JP4066308B2 - 半導体記憶装置およびデータ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体記憶装置およびデータ処理装置に関し、さらに詳しくは、読み出し速度を可変にした半導体記憶装置およびこれを備えたデータ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話・個人情報端末・固体オーディオなどの超小型機器に搭載される不揮発性メモリシステムには、プログラムコードを格納するメモリに対しては数十ナノ秒程度の比較的高速なアクセスができかつデータを格納するメモリに対しては百ナノ秒程度の比較的低速なアクセスができるような構成が要求される。この要求に応えるため、上述のような小型機器に搭載される不揮発性メモリシステムでは、高速なアクセスに対応したメモリと低速なアクセスに対応したメモリとをそれぞれ設けたり、高速なアクセスに対応した集積度の低いメモリを複数設けてそのうちのいくつかを低速アクセス用のメモリとして使用したりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような小型機器に対しては小型化・軽量化・低消費電力化という強い要求がある。したがって、これらの小型機器に搭載される不揮発性メモリシステムには、上述のようなアクセスに関する要求を満たしつつシステムLSIへの集積や大容量化が要求される。
【0004】
しかしながら上述の不揮発性メモリシステムでは高速なアクセスに対応したメモリと低速なアクセスに対応したメモリとをそれぞれ設けたり、あるいは高速なアクセスに対応したメモリのみで構成するため、デバイス数が増加し集積度が低下したり、消費電力が増加したり、コストが高くなったりする。これらは機器の超軽量小型化の実現に対する障害となっている。
【0005】
また、高速なアクセスに対応したメモリと低速なアクセスに対応したメモリとの要求される比率は、システムに搭載されるアプリケーションプログラムに応じて異なる。ところが、上述の不揮発性メモリシステムでは高速なアクセスに対応したメモリと低速なアクセスに対応したメモリとの比率があらかじめ固定されるため、搭載することができるアプリケーションも限定される。
【0006】
この発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、高集積化を実現することができる半導体記憶装置を提供することである。
【0007】
この発明のもう1つの目的は、低消費電力化を実現することができる半導体記憶装置を提供することである。
【0008】
この発明のさらにもう1つの目的は、広範囲なアプリケーションプログラムに対応することができる半導体記憶装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の1つの局面に従うと、半導体記憶装置は、メモリアレイと、行デコーダと、列デコーダとを備える。メモリアレイは、通常読み出し領域および高速読み出し領域を有する。行デコーダは、通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線を選択し、高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線と高速読み出し領域に含まれている他のワード線とを選択する。列デコーダは、データを読み出すべきメモリセルに対応するビット線を選択する。高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときに行デコーダによって選択されるワード線と列デコーダによって選択される各ビット線とによって特定されるメモリセルの各々には同一のデータが書き込まれている。
【0010】
上記半導体記憶装置では、高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときには当該メモリセルに対応したビット線上で複数のメモリセルが選択される。選択された複数のメモリセルの各々には同一のデータが書き込まれている。したがって、通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときのようにデータを読み出すべきメモリセルだけが選択されるときと比べてビット線の電位変化を高速にすることができる。これにより、通常読み出し領域に含まれているメモリセルからのデータの読み出しに比べて高速読み出し領域に含まれているメモリセルからのデータの読み出しを高速に行うことができる。すなわち、選択するワード線の本数の増減により読み出し速度を可変にすることができる。
【0011】
また、通常読み出し領域と高速読み出し領域とを単一のメモリアレイ(単一のメモリプレーン)内に設けているため高集積化を実現することができる。
【0012】
好ましくは、上記行デコーダは、メモリアレイ内のある領域を高速読み出し領域または通常読み出し領域に設定する。
【0013】
上記半導体記憶装置では、メモリアレイ内における高速読み出し領域と通常読み出し領域との構成比を可変にすることができる。したがって、アプリケーションプログラムに応じて、高速読み出し領域と通常読み出し領域との構成比をチップサイズを一切変更することなくシステムのボード上で容易に変更することができる。すなわち、広範囲なアプリケーションプログラムに対応することができる。
【0014】
好ましくは、上記半導体記憶装置は以下に示すような読み出し回路をさらに備える。読み出し回路は、列デコーダによって選択されたビット線にメモリセルから読み出されたデータをデータ出力線に転送する。上記行デコーダは、高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すとき、選択すべきワード線と列デコーダによって選択されるビット線とによって特定されるメモリセルの各々と読み出し回路との間のビット線の平均長の、データを読み出すべきメモリセルの位置によるばらつきが小さくなるように上記他のワード線を選択する。
【0015】
上記半導体記憶装置によれば、データを読み出すべきメモリセルの高速読み出し領域における位置によるアクセス時間のばらつきを小さくすることができる。これにより、高速読み出し領域に含まれるメモリセルのうち読み出し時のアクセス時間が最も長いメモリセルのアクセス時間によって律速されていた読み出しアクセスを高速化することができる。
【0016】
好ましくは、上記高速読み出し領域は、メモリアレイ内の列方向に連続した領域である。
【0017】
上記半導体記憶装置では、行デコーダを構成する回路のうち高速読み出し領域に含まれているワード線を選択するための回路を一箇所にまとめて配置することができる。したがって、高速読み出し領域に含まれているワード線を選択するための回路を分散して配置する場合に比べて配線領域を削減することができる。これにより行デコーダ全体の回路規模を小さくすることができる。この結果、高速化および低消費電力化を実現することができる。
【0018】
好ましくは、上記高速読み出し領域は、メモリアレイ内における読み出し回路側の領域である。すなわち、できるだけ読み出し回路に近い側に設ける。
【0019】
上記半導体記憶装置では、メモリアレイ内における読み出し回路側に高速読み出し領域を設けたため、高速読み出し領域に含まれるメモリセルと読み出し回路との間の配線抵抗を小さくすることができる。これにより、高速読み出し領域に対するアクセス速度を速くすることができる。
【0020】
好ましくは、上記高速読み出し領域は第1の領域と第2の領域とを含む。上記行デコーダは、高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すとき、第1および第2の領域のうちデータを読み出すべきメモリセルを含んでいない領域から上記他のワード線を選択する。
【0021】
上記半導体記憶装置では、高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すとき、データを読み出すべきメモリセルに対応するワード線が第1および第2の領域の一方から選択され、他のワード線が第1および第2の領域の他方から選択される。このように第1および第2のそれぞれの領域からワード線を選択するため、第1の領域と第2の領域とがメモリアレイ内で離隔して配置されたときであっても上記ビット線長の平均のばらつきを小さくすることができる。すなわち、高速読み出し領域内のメモリセルの位置によるアクセス時間のばらつきを抑えることができる。これにより、高速読み出し領域の設定範囲の自由度を高めることができる。
【0022】
好ましくは、高速読み出し領域に含まれているメモリセルにデータを書き込むとき、上記行デコーダは、データを書き込むべきメモリセルに対応するワード線と高速読み出し領域に含まれている他のワード線とを選択しかつ選択したワード線の数を示す選択信号を出力し、上記列デコーダは、データを書き込むべきメモリセルに対応するビット線を選択する。上記半導体記憶装置はさらに書き込み回路を備える。書き込み回路は、列デコーダによって選択されたビット線を選択信号に応じて駆動する。
【0023】
上記半導体記憶装置では、行デコーダおよび列デコーダによって選択された複数のメモリセルに同時に同一のデータが書き込まれる。したがって、選択された複数のメモリセルに1つずつデータを書き込む場合と比べて書き込み時間を短くすることができる。また、選択されたメモリセルの数を示す選択信号に応じて書き込み回路がビット線を駆動するため、選択されたメモリセルの数に応じた最適の条件で書き込みを行うことができる。
【0024】
好ましくは、上記半導体記憶装置は不揮発性メモリである。そして、高速読み出し領域に含まれているメモリセルにデータを書き込むとき、単一のメモリセルにデータを書き込む際のリファレンス電流レベルを選択信号に応じて倍数したものをリファレンス電流レベルとする。リファレンス電流は、書き込みが完了したことを判定するための電流である。
【0025】
上記半導体記憶装置では、高速読み出し領域に含まれているメモリセルにデータを書き込むときに選択される複数のメモリセルの各々と通常読み出し領域に含まれているメモリセルにデータを書き込むときに選択されるメモリセルとを同一のセル電流すなわち同一レベルの書き込み条件にすることができる。これにより、高速読み出し領域に含まれるメモリセルの信頼性と通常読み出し領域に含まれるメモリセルの信頼性とが同等であることを保証することができる。
【0026】
好ましくは、上記半導体記憶装置はさらにラッチ回路を備える。高速読み出し領域に含まれているメモリセルにデータを書き込むとき、上記半導体記憶装置は、書き込むべきデータをラッチ回路に格納する。そして上記行デコーダは、データを書き込むべきメモリセルからデータが読み出されるときに選択されるワード線を1つずつ順に選択し、上記列デコーダは、データを書き込むべきメモリセルに対応するビット線を選択する。上記半導体記憶装置は、ラッチ回路に格納されたデータを、行デコーダおよび列デコーダによって特定されるメモリセルに書き込む。
【0027】
上記半導体記憶装置では、高速読み出し領域に含まれているメモリセルにデータを書き込むとき、まず、書き込むべきデータがラッチ回路に格納される。そして、データを書き込むべきメモリセルからデータが読み出されるときに選択されるワード線のうち一のワード線が行デコーダによって選択される。また、データを書き込むべきメモリセルに対応するビット線が列デコーダによって選択される。行デコーダおよび列デコーダによって特定されるメモリセルに、ラッチ回路に格納されたデータが書き込まれる。次いで、上記選択されるワード線のうち他の一のワード線が行デコーダによって選択される。また、上記対応するビット線が列デコーダによって選択される。そして行デコーダおよび列デコーダによって特定されるメモリセルに、ラッチ回路に格納されたデータが書き込まれる。このようにワード線を1つずつ選択してメモリセルへデータを書き込むため、書き込み条件は通常読み出し領域と同一であり、書き込み回路の条件を変更する必要はない。また、外部からラッチ回路へ書き込みデータを一度だけ与えればよいため書き込み時間を短縮することができる。
【0028】
好ましくは、高速読み出し領域に含まれているメモリセルにデータを書き込むとき、データを書き込むべきメモリセルからデータが読み出されるときに選択されるワード線のうち一のワード線に対応するメモリセルにデータを書き込み、当該書き込んだデータを読み出して他のワード線に対応するメモリセルに書き込む。
【0029】
上記半導体記憶装置では、他のワード線に対応するメモリセルへ書き込むべきデータを外部から供給する必要がないため、他のワード線に対応するメモリセルへのデータの書き込みを、書き込みデータ供給用のデータバスを開放して他の動作と同時並行に実行することができる。この間、データバスを他の動作に用いることができる。
【0030】
好ましくは、上記行デコーダは、アドレス信号に応答して当該アドレス信号に対応するワード線を選択する。アドレス信号は、アクセスすべきメモリセルが高速読み出し領域に含まれているか通常読み出し領域に含まれているかを示す選択ビットを含む。上記行デコーダは、アクセスすべきメモリセルが高速読み出し領域に含まれていることを選択ビットが示すとき、当該アドレス信号に対応する一のワード線と他のワード線とを高速読み出し領域から選択し、アクセスすべきメモリセルが通常読み出し領域に含まれていることを選択ビットが示すとき、当該アドレス信号に対応するワード線を通常読み出し領域から選択する。
【0031】
上記半導体記憶装置によれば、高速読み出し領域へのアクセスの指定すなわち高速読み出し動作の指定をアドレス単位で行うことができる。
【0032】
好ましくは、上記メモリアレイはさらに、フラグビット線と、複数のフラグメモリセルとを含む。複数のフラグメモリセルの各々は、メモリアレイに含まれる複数のワード線の各々とフラグビット線とに対応して配置される。複数のフラグメモリセルの各々には、当該フラグメモリセルが高速読み出し領域に含まれているか通常読み出し領域に含まれているかを示すデータが格納される。
【0033】
上記半導体記憶装置では、メモリセルからデータを読み出すとき、当該メモリセルと同じワード線に対応するフラグメモリセルのデータを読み出すことによって、当該メモリセルが高速読み出し領域に含まれているか通常読み出し領域に含まれているかを高速に判定することができる。
【0034】
好ましくは、上記半導体記憶装置は、高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときに選択されるワード線のうち、一のワード線に対応するメモリセルを含む領域をマスタデータ領域とし、他のワード線に対応するメモリセルを含む領域を通常読み出し領域に含める。
【0035】
上記半導体記憶装置では、メモリ容量を拡張する必要があるときには上記他のワード線に対応するメモリセルを含む領域を通常読み出し領域に含めることによって通常読み出し領域を拡張する。これによりメモリ容量が拡張される。このように上記半導体記憶装置では、メモリ領域が足りなくなった場合システムの速度を低下させるなどして高速読み出し領域を通常読み出し領域に書き換えメモリ領域を拡張し、メモリ構成の変更を容易に行うことができる。また、マスタデータ領域にもとの高速読み出し領域の書き込みデータが保持されているため、もとの高速読み出し領域を復元することは容易である。
【0036】
好ましくは、上記半導体記憶装置は複数の消去ブロックを含むフラッシュメモリ型の不揮発性メモリであり、上記マスタデータ領域と上記通常読み出し領域に含める領域とはそれぞれ複数の消去ブロックのうち異なる消去ブロックに含まれる。
【0037】
上記半導体記憶装置では、マスタデータ領域の保護を容易とするとともに高速読み出し領域におけるマスタデータ領域以外の領域に含まれるメモリセルのデータを容易に消去することができる。
【0038】
この発明のもう1つの局面に従うと、データ処理装置は上記半導体記憶装置を備える。そして、メモリ容量を拡張する必要があるときには、高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときに選択されるワード線のうち、一のワード線に対応するメモリセルを含む領域をマスタデータ領域とし、他のワード線に対応するメモリセルを含む領域を通常読み出し領域に含める。
【0039】
上記データ処理装置には、データまたは命令コードのメモリ装置として上記半導体記憶装置が設けられている。そしてメモリ容量の拡張が必要になったときには、上記他のワード線に対応するメモリセルを含む領域を通常読み出し領域に含めることによって通常読み出し領域を拡張し、通常読み出し領域の拡張された領域へのアクセス速度を低下させる。このようにデータ処理速度を犠牲にして、一時的なメモリ容量の拡張要求に応えることができる。また、マスタデータを元のメモリアドレスに書き戻すことにより容易に高速読み出し領域を復元することができる。
【0040】
この発明のさらにもう1つの局面に従うと、データ処理装置は上記半導体記憶装置を備える。そして、メモリ容量を拡張する必要があるときには、高速読み出し領域に含まれているメモリセルに格納されているデータを外部の記憶装置に転送し、高速読み出し領域を通常読み出し領域に変更する。
【0041】
上記データ処理装置によれば、データ処理速度を犠牲にしてメモリ容量の拡張要求に応えることができる。また、高速読み出し領域に保持されていたデータは復元の必要性に応じて外部の記憶装置に保存されるため、マスタデータ領域を確保する必要がない。したがって、メモリ容量のさらなる拡張が可能となる。
【0042】
好ましくは、上記外部の記憶装置へのデータの転送は無線で行われる。
【0043】
好ましくは、上記外部の記憶装置へのデータの転送は有線で行われる。
【0044】
上記データ処理装置によれば、移動するデータ処理装置の内蔵メモリの利用が最適化され、装置の小型軽量化に役立つ。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0046】
(第1の実施形態)
<不揮発性メモリの全体構成>
図1は、この発明の第1の実施形態による不揮発性メモリの全体構成を示すブロック図である。図1に示す不揮発性メモリは、メモリアレイ1と、行デコーダ2と、列デコーダ3と、読み出し&書き込み回路4と、データ入出力線I/Oとを備える。
【0047】
メモリアレイ1は、複数のメモリセルMCと、ワード線W[p,q](1≦p≦m,1≦q≦4)と、ビット線B1〜Bnとを含む。複数のメモリセルMCは行および列にマトリクス状に配置される。メモリセルMCは、フローティングゲート型トランジスタで構成される。フローティングゲート型トランジスタのゲートは対応するワード線に接続され、ドレインは対応するビット線に接続され、ソースには電圧Vsが与えられる。ワード線W[p,q]は行に配置される。ビット線B1〜Bnは列に配置される。ここではワード線W[1,1]〜W[j,4]に対応するメモリセルMCを含む領域を通常読み出し領域5とし、ワード線W[j+1,1]〜W[m,4]に対応するメモリセルMCを含む領域を高速読み出し領域6とする。
【0048】
行デコーダ2は、アドレス信号ADRに応答して対応するワード線を選択する。通常読み出し領域5に含まれるワード線は1本単位で、高速読み出し領域6に含まれるワード線は2本単位で選択されるように行デコーダ2の論理が設定されている。つまり、行デコーダ2の論理構成によって通常読み出し領域5および高速読み出し領域6の位置が決定される。行デコーダ2の論理構成は制御信号GSに応じて決定される。また行デコーダ2は、メモリセルMCにデータを書き込むとき選択信号SNを出力する。選択信号SNは、メモリセルMCへのデータの書き込みの際に行デコーダ2によって選択されたワード線の数を示す信号である。
【0049】
列デコーダ3は、アドレス信号ADRに応答して当該アドレス信号ADRに対応するビット線を選択する。
【0050】
読み出し&書き込み回路4は、列デコーダ3によって選択されたビット線にメモリセルMCから読み出されたデータをデータ入出力線I/Oに伝送し、列デコーダ3によって選択されたビット線をデータ入出力線I/Oからの書き込みデータに応じて駆動する。
【0051】
データ入出力線I/Oは、読み出し&書き込み回路4からの読み出しデータを外部へ伝送し、外部からの書き込みデータを読み出し&書き込み回路4へ伝送する。
【0052】
<行デコーダ2の内部構成および動作>
図2は、図1に示した行デコーダ2の内部構成を示すブロック図である。図2を参照して、行デコーダ2は、選択信号生成回路21と、デコーダSD1〜SDmとを含む。
【0053】
選択信号生成回路21は、アドレス信号ADRをデコードして選択信号S1〜Smを生成する。選択信号S1〜Smは、それぞれ対応するデコーダSD1〜SDmに与えられる。選択信号S1〜Smは、それぞれ対応するデコーダSD1〜SDmを活性/不活性にする信号である。活性にすべきデコーダSD1〜SDmには1レベル(論理ハイレベル)の選択信号S1〜Smが与えられ、不活性にすべきデコーダSD1〜SDmには0レベル(論理ローレベル)の選択信号S1〜Smが与えられる。活性にすべきデコーダとは、アドレス信号ADRによって指定されるワード線に対応したデコーダである。
【0054】
デコーダSD1〜SDmは、それぞれ4本のワード線(W[1,1]〜W[1,4])〜(W[m,1]〜W[m,4])に対応して設けられる。制御信号GS1〜GSmが、それぞれ対応するデコーダSD1〜SDmに与えられる。
【0055】
デコーダSD1は、1レベルの選択信号S1に応答して活性化され、制御信号GS1とアドレス信号ADRの一部(ここでは下位2ビットA,B)とに応答して、ワード線W[1,1]〜W[1,4]のうち対応するワード線を選択する。デコーダSD1は、制御信号GS1が0レベルのとき、ワード線を1本単位で選択する。制御信号GS1が1レベルのとき、ワード線を2本単位で選択する。一方、デコーダSD1は、0レベルの選択信号S1に応答して不活性化される。このときデコーダSD1はいずれのワード線も選択しない。
【0056】
同様に、デコーダSD2〜SDmは、1レベルの選択信号S2〜Smに応答して活性化され、制御信号GS2〜GSmとアドレス信号ADRの一部(ここではアドレスビットA,B)とに応答して、ワード線(W[2,1]〜W[2,4])〜(W[m,1]〜W[m,4])のうち対応するワード線を選択する。デコーダSD2〜SDmは、制御信号GS2〜GSmが0レベルのとき、ワード線を1本単位で選択する。制御信号GS2〜GSmが1レベルのとき、ワード線を2本単位で選択する。一方、デコーダSD2〜SDmは、0レベルの選択信号S2〜Smに応答して不活性化される。このときデコーダSD2〜SDmはいずれのワード線も選択しない。
【0057】
以上のように、デコーダSD1〜SDmは、対応する4本のワード線(W[1,1]〜W[1,4])〜(W[m,1]〜W[m,4])を含むメモリアレイ1内の領域を、制御信号GS1〜GSmに応じて通常読み出し領域5または高速読み出し領域6に設定する。
【0058】
図3は、図2に示したデコーダSD1の内部構成を示すブロック図である。図3を参照して、デコーダSD1は、インバータIV1およびIV2と、トランスファゲートTGと、AND回路AD1〜AD4とを含む。
【0059】
インバータIV1はアドレスビットAを反転する。インバータIV2はアドレスビットBを反転する。トランスファゲートTGは、アドレスビットAおよびインバータIV1の出力/Aを受け、制御信号GS1が1レベルのときはアドレスビットAをAND回路AD3およびAD4の入力に与え、制御信号GS1が0レベルのときはインバータIV1の出力/AをAND回路AD3およびAD4の入力に与える。AND回路AD1はアドレスビットAとアドレスビットBと選択信号S1とのANDを出力する。AND回路AD2は、アドレスビットAとインバータIV2の出力/Bと選択信号S1とのANDを出力する。AND回路AD3は、TGの出力とインバータIV2の出力/Bと選択信号S1とのANDを出力する。AND回路AD4は、TGの出力とアドレスビットBと選択信号S1とのANDを出力する。AND回路AD1〜AD4の出力はそれぞれワード線W1〜W4に与えられる。
【0060】
次に、図3に示したデコーダSD1の動作について図4を参照しつつ説明する。
【0061】
選択信号S1が1レベルかつ制御信号GS1が0レベルのとき、デコーダSD1は、アドレスビット(A,B)の値に応じてワード線を1本単位で選択する。アドレスビット(A,B)が(1,1)のときAND回路AD1の出力は1レベルとなりAND回路AD2〜AD4の出力は0レベルとなる。すなわちワード線W1のみが選択される。アドレスビット(A,B)が(1,0)のときAND回路AD2の出力は1レベルとなりAND回路AD1,AD3およびAD4の出力は0レベルとなる。すなわちワード線W2が選択される。アドレスビット(A,B)が(0,0)のときAND回路AD3の出力は1レベルとなりAND回路AD1,AD2およびAD4の出力は0レベルとなる。すなわちワード線W3が選択される。アドレスビット(A,B)が(0,1)のときAND回路AD4の出力は1レベルとなりAND回路AD1〜AD3の出力は0レベルとなる。すなわちワード線W4が選択される。このようにデコーダSD1はワード線を1本単位で選択する。ワード線を1本単位で選択することを以下では非多重選択という。
【0062】
選択信号S1が1レベルかつ制御信号GS1が1レベルのとき、デコーダSD1は、アドレスビット(A,B)の値に応じてワード線を2本単位で選択する。アドレスビット(A,B)が(1,1)のときAND回路AD1およびAD4の出力は1レベルとなりAND回路AD2およびAD3の出力は0レベルとなる。すなわちワード線W1およびW4が選択される。アドレスビット(A,B)が(1,0)のときAND回路AD2およびAD3の出力は1レベルとなりAND回路AD1およびAD4の出力は0レベルとなる。すなわちワード線W2およびW3が選択される。このようにデコーダSD1はワード線を2本単位で選択する。ワード線を複数本単位(ここでは2本単位)で選択することを以下では多重選択という。
【0063】
選択信号S1が0レベルのとき、制御信号GS1の値にかかわらずAND回路AD1〜AD4の出力は0レベルとなる。すなわちワード線W1〜W4はいずれも選択されない。
【0064】
なお、図2に示したデコーダSD2〜SDmの内部構成も図3に示した構成と同様である。
【0065】
<不揮発性メモリの動作>
次に、図1に示した不揮発性メモリの動作について説明する。ここでは、図2に示したデコーダSD1〜SDjに0レベルの制御信号GS1〜GSjが与えられ、デコーダSD(j+1)〜SDmに1レベルの制御信号GS(j+1)〜GSmが与えられる。したがって、デコーダSD1〜SDjはワード線を非多重選択し、デコーダSD(j+1)〜SDmはワード線を多重選択する。すなわち、通常読み出し領域5に含まれるワード線W[1,1]〜W[j,4]は1本単位で選択され、高速読み出し領域6に含まれるワード線W[j+1,1]〜W[m,4]は2本単位で選択される。
【0066】
そして図5に示すように、ワード線W[j+1,1]およびW[j+1,4]とビット線B1またはBnとによって特定される2つのメモリセルには互いに同一のデータが書き込まれている。また、ワード線W[j+1,2]およびW[j+1,3]とビット線B1またはBnとによって特定される2つのメモリセルには互いに同一のデータが書き込まれている。同様に、図5において同じ図形記号で表わした2つのメモリセルMCには互いに同じデータが書き込まれている。このように、デコーダSD1〜SDmによって同時に選択される2本のワード線と列デコーダ3によって選択されるビット線とによって特定される2つのメモリセルの各々には互いに同一のデータが書き込まれている。
【0067】
(1)メモリセルMCからのデータの読み出し
a.通常読み出し領域5に含まれるメモリセルからのデータの読み出し
ワード線W[1,1]とビット線B1とによって特定されるメモリセルからデータを読み出す場合を例として説明する。
【0068】
まず、ワード線W[1,1]とビット線B1とによって特定されるメモリセルに対応したアドレス信号ADRが行デコーダ2および列デコーダ3に与えられる。
【0069】
このアドレス信号ADRに応答して行デコーダ2内の選択信号生成回路21は、1レベルの選択信号S1および0レベルの選択信号S2〜Smを出力する。これにより、デコーダSD1が活性となり、デコーダSD2〜SDmが不活性となる。デコーダSD1は、アドレスビットA,B(ここでは、(A,B)=(1,1))に応答して対応するワード線W[1,1]を選択する。
【0070】
一方、列デコーダ3は、アドレス信号ADRに応答してビット線B1を選択する。
【0071】
次いで、ワード線W[1,1]とビット線B1とによって特定されるメモリセルからビット線B1にデータが読み出される。ビット線B1に読み出されたデータはセンスアンプ(図示せず)によって増幅された後、読み出し&書き込み回路4によってデータ入出力線I/Oに転送され、外部へ出力される。
【0072】
b.高速読み出し領域6に含まれるメモリセルからのデータの読み出し
ワード線W[j+1,1]とビット線B1とによって特定されるメモリセルMCからデータを読み出す場合を例として説明する。
【0073】
まず、ワード線W[j+1,1]とビット線B1とによって特定されるメモリセルに対応したアドレス信号ADRが行デコーダ2および列デコーダ3に与えられる。
【0074】
このアドレス信号ADRに応答して行デコーダ2内の選択信号生成回路21は、1レベルの選択信号S(j+1)および0レベルの選択信号S1〜Sj,S(j+2)〜Smを出力する。これにより、デコーダSD(j+1)が活性となり、デコーダSD1〜SDj,SD(j+2)〜SDmが不活性となる。デコーダSD(j+1)は、アドレスビットA,B(ここでは、(A,B)=(1,1))に応答して対応するワード線W[j+1,1]およびW[j+1,4]を選択する。
【0075】
一方、列デコーダ3は、アドレス信号ADRに応答してビット線B1を選択する。
【0076】
次いで、ワード線W[j+1,1]およびW[j+1,4]とビット線B1とによって特定される2つメモリセルからビット線B1にデータが読み出される。多重選択される2つのメモリセルには同一のデータが書き込まれているため、通常読み出し領域5に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合に比べてオン状態のセル電流が増加する。ビット線B1に読み出されたデータはセンスアンプ(図示せず)によって増幅された後、読み出し&書き込み回路4によってデータ入出力線I/Oに転送され、外部へ出力される。
【0077】
また、ビット線は複数選択されても同様である。
【0078】
c.読み出し速度の比較
ここで、通常読み出し領域5に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合(非多重選択時)と高速読み出し領域6に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合(多重選択時)とにおける読み出し速度を考える。以下、図6を参照しつつ説明する。
【0079】
時刻t1におけるクロック信号の立ち上がりに同期してワード線が1レベルに立ち上がる。ワード線の立ち上がりに応答してメモリセルのゲートが選択される。ワード線が0レベルであるときビット線は1レベルにプリチャージされる。
【0080】
メモリセルのゲートが選択されるとプリチャージ動作は終了し、プリチャージされたビット線のセル電流による放電動作が開始される。
【0081】
非多重選択時および多重選択時ともに、ビット線電位がしきい値Vthに達するとセンスアンプによる増幅が開始される(時刻t2,t3)。センスアンプによって増幅されたビット線電位はセンスアンプ信号として出力される。メモリアレイのアクセス時間Taccはクロック信号の立ち上がりからセンスアンプ信号の遷移エッジとして定義される。
【0082】
ビット線電位の降下の割合はセル電流の大きさに比例する。多重選択時には1つのビット線に対して2つのメモリセルが選択されるため、非多重選択時と比べてセル電流は2倍となる。このため多重選択時におけるアクセス時間Taccは非多重選択時におけるアクセス時間Taccに比べて短くなる。すなわち、多重選択時の読み出し速度は非多重選択時の読み出し速度よりも高速になる。
【0083】
(2)メモリセルMCへのデータの書き込み
a.高速読み出し領域6に含まれるメモリセルへのデータの書き込み
ワード線W[j+1,1]とビット線B1とによって特定されるメモリセルMCへデータを書き込む場合を例として説明する。
【0084】
まず、ワード線W[j+1,1]とビット線B1とによって特定されるメモリセルに対応したアドレス信号ADRが行デコーダ2および列デコーダ3に与えられる。
【0085】
このアドレス信号ADRに応答して行デコーダ2内の選択信号生成回路21は、1レベルの選択信号S(j+1)および0レベルの選択信号S1〜Sj,S(j+2)〜Smを出力する。これにより、デコーダSD(j+1)が活性となり、デコーダSD1〜SDj,SD(j+2)〜SDmが不活性となる。デコーダSD(j+1)は、アドレスビットA,B(ここでは、(A,B)=(1,1))に応答して対応するワード線W[j+1,1]およびW[j+1,4]を選択する。また行デコーダ2は、選択したワード線の数(ここでは2本)を示す選択信号SNを読み出し&書き込み回路4に与える。
【0086】
一方、列デコーダ3は、アドレス信号ADRに応答してビット線B1を選択する。
【0087】
次いで、書き込むべきデータが、外部からデータ入出力線I/Oを介して読み出し&書き込み回路4に与えられる。読み出し&書き込み回路4は、選択信号SNおよび書き込むべきデータに基づいて書き込みパラメータを変更し適切な書き込み条件で、ワード線W[j+1,1]およびW[j+1,4]とビット線B1とによって特定される2つメモリセルに同時並列にデータを書き込む。このように、多重選択される2つのメモリセルに同一のデータを同時並列に書き込むため、1つづつ逐次的に書き込む場合に比べて書き込み時間を短くすることができる。
【0088】
読み出し&書き込み回路4における書き込みパラメータの変更は、例えば、同時に書き込むメモリセルの数(並列数)に応じて書き込み時間・書き込み振幅を調整して、非多重選択時の書き込み条件と等価になるようにすることが望ましい。
【0089】
読み出し&書き込み回路4は、同時に書き込むメモリセルの数(書き込みの並列数)に応じて書き込み電流・書き込みパルス振幅/時間・書き込み判定条件などの書き込みパラメータを変えることができるように設計する必要がある。一例として、メモリセルがSRAM型である場合を考える。この場合には、メモリセルの状態の反転に必要な電流や書き込みパルスの時間幅が書き込みの並列数に応じて増加する。したがって、書き込みドライバの出力抵抗を可変にする。
【0090】
b.通常読み出し領域5に含まれるメモリセルへのデータの書き込み
ワード線W[1,1]とビット線B1とによって特定されるメモリセルへデータを書き込む場合を例として説明する。
【0091】
まず、ワード線W[1,1]とビット線B1とによって特定されるメモリセルに対応したアドレス信号ADRが行デコーダ2および列デコーダ3に与えられる。
【0092】
このアドレス信号ADRに応答して行デコーダ2内の選択信号生成回路21は、1レベルの選択信号S1および0レベルの選択信号S2〜Smを出力する。これにより、デコーダSD1が活性となり、デコーダSD2〜SDmが不活性となる。デコーダSD1は、アドレスビットA,B(ここでは、(A,B)=(1,1))に応答して対応するワード線W[1,1]を選択する。これに応答して行デコーダ2は、選択したワード線の数(ここでは1本)を示す選択信号SNを読み出し&書き込み回路4に与える。
【0093】
一方、列デコーダ3は、アドレス信号ADRに応答してビット線B1を選択する。
【0094】
次いで、書き込むべきデータが、外部からデータ入出力線I/Oを介して読み出し&書き込み回路4に与えられる。読み出し&書き込み回路4は、選択信号SNおよび書き込むべきデータに基づいて書き込みパラメータを変更し適切な書き込み条件で、ワード線W[1,1]とビット線B1とによって特定されるメモリセルにデータを書き込む。
【0095】
<メモリアレイ1内での高速読み出し領域6の物理的な配置例>
上述のように、図1に示した不揮発性メモリでは、制御信号GSに応じて通常読み出し領域5および高速読み出し領域6の位置を決定することができる。すなわち、メモリアレイ1内で高速読み出し領域6をさまざまな位置に配置することができる。たとえば図7(a)に示すように、高速読み出し領域6をメモリアレイ1の端部に配置することができる。また図7(b)に示すように、高速読み出し領域6をメモリアレイ1の中央近辺に配置することもできる。また図7(c)に示すように、高速読み出し領域6をメモリアレイ1の両端に配置することもできる。また、図7(d)に示すように、高速読み出し領域6をメモリアレイ1の中央近辺3ヶ所に列方向に分散して配置することもできる。
【0096】
図7(a)〜(d)に示したいずれの配置においても、高速読み出し領域6に含まれるワード線の総数は、1つのメモリアドレスについて多重選択されるワード線の数の整数倍である。1つのメモリアドレスについて多重選択されるワード線の数はメモリアレイ1内で固定する必要はなく、必要な読み出し速度に応じて混在させてもよい。この場合、高速読み出し領域6に含まれるワード線の総数は各多重選択ワード線数の整数倍の和となる。
【0097】
<効果>
この発明の第1の実施形態による不揮発性メモリでは、高速読み出し領域6に含まれているメモリセルからデータを読み出すときには当該メモリセルに対応したビット線上で2つのメモリセルが選択される。選択された2つのメモリセルの各々には互いに同一のデータが書き込まれている。したがって、通常読み出し領域5に含まれているメモリセルからデータを読み出すときと比べてビット線の電位変化を高速にすることができる。これにより、通常読み出し領域5に含まれているメモリセルからのデータの読み出しに比べて高速読み出し領域6に含まれているメモリセルからのデータの読み出しを高速に行うことができる。すなわち読み出し速度を可変にすることができる。
【0098】
また、通常読み出し領域5と高速読み出し領域6とを単一のメモリアレイ1(単一のメモリプレーン)内に設けているため高集積化を実現することができる。
【0099】
また、行デコーダ2に含まれるデコーダSD1〜SDmは、対応する4本のワード線(W[1,1]〜W[1,4])〜(W[m,1]〜W[m,4])を含むメモリアレイ1内の領域を制御信号GS1〜GSmに応じて通常読み出し領域5または高速読み出し領域6に設定する。これにより、メモリアレイ1内における高速読み出し領域6と通常読み出し領域5との構成比を可変にすることができる。したがって、アプリケーションプログラムに応じて、高速読み出し領域6と通常読み出し領域5との構成比をチップサイズを一切変更することなくシステムのボード上で容易に変更することができる。すなわち、広範囲なアプリケーションプログラムに対応することができる。
【0100】
また、読み出し&書き込み回路4は、多重選択された複数のセルに同時並列にデータを書き込むため、書き込み時間を大幅に短縮することができる。
【0101】
<なお書き>
なお、ここではフローティングゲート型トランジスタで構成されるメモリセルMCを備えた不揮発性メモリを例にして説明したけれども、この発明の適用範囲はこれに限られない。他の方式、たとえばMNOS(Metal Nitride Oxide Silicon)型の不揮発性メモリであってもよいし、ビット線の電位変化または電流変化によりデータを読み出す方式のメモリセルを備えた他の半導体記憶装置、例えばSRAM・DRAM・MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory:磁気抵抗RAM)などにも同様に適用でき、同様の効果を得ることができる。
【0102】
また、ここでは多重選択されるワード線の数を2本としたけれども、多重選択されるワード線の数はこれに限られない。3本以上のワード線を多重選択するようにしてもよい。
【0103】
また、通常読み出し領域5に含まれるワード線は1本単位で、高速読み出し領域6に含まれるワード線は2本単位で選択されるように行デコーダ2を実現する方法は図2および図3に示したものに限られず種々の方法で実現することができる。たとえば、電気的に論理を書き換えることのできるFPGA(Field Programable Gate Array)で構成し制御信号により論理接続を書き換えることによって実現することができる。
【0104】
(第2の実施形態)
<構成>
この発明の第2の実施形態による不揮発性メモリは、図1に示した不揮発性メモリにおいて行デコーダ2の論理構成を変更したものである。その他の構成は図1に示した不揮発性メモリと同様である。第2の実施形態による不揮発性メモリにおける行デコーダは図8に示すような論理構成を有する。図8に示す行デコーダは、図2に示した行デコーダと比較すると、高速読み出し領域6に対応するデコーダSD(j+1)〜SDmとワード線W[j+1,1]〜W[m,4]との対応関係が異なる。図8に示す行デコーダでは、高速読み出し領域6に含まれるワード線W[j+1,1]〜W[m,4]をワード線W[j+1,1]〜W[j+(m−j)/2,4]とワード線W[j+(m−j)/2+1,1]〜W[m,4]とに分け、ワード線W[j+1,1]〜W[j+(m−j)/2,4]から順番に2本ずつ、ワード線W[j+(m−j)/2+1,1]〜W[m,4]から順番に2本ずつの合計4本のワード線をデコーダSD(j+1)〜SDmに対応させている。具体的には、デコーダSD(j+1)にはワード線W[j+1,1],W[j+1,2],W[m,3]およびW[m,4]が対応し、デコーダSD(j+2)にはワード線W[j+1,3],W[j+1,4],W[m,1]およびW[m,2]が対応し、以下同様に対応し、最後にデコーダSDmにはワード線W[j+(m−j)/2,3],W[j+(m−j)/2,4],W[j+(m−j)/2+1,1]およびW[j+(m−j)/2+1,2]が対応する。なお、ここでは高速読み出し領域6内のデコーダSDの数すなわち(m−j)は偶数とする。
【0105】
<高速読み出し領域6におけるワード線の選択>
図9は、図8に示した行デコーダによるワード線の選択状況を示す図である。図9に示すように、列方向に連続した単一の高速読み出し領域6が、メモリアレイ1内において読み出し&書き込み回路4側の端に配置されている。
【0106】
図9(a)に示すように、ワード線W[j+1,1]に対応するメモリセルからデータを読み出すときには、行デコーダはワード線W[j+1,1]およびW[m,4]を選択する。ここで、行デコーダおよび列デコーダによって特定されるメモリセルと読み出し&書き込み回路4との間のビット線長をワード線ピッチを単位として考える。ワード線W[j+1,1]と列デコーダによって選択されるビット線とによって特定されるメモリセルと読み出し&書き込み回路4との間のビット線長と、ワード線W[m,4]と列デコーダによって選択されるビット線とによって特定されるメモリセルと読み出し&書き込み回路4との間のビット線長との平均値は、(1+2m)/2となる。
【0107】
また図9(b)に示すように、ワード線W[j+1,2]に対応するメモリセルからデータを読み出すときには、行デコーダはワード線W[j+1,2]およびW[m,3]を選択する。ワード線W[j+1,2]と列デコーダによって選択されるビット線とによって特定されるメモリセルと読み出し&書き込み回路4との間のビット線長と、ワード線W[m,3]と列デコーダによって選択されるビット線とによって特定されるメモリセルと読み出し&書き込み回路4との間のビット線長との平均値は、{(2)+(2m−1)}/2=(1+2m)/2となる。
【0108】
また図9(c)に示すように、ワード線W[j+1,3]に対応するメモリセルからデータを読み出すときには、行デコーダはワード線W[j+1,3]およびW[m,2]を選択する。ワード線W[j+1,3]と列デコーダによって選択されるビット線とによって特定されるメモリセルと読み出し&書き込み回路4との間のビット線長と、ワード線W[m,2]と列デコーダによって選択されるビット線とによって特定されるメモリセルと読み出し&書き込み回路4との間のビット線長との平均値は、{(3)+(2m−2)}/2=(1+2m)/2となる。
【0109】
また図9(d)に示すように、ワード線W[j+(m−j)/2,4]に対応するメモリセルからデータを読み出すときには、行デコーダはワード線W[j+(m−j)/2,4]およびW[j+(m−j)/2+1,1]を選択する。ワード線W[j+(m−j)/2,4]と列デコーダによって選択されるビット線とによって特定されるメモリセルと読み出し&書き込み回路4との間のビット線長と、ワード線W[j+(m−j)/2+1,1]と列デコーダによって選択されるビット線とによって特定されるメモリセルと読み出し&書き込み回路4との間のビット線長との平均値は、{(m)+(m+1)}/2=(1+2m)/2となる。
【0110】
このように行デコーダは、多重選択されるメモリセルの各々と読み出し&書き込み回路4と間のビット線長の平均値が一定になるように、ワード線を多重選択する。すなわち、データを読み出すべきメモリセルの位置による上記平均値のばらつきが最小になるようにワード線を多重選択する。これにより読み出し時のビット線抵抗が平均化されるため、選択するワード線の位置によるアクセス時間のばらつきを小さくすることができる。
【0111】
<回路シミュレーション>
多重選択されるメモリセルの各々と読み出し&書き込み回路4と間のビット線長の平均値を一定に保つことによってアクセス時間のばらつきを小さくできることをSPICE回路シミュレーションで確認した。
【0112】
図10は、シミュレーションに用いた5種類の等価回路a〜eを示すものである。各等価回路において、ビット線端にはセンスアンプSAが接続されている。ビット線は、ビット線抵抗Brとビット線の容量BCとによって構成される4段のπ型RCネットワークで近似される。多重選択された2つのメモリセルは2個の等価セル抵抗Rで近似されている。
【0113】
等価回路aは、センスアンプSAの直近の2つのメモリセルが選択された状態を示す。π型RCネットワーク個数で平均ビット線長を図ると、平均ビット線長は、{(0)+(0)}/2=0である。
【0114】
等価回路bは、センスアンプSAから再遠端の2つのメモリセルが選択された状態を示す。このときの平均ビット線長は、{(4)+(4)}/2=4である。
【0115】
等価回路c〜eでは、平均ビット線長が2となるように多重選択されたメモリセルが配置されている。
【0116】
センスアンプSAの入力における信号波形の過渡解析シミュレーションを等価回路a〜eについて行った結果を図11に示す。このシミュレーションでは、H電位にプリチャージした状態のビット線を等価セル抵抗Rによって放電する際の過渡解析を実施した。
【0117】
図11に示すように、センスアンプSAのしきい値Vthに到達するまでの遅延時間は、平均ビット線長が0である等価回路aにおいて最も短く(tout1)、平均ビット線長が4である等価回路bにおいて最も長い(tout2)。平均ビット線長が2である等価回路c〜eにおける遅延時間tout3〜tout5はtout1とtout2の間に分布している。すなわち、平均ビット線長が一定になるようにした場合にはアクセス時間のばらつきが小さくなることがわかる。
【0118】
このシミュレーションの結果は、N個のメモリセルを多重選択する場合についてもあてはまる。すなわち、平均ビット線長のばらつきが最小になるようにメモリセルを多重選択することによってアクセス時間のばらつきを抑えることができる。
【0119】
また、センスアンプSAに最も近い2つのメモリセルを多重選択した等価回路aにおける遅延時間tout1が最も短かったことから、図9に示すように高速読み出し領域6を読み出し&書き込み回路4側に配置すれば平均ビット線長を最短にしかつ読み出し速度が最速のメモリ装置を提供できることがわかる。各ビット線長が読み出し&書き込み回路4に対して元々と短いため、アクセス時間のばらつきに関しても最小になることは自明である。
【0120】
<効果>
この発明の第2の実施形態による不揮発性メモリでは、多重選択されるメモリセルの各々と読み出し&書き込み回路4と間のビット線長の平均値が一定になるように、ワード線を多重選択する。これにより読み出し時のビット線抵抗が平均化されるため、選択するワード線の位置によるアクセス時間のばらつきを小さくすることができる。この結果、アクセス時間が最も長いメモリセルのアクセス時間によって律速されていた読み出しアクセスを高速化することができる。この効果は、ワード線を非多重選択するタイプのメモリアレイでは不可避の課題であったが、ワード線を多重選択することによって解決することができた。
【0121】
また、メモリアレイ1内における読み出し&書き込み回路4側の端に高速読み出し領域6を配置しているため、高速読み出し領域6内のメモリセルと読み出し&書き込み回路4との間のビット線抵抗を小さくすることができる。これにより、高速読み出し領域6に含まれるメモリセルに対するアクセス時間を短くすることができる。すなわち、高速読み出し領域に対するアクセス速度を速くすることができる。
【0122】
また、高速読み出し領域6は、メモリアレイ1内において列方向に連続した単一の領域であるため、高速読み出し領域6に含まれているワード線を選択するためのデコーダSD(j+1)〜SDmを一箇所に集中して配置することができる。したがって、デコーダSD(j+1)〜SDmを分散して配置する場合に比べて配線領域を削減することができる。これにより、行デコーダ全体の回路規模を小さくすることができる。この結果、高速化および低消費電力化を実現することができる。
【0123】
なお、ここでは高速読み出し領域6内のデコーダSDの数すなわち(m−j)は偶数としたが、これが奇数のときも同様の考えで行デコーダを構成できる。
【0124】
(第2の実施形態の変形例)
第2の実施形態では、高速読み出し領域6は、メモリアレイ1内において列方向に連続した単一の領域であった。この変形例では、図12に示すように高速読み出し領域6を領域6aおよび6bに分割している。領域6aは、ワード線W[j+1,1]〜W[j+(m−j)/2,4]を含んだ領域である。領域6bは、ワード線W[j+(m−j)/2+1,1]〜W[m,4]を含んだ領域である。領域6aと領域6bとの間には通常読み出し領域5が配置される。
【0125】
図12(a)に示すように、ワード線W[j+1,1]に対応するメモリセルからデータを読み出すときには、行デコーダは、領域6aからワード線W[j+1,1]を選択しかつ領域6bからワード線W[m,4]を選択する。また図12(b)に示すように、ワード線W[j+1,2]に対応するメモリセルからデータを読み出すときには、行デコーダは、領域6aからワード線W[j+1,2]を選択しかつ領域6bからワード線W[m,3]を選択する。また図12(c)に示すように、ワード線W[j+1,3]に対応するメモリセルからデータを読み出すときには、行デコーダは、領域6aからワード線W[j+1,3]を選択しかつ領域6bからワード線W[m,2]を選択する。また図12(d)に示すように、ワード線W[j+(m−j)/2,4]に対応するメモリセルからデータを読み出すときには、行デコーダは、領域6aからワード線W[j+(m−j)/2,4]を選択しかつ領域6bからワード線W[j+(m−j)/2+1,1]を選択する。
【0126】
図12(a)〜(d)に示すようにワード線を多重選択した場合にも、図9(a)〜(d)に示した場合と全く同じように平均ビット線長が一定になることは自明である。同様に、高速読み出し領域を読み出し回路側に配置すれば高速化されることも自明である。
【0127】
以上のように、高速読み出し領域を複数の領域6aおよび6bに分割して配置した場合であっても、各領域6a,6bから1本ずつワード線を選択することによって読み出し時のビット線抵抗を平均化することができる。これにより、アクセス時間のばらつきを小さくできかつ高速読み出し領域の設定範囲の自由度を向上させることができる。
【0128】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、図1に示した読み出し&書き込み回路4による書き込み判定動作の一例を示す。
【0129】
まず、フローティングゲート型メモリセルを有する不揮発性メモリにおける書き込み動作について概要を説明する。書き込み動作は、セルトランジスタの電極に書き込みパルスを与え、酸化膜で周囲から絶縁分離されたフローティングゲートにトンネル酸化膜を介して電子を注入または放出し、セルトランジスタのしきい値を制御することによって実施される。フローティングゲートに注入される電荷量を正確に制御することは、セルの特性のみならずトンネル酸化膜の電荷保持電界も制御することになるためトンネル酸化膜の信頼性上重要である。このため、通常のプログラム動作では、書き込み動作と書き込み判定とを数回繰り返すことによって所望のしきい値に少しずつ近づけて設定精度を向上させている。
【0130】
図13は、読み出し&書き込み回路による書き込み判定の動作を示す図である。図13を参照して、単一のメモリセルMCについての所望のプログラム状態は、フローティングゲートに電子が注入されるときのセル電流がIref(s)に設定された状態である。プログラムは、ビット線Biへの書き込みパルスの印可・セル電流の読み出し・設定値との比較の3ステップをセル電流が所望の設定値になるまで繰り返すことによって実行される。
【0131】
多重選択されたSN個のメモリセルには、単一のメモリセルにおけるのと同等のプログラムパルスがビット線Bi経由で印可される。セル電流の読み出しは、プログラム時と同様の多重選択状態で実施され、セル電流はビット線Bi経由でコンパレータ131に入力される。読出されたセル電流とリファレンス電流Irefとがコンパレータ131において比較される。リファレンス電流Iref以下のセル電流が検出されると書き込み判定信号WDTが出力され、書き込み動作が終了する。
【0132】
ここでは、行デコーダ2から可変電流源132に選択信号SNが与えられる。選択信号SNは、多重選択されたメモリセルの数を示す信号である。可変電流源132は、単一メモリセルについてのリファレンス電流Iref(s)をSN倍したものをリファレンス電流Irefとしてコンパレータ131に供給している。このため、多重選択されたメモリセルの各々のセル電流を、非多重選択されたメモリセルのセル電流と同一にすることができる。つまり、多重選択されたメモリセルの各々の書き込み条件を、非多重選択されたメモリセルの書き込み条件と同一にすることができる。これにより、多重選択されたメモリセルの信頼性と非多重選択されたメモリセルの信頼性とが等価であることを保証することができる。
【0133】
なお、リファレンス電流Irefの変更方法としては、例えば選択信号SNをデジタル信号とすればリファレンス電流Iref(s)の並列数の制御等で容易に実施することができる。
【0134】
(第4の実施形態)
第1から第3の実施形態では、高速読み出し領域6内の複数のメモリセルへ同時にデータを書き込むために読み出し&書き込み回路に特別な配慮を払う必要がある。第4の実施形態による不揮発性メモリでは、高速読み出し領域6内のメモリセルへのデータの書き込み時に、通常読み出し領域5内のメモリセルへのデータの書き込みと同じようにワード線を非多重選択とするとともに書き込みの効率を最適化した書き込み方式を実現する。この方式によれば読み出し&書き込み回路に特別な工夫をする必要がないことが特徴である。
【0135】
図14に示すように、この不揮発性メモリは、図1に示した不揮発性メモリの構成に加えてさらにデータラッチ141を備える。データラッチ141には、書き込みデータが格納される。以下では、ワード線W[j+1,1]〜W[m,4]を含む高速読み出し領域6に多重選択ワード線数2でデータを書き込む場合について説明する。図14(a)〜(c)では、高速読み出し領域6内のワード線W[j+1,1]およびW[m,4]に対応するメモリセルに書き込みデータD1を書き込む処理の流れを示す。図14(d)〜(f)では、高速読み出し領域6内のワード線W[j+1,2]およびW[m,3]に対応するメモリセルに書き込みデータD2を書き込む処理を示す。図14(g)〜(i)では、高速読み出し領域6内のワード線W[j+(m−j)/2,4]およびW[j+(m−j)/2+1,1]に対応するメモリセルに書き込みデータDrを書き込む処理を示す。
【0136】
まず、図14(a)に示すように、外部のデータバスからの書き込みデータD1がデータラッチ141にラッチされる。つぎに図14(b)に示すように、行デコーダ2によってワード線W[j+1,1]が非多重で選択され、データラッチ141に格納された書き込みデータD1が、ワード線W[j+1,1]に対応するメモリセルに書き込まれる。最後に図14(c)に示すように、ワード線W[j+1,1]とともに多重選択されるワード線であるワード線W[m,4]が行デコーダ2によって非多重で選択され、データラッチ141に格納された書き込みデータD1が、ワード線W[m,4]に対応するメモリセルに書き込まれる。これにより、ワード線W[j+1,1]およびW[m,4]に対応するメモリセルに書き込みデータD1を書き込む処理が完了する。
【0137】
図14(d)〜(f)に示す、ワード線W[j+1,2]およびW[m,3]に対応するメモリセルに書き込みデータD2を書き込む処理、および図14(g)〜(i)に示す、ワード線W[j+(m−j)/2,4]およびW[j+(m−j)/2+1,1]に対応するメモリセルに書き込みデータDrを書き込む処理についても同様にして行われる。
【0138】
以上のように、第4の実施形態では、多重選択されるワード線に対応するメモリセルへのデータの書き込みを、データラッチ141に格納されたデータを用いて1ワード線ごとに連続して行うため、通常読み出し領域5に含まれるメモリセルへの書き込みと同一の書き込み条件でよい。したがって、読み出し&書き込み回路に特別の工夫をする必要はない。
【0139】
また、ワード線W[m,4],W[m,3],・・・,W[j+(m−j)/2+1,1]に対応するメモリセルへ書き込むデータを外部から再度与える必要がないため、書き込み時間を短縮することができる。
【0140】
(第5の実施形態)
第4の実施形態ではデータラッチ141を用いた。第5の実施形態による不揮発性メモリでは、多重選択されるワード線の1ワード線ごとの連続書き込みにおいて、最初のデータラッチのステップ(図14(a),(d),(g))を省略して最初のワード線に直接書き込み、2ワード線以降の書き込みデータにはこのデータを読み出して書き込む方式を実現する。この場合にも、第4の実施形態におけるのと同様の効果が得られる。
【0141】
図15に示すように、この不揮発性メモリでは図14に示したデータラッチ141は設けていない。以下では、ワード線W[j+1,1]〜W[m,4]を含む高速読み出し領域6に多重選択ワード線数2でデータを書き込む場合について説明する。図15(b)〜(c)では、高速読み出し領域6内のワード線W[j+1,1]およびW[m,4]に対応するメモリセルに書き込みデータD1を書き込む処理の流れを示す。図15(e)〜(f)では、高速読み出し領域6内のワード線W[j+1,2]およびW[m,3]に対応するメモリセルに書き込みデータD2を書き込む処理を示す。図15(h)〜(i)では、高速読み出し領域6内のワード線W[j+(m−j)/2,4]およびW[j+(m−j)/2+1,1]に対応するメモリセルに書き込みデータDrを書き込む処理を示す。
【0142】
まず、図15(b)に示すように、行デコーダ2によってワード線W[j+1,1]が非多重で選択され、ワード線W[j+1,1]に対応するメモリセルに外部のデータバスからの書き込みデータD1が直接に書き込まれる。つぎに図15(c)に示すように、ワード線W[j+1,1]に対応するメモリセルからデータD1を読み出し(通常は、読み出しバッファにラッチする)、読出されたデータD1をワード線W[m,4]に対応するメモリセルに書き込む。これにより、ワード線W[j+1,1]およびW[m,4]に対応するメモリセルに書き込みデータD1を書き込む処理が完了する。
【0143】
図15(e)〜(f)に示す、ワード線W[j+1,2]およびW[m,3]に対応するメモリセルに書き込みデータD2を書き込む処理、および図15(h)〜(i)に示す、ワード線W[j+(m−j)/2,4]およびW[j+(m−j)/2+1,1]に対応するメモリセルに書き込みデータDrを書き込む処理についても同様にして行われる。
【0144】
以上のように第5の実施形態では、まず、多重選択されるワード線のうち一のワード線W[j+1,1],W[j+1,2],・・・,W[j+(m−j)/2,4]に対応するメモリセルへデータを書き込み、このデータを用いて他のワード線W[m,4],W[m,3],・・・,W[j+(m−j)/2+1,1]に対する書き込みを1ワード線ごとに行うため、通常読み出し領域5に含まれるメモリセルへの書き込みと同一の書き込み条件でよい。したがって、読み出し&書き込み回路に特別の工夫をする必要はない。
【0145】
また、ワード線W[m,4],W[m,3],・・・,W[j+(m−j)/2+1,1]に対応するメモリセルへ書き込むデータを外部から再度与える必要がないため、書き込み時間を短縮することができる。
【0146】
(第6の実施形態)
第4および第5の実施形態では、データの書き込み動作中に間欠的に外部バスから書き込みデータを取り込む動作が生じる。この間外部バスの占有がおこり外部バスの利用効率は悪い。第6の実施形態では、外部バスの利用効率を向上させることを目的とする。
【0147】
図16に示すように、この不揮発性メモリでは、メモリアレイ1内の高速読み出し領域6を領域6aおよび6bに分割している。領域6aは、ワード線W[j+1,1]〜W[j+(m−j)/2,4]を含んだ領域である。領域6bは、ワード線W[j+(m−j)/2+1,1]〜W[m,4]を含んだ領域である。領域6aと領域6bとの間には通常読み出し領域5が配置される。領域6aおよび6bからそれぞれ1本ずつワード線が選ばれて多重選択される。
【0148】
図16(a)〜(c)では、領域6aのワード線W[j+1,1]〜W[j+(m−j)/2,4]に対応するメモリセルに書き込みデータD1〜Drを書き込む処理(第1書き込み)の流れを示す。図16(d)〜(f)では、第1書き込みによって領域6aのワード線W[j+1,1]〜W[j+(m−j)/2,4]に対応するメモリセルに書きこまれたデータを、領域6bのワード線W[j+(m−j)/2+1,1]〜W[m,4]に対応するメモリセルに転送する処理の流れを示す。
【0149】
まず、図16(a)に示すように、領域6aのワード線W[j+1,1]に対応するメモリセルに外部バスよりデータD1を書き込む。つぎに、図16(b)に示すように、領域6aのワード線W[j+1,2]に対応するメモリセルに外部バスよりデータD2を書き込む。以下同様に、領域6aのワード線W[j+1,3]〜W[j+(m−j)/2,3]に対応するメモリセルに外部バスよりデータD3〜D(r−1)を書き込む。そして図16(c)に示すように、領域6aのワード線W[j+(m−j)/2,4]に対応するメモリセルに外部バスよりデータDrを書き込む。これにより第1書き込みを終了する。第1書き込みの間、常に連続してデータバスは占有されている。
【0150】
次に、図16(d)に示すように、領域6aのワード線W[j+1,1]に対応するメモリセルから第1書き込みで書き込んだデータD1を読み出し、領域6bのワード線W[j+(m−j)/2+1,1]に対応するメモリセルに転送書き込みする。以下同様に、領域6aのワード線W[j+1,2]〜W[j+(m−j)/2,3]に対応するメモリセルから第1書き込みで書き込んだデータD2〜D(r−1)を読み出し、領域6bのワード線W[j+(m−j)/2+1,2]〜W[m,3]に対応するメモリセルに転送書き込みする。そして図16(f)に示すように、領域6aのワード線W[j+(m−j)/2,4]に対応するメモリセルから第1書き込みで書き込んだデータDrを読み出し、領域6bのワード線W[m,4]に対応するメモリセルに転送書き込みする。これにより書き込みは完了する。図16(d)〜(f)に示した転送書き込み処理の間、書き込み用のデータバスにメモリ装置からのアクセスは発生しない。
【0151】
以上のように第6の実施形態によれば、第1書き込み時のみ書き込みデータを外部から供給すればよく、転送書き込み処理においては外部からデータを供給する必要がない。したがって、書き込みデータ供給用のデータバスを開放してバックグラウンドで転送書き込み処理を実行することができる。これにより、転送書き込み処理の間 データ供給用のデータバスを他の動作に用いることができるため、バスを効率的に利用することができる。
【0152】
(第7の実施形態)
図17は、この発明の第7の実施形態による不揮発性メモリの全体構成を示すブロック図である。図17に示す不揮発性メモリは、図1に示した不揮発性メモリに加えてさらに、複数のフラグメモリセルMCFと、フラグビット線F1とを備える。フラグビット線F1は、メモリアレイ内1の列に配置される。各フラグメモリセルMCFは、メモリアレイ1内のワード線W[1,1]〜W[m,4]の各々とフラグビット線F1とに対応して配置される。フラグメモリセルMCFは、フローティングゲート型トランジスタで構成される。フラグメモリセルMCFには、当該フラグメモリセルMCFが高速読み出し領域6に含まれているか通常読み出し領域に含まれているかを示すデータが格納される。たとえば高速読み出し領域6に含まれているときは1レベルのデータが格納され、通常読み出し領域5に含まれているときは0レベルのデータが格納される。フラグメモリセルMCFへのデータの書き込みは、当該フラグメモリセルMCFに対応するワード線上のメモリセルMCへのデータの書き込み時に行われる。フラグメモリセルMCFに格納されたデータを読み出すことによって、当該フラグメモリセルMCFに対応するワード線上のメモリセルMCが高速読み出し領域6に含まれているか通常読み出し領域5に含まれているかを容易に判定することができる。多重選択されたワード線上のメモリセルに格納されたデータを読み出すことによっても同様の判定を行うことができるけれどもデータの比較演算が必要となる。フラグメモリセルMCFを用いればデータ比較演算よりも遥かに高速に判定することができる。
【0153】
アドレス信号ADRには、アドレスビットA1〜A8と、多重選択ビットFとが含まれている。アドレスビットA1〜A8は、行デコーダ2がワード線W[1,1]〜W[m,4]を非多重選択するために必要なビット数で構成される。多重選択ビットFは、アドレスビットA1〜A8によって指定されるメモリセルが高速読み出し領域6に含まれているか通常読み出し領域5に含まれているかを示す。多重選択ビットFが1レベルのとき、アドレスビットA1〜A8によって指定されるメモリセルは高速読み出し領域6に含まれている。多重選択ビットFが0レベルのとき、アドレスビットA1〜A8によって指定されるメモリセルは通常読み出し領域5に含まれている。
【0154】
行デコーダ2は、多重選択ビットFが1レベルのとき、アドレスビットA1〜A8に対応するワード線とアドレスビットA1〜A8の相補アドレスビットに対応するワード線とを多重選択し、多重選択ビットFが0レベルのとき、アドレスビットA1〜A8に対応するワード線を非多重選択する。
【0155】
図18は、図17に示したメモリアレイ1のアドレスと実際のアレイ上のデータとの対応を示すアドレスマップを示す。アドレス(00000000),(00000001),(00000011)に対応するフラグコラムF1のビットは1である。アドレス(00000000),(00000001),(00000011)と、アドレス(00000000),(00000001),(00000011)と相補のアドレス(11111111),(11111110),(11111100)とにはそれぞれ同じデータDATA1,DATA2,DATA4が書き込まれている。これらのデータDATA1,DATA2,DATA4は、多重選択ビットFを1にセットすれば多重選択モードで読み出される。アドレス(00000010),(11111101)に対応するフラグコラムF1のビットは0である。アドレス(00000010),(11111101)にはそれぞれ異なるデータDATA3,DATAxが書きこまれている。多重選択ビットFを0にセットすることにより、データDATA3,DATAxはそれぞれ非多重選択モードで読み出される。フラグコラムF1を読み出して多重選択ビットFとして与えれば、多重選択ビットFを誤って設定することを自動的に回避できる。
【0156】
以上のように第7の実施形態によれば、高速読み出し領域へのアクセス指定すなわち高速読み出し動作の指定をアドレス単位で行うことができる。また、フラグメモリセルMCFに格納されたデータを読み出すことによって、当該フラグメモリセルMCFに対応するワード線上のメモリセルMCが高速読み出し領域6に含まれているか通常読み出し領域5に含まれているかを容易に判定することができる。
【0157】
(第8の実施形態)
<構成>
図19は、この発明の第8の実施形態によるデータ処理装置の全体構成を示すブロック図である。図19に示すデータ処理装置は、不揮発性メモリ191と、CPU192と、クロック発生器193と、バス194とを備える。
【0158】
不揮発性メモリ191は、データ処理装置により実現されるシステムにおけるデータや命令コードを格納するためのメモリである。不揮発性メモリ191は、図1に示した不揮発性メモリと同様のメモリであり、メモリアレイ内1の通常読み出し領域5と高速読み出し領域6とで読み出し速度を変えることができるメモリである。この不揮発性メモリ191では、高速読み出し領域6が3つの領域6a〜6cに分割されている。領域6a〜6cにはそれぞれ同じ数のワード線が含まれている。領域6a〜6cの各々には互いに同一のデータが格納されている。そして、高速読み出し領域6へのアクセスの際には、領域6aから1本のワード線・領域6bから1本のワード線・領域6cから1本のワード線の合計3本のワード線が多重選択される。不揮発性メモリ191およびCPU192はバス194を介して情報のやりとりをする。クロック発生器193は不揮発性メモリ191およびCPU192にクロックCLKを供給する。クロック発生器193は、CPU192からの拡張信号MESが活性のとき、不揮発性メモリ191およびCPU192に与えるクロックCLKのスピードを低下させる。
【0159】
<動作>
次に、以上のように構成されたデータ処理装置の動作について図20を参照しつつ説明する。
【0160】
CPU192からクロック発生器193に与えられる拡張信号MESは不活性である。データ処理装置によって実現されるシステムのデータ領域が不足すると(たとえば、不揮発性メモリ191に格納したいデータがあるにもかかわらず不揮発性メモリ191内にこれを格納できる領域がない場合)、CPU192は不揮発性メモリ191にデータ領域の拡張を要求する(ST201)。
【0161】
拡張要求を受けると不揮発性メモリ191は、図21に示すように高速読み出し領域6の論理データのマスタデータ領域として領域6cを残し、領域6aおよび6bを通常読み出し領域5に変更する(ST202)。すなわち領域6aおよび6bが通常読み出し領域5に含められる。これにより通常読み出し領域5が拡張され、メモリアレイ1内のデータ領域が拡張される。なお、ここでは変更後の領域6aおよび6bを一時的な通常読み出し領域として用いたが、2ワード線多重選択モードによる中速読み出し領域として用いることもできる。
【0162】
次いで、通常読み出し領域5の拡張された領域(6aおよび6b)にデータが書き込まれる(ST203)。この書き込みは、領域(6aおよび6b)内のワード線を非多重選択することによって行われる。
【0163】
次いで、CPU192は拡張信号MESを活性化する(ST204)。例えば、メモリアドレスから計算して拡張信号MESを活性化する。これに応答してクロック発生器193は、不揮発性メモリ191およびCPU192に供給するクロックCLKの速度を低下させる(ST205)。
【0164】
領域6cへのアクセスはワード線を非多重選択して行われる。すなわち領域6cは通常読み出し領域として動作する。クロック速度を低下させているため、領域6cに格納されていたプログラムコードの読み出しなどの本来は高速アクセスが必要な動作も行える。領域6cのデータを元の領域6aおよび6bに書き戻すことによって、元の動作に容易に復帰することができる。
【0165】
<効果>
以上のように第8の実施形態によるデータ処理装置では、メモリ領域が不足すると高速読み出し領域内の領域6aおよび6bを通常読み出し領域5に変更してメモリ領域を一時的に拡張することができる。また、メモリ領域を拡張しても元のデータを復元することができる、つまり一時的なデータ領域の拡張が可能である。したがって、記憶容量が限られた携帯機器にこのデータ処理装置を適用すれば、一時的に大容量のデータ領域が必要になった際にこの要求に応えることができる。
【0166】
(第8の実施形態の変形例)
図19に示した不揮発性メモリ191としてフラッシュメモリを適用することができる。この場合には、図22に示すように、通常読み出し領域5および領域6a〜6cの各領域の境界において消去ブロックがオーバラップすることがないようにする必要がある。フラッシュメモリでは消去ブロック単位で消去動作が行われるけれども、マスタデータ領域6c領域6bとの境界において消去ブロックがオーバラップすることがないため、領域6bを消去してもマスタデータ領域6cのデータは影響を受けない。もし領域6bとマスタデータ領域6cとの境界で消去ブロックがオーバラップしているのであれば、マスタデータ領域6c内のデータを一端外部のメモリに退避してこれを書き戻すなどの煩雑な手続きが必要となる。
【0167】
上述のように高速読み出し領域においてマスタデータ領域6cとマスタデータ領域以外の領域6bとを別の消去ブロックに設定することにより、マスタデータ領域6c内のデータの保護を容易とするとともにマスタデータ領域以外の領域6a,6b内のデータを容易に消去することができる。
【0168】
(第9の実施形態)
<構成>
図23は、この発明の第9の実施形態によるデータ処理装置231およびこれとデータ伝送を行うデータ処理装置232の構成を示す図である。
【0169】
図23を参照して、データ処理装置231は、不揮発性メモリ191と、CPU192と、無線インターフェース233と、アンテナ234と、バス235とを備える。不揮発性メモリ191およびCPU192は、図19に示した不揮発性メモリ191およびCPU192と同様のものである。不揮発性メモリ191、CPU192および無線インターフェース233はバス235によって接続されている。無線インターフェース233は、外部へ送信するデータをアンテナ234へ伝送し、アンテナ234によって受信されたデータを不揮発性メモリ191またはCPU192へ伝送する。
【0170】
データ処理装置232は、アンテナ234と、無線インターフェース233と、CPU236と、メモリ238と、バス238とを備える。
【0171】
<動作>
次に、図23に示したデータ処理装置231および232の動作について説明する。
【0172】
データ処理装置231および232は、無線によって互いにデータ伝送を行う。データ処理装置231においてデータ領域が不足すると(たとえば、不揮発性メモリ191に格納したいデータがあるにもかかわらず不揮発性メモリ191内にこれを格納できる領域がない場合)、CPU192は不揮発性メモリ191にデータ領域の拡張を要求する。拡張要求を受けると不揮発性メモリ191は、領域6c(図19)に格納されているデータを無線インターフェース233およびアンテナ234を通じてデータ処理装置232へ伝送する。データ処理装置232はこのデータをメモリ237に格納する。
【0173】
そしてデータ処理装置231内の不揮発性メモリ191は、領域6a〜6c(図19)を通常読み出し領域5に変更する。すなわち領域6a〜6cが通常読み出し領域5に含められる。これにより通常読み出し領域5が拡張され、メモリアレイ1内のデータ領域が拡張される。次いで、通常読み出し領域5の拡張された領域(6a〜6c)にデータが書き込まれる。この書き込みは、領域(6a〜6c)内のワード線を非多重選択することによって行われる。
【0174】
第8の実施形態では領域6cをマスタデータ領域として残したが、ここでは領域6cも通常読み出し領域5に変更する。すなわちマスタデータ領域を確保する必要がない。したがって、第8の実施形態と比べてデータ領域のさらなる拡張の要求に応えることができる。
【0175】
領域6cに格納されていたデータを、データ処理装置232のメモリ237からデータ処理装置231の不揮発性メモリ191の元の領域6cに書き戻し、これをさらに元の領域6aおよび6bに書き戻すことによって、元の動作に容易に復帰することができる。
【0176】
なお、ここではデータ処理装置231および232間のデータ伝送を無線によって行ったけれども、これに代えて、有線によるデータ伝送(インターネット、ケーブルによる接続)としてもよい。
【0177】
【発明の効果】
この発明の1つの局面に従った半導体記憶装置によれば、通常読み出し領域に含まれているメモリセルからのデータの読み出しに比べて高速読み出し領域に含まれているメモリセルからのデータの読み出しを高速に行うことができる。すなわち読み出し速度を可変にすることができる。また、通常読み出し領域と高速読み出し領域とを単一のメモリアレイ(単一のメモリプレーン)内に設けているため高集積化を実現することができる。
【0178】
また、行デコーダは、メモリアレイ内のある領域を高速読み出し領域または通常読み出し領域に設定するため、メモリアレイ内における高速読み出し領域と通常読み出し領域との構成比を可変にすることができる。したがって、広範囲なアプリケーションプログラムに対応することができる。
【0179】
また、高速読み出し領域は、メモリアレイ内の列方向に連続した領域であるため、行デコーダ全体の回路規模を小さくすることができる。この結果、高速化および低消費電力化を実現することができる。
【0180】
この発明のもう1つの局面に従ったデータ処理装置によれば、データ処理速度を犠牲にして、一時的なメモリ容量の拡張要求に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による不揮発性メモリの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した行デコーダの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示したデコーダSD1の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示したデコーダの入出力関係を示す表である。
【図5】高速読み出し領域内のメモリセルに書き込まれているデータの関係を示す図である。
【図6】図1に示した不揮発性メモリの読み出し動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】(a)〜(d)は、メモリアレイ内での高速読み出し領域の物理的な配置例を示す図である。
【図8】この発明の第2の実施形態による行デコーダの内部構成を示すブロック図である。
【図9】(a)〜(d)は、図8に示した行デコーダによるワード線の選択状況を示す図である。
【図10】シミュレーションに用いた回路を示す図である。
【図11】図10に示した回路について行ったシミュレーションの結果を示す図である。
【図12】(a)〜(d)は、この発明の第2の実施形態の変形例によるワード線の選択状況を示す図である。
【図13】読み出し&書き込み回路による書き込み判定の動作を示す図である。
【図14】この発明の第4の実施形態における高速読み出し領域内のメモリセルへのデータの書き込み処理の流れを示す図である。
【図15】この発明の第5の実施形態における高速読み出し領域内のメモリセルにデータを書き込む処理の流れを示す図である。
【図16】この発明の第6の実施形態における高速読み出し領域内のメモリセルにデータを書き込む処理の流れを示す図である。
【図17】この発明の第7の実施形態による不揮発性メモリの全体構成を示すブロック図である。
【図18】図17に示したメモリアレイのアドレスと実際のアレイ上のデータとの対応を示す図である。
【図19】この発明の第8の実施形態によるデータ処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図20】データ領域を拡張する処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】データ領域を拡張した後のデータ処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図22】図19に示した不揮発性メモリとしてフラッシュメモリを適用した場合の消去ブロックの設定例を示す図である。
【図23】この発明の第9の実施形態によるデータ処理装置およびこれとデータ伝送を行うデータ処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 メモリアレイ
2 行デコーダ
3 列デコーダ
4 読み出し&書き込み回路
5 通常読み出し領域
6 高速読み出し領域

Claims (12)

  1. 半導体記憶装置であって、
    通常読み出し領域および高速読み出し領域を有するメモリアレイと、
    前記通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線を選択し、前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線と前記高速読み出し領域に含まれている他のワード線とを選択する行デコーダと、
    データを読み出すべきメモリセルに対応するビット線を選択する列デコーダとを備え、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときに前記行デコーダによって選択されるワード線と前記列デコーダによって選択される各ビット線とによって特定されるメモリセルの各々には同一のデータが書き込まれており、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合には、読み出し動作を開始すべき旨の信号の遷移エッジからセンスアンプ信号の遷移エッジまでの時間を、前記通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合よりも短くし、
    前記半導体記憶装置は、
    前記列デコーダによって選択されたビット線にメモリセルから読み出されたデータをデータ出力線に転送する読み出し回路をさらに備え、
    前記行デコーダは、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すとき、
    選択すべきワード線と前記列デコーダによって選択されるビット線とによって特定されるメモリセルの各々と前記読み出し回路との間のビット線の平均長の、データを読み出すべきメモリセルの位置によるばらつきが小さくなるように前記他のワード線を選択する
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 請求項に記載の半導体記憶装置において、
    前記高速読み出し領域は、
    前記メモリアレイ内の列方向に連続した領域である
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  3. 請求項に記載の半導体記憶装置において、
    前記高速読み出し領域は、
    前記メモリアレイ内における前記読み出し回路側の領域である
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  4. 請求項に記載の半導体記憶装置において、
    前記高速読み出し領域は第1の領域と第2の領域とを含み、
    前記行デコーダは、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すとき、前記第1および第2の領域のうちデータを読み出すべきメモリセルを含んでいない領域から前記他のワード線を選択する
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  5. 半導体記憶装置であって、
    通常読み出し領域および高速読み出し領域を有するメモリアレイと、
    前記通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線を選択し、前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線と前記高速読み出し領域に含まれている他のワード線とを選択する行デコーダと、
    データを読み出すべきメモリセルに対応するビット線を選択する列デコーダとを備え、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときに前記行デコーダによって選択されるワード線と前記列デコーダによって選択される各ビット線とによって特定されるメモリセルの各々には同一のデータが書き込まれており、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合には、読み出し動作を開始すべき旨の信号の遷移エッジからセンスアンプ信号の遷移エッジまでの時間を、前記通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合よりも短くし、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルにデータを書き込むとき、
    前記行デコーダは、データを書き込むべきメモリセルに対応するワード線と前記高速読み出し領域に含まれている他のワード線とを選択しかつ選択したワード線の数を示す選択信号を出力し、
    前記列デコーダは、データを書き込むべきメモリセルに対応するビット線を選択し、
    前記半導体記憶装置はさらに、
    前記列デコーダによって選択されたビット線を前記選択信号に応じて駆動する書き込み回路を備える
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  6. 請求項に記載の半導体記憶装置において、
    前記半導体記憶装置は不揮発性メモリであり、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルにデータを書き込むとき、
    単一のメモリセルにデータを書き込む際のリファレンス電流レベルを前記選択信号に応じて倍数したものをリファレンス電流レベルとする
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  7. 通常読み出し領域および高速読み出し領域を有するメモリアレイと、
    前記通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線を選択し、前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線と前記高速読み出し領域に含まれている他のワード線とを選択する行デコーダと、
    データを読み出すべきメモリセルに対応するビット線を選択する列デコーダとを備え、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときに前記行デコーダによって選択されるワード線と前記列デコーダによって選択される各ビット線とによって特定されるメモリセルの各々には同一のデータが書き込まれており、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合には、読み出し動作を開始すべき旨の信号の遷移エッジからセンスアンプ信号の遷移エッジまでの時間を、前記通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合よりも短くし、
    前記メモリアレイは、
    フラグビット線と、
    前記メモリアレイに含まれる複数のワード線の各々と前記フラグビット線とに各々が対応して配置された複数のフラグメモリセルとを含み、
    前記複数のフラグメモリセルの各々には、当該フラグメモリセルが前記高速読み出し領域に含まれているか前記通常読み出し領域に含まれているかを示すデータが格納される
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  8. 通常読み出し領域および高速読み出し領域を有するメモリアレイと、
    前記通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線を選択し、前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線と前記高速読み出し領域に含まれている他のワード線とを選択する行デコーダと、
    データを読み出すべきメモリセルに対応するビット線を選択する列デコーダとを備え、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときに前記行デコーダによって選択されるワード線と前記列デコーダによって選択される各ビット線とによって特定されるメモリセルの各々には同一のデータが書き込まれており、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合には、読み出し動作を開始すべき旨の信号の遷移エッジからセンスアンプ信号の遷移エッジまでの時間を、前記通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合よりも短くし、
    メモリ容量を拡張する必要があるときには、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときに選択されるワード線のうち、一のワード線に対応するメモリセルを含む領域をマスタデータ領域とし、他のワード線に対応するメモリセルを含む領域を前記通常読み出し領域に含める
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  9. 請求項に記載の半導体記憶装置において、
    前記半導体記憶装置は複数の消去ブロックを含む不揮発性メモリであり、
    前記マスタデータ領域と前記通常読み出し領域に含める領域とはそれぞれ前記複数の消去ブロックのうち異なる消去ブロックに含まれる
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  10. 半導体記憶装置を備えたデータ処理装置であって、
    前記半導体記憶装置は、
    通常読み出し領域および高速読み出し領域を有するメモリアレイと、
    前記通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線を選択し、前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときは当該メモリセルに対応するワード線と前記高速読み出し領域に含まれている他のワード線とを選択する行デコーダと、
    データを読み出すべきメモリセルに対応するビット線を選択する列デコーダとを備え、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出すときに前記行デコーダによって選択されるワード線と前記列デコーダによって選択される各ビット線とによって特定されるメモリセルの各々には同一のデータが書き込まれており、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合には、読み出し動作を開始すべき旨の信号の遷移エッジからセンスアンプ信号の遷移エッジまでの時間を、前記通常読み出し領域に含まれているメモリセルからデータを読み出す場合よりも短くし、
    前記データ処理装置は、
    メモリ容量を拡張する必要があるときには、
    前記高速読み出し領域に含まれているメモリセルに格納されているデータを外部の記憶装置に転送し、前記高速読み出し領域を前記通常読み出し領域に変更する
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  11. 請求項10に記載のデータ処理装置において、
    前記外部の記憶装置へのデータの転送を無線で行う
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  12. 請求項10に記載のデータ処理装置において、
    前記外部の記憶装置へのデータの転送を有線で行う
    ことを特徴とするデータ処理装置。
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