JP4077683B2 - カメラ及び表示制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体像を撮像して該被写体像が表現されている画像を記録するカメラで実施される技術に関し、特にカメラに備えられている機能を利用するときの操作性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今のカメラに装備されているAF(Auto Focus:自動合焦)機能は、撮影対象の画像における一部の領域に表されている被写体までの距離に基づいて合焦制御が行われる。また、AE(Auto Exposure :自動露出補正)機能も、特に測光方式としてスポット測光を行う場合においては、撮影対象の画像における特定の領域の露出値に基づいた補正の制御が行われる。
【0003】
これらの機能における制御の基準となる領域として、その画像の中心部分の適当な広さの領域が予め設定されており、その領域の位置をユーザが変更することのできないカメラも少なくない。その一方で、ユーザがこの領域の位置を画像内で選択し、あるいは任意に設定することの可能なカメラもある。
【0004】
ところで、この領域の位置を画像内で選択あるいは任意に設定するカメラにおいてはこの選択・設定をユーザがカメラに指示するための手段を専用に設ける必要がある。この手段として、例えば十字キースイッチ等の専用ボタンが設けられている。また、ユーザが光学ファインダを覗いて被写体像を見ているときの視線の方向を検出する手段を備え、この検出結果に基づいて前述した領域の位置の設定を行うという技術も知られている。
【0005】
ところで、従来のいわゆる銀塩カメラでは、画像の特定の領域から得られる情報に基づいた機能として前述したAF機能やAE機能が挙げられていた。一方、普及の進んでいるデジタルカメラにおいてはカメラ自身で多種多様の画像処理を行えるので、画像の一部分の領域から得られる情報に基づいた機能として、AF機能やAE機能以外の機能が提案されている。このような新たな機能のためにも、画像内の領域の自由な位置設定が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した視線検出による領域設定の手法では、ユーザが光学ファインダを覗く必要があるが、デジタルカメラには、光学ファインダを使用せず、カメラの背面に設けられている画像表示用のLCD(Liquid Crystal Display)に表示されている撮像画像を観察するという撮影形態があるため、この手法を採用することはできない。
【0007】
また、デジタルカメラにおいては、前述したように、様々な機能についてその対象とする領域の設定を行えるようにすることが望まれるが、カメラ筐体のスペースについての制約や、操作性の観点を考慮すると、ユーザからの指示をカメラに与えるためのボタンをむやみに増やすことは得策といえない。
【0008】
以上の問題を鑑み、様々な機能についてその対象とする撮影画像上の領域の設定を良好な操作性の下で行えるようにすることが本発明が解決しようとする課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被写体像を撮像して該被写体像が表現されている画像を記録するカメラであって、前記カメラに備えられている機能毎に対応付けて個別に設けられ、該機能の動作方式の選択をするために操作される機能選択手段と、前記画像を表示する表示手段と、前記画像を構成する一部分の領域であって前記機能選択手段に対する操作に基づいて選択がされた前記動作方式に関係する該領域についての位置を示す表示を前記表示手段に表示されている該画像上に表示させる表示制御手段と、移動の指示を行なうために操作される移動指示手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記機能選択手段と前記移動指示手段とが同時に操作されたときには、前記表示手段に表示させている前記領域についての位置を示す表示を該表示手段に表示されている前記画像上で移動させるように構成することによって前述した課題を解決する。
【0010】
上記の構成によれば、機能選択手段と移動指示手段との同時操作によって、カメラの有する機能におけるどの動作方式に関係する画像上の部分領域をどのように画像上で移動させるかというユーザからの指示が特定される。従って、ユーザは「何をどのように移動させる」という簡単な形式でこの指示のための組み合わせ操作法を案出することができるので、様々な機能毎にその対象とする撮影画像上の領域の設定を良好な操作性の下で行うことができる。
【0011】
しかも、機能選択手段と移動指示手段とが同時に操作されたときに、表示手段に表示させている、カメラに備えられている機能の動作方式に関係する該領域についての位置を示す表示を該表示手段に表示されている画像上で移動させるようにしたので、ユーザからの指示をカメラに与えるための手段を新たに設ける必要がない。
【0012】
なお、上述した本発明に係るカメラにおいて、前記機能選択手段に対する操作に基づいて合焦機能における合焦方式の選択が行われ、前記合焦方式として自動合焦が選択されているときにおける前記領域は、自動合焦制御の基礎となる情報の取得の対象であるようにすることができる。
【0013】
また、このとき、前記合焦方式として手動による合焦が選択されているときには、前記表示制御手段は、前記移動指示手段に対する操作の有無に関わらず、前記表示手段に表示させている前記領域についての位置を示す表示の前記画像上での表示位置を保持させるようにすることができる。
【0014】
こうすることにより、手動による合焦を行っても、その後に自動合焦を行うときに自動合焦制御の基礎となる情報の取得の対象とする領域の設定を改めて行う必要がない。
また、前述した本発明に係るカメラにおいて、前記機能選択手段に対する操作に基づいて測光機能における測光方式の選択が行われ、前記測光方式として前記画像における一部分の測光が選択されているときにおける前記領域は、該測光の対象となる該一部分であるようにすることができる。
【0015】
また、このとき、前記測光方式として前記画像の全体を測光領域とする測光方式が選択されているときには、前記表示制御手段は、前記移動指示手段に対する操作の有無に関わらず、前記表示手段に表示させている前記領域についての位置を示す表示の前記画像上での表示位置を保持させるようにすることができる。
【0016】
こうすることにより、画像の全体を測光領域とする測光を行っても、その後に画像における一部分の測光を行うときにその測光の基礎となる情報の取得の対象とする領域の設定を改めて行う必要がない。
また、前述した本発明に係るカメラにおいて、前記機能選択手段に対する操作に基づいて撮影時の露出補正値の変更可が選択されているときにおける前記領域は、前記画像についての輝度分布の分析機能における分析の対象とする部分画像が表されている領域であるようにすることができる。
【0017】
また、このとき、前記表示制御手段は、前記画像全体についての輝度分布を前記表示手段に表示させると共に、前記部分画像についての輝度分布を該画像全体についての輝度分布に重ねて該表示手段に表示させるようにすることができる。
こうすることにより、画像全体についての輝度分布と部分画像についての輝度分布とをユーザが直接対比して見ることができ、露出補正値の設定の検討等において便利である。
【0018】
また、前述した本発明に係るカメラにおいて、前記機能選択手段に対する操作に基づいて、合焦機能における合焦方式の選択、測光機能における測光方式の選択、または撮影時の露出補正の変更可否の選択が行われ、前記領域は、前記合焦方式として自動合焦が選択されているときには自動合焦制御の基礎となる情報の取得の対象であり、前記測光方式として前記画像における一部分の測光が選択されているときには該測光の対象となる該一部分であり、前記撮影時の露出補正の変更可が選択されているときには画像についての輝度分布の分析機能における分析の対象とする該部分画像が表されている領域であり、前記機能選択手段に対する操作に基づく選択が複数なされているときには、前記表示制御手段は、前記動作方式に与えられている優先順位に基づき、該選択に係る該優先順位が低い動作方式に関係する前記領域の位置を該選択に係る該優先順位が高い動作方式に関係する前記領域の位置に一致させて該位置を示す表示を前記表示手段に表示させるようにすることができる。
【0019】
こうすることにより、動作方式毎に個別に該動作方式に関係する領域についての位置を設定する場合に比べ、それらを同一の位置とする場合においては設定のための操作量を削減することができる。
なお、このとき、前記優先順位は、優先順位の高い順に、合焦機能における合焦方式、測光機能における測光方式、そして撮影時の露出補正値の変更可否の順であるようにすることができる。
【0020】
また、このとき、前記表示制御手段は、前記機能選択手段に対する操作に基づく選択に係る動作方式に関係する領域毎に、該領域の位置を示す表示の表現形式を異ならせるようにすることができる。
ここで、例えば、前記表示制御手段は、前記機能選択手段に対する操作に基づく選択に係る動作方式に関係する領域毎に、該領域の位置を示す表示の色彩を異ならせるようにすることができる。
【0021】
こうすることにより、表示手段に同時に表示されている各動作方式に関係する領域の識別が容易になる。
また、前述した本発明に係るカメラにおいて、前記領域についての位置を示す表示の表示位置を前記表示手段に表示されている該画像上において予め定められている初期状態の位置へと復帰させる指示を行うために操作される復帰指示手段を更に有し、前記表示制御手段は、前記機能選択手段と前記復帰指示手段とが同時に操作されたときには、該機能選択手段に対する操作に基づく選択に係る動作方式に関係する前記領域についての位置を示す表示の表示位置を前記初期状態の位置へと復帰させるようにすることができる。
【0022】
こうすることにより、動作方式に関係する領域についての位置を示す表示の表示位置を簡単に且つ素早く初期の位置へ戻すことができる。
なお、前述した本発明に係るカメラにおいて、前記領域についての位置を示す表示の表示位置を前記表示手段に表示されている該画像上において予め定められている初期状態の位置へと復帰させる指示を行うために操作される復帰指示手段を更に有し、前記表示制御手段は、前記機能選択手段と前記復帰指示手段とが同時に操作されたときには、前記優先順位に基づき、該機能選択手段への操作に基づいて選択される前記動作方式に関係する前記領域についての位置を示す表示の表示位置と、該動作方式よりも該優先順位が低い動作方式に関係する前記領域についての位置を示す表示の表示位置とを共に前記初期状態の位置へと復帰させるようにすることができる。
【0023】
こうすることにより、動作方式に関係する領域についての位置を示す表示の表示位置を、優先順位に基づき、簡単に且つ素早く初期の位置へ戻すことができる。
また、前述した本発明に係るカメラにおいて、前記機能選択手段は、前記カメラを使用して撮影を行うために該カメラを構えた撮影者から見て該カメラにおける左側部近傍に設置され、前記移動指示手段は、前記撮影者から見て前記カメラにおける右側部近傍に設置されるようにすることができる。
【0024】
こうすることにより、ユーザは機能選択手段を左手の指で操作し、また移動指示手段を右手の指で操作することが容易であるので、機能選択手段と移動指示手段との同時操作を簡単に行うことができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を実施するデジタルカメラ1の外観図である。
図1において、コントロールパネル2はデジタルカメラ1に対してなされている撮影動作の設定状況を示す設定情報やデジタルカメラ1の現在の動作の状態を示す状態情報が表示される表示部であり、デジタルカメラ1の筐体の上面に配置されている
画像モニタ3は、デジタルカメラ1内に設けられている撮像素子で撮像中の画像のスルー画像としての表示や、デジタルカメラ1における画像データ記録媒体であるメモリカードに記録されたデータによって表現されている撮影済みの画像の再生表示を行うことを主な用途とする表示部であり、また、デジタルカメラ1に各種の設定の確認/変更を行うために使用されるメニュー画面の表示も行う。画像モニタ3はデジタルカメラ1の筐体の背面に配置されているので、デジタルカメラ1のユーザは撮影のためにデジタルカメラ1を保持した状態でこの画像モニタ3を視認することができる。
【0026】
モニタ切替ボタン4は、画像モニタ3の動作/非動作の切り替えの指示を行うときにユーザによって操作されるボタンである。
十字キーボタン5は、画像モニタ3で各種の項目表示が行われているときの項目の選択の指示や表示項目の変更の指示を行うときにユーザによって操作されるボタンであり、また、画像モニタ3に表示される後述するターゲット表示を移動させるためにも操作される。
【0027】
OK/メニューボタン6は、メニュー画面を画像モニタ3に表示させるため、あるいはユーザからの指示の内容を確定させるためにユーザによって操作されるボタンである。
なお、モニタ切替ボタン4、十字キーボタン5、及びOK/メニューボタン6はユーザが撮影のためにデジタルカメラ1を手で保持した状態での右手の親指による押下操作を想定し、デジタルカメラ1の背面側から見て右側部近傍、本実施形態ではいずれもデジタルカメラ1の筐体の背面のやや右寄りの位置に配置されている。
【0028】
ジョグダイアル7は、十字キーボタン5と同様に、画像モニタ3で各種の項目表示が行われているときの項目の選択の指示や表示項目の変更の指示を行うときにユーザによって回転操作されるダイアルである。このジョグダイアル7もユーザが撮影のためにデジタルカメラ1を手で保持した状態での右手の親指による回転操作を想定し、デジタルカメラ1の背面側から見て右側部近傍、本実施形態ではデジタルカメラ1の筐体の上面の右寄り且つ背面寄りの位置に配置されている。
【0029】
レリーズボタン8は、デジタルカメラ1に撮影動作を行わせることを指示するために操作されるボタンであり、設定に応じて撮影動作の直前に行われるAF/AE機能の開始指示も兼ねている。レリーズボタン8は、ユーザが撮影のためにデジタルカメラ1を手で保持した状態での右手の示指(人差し指)による押下操作を想定し、デジタルカメラ1の背面側から見て右側部近傍、本実施形態ではデジタルカメラ1の筐体の上面の右寄りの位置に配置されている。
【0030】
鏡胴9は撮影レンズを保持するものであり、デジタルカメラ1の筐体の正面側に配置されている。
AF/MFボタン10は、合焦の手法の設定を行うための動作(合焦方式設定モード)にデジタルカメラ1の動作状態を切り替えるために操作されるボタンである。
【0031】
スポットボタン11は、AE機能における測光方式の設定を行うための動作(測光方式設定モード)にデジタルカメラ1の動作状態を切り替えるために操作されるボタンである。
露出補正ボタン12は、露出の補正値の設定を行うための動作(露出補正値設定モード)にデジタルカメラ1の動作状態を切り替えるために操作されるボタンである。
【0032】
なお、AF/MFボタン10、スポットボタン11、及び露出補正ボタン12はユーザが撮影のためにデジタルカメラ1を手で保持した状態での左手の指による押下操作を想定し、デジタルカメラ1の背面側から見て左側部近傍、本実施形態ではいずれもデジタルカメラ1の筐体の背面側から見て左側の側面に配置されている。
【0033】
次に図2について説明する。同図は図1に示したデジタルカメラ1の内部構成を示している。
図2においてコントロールパネル2及び画像モニタ3は図1に示したものと同一のものである。
【0034】
撮影レンズ21は鏡胴9に保持されており、被写体像をCCD22の表面に結像させる。
CCD(Charge Coupled Device )22は、撮影レンズ21の作用によって結像された被写体像を光電変換して被写体像が表されている画像を表現している電気信号を出力する撮像素子である。
【0035】
A/D変換部23は、CCD22から出力されたアナログ信号である電気信号をデジタルデータである画像データに変換するアナログ−デジタル変換を行う。
映像処理部24は、A/D変換部23から出力される画像データに対してホワイトバランスやγ補正等の補正処理を施す。また、AF機能を実現するための取得画像のコントラスト量検出処理や、後述するヒストグラム表示のための取得画像の輝度分布取得処理なども行われる。
【0036】
圧縮/伸張処理部25は、デジタルカメラ1が撮影動作を行うときには映像処理部24から出力される画像データに対してのデータ圧縮処理を行い、デジタルカメラ1が再生動作を行うときにはメモリカード26から読み出される画像データに対してのデータ伸張処理を行う。この画像データの圧縮処理及び伸張処理では、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式による圧縮処理及び伸張処理等が行われる。
【0037】
メモリカード26は、画像データ等の各種データの記録を行う半導体記録媒体であり、デジタルカメラ1に対して着脱可能である。
画像表示処理部27は、デジタルカメラ1が撮影動作を行うときには映像処理部24から出力される画像データ、あるいは、デジタルカメラ1が再生動作を行うときには圧縮/伸張処理部25から読み出される画像データを加工・変換し、これらの画像データで表現されている画像を画像モニタ3に表示させる映像信号を生成して出力する処理をCPU28からの指示に従って行う。画像表示処理部27が映像処理部24より出力される画像データから映像信号を生成することによって画像モニタ3にスルー画像が表示される。
【0038】
CPU(Central Processing Unit )28は予め用意されている制御プログラムを実行することによってこのデジタルカメラ1全体の動作制御を行う中央演算装置である。なお、この制御プログラムには後述する各種の処理をCPU28に行わせるためのプログラムが含まれており、この制御プログラムをCPU28が実行することによって後述する各種の処理がCPU28によって行えるようになる。
【0039】
操作入力部29はユーザによって操作されるスイッチ群の総称であり、CPU28は操作入力部29に対してユーザにより行なわれた操作に基づいてそのユーザからの指示を取得する。操作入力部29には、図1に示したモニタ切替ボタン4、十字キーボタン5、OK/メニューボタン6、レリーズボタン8、AF/MFボタン10、スポットボタン11、及び露出補正ボタン12等の各種のボタンへの操作に対応して状態が各々変化するボタンスイッチ、及びジョグダイアル7の回転操作を検出するロータリーエンコーダなどが含まれている。
【0040】
AE処理部30は、自動露出調整のために、CPU28からの指示に従い、A/D変換部23から出力される画像データに基づいて被写体輝度を測定して適切な露出条件の設定を行うための情報をCPU28に与える。
情報表示処理部31は、CPU28からの指示に従い、ユーザに提示すべき各種の情報が示されている情報表示画面を画像モニタ3に表示させる映像信号を生成して出力する処理を行う。
【0041】
デジタルカメラ1はこれらの構成要素を備えて構成されている。
次に、このデジタルカメラ1において、前述したAF/MFボタン10、スポットボタン11、及び露出補正ボタン12が操作されたときの動作について更に説明する。
【0042】
図3にはAF/MFボタン10が操作されたとき画像モニタ3の表示が変化する様子が示されている。
図3において、(1)は通常画面の表示を示している。直ちに撮影動作が行えるようにデジタルカメラ1の動作状態の設定がされているときには、この図のように、CCD22によって現在撮像されている画像がスルー画として表示されると共に、このスルー画に重畳させて画面の中央にターゲットマーク41が表示される。(1)の画面が表示されている状態では、デジタルカメラ1でAF機能を動作させていればスルー画に表されている被写体像をこのターゲットマーク41に合わせることにより、この被写体像を合焦させるためのAF動作が行われる。
【0043】
なお、図3(1)の画面上部に表示されている文字は、同図の左から順に、デジタルカメラ1に対して設定されている撮影モードの選択状況(「P」なる表示は、絞り値及びシャッター速度をデジタルカメラ1自身が自動的に設定するプログラム撮影モードが選択されていることを示している)、絞り値の現在の設定値、シャッター速度の現在の設定値、そしてデジタルカメラ1自身によって設定される露出に対する露出補正値の現在の設定値を各々示している。なお、これらの各文字は、図3における他の画面、及び後述する図4及び図5に示されている各画面でも同様の意味内容を示している。
【0044】
図3(1)の通常画面が画像モニタ3に表示されているときにAF/MFボタン10の押下が開始されると、デジタルカメラ1の動作状態が合焦方式設定モードに切り替えられ、画像モニタ3の表示は(2)のAF/MFボタン押下中画面に切り替わる。この(2)の画面は合焦方式の設定を行うための画面である。この画面が表示されているとき、すなわちAF/MFボタン10の押下を継続させているときにジョグダイアル7が回転操作されると、その回転操作に応じて合焦方式の選択内容がAFモード(自動合焦)とMFモード(Manual Focus:手動による合焦)とで交互に切り替えられ、また、その選択の状況がAF/MFボタン押下中画面に表示される。
【0045】
一方、AF/MFボタン10の押下を継続させているときに十字キーボタン5が押下されると、画像モニタ3の表示は(2)の画面から(3)のAFターゲット中央表示画面へと切り替わる。この画面は前述したスルー画に重畳させて画面の中央部にAFターゲット42が表示されているものである。(3)の画面においてはAFターゲット42の表示位置は(1)の画面におけるターゲットマーク41の表示位置と一致している。
【0046】
この(3)の画面を表示させている状態、すなわちAF/MFボタン10の押下を継続させているときに十字キーボタン5の押下が繰り返されると、押下された十字キーボタン5に示されている方向へAFターゲット42の表示が画面上を移動し、(4)に示すような画面となる。この状態においてAF動作による合焦の対象とされるものはスルー画の中央部の被写体ではなく、このAFターゲット42が指している被写体となる。
【0047】
なお、(4)のような、AFターゲット42がスルー画の中央部から移動している画面が表示されている状態でOK/メニューボタン6が押下された場合、すなわちAF/MFボタン10の押下を継続させているときにOK/メニューボタン6が押下された場合には、AFターゲット42の位置は(3)の画面における位置、すなわち元の状態である画面の中央部へ戻る。
【0048】
また、(3)または(4)の画面を表示させている状態においてジョグダイアル7が回転操作された場合、すなわちAF/MFボタン10の押下を継続させているときにジョグダイアル7が回転操作されると、画像モニタ3の表示は(2)のAF/MFボタン押下中画面に切り替わり、合焦方式の選択が行なわれる。
【0049】
なお、(2)、(3)、または(4)の画面を表示させている状態においてAF/MFボタン10の押下を中止した場合には、デジタルカメラ1の動作は合焦方式設定モードでの動作から元の撮影動作可能状態での動作へと切り替えられ、画像モニタ3の表示は(1)の通常画面の表示へと戻る。なお、このときにAFターゲット42を画面の中央から移動させていたときには、この(1)の通常画面においてAFターゲット42が表示される。
【0050】
なお、(2)のAF/MFボタン押下中画面においてMFモードが選択されたときには、AF/MFボタン10の押下を継続させているときに十字キーボタン5が押下されてもAFターゲット42の表示位置は画面上を移動することはなく、そのままの位置を保持する。
【0051】
次に、このデジタルカメラ1においてスポットボタン11が操作されたときの動作について更に説明する。図4にはスポットボタン11が操作されたとき画像モニタ3の表示が変化する様子が示されている。
図4において、(1)は、図3の(1)と同一の通常画面の表示を示している。直ちに撮影動作が行えるようにデジタルカメラ1の動作状態の設定がされているときには、図4(1)の画面が表示されている状態では、スルー画におけるこのターゲットマーク41の部分を対象としたスポット測光が行われる。例えばAE機能を動作させているときにはこの測光値に基づいた露出の設定が自動的に行われる。
【0052】
図4(1)の通常画面が画像モニタ3に表示されているときにスポットボタン11の押下が開始されると、デジタルカメラ1の動作状態が測光方式設定モードに切り替えられ、画像モニタ3の表示は(2)のスポットボタン押下中画面に切り替わる。この(2)の画面は測光方式の設定を行うための画面である。この画面が表示されているとき、すなわちスポットボタン11の押下を継続させているときにジョグダイアル7が回転操作されると、その回転操作に応じて測光方式の選択内容としてスポット測光モード、マルチ測光モード、ESP測光モードのいずれかがサイクリックに切り替えられ、また、その選択の状況がスポットボタン押下中画面に表示される。ここで、スポット測光モードとは前述したように撮像画像における指定された部分の範囲の測光を行う測光方式、マルチ測光モードとは、撮影者の操作によりスポット測光を複数回行い、その測光を行ってその平均値を以って測光結果とする測光方式、ESP(Electro Selective Pattern)測光モードとは、撮像画像の中心部と周辺部との測光値に対して所定の演算を施し、その演算結果を以って測光結果とする測光方式である。
【0053】
一方、スポットボタン11の押下を継続させているときに十字キーボタン5が押下されると、画像モニタ3の表示は(2)の画面から(3)の測光ターゲット中央表示画面へと切り替わる。この画面は前述したスルー画に重畳させて画面の中央部に測光ターゲット43が表示されているものである。(3)の画面においては測光ターゲット43の表示位置は(1)の画面におけるターゲットマーク41の表示位置と一致している。
【0054】
この(3)の画面を表示させている状態、すなわちスポットボタン11の押下を継続させているときに十字キーボタン5の押下が繰り返されると、押下された十字キーボタン5に示されている方向へ測光ターゲット43の表示が画面上を移動し、(4)に示すような画面となる。この状態において測光の対象とされるものはスルー画の中央部分ではなく、この測光ターゲット43が指しているスルー画の部分領域となる。
【0055】
なお、(4)のような、測光ターゲット43がスルー画の中央部から移動している画面が表示されている状態でOK/メニューボタン6が押下された場合、すなわちスポットボタン11の押下を継続させているときにOK/メニューボタン6が押下された場合には、測光ターゲット43の位置は(3)の画面における位置、すなわち元の状態である画面の中央部へ戻る。
【0056】
また、(3)または(4)の画面を表示させている状態においてジョグダイアル7が回転操作された場合、すなわちスポットボタン11の押下を継続させているときにジョグダイアル7が回転操作されると、画像モニタ3の表示は(2)のスポットボタン押下中画面に切り替わり、測光方式の選択が行なわれる。
【0057】
なお、(2)、(3)、または(4)の画面を表示させている状態においてスポットボタン11の押下を中止した場合には、デジタルカメラ1の動作は測光方式設定モードでの動作から元の撮影動作可能状態での動作へと切り替えられ、画像モニタ3の表示は(1)の通常画面の表示へと戻る。なお、このときに測光ターゲット43を画面の中央から移動させていたときには、この(1)の通常画面において測光ターゲット43が表示される。
【0058】
なお、(2)のスポットボタン押下中画面においてESP測光モードが選択されたときには、スポットボタン10の押下を継続させているときに十字キーボタン5が押下されても測光ターゲット43の表示位置は画面上を移動することはなく、そのままの位置を保持する。
【0059】
次に、このデジタルカメラ1において露出補正ボタン12が操作されたときの動作について更に説明する。図5には露出補正ボタン12が操作されたとき画像モニタ3の表示が変化する様子が示されている。
図5において、(1)は、ヒストグラム表示画面の表示を示している。ヒストグラム表示画面を表示させるようにデジタルカメラ1の動作状態が設定されるとこの画面が画像モニタ3に表示される。
【0060】
この画面に表示されるヒストグラムの表示例を図6に示す。このヒストグラムの横軸は輝度値、縦軸は同一の輝度値である画素数をそれぞれ示している。また、同図において白抜き表示で示されているヒストグラムはスルー画全体についての輝度分布であり、このヒストグラムに重ねて描かれている黒色のヒストグラムは、後述するヒストグラムターゲット44が指しているスルー画の部分領域についての輝度分布である。
【0061】
なお、図5(1)の画面上部に表示されている文字のうち、デジタルカメラ1に対して設定されている撮影モードの選択状況が「A」なる表示となっているが、これはユーザが設定した絞り値に基づいてデジタルカメラ1自身がシャッター速度を自動的に設定する絞り優先モードが選択されていることを示している。また、絞り値の現在の設定値の表示が白抜き網掛け表示となっているが、この表示はユーザがジョグダイアル7を回転操作することによってこの絞り値の設定を変更できる状態にあることを示している。
【0062】
図5(1)のヒストグラム表示画面が画像モニタ3に表示されているときに露出補正ボタン12の押下が開始されると、デジタルカメラ1の動作状態が露出補正値設定モードに切り替えられ、画像モニタ3の表示は(2)の露出補正ボタン押下中画面に切り替わる。この(2)の画面は画面上部に表示されている文字のうち露出補正値の表示が白抜き網掛け表示となっており、露出補正値の設定変更を行うことができることを示している。この画面が表示されているとき、すなわち露出補正ボタン12の押下を継続させているときにジョグダイアル7が回転操作されると、その回転操作に応じて露出補正値の設定が変更され、その変更後の値が表示される。
【0063】
一方、露出補正ボタン12の押下を継続させているときに十字キーボタン5が押下されると、画像モニタ3の表示は(2)の画面から(3)のヒストグラムターゲット中央表示画面へと切り替わる。この画面は前述したスルー画に重畳させて画面の中央部にヒストグラムターゲット44が表示されているものである。(3)の画面においてはヒストグラムターゲット44の表示位置は(1)の画面におけるターゲットマーク41の表示位置と一致している。
【0064】
この(3)の画面を表示させている状態、すなわち露出補正ボタン12の押下を継続させているときに十字キーボタン5の押下が繰り返されると、押下された十字キーボタン5に示されている方向へヒストグラムターゲット44の表示が画面上を移動し、(4)に示すような画面となる。この状態においてはこのヒストグラムターゲット44が指しているスルー画の部分領域がヒストグラム表示におけるヒストグラムターゲット部分の輝度分布の分析対象となる。
【0065】
なお、(4)のような、ヒストグラムターゲット44がスルー画の中央部から移動している画面が表示されている状態でOK/メニューボタン6が押下された場合、すなわち露出補正ボタン12の押下を継続させているときにOK/メニューボタン6が押下された場合には、ヒストグラムターゲット44の位置は(3)の画面における位置、すなわち元の状態である画面の中央部へ戻る。
【0066】
また、(3)または(4)の画面を表示させている状態においてジョグダイアル7が回転操作された場合、すなわち露出補正ボタン12の押下を継続させているときにジョグダイアル7が回転操作されると、画像モニタ3の表示は(2)の露出補正ボタン押下中画面に切り替わり、露出補正値の設定の変更が行なわれる。
【0067】
なお、(2)、(3)、または(4)の画面を表示させている状態において露出補正ボタン12の押下を中止した場合には、デジタルカメラ1の動作は測光方式設定モードでの動作から元の撮影動作可能状態での動作へと切り替えられ、画像モニタ3の表示は(1)の通常画面の表示へと戻る。なお、このときに露出補正ターゲット44を画面の中央から移動させていたときには、この(1)の通常画面において露出補正ターゲット44が表示される。
【0068】
AF/MFボタン10、スポットボタン11、及び露出補正ボタン12が各々操作されたときにはデジタルカメラ1は以上のように動作する。
次に、上述した動作を実現させるために、デジタルカメラ1のCPU28によって行われる制御処理について説明する。
【0069】
まず図7について説明する。同図は、十字キーボタン5に対する押下操作がCPU28によって検出されたときにCPU28によって行われる制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
まず、S101においてAF/MFボタン10に対する押下操作が継続しているか否かが判定され、この判定結果がYesならばS102に、NoならばS104に、それぞれ処理が進む。
【0070】
S102では、合焦方式の設定がAFモードとされているか否かが判定され、この判定結果がYesならば、S103において情報表示処理部31に指示を与え、画像モニタ3に表示されているAFターゲット42を押下操作された十字キーボタン5の示している方向へと移動させて表示させ、その後はこの制御処理を終了させる。一方、S102の判定結果がNo、すなわち合焦方式の設定がMFモードに設定されていたのであれば、S103の処理を行うことなくこの制御処理を終了させる。従って、この場合にはAFターゲット42は移動せず、このときの位置に留まっている。
【0071】
S104ではスポットボタン11に対する押下操作が継続しているか否かが判定され、この判定結果がYesならばS105に、NoならばS107に、それぞれ処理が進む。
S105では、測光方式の設定がスポット測光モードまたはマルチ測光モードとされているか否かが判定され、この判定結果がYesならば、S106において情報表示処理部31に指示を与え、画像モニタ3に表示されている測光ターゲット43を押下操作された十字キーボタン5の示している方向へと移動させて表示させ、その後はこの制御処理を終了させる。一方、S105の判定結果がNo、すなわち測光方式の設定がESP測光モードに設定されていたのであれば、S106の処理を行うことなくこの制御処理を終了させる。従って、この場合には測光ターゲット43は移動せず、このときの位置に留まっている。
【0072】
S107では露出補正ボタン12に対する押下操作が継続しているか否かが判定され、この判定結果がYesならばS108に、NoならばS112に、それぞれ処理が進む。
S108では画像モニタ3に前述したヒストグラム表示画面を表示させているか否かが判定され、この判定結果がYesならば、S109に処理が進む、一方、この判定結果がNoならば、S109からS111にかけての処理を行うことなくこの制御処理を終了させる。
【0073】
S109では情報表示処理部31に指示を与え、画像モニタ3に表示されているヒストグラムターゲット44を押下操作された十字キーボタン5の示している方向へと移動させて表示させる。
S110では情報表示処理部31に指示を与え、映像処理部24での処理によって得られたスルー画の全体画面についての輝度分布を示すヒストグラムを画像モニタ3に表示させる。
【0074】
S111では情報表示処理部31に指示を与え、映像処理部24での処理によって得られたスルー画におけるヒストグラムターゲット44の部分の領域についての輝度分布を示すヒストグラムを画像モニタ3に表示させる。その後はこの制御処理を終了させる。
【0075】
S112では、十字キーボタン5に対する押下操作に応じて行われる他の処理、例えばメニュー画面表示時におけるカーソルの移動処理や数値設定時における設定値のアップダウン処理などが行なわれ、その後はこの制御処理を終了させる。
【0076】
以上までの処理が十字キーボタン5に対する押下操作に応じてCPU28によって行われる制御処理である。
次に図8について説明する。同図は、ジョグダイアル7に対する回転操作がCPU28によって検出されたときにCPU28によって行われる制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0077】
まず、S201においてAF/MFボタン10に対する押下操作が継続しているか否かが判定され、この判定結果がYesならば、S102において合焦方式の選択内容がAFモードとMFモードとの間で回転操作に応じて切り替えられてその選択の状況が画像モニタ3に表示され、その後はこの制御処理を終了させる。
【0078】
一方、S201の判定結果がNoならば、S203においてスポットボタン11に対する押下操作が継続しているか否かが判定され、この判定結果がYesならば、S204において測光方式の選択内容が回転操作に応じてスポット測光モード、マルチ測光モード、ESP測光モードのいずれかに切り替えられてその選択の状況が画像モニタ3に表示され、その後はこのこの制御処理を終了させる。
【0079】
一方、S203の判定結果がNoならば、S205において露出補正ボタン12に対する押下操作が継続しているか否かが判定され、この判定結果がYesならば、S206において露出補正値の設定がその回転操作に応じて変更されてその設定の状況が画像モニタ3に表示され、その後はこの制御処理を終了させる。
【0080】
一方、S205の判定結果がNoならば、S207においてジョグダイアル7に対する回転操作に応じて行われる他の処理、例えば絞り値の設定やメニュー画面表示時におけるメニュー一覧のスクロール処理等が行われ、この制御処理を終了させる。
【0081】
以上までの処理がジョグダイアル7に対する回転操作に応じてCPU28によって行われる制御処理である。
次に図9について説明する。同図は、OK/メニューボタン6に対する押下操作がCPU28によって検出されたときにCPU28によって行われる制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0082】
まず、S301においてAF/MFボタン10に対する押下操作が継続しているか否かが判定され、この判定結果がYesならばS302に、NoならばS304に、それぞれ処理が進む。
S302では画像モニタ3でAFターゲット42を表示させている状態にあるか否かが判定され、この判定結果がYesならば、S303において情報表示処理部31に指示を与え、AFターゲット42の表示位置をリセットして初期位置である画像モニタ3の表示画面の中心部分へと移動させる。その後はこの制御処理を終了させる。一方、S302の判定結果がNoであれば、S303の処理を行うことなくこの制御処理を終了させる。
【0083】
S304ではスポットボタン11に対する押下操作が継続しているか否かが判定され、この判定結果がYesならばS305に、NoならばS307に、それぞれ処理が進む。
S305では画像モニタ3で測光ターゲット43を表示させている状態にあるか否かが判定され、この判定結果がYesならば、S306において情報表示処理部31に指示を与え、測光ターゲット43の表示位置をリセットして初期位置である画像モニタ3の表示画面の中心部分へと移動させる。その後はこの制御処理を終了させる。一方、S305の判定結果がNoであれば、S306の処理を行うことなくこの制御処理を終了させる。
【0084】
S307では露出補正ボタン12に対する押下操作が継続しているか否かが判定され、この判定結果がYesならばS308に、NoならばS310に、それぞれ処理が進む。
S308では画像モニタ3でヒストグラムターゲット44を表示させている状態にあるか否かが判定され、この判定結果がYesならば、S309において情報表示処理部31に指示を与え、ヒストグラムターゲット44の表示位置をリセットして初期位置である画像モニタ3の表示画面の中心部分へと移動させる。その後はこの制御処理を終了させる。一方、S308の判定結果がNoであれば、S309の処理を行うことなくこの制御処理を終了させる。
【0085】
S310では、OK/メニューボタン6に対する押下操作に応じて行われる他の処理、例えばメニュー画面表示時における設定変更の確定処理などが行なわれ、その後はこの制御処理を終了させる。
以上までの処理がOK/メニューボタン6に対する押下操作に応じてCPU28によって行われる制御処理である。
【0086】
これらの図7、図8、図9に示した制御処理をCPU28が行うことによって、AF/MFボタン10、スポットボタン11、及び露出補正ボタン12が各々操作されたときにおけるデジタルカメラの前述した動作が実現される。
次に、デジタルカメラ1にジョグダイアル7が装備されていない場合の実施例を説明する。
【0087】
この場合に合焦方式の選択を行うには、AF/MFボタン10の押下が検出される度(十字キーボタン5またはOK/メニューボタン6とAF/MFボタン10との同時押下がなされることなくAF/MFボタン10の押下の終了が検出される度)に合焦方式の選択をAFモードとMFモードとの間で交互に切り替える制御をCPU28に行わせるようにする。
【0088】
また、この場合に測光方式の選択を行うには、スポットボタン11の押下が検出される度(十字キーボタン5またはOK/メニューボタン6とスポットボタン11との同時押下がなされることなくスポットボタン11の押下の終了が検出される度)に測光方式の選択を例えばスポット測光モード、マルチ測光モード、ESP測光モードの順にサイクリックに切り替える制御をCPU28に行わせるようにする。
【0089】
また、この場合にヒストグラムの画像モニタ3への表示を行うには、図1には示されていないヒストグラムボタンなるボタンスイッチをデジタルカメラ1に設け、このヒストグラムボタンの押下が検出される度(十字キーボタン5またはOK/メニューボタン6とヒストグラムボタンとの同時押下がなされることなくヒストグラムボタンの押下の終了が検出される度)にヒストグラムの表示/非表示を切り替え、十字キーボタン5とヒストグラムボタンとの同時押下では押下された十字キーボタン5に示されている方向へヒストグラムターゲット44の表示を移動させ、OK/メニューボタン6とヒストグラムボタンとの同時押下ではヒストグラムターゲット44の位置を元の状態である画面の中央部へ戻るようにする制御をCPU28に行わせるようにする。
【0090】
このような構成とすればジョグダイアル7を装備しないデジタルカメラ1であっても様々な機能についてその対象とする撮影画像上の領域の設定を良好な操作性の下で行えるようにすることができる。
なお、いままでに説明したAFターゲット42、測光ターゲット43、及びヒストグラムターゲット44の各ターゲットの移動範囲は、画像モニタ3に表示されている撮像画像上の全体としていたが、画像モニタ3に同時に表示される他の情報表示の視認性を考慮し、図10(a)に示すように、画面の外周部を除いた内部の範囲に限定してもよい。また、各ターゲットの画像上の位置を図10(b)に示すような予め定められている複数の位置からの選択により設定するようにしてもよい。
【0091】
また、これらの各ターゲットの位置の設定は、前述した実施形態においては各々独立して設定するようにしていたが、各ターゲットに位置の移動についての優先度を設け、優先度の高いターゲットの位置を移動させたときにはその移動先の位置に優先度の低いターゲットも移動するようにしてもよい。
【0092】
例えば、優先度の高い方からAFターゲット42、測光ターゲット43、ヒストグラムターゲット44の順に優先度が設定された場合では、AFターゲット42を前述した操作によって移動させるとその移動後の位置に測光ターゲット43及びヒストグラムターゲット44も位置させる。一方、測光ターゲット43を前述した操作によって移動させるとその移動後の位置にヒストグラムターゲット44を位置させるが、AFターゲット42は移動させない。
【0093】
このようにすることにより、各ターゲットを同一の位置に移動させるときの操作を少なくすることができる。
なお、OK/メニューボタン6の押下操作に応じた各ターゲットの位置のリセットについて、前述した実施形態においては画像モニタ3の中央部を初期位置としてその位置へ戻るようにしていたが、この各ターゲットの戻り位置について優先度を設け、優先度の低いターゲットの戻り位置を優先度の高いターゲットの現在位置とするようにしてもよい。
【0094】
例えば、優先度の高い方からAFターゲット42、測光ターゲット43、ヒストグラムターゲット44の順に優先度が設定された場合では、OK/メニューボタン6の前述した押下操作によってAFターゲット42の位置のリセットが指示されたときにはAFターゲット42を画像モニタ3の中央部の位置へ戻し、OK/メニューボタン6の前述した押下操作によって測光ターゲット43の位置のリセットが指示されたときには測光ターゲット43をAFターゲット42の現在の位置に移動させ、OK/メニューボタン6の前述した押下操作によってヒストグラムターゲット44の位置のリセットが指示されたときにはヒストグラムターゲット44を測光ターゲット43の現在の位置に移動させるようにする。
【0095】
また、このとき、測光ターゲット43とヒストグラムターゲット44とが同一の位置にある場合にOK/メニューボタン6の前述した押下操作によって測光ターゲット43の位置のリセットが指示されたときには、測光ターゲット43及びヒストグラムターゲット44を共にAFターゲット42の現在の位置に移動させるようにしてもよい。更に、AFターゲット42、測光ターゲット43、ヒストグラムターゲット44が全て同一の位置にある場合にOK/メニューボタン6の前述した押下操作によってAFターゲット42の位置のリセットが指示されたときには、これら3つのターゲットを全て共に画像モニタ3の中央部の位置へ戻すようにしてもよい。
【0096】
なお、画像モニタ3におけるAFターゲット42、測光ターゲット43、及びヒストグラムターゲット44の各々の表示は、異なる色彩、形状、若しくはマークを用いた指標とするなどして視覚により明確に区別できるような表示とすることが望ましい。また、これらの各ターゲットの表示は、同一画面に同時に表示するようにしてもよい。なお、各ターゲットを同一画面に同時に表示する場合には、ターゲットの位置が同一あるいは近傍に位置しているときでも明確に識別できるようにすることが望ましい。また、例えばAFターゲット42と測光ターゲット43とが同一位置に位置しているときにはAFターゲット42を示す指標のみを画像モニタ3に表示し、測光ターゲット43とヒストグラムターゲット44とが同一位置に位置しているときには測光ターゲット43を示す指標のみを画像モニタ3に表示するようにしてもよい。
【0097】
また、前述したヒストグラム表示画面は、この画面を表示させるようにデジタルカメラ1の動作状態が設定されると画像モニタ3に表示されるようにしていたが、露出補正ボタン12と十字キーボタン5との同時押下により表示を開始させ、露出補正ボタン12の押下が継続している期間はこのヒストグラム表示画面の表示を継続させ、露出補正ボタン12の押下が終了したときにこのヒストグラム表示画面の表示を終了させるようにしてもよい。また、ヒストグラム表示画面の表示を終了させたときには、ヒストグラムターゲット44の位置を元の初期位置、例えば画像モニタ3の中央部へ戻すようにしてもよい。
【0098】
なお、ここではデジタルカメラでの実施形態についての説明を行ったが、本発明をいわゆる銀塩カメラで実施することも勿論可能である。
その他、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の改良・変更が可能である。
【0099】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るカメラは、該カメラに備えられている機能毎に対応付けて個別に設けられていて該機能の動作方式の選択をするために操作される機能選択手段と、移動の指示を行なうために操作される移動指示手段とが同時に操作されたときには、表示手段に表示させている画像を構成する一部分の領域であって機能選択手段に対する操作に基づいて選択がされた動作方式に関係する該領域についての位置を示す表示を該画像上で移動させるようにしたので、様々な機能毎にその対象とする撮影画像上の領域の設定を良好な操作性の下で行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するデジタルカメラの外観図である。
【図2】図1に示したデジタルカメラの内部構成を示す図である。
【図3】AF/MFボタンへの操作によって画像モニタの表示が変化する様子を示す図である。
【図4】スポットボタンへの操作によって画像モニタの表示が変化する様子を示す図である。
【図5】露出補正ボタンへの操作によって画像モニタの表示が変化する様子を示す図である。
【図6】ヒストグラムの表示例を示す図である。
【図7】十字キーボタンに対する操作が検出されたときに行われる制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】ジョグダイアルに対する操作が検出されたときに行われる制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】OK/メニューボタンに対する操作が検出されたときに行われる制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】各ターゲットの位置の設定例を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 コントロールパネル
3 画像モニタ
4 モニタ切替ボタン
5 十字キーボタン
6 OK/メニューボタン
7 ジョグダイアル
8 レリーズボタン
9 鏡胴
10 AF/MFボタン
11 スポットボタン
12 露出補正ボタン
21 撮影レンズ
22 CDD
23 A/D変換部
24 映像処理部
25 圧縮/伸張処理部
26 メモリカード
27 画像表示処理部
28 CPU
29 操作入力部
30 AE処理部
31 情報表示処理部

Claims (16)

  1. 被写体像を撮像して該被写体像が表現されている画像を記録するカメラであって、
    前記カメラに備えられている機能毎に対応付けて個別に設けられ、該機能の動作方式の選択をするために操作される機能選択手段と、
    前記画像を表示する表示手段と、
    前記画像を構成する一部分の領域であって前記機能選択手段に対する操作に基づいて選択がされた前記動作方式に関係する該領域についての位置を示す表示を前記表示手段に表示されている該画像上に表示させる表示制御手段と、
    移動の指示を行なうために操作される移動指示手段と、
    を有し、
    前記表示制御手段は、前記機能選択手段と前記移動指示手段とが同時に操作されたときには、前記表示手段に表示させている前記領域についての位置を示す表示を該表示手段に表示されている前記画像上で移動させる、
    ことを特徴とするカメラ。
  2. 前記機能選択手段に対する操作に基づいて合焦機能における合焦方式の選択が行われ、
    前記合焦方式として自動合焦が選択されているときにおける前記領域は、自動合焦制御の基礎となる情報の取得の対象である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  3. 前記合焦方式として手動による合焦が選択されているときには、前記表示制御手段は、前記移動指示手段に対する操作の有無に関わらず、前記表示手段に表示させている前記領域についての位置を示す表示の前記画像上での表示位置を保持させることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
  4. 前記機能選択手段に対する操作に基づいて測光機能における測光方式の選択が行われ、
    前記測光方式として前記画像における一部分の測光が選択されているときにおける前記領域は、該測光の対象となる該一部分である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  5. 前記測光方式として前記画像の全体を測光領域とする測光方式が選択されているときには、前記表示制御手段は、前記移動指示手段に対する操作の有無に関わらず、前記表示手段に表示させている前記領域についての位置を示す表示の前記画像上での表示位置を保持させることを特徴とする請求項4に記載のカメラ。
  6. 前記機能選択手段に対する操作に基づいて撮影時の露出補正値の変更可が選択されているときにおける前記領域は、前記画像についての輝度分布の分析機能における分析の対象とする部分画像が表されている領域である、ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  7. 前記表示制御手段は、前記画像全体についての輝度分布を前記表示手段に表示させると共に、前記部分画像についての輝度分布を該画像全体についての輝度分布に重ねて該表示手段に表示させることを特徴とする請求項6に記載のカメラ。
  8. 前記機能選択手段に対する操作に基づいて、合焦機能における合焦方式の選択、測光機能における測光方式の選択、または撮影時の露出補正の変更可否の選択が行われ、
    前記領域は、
    前記合焦方式として自動合焦が選択されているときには自動合焦制御の基礎となる情報の取得の対象であり、
    前記測光方式として前記画像における一部分の測光が選択されているときには該測光の対象となる該一部分であり、
    前記撮影時の露出補正の変更可が選択されているときには画像についての輝度分布の分析機能における分析の対象とする該部分画像が表されている領域であり、
    前記機能選択手段に対する操作に基づく選択が複数なされているときには、前記表示制御手段は、前記動作方式に与えられている優先順位に基づき、該選択に係る該優先順位が低い動作方式に関係する前記領域の位置を該選択に係る該優先順位が高い動作方式に関係する前記領域の位置に一致させて該位置を示す表示を前記表示手段に表示させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  9. 前記優先順位は、優先順位の高い順に、合焦機能における合焦方式、測光機能における測光方式、そして撮影時の露出補正値の変更可否の順であることを特徴とする請求項8に記載のカメラ。
  10. 前記表示制御手段は、前記機能選択手段に対する操作に基づく選択に係る動作方式に関係する領域毎に、該領域の位置を示す表示の表現形式を異ならせることを特徴とする請求項8または9に記載のカメラ。
  11. 前記表示制御手段は、前記機能選択手段に対する操作に基づく選択に係る動作方式に関係する領域毎に、該領域の位置を示す表示の色彩を異ならせることを特徴とする請求項10に記載のカメラ。
  12. 前記表示制御手段は、前記撮影時の露出補正値の変更可の選択をするための操作が前記機能選択手段に対して行われている間、前記画像についての輝度分布を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項8から11までのうちのいずれか一項に記載のカメラ。
  13. 前記領域についての位置を示す表示の表示位置を前記表示手段に表示されている該画像上において予め定められている初期状態の位置へと復帰させる指示を行うために操作される復帰指示手段を更に有し、
    前記表示制御手段は、前記機能選択手段と前記復帰指示手段とが同時に操作されたときには、該機能選択手段に対する操作に基づく選択に係る動作方式に関係する前記領域についての位置を示す表示の表示位置を前記初期状態の位置へと復帰させる、
    ことを特徴とする請求項1から12までのうちのいずれか一項に記載のカメラ。
  14. 前記領域についての位置を示す表示の表示位置を前記表示手段に表示されている該画像上において予め定められている初期状態の位置へと復帰させる指示を行うために操作される復帰指示手段を更に有し、
    前記表示制御手段は、前記機能選択手段と前記復帰指示手段とが同時に操作されたときには、前記優先順位に基づき、該機能選択手段への操作に基づいて選択される前記動作方式に関係する前記領域についての位置を示す表示の表示位置と、該動作方式よりも該優先順位が低い動作方式に関係する前記領域についての位置を示す表示の表示位置とを共に前記初期状態の位置へと復帰させる、
    ことを特徴とする請求項8から12までのうちのいずれか一項に記載のカメラ。
  15. 前記機能選択手段は、前記カメラを使用して撮影を行うために該カメラを構えた撮影者から見て該カメラにおける左側部近傍に設置され、
    前記移動指示手段は、前記撮影者から見て前記カメラにおける右側部近傍に設置される、
    ことを特徴とする請求項1から14までのうちのいずれか一項に記載のカメラ。
  16. 被写体像を撮像して該被写体像が表現されている画像を記録するカメラに設けられている、該画像の表示を行う表示部での表示を制御する方法であって、
    前記画像を構成する一部分の領域であって、前記カメラに備えられている機能毎に対応付けて個別に設けられていて該機能の動作方式の選択をするために操作される機能選択部に対する操作に基づいて選択がされた動作方式に関係する該領域についての位置を示す表示を、前記表示部に表示されている該画像上に表示させ、
    前記機能選択部と、移動の指示を行なうために操作される移動指示部とが同時に操作されたときには、前記表示部に表示させている前記領域についての位置を示す表示を該表示部に表示されている前記画像上で移動させる、
    ことを特徴とする表示制御方法。
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