JP4066481B2 - Self-excited vibration type vibration device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自励振動型振動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自励振動型振動装置は、共振点を自動的に追尾する利点を持つ。しかしながら、自励振動型振動装置では、発生する振動の振幅を一定に保つために何らかの制御を必要とする。例えば、コントローラあるいは電力増幅器に飽和要素を持たせ、この飽和要素の値を、検出された振動機器の実際の振幅と振幅指令値との偏差Δrに応じて調節することにより、振動駆動源の出力に制限を加え、発生する振動の振幅を調節する方法や、検出された振動機器の実際の振幅と振幅指令値との偏差Δrの大きさによって、フィードバックゲインを可変にすることにより、発生する振動の振幅を調節する方法がある。
【0003】
自励振動型振動装置の一例として、図14には、フィードバックゲインK0 の値を変えることにより振幅を一定に制御する振動パーツフィーダ2が示されている。また、図15には、この自励振動型振動装置である振動パーツフィーダ2を伝達関数で表したブロック線図が示されている。振動パーツフィーダ2は、その可動部であるボウル10が質量mをもち、加速度d2 x/dt2 で振動している時、1/s(sはラプラス変換子−以下同様)の積分要素を介すると、速度dx/dtとなり、これに振動パーツフィーダ2の粘性係数cをかけたものが振動減衰力として質量mに作用する。また、速度dx/dtが積分要素1/sを介すると、変位xとなり、これに振動パーツフィーダ2のばね定数kをかけたものが復元力として質量mに作用する。なお、このボウル10は、実際には、図14で示すように、下方のベースブロック11に、等角度間隔に配設された複数の傾斜板ばね12により結合されている。ベースブロック11上には固定電磁石13が固定されており、これにコイル14が巻装されている。また、傾斜板ばね12の上端部に近接しうず電流型のセンサ16が配設されていて、これはベースブロック11上に支柱を介して支持されている。このセンサ16は、ボウル10の振動の変位xを検出している。
【0004】
センサ16により検出される変位xの出力信号は、図14に示される電気回路4内のDCカットフィルタ(ハイパスフィルタ)8を介して、振幅検出器5と、自励発振コントローラ3とに供給される。振幅検出器5では、公知のように検出された変位xの絶対値Absを取り、ローパスフィルタ50で平滑化して、変位xからボウル10の振幅x’(これは、変位xの出力信号に相当する直流レベルである)を得ている。なお、この振幅検出器5は、半波整流型やrms回路などであってもよい。そして、この振幅x’を出力として、振幅コントローラ6に供給する。振幅コントローラ6は、振幅x’と、目標振幅値である振幅指令値xrとの偏差Δrに基づいて定めた可変ゲインK0 の値を、図14に示す自励発振コントローラ3の可変増幅器7が取り得るように、可変増幅器7の増幅率を変えるものである。他方、自励発振コントローラ3は、可変増幅器7の可変ゲインK0 の値で、フィードバックされた変位xの信号を増幅している。自励発振コントローラ3の出力は、電力増幅器9に供給されて、増幅される。なお、図14に示される従来の電力増幅器9は、実際には無限大にならずある有限の一定値を有しているため、飽和要素を有するとして示されている。そして、これが固定電磁石13のコイルに供給されて、振動パーツフィーダ2のボウル10を加振する。
【0005】
なお、振幅コントローラ6は、図15に示すように、加減算器24で振幅指令値xrと振幅値x’と偏差Δr(但し、これらは両方とも実効値に直して算出されている)が算出され(すなわち振幅指令値xrから振幅値x’が減算され)、この得られた偏差Δrに基づいて、可変ゲインK0 を与えるゲインKが算出されている。このゲインKは、偏差Δrを係数K1 で増幅している比例値算出部25の出力と、乗算器19で求められた(Δr)3 を係数K3 で増幅している3乗値算出部26の出力と、偏差Δrを係数Ks で増幅した後、積分要素1/sを介している積分値算出部27からの出力とが、加算器28において加算され、この値に、(例えば基準状態で取り得る安定限界ゲインなどの)設定されている安定限界ゲインKcrを加算器28に加えたものである。すなわち、振幅コントローラ6は、K=K1 ・Δr+K3 ・(Δr)3 +Ks ・∫Δrdt+Kcrを計算し、ゲインKを求めている。なお、図15に示している振幅コントローラ6では、積分値算出部27に入力される偏差△rを振動開始直後には入力せず(積分制御がOFFである)、一定時間Tの経過後から△rを入力している。すなわち、積分値算出部27は、スイッチ32を有しており、スイッチ32を介して、一定値0(零)又は偏差Δrが供給されている。このスイッチ32は、時計33から1/Tの増幅率を有する増幅器34を介して供給される切換信号Dが1となったときに切り換わり、偏差Δrが供給される。従って、所定時間Tを経過した後に、積分要素たるKs ・∫ΔrdtがゲインKに追加される。そして、ゲインKは、ゲインリミッタ29に供給され、ここにおいて、このゲインKがプラスの値を有したときには、そのままの値を出力し、このゲインKがマイナスの値を有したときには、零の値を出力する。すなわち、このとき、ゲインK>0のときには可変ゲインK0 =ゲインKであるが、ゲインK≦0のときには可変ゲインK0 =0としている。
【0006】
図14の振動パーツフィーダ2は、図15に示すような閉ループで概念的に示されるが、ボウル10の伝達関数において共振周波数では、力と変位との間で90度(π/2)位相が遅れる。更に、振動駆動源として電磁石を用いたため、フィードバックゲインが90度(π/2)遅延する。従って、開ループにおいて180度(π)の位相差が生じ、可変ゲインK0 が安定限界ゲインより大きいときに、この振動系が発振して、振幅が成長する。すなわち、検出された振幅が振幅指令値より小さいときには、この可変ゲインK0 を安定限界ゲインより大きくし、定常状態では、可変ゲインK0 を安定限界ゲインとして、振動を発振させ、振幅を一定値としている。
【0007】
このような一般の自励振動型振動装置では、所望の振幅で安定して振動を行うために(所望の振幅になるべく早くなるようにするために)、振動振幅の立ち上がりに要する時間をなるべく短くする技術が行われている。この技術としては、例えば、本願出願人が先に出願した特願平7−97740号公報や特願平9−132841号公報などがある。
【0008】
しかしながら、立ち上がりに要する時間を必ず最短時間で行うのがよいとは限らない。例えば、振動パーツフィーダにツーリングが設けられている場合などには、その起動時に短時間で大きな振動を発生させると、このツーリング上にある部品が飛び跳ねて、反対向きの部品が次工程へ流れていってしまったり、又シュートの継ぎ目にぶつかって、騒音を発生したりそこに停滞するということが起こる。すなわち、振動パーツフィーダの部品選別を確実に行って、所定の姿勢で次工程へ搬送できないという問題が生じる。また、各振動機器の停止に要する最短時間は、それぞれの振動機器が有する質量、減衰率、ばね定数などにより定まっているため、振動機器ごとに、停止に要する最短時間が定まっている。そのため、複数の振動機器を用いて部品を搬送する場合には、それぞれの振動機器を最短時間で停止しようとすると、例えば、その中間にツーリング装置が配設される場合には、この装置のみが先に停止することも考えられ、この場合には、このツーリング装置の作用を全く受けずに、部品が、このツーリング装置の直下流に配設されている振動機器に搬送されてしまい、部品を所定の姿勢で確実に搬送できないという問題が生じることがある。この問題を解決するためには、各振動機器の停止時間が同じとなるようにそれぞれの停止時間を調節して、すべての振動機器を同時に停止させることが必要となる。すなわち、上述したような問題を防止するためには、振動機器の起動及び/及び停止を最短時間で行うのではなく、その立ち上がり速度又は/及び制動速度を任意に変えて、調節する必要があった。
【0009】
そこで、図16に示すように、振幅指令値をランプ形状として、すなわち時間が経過するにつれて振幅指令値がリニア的に増大して最終目標値に達するように(図16では、最終目標値を100とし、起動開始(これを0秒としている)から400秒後にこの最終目標値に達するように)振幅指令値を与えている。なお、この場合の電力増幅器9の出力電圧の波形を図17、このときに得られたボウル10の振動の振幅波形(これは図15のオシロスコープ20に示される波形である)を図18に示す。この場合、図18に示すように、振動の振幅波形は、起動開始から約270秒程度から立ち上がり始め、約420秒程度で立ち上がりが完了する。ところで、図19に示されるように振幅指令値を一定とした場合の電力増幅器9の出力電圧の波形を図20、その振動の振幅波形を図21に示す。図21に示すように、この場合の振動の振幅波形は、起動開始の0秒から立ち上がり始め、約140秒程度で立ち上がりが完了している。図18と図21とから明らかなように、振幅指令値をランプ形状で入力した場合(すなわち400秒かけて振幅指令値にリニア的に変化させた場合)と、振幅指令値を起動開始時から定常振幅の値で一定として入力した場合では、立ち上がり始めてから最終目標値に達するまでの時間は、ほとんど同じである。すなわち、ランプ形状の振幅指令値を入力しても、立ち上がり速度を変えることは、ほとんど変えることができなかった。
【0010】
これは、通常、振幅を調節するために変えられる可変ゲインK0 は、ある1つの振幅指令値において最も立ち上がり特性がよくなるように設定されているため、すなわち、可変ゲインK0 を与える定数K1 、K3 、KS 、Kcrが、ある1つの振幅指令値において良好となるように設定されているため、その設定対象となった振幅指令値より小さい振幅指令値では、立ち上がりに時間がかかり、逆に、その設定対象となった振幅指令値より大きい振幅指令値では立ち上がりが短時間に起こるためである。なお、この振幅指令値が変わっても、立ち上がり時間を同じにする技術として、本願出願人は、与える振幅指令値に応じて、可変ゲインK0 を与える定数K1 、K3 、KS 、Kcrを定めるという特長を有する技術を開示している(特願平9−132842号)。この技術を用いれば、上述したようにランプ形状で振幅指令値を入力して、立ち上がり速度を変えることができる。しかしながら、この場合には、起動時に、時々刻々と変化する振幅指令値に応じて可変ゲインK0 を与える定数K1 、K3 、KS 、Kcrを変えなければならず、制御が容易ではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、例えば、振動パーツフィーダなどの振動機器の起動時の立ち上がり速度及び/又は停止時の制動速度を、容易に、任意の速度に変えることのできる、すなわち調節することのできる自励振動型振動装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題は、振動機器(例えば、実施例の21;以下、同様)の振動速度を検出する振動速度検出手段(42)と、該振動速度検出手段(42)の出力を正帰還信号として増幅するコントローラ(3)と、可変の飽和要素を有し、該コントローラ(3)の出力を電力増幅する電力増幅器(30)と、該電力増幅器(30)の出力を受け前記振動機器(21)を加振する振動駆動源(17')と、前記振動速度検出手段(42)の出力から前記振動機器(21)の振幅を検出する振幅検出手段(5)とを備え、前記振動機器(21)の起動時に、前記電力増幅器(30)の前記飽和要素の値のみ(B)を、漸次、増加させるようにした及び/又は前記振動機器(21)の停止時に、前記電力増幅器(30)の前記飽和要素の値のみを、漸次、減少させるようにしたことを特徴とする自励振動型振動装置、によって解決される。
【0013】
又、以上の課題は、振動機器(21)の振動変位を検出する振動変位検出手段(22)と、該振動変位検出手段(22)の出力を負帰還信号として増幅し、積分要素又は一次遅れ要素で位相遅れ制御するコントローラ(3')と、可変の飽和要素を有し、該コントローラ(3')の出力を電力増幅する電力増幅器(30)と、該電力増幅器(30)の出力を受け前記振動機器(21)を加振する振動駆動源(17')と、前記振動変位検出手段(22)の出力から前記振動機器(21)の振幅を検出する振幅検出手段(5)とを備え、前記振動機器(21)の起動時に、前記電力増幅器(30)の前記飽和要素の値のみ(B)を、漸次、増加させるようにした及び/又は前記振動機器(21)の停止時に、前記電力増幅器(30)の前記飽和要素の値のみを、漸次、減少させるようにしたことを特徴とする自励振動型振動装置、によって解決される。
【0014】
又、以上の課題は、振動機器(21)の振動変位を検出する振動変位検出手段(22)と、該振動変位検出手段(22)の出力を負帰還信号として増幅するコントローラ(3、3")と、可変の飽和要素を有し、該コントローラ(3、3")の出力を電力増幅する電力増幅器(30)と、該電力増幅器(30)の出力を受け、前記振動機器(21)を加振するための磁気吸引力を発生する電磁石(17)と、前記振動変位検出手段(22)の出力から前記振動機器(21)の振幅を検出する振幅検出手段(5)とを備え、前記振動機器(21)の起動時に、前記電力増幅器(30)の前記飽和要素の値のみ(B)を、漸次、増加させるようにした及び/又は前記振動機器(21)の停止時に、前記電力増幅器(30)の前記飽和要素の値のみを、漸次、減少させるようにしたことを特徴とする自励振動型振動装置、によって解決される。
【0015】
このような構成にすることにより、例えば振幅コントローラ内の可変ゲインを与える定数を変えずとも、すなわち容易に、振動機器の振動振幅の立ち上がり速度及び/又は制動速度を、任意の速度に変えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
自励振動型振動装置において、コントローラからの出力を電力増幅し、振動機器を加振するための振動駆動源又は電磁石に出力を与える電力増幅器の飽和要素の値(この値の絶対値より小さい入力値のときには、入力値に比例する出力を出すが、この値の絶対値を越えると一定値の値を出すというときの値を指す)を可変とし、振動機器の起動時に、この電力増幅器の飽和要素の値を、漸次、増加させるようにする及び/又は振動機器の停止時に、電力増巾器の飽和要素の値を、漸次、減少させるようにする。すなわち、電力増幅器から振動駆動源又は電磁石に与えられる供給エネルギーを、電力増幅器において、起動時には漸次、増加するように、制動時には漸次、減少させるように制御する。これにより、振動機器の振動振幅の立ち上がり速度及び又は制動速度を、容易に、任意の速度に変えることができる。
【0017】
本発明において、増加させる電力増幅器の飽和要素の値は、起動開始時から所定時間が経過するまで、ずっと、漸次、増加させるようにしてもよい。このときには、起動開始時から振動機器がすぐに振動するということはないが、制御が容易である。また、起動開始時に、電力増幅器の飽和要素の値が、振動機器の振動が立ち上がり始めるに充分な所定値とすれば、起動開始時から時間遅れなく、振動機器がすぐに振動し始めるので、速度調節の幅を大きくすることができる。なお、この場合、起動開始時の電力増幅器の飽和要素の値は、振動振幅が立ち上がり始めるに充分な所定値であればよい。この所定値とは、例えば、図3に示すように、起動開始時から約400秒後に定常振動時の値となるように設定された飽和要素の値を有する電力増幅器30の場合では、次のような値である。電力増幅器30の出力を受けた電磁石により振動される振動機器21の振動は、図5に示すように、起動開始後t’(t’=約80秒)で立ち上がりが始まっている。この振動振幅が立ち上がったとき、すなわちここでは時刻t’における電力増幅器30の飽和要素の値Bt の値であれば、振動機器21の振動振幅は立ち上がり始めるはずである。すなわち、この場合では、振動振幅が立ち上がり始めるに充分な所定値とは、Bt 以上の値を示す。すなわち、電力増幅器の飽和要素の値が、図3に一点鎖線で示すように増加させてもよい。また、起動開始時に、その振動が立ち上がり始めた後に、電力増幅器の飽和要素の値を一旦小さくし、その後、この飽和要素の値を、漸次、増加させるようにしてもよい。この場合には、起動開始時から時間遅れなく、振動機器がすぐに振動し始めるし、かつより長い時間をかけて振動振幅の立ち上がりを調節することができる(すなわち、調節の自由度が大きくなる)。
【0018】
また、減少させる電力増幅器の飽和要素の値は、停止開始時から所定時間が経過するまで、ずっと、漸次、減少させるようにしてもよい。この場合には、制御が容易であるし、例えば、振幅指令値を一定とし、振動速度検出手段の出力を正帰還信号として増幅するコントローラに、振動速度検出手段の出力を負帰還したり、振動変位検出手段の出力を負帰還信号として増幅するコントローラに、振動変位検出手段の出力を正帰還したりして制動する場合には、停止開始時からすぐにその振動機器を停止することができる。
【0019】
更に、振動機器の起動時に、電力増幅器の飽和要素の値を漸次、増加する際及び/又は停止時に、電力増幅器の飽和要素の値を、漸次、減少する際には、増加及び/又は減少はリニア的に変化するように設定すれば制御も容易であるが、例えば指数関数的に変化しても何ら問題はない。
【0020】
なお、本発明の自励振動型振動装置は、振動機器の振動速度を検出する振動速度検出手段と、該振動速度検出手段の出力を正帰還信号として増幅するコントローラと、可変の飽和要素を有し、該コントローラの出力を電力増幅する電力増幅器と、該電力増幅器の出力を受け前記振動機器を加振する振動駆動源と、前記振動速度検出手段の出力から前記振動機器の振幅を検出する振幅検出手段とを備えているか、振動機器の振動変位を検出する振動変位検出手段と、該振動変位検出手段の出力を負帰還信号として増幅し、積分要素又は一次遅れ要素で位相遅れ制御するコントローラと、可変の飽和要素を有し、該コントローラの出力を電力増幅する電力増幅器と、該電力増幅器の出力を受け前記振動機器を加振する振動駆動源と、前記振動変位検出手段の出力から前記振動機器の振幅を検出する振幅検出手段とを備えているか、又は、振動機器の振動変位を検出する振動変位検出手段と、該振動変位検出手段の出力を負帰還信号として増幅するコントローラと、可変の飽和要素を有し、該コントローラの出力を電力増幅する電力増幅器と、該電力増幅器の出力を受け、前記振動機器を加振するための磁気吸引力を発生する電磁石と、前記振動変位検出手段の出力から前記振動機器の振幅を検出する振幅検出手段とを備えているものである。
【0021】
なおまた、本発明の自励振動型振動装置のコントローラは、従来のコントローラでよく、例えば、振幅検出手段から検出された振幅と振幅指令値との差である振幅偏差に関して、所定の関数で変化するゲインを出力する可変ゲインで、振動速度検出手段の出力又は振動変位手段の出力を増幅するコントローラや、振幅検出手段から検出された振幅と振幅指令値との差である振幅偏差に関して増幅率を変化させる飽和要素を有し、この飽和要素の値を変えることにより、振動速度検出手段の出力又は振動変位手段の出力を増幅するコントローラとすればよい。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例につき、図面を参照して説明するが、上記従来例と同様な部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0023】
図1は本発明の第1実施例の自励振動型振動装置である振動機械21のブロック図を示すものであるが、図において振動機械21は、本実施例では振動パーツフィーダに限らず、一般の振動機器とする。なお、この振動機械21は、従来例の振動パーツフィーダ2と同様に、質量mが加速度d2 x/dt2 で振動している時、1/s(sはラプラス変換子−以下同様)の積分要素を介すると、速度dx/dtとなり、これに粘性係数cをかけたものが振動減衰力として質量mに作用する。また、速度dx/dtが積分要素1/sを介すると、変位xとなり、これにばね定数kをかけたものが復元力として質量mに作用する。振動機械21の変位xは、上記従来例と同様に、センサから構成される振動変位検出器22により検出される。この検出された変位xの出力信号は、振幅検出器5及び自励発振コントローラ3に供給される。振幅検出器5は、従来例と同様に、変位xの信号から振動機械21の振幅を求めて、振幅コントローラ6に供給される。なお、本実施例では、振幅コントローラ6に供給される振幅指令値は、図19で示されるように、振動開始時から100の一定値である。
【0024】
自励発振コントローラ3は、振幅コントローラ6が与える可変ゲインK0 を受け、可変増幅器7において、この可変ゲインK0 の増幅率で、フィードバックされた変位xの信号を増幅する。なお、自励発振コントローラ3に供給される変位xの信号には、ノイズnが加わることがある。そして、更に、これが飽和要素を有する電力増幅器30で増幅される。この電力増幅器30の出力を、振動機械21に加振力を与える振動駆動源17に供給する。本実施例では、この振動駆動源17は、電磁石であり、90度(π/2)の位相遅れを有している。従って、開ループにおいて180度(π)の位相遅れが生じ、可変ゲインK0 が安定限界ゲインより大きければ、自励振動を生じて、振動が成長する。
【0025】
次に、本発明に係る電力増幅器30について、更に詳しく説明する。
【0026】
本実施例の電力増幅器30は、飽和要素設定部51によって、飽和要素の値を図3の実線で示すように、可変とされる。図2に示されるように、飽和要素設定部51は、スイッチ52を有しており、このスイッチ52は、時計53から1/T’の増幅率を有する増幅器54を介して供給される切換信号Eが1となったときに切り換わるものである。切換信号Eが0のときには、すなわち起動開始後、所定時間T’(本実施例ではT’=400秒)までは、ゲインKB の増幅率を有する増幅器55で増幅された値、いわばKB ・t(tは時間)で示される値(すなわち時間の経過によってのみに比例的にゲインKB で増加する値)BB が、飽和要素設定部51から出力Bとして出力される。そして、切換信号Eが1になった後には、すなわち、所定時間T’を経過した後には、定常振動時に与えられる電力増幅器30の定常振動時の飽和要素の値Br (これは図3において2として示されている)が出力Bとして出力される。この飽和要素設定部51の出力に応じて、電力増幅器30の飽和要素の値が設定される。なお、本実施例では、図3に示すように、切換信号Eが切り換わる直前の増幅器55の出力は、値Br と同じに設定されている。
【0027】
本発明の実施例は上述のように構成されるが、次に、この作用について説明する。
【0028】
図示せずとも、図1の電力増幅器30には直流電源がスイッチを介して接続されており、振動機械21の自励発振駆動にあたっては、このスイッチを閉じて電力増幅器30を作動状態におく。その他、自励発振コントローラ3、振幅コントローラ6なども同様に作動状態に置かれる。振幅コントローラ6においては最初は、外部ノイズnなどの微小な信号により振動が発振され、振動機械21の可動部の振幅が零であることにより振幅偏差Δrは最大となり、振幅偏差Δrに応じて可変ゲインK0 が求まり、これは安定限界ゲインより大きいため、自励振動が発生しようとする。このとき、本実施例では、電力増幅器30の飽和要素の値が図3に示すように変化する。また、この場合の電力増幅器30の出力は図4に示すようになる。そして、この電力増幅器30の出力により機械振動21の振幅波形(これは上記従来例と同様に、図2のオシロスコープ20に示される波形である)は図5に示すように変化することになる。
【0029】
すなわち、本実施例では、図4に示されるように、起動開始後、約80秒(=t’)から約300秒までは、電力増幅器30の飽和要素の値を変えたことにより、電力増幅器30の出力は、リニア的に制限されている。これに伴って、本実施例の振動機械21の振幅は、図5に示すように、起動開始後、約80秒から立ち上がり始め、徐々に振幅が増加して、約300秒過ぎで立ち上がりが完了している。すなわち、振動機械21の振幅が零の状態から所定の振幅100になるまでに約200秒強程度の時間を要している。従って、本実施例の立ち上がり時間は、従来例として示した場合の約2倍の時間となっている(すなわち振動機械21の振幅は従来の約1/2倍の速さによって所定の振幅(定常振幅値)となっている)。本実施例では、図3に示すように起動開始後400秒で、電力増幅器30の飽和要素の値を、定常振幅時の飽和要素の値(このときの飽和要素の値は最大値である)を取るようにしているが、その電力増幅器30の飽和要素の値を、よりゆっくりと上昇させればその立ち上がりに要する時間は大きくなり、より早く上昇させればその立ち上がりに要する時間は小さくなることは明らかであり、この飽和要素の値の変化の状態を変えれば、振動機械21の振動振幅の立ち上がり速度を、容易に、所望の速度に変えることが可能である。
【0030】
次に、本発明の第2実施例について図6乃至図9を参照して説明するが、本実施例は、電力増幅器30の飽和要素の値を可変にする設定の仕方が異なるだけであり、すなわち図1及び図2に示される上記第1実施例の飽和要素設定部51の代わりに、図6に示す飽和要素設定部51’を設けたものである。他の部分は上記実施例と同様であるので、その部分についての図示及び説明は省略する。
【0031】
本実施例の飽和要素設定部51’は、図6に示されているように、時計53からの出力が、増幅器54、54’、55、55’に供給されている。本実施例では、ゲインKB を有する増幅器55の出力は、スイッチ52ではなくスイッチ52’に供給されている。このスイッチ52’は、その出力をスイッチ52に供給しており、時計53から1/T”の増幅率を有する増幅器54’を介して供給される切換信号Fが1となったときに切り換わるものである。切換信号Fが0のときには、すなわち起動開始後、所定時間T”(本実施例ではT”=40秒)までは、加減算器56の出力BF が出力BE として出力される。また、切換信号Fが1となったときには、すなわち、所定時間T”を経過した後には、ゲインKB の増幅率を有する増幅器55で増幅された、いわばKB ・t(tは時間)で示される値(すなわち時間の経過によってのみに比例的にゲインKB で増加する値)BB が出力BE として出力される。なお、加減算器56の出力は、本実施例では、定常振幅時の電力増幅器30の飽和要素の値Br から、増幅器55の増幅率KB より大きい増幅率KF を有する増幅器54の出力、すなわちKE ・tで示される値を引いた値である。
【0032】
すなわち、本実施例では、図7に示すように、電力増幅器30の飽和要素の値は、起動時には、定常振幅時の飽和要素の値Br 、すなわち最大値となっているが、起動開始直後から比例的に、かつ急激に(ゲインKE の傾きで)減少し、起動開始後約40秒後には、振動機械21の定常状態時の飽和値の約10%まで減少するように設定されている。更に、その後、電力増幅器30の飽和要素の値は、上記第1実施例の起動開始後400秒までの変化と同じ速度変化で比例的に(すなわちゲインKB の傾きで)上昇し、起動開始後約400秒で、振幅定常状態時に与えられる電力増幅器30の飽和要素の値Br (本実施例でも、図7において2として示されている)となる。なお、本実施例では、図7に示すように、所定時間T”における直前の信号BF の値は、所定時間T”における振動BB の値とほぼ同じに設定されている。
【0033】
本実施例では、電力増幅器30からの出力は、図8に示す状態となる。この電力増幅器30の出力は、起動開始時から起動開始後40秒までは、比例的に、かつ急激に減少し、40秒後から約300秒までは、徐々に、比例的に上昇している。これは、約300秒まで電力増幅器30の飽和要素値の変化に伴って変化している。更に、このときの振動機器21の振動波形は、図9に示すような形状となる。すなわち、ほぼ起動開始時に振動振幅は立ち上がり始め、起動開始後約30秒で、その立ち上がりが停滞するが、起動開始後約50秒で再び、立ち上がり始め、起動開始後約300秒後に所望の振幅値100になっている。
【0034】
すなわち、本実施例では、起動開始直後に振動振幅がすぐに生じ始め、また、立ち上がりに要する時間は約300秒程度となっている。すなわち、本実施例においても、定常状態の飽和要素の値を変化させれば、振動機械21の振動振幅の立ち上がり速度を、容易に、所望の速度に変えることが可能である。なお、本実施例では、起動時の飽和要素の値を漸次、増加させる時間的変化は、上記第1実施例の飽和要素の増加の変化とほぼ同じとして飽和要素の値を変えたが、上記第1実施例よりも、立ち上がり時間を遅くなっており、その速度調節の幅が大きくなる。
【0035】
以上、本発明の各実施例について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0036】
例えば、以上の実施例では、振動機械21の振動変位を検出し、この検出信号を自励発振コントローラ3に負帰還し、振動駆動源として電圧と加振力との間に90度(π/2)の位相遅れがある電磁石を用いた。しかしながら、振動駆動源として、電圧と加振力との間に位相遅れがない場合、図10に示すように、例えば動電型や圧電型などの振動駆動源17’を用いる場合には、90度(π/2)の位相遅れ(図10では一次遅れ要素で示されているが、積分要素でもよい)を生じさせるような位相コントローラ41を具備した自励発振コントローラ3’を用いれば、本発明は適用可能である。なお、この位相遅れがない振動駆動源17’を用いた自励振動型振動装置としては、例えば図11に示す振動パーツフィーダ2’がある。これは、トラック10a’が形成された可動部であるボウル10’がベースブロック11’と複数の等角度間隔で配設された傾斜板ばね12’によって結合されている。ベースブロック11’は床上に防振ゴム43により支持されている。ボウル10’とベースブロック11’の間には公知の駆動質量体44が配設され、これはベースブロック11’とほぼ水平でかつ等角度間隔で配設された板ばね45で結合されている。各板ばね15の両面には、圧電素子46a、46bが貼着され、図示しない交流電圧が印加されている。従って、交流電圧の印加により、圧電素子が46a、46bが位相遅れなく、板ばね15に曲げ振動は発生し、振動パーツフィーダが振動される。なお、図10に示す自励発振コントローラ3’では、位相コントローラ41は可変増幅器7の前に設けたが、可変増幅器7の後に設けてもよい。また、上記実施例では、振幅検出器として、全波整流型の検出器、すなわち絶対値変換とローパスフィルタとを使用したが、この他の方法によって、例えば、半波整流型の検出器、又はrms回路を用いた検出器を使用してもよい。
【0037】
また、図12に示すように、振動機械21の振動速度を検出し、これを正帰還し、振動速度から振幅を得る(例えば積分器を有する)振幅検出器からの出力を受ける振幅コントローラ6が与える可変ゲインK0 により増幅して、自励振動を発生させる自励振動型振動装置としてもよい。
【0038】
更に、上記実施例では、自励発振コントローラ3”として、可変ゲインK0 によって増幅される自励振動型振動装置を示したが、可変ゲインK0 でフィードバックゲインを調節する可変増幅器7に変えて、図13に示すように、自励発振コントローラ3”に、飽和要素を有する可変増幅器7’を設け、この可変増幅器7’の飽和要素により、振幅を一定に調節するようにしてもよい。なお、この場合には、自励発振コントローラ3”と、電力増幅器30との2つの作用を兼ねることのできる装置を設けるようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施例では、振動機械21の起動時の振動振幅の立ち上げ時間を、任意に変えることのできる自励振動型振動装置である振動機械21について説明したが、振動機械21の停止時の制動時間(制動開始から完全に振動が停止するまでの時間)を、電力増幅器の飽和要素の値を、漸次、減少させれば、電力増幅器からの出力を受け、供給振動機械を振動させる振動駆動し又は電磁石に供給されるエネルギーが、漸次、減少させることができるので、振動機器の停止時の速度を、容易に、任意の速度に変えることができる。
【0040】
更に、上記実施例では、電力増幅器30の飽和要素の値を比例的に増加させるようにしたが、漸次、電力増幅器30の飽和要素の値を増加又は減少させる際には、比例的に増加せずとも、例えば、指数関数的に増加又は減少させてもよいし、正弦波の一部の形状のようにして、増加又は減少させてもよい。なお、上記実施例では、電力増幅器30の飽和要素の値を設定する飽和要素部51、51’を、上述のような構成としたが、勿論、他の構成、例えば、予め時間の経過に応じて飽和要素の値を定めた表を使用してもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による自励振動型振動装置によれば、その振動の起動時及び/又は制動時の時間、すなわち振動開始から所望の一定振幅で振動するまでに要する時間(立ち上がり時間)及び/又は一定振幅で振動している状態から完全に振動が停止するまでの時間を、容易に、任意の時間に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による自励振動型振動装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例によるシミュレーションを行なったモデルのブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例による自励振動型振動装置の電力増幅器の飽和要素の値の時間的変化を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の第1実施例による自励振動型振動装置の電力増幅器の出力電圧の波形を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の第1実施例による自励振動型振動装置の振動機械の振幅波形の時間的変化を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の第2実施例による電力増幅器に与える飽和要素設定部のモデルのブロック図である。
【図7】本発明の第2実施例による自励振動型振動装置の電力増幅器の飽和要素の値の時間的変化を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の第2実施例による自励振動型振動装置の電力増幅器の出力電圧の波形を示すタイムチャートである。
【図9】本発明の第2実施例による自励振動型振動装置の振動機械の振幅波形の時間的変化を示すタイムチャートである。
【図10】本発明の第1変形例による自励振動型振動装置のブロック図である。
【図11】本発明の第1変形例が適用された振動パーツフィーダの斜視図である。
【図12】本発明の第2変形例による自励振動型振動装置のブロック図である。
【図13】本発明の第3変形例による自励振動型振動装置のブロック図である。
【図14】従来例による自励振動型振動装置のブロック図である。
【図15】従来例によるシミュレーションを行なったモデルのブロック図である。
【図16】従来例において振幅指令値をランプ入力した場合の、自励振動型振動装置に与えた振幅指令値の時間的変化を示すタイムチャートである。
【図17】従来例において振幅指令値をランプ入力した場合の、自励振動型振動装置の電力増幅器の出力電圧の波形を示すタイムチャートである。
【図18】従来例において振幅指令値をランプ入力した場合の、自励振動型振動装置の振動機械の振幅波形の時間的変化を示すタイムチャートである。
【図19】従来例において振幅指令値を一定値とした(ステップ入力した)場合の、自励振動型振動装置に与えた振幅指令値の時間的変化を示すタイムチャートである。
【図20】従来例において振幅指令値を一定値とした(ステップ入力した)場合の、自励振動型振動装置の電力増幅器の出力電圧の波形を示すタイムチャートである。
【図21】従来例において振幅指令値を一定値とした(ステップ入力した)場合の、自励振動型振動装置の振動機械の振幅波形の時間的変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
3 自励発振コントローラ
3’ 自励発振コントローラ
3” 自励発振コントローラ
5 振幅検出器
6 振幅コントローラ
7 可変増幅器
7’ 可変増幅器
17 電磁石
17’ 振動駆動源
21 振動機械
22 振動変位検出器
30 電力増幅器
41 位相コントローラ
42 振動速度検出器
51 飽和要素設定部
51’ 飽和要素設定部
52 スイッチ
52’ スイッチ
53 時計
54 増幅器
54’ 増幅器
55 増幅器
55’ 増幅器
B 出力
Br 定常振幅時の飽和要素の値
Bt 値
E 切換信号
F 切換信号
K0 可変ゲイン
t 時間
T’ 所定時間
T” 所定時間
x 変位[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a self-excited vibration type vibration device.
[0002]
[Prior art]
In general, a self-excited vibration type vibration device has an advantage of automatically tracking a resonance point. However, the self-excited vibration type vibration device requires some control in order to keep the amplitude of the generated vibration constant. For example, the controller or the power amplifier has a saturation element, and the value of the saturation element is adjusted in accordance with the deviation Δr between the detected actual amplitude of the vibration device and the amplitude command value, whereby the output of the vibration drive source Generated by changing the feedback gain according to the method of adjusting the amplitude of the generated vibration and the deviation Δr between the actual amplitude of the detected vibration device and the amplitude command value. There is a way to adjust the amplitude of the.
[0003]
As an example of the self-excited vibration type vibration device, FIG. 0 A vibrating
[0004]
The output signal of the displacement x detected by the
[0005]
In addition, as shown in FIG. 15, the
[0006]
The
[0007]
In such a general self-excited vibration type vibration device, in order to stably vibrate at a desired amplitude (in order to make the desired amplitude as early as possible), the time required for the rise of the vibration amplitude is as short as possible. Technology has been done. Examples of this technique include Japanese Patent Application No. 7-97740 and Japanese Patent Application No. 9-132841 filed earlier by the applicant of the present application.
[0008]
However, it is not always good to perform the time required for rising in the shortest time. For example, when a tooling is provided in the vibration parts feeder, if a large vibration is generated in a short time at the start-up, the parts on the tooling jump and the opposite parts flow to the next process. Or hit the joints of the chute and generate noise or stagnation there. That is, there arises a problem that the parts selection of the vibration part feeder is performed reliably and cannot be conveyed to the next process in a predetermined posture. In addition, since the minimum time required for stopping each vibration device is determined by the mass, attenuation rate, spring constant, etc. of each vibration device, the minimum time required for stopping is determined for each vibration device. Therefore, when parts are transported using a plurality of vibration devices, if each vibration device is stopped in the shortest time, for example, when a tooling device is arranged in the middle, only this device is It is also conceivable to stop first. In this case, the part is not subjected to the action of the tooling device at all, and the component is transferred to the vibration device arranged immediately downstream of the tooling device. There may be a problem that it cannot be reliably conveyed in a predetermined posture. In order to solve this problem, it is necessary to adjust all the stop times so that the stop times of the respective vibration devices are the same, and stop all the vibration devices at the same time. In other words, in order to prevent the above-described problems, it is necessary to adjust the rising speed or / and the braking speed arbitrarily, rather than starting and / or stopping the vibration equipment in the shortest time. It was.
[0009]
Therefore, as shown in FIG. 16, the amplitude command value is set to a ramp shape, that is, the amplitude command value linearly increases with time to reach the final target value (in FIG. 16, the final target value is set to 100). The amplitude command value is given so that the final target value is reached 400 seconds after the start of activation (this is set to 0 second). FIG. 17 shows the waveform of the output voltage of the
[0010]
This is usually a variable gain K that can be varied to adjust the amplitude. 0 Is set so that the rising characteristic is the best in a certain amplitude command value, that is, the variable gain K 0 Constant K giving 1 , K Three , K S , K cr However, since it is set so as to be good for a certain amplitude command value, it takes a long time to start up when the amplitude command value is smaller than the amplitude command value that is the setting target. This is because the rise occurs in a short time when the amplitude command value is larger than the amplitude command value. As a technique for making the rise time the same even if the amplitude command value changes, the applicant of the present application can change the variable gain K according to the given amplitude command value. 0 Constant K giving 1 , K Three , K S , K cr Has been disclosed (Japanese Patent Application No. 9-132842). If this technique is used, the rising speed can be changed by inputting the amplitude command value in a ramp shape as described above. However, in this case, at the time of start-up, the variable gain K is changed according to the amplitude command value that changes every moment. 0 Constant K giving 1 , K Three , K S , K cr Must be changed, and control is not easy.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-described problems. For example, the rising speed at the time of starting and / or the braking speed at the time of stopping of a vibration device such as a vibration part feeder can be easily changed to an arbitrary speed, that is, adjusted. It is an object of the present invention to provide a self-excited vibration type vibration device that can be used.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The above problems are the vibration speed detection means (42) for detecting the vibration speed of the vibration device (for example, 21 of the embodiment; the same applies hereinafter), and the output of the vibration speed detection means (42) is amplified as a positive feedback signal. A controller (3) that has a variable saturation element, a power amplifier (30) that amplifies the output of the controller (3), and the vibration device (21) that receives the output of the power amplifier (30). A vibration drive source (17 ') for exciting; and amplitude detection means (5) for detecting the amplitude of the vibration device (21) from the output of the vibration speed detection means (42), the vibration device (21) Value of the saturation element of the power amplifier (30) at the start of only (B) is gradually increased and / or the value of the saturation element of the power amplifier (30) when the vibrating device (21) is stopped. only Is solved by a self-excited vibration type vibration device characterized by gradually decreasing the frequency.
[0013]
Further, the above-described problems are the vibration displacement detection means (22) for detecting the vibration displacement of the vibration device (21), and the output of the vibration displacement detection means (22) is amplified as a negative feedback signal to integrate elements or first order delays. A controller (3 ′) that controls the phase lag by the elements, a power amplifier (30) that has a variable saturation element and amplifies the output of the controller (3 ′), and receives the output of the power amplifier (30). A vibration drive source (17 ') for exciting the vibration device (21) and an amplitude detection means (5) for detecting the amplitude of the vibration device (21) from the output of the vibration displacement detection means (22). The value of the saturation element of the power amplifier (30) when starting the vibration device (21) only (B) is gradually increased and / or the value of the saturation element of the power amplifier (30) when the vibrating device (21) is stopped. only Is solved by a self-excited vibration type vibration device characterized by gradually decreasing the frequency.
[0014]
Further, the above-described problems are the vibration displacement detection means (22) for detecting the vibration displacement of the vibration device (21), and the controller (3, 3 "for amplifying the output of the vibration displacement detection means (22) as a negative feedback signal. ), A variable saturation element, and a power amplifier (30) for amplifying the output of the controller (3, 3 "), and receiving the output of the power amplifier (30), the vibration device (21) An electromagnet (17) for generating a magnetic attraction force for exciting; and an amplitude detection means (5) for detecting the amplitude of the vibration device (21) from the output of the vibration displacement detection means (22), The value of the saturation element of the power amplifier (30) when starting the vibration device (21) only (B) is gradually increased and / or the value of the saturation element of the power amplifier (30) when the vibrating device (21) is stopped. only Is solved by a self-excited vibration type vibration device characterized by gradually decreasing the frequency.
[0015]
By adopting such a configuration, for example, the rising speed of the vibration amplitude and / or the braking speed of the vibration device can be easily changed to an arbitrary speed without changing the constant that gives the variable gain in the amplitude controller. it can.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In a self-excited vibration type vibration device, the value of the saturation element of the power amplifier that amplifies the output from the controller and gives the output to the vibration drive source or electromagnet for exciting the vibration device (input smaller than the absolute value of this value) When it is a value, it outputs an output proportional to the input value, but when it exceeds the absolute value of this value, it indicates a value that gives a constant value). The value of the element is gradually increased and / or the value of the saturation element of the power amplifier is gradually decreased when the vibration device is stopped. That is, the supply energy supplied from the power amplifier to the vibration drive source or the electromagnet is controlled so that the power amplifier gradually increases when starting up and gradually decreases when braking. Thereby, the rising speed and / or the braking speed of the vibration amplitude of the vibration device can be easily changed to an arbitrary speed.
[0017]
In the present invention, the value of the saturation factor of the power amplifier to be increased may be gradually increased until a predetermined time elapses from the start of activation. At this time, the vibration device does not vibrate immediately from the start of activation, but control is easy. In addition, if the value of the saturation factor of the power amplifier is set to a predetermined value sufficient for the vibration of the vibration device to start rising at the start of startup, the vibration device starts to vibrate immediately without any time delay from the start of startup. The range of adjustment can be increased. In this case, the value of the saturation element of the power amplifier at the start of startup may be a predetermined value sufficient for the vibration amplitude to start rising. For example, as shown in FIG. 3, this predetermined value is the following in the case of the
[0018]
Further, the value of the saturation factor of the power amplifier to be decreased may be gradually decreased until a predetermined time has elapsed from the start of the stop. In this case, the control is easy. For example, the output of the vibration speed detecting means is negatively fed back to the controller that amplifies the output of the vibration speed detecting means as a positive feedback signal with the amplitude command value being constant, When the controller that amplifies the output of the displacement detection means as a negative feedback signal and brakes by positively feeding back the output of the vibration displacement detection means, the vibration device can be stopped immediately after the stop is started.
[0019]
Furthermore, when the value of the saturating element of the power amplifier is gradually increased and / or stopped when the vibration device is started up, and when the value of the saturating element of the power amplifier is gradually decreased, the increase and / or decrease is reduced. Control is easy if it is set so as to change linearly, but there is no problem even if it changes exponentially, for example.
[0020]
The self-excited vibration type vibration device of the present invention has a vibration speed detection means for detecting the vibration speed of the vibration device, a controller for amplifying the output of the vibration speed detection means as a positive feedback signal, and a variable saturation element. A power amplifier that amplifies the output of the controller, a vibration drive source that receives the output of the power amplifier and vibrates the vibration device, and an amplitude that detects the amplitude of the vibration device from the output of the vibration speed detection means A vibration displacement detection means for detecting vibration displacement of the vibration device, a controller for amplifying the output of the vibration displacement detection means as a negative feedback signal, and controlling the phase delay with an integral element or a primary delay element, A power amplifier that has a variable saturation element and amplifies the output of the controller; a vibration drive source that receives the output of the power amplifier and vibrates the vibration device; and the vibration displacement Amplitude detection means for detecting the amplitude of the vibration device from the output of the output means, or vibration displacement detection means for detecting vibration displacement of the vibration device, and the output of the vibration displacement detection means as a negative feedback signal A controller for amplifying, a power amplifier having a variable saturation element and amplifying the output of the controller, and an electromagnet for receiving the output of the power amplifier and generating a magnetic attractive force for exciting the vibration device And amplitude detecting means for detecting the amplitude of the vibrating device from the output of the vibration displacement detecting means.
[0021]
The controller of the self-excited vibration type vibration device of the present invention may be a conventional controller. For example, the amplitude deviation which is the difference between the amplitude detected from the amplitude detecting means and the amplitude command value is changed by a predetermined function. A gain that is a variable gain that outputs a gain, and a gain for an amplitude deviation that is a difference between an amplitude detected from the amplitude detection means and an amplitude command value by a controller that amplifies the output of the vibration speed detection means or the output of the vibration displacement means. What is necessary is just to set it as the controller which has the saturation element to change and amplifies the output of a vibration speed detection means or the output of a vibration displacement means by changing the value of this saturation element.
[0022]
【Example】
In the following, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. The same parts as those in the conventional example are given the same reference numerals, and detailed description thereof will be omitted.
[0023]
FIG. 1 shows a block diagram of a
[0024]
The self-
[0025]
Next, the
[0026]
In the
[0027]
The embodiment of the present invention is configured as described above. Next, this operation will be described.
[0028]
Although not shown, a DC power source is connected to the
[0029]
That is, in this embodiment, as shown in FIG. 4, the
[0030]
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. 6 to 9, but this embodiment is different only in the setting method for making the value of the saturation element of the
[0031]
As shown in FIG. 6, in the saturation
[0032]
That is, in this embodiment, as shown in FIG. 7, the value of the saturation element of the
[0033]
In this embodiment, the output from the
[0034]
That is, in the present embodiment, the vibration amplitude starts to occur immediately after the start of the start, and the time required for rising is about 300 seconds. That is, also in this embodiment, if the value of the saturation element in the steady state is changed, the rising speed of the vibration amplitude of the
[0035]
As mentioned above, although each Example of this invention was described, of course, this invention is not limited to these, A various deformation | transformation is possible based on the technical idea of this invention.
[0036]
For example, in the above embodiment, the vibration displacement of the
[0037]
As shown in FIG. 12, the
[0038]
Furthermore, in the above embodiment, the variable gain K is used as the self-
[0039]
In the above-described embodiment, the
[0040]
Further, in the above embodiment, the value of the saturation element of the
[0041]
【The invention's effect】
As described above, according to the self-excited vibration type vibration device of the present invention, the time required for starting and / or braking the vibration, that is, the time required from the start of vibration to the vibration with a desired constant amplitude (rise time). ) And / or the time from when the vibration vibrates at a constant amplitude until the vibration completely stops can be easily changed to an arbitrary time.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram of a self-excited vibration type vibration device according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram of a model on which a simulation is performed according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a time chart showing temporal changes in values of saturation elements of the power amplifier of the self-excited vibration type vibration device according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a time chart showing a waveform of an output voltage of a power amplifier of a self-excited vibration type vibration device according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a time chart showing temporal changes in the amplitude waveform of the vibration machine of the self-excited vibration type vibration device according to the first embodiment of the present invention;
FIG. 6 is a block diagram of a model of a saturation element setting unit applied to a power amplifier according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a time chart showing temporal changes in values of saturation elements of a power amplifier of a self-excited vibration type vibration device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a time chart showing a waveform of an output voltage of a power amplifier of a self-excited vibration type vibration device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a time chart showing temporal changes in the amplitude waveform of the vibration machine of the self-excited vibration type vibration device according to the second embodiment of the present invention;
FIG. 10 is a block diagram of a self-excited vibration type vibration device according to a first modification of the present invention.
FIG. 11 is a perspective view of a vibrating parts feeder to which a first modification of the present invention is applied.
FIG. 12 is a block diagram of a self-excited vibration type vibration device according to a second modification of the present invention.
FIG. 13 is a block diagram of a self-excited vibration type vibration device according to a third modification of the present invention.
FIG. 14 is a block diagram of a self-excited vibration type vibration device according to a conventional example.
FIG. 15 is a block diagram of a model for which a simulation is performed according to a conventional example.
FIG. 16 is a time chart showing a temporal change of the amplitude command value given to the self-excited vibration type vibration device when the amplitude command value is ramp-inputted in the conventional example.
FIG. 17 is a time chart showing a waveform of an output voltage of a power amplifier of a self-excited vibration type vibration device when an amplitude command value is input as a ramp in a conventional example.
FIG. 18 is a time chart showing a temporal change of an amplitude waveform of a vibration machine of a self-excited vibration type vibration device when an amplitude command value is input by a ramp in a conventional example.
FIG. 19 is a time chart showing temporal changes in the amplitude command value applied to the self-excited vibration type vibration device when the amplitude command value is set to a constant value (step input) in the conventional example.
FIG. 20 is a time chart showing the waveform of the output voltage of the power amplifier of the self-excited vibration type vibration device when the amplitude command value is set to a constant value (step input) in the conventional example.
FIG. 21 is a time chart showing temporal changes in the amplitude waveform of the vibration machine of the self-excited vibration type vibration device when the amplitude command value is set to a constant value (step input) in the conventional example.
[Explanation of symbols]
3 Self-excited oscillation controller
3 'Self-excited oscillation controller
3 ”self-oscillation controller
5 Amplitude detector
6 Amplitude controller
7 Variable amplifier
7 'Variable amplifier
17 Electromagnet
17 'Vibration drive source
21 Vibration machine
22 Vibration displacement detector
30 Power amplifier
41 Phase controller
42 Vibration speed detector
51 Saturation element setting section
51 'saturation element setting part
52 switch
52 'switch
53 Clock
54 Amplifier
54 'amplifier
55 Amplifier
55 'amplifier
B output
B r Value of saturation element at steady amplitude
B t value
E switching signal
F switching signal
K 0 Variable gain
t hours
T 'Predetermined time
T ”predetermined time
x displacement
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JP30658797A JP4066481B2 (en) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | Self-excited vibration type vibration device |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30658797A JP4066481B2 (en) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | Self-excited vibration type vibration device |
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-
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