JP4071173B2 - ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法および処理設備 - Google Patents

ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法および処理設備 Download PDF

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Description

この発明は、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法および処理設備、特に、近年、水道浄水処理に多用されるようになった、ろ過膜モジュールの薬品洗浄廃液のうち、酸廃液を浄水場などの膜ろ過装置の設置場所において、安全かつ衛生的に処理し、さらに洗浄に利用できる酸を回収し、次回の酸洗浄に再利用することができる、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法および処理設備に関するものである。
近年、水道浄水処理の分野において、濁質や細菌類、病原性原虫類などを、ほぼ完全に除去できる精密ろ過(MFという。)あるいは限外ろ過(UFという。)といった膜ろ過装置の導入例が急速に増加しつつあり、平成14年6月現在で建設中のものを含めて全国で280箇所に達している。そのうちの約9割は1日当たりの浄水処理量が1000m3未満の小規模なものであるが、最近では浄水処理量が1日当たり10,000m3を超える大型の浄水処理にも適用されつつある。
これら膜ろ過装置の運転方法において、一定のろ過継続時間毎に、ろ過操作を一旦中断し、あらかじめ貯留しておいた膜ろ過水をポンプで加圧して、ろ過水側から原水側へと逆方向に送り、膜表面に付着した濁質などの汚れ成分を除去する操作を行うのが一般的である。この操作を逆圧水洗浄(あるいは物理洗浄)と呼んでいる。逆圧水洗浄を行なうことによって、膜のろ過能力を常に一定レベルに保持しながら膜ろ過浄水処理を継続するのであるが、逆圧水洗浄を行なっても膜面に付着した原水に由来する有機物あるいは鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属類は完全には除去できないことから、膜のろ過能力は、ろ過継続とともに低下する。
この膜のろ過能力の低下現象は、ろ過水量を一定となるように運転すると、通常、原水側の圧力上昇として現われる。そこで、膜ろ過装置を構成している原水供給ポンプの仕様の圧力を超える前に薬品溶液を使用してろ過膜モジュールを洗浄することにより、膜ろ過能力を回復させる操作を行う。この操作を薬品洗浄と呼んでいる。薬品洗浄は、前記の実績例のように従来は小規模なものが多いことから、膜ろ過装置の系列毎に膜ろ過浄水処理を中断して、ろ過膜モジュールを装置から取り外し、工場に持ち帰り、専用の装置で薬品洗浄を行った後、装置設置現場へ送り返し、装置に取り付けた後、膜ろ過浄水処理を再開するのが一般的である。薬品洗浄の頻度は概ね1年間に数回で済むように、被処理原水の水質に応じて、膜ろ過の速度を設定する。このような薬品洗浄操作に要する人件費、ろ過膜モジュールの運送費などの経費が膜ろ過浄水処理の運転管理費を押し上げる要因となっている。
膜ろ過浄水処理に適用されるMF膜およびUF膜はセルロース化合物、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等の有機化合物を材質とする有機膜と高純度セラミックスを材質とする無機膜とに大別される。
薬品洗浄に使用される薬品としては、有機膜、無機膜を問わず膜面に付着した有機物を除去するためには、次亜塩素酸ソーダ溶液の使用が一般的である。一方、鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属塩を除去するためには、硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸、シュウ酸、クエン酸などの有機酸を各々単独で使用するか、無機酸と有機酸とを併用するのが一般的である。
今後、膜ろ過装置の規模が増大し、前記の工場持ち帰り薬品洗浄が、実際上困難になることが予想されることから、膜ろ過装置を設置している浄水場現地において、ろ過膜モジュールを装置から取り外すことなく、薬品洗浄を実施することを考慮しなければならない。その場合に、これらの薬品溶液を用いた薬品洗浄廃液を浄水場現地において安全かつ衛生的に処理するとともに、薬品を回収して反復使用すること、あるいは再利用することがコスト面、環境への配慮から求められている。
酸洗浄廃液は、一旦貯留して液状産業廃棄物として廃棄物処理業者に引き取らせ、有料で処分を委託することも可能であるが、収集、運搬、最終処分を含めた処理・処分費は非常に高価であり、膜ろ過による水道浄水処理のコストを押し上げる要因となる。また、大型のバキューム車、タンクローリーなどが入れ替わり立ち替わりに浄水場に出入りすることは浄水場のイメージを甚だしく損なう他、交通上の諸問題も発生する。
酸洗浄廃液を公共用水域に放流可能な程度に処理する場合、従来考えられる方法としては、苛性ソーダなどのアルカリを添加してpH調整を行う方法がある。すなわち、図5に示すように、無機酸廃液貯槽21に貯留した無機酸系廃液を中和槽22に導入し、苛性ソーダなどのアルカリ剤を添加してpH調整を行う。この時、溶解度を超える濃度の金属類はフロック粒子として析出するので、pH調整後の無機酸系廃液を沈殿槽23に導入し、ここで沈降分離を行った後、上澄液を公共用水域に放流する。酸廃液には概ね数%濃度の無機酸が含まれており、そのpHは1以下という強酸性であるから、廃液のpHの調整に要するアルカリの量は多大なものとなる。また、無機酸として硝酸を使用する場合においては、酸廃液中に硝酸に起因する窒素が含まれるため、たとえ廃液のpH調整を行ったとしても、窒素分を多量に含む廃液を公共用水域にそのまま放流することは環境保全上好ましくない。
一方、シュウ酸、クエン酸などの有機酸を使用する場合の廃液処理では、図6に示すように、有機酸廃液貯槽24に貯留した有機酸系廃液を中和槽25に導入し、苛性ソーダなどのアルカリ剤を添加してpH調整を行った後、生物処理槽26に導入して好気性微生物による生物学的処理を行うのが一般的である。この際、廃液中には好気性微生物の良好な活動を促進するために窒素やリンなどの栄養塩の添加が必要である。この生物学的処理方法は運転管理費が比較的安価であるという利点はあるが、処理施設の水槽容量が大きくなり、したがって広い設置面積を必要とする欠点がある。
また、生物学的処理においては処理効果が水温に左右されやすいことや、処理効果が発揮されるまでに1ヶ月以上にわたる立ち上げ期間を必要とすること、および、酸洗浄廃液は数ヶ月に1度程度の頻度でしか発生しないため、処理槽内の微生物の活性を良好に維持することが困難である。
また、好気性微生物が有機物を酸化分解することにより、自身が増殖するので余剰汚泥が発生し、これらの処理、処分の問題も発生する。さらに、浄水場は本来飲料に適した水を製造して水道水として供給するための施設であり、格段の衛生上の配慮を必要とする場所である。従って、一種の細菌類の培養設備といっても過言ではない生物学的廃水処理施設を浄水場敷地内に設置することは、細菌類による汚染の危険性を抱えることになり、その防止に配慮したとしても、水道水の消費者からは感覚的に許容されない場合もあり得る。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、下記を特徴とする。
請求項記載の発明は、ろ過膜モジュールの薬品洗浄工程から排出される、酸洗浄廃液を、陰イオン交換膜によって一方の室と他方の室とに隔てられた前記一方の室に供給し、同時に前記他方の室に水を供給し、かくして、前記陰イオン交換膜の作用により、前記無機酸洗浄廃液中に鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属と共に含まれている硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸を回収し、さらに、前記無機酸を回収した前記酸洗浄廃液を、ナノろ過膜装置または低圧逆浸透膜装置からなる有機酸回収装置に供給し、かくして、前記有機酸洗浄廃液中に鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属と共に含まれるシュウ酸、クエン酸などの有機酸を回収することに特徴を有するものである。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、回収した前記無機酸および前記有機酸を前記ろ過膜モジュールの薬品洗浄に再利用することに特徴を有するものである。
請求項記載の発明は、陰イオン交換膜を有する無機酸回収装置と、前記無機酸回収装置に無機酸および有機酸混合洗浄廃液を供給する酸洗浄廃液貯槽と、前記無機酸回収装置により回収された無機酸を貯留する回収無機酸貯槽と、前記無機酸回収装置に水を供給する水貯槽と、前記無機酸回収装置からの無機酸回収済廃液を貯留する中間廃液貯槽と、前記中間廃液貯槽からの廃液から有機酸を回収するナノろ過膜装置または低圧逆浸透膜装置からなる有機酸回収装置と、前記有機酸回収装置により回収された有機酸を貯留する回収有機酸貯槽と、前記有機酸回収装置からの無機酸および有機酸回収済廃液を中和処理する廃液中和処理槽とを備えていることに特徴を有するものである。
以上説明したように、この発明によれば、酸洗浄廃液から無機酸あるいは有機酸を90%以上の高い回収率で回収することが可能となり、この回収酸を次回の薬品洗浄に再利用できるようになった。この結果、薬品洗浄に要するコストが削減できると同時に、廃液処理に関わるコストも削減可能となるといった有用な効果がもたらされる。
次に、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法の参考例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法の参考例を示す工程図、図2は、無機酸回収装置の説明図である。
図1および図2において、1は、無機酸回収装置である。無機酸回収装置1は、図2に示すように、陰イオン交換膜2によって廃液室(一方の室)1Aと酸回収室1B(他方の室)とに隔てられている。廃液室1Aに無機酸洗浄廃液が一定量供給され、酸回収室1Bに水が一定量供給されると、陰イオン交換膜2の作用により、酸洗浄廃液中に鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属と共に含まれている硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸3が回収される。
4は、無機酸回収装置1の廃液室1Aに無機酸洗浄廃液を供給する無機酸洗浄廃液貯槽、5は、無機酸回収装置1の酸回収室1Bからの無機酸を貯留する回収無機酸貯槽、6は、無機酸回収装置1の酸回収室1Bに水を供給する水貯槽、7は、無機酸回収装置1の廃液室1Aからの無機酸回収済廃液を貯留する最終廃液貯槽、そして、8は、最終廃液貯槽7からの無機酸回収済廃液を中和処理する廃液中和処理槽である。
ろ過膜モジュールの薬品洗浄工程から排出される無機酸洗浄廃液は、以下のように処理される。
無機酸洗浄廃液貯槽4内の無機酸洗浄廃液は、無機酸回収装置1の廃液室1Aに供給され、水貯槽6からは水が酸回収室1Bに供給される。無機酸洗浄廃液中の鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属と共に含まれている硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸3は、陰イオン交換膜2を通過して酸回収室1Bに流入する。このようにして、無機酸濃度が高まった廃液は、回収無機酸貯槽5に貯留され、次回のろ過膜モジュールの薬品洗浄に再利用される。
無機酸回収装置1の廃液室1Aからの無機酸回収済廃液は、最終廃液貯槽7に送られる。無機酸回収済廃液には、未回収の酸と、膜表面に付着していた鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属が含まれているので、水素イオン濃度指数(pH)は依然として公共用水域への排出基準を酸性側へ逸脱している。従って、廃液中和処理槽8において苛性ソーダなどのアルカリ剤が添加されてpH調整が行なわれ、この後、水酸化物のフロックとして析出してくる前記の金属類が沈殿除去される。そして、その上澄液(処理水)は、公共用水域に放流される。
このようにして、ろ過膜モジュールの薬品洗浄廃液中の硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸を、浄水場などの膜ろ過装置の設置場所において、安全かつ衛生的に処理でき、さらに次回の酸洗浄に再利用できる。
次に、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法の他の参考例を、図面を参照しながら説明する。
図3は、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法の他の参考例を示す工程図である。
図3において、9は、ナノろ過膜装置または低圧逆浸透膜装置からなる有機酸回収装置、10は、有機酸回収装置9に有機酸洗浄廃液を供給する有機酸洗浄廃液貯槽、11は、有機酸回収装置9により回収されたシュウ酸、クエン酸などの有機酸を貯留する回収有機酸貯槽、12は、有機酸回収装置9からの有機酸回収済廃液を貯留する最終廃液貯槽、そして、13は、最終廃液貯槽12からの有機酸回収済廃液を中和処理する廃液中和処理槽である。
ろ過膜モジュールの薬品洗浄工程から排出される有機酸洗浄廃液は、以下のようにして処理される。
有機酸洗浄廃液貯槽10内の有機酸洗浄廃液は、有機酸回収装置9に供給される。有機酸回収装置9により回収されたシュウ酸、クエン酸などの有機酸は、回収有機酸貯槽11に貯留され、次回のろ過膜モジュールの薬品洗浄に再利用される。
有機酸回収装置9からの有機酸回収済廃液は、最終廃液貯槽12に送られる。有機酸回収済廃液には、未回収の酸と、膜表面に付着していた鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属が含まれているので、水素イオン濃度指数(pH)は依然として公共用水域への排出基準を酸性側へ逸脱している。従って、廃液中和処理槽13において苛性ソーダなどのアルカリ剤が添加されてpH調整が行なわれ、この後、水酸化物のフロックとして析出してくる前記の金属類が沈殿除去される。そして、その上澄液(処理水)は、公共用水域に放流される。
このようにして、ろ過膜モジュールの薬品洗浄廃液中のシュウ酸、クエン酸などの有機酸を、浄水場などの膜ろ過装置の設置場所において、安全かつ衛生的に処理でき、さらに次回の酸洗浄に再利用できる。
次に、この発明の、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
図4は、この発明の、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法の一実施態様を示す工程図である。
図4において、1は、無機酸回収装置であり、陰イオン交換膜2によって廃液室(一方の室)1Aと酸回収室1B(他方の室)とに隔てられている。廃液室1Aに無機酸および有機酸混合洗浄廃液が一定量供給され、酸回収室1Bに水が一定量供給されると、陰イオン交換膜2の作用により、混合洗浄廃液中に鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属と共に含まれている硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸3が回収される。
14は、無機酸回収装置1の廃液室1Aに無機酸および有機酸混合洗浄廃液を供給する無機酸および有機酸混合廃液貯槽、5は、無機酸回収装置1の酸回収室1Bからの無機酸を貯留する回収無機酸貯槽、6は、無機酸回収装置1の酸回収室1Bに水を供給する水貯槽、15は、無機酸回収装置1の廃液室1Aからの無機酸回収済廃液を貯留する中間廃液貯槽である。
9は、ナノろ過膜装置または低圧逆浸透膜装置からなる有機酸回収装置、11は、有機酸回収装置9により回収されたシュウ酸、クエン酸などの有機酸を貯留する回収有機酸貯槽、12は、有機酸回収装置9からの無機酸および有機酸回収済廃液を貯留する最終廃液貯槽、そして、13は、最終廃液貯槽12からの無機酸および有機酸回収済廃液を中和処理する廃液中和処理槽である。
ろ過膜モジュールの薬品洗浄工程から排出される無機酸および有機酸混合洗浄廃液は、以下のようにして処理される。
無機酸および有機酸混合洗浄廃液は、無機酸回収装置1の廃液室1Aに供給され、水貯槽6からは水が酸回収室1Bに供給される。無機酸および有機酸混合洗浄廃液中の鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属と共に含まれている硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸3は、陰イオン交換膜2を通過して酸回収室1Bに流入する。このようにして、無機酸濃度が高まった廃液は、回収無機酸貯槽5に貯留され、次回のろ過膜モジュールの薬品洗浄に再利用される。
無機酸回収装置1の廃液室1Aからの無機酸回収済廃液は、中間廃液貯槽15に送られ、ここから、ナノろ過膜装置または低圧逆浸透膜装置からなる有機酸回収装置9に供給される。有機酸回収装置9により回収されたシュウ酸、クエン酸などの有機酸は、回収有機酸貯槽11に貯留され、次回のろ過膜モジュールの薬品洗浄に再利用される。
有機酸回収装置9からの無機酸および有機酸回収済廃液は、最終廃液貯槽12に送られる。無機酸および有機酸回収済廃液には、未回収の酸と、膜表面に付着していた鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属が含まれているので、水素イオン濃度指数(pH)は依然として公共用水域への排出基準を酸性側へ逸脱している。従って、廃液中和処理槽13において苛性ソーダなどのアルカリ剤が添加されてpH調整が行なわれ、この後、水酸化物のフロックとして析出してくる前記の金属類が沈殿除去される。そして、その上澄液(処理水)は、公共用水域に放流される。
このようにして、ろ過膜モジュールの薬品洗浄廃液中の硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸およびシュウ酸、クエン酸などの有機酸を、浄水場などの膜ろ過装置の設置場所において、安全かつ衛生的に処理でき、さらに次回の酸洗浄に再利用できる。
次に、この発明を実施例によりさらに説明する。
ポリフッ化ビニリデン(以下PVDFと略記)を材質とする中空糸状MF膜モジュールを用いて比較的清浄な地下水を約7ヶ月にわたって継続して膜ろ過処理した。この後、5%濃度の硝酸溶液によってろ過膜モジュールの薬品洗浄を行った。この際発生した酸廃液を、図1に示す方法によって処理して、廃液中の硝酸を回収した。この時の陰イオン交換膜を介した水と廃液との流量比は1:1とし、水温は25℃であった。
この結果、酸廃液中の硝酸濃度は5%であったのに対して、回収水中の硝酸濃度は4.5%であり、回収率として90%が得られた。
同じくPVDFを材質とする中空糸状MF膜モジュールを用いて比較的清浄な河川表流水を約2ヶ月間にわたって継続して膜ろ過処理した。この後、5%濃度の硝酸と2%濃度のクエン酸との混合溶液によってろ過膜モジュールの薬品洗浄を行った。この際発生した酸廃液を、図4に示す方法によって処理して、廃液中の硝酸とクエン酸とを回収した。この時の陰イオン交換膜を介した水と廃液との流量比は、前記実施例に同じく1:1とし、水温は25℃であった。
この結果、酸廃液中の硝酸濃度は5%であったのに対して、回収水中の硝酸濃度は前記実施例1に同じく4.5%であり、回収率として90%が得られた。続いて、硝酸を回収した酸廃液をナノろ過(NF)膜処理したところ、供給水中のクエン酸の90%以上が回収された。
ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法の参考例を示す工程図である。 無機酸回収装置の説明図である。 ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法の他の参考例を示す工程図である。 この発明の、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法の一実施態様を示す工程図である。 従来の、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液処理方法の一例を示す工程図である。 従来の、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液処理方法の他の例を示す工程図である。
符号の説明
1:無機酸回収装置
1A:廃液室
1b:酸回収室
2:陰イオン交換膜
3:無機酸
4:無機酸洗浄廃液貯槽
5:回収無機酸貯槽
6:水貯槽
7:最終廃液貯槽
8:廃液中和処理槽
9:有機酸回収装置
10:有機酸洗浄廃液貯槽
11:回収有機酸貯槽
12:最終廃液貯槽
13:廃液中和処理槽
14:無機酸および有機酸混合廃液貯槽
15:中間廃液貯槽
21:無機酸廃液貯槽
22:中和槽
23:沈殿槽
24:有機酸廃液貯槽
25:中和槽
26:生物処理槽

Claims (3)

  1. ろ過膜モジュールの薬品洗浄工程から排出される、酸洗浄廃液を、陰イオン交換膜によって一方の室と他方の室とに隔てられた前記一方の室に供給し、同時に前記他方の室に水を供給し、かくして、前記陰イオン交換膜の作用により、前記無機酸洗浄廃液中に鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属と共に含まれている硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸を回収し、さらに、前記無機酸を回収した前記酸洗浄廃液を、ナノろ過膜装置または低圧逆浸透膜装置からなる有機酸回収装置に供給し、かくして、前記有機酸洗浄廃液中に鉄、マンガン、アルミニウムなどの金属と共に含まれるシュウ酸、クエン酸などの有機酸を回収することを特徴とする、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法。
  2. 回収した前記無機酸および前記有機酸を前記ろ過膜モジュールの薬品洗浄に再利用することを特徴とする、請求項記載の、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理方法。
  3. 陰イオン交換膜を有する無機酸回収装置と、前記無機酸回収装置に無機酸および有機酸混合洗浄廃液を供給する酸洗浄廃液貯槽と、前記無機酸回収装置により回収された無機酸を貯留する回収無機酸貯槽と、前記無機酸回収装置に水を供給する水貯槽と、前記無機酸回収装置からの無機酸回収済廃液を貯留する中間廃液貯槽と、前記中間廃液貯槽からの廃液から有機酸を回収するナノろ過膜装置または低圧逆浸透膜装置からなる有機酸回収装置と、前記有機酸回収装置により回収された有機酸を貯留する回収有機酸貯槽と、前記有機酸回収装置からの無機酸および有機酸回収済廃液を中和処理する廃液中和処理槽とを備えていることを特徴とする、ろ過膜モジュールの酸洗浄廃液の処理設備。
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