JP4074852B2 - プラスチック成形用内部離型剤及びそれを含有する組成物 - Google Patents

プラスチック成形用内部離型剤及びそれを含有する組成物 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂成形用内部離型剤、離型性熱可塑性樹脂組成物、離型性熱硬化性樹脂組成物及び離型性ゴム組成物に関し、さらに詳しくは特定のホウ酸ポリオキシアルキレンエステルを主成分とする樹脂成形用内部離型剤、並びにそれを含有する離型性熱可塑性樹脂組成物、離型性熱硬化性樹脂組成物及び離型性ゴム組成物に関する。
プラスチック、ゴムは、優れた成形性、生産性に優れ、価格も比較的に安価であり、軽量で各種性質において優れているので、自動車、オートバイ、スクーター、テレビ、ラジオ、オーディオ機器、洗濯機、炊飯器、パソコン、携帯電話、家庭用ゲーム機器、建材、事務用品、玩具、運動具、農業・水産用具等の部品や構造部材として、射出成形、ブローモールド成形、圧縮成形、トランスファー成形、回転成形、スラッシュ成形、流動浸浸塗装、静電塗装、或いは押出成形等により、所望の形状に成形されている。
これらの成形には、成型機と金型が使用され、これに伴い、金型から成形品を離型する場合に、種々の問題点が生じる。
ブラスチック、ゴムなどの成形に使用されている金型は、形状が複雑であり、かつ微細な凹凸部を持っている。このような金型を使用して作った成形品は、金型が複雑な形状なので剥がしにくく、金型表面に微細な凹凸部を持っているゆえにアンカーのごとく成形品が金型に食い込み、容易に金型から剥がすことができない状態になることもある。
これを避けるため、金型と成型品との界面に、活性を持たせる方法が従来から行われており、金型表面に塗布して使用する滑剤が、外部離型剤として広く使用されている。
金型を長時間使用すると、プラスチック、ゴムあるいはそれらに添加されている酸化防止剤、金属不活性化剤、造核剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、架橋剤、加硫剤、滑剤等の添加剤の残渣が蓄積することになるため、また、熱硬化性樹脂の成形の場合、樹脂中に含まれる離型剤や、低分子成分のガス化したものが金型表面に順次積層し、これらが酸化劣化して次第に硬く、しかも平滑でない異物層を形成するために、その結果、プラスチック、ゴム中に含まれる添加剤や低分子成分のガス化したものが金型表面に順次積層し、これらが酸化劣化して次第に硬く、しかも平滑でない異物層を形成し、金型の表面が汚れてきて、それが成型品の表面に転写され成型品の表面が汚染したり、成形品の肌荒れ現象による光沢不足が生じたり、寸法精度の要求される部品の寸法精度が損なわれたり、成型品の離型性が悪くなったりし、良好な成形が行えなくなる事態を生じている。特に凹凸を施したシボ加工の金型表面に、モールドデポジットが発生すると、凹凸の転写が著しく悪くなる。
このような金型表面の異物や残渣などを除去するために、金型を、所定期間使用した後に、洗浄するのが一般的に行われている。
そのため、成形加工メーカーでは、金型の分解掃除に金型を一々取り外さなくてはならず、時間や手間がかかり、能率やコストの面でのロスが大きく、特に複雑な構造のものや大型金型では、処理が大変であり、生産性の向上、コストダウンの大きな障害となっている。
この分解掃除の回数を減らし、成型品の離型性を良くするために、外部離型剤が使用されている。その外部離型剤として、非硬化型のジメチルポリシロキサン(シリコーン油)、パラフィンワックス、高級脂肪酸誘導体、金属石鹸、タルク、マイカ等や、硬化型のポリテトラフルオロエチレン等が知られている。
しかしながら、これら従来の外部離型剤には、次のような欠点が認められる。
非硬化型外部離型剤においては、金型の形状によっては成形物により押し流される外部離型剤が、金型内の特定の部分に滞留し、それが成形品に悪影響を及ぼす場合がある。また、非硬化型外部離型剤は、良好な離型性能を有するものの、外部離型剤が成形体表面に付着し、均一な塗装や接着処理を妨げることがあり、成形体の二次加工性が劣る場合がある。さらに、サイクルタイムの短縮化を達成する程の十分な離型効果を得るには、その添加量を多くせざるを得ず、その結果として、金型表面への外部離型剤の堆積およびその劣化による成形物表面の平滑性や光沢性に対する悪影響や、生成した成型物の引張、伸び、耐衝撃性等の機械的強度が低下する等の二次的弊害をもたらすことになる。
さらに、外部離型剤自体の熱分解も問題となっている。例えば、代表的な離型剤であるジメチルポリシロキサン油は、金型表面温度が150℃を超えると、徐々に熱分解し、200℃以上の高温では、急激に熱分解して粘着状のゲル状物を生成し、離型性能が低下するといった問題点がある。
また、耐熱性を改善するため、ジメチルポリシロキサン油にアミノ基やメルカプト基を導入したアミノ変性ジメチルポリシロキサン油や、メルカプト変性ジメチルポリシロキサン油等が提案されているが、高温で長時間使用するとアンモニアガスやメルカプタン等の異臭が発生したり、成形品などが着色するといった問題があった。
また、ジメチルポリシロキサン油自体は、水との相溶性がないため、界面活性剤を同時に加えてミセル状態を形成させ、水中で分散させる手法がとられている。
さらに、硬化型のポリテトラフルオロエチレンでは、離型効果の持続性や二次加工性は有しているが、型面に加熱して焼付けしなければならず、離型処理、再処理に手間がかかる。
また、外部離型剤は、コスト面、毒性、発火性、取扱性、処理性等の観点から、水系エマルジョンが好ましいので、非水溶性のシリコーン油、ワックス等に界面活性剤を加えてミセル状態を形成させ、水中に分散させている。
この界面活性剤は、成形物からブリードしてくる配合剤と反応し、金型表面上に強固な皮膜を形成し、この形状が成形物表面に転写され、表面形状が所定の形状でない不良品の成形物が生産されるという問題もある。
一方、硬化型外部離型剤では、離型作用を営む硬化膜が成形時の成形生地により少しずつ削られていくため、金型成形品離型剤としては、成形回数で約10〜20回位しか持たず、その都度外部離型剤を塗布しているのが現状である。
また、焼付型外部離型剤は、金型表面で硬化反応を起こさせるために、反応性官能基を有するものが硬化膜の形成成分として用いられている。
そのため、硬化後にもなお残存する官能基の影響で、離型膜の表面エネルギーが大きくなり、その結果成形品と離型膜との間の摩擦力が高くなり、離型膜が摩耗してしまい、離型膜の寿命は、約10〜20回程度の成形回数にとどまっている。
さらに、離型膜の寿命が短いために、外部離型剤の塗布を煩雑に行う必要があり、これに伴って不必要な離型硬化物が型表面に堆積し、これが成形物に悪影響を及ぼす場合があり問題となっている。
このように、従来の外部離型剤には、基本的な離型効果以外に、離型効果持続性、二次加工性や離型剤処理上の問題点を有している。
また、非硬化型のジメチルポリシロキサン(シリコーン油)、パラフィンワックス、高級脂肪酸誘導体、金属石鹸、タルク、マイカ等や、硬化型のポリテトラフルオロエチレン等の外部離型剤は、塗料をはじくため、これによって離型性を付与した成形品は、塗装前に溶剤による洗浄が必要とになる等の理由にから、生産性が非常に悪くなる。
外部離型剤は、金型に簡単に処理できるものの、上記したように種々の問題点があるので、成形品の原料となる樹脂に離型性を付与する滑剤を配合し、成形品が金型から容易に剥離できるようにする方法が開発され、一部では実施されている。
上記の成形品の原料となる樹脂に離型性を付与する滑剤は、内部離型剤と呼称されている。
内部離型剤を配合した樹脂組成物を用いれば、外部離型剤のように成形ショット毎に金型に塗布する手間が省け、成形時の金型から成形物を、安定的に容易に離型でき、成形後の成形物同士の粘着防止ができるという利点がある。
内部離型剤を用いた従来技術例としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル(ヒマシ油)にエチレンオキシドを付加した成分を内部離型剤として用いるポリウレタン系エラストマーの製造方法、変性オルガノポリシロキサンを主成分とする内部離型剤、脂肪酸モノアミドを内部離型剤として用いたフッ素ゴム組成物(例えば、特許文献1参照。)、ペルフルオロアルキル基含有エステル化合物からなる内部離型剤(例えば、特許文献2参照。)、リン酸モノエステル金属塩からなるプラスチックレンズ成形用内部離型剤(例えば、特許文献3参照。)、エチレン−プロピレン系共重合体を内部離型剤として含む含フッ素系共重合体組成物(例えば、特許文献4参照。)等がある。
しかしながら、これらの内部離型剤では、金型からの離型性が不十分であったり、成形品の塗装時に塗料をはじいたり、重合時において反応性を阻害したりする等の問題点があり、その解決が求められている。
特開平7−196879号公報(特許請求の範囲等) 特開平8−72069号公報(特許請求の範囲等) 特開平9−99441号公報(特許請求の範囲等) 特開平11−124482号公報(特許請求の範囲等)
本発明は、上記の事情に鑑み、プラスチック成形品を金型から容易に剥離することができ、成形品の塗装時に塗料をはじいたりすることがなく、プラスチックの重合時において反応性を阻害することがない樹脂成形用内部離型剤、該樹脂成形用内部離型剤を含有し上記の特徴を有する熱可塑性樹脂組成物、離型性熱硬化性樹脂組成物及び離型性ゴム組成物等の提供を課題とする。
本発明者は、上記の問題点に鑑み、数多くの化合物を探索し、これを各種の樹脂やゴムに配合し、離型性、塗装性及び重合性等を評価したところ、特定のホウ酸ポリオキシアルキレンエステルを主成分とする樹脂成形用内部離型剤を含有する離型性熱可塑性樹脂組成物、離型性熱硬化性樹脂組成物及び離型性ゴム組成物等が優れた結果を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記の一般式(1)で表されるホウ酸ポリオキシアルキレンエステルを含有することを特徴とする樹脂成形用内部離型剤が提供される。
Figure 0004074852
[式中、R、R及びRは、それぞれ水素基又は炭化水素基から選択される基であり、a、b、c、d、e及びfは、それぞれ0〜30の整数であり、かつ、a+b+c+d+e+f=6〜80を満足する。]
本発明の第2の発明によれば、第1の発明の樹脂成形用内部離型剤を、熱可塑性樹脂に配合することを特徴とする離型性熱可塑性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明の樹脂成形用内部離型剤を、熱硬化性樹脂に配合することを特徴とする離型性熱硬化性樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1の発明の樹脂成形用内部離型剤を、ゴムに配合することを特徴とする離型性ゴム組成物が提供される。
本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、さらに、アミノ基含有化合物を含有することを特徴とする樹脂成形用内部離型剤が提供される。
本発明の第6の発明によれば、第2の発明において、さらに、アミノ基含有化合物を含有することを特徴とする離型性熱可塑性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第3の発明において、さらに、アミノ基含有化合物を含有することを特徴とする離型性熱硬化性樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第4の発明において、さらに、アミノ基含有化合物を含有することを特徴とする離型性ゴム組成物が提供される。
本発明の樹脂成形用内部離型剤を含有することを特徴とする離型性熱可塑性樹脂組成物、離型性熱硬化性樹脂組成物及び離型性ゴム組成物等は、金型からの離型が容易であり、成形物の生産性に優れ、得られた成形品の表面に傷がつくことなく、成形品の塗装時に塗料をはじいたりすることがなく、良好な品質の成形品が得られる効果がある。
また、本発明の樹脂成形用内部離型剤は、プラスチックの重合時において反応性を阻害することがなく、良好な品質の成形品を得ることができる効果がある。
以下、本発明について、各項目毎に詳細に説明する。
1.ホウ酸ポリオキシアルキレンエステル
本発明において、ホウ酸ポリオキシアルキレンエステルとは、下記の一般式(1)で表される化合物であり、本発明の樹脂成形用内部離型剤の主成分となる。
Figure 0004074852
[式中、R、R及びRは、それぞれ水素基又は炭化水素基から選択される基であり、a、b、c、d、e及びfは、それぞれ0〜30の整数であり、かつ、a+b+c+d+e+f=6〜80を満足する。]
上記の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノナン基、デカン基、ドデカン基、ヘキサデカン基、オクタデカン基、ドコサン基、フェニル基、トリル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
一般式(1)で表わされるホウ酸ポリオキシアルキレンエステルの具体例としては、下記の化学式(2)〜(27)にて表わされる化合物などが挙げられる。
Figure 0004074852
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2.ホウ酸ポリオキシアルキレンエステルの製法
本発明で用いるホウ酸ポリオキシアルキレンエステルは、下記の方法で調製される。
下記の一般式(28)で表わされるポリオキシアルキレンのモノオール(モノエーテル)又はジオール類と、ホウ酸、若しくは低級アルコールのホウ酸エステルとを接触させてエステル化脱水、若しくはエステル交換反応を行なわせることにより、製造される。
ホウ酸、若しくは低級アルコールのホウ酸エステル1モルに対して、一般式(28)で表わされるポリオキシアルキレンのモノオール(モノエーテル)又はジオール類を3〜3.5モル反応させることが好ましく、3モル以下であると、一分子中にホウ素を2個又は3個含むホウ素化合物が副生する。
本発明では、副生物は、内部離型剤の効果を阻害しない限り含有していてもよい。
(OCHCH)a(OCHCHCH)bOR (28)
[式中、R及びRは、それぞれ水素基又は炭化水素基から選択された基であり、a及びbは、それぞれ0〜30の整数から選択された数である。]
上記炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノナン基、デカン基、ドデカン基、ヘキサデカン基、オクタデカン基、ドコサン基、フェニル基、トリル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
一般式(28)で表わされるポリオキシアルキレンのモノオール(モノエーテル)又はジオール類の具体例としては、下記の化合物などが挙げられる。
(i)モノオール(モノエーテル)類:
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノデシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、ジエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノデシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、トリエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノオクチルエーテル、テトラエチレングリコールモノデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノオクチルエーテル、ジプロピレングリコールモノデシルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキサデシルエーテル、ジプロピレングリコールモノオクタデシルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノオクチルエーテル、トリプロピレングリコールモノデシルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキサデシルエーテル、トリプロピレングリコールモノオクタデシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノオクチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノデシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノヘキサデシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノオクタデシルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレンテトラエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノオクチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノデシルエーテル、ポリプロピレングリコールモノヘキサデシルエーテル、ポリプロピレングリコールモノオクタデシルエーテル、
トリエチレングリコール−トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール−ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール−トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール−テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコール−ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコール−トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコール−テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサエチレングリコール−ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサエチレングリコール−トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサエチレングリコール−テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサエチレングリコール−ペンタプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサエチレングリコール−ヘキサプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタエチレングリコール−ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタエチレングリコール−トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタエチレングリコール−テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタエチレングリコール−ペンタプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタエチレングリコール−ヘキサプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタエチレングリコール−ヘプタプロピレングリコールモノメチルエーテル、オクタエチレングリコール−ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、オクタエチレングリコール−トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、オクタエチレングリコール−テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、オクタエチレングリコール−ペンタプロピレングリコールモノメチルエーテル、オクタエチレングリコール−ヘキサプロピレングリコールモノメチルエーテル、オクタエチレングリコール−ヘプタプロピレングリコールモノメチルエーテル、オクタエチレングリコール−オクタプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、
トリプロピレングリコール−トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコール−ジエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコール−トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコール−テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタプロピレングリコール−ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタプロピレングリコール−トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタプロピレングリコール−テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサプロピレングリコール−ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサプロピレングリコール−トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサプロピレングリコール−テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサプロピレングリコール−ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサプロピレングリコール−ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタプロピレングリコール−ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタプロピレングリコール−トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタプロピレングリコール−テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタプロピレングリコール−ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタプロピレングリコール−ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘプタプロピレングリコール−ヘプタエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタプロピレングリコール−ジエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタプロピレングリコール−トリエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタプロピレングリコール−テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタプロピレングリコール−ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタプロピレングリコール−ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタプロピレングリコール−ヘプタエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタプロピレングリコール−オクタエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラトリプロピレングリコール−トリエチレングリコールモノメチルエーテル。
(ii)ジオール類:
トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、デカエチレングリコール、トリデカエチレングリコール、ヘキサデカエチレングリコール、エイコサエチレングリコール、ペンタコサエチレングリコール、トリアコンタエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコール、ヘキサプロピレングリコール、ヘプタプロピレングリコール、オクタプロピレングリコール、デカプロピレングリコール、トリデカプロピレングリコール、ヘキサデカプロピレングリコール、エイコサプロピレングリコール、ペンタコサプロピレングリコール、トリアコンタプロピレングリコール、トリエチレングリコール−トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール−ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール−トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール−テトラプロピレングリコール、ペンタエチレングリコール−ジプロピレングリコール、ペンタエチレングリコール−トリプロピレングリコール、ペンタエチレングリコール−テトラプロピレングリコール、ヘキサエチレングリコール−ジプロピレングリコール、ヘキサエチレングリコール−トリプロピレングリコール、ヘキサエチレングリコール−テトラプロピレングリコール、ヘキサエチレングリコール−ペンタプロピレングリコール、ヘキサエチレングリコール−ヘキサプロピレングリコール、ヘプタエチレングリコール−ジプロピレングリコール、ヘプタエチレングリコール−トリプロピレングリコール、ヘプタエチレングリコール−テトラプロピレングリコール、ヘプタエチレングリコール−ペンタプロピレングリコール、ヘプタエチレングリコール−ヘキサプロピレングリコール、ヘプタエチレングリコール−ヘプタプロピレングリコール、オクタエチレングリコール−ジプロピレングリコール、オクタエチレングリコール−トリプロピレングリコール、オクタエチレングリコール−テトラプロピレングリコール、オクタエチレングリコール−ペンタプロピレングリコール、オクタエチレングリコール−ヘキサプロピレングリコール、オクタエチレングリコール−ヘプタプロピレングリコール、オクタエチレングリコール−オクタプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール。
また、溶媒は、使用しても、しなくてもよく、使用する場合は、反応を阻害しなく、副生成物の沸点以下のエーテル類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素又は脂環式炭化水素、非プロトン性極性溶媒、若しくはそれらのハロゲン基置換体が好ましい。
それらの例としては、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、無水酢酸、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられる。
さらに、触媒は、使用しても、しなくてもよく、使用する場合は、下記の縮合反応を促進させる触媒が好ましい。
縮合触媒としては、オクタン酸鉄、ナフテン酸鉄、オクタン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクタン酸マンガン、オクタン酸スズ、ナフテン酸スズ、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛のような有機酸金属塩;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジモノオレート、ジブチルスズジメトキシド、酸化ジブチルスズのような有機スズ化合物;テトラブチルチタネート、テトラブチルジルコネートのような金属アルコレート;ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、1,3−プロパンジオキシビス(エチルアセトナト)チタン、1,3−プロパンジオキシビス(エチルアセトアセタト)チタンのようなチタンキレート;アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などのアルミニウムキレート;ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミンなどのアミン類、ベンジルトリエチルアンモニウムアセテートなどの第四級アンモニウム塩;塩酸、硝酸、硫酸、リン酸のような無機酸;無水酢酸、氷酢酸、プロピオン酸、クエン酸、安息香酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸のような有機酸;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシランのようなクロロシラン;アンモニア水のような無機塩基;エチレンジアミン、トリエタノールアミンのような有機塩基;およびN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランのようなアミノアルキルシラン等が例示される。
上記のエステル化脱水若しくはエステル交換反応は、減圧もしくは常圧下で、50〜250℃、好ましくは100〜180℃で行うことが好ましい。また、必要に応じて、環流または攪拌をおこなってもよい。反応中は、反応平衡をホウ酸ポリオキシアルキレンエステル生成に有利な方向に進行させるため、副生成物の低級アルコールや水を除去することによって容易に進行させることができる。除去方法としては、共沸剤を使用して共沸蒸留する方法、蒸留塔を使用して回分精留または連続精留する方法がある。
本発明において、ホウ酸ポリオキシアルキレンエステルに溶媒を配合し、それの粘度を下げ、取扱性、スプレー噴射性、分散性、相溶性、溶解性、流動性等を改良してもよい。
上記溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルエーテル、エーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメチルエーテル、プロピレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、フルフラール、ジオキサン、メタンスルホン酸、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、無水酢酸、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられ、それらの1種又は2種以上から選択して用いる。
溶媒の配合量は、ホウ酸ポリオキシアルキレンエステル100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、最も好ましくは10〜30重量部である。
本発明に用いるホウ酸ポリオキシアルキレンエステルには、その用途において物性を改良するために、次項のアミノ基含有化合物、及び/又は溶媒以外の配合剤を配合してもよい。
その他の配合剤としては、安定剤、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、加工性改良剤、充填剤、分散剤、カップリング剤、銅害防止剤、発泡剤、核剤、気泡防止剤、着色剤、顔料、染料、カーボンブラック、水トリー防止剤、電圧安定剤、耐トラッキング剤、有機過酸化物、架橋促進剤、殺菌剤、防カビ剤、防錆剤等を挙げることができる。
3.アミノ基含有化合物
本発明において、アミノ基含有化合物は、ホウ酸ポリオキシアルキレンエステルに配合して使用すると、離型効果が更に改善され、水や水蒸気の存在下にて使用する場合、加水分解性を抑制する効果や防錆効果もある。
アミノ基含有化合物としては、アルキルアミン、シクロアルキルアミン、アミド、アルカノールアミン、シクロアルカノールアミン、ヘテロ環状アミン、ジアミン、ラクタム、環状イミド及びポリアミン等が挙げられ、それらの1種又は2種以上から選択して用いる。
アルキルアミンとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、N,N−ジ{ポリ(4)オキシエチル}ヘキサデシルアミン、ドデシルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ジ(オレオイルオキシエチル)ヒドロキシアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルアミン等が例示され、また、シクロアルキルアミンしては、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミン等が例示される。
アミドとしては、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ラノリン脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン脂肪酸ジエタノールアミド等が例示される。
アルカノールアミンとしては、エタノールアミン、ジエチルヒドロキシメチルアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、ジメチル2−ヒドロキシプロピルアミン、ブタノールアミン、メチルジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ヒドロキシメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ジベンジル2−ヒドロキシプロピルアミン、シクロヘキシルジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ラウリン酸モノエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン等が例示される。
シクロアルカノールアミンとしては、シクロヘキサノールアミン、メチルシクロヘキサノールアミン、エチルシクロヘキサノールアミン等が例示され、また、ヘテロ環状アミンとしては、ピリジン、ルチジン、3,4−キシリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン等が例示される。
ラクタムとしては、プロピオラクタム、N−メチルプロピオラクタム、N−エチルブチロラクタム、N−メチルバレロオラクタム、N−メチルカプロラクタム、フェニルカプロラクタム等が例示される。
環状イミドとしては、スクシンイミド、N−メチルスクシンイミド、N−エチルスクシンイミド、フェニルスクシンイミド、2−ウンデシルイミダゾリン等が例示される。
ジアミンとしては、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、テトラエチレンジアミン等が、ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等が例示される。
これらのアミノ基含有化合物のなかで、特に、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルヒドロキシメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチル2−ヒドロキシプロピルアミン、メチルジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ヒドロキシメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ジベンジル2−ヒドロキシプロピルアミン、シクロヘキシルジ(2−ヒドロキシエチル)アミン等の効果が顕著である。
アミノ基含有化合物の配合量は、ホウ酸ポリオキシアルキレンエステル100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、最も好ましくは10〜30重量部である。
4.樹脂成形用内部離型剤
本発明において、樹脂成形用内部離型剤とは、プラスチック成形品の原料となる樹脂に配合し、金型にて作られた成形品が、金型から容易に剥離できるようにする機能を有するものであり、その主成分は、ホウ酸ポリオキシアルキレンエステル、又は、それにアミノ基含有化合物、溶剤、その他の薬剤を配合したものである。
5.離型性熱可塑性樹脂組成物
本発明において、離型性熱可塑性樹脂組成物とは、本発明の樹脂成形用内部離型剤を熱可塑性樹脂に配合してなる樹脂組成物であり、この樹脂組成物を原料として作った成形物は、金型から容易に剥離することができる。
なお、本発明において、熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE、EVA、EEA、アイオノマー)、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、VLDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−アクリレート−スチレン共重合体共重合体、塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、アミノポリアクリルアミド、ポリアリレート、フッ素樹脂、ポリイミド(PI)、ポリアミノビスマレイミド(PABI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT)、ポリサルホン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート(PC)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルホルマール、変性PPE、変性ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルスルフォン(PESF)、ボエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリルスルホン(PAS)、ポリメチルペンテン(TPX)、液晶ポリマー、シリコーン樹脂等が例示される。
これらの樹脂は、単独または2種類以上のものを組み合わせて使用してもよい。また、離型性熱可塑性樹脂組成物は、上記の熱可塑性樹脂に、樹脂成形用内部離型剤を配合して作るのが一般的であるが、熱可塑性樹脂の原料である単量体又は中間体に樹脂成形用内部離型剤を配合した後、重合反応を行なわせ製造してもよい。
6.離型性熱硬化性樹脂組成物
本発明において、離型性熱硬化性樹脂組成物とは、本発明の樹脂成形用内部離型剤を熱硬化性樹脂に配合してなる樹脂組成物であり、この樹脂組成物を原料として作った成形物は、金型から容易に剥離することができる。
なお、本発明において、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ジアリルフタレート樹脂(DAP)、エポキシ樹脂(EP)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)等が例示される。
これらの樹脂は、単独または2種類以上のものを組み合わせて使用してもよい。また、離型性熱硬化性樹脂組成物は、上記の熱硬化性樹脂に、樹脂成形用内部離型剤を配合して作るのが一般的であるが、熱硬化性樹脂の原料である単量体又は中間体に樹脂成形用内部離型剤を配合した後、重合反応を行なわせ製造してもよい。
7.離型性ゴム組成物
本発明において、離型性ゴム組成物とは、本発明の樹脂成形用内部離型剤をゴムに配合してなる樹脂組成物であり、この樹脂組成物を原料として作った成形物は、金型から容易に剥離することができる。
なお、本発明において、ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素系ゴム等が例示される。
これらのゴムは、単独または2種類以上のものを組み合わせて使用してもよい。また、離型性ゴム組成物は、上記のゴムに、樹脂成形用内部離型剤を配合して作るのが一般的であるが、ゴムの原料である単量体又は中間体に樹脂成形用内部離型剤を配合した後、重合反応を行なわせ製造してもよい。
樹脂成形用内部離型剤の配合方法としては、樹脂又はゴムのペレット、粉末又はブロックに、樹脂成形用内部離型剤を、0.1〜10重量%含有されるような配合割合を選んで、そのままか若しくは溶液状態で混合させ、100〜300℃の温度で加熱混練する方法、或いは樹脂又はゴムのペレットや粉末に樹脂成形用内部離型剤を、0.1〜10重量%含有されるような配合割合を選んで、樹脂又はゴムのガラス転移点以上でソーキングさせる方法等がある。樹脂成形用内部離型剤の高濃度マスターバッチを作り樹脂又はゴムに配合してもよい。
なお、樹脂又はゴムと樹脂成形用内部離型剤との配合において、樹脂成形用内部離型剤の含有割合が0.I重量%未満であると、離型機能が殆ど発揮されず、一方、10重量%より多い場合には、均質なポリマーブレンド物ができ難いので共に好ましくない。
本発明において、樹脂又はゴムに樹脂成形用内部離型剤を配合した樹脂組成物又はゴム組成物を原料として成形品をつくる金型は、射出成形、ブローモールド成形、圧縮成形、トランスファー成形、回転成形、スラッシュ成形、流動浸浸塗装、静電塗装、或いは押出成形等において用いられる金型であり、自動車、オートバイ、スクーター、テレビ、ラジオ、オーディオ機器、洗濯機、炊飯器、パソコン、携帯電話、家庭用ゲーム機器、建材、事務用品、玩具、運動具、農業・水産用具等の部品や構造材を成形する際に使用する雄型と雌型からなる中空状の鉄鋼製、又はセラミック製の金型である。
以下に、先ず、ホウ酸ポリオキシアルキレンエステルの製造例について説明し、次いで、それを配合した離型性熱可塑性樹脂組成物、離型性熱硬化性樹脂組成物又は離型性ゴム組成物の製造例並びにその評価について、各実施例において説明する。これらの例において記載された「%」は重量%を意味し、「部」は重量部を意味する。
[合成例1]
・化学式(2)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステルの製造例:
窒素置換した7000mlのコンデンサー付きガラス製三口フラスコに、トリエチルボレート[B(OC]146g(1モル)、ジブチルスズジラウレート1.2g及びベンゼン500mlを入れた。
次いで、トリプロピレングリコール−トリエチレングリコールモノメチルエーテル996g(3モル)を投入しながら攪拌機で速やかに均一に混合した。
次いで、攪拌機で攪拌しながら95℃の温浴にて13時間加熱し、副生成物であるエタノールと、ベンゼンを単蒸留操作で留去させながら反応させ、さらに未反応物を除去し化学式(2)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステル994g(0.99モル)を得た。
[合成例2]
・化学式(5)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステルの製造例:
窒素置換した7000mlのコンデンサー付きガラス製三口フラスコに、トリエチルボレート[B(OC]146g(1モル)、ジブチルスズジラウレート1.2g及びベンゼン500mlを入れた。
次いで、トリプロピレングリコール−トリエチレングリコールモノメチルエーテル664g(2モル)と、トリプロピレングリコール−トリエチレングリコール318g(1モル)とを投入しながら攪拌機で速やかに均一に混合した。
次いで、攪拌機で攪拌しながら95℃の温浴にて13時間加熱し、副生成物であるエタノールと、ベンゼンを単蒸留操作で留去させながら反応させ、さらに未反応物を除去し化学式(5)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステル983g(0.99モル)を得た。
[合成例3]
・化学式(23)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステルの製造例:
窒素置換した7000mlのコンデンサー付きガラス製三口フラスコに、トリエチルボレート[B(OC]146g(1モル)、ジブチルスズジラウレート1.2g及びベンゼン500mlを入れた。
次いで、ペンタコサエチレングリコールモノメチルエーテル2264g(2モル)と、ヘキサデカアルコール242g(1モル)とを投入しながら攪拌機で速やかに均一に混合した。
次いで、攪拌機で攪拌しながら95℃の温浴にて13時間加熱し、副生成物であるエタノールと、ベンゼンを単蒸留操作で留去させながら反応させ、さらに未反応物を除去し化学式(23)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステル2478g(0.99モル)を得た。
[合成例4]
・化学式(19)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステルの製造例:
窒素置換した7000mlのコンデンサー付きガラス製三口フラスコに、トリエチルボレート[B(OC]146g(1モル)、ジブチルスズジラウレート1.2g及びベンゼン500mlを入れた。
次いで、ヘプタプロピレングリコール−ノナエチレングリコールモノメチルエーテル834g(1モル)、ウンデカプロピレングリコール−トリデカエチレングリコールモノメチルエーテル1242g(1モル)及びペンタデカエチレングリコール692g(1モル)とを投入しながら攪拌機で速やかに均一に混合した。
次いで、攪拌機で攪拌しながら95℃の温浴にて13時間加熱し、副生成物であるエタノールと、ベンゼンを単蒸留操作で留去させながら反応させ、さらに未反応物を除去し化学式(19)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステル2732g(0.99モル)を得た。
[合成例5]
・化学式(12)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステルの製造例:
窒素置換した7000mlのコンデンサー付きガラス製三口フラスコに、トリエチルボレート[B(OC]146g(1モル)、ジブチルスズジラウレート1.2g及びベンゼン500mlを入れた。
次いで、エイコサエチレングリコール1796g(2モル)及びエイコサエチレングリコールモノメチルエーテル911g(1モル)とを投入しながら攪拌機で速やかに均一に混合した。
次いで、攪拌機で攪拌しながら95℃の温浴にて13時間加熱し、副生成物であるエタノールと、ベンゼンを単蒸留操作で留去させながら反応させ、さらに未反応物を除去し化学式(19)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステル2672g(0.99モル)を得た。
[実施例1]
・離型性熱可塑性樹脂組成物(1)の製造及び金型離型性の評価
高圧法低密度ポリエチレン(但し、日本ユニカー株式会社製、メルトマスフローレート1.2g/10min、密度0.923g/cm)99.0重量部及び内部離型剤[合成例1で調製した化学式(2)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステル0.2重量部]を仕込み、連続混練押出機(但し、K.C.K社製 KCK80×2−35VEX型)を使用して、シリンダー温度190℃にて、本発明の離型性熱可塑性樹脂組成物(1)を製造した。
これを、縦100mm、横150mm、厚さ2mmのシート成形用の金型で、170℃で20分間、100kg/cmの圧力下でプレスし、その際の金型離型性を評価した。脱型時のシートと金型との平均粘着力をバネはかりで測定したところ、約75グラムであり、金型離型性は良好であった。得られた成形品の表面に傷がつくことなく、成形品の塗装時に塗料をはじいたりすることがなく、良好な品質の成形品が得られた。
[比較例1]
実施例1において、内部離型剤(ホウ酸ポリオキシアルキレンエステル)を使用しない以外は、実施例1と同様な実験をおこなった。これを、たて100mm、横150mm、厚さ2mmのシート成形用の金型で、170℃で20分プレスし、その際の金型離型性を評価した。脱型時のシートと金型との平均粘着力をバネはかりで測定したところ、約635グラムであり、金型離型性は不十分であった。また得られた成形品の表面にうすい傷がついており、成形品の塗装時に塗料をはじき、良好な品質の成形品が得られなかった。
[実施例2]
・離型性ゴム組成物(2)の製造及び金型離型性の評価
アクリルゴム(日本オイルシール工業製品ノックスタイトPA−502)100重量部、カーボンブラック(三菱化成製品ダイヤブラックH)55重量部、加硫剤1(日本オイルシール工業製品CL−E−3)1.2重量部、加硫剤2(日本オイルシール工業製品CL−E−4)0.4重量部、加硫促進剤1(日本オイルシール工業製品AC−M−2)0.4重量部、加硫促進剤2(川口化学製品アクセルD)3重量部及び内部離型剤0.4重量部(合成例2で調製した化学式(5)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステル0.2重量部、及びポリエチレングリコール(9)付加ジラウリルアミン0.2重量部)を仕込み、二本ロールを用いて混練し、次いで、180℃、10分間のプレス一次加硫及び150℃、15時間のオーブン二次加硫によって、シート状の加硫成形品(150x100x2mm)に成形し、金型で、170℃で20分間、100kg/cmの圧力下でプレスし、その際の金型離型性を評価した。脱型時のシートと金型との平均粘着力をバネはかりで測定したところ、約43グラムであり、金型離型性は良好であった。得られた成形品の表面に傷がつくことなく、成形品の塗装時に塗料をはじいたりすることがなく、良好な品質の成形品が得られた。
[比較例2]
実施例2において、内部離型剤(ホウ酸ポリオキシアルキレンエステル及びポリエチレングリコール(9)付加ジラウリルアミン)を使用しない以外は、実施例2と同様な実験をおこなった。これを、たて100mm、横150mm、厚さ2mmのシート成形用の金型で、金型で、170℃で20分間、100kg/cmの圧力下でプレスし、その際の金型離型性を評価した。脱型時のシートと金型との平均粘着力をバネはかりで測定したところ、約537グラムであり、金型離型性は不十分であった。また得られた成形品の表面にうすい傷がついており、成形品の塗装時に塗料をはじき、良好な品質の成形品が得られなかった。
[実施例3]
・離型性熱硬化性樹脂組成物(3)の製造及び金型離型性の評価
ポリウレタンの原料として以下の成分を用いた。
成分A:
・カルボキシイミド変性MDI 100部(ミリオネートMTL:NCO含有量29.0%、日本ポリウレタン株式会社製)
成分B:
・ポリプロピレングリコール 85部(エクセノール845:水酸基価28、旭オーリン株式会社製)
・エチレングリコール 15部(日本触媒化学工業株式会社製)
・アミン系触媒 0.2部(DABCO331 LV:三共エアープロダクト株式会社製)
・ジブチル錫ジラウレート 0.05部(堺化学工業株式会社製)
・内部離型剤:合成例4にて調製した化学式(5)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステルo.3重量部、及びポリエチレングリコール(18)付加ステアリルアミン0.3重量部
上記の原料を用いて下記の方法で射出成形を行なった。
高圧発泡機(ポリウレタンエンジニアリング株式会社製)のタンクに、上記成分B(ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、内部離型剤、アミン系触媒およびジブチル錫ラウレート)を、一方のタンクに成分A(イソシアネート)を仕込んだ。70℃に保った金型(400×250×3mm)中へ、成分BおよびAを混合注入(吐出圧力=150kg/cm、吐出量=260g/sec)した。1分後に金型をはずし、その際の離型性を観察した。また、内部離型剤は、プラスチックの重合時において反応性を阻害することがなく、良好な品質の成形品が得られた。
[離型性試験]
金型には、最初にワックス系外部離型剤B−263D(中京油脂株式会社製)を2g/m塗布するのみで、その後の追加塗布は行わなかった。同じ金型で連続して同種のウレタン樹脂の成形を行い、連続何回まで離型可能であるかを調べたところ、限界離型回数は、36回であり金型離型性は十分であった。得られた成形品の表面に傷がつくことなく、成形品の塗装時に塗料をはじいたりすることがなく、良好な品質の成形品が得られた。
[比較例3]
実施例3において、内部離型剤[ホウ酸ポリオキシアルキレンエステル及びポリエチレングリコール(18)付加ステアリルアミン]を使用しない以外は、実施例3と同様な実験をおこなった。
同じ金型で連続して同種のウレタン樹脂の成形を行い、連続何回まで離型可能であるかを調べたところ、限界離型回数は、13回であり金型離型性は良好であった。
これを、縦100mm、横150mm、厚さ2mmのシート成形用の金型で、170℃で20分間、100kg/cmの圧力下でプレスし、その際の金型離型性を評価した。脱型時のシートと金型との平均粘着力をバネはかりで測定したところ、約537グラムであり、金型離型性は不十分であった。また、得られた成形品の表面にうすい傷がついており、成形品の塗装時に塗料をはじき、良好な品質の成形品が得られなかった。
[実施例4]
・離型性ゴム組成物(4)の製造及び金型離型性の評価
シリコーンゴム(東芝シリコーン製品TSE220−7u)100重量部、褐色顔料(レジノカラー製品レジノブラエンK100)2重量部、有機過酸化物(信越化学製品C−8;パーヘキサ25B−40)2重量部及び内部離型剤2.0重量部[合成例4にて調製した化学式(19)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステル1.0重量部、及びポリエチレングリコール(15)付加ジラウリルアミン1.0重量部]を、ニーダーを用いて混練し、得られた組成物について、180℃、4分間の一次加硫及び200℃、5時間の二次加硫を行い、3.1mm径のOリングを得たが、金型から加硫成形物であるOリングを手で容易に離型することができた。得られた成形品の表面に傷がつくことなく、成形品の塗装時に塗料をはじいたりすることがなく、良好な品質の成形品が得られた。
[比較例4]
実施例4において、内部離型剤[ホウ酸ポリオキシアルキレンエステル及びポリエチレングリコール(9)付加ジラウリルアミン]を使用しない以外は、実施例4と同様な実験をおこなった。
3.1mm径のOリングを得たが、金型から加硫成形物であるOリングを手で容易に離型することができなく、また、得られたOリングは、金型から圧縮空気をかけないと離型することができなく、金型離型性は不十分であった。さらに、得られた成形品の表面にうすい傷がついており、成形品の塗装時に塗料をはじき、良好な品質の成形品が得られなかった。
[実施例5]
・離型性熱可塑性樹脂組成物(5)の製造及び金型離型性の評価
変性ポリアミド(但し、三井化学株式会社製、登録商標アーレンPA46)99.0重量部及び内部離型剤0.6重量部[合成例5で調製した化学式(5)のホウ酸ポリオキシアルキレンエステル0.3重量部及びミリスチン酸ジエタノールアミド0.3重量部]を仕込み、連続混練押出機(但し、K.C.K社製 KCK80×2−35VEX型)を使用して、シリンダー温度350℃にて、本発明の離型性熱可塑性樹脂組成物(5)を製造した。
これを、縦100mm、横150mm、厚さ2mmのシート成形用の金型で、350℃で20分間、100kg/cmの圧力下でプレスし、その際の金型離型性を測定した。脱型時のシートと金型との平均粘着力をバネはかりで測定したところ、約87グラムであり、金型離型性は良好であった。得られた成形品の表面に傷がつくことなく、成形品の塗装時に塗料をはじいたりすることがなく、良好な品質の成形品が得られた。
[比較例5]
実施例5において、内部離型剤(ホウ酸ポリオキシアルキレンエステル及びミリスチン酸ジエタノールアミド)を使用しない以外は、実施例1と同様な実験をおこなった。これを、縦100mm、横150mm、厚さ2mmのシート成形用の金型で、350℃で20分プレスし、その際の金型離型性を測定した。脱型時のシートと金型との平均粘着力をバネはかりで測定したところ、約753グラムであり、金型離型性は不十分であった。また、得られた成形品の表面にうすい傷がついており、成形品の塗装時に塗料をはじき、良好な品質の成形品が得られなかった。

Claims (8)

  1. 下記の一般式(1)で表されるホウ酸ポリオキシアルキレンエステルを含有することを特徴とする樹脂成形用内部離型剤。
    Figure 0004074852
    [式中、R、R及びRは、それぞれ水素基又は炭化水素基から選択される基であり、a、b、c、d、e及びfは、それぞれ0〜30の整数であり、かつ、a+b+c+d+e+f=6〜80を満足する。]
  2. 請求項1に記載の樹脂成形用内部離型剤を、熱可塑性樹脂に配合することを特徴とする離型性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 請求項1に記載の樹脂成形用内部離型剤を、熱硬化性樹脂に配合することを特徴とする離型性熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載の樹脂成形用内部離型剤を、ゴムに配合することを特徴とする離型性ゴム組成物。
  5. さらに、アミノ基含有化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形用内部離型剤。
  6. さらに、アミノ基含有化合物を含有することを特徴とする請求項2に記載の離型性熱可塑性樹脂組成物。
  7. さらに、アミノ基含有化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載の離型性熱硬化性樹脂組成物。
  8. さらに、アミノ基含有化合物を含有することを特徴とする請求項4に記載の離型性ゴム組成物。
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