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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、動力源と変速機との間に流体式動力伝達装置が設けられている構成の駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両に搭載される変速機として、歯車変速機構と、クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置とを有する有段式の自動変速機が広く用いられている。このような構成の自動変速機においては、車両の走行状態、例えばアクセル開度および車速に基づいて摩擦係合装置が係合・解放され、その変速段が自動的に切り換えられる。この自動変速機が搭載された車両においては、車両の発進時における動力の伝達を円滑化するために、動力源と自動変速機との間に流体式動力伝達装置を配置する場合が多い。
【0003】
このように、動力源と自動変速機との間に流体式動力伝達装置を配置した発明の一例が、特開平7−217734号公報に記載されている。この公報に記載されている車両は、エンジン(動力源)の動力がトルクコンバータ(流体式動力伝達装置)を経由して自動変速機(動力伝達装置)に入力されるように構成されている。そして、トルクコンバータのロックアップが不完全になる作動油の劣化時に、自動変速機の変速比を制御する変速線、またはトルクコンバータのロックアップを制御するロックアップ車速を変更することにより、エンジン回転を高めてロックアップ不完全を解消するものとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動変速機が搭載された車両においては、シフトレバーの操作により、自動変速機の駆動状態を駆動ポジションと非駆動ポジションとの切り換えることができる。すなわち、シフトレバーの操作によりマニュアルバルブが動作して摩擦係合装置の係合・解放状態が変更されて、動力を伝達することのできる駆動ポジションと、動力を伝達することのできない非駆動ポジションとで相互に切り換えることができる。しかしながら、車両の発進に際して、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた場合は、エンジンおよびトルクコンバータが共に回転し、このエンジンおよびトルクコンバータが比較的大きな慣性質量(イナーシャマス;inertia mass)になる。そして、摩擦係合装置の係合により、イナーシャマスと自動変速機の出力側とが結合され、この結合時に、いわゆるマニュアルシフトショックが発生する問題があった。
【0005】
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、車両の発進に際して、シフト装置を非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換える際のマニュアルシフトショックを抑制することのできる駆動装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するため請求項1の発明は、動力源と、この動力源の出力側に配置され、かつ、係合・解放可能な摩擦係合装置を有する動力伝達装置と、前記動力源と動力伝達装置との間に設けられた入力クラッチと、この入力クラッチと前記動力伝達装置との間に設けられた流体式動力伝達装置と、前記摩擦係合装置の係合・解放を制御することにより、前記動力伝達装置を、動力伝達不可能な状態から動力伝達可能な状態に変更するべく、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えることのできるシフト装置とを有する駆動装置において、前記動力源がエンジンであり、前記入力クラッチから流体式動力伝達装置に至るトルク伝達経路に配置され、かつ、前記流体式動力伝達装置に伝達するトルクを出力する電動機が設けられており、前記エンジンおよび電動機を有する車両の状態が前記エンジンを駆動させる領域にあり、かつ、前記非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた場合は、前記入力クラッチを解放から係合に制御する一方、前記車両の状態が、前記電動機を駆動させる領域にあり、かつ、前記非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた場合は、前記入力クラッチを解放された状態に維持する制御をおこなう手段と、前記車両の状態が前記エンジンを駆動させる領域にあり、かつ、前記非駆動ポジションから前記駆動ポジションに切り換えられた場合は、前記摩擦係合装置を係合制御し、ついで前記入力クラッチを係合させる係合順序制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項1の発明によれば、車両の状態がエンジンを駆動させる領域にあり、かつ、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた場合は、入力クラッチを解放から係合に制御する一方、車両の状態が、電動機を駆動させる領域にあり、かつ、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた場合は、入力クラッチを解放された状態に維持する。そして、車両の状態がエンジンを駆動させる領域にあり、かつ、シフト装置が非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた場合は、摩擦係合装置が先に係合され、ついで入力クラッチが係合されるとともに、この入力クラッチの係合圧の立ち上がり特性が制御される。したがって、入力クラッチの係合時には、流体式動力伝達装置がイナーシャマスにはならず、動力源のみがイナーシャマスになり、そのイナーシャマスが小さいために制御をおこないやすい。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記摩擦係合装置および前記入力クラッチを係合させるオイルの元圧を発生するオイルポンプが設けられており、前記オイルの温度に基づいて前記オイルポンプの吐出量を制御するオイルポンプ制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じるほか、オイルの温度変化に応じてオイルポンプの吐出量が制御される。例えば、入力クラッチや摩擦係合装置に作用する油量の不足や油圧の上昇が遅れるような温度条件下においては、オイルポンプの吐出量が増加される。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1の構成に加えて、前記係合順序制御手段は、前記摩擦係合装置および前記入力クラッチを係合させるオイルの温度が所定値を越えている場合に、前記摩擦係合装置を係合し、ついで、前記入力クラッチを係合させる制御をおこなう一方、前記摩擦係合装置および前記入力クラッチを係合させるオイルの温度が所定値以下である場合は、前記非駆動ポジションから前記駆動ポジションに切り換えられて前記摩擦係合装置を係合する前に、前記入力クラッチを係合させる手段を含むことを特徴とするものである。
【0011】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、摩擦係合装置および入力クラッチを係合させるオイルの温度が所定値を越えている場合は、前記摩擦係合装置を係合し、ついで、前記入力クラッチを係合させる制御がおこなわれる。一方、摩擦係合装置および入力クラッチを係合させるオイルの温度が所定値以下である場合は、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられて摩擦係合装置が係合される前に、入力クラッチが係合されたとしても、オイルの粘度が高く摩擦係合装置の油圧上昇が緩慢になるために、急激な摩擦係合装置の係合が避けられ、ショックが発生しにくい。
また、請求項4の発明は、請求項1または3の構成に加えて、前記係合順序制御手段は、入力クラッチコントロールソレノイドにより、前記入力クラッチの係合圧を制御する手段を含むことを特徴とするものである。この請求項4の発明によれば、請求項1または3の発明と同様の作用が生じる他に、入力クラッチコントロールソレノイド以外に格別の部品を設ける必要がなく、動力伝達装置の製造コストを低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図に示す具体例に基づいて説明する。図2はこの発明で対象とするハイブリッド車両のパワープラントの一例を示している。車両の動力源としての内燃機関1は、要は、燃料を燃焼させて動力を出力する装置であって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを採用することができ、またその形式は、レシプロタイプのもの以外にタービン型のエンジンであってもよい。なお、以下の説明では、内燃機関1をエンジン1と記す。
【0013】
またエンジン1は、電子スロットルバルブ1Aの開度や燃料噴射量あるいは点火時期などを電気的に制御できるように構成されているとともに、エンジン1を始動させるスタータ1Bが設けられている。そして、エンジン1を制御するための電子制御装置(E/G−ECU)8が設けられている。この電子制御装置8は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。以下、各種の電子制御装置が説明されているが、その構成はこれとほぼ同様である。そして、この電子制御装置8において、アクセル開度や車速、変速信号、エンジン水温などの入力データに基づいて予め記憶しているプログラムに従って演算をおこない、その演算結果に基づいて制御信号を出力するように構成されている。
【0014】
さらに、内燃機関1の出力側に入力クラッチ122を介して、ほかの動力源としての機能を有する電動機(MG)2が接続されている。さらにまた、電動機2の出力側にはトルクコンバータ(T/C)4を介して自動変速機3が配置されている。この自動変速機3は、変速機構5と、この変速機構5およびトルクコンバータ3を制御する油圧制御部7とを有している。
【0015】
また、電動機2は、要は、電力が供給されてトルクを出力する装置であり、直流モータや交流モータを採用することができ、さらには固定永久磁石型同期モータなどの発電機能を兼ね備えたいわゆるモータ・ジェネレータを使用することができる。なお、以下の説明では、電動機2をモータ・ジェネレータ2と記す。また、モータ・ジェネレータ2の回転数および回転角度を検出するレゾルバ2Aが設けられている。さらに、モータ・ジェネレータ2には、インバータ9を介してバッテリ10が接続されている。
【0016】
そして、モータ・ジェネレータ2を制御するコントローラとしての電子制御装置(MG−ECU)11が設けられている。この電子制御装置11に入力されるデータに基づいて演算をおこなって、モータ・ジェネレータ2に供給する電流や周波数、モータ・ジェネレータ2を発電機として用いてバッテリ10に充電する電力、モータ・ジェネレータ2を発電機として機能させる場合の回生制動トルクなどを制御するように構成されている。
【0017】
図3は、この発明のハイブリッド車のパワープラントを示すスケルトン図である。エンジン1のクランクシャフト1Cと、トルクコンバータ4のフロントカバー120が接続された動力伝達軸121との間に、前記入力クラッチ122が配置されている。この入力クラッチ122は、エンジン1と動力伝達軸121との間の動力伝達状態を制御する機能を有している。この実施形態では、入力クラッチ122として公知の摩擦式クラッチが用いられている。すなわち、入力クラッチ122は、シリンダおよびピストンならびにリターンスプリング(いずれも図示せず)などを有する。そして、入力クラッチ122は、ピストンに作用する油圧により、入力クラッチ122の係合(完全係合)・半係合(スリップ)・解放が制御されるように構成されている。また、この動力伝達軸121に対して、モータ・ジェネレータ2のロータ(図示せず)が取り付けられている。
【0018】
トルクコンバータ4は油圧により、その動作が制御されるように構成されており、フロントカバー120に一体的に結合されたポンプインペラ47と、変速機構5の入力軸57に取り付けられたタービンランナ61と、トルクコンバータ4の一部を構成しているケーシング内部のオイルの流れの向きを変えるステータ56と、フロントカバー120と入力軸57との間の動力伝達状態を切り換えるロックアップクラッチ62とを有している。
【0019】
ロックアップクラッチ62が解放されると流体による動力伝達状態になり、ロックアップクラッチ63が係合されると機械的な動力伝達状態になる。なお、ロックアップクラッチ62が解放された状態では、ステータ56の機能により、ポンプインペラ47からタービンランナ61に伝達されるトルクを増幅することができる。
【0020】
また、トルクコンバータ4と変速機構5との間には、機械式オイルポンプ6が配置されている。この機械式オイルポンプ6の回転軸は、ポンプインペラ47に接続されている。したがって、この機械式オイルポンプ6は、エンジン1またはモータ・ジェネレータ2の動力により駆動することができる。機械式オイルポンプ6は、入力クラッチ122や、変速機構5側のクラッチあるいはブレーキなどの摩擦係合装置(後述)に作用する油圧の元圧を発生する機能を有している。
【0021】
一方、図3に示す自動変速機3は、前進5段・後進1段の変速段を設定することができるように構成されている。すなわちここに示す自動変速機3は、トルクコンバータ4およびオイルポンプ6に続けて副変速部81と、主変速部82とを備えている。その副変速部81は、いわゆるオーバードライブ部であって1組のシングルピニオン型遊星歯車機構83によって構成され、キャリヤ84が前記入力軸57に連結され、またこのキャリヤ84とサンギヤ85との間に一方向クラッチF0 と一体化クラッチC0 とが並列に配置されている。なお、この一方向クラッチF0 はサンギヤ85がキャリヤ84に対して相対的に正回転(入力軸57の回転方向の回転)する場合に係合するようになっている。またサンギヤ85の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。そしてこの副変速部81の出力要素であるリングギヤ86が、主変速部82の入力要素である中間軸87に接続されている。
【0022】
したがって副変速部81は、一体化クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車機構83の全体が一体となって回転するため、中間軸87が入力軸57と同速度で回転し、低速段となる。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ85の回転を止めた状態では、リングギヤ86が入力軸57に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0023】
他方、主変速部82は三組の遊星歯車機構88,89,90を備えており、それらの回転要素が以下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構88のサンギヤ91と第2遊星歯車機構89のサンギヤ92とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機構88のリングギヤ93と第2遊星歯車機構89のキャリヤ94と第3遊星歯車機構90のキャリヤ95との三者が連結され、かつそのキャリヤ95に出力軸96が連結されている。この出力軸96が、動力伝達装置(図示せず)を介して車輪96Aに接続されている。にがさらに第2遊星歯車機構89のリングギヤ97が第3遊星歯車機構90のサンギヤ98に連結されている。
【0024】
この主変速部82の歯車列では後進段と前進側の四つの変速段とを設定することができ、そのためのクラッチおよびブレーキが以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されている第2遊星歯車機構89のリングギヤ97および第3遊星歯車機構90のサンギヤ98と中間軸87との間に第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第1遊星歯車機構88のサンギヤ91および第2遊星歯車機構89のサンギヤ92と中間軸87との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0025】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構88および第2遊星歯車機構89のサンギヤ91,89の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ91,89(すなわち共通サンギヤ軸)とトランスミッションハウジング20との間には、第1一方向クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ91,89が逆回転(入力軸57の回転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合するようになっている。多板ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構88のキャリヤ99とトランスミッションハウジング20との間に設けられている。
【0026】
そして第3遊星歯車機構90のリングギヤ100の回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがトランスミッションハウジング20との間に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ100が逆回転しようとする際に係合するようになっている。上述した各変速部81,82の回転部材のうち副変速部81のクラッチC0 の回転数を検出するタービン回転数センサ101と、出力軸96の回転数を検出する出力軸回転数センサ102とが設けられている。上記変速機構5の一部を構成する各種のクラッチやブレーキには、いわゆる、湿式油圧多板クラッチが用いられている。また、自動変速機3の作動油としてのオイルの温度を検出する油温センサ3Aが設けられている。この油温センサ3Aには、オイルの温度を直接的に検出するセンサ、またはオイルの温度を間接的に判断するエンジン水温センサなどが含まれる。
【0027】
上記の自動変速機3では、各クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を、図4に示すように係合・解放することにより、前進第1段ないし第5段の変速段と、後進1段の変速段とを設定することができる。すなわち、自動変速機3は、その変速比を段階的に変更することのできる、いわゆる有段式の自動変速機である。なお、図4において、○印は摩擦係合装置が係合されることを意味し、空欄は摩擦係合装置が解放されることを意味し、◎印は摩擦係合装置がエンジンブレーキ時に係合されることを意味し、△印は摩擦係合装置が係合されるものの動力伝達に関係しないことを意味している。
【0028】
一方、図2に示すように、自動変速機3の変速比の制御範囲を設定するシフトレバー127が設けられている。このシフトレバー127と油圧制御部7とが機械的に連結されている。このシフトレバー127の操作により選択されるシフトポジションが図5に示されている。すなわち、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、Lポジションを選択することができる。
【0029】
そして、シフトレバー127の操作により、非駆動ポジション、例えばPポジションまたはNポジションが選択された場合は、自動変速機3が入力軸57と出力軸96との間で動力(トルク)の伝達ができない状態になる。また、駆動ポジション、例えば、Rポジション、Dポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、Lポジションのうちのいずれかが選択された場合は、自動変速機3が入力軸57と出力軸96との間で動力の伝達をおこなうことができる状態になる。
【0030】
ここで、Dポジションは車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基づいて、自動変速機3で前進第1速ないし第5速のいずれかを設定するためのポジションであり、また4ポジションは、第1速ないし第4速のいずれか、3ポジションは第1速ないし第3速のいずれか、2ポジションは第1速または第2速、Lポジションは第1速をそれぞれ設定するためのポジションである。3ポジションないしLポジションは、エンジンブレーキレンジを設定するポジションであり、それぞれのポジションで設定可能な変速段のうち最も高速側の変速段でエンジンブレーキを効かせるように構成されている。なお、シフトレバー127の操作により選択されるシフトポジションは、シフトポジションセンサー127Aにより検出される。
【0031】
また、この実施形態においては、自動変速機3の変速比を、電子制御装置12に入力される信号に基づいて自動的に制御することのできる自動変速制御状態と、手動操作により制御することのできる手動変速制御状態とを相互に切り換えることができる。図6は、スポーツモードスイッチ76を示し、このスポーツモードスイッチ76は、例えばインストルメントパネル(図示せず)付近またはコンソールボックス(図示せず)付近などに配置されている。このスポーツモードスイッチ76がオンされると、前記手動変速制御状態が設定され、スポーツモードスイッチ76がオフされると、手動変速制御状態が解除される。
【0032】
図7はダウンシフトスイッチ78およびアップシフトスイッチ80の配置位置の一例を示す図である。このダウンシフトスイッチ78およびアップシフトスイッチ80は、手動変速制御状態が設定されている際に、自動変速機3の変速段をダウンシフトまたはアップシフトさせるためのものである。具体的には、ステアリングホイール79の表面側にダウンシフトスイッチ78が設けられており、ステアリングホイール79の裏面側にアップシフトスイッチ80が設けられている。
【0033】
なお、図7においては便宜上、ダウンシフトスイッチ78およびアップシフトスイッチ80を共にステアリングホイール79の表面側に表示している。そして、シフトレバー127により例えばDポジションが選択され、かつ、スポーツモードスイッチ76がオンされた状態において、アップシフトスイッチ80が操作されると変速機構5の変速段がアップシフトされ、ダウンシフトスイッチ78が操作されると変速機構5の変速段がダウンシフトされる。
【0034】
ところで、図2に示すハイブリッド車には、前記機械式オイルポンプ6とは別の電動オイルポンプ110が設けられている。また、電動オイルポンプ110を駆動するための電動機110Aが設けられているとともに、電動機110Aにはインバータ110Cを介してバッテリ110Bが接続されている。そして、インバータ110Cおよびバッテリ110Bを制御するコントローラとしての電子制御装置(ECU)110Dが設けられている。この電子制御装置110Dは、入力されるデータに基づいて演算をおこなって、電動機110Aを制御するように構成されている。この電動機110Aの回転数を制御することにより、電動オイルポンプ110の吐出量が増減される。そして、電動オイルポンプ110は、エンジン1の停止時などに駆動されるもので、機械式オイルポンプ6の機能と同じ機能を有している。
【0035】
つまり、機械式オイルポンプ6および電動オイルポンプ110は、共に、自動変速機3に対する油圧源となっており、そのための油圧回路が図8に示すように構成されている。すなわち、オイルパン123とチェックボール機構150との間の油路には、機械式オイルポンプ6および電動オイルポンプ110が相互に並列に配置されている。チェックボール機構150の出力側にはプライマリレギュレータバルブ124が接続され、このプライマリレギュレータバルブ124の出力側には、マニュアルバルブ125および入力クラッチコントロールソレノイド(リニアソレノイド)126が相互に並列に接続されている。
【0036】
マニュアルバルブ125の出力ポートには、第1クラッチC1 および第2クラッチC2 が接続されている。このマニュアルバルブ125はシフトレバー127の操作により動作し、マニュアルバルブ125の動作により、マニュアルバルブ125と第1クラッチC1 および第2クラッチC2 とを接続するポートが開閉される。なお、第1クラッチC1 とマニュアルバルブ125との間にアキュムレータ(図示せず)を設けるとともに、第2クラッチC2 とマニュアルバルブ125との間にアキュムレータ(図示せず)を設けることもできる。また、入力クラッチコントロールソレノイド126の出力ポートには、入力クラッチ122が接続されている。
【0037】
そして、機械式オイルポンプ6および電動オイルポンプ110により、オイルパン123のオイルが汲み上げられるとともに、吐出圧の高いポンプの油圧が、チェックボール機構150を経由してプライマリレギュレータバルブ124の入力ポートに供給される。そして、プライマリレギュレータバルブ124により、ライン圧が、スロットル開度あるいはアクセル開度に応じた圧力に調圧される。このプライマリレギュレータバルブ124から出力される油圧が、マニュアルバルブ125の動作により、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 に供給される。なお、前記アキュムレータにより、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 に供給される油圧の急激な立ち上がりが抑制される。
【0038】
また、プライマリレギュレータバルブ124から出力された油圧が、入力クラッチ126の動作により入力クラッチ122に作用する。このように、入力クラッチコントロールソレノイド126は、入力クラッチ122とプライマリレギュレータバルブ124とを接続する油路に設けられており、入力クラッチ126に作用する油圧が、入力クラッチコントロールソレノイド126の機能により直接的に制御される。したがって、入力クラッチコントロールソレノイド126以外に格別の部品を設ける必要がなく、自動変速機3の製造コストを低減することができる。
【0039】
一方、図2に示すように、エンジン1のクランクシャフト1Cに対して、駆動装置127を介してモータ・ジェネレータ(MG)128が連結されている。モータ・ジェネレータ128は、エンジン1に動力を伝達する機能と、エアコン用コンプレッサなどの補機(図示せず)を駆動する機能と、エンジン1の動力により駆動される発電機としての機能とを有している。
【0040】
この駆動装置127は、遊星歯車機構(図示せず)、およびこの遊星歯車機構によるトルク伝達状態を切り換える摩擦係合装置(図示せず)ならびに一方向クラッチ(図示せず)などを有する減速装置(図示せず)を備えている。また、駆動装置127は、エンジン1とモータ・ジェネレータ128との間の動力伝達経路を接続・遮断するクラッチ機構(図示せず)を備えている。また、モータ・ジェネレータ128には、インバータ129を介してバッテリ130が電気的に接続されているとともに、インバータ129およびバッテリ130を制御する電子制御装置(MG−ECU)131が設けられている。
【0041】
図9には、上記ハイブリッド車のシステムを総合的に制御する総合制御装置(ECU)104が示されている。そして、図2に示された各種の電子制御装置8,11,12,110D,131と総合制御装置104とが相互にデータ通信可能に接続されている。そして、エンジン1、駆動装置127の減速装置、モータ・ジェネレータ2,128、自動変速機3およびロックアップクラッチ62ならびに油圧制御部7、入力クラッチ122などの各装置は、車両の状態を示す各種のデータに基づいて制御される。
【0042】
具体的には、総合制御装置104に各種の信号を入力し、その入力された信号に基づく演算結果を制御信号として出力するようになっている。この総合制御装置104には、ABS(アンチロックブレーキ)コンピュータからの信号、車両安定化制御(VSC:商標)コンピュータからの信号、エンジン回転数NE 、エンジン水温、イグニッションスイッチからの信号、バッテリ19のSOC(State of Charge:充電状態)を含むモータ・ジェネレータ2の機能検出信号などが入力される。
【0043】
また、総合制御装置104には、ヘッドライトのオン・オフ信号、デフォッガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速(出力軸回転数)信号、油温センサ3Aの信号、シフトポジションセンサ127Aの信号、サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキのオン・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度、アクセル開度、カム角センサからの信号、スポーツシフト(スポーツモードスイッチ76およびダウンシフトスイッチ78ならびにアップシフトスイッチ80の操作を示す)信号、車両加速度センサからの信号、駆動力源ブレーキ力スイッチからの信号、タービン回転数NT センサからの信号、レゾルバ2Aの信号などが入力される。
【0044】
また、出力信号の例を挙げると、点火信号、噴射(燃料の噴射)信号、スタータ1Bへの信号、前記モータ・ジェネレータ2,128を制御するコントローラとしての電子制御装置11,131への信号、駆動装置127の減速装置またはクラッチ機構に対する制御信号、ATソレノイドへの信号、ATライン圧コントロールソレノイドへの信号、ABSアクチュエータへの信号、入力クラッチコントロールソレノイド126に対する制御信号、電子スロットルバルブ1Aに対する制御信号、スポーツモードインジケータへの信号、VSCアクチュエータへの信号、ATロックアップコントロールバルブへの信号、電動オイルポンプ110を制御する電子制御装置110Dに対する信号などである。
【0045】
ここで、この発明の構成と実施形態の構成との対応関係を説明する。すなわち、エンジン1がこの発明の動力源に相当し、第1クラッチC1 および第2クラッチC2 がこの発明の摩擦係合装置に相当し、自動変速機3がこの発明の動力伝達装置に相当し、トルクコンバータ4がこの発明の流体式動力伝達装置に相当し、シフトレバー127がこの発明のシフト装置に相当し、電動オイルポンプ110がこの発明のオイルポンプに相当する。
【0046】
つぎに、上記ハード構成を有するハイブリッド車の制御例を図1のフローチャートに基づいて説明する。この図1の制御例は、請求項1および請求項2に対応するものであり、停車中の車両が発進する場合を対象としている。まず、各種の電子制御装置8,11,12,13,110Dおよび総合制御装置104により、入力信号の処理がおこなわれる(ステップS1)。そして、車両の状態に基づいて、エンジン1およびモータ・ジェネレータ2を駆動・停止する制御がおこなわれる。この実施形態においては、シフトレバー127により選択される各シフトポジションに対応して、エンジン1およびモータ・ジェネレータ2の駆動・停止を切り換えるための制御態様、すなわち、駆動力源切り換えマップが予め設定されている。
【0047】
図10〜図13には、各シフトポジションに対応する駆動力源切り換えマップ、の一例と、各シフトポジションで自動変速機3の変速段を制御するための変速マップ(変速線図)の一例とが総括的に示されている。これらの駆動力源切り換えマップにおいては、車両の状態、具体的には車速およびアクセル開度をパラメータとし、かつ、実線で示す状態を境界として、エンジン駆動領域(運転領域)とモータ・ジェネレータ駆動領域とが設定され、車速およびアクセル開度をパラメータとして、破線で示す状態を境界として、自動変速機3の変速点(変速線)が設定されている。
【0048】
まず図10の駆動力源切り換えマップは、Dポジションまたは4ポジションまたは3ポジションに対応している。すなわち、車速V5以下であり、かつ、所定のアクセル開度以下の領域に、モータ・ジェネレータ駆動領域が設定され、モータ・ジェネレータ駆動領域以外の領域に、エンジン駆動領域が設定されている。このモータ・ジェネレータ駆動領域においては、自動変速機3が第1速〜第3速のいずれかの変速段に制御される。具体的には車速零〜車速V1の領域では第1速が設定され、車速V1〜車速V3の領域では第2速が設定され、車速V3〜車速V5の領域では第3速が設定される。なお、車速V3は車速V1よりも高速であり、車速V5は車速V3よりも高速である。これに対して、エンジン駆動領域においては、自動変速機ATが第1速〜第5速のうちのいずれかの変速段に制御される。
【0049】
また、図11の駆動力源切り換えマップは2ポジションに対応するものであり、この駆動力源切り換えマップにおいては、車速V4以下であり、かつ、所定のアクセル開度以下の領域に、モータ・ジェネレータ駆動領域が設定され、モータ・ジェネレータ駆動領域以外の領域に、エンジン駆動領域が設定されている。このモータ・ジェネレータ駆動領域においては、自動変速機3が第1速または第2速のいずれかの変速段に制御される。具体的には車速零〜車速V1の領域では第1速が設定され、車速V1〜車速V4の領域では第2速が設定される。なお、車速V4は前記車速V3よりも高速であり、かつ、前記車速V5よりも低速である。これに対して、エンジン駆動領域においては、自動変速機3が第1速または第2速のいずれかの変速段に制御される。
【0050】
さらに、図12の駆動力源切り換えマップはLポジションに対応するものであり、この駆動力源切り換えマップにおいては、車速V2以下であり、かつ、所定のアクセル開度以下の領域に、モータ・ジェネレータ駆動領域が設定され、モータ・ジェネレータ駆動領域以外の領域に、エンジン駆動領域が設定されている。このモータ・ジェネレータ駆動領域およびエンジン駆動領域においては、自動変速機3の変速段が第1速に固定される。
【0051】
さらにまた、図13の駆動力源切り換えマップはRポジションに対応するものであり、この駆動力源切り換えマップにおいては、車速V2以下であり、かつ、所定のアクセル開度以下の領域に、モータ・ジェネレータ駆動領域が設定され、モータ・ジェネレータ駆動領域以外の領域に、エンジン駆動領域が設定されている。
【0052】
このように、図10〜図13の変速マップにおいて、所定の変速比、例えば第2速が設定される領域(車速)は、各シフトポジション毎に相違しており、高速側の変速段の設定がなくなると(言い換えれば設定できる最小変速比が大きくなることに比例して)、第2速の設定される領域が広くなっている。具体的には図10の変速マップよりも図11の変速マップの方が、第2速の設定される領域が広くなっている。このように設定することにより、モータ・ジェネレータ駆動領域が可及的に増やされ、騒音および排気ガスを低減することができる。
【0053】
また、電子制御装置12には、ロックアップクラッチ62の状態を制御するロックアップクラッチ制御マップが記憶されている。このロックアップクラッチ制御マップは、車速およびアクセル開度をパラメータとしてロックアップクラッチ62の係合・半係合(スリップ)・解放を設定している。
【0054】
このようにして、車速およびアクセル開度に基づいて、エンジン1およびモータ・ジェネレータ2の駆動・停止が制御され、その動力が車輪96Aに伝達されて車両が走行する。また、車両の減速時には、車輪96Aから入力される動力が自動変速機3を経由して動力伝達軸121に伝達されるとともに、この動力によりモータ・ジェネレータ2を発電機として機能させ、発生した電力をバッテリ10に充電することができる。
【0055】
なお、図10,〜図13のマップには示されていないが、ハイブリッド車のシステム起動時には、エンジン1が始動され、その後に冷却水温度が所定値以上になるとエンジン1を自動的に停止するような制御がおこなわれる。したがって、システムの起動後に冷却水温度が所定値未満の状態で車両が発進する場合は、エンジン1が動力源として使用される。
【0056】
また、車両の発進時における入力クラッチ122および第1クラッチC1 ならびに第2クラッチC2 の係合・解放の制御パターンは、図14の図表に示すように設定される。この図表において、「N」はNポジションを意味しており、「D」はDポジションを意味しており、「R」はRポジションを意味している。また、「○」はクラッチが係合されることを意味しており、「×」はクラッチが解放(非係合)されることを意味している。なお、この図表の「( )」内は極低温時に対応する制御パターンを意味している。さらに、「MG」はモータ・ジェネレータ2を意味している。
【0057】
上記ステップS1についで、自動変速機3の油温Tが第1の所定値Tenmp1以下であるか否かが判断される(ステップS2)。この第1の所定値Tenmp1は総合制御装置104に予め記憶されている。ステップS2で否定的に判断された場合はオイルの粘度が低く、図8に示す油圧回路などでオイル漏れが多くなる可能性がある。このため、シフトレバー127の操作により非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた際に、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 、および入力クラッチ122を係合させるために必要なオイルの流量が不足する可能性がある。
【0058】
そこで、電動オイルポンプ110の吐出量を増加し(ステップS3)、ついで、シフトポジションが非駆動ポジション(例えばNポジション)から駆動ポジション(例えばDポジションまたはRポジション)に切り換えられたか否かが判断される(ステップS4)。ステップS4で否定的に判断された場合はそのままリターンされ、ステップS4で肯定的に判断された場合は、マニュアルバルブ125の動作により、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 の油圧が上昇し、その係合が開始される(ステップS5)。
【0059】
ついで、入力クラッチコントロールソレノイド126の動作により、入力クラッチ122の油圧が直接制御され、その係合が開始される(ステップS6)。なお、入力クラッチ122の係合開始時期は、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 の係合途中、または係合完了と同時、あるいは係合完了後のいずれであってもよい。つまり、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 が、トルク伝達可能な係合圧に到達した後に、入力クラッチ122を係合すればよい。
【0060】
そして、入力クラッチ122の係合が終了したか否かが判断される(ステップS7)。これは、エンジン回転数が所定値に到達したか否か、または、入力クラッチ122の係合が終了すると推定される所定時間がタイマーによりカウントされたか否かにより判断することができる。ステップS7で否定的に判断された場合はステップS6に戻り、ステップS7で肯定的に判断された場合はリターンされる。
【0061】
一方、前記ステップS2で肯定的に判断された場合は、油温Tが第2の所定値Temp2以下であるか否かが判断される(ステップS8)。第2の所定値Temp2は総合制御装置104に予め記憶されており、第2の所定値Temp2は第1の所定値Temp1よりも低温である。ステップS8で否定的に判断された場合はステップS4に進み、ステップS8で肯定的に判断された場合(つまり、極低温時)はオイルの粘度が高く、この状態で第1クラッチC1 または第2クラッチC2 と、入力クラッチ122を係合しようとしたとしても、流路抵抗によりオイルのアプライが遅れてこれらのクラッチを係合させるために必要な油量が不足する可能性がある。そこで、電動オイルポンプ110の吐出量を増加する制御をおこない(ステップS9)、ステップS4に進む。
【0062】
ここで、図1のフローチャートに示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ステップS4,〜ステップS7がこの発明の係合順序制御手段に相当し、ステップS2,3,8,9がこの発明のオイルポンプ制御手段に相当する。
【0063】
このように図1制御例によれば、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた場合は、まず、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 の係合が開始され、ついで、入力クラッチ122の係合が開始されるために、自動変速機3に入力されるイナーシャ(慣性または慣性力)が、エンジン1をイナーシャマスとして発生するイナーシャのみになる。したがって、シフトレバー127の操作にともなうマニュアルシフトショックが軽減される。
【0064】
また、油温Tが第1の所定値Temp1よりも高い場合は、オイル漏れにより第1クラッチC1 または第2クラッチC2 および入力クラッチ122の係合に必要な流量が不足して、マニュアルシフトにともなう制御の応答遅れが発生する可能性がある。また、油温Tが、第2の所定値Temp2よりも低い場合は、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 および入力クラッチ122の係合圧の立ち上がりが、流路抵抗の増大により遅れる可能性がある。そこで、図1の制御例においては、いずれの場合も電動オイルポンプ110の吐出量を増加することにより、上記不具合を未然に防止することができる。
【0065】
つぎに、上記ハード構成を有するハイブリッド車のほかの制御例を図15のフローチャートにより説明する。図2の制御例は請求項3に対応するものであり、車両の発進時を対象としている。まず、非駆動ポジション(NポジションまたはPポジション)が選択されているか否かが判断され(ステップS11)、ステップS11で否定的に判断された場合はそのままリターンされる。ステップS11で肯定的に判断された場合は、自動変速機3の油温Tが第2の所定値Temp2以下であるか否かが判断される(ステップS12)。
【0066】
ステップS12で否定的に判断された場合はステップS13,〜ステップS16の制御をおこない、リターンされる。ここで、ステップS13の内容はステップS4の内容と同様であり、ステップS14の内容はステップS5と同様であり、ステップS15の内容はステップS6の内容と同様であり、ステップS16の内容はステップS7と同様であるため、その説明を省略する。
【0067】
一方、前記ステップS12で肯定的に判断されるということは、エンジントルクが低い状態にあることが推定される。それは、自動変速機3の油温Tが低いときはエンジン1の温度も低いと推定され、この場合は、エンジン1の燃焼状態が悪く、その発生トルクが低い状態であると推定されるからである。また、この状態ではオイルの粘度が高く、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 および入力クラッチ122が係合された場合に、その係合面の摩擦係数が低くなるとともに、流路抵抗の増大により係合圧の立ち上がりが緩やかになる。このような条件下においては、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられて、第1クラッチC1 または第2クラッチC2 および入力クラッチ122が係合されたとしても、マニュアルシフトショックは発生しにくい。
【0068】
そこで、ステップS12で肯定的に判断された場合は、入力クラッチ122を係合させる制御がおこなわれ(ステップS17)、ついで、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられたか否かが判断される(ステップS18)。ステップS18で否定的に判断された場合はそのままリターンされ、ステップS18で肯定的に判断された場合は、その駆動ポジションに応じて第1クラッチC1 または第2クラッチC2 の係合処理がおこなわれ(ステップS19)、リターンされる。ここで、図15のフローチャートに示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ステップS11,〜ステップS19がこの発明の係合順序制御手段に相当する。
【0069】
このように、図15の制御例によれば、油温Tが第2の所定値Temp2以下である場合は、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられて第1クラッチC1 または第2クラッチC2 を係合する前に入力クラッチ122を係合したとしても、油温が低くて係合圧の立ち上がりが緩やかになり、マニュアルシフトショックが抑制され、かつ、応答遅れを防止することができる。
【0070】
図16には、図15の制御例に対応するタイムチャートの一例が示されている。まず、NポジションからDポジションへの切り換えがおこなわれる時刻t1以前においては、エンジン回転数Neが一定に制御されているとともに、第1クラッチC1 が解放されている。また、油温Tが第2の所定値Temp2を越えている場合は、入力クラッチ122が実線で示すように解放されている。これに対して、油温Tが第2の所定値Temp2以下である場合は、入力クラッチ122が一点鎖線で示すように係合されている。
【0071】
そして、時刻t1において、NポジションからDポジションへの切り換えられると、第1クラッチC1 の油圧が上昇して係合が開始され、時刻t2において第1クラッチC1 の係合が終了し、それ以降は第1クラッチC1 の油圧が一定に制御されている。また、時刻t1以前に入力クラッチ122が解放されていた場合は、時刻t2の後に入力クラッチ122が係合されている。
【0072】
そして、時刻t3以後はエンジン回転数が徐々に低下するとともに、時刻t4以降はエンジン回転数が一定に制御され、かつ、入力クラッチ122の油圧も一定に制御されている。なお、時刻t1以前から入力クラッチ122が係合されていた場合は、時刻t1以降もその油圧が一定に制御される。
【0073】
なお、この実施形態において、入力クラッチ122に用いられる摩擦式クラッチには、乾式クラッチおよび湿式クラッチが含まれる。この乾式クラッチおよび湿式クラッチには、単板クラッチおよび多板クラッチが含まれる。さらにまた、入力クラッチ122は、摩擦式クラッチに代えて電磁式クラッチを用いることもできる。また、この実施形態において、シフトレバー127はフロアーシフトまたはコラムシフトのいずれでもよい。また、この発明のシフト装置には、ボタン式のシフトポジション変更機構も含まれる。さらにこの発明において、流体式動力伝達装置として、トルクを増幅する機能のないフルードカップリングを用いることもできる。
【0074】
ここで、上記の具体例に開示されたこの発明の特徴的な構成を記載すれば以下のとおりである。すなわち、動力源と、この動力源の出力側に配置され、かつ、係合・解放可能な摩擦係合装置を有する動力伝達装置と、前記動力源と動力伝達装置との間に設けられた入力クラッチと、この入力クラッチと前記変速機との間に設けられた流体式動力伝達装置と、前記摩擦係合装置の係合・解放を制御することにより、前記動力伝達装置を、動力伝達不可能な状態から動力伝達可能な状態に変更するべく、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えることのできるシフト装置とを有し、前記摩擦係合装置および前記入力クラッチを係合させるオイルが、前記摩擦係合装置を潤滑する機能を兼備している構成の駆動装置において、前記オイルの温度が所定値以下である場合は、前記非駆動ポジションから前記駆動ポジションに切り換えられて前記摩擦係合装置を係合する前に、前記入力クラッチを係合させる係合順序選択手段を備えていることを特徴とする駆動装置。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、車両の状態がエンジンを駆動させる領域にあり、かつ、シフト装置が非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた場合は、摩擦係合装置が先に係合され、ついで入力クラッチが係合されるとともに、その入力クラッチの係合圧の立ち上がり特性が制御される。つまり、入力クラッチが係合されて動力源と動力伝達装置とが接続されるときには、流体式動力伝達装置はイナーシャマスにはならず、動力源のみがイナーシャマスになる。したがって、イナーシャマスが可及的に小さくなり、その制御をおこないやすいのでマニュアルシフトショックが抑制される。
【0076】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られるほか、オイルの温度変化に応じてオイルポンプの吐出量が制御される。例えば、オイル漏れにより摩擦係合装置および入力クラッチの係合に必要な流量が不足する可能性がある温度、または流路抵抗の増大により係合圧の立ち上がりが遅れ、摩擦係合装置および入力クラッチの係合に必要な流量が不足する可能性がある温度では、オイルポンプの吐出量を増加することにより、これらの不具合が未然に回避され、マニュアルシフトにともなう制御の応答遅れを防止することができる。
【0077】
請求項3の発明によれば、摩擦係合装置および入力クラッチを係合させるオイルの温度が所定値を越えている場合は、前記摩擦係合装置を係合し、ついで、前記入力クラッチを係合させる制御がおこなわれる。一方、前記摩擦係合装置および入力クラッチを係合させるオイルの温度が所定値以下である場合は、非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられて摩擦係合装置の係合を開始する前に、入力クラッチの係合が開始されたとしても、オイルの粘度が高く、摩擦係合装置に作用する油圧の上昇が緩慢になり、急激なトルク変化が動力伝達装置の出力側に伝達されにくい。したがって、マニュアルシフトショックを軽減することができる。
また、請求項4の発明によれば、請求項1または3の発明と同様の効果を得られる他に、入力クラッチコントロールソレノイド以外に格別の部品を設ける必要がなく、動力伝達装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置で実行される制御例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 この発明の一実施形態であるハイブリッド車のパワートレーンおよび制御系統の一例を模式的に示すブロック図である。
【図3】 図2に示すパワープラントを具体化したスケルトン図である。
【図4】 図3の自動変速機の各変速段を設定するためのクラッチおよびブレーキの係合・解放を示す図表である。
【図5】 図2に示す自動変速機を制御するシフトレバーの操作により選択されるシフトポジションを示す概念図である。
【図6】 図2に示す自動変速機の変速段を手動操作により変更できる状態を設定・解除するためのスポーツモードスイッチを示す概念図である。
【図7】 図6に示されたスポーツモードスイッチのオン状態において、自動変速機をダウンシフトまたはアップシフトするために、ステアリングホイールに設けられているスイッチの一例を示す図である。
【図8】 自動変速機の油圧回路の要部を示す図である。
【図9】 この発明の一例における総合制御装置における入出力信号を示す図である。
【図10】 図2に示されたハイブリッド車のエンジンおよびモータ・ジェネレータの駆動・停止を制御する制御態様と、自動変速機の変速段を制御する変速線図と総括的に示すマップである。
【図11】 図2に示されたハイブリッド車のエンジンおよびモータ・ジェネレータの駆動・停止を制御する制御態様と、自動変速機の変速段を制御する変速線図と総括的に示すマップである。
【図12】 図2に示されたハイブリッド車のエンジンおよびモータ・ジェネレータの駆動・停止を制御する制御態様と、自動変速機の変速段を制御する変速線図と総括的に示すマップである。
【図13】 図2に示されたハイブリッド車のエンジンおよびモータ・ジェネレータの駆動・停止を制御する制御態様と、自動変速機の変速段を制御する変速線図と総括的に示すマップである。
【図14】 図8に示す各クラッチの係合・解放パターンを示す図表である。
【図15】 この発明の制御装置で実行されるほかの制御例を説明するためのフローチャートである。
【図16】 図15の制御例に対応するタイムチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…モータ・ジェネレータ、 3…自動変速機、 4…流体式動力伝達装置、 5…変速機構、 10…バッテリ、 110…電動オイルポンプ、 122…入力クラッチ、 C1 …第1クラッチ、 C2 …第2クラッチ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a drive device having a configuration in which a fluid type power transmission device is provided between a power source and a transmission.
[0002]
[Prior art]
In general, a stepped automatic transmission having a gear transmission mechanism and a friction engagement device such as a clutch or a brake is widely used as a transmission mounted on a vehicle. In the automatic transmission having such a configuration, the friction engagement device is engaged / released based on the traveling state of the vehicle, for example, the accelerator opening and the vehicle speed, and the gear stage is automatically switched. In a vehicle equipped with this automatic transmission, a fluid power transmission device is often arranged between the power source and the automatic transmission in order to facilitate transmission of power when the vehicle starts.
[0003]
An example of the invention in which a fluid type power transmission device is arranged between a power source and an automatic transmission is described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-217734. The vehicle described in this publication is configured such that power of an engine (power source) is input to an automatic transmission (power transmission device) via a torque converter (fluid power transmission device). When the hydraulic oil is deteriorated, which causes the torque converter lock-up to be incomplete, the engine speed can be changed by changing the shift line that controls the gear ratio of the automatic transmission or the lock-up vehicle speed that controls the lock-up of the torque converter. It is supposed that the incomplete lock-up will be solved.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in a vehicle equipped with an automatic transmission, the driving state of the automatic transmission can be switched between a driving position and a non-driving position by operating a shift lever. That is, the manual valve is operated by the operation of the shift lever, and the engagement / release state of the friction engagement device is changed, and the drive position where power can be transmitted and the non-drive position where power cannot be transmitted Can be switched to each other. However, when the vehicle is started, when the non-drive position is switched to the drive position, both the engine and the torque converter rotate, and the engine and the torque converter have a relatively large inertial mass (inertia mass). Then, due to the engagement of the friction engagement device, the inertia mass and the output side of the automatic transmission are coupled, and there is a problem that a so-called manual shift shock occurs at this coupling.
[0005]
The present invention has been made against the background of the above circumstances, and provides a drive device that can suppress a manual shift shock when the shift device is switched from a non-drive position to a drive position when the vehicle starts. It is aimed.
[0006]
[Means for Solving the Problem and Action]
In order to achieve the above object, the invention of
[0007]
According to the invention of claim 1When the vehicle state is in the region where the engine is driven and the non-drive position is switched to the drive position, the input clutch is controlled from disengagement to engagement, while the vehicle state is the region where the motor is driven. And when the non-driving position is switched to the driving position, the input clutch is maintained in a released state. The vehicle is in the area where the engine is driven, andWhen the gear device is switched from the non-drive position to the drive position, the friction engagement device is engaged first, then the input clutch is engaged, and the rising characteristic of the engagement pressure of the input clutch is controlled. The Therefore, when the input clutch is engaged, the fluid power transmission device does not become inertia mass, only the power source becomes inertia mass, and the inertia mass is small, so that control is easily performed.
[0008]
According to a second aspect of the present invention, in addition to the configuration of the first aspect, an oil pump that generates an original pressure of oil for engaging the friction engagement device and the input clutch is provided, and is based on the temperature of the oil. And an oil pump control means for controlling the discharge amount of the oil pump.
[0009]
According to the invention of
[0010]
The invention of claim 3In addition to the configuration of
[0011]
According to the invention of
According to a fourth aspect of the invention, in addition to the configuration of the first or third aspect, the engagement order control means includes means for controlling the engagement pressure of the input clutch by an input clutch control solenoid. It is what. According to the fourth aspect of the invention, in addition to the effects similar to those of the first or third aspect of the invention, it is not necessary to provide any special parts other than the input clutch control solenoid, and the manufacturing cost of the power transmission device is reduced. be able to.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be described based on a specific example shown in the drawings. FIG. 2 shows an example of a power plant of a hybrid vehicle targeted by the present invention. The
[0013]
The
[0014]
Furthermore, an electric motor (MG) 2 having a function as another power source is connected to the output side of the
[0015]
In addition, the
[0016]
An electronic control unit (MG-ECU) 11 is provided as a controller that controls the motor /
[0017]
FIG. 3 is a skeleton diagram showing the power plant of the hybrid vehicle of the present invention. The
[0018]
The operation of the
[0019]
When the lock-up clutch 62 is released, the power transmission state by the fluid is entered, and when the lock-up clutch 63 is engaged, the mechanical power transmission state is entered. When the
[0020]
Further, a
[0021]
On the other hand, the
[0022]
Accordingly, the
[0023]
On the other hand, the
[0024]
In the gear train of the
[0025]
Next, the brake will be described. The first brake B1 is a band brake and is arranged to stop the rotation of the sun gears 91 and 89 of the first
[0026]
As a brake for stopping the rotation of the
[0027]
In the
[0028]
On the other hand, as shown in FIG. 2, a
[0029]
When the non-driving position, for example, the P position or the N position is selected by operating the
[0030]
Here, the D position is a position for setting any one of the forward first speed to the fifth speed by the
[0031]
In this embodiment, the gear ratio of the
[0032]
FIG. 7 is a diagram illustrating an example of the arrangement positions of the
[0033]
In FIG. 7, for the sake of convenience, the
[0034]
Meanwhile, the hybrid vehicle shown in FIG. 2 is provided with an
[0035]
That is, the
[0036]
A
[0037]
The oil in the
[0038]
The hydraulic pressure output from the
[0039]
On the other hand, as shown in FIG. 2, a motor / generator (MG) 128 is connected to a
[0040]
The
[0041]
FIG. 9 shows an integrated control unit (ECU) 104 that comprehensively controls the hybrid vehicle system. The various
[0042]
Specifically, various signals are input to the
[0043]
Further, the
[0044]
Examples of output signals include ignition signals, injection (fuel injection) signals, signals to the starter 1B, signals to the
[0045]
Here, the correspondence between the configuration of the present invention and the configuration of the embodiment will be described. That is, the
[0046]
Next, a control example of the hybrid vehicle having the above hardware configuration will be described based on the flowchart of FIG. The control example of FIG. 1 corresponds to
[0047]
FIGS. 10 to 13 show an example of a driving force source switching map corresponding to each shift position, and an example of a shift map (shift diagram) for controlling the shift stage of the
[0048]
First, the driving force source switching map of FIG. 10 corresponds to the D position, the 4 position, or the 3 position. That is, the motor / generator drive region is set in a region where the vehicle speed is V5 or less and the accelerator opening is equal to or less, and the engine drive region is set in a region other than the motor / generator drive region. In this motor / generator drive region, the
[0049]
Further, the driving force source switching map of FIG. 11 corresponds to two positions. In this driving force source switching map, the motor / generator is located in a region where the vehicle speed is V4 or lower and the predetermined accelerator opening is lower. A drive region is set, and an engine drive region is set in a region other than the motor / generator drive region. In this motor / generator drive region, the
[0050]
Furthermore, the driving force source switching map of FIG. 12 corresponds to the L position. In this driving force source switching map, the motor generator is located in a region where the vehicle speed is V2 or less and the accelerator is less than or equal to a predetermined accelerator opening. A drive region is set, and an engine drive region is set in a region other than the motor / generator drive region. In the motor / generator drive region and the engine drive region, the gear position of the
[0051]
Furthermore, the driving force source switching map of FIG. 13 corresponds to the R position. In this driving force source switching map, the motor speed is switched to a region where the vehicle speed is V2 or less and the accelerator opening is equal to or less. A generator drive area is set, and an engine drive area is set in an area other than the motor / generator drive area.
[0052]
As described above, in the shift maps of FIGS. 10 to 13, a predetermined gear ratio, for example, a region where the second speed is set (vehicle speed) is different for each shift position, and the high-speed gear stage is set. When there is no more (in other words, in proportion to the increase in the minimum speed ratio that can be set), the region where the second speed is set becomes wider. Specifically, the region in which the second speed is set is wider in the shift map of FIG. 11 than in the shift map of FIG. By setting in this way, the motor / generator drive region can be increased as much as possible, and noise and exhaust gas can be reduced.
[0053]
The
[0054]
In this way, the driving and stopping of the
[0055]
Although not shown in the maps of FIGS. 10 to 13, when the hybrid vehicle system is started, the
[0056]
Further, the control pattern of engagement / release of the
[0057]
Following step S1, it is determined whether or not the oil temperature T of the
[0058]
Therefore, the discharge amount of the
[0059]
Next, the hydraulic pressure of the
[0060]
Then, it is determined whether or not the
[0061]
On the other hand, if the determination in step S2 is affirmative, it is determined whether or not the oil temperature T is equal to or lower than a second predetermined value Temp2 (step S8). The second predetermined value Temp2 is stored in advance in the
[0062]
Here, the correspondence between the functional means shown in the flowchart of FIG. 1 and the configuration of the present invention will be described. That is, steps S4 to S7 correspond to the engagement order control means of the present invention, and steps S2, 3, 8, and 9 correspond to the oil pump control means of the present invention.
[0063]
As described above, according to the control example of FIG. 1, when the non-driving position is switched to the driving position, first, the engagement of the first clutch C1 or the second clutch C2 is started, and then the
[0064]
On the other hand, when the oil temperature T is higher than the first predetermined value Temp1, the flow rate required for engaging the first clutch C1 or the second clutch C2 and the
[0065]
Next, another control example of the hybrid vehicle having the above hardware configuration will be described with reference to the flowchart of FIG. The control example of FIG. 2 corresponds to claim 3 and is intended for when the vehicle starts. First, it is determined whether or not a non-driving position (N position or P position) is selected (step S11). If a negative determination is made in step S11, the process directly returns. If the determination in step S11 is affirmative, it is determined whether or not the oil temperature T of the
[0066]
If a negative determination is made in step S12, the control in steps S13 to S16 is performed and the process returns. Here, the content of step S13 is the same as the content of step S4, the content of step S14 is the same as that of step S5, the content of step S15 is the same as the content of step S6, and the content of step S16 is the same as step S7. Since this is the same, the description thereof is omitted.
[0067]
On the other hand, if the determination in step S12 is affirmative, it is estimated that the engine torque is low. This is because when the oil temperature T of the
[0068]
Therefore, if the determination in step S12 is affirmative, control for engaging the
[0069]
As described above, according to the control example of FIG. 15, when the oil temperature T is equal to or lower than the second predetermined value Temp2, the first clutch C1 or the second clutch C2 is engaged by switching from the non-drive position to the drive position. Even if the
[0070]
FIG. 16 shows an example of a time chart corresponding to the control example of FIG. First, before the time t1 when the switching from the N position to the D position is performed, the engine speed Ne is controlled to be constant and the first clutch C1 is released. Further, when the oil temperature T exceeds the second predetermined value Temp2, the
[0071]
When switching from the N position to the D position at time t1, the hydraulic pressure of the first clutch C1 is increased and the engagement is started. At time t2, the engagement of the first clutch C1 is terminated, and thereafter The hydraulic pressure of the first clutch C1 is controlled to be constant. If the
[0072]
After the time t3, the engine speed gradually decreases, and after the time t4, the engine speed is controlled to be constant, and the oil pressure of the
[0073]
In this embodiment, the friction clutch used for the
[0074]
Here, it will be as follows if the characteristic structure of this invention disclosed by said specific example is described. That is, a power source, a power transmission device that is disposed on the output side of the power source and has a friction engagement device that can be engaged and released, and an input provided between the power source and the power transmission device The power transmission device cannot transmit power by controlling engagement / release of the clutch, a fluid power transmission device provided between the input clutch and the transmission, and the friction engagement device. A shift device capable of switching from a non-driving position to a driving position in order to change from a normal state to a state in which power can be transmitted, and the oil for engaging the friction engagement device and the input clutch is the friction engagement member. In the drive device having a function of lubricating the combined device, when the oil temperature is equal to or lower than a predetermined value, the non-drive position is switched to the drive position. Wherein before engaging the frictional engagement device, a driving device which is characterized in that it comprises an engagement sequence selection means for engaging the input clutch.
[0075]
【The invention's effect】
As explained above, according to the invention of claim 1The vehicle is in the area where the engine is driven, andWhen the gear device is switched from the non-drive position to the drive position, the friction engagement device is engaged first, then the input clutch is engaged, and the rising characteristic of the engagement pressure of the input clutch is controlled. The That is, when the input clutch is engaged and the power source and the power transmission device are connected, the fluid power transmission device does not become inertia mass, and only the power source becomes inertia mass. Therefore, the inertia mass is reduced as much as possible, and the control is easily performed, so that the manual shift shock is suppressed.
[0076]
According to the invention of
[0077]
According to the invention of
Further, according to the invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart for explaining an example of control executed by a control device of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram schematically showing an example of a power train and a control system of a hybrid vehicle according to an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a skeleton diagram that embodies the power plant shown in FIG. 2;
4 is a chart showing engagement / release of clutches and brakes for setting each gear position of the automatic transmission of FIG. 3; FIG.
5 is a conceptual diagram showing a shift position selected by operating a shift lever that controls the automatic transmission shown in FIG. 2. FIG.
6 is a conceptual diagram showing a sport mode switch for setting / releasing a state in which the gear position of the automatic transmission shown in FIG. 2 can be changed by manual operation.
7 is a diagram showing an example of a switch provided on a steering wheel in order to downshift or upshift an automatic transmission when the sport mode switch shown in FIG. 6 is on. FIG.
FIG. 8 is a diagram showing a main part of a hydraulic circuit of the automatic transmission.
FIG. 9 is a diagram showing input / output signals in the overall control apparatus in one example of the present invention.
FIG. 10 is a map generally showing a control mode for controlling driving and stopping of the engine and motor / generator of the hybrid vehicle shown in FIG. 2 and a shift diagram for controlling a shift stage of the automatic transmission.
FIG. 11 is a map generally showing a control mode for controlling driving and stopping of the engine and motor / generator of the hybrid vehicle shown in FIG. 2 and a shift diagram for controlling a shift stage of the automatic transmission.
12 is a map that collectively shows a control mode for controlling driving and stopping of the engine and motor / generator of the hybrid vehicle shown in FIG. 2 and a shift diagram for controlling the shift stage of the automatic transmission. FIG.
13 is a map generally showing a control mode for controlling driving / stopping of the engine and motor / generator of the hybrid vehicle shown in FIG. 2 and a shift diagram for controlling a shift stage of the automatic transmission. FIG.
14 is a chart showing an engagement / release pattern of each clutch shown in FIG. 8. FIG.
FIG. 15 is a flowchart for explaining another control example executed by the control device of the present invention;
FIG. 16 is a time chart corresponding to the control example of FIG. 15;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記動力源がエンジンであり、前記入力クラッチから前記流体式動力伝達装置に至るトルク伝達経路に配置され、かつ、前記流体式動力伝達装置に伝達するトルクを出力する電動機が設けられており、
前記エンジンおよび電動機を有する車両の状態が前記エンジンを駆動させる領域にあり、かつ、前記非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた場合は、前記入力クラッチを解放から係合に制御する一方、前記車両の状態が、前記電動機を駆動させる領域にあり、かつ、前記非駆動ポジションから駆動ポジションに切り換えられた場合は、前記入力クラッチを解放された状態に維持する制御をおこなう手段と、
前記車両の状態が前記エンジンを駆動させる領域にあり、かつ、前記非駆動ポジションから前記駆動ポジションに切り換えられた場合は、前記摩擦係合装置を係合制御し、ついで前記入力クラッチを係合させる係合順序制御手段と
を備えていることを特徴とする駆動装置。A power source, a power transmission device that is disposed on the output side of the power source and has a friction engagement device that can be engaged / released, and an input clutch provided between the power source and the power transmission device; By controlling the engagement / release of the fluid power transmission device provided between the input clutch and the power transmission device and the friction engagement device, the power transmission device cannot transmit power. In a drive device having a shift device capable of switching from a non-drive position to a drive position in order to change from a state to a state where power can be transmitted ,
The power source is an engine, disposed in a torque transmission path from the input clutch to the fluid power transmission device, and provided with an electric motor that outputs torque to be transmitted to the fluid power transmission device;
When the vehicle having the engine and the electric motor is in a region where the engine is driven and is switched from the non-driving position to the driving position, the input clutch is controlled from disengagement to engagement, while the vehicle Is in a region where the electric motor is driven and is switched from the non-driving position to the driving position, means for performing control to maintain the input clutch in a released state;
In the area where the state of the vehicle is driving the engine, and, if it is switched from the previous SL non-driving position to the driving position, and engagement control of the frictional engagement device, then engage the input clutch an engagement sequencing hand stage Ru is
Drive device, characterized in that it comprises.
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