JP4064962B2 - 水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置 - Google Patents

水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、特殊な膜体とその配列で水蒸気の移動方向を制御することによって、加湿装置、除湿装置、調湿装置等として利用される水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置に関する。
本出願人において、既に水蒸気移動制御装置を提案している(特開平5−322060号公報参照)。
又、水蒸気移動制御装置を取り付けた箱体の気密状態を確認する気密検査装置についても、本出願人において、既に提案している(国際公開第99/66300号パンフレット参照)。
この従来の水蒸気移動制御装置は、一方の通気口が箱体の内部に連通され、他方の通気口が大気に開放され、この二つの通気口間に複数の小室が通気性及び透湿性を有する膜体によって区画形成されている。
そして、各膜体の通気度及び透湿度を使用して、外気と箱体の温度変動速度により、箱体の内部を除湿又は加湿又は調湿するように水蒸気の移動を制御するものであった。
この水蒸気移動制御装置は、上記したように、箱体に取り付けられるもので、この箱体の気密保持を前提として水蒸気移動制御装置が機能することになる。
このような箱体の気密状態を確認する気密検査装置は、図20に示すように、水蒸気移動制御装置9が取り付けられた箱体90の内部に送気管91を介して連通する圧力緩衝空間92と、この圧力緩衝空間92を経て箱体90の内部に気体を一定圧力で供給する気体注入装置93と、圧力緩衝空間92内の圧力を測定する圧力測定計94を備えている。
使用に際しては、送気管91を箱体90連結したのち、気体注入装置93からの空気を圧力調整弁95で圧力緩衝空間92を経て箱体90内に一定圧力で注入しながら、この圧力緩衝空間92内の圧力を圧力測定計94及び圧力測定計96で測定し、その測定圧力値が、気体の注入前の圧力値よりも上昇する速度がほぼ等しい場合は箱体90の気密が保持され、測定圧力値が、注入前の圧力値との変化が大きな場合には箱体90の気密が漏洩していると認定する検査方法であった。
水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置では、水蒸気移動制御装置に設けられている膜体や箱体等にストレスを加えることがないように、できるだけ微弱な圧力を加えることが望ましく、この点から言えば、上記した従来の気密検査装置では、圧力緩衝空間92内の圧力をそのまま圧力測定計94で測定するために、どうしても高い圧力を加えなければならず、しかも圧力緩衝空間92内の圧力をそのまま測定する圧力測定計94及び圧力測定計96を用いているため、測定感度も低くなり、検査の正確さに欠けるという問題を残していた。
又、水蒸気移動制御装置は、屋外(例えば、鉄塔)に設置された箱体に取り付けられるため、箱体に破損や扉の気密不良がある場合には、箱体の内部に雨水が侵入して溜まることがある。
このような状態で、気密検査装置を使用すると、箱体に送気管を連結した際に、雨水が送気管を流下して装置内部にまで侵入し、気密検査装置の故障を招いたり、又、感電事故等の安全面で問題が生じことになる。
また、このような気密検査装置にあっては、人為的な適用の過誤や、不可避な予測外の異常圧力によって、正確な測定ができないなど、機能不全を生じることがあり、このような機能不全を可及的に予防する必要がある。
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、微弱な圧力をかけることによって、水蒸気移動制御装置の膜体や箱体にストレスを加えることなく、しかも高感度で精度よく箱体の気密状態を検査して、箱体の破損や膜体の破れ等を原因とした気密の漏洩を発見することができるようにした気密検査装置を提供することを第1の課題としている。
加えて、箱体の内部に水が溜まっているような場合での検査に際し、箱体から流下する水を直ちに受け止めて、装置の内部に水が侵入するのを防止して、適切な検査を行なうことができるようにした気密検査装置を提供することを第2の課題としている。
更に、異常圧力等による機能不全を回避できる気密検査装置を提供することを第3の課題としている。
発明の開示
上記第1の課題を解決するために、本発明(請求項1)の気密検査装置は、
一方の通気口が被検査体である箱体の内部に連通され、他方の通気口が大気に開放され、前記二つの通気口間に複数の小室が通気性及び透湿性を有する膜体によって区画形成されて、両通気口間での水蒸気の移動を制御する水蒸気移動制御装置を備えている箱体を対象とした気密検査装置であって、
内部に圧力緩衝空間が形成された圧力取込ケーシングと、
先端が圧力取込ケーシングに接続され、基端が気体注入装置に接続された上流側送気路と、
先端に前記箱体との接続金具が設けられ、基端が前記圧力取込ケーシングに接続された下流側送気路と、
前記上流側送気路から分岐した往側圧力取込路と、前記圧力取込ケーシングから分岐した戻側圧力取込路との間に接続された差圧計とを備え、
前記上流側送気路と下流側送気路とは直線上に配置した状態で圧力取込ケーシングに接続されると共に、上流側送気路の先端管部は、その先端口が下流側送気路の基端部内部に開口するように、圧力緩衝空間内を通り過ぎて下流側送気路の基端部に挿入され、
前記戻側圧力取込路は、前記上流側送気路と下流側送気路とが配置された直線に対し角度を持つように分岐して圧力取込ケーシングに接続され、
前記気体注入装置から送気される往側気体を上流側送気路から下流側送気路を経て箱体の内部に送気すると共に、この箱体の内部から反射した戻側気体を下流側送気路から圧力緩衝空間を経て前記戻側圧力取込路から差圧計に取り込み、
この戻側圧力取込路から差圧計に取り込んだ戻側気体の圧力と、前記往側圧力取込路から差圧計に取り込んだ往側気体の圧力との差圧を計測する構成とした。
上記気密検査装置(請求項1)において、戻側圧力取込路から差圧計に取り込んだ戻側気体の圧力と、前記往側圧力取込路から差圧計に取り込んだ往側気体の圧力との差圧を計測した結果、往側気体の圧力が戻側気体の圧力よりも大きいと、差圧計が差圧を表示し、箱体又は膜体に破損が有って気密が漏洩していると認定し、又、往側気体の圧力と戻側気体の圧力とがほぼ同一の場合には、差圧計が差圧を表示しないことから気密が保持されていると認定することになる。
尚、前記気密検査装置において、箱体の気密が漏洩していると認定した場合でも、その漏洩が水蒸気移動制御装置の調湿能力を下回る程度であれば、水蒸気移動制御装置は、その機能を果たすことができ、漏洩が直ちに不良と認定されることはない。
又、上記第2の課題を解決するために、本発明(請求項2)の気密検査装置は、前記気密検査装置(請求項1)において、前記下流側送気路の先端に、箱体の内部から流下した水を受け止めるために水受け器が設けられている構成とした。
尚、前記発明(請求項1又は2)において、前記戻側圧力取込路は、前記上流側送気路と下流側送気路とが配置された直線に対し直角に分岐するように圧力取込ケーシングに接続されている態様(請求項3)がある。
又、前記発明(請求項1又は2又は3)において、前記気体注入装置の吸気側に空気乾燥手段が設けられている態様(請求項4)がある。
又、上記第3の課題を解決するために、本発明(請求項5)の気密検査装置は、前記気密検査装置(請求項1又は2又は3又は4)において、前記上流側送気路から分岐した通気路に圧力安全弁が設けられている構成とした。
尚、前記気密検査装置(請求項5)において、
前記圧力安全弁は、一端が前記上流側送気路に接続されると共に他端の通気口が弁室内に開口された通気路と、一端が大気に連通されると共に他端の排気口が弁室内に開口された排気路とがシリンダー内に該シリンダーの軸方向に形成され、
前記弁室内に弁体としての鉄含有球体が収容され、この鉄含有球体が、常時は前記通気口を囲む状態に形成された弁座に密着した状態に保持されて通気路と排気路との連通を遮断させ、一方、被使用装置に異常圧力が生じると、弁座から離反して通気路と排気路を連通させるように形成された圧力安全弁であって、
前記鉄含有球体を前記弁座に密着した状態に保持させる手段として磁石が用いられ、
この磁石は、前記鉄含有球体が弁座に密着した状態において、鉄含有球体及び弁座から離隔をおいて配置され、
前記鉄含有球体を弁座に吸着して密着保持させるための磁力が、前記被使用装置の動作上要求される動作しきい値に調整されている態様(請求項6)がある。
従って、この圧力安全弁では、磁石が鉄含有球体及び弁座と離隔を保つので、磁石に付着することがある磁石粉末や被磁性吸引物質(鉄粉など)によって、鉄含有球体の表面が汚損されることを予防し、球体の移動によって生じる磁石粉末の生成を予防することができる。
又、磁石の損耗や鉄含有球体の損耗によって発生した切削粉が、磁石に吸着されるため、弁座と鉄含有球体との気密性を妨げることがない。
又、磁力を用いて、鉄含有球体を弁座に密着させる構造であるため、弁動作が極低圧で動作可能となる。
又、磁石と鉄含有球体とは、接触することがない距離、即ち、最接近時でも鉄含有球体と磁石が距離を保つように距離をおくので、鉄含有球体が磁化することがなく、球体の弁座に対する吸着力が低下することがない。即ち、鉄含有球体と、弁座並びに磁石は電気的に絶縁され、又、鉄含有球体の運動距離も小さいので、一時磁性体である鉄含有球体が磁化しにくく、このため、弁座への吸着力は安定し、経年変化しにくい。
又、前記気密検査装置(請求項5又は6)において、前記磁石をシリンダの軸方向に移動させて、磁石と、鉄含有球体及び弁座との離隔距離を調整するための離隔調整手段が設けられている態様(請求項7)がある。
このように、離隔調整手段を設けることにより、鉄含有球体を弁座に吸着して密着保持させるための磁力を、鉄含有球体と磁石との微妙な距離関係の調整によって調整することができ、弁動作が極低圧で動作可能となるし、被使用装置の動作上要求される動作しきい値に的確に調整することができる。
又、前記気密検査装置(請求項5又は6又は7)において、前記磁石の取り付け位置を調整するためのスペーサが設けられている態様(請求項8)がある。
このように、スペーサを設けると、磁石の取り付け位置を調整でき、磁石による鉄含有球体に対する吸着力を調整できる。
又、前記気密検査装置(請求項5〜8のいずれか)において、弁室内に開口された排気口の内面に、鉄含有球体の移動距離を大きくするための凹部が形成されている態様(請求項9)がある。
このように、凹部を形成すると、前記離隔調整手段による調整幅を広く取ることができる。
又、前記気密検査装置(請求項5〜9のいずれか)において、弁座から離反した鉄含有球体が排気口を閉塞するのを防止するために、前記排気口の内面に排気路に連通する通気溝が形成されている態様(請求項10)がある。
異常圧力によって大きな通気量が瞬間的に生じて、鉄含有球体が弁座から離反したとき、鉄含有球体によって排気口が閉塞されることがある。このように排気口が閉塞されると、異常圧力を逃がすことができなくなり、被使用装置側にトラブルが生じてしまう。
そこで、通気溝を設けることによって、鉄含有球体によって排気口が閉塞されたとしても、異常圧力を、この通気溝を介して排気路に逃がすことができる。
尚、鉄含有球体の表面を防蝕加工(例えば、テフロン加工、ニッケルコバルトメッキなどのメッキ加工)すると、鉄含有球体球体の錆び付きや表面が汚損するのを防止できるし、鉄含有球体の移動に伴う磁石粉末の生成を予防することができる。
この場合、鉄含有球体として、低質ステンレス鋼球によるベアリング球などの表面不動能化防蝕層を有する材質が好ましい。
尚、鉄含有球体は、磁性体にも変化する一時磁石であり、軟質(ソフト)磁性材料である。
又、弁座にフッ化ゴムによるパッキンを装着させると、鉄含有球体と弁座との気密性を確保でき、弁座と鉄含有球体との接触抵抗の軽減や耐油性による劣化予防などの効果が得られ、しきい値による動作が精密な弁構造にできる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例より説明する。
図1は気密検査装置の1実施例を示す全体図、図2は気密検査装置に設けた圧力取込ケーシング部分の断面図、図3は気密検査装置に設けた水受け器の断面図である。
本実施例の気密検査装置Aは、水蒸気移動制御装置Sを備えた箱体Kの内部の気密状態を検査するためのもので、微弱な圧力をかけることによって、水蒸気移動制御装置Sの膜体Mや箱体Kにストレスを加えることなく、しかも高感度で精度よく箱体Kの気密状態を検査して、箱体Kの破損や膜体Mの破れ等を原因とした気密の漏洩を発見することができるようにしたものである。
尚、箱体Kとしては、例えば、鉄塔やビルの屋上に設置されている電源キュービクル、制御ボックス、スイッチボックス、このほか配電ボックスや一定の閉路を有する空間が内部に形成された箱体等を想定している。
前記水蒸気移動制御装置Sは、3枚の膜体M,M,M(膜体を総称する場合は図面の符号Mとする)によって2個の小室R,Rが通気口N,N間に区画形成され、この両通気口N,N間で水蒸気の移動を制御するものとなっている。即ち、一方の通気口Nを外気に開放し、他方の通気口Nを箱体Kの内部に接続する状態にして使用されるもので、前記各膜体M,M,Mの通気度及び透湿度の傾斜を活用して、外気と箱体Kの温度変動速度により、箱体Kの内部を除湿又は加湿(調湿)するように水蒸気の移動を制御する。
尚、この水蒸気移動制御装置Sとしては、周囲の温度変動のみを駆動源とするタイプと、周囲の温度変動に加えて微小電力で作動する機器(例えば、ベルチェ素子付与型、駆動ファン内蔵型、ヒータ内蔵型、振動圧付与型)を単独あるいは組み合わせて駆動源とするタイプとがあり、この両タイプを適用することができる。
後者のタイプでは、水蒸気が装置内部から拡散して調湿対象である閉鎖空間の反調湿現象が発生しないように、温度変動を利用しながら、その目的とする機能の反対の方向への水蒸気移動を阻止するのに有効である。
又、この水蒸気移動制御装置Sの箱体Kに対する取付位置は、箱体Kの上面下面、側面のいずれでもよく、状況に応じて適宜に決定する。
次に、気密検査装置Aの構成を説明する。
図1、図2において、1は圧力取込ケーシングで、透明な合成樹脂により内部に圧力緩衝空間10が形成された円柱形のケーシングに形成されている。この圧力取込ケーシング1には、中心線C(直線)上に配置されるように、下端面中央部に下端接続口11が形成され、上端面中央部に上端接続口12が形成されている。
又、側面に側面接続口13が形成され、この側面接続口13は、圧力緩衝空間10の底面よりも高さTを持った位置に形成されている。
又、14はドレン口で、開閉弁15を備えたドレン管路16が取り付けられ、このドレン管路16の先端には、逆止弁17が取り付けられている。
この逆止弁17は、後述するダイヤフラムポンプ43の始動による排水の逆流を防ぐためと、気密検査装置Aの温度変化による排水の逆流を防ぐために設けたもので、この逆止弁17を設けることにより、排水は一方向にしか流れず、排水の逆流を防ぐことができる。
前記圧力取込ケーシング1の上端接続口12には、フレキシブルホースによる下流側送気路18の基端がコネクタ19を介して着脱可能に接続され、この下流側送気路18の先端には、箱体Kの内部から流下した水を受け止めるための水受け器2が設けられている。
前記上端接続口12は、通常時は密閉状態に保たれ、気密検査にも使用することが可能である。上端接続口12にコネクタ19を装着した時は、上端接続口12が開放して下流側送気路18は連通状態となる。
尚、気密検査の前段階として、上端接続口12を密封すると共に、開閉弁15を開放させ、この状態で気密検査装置Aを作動させることにより、各配管系や差圧計54の内部を乾燥させ、内部の湿気を除去させることができる。
前記水受け器2は、図3に示すように、透明な合成樹脂により形成された円筒体20の上端に上側接続筒21を介して上端キャップ22が取り付けられ、円筒体20の下端に下側接続筒23を介して下端キャップ24が取り付けられ、前記上端キャップ22に接続プラグ25が突設され、下端キャップ24に下流側送気路18の先端が接続されている。
前記接続プラグ25は、箱体Kの底面に取り付けたソケット26にワンタッチで着脱可能に形成されるもので、このソケット26は、常時は弁体27により密封状態に閉鎖され、接続プラグ25をソケット26に嵌着させると、弁体27が解放して箱体Kの内部と円筒体20の内部が連通するようになっている。
又、前記下側接続筒23の側面には開口部28が形成され、この開口部28を開閉するカバー筒29が前記下側接続筒23の外周に上下摺動可能に嵌合されている。このカバー筒29は、常時は下降状態で開口部28を閉鎖し、円筒体20の内部に受け止めた水を排出する際には、上昇させて開口部28を解放させるようになっている。
又、前記下端キャップ24には、円筒体20の内部において上方に延長した延長管30が設けられ、この延長管30の上端部に形成した連通口31が円筒体20の内部に開口されると共に、この連通口31を覆うように、延長管30の上端に防水カバー32が取り付けられている。
従って、接続プラグ25をソケット26に嵌着させると、箱体Kの内部と円筒体20の内部が連通し、そして、この円筒体20の内部と延長管30とが連通口31を介して連通すると共に、延長管30と下流側送気路18とが連通しているため、下流側送気路18と箱体Kの内部が一連に連通して気体の流通を確保することができる。
又、防水カバー32を設けているため、連通口31からの水の侵入を防止でき、延長管30及び下流側送気路18への水の侵入を防止することができる。
又、前記圧力取込ケーシング1には、上流側送気路41を介して気体注入装置42が接続されている。
この気体注入装置42としては、微弱な圧力で空気を吐出送気するダイヤフラムポンプ43が用いられ、このダイヤフラムポンプ43の吐出口44に上流側送気路41の基端が接続され、上流側送気路41の先端が圧力取込ケーシング1の下端接続口11に接続されている。
この場合、前記上流側送気路41の先端管部45は、その先端口46が下流側送気路18の基端部内部に開口するように、圧力緩衝空間10内を通り過ぎて下流側送気路18の基端部に挿入されている。
前記ダイヤフラムポンプ43は、電動モータ47に連結されており、この電動モータ47は、バッテリーを電源として作動するようになっている。そこで、バッテリーの消耗を予防するために、一定時間何ら操作スイッチ(後述するスタートスイッチ203など)が入り切りの操作が行なわれないときには、オートパワーオフ回路を用いて、例えば、5〜10分経過後に主電源が自動的に切断されるようにしてもよい。このときの時間設定は、任意に変更することができる。
尚、このダイヤフラムポンプ43は、安価で、構造簡単で、送気量が多いため、本発明の気密検査装置に好適に使用できるが、これ以外に遠心ポンプ等を使用することもできる。
又、ダイヤフラムポンプ43及び電動モータ47は、駆動ケーシング48内に収容され、この駆動ケーシング48の吸気口49には、空気乾燥手段としてのシリカゲルケーシング5が送気管路50を介して接続されている。この送気管路50は、シリカゲルケーシング5の適宜位置に接続させることができる。
このシリカゲルケーシング5は、気密検査装置Aを多湿環境時でも使用できるようにするためのもので、ダイヤフラムポンプ43の吸気側に内部にシリカゲルを収納したシリカゲルケーシング5を接続し、外気が高湿度にある場合でも一定の水蒸気圧による乾燥空気を通気することにより、検査結果が安定して得られるように配慮したものである。
水蒸気圧は、最も温度変化に敏感で影響しやすいので、気密性の検査には影響しやすいことになる。そこで、シリカゲルケーシング5を付けない場合には検査ができないようにリードスイッチ221を設けている。このリードスイッチ221は、シリカゲルケーシング5の適宜位置に取り付けることができる。
又、シリカゲルケーシング5は、シリカゲルの劣化を確認できるように、透明ケーシングで形成されており、シリカゲルが吸湿状態にあって交換を要する場合には、通常は青色のシリカゲルがピンク色に変色する細粒を含むのが好ましい。
シリカゲルケーシング5を装着しない場合には、測定ができないが、シリカゲルを抜いた空のケーシングを装着したままの状態でも測定を行うことができる。ただし、この場合、気密検査装置A内の管路の通気は一定の湿度以下に保たれていることはない。気密検査装置A内の管路を乾燥させるためには、シリカゲルケーシング5を、青色の細粒の正規の乾燥したシリカゲルで満たし、通気運転を行う必要がある。
箱体K側や水蒸気移動制御装置Sが湿潤しているとき、与圧することにより、箱体Kや水蒸気移動制御装置S内の水蒸気は濃度変化を生じるので、箱体K側や水蒸気移動制御装置S内が湿潤状態にない時に比べて、気密性検査は高くなる場合もあれば、温度変化によっては次第に内部圧力の下降が発生する場合がある。そこで、与圧量を上げ、検査の所要時間を短縮することができる。
又、前記圧力取込ケーシング1の側面接続口13には、戻側圧力取込路52が中心線Cに対し直角に分岐するように接続され、又、前記上流側送気路41には往側圧力取込路53が分岐するように接続され、この往側圧力取込路53と戻側圧力取込路52との間に差圧計54が接続されている。尚、前記戻側圧力取込路52は、中心線Cに対し角度を持って分岐するように接続してもよく、この場合の角度は、中心線Cに対し30°〜90°の範囲が好ましい。
尚、圧力取込ケーシング1の上端接続口12には、保護キャップ55が着脱可能に取り付けられている。
又、この保護キャップ55は、防塵、及び衝撃からの保護を目的として取り付けられるもので、取り外し状態での脱落を防止するために、チエン56等によって本体ケーシング57に取り付けられている。
又、前記送気管路50から分岐した外気交通路58が3方弁59を介して戻側圧力取込路52に接続されている。この3方弁59を切り替えることによって、圧力取込ケーシング1の側面接続口13と差圧計54とが戻側圧力取込路52によって連通する状態と、送気管路50と差圧計54とが外気交通路58を介して連通する状態とに切替えることができる。
従って、箱体Kの容量が大容量の場合、3方弁59の切替えによって送気管路50からの外気を外気交通路58により差圧計54に取り込んで、その時の値を初期値として、以後の測定の基準値として用いるようにすれば、ポンプの故障や配管異常時の目安とすることができるし、計測時間の短縮を図ることができる。
又、前記上流側送気路41には、往側圧力取込路53よりも上流側に圧力安全弁が設けられている。
この圧力安全弁の特徴としては、圧力の動作しきい値が例えば5cm水柱のような低い値で動作させることができ、又、1m〜1.5m水中のような高い圧力まで調節して変化でき、かつ長期にわたる使用によっても、動作しきい値となる圧力条件は変化しにくく、劣化速度が遅く安定して使用することができる。
又、本発明の気密検査装置Aを用いて、水蒸気移動正制御装置S自体の破損や性能劣化を検査するために、図1仮想線で示すように、測定口付き仮封蓋S1を水蒸気移動制御装置Sの箱体内側又は外気側に装着して、この測定口付き仮封蓋S1に設けた測定口S10を介して水受け器2または上端接続口12などの下流側送気路18に接続コネクタを用いて接続させることができる。
又、箱体側の機密検査を補助するために、水蒸気移動制御装置Sを仮封する場合もある。即ち、水蒸気移動制御装置S自体に破損が生じているか、施工中の過程にあって箱体Kの気密を確保するための通線経路などの気密施工の過程には水蒸気移動制御装置Sを仮封した方が簡便である。そこで、このような場合には、図1破線で示すように、仮封蓋S2を水蒸気移動制御装置Sの箱体内側又は外気側に装着して、気密検査を簡素化することができる。尚、仮封蓋S2を水蒸気移動制御装置Sの外気側に装着することによって、水蒸気移動制御装置Sの膜体M,Mの破損や劣化を確認することができる。
この圧力安全弁の構成を説明する。
図4は第1実施例の圧力安全弁V1を示す断面図、図5(イ)、(ロ)、図6(イ)、(ロ)、図7(イ)、(ロ)は鉄含有球体と弁座との離反・密着状態を示す断面図、図8及び図9はパッキンの弁座に対する取り付け構造の例を示す断面図である。図10は弁室に形成した通気溝を示す斜視図である。
図4において、60はシリンダで、通気側シリンダ61と、排気側シリンダ62を備え、前記通気側シリンダ61のネジ穴61aに排気側シリンダ62のネジ部62aに螺合させることで一体に連結されている。
この通気側シリンダ61と、排気側シリンダ62は、透明合成樹脂(アクリル、ポリカーボネート等)により形成され、内部の状態が見え、水滴(結露)の付着や錆びや汚れ等、鉄含有球体75の状態を確認することができるようになっている。その他、防カビ材を含有する合成樹脂や耐紫外線性の合成樹脂を用いることができるし、シリンダ60に日除けを設けたり、耐熱材で覆ったりして保護してもよい。
前記通気側シリンダ61は、その中心に組み付け穴64が形成され、この組み付け穴64には、内部が通気路65に形成された通気管66がシリンダ60の軸方向に取り付けられている。
前記通気路65の上端は屈曲可能なチューブ67及び弁管路68によって上流側送気路41に連通され、他方、下端の通気口69は弁室70内に開口され、その通気口69を囲む状態に前記通気管66の下端面に弁座71が形成されている。
又、前記通気側シリンダ61の通気路65の途中には、空気濾過手段としてのフイルタ72が装着されており、前記組み付け穴64に螺合させたエンド部材73を着脱することによってフイルタ72の交換ができるようになっている。
尚、前記弁座71は、図5で示すように、通気路65の通気口69の内縁に沿うようにリング状のパッキン74が装着されている形態のもの、図6に示すように、通気管66の外縁に沿うようにリング状のパッキン74が装着されている形態のもの、図7に示すように、通気管66の下端面を凹面に形成しただけのものがある。この場合、弁体としての鉄含有球体75との密着を確保しながら、鉄含有球体75との付着防止を図る上で、図5で示す形態が最も好ましい。
尚、前記図5、図6、図7において、(イ)は鉄含有球体75が弁座71から離反した状態を示し、(ロ)は鉄含有球体75が弁座71に密着した状態を示している。
尚、弁座71を形成する通気管66の材料については、透磁体が用いられるもので、例えば、テフロン材やステンレス材、銅、真鍮、セラミックなどが考えられる。これらの材質の中でも、真鍮は加工性もよく、耐触性もよいが、低質のステンレス素材では、強度上、好ましいが、一時磁性体(一時磁石)となることがあり、一時磁石となる可能性がある材質は、通気管66には好ましくない。また、弁座71を形成する通気管66には耐油性が要求され、腐蝕しにくい物質を選択する必要がある。
又、鉄含有球体75の動作圧力の誤差を軽減し、微圧動作を確実にするためには、弁座71への鉄含有球体75の密着と、パッキン74との離反が容易かつ確実に行なわれるように、パッキン74の材質を選択する必要がある。
前記リング状のパッキン74の材質としては、耐候性を考慮し、高温に耐え、耐油性に富む物質を選択する必要がある。また、空気中には、排ガスなどの油成分が浮遊していることがあり、このような汚損された空気も弁座71を汚すことがある。
そこで、パッキン74に用いられる材質として、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(VMQ)、フッ素ゴム(FKM)などが用いられるが、このなかでも、フッ素ゴム(FKM)が最も適している。
又、図8及び図9はパッキンの弁座に対する取り付け構造の例を示す断面図である。
図8では、パッキンとして断面楕円形のパッキン76が用いられ、図9では、パッキンとして中程に切欠部が形成されたリップパッキン77が用いられている。
鉄含有球体75が弁座71から離反する場合、鉄含有球体75がパッキン76,77に引っ付いてしまうことがある。そこで、図に示すように、パッキン76,77の嵌合溝78にアンダーカット部79を形成して、鉄含有球体75とパッキン76,77との引っ着きを防止するようにしている。
又、パッキン76,77の外径は嵌合溝78の内径よりも大径に形成され、これにより、パッキン76,77と嵌合溝と78を接着剤等で接着させることなく密着させてシール性を確保するようにしている。
図4で示すように、前記排気側シリンダ62の中心には、前記通気路65と一直線になるように排気路80が形成され、この排気路80の下端は大気に開放され、他方、上端の排気口81は前記弁室70内に開口されている。
尚、前記排気側シリンダ62の上端面には、弁室70の内面を形成する半円形凹部82が排気路80の排気口81を囲む状態に形成され、この半円形凹部82の上端縁がテーパ面83に面取りされている。
又、前記排気側シリンダ62の排気路80の途中には、空気濾過手段としてのフイルタ84が装着されており、排気側シリンダ62の下端に螺合させたエンド部材85を着脱することによってフイルタ84の交換ができるようになっている。
前記弁室70内には、弁体としての鉄含有球体75が収容され、この鉄含有球体75は、常時は弁座71に密着した状態に保持されて通気路65と排気路80との連通を遮断させ、一方、被使用装置(箱体K)に異常圧力が生じると、弁座71から離反して通気路65と排気路80を連通させるように形成されている。
前記鉄含有球体75の表面は、防蝕加工(例えば、テフロン加工)されており、これにより、鉄含有球体75の錆び付きや表面が汚損するのを防止できるし、鉄含有球体75の移動に伴う磁石粉末の生成を予防することができる。
この場合、鉄含有球体75として、低質ステンレス鋼球によるベアリング球などの表面不動能化防蝕層を有する材質が好ましい。
尚、鉄含有球体75は、磁性体にも変化する一時磁石であり、軟質(ソフト)磁性材料である。
尚、前記弁座71から離反した鉄含有球体75が排気口81を閉塞するのを防止するために、図10に示すように、前記弁室70の内面である半円形凹部82からテーパ面83にかけての部分に排気路80に連通する通気溝86が、排気側シリンダ62に直接加工して形成されている。
そして、前記鉄含有球体75を前記弁座71に密着した状態に保持させる手段として磁石87(永久磁石)が用いられている。
この磁石87は、前記鉄含有球体75を弁座71に吸着して密着保持させるための磁力が、前記箱体Kに取り付けた水蒸気移動制御装置Sの動作上要求される動作しきい値に調整されている。
又、前記磁石87は、前記鉄含有球体75が弁座71に密着した状態において、鉄含有球体75及び弁座71から離隔をおいて配置されている。
この場合、通気側シリンダ61の内部に形成したシリンダ穴61bに、2個のリング状の磁石87,87を重ねた状態で、前記通気管66との間に隙を保持して嵌め込むことにより、磁石87と、鉄含有球体75及び弁座71との間に離隔を設けるようにしている。
又、前記磁石87には、この磁石87をシリンダ60の軸方向に移動させて、磁石87と、鉄含有球体75及び弁座71との離隔距離を調整するための離隔調整手段が設けられている。
この離隔調整手段としては、シリンダ穴61bの奥部にスプリング88を設けて、このスプリング88により前記磁石87を常時は、排気側シリンダ62に対向する方向(図面では下向き)に介在部材87aを介して付勢させるようにしている。
そして、前記排気側シリンダ62の通気側シリンダ61に対するネジ部62aとネジ穴61aとの螺合を利用して離隔距離を調整するもので、この場合、排気側シリンダ62を後退方向(図面では下向き)に緩めていくと、前記スプリング88により付勢されて磁石87が下向きに移動し、磁石87が鉄含有球体75及び弁座71に近づき、鉄含有球体75に対して磁力を強く作用させることができる。
他方、排気側シリンダ62を前進方向(図面では上向き)に締めていくと、前記スプリング88により抗して磁石87が上向きに移動し、磁石87が鉄含有球体75及び弁座71から離れて、鉄含有球体75に対して磁力を弱く作用させることができる。
このように、離隔距離の調整、すなわち、限度圧力の調整は、排気側シリンダ62を締めたり、緩めたりすることで行なわれるため、その調整度合いを目視によって確認できるように、排気側シリンダ62及び通気側シリンダ61に、離隔距離を限度圧力に換算した目盛89,89を表示するようにしている。この場合の目盛89,89としては、距離測定具としてのノギスで用いられているような副尺目盛を用いるのが、正確な調整を行うためにも好ましい。このほか、目盛の表示として、取り付ける箱体Kの容積や使用する地域の平均温度帯域を表示して、簡便な調整を施すようにしてもよい。
このような弁機構では、鉄含有球体75が弁座71に接触する磁力強度や鉄含有球体75の自重により密着力が大きく影響を受ける。
そこで、鉄含有球体75と磁石87との距離を大きく変化させる必要があり、このため、前記したように、弁室70の内面に半円形凹部82を形成しておくと、鉄含有球体75の移動範囲が広くなり、その分、離隔調整手段による離隔距離の調整幅を大きく取ることができる。
次に、図11は第2実施例の圧力安全弁を示す断面図である。
この圧力安全弁V2では、前記第1実施例のように、通気側シリンダ61の内部に形成したシリンダ穴に磁石87を嵌め込むと同時に、排気側シリンダ62の内部にも磁石87cを取り付けて、この両磁石87,87cを同一の磁極(図面では、S極同士)が対向するように配置している。
このように、同一の磁極を対向させる状態で、鉄含有球体75の上下に磁石87,87cを配置させると、図で示すように、磁力線に歪みが生じて鉄含有球体75を抱き込むようになるため、鉄含有球体75に対して磁力を確実に作用させて、確実に作動させることができる。
尚、その他の構成は、前記第1実施例と同様である。
次に、図12は第3実施例の圧力安全弁を示す断面図である。
この圧力安全弁V3では、磁石87は、前記鉄含有球体75が弁座71に密着した状態において、鉄含有球体75及び弁座71から離隔をおいて配置されているが、この場合、通気側シリンダ61の内部に形成したシリンダ穴61bに、1個のリング状の磁石87を、前記通気管66との管に隙を保持して嵌め込むと共に、この磁石87と介在部材87aの間にスペーサ87bを取り付けることで、磁石87と、鉄含有球体75との間隔を調整できるようにしている。
すなわち、スペーサ87bの高さを変更させることにより、磁石87の取り付け位置(鉄含有球体75との間隔)を調整でき、磁石87による鉄含有球体75に対する吸着力を調整できる。
尚、その他の構成及び作用は、前記第1実施例の圧力安全弁V1と同様である。
本実施例の圧力安全弁は、本体ケーシング57に天地反転可能に取り付けられている。
この場合、本体ケーシング57の外側面に固定プレート100を取り付け、この固定プレート100及び本体ケーシング57の側壁を貫通して反転ケース101が天地反転可能に軸支され、この反転ケース101内に圧力安全弁V1が取り付けられている。
又、固定プレート100及び本体ケーシング57の側壁を貫通して連通管102が設けられると共に、前記反転ケース101には、この連通管102を貫通させる半円弧長穴によるガイド穴103が形成されている。なお、反転ケース101の外面は、透明板104により閉鎖され、この透明板104を通して内部が見えるようになっている。
前記連通管102は下流側送気路5に弁管路68を介して接続されると共に、前記チューブ67によって圧力安全弁V1の通気路65に連通されている。
従って、反転ケース101を支軸104を中心として回転させると、この反転ケース101は、ガイド穴103が連通管102によってガイドされながら180°反転し、圧力安全弁V1を天地反転させることができる。
尚、圧力安全弁V1の天地位置は、係止装置105により位置決めできるようになっている。この係止装置105は、図13に示すように、前記支軸104に設けたフランジ106の外周180°位置に係止凹部107,107を形成し、一方、この係止凹部107に係合させる係止ローラ108をテコ腕109に取り付けて、このテコ腕109に取り付けたスプリング110より、係止ローラ108を係止凹部107に係合させる状態に付勢させるようになっている。
前記反転ケース101を図1の状態から180度天地半転させると、圧力安全弁V1が図4の状態から天地反転して、鉄含有球体75の自重が弁座71に加わるため、この鉄含有球体75の重量を考慮に入れて磁石87の吸着力を調整する必要がある。
圧力安全弁V1は、弁を構成する鉄含有球体75と磁石87との上下の位置関係により,感応しきい値や応答圧力に差が発生する。圧力安全弁V1が図4の状態から天地反転して、鉄含有球体75が磁石87より上にある時は、鉄含有球体75の自重により感応しきい値は高くなり、一方、図4に示すように、磁石87が上方で鉄含有球体75が下方にあるときは、感応しきい値は低くなりやすい。そこで、この上下の位置関係による感応しきい値の差を活用して、気密検査や調湿装置の検査を行うことができるように、圧力安全弁V1の上下の位置関係を180°天地反転させ、変更できるようにした。
通常は、図4に示すように、鉄含有球体75が磁石87の下方に配置されるように設定するので、同じ方向で測定を行えば、箱体Kへの与圧量は小さくなりやすい。他方、圧力安全弁V1の鉄含有球体75が磁石87の上方に位置する場合には、箱体Kへの与圧量は高くなりやすい。この差は、後述する図18のグラフで示した差分と考えられる。
又、箱体Kが大きな容積を持つ場合や、気密に疑問がある場合には与圧量を大きくした方が検査時間を短縮できるが、水蒸気移動制御装置Sに対する負担は大きくなる。逆に水蒸気移動制御装置Sが装着されていない場合や箱体Kの気密に疑問がある場合には、適した検査方法となる。水蒸気移動制御装置Sの経年劣化に対して、残る耐力を検査したり、初期設定時の機能確認に用いることができる。一方、同じ方向の配置による検査では、与圧量は小さいので,容積の小さな箱体Kでの検査に有用である。
尚、本発明の実施例において、磁石87の磁力は、鉄含有球体75の重量を、約5gとして、約30.8gf/cm程度の永久磁石を用いた事例として、図4、図11、図12を示した。この他、磁石の磁力を強化したり、逆に減弱したものを用いることができるる。
又、磁石(磁性材料)の材質としては、Alnico R−Co;Baフェライトによる硬質磁性材料や、Fe−Si;Mn−Znフェライトによる軟質磁性材料を用いることができるが、硬質磁性材料が好ましい。
尚、本発明において、水蒸気移動制御装置や気密性検査装置等、箱体や圧力安全弁の各構成部材に防カビ樹脂を用いたり、その表面に防ガビ剤や撥水剤を使用することができるし、適宜の部位(特に、圧力安全弁の通気路)などに、温度指示塗料を塗布して、異常温度になったら表示するようにしてもよい。
尚、本発明の気密検査装置Aにおいて、前記上流側送気路41、下流側送気路18、往側圧力取込路53、戻側圧力取込路52、送気管路50、外気交通路58等の配管、前記チューブ67等は、耐熱性(耐寒:−50℃〜+50℃、耐熱:−30℃〜+80℃)を有するものを用いるのが好ましい。材質としては、吸水性が無い、例えば、塩化ビニル、軟質塩化ビニル等を使用するとよい。
図18は本発明の圧力安全弁の限度圧力の試験結果をグラフで示した図である。
線C1:2個の磁石87,87を鉄含有球体75の下方に配置した場合の限度圧力(図4の第1実施例の状態から天地反転させた状態)
線C2:1個の磁石87を鉄含有球体75の上方にスペーサ87bを介して配置した場合の限度圧力(図12の第3実施例の状態)
線C3:1個の磁石87を鉄含有球体75の下方にスペーサ79を介して配置した場合の限度圧力
線C4:2個の磁石87,87を鉄含有球体75の上方に配置した場合(図4の第1実施例の状態)の限度圧力
線C5:1個の磁石87を鉄含有球体75の上方及び下方に配置した時の限度圧力
この図では、磁石87が鉄含有球体75に近づいている時には、限度圧力が高く、磁石87が鉄含有球体75から離れていくと、限度圧力が低くなっていくことが判る。
従って、離隔調整手段によって、磁石87と、鉄含有球体75及び弁座71との離隔距離を調整したり、又、スペーサ87bによって、磁石87の取り付け位置(鉄含有球体75との間隔)を調整することにより、磁石87による鉄含有球体75への吸着力を調整できることが、この図によって理解できる。
尚、磁石87による鉄含有球体75への吸着力の調整を容易にするためには、磁石87が鉄含有球体75から離れていくにしたがって、限度圧力が次第に低くなっていくのが好ましく、この点では、図18において、線C3、線C4、線C5の形態が好ましいといえる。
このように、本発明の圧力安全弁は、水蒸気移動制御装置の設定時に使用する気密性検査装置などの、内部の局部的な異常圧力が発生した場合に、この異常圧力を逃がすことができる。
又、磁石87による鉄含有球体75への吸着力を調整できるため、圧力安全弁の限度圧力を調整できるもので、従って、例えば、水蒸気移動制御装置としては、所定の規格による1種類の水蒸気移動制御装置を作り、この際、圧力安全弁の限度圧力を調整すれば、1種類の水蒸気移動制御装置をサイズや設置環境や材質が異なる条件の箱体に適用することができる。
この場合の水蒸気移動制御装置として、図19で示すように、膜体の安全使用範囲Lよりも更に内側の範囲L1内で圧力安全弁が作動するようにしてもよいし、又、破壊しうる与圧範囲L2内であれば、安全使用範囲Lを越える範囲で圧力安全弁が作動するようにしてもよい。
従って、上記のように構成した圧力安全弁では、水蒸気や空気の移動の境界部の破壊や急速な劣化による水蒸気移動特性の変化に伴う水蒸気移動制御装置、加湿装置、除湿装置、およびこれらの設定時に使用する気密性検査装置などの、内部の局部的な異常圧力が発生した場合に、この異常圧力を逃がして、膜の破損を防止することができる。
又、磁石87が鉄含有球体75及び弁座71と離隔を保つので、磁石87に付着することがある磁石粉末や被磁性吸引物質(鉄粉など)によって、鉄含有球体75の表面が汚損されることを予防し、鉄含有球体75の移動によって生じる磁石粉末の生成を予防することができる。
又、磁石87の損耗や鉄含有球体75の損耗によって発生した切削粉が、磁石87に吸着されるため、弁座71と鉄含有球体75との気密性を妨げることがない。
又、磁力を用いて、鉄含有球体75を弁座71に密着させる構造であるため、弁動作が極低圧で動作可能となる。
又、磁石87と鉄含有球体75とは、接触することがない距離、即ち、最接近時でも鉄含有球体75と磁石87が距離を保つように距離をおくので、鉄含有球体75が磁化することがなく、鉄含有球体75の弁座71に対する吸着力が低下することがない。即ち、鉄含有球体75と、弁座71並びに磁石87は電気的に絶縁され、又、鉄含有球体75の運動距離も小さいので、一時磁性体である鉄含有球体75が磁化しにくく、このため、弁座71への吸着力は安定し、経年変化しにくい。
又、空気濾過手段としてのフイルタ72,84を設けているので、外気からの外来の被磁性吸引物質(鉄粉等)などの汚損物質(空気中の汚染物質として排気ガスオイル、塵埃、小動物など)や磁石に87付着することがある磁石粉末や磁性吸引物質(鉄粉など)が、弁室70内に侵入するのを防止できる。
離隔調整手段を設けているので、鉄含有球体75を弁座71に吸着して密着保持させるための磁力を、鉄含有球体75と磁石87との微妙な距離関係の調整によって調整することができ、弁動作が極低圧で動作可能となるし、被使用装置の動作上要求される動作しきい値に的確に調整することができる。
又、スペーサ87bを設けると、磁石87の取り付け位置を調整でき、磁石87による鉄含有球体75に対する吸着力を調整できるし、半円形凹部82を形成させているので、離隔調整手段による調整幅を広く取ることができる。又、通気溝86を設けているので、鉄含有球体75によって排気口81が閉塞されたとしても、異常圧力を、この通気溝86を介して排気路80に逃がすことができる。
更に、鉄含有球体75の表面を防蝕加工させているので、鉄含有球体75の錆び付きや表面が汚損するのを防止できるし、鉄含有球体75の移動に伴う磁石粉末の生成を予防することができる。
弁座71にフッ化ゴムによるパッキンを装着させているので、鉄含有球体75と弁座71との気密性を確保でき、弁座71と鉄含有球体75との接触抵抗の軽減や耐油性による劣化予防などの効果が得られ、精密な弁構造にできる。
本実施例の気密検査装置Aには、図14に示すように、その外側面に操作部200が設けられている。
この操作部200には、電源スイッチ201、照明スイッチ202、スタートスイッチ203、ブザースイッチ204、電圧切換スイッチ205、差圧計表示部206、タイマー設定ダイヤル207が設けられている。
尚、208はバッテリー収納部である。
本実施例の気密検査装置Aは、作業者が携帯可能な本体ケーシング57内に組み込まれている。
この本体ケーシング57は、強化プラスチック製であり、断熱構造に形成するのが好ましい。
この本体ケーシング57の外側面には、磁石210等の取付手段が設けられ、この取付手段によって、測定場所(例えば、鉄塔)における固定部材(例えば、鉄塔柱や梁等)に取り付けることができるようにしている。
尚、図示省略したが、本体ケーシングの適宜内面や圧力取込ケーシング1の下面等、適宜の場所にサーモペイントが施され、各部品が異常過熱した場合に、このサーモペイントの変色によって、その異常過熱を発見し易くしている。
又、各配管に用いるパイプ材として、その内面に防カビ材を塗布したり、防カビ材を含浸したパイプ材を用いることができる。
又、本体ケーシング57に水蒸気移動制御装置を取り付けてもよく、これにより、気密検査装置Aの内部(本体ケーシング57の内部)の湿度調整を行なうことができる。
本体ケーシング57内には、傾斜スイッチ211が取り付けられ、本体ケーシング57が一定の角度を越えて取り付けられた場合に、振り子212が振れ限度を越えて傾斜してスイッチが入り、気密検査装置Aの駆動を停止するようになっている。
この傾斜スイッチ211は気密検査装置Aの傾斜が正規の傾き範囲内にあることを検出するためのものである。
尚、この傾斜スイッチ211は、振り子212で作動するため、その持ち運びに際し、振り子212が振れ動いてスイッチ本体等に衝突し、図15のように振り子が屈曲等、変形して正確な判別ができなくなることがある。
そこで、図16に示すように、振り子212の振れ動きをロック装置213に固定できるようにしている。このロック装置213は、手動ダイヤル214を往復回転させることで、クランクバー215を介してロックバー216を往復移動させ、図に示すように、このロックバー216の前進によって振り子212を固定させ、逆に、気密検査を行なう場合には、ロックバー216を後退させて振り子212の固定を解除させるようになっている。
次に、図17に示すブロック図により、気密検査装置Aの電気部品の制御回路を説明する。
まず、電源制御回路220は、リードスイッチ221を操作することでリレードライバ230を介してリレー231を動作させる事により電源部232から各回路への電源を制御する。
傾斜スイッチ211、リミットスイッチ233を設ける事により異常時に電源部232から各回路への電源を遮断できる。
この電源制御回路220の主要部品であるリードスイッチ221は、シリカゲルケーシング5に取り付けられ、通過空気の乾燥剤挿入時のみ各回路への電源を供給するために設けた。
又、傾斜スイッチ211は測定状態が正しい姿勢時の時のみ各回路への電源を供給するためのもので、本体ケーシング57内に取り付けられている。
又、リミットスイッチ233は圧力安全弁V1の方向が正しい姿勢時の時のみ各回路への電源を供給するためのもので、前記図13で示したテコ腕109の作動に連動し、圧力安全弁V1が上向き、或いは下向きの適正位置に位置決めされた状態でのみONする。
次に、時限タイマーリレー回路240は、秒数設定部(タイマー設定ダイヤル207)を設定してスタートスイッチ203を操作する事でタイマーIC242、リレードライバ243を介してリレー244を動作させる事により電源部232からリレードライバ245への電源を制御する。そして、LED246を設ける事によりリレー244を動作させたことを視覚的に確認できる。
この時限タイマーリレー回路240の主要部品である秒数設定部(タイマー設定ダイヤル207)は、箱体Kの容積と圧送空気の量における関係により設定できるようにしたもので、操作部200に設けられている。
リレー244はダイヤフラムポンプ43及び本体ケーシング57内に設けたブザー247の動作を制御する。
次に、ロータリースイッチ250は、前記タイマー設定ダイヤル207を設定する際に同時にポンプ電圧設定部251を設定するもので、電圧切換スイッチ205を操作することでポンプ電圧設定部251に依存しない一定電圧に変更できる。
このロータリースイッチ250は、これを使用することでタイマー設定ダイヤル207、ポンプ電圧設定部251を同時に設定し、箱体容積と圧送空気の量における関係が一動作により設定可能であると共に測定時間の短縮が可能にするために設けた。
電圧切換スイッチ205は、タイマー設定ダイヤル207の設定はそのままにポンプ電圧設定部251に依存しない一定電圧に切換を行い、箱体容積と圧送空気の量における関係を任意に設定できるように設けた。
次に、微小電流増幅回路260は、リレー261を介したアナログ出力部262の出力を増幅回路263、リレードライバ264を介してリレー265を動作させることにより、電源部232からリレードライバ245への電源を制御する。なお、LED266を設ける事によりリレー265を動作させた事を視覚的に確認できる。
微小電流増幅回路260の主要部品であるリレー265はダイヤフラムポンプ43、ブザー247の動作を制御する。
次に、差圧計54の差圧の値を用いてリレードライバ271を介してリレー261を動作させることによりアナログ出力部262から増幅回路263への出力を制御する。
この差圧計54の主要部品であるリレー261はアナログ出力を制御する。
ダイヤフラムポンプ43及びブザー247ついては、リレードライバ245を介してリレー248を動作させることにより、電源部232からダイヤフラムポンプ43、ブザー247への電源を制御する。
ブザースイッチ204を操作することでリレー248に依存せずにブザー247の動作を制御できる。
ダイヤフラムポンプ43は箱体内に空気を圧送するために設けた。このダイヤフラムポンプ43の回転速度については、一定速度でもよいし、又、箱体の容量に応じ、例えば、容量が大きくなるほど回転速度を増加させるように調整できるようにすれば、検査時間の短縮を図ることができる。尚、一定速度の場合には、本気密検査装置の機能テストに用いることができる。
又、ブザー247は聴覚的に圧力増加、測定終了を確認できるように設けた。
次に、EL回路280は、照明スイッチ202を操作することでインバータ281を介してEL板282(シート状照光板)の動作を制御する。
このEL回路280の主要部品であるEL板282は通気路内に水分が入っていないかを暗闇内でも確認できるように設けた。
次に、電源スイッチ201は、箱体の容量に応じて電源部232から回路全体への電源を制御することができるように切り換えることができるし、この電源スイッチ201を操作することで同時に秒数設定部(タイマー設定ダイヤル207)も設定できるようになっている。
尚、電源制御回路220の検出に関連した傾斜スイッチ211、リミットスイッチ233、スタートスイッチ203等については、動作点検用、又は測定を簡略にするためのジャンパースイッチを設けてもよい。
本実施例の気密検査装置Aを使用するには、箱体Kに設けたソケット26に水受け器2の上端に設けた接続プラグ25を嵌着させ、この状態で、電動モータ47によりダイヤフラムポンプ43を作動させる。
このダイヤフラムポンプ43から送気される往側気体は、上流側送気路41から下流側送気路18を経て箱体Kの内部に送気され、この箱体K及び下流側送気路18の内部から反射した戻側気体は下流側送気路18から圧力緩衝空間10を経て戻側圧力取込路52から差圧計54に取り込まれる。
そして、この戻側圧力取込路52から差圧計54に取り込まれた戻側気体の圧力P2と、前記往側圧力取込路53から差圧計54に取り込まれた往側気体の圧力P1との差圧を差圧計54によって計測することで、箱体Kの気密状態を検査することになる。
この場合、戻側圧力取込路52から差圧計54に取り込んだ戻側気体の圧力P2と、前記往側圧力取込路53から差圧計54に取り込んだ往側気体の圧力P1との差圧を計測した結果、往側気体の圧力P1が戻側気体の圧力P2よりも大きいと(P1>P2)、箱体K又は膜体Mに破損が有って気密が漏洩していると認定し、又、往側気体の圧力P1と戻側気体の圧力P2とがほぼ同一の場合には(P1≒P2)、気密が保持されていると認定することになる。
尚、差圧計54には、気密保持状態(P1≒P2)では、正常を表すランプが点灯し、又、一定時間経過後にタイマリレーでダイヤフラムポンプ43の電動モータ47に停止信号が出力され、ダイヤフラムポンプ43を停止させるようになっている。又、異常圧力を一定時間以上検出したときにも、停止信号が出力され、ダイヤフラムポンプ43を停止させるようになっている。
又、差圧計54が故障しているような場合、ダイヤフラムポンプ43の電動モータ47への停止信号が出力されず、箱体Kや膜体Mへの過剰な与圧を生じてしまうことがある。そこで、このような過剰な与圧によって圧力安全弁V1が開くもので、この圧力安全弁V1の開放によって箱体Kの気密が保持されていると認定することができる。逆に箱体Kの気密が漏洩しているときは、そこから圧力の漏れが生じるため、圧力安全弁V1の開放はなく、このように、差圧計54が故障している場合には、圧力安全弁V1の開閉によって箱体Kの気密状態を検査することができる。
上記のように、本実施例の気密検査装置Aでは、ダイヤフラムポンプ43によって微弱な圧力をかけることから、水蒸気移動制御装置Sの膜体Mや箱体Kにストレスを加えることないし、しかも差圧計54を用いたので、測定しきい値が低くなり、高感度で精度よく箱体Kの気密状態を検査して、箱体Kの破損や膜体Mの破れ等を原因とした気密の漏洩を発見することができる。
特に、上流側送気路41の先端管部45を、その先端口46が下流側送気路18の基端部内部に開口するように、圧力緩衝空間10内を通り過ぎて下流側送気路18の基端部に挿入したので、往側気体と戻側気体とが圧力緩衝空間10内で干渉し合うことによる乱流や空気振動の干渉波を防止できるし、更に、戻側圧力取込路52を、中心線Cに対し角度(直角)を持って分岐するように接続したので、ダイヤフラムポンプ43による脈動の影響を避けて戻側気体の圧力を圧力緩衝空間10から静かに差圧計54に取り込むことができ、差圧計54による測定を高精度で行なうことができる。
尚、戻側圧力取込路52の基端側や圧力取込ケーシング1の圧力緩衝空間10内にサイレンサ(例えば、邪魔板構造)を設けるようにしてもよい。
又、下流側送気路18の先端に水受け器2を設けているため、箱体Kの内部に雨水等の水が溜まっているような状態で、気密検査装置Aを使用しても、箱体Kから流下する水は直ちに水受け器2の内部に受け止められ、装置の内部に水が侵入したり、感電事故を招くといったトラブルを防止することができる。
水受け器2を設けているにもかかわらず、下流側送気路18と箱体Kの内部が一連に連通しているため、水を受け止めながら、気体の流通を確保することができ、気密検査装置Aによる箱体Kの気密検査を支障なく行なうことができる。
又、水受け器2及び圧力取込ケーシング1が透明であるため、検査時の状態を目視によって確認することができる。
又、圧力安全弁V1を設けているので、異常圧力を逃がすことができ、機能不全、差圧計54やダイヤフラムポンプ43等の装置各部の破損を回避できる。
産業上の利用可能性
以上説明してきたように、本発明の気密検査装置(請求項1)によれば、差圧計を用いたので、微弱な圧力を測定でき、水蒸気移動制御装置の膜体や箱体にストレスを加えることなく、しかも高感度で精度よく箱体の気密状態を検査して、箱体の破損や膜体の破れ等を原因とした気密の漏洩を発見することができる。
特に、上流側送気路の先端管部を、その先端口が下流側送気路の基端部内部に開口するように、圧力緩衝空間内を通り過ぎて下流側送気路の基端部に挿入したので、往側気体と戻側気体とが圧力緩衝空間内で干渉し合うことによる乱流を防止できるし、更に、戻側圧力取込路を、中心線に対し角度(直角)を持って分岐するように接続したので、ダイヤフラムポンプによる脈動の影響を避けて戻側気体の圧力を圧力緩衝空間から静かに差圧計に取り込むことができ、差圧計による測定を高精度で行なうことができる。
又、本発明の気密検査装置(請求項2)によれば、加えて、箱体の内部に水が溜まっているような場合での検査に際し、箱体から流下する水を水受け器によって直ちに受け止めることができ、装置の内部に水が侵入したり、感電事故を招くといったトラブルを防止することができる。
又、本発明の気密検査装置(請求項4)によれば、気体注入装置の吸気側に空気乾燥手段を設けたので、外気が高湿度にある場合でも一定の水蒸気圧による乾燥空気を通気することができ、安定した検査結果を得ることができる。
又、本発明の気密検査装置(請求項5)によれば、圧力安全弁を設けたので、異常圧力を逃がすことができ、機能不全、差圧計やダイヤフラムポンプ等の装置各部の破損を回避できる。
又、本発明の気密検査装置(請求項6)によれば、圧力安全弁に関して、磁石が鉄含有球体及び弁座と離隔を保つので、磁石に付着することがある磁石粉末や被磁性吸引物質(鉄粉など)によって、鉄含有球体の表面が汚損されることを予防し、球体の移動によって生じる磁石粉末の生成を予防することができる。
又、磁石の損耗や鉄含有球体の損耗によって発生した切削粉が、磁石に吸着されるため、弁座と鉄含有球体との気密性を妨げることがない。
又、磁力を用いて、鉄含有球体を弁座に密着させる構造であるため、弁動作が極低圧で動作可能となる。
又、磁石と鉄含有球体とは、接触することがない距離、即ち、最接近時でも鉄含有球体と磁石が距離を保つように距離をおくので、鉄含有球体が磁化することがなく、球体の弁座に対する吸着力が低下することがない。即ち、鉄含有球体と、弁座並びに磁石は電気的に絶縁され、又、鉄含有球体の運動距離も小さいので、一時磁性体である鉄含有球体が磁化しにくく、このため、弁座への吸着力は安定し、経年変化しにくい。
又、本発明の気密検査装置(請求項7)によれば、圧力安全弁に関して、離隔調整手段を設けたので、鉄含有球体を弁座に吸着して密着保持させるための磁力を、鉄含有球体と磁石との微妙な距離関係の調整によって調整することができ、弁動作が極低圧で動作可能となるし、被使用装置の動作上要求される動作しきい値に的確に調整することができる。
又、本発明の気密検査装置(請求項8)によれば、圧力安全弁に関して、スペーサを設けたので、磁石の取り付け位置を調整でき、磁石による鉄含有球体に対する吸着力を調整できる。
又、本発明の気密検査装置(請求項9)によれば、圧力安全弁に関して、凹部(円形凹部)を形成したので、離隔調整手段による調整幅を広く取ることができる。
又、本発明の気密検査装置(請求項10)によれば、圧力安全弁に関して、通気溝を設けたので、鉄含有球体によって排気口が閉塞されたとしても、異常圧力を、この通気溝を介して排気路に逃がすことができる。
【図面の簡単な説明】
図1は気密検査装置の1実施例を示す全体概略図である。
図2はこの気密検査装置に設けた圧力取込ケーシング部分の断面図である。
図3はこの気密検査装置に設けた水受け器の断面図である。
図4はこの気密検査装置に設けた圧力安全弁を示す断面図である。
図5は圧力安全弁における鉄含有球体と弁座との離反・密着状態を示す断面図である。
図6は圧力安全弁における鉄含有球体と弁座との離反・密着状態を示す断面図である。
図7は圧力安全弁における鉄含有球体と弁座との離反・密着状態を示す断面図である。
図8は圧力安全弁におけるパッキンの弁座に対する取り付け構造の例を示す断面図である。
図9は圧力安全弁におけるパッキンの弁座に対する取り付け構造の例を示す断面図である。
図10は圧力安全弁における弁室に形成した通気溝を示す斜視図である。
図11は第2実施例の圧力安全弁を示す断面図である。
図12は第3実施例の圧力安全弁を示す断面図である。
図13は気密検査装置に設けた圧力安全弁を天地位置に位置決めするための係止装置を示す説明図である。
図14は気密検査装置に設けた操作部の説明図である。
図15は気密検査装置に設けた傾斜スイッチの振り子が曲げ変形した状態の説明図である。
図16は気密検査装置に設けた傾斜スイッチの振り子をロックするためのロック装置を示す説明図である。
図17は気密検査装置の電気部品の制御回路を示すブロック図である。
図18は低水圧試験装置を用いた圧力安全弁の限度圧力試験の結果をグラフで示した図である。
図19は箱体に加わる圧力を日変化で示した図である。
図20は従来の気密検査装置を示す図である。

Claims (10)

  1. 一方の通気口が被検査体である箱体の内部に連通され、他方の通気口が大気に開放され、前記二つの通気口間に複数の小室が通気性及び透湿性を有する膜体によって区画形成されて、両通気口間での水蒸気の移動を制御する水蒸気移動制御装置を備えている箱体を対象とした気密検査装置であって、
    内部に圧力緩衝空間が形成された圧力取込ケーシングと、
    先端が圧力取込ケーシングに接続され、基端が気体注入装置に接続された上流側送気路と、
    先端に前記箱体との接続金具が設けられ、基端が前記圧力取込ケーシングに接続された下流側送気路と、
    前記上流側送気路から分岐した往側圧力取込路と、前記圧力取込ケーシングから分岐した戻側圧力取込路との間に接続された差圧計とを備え、
    前記上流側送気路と下流側送気路とは直線上に配置した状態で圧力取込ケーシングに接続されると共に、上流側送気路の先端管部は、その先端口が下流側送気路の基端部内部に開口するように、圧力緩衝空間内を通り過ぎて下流側送気路の基端部に挿入され、
    前記戻側圧力取込路は、前記上流側送気路と下流側送気路とが配置された直線に対し角度を持つように分岐して圧力取込ケーシングに接続され、
    前記気体注入装置から送気される往側気体を上流側送気路から下流側送気路を経て箱体の内部に送気すると共に、この箱体の内部から反射した戻側気体を下流側送気路から圧力緩衝空間を経て前記戻側圧力取込路から差圧計に取り込み、
    この戻側圧力取込路から差圧計に取り込んだ戻側気体の圧力と、前記往側圧力取込路から差圧計に取り込んだ往側気体の圧力との差圧を計測することを特徴とした水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置。
  2. 請求項1記載の気密検査装置において、前記下流側送気路の先端に、箱体の内部から流下した水を受け止めるために水受け器が設けられている水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置。
  3. 請求項1又は2記載の気密検査装置において、前記戻側圧力取込路は、前記上流側送気路と下流側送気路とが配置された直線に対し直角に分岐するように圧力取込ケーシングに接続されている水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置。
  4. 請求項1又は2又は3記載の気密検査装置において、前記気体注入装置の吸気側に空気乾燥手段が設けられている水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置。
  5. 請求項1又は2又は3又は4記載の気密検査装置において、前記上流側送気路から分岐した通気路に圧力安全弁が設けられている水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置。
  6. 請求項5記載の気密検査装置において、
    前記圧力安全弁は、一端が前記上流側送気路に接続されると共に他端の通気口が弁室内に開口された通気路と、一端が大気に連通されると共に他端の排気口が弁室内に開口された排気路とがシリンダー内に該シリンダーの軸方向に形成され、
    前記弁室内に弁体としての鉄含有球体が収容され、この鉄含有球体が、常時は前記通気口を囲む状態に形成された弁座に密着した状態に保持されて通気路と排気路との連通を遮断させ、一方、被使用装置に異常圧力が生じると、弁座から離反して通気路と排気路を連通させるように形成された圧力安全弁であって、
    前記鉄含有球体を前記弁座に密着した状態に保持させる手段として磁石が用いられ、
    この磁石は、前記鉄含有球体が弁座に密着した状態において、鉄含有球体及び弁座から離隔をおいて配置され、
    前記鉄含有球体を弁座に吸着して密着保持させるための磁力が、前記被使用装置の動作上要求される動作しきい値に調整されている水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置。
  7. 請求項5又は6記載の気密検査装置において、前記磁石をシリンダの軸方向に移動させて、磁石と、鉄含有球体及び弁座との離隔距離を調整するための離隔調整手段が設けられている水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置。
  8. 請求項5又は6又は7記載の気密検査装置において、前記磁石の取り付け位置を調整するためのスペーサが設けられている水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載の気密検査装置において、弁室内に開口された排気口の内面に、鉄含有球体の移動距離を大きくするための凹部が形成されている水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置。
  10. 請求項5〜9のいずれかに記載の気密検査装置において、弁座から離反した鉄含有球体が排気口を閉塞するのを防止するために、前記排気口の内面に排気路に連通する通気溝が形成されている水蒸気移動制御装置を備えた箱体の気密検査装置。
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