JP4070356B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、肌の色相感覚を変化させ、透明感を持たせつつ、自然で健康的な肌色にする効果に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、メークアップ化粧料には、血行不良や加齢等による肌のくすみ(肌が暗く、黄色くなる状態)をカバーするため、酸化チタンや酸化鉄等の隠蔽力の高い顔料を配合したり、ベンガラ、レーキ顔料や有機顔料等の赤色を加えて肌の色相感覚を変化させることが行われている。また、赤ら顔や赤にきび跡を隠すために、赤の補色である緑色の顔料を使用したり、透明感を与えるために青色や紫色の顔料を使用して、肌の色相感覚を変化させることが行われている。
【0003】
しかし、隠蔽力の高い顔料を用いた場合には、自然な感じがなくなり、補色の原理を利用した場合には、色相のカバーはできるものの彩度が低下し、反対に肌色がくすんでしまうという問題がある。
また、メークアップ化粧料等の化粧料では、肌に存在するシミ・ソバカス等の色むらを隠すことも要求されているが、このような色むらをカバーすることと、くすみのない自然で健康的な肌色を再現することを同時に満足することはできなかった。
【0004】
このように、透明感を持たせつつ、肌の色相感覚を変化させたり、求める肌色を得ることは困難であった。
【0005】
本発明の目的は、観測方向による色の変化がなく、透明感を持たせつつ肌の色相を変化させることができ、しかも肌の色むらをカバーし、かつくすみを改善し、自然で健康的な肌色にする効果に優れた化粧料を提供することにある。
【0006】
本発明者らは、特定の色差(ΔE)を有する粉体と、特定の光学的性質を有する着色顔料を組み合わせて用いれば、上記目的を達成できる化粧料が得られることを見出した。
【0007】
本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)雲母の表面を酸化チタンと酸化鉄の混合物で被覆した平均粒径5〜12μmの粉体であって、該粉体を黒色の合成皮革上に8mg/100cm2 となるように均一塗布し、これを入射角45°、受光角−45°及び−20°で測色したとき、CIE1976L***表色系により規定される2つの干渉色(L45,45 * ,45,45 * ,45,45 *)及び(L45,20 * ,45,20 * ,45,20 *)について、下記式:
色差(ΔE)=((L45,45 *−L45,20 *2+(a45,45 *−a45,20 *2+(b45,45 *−b45,20 *2)0.5
により求めた色差(ΔE)が20.0〜32.3である粉体、
(B)式CaFe24
で表される着色顔料であって、当該着色顔料の濃度が5重量%となるように硫酸バリウムと混合してなる試料の分光反射スペクトルが、波長領域600〜640nmに変曲点波長を有する複合酸化物からなる着色顔料
を含有する化粧料を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる成分(A)の粉体は、前記式に従って求められる色差(ΔE)が7〜40のものである。ここで、色差を求めるには、まず粉体を黒色の合成皮革上に8mg/100cm2となるようにとり、スポンジを使用し合成皮革に軽くこするようにして均一に塗布する。これを、例えば変角分光測定システム(村上色彩技術研究所製、GCMS−3)を用い、入射角45°、受光角−45°及び−20°で測色する。このときの2つの干渉色をCIE1976L***表色系で規定し、入射角45°、受光角−45°のときを(L45,45 *,a45,45 *,b45,45 *)、入射角45°、受光角−20°のときを(L45,20 *,a45,20 *,b45,20 *)とし、これらを用い、前記式より色差(ΔE)を求める。このような測定に使用される黒色の合成皮革は、同様にして求められる色差(ΔE)が7以下のものである。
【0010】
成分(A)の粉体は、このようにして求められる色差(ΔE)が7〜40、好ましくは10〜35のものである。7未満では、肌の色相感覚は変化するものの透明感がなくなってしまい、40を超えるものでは、肌を見る角度によって色相感覚が大きく変化し、異和感を生じる。
【0011】
このような色差(ΔE)の粉体の粒径は、平均粒径が5〜12μmのものが、使用感が良好で、かつギラツキ感を低減でき好ましい。
【0012】
粉体は金属酸化物粒子で被覆されることにより干渉色を発するものが好ましい。ここで、被覆される母粉体としては、例えば雲母、板状酸化チタン、板状酸化鉄、板状アルミナ、板状シリカ、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等が挙げられ、特に雲母が好ましい。また、金属酸化物としては、例えば酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、アルミナ等が挙げられ、これらの1種以上を使用でき、特に酸化チタン、酸化鉄又はこれらの混合物が好ましい。また、酸化チタンと酸化鉄の混合物を用いて被覆する場合には、酸化チタンがルチル型であり、スズを含まないのが好ましい。
【0013】
これらのうち、雲母の表面を金属酸化物、特に酸化チタン、酸化鉄又はこれらの混合物で被覆したものが好ましい。
母粉体を金属酸化物粒子で被覆する方法は特に制限されず、常法に従って行えば良い。
【0014】
また、母粉体の表面を被覆する金属酸化物粒子の光学的厚みをコントロールすることにより、様々な色調をつくりだすことが可能である。例えば干渉色が青〜紫色系を示す粉体は、肌に透明感を与え、干渉色が緑色系を示す粉体は、くすんだ色にならず、肌の赤みを抑え、干渉色がオレンジ〜赤色系を示す粉体は、肌を健康的に見せ、肌のくすみを隠すことが可能となる。
更に、2種以上の粉体を組合わせて用いることにより、様々な色調をつくりだすことも可能である。この場合には、混合後の粉体のΔEが7〜40であるのが好ましい。
【0015】
また、成分(A)の粉体は、その表面を疎水化処理したものを使用でき、耐光性の面から好ましい。疎水化処理により、ΔEが変化する場合があるが、処理後のΔEが7〜40のものであれば、好適に使用できる。
疎水化処理は、例えばシリコーン油、脂肪酸金属塩、アルキルリン酸、アルキルリン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩、N−モノ長鎖(炭素数8〜22)脂肪族アシル塩基性アミノ酸、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物等の疎水化処理剤を用いて行われる。
【0016】
粉体を疎水化処理する方法は特に制限されず、常法に従って行えば良く、また粉体に対する疎水化処理剤の処理量は、好ましくは0.05〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%である。
【0017】
成分(A)の粉体は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜90重量%、特に1〜80重量%、更に1.5〜75重量%配合するのが、肌の色相を変化させる効果が発揮されやすいので好ましい。
【0018】
本発明で用いる成分(B)の着用顔料は、式CaFe 2 4 で表され、波長領域600〜640nmに変曲点波長を有するカルシウム・鉄複合酸化物からなるものである。ここで、変曲点とは、分光光度計を用い、380〜780nmの可視波長範囲での分光反射スペクトルを測定し、得られたスペクトルにおいて一次微分導関数の最大値又は二次微分導関数が0となる波長を変曲点波長として求めたものである。本発明においては、この変曲点波長が好ましくは620〜635nmのものを用いる。これらは赤色系の顔料となる。
【0023】
カルシウム・鉄複合酸化物中のα−Fe23 の含有量は、変曲点波長が600nmよりも短波長の領域で存在しないようにし、また化粧料に配合した際にスペクトルに大きな窪みを得ることができるようにする観点から、30重量%以下、特に15重量%以下であるのが好ましい。
【0024】
一方、カルシウム・鉄複合酸化物中のCa2Fe25 の含有率は、彩度及び明度を良好にする観点から、40重量%以下、特に10重量%以下であるのが好ましい。
【0025】
カルシウム・鉄複合酸化物をイオン交換水に1重量%懸濁させたとき、該カルシウム・鉄複合酸化物を構成しているCa及びFeの溶出量があまりにも多い場合には、該懸濁液の液性が高アルカリとなり、化粧料に配合したときに、皮膚に刺激を与えるようになるので、それぞれ500ppm 以下、特に100ppm 以下であるのが好ましい。
【0026】
このようなカルシウム・鉄複合酸化物は、例えばα−Fe23 などの酸化鉄粉末、α−FeOOH、β−FeOOH、γ−FeOOHなどのオキシ水酸化鉄、Fe(OH)3 で表される水酸化鉄などの粉末と、CaO、Ca(OH)2、CaCO3 などの粉末とを水やエタノールなどの溶媒中でスラリー状にして十分に混合したのち、溶媒を除去し、800〜1000℃で焼成する固相反応法などにより製造することができる。かかる方法に用いられる原料は特に限定されず、焼成することによって、カルシウム・鉄複合酸化物(CaO−Fe23複合酸化物)を生成することができれば、いずれのものでもよい。
【0027】
前記方法以外にも、例えば、CaCl2、Ca(NO32などのCa塩と、FeCl2、FeCl3、Fe(NO33 などの可溶性のFe塩との混合水溶液を、例えば、NaOH、KOH、LiOH、NH3 などのアルカリで中和して得られる水酸化物を焼成する方法を採用することもできる。
【0028】
なお、Ca及びFeの供給源は、前記したものに限定されず、例えば、中和によって水酸化物を生じるものであれば特に限定されない。また、沈殿剤として、シュウ酸、クエン酸などの有機酸を用いることができるが、生成した沈殿物を焼成してCaO−Fe23 複合酸化物を生じるものであれば、特にこれらに限定されるものではない。また、水熱反応法による焼成を必要としない方法や、噴霧熱分解法などの気相法によっても得ることができる。更に、α−Fe23 及びCa2Fe25 を存在させるために、CaとFeとの仕込みモル比を調整する以外に、第三成分としてCaと化合物をつくる物質、例えばSiO2 やZrO2 などを添加し、Ca2SiO4 やCaZrO3 を生成させることでα−Fe23 の存在量を調整することも可能である。
【0031】
成分(B)の着色顔料は、前記のような光学的性質を有するが、着色顔料自体の分光反射スペクトルが、500〜620nmの波長領域でスペクトルに窪みを有し、500nm及び620nmの反射率を直線で結び、この窪みとの間に形成された部分の面積が300%・nm以上であるのが好ましい。
【0032】
また、成分(B)の着色顔料は、体積平均粒子径が0.01〜50μm、特に0.05〜2μmであるのが、分散性が良好で、着色力も高いので好ましい。
【0033】
成分(B)の着色顔料としては、前記(1)カルシウム・鉄複合酸化物が特に好ましい。
【0034】
また、成分(B)の着色顔料は、成分(A)と同様に、その表面を疎水化処理したものを用いることができる。
【0035】
成分(B)の着色顔料は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜99重量%、特に0.1〜50重量%、更に0.2〜30重量%配合すると、くすんだ肌の色を十分に改善することができるので好ましい。
【0036】
本発明の化粧料には、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば各種オイル、界面活性剤、水溶性高分子、保湿剤、防腐剤、薬剤、他の粉体、色素、香料、紫外線吸収剤、無機塩又は有機酸塩、キレート剤、pH調整剤、水等を、適宜配合できる。
【0037】
本発明の化粧料は、常法に従って製造することができ、その剤型は特に制限されず、例えば化粧水、乳液、クリーム等の基礎化粧料;粉白粉、固形白粉、フェイスパウダー、パウダーファンデーション、油性ファンデーション、クリーム状ファンデーション、リキッドファンデーション、コンシーラー、口紅、リップクリーム、頬紅、アイライナー、アイシャドウ、アイブロウ等のメークアップ化粧料などとすることができる。
【0038】
ここで、本発明の化粧料中の成分(A)の好ましい配合量は、化粧水の場合は全組成中に0.1〜10重量%、特に0.5〜5重量%、乳液及びクリームの場合は0.1〜10重量%、特に0.5〜7重量%、粉白粉、固形白粉及びフェイスパウダーの場合は0.1〜80重量%、特に1〜50重量%、パウダーファンデーション及び油性ファンデーションの場合は0.1〜80重量%、特に1〜25重量%、クリーム状ファンデーション、リキッドファンデーション及びコンシーラーの場合は0.1〜10重量%、特に0.5〜7重量%、口紅及びリップクリームの場合は0.1〜20重量%、特に0.5〜10重量%、頬紅及びアイシャドウの場合は0.1〜40重量%、特に0.5〜25重量%、アイライナー及びアイブロウの場合は0.1〜30重量%、特に0.5〜20重量%であるのが好ましい。
【0039】
前述のように成分(A)の粉体は、被覆粉体の設計に応じて種々の干渉色を示すことができ、肌に塗布することによりそれぞれ肌の色相を変化させることができる。粉体を塗布しようとする部位と変化させたい色との色彩値の関係から、これに適した色の粉体を選択して、肌色を制御できる。まず、CIE1976L***表色系により規定される、粉体を塗布しようとする部位の色彩値(Lt *,at *,bt *)と、健常部又は健常時の色彩値(Ln *,an *,bn *)を前記と同様に測色し、これらの差から得られる(ΔL1 *,Δa1 *,Δb1 *)のメトリック色相角h1 を求める。ここで、粉体を塗布しようとする部位は、肌に色むらがある場合の色素沈着部のような部分であったり、顔全体であっても良い。この部位に粉体を塗布することにより変化させたい色は所望の色彩値の色を設定できるが、ここでは健常部又は健常時の色彩値を選ぶ。
【0040】
一方、塗布しようとする粉体は、前記と同様に干渉色(Lp *,ap *,bp *)を測定し、メトリック色相角hp を求める。そして、これらの色相角の関係が、−270°<hp−h1<−90°又は90°<hp−h1<270°、好ましくは−210°<hp−h1<−150°又は150°<hp−h1<210°となる粉体を塗布すれば、この部分の肌色が、健常部又は健常時の色彩色に近づくよう、制御できる。
【0041】
このように選択した粉体は、そのまま又は通常の化粧料に配合することにより、肌に塗布できる。
【0042】
本発明の化粧料は、観測方向による色の変化がなく、透明感を持たせつつ肌の色相感覚を変化させることができ、しかも肌の色むらをカバーし、かつくすみを改善し、自然で健康的な肌色にする効果に優れたものである。
【0043】
【実施例】
以下の製造例において得られた着色顔料の光学特性(変曲点波長)、及び体積平均粒子径は、次の方法により求めた。
【0044】
(1)光学特性の測定方法:
着色顔料の濃度が5重量%となるように硫酸バリウムと混合した試料粉体(5%)又は着色顔料自体(100%)1.0gを粉体測定用セルに詰め、標準白色板にて補正を行った分光光度計(日立製作所社製、商品名:U−4000)で380〜780nmの可視波長範囲での分光反射スペクトルを測定し、得られたスペクトルにおいて一次微分導関数の最大値又は二次微分導関数が0となる波長を変曲点波長として求めた。
【0045】
(2)体積平均粒子径:
堀場製作所社製、レーザー散乱式粒度分布計(LA−700型)を用いて測定した。
【0046】
製造例1
Ca/Feモル比の値が0.5となるように原料粉末であるCa(OH)2
29.425重量部とα−FeOOH 70.575重量部とをボールミルポッドに入れ、10mmφのZrO2 製のボールと溶媒としてエタノールを用いて、12時間混合を行った。その後、スラリーとボールとを分離し、スラリー中のエタノールを留去してCa(OH)2とα−FeOOHとの均一混合粉体を得た。これを電気炉にて1000℃、3時間の焼成条件で焼成することにより、着色顔料を得た。
得られた着色顔料は、X線回折分析の結果、CaFe24 単相であった。また、変曲点波長は、5%が625nm、100%が629nmであり、体積平均粒子径は、1.35μmであった。
【0047】
製造例2
製造例1において、Ca/Feモル比の値が0.4となるように調整した以外は、製造例1と同様の操作を行い、着色顔料を得た。
得られた着色顔料の変曲点波長は、5%が623.5nm、100%が629nmであり、得られた着色顔料をX線回折分析したところ、CaFe24 相にα−Fe23 相が10重量%含有されていた。また、体積平均粒子径は、1.54μmであった。
【0048】
製造例3
製造例1において、Ca/Feモル比の値が0.6となるように調整した以外は、製造例1と同様の操作を行い、着色顔料を得た。
得られた着色顔料の変曲点波長は、5%が627nm、100%が631nmであり、得られた着色顔料をX線回折分析したところ、CaFe24 相以外にCa2Fe25 相が22重量%含有されていた。また、体積平均粒子径は、1.36μmであった。
【0049】
製造例4
室温で攪拌下、NaOH水溶液に、CaCl2 及びFeCl3 を含む水溶液(Ca/Feのモル比の値:0.5)を定量ポンプを用いて滴下した。滴下終了後のpHは12.5であった。ここで得られたCa及びFeの混合水酸化物を良く水洗した後乾燥し、その乾燥物を電気炉にて900℃、3時間の焼成を行い、着色顔料を得た。
得られた着色顔料は、X線回折分析により、CaFe24 単相であることが判明した。また、変曲点波長は、5%が623nm、100%が628nmであり、体積平均粒子径は1.12μmであった。
【0050】
製造例5
製造例4において、焼成温度を800℃とした以外は、製造例4と同様の操作を行い、着色顔料を得た。
得られた着色顔料は、X線回折分析より、CaFe24 相であることが判明した。また、変曲点波長は、5%が608.5nm、100%が614nmであり、体積平均粒子径は0.78μmであった。
【0051】
製造例6
製造例4において、Ca/Feモル比の値が0.4とした以外は、製造例4と同様の操作を行い、着色顔料を得た。
得られた着色顔料は、X線回折分析より、CaFe24 相以外にα−Fe23 相が10重量%含有されていた。また、変曲点波長は、5%が618.5nm、100%が624nmであり、体積平均粒子径は1.32μmであった。
【0052】
製造例7
(COOH)2 水溶液を100℃に加熱、攪拌し、CaCl2 及びFeCl2 を含む水溶液(Ca/Feのモル比の値:0.5)を滴下ロートにて滴下し、そのままの温度で攪拌下1時間の熟成を行った。その後、生成したCa及びFeのシュウ酸塩を濾別し、水洗した後、乾燥した。この乾燥粉末を電気炉にて1000℃、1時間焼成し、着色顔料を得た。
得られた着色顔料は、X線回折分析より、CaFe24 単相であることが判明した。また、変曲点波長は、5%が625nm、100%が629nmであり、体積平均粒子径は1.34μmであった。
【0053】
製造例8
製造例7において、Ca/Feモル比の値が0.4とした以外は、製造例7と同様の操作を行い、着色顔料を得た。
得られた着色顔料は、X線回折分析より、CaFe24 相以外にα−Fe23 相が8重量%含有されていた。また、変曲点波長は、5%が622.5nm、100%が628nmであり、体積平均粒子径は1.25μmであった。
【0054】
製造例9
製造例2において、Ca原料及びFe原料を各々CaCO3 及びα−Fe23 とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、着色顔料を得た。
得られた着色顔料は、X線回折分析より、CaFe24 単相であることが判明した。また、変曲点波長は、5%が627.5nm、100%が632nmであり、体積平均粒子径は1.56μmであった。
【0055】
製造例10
製造例9において、Ca/Feのモル比の値を0.4とした以外は、製造例9と同様の操作を行い、着色顔料を得た。
得られた着色顔料は、X線回折分析より、CaFe24 相以外にα−Fe23 相が12重量%含有されていた。また、変曲点波長は、5%が616.5nm、100%が624nmであり、体積平均粒子径は1.32μmであった。
【0056】
製造例11
薄片状の金属アルミニウムをアルカリ溶液中にて酸化反応させて得られた板状酸化アルミニウム粉末(比表面積270m2/g、アスペクト比50、平均粒子径20.0μm)1.0gを水50gに懸濁させ、更に天然色素コチニール(カルミン酸、三栄化学製)0.35gを水40gに溶解したものを徐々に攪拌しながら加えた。60℃、20分間攪拌し、濾過洗浄し、着色された薄片状粉末を得た。更に、この着色粉末を水100gで沸騰処理した後、濾過、水洗、次いでエタノール洗浄し、80℃で乾燥すると粉体色の鮮明な暗褐色を示す着色顔料を得た。
得られた着色顔料の変曲点波長は、5%が622nm、100%が629nmであり、体積平均粒子径は1.5μmであった。
【0057】
製造例12
製造例11において、吸着担体にアルミナゾルを噴霧乾燥して得られた球状アルミナ粉末(平均粒径3μm)とした以外は、製造例11と同様の操作を行い、暗赤色を示す着色顔料を得た。
得られた着色顔料の変曲点波長は、5%が625nm、100%が629nmであり、体積平均粒子径は1.3μmであった。
【0058】
製造例13
製造例11にて使用した薄片状アルミナ粉末1.0gを水50gに懸濁させ、更に赤色201号(癸巳化成製)0.15gを水40gに溶解したものを徐々に加え、次いで濾過洗浄して、着色された薄片状粉末を得た。この薄片状粉末をオートクレーブに入れ、水を加えた懸濁液を130℃まで昇温し、そのまま1時間保持後、70℃まで放冷した。更にこれを洗浄、乾燥して粉体色の鮮明な赤色を示す着色顔料を得た。
得られた着色顔料の変曲点波長は、5%が626.6nm、100%が629nmであり、体積平均粒子径は1.4μmであった。
【0059】
試験例1
表1に示す粉体を黒色の合成皮革上に8mg/100cm2 となるように均一塗布し、これを変角分光測定システム(村上色彩技術研究所製、GCMS−3)を用い、入射光角45°、受光角−45°及び−20°で測色した。2つの干渉色(L45,45 *,a45,45 *,b45,45 *)及び(L45,20 *,a45,20 *,b45,20 *)の色差(ΔE)を前記式より求めた。また、平均粒径をSK Laser Micron Sizer (セイシン企業製)で湿式にて測定した。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0004070356
【0061】
実施例1〜11(パウダーファンデーション)
下記表2及び表3に示す組成のパウダーファンデーションを、下記製法に従ってそれぞれ製造し、これらのファンデーションを使用したときの、仕上がりを評価した。結果を表2及び表3に併せて示す。
【0062】
(製法)
成分(1)〜(20)を混合し粉砕機を通して粉砕する。これを高速ブレンダーに移し、更に成分(21)〜(23)を80℃に混合溶解したものを加えて均一混合する。この混合物に成分(24)を加えて混合した後、再び粉砕してふるいを通す。これを金皿に圧縮成型して、パウダーファンデーションを得た。
【0063】
(評価方法)
実施例1〜11及び比較例1〜3で得られたパウダーファンデーションを肌に塗布したときの「透明感、鏡で見る角度による肌色の違い、血色の良さ、ギラツキ感のなさ、カバー力及び健康的に見える」について、専門パネラー14名により、良いを5点、やや良いを4点、普通を3点、やや悪いを2点、悪いを1点として評価を行い、14名の平均値を算出した。
【0064】
【表2】
Figure 0004070356
【0065】
【表3】
Figure 0004070356
【0066】
表2及び表3の結果から明らかなように、本発明の化粧料を塗布した場合にはいずれも、透明感が高く、観測方向による色の変化がなく、それぞれの光の色の特徴が発揮されていた。また、ギラツキ感がなく、自然な仕上がりで、かつカバー力及び健康的に見える効果も良好であった。
【0067】
実施例12(クリーム状ファンデーション)
下記組成のクリーム状ファンデーションを製造した。
【表4】
Figure 0004070356
【0068】
(製法)
成分(11)〜(16)を混合し、粉砕機を通して粉砕する。別に水相成分(7)〜(10)を混合した溶液を調製し、粉砕した顔料を加えて分散した後、75℃に加熱する。油相成分(1)〜(6)を80℃に混合溶解したものを、先に調製した水相に攪拌しながら加え、乳化する。これを攪拌しながら冷却し、50℃で成分(17)を加え、攪拌しながら冷却して、クリーム状ファンデーションを得た。
【0069】
実施例13(粉白粉)
下記組成の粉白粉を製造した。
【表5】
Figure 0004070356
【0070】
(製法)
全成分を混合し、粉砕機を通して粉砕し、ふるいを通して粉白粉を得た。
【0071】
実施例14(固形白粉)
下記組成の固形白粉を製造した。
【表6】
Figure 0004070356
【0072】
(製法)
成分(1)〜(8)を混合し、粉砕機を通して粉砕する。これを高速ブレンダーに移し、更に成分(9)〜(11)を80℃で混合溶解したものを加えて均一に混合する。この混合物に成分(12)を加えて混合した後、再び粉砕してふるいを通す。これを金皿に圧縮成型して、固形白粉を得た。
【0073】
実施例15(頬紅)
下記組成の頬紅を製造した。
【表7】
Figure 0004070356
【0074】
(製法)
成分(1)〜(8)を混合し、展色する。次に、混合機の中で成分(9)〜(11)を噴霧して加え、均一に混合し、ふるい通した後、プレス機を使って金皿の中に圧縮して固め、頬紅を得た。
【0075】
実施例16(アイシャドウ)
下記組成のアイシャドウを製造した。
【表8】
Figure 0004070356
【0076】
(製法)
実施例15と同様にして目的のアイシャドウを得た。
【0077】
実施例17(口紅)
下記組成の口紅を製造した。
【表9】
Figure 0004070356
【0078】
(製法)
成分(8)〜(15)を加熱融解して均一に混合する。これに成分(1)〜(7)を加え、ロールミルで練り均一に分散させた後、再融解して成分(16)〜(18)を加え、脱泡してから型に流し込み、急冷して固める。固まったものを型から取り出し、容器に充填する。次にスティックの外観を整えてから炎の中を通し、表面を均一にし、口紅を得た。
【0079】
実施例12〜17で得られた化粧料はいずれも、透明感が高く自然な仕上がりで、また観測方向による色の変化がなく、肌の色相感覚を変化させることができ、しかも肌の色むらをカバーし、かつくすみを改善し、自然で健康的に見せる効果に優れたものであった。
【0080】
実施例18
色むらのある肌の色素沈着部及び健常部の色彩値を測色したところ、色素沈着部(66.30,5.18,16.91)、健常部(68.53,6.19,15.59)であった。これらより、(ΔL1 *,Δa1 *,Δb1 *)は(−2.23,−1.01,1.32)であり、メトリック色相角h1 は127.27であった。
一方、表10に示す粉体について、試験例2と同様にして、入射角45°、受光角−45°の干渉色を測定し、メトリック色相角hp を求めた。また、Δh=hp−h1を求め、結果を表10に併せて示した。
【0081】
【表10】
Figure 0004070356
【0082】
表10のうち、Δhが184.32である紫色系パール剤(FLAMENCO SATIN VIOLET)を色素沈着部に塗布し、色素沈着の目立ちにくさ、明るさ、自然さ、及び透明感を評価した。評価は専門パネル20名により各項目について、良いを5点、やや良いを4点、普通を3点、やや悪いを2点、悪いを1点として行い、20名の平均値を算出した。
その結果、色素沈着の目立ちにくさ4.5、明るさ4.4、自然さ4.5、透明感4.2であった。
青色系パール剤(FLAMENCO SATIN BLUE)、赤色系パール剤(FLAMENCO SATIN RED)でも同様の良好な結果が得られたが、これ以外のものでは、色素沈着を目立たなくすることはできなかった。
【0083】
実施例19
実施例13の粉白粉を、実施例18と同様に色素沈着部に塗布し、色素沈着の目立たなさ、明るさ、自然さ及び透明感を評価したところ、いずれも良好な結果が得られた。

Claims (1)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)雲母の表面を酸化チタンと酸化鉄の混合物で被覆した平均粒径5〜12μmの粉体であって、該粉体を黒色の合成皮革上に8mg/100cm2 となるように均一塗布し、これを入射角45°、受光角−45°及び−20°で測色したとき、CIE1976L***表色系により規定される2つの干渉色(L45,45 * ,45,45 * ,45,45 *)及び(L45,20 * ,45,20 * ,45,20 *)について、下記式:
    色差(ΔE)=((L45,45 *−L45,20 *2+(a45,45 *−a45,20 *2+(b45,45 *−b45,20 *2)0.5
    により求めた色差(ΔE)が20.0〜32.3である粉体、
    (B)式CaFe24
    で表される着色顔料であって、当該着色顔料の濃度が5重量%となるように硫酸バリウムと混合してなる試料の分光反射スペクトルが、波長領域600〜640nmに変曲点波長を有する複合酸化物からなる着色顔料を含有する化粧料。
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