JP4068096B2 - マルチキャストサービスとユーザ装置のバッテリ節減を可能にする方法 - Google Patents

Description

本発明は、一般にセルラシステムにおける効率的なメッセージ送信に関する。より詳細には、本発明は、無線リソースを節減しバッテリ寿命を延ばすために、ユーザ装置へマルチキャストサービスとブロードキャストサービスを効率的に送信することに関する。

第３世代（３Ｇ）セルラシステムは、ユーザ装置（ＵＥ）へのマルチキャストサービスおよびブロードキャストサービスの送信の効率を改善するために継続的に修正が加えられている。そうしたセルラシステムおよびネットワークにおいては、最適化することが望ましい各種のパラメータがある。通常、このようなパラメータの１つを最適化すると、別のパラメータの最適条件が犠牲になる。対立するパラメータのセットの１つは、ＵＥの消費電力と無線リソースの利用である。

消費電力をできるだけ抑えるには、ＵＥは、能動的に信号をサーチする頻度を出来る限り少なくすべきである。図１に示すように、ＵＥがページングウィンドウＫをサーチ中でないか、あるいは、何らかの目的でユーザにより使用されていないとき、ＵＥは消費電力を最小に抑えるためにスリープモードとなるのが好ましい。

また、効率的に無線リソースを利用するには、複数のＵＥを宛先とする同じメッセージは、１回だけ送信されるのが理想的である。図２を参照すると、例えば、複数のＵＥ１２、１４、１６が示されている。ＵＥ１２、１４、１６は、１つのグループＸＹＺに関連付けられ、このグループは、１つのグループ識別子ＩＤ_ＸＹＺで識別される。以降で使用する用語「グループ識別子」は、１つもしくは複数の受信者もしくはサービスに関連付けることができるグループ、サービス、または他のタイプの信号を意味することができる。グループ識別子ＩＤ_ＸＹＺが例えば図１に示すページングウィンドウＫなど特定のページングウィンドウ内で送信されることが、ＵＥに通知される。そして、その送信の対象となるすべてのＵＥは、ページングウィンドウＫの中で、そのＩＤ_ＸＹＺの１回の送信を受信する。

考慮すべき重要な事項は、いかにしてＵＥの消費電力と無線リソースの利用両方の相反する必要条件を、許容できる程度まで満たすかということである。それぞれの犠牲が許容できる範囲に収まるように、ＵＥの消費電力と無線リソースの利用の両方を最適化することが望ましい。

ＵＥの電力に関する必要条件を満たすために、システムは、同期した１回の期間に複数のメッセージ通知を送信することができる。各ブロードキャストサービスもしくはメッセージ、またはサービスの対象グループには、識別子が割り当てられる。ＵＥは、その識別子をサーチして、自身が受信すべきメッセージが送信されていることを知ることができる。ある期間内に該当する識別子を検出しない場合、ＵＥはその期間の次のサイクルが来るまでスリープモードに入ることができる。

従来のセルラシステムのメッセージ送信方法には、結果的にＵＥのバッテリ寿命のロスにつながる不利な点があった。望ましい手法は、ＵＥによって求められている異なるサービスすべてのグループ識別子を、同じ時間ウィンドウに入れることであるが、この手法では、ＵＥは、おそらく異なるＵＥグループからなる２つ以上の識別子を探さなければならない。受信者の一部は、同じサーチウィンドウの中にまとめることができるだろうが、多くの場合、大多数の受信者は、やはり複数のウィンドウを必要とする。

例えば図３に示すように、ＵＥはいくつかのグループに関連付けることができる。下の表１に示すように、ＵＥ２２は、ＡＢＣ、ＤＥＦ、およびＧＨＩの３つのグループすべてに関連付けられている。図４を参照すると、ＩＤ_ＡＢＣはページングウィンドウＫで送信され、ＩＤ_ＤＥＦはページングウィンドウＬで送信され、ＩＤ_ＧＨＩはページングウィンドウＭで送信されるので、ＵＥ２２は、可能性のある各メッセージ識別子のために、ページングウィンドウＫ、Ｌ、Ｍで、ウエイクアップモードにならなければならない。同様に、ＵＥ３４は、ページングウィンドウＬおよびＭで、ウエイクアップモードになければならない。したがって、ＵＥが受信を許可されるグループサービスの数によってウエイクアップ期間の数が決まることになる。これは、バッテリの消費率をウエイクアップ期間の数に比例して増大させることになる。

従来技術の欠点がない、マルチキャストサービスとＵＥバッテリの節減を可能にする方法を提供することが望ましい。

本発明は、マルチキャストサービスを可能にするのと同時にＵＥバッテリの節減を実現する、改良された方法を提供する。ネットワークは、特定のページングウィンドウをサーチするＵＥのグループを構成するＵＥの個々を追跡する。グループ識別子と関連付けられたデータメッセージへのポインタが、グループの中の少なくとも１つのＵＥを有しているすべてのページングタイムウィンドウにおいて送信される。すべてのＵＥがデータメッセージの受信に備えられるように、グループ識別子と関連付けられたポインタよりも十分に後に、データメッセージは送信される。

以下の好ましい実施形態の説明から本発明のより詳細な理解を得ることができる。以下の説明は、一例として与えられるものであり、添付図面とともに理解されるだろう。

図５を参照すると、本発明によるシステム１００は、メモリ１０３を有するネットワーク１０２を備えている。ネットワーク１０２は、１つまたは複数のノードＢ １０４、１０６、１０８あるいは基地局（以下では「ノードＢ」）に関連付けられ、複数のＵＥ１１０、１１２、１１４、１１６、１１８と通信している。ＵＥ１１０〜１１８は、ネットワーク１０２に関連付けられるか、または別のネットワークに関連付けられ、ネットワーク間でローミングすることができる。

以下に詳細に説明するように、ネットワーク１０２は、メモリ１０３に、各ＵＥ、各ＵＥが関連付けられたサービスおよび／またはグループ、各ＵＥがアクセスするページングウィンドウに関する情報を保持している。前述の説明ではメモリ１０３中の情報を複数のテーブルとして提示するが、便宜上、この説明が提示されているに過ぎない。当業者であれば、本発明に従って、複数のテーブルを利用しても、あるいは多くの異なる列を有する１つのテーブルを利用してもよいことを明確に理解できるだろう。１つまたは複数のテーブルに関する記載は、本発明を、複数のテーブルを必要とすることに限定するものではない。表２を参照すると、ネットワーク１０２は、メモリ１０３に、各グループ識別子と、各グループ識別子に関連付けられたメンバの一覧を含むグループリストを持ったテーブルを保持している。メモリ１０３は、システム管理者によりアクセスすることができる。それにより、システム管理者は、必要に応じてグループリストを呼び出し、編集することができる。例えばメンバＵＥを追加または削除することによってグループが編集される際、影響を受けるＵＥは、適宜、グループへの追加またはグループからの削除を通知される。

表３を参照すると、ネットワーク１０２は、メモリ１０３に、各ＵＥが属するすべてのグループのリストを含むデータファイルも保持している。これにより、ネットワーク１０２は、ＵＥがそのＵＥのための２つ以上の可能なメッセージソースに実際に対応することができるように、所与のＵＥへの送信をスケジュールすることができる。例えば、以下により詳細に説明するように、ＵＥがチャネルＡで時間Ｘにデータメッセージを受信するようにスケジュールされる場合、ＵＥは、時間Ｘと重なって、異なるメッセージを同時に受信することはできないが、別のチャネルで受信することができる。

ネットワーク１０２は、表２および３の情報をもって、グループ識別子をスケジュールする最も効率のよい方式を決定しなければならない。通信時間を節約するために、「最短の」量の通信時間を利用すべきことは認識されよう。データメッセージは、関連付けられたポインタを有するグループ識別子に比べて何桁も長いことが想定されるので、メッセージが送信される回数を制限することが最も重要である。実際、ＵＥにスケジューリングの衝突が生じ、それによりデータメッセージが再送信されなければならないか、２回以上の発生をスケジュールされる場合を除いては、データメッセージは１回限り送信されることになっている。

第２のスケジューリングの要素は、特定のＵＥに対するグループ識別子と関連付けられたポインタのすべてを１つのページングウィンドウで送信することを試みることである。グループ識別子と関連付けられたポインタは、最小の長さであることが前提とされるので、各ＵＥがアクセスしなければならないページングウィンドウの数を制限し、必要に応じて複数のページングウィンドウにおいてグループ識別子と関連付けられたポインタを繰り返すのが好ましい。これによって、各ＵＥのウエイクアップ期間の回数を制限することができる。

したがって、表４を参照すると、ネットワークは、メモリ１０３に、ページングウィンドウと、各ウィンドウにおいて送信されるグループ識別子の一覧を保持している。この表は、グループ、グループ識別子、各グループに関連付けられたメンバＵＥ、および各ＵＥに関連付けられたグループを示す表２および３の情報から得られる。基本的に、表４は、各ページングウィンドウのスケジューリングパラメータを示す。表４に示すように、各メンバＵＥは、１つのページングウィンドウに関連付けられ、１つのウィンドウにおいて複数のグループ識別子が送信される。ＵＥ３６およびＵＥ４６は表４ではページングウィンドウＬに関連付けられているが、ＵＥ３６はグループ識別子ＩＤ_ＤＥＦが受信されることだけを必要とし、ＵＥ４６はＩＤ_ＧＨＩが受信されることだけを必要とするので、ＵＥ３６およびＵＥ４６は、ページングウィンドウＫまたはページングウィンドウＬのどちらに関連付けてもよい。ページングウィンドウＫまたはＬは、ＵＥ３６とＵＥ４６の両方に適切なメッセージとポインタを提供するのに適する。

図６を参照すると、該当するページングウィンドウにグループ識別子が追加される。図に示すように、グループ識別子は必要に応じて反復される。ネットワーク１０２は、自身のグループ識別子のために確認すべきページングウィンドウを各ＵＥに通知する。そして、ＵＥは、自身のグループ識別子のためにそのページングウィンドウ（１つまたは複数）を確認する。したがって、各ＵＥは、自身の識別子に対してそのＵＥに割り当てられたページングウィンドウ内において確認するだけでよい。この方法では、各ＵＥが１つのページングウィンドウをサーチするだけで済み、従来技術の方法と異なりページングウィンドウのセットが大幅に減少する。

図６に示すように、ＵＥは、適切なページングウィンドウで確認して自身のグループ識別子をサーチする。各グループ識別子は、上述のように、ＵＥを、その後に引き続くデータメッセージの場所またはアドレスに誘導するポインタを含んでいる。利用される無線ネットワークに応じて、ポインタは、使用されているＲＦ変調方式に適した、時間、周波数チャネル、符号化（ＣＤＭＡなど）、および／または方向（しばしば空間符号化と称される）を指示することができる。実際、ポインタは、１つのＲＦネットワークから別のＲＦネットワークを「ポイント」することができる。例えば、ポインタはＧＳＭを介して配信されることができるが、対応した実装がされたＵＥに対しては、無線ＬＡＮを介して実際のデータが到着する場合がある。すべてのメンバＵＥがデータへのポインタを有し、データが実際に送信される前にデータを取得するのに適した状態をとれることを保証するために、データメッセージ自体は、最後のポインタ送信が行われた後に現れるようにスケジュールされる。図６に示す方式は、データメッセージの１つのインスタンスが、グループ識別子と関連付けられたデータへのポインタの複数のインスタンスと比べて比較的長い場合には、通信時間の観点から効率的である。

特定のページングウィンドウへのＵＥのスケジューリングが複雑で、ＵＥが２つ以上のページングウィンドウをサーチすることが必要とされる場合でも、本発明は、従来技術を上回るいくつかの大きな利点を有する。第１に、ＵＥが複数のページングウィンドウをサーチする場合、ＵＥは複数のポインタを比較することにより、同じデータメッセージの重複した受信を避けることができる。重複したポインタは破棄される。反復する各サイクルについて、ポインタのインスタンス１つに対しただ１つの一意のメッセージが存在することができる。

第２に、ＵＥは複数のページングウィンドウをサーチすることを余儀なくされる場合もあるが、ページングウィンドウの数は、従来技術で必要とされるものに比べて大幅に減らされる。したがって、ウエイクアップ期間の回数が減り、予想されるＵＥのバッテリ寿命が大幅に延びる。

例えば、３つのグループ識別子ＩＤ_ＡＢＣ、ＩＤ_ＤＥＦ、ＩＤ_ＧＨＩが、現在ＵＥ２２がサーチする必要がある唯一のウィンドウであるページングウィンドウＫにある。これらの識別子は、１つまたは複数の他のページングウィンドウで繰り返すことができる。なぜならそのグループの他のメンバだけがそれらのウィンドウでサーチをするからである。しかし、グループ識別子のすべての出現は、（各自に関連付けられたポインタによって）実際のデータメッセージの１つの一意なインスタンスをポイントする。グループ識別が反復されるので通信使用時間は増えるが、データメッセージを反復する場合に必要とされるものに比べれば、この増加は問題にはならないと考えられる。ＵＥ２２は、１つのページングウィンドウだけにおいて、ウエイクアップすればよく、そのため表１に示す方式と比べてバッテリ寿命が大幅に確保される。

図７を参照すると、本発明による方法２００のフロー図が示されている。方法２００は、ステップ２０２で、ネットワークが各グループと各グループに関連付けられたメンバＵＥを決定することから開始する。ステップ２０２において行われた決定の結果、ネットワークは、あるＵＥが関連付けられたすべてのグループを決定する（ステップ２０４）。ステップ２０２およびステップ２０４は、本質的に、同じ情報を異なる形で捉えるものであり、１つのステップからなるようにできることに留意されたい。ネットワークは次いで、各ＵＥが１つのページングウィンドウのみにアクセスするように、グループ識別子と関連付けられたポインタをページングウィンドウにスケジュールする（ステップ２０６）。ネットワークは次いで、各ＵＥに２つ以上のページングウィンドウが必要であるかどうかを判定する（ステップ２０８）。２つ以上のウィンドウが必要な場合、ネットワークは、その特定のＵＥに追加的なページングウィンドウをスケジュールし（ステップ２１０）、次いでステップ２１２に進む。ステップ２０８において、２つ以上のページングウィンドウが必要でないと判定される場合、ネットワークは直接ステップ２１２に進み、特定のＵＥへのデータメッセージ間にスケジューリングの衝突がないかどうかを判定する。データメッセージの衝突がある場合（ステップ２１４）、ネットワークは、必要に応じてデータメッセージを再スケジュールする（ステップ２１６）。ネットワークは次いで、データメッセージの衝突がまだ存在するかどうかを判定する（ステップ２１８）。存在する場合は、必要に応じて、重複したデータメッセージがスケジュールされる（ステップ２２０）。次いで、データメッセージのスケジュール衝突を解消するために、ステップ２１８を必要に応じて繰り返す。それ以上衝突は存在しないと判定されると（ステップ２１８）、ＵＥに、各自に割り当てられたページングウィンドウが通知される（ステップ２２２）。

前述の説明は、例として、１つの物理的な搬送チャネルを有する時間軸を表すが、複数の物理チャネルがあってもよい。例えば、ページング情報は、データチャネルと同じ物理チャネルにあっても、異なる物理チャネルにあってもよい。同様に、３Ｇセルラシステムを例として挙げたが、本発明は３Ｇセルラシステムに限定されない。このような形態および他の変形形態は、すべて本発明の権限および範囲内にあることが想定されている。

反復するページングの信号図である。 複数のＵＥのための単一の識別子のブロック図である。 それぞれが複数のＵＥを有する複数の識別子のブロック図である。 いくつかのページングウィンドウで送信されるいくつかの識別子と関連付けられたポインタの信号図である。 本発明の教示によって構成されるシステムの図である。 複数の識別子をもつ複数のページングウィンドウの信号図である。 本発明に関連した手順のフロー図である。

Claims (9)

1. 複数のユーザ装置（ＵＥ）にデータを送信するシステムであって、
   少なくとも１つのＵＥに対応するグループの識別を、前記グループ識別子に関連付けられたメンバＵＥとともに記憶するメモリと、
   各ＵＥの前記グループ識別子が１つのページングウィンドウで送信されるように、各前記グループ識別子の送信をスケジュールするスケジューラと、
   少なくとも１つのグループ識別と、引き続くデータメッセージへの関連付けられたポインタの送信を各々のページングウィンドウがサポートする複数のページングウィンドウを有するページングチャネルと、
   を含む送信機、
   を備えることを特徴とするシステム。
2. 前記データメッセージは、前記グループ識別がすべて送信された後に送信されることを特徴とする請求項１に記載のシステム。
3. 前記スケジューラは、割り当てられたページングウィンドウの通知を各ＵＥに送信することを特徴とする請求項２に記載のシステム。
4. 各ＵＥは、割り当てられた各ページングウィンドウで電源が入り、それ以外は電源を切られることを特徴とする請求項３に記載のシステム。
5. 無線リソースを最適化するのと同時にマルチキャストサービスを可能にする方法であって、
   複数のグループメンバＵＥを識別するステップと、
   ＵＥが関連付けられたすべてのグループを決定するステップと、
   各ＵＥが１つのみのページングウィンドウにアクセスするように前記グループ識別子をスケジュールするステップと、
   ＵＥに割り当てられたページングウィンドウを通知するステップと、
   を備えることを特徴とする方法。
6. 各グループ識別子は、ＵＥが属するグループに関連付けられたデータメッセージにＵＥを誘導するための関連付けられたポインタを含むことを特徴とする請求項５に記載の方法。
7. 特定のＵＥに対するデータメッセージ間にスケジューリングの衝突があるかどうかを判定するステップをさらに備えることを特徴とする請求項５に記載の方法。
8. スケジューリングの衝突があると判定される場合は、ＵＥに割り当てられたページングウィンドウを通知する前にスケジューリングの衝突を解消するステップをさらに備えることを特徴とする請求項７に記載の方法。
9. スケジューリングの衝突を解消する前記ステップは、データメッセージを再スケジューリングして、存在すると判定されたスケジューリングの衝突を回避することによって行われることを特徴とする請求項８に記載の方法。

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