JP4077139B2 - 画像表示装置 - Google Patents
画像表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4077139B2 JP4077139B2 JP2000181031A JP2000181031A JP4077139B2 JP 4077139 B2 JP4077139 B2 JP 4077139B2 JP 2000181031 A JP2000181031 A JP 2000181031A JP 2000181031 A JP2000181031 A JP 2000181031A JP 4077139 B2 JP4077139 B2 JP 4077139B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image data
- image
- image display
- storage means
- data storage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Liquid Crystal Display Device Control (AREA)
- Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
- Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
- Projection Apparatus (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を有する画像表示用素子の出力画像を像形成光学素子により表示する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を有する小型の画像表示用素子の出力画像を像形成光学素子により表示する画像表示装置としては、フロントプロジェクタ、リアプロジェクタ、ヘッドマウンテッドディスプレイ等の商品名で広く使用されている。この画像表示用素子としては、CRT、液晶パネル、DMD(商品名:テキサスインストルメント社:米国)等が商品として使用されており、また、無機EL、無機LED、有機LED等も研究されている。
【0003】
また、小型の画像表示用素子の出力画像をレンズで拡大した画像を観察するのではなく、画像表示用素子の出力画像を等倍で観察する画像表示装置としては、既述のCRT、液晶パネル、無機EL、無機LED、有機LED以外に、プラズマディスプレイ、蛍光表示管等が商品として使用されており、また、FED(フィールドエミッションディスプレイ)、PALC(プラズマアドレッシングディスプレイ)等も研究されている。これらは、自発光型と空間光変調器型の2つに大きく分類されるが、いずれも光を制御可能な複数の画素を有するものである。
【0004】
これらの画像表示装置に共通する課題は、高解像度化、つまりは大画素数化であり、プロードキャストの表示を目的とした走査線1000本程度のHDTV用の画像表示装置が既に商品化され、ワークステーションコンピュータの高解像度表示を目的とした走査線2000本程度の開発品が、液晶パネルを用いた技術で発表されている(‘98フラットパネルディスプレイ展にて日本IBM社のQSXGA2048本、‘98電子ディスプレイ展にて東芝社のQUXGA2400本等)。しかしながら、画素数を増加させることは、液晶パネルの歩留まりを低下させ、また、開口率を減少させることなどにより、コストが増加したり、輝度やコントラストが低下したり、消費電力が増加したりしていた。
【0005】
従来の複数の画像表示用素子を用いて2倍以上に大画素数化する方式としては、特開平3−150525号公報、特開平4−267290号公報に記載されているものなどがある。これらは、複数の画像表示用素子を光学的に互いにずれた位置に配置し、各画像表示用素子は画素を互いの画素の隙間となる位置に配置している。しかしながら、これらは、複数の画素間の位置合わせが困難であり、また、画像表示用素子を複数枚使用することからコストアップになったり、大きな投射レンズが必要となったりしていた。
【0006】
これらの問題に対して、特開平4−113308号公報、特開平5−289004号公報、特開平6−324320号公報等には、単一の画像表示用素子を用いて2倍の画素数を有するインターレース表示を行う画像表示装置が記載されている。また、特開平7−36504号公報には、単一の画像表示用素子を用いて4倍以上の画素数を有する画像表示を行う画像表示装置が記載されている。これらが使用する電気光学効果を示す部材と複屈折結晶との組合せは、従来から光通信分野での光分配、光スイッチとして用いられている偏向手段として公知の技術である。
【0007】
また、特開平6−324320号公報には、電気光学効果を示す部材と複屈折結晶との組合せ以外に、光路を変更する手段として、レンズをシフト可能な手段、バリアングルプリズム、回転ミラー、回転ガラス等が記載されている。特開平7−104278号公報には、光路を変更する手段として、ウエッジプリズムを移動する手段が記載されている。
【0008】
図9はレンズをシフトする方法により画像表示用素子の高解像度化を行って、レンズにより拡大した虚像を観察する特開平6−324320号公報記載の画像表示装置を示す。図9において、1はLCDパネルであり、2はLCDパネル1をカラー映像信号により駆動して画像を表示させるLCDドライブ回路である。3は光路変更手段であり、4は接眼レンズである。5はLCDパネル1の位置を光学的に接眼レンズ4の光軸に垂直な方向にシフトさせるボイスコイルであり、6はレンズ取付台であり、7はボイスコイル5を駆動するドライブ回路である。光路変更手段3は、接眼レンズ4、ボイスコイル5、レンズ取付台6及びボイスコイルドライブ回路7により構成される。
【0009】
ボイスコイル5はドライブ回路7により駆動され、このドライブ回路7は、LCDドライブ回路2から入力されたカラー映像信号の奇数フィールドと偶数フィールドを判定してその判定信号O/Eに従って、ボイスコイル5に流れる電流を制御し、LCDパネル1の位置を光学的に接眼レンズ4の光軸に垂直な方向にシフトさせる。
【0010】
接眼レンズ4をシフト、つまり往復運動させる駆動系としては、ボイスコイル5に限らず、圧電素子、バイモルフ、ステップモータ、ソレノイドコイル等が特開平6−324320号公報に記載されている。また、光路を変更する方法としては、レンズや光学部材をシフトさせる方法以外に、光学部材を光路に挿入する方法、光学部材を回転させる方法、ミラーを回転させる方法、アクティブプリズム、電気光学素子と複屈折材料を使用する方法等が特開平6−324320号公報に記載されている。
【0011】
図10は電気光学素子と複屈折材料を使用する方法により画像表示用素子の高解像度化を行って、レンズにより拡大した虚像を観察する特開平6−324320号公報記載の画像表示装置を示す。図10において、8は電気光学素子となる偏光面回転部材であり、9は複屈折板である。偏光面回転部材8は、液晶板10の両面に透明電極11、12が被着形成されて構成され、この透明電極11、12間にドライブ回路13から液晶駆動電圧が印加されて、偶数と奇数のフィールド毎に偏光面が回転されて偏向され、複屈折板9の正常光と異常光の偏光面に一致させられる。この正常光と異常光は、複屈折板9の屈折率差により偏向量が変化する。
【0012】
また、上述のような画像表示装置では、画像表示用素子に応答速度の遅い素子を用いた場合には、同じ画像フィールド内の最初の走査ラインと最後の走査ラインとで書き込み開始時間が大きく異なるため、動画のような速い走査線速度が要求される場合に走査の方向に均一な光路の変更状態を形成することが困難であり、コントラストが低下しやすい。これらを改善する手法に関しては、特開平6−324320号公報に、電気光学素子を走査線方向に複数分割する手法が記載され、特開平11−296135号公報、特開平11−259039号公報等にも、この問題を改善するための方法が記載されている。
【0013】
図11は、最初の走査ラインと最後の走査ラインとの間の書き込み時間の差による影響を低減した特開平6−324320号公報記載の画像表示装置を説明するための図である。図11において、14は偏光面回転素子としての液晶であるが、この液晶14を走査線と平行な方向に複数に分割して、画像表示用の液晶の走査と同期して、偏光面を順次に走査することにより、画像表示用の走査線の最初と最後の偏光面の回転状態を均一化している。
【0014】
一方、照明光の光強度を変調することによりデジタル階調表示を行う画像表示装置において、高い輝度を得るための空間光変調装置の一例として、特開平11−75144号公報記載の変調方法がある。これは、光学空間変調素子に第1のメモリと第2のメモリを設けて、画像データが書き込まれた第1のメモリから第2のメモリへ画像データを転送し、この転送された第2のメモリの画像データに基づいて画素の状態を変化させる方法である。この方法により、光学空間変調素子への照明光の実効的な照明時間を増加させることができるので、低コストでかつ省エネルギー性の高い画像表示を行うことができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
特開平6−324320号公報記載の画像表示装置では、光路を変更する手段は、他の手段を用いたとしても、拡大光学系の光軸をシフトさせるか偏向させることにより光路を変更する手段であり、かつ、これらの光路を変更する手段が画像表示用素子と拡大光学系との間に存在している。
【0016】
このため、高解像度の画像表示を行う場合には、光路長が変化させたりレンズの軸外を光学系全体の光軸としたりすることにより、光学系の諸収差が発生しやすく、その拡大光学系の設計やレイアウトに無理があるだけでなく、微小な画像表示用素子の一画素を十分なMTFで拡大できない場合も生じる。また、光路を偏向する部材自体の不均一さがMTFを低減する場合もある。さらに、電気光学素子を用いた場合には、波長がレーザ光のように単一波長でないために、波長による位相の色ずれが生じ、コントラストが大きく低下してしまうという問題もある。
【0017】
最初の走査ラインと最後の走査ラインとの間の書き込み時間の差による影響を低減した特開平6−324320号公報記載の画像表示装置では、素子の構造や駆動方法を複雑にするためにコストが増加してしまう。また、完全に走査線方向の不均一さを解消するにはいたっていない。これは、データを走査線の方向に書き込む速さが、データ走査線数が大きくなった現状の画像表示装置で、フルカラーの動画像表示を行おうとする場合に、表示デバイスの応答速度が対応できないことによる。
【0018】
さらに、フルカラーには、赤、青、緑の各色に対して、64階調から256階調の階調表示が必要であるため、通常のTN液晶のアナログ変調や、高速のFLCに対するディザ変調とパルス幅変調の組合せ等が用いられているが、大画素数の画像表示に対しては、TFT素子の絶対数が大きくなることによる欠陥率の増加や開口数の減少、FLCの応答速度やその駆動方法に対する限界等により、コストが増加したり、十分な画素数や画像品質が得られていない。
【0019】
特開平11−75144号公報記載の変調方法では、光学空間変調素子は、デジタル階調表示を行う場合のビットプレーンの時間を低減するために、液晶のDC成分を打ち消すための中和条件を必要としない、液晶の劣化を防止することのできる駆動方法を目的としており、さらには光源利用効率の増加による高輝度、低コストのフィールドシーケンシャル表示を目的としており、画像表示用素子を画像フィールド内で変位した場合の画像の空間的クロストークには何ら着目していない。
【0020】
また、画像情報信号から光路を変更する手段を駆動して高解像度化する従来の画像表示装置では、拡大光学系による実像又は虚像の変位量は、個々の高解像度化手段の寸法バラツキや初期組み付け位置合わせバラツキにも影響される。さらには、使用している際の発熱、振動等により組み付け位置のズレやそのズレ量の変化が生じる場合があり、本来は変位して異なる表示位置にある画素が重なったり、色ずれを起こしたりする場合が生じて画像品質が劣化することがある。
【0022】
本発明は、空間的なクロストークを減少した高解像度の拡大像を与えることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を有する画像表示用素子の出力画像を像形成光学素子により表示する画像表示装置において、画像フィールドを構成する複数のサブフィールド毎に前記像形成光学素子の光軸に対する前記画像表示用素子の位置を画素配列面と略平行な方向に変位させる変位手段と、前記画像表示用素子の各画素に設けられ、走査ラインからの信号に基づく画像データが入力されて該画像データを記憶する入力用の第1の画像データ記憶手段と、前記画像表示用素子の各画素に設けられることで、前記第1の画像データ記憶手段を有する各画素と同じ各画素に設けられ、前記第1の画像データ記憶手段とは異なる画像データ出力用の第2の画像データ記憶と、前記第1の画像データ記憶手段の画像データを前記第2の画像データ記憶手段に転送する転送手段と、前記第2の画像データ記憶手段の画像データに基づいて前記画像表示用素子の各画素の電圧印加を行う駆動手段と、各サブフィールドごとに前記転送手段に前記第1の画像データ記憶手段の画像データを前記第2の画像データ記憶手段へ一括して転送させる転送タイミング決定手段とを有し、前記転送手段による画像データ転送後に、前記駆動手段が前記第2の画像データ記憶手段の画像データに基づいて前記画像表示用素子の各画素の電圧印加を行うものである。
【0026】
請求項2に係る発明は、前記画像表示用素子に照明光を射出する照明手段と、前記サブフィールドを複数のフレームにより構成し、前記照明光の光強度変化プロファイルを各フレームで異ならせる照明光制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置である。
【0027】
請求項3に係る発明は、前記画像表示用素子に照明光を射出する照明手段と、前記サブフィールドを複数のフレームにより構成し、前記照明光の波長スペクトルを各フレームで異ならせる照明光制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置である。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の前提となる画像表示装置の実施形態(以下第1の実施形態という)を示す。図1において、21は赤色LEDを2次元アレイ状に配列した照明光源であり、22は拡散板であり、これらの照明光源1及び拡散板2により照明手段が構成される。23はコンデンサレンズであり、24は画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を有する画像表示用素子としての液晶パネルである。25は像形成光学素子としての投射レンズであり、26はスクリーンである。27は照明光制御手段としての光源ドライブ部であり、28は液晶パネル24を駆動する液晶ドライブ部である。
【0030】
照明光源21は光源ドライブ部27により駆動されて照明光を放出し、この照明光は拡散板22により均一化されてコンデンサレンズ23により液晶パネル24を照明する。液晶パネル24は、液晶ドライブ部28により複数の画素が照明光源21と同期して画像情報に従って制御されることにより、コンデンサレンズ23からの照明光でクリティカルに照明されて該照明光を画像情報に従って空間変調し、その空間変調した照明光を画像情報に対応した画像光(出力画像)として出力する。この液晶パネル24の出力画像が投射レンズ25で拡大されてスクリーン26に投射されることにより、スクリーン26に画像が表示され、この画像が観察される。
【0031】
液晶パネル24は上下方向に支持体29と接続され、この支持体29はピエゾ素子からなる小型の圧電素子30よりなる画像表示用素子シフト手段に固定されている。この圧電素子30は、画像フィールド(以下単にフィールドという)を構成する複数のサブフィールドに対応して画像表示用素子24の実効的な位置を画素配列面と平行な(若しくは略平行な)x,y方向に対して光学的に変位させる変位手段であり、圧電素子ドライブ部31により制御される。また、図1では見えないが、液晶パネル24は紙面と垂直な方向にも支持体と接続されて該支持体がピエゾ素子からなる小型の圧電素子よりなる画像表示用素子シフト手段に固定され、この圧電素子が圧電素子ドライブ部31により制御される。液晶パネルユニット32は、液晶パネル24、支持体29、圧電素子30、図1では見えない支持体及び圧電素子により構成される。
【0032】
この第1の実施形態において、圧電素子30及び、図1では見えない圧電素子は圧電素子ドライブ部31により駆動されて液晶パネル24をx,y方向に移動させる。この場合、圧電素子ドライブ部31は、1フィールドを1つの基本単位としてこれを4つのサプフィールドに分割し、液晶パネル24が4つのサプフィールド毎にx,y方向にそれぞれ画像ピッチの1/2を往復移動するように圧電素子30を駆動する。
【0033】
この液晶パネル24が移動する期間は、液晶パネル24の出力画像が拡大されてスクリーン26上に表示されたものに感じるフリッカーが実用レベルの時間以下となる期間とする。液晶パネル24の変位された位置に対応するサブフィールドにおいて、その位置に対応する画像データをスクリーン26上に表示することにより、液晶パネル24を移動させない場合に比べて4倍の画像数の画像表示を行うことができる。
【0034】
図2は、上記液晶パネルユニット32の一例を示し、図1の右方向から見た図である。図2において、29’,30’は図1で見えなかった支持体及び圧電素子である。液晶パネル24、支持体29及び圧電素子30を保持する保持部材33は左右方向に支持体29’と接続され、この支持体29’はピエゾからなる小型の圧電素子30’に固定されている。この圧電素子30、30’は、圧電素子ドライブ部31により駆動され、投射レンズ25の光軸に対する液晶パネル24の位置を画素配列面と略平行なx,y方向にそれぞれ変位させる。図2において、保持部材33が位置x1から位置x0に変位するx方向の変位値Δx、及び保持部材33が位置y1から位置y0に変位するy方向の変位値Δyで、液晶パネル24の位置がx,y方向に変位する。
【0035】
図3は上記液晶パネル24の画素(3×3の液晶パネルの実画素部分)を拡大して観察した場合の概略を示す。液晶パネル24の画像ピッチがx方向、y方向にそれぞれ2Δx、2Δyである場合、その1/2のピッチとなるΔx、Δyを液晶パネル24のx方向、y方向の各変位値とすることにより、液晶パネル24の実画素1つが、その4倍の4つの画素を表示することができる。
【0036】
図3において、液晶パネル24の位置24a(x0,y0)を基準位置(0,0)とする場合にその位置24aに開口率約12%の実画素が設けてある場合、それぞれのサブフィールドで液晶パネル24の位置24b(x0,y1)、24c(x1,y1)、24d(x1,y0)を移動位置(0,1)、(1,1)、(1,0)とすることにより、それぞれ移動位置24b,24c,24dに画素を表示することができる。
【0037】
これらの位置24a〜24dのピッチは、x方向、y方向とも実画素のピッチの1/2に限定する必要はなく、x方向、y方向に実画素のピッチの1/3として9倍の画素を表示することもできるし、y方向にのみ実画素のピッチの1/2として、NTSCの偶数と奇数のフィールドをサブフィールドとすることで2倍の画素を表示することもできる。また、開口率は、大きくしても小さくしても良いが、25%付近とすることが、画素間の空間的クロストークが減少し且つ画素間の表示抜けが視認しにくいので好ましい。
【0038】
この第1の実施形態では、従来のように液晶パネルと光路をサブフィールド毎に偏向させる必要がないので、画素を増倍しない場合と全く同じ照明光学系及び投射光学系を用いることができ、光学系のMTFを劣化させることがなく、低コストで高解像度の画像表示を行うことができる。高解像度の投射レンズ25には、従来よりも2倍の空間周波数に対して同程度のMTFを確保する必要があり、投射光学系の設計負担を大きく減少させることができる。また、液晶パネル24を変位させる変位手段として圧電素子を用いることにより、コイルやモータ等を用いた方式と比較して圧電素子により正確に変位量を制御することができるので、常に変位量をフィードバックする必要がないため、液晶パネル24を変位させるドライブ部31を簡略化でき、かつ正確に液晶パネル24を変位できるため、低コストで、かつ位置ずれによる画像品質の低下の少ない高解像度の画像表示を行うことができる。
【0039】
また、圧電素子は一般に印加電圧と積層数に制約されて変位量が小さいが、本実施形態のように10〜50倍の拡大像を観察する画像表示装置では、元の液晶パネルの変位量は、観察される画像の変位に対して1/50〜1/10と微小で良いので、変位量が絶対値として小さく、200V以内、場合により100V以内の電圧での圧電素子の可動範囲内であり、圧電素子の実用的な電圧での変位量の制約を受けにくい。
【0040】
さらに、これらの画像表示装置の構成では、従来の照明光学系及び投射光学系をそのまま用いることができるので、新たな設計の負担がなく、低コストの画像表示装置を提供できる。また、圧電素子による変位を行わずに画素増倍をしない画像表示においては、通常と同様の光学特性を実現でき、これは同じ画像表示装置においてモードを切り替えることで容易に可能である。
【0041】
圧電素子30としては、本実施形態のようにピエゾ素子を用いたものが好ましい。例えば、株式会社トーキン製の圧電素子(型番:AE0203D08)を用いると、100Vでの変位量で約6μmが得られる。この圧電素子の共振周波数は138kHzであり、この3分の1の周波数を最大周波数として、約40kHz以上の高速変位ができ、矩形的な変位以外に、変位の開始と終了時の加速度を低減した変位プロファイルを実現することができる。
【0042】
液晶パネル24として、画素が10μmピッチのディスプレイテクノロジー社(米国)製のLCOS(Liquid Crysutal on Si)型空間光変調素子を用いて、本実施形態と同様に反射型の照明光学系及び投射光学系を構成し、4倍の画素増倍を行うことができる。但し、上述のように投射レンズ25の空間周波数への要求が高解像度のために2倍となるので、解像度対応の投射レンズを使用する必要がある。本実施形態では、投射レンズ25によりスクリーン26に空間光変調器24の実像を拡大して形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投射レンズ25の代りに接眼レンズを用いて直接に拡大した虚像を観察するようにしても良い。このとき、フィールド周波数を30Hzとした場合にはこのような画素を時分割する方式ではフリッカーが生じやすく、フィールド周波数をフリッカーが十分に生じにくい120Hzとした場合にはそのフィールド周波数に対して10倍以上の例えば1.2kHz程度で圧電素子を駆動すれば応答速度としては十分な速度となる。このため、共振周波数としては、その10倍の1.2kHz以上であればよく、好ましくはフィールド周波数に対して100倍以上に対応した例えば12KHzで十分となる。これにより、立ち上がり時間のロスによる影響は1%以下となる。しかしながら、実際に圧電素子端面をLCOSを保持した剛体に接着して駆動すると、接着面に存在する接着剤を介して剛体と圧電素子がパルス印加時間に衝撃波を発生して、駆動周波数よりも低い騒音、および機械的衝撃が発生する。これを防止するためには、共振周波数がフィールド周波数の500倍、好ましくは1000倍である圧電素子を用いて、これを抵抗を介して立ち上がり特性を制御したり、立ち上がり又は立ち下がり印加電圧波形をフィールド周波数に対して十分に滑らかな時間かつ共振周波数の10分の1以下の低い周波数で印加するように制御することにより、異音の発生が減少し、機械的衝撃も低減することができる。圧電素子に最適な共振周波数は、フィールド周波数の500倍以上の60kHz以上であり、好ましくは120kHz以上である。
【0043】
この第1の実施形態によれば、画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を有する画像表示用素子24の出力画像を像形成光学素子25により表示する画像表示装置において、画像フィールドを構成する複数のサブフィールド毎に前記像形成光学素子25の光軸に対する前記画像表示用素子24の位置を画素配列面と略平行な方向に変位させる変位手段24を有し、この変位手段24を共振周波数が60kHz以上である圧電素子よりなる画像表示用素子シフト手段27により構成したので、拡大光学系の光学特性を劣化させることの少ないより高解像度の拡大像を与えることができる。
【0044】
図4は本発明の実施形態(以下第2の実施形態という)の動作の一例を示すタイミングチャートである。この第2の実施形態では、圧電素子30が圧電素子ドライブ部31により制御されて液晶パネル24を変位させることにより、図4に示すように、液晶パネル24のx方向位置がx0とx1の2つの位置をとり、液晶パネル24のy方向位置がy0とy1の2つの位置をとり、この組み合わせにより液晶パネル24の位置(x,y)が1フィールドの期間に(x1,y1)、(x1,y0)、(x0,y1)、(x0,y0)の位置に順に変位し、これらの位置がそれぞれ、1フィールドを構成する4つのサブフィールドSF1〜SF4での各位置となる。
【0045】
この第2の実施形態では、上記第1の実施形態とは液晶パネル24が異なって液晶パネル24以外の部分が上記第1の実施形態と略同様に構成される。液晶パネル24は、液晶パネル24の画素が走査ラインからの信号に基づく画像データ入力用の画像データ記憶手段A、つまり、1フィールドを構成する4つのサブフィールドSF1〜SF4毎の画像データが入力されてこれを記憶する画像データ記憶手段Aを有する。また、液晶パネル24は、液晶パネル24の同じ各画素が画像データ記憶手段Aとは異なる画像データ出力用の画像データ記憶手段B、つまり、液晶パネル24の同じ各画素が液晶パネル24の変位により画像データ記憶手段Aとは異なる位置に画像データを表示するように画像データが入力されてこれを記憶する。
【0046】
さらに、液晶パネル24は、画像データ記憶手段Aの画像データを画像データ記憶手段Bの画像データとして転送する転送手段と、画像データ記憶手段Bの画像データに基づいて液晶パネル24の各画素の電圧印加を行う駆動手段と、各サブフィールドごとに上記転送手段に画像データ記憶手段Aの画像データを画像データ記憶手段Bの画像データとして実質的に同時に転送させる転送タイミング決定手段とを有する。
【0047】
図4では、説明の簡略化のため、特定の1つのデータ線が4本の走査線を有する(1つのデータ線が4本の走査線に対応する)構成としているが、実際には他のデータ線に関しても同様であり、また、1つのデータ線が4本以外の複数(n)本の走査線を有する(1つのデータ線がn本の走査線に対応する)構成とした場合においても画像データの書き込みを走査線4本分の画像データの書き込みから走査線n本分の画像データの書き込みにすることで同様になる。
【0048】
図4に示すように、画像データは、走査線1,2,3,4の順に画像データ記憶手段Aに入力することを基本とする。画像データは、あらかじめ液晶パネル24の1つの画素を4倍して示すために、図示しない画像データ処理装置によりサブフィールドに対応した画像データに変換され、さらに、このサブフィールドに対応した画像データは走査線4本分がサブフィールドSF1,SF2,SF3,SF4の順に画像データ記憶手段Aに入力される。
【0049】
このとき、ある画像データが画像データ記憶手段Aに書き込まれた時期から次の画像データが画像データ記憶手段Aに書き込まれた時期までの期間に、特定のサブフィールドの走査線に対応して画像データとして液晶パネル24で画像表示を行うと、走査線の違いにより画像表示期間に違いが生じるため、本実施形態では、図4に示すように液晶パネル24が移動している時期に照明光の照射を光源ドライブ部27により停止させて画像表示を行わないと同時に、この時期に一括して画像データ記憶手段Aの画像データを上記転送手段により上記駆動手段と対応した画像データ記憶手段Bに転送するので、空間的なクロストークのない高解像度で高コントラストの画像表示を行うことができる。
【0050】
より具体的には、図4に示すように、画像データは走査線1,2,3,4の順に画像データ記憶手段Aに入力され、特定のタイミングでは画像データ記憶手段Aにはサブフィールドの状態が走査線で全て異なるが、すべての走査線で画像データ記憶手段Aへの画像データの入力が終了した時点で画像データ記憶手段Aの画像データを別の画像データ記憶手段Bに転送することにより、画像データ記憶手段Bの画像データでは次のサブフィールドで全ての走査線が同一のサブフィールドとなる。このため、画像データ記憶手段Bの内容に従って上記駆動手段により液晶パネル24の画素に電圧を印加し、かつ照明光源21より液晶パネル24に照明光を照射することにより、1つのサブフィールド期間に、それより1つ前のサブフィールドの期間で画像データ記憶手段Aに入力した画像データが表示されることになる。
【0051】
この第2の実施形態によれば、画像表示用素子24の各画素が走査ラインからの信号に基づく画像データ入力用の第1の画像データ記憶手段と、同じ各画素が前記第1の画像データ記憶手段とは異なる画像データ出力用の第2の画像データ記憶手段と、前記第1の画像データ記憶手段の画像データを前記第2の画像データ記憶手段の画像データとして転送する転送手段と、前記第2の画像データ記憶手段の画像データに基づいて各画素の電圧印加を行う駆動手段と、前記画像表示用素子24が各サブフィールドごとに前記転送手段に前記第1の画像データ記憶手段の画像データを前記第2の画像データ記憶手段の画像データとして実質的に同時に転送させる転送タイミング決定手段とを有するので、空間的なクロストークを減少した高解像度の拡大像を与えることができる。
【0052】
上記第2の実施形態は空間光変調素子24に照明光を照射して該照明光を空間光変調素子24で空間光変調して制御しているが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、有機EL、無機EL、無機LEDチップアレイ等の発光素子を用いた場合にも照明光を用いずに直接に発光素子から放出される光を制御することができる。
【0053】
図5は本発明の他の実施形態(以下第3の実施形態という)の動作の一例を示すタイミングチャートである。この第3の実施形態では、圧電素子30が圧電素子ドライブ部31により制御されて液晶パネル24を変位させることにより、図5に示すように、液晶パネル24のx方向位置がx0とx1の2つの位置をとり、液晶パネル24のy方向位置がy0とy1の2つの位置をとり、この組み合わせにより液晶パネル24の位置(x,y)が1フィールドの期間に(x1,y1)、(x1,y0)、(x0,y1)、(x0,y0)の位置に順に変位し、これらの位置がそれぞれ、1フィールドを構成する4つのサブフィールドSF1〜SF4での各位置となる。また、照明光源21は、光源ドライブ部27により駆動されて1つのサブフィールドを構成する4つのフレームでそれぞれ強度が指数的に異なる照明光を液晶パネル24に照射する。
【0054】
この第3の実施形態では、上記第1の実施形態とは液晶パネル24以外が略同様に構成され、液晶パネル24が上記第2の実施形態の液晶パネルと同様に構成される。これにより、第3の実施形態は、上記第2の実施形態と略同様な動作ができ、かつ説明の簡略化のため特定の1つのデータ線が1つの走査線のみを有する(1つの走査線のみに対応する)ものとする。つまり、画像表示用素子24の特定の1つの走査線に関してのみ説明するが、1つのデータ線が有する走査線本数がn本の場合においても上記第2の実施形態と略同様に動作する。このとき、図4に示したサブフィールド1つ分の遅延は生じないとする。
【0055】
また、画像データは、あらかじめ画像表示用素子24の1つの画素を4倍して示すために、図示しない画像データ処理装置によりサブフィールドに対応した画像データに変換され、このサブフィールドの画像データに対応してサブフィールド1,2,3,4の順で、さらに4つのフレームに分割されて画像データ記憶手段A、Bに同時に入力され、1つのフィールド分の画像データが入力され、かつ表示される。
【0056】
図5から分かるように、1つのサブフィールドにおいて、照明光源21からの照明光は4つのフレームで照明光強度が指数的に8、4、2、1と変化しながら画像表示用素子24に照射され、画像表示用素子24はそれぞれのフレームで照明光のオンとオフによる2値的な空間光変調を行い、結果として1つのサブフィールドで16階調の画像表示を行うことができる。なお、図5に示す積算照明光強度/SFは、サブフィールド当たりの積算した照明光強度を示し、任意単位であるが、フレームの単位時間を1として、それぞれのフレームにおける画像データにより有効な照明光強度と単位時間である位置との積をサブフィールド内で総和したものである。例えば、各フレームの画像データを図5に示すような画像データとすることにより、ザフィールド1,2,3,4はそれぞれ15値、0値、5値、1値の表示を行うことができる。また、本実施形態のフレーム数を6または8とすることにより、それぞれ64階調、256階調の表示が可能となる。
【0057】
従来の応答速度の遅いTN液晶を基本とした画像表示用素子では、4倍以上の画素増大による動画の表示が不可能であった。これは、4倍の画素増大とすることにより、4倍の時間的制約ができることによる。従来の一定照明光強度に対するパルス幅変調での階調表示では、32階調程度の階調が上限である。これは、ビデオレートを60Hzとしたときに、60×32×4=7.68kHzとなり、画像データは190μsのパルス幅となり、画像表示用素子は、画像データによるオン/オフ時の応答性がその1/4の33μsであることが好ましく、印加電圧にもよるが、強誘電性液晶の下限に近いことによる。
【0058】
また、シリコン上に微小鏡を形成した高速の画像表示用素子(テキサスインストルメント社製:米国)では、32階調以上の階長表示も可能であるが、やはり応答速度の制限により、256階調程度が限界である。銀塩フィルムの階調の再現には約4096階調あればよく、銀塩フィルムで撮影した映画的な画像データの画像表示には暗いシーンなどでは画像品質が銀塩フィルムに劣る場合が生じる。
【0059】
しかしながら、上述のような本実施形態では、2値的な画像表示用素子を用いるにも拘わらず、その照明光の光強度変化で階調を得ることにより64階調で通常の1/10の6倍数のフレームに分割するだけでよく、強誘電性液晶からなる画像表示用素子を使用して4倍以上の2次元的な画素増大が可能であり、さらにシリコン上に微小鏡を形成した画像表示用素子では9倍以上の画素増大も可能となる。さらに、このシリコン上に微小鏡を形成した画像表示用素子では、現在はSXGAにおいて、映画等の映像を表示する場合に銀塩フィルムとほぼ同等ではあるが、さらに本実施形態のように照明光の光強度変化で4倍の画素とし、かつ銀塩フィルムと同レベルの階調が可能となることにより、銀塩フィルムを越える高解像度と高階調の両方を実現した非常に高品質の画像を形成できる。
【0060】
これらの階調と解像度は一般的には視覚的に相補関係にあるが、高解像としての走査線数およびデータ線数は階調が64階調以上であれば400dpi相当クラスまではより重要となる。このため、現在の通常の画像表示は400dpiに対応していないため、本実施形態による画素の増大は非常に視認性にすぐれた画像を形成することができる。さらに、高速の画像表示用素子を用いた場合には、階調も銀塩フィルムクラスの階調を実現できる。さらには、応答性に余裕が有る分を、走査線の駆動周波数を速くすることにも利用できる。これは画素増倍をした場合の空間的なフリッカーを減少させることに大いに効果的である。
【0061】
この第3の実施形態の第1フィールドにおけるサブフィールドとそのフレームの順序は図5に示す順序に限定されるものではなく、輝度フリッカー、色フリッカー、空間フリッカー、データ処理やデータ転送の負荷等を減少させるために、画像データに対して適切に変化させてもよい。これは、あらかじめ特定の順序としてもよいが、1画素の画像データの内容、または周辺画素及び全画素の画像データの内容から適切な表示順序を判定する表示順序判定手段を付加して、この表示順序判定手段により動的に決定してもよい。
【0062】
図6は第3の実施形態において、図5に示すような表示順序の場合と同様の階調を実現する他の表示順序を示す。この表示順序では、光源ドライブ部27は、初期に照明光源21が最大輝度で照明光を照射する順序で照明光強度を変化させるように照明光源21を制御し、かつ、後半にフレームの順序が逆となるようにに照明光源21を制御する。このため、色の違いによる単位時間における輝度変化が小さくなるので、画像データによっては色フリッカーが視認しにくい状態とすることができる。これらの表示順序の変更は、パルス幅表示に比べて、その最小1パルスをフレームと同等としたときに、フレーム数が少ないので、表示順序判断手段による動的な計算の負荷がより小さくなる。
【0063】
この第3の実施形態によれば、画像フィールドを構成する複数のサブフィールド毎に像形成光学素子25の光軸に対する画像表示用素子24の位置を画素配列面と略平行な方向に変位させる変位手段を有し、各サブフィールドを複数のフレームにより構成し、照明光を各フレーム同士で強度プロファイルが異なる照明光とする照明光制御手段27を有するので、階調性の高い高解像度の拡大像を与えることができる。
【0064】
図7は本発明の他の実施形態(以下第4の実施形態という)の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0065】
この第4の実施形態では、圧電素子30が圧電素子ドライブ部31により制御されて液晶パネル24を変位させることにより、図7に示すように、液晶パネル24のx方向位置がx0とx1の2つの位置をとり、液晶パネル24のy方向位置がy0とy1の2つの位置をとり、この組み合わせにより液晶パネル24の位置(x,y)が1フィールドの期間に(x1,y1)、(x1,y0)、(x0,y1)、(x0,y0)の位置に順に変位し、これらの位置がそれぞれ、1フィールドを構成する4つのサブフィールドSF1〜SF4での各位置となる。
【0066】
この第4の実施形態では、上記第1の実施形態とは液晶パネル24以外が略同様に構成され、液晶パネル24が上記第2の実施形態の液晶パネルと同様に構成される。これこの第3の実施形態では、上記第1の実施形態とは液晶パネル24以外が略同様に構成され、液晶パネル24が上記第2の実施形態の液晶パネルと同様に構成される。これにより、第4の実施形態は、上記第2の実施形態と略同様な動作ができ、かつ説明の簡略化のため特定の1つのデータ線が1つの走査線のみを有する(1つの走査線のみに対応する)ものとする。つまり、画像表示用素子24の特定の1つの走査線に関してのみ説明するが、1つのデータ線が有する走査線本数がn本の場合においても上記第2の実施形態と略同様に動作する。このとき、図4に示したサブフィールド1つ分の遅延は生じないとする。
【0067】
また、画像データは、あらかじめ画像表示用素子24の1つの画素を4倍して示すために、図示しない画像データ処理装置によりサブフィールドに対応した画像データに変換され、このサブフィールドの画像データに対応してサブフィールド1,2,3,4の順で、さらに3つのフレームに分割されて画像データ記憶手段A、Bに同時に入力され、1つのフィールド分の画像データが入力され、かつ表示される。
【0068】
図7から分かるように、1つのサブフィールドにおいて、照明光源21からの照明光は3つのフレームで照明光強度が赤(以下Gという),緑(以下Gという),青(以下Bという)の順で変化しながら画像表示用素子24に照射され、画像表示用素子24はそれぞれのフレームで照明光のオンとオフによる2値的な空間光変調を行い、結果として1つのサブフィールドで8色のマルチカラーの画像表示を行う。例えば、各フレームの画像データを図7に示すような画像データとすることにより、ザフィールド1,2,3,4はそれぞれ白、黒、赤、青緑の色の表示を行う。
【0069】
また、本実施形態において、各フレームをさらにサブフレームに分割し、このサブフレームで各色の階調を表示することによりフルカラーの表示を行うことができる。これらは、画像表示装置の制約を受けるため、上記第3の実施形態と同様に動作させて階調を表示させることが好ましい。通常のフルカラー表示には、3色ごとに64階調以上の表示が好ましい。ビデオレートを60Hzとしたときに、64階調、4倍の画素増大では、60×3×6×4=4.34kHzであるが、フィールドシーケンシャルは通常のビデオレートでは色フリッカーを感じやすく、これを視認させないためには、さらに2倍の8.64kHz、つまりは画素の印加電圧にもよるが強誘電性液晶の下限近いが、表示可能な範囲である。
【0070】
また、シリコン上に微小鏡を形成した画像表示用素子では、これより応答速度が数倍速いので、4倍の画素増倍でのフリッカーの少ないフルカラー表示のみならず、9倍の画素増倍でのフリッカーの少ないフルカラー表示も可能である。
【0071】
この画素を増倍させる画像表示装置においては、画像表示用素子の位置またはこれと拡大のためのレンズとの位置関係を変化させることにより画素の実効的な位置を変位させ、かつこれを本来の画素の1/2または1/3の位置に、本来の画素の1/4または1/6以内の精度で正確に制御する必要がある。本来のの画素が10μm間隔であるならば、この精度は2.5μm以内に相当する。これを液晶パネルがR,G,Bの3板式の画像表示装置で実現するために、機械的精度で組み付けることは、通常の解像度の場合と比べて非常に困難であり実用性がなく、高コストとなるし、運搬、振動等に対する長期的な信頼性が低くなる。しかし、第4の実施形態のような構成とすることにより、単板式の液晶パネルを用いて実現できるので、2μmクラス程度の調整が不必要となり、低コストにできると同時に信頼性が非常に向上する。さらには、照明光源の分割光学系が不用であるので、小型化、軽量化を図ることができるようになる。
【0072】
第4の実施形態の第1フィールドにおけるサブフィールドとそのフレームの順序は図7に示す順序に限定されるものではなく、輝度フリッカー、色フリッカー、空間フリッカー、データ処理やデータ転送の負荷等を減少させるために、画像データに対して適切に変化させてもよい。これは、あらかじめ特定の順序としてもよいが、1画素の画像データの内容、または周辺画素及び全画素の画像データの内容から適切な表示順序を判定する表示順序判定手段を付加して、この表示順序判定手段により動的に決定してもよい。
【0073】
図8は第4の実施形態において、図7に示すような表示順序の場合と同様の表示色を実現する他の表示順序を示す。この表示順序では、光源ドライブ部27は、初期に照明光源21が比視感度の大きい緑色の照明光を照射する順序となるように照明光源21を制御し、また、後半にフレームの順序が逆となるように照明光源21を制御する。例えば緑色の光源の応答速度が速い場合に、図8に示すように緑色の照明光を一括して照射することにより、照明光の応答速度の制限を減少させることができる。
【0074】
この第4の実施形態によれば、画像フィールドを構成する複数のサブフィールド毎に像形成光学素子25の光軸に対する画像表示用素子24の位置を画素配列面と略平行な方向に変位させる変位手段を有し、各サブフィールドを複数のフレームにより構成し、各フレーム同士で前記照明光の波長スペクトルが異なる照明光とする照明光制御手段27を有するので、低コストでかつ省エネルギー性の高い高解像度の拡大像を与えることができる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように請求項1に係る発明によれば、空間的なクロストークを減少した高解像度の拡大像を与えることができる。
請求項2に係る発明によれば、階調性の高い高解像度の拡大像を与えることができる。
請求項3に係る発明によれば、低コストでかつ省エネルギー性の高い高解像度の拡大像を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の前提となる画像表示装置の実施形態である第1の実施形態を示す概略図である。
【図2】 同第1の実施形態の液晶パネルユニットの一例を示す断面図である。
【図3】 同第1の実施形態の液晶パネルの画素を拡大観察した場合の概略を示す図である。
【図4】 本発明の実施形態である第2の実施形態の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図5】 本発明の実施形態である第3の実施形態の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図6】 同第3の実施形態の他の表示順序を示すタイミングチャートである。
【図7】 本発明の実施形態である第4の実施形態の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図8】 同第4の実施形態の他の表示順序を示すタイミングチャート図である。
【図9】 特開平6−324320号公報記載の画像表示装置を示す概略図である。
【図10】 特開平6−324320号公報記載の他の画像表示装置を示す概略図である。
【図11】 特開平6−324320号公報記載の他の画像表示装置を説明するための図である。
【符号の説明】
21 照明光源
22 拡散板
23 コンデンサレンズ
24 液晶パネル
25 投射レンズ
26 スクリーン
27 光源ドライブ部
28 液晶パネルを駆動するドライブ部
29 支持体
30 圧電素子
31 圧電素子ドライブ部
32 液晶パネルユニット
33 保持部材
Claims (3)
- 画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を有する画像表示用素子の出力画像を像形成光学素子により表示する画像表示装置において、
画像フィールドを構成する複数のサブフィールド毎に前記像形成光学素子の光軸に対する前記画像表示用素子の位置を画素配列面と略平行な方向に変位させる変位手段と、
前記画像表示用素子の各画素に設けられ、走査ラインからの信号に基づく画像データが入力されて該画像データを記憶する入力用の第1の画像データ記憶手段と、
前記画像表示用素子の各画素に設けられることで、前記第1の画像データ記憶手段を有する各画素と同じ各画素に設けられ、前記第1の画像データ記憶手段とは異なる画像データ出力用の第2の画像データ記憶と、
前記第1の画像データ記憶手段の画像データを前記第2の画像データ記憶手段に転送する転送手段と、
前記第2の画像データ記憶手段の画像データに基づいて前記画像表示用素子の各画素の電圧印加を行う駆動手段と、
各サブフィールドごとに前記転送手段に前記第1の画像データ記憶手段の画像データを前記第2の画像データ記憶手段へ一括して転送させる転送タイミング決定手段と
を有し、前記転送手段による画像データ転送後に、前記駆動手段が前記第2の画像データ記憶手段の画像データに基づいて前記画像表示用素子の各画素の電圧印加を行うことを特徴とする画像表示装置。 - 前記画像表示用素子に照明光を射出する照明手段と、
前記サブフィールドを複数のフレームにより構成し、前記照明光の光強度変化プロファイルを各フレームで異ならせる照明光制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。 - 前記画像表示用素子に照明光を射出する照明手段と、
前記サブフィールドを複数のフレームにより構成し、前記照明光の波長スペクトルを各フレームで異ならせる照明光制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000181031A JP4077139B2 (ja) | 2000-06-16 | 2000-06-16 | 画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000181031A JP4077139B2 (ja) | 2000-06-16 | 2000-06-16 | 画像表示装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006276981A Division JP4430647B2 (ja) | 2006-10-10 | 2006-10-10 | 画像表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001356731A JP2001356731A (ja) | 2001-12-26 |
JP4077139B2 true JP4077139B2 (ja) | 2008-04-16 |
Family
ID=18682019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000181031A Expired - Fee Related JP4077139B2 (ja) | 2000-06-16 | 2000-06-16 | 画像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4077139B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7034811B2 (en) | 2002-08-07 | 2006-04-25 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Image display system and method |
JP2004184457A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Ricoh Co Ltd | 画像処理装置及び画像表示装置 |
DE60335659D1 (de) * | 2002-12-04 | 2011-02-17 | Thomson Licensing | Relais linsensystem zwischen zwei abbildungsvorrichtungen |
JP2006330058A (ja) * | 2005-05-23 | 2006-12-07 | Seiko Epson Corp | プロジェクタ |
JP2007078866A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Sharp Corp | 空間光変調システム、その駆動方法及びプロジェクタ |
JP2007192919A (ja) * | 2006-01-17 | 2007-08-02 | Olympus Corp | 画像表示装置 |
US20080217509A1 (en) * | 2007-03-05 | 2008-09-11 | William Thomas Weatherford | Increased color depth modulation using fast response light sources |
-
2000
- 2000-06-16 JP JP2000181031A patent/JP4077139B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001356731A (ja) | 2001-12-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100493839B1 (ko) | 화상 표시 장치 및 화상 표시 방법 | |
KR100959576B1 (ko) | 표시 장치 및 표시 방법 | |
JP5441312B2 (ja) | 表示装置 | |
KR100510936B1 (ko) | 액정 디스플레이 장치와 액정 디스플레이 장치 구동 방법 | |
JP3912999B2 (ja) | 表示装置 | |
JP2001255506A (ja) | 液晶表示装置及び液晶表示装置用光源 | |
JP4052803B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP2001356411A (ja) | 画像表示装置および該画像表示装置に用いられるグラフィックコントローラ | |
KR20090003122A (ko) | 전기 광학 장치, 그 구동 방법 및 전자 기기 | |
JP2002372701A (ja) | 画像表示装置 | |
JP4077139B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP4628425B2 (ja) | 表示方法及び表示装置 | |
JP6859990B2 (ja) | 電気光学装置及びその制御方法 | |
JP4430647B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP2003161897A (ja) | 光路偏向素子及び画像表示装置 | |
JP3873544B2 (ja) | 電気光学装置および投射型表示装置 | |
JP2002287082A (ja) | 画像表示装置 | |
JP4047596B2 (ja) | 光偏向素子および画像表示装置 | |
JP2007033522A (ja) | 画像出力装置及び画像表示装置 | |
US6933918B1 (en) | Method and apparatus for driving liquid crystal display | |
JP3946935B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP2002258213A (ja) | 画像表示装置 | |
JP3781287B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP2022181331A (ja) | 投射型表示装置、および投射型表示装置の制御方法 | |
JP2003295833A (ja) | 画像表示装置及びその駆動方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041125 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060727 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060808 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061010 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070417 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070615 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070904 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071005 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080131 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130208 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130208 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140208 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |