JP4068945B2 - 音楽同調噴水装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽に同調させて噴水姿態を変化させることの可能な音楽同調噴水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の噴水装置では演出効果を高めるために、音程、テンポ又は音の強弱等に同調させた噴水姿態の制御が望まれる。従来、音楽と噴水姿態とを同調させるために、楽曲毎に噴水姿態を制御するための制御用データを予めデータベース化しておき、各楽曲に関する音楽の再生に同期してデータベースから楽曲に対応した制御用データを読み出して、噴水姿態を制御することが行われていた。
【0003】
ところが、楽曲毎に制御用データをデータベース化する必要があると、噴水装置の管理が複雑化し、新しい楽曲を使って噴水姿態を制御することができないという問題があった。また、噴水装置のコストが上昇するという問題もあった。
【0004】
そのためデータベースを設けることなく、音楽と噴水との同調を図るために、噴水の演出に先立って楽曲の音楽データを全て読み込み、予め演算処理を行うことによって噴水姿態を制御するためのデータを生成するものがある(例えば、特許文献1)。この場合、制御用データの生成が完了した時点で噴水の演出動作を開始することが可能になる。
【0005】
また、音楽の再生時に音楽信号を一旦コンピュータのメモリに取り込み、音楽を一定時間遅らせて再生するものも存在する(例えば、特許文献2)。この場合、メモリに格納された音楽信号を解析することによって噴水姿態を制御するためのデータが生成され、音楽の遅延によって音楽と噴水姿態とが同調するように構成される。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−185422号公報
【特許文献2】
特開平8−243452号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、噴水演出を開始する前に予め音楽データを先読みして制御用データを生成する必要があるため、音楽データと制御用データとを記憶するための記憶手段が必要であり、装置の大型化や高コスト化を招くという問題がある。また、楽曲を変更するのに手間がかかり、噴水装置の管理が複雑化するという問題は依然として残存したままの状態にある。
【0008】
また、上記特許文献2の技術では、音楽信号をメモリに記憶しながら、音楽信号の複雑な解析及び制御用データの生成を行い、さらに音楽信号と制御用データとを一定の時間差で出力することが必要となり、装置構成が複雑化してコストが高くなるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、楽曲毎のデータベース化を不要とし、比較的簡単かつ安価な構成で楽曲の変更を容易なものにして装置管理を簡単に行うことの可能な音楽同調噴水装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、音楽に同調させて噴水姿態を変化させる音楽同調噴水装置であって、噴水姿態を変化させることの可能な噴水手段と、電気的な音楽信号を逐次生成して出力する音楽信号生成手段と、前記音楽信号に基づいて所定空間に音楽を放送する音楽放送手段と、前記音楽信号による音楽の開始に伴い、前記噴水手段による噴水姿態を基本演出パターンに基づいて制御するとともに、前記音楽信号生成手段より逐次入力する前記音楽信号を解析し、前記音楽信号が所定の条件を満たした場合に前記基本演出パターンを変更して前記噴水手段による噴水姿態を制御する制御手段と、を備えて構成される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の音楽同調噴水装置において、前記噴水手段による噴水姿態を照明する照明手段をさらに備え、前記制御手段は、前記照明手段による照明状態を前記基本演出パターンに基づいて制御するとともに、前記音楽信号が前記所定の条件を満たした場合に前記基本演出パターンを変更して前記照明手段による照明状態を制御することを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の音楽同調噴水装置において、前記制御手段は、前記音楽信号が前記所定の条件を満たし、前記基本演出パターンを変更した場合には、前記基本演出パターンを変更した制御状態を所定時間継続させることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の音楽同調噴水装置において、前記制御手段は、前記音楽信号による音楽の終了時には、前記基本演出パターンに基づく噴水姿態の制御を終了させることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態にかかる音楽同調噴水装置1の構成を示す図である。音楽同調噴水装置1は、音楽信号生成部10、制御部20、記憶部30、放送設備40、データ受信部50、制御データ送出部60、及び、噴水部70を備えて構成される。
【0016】
音楽信号生成部10は、CDやMD等の記録メディアや、MP3等の規格化された音楽用データから記録された音楽信号を読み取り、音楽の再生に伴って逐次その音楽信号を出力したり、マイク等の音楽入力手段から逐次入力する音楽に基づいて音楽信号を生成して出力するものである。音楽信号生成部10にて生成される音楽信号は制御部20に対して出力される。
【0017】
制御部20は、音楽同調噴水装置1において音楽と噴水姿態とを同調させるための主要部であり、音楽信号生成部10における音楽信号の生成に伴って逐次入力する音楽信号をそのまま放送設備40に対して出力するとともに、リアルタイムで比較的簡単な音楽解析を行い、噴水部70の各部を制御するための制御データを生成して送出する機能を有する。この機能を実現するために、制御部20は、例えば一般的なコンピュータ(いわゆるパソコン)等によって構成され、そのコンピュータにおいて所定の音楽同調噴水装置制御プログラムが実行されることで、音楽信号入力部21、制御データ生成部22、及び管理部23としての機能が実現される。
【0018】
記憶部30は例えば磁気ディスク装置によって構成される。記憶部30には、噴水部70における噴水姿態及び照明状態を制御するための基本演出パターン31が電子データとして記憶される。基本演出パターン31には、再生される音楽にかかわらず、予め定められたシーケンスに基づいて噴水姿態及び照明状態を変化させる演出パターンが規定されており、記憶部30には少なくとも1つの基本演出パターン31が格納されている。ただし、噴水姿態及び照明状態による演出効果のバリエーションを増すために、複数種類の基本演出パターン31を予め記憶部30に格納しておいてもよい。
【0019】
放送設備40は増幅器41とスピーカ42とを備えて構成され、制御部20から入力する音楽信号を増幅し、スピーカ42より周囲の所定空間に音楽を放送する。放送設備40による音楽の放送は音楽信号生成部10における音楽の再生(又は音楽信号の生成)に伴って開始され、音楽信号生成部10で生成される音楽信号に基づいた音楽がリアルタイムで所定空間に放送される。なお、スピーカ42は噴水部70の周囲1箇所以上の適所に設置される。
【0020】
データ受信部50及び制御データ送出部60は、噴水部70に比較的近い位置に配置され、制御部20とデータ受信部50とは有線又は無線の伝送網3(例えばLAN等のネットワーク)を介して互いにデータ伝送可能なように接続される。データ受信部50は、伝送網3を介して制御部20から入力する制御データを制御データ送出部60に与えるように構成され、制御データ送出部60は制御データに基づいて噴水部70の各部に制御信号を送出し、噴水高さ、噴水太さ、噴水方向等の噴水姿態や、照明状態による照明演出を変化させる。
【0021】
噴水部70は、噴水姿態を変化させるための機構として、第1乃至第3ポンプ71〜73、電磁弁74、及び可動部75を備えるとともに、照明状態を変化させるための機構として、第1及び第2照明器具76,77を備える。
【0022】
複数のポンプ71〜73のうち、例えば第1ポンプ71はいわゆる直上噴水として噴水を30m程度の高さにまで噴き上げるための動力源である。また、各ポンプ71〜73は例えば図示しないインバータ回路によって駆動され、各噴水の噴き上げ高さ等が制御可能なように構成される。さらに、電磁弁74は直上噴水をオン・オフ制御するためのものであり、可動部75は直上噴水の噴き上げ角度を変化させることによって直上噴水による噴水姿態を変化させるものである。直上噴水に対して電磁弁74を設けることにより、ポンプ71の動作に連携させて電磁弁74の開閉動作を行うことが可能となり、例えば直上噴水を最大限の高さ位置まで比較的短時間で到達させたり、直上噴水を瞬間的に停止させることが可能である。なお、図1に示す構成では、電磁弁74及び可動部75は直上噴水を行う系統のみに設けられているが、他の噴水系統に対して必要に応じて電磁弁及び可動部を設けることも可能である。
【0023】
照明器具76,77は例えば夜間の噴水演出において音楽に同調させて照明状態を変化させることにより、より視覚的効果の高い噴水演出を実現するために設けられるものである。
【0024】
そして、噴水部70における噴水姿態及び照明状態は、制御部20において生成される制御データに基づいて変化することになる。
【0025】
次に、上記のように構成される音楽同調噴水装置1において、噴水部70における噴水姿態及び照明状態を音楽に同調させて変化させる制御について説明する。
【0026】
制御部20における管理部23には、噴水演出を開始するためのタイムスケジュール等が設定されており、例えば、予め定められた噴水演出開始時刻になると音楽信号生成部10に対して音楽の再生若しくは音楽信号の出力開始を指示するとともに、記憶部30から予め定められた基本演出パターン31を制御データ生成部22に与えるように指示する。
【0027】
音楽信号生成部10は管理部23からの再生指示等により、音楽の再生若しくは入力を開始し、音楽信号を逐次制御部20に対して出力する。これにより、音楽信号入力部21には音楽信号生成部10において生成される音楽信号が逐次入力する。
【0028】
音楽信号入力部21は音楽信号生成部10から入力する音楽信号を直ちに放送設備40及び制御データ生成部22に対して出力する。
【0029】
制御データ生成部22は音楽信号の入力を検知すると、記憶部30から得られる基本演出パターン31に基づいて、噴水部70の各ポンプ71〜73、電磁弁74、可動部75、及び照明器具76,77を個別に制御するための制御データを逐次生成し、伝送網3を介してデータ受信部50に送出する。このとき、制御データ生成部22は音楽信号に合致した制御データを生成するのではなく、基本演出パターン31によって予め規定された制御データをそのまま送出するだけであるので、制御データを生成するための負荷は極めて軽微なものとなる。
【0030】
また、制御データ生成部22は、音楽信号入力部21から逐次入力する音楽信号を解析する機能を有し、音楽信号の示す音量又は音域等が所定の条件を満たした場合、噴水部70の各部に対する制御データを基本演出パターン31によって規定される内容とは無関係に生成し、即時データ受信部50に対して送出する。
【0031】
すなわち、制御データ生成部22は、音楽信号による音楽の開始に伴い、噴水部70における噴水姿態や照明状態を基本演出パターン31に基づいて制御するとともに、逐次入力する音楽信号を解析し、音楽信号の示す音量又は音域等が所定の条件を満たした場合に基本演出パターン31を変更して噴水部70における噴水姿態や照明状態を制御するように構成されている。
【0032】
音楽信号の解析では、音楽信号を周波数ごとに分析し、全体の音圧レベルが所定レベルよりも高く、音楽の盛り上がりが検知された場合、特定の低音部が所定レベルよりも高く低音域が強調されている場合、全体の音圧レベルが所定レベルよりも低い場合、及び、音楽のテンポが変化した場合等が検知される。
【0033】
そして、例えば、全体の音圧レベルが所定レベルよりも高く、音楽の盛り上がりが検知された場合には、制御データ生成部22は、基本演出パターン31が示す演出内容にかかわらず、各ポンプ71〜73による噴水を最大限の高さ位置まで上昇させるような制御データを生成し、出力する。また、全体の音圧レベルが所定レベルよりも低く、無音状態に近づいたことが検知された場合には、各ポンプ71〜73による噴水の高さ位置が比較的低い位置となるような、若しくは噴水を一時停止させるような制御データを生成し、出力する。さらに、これら噴水姿態の制御とともに、照明器具76,77についても同様に、基本演出パターン31が変更されて照明状態の制御が行われる。
【0034】
図2は基本演出パターン31の一例を示す図であり、図3は制御データ生成部22において行われる基本演出パターン31の変更制御を示す図である。なお、図2及び図3では、電磁弁74及び可動部75の制御パターンは省略している。
【0035】
まず、図2において基本演出パターン31には、第1乃至第3ポンプ71〜73のそれぞれに対応する噴水姿態の演出パターンP1〜P3と、照明器具76,77に対応する照明状態の演出パターンP4,P5とが定められており、音楽が開始すると、原則的に基本演出パターン31に沿った噴水演出のための制御が行われる。
【0036】
そして本実施形態では、図3に示すように、音楽開始後、制御データ生成部22において時刻t1及びt3に音楽信号が所定の条件を満たしたことが検知された場合、制御データ生成部22は基本演出パターン31に規定される各演出パターンP1〜P5の内容を変更して噴水部70の制御を行う。
【0037】
また、制御データ生成部22は基本演出パターン31に規定される各演出パターンP1〜P5を変更して制御データを生成した場合、基本演出パターン31を変更した制御状態(すなわち生成される制御データ)を所定時間Tだけ継続させる。噴水部70における各ポンプ71〜73の回転数が比較的低速である場合、その状態から噴水を最大限の高さ位置まで噴き上げさせるためには、一定の時間が必要であり、低速状態のポンプに対して高速回転を指示する制御信号を一時的に与えたとしても、噴水は最大限の高さ位置まで到達することがなく、噴水姿態の変化は小さなものとなる。そこで、図3に示すように、基本演出パターン31を変更した制御状態を所定時間Tだけ継続させることにより、音楽信号が所定の条件を満たした場合、噴水姿態に大きな変化を与えることが可能になり、視覚的にも大きな演出効果を発揮させることが可能である。
【0038】
ただし、所定時間Tは噴水部70の詳細構成によって定められる値である。例えば、直上噴水が停止状態から最大限の高さへ噴き上げるまでに要する時間が所定時間Tとして設定される。
【0039】
よって、図3の例では、時刻t1に音楽信号が所定の条件を満たしたことを示す検知状態となり、その後、直ちに非検知状態に戻っても、第1〜第3の噴水及び第1,第2の照明に対する制御データは、時刻t2まで基本演出パターン31を変更させた状態で継続させている。そして所定時間Tが経過した後、制御データ生成部22は再び基本演出パターン31に基づく各演出パターンP1〜P5に則した制御データを生成することになる。
【0040】
ただし、照明器具76,77を制御するための制御データについては噴水の場合に比べて応答時間が極めて短く、制御データが変更されれば直ちに照明状態が変化すると考えられるため、上記のように所定時間Tを設けることは必須ではない。
【0041】
なお、基本演出パターン31の変更時に採用される制御データは、音楽信号の判断基準となる各条件に対応づけて、予めプログラムに定義しておいたり、メモリ等に格納しておけばよい。
【0042】
制御データ送出部60は、制御データ生成部22において生成される制御データに基づいて噴水部70の各部を制御し、基本演出パターン31が変更された制御データを受信した場合には、それに基づいて噴水部70における噴水姿態及び照明状態を変化させるように制御する。この結果、音楽同調噴水装置1における噴水姿態及び照明状態は、放送設備40から放送される音楽の特徴的部分に同調して大きく変化することとなり、噴水演出の全体が音楽に同調しているかのような印象を与えることができる。
【0043】
また、管理部23は、音楽と噴水演出とを同調させた動作を終了させる機能も有する。この場合、音楽の終了と、その音楽に同調した噴水演出の終了とがほぼ同時に行われることにより、演出終了時においても音楽と噴水姿態等とが同調している印象を与えることができる。
【0044】
例えば、予め定められた噴水演出終了時刻になると音楽の再生動作等を停止させるとともに、噴水部70に対する制御動作をも停止させることで終了時の同調を実現することができる。
【0045】
また、ある楽曲を1回再生する間、噴水演出を行う場合には、音楽信号の生成動作が終了時(例えば再生終了時)に、噴水部70の制御も終了する。この場合において、基本演出パターン31によって規定される演出時間と、音楽信号生成部10において音楽信号が生成される時間(例えば再生時間)とが異なる場合、管理部23は、音楽信号の生成動作が終了するまで、基本演出パターン31に基づく制御を繰り返し実行させ、音楽信号の生成動作の終了(例えば再生終了)に伴って、基本演出パターン31に基づく噴水姿態等の制御を同時に終了させる。これにより、音楽が基本演出パターン31に規定された時間より長い場合でも良好に対処できる。
【0046】
また、基本演出パターン31を繰り返すのではなく、基本演出パターン31の終了に伴って音楽をフェードアウトさせて終了させることも可能である。
【0047】
さらに管理部23は、記憶部30に複数種類の基本演出パターン31が格納されている場合には、それら複数の基本演出パターン31のうちから特定のものを選択したり、又はランダムに選択する機能を有する。同様に、管理部23は、音楽信号生成部10が複数の音楽のうちから一の音楽を選択して再生可能な場合、それら複数の音楽のうちから再生すべき音楽を指示するように構成される。基本演出パターン31の選択や音楽の選択は、オペレータの操作に基づいて行われるようにしてもよい。
【0048】
以上のように、本実施形態における音楽同調噴水装置1は、音楽信号による音楽の開始に伴い、噴水部70における噴水姿態を原則として基本演出パターン31に基づいて制御するように構成される。この基本演出パターン31は楽曲毎に用意されるものではなく、任意の楽曲に適用可能なものである。そして、逐次入力する音楽信号を解析し、その音楽信号が所定の条件を満たした場合にのみ、基本演出パターン31を変更して噴水部70における噴水姿態を変化させる制御を行うように構成されている。
【0049】
したがって、楽曲毎にデータベースを設ける必要はなく、楽曲を変更する際には、例えば、新たな楽曲を記録した記録メディアを音楽信号生成部10にセットし、それを再生するだけでよい。また、生演奏が行われる場合にも、その生演奏による音楽に噴水姿態等を同調させることができる。
【0050】
また、音楽解析によって音楽に合致した制御データを常に生成し続けるという複雑な制御を行うのではなく、本実施形態では、音楽信号が所定の条件を満たしているか否かを判断し、満たしていない場合には基本演出パターン31によって規定される制御データを送出し続け、満たす場合には基本演出パターン31を一時的に無視して、満足された条件に応じた制御データを送出するという比較的簡単な制御が採用されているため、解析結果が制御データに反映されるまでの時間を短縮することができる。よって、音楽に対する噴水姿態変化の遅延を低減することが可能であるとともに、比較的簡単かつ安価に装置を実現することが可能である。
【0051】
また、音楽同調噴水装置1において再生中の音楽信号が所定の条件を満たし、かつ、基本演出パターン31を変更した場合には、基本演出パターン31を変更した制御状態を所定時間Tだけ継続させるように構成されているので、特徴的な音楽部分が瞬間的なものであったとしても、噴水姿態に大きな変化を与えることができ、音楽に同調した噴水姿態を印象づけることができる。
【0052】
また、音楽信号による音楽の終了時には、基本演出パターン31に基づく噴水姿態の制御を終了させるように構成することで、噴水演出の終了時にも音楽と噴水姿態とを同調させることが可能である。
【0053】
さらに、音楽同調噴水装置1は、噴水姿態だけでなく、照明器具76,77を音楽に同調させて制御するように構成されており、例えば夜間等の噴水演出をより効果的に行うことができる。
【0054】
そして上記のような音楽同調噴水装置1は、楽曲毎のデータベース化を必要とせず、比較的簡単かつ安価な構成で楽曲の変更を容易なものにし、簡単に装置管理を行えることを可能にしている。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0056】
例えば、上述した噴水部70は、比較的大規模な噴水施設である場合を例示したが、本発明は小規模噴水施設にも適用可能なことは勿論である。また、図1に示した噴水部70の構成は単なる一例であって、それに限定されるものではなく、噴水部70の構成がさらに複雑化され、若しくは簡略化されても本発明を適用することは可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、音楽信号による音楽の開始に伴い、噴水手段による噴水姿態を基本演出パターンに基づいて制御するとともに、音楽信号生成手段より逐次入力する前記音楽信号を解析し、音楽信号が所定の条件を満たした場合に基本演出パターンを変更して噴水手段による噴水姿態を制御するように構成されるため、楽曲毎のデータベースを設ける必要がなく、比較的簡単かつ安価な構成で楽曲の変更を容易なものにして装置管理を簡単に行うことが可能になる。
【0058】
請求項2に記載の発明によれば、照明手段による照明状態を基本演出パターンに基づいて制御するとともに、音楽信号が所定の条件を満たした場合に基本演出パターンを変更して照明手段による照明状態を制御するように構成されるため、例えば夜間等に、より効果的な噴水演出を行うことができる。
【0059】
請求項3に記載の発明によれば、音楽信号が所定の条件を満たし、基本演出パターンを変更した場合には、基本演出パターンを変更した制御状態を所定時間継続させるため、音楽に同調した噴水姿態を効果的に印象づけることができる。
【0060】
請求項4に記載の発明によれば、音楽信号による音楽の終了時には、基本演出パターンに基づく噴水姿態の制御を終了させるため、噴水演出の終了時にも音楽と噴水姿態とを良好に同調させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる音楽同調噴水装置の構成を示す図である。
【図2】基本演出パターンの一例を示す図である。
【図3】制御データ生成部において行われる基本演出パターンの変更制御を示す図である。
【符号の説明】
1 音楽同調噴水装置
10 音楽信号生成部(音楽信号生成手段)
20 制御部(制御手段)
30 記憶部
31 基本演出パターン
40 放送設備(放送手段)
70 噴水部(噴水手段)
71〜73 ポンプ
76,77 照明器具(照明手段)
Claims (4)
- 音楽に同調させて噴水姿態を変化させる音楽同調噴水装置であって、
噴水姿態を変化させることの可能な噴水手段と、
電気的な音楽信号を逐次生成して出力する音楽信号生成手段と、
前記音楽信号に基づいて所定空間に音楽を放送する音楽放送手段と、
前記音楽信号による音楽の開始に伴い、前記噴水手段による噴水姿態を基本演出パターンに基づいて制御するとともに、前記音楽信号生成手段より逐次入力する前記音楽信号を解析し、前記音楽信号が所定の条件を満たした場合に前記基本演出パターンを変更して前記噴水手段による噴水姿態を制御する制御手段と、
を備える音楽同調噴水装置。 - 請求項1に記載の音楽同調噴水装置において、
前記噴水手段による噴水姿態を照明する照明手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記照明手段による照明状態を前記基本演出パターンに基づいて制御するとともに、前記音楽信号が前記所定の条件を満たした場合に前記基本演出パターンを変更して前記照明手段による照明状態を制御することを特徴とする音楽同調噴水装置。 - 請求項1又は2に記載の音楽同調噴水装置において、
前記制御手段は、前記音楽信号が前記所定の条件を満たし、前記基本演出パターンを変更した場合には、前記基本演出パターンを変更した制御状態を所定時間継続させることを特徴とする音楽同調噴水装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の音楽同調噴水装置において、
前記制御手段は、前記音楽信号による音楽の終了時には、前記基本演出パターンに基づく噴水姿態の制御を終了させることを特徴とする音楽同調噴水装置。
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