JP4065900B1 - おが粉製造用切削刃及びその切削刃集合体 - Google Patents

おが粉製造用切削刃及びその切削刃集合体 Download PDF

Info

Publication number
JP4065900B1
JP4065900B1 JP2007219129A JP2007219129A JP4065900B1 JP 4065900 B1 JP4065900 B1 JP 4065900B1 JP 2007219129 A JP2007219129 A JP 2007219129A JP 2007219129 A JP2007219129 A JP 2007219129A JP 4065900 B1 JP4065900 B1 JP 4065900B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angle
cutting
cutting blade
center line
tip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007219129A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009051064A (ja
Inventor
史郎 森下
Original Assignee
森下機械株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 森下機械株式会社 filed Critical 森下機械株式会社
Priority to JP2007219129A priority Critical patent/JP4065900B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4065900B1 publication Critical patent/JP4065900B1/ja
Publication of JP2009051064A publication Critical patent/JP2009051064A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Debarking, Splitting, And Disintegration Of Timber (AREA)

Abstract

【課題】超硬チップの損傷や磨耗を防止し、切削効率をより高め、寿命を向上させる。
【解決手段】おが粉を製造するための折曲された切削刃に関する。被切削木材Wの送り方向から見た正面視方向に平行な鉛直面Vに対して右又は左方向に上下対称に切削刃を所定角度折曲したときに、切削刃の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金の外周縁に沿う超硬チップの中心線Cが右上がりの部位にある超硬チップT1, T7の少なくとも右側側面Trの側面逃げ角hを、これらの超硬チップの上記鉛直面Vに対する中心線Cの角度と同一又はそれ以上に形成し、且つ台金の外周縁に沿う超硬チップの中心線Cが右下がりの部位にある超硬チップT24, T30の少なくとも左側側面Tlの側面逃げ角hを、それぞれのチップの鉛直面Vに対する中心線Cの角度と同一又はそれ以上に形成した。
【選択図】図5

Description

本発明は、間伐材や建築廃材等の木材からおが粉を製造するために使用する切削刃及び切削刃集合体の改良に関するものである。
本発明は、上記の通り、間伐材や各種廃材等を用いて、これを細かく切削しておが粉を製造するために使用する切削刃及び切削刃集合体の改良に関するものであるが、現在おが粉は、各種方面で各種用途に利用されて来ており、例えば畜舎の床敷用、きのこ等の培地、生鮮魚介類の移送運搬用、更には生ごみ処理用、水洗トイレの水代用品、各種木質製構築部材等々、非常に広範な分野で利用されている。
例えば、畜舎の床敷用に用いられるおが粉の場合には、保水力、弾力性、保温性、快適性等の各種の機能が要求されているが、そのためには、粒度の細かいものから少し大きなもの等を混合させたり、木材の導管を破壊又は潰してしまわないようにし、尚且つおが粉表面を複雑形状とすることによりその表面積を拡大し、導管内にエアーを保持できるようにすることが必要となるのである。
そこで、従来のおが粉製造用切削刃及びその切削刃集合体としては、下記特許文献に記載のものを挙げることができるが、特許文献1に記載の「オガコの切削刃」においては、円盤状鋸刃を多数枚一定間隔を保って並設し、全体としてローラ状とした刃物において、各鋸刃の間にスペーサを介在させ、このスペーサの直径を鋸刃の刃先のチップが突出する程度としたものである。
これにより、鋸刃相互間に被切削材の小片が挟まることがなくなり、且つ騒音も防止されることが記載されている。また、この文献には、鋸刃を傾斜させて取り付けることも記載されている。
特許文献2に記載の「挽粉用カッター」は、円盤外周に刃部を有するものの直径方向に沿って一方の方向に折曲したもの、或は湾曲させたものが開示されている。
これにより、1枚の切削刃の有効切削幅を増加させることができるものであり、切削刃の積層に際し、その枚数を少なくして切削刃集合体からなるカッターの軽量化にも寄与するものである。
特許文献3に記載の「おが粉の製造方法及びその切削刃」においては、切削刃がその直径方向に2つ折りされている点は従来と同様であるが、その切削刃の外周に設けた刃先チップの軌跡が先行する刃先チップと後続する刃先チップと一部重なり合うように構成したものである。
これにより、切削されたおが粉の粒度を極めて適切なものとすることができ、大きな木片をなくし、且つ、粒度の細かいものと少し大きなものとが混在したおが粉とすることができるようになった。
実開昭54−110898号公報 実公昭59−5527号公報 特公平2−48403号公報
本発明者は、上記のようなおが粉製造用切削刃或は切削刃集合体の改良を目指すものであるが、一般的にはその切削刃としては円盤形状の台金の外周縁部に超硬チップ等が所定間隔に列設された所謂チップソー(中心部に回転駆動軸穴を有する)と呼ばれるものを流用し、このチップソーをその直径方向に沿って一方の方向に所定角度折曲したものを使用して来たのである。
しかしながら、本発明に係るおが粉製造用切削刃は、このチップソーとは全く異なる概念、異なる物品のなのである。
というのも、チップソーにおいては、木材或は金属板を例えば直線的に切断するものであり、被加工物を適宜形状に切断加工するものであるが、本発明に係る切削刃においては、被加工物である木材を切断するのではなく、所謂その全体を切り崩して(崩してはいけないのであるが)、或は切削して、おが粉を製造するものであり、両者の用途及び機能は全く異なるからである。
用途と機能の異なる物品は、別物品であり、似て非なるものである。
更に付言すると、切断を目的とするチップソーにあっては、その台金を折り曲げるという発想は、その用途と機能を考慮すれば、決して出て来ないタブーなものであり、逆におが粉製造用切削刃であるが故に、その台金を折り曲げ、切削幅をより広くするという技術思想が出てくるものであり、両物品は誠にもって似て非なるものである。
従って、本発明に係る切削刃は、その直径方向に沿って一方の方向に上下対称に所定角度折曲されたものが使用されて来たのである。
この折曲された切削刃を複数枚、スペーサーを介して積層して切削刃集合体を形成させておが粉製造装置のカッターとして用いて来たのである。
これにより、後に詳細に説明するが、切削刃の外周縁部に列設された超硬チップの刃先部が傾斜して(傾斜も正面視左右に交互に変換する)被切削木材に当接し、且つ超硬チップの刃先部が前後の刃先部と一部重複し、その重複幅も順次異なるようになり、切削刃の1回転で刃先部の角度も正面視左右2回ずつ変換され、切削重複幅も広狭変換しておが粉の粒度も大小変更できることとなるものである。
そこで本発明において、その解決しようとする課題は、おが粉の切削をその切削刃の角の部分でより鋭利に行うことができるようにすることであり、その切削効率の更なる向上を目指すものである。
この種の切削刃は、おおよそ16〜18時間使用すると、チップが磨耗してしまうために、チップの研磨作業を行うのであるが、本発明においては、その超硬チップの形状、或は台金への取り付け方法等をより綿密に研究し、よりよい形態のものに改良することを目的としている。
とりわけ、使用中の一部の切削刃において、その一部のチップのみが大きく消耗したり、破損したりする事例があり、これまでは単に切削刃の製造上の単なる不良品との位置づけでそのまま放置されていたのであったが、これが何か構造的或は機能的なある原因で生じたのではないのか、という疑問から、鋭意研究の末、本発明が生み出されたのである。
本発明の第1のものは、円板形状の台金の周縁に所定間隔で超硬チップ等を列設した切削刃の直径方向に沿って対称に所定角度折曲したものをスペーサーを介して複数枚重ね合わせて形成したおが粉製造用切削刃集合体を構成する切削刃において、被切削木材の送り方向から見た正面視方向(X)に平行な鉛直面(V)に対して右又は左方向に上下対称に上記切削刃(10)を所定折曲角度(θ)だけ起立させて折り曲げたとき、切削刃(10)の外周縁部に列設されたそれぞれの超硬チップ(T)等の中心線(C)の上記鉛直面(V)に対する角度は、上記折曲角度(θ)から0度の範囲内となり、切削刃(10)の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金(15)の外周縁に沿う超硬チップ(T)等の上記中心線(C)が右上がりに傾斜する部位にある超硬チップ(T)等の少なくとも右側側面(Tr)の側面逃げ角(h)を、これらの超硬チップ(T)等の上記鉛直面(V)に対する中心線(C)の角度と同一又はそれ以上に形成し、且つ、切削刃(10)の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金(15)の外周縁に沿う超硬チップ(T)等の上記中心線(C)が右下がりに傾斜する部位にある超硬チップ(T)等の少なくとも左側側面(Tl)の側面逃げ角(h)を、これらの超硬チップ(T)等の上記鉛直面(V)に対する中心線(C)の角度と同一又はそれ以上に形成したことを特徴とするおが粉製造用切削刃である。
ここで「側面逃げ角」とは、一般的に使用されている意味と同一であるが、チップの刃先部(後にTbとして示される。)の端部からチップ中心線と平行な補助線を引き、この補助線とチップ側面との成す角度を意味する(以下同じである。)。
本発明の第2のものは、円板形状の台金の周縁に所定間隔で超硬チップ等を列設した切削刃の直径方向に沿って対称に所定角度折曲したものをスペーサーを介して複数枚重ね合わせて形成したおが粉製造用切削刃集合体において、被切削木材の送り方向から見た正面視方向(X)に平行な鉛直面(V)に対して右又は左方向に上下対称に上記切削刃(10)を所定折曲角度(θ)だけ起立させて折り曲げたとき、切削刃(10)の外周縁部に列設されたそれぞれの超硬チップ(T)等の中心線(C)の上記鉛直面(V)に対する角度は、上記折曲角度(θ)から0度の範囲内となり、切削刃(10)の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金(15)の外周縁に沿う超硬チップ(T)等の上記中心線(C)が右上がりに傾斜する部位にある超硬チップ(T)等の少なくとも右側側面(Tr)の側面逃げ角(h)を、これらの超硬チップ(T)等の上記鉛直面(V)に対する中心線(C)の角度と同一又はそれ以上に形成し、且つ、切削刃(10)の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金(15)の外周縁に沿う超硬チップ(T)等の上記中心線(C)が右下がりに傾斜する部位にある超硬チップ(T)等の少なくとも左側側面(Tl)の側面逃げ角(h)を、これらの超硬チップ(T)等の上記鉛直面(V)に対する中心線(C)の角度と同一又はそれ以上に形成したことを特徴とするおが粉製造用切削刃集合体である。
本発明の第3のものは、上記第1の発明において、切削刃の所定折曲角度θを2度から6度の範囲内に設定したことを特徴とするおが粉製造用切削刃である。
本発明の第4のものは、上記第2の発明において、切削刃の所定折曲角度θを2度から6度の範囲内に設定したことを特徴とするおが粉製造用切削刃集合体である。
本発明の第1のものにおいては、被切削木材の送り方向から見た正面視方向に平行な鉛直面に対して右又は左方向の何れか一方に上下対称に上記切削刃を所定角度θだけ起立させて折曲したとき、切削刃の外周縁部に列設されたそれぞれの超硬チップ等の中心線の上記鉛直面に対する角度は、上記折曲角度θから0度の範囲内となり、切削刃の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金の外周縁に沿う超硬チップ等の上記中心線が右上がりに傾斜する部位にある超硬チップ等の少なくとも右側側面の側面逃げ角を、これらの超硬チップ等の上記鉛直面に対する中心線の角度と同一又はそれ以上に形成し、且つ、切削刃の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金の外周縁に沿う超硬チップ等の上記中心線が右下がりに傾斜する部位にある超硬チップ等の少なくとも左側側面の側面逃げ角を、これらの超硬チップ等の上記鉛直面に対する中心線の角度と同一又はそれ以上に形成したために、チップの正面視一方の側の側面が刃先部が被切削木材を切削する方向の背面側に逃げるため、その一方の側の側面部が被切削部材に接触することがなくなるのである。
つまり、切削に当たり、チップの刃先部のみが被切削部材に食い付き、その他の何れの面も被切削部材に接触することがないため、チップの損傷、耐磨耗等の点で、最適状態で切削を行うことができるのである。その結果、耐久性能を最大限に引き伸ばすことができ、チップの損傷、磨耗を最小限に食い止めることができるのである。
同様に、本発明の第2のものにおいても、上の第1の発明と同様の効果を有する切削刃集合体を提供することができる。
本発明の第3及び第4のものにおいても、その切削刃の折曲所定角度θを2度から6度の範囲に規定して、本発明の切削刃の最適な範囲を提示することができたものである。
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る切削刃集合体を用いたおが粉製造装置の一実施形態を図示する要部の分解説明図である。
電動モータ(図示省略)により回転駆動される回転軸5に、複数枚の切削刃10をスペーサ20を介して積層し、両端部の固定板30、31を取り付け、ナット32で固定し、切削刃集合体12が構成される。この構成は従来のおが粉製造装置と同じである。
間伐材等の被切削木材は、矢印Xの正面方向から切削刃集合体12へ送り込まれ、順次切削加工が行われ、おが粉が製造されるものである。
図2は、上記切削刃集合体12を構成する1枚の切削刃10の斜視説明図であり、図3(A)が図2のX方向から見た正面図であり、図3(B)が図2のY方向から見た平面図である。
図2及び図3(A)から解る通り、切削刃10は、正面視方向Xと平行な鉛直面Vに対して、その直径方向PQに沿って一方の側(図3(A)では右側)に所定角度θだけ、上下対称に起立するように折り曲げられている。
そして、この実施形態においては、切削刃10の外周縁部には、所定間隔で鋸刃状の刃部11が多数設けられている。
この実施形態では、外径が455mmのもので、中心角90度当たり15個ずつの刃部11を設け、全体で60個設けている。この刃部11の先端部には、図には明瞭に表われていないが、超硬チップTがそれぞれロウ付けされているのである。
超硬チップTは、台金15の周縁部に形成された刃部11の窪んだ刃室の前方正面側にロウ付けされており、図3(A)から解る通り、チップTの刃先部Tbは、正面視左又は右に傾斜している。これは台金15が折曲しているからである。
即ち、チップTの中心線は、台金の外周縁に沿っており、その中心線は、台金の接線方向と同一となり、その中心線が、台金の折曲により、鉛直面Vに対して、図3(A)の上半分の領域では、右上がりに傾斜し、図3(A)の下半分の領域では、右下がりに傾斜している。
従って、切削に際しては、この図から解るとおり、チップTの中心線は、中心角90度毎に右上がり、右下がり、右上がり、右下がりというように交互に変換して、チップTの刃先部Tbの向きは、左右に傾斜角度を交互に変換するようにして切削を行うこととなるのである。
図4は、本発明の実施形態に係る切削刃10の外周縁部の拡大説明図であり、その(A)が側面図、その(B)がチップTの平面図、その(C)がチップTの正面図を示している。
これらの図から解る通り、チップTの刃先部Tbの下方にはすくい面Tsが形成され、すくい角eは適宜5度から25度程度に設定し、あさり角fは約1度から2度程度、外周逃げ角gは10度から15度程度に設定する。
本発明においては、図4(B)に示したチップTの側面逃げ角hの設定が問題となっており、本発明の要旨となるところである。
その側面逃げ角は、両側にあるが、この側面逃げ角hについては後に詳細に説明する。
尚、従来のチップソーでは、台金が折曲されておらず、この側面逃げ角は約1度程度である。
また、本発明の実施形態では、チップTの高さTtを約9mm、チップTの刃先部Tbの幅を約3.2mm、チップTの厚みTnを約3mm程度に設定している。
図5は、本発明の要旨を説明する図であって、チップTが被切削木材Wを切削する寸前の正面説明図であって、連続するチップの傾きが順次変更する状態を図示している。
この図5の説明においては、図2及び図3と共に説明を加える。
尚、この実施形態においては、台金15の折曲角度θを4度にしている。以下これに基き説明する。
但し、添付図面では、内容をより明確に理解するために、その角度θを現実の角度4度よりも大きく描いている。
図5中(1) の状態は、図2及び図3(A)に示したチップT1の切削直前の正面図を図示しており、このチップT1の状態のとき、チップの傾斜(チップの中心線Cの傾斜のこと。右上がり傾斜)は最大となり、台金10の折曲角度θの4度と略同一となる。
そして、このとき問題となるチップT1の側面は、右側側面Trとなり、この右側側面Trの側面逃げ角hは、台金の折曲角度θと同一の4度か、それよりも大きく形成しないと、刃先部Tbが被切削木材を切削するに際し、その右側側面Trが被切削木材と接触してしまうこととなる。
従って、この(1) の状態においては、チップT1の右側側面Trの側面逃げ角hを4度乃至それ以上としなければならない。
他方、チップT1の左側の逃げ角は、チップT1の中心線Cが右上がりに傾斜しているために、たとえ0度であっても問題は生じない。
図5中(2) の状態においては、チップT7は、台金15の折曲部から中心角として約45度程度後方に位置するものであり、それ故、そのチップT7の向きは、台金15のその部位の傾斜と同一となり、しかもこの部位では、その中心線Cの傾斜角度は4度以下となる。
従って、この(2) の状態においては、チップT7の右側側面Trの側面逃げ角hは、4度程度で十分となる。
他方、チップT7の左側の逃げ角は、上記チップT1の場合と同様に0度であっても問題は生じない。
次に図5中(3) の状態においては、チップT15は、台金15の折曲部から中心角にして約90度程度後方に位置するものであり、それ故、そのチップT15の向きは、図3(B)に図示した通り、丁度正面を向いた状態(中心線Cの角度は0度。鉛直面Vと平行。)となる。但し、チップの中心線Cに対して約4度時計周りに紙面裏側方向に回転した状態となっている。
しかし、その中心線の方向は、鉛直面とほぼ同一であることから、チップT15の側面逃げ角は、右側及び左側共に1度程度でも十分となる。
従って、この(3) の状態においては、チップT15の右側側面Trの側面逃げ角hは、4度以下1度以上で十分となる。しかし、それが4度以上であっても問題ないことは勿論である。
次に図5中(4) の状態においては、チップT16は、上記チップT15の後続する次のチップであり、上記チップT15と全く同じことが言える。
次に図5中(5) の状態においては、チップT24は、チップT1の部位から中心角にして約135度後続した部位にあり、今度は上記の場合と逆に、そのチップの向き、つまりその中心線Cは右下がりの傾斜となる。
即ち、今度は、チップの左側の側面が問題となるのである。但し、この位置では、その中心線Cは、切削刃10の折曲角度θである4度以下となっており、その左側側面Tlの側面逃げ角hは4度あれば十分となる。
最後に図5中(6) の状態におていは、チップT30は、チップT1の部位から中心角にして約180度後続した部位にあり、上記チップT24の場合と同様に、そのチップの向きは、つまりその中心線Cは右下がり傾斜となり、且つその鉛直面Vとの成す角度も台金の折曲角度4度とほぼ同一となる。
そして、上の場合と同様に、チップの左側側面Tlが問題となり、その中心線Cは、折曲角度θである4度と略同一となっており、その側面逃げ角hは4度乃至それ以上設ける必要がある。
以上で、丁度切削刃10の外周半分(0度から180度)のチップT1〜T30の構成を説明したが、残り180度の外周は、上記説明と全く同一のことが言える。つまり、本発明の切削刃10においては、上記のチップの構成が2回繰り返されるのである。
そして、図5に示したように、チップの下方部に図示したものは、被切削木材Wの切削状態を模式化したものであり、チップT1が下方の被切削木材Wの図中左側から(1) の部位を切削し、その後、後続のチップが順次右方向に切削して行き、チップT7が下方の被切削木材Wの(2) の部位を切削し、その後後続のチップが順次木材Wを右方向に切削して行き、チップT15が下方木材Wの(3) の部位を切削する。
これらの一連の被切削木材Wの切削に際して、チップT1からチップT15に向かうにつれて、チップの幅方向の変位幅は徐々に少なくなるのである。
つまり、チップT1から中心角にして約45度の範囲内のチップによって、より大きい粒径のおが粉が製造され、その後チップT7から後続する約45度の範囲内のチップにより、より細かい粒径のおが粉が製造されるのである。
その後、チップT16が、下方木材Wの(4) の部位を切削し、その後、後続するチップが順次木材Wを左方向に切削して行き、チップT24が下方木材Wの(5) の部位を切削する。その後、後続するチップが左方向に順次切削して行き、チップT30が下方木材(6) の部位を切削して一連の切削を行う。この左方向の一連の切削に際して、チップT16から中心角にして45度の範囲は、より細かい粒径のおが粉が製造され、チップT24から約45度の範囲のチップにより、より粒径の大きいおが粉が製造されるのである。
以上のように、チップT1からチップT30までの一連の切削により、切削木材Wが右方向から左方向に一往復の切削を行うことができる。
従って、折曲した切削刃10の一枚が一回転すると、被切削木材Wは、右、左、右、左と2往復の切削を行うこととなるのである。
そして、この切削刃の集合体による切削幅は、積層された折曲切削刃の枚数により決定されることとなる。
図6は、本発明に係る切削刃10の外周に設けられた超硬チップTの正面図であって、その超硬チップTが最大角度傾斜した状態を図示した拡大説明図である。
その(A)が、図5で示したチップT1を示し、その(B)が図5で示したチップT30を示している。
図6(A)においては、台金15の折曲部の最も近くに位置するチップT1を示し、この部位においては、台金15の折曲角度θとほぼ同一の角度(鉛直面Vと中心線Cとの成す角度)を有する中心線C上にチップT1は位置しており、チップ T1の向きはその中心線Cが右上がりに傾斜しており、従って、図中右側側面Trが問題となり、この右側側面Trの側面逃げ角hを台金15の折曲角度θと同一又はそれよりも大きく形成している。
これにより、チップT1が被切削木材を切削するに際し、その右側側面Trの面部が被切削木材に接触しないようにし、それにより切削効率を高め、チップの損傷及び磨耗を最小限に抑えることができるのである。
同様に図6(B)においては、台金15の折曲部の最も近くに位置するチップT30を示し、この部位においては、台金15の折曲角度θとほぼ同一の角度を有する中心線C上にチップT30は位置しているが、チップ T30の向きはその中心線Cが右下がりに傾斜しており、従って、図中左側側面Tlが問題となる。そして、この左側側面Tlの側面逃げ角hを台金15の折曲角度θと同一又はそれよりも大きく形成するのである。
これにより、チップT30が被切削木材を切削するに際し、その左側側面Tlの面部が被切削木材に接触しないようにし、それにより切削効率を高め、チップの損傷及び磨耗を最小限に抑えることができるのである
以上、本発明の一実施形態について説明したが、以下種々設計変更が可能である。
即ち、切削刃の折曲角度は、上記実施形態では、4度として説明したが、この角度は、2度以上6度の範囲内で設定することができる。
この折曲角度と台金の外周上のチップの位置に応じて、超硬チップの側面逃げ角を設定することができるのである。
即ち、正面視方向と平行な鉛直面に沿って切削刃を例えば右に4度上下対称にその直径方向に沿って折曲したときには、切削刃の外周縁に設けられているチップの中心線(切削刃の外周縁に沿った接線)の角度は、上記鉛直面に対して4度から0度の範囲内で徐々に右上がりから鉛直、鉛直から右下がり、更に右下がりから鉛直…というように順次変更される。
これに対して、それぞれの位置にあるチップの一方の側面の側面逃げ角を、その中心線と鉛直面との成す角度と同一か、又はそれ以上に設定すればよいのである。
これによりチップの切削作業において、チップの一方の側面が被切削木材に接触することがなくなり、その損傷や破損を防止し、切削効率を向上し、その寿命も延長されることとなるのである。
上記実施形態において、切削刃の外径及び超硬チップ等の数、台金の厚み、チップの刃厚、高さ、厚み、チップの側面逃げ角以外のすくい角、あさり角、外周逃げ角等は適宜必要に応じて設定することができる。
超硬チップは、多結晶ダイヤモンドを焼結したものであってもよい。
以上、本発明は、直径方向に沿って折曲されたおが粉製造用切削刃のその折曲角度と、その切削刃の外周縁部に設けられる超硬チップ等の側面逃げ角との関係を明確にし、その側面逃げ角の大きさを前記折曲角度との関係で明確に特定し、限定することにより、切削刃の切削効率及び寿命を向上させ、しかも、鋭利な切り口によって被切削木材の導管等を潰すこともなく、種々の用途に適合させて利用される非常に有用なおが粉を製造することができる切削刃を提供することができたものである。
本発明の実施形態に係る切削刃集合体を用いたおが粉製造装置の要部を図示する分解説明図である。 本発明の実施形態に係る切削刃の斜視説明図である。 本発明の実施形態に係る切削刃を示し、その(A)が図2のX方向から見た正面図、その(B)が図2のY方向から見た平面図である。 本発明の実施形態に係る切削刃の外周縁部の一部拡大説明図であり、その(A)が側面図、その(B)がチップの平面図、その(C)がチップの正面図である。 本発明の実施形態の要旨を説明する図で、チップが被切削木材を切削する寸前の正面説明図であって、連続するチップの傾きが順次変更する状態を図示している。 本発明の実施形態に係る切削刃の外周に設けられた超硬チップの正面図であって、その超硬チップが最大角度傾斜した状態を図示した拡大説明図である。その(A)がチップの中心軸が右上がりに傾斜しているものを示し、その(B)がチップの中心線が右下がりに傾斜しているものを示している。
符号の説明
10 切削刃
12 切削刃集合体
15 台金
20 スペーサー
T、T1、T7、T15、T16、T26、T30 超硬チップ
Tr 右側側面(チップの)
Tl 左側側面(チップの)
C 中心線(チップの)
h 側面逃げ角(チップの)
θ 折曲角度(切削刃の)
V 鉛直面
W 被切削木材
X 正面視方向

Claims (4)

  1. 円板形状の台金の周縁に所定間隔で超硬チップ等の切削用チップを列設した切削刃の直径方向に沿って対称に所定角度折曲したものをスペーサーを介して複数枚重ね合わせて形成したおが粉製造用切削刃集合体を構成する切削刃において、
    被切削木材の送り方向から見た正面視方向(X)に平行な鉛直面(V)に対して右又は左方向に上下対称に上記切削刃(10)を所定折曲角度(θ)だけ起立させて折り曲げたとき、
    切削刃(10)の外周縁部に列設されたそれぞれの切削用チップ(T)の中心線(C)の上記鉛直面(V)に対する角度は、上記折曲角度(θ)から0度の範囲内となり、
    切削刃(10)の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金(15)の外周縁に沿う切削用チップ(T)の上記中心線(C)が右上がりに傾斜する部位にある切削用チップ(T)の少なくとも右側側面(Tr)の側面逃げ角(h)を、これらの切削用チップ(T)の上記鉛直面(V)に対する中心線(C)の角度と同一又はそれ以上に形成し、
    且つ、切削刃(10)の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金(15)の外周縁に沿う切削用チップ(T)の上記中心線(C)が右下がりに傾斜する部位にある切削用チップ(T)の少なくとも左側側面(Tl)の側面逃げ角(h)を、これらの切削用チップ(T)の上記鉛直面(V)に対する中心線(C)の角度と同一又はそれ以上に形成したことを特徴とするおが粉製造用切削刃。
  2. 円板形状の台金の周縁に所定間隔で超硬チップ等の切削用チップを列設した切削刃の直径方向に沿って対称に所定角度折曲したものをスペーサーを介して複数枚重ね合わせて形成したおが粉製造用切削刃集合体において、
    被切削木材の送り方向から見た正面視方向(X)に平行な鉛直面(V)に対して右又は左方向に上下対称に上記切削刃(10)を所定折曲角度(θ)だけ起立させて折り曲げたとき、
    切削刃(10)の外周縁部に列設されたそれぞれの切削用チップ(T)の中心線(C)の上記鉛直面(V)に対する角度は、上記折曲角度(θ)から0度の範囲内となり、
    切削刃(10)の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金(15)の外周縁に沿う切削用チップ(T)の上記中心線(C)が右上がりに傾斜する部位にある切削用チップ(T)の少なくとも右側側面(Tr)の側面逃げ角(h)を、これらの切削用チップ(T)の上記鉛直面(V)に対する中心線(C)の角度と同一又はそれ以上に形成し、
    且つ、切削刃(10)の半径方向において外周側から中心に向かう方向から見て、台金(15)の外周縁に沿う切削用チップ(T)の上記中心線(C)が右下がりに傾斜する部位にある切削用チップ(T)の少なくとも左側側面(Tl)の側面逃げ角(h)を、これらの切削用チップ(T)の上記鉛直面(V)に対する中心線(C)の角度と同一又はそれ以上に形成したことを特徴とするおが粉製造用切削刃集合体。
  3. 切削刃(10)の所定折曲角度(θ)を2度から6度の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1に記載のおが粉製造用切削刃。
  4. 切削刃(10)の所定折曲角度(θ)を2度から6度の範囲内に設定したことを特徴とする請求項2に記載のおが粉製造用切削刃集合体。
JP2007219129A 2007-08-25 2007-08-25 おが粉製造用切削刃及びその切削刃集合体 Active JP4065900B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007219129A JP4065900B1 (ja) 2007-08-25 2007-08-25 おが粉製造用切削刃及びその切削刃集合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007219129A JP4065900B1 (ja) 2007-08-25 2007-08-25 おが粉製造用切削刃及びその切削刃集合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4065900B1 true JP4065900B1 (ja) 2008-03-26
JP2009051064A JP2009051064A (ja) 2009-03-12

Family

ID=39294018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007219129A Active JP4065900B1 (ja) 2007-08-25 2007-08-25 おが粉製造用切削刃及びその切削刃集合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4065900B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009051064A (ja) 2009-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0897Y2 (ja) 超硬チップを具備する丸鋸
US4604933A (en) Carbide-tipped circular saw for metal cutting at low surface speeds
EP1941972B1 (en) Diamond disc
JP5089242B2 (ja) 剪断破砕機の固定刃
CN206464062U (zh) 一种活性炭原料粉碎机
CN102091667A (zh) 粉碎塑料的组合刀具以及粉碎塑料的慢速粉碎机
CN202155588U (zh) 焊接式cbn螺旋立铣刀
CN102554351A (zh) 旋转工具
JP4065900B1 (ja) おが粉製造用切削刃及びその切削刃集合体
CN206465275U (zh) 带护齿的金刚石锯片
US10384368B2 (en) Contour rake face cutting tool
CN105798995A (zh) 一种用于切割胶合板的智能锯片
CN201592290U (zh) 金刚石钎焊锯片
CN201168634Y (zh) 一种碎纸机刀片
CN207789365U (zh) 一种硬质材料的切削工具
CN105798998A (zh) 一种专用于软硬实木智能圆锯片
JP2010120149A (ja) カッターブレード及びカッターヘッド
CN220241981U (zh) 一种金刚石刀头及具有该金刚石刀头的金刚石锯片
CN214721053U (zh) 一种钎焊金刚石切割片
CN214640691U (zh) 锯片
TWI262114B (en) O-shaped blade
CN210789407U (zh) 一种铣刀
CN220008149U (zh) 一种l型金刚石拉手刀
EP2866983A1 (en) A bread-knife blade and a method for its manufacture
CN218062315U (zh) 一种方形犁削式金刚石复合片及其盾构机滚刀

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4065900

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250