JP4073250B2 - バックライトユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は例えば液晶パネルを背面より照射するバックライトに関し、特に色度補正機能を備えたバックライトに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ブック型のワードプロセッサやコンピュータ、又は携帯電話機、携帯TVのような小型、薄型の情報機器の表示装置として、薄型でしかも見易い照明機構を有する液晶表示装置が用いられている。このような液晶表示用の照明機構としてバックライトユニットが従来より知られている。ここで液晶表示用バックライトユニットとは、液晶パネルを背後から全面にわたり照射する面状の光源であり、蛍光ランプ、LED(発光ダイオード)等よりなる発光源と、その発光源の光束を液晶パネルに照射する面状の光束に変換する導光板等の光路変換手段を備えている。この中で、特に近年は、更なる小型、薄型化と長寿命化を目的として発光源としてLEDを用いたものが多く使用されるようになってきている。
【0003】
かかる面状光源により白色の照明光を出射させ、パネル等に対し白色の照明をしようとするときは、発光源として白色の蛍光ランプを用いるか、LEDの場合にはR,G,Bの3種類のLEDを同時点灯、又は時分割点灯して白色光を合成することが一般的であった。更に最近は、LEDの場合、単独で白色に近い光を発光する白色LEDが開発され、利用できるようになってきた。このような白色LEDを用いることにより、小型で簡単な構成で白色照明を目的とする液晶表示用バックライトを形成することが可能となった。図15はこのようなうなLEDの発光源を持ち、カラー液晶パネルの白色照明を目的とした従来の液晶表示用バックライトユニットの一例の主要部を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【0004】
図15において、110はバックライトユニットであり、導光板101と発光源としてLED102を有している。導光板101は無色透明なプラスチック材等の透光部材よりなる板状で略直方体形状をしており、その一方の主面を光出射面101aとし、該光出射面101aと対向する面には、発光源からの光を前記光出射面101aに向けて反射させるための手段として、その表面に複数の微小なシボ又は複数個の半球状ドット等を有する光拡散面101bが形成されている。LED102はLED基板103に支持されて導光板101の入光側面101cに対向する位置に配設され、図示しない駆動回路より所定の電流が供給されて、後述するような白色を目的とした光を発光、出射する。
【0005】
図16(a)は白色発光を目的とするLED102の内部構造を示す図である。図16(b)はLED102の発光部の詳細を示す図である。図において、102aは青色を発光する発光ダイオード素子、102bは発光ダイオード素子102aを保持する端子A、102cは他方の端子B、である。発光ダイオード素子102aのn電極102anおよびp電極102apはそれぞれボンデイングワイヤー102dにより、端子A(102b)及び端子B(102c)に接続されている。端子A(102b)の凹部内には発光ダイオード素子102aを被うようにしてYAG蛍光体yを混入、分散した樹脂層よりなる蛍光体層102fが充填されている。102gは透光性を有する封止部材であり、端子A(102b)及び端子B(102c)の突出部を除き上記の部材全体を封止し、保護する。このようなLED102において、発光ダイオード素子102aが青色発光をすると、その青色発光の一部がYAG蛍光体yに吸収されて黄緑色の励起光を発する。これにより、蛍光体層102fの上面からは、蛍光体層102fを透過した青色光とYAG蛍光体yで励起された励起光(蛍光)である黄緑色の光が混ざり合って出射し、封止部材102fを透過してLED102の外部に出射する。かかるLED102の発光の色度は、青色と黄緑色の光の強度の比率により変化するが、これらの比率を適切に設定すれば、理論的には真の白色又はその近傍において、所望の色度を得ることができる。(しかし、実際には、不可避な製造条件のバラツキにより、発光ダイオード素子102aの青色発光の強度が変動し、YAG蛍光体yの濃度(又は成分)のバラツキにより黄緑色の励起光の強度はかなり変動するので、これらの加法混色によるLED102の発光の色度を所望の範囲に入れることは容易ではない。)
【0006】
図15に示すように、LED102からの出射光は導光板101に入り、大部分の光は上面である光出射面101aで全反射、下面である光拡散面101bでは全反射又は乱反射を1回又は複数回行った後に上面である光出射面101aより照明光105として外部に出射する。外部に出射した照明光105は(b)に示すように図示しないカラーフィルタを有する透過型もしくは半透過型の液晶パネル(又は液晶表示板)107を背後から照明する。なお、前記照明する面内の輝度の均一性を確保するために上記下面101b内のシボの粗さを調整したり、半球状ドットの形状、密度を場所により変えたりする。
【0007】
次に図17は白色を目的としたLEDの発光源を持ち、液晶パネルのカラー表示用の白色照明を目的とした従来の液晶表示用バックライトユニットの他の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。図17において、120はバックライトユニットであり、102は白色発光ダイオード(又は白色LED)、101は導光板、103は拡散板、104はPyプリズムシート、105はPxプリズムシート、106は反射板、107はカラー表示用の透過型もしくは半透過型の液晶表示板であり、図示しないカラーフィルタを有している。白色発光ダイオード102はLED基板102bに保持されて導光板101の側面101cに対向する位置に配置され、導光板101の上方には拡散板103、Pyプリズムシート104、Pxプリズムシート105が順次重ねて配置される。反射シート106は導光板101の下面101bに対向、近接して配置される。白色発光ダイオード102の発光は導光板101の側面101cから入射し、導光板101の上面101aと下面101bの間で反射を繰り返しながらその内部を伝播し、その間に平滑な上面101aから(上方に)出射する。下面101bは細かな凹凸を有する乱反射面となっており、光を種々の方向に拡散できるようになっている。反射板106は乱反射面である下面101bから外部に出ようとする光を反射させて内部に戻し、光の利用効率を上げる作用をなす。
【0008】
導光板101の上面101aからの出射光は拡散板103に達し、ここで光の方向が中程度の範囲に絞りこまれる。更に、Pyプリズムシート104によりy方向の角度が絞りこまれ、Pxプリズムシート105によりx方向の角度が絞りこまれ、最終的には出射光を略z方向に揃える。このz方向に揃った光線が液晶表示板107に入射することにより液晶を透過する光の状態を理想的なものとし、鮮明でSNの高い表示を可能とする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして、図15、図17にそれぞれに示して説明した小型・薄型のバックライトユニット110及び120により、共にカラーLCD用白色照明を目的とした液晶パネルの照明がなされる。しかしながら、上記のバックライトユニット110、120等の従来の液晶表示用の照明手段においては、以下に述べるような問題点がある。即ち、上記のような透過型もしくは半透過型の液晶パネルは、カラー表示のために、その内部に図示しないカラーフィルタを有しているが、カラーフィルタの特性が各メーカーごとに異なっている。一方、液晶パネルの表示する画像の色度はカラーフィルターの特性(透過率の波長特性)と照明光の色度即ち発光源である白色LED(102)の色度に依存して定まる。例えば、R、G、Bの各カラーフィルタの特性のバランスが完全にとれている場合には、白色LEDの色度が完全に白色であれば、カラー信号が白色のときは、液晶パネルの表示色は白色となる。
【0010】
しかし、R、G、Bの各カラーフィルタの特性の透過バランスがR,Gは透過率の高い方向に傾いているときは、白色LEDの色度が完全に白色であっても、液晶パネルの表示色は黄緑がかった色となり、所望の白色の表示色は得られない。この場合、所望の白色の表示色を得るには、白色LEDの色度を完全な白色とせず、R、G、よりもBが勝った青みがかった白色すなわち、カラーフィルタと補色関係にある色度とすることが必要である。このことは、白色を表示する場合に限らず、カラー信号により指定された種々の色度の色を忠実に表示しようとする場合にも成立つことである。よって、液晶パネルのメーカーはカラーフィルタの特性のバラツキにあわせて、この特性を補償できる色度の白色LEDを色度のランクを指定してランク別に要求するようになってきた。
【0011】
図19は前記白色LED102の発光の色度を示すCIE色度図である。ここで、xはRの割合を、yはGの割合を示す。そして、図には示していないが、zをBの割合としたとき、常に
x+y+z=1
の関係があるとしている。ここで、c0はR,G,Bの成分比が1:1;1である白色の点を示し、この場合,座標は略x=0.33,y=0.33,(z=0.33)となっている。ここで、b1は指定されたランクb1の色度の範囲を示し、b2は指定されたランクb2の色度の範囲を示す。ところが、かかる指定された領域b1、b2内に色度を入れることを目的にLEDを製造しても実際の製品の色度はすでに説明したような製造上の不可避な理由により、ばらつき、上記ランクb1、b2を大きくはみ出でた領域S内にばらついてしまう。図19において、c12およびc13は上記ランクb1、b2から外れた白色LEDの色度を示す。
【0012】
ここで、図18は前記のc12、c13、c0の色度に対応する発光のスペクトル示す図である。ここで、H12、H13、H0はそれぞれ、前記色度点c12、c13、c0に対応するスペクトルを示す。これらの、スペクトル図において、横軸は波長を示し、625nmの前後がRの領域、560nm前後がGの領域、450nmの近傍がBの領域である。縦軸はスペクトルの相対強度を示す。
図18(a)に示すスペクトルH12は、R、G、Bの比率が0.28:0.25:0.47となり、かなりBの成分が他の成分よりかなり大となっている。(参考までにスペクトルH0の場合はR、G、Bの比率が0.33:0.33:0.33となっている。)スペクトルH12は白色LED102を構成する青色発光ダイオード素子の輝度に対してYAG蛍光体の濃度が少な過ぎる場合に対応し図19の色度図の領域b1、b2よりも更に青みがかった色度となる。図18(b)に示すスペクトルH13は、R、G、Bの比率が0.37:0.33:0.3となりR、Gの成分がBの成分より大となっている。この場合は、前記の発光ダイオード素子の輝度とのバランスでYAG蛍光体の濃度が大きすぎる場合に対応し、領域b1、b2よりも黄緑がかった色度となる。このように、白色LED102を製造する際にその構成要素の不可避なバラツキにより、その発光の色度が指定されたランク(b1、b2)に入らない場合を生ずる。
【0013】
白色LEDの発光の色度が指定されたランクのいずれにも入らない場合は、その白色LEDは無駄となってしまう。又、発光の色度が指定されたランク(b1、b2)に入るものについても、ランクb1に入る白色LEDとランクb2に入る白色LEDの個数の比率がマッチングする液晶パネルの個数の比率と一致しない場合は、結果的に無駄を生ずる。例えば、ランクb1の白色LEDを必要とする液晶パネルが50個、ランクb2の白色LEDを必要とする液晶パネルが50個あるとき、200個の白色LEDの中にランクb1に入るものが50個、ランクb2に入るものが100個、ランクb1にも、ランクb2にも入らないものが50個あったとすると、無駄になるのはランク外の50個だけではなく、ランクb2に入るものの内50個はあまってしまって使われないので、結果的に無駄となる。この場合、実際に使用できる白色LED100個を得るために白色LEDを200個入手する必要があり、結果的に100個が無駄となる。このように、カラー表示を目的とした液晶パネルの照明手段であるバックライト又はフロントライトの照明光の色度は従来は白色LEDの色度そのものであるため、液晶パネルのカラーフィルタの特性にマッチするようにユーザーから指定された色度のランクを狙って白色LEDを生産したとしても、ランクからは外れて、バックライト又はフロントライトに使用できないものが多数生じ、不良品又は在庫が増える結果となる。更に最近はユーザーの指定する色度のランクは細かく要求されるので、指定の色度に入れることがますます困難な状態となってきている。
【0014】
そこで本発明は、カラー表示用の液晶パネルに用いられる照明手段であるバックライトユニットにおいて、所望の色度ランク入らない白色LEDの色度を補正して照明光の色度を所望の色度ランクに入れるように改善することを目的とする。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規の特徴は本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためにその第1の手段としての本発明は、白色発光ダイオードと、前記白色発光ダイオードから出射された光を入射面から入射して出射面から出射させる導光板とを備えたカラーフィルタを有する液晶表示板に用いられるバックライトユニットであって、前記導光板と前記液晶表示板の間には、プリズム面が前記液晶表示板側を向いた互いに直交する2枚のプリズムシートが設けられ、前記液晶表示板側の前記プリズムシートの上下面に、互いに屈折率の異なる膜を交互に積層して形成された複数の膜よりなる干渉フィルタを構成した光学薄膜が形成されて、前記白色発光ダイオードの出射光の色補正を行って、前記出射光を前記カラーフィルタの透過率波長特性と補色関係にある色度とし、前記カラーフィルタの前記特性にマッチした色度にすることを特徴とする。
【0018】
上記の課題を解決するためにその第2の手段としての本発明は、前記第1の手段において、前記光学薄膜は、真空蒸着もしくはスパッタによって形成されていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図面に基づいて本発明の第1実施形態につき図面を用いて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る色度補正機能を有するバックライトユニット10の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。(c)は(b)に示すC部の拡大図である。図1において、1は白色発光ダイオード(又は白色LED)、2は導光板、3は拡散板、8は拡散板3の下面3bに形成された光学薄膜である。前記光学薄膜8は、図1(c)に示すように、光の波長程度の厚さで互いに屈折率の異なる光学薄膜層8bと8cを交互に積層して形成され、干渉フィルタを構成している。4はPyプリズムシート、5はPxプリズムシート、6は反射板、7はカラー表示用の透過型もしくは半透過型の液晶表示板であり、図示しないカラーフィルタを有している。白色発光ダイオード1は保持基板1bに保持されて導光板2の側面2cに対向する位置に配置され、導光板1の上方には拡散板3、Pyプリズムシート4、Pxプリズムシート5が順次重ねて配置される。反射板(又は反射シート)6は導光板2の下面2bに対向、近接して配置される。白色発光ダイオード1の発光は導光板2の入光側面2cから入射し、導光板2の上面2aと下面2bの間で反射を繰り返しながらその内部を伝播し、その間に平滑な上面2aから上方に出射する。下面2bは細かな凹凸を有する乱反射面となっており、光を種々の方向に拡散できるようになっている。反射板6は乱反射面である下面2bから外部に出ようとする光を反射させて内部に戻し、光の利用効率を上げる作用をなす。
【0020】
ここで、導光板2の上面2aからの出射光は拡散板3の下面3bに形成された光学薄膜8を通って拡散板3に入射し、ここで光の方向が中程度の範囲に絞りこまれ、拡散板3上面3aから出射する。出射した光はPyプリズムシート4に入射するが、Pyプリズムシート4によりy方向の角度さらに絞りこまれ、次にPxプリズムシート5によりx方向の角度が絞りこまれ、最終的には出射光を略z方向に揃える。このz方向に揃った光線が液晶表示板7に入射することにより液晶を透過する光の状態を理想的なものとし、鮮明でSNの高い表示を可能とする。
【0021】
本第1実施形態の特徴とするところは、すでに述べたように、拡散板3の下面3bに光学薄膜が形成されているところであり、この光学薄膜8の存在により白色発光ダイオード1からの光の色度補正がなされる。以下にこの色度補正の原理につき説明する。図2は干渉フィルタの原理を示す図である。図において、12は透明基板、8は1層の光学薄膜よりなる干渉フィルタである。透明基板12および光学薄膜8の屈折率をそれぞれn1、nとし、n1=1.5、n=1.4、空気の屈折率を1.0とする。光学薄膜の厚みをdとする。図2(a)に示すように、空気中から光学薄膜8に入射する入射光sの一部は反射され反射光s1となり、残りは透過し透過光s2となる。反射光s1についてみると、空気と薄膜8の境界で反射される光s1fと薄膜8と透明基板12との境界で反射される光s1gとが合成されてなり、どちらの境界においても、光の方向に対し屈折率が増加する界面であるので、それぞれに位相がπだけずれるので、反射光s1fと反射光s2gの位相差は、反射による影響はなく、実効的光路差2ndによる位相のズレだけを考慮すればよい。
【0022】
ここで、図3は光の波形を示す図である。光の波動は一般に、図3(a)の点線の波形のように
y=Asin2π((t/T)−(x/λ))・・・・(1)
で表される。ここで、xは光の進行方向の座標、λは光の空気中の波長、tは時間、Tは周期、Aは振幅である。(ここで、(1)式で示される点線の波形は、実線で示される
y=−Asin2π(x/λ) の波形が時間tの経過により進行した状態を示す。)
ここで、光の位相φは
φ=2π((t/T)−(x/λ))・・・・(2)
であり、この位相φにより、光の瞬間的な強さyが決まる。すなわち(1)式は
y=Asinφ ・・・・(3)
となる。(2)式に示すφのうち2π(t/T)は時間に依存する成分であり、2π(x/λ)は原点からの進行距離xすなわち光路長に依存する成分である。
【0023】
今、図2に示す反射光s1fとs1gの波形y1、y2をそれぞれの位相φ1、φ2を用いて(3)式により表すと、
y1=A1sinφ1 y2=A2sinφ2
となる。ここで、y2はy1に対し光路差の分だけ位相がずれるので、その位相差をΔφとすれば、図3(b)に示すように
y1=A1sinφ1 y2=A2sinφ2=A2sin(φ1−Δφ) ・・・・(4)
となる。ここで(2)式を用いてφ1、φ2を表せば
φ1=2π((t/T)−(x/λ))
φ2=2π((t/T)−(x/λ)−(2nd/λ))
となり、反射光s1fと反射光s1gの位相差Δφは
Δφ=φ1―φ2=2π(2nd/λ)・・・・(5)
となり、これは実質的光路差2ndによる分である。ここで、図3(c)に示すように、2nd=λ/2 であるときは(5)式より、位相差Δφは Δφ=πとなり、反射光s1fとs1gは逆位相となる。この場合は図2(b)に対応し、合成された反射光s1は最小となり、逆に透過光s2は最大となる。一方、図3(d)に示すように、 2nd=λ であるときは(5)式より、位相差Δφは Δφ=2π となり、反射光s1fとs1g同位相となる。この場合は図2(c)に対応し、合成された反射光s1は最大となり、逆に透過光s2は最小となる。
【0024】
ここで、ここで、合成された反射光 y=y1+y2 とΔφの一般的な関係を求めるために、 A1=A2 と仮定して(4)を用いると、
y=y1+y2=A(sinφ1+sin(φ1−Δφ))
=2Asin((2φ1−Δφ)/2)・cos(Δφ/2)・・・・(6)
(6)式については、下記の公式を利用した。
sinA+sinB=2sin((A+B)/2)・cos((A−B)/2)
(6)式において sin(2φ1−Δφ)/2 の成分については,φ1が、上記のように φ1=2π((t/T)−(x/λ)) であり、tとxに依存して変動するので、 sin((2φ1−Δφ)/2) の値は1と−1の間で変動する。一方、cos(Δφ/2)の成分は変動しない値であるΔφ=2π(2nd/λ)によりきまってしまう。よって、yの振幅y0は(6)式及び(5)式より
y0=2A|cos(Δφ/2)| =2A|cos2π(nd/λ)|・・・・(7)
ここで、(7)式を用いて、位相差Δφと合成された反射光(図2のs1)の振幅y0関係を求めた結果を図4(a)に示す。これによればΔφがπの奇数倍のとき、最小値ゼロとなり、πの整数倍のときに最大値2Aとなるが、変化曲線の勾配は最大値付近では緩やかであり、最小値付近では最も急峻となる。次に図4(b)は位相差Δφと透過光(図2のs2)の強さの関係を示す図である。ここで縦軸は、透過光の最大値を1としたときの透過率ηを示す。透過率ηは、図4(a)の場合とは逆に、Δφがπの奇数倍のとき最値1(ηmax)となり、πの整数倍のときに最小値(ηmin)となり、変化曲線の勾配は最大値付近では最も急峻であり、最小値付近では緩やかとなる。これは、入射光sが一定であれば、反射光と透過光の合計は一定であり、反射光s1と透過光s2の関係は、反射光s1が減少すれば透過光s2が増大し、反射光s1が増大すれば透過光s2が減少するという逆の関係にあるからである。
【0025】
前記の透過光(s2)の透過率ηと波長λの関係を図4(c)に示す。ここで実線の曲線▲1▼は(5)式の関係すなわち、 λ=4πnd/Δφ を用いてΔφに対応するλを横軸にとり、図4(b)に示す透過光s2の透過率ηを縦軸に対応させて示したものである。ここで横軸のλが増大するほどこれに反比例してΔφは減少して行く。λがndから4ndに増加して行くとその間にΔφは4πからπに減少し、ηは4π(nd)と2π(2nd)において最小となり3π(1.33nd)とπで最大となり増減を繰り返す。しかしλが4nd以上となると、Δφはπ以下となり、λを増加させるに従ってηは最小値(ηmin1)に向かって単調に減少し、もはや最大値は生じない。(よって、4nd以上の高波長側の波長成分を完全にカットする帯域フィルタに適している。)この性質を利用すれば、入射光のうち所望の波長の成分を透過させ又は、所望の波長の成分の透過を阻止することができる。例えば、透過する波長λを黄緑色の波長として λ=5.6×10−7 を選択し、図4(c)の実線▲1▼に示すようににηが最大値となる波長 λ=4nd よりdを求めれば
d=λ/4n=5.6×10−7 /4×1.4=1×10−7 となる。dをこの値に設定すれば、λ=4ndである波長5.6×10−7の透過率ηは最大値1となる(点Y)。次にこのdにおいて、青色の波長4.5×10−7 は略3.2ndに相当し、その波長における透過率ηは最小値ηmin1に近く(点B)、黄緑色の透過率1よりも低下する。このようにして、図2に示す1層の光学薄膜8による干渉フィルタによっても原理的には色度補正ができる。
【0026】
しかし、一般に入射光sのうち、反射光s1となる比率は低く、反射光s1が最大となり透過光s2が最小となった場合でも、入射光sの大部分は透過して透過光s2となるので、透過率が最低値ηmin1場合でもこれはゼロに近い値ではなく、例えば0.9(90%)を超える等むしろ1に近い値である。よって、実際に使用する干渉フィルタは後述するように複数の光学薄膜を積層した構造とし、フィルタ効果を加重し、所望の波長において透過率の低下が十分になされるよう図られている。
【0027】
所望の遮断特性を得ようとすれば、一般には、図5に示すような、積層構造の光学薄膜8よりなる干渉フィルタを用いる必用がある。図において8bは屈折率nbの光学薄膜層であり、8cは屈折率ncの光学薄膜層であり、nc>nbの関係がある。光学薄膜層8bと8cは交互に積層されている。ここで、光学薄膜層8bおよび8cの厚みをそれぞれdb、dcとしたとき、光の波長λに対し原則として
db=λ/4nb で dc=λ/4nc
の関係にあるとき、この波長λの成分を透過し、これより外れた波長の成分の透過を阻止する。その阻止の程度は図4(c)の点線▲2▼、点線▲3▼に示すように、積層の段数を重ねるほど効果が掛け合わされて、透過率の下降のカーブは急峻となってフィルタ効果が強まって行く。(透過率ηの最小値はηmin1からηmin2、ηmin3へと順次低下して行く。)このようにして、所望のフィルタ特性に近づけることができる。なお、積層の段数が増えるに従って、光学薄膜層間の反射が複雑となるので、膜厚の条件は上記のものからは外れたものとなるが、この点を考慮して各膜厚を適切に設定すれば、目的を達成することができる。(なお本第1実施形態において実際に用いる光学薄膜8は図1(c)の拡大図に示すように、透光性のプラスチックよりなる導光板2の上面に上記の薄膜層8bと8cが積層されて形成され、光学薄膜8に対する光の方向は図5の説明図とは逆に、透明基板である導光板2から入射して光学薄膜8を通過して空気中に出射するので、逆方向となるが、光の逆行の原理により、原理説明と同様のフィルタ効果を得ることができる。)なお、本第1実施形態において実際に用いられる光学薄膜8の透過特性については後に詳述する。
【0028】
次に、干渉フィルタとしての光学薄膜の形成方法につき説明する。その1つの方法は通常の真空蒸着法又はスパッタリングにより、TiO2 、SiO2 、Al2O3 などの無機材料をガラス基板等に付着堆積させる方法である。但しこの方法は、膜厚は薄膜材料の加熱量によってきまるので干渉フィルタが多層構造となっている場合には、個々の膜厚を精密に制御して形成する上で不利な面もある。この点を改善するため、他の1つの方法として、高周波イオンプレーテイング法により、プラズマを用いて、無機材料と有機材料を複合化させることにより、光学薄膜を形成する方法が知られており、本発明において、この技術を利用することができる。すなわち、薄膜材料において新に有機材料であるC2H4 、Al2O3、ヘキサメチルジシロキサンなどを無機材料に加え、高周波イオンプレーテイング法により、無機材料と有機材料を複合化させて、所望の薄膜を形成するものである。
【0029】
具体的には図6に示すように、真空チャンバー内に無機材料蒸発部とガス化した有機材料導入のための有機材料導入部、プラズマ発生のための高周波電圧印加部、成膜される透明基板を設ける。無機材料を加熱等により蒸発させ、有機材料は、チャンバー外部よりガスとして導入され、プラズマ雰囲気中でプラズマのエネルギーにより、有機物と無機物の化学的に活発なイオン分子を発生させて、無機・有機複合薄膜を透明基板上に生成する。この技術によれば、▲1▼成膜時における薄膜材料、ガスの種類、及びプラズマ出力など、制御要素が多く、これらを個別に調整することで、膜厚およお膜構成を正確に制御できる。▲2▼無機材料と有機材料を任意に組み合わせて複合化することによって適切な屈折率を得るこことができる。▲3▼低温(常温)でも成膜できるところから、プラスチックへ成膜も可能である。▲4▼高周波イオンプレーテイング法により、薄膜が緻密で欠陥の少ない構造となり、強度が向上する。このようにして、本発明において、図1(c)に示すような積層構造で所望のフィルタ特性を有する干渉フィルタを形成することができる。
【0030】
以下に、本第1実施形態における光学薄膜8の色度補正の作用を説明する。ここで、白色発光ダイオード1の発光スペクトルの一例を図7(a)スペクトルH12に示す。又、このスペクトルH12に対応する色度を図10の色度図のc12に示す。(なお、本実施形態においては、白色発光ダイオード1を2個用いているが、スペクトルH12は2個の平均的なスペクトルである。)図10に示す色度図の色度点c12は、指定された色度ランクb1、b2よりも左下方に外れており、スペクトルH12のR、G、Bの比率は略R:G:B=0.28:0.25:0.47となっており、図7(a)に示すように450nmをピークとする青色光の強度が、560nmを中心とする黄緑色の光の強度に比してかなり大となっている。このため白色発光ダイオード1の発光色は、かなり青みがかった白色となっている。
【0031】
次に、図7(b)に示すスペクトルF12は前記光学薄膜8の透過率の波長特性を示すものであり、波長略560nmの部分にピークを有し、そのR、G、Bの比率はRf:Gf:Bf=0.89:1:0.705となっている。かかる波長特性はすでに説明した原理により、図1(c)に示す光学薄膜8の光学薄膜層8b、8cの厚み及び積層数を適切に設定することにより得ることができる(光学薄膜層8b、8cの厚みにより、ピーク波長が決まり、その前後の波長における下降のカーブの傾斜は積層数により決まる。)。白色発光ダイオード1の発光光線が、上記したように導光板2内を経てその上面2aに形成された光学薄膜8を通過する際に白色発光ダイオード1の発光は光学薄膜8のフィルタ作用により、そのスペクトル比が変化する。ここで、白色発光ダイオード1のスペクトル比R1:G1:B1は、スペクトル比Rf:Gf:Bfの光学薄膜のフィルタ作用により、減法混色の原理により補正され、補正後の光のスペクトル比Rh:Gh:Bhは
Rh:Gh:Bh=R×Rf:G×Gf:B×Bf ・・・・(8)
となる。(8)式に前記の数値を代入すれば、
となる。
【0032】
図7(a)に示すスペクトルH2は光学薄膜8を通過後の色度補正された光線のスペクトルであり、そのR、G、Bの比率は0.3:0.3:0.4となっている。このスペクトルH2の光線の色度は図10の点c2となっており、ランクb2の領域に入っている。このようにして所定のランクb2に入るように色度補正された光線が光学薄膜8から出射し、すでに述べた経路を経て照明光として液晶表示板7に入射する。この際、照明光は液晶表示板7のカラーフィルタの特性にマッチした色度となっており、液晶表示板7は忠実な(色度の再現性に優れた)カラー表示を行うことができる。
【0033】
次に、図8(b)に示すスペクトルF11は前記光学薄膜8の他の一例の透過率の波長特性を示すものであり、G(波長560nm)の部分にピークを有し、そのR、G、Bの比率はRf:Gf:Bf=0.86:1:0.56となっている。この場合、図8(a)に示す白色発光ダイオード1の発光スペクトルH12に対する色度補正後の光線のスペクトルのR、G、Bの比率は(8)式を用いて、
となる。この場合の色度補正後の光線のスペクトルを図8(a)のH1に示す。このスペクトルH1の光線の色度は図10の点c1となっており、色度ランクb1の領域に入っている。このようにして、所定の色度ランクから外れた色度c12の発光をなす白色発光ダイオード1の発光の色度を光学薄膜8よりなる干渉フィルタを用いて所定の色度ランクb1又はb2に入るように色度補正をすることができる。
【0034】
以下に、本第1実施形態において、白色発光ダイオード1の発光の色度が、図10に示す色度点c13にある場合について説明する。図10に示すように色度点c13は所定の色度ランクb1、b2から外れている。図9(a)に示すスペクトルH13は色度点c13に対応する白色発光ダイオード1の発光のスペクトルであり、R、G、Bの比率は
R1:G1:B1=0.37:0.33:0.3となり、青色の成分が黄緑色の成分よりも不足している。一方これに対応する光学薄膜8の透過率のスペクトルF13は図9(b)に示すように、青色のB(波長450nm)の部分にピークを有し、そのR、G、Bの比率はRf:Gf:Bf=0.6:0.68:1 となっている。白色発光ダイオード1の前記の発光スペクトルH13に対する色度補正後の光線のスペクトルのR、G、Bの比率は(8)式を用いて、
Rh:Gh:Bh=0.37×0.58:0.33×0.68:0.3×1
=0.3:0.3:0.4
となる。この補正後のスペクトルは図9(a)のH2に示される。そのスペクトルH2の光の色度点は図10に示すc2となり、ランクb2に入る。以上に説明したように本第1実施形態によれば、導光板に設けた光学薄膜による干渉フィルタの作用により、所望の透過波長の前後において急峻なカット特性を示し特に高波長側においては通過帯域を残す残ことなく完全なカットできるため、色素を用いた吸収型のカラーフィルタよりもカット特性に優れたカラーフィルタの利用が可能となる。よって、優れた色度補正が可能となる。
なお、本第1実施形態の変形例として、図示は省略するが、拡散板3の下面3bに光学薄膜8を設ける代わりに、その上面(3a)に光学薄膜(8)を設けたものがある。この場合も光学薄膜のカラーフィルタ作用により同様の効果が得られる。
【0035】
以下に本発明の第2実施形態に係るバックライトユニットにつき図面を用いて説明する。図11は、そのバックライトユニット20の構成を示す図であり、(a)は全体の構成を示す側面図、(b)および(c)はそれぞれ、(a)におけるC部およびD部を示す拡大図である。図11に示すように、拡散板3の上面3aおよび下面3bに光学薄膜8が形成されている。白色発光ダイオード1からの光が、導光板2を経て拡散板3の下面に形成された光学薄膜8を通過するときには、すでに説明したように光学薄膜8の干渉フィルタとしての作用により色度補正がなされるが、この透過光が拡散板3の中を通り、その上面3aに形成された光学薄膜8を通過する際にもその干渉フィルタとしての作用によりさらなる色度補正がなされる。このように2回にわたり光学薄膜8のフィルタ作用を受けることになるので、実効的なフィルタ特性は図1に示す第1実施形態の光学薄膜8のフィルタ作用が重ね合わされたような効果となる。
【0036】
なお本第2実施形態においては、拡散板3の上面3aに設けられた光学薄膜8に対しては光線が拡散板3の内部より入射して透過光が空気中に出射するので、光の方向は図5の説明図とは逆方向となるが、光の逆行の原理により、原理説明と同様のフィルタ効果を得ることができる。このようにして、本第2実施形態においては、フィルタ効果が加重された結果、図1に示すバックライトユニット10に比較し、よりシャープな色度補正が可能となる。本第2実施形態は、白色発光ダイオードのカラーバランスが大きくくずれている場合に、これを色度補正するのに適している。
【0037】
以下に本願発明の第3実施形態につき図面を用いて説明する。図12は、そのバックライトユニット30の構成を示す図であり、(a)は全体の構成を示す側面図、(b)は(a)のF部の拡大図である。図12に示すように、本第3実施形態においては、Pxプリズムシート5の上面5aおよび下面5bに、光学薄膜8が形成されている。すでに説明したのと同様の原理により白色発光ダイオード1の発光が導光板2、拡散板3、Pyプリズムシート4経てPxプリズムシート5に入射するが、その際にその下面5bに形成された光学薄膜8を通る。次にPxプリズムシート5入射した光線はここでx方向の角度が絞りこまれ、その上面5aに設けられた光学角膜8を通って出射し、照明光として液晶表示板に入射する。ここで、光線がxプリズムシート5の下面5bに設けられた光学薄膜8を通過する際にも、P xプリズムシート5の上面5aに設けられた光学薄膜8を通過する際にも、すでに説明した原理により光学薄膜8の干渉フィルタとしての作用により色度補正がなされるので、色度補正の効果が加重され、シャープな色度補正が可能となる。なお、図示は省略するが本第3実施の変形例として、Pxプリズムシート(5)の上面(5a)および下面(5b)いずれか片側に光学薄膜(8)を設けたものもある。これらの変形例は、図1に示す第1実施形態と基本的には同様の原理により、同様の色度補正の効果を得ることができる。なお、図示は省略するが、本願発明においては、Pyプリズムシート4(図1(a)参照)の上下の面またはいずれか片側に光学薄膜を形成する場合もあるが、この場合も上記のようにPxプリズムシート5の上下の面またはいずれか片側に光学薄膜8を形成したのと同様の効果を有する。
【0038】
以下に本発明の第4実施形態につき図面を用いて説明する。図13は、そのバックライトユニット40の構成を示す図であり、(a)は全体の側面図、(b)は(a)のG部の拡大図である。図13において19は干渉フィルタ板であり、透明基板9の上面9aおよび下面9bにそれぞれ光学薄膜8が形成されることにより干渉フィルタ板19が作成される。干渉フィルタ板19は、ここでは、導光板2と拡散板3の間に挿入されて配置されている。図13に示すバックライトユニット40においては、導光板2の上面2aから出射した光線は干渉フィルタ板19を通って拡散板3の達するが、その間に干渉フィルタ板19において、その透明基板9の下面9bの光学薄膜8を通過する際と上面9aの光学薄膜8を通過する際には、いずれも干渉フィルタとしての作用により、すでに説明した原理により、色度補正がなされ、効果が重合され、シャープな色度補正ができる。
【0039】
なお、図示は省略するが透明基板9の上面(5a)および下面(5b)いずれか片側に光学薄膜(8)を設けた干渉フィルタ板もある。この場合も光学薄膜の干渉フィルタとしての作用により、色度補正が可能である。なお、図13に示すような干渉フィルタ19板は構造が単純で、製造が容易であり、また、必用に応じて、バックライトユニットの色々な場所、例えば、拡散板3とPyプリズムシート4の間、Pyプリズムシート4とPxプリズム5の間、Pxプリズム5と液晶表示素子7の間、又は導光板2と反射板6の間に配置することができる。このような場合も図13に示したバックライトユニット40と同様の効果が得られる。
【0040】
次に図14は図13に示すバックライトユニット40の他の一つの変形例であるバックライトユニット50の構成を示す図である。図14に示すようにバックライトユニット50においては、干渉フィルタ19板が白色発光ダイオード1と導光板2の間の隙間に配置されている。干渉フィルタ板19の支持方法は、例えば、バックライトユニット50の図示しないケースに保持用のスリット設け、このスリット内に干渉フィルタ19板の端部を挿入保持することにより行うこともできる。干渉フィルタ板19の透明基板9の白色発光ダイオード1と対向する前面9cと、導光板2と対向する背面9dにはそれぞれ光学薄膜8が形成されており、白色発光ダイオード1の発光が導光板2の入光側面2cに到達する前にすでに説明した原理により当該干渉フィルタ板19により白色ダイオード1の発光を所望の色度に補正をすることができる。なお、白色発光ダイオード1と導光板2の間の隙間に配置される干渉フィルタ板に関しては、本願発明は図14に示される前記干渉フィルタ板19に限らず、干渉フィルタ板の透明基板9の前面(9c)および背面(9d)のいずれか片側に光学薄膜(8)が形成されたものを用いても色度補正の効果を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、白色発光ダイオードを発光源とするカラー液晶パネル用のバックライトユニットにおいて、その拡散板、プリズムシート等の構成部品の表面に光学薄膜を形成することにより、又は透明板の表面に光学薄膜を形成した別個の干渉フィルタ板をバックライトユニットの前記構成部品の間に配置することにより、光学薄膜のシャープな波長フィルタ作用により、白色発光ダイオードの発光の色度のバラツキを補正して、所望の色度のランクに入れることができる。これにより、バックライトユニットの照明光の色度をカラー液晶パネルの特性にマッチした色度とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバックライトユニットの第1実施形態の構成を示す図である。
【図2】本発明に使用する光学薄膜による干渉フィルタの原理的構成を示す図である。
【図3】図2に示す干渉フィルタにおける反射光の波形を示す図である。
【図4】図2に示す干渉フィルタのフィルタ特性を示す図である。
【図5】複数の光学薄膜層よりなる干渉フィルタの構成を示す図である。
【図6】本発明に使用する光学薄膜の製造方法の一例を示す図である。
【図7】図1に示すバックライトユニットにおける干渉フィルタの波長特性および色度補正の効果を示すスペクトル図の一例を示す図である。
【図8】図1に示すバックライトユニットにおける干渉フィルタの波長特性および色度補正の効果を示すスペクトル図の他の例を示す図である。
【図9】図1に示すバックライトユニットにおける干渉フィルタの波長特性および色度補正の効果を示すスペクトル図の更なる他の一例を示す図である。
【図10】図1に示すバックライトユニットにおける白色発光ダイオードの発光の色度および色度補正後の照明光の色度を示す色度図である。
【図11】本発明のバックライトユニットの第2実施形態の構成を示す図である。
【図12】本発明のバックライトユニットの第3実施形態の構成を示す図である。
【図13】本発明のバックライトユニットの第4実施形態の構成を示す図である。
【図14】図13に示すバックライトユニットの変形例のバックライトユニットの構成を示す図である。
【図15】従来のバックライトユニットの一例を示す図である。
【図16】白色発光ダイオードの構成を示す図である。
【図17】従来のバックライトユニットの他の例を示す図である。
【図18】白色発光ダイオードの発光の波長スペクトルを示す図である。
【図19】白色発光ダイオードの発光の色度を示す図である。
【符号の説明】
1 白色発光ダイオード
2 導光板
3 拡散板
4 Pyプリズムシート
5 Pxプリズムシート
6 反射板
7 液晶表示板
8 光学薄膜
8b、8c 光学薄膜層
9、12 透明基板
10、20、30、40、50 バックライトユニット
19 干渉フィルタ板
Claims (2)
- 白色発光ダイオードと、前記白色発光ダイオードから出射された光を入射面から入射して出射面から出射させる導光板とを備えたカラーフィルタを有する液晶表示板に用いられるバックライトユニットであって、
前記導光板と前記液晶表示板の間には、プリズム面が前記液晶表示板側を向いた互いに直交する2枚のプリズムシートが設けられ、前記液晶表示板側の前記プリズムシートの上下面に、互いに屈折率の異なる膜を交互に積層して形成された複数の膜よりなる干渉フィルタを構成した光学薄膜が形成されて、
前記白色発光ダイオードの出射光の色補正を行って、前記出射光を前記カラーフィルタの透過率波長特性と補色関係にある色度とし、前記カラーフィルタの前記特性にマッチした色度にすることを特徴とするバックライトユニット。 - 前記光学薄膜は、真空蒸着もしくはスパッタによって形成されていることを特徴とする請求項1記載のバックライトユニット。
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