体に接着することを特徴とする方法。In the manufacturing method of the container provided with the lid made of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate according to any one of claims 1 to 7, when the polybutylene terephthalate film and the film-shaped molded body are bonded, the poly A method comprising adhering a butylene terephthalate film to the film-shaped molded body while applying a tension of 4 kgf / m width or more. 請求項8に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記張力が10 〜20 kgf/m幅であることを特徴とする方法。The method for producing a container provided with the lid made of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate according to claim 8, wherein the tension is 10 to 20 kgf / m width. カール形状を記憶させた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を容器にヒートシールし、前記蓋体を備えた容器を製造する方法であって、
(1) (i) (a) ポリブチレンテレフタレートフィルムと、(b) 紙シート、他の熱可塑性樹脂フィルム及び金属箔からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むフィルム状成形体とを接着することにより予め積層体を作製し、そのポリブチレンテレフタレートフィルム面を接触面として加熱可能な変形加工用ロールに摺接させながら前記ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点未満の温度T5で加熱処理し、もって前記変形加工用ロールの外形に沿って変形加工を施すか、又は(ii) 前記ポリブチレンテレフタレートフィルムを前記変形加工用ロールに摺接させながら前記温度T5で処理し、もって前記変形加工用ロールの外形に沿って変形加工を施し、次いで前記フィルム状成形体と接着することにより、前記カール形状を示すカール性積層体を作製し、
(2) 得られたカール性積層体を、冷却ロール又は冷却空気と接触させて前記ガラス転移温度以下の温度T6で冷却し、
(3) 次いで前記フィルム状成形体層を内側として室温で巻き取り、前記ガラス転移温度超〜前記温度T5未満の温度T7で加熱処理し、前記ガラス転移温度以下の温度T8で冷却し、もって前記カール形状を記憶させた巻きフィルム状の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を作製し、
(4) 前記巻きフィルムから巻き出した前記形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を二つのニップロール間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることにより前記ガラス転移温度を超える温度T4で急速に焼きなまし、
(5) 得られたほぼ平坦な前記形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、蓋材シール手段により打ち抜き加工するとともにヒートシールし、もって前記形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を容器に密着させる
ことを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法。
A method of manufacturing a container provided with the lid by heat-sealing a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate in which a curl shape is memorized.
(1) (i) (a) bonding a polybutylene terephthalate film and (b) a film-like molded article containing at least one selected from the group consisting of a paper sheet, another thermoplastic resin film, and a metal foil heat treatment in advance to prepare a laminate, at a temperature T 5 less than the glass transition temperature super-melting point of the polybutylene terephthalate film while in sliding contact with the heatable deforming rolls the polybutylene terephthalate film surface as the contact surface by and, with the deformed or subjected to external deformation along the processing roll, or (ii) the polybutylene terephthalate film treated with the temperature T 5 while sliding to the deformation roll, with the deformation A car which shows the curl shape by deforming along the outer shape of the processing roll, and then adhering to the film-shaped molded body To prepare a gender laminate,
(2) The obtained curled laminate is cooled at a temperature T 6 equal to or lower than the glass transition temperature in contact with a cooling roll or cooling air,
(3) then taken up at room temperature the film-like molded body layer as an inner, heat treatment at the glass transition temperature super-said temperature T 5 less than the temperature T 7, and cooled in the glass transition temperature below the temperature T 8 Then, a wound film-like shape memory polybutylene terephthalate film laminate in which the curl shape is memorized is produced,
(4) The shape memory polybutylene terephthalate film laminate unwound from the wound film is rapidly annealed at a temperature T 4 exceeding the glass transition temperature by keeping it in contact with heated air while being held flat between two nip rolls. ,
(5) The obtained substantially flat shape memory polybutylene terephthalate film laminate is punched out by a lid sealing means and heat-sealed, so that the lid made of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate is used as a container. The manufacturing method of the container provided with the cover body made from a shape memory polybutylene terephthalate film laminated body characterized by making it closely_contact | adhere.
請求項10に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記温度T5は75 〜100℃であり、前記温度T6は40℃以下であり、前記温度T7は45 〜65℃であり、前記温度T8は40℃以下であることを特徴とする方法。The method of manufacturing a container with a shape memory polybutylene terephthalate film laminate made closure of claim 10, wherein the temperature T 5 are 75 to 100 ° C., the temperature T 6 is at 40 ° C. or less, the The temperature T 7 is 45 to 65 ° C., and the temperature T 8 is 40 ° C. or less. 請求項10又は11に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記フィルム状成形体は順に、剛性フィルムと、接着剤層と、シーラントフィルムとからなる層構成を有し、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに予め接着剤層を設け、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの接着剤層と、前記フィルム状成形体の剛性フィルム層とをドライラミネーション法により接着することを特徴とする方法。12. The method for producing a container provided with the lid made of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate according to claim 10 or 11, wherein the film-shaped molded body is composed of a rigid film, an adhesive layer, and a sealant film in this order. When the polybutylene terephthalate film and the film-shaped molded article have a layer structure, an adhesive layer is provided in advance on the polybutylene terephthalate film, the adhesive layer of the polybutylene terephthalate film, and the film A method comprising adhering a rigid film layer of a molded body by a dry lamination method. 請求項12に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記剛性フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム又はナイロンフィルムであることを特徴とする方法。13. A method of manufacturing a container having a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate according to claim 12, wherein the rigid film is a polyethylene terephthalate film, a biaxially stretched polypropylene film or a nylon film. . 請求項12又は13に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの前記フィルム状成形体層側の面か、又は前記剛性フィルムの前記シーラントフィルム層側の面に予め遮光性インク層を設けることを特徴とする方法。The method for producing a container comprising the shape memory polybutylene terephthalate film laminate lid according to claim 12 or 13, wherein the surface of the polybutylene terephthalate film on the film-like molded body layer side or the rigid film A method comprising providing a light-shielding ink layer in advance on the surface on the sealant film layer side. 請求項10〜14のいずれかに記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに4kgf/m幅以上の張力をかけながら前記フィルム状成形体に接着することを特徴とする方法。The method for producing a container provided with the lid made of the shape memory polybutylene terephthalate film laminate according to any one of claims 10 to 14, wherein the polybutylene terephthalate film and the film-shaped molded body are bonded together. A method comprising adhering a butylene terephthalate film to the film-shaped molded body while applying a tension of 4 kgf / m width or more. 請求項15に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器の製造方法において、前記張力が10 〜20 kgf/m幅であることを特徴とする方法。16. The method for producing a container provided with the shape memory polybutylene terephthalate film laminate lid according to claim 15, wherein the tension is 10 to 20 kgf / m width. 請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法により得られる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体製蓋体を備えた容器であって、前記蓋体は前記容器から剥離することにより形状記憶によるカール形状を示すことを特徴とする蓋体付き容器。A container provided with a lid made of a shape memory polybutylene terephthalate film laminate obtained by the manufacturing method according to any one of claims 1 to 16, wherein the lid is curled by shape memory by peeling from the container. A container with a lid characterized by showing a shape. 請求項17に記載の蓋体付き容器において、前記蓋体の前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの少なくとも一方の面に多数の実質的に平行な線状痕が形成されており、もって前記蓋体は任意の部位から前記線状痕に沿って実質的に直線的に裂くことができることを特徴とする蓋体付き容器。18. The container with a lid according to claim 17, wherein a plurality of substantially parallel linear marks are formed on at least one surface of the polybutylene terephthalate film of the lid, and the lid is an arbitrary one. A container with a lid, which can be torn substantially linearly from the site along the linear mark. 請求項18に記載の蓋体付き容器において、前記線状痕の深さは前記ポリブチレンテレフタレートフィルム層の厚みの1〜40%であることを特徴とする蓋体付き容器。19. The container with a lid according to claim 18, wherein the depth of the linear scar is 1 to 40% of the thickness of the polybutylene terephthalate film layer. 請求項18又は19に記載の蓋体付き容器において、前記線状痕の深さは0.1 〜10μmであり、前記線状痕の幅は0.1 〜10μmであり、かつ前記線状痕同士の間隔は10 〜200μmであることを特徴とする蓋体付き容器。The lidded container according to claim 18 or 19, wherein the depth of the linear trace is 0.1 to 10 µm, the width of the linear trace is 0.1 to 10 µm, and the interval between the linear traces is A container with a lid, which is 10 to 200 μm. 請求項17〜20のいずれかに記載の蓋体付き容器において、前記蓋体の前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの少なくとも一方の面にセラミック又は金属が蒸着されていることを特徴とする蓋体付き容器。21. The container with a lid according to claim 17, wherein ceramic or metal is deposited on at least one surface of the polybutylene terephthalate film of the lid.
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