JP4065953B2 - アルミニウム水酸化物架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体とその製造方法 - Google Patents

アルミニウム水酸化物架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム水酸化物架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体とその製造方法およびその用途に関する。
マンガンは酸化剤や還元剤の存在によってその原子価を多様に変化させる。マンガン系材料のこの特徴を利用して、電池材料や触媒設計の分野においては、正極材料や石油クラッキング触媒として、広く研究されてきた。これらの分野においては、触媒機能等の性能、効率アップが求められているが、そのためには、表面積の大きなマンガン系材料の開発が極めて重要となる。層状マンガン酸化物の層間にイオンなどで架橋できれば、ナノメータサイズの細孔を有した表面積の大きな層状マンガン酸化物多孔体が実現する。このような背景のもとに、近年、層状マンガン酸化物多孔体の開発には大きな期待が寄せられている。
層間架橋型の層状物質においては、母体となる層をなす物質層の厚さが薄いほど表面積は大きくなり、この物質層の厚さが一定であれば層間距離が大きいほど表面積は大きくなる。ここで、層間距離とは層状構造を規定する結晶学上の基本間隔を指しているものである。
このような層間架橋型の層状物質の調製方法については、層間架橋剤に特定の化合物をゲストとして選択し、使用することによって調製することに成功したとの報告が文献に寄せられている(非特許文献1、2)。非特許文献1には、テトラブチルアンモニウム水酸化物(C494NOHをゲストとした場合に1.25nmの層間距離を持つ層状マンガ
ン酸化物を作製するのに成功したとの報告が記載されている。しかし、このゲストは層間を最密充填していると考えられるため、大きな表面積は期待できないし、また、ゲストが有機物であるため熱的な安定性も小さい。熱的に安定な無機物で層間を架橋し、かつ大きな層間距離と大きな表面積を持つ多孔体の実現が強く望まれている。
これに対して非特許文献2には、耐熱性に優れた無機物で構成されたアルミニウム多核水酸化イオン[Al134(OH)24(H2O)127+(以降、Al13と略称する)で層間を架橋することによって、層状マンガン酸化物多孔体を調製することが出来たとのことが報告されている。このAl13はイオン交換法を用いて層間に挿入されている。Al13は0.86nmの直径を持つため、酸化マンガンの層間距離は、Al13による架橋により、0.7nmから1.68nmに拡大されている。この結果、窒素吸着から見積もられる表面積も142m2-1という大きな値を示している。
Journal of the American Chemical Society、125巻(2003年発行)、第3568−3575頁 Inorganic Chemistry、31巻(1992年発行)、第1165−1172頁
前示非特許文献2に記載された手法によって得られた層状マンガン酸化物多孔体は、耐熱性に優れているが、その層間距離は1.4〜1.68nmにとどまり、それ以上の層間距離に調製することはできなかった。本発明が解決しようとする課題は、この層間距離を
さらに拡大した層状マンガン酸化物多孔体とその製造方法を提供することにある。
マンガン酸化物は、例えば、電力貯蔵用の大型リチウム電池用正極材料として注目を集めている。層間距離が拡大されれば、正極でのリチウムイオン輸送効率が高まる。また、石油クラッキング応用においても層間距離の拡大は分子量の大きな分子のクラッキングを可能とする。したがって、耐熱性に優れ、かつ、層間距離が拡大された層状マンガン酸化物多孔体が実現されればその工業的意義は大きい。また、層間距離の拡大により、細孔サイズの設計自由度が飛躍的に増し、新しい機能性マンガン酸化物多孔体も実現可能となる。
本発明の目的は、非特許文献2と同様にAl13によって架橋され、かつ、層間距離が1.7nm以上の層状酸化マンガン系多孔体とその製造方法を提供することにある。架橋に使用されるAl13は、加熱することによって熱的に安定した酸化アルミニウムや水酸化アルミニウムに容易に変換される。したがって、本発明の他の目的は、前示架橋工程後、加熱工程を付加することによってさらに熱的安定した酸化アルミニウムや水酸化アルミニウムによって架橋され、かつ、層間距離が1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体を提供することにある。
そこで本発明者らにおいては、鋭意研究した結果、層面に対し垂直方向にAl13を2個配列(以下、この2個配列したAl13架橋構造を2重架橋構造という)することによって、従前のAl13を1個配列した層間距離1.4〜1.68nmの架橋構造の酸化マンガンに比し、層間距離を1.7nmより大きく設定された2重架橋構造の層状マンガン酸化物多孔体を得ることに成功した。また、この2重架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体を従前のAl13一個で架橋してなる層状マンガン酸化物多孔体と組み合わせることによって、空間的に細孔サイズが連続的もしくは階段的に変化する新しい機能性マンガン酸化物多孔体が提供することにも成功した。さらに、マンガン酸化物以外の化合物で従来すでに報告されている一個ないし2個の架橋剤によって架橋された化合物、例えば層状チタン酸化物多孔体や酸化チタン超微粒子と、本発明による2重架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体とを混合させることによって、マンガン酸化物単独では奏し得ない、例えば光触媒作用が付加されてなる新たな特性を有する機能性マンガン酸化物系多孔体を提供することにも成功した。
そして、以上に述べた2重架橋構造は、その架橋剤として使用したAl13が、加熱によりそのなかに含んでいる水および水酸基を容易に脱離するため、2重架橋構造の層状マンガン酸化物を400℃前後で熱処理することによって、Al13に由来する水分、水酸基が脱離し、架橋成分のAl13が酸化アルミニウムや水酸化アルミニウムのナノ粒子に変化する。すなわち、Al13によって架橋された構造体を中間体として、これを加熱することによって、最終的に酸化アルミニウムや水酸化アルミニウムのナノ粒子により架橋され、かつ層間距離が1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体を提供することに成功した。
さらに詳細には、上記2重架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体は、層状マンガン酸化物を水性液体中に分散し、該酸化物を単層剥離することによって酸化マンガンナノシート分散コロイド溶液を調製し、このコロイド溶液にAl13イオンを含む水溶液を添加することよって、羊毛状の沈殿物として得られ、これを分離回収することによって得られるものである。
本発明は、以上述べた一連の知見と成功に基づいてなされたものであり、その構成は以下(1)〜(9)に記載のとおりである。
(1)層状マンガン酸化物のホスト層間にアルミニウム多核水酸化物イオンをゲストとして面に対して2個垂直方向に挿入、配列し、層間距離1.7nm以上の間隔に設定し、積層せしめたことを特徴とする、層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体。
(2)前記ホスト層間に垂直方向に挿入、配列される2個のアルミニウム多核水酸化物イオンの設定手段が、層状マンガン酸化物原料をホスト層一枚に単層剥離し、その各表面にアルミニウム多核水酸化物イオンを吸着させ、次いでイオンを吸着したホスト層を再凝集させることよることを特徴とする、前記(1)記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体。
(3)層状マンガン酸化物のホスト層間に酸化アルミニウムないしは水酸化アルミニウムをゲストとして面に対して2個垂直方向に挿入、配列し、層間距離1.7nm以上の間隔に設定し、積層せしめたことを特徴とする、層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体。
(4)前記ホスト層間にゲストとして2個垂直方向に挿入、配列される酸化アルミニウムまたは水酸化アルミニウムの設定手段が、層状マンガン酸化物原料をホスト層一枚に単層剥離し、その各表面にアルミニウム多核水酸化物イオンを吸着させ、次いでイオンを吸着したホスト層を再凝集させて、先ずホスト層間にアルミニウム多核水酸化イオンを2個垂直方向に挿入、配列し、次いでアルミニウム多核水酸化イオンの分解温度で加熱して、該イオンを酸化アルミニウムないしは水酸化アルミニウムに変換せしめることによって設定することを特徴とする、前記(3)記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体。
(5)全表面積に対してメソ孔面積が、30〜99%占めることを特徴とする、前記(1)または(2)の何れかに記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体。
(6)層状マンガン酸化物を単層剥離して得られる酸化マンガンナノシートの分散したコロイド溶液を形成する工程、前記コロイド溶液にアルミニウム多核水酸化イオンを添加して、羊毛状の凝集沈殿物を得る工程、該凝集沈殿物を回収する工程を含むことを特徴とする、前記(1)又は(2)記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体の製造方法。
(7)層状マンガン酸化物を単層剥離して得られる酸化マンガンナノシートの分散したコロイド溶液を形成する工程、前記コロイド溶液にアルミニウム多核水酸化イオンを添加して、羊毛状の凝集沈殿物を得る工程、該凝集沈殿物を回収する工程、回収された沈殿物を乾燥する工程、次いでアルミニウム多核水酸化イオンを分解し、酸化アルミニウムないしは水酸化アルミニウムに変換する加熱分解工程を含むことを特徴とする、前記(3)又は(4)記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体の製造方法。
(8)前記(1)ないし(4)の何れか1項に記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体に、層間距離1.7nm未満の層状マンガン酸化物を積層したことを特徴とした、層間距離の変化してなる層状マンガン酸化物多孔体。
)前記(1)ないし(4)の何れか1項記載の層間距離1.7nm以上の間隔に設定された層状マンガン酸化物多孔体を、電池材料の正極材料として使用することを特徴とした、電池材料。
以上の構成によって、本発明は、熱的安定性が高く、層間距離が1.7nmより大きい
層状マンガン酸化物多孔体を提供することに成功したものであり、これによって従来のこの種層状マンガン酸化物に比し、比表面積の大きな材料設計が実現するものであり、電池や触媒設計において性能の向上に大いに寄与するものと期待される。その利用形態としては、例えば、従来のAl13一個による架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体と組み合わせることによって空間的に細孔サイズが連続的もしくは階段的に変化する設計も自由に調製可能であり、これによってこれまでの単独使用に比し、新しい機能性マンガン酸化物多孔体が提供可能となることが予測される。さらにまた、その組み合わせは同種材料以外のもの、例えば、チタン酸化物多孔体や酸化チタン超微粒子と組み合わせることによって、光触媒作用を有した機能性マンガン酸化物系多孔体も提供可能とする等、材料設計に際し選択の自由度を大とするものであり、産業の発展におおいに寄与するものと期待される。
本発明の構成によってこれまで困難であった層間距離を拡大することができるに至った理由、およびそれによる作用等につきこれを現象的に考察すると以下のように説明することができる。
本発明の特徴である2重架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体は、前記紹介した非特許文献2に記載するAl13を一個配列した層状マンガン酸化物多孔体に比し、層間距離が1.7nm以上に拡大された構造を有することは前述したとおりである。これによって、細孔サイズが拡大され、窒素吸着量から見積もられる表面積も204m2-1まで
増大する。また、400℃での熱処理でも層間距離は1.94nmを保っており、耐熱性の観点でも優れている。
マンガン酸化物の層間距離は、Al13の直径0.86nmより小さい。例えば、非特許文献2に記載されたマンガン酸化物の層間距離は0.7nmである。このため、Al13を層間に直接挿入して架橋することは困難であった。 非特許文献2では、まず、適切なゲストを挿入することにより酸化マンガンの層間距離を広げておき、しかるのちにイオン交換法によりゲストをAl13に置換する方法が採用されている。この方法では一個のAl13を層間に架橋することは可能であっても、2重のAl13を層間に架橋することは実現していない。
一方、特許文献1には、層状マンガン酸化物粉末をテトラブチルアンモニウム水酸化物水溶液に加えると、酸化マンガンナノシートが分散されたコロイド溶液が得られる旨記載されている。また、別の学術文献(非特許文献3)によれば、酸化チタンナノシートが分散されたコロイド溶液にAl13イオンを含む水溶液を添加することによって、2重Al13架橋構造を有する層状チタン酸化物多孔体を生成した旨の報告が記載されている。しかしながら、その記載内容は、チタン酸化物を対象とするものであり、他の異質な酸化物について適用を示唆する記載はない。ましてや、マンガン酸化物に対して適用を示唆する記載はなく、その対象は、あくまでもチタン酸化物に留まるにすぎないものである。
チタン酸化物とマンガン酸化物ではその化学性、機能性に大きな違いがある 。
マンガン酸化物のようなレドックス性に優れた酸化物において大きな表面積、
多孔性を持たせる2重架橋は知られていなかった。したがって、これを達成す
ることができれば、それ自体新規であるに加え、表面積が大となることから触
媒性能、電極材料を始め各種用途分野において、特性の向上に結びつき、極め
て重要な意味、意義を有するものと予想され、その実現が期待されている。
本発明者らは、層状マンガン酸化物粉末をテトラブチルアンモニウム水酸化物の水溶液に加えることにより生成した酸化マンガンナノシート分散コロイド溶液に、Al13イオンを添加した結果、沈殿物が生じたこと、この沈殿物の構造等を分析した結果、層間距離
が1.7nm以上の2重Al13架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体であることが明らかとなった。すなわち、上記操作によってAl13の吸着現象とそれに引き続きナノシートの凝集現象が生じ、その結果、従来のイオン交換法では不可能であった2重Al13架橋構造を有するマンガン酸化物多孔体が実現するのに成功したものである。しかも、反応液のpHを調整することにより、2重Al13架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体は再現性よく製造されることが判明した。
特願2002−142285 Journal of Materials Chemistry、10巻(2000年発行)、第497−501頁
本発明による2重架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体は、以下のようにして形成される。すなわち、出発物質として用いる層状酸化物は、組成式AxMnO2(AはLi、Na、K、Rb、またはCsより選ばれる一種または二種以上のアルカリ金属、x≦1)で与えられるマンガン化合物群である。出発物質中のアルカリ金属イオンは、希釈された塩酸などで酸処理をすることにより、水素イオンに置換される。このようにして得られたHyMnO2(y≦1)も出発物質と同様に層状物質である。
ついで、HyMnO2をアミンなどの水溶液中で振とうすることにより、母結晶を構成している層すなわち酸化マンガンのナノシートが1枚ずつ水中に剥離、分散したコロイド溶液を作成する。アミンイオン濃度AM+の水素イオン濃度H+に対する比AM+/H+が2以上50未満の条件でこのようなコロイド溶液は生成する。この比が約10のとき、ナノシートは効率よく生成する。
さらに、酸化マンガンのナノシートが懸濁したコロイド溶液に希釈した塩酸などの酸を加えることにより、コロイド溶液のpH値を7から9の範囲の値に調整する。このpHを調整したコロイド溶液中にAl13を含む溶液を加えることにより2重Al13架橋構造を有するマンガン酸化物多孔体からなる羊毛状の沈殿が得られる。
2重Al13架橋構造を有するマンガン酸化物多孔体を得る温度条件としては、前記のコロイド溶液の液温を20℃から80℃の範囲に設定することが適切である。20℃未満であると反応の進行が遅く、80℃を越えるとコロイド溶液から水分などの蒸発が大きくなるからである。コロイド溶液のpH値は7から9の範囲でよいが、8が適切である。添加するAl13イオンの濃度(mmol)とコロイド溶液中に含まれるMnO2の重量の
比R(mmol/g)は、1.5から4の範囲の値がよい。この比が1.5より小さいとAl13一個配列した従前の架橋構造(以下、1重架橋構造という)を有するマンガン酸化物の混入が顕著となり、4より大きいとAl13イオンの架橋効率が低下するからである。特に、2.2が適切な値である。
R値によって、1重架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体と2重架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体の生成比率を制御できる。このため、空間的に層間距離すなわち細孔サイズが連続的もしくは階段的に変化するマンガン酸化物多孔体も製造可能となる。例えば、電力貯蔵用の大型リチウム電池用正極材料として用いられるスピネル系の結晶構造を有するLiMn24正極電極の製造に当たっては、正極電極の内部もしくは表面近傍に細孔間隔が電極表面方向に向かって連続的もしくは階段的に増大するようにマンガン酸化物多孔体を含有させることが可能である。このような構造はLiMn24電極の原料となる粉末に本発明によるマンガン酸化物多孔体を所望の分布になるように混入させ、しかるのちに全体をプレスして成型すれば製造される。この結果、リチウムマンガン正極の電極抵抗を低く保ちながら、Liの輸送係数の大きな正極電極が実現する。
母体となるLiMn24の全重量に対する混合する層状マンガン酸化物多孔体の全重量の比率が5%以上の組成であればLiの輸送係数は10倍となり、60℃雰囲気での充放電のサイクル回数が100回経過した後においても電池容量の劣化は認められなかった。層状マンガン酸化物多孔体を混合しない場合には電池容量は80%に劣化した。しかしながら、層状マンガン酸化物多孔体が15重量%以上では正極電極の抵抗が増大するため、混合比率は15重量%未満が望ましい。
また、層状マンガン酸化物多孔体と層状チタン酸化物多孔体を混合することにより、光触媒作用を有した有機物分解特性に優れた新規な触媒材料が提供される。この場合、光への感度を向上させるには、基板上に膜状の層状マンガン酸化物多孔体を形成した後に、その表面に層状チタン酸化物多孔体を光の吸収長程度もしくはそれ以上の厚さに被着した構造を形成することが望ましい。この混合型機能性触媒は、石油クラッキングなどの工業的応用だけではなく生活異臭の除去などの家庭応用など幅広い応用に供せられる。例えば、繊維や紙や塗料などへ混入させることにより肌着や壁紙などの新しい環境製品が製造される。
混合されるチタン酸化物の構造形態としては、多孔体のものに限定されるものではなく、超微粒子でもよい。すなわち、酸化チタン超微粒子と層状マンガン酸化物多孔体の混合物であっても、前述した効果を発揮する。特に、塗料としての応用に対する混合物としてのチタン酸化物の構造形態に関しては、多孔体構造よりも超微粒子構造の方が適している。
上記の混合型機能性触媒に用いられる層状マンガン酸化物多孔体としては、本発明による2重Al13架橋構造を有するマンガン酸化物多孔体を採用するのが適切である。細孔径が大きく、したがって表面積が大きいからである。しかし、1重Al13架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体であっても酸化チタンによる光触媒作用の作用により有機物分解作用は増強される。
また、層状チタン酸化物多孔体もしくは酸化チタン超微粒子の混入比率は5重量%以上で50重量%未満が適切である。5重量%未満では光触媒作用が小さく、50重量%以上では酸化マンガンの触媒作用の寄与が少なくなるためである。本発明による層状マンガン酸化物多孔体は粉末状となるので、揮発性有機溶媒に分散させれば、スプレー法もしくはインクジェット法により物体表面に一様な膜厚で塗布することが可能である。溶媒は、通常80℃で1時間の加熱により完全に揮発する。また、フォトレジスト材料のような粘性の高い有機溶媒に混合することも可能である。この場合は、スピン塗布法によって平坦な物体表面に一様な膜厚で塗布することができる。母体のフォトレジストの感光性を利用して、物体表面の所望の位置に所望の形状に層状マンガン酸化物多孔体を配置することができる。この場合、母体のフォトレジスト材料は酸素アッシング法によって除去できるので、層状マンガン酸化物多孔体のみを物体表面に残すことができる。
本発明による層状マンガン酸化物多孔体は、2nmから8nmの直径の細孔を有する。このためナフサのクラッキングのみならず、各種アミノ酸の合成を促進する触媒としても効力を発揮する。前記のフォトレジスト材料への混合技術を適用すれば、微細なパターンを有する平面的なアミノ酸合成回路を構成することも可能である。
本発明による2重Al13架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体は層間距離がナノメータレベルという微細構造を有している。発明物の構造を特定するには、原子間力顕微鏡や透過電子顕微鏡による観察方法が有力であるが、これらの観測手段では実用的な分析時間の中では微小領域の観察しか行えないという欠点がある。
一方、X線回折や電子線回折では巨視的な領域からの回折を検知するが、回折スペクト
ルには層間距離や結晶粒径などのナノサイズの情報が含まれている。したがって、X線回折や電子線回折は実用的かつ経済的なナノ構造体の観察方法である。化学的性質に関しては、化学分析による組成の測定のほかに滴定法によるマンガンの価数の測定が有力である。これらの測定の実例については実施例1に詳述する。
X線回折により層間距離が2.32nmと測定された2重Al架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体を加熱したところ、層間距離は加熱温度の上昇とともに縮小するが、400℃で1.94nmを保持していた。さらに加熱すると500℃では1.5nmになり、600℃では層間距離の存在を示す回折が消滅した。これは、Al13が水および水酸基を含むために、加熱とともにこれらが脱離するからである。また、800℃以上の熱処理では、Al23を示す回折が出現した。したがって、本発明の層状マンガン酸化物多孔体の架橋物は2重Al13に限定されるものではない。1.7nm以上の層間距離を保有し、かつ、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムのナノ粒子によって架橋された層状マンガン酸化物多孔体をも含む。
また、本発明の多孔体は部分的に層間距離が3.1nmの領域を含んでいた。したがって、本発明の多孔体の層間距離は1.7nm以上でかつ3.1nm以下と規定される。
実施例1;
2CO3とMn23を0.45:1のモル比で混合し、酸素雰囲気中で750℃で24時間加熱して層状マンガン酸化物K045MnO2を合成した。10gのK045MnO2を濃度1moldm-3の塩酸水溶液2dm3中で10日間攪拌した後、得られた試料を水洗
し乾燥させてカリウムイオンを水素イオンに置換したH013MnO2・0.7H2Oを合
成した。さらに、5.2mmolのテトラブチルアンモニウム水酸化物(C494NO
Hを含む水溶液100cc中に、合成したH013MnO2・0.7H2Oを0.4g混合
し、10日間攪拌し、酸化マンガンナノシートを含むコロイド溶液を作成した。攪拌によってもナノシートとして剥離しなかったものは、毎分1万回転の遠心分離によってコロイド溶液中から除去した。
Al13イオンは、濃度0.2mol dm-3のAl(NO33水溶液100cc中に濃度0.2mol dm-3のNaOH溶液250cm3を毎分1ccの速度で加えた後、1
晩放置させることにより合成した。この方法でつくられた水溶液中のAl13イオンの濃度は、4.4x10-3moldm-3であった。
先に合成されたコロイド溶液のpHは11.5であったので、希釈塩酸を加えることによりpHを8に調整した。0.08gdm-3の濃度のMnO2ナノシートが懸濁したpH8
のコロイド溶液100cm3中に前記のイオン濃度を有するAl13イオンの水溶液を4
cm3、毎分1cm3の割合で加えることにより、羊毛状の沈殿物を生成した。沈殿物が生成した溶液を80℃で24時間放置した後、沈殿物をろ過し、水洗後室温で乾燥させた。本実施例のR値は2.2であった。
図1は、Cu Kα線照射による粉末X線回折図であり、横軸は回折角2θで縦軸は回折強度である。図中のaに示した回折は本実施例により合成されたH013MnO2・0.7H2Oからの回折、bに示した回折は本実施例によって生成された羊毛状沈殿物からの
もの、cに示した回折はこの沈殿物を400℃熱処理したものからの回折である。図1のaに示された0.73nmと0.36nmのピークは、H013MnO2・0.7H2Oの
基底面からの回折であり、その値は非特許文献1に記載された値と一致する。
図1のbに示された1から5のピークは、それぞれ合成物からの001回折(2.32
nm)、002回折(1.15nm)、003回折(0.77nm)、004回折(0.58nm)、005回折(0.47nm)と指数付けされる。この結果、合成物には面間隔2.32nmを持つ新規な層状構造が形成されたことが判明する。この合成物を透過電子顕微鏡で観察したところ、2−2.5nm間隔をもつ層状構造が顕著に認められ、X線回折を裏付けた。さらに、合成物の一部には3.1nmの間隔を持つ層状構造も認められた。この構造は微量なためX線回折では検知できなかった。以上の結果から、層間距離3.1nmの層状物質を微量含むが、層間距離2.32nmを持つ層状物質が主体となる新物質が本発明により創製されたことが立証できる。
図1bに10および11と記したピークは、非特許文献1に記載のa軸格子長が0.288nmでc軸格子長が1.907nmである菱面体晶系に属するマンガン酸化物の2次元六方格子からの回折、すなわち10回折および11回折に一致する。これらの結果から、新物質はマンガン酸化物の骨格を維持しながら、2.32nmという大きな層間距離をもつと断定できる。また、2次元格子からの回折のみが認められ、c軸を含むhkl回折は認めらない。制限視野条件で透過電子線回折も測定したが、10回折と11回折に相当するリング状の回折パターンが顕著に認められた。これらのことは、マンガン酸化物骨格が層状方向である基底面方向にはサイズ的に広がっているものも、層と垂直方向にはナノメータサイズの厚さに制限されていることを示している。すなわち、マンガン酸化物骨格は、層状物質である出発物を構成する各層が剥離あるいは分離してできたナノシート形態をなしていることがわかる。
図1bに示された10回折と11回折のピークはブロードであり、かつ、高回折角側に広がっている。このようなピーク形状からナノスケールの厚さを持つ層状体であるマンガン酸化物骨格のナノシートが一定の方位関係を持たずに積層していることがわかる。したがって、合成物は層間距離2.32nmで一定の微細構造を持っているが、シートの間の横方向の方位関係は無秩序と結論される。
滴定法から決定したマンガンの価数は図1のaが3.86で、図1の合成物bが3.84であり、合成前後で価数はほとんど変わっていない。また、マンガンのX線吸収端スペクトルも価数が合成前後で不変であることを示していた。したがって、合成された新物質はその層間距離は増大したものも、出発となったマンガン酸化物の化学的性質や触媒的性質をそのまま保有している。
400℃で熱処理したものの回折である図1のcでは、高次の回折は弱くなっているが、層間からの001回折は明確に認められる。層間距離は1.94nmに減少しているものも、依然1.7nm以上の層間距離を保っていた。また、骨格となるマンガン酸化物からの10回折と11回折の回折角は熱処理によっても変わらなかった。これらの結果は、400℃の高温熱処理によっても、骨格のマンガン酸化物シートの構造は不変で、単に、骨格をなすマンガン酸化物の層間距離が2.3nmから1.94nmに縮小したことを示しており、本発明による多孔体の化学的特性が熱的安定性に優れていることを立証している。
層間距離が広がったのはゲストの挿入による。このゲストの特定について述べる。化学分析の結果は合成物中に炭素はほとんど検出されなかった。したがって、非特許文献1に示されたような有機物が層間に侵入して層間距離を広げているものではない。詳細な化学分析の結果、合成物の組成は(Al13011MnO2・1.5H2Oであることがわかっ
た。したがって、アルミニウムを主体とする無機物が挿入され大きな層間距離が実現したことが判明した。
非特許文献2は、Al13が1個挿入することによる1.44nmの層間距離を持つマ
ンガン酸化物多孔体の実現を報告している。また、非特許文献1は、骨格となる酸化マンガンナノシートの厚さが0.52nmであることを報告している。Al13イオン直径は0.86nmであることを考慮すると、酸化マンガンナノシートとAl13イオン直径を加えた値は1.38nmであり、非特許文献2に示された1.44nmの層間距離とよく一致する。Al13が1個挿入されたときの層間距離の値をもとにして、本発明の2.32nmという層間距離を合理的に説明するためには、本発明では2個配列されたAl13イオンが層間に挿入されていなければいけない。このときの層間距離の計算値は2.24nmであり、実験値2.32nmに非常に近い値となるからである。以上の事実から、本発明によるマンガン酸化物多孔体は、2重Al13で架橋された新規な構造体、すなわち2重Al13架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体であることが結論される。
透過型電子顕微鏡により明らかにされた合成物の一部に存在する3.1nm間隔の層状構造は3重Al13で架橋されているものと考えられる。酸化マンガンナノシートの厚さとAl13イオン直径の3倍を加えた値が3.1nmとなるからである。実施例1で採用した製造方法では、3.1nmの構造は微量であったため、図1のX線回折bには現れていない。
400℃での熱処理によって、層間距離が1.94nmに縮小するのは、加熱により架橋構造のAl13中に含まれる水分や水酸基が脱離するため、架橋が短くなるためである。さらに高温で熱処理すると層間距離は連続的に減少し、500℃では1.5nmとなり、600℃以上では層間距離は消滅した。また、800℃以上の熱処理では、Mn34とAl23の混合物に変化した。これらの事実から400℃での層間距離1.94nmを担う層間物は、アルミニウムの酸化物もしくは水酸化物のナノ粒子と規定される。本発明の効果を考えると、層間物は耐熱性に優れた無機物であればよく、Al13に限定されるものではない。したがって、本発明において層間物は2重のAl13、酸化アルミニウムもしくは水酸化アルミニウムナノ粒子のいずれであってもよい。
2重Al13架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体の窒素吸着に対する表面積を求めたところ、204m2-1であった。この値は、非特許文献2で報告されている1重
Al13架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体の表面積142m2-1より44%
も大きな値である。層間距離増大の効果が顕著に現れている。
図2は、本実施例による合成物に対する窒素の等温脱着曲線である。横軸は飽和蒸気圧で規格化した相対圧であり、縦軸は標準温度で標準圧力の時の値に換算した吸着体積である。図2において、三角形で示したデータはH013MnO2・0.7H2Oからのもので
あり、窒素吸着量は少なく、かつ、吸着曲線と脱離曲線は一致している。
一方、黒丸と白丸はそれぞれ2重Al13架橋構造を有するマンガン酸化物多孔体の吸着データおよび脱離データである。相対圧0.1以下での吸着量の鋭い立ち上がりはミクロ孔(細孔径2nm未満)の存在を反映しており、相対圧0.5以上でのヒステリシスを有する脱着曲線の形状は、スリット型のメソ孔(細孔径が2nm以上で50nm未満)特有のものである。したがって、2重Al13架橋構造を有するマンガン酸化物多孔体は、ミクロ孔のほかにメソ孔を多量に含むことを大きな特徴としている。なお、図2に示したヒステリシスのある合成物のメソ孔の平均表面積の割合(全表面積に対するメソ孔による表面積の割合)を算出したところ、50表面積%であったが、部分的には99%表面積の領域も存在した。このとき残りの1表面積%はミクロ孔であった。現在のところ、合成のたびごとにメソ孔の平均表面積%は変化したが、その分布は30%から99%の範囲内に分布し、頻度ピークは60表面積%にあった。99表面積%の合成物を安定して得るためには、酸化マンガンナノシートの製造条件(pH値など)を精密に制御すれば実現する。
等温脱着曲線から細孔分布を求めることができる。2重Al13架橋構造を有するマンガン酸化物多孔体のメソ孔の細孔径は、2nmから10nmに分布し、約3nmにピークを持つ分布形状を示しており、図2のヒステリシスを有する脱着特性とよく対応していた。この細孔径分布は石油クラッキングなどの各種の触媒応用にとって望ましい値となっている。
比較例
実施例1において、0.08g dm−3の濃度のMnOナノシートが懸濁したpH8のコロイド溶液100cm中に4.4x10−3mol dm−3のイオン濃度を有するAl13イオンの水溶液を2cm、毎分1cmで加えることにより、羊毛状の沈殿物を生成した。この沈殿物を水洗、乾燥した後、X線回折を測定したところ、層間距離は1.4nmであった。この値は非特許文献2に記載の値1.44nmと一致し、1重Al13架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体が合成されたことが判明した。本比較例のR値は1.1であった。1重Al13架橋構造を有する層状マンガン酸化物多孔体の等温脱着曲線には、ヒステリシスが認められず、ミクロ孔からなる細孔構造が主体であることが判明した。

本発明は、層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物を提供するものであり、従来のマンガン酸化物に比し、比表面積が大きいことから、電池性能や触媒性能の向上が期待され、また、従前のマンガン酸化物やマンガン以外の層状化合物と混合し、組み合わせることによって、層間距離を自由にコントロ−ルした設計の層状マンガン酸化物や、新たな性質が付加されたマンガン酸化物を提供することができ、産業上有用な材料を提供したものである。
本発明の層状マンガン酸化物多孔体の粉末X線回折図である。 本発明の層状マンガン酸化物多孔体の等温脱着曲線である。

Claims (9)

  1. 層状マンガン酸化物のホスト層間にアルミニウム多核水酸化物イオンをゲストとして面に対して2個垂直方向に挿入、配列し、層間距離1.7nm以上の間隔に設定し、積層せしめたことを特徴とする、層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体。
  2. 前記ホスト層間に垂直方向に挿入、配列される2個のアルミニウム多核水酸化物イオンの設定手段が、層状マンガン酸化物原料をホスト層一枚に単層剥離し、その各表面にアルミニウム多核水酸化物イオンを吸着させ、次いでイオンを吸着したホスト層を再凝集させることによることを特徴とする、請求項1記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体。
  3. 層状マンガン酸化物のホスト層間に酸化アルミニウムないしは水酸化アルミニウムをゲストとして面に対して2個垂直方向に挿入、配列し、層間距離1.7nm以上の間隔に設定し、積層せしめたことを特徴とする、層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体。
  4. 前記ホスト層間にゲストとして2個垂直方向に挿入、配列される酸化アルミニウムまたは水酸化アルミニウムの設定手段が、層状マンガン酸化物原料をホスト層一枚に単層剥離し、その各表面にアルミニウム多核水酸化物イオンを吸着させ、次いでイオンを吸着したホスト層を再凝集させて、先ずホスト層間にアルミニウム多核水酸化イオンを2個垂直方向に挿入、配列し、次いでアルミニウム多核水酸化イオンの分解温度で加熱して、該イオンを酸化アルミニウムないしは水酸化アルミニウムに変換せしめることによって設定することを特徴とする、請求項3記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体。
  5. 全表面積に対してメソ孔面積が、30〜99%占めることを特徴とする、請求項1または2の何れか記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体。
  6. 層状マンガン酸化物を単層剥離して得られる酸化マンガンナノシートの分散したコロイド溶液を形成する工程、前記コロイド溶液にアルミニウム多核水酸化イオンを添加して、羊毛状の凝集沈殿物を得る工程、該凝集沈殿物を回収する工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体の製造方法。
  7. 層状マンガン酸化物を単層剥離して得られる酸化マンガンナノシートの分散したコロイド溶液を形成する工程、前記コロイド溶液にアルミニウム多核水酸化イオンを添加して、羊毛状の凝集沈殿物を得る工程、該凝集沈殿物を回収する工程、回収された沈殿物を乾燥する工程、次いでアルミニウム多核水酸化イオンを分解し、酸化アルミニウムないしは水酸化アルミニウムに変換する加熱分解工程を含むことを特徴とする、請求項3又は4記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体の製造方法。
  8. 請求項1ないし4の何れか1項に記載の層間距離1.7nm以上の層状マンガン酸化物多孔体に、層間距離1.7nm未満の層状マンガン酸化物を積層したことを特徴とした、層間距離の変化してなる層状酸化マンガン多孔体。
  9. 請求項1ないし4記載の何れか1項記載の層間距離1.7nm以上の間隔に設定された層状マンガン酸化物多孔体を、電池材料の正極材料として使用することを特徴とした、電池材料。
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