JP4063864B2 - 興奮性毒性に関連した中枢神経系の急性ならびに慢性障害に有用な、神経保護、神経栄養、ならびに抗炎症作用を有するn−アシルアルキルアミンのグルコシド誘導体 - Google Patents

興奮性毒性に関連した中枢神経系の急性ならびに慢性障害に有用な、神経保護、神経栄養、ならびに抗炎症作用を有するn−アシルアルキルアミンのグルコシド誘導体 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、興奮性アミノ酸によって誘導された毒性に関連した中枢神経系の疾患を治療するにあたって治療上の活性なN−アシルアルキルアミンのグルコシド誘導体に関する。
従来技術の開示
周知のように、神経系は、洗練された介在ニューロンの連絡回路網であり、外からの情報を神経系の内部にもたらし、そこで統合する。
神経系が機能上担っている役割や複雑さゆえに、中枢神経系の障害は、症状がしばしば重篤なため、障害の性質と、罹患者の年齢が往々にして低いことから、多大な臨床上の重要性ならびに社会的インパクトを有している。
大脳の損傷に引き続いて生じる神経変性事象の順序は、個々の事象の病因論的特性に左右されるものの、共通の最終結果はニューロンの死である。したがって、有意かつ正しい治療のアプローチは、中枢神経系(CNS)の急性ならびに慢性の神経変性状態の分野で望ましいとされるようになっているアプローチは、神経を保護することであり、この用語は、ニューロンの死に至る一連の事象の中に薬理学的に介入するという戦術をいう。このパラダイムでは、薬物は、細胞毒性の事象とそれに続くニューロンの平衡状態を変化させる病原病毒を抑制できなければならない。
さらに、こうした薬理学的介入は、病原病毒に対する適応反応、すなわち、ニューロンの可塑性として知られている現象を促進することによって、修復過程を助長しうるはずである。
1950年代の終わりにかけて、いくつかのアミノ酸が、中枢神経系の一個のニューロンを興奮させうるという証拠が得られ、特に、L−グルタミン酸とL−アスパラギン酸は、それらが中枢神経系で神経伝達物質の役割を果たしているアミノ酸であることが特定された。その後、興奮性アミノ酸(EAA)の競合的ならびに非競合的な拮抗物質が開発、使用されるようになるにしたがって、こうした物質の生物学的作用が、いくつかの受容体によって仲介されていることが例証されるようになった。
こうした受容体は、通常、外来の拮抗物質に鑑みて、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体、キスカル酸受容体、ならびにカイニン酸受容体と称されている。特に、グルタミン酸は、特定の受容体を活性化を介して作用するものであり、それらの受容体は、薬理学的にならびに機能的に3つのクラスにさらに分類される:すなわち、Gタンパク質と結合しており、キスカル酸によって活性化され、ホスファチジルイノシトールの加水分解と機能的に関連した代謝親和性の受容体;ナトリウムに対して選択性のイオンチャネルと関連しており、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソキサゾール−プロピオン酸(AMPA)と称されるグルタミン酸類似体によって活性化される受容体;ナトリウムとカルシウムの双方に対して透過性のカチオンチャネルと関連しており、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)感受性である受容体である。NMDA受容体の反応は、アロステリックモジュレーション部位と称される特定の部位に作用する物質、たとえばグリシンによっても影響をうけることがあり、グリシンは、たとえ低濃度であってもNMDAに対する反応を促す一方、カイニン酸やキスカル酸に対する反応には影響を及ぼさない。逆にいえば、アスパラギン酸の作用は、NMDA受容体によって、特別に仲介されている。
生理学的条件下では、興奮性アミノ酸(EAA)は、行動ならびに認知現象(学習および記憶)といったものの基礎となるニューロンの可塑性の各種過程、そして運動機能における興奮性シナプス伝達を仲介する。
しかし、生理的なニューロンの脱分極を仲介している、その同じ興奮性アミノ酸が、ニューロンの損傷の原因である可能性もある:すなわち、NMDA型ならびに非NMDA型の興奮性アミノ酸受容体に対する長期にわたる多量の刺激によって、中枢神経系のニューロンの死を生じる可能性がある。こうした細胞毒性の基盤となる単数または複数の機構は、極めて複雑で、ニューロンの脱分極化、シナプスの腫脹、イオン・ホメオスタシスの変化、すなわちカルシウム流入量の増大、ならびにセカンドメッセンジャーの潜在的活性化が関与している。
NMDA受容体への過度の刺激との少なくとも部分的な相関が、いくつかの証拠によって、急性の事象、たとえば虚血性低酸素症、脳卒中(stroke)、低血糖症、てんかん、周産期酸素欠乏症、脳および脊髄の損傷、慢性的変性状態、たとえばハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、パーキンソン病や他の形態の痴呆に引き続いて生じる神経学的損傷(J.W. Olney, ”Excitotoxic Amino Acids and Neuropsychiatric Disorders”, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol., 30: 47-71. 1990)、ならびにウイルス性疾患(たとえばHIV−1感染症(AIDS))と関連して生じる神経学的欠損において指摘されており、ウイルス性疾患関連の神経学的欠損との相関に関しては、興奮性アミノ酸、特にキノリン酸が、直接の病因の役割を果たしていることが報告されている(M.P. Heyesら, ”Quinolinic Acid in Cerebrospinal Fluid and Serum in HIV-1 Infection: Relationship to Clinical and Neurological Status”. Ann. Neurol., 29: 202-209, 1991)。こうした病的状態としては、神経ラチリズム、筋萎縮性側索硬化症、ならびに脳橋の変性があること(J.W. Olney, 前掲, 1990)も指摘しておく価値がある。さらに最近の研究では、L−グルタミン酸が視床下部のニューロンレベルの一次興奮伝達物質であることが例証されており、したがって、視床下部のホメオスタシスならびに視床下部のホメオスタシスに依拠している各種過程で上記神経伝達物質が果たしている主要な役割が指摘されている(A.N. Van den Pol and P.Q. Trombley, The J. of Neuroscience, 13(7): 2829-2836, 1993)。
したがって、上記の疾患の根底にある病態・生理学的機構には、グルタミン酸受容体によって仲介される興奮過程に介入しうる合理的な治療方法によって、積極的な影響を及ぼすことも可能だということになる。一方、ニューロンの可塑性、ひいてはニューロンの修復は、神経栄養物質によってきわどくに制御されている。こうした線からすると、正しい治療のアプローチは、また、前神経栄養効果を促進するものでなくてはならない。
こうした状況にもとづいて、以下の治療アプローチが開発されている。
i)競合的ならびに非競合的なNMDA受容体の拮抗物質、たとえばMK−801。この物質は、当初は、鎮痙薬として考えられていたものであるが、その後、虚血性の損傷の誘導時にin vivoで投与を行った場合には、虚血性の損傷を防止しうるものであることが見いだされた。
ii)カルシウム拮抗物質。カルシウムチャネルの遮断作用、ひいては細胞へのカルシウム流入量の低下ゆえに有用である。しかし、このクラスの分子が、L−グルタミン酸による興奮毒性に対して何ら直接的な作用を及ぼすものではないことには、注意すべきである。
iii)神経栄養物質、たとえばガングリオシド、特にモノシアロガングリオシドGM1、ならびにN−アセチルスフィンゴシンを含有するその単一鎖の半合成誘導体。この物質は、酸素欠乏性−虚血性の損傷を抑制しうるものであり、in vitroでは、L−グルタミン酸による興奮毒性刺激にさらされる際に、こうした物質で前処理および/または同時処理を行った場合に、興奮性アミノ酸によるニューロンの一次培養の損傷を抑制しうるものである。
以上に提示した治療法のうち、カルシウム拮抗物質を使用する治療法は、包括的、非特異的な作用が、まちがいなく限定されたものとなる。逆に、NMDA受容体の拮抗物質を使用した場合には、精神性の副作用を生じ、同時に、認知ならびに記憶の過程に関連した生理学的に重要な可塑機能に欠陥が生じる可能性があり、この物質の臨床的な開発ならびに使用を阻んできたのもこうした要因であった。ガングリオシドの場合は、こうしたケースとは異なり、上述の神経変性過程を調節する薬理活性が卓越しており、また多数記載されているので、臨床試験で相当の関心を呼び起こしている(A. Caroleiら, ”Monosialganglioside in Cerebral Ischemia”, Cerebrovascular and Brain Metabolism Reviews, 3, 134-157, 1991)。
神経保護機構として記載されている機構の一つは、GM1ならびにその誘導体が、プロテインキナーゼC(PKC)の移動に作用することと結びついており、こうした作用の結果、カルシウムが蓄積し、カルシウム依存性プロテアーゼ、たとえばリパーゼならびにプロテアーゼの活性化などの事象に関連した一連の生化学的事象が誘導され、こうした事象がニューロンの死に際しての最終的な作用要因となっている可能性がある。実際、ニューロンの培養をL−グルタミン酸に過度に暴露した後に、プロテインキナーゼCの移動が相当増大し、そしてそれにともなって、細胞質ゾルのCa+2が長期にわたって過度に上昇し、そうした傾向が、L−グルタミン酸を除去し、グルタミン酸受容体遮断物質を適用した後でさえも持続することが実証されている(H. Manevら, ”Glutamate induced Neuronal Death in Primary Cultures of Cerebellar Granule Cells: Protection by Synthetic Derivatives of Endogenous Sphingolipids', J. PET. 252(1): 419-427, 1990)。
スフィンゴシンならびにその誘導体が、強力かつ可逆的なPKC阻害物質であることも知られている(J.A. Hannun and R.M. Bell, ”Lysosphingolipids inhibit Protein Kinase C: Implication for the Sphingolipidase”, Science, 235: 670-674, 1987)。したがって、PKCの活性化の阻害能は、ガングリオシド(GM1、GT1b,GD1a,およびGD1b)、GM1誘導体、スフィンゴシンに共通の性質である。しかし、スフィンゴシンの細胞毒性に関連したいくつかの側面(ガングリオシドにはないが、いくつかのガングリオシドの誘導体には限られた範囲で存在していると思われる側面)については、上記のガングリオシドのリゾ誘導体で、さらに調べてみることが必要である(H. Manevら, 前掲, 1990)。
上記分子に特徴的な生物学的作用が、無傷の分子それ自体によって誘導されるのか、それとも活性な代謝産物が細胞内で産生されることによって誘導されるのかについては、まだわかっていない。実際、GM1のリゾ誘導体が、経口投与された場合であっても、ニューロンの損傷を抑制する能力を有していることをめぐっての実験事実からは(J.S. Schneider and L. Di Stefano, ”Liga 20 increases striatal dopamine levels in aged MPTP-treated mice refractory to GM1 ganglioside treatment”, NeuroReport. 5: 103-104, 1993)、ガングリオシド/リゾ誘導体の代謝産物が薬理活性を有している可能性があること、そして、そうした活性では、スフィンゴシンとその構造的類似物質が何らかの役割を果たしている可能性があることが示唆される。
発明の開示
驚くべきことに、合成によって得られた新規なN−アシルアルキルアミンのグリコシド誘導体が、興奮性アミノ酸によって誘導される細胞毒性に対する保護作用を、L−グルタミン酸への暴露前(前治療)、暴露中(同時治療)、なかんずく暴露後(後治療)にこの誘導体を加えた場合でも、有意な固有の障害を呈することなく奏しうることが見いだされた。
したがって、本発明は、式(I):
Figure 0004063864
のN−アシルアルキルアミンの単糖、二糖、ならびに三糖誘導体に関するものであり、式中のR1は、1−24個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状脂肪族モノカルボン酸(1つ以上のアミン、アルコール、もしくはケトンの残基、複素環式基、脂環式基、または多環式基で置換されていてもよい)の基であるか;
3−24個の炭素原子を含む芳香族または複素環式モノカルボン酸基であるか;あるいは
2−24個の炭素原子を含む飽和または不飽和の脂肪族、アリール脂肪族(araliphatic)、芳香族または複素環式ジカルボン酸(1つ以上のアミン、アルコール、あるいはケトンの残基で置換されていてもよい)の基であり;
2は、Hまたは1つのヒドロキシル基で置換されていてもよい直鎖状または分枝状C1−C8脂肪族基であるか;あるいはアリール脂肪族または芳香族基であり;
3は、1−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアレキレン鎖(1つ以上のアリール基で置換されていてもよい)であるか;あるいは7−10個の炭素原子を含むアリールアルキレン(aralkylene)鎖であり;
nは0または1、mは1または2、n+mは2であり;
あるいはR2とR3は窒素原子と一緒になって4−7員環を形成し、該環は、1以上のカルボキシル基で置換されていてもよく、また、共有結合で酸素と結合していてもよく;
4は、グルコシド結合で前の分子部分に結合した糖部分であり、ここで糖部分は、単糖、二糖、または三糖由来であり、この糖のヒドロキシル基は、アセチル基、硫酸基、またはリン酸基でエステル化されるか、および/または、1以上のアミン残基(任意にN−アシル化されていてもよい)で置換され、かくしてアミノサッカライドとなっている。
本発明はまた、興奮性アミノ酸受容体への長期にわたる刺激によって仲介される細胞毒性と直接的または間接的に関連した急性および慢性の神経系疾患を治療するにあたって、本発明のグルコシド誘導体を使用すること、ならびに、本発明のグルコシド誘導体を活性成分として含有する医薬組成物に関するものである。
発明の詳細な説明
以下の詳細な説明では、興奮障害性刺激によって誘導されるニューロン死現象を防止する活性を有しており、興奮性アミノ酸受容体への限度を超えた長期にわたる刺激に関連した疾患に対して有用であり、以下で「N−アシルグルカミド」と総称する新規なN−アシルアルキルアミンのグリコシド誘導体の性質ならびに利点を説明する。式(I)の誘導体では、R1がモノカルボン酸基であり、この酸は、酢酸、カプロン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ネルボン酸、アラキドン酸、ならびにそれらのヒドロキシル同族体(たとえば、ω−ヒドロキシパルミチン酸、ヒドロキシル基がアシル化されたそれらの誘導体)、それらのアミノ同族体(たとえば、γ−アミノ酪酸(GABA)およびγ−トリメチル−β−ヒドロキシブチロベタイン)、ならびにそれらのケトン同族体、安息香酸、トリメトキシ安息香酸、ニコチン酸、フェニルアントラニル酸、チオクチン(thioctic)酸、ならびにデオキシコール酸よりなる群から選ぶのが好適である。
1がジカルボン酸基であり、この酸は、フマル酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、トラウマ(traumatic)酸、マレイン酸、マロン酸、およびそれらのヒロドキシル同族体、フタル酸、葉酸、およびクロモグリシン酸よりなる群から選ぶのが好適である。
第2のカルボキシル基は、遊離していても、エステルあるいはアミドを形成していてもよい。
本発明の特定の観点では、第2カルボキシルが、第1のカルボキシルが結合するのと同様の分子部分に結合して、式(II)で表される対称な二官能性分子を形成することができる:
Figure 0004063864
式中のR2、R3、R4、n、およびmは上で定義した通りであり、R5は、上で定義したジカルボン酸基である。
2は、好ましくは、−H、−CH3、−C25、−CH2OH、および−C24OHであり、
3は、好ましくは、エチレン、プロピレン、−(CH26−、
Figure 0004063864
である。
4が単糖部分である場合には、この部分は、D−およびL−リボース、D−およびL−グルコース、D−およびL−ガラクトース、D−およびL−マンノース、D−フルクトース、D−およびL−グルコサミン、D−ガラクトサミン、およびD−マンノサミン、グルクロン酸、ならびにシアル酸(NANA)よりなる群から選ぶのが好ましく、
4が二糖部分である場合には、この部分は、ラクトース、マルトース、シアリルグルコースならびにシアリルガラクトースよりなる群から選ぶのが好ましく、R4が三糖部分である場合には、この部分は、シアリルラクトースとするのが好ましい。
本発明の化合物は、2つの異なったスキームにしたがって製造される。
一方のスキームでは、式(III):
Figure 0004063864
で、(式中、R1、R2、R3、nおよびmが上で定義した通りである)アミドを、無水の非プロトン性溶媒、好ましくは、アセトニトリル、ジクロロメタン、またはそれらの混合物中で、等モル量の反応促進剤(たとえば銀塩、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸銀)の存在下で、低温にて、反応性の糖誘導体、たとえば、α−D−アセトブロモグルコースと反応させる。α−D−アセトブロモグルコースを使用する場合には、糖のヒドロキシル上のアセチル基を、最終的にはアルコール分解によって除去する。
第二のスキームでは、
A)式R2HN−R3−OHのアミノアルコール(式中のR2およびR3が上で定義した通りである)を、強酸(たとえばメタンスルホン酸)の存在下で、窒素雰囲気中にて、任意にDMSOなどの不活性溶媒中で、糖と反応させ、
B)工程(A)で得られた反応生成物を、活性なカルボン酸誘導体(たとえば酸塩化物)でN−アシル化する。
いずれの場合でも、粗生成物は、公知の方法によって精製を行う。
こうした化合物は、生物活性が実証済みなので、神経栄養因子の作用を模するかおよび/または促進することが必須でもあり得る、興奮性アミノ酸NMDAの受容体への過度の刺激に関連した急性ならびに慢性の疾患を治療するうえで、広範な用途を有しうる。こうした疾患のうち、虚血性低酸素症、脳卒中、脳および脊髄の損傷、てんかん、TIA(一過性脳虚血発作)、神経ラチリスム、および筋萎縮性側索硬化症、ならびにハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、および原発性疾患またはウイルス疾患(たとえばHIV感染症)と関連したある種の痴呆、およびパーキンソン病が特に重要である。興奮性アミノ酸とその受容体が眼に高レベルで分布していることからすると、上記化合物は、緑内障の二次疾患である無酸素症をはじめとする網膜の損傷を治療する際にも使用しうる。
以下では、本発明の化合物のいくつかの製造例ならびに特徴を報告する。これらの例は、本発明を例示するためのものであって、本発明は、これらの例によって限定されるものではない。
次の製品(登録商標で特定する)を実施例中で用いる:セライト(Celite)(登録商標)、Dowex(登録商標)、LiChrosorb RP-18(登録商標)、Amberlyst A21(登録商標)、ポリソルベート80(Polysorbate 80)(登録商標)。
実施例1 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-パルミトイル-アミノエタノールの製造
N-(2-ヒドロキシエチル)-パルミタミド(3.0g;10mmol)を、遮光下、-30℃で、撹拌しながら無水のジクロロメタン(150ml)とアセトニトリル(150ml)とからなる混合溶媒中に懸濁させた。トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.83g;11mmol)およびα-D-アセトブロムグルコース(4.11g)を加えた後、混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過し、濾液を減圧下蒸発、乾燥した。残渣は、溶離液としてクロロホルム-メタノール-水-アンモニア(30%)、85/15/0.5/0.5、を用いてシリカゲルクロマトグラフィーをおこなった。生成物を含む画分を合わせて減圧下に蒸発、乾燥した。反応の収率は73%であった。
2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-パルミトイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例2 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-アセチル-アミノエタノールの製造
N-(2-ヒドロキシエチル)-アセトアミド(1.03g;10mmol)を、遮光下、-30℃で撹拌しながら無水のジクロロメタン(150ml)とアセトニトリル(150ml)とからなる混合溶媒中に懸濁させた。トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.83g;11mmol)およびα-D-アセトブロムグルコース(4.11g)を加えた後、混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過し、濾液を減圧下蒸発、乾燥した。残渣を無水メタノール(50ml)に溶かし、ナトリウムメトキシド(200mg)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、無水H+型の50×8 Dowex樹脂(5g)を加えた。5分間撹拌後、樹脂を濾別し、溶液を活性炭で脱色して、セライトで濾過した。濾液を減圧下に蒸発、乾燥した。残渣はLiChrosorb RP-18カラムを用い、水を溶離液としてクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含む画分を合わせて減圧下に蒸発、乾燥した。この残渣を凍結乾燥した。反応の収率は71%であった。
2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-アセチル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例3 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ドデカノイル-アミノエタノールの製造
N-(2-ヒドロキシエチル)-ドデカンアミド(3.0g;10mmol)を、遮光下、-30℃で撹拌しながら、無水のジクロロメタン(150ml)とアセトニトリル(150ml)とからなる混合溶媒中に懸濁させた。トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.83g;11mmol)およびα-D-アセトブロムグルコース(4.11g)を加えた後、混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過し、濾液を減圧下蒸発、乾燥した。残渣を無水メタノール(50ml)に溶かし、ナトリウムメトキシド(200mg)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、無水H+型の50×8 Dowex樹脂(5g)を加えた。5分間撹拌後、樹脂を濾別し、溶液を活性炭で脱色して、セライトで濾過した。濾液を減圧下に蒸発、乾燥した。残渣は、溶離液としてクロロホルム-メタノール-水-アンモニア(30%)、90/10/0.5/0.5、を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含む画分を合わせて減圧下蒸発、乾燥した。反応の収率は75%であった。
2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ドデカノイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例4 2-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-N-パルミトイル-アミノエタノールの製造
N-(2-ヒドロキシエチル)-パルミタミド(3.0g;10mmol)を、遮光下、-30℃で、撹拌しながら、無水のジクロロメタン(150ml)とアセトニトリル(150ml)とからなる混合溶媒中に懸濁させた。トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.83g;11mmol)およびα-D-アセトブロムガラクトース(4.11g)を加えた後、混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過し、濾液を減圧下蒸発、乾燥した。残渣を無水メタノール(50ml)に溶かし、ナトリウムメトキシド(200mg)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、無水H+型の50×8 Dowex樹脂(5g)を加えた。5分間撹拌した後、樹脂を濾別し、溶液を活性炭で脱色して、セライトで濾過した。濾液を減圧下に蒸発、乾燥した。残渣は、溶離液としてクロロホルム-メタノール-水-アンモニア(30%)、85/15/0.5/0.5、を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含む画分を合わせて減圧下に蒸発、乾燥した。反応の収率は77%であった。
2-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-N-パルミトイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例5 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ミリストイル-アミノエタノールの製造
N-(2-ヒドロキシエチル)−ミリストイルアミド(2.72g;10mmol)を、遮光下、-30℃で、撹拌しながら無水のジクロロメタン(150ml)とアセトニトリル(150ml)とからなる混合溶媒中に懸濁させた。トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.83g;11mmol)およびα-D-アセトブロムグルコース(4.11g)を加えた後、混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過し、濾液を減圧下に蒸発、乾燥した。残渣を無水メタノール(50ml)に溶かし、ナトリウムメトキシド(200mg)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、無水H+型の50×8 Dowex樹脂(5g)を加えた。5分間撹拌後、樹脂を濾別し、溶液を活性炭で脱色して、セライトで濾過した。濾液を減圧下に蒸発、乾燥した。残渣は、溶離液としてクロロホルム-メタノール-水-アンモニア(30%)、90/10/0.5/0.5、を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含む画分を合わせて減圧下に蒸発、乾燥した。反応の収率は76%であった。
2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ミリストイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例6 2-O-(β-D-ガラクトピラノシル)−N−ベンゾイル-アミノエタノールの製造
N-(2-ヒドロキシエチル)-ベンズアミド(1.65g;10mmol)を、遮光下、-30℃で、撹拌しながら、無水のジクロロメタン(100ml)とアセトニトリル(100ml)とからなる混合溶媒中に懸濁させた。トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.83g;11mmol)およびα-D-アセトブロムガラクトース(4.11g)を加えた後、混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過し、濾液を減圧下に蒸発、乾燥した。残渣を無水メタノール(50ml)に溶かし、ナトリウムメトキシド(200mg)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、無水H+型の50×8 Dowex樹脂(5g)を加えた。5分間撹拌後、樹脂を濾別し、溶液を活性炭で脱色して、セライトで濾過した。濾液を減圧下に蒸発、乾燥した。残渣は、溶離液としてクロロホルム-メタノール-水-アンモニア(30%)、80/20/0.5/0.5、を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含む画分を合わせて減圧下に蒸発、乾燥した。反応の収率は79%であった。
2-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-N-ベンゾイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例7 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-パルミトイル-アミノエタノールの製造
A):2-アミノエチル-β-D-グルコピラノシド塩酸塩の製造
無水D−グルコース(1.80g;10mmol)およびエタノールアミン(0.73g;12mmol)を冷却したメタンスルホン酸(3.6ml)に溶解した。混合物を室温まで加温し、窒素雰囲気下で撹拌した。24時間後、混合物を0℃に冷却し、冷水(10ml)に溶解した。過剰なメタンスルホン酸を、遊離塩基型のAmberlyst A21に吸着させた。樹脂を除去し、溶液を15mlの陰イオン交換樹脂、Cl-型の1×8 Dowexを詰めたカラムに通した。溶出液を凍結乾燥し、乾燥した残渣をエタノール-水から結晶化した。反応の収率は81%であった。
B):2-O-(β-D-グルコピラノシル)−N−パルミトイル-アミノエタノールの製造
工程(A)で得られた2-アミノエチル-β-D-グルコピラノシド塩酸塩(1.3g;5mmol)をトリエチルアミン(1.22g;12mmol)を含む、冷却したDMF(30ml)中に懸濁させた。塩化パルミトイル(1.65g)を30分間にわたって滴下した。この結果生じた溶液を室温まで加温し、さらに20時間撹拌してから、蒸発、乾燥させた。残渣は、溶離液としてクロロホルム-メタノール-水-アンモニア(30%)、85/15/0.5/0.5、を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含む画分を合わせて減圧下に蒸発、乾燥した。反応の収率は92%であった。2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-パルミトイル-アミノエタノールの物理化学的特性は実施例1で得られた生成物と一致する。
実施例8 2-O-(β-D-グルコピラノシル)−N−デカノイル-アミノエタノールの製造
2.15gのN-(2-ヒドロキシエチル)-デカノイルアミド(10mmol)を、200mlのアセトニトリル:ジクロロメタン(1:1)の無水の混合溶媒中に溶解させた。この溶液に2.83gのトリフルオロメタンスルホン酸銀(11mmol)および4.11gのα-D-アセトブロムグルコース(10mmol)を加えて、遮光下、-30℃で撹拌した。その結果得られた混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過して固形の残渣を取り除き、溶液を減圧下に蒸発、乾燥した。この残渣を50mlの無水メタノールに溶解し、200mgのナトリウムメトキシドを加えて、溶液を室温で30分間撹拌した。次いで、5gの無水スルホン酸樹脂、Dowex 50×8H+を加えた。5分後に樹脂を分離除去し、溶液は獣炭を用いて脱色後、セライトで濾過し減圧下で濃縮した。こうして得られた未精製の残渣をシリカゲルカラムにアプライして、クロロホルム-メタノール-H2O-NH3(30%)、(85/15/0.5/0.5)を用いて溶出した。目的の生成物を含む画分を集めて減圧下で濃縮した。この最終残渣を水/イソプロパノール(3:1)に溶解し、凍結乾燥した。最終反応収率は約80%であった。
2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-デカノイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例9 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ミリストオレオイル-アミノエタノールの製造
2.7gのN-(2-ヒドロキシエチル)-ミリストオレオイルアミド(10mmol)を窒素雰囲気下で、200mlのアセトニトリル:ジクロロメタン(1:1)の無水の混合溶媒中に溶解させた。この溶液に2.83gのトリフルオロメタンスルホン酸銀(11mmol)および4.11gのα-D-アセトブロムグルコース(10mmol)を加えて、遮光下、-30℃で撹拌した。その結果得られた混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過して固形の残渣を取り除き、溶液を減圧下に蒸発、乾燥した。この残渣を50mlの無水メタノールに溶解し、200mgのナトリウムメトキシドを加えて、溶液を室温で30分間撹拌した。次いで、5gの無水スルホン酸樹脂、Dowex 50×8 H+を加えた。5分後に樹脂を分離除去し、溶液は獣炭を用いて脱色後、セライトで濾過し減圧下で濃縮した。こうして得られた未精製の残渣をシリカゲルカラムにアプライして、クロロホルム-メタノール(85/15)を用いて溶出した。目的の生成物を含む画分を集めて減圧下で濃縮した。この最終残渣を水/イソプロパノール(3:1)に溶解し、凍結乾燥した。最終反応収率は約78%であった。
2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ミリストオレオイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例10 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-オレオイル-アミノエタノールの製造
3.26gのN-(2-ヒドロキシエチル)-オレオイルアミド(10mmol)を200mlのアセトニトリル:ジクロロメタン(1:1)の無水の混合溶媒中に溶解させた。この溶液に2.83gのトリフルオロメタンスルホン酸銀(11mmol)および4.11gのα-D-アセトブロムグルコース(10mmol)を加えて、遮光下、-30℃で撹拌した。その結果得られた混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過して固形の残渣を取り除き、溶液を減圧下に蒸発、乾燥した。この残渣を50mlの無水メタノールに溶解し、200mgのナトリウムメトキシドを加えて、溶液を室温で30分間撹拌した。次いで、5gの無水スルホン酸樹脂、Dowex 50×8 H+を加えた。5分後に樹脂を分離除去し、溶液は獣炭を用いて脱色後、セライトで濾過し減圧下で濃縮した。こうして得られた未精製の残渣をシリカゲルカラムにアプライして、クロロホルム-メタノール-H2O-NH3(30%)、(85/15/1/0.5)を用いて溶出した。目的の生成物を含む画分を集めて減圧下で濃縮した。この最終残渣を水/イソプロパノール(3:1)に溶解し、凍結乾燥した。最終反応収率は約80%であった。
2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-オレオイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例11 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ステアロイル-アミノエタノールの製造
3.28gのN-(2-ヒドロキシエチル)-ステアロイルアミド(10mmol)を200mlのアセトニトリル:ジクロロメタン(1:1)の無水の混合溶媒中に溶解させた。この溶液に2.83gのトリフルオロメタンスルホン酸銀(11mmol)および4.11gのα-D-アセトブロムグルコース(10mmol)を加えて、遮光下、-30℃で撹拌した。その結果得られた混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過して固形の残渣を取り除き、溶液を減圧下に蒸発、乾燥した。この残渣を50mlの無水メタノールに溶解し、200mgのナトリウムメトキシドを加えて、溶液を室温で30分間撹拌した。次いで、5gの無水スルホン酸樹脂、Dowex 50×8 H+を加えた。5分後に樹脂を分離除去し、溶液は獣炭を用いて脱色後、セライトで濾過し減圧下で濃縮した。こうして得られた未精製の残渣をシリカゲルカラムにアプライして、クロロホルム-メタノール-H2O-NH3(30%)、(85/15/0.5/0.5)を用いて溶出した。目的の生成物を含む画分を集めて減圧下で蒸発、乾燥した。最終反応収率は約82%であった。
2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ステアロイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例12 N,N'-ビス-[2-O-(β-D-グルコピラノシル)-エチル]-ノナンジアミドの製造
2.74gのN,N'-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-ノナンジアミド(10mmol)を200mlのアセトニトリル:ジクロロメタン(1:1)の無水の混合溶媒中に溶解させた。この溶液に5.66gのトリフルオロメタンスルホン酸銀(22mmol)および8.22gのα-D-アセトブロムグルコース(20mmol)を加えて、遮光下、-30℃で撹拌した。その結果得られた混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過して固形の残渣を取り除き、溶液を減圧下に蒸発、乾燥した。この残渣を50mlの無水メタノールに溶解し、200mgのナトリウムメトキシドを加えて、溶液を室温で30分間撹拌した。次いで、5gの無水スルホン酸樹脂、Dowex 50×8 H+を加えた。5分後に樹脂を分離除去し、溶液は獣炭を用いて脱色後、セライトで濾過し減圧下で濃縮した。こうして得られた未精製の残渣をシリカゲルカラムにアプライして、クロロホルム-メタノール-H2O-NH3(30%)、(65/35/4/3)を用いて溶出した。目的の生成物を含む画分を集めて減圧下で濃縮した。この最終残渣を水に溶解し、凍結乾燥した。最終反応収率は約78%であった。
N,N'-ビス-[2-O-(β-D-グルコピラノシル)-エチル]-ノナンジアミドの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例13 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-アラキドノイル-アミノエタノールの製造
3.48gのN-(2-ヒドロキシエチル)-アラキドノイルアミド(10mmol)を窒素雰囲気下で200mlのアセトニトリル:ジクロロメタン(1:1)の無水の混合溶媒中に溶解させた。この溶液に2.83gのトリフルオロメタンスルホン酸銀(11mmol)および4.11gのα-D-アセトブロムグルコース(10mmol)を加えて、遮光下、-30℃で撹拌した。その結果得られた混合物を-30℃で2時間、次いで0℃で一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過して固形の残渣を取り除き、溶液を減圧下に蒸発、乾燥した。この残渣を、窒素雰囲気下で50mlの無水メタノールに溶解し、200mgのナトリウムメトキシドを加えて、溶液を室温で30分間撹拌した。次いで、5gの無水スルホン酸樹脂、Dowex 50×8 H+を加えた。5分後に樹脂を分離除去し、溶液は獣炭を用いて脱色後、セライトで濾過し減圧下で濃縮した。こうして得られた未精製の残渣をシリカゲルカラムにアプライして、クロロホルム-メタノール-H2O-NH3(30%)、(90/10/0.5/0.5)を用いて溶出した。目的の生成物を含む画分を集めて減圧下で濃縮した。この最終残渣を95%エタノールに溶解し、窒素雰囲気下に保存した。最終反応収率は約80%であった。
2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-アラキドノイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
実施例14 2-O-(α-D-グルコピラノシル)-N-ドデカノイル-アミノエタノールの製造
3.90gのβ-D-グルコース五酢酸エステル(10mmol)と2.5gのヒドラジン酢酸塩を70mlの無水ジメチルホルムアミドに溶解した。溶液を50℃で3時間撹拌し、次いで、減圧下で蒸発乾固した。この残渣は2,3,4,6,-テトラアセチル-D-グルコースからなるが、これを50m1の無水ジクロロメタンに溶解し、5mlのトリクロロアセトニトリルおよび0.5mlの1,8-ジアザビシクロ-[5,4,0]-7-ウンデセンを加えた。この溶液を室温で1時間撹拌し、次いで、25mlの水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、減圧下で蒸発乾固した。残渣を50mlの無水ジエチルエーテルに溶解し、2.44gのN-(2-ヒドロキシエチル)-ドデカノイルアミド(10mmol)および2.22gのトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(10mmol)を加えた。この結果得られた混合物を0℃で3時間撹拌した後、減圧下で蒸発乾固した。この残渣を50mlの無水メタノールに溶解し、200mgのナトリウムメトキシドを加えて、溶液を室温で30分間撹拌した。次いで、5gの無水スルホン酸樹脂、Dowex 50×8 H+を加えた。5分後に樹脂を分離除去し、溶液は獣炭を用いて脱色した後、セライトで濾過し減圧下で濃縮した。こうして得られた粗残渣をシリカゲルカラムにアプライして、クロロホルム-メタノール-H2O-NH3(30%)、(85/15/0.5/0.5)を用いて溶出した。目的の生成物を含む画分を集めて減圧下で濃縮した。この最終的な残渣を水/イソプロパノール(3:1)に溶解し、凍結乾燥した。最終反応収率は約70%であった。
2-O-(α-D-グルコピラノシル)-N-ドデカノイル-アミノエタノールの物理化学的特性は以下の通りである。
Figure 0004063864
生物学的活性
本発明の化合物の、興奮性アミノ酸(Excitatory Amino Acids)に対する防御効果、神経栄養活性および抗原に刺激されたRBL-2H3細胞からのセロトニンの放出を減少させる能力をin vitroで評価した。
実施例1:2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-パルミトイル-アミノエタノール
実施例2:2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-アセチル-アミノエタノール
実施例3:2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ドデカノイル-アミノエタノール
実施例4:2-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-N-パルミトイル-アミノエタノール
実施例5:2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ミリストイル-アミノエタノール
実施例6:2-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-N-ベンゾイル-アミノエタノール
実施例8:2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-デカノイル-アミノエタノール
実施例9:2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ミリストオレオイル-アミノエタノール
実施例10:2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-オレオイル-アミノエタノール
実施例11:2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ステアロイル-アミノエタノール
a) 興奮性アミノ酸に誘発される神経細胞の死に対する神経防御効果についてのin vitroでの評価
材料および方法
化合物の可溶化
評価する化合物、すなわち、上記のNo.1、2、3、4、5、9および10の化合物(実施例として合成法を記載した化合物)、ジルチアゼム(Diltiazem)、MK801、および、モノシアロガングリオシドGM1をLockeの溶液に溶解し、表に示すような様々な処理法に従って所望の濃度で培地に加えて、下記のような観点で実験をおこなった。
-投与量と効果の関係
-時間と効果の関係 インキュベーションの時間(開始時間および継続時間)と神経毒の適用に対して
培養細胞の調製
生後8-9日のマウスBalb-6の小脳から培養顆粒細胞を調製した。EBMに2mMのL-グルタミン、100U/mlのペニシリン、50μg/lのゲンタマイシン、25mMのKClおよび10%のウシ胎児の血清を加えた培地に細胞を懸濁し、ポリリシン基質に蒔いて8-10日間培養した後、以下のように毒物にさらした。
i)L-グルタミン酸(100μM)、室温で30-40分間
ii)L-グルタミン酸(500μM)、室温で5分間
評価する化合物は異なる時点(毒物にさらす2時間前および毒物と同時)、または、異なる継続時間(L-グルタミン酸にさらした後5分間から60分間)でインキュベートした。その後、培養細胞を元の培地に戻し、毒興奮性刺激を与えてから24時間後に生き残った細胞の数を比色法(MTT)により決定した。
結果
表1に示されるように、本発明で実験をおこなった化合物はすべて、程度の差はあるが、投与量に対応して、L-グルタミン酸(以後Gluと記載)の神経毒性から顆粒細胞を保護する能力を有している。さらに、これらの化合物それ自体は細胞毒性を示さなかった。
これらの化合物が表2に示すように時間-効果の相関性を示す点、また、非常に短い時間のインキュベーションでも作用する点(表3参照)、さらに、異なる強さでの毒興奮性刺激の適用、すなわち、Glu100μMを30分間(表4参照)またはGlu500μMを5分間(表5および6参照)といった適用の後に加えた場合にも作用し得る点は注目に値する。N-アシルアルキルアミングルコシド誘導体はGluを除去した後にインキュベートした場合にも細胞を保護する働きがある。これに対して、受容体作動薬のMK801は、毒物と同時に処理した後のみ、少なくとも部分的に保護作用を有するが、GM1は、カルシウム拮抗薬のジルチアゼムと同様に、前述の特定の細胞毒性の実験条件においては顕著な作用を示さない(表5)。
上記の実験結果は以下のことを示している。i)細胞を保護する効果が知られているので対照として利用した化合物(MK801、GM1およびジルチアゼム)と同様に、本発明の新規のN-アシルグルカミドは前処理および同時処理において効果を有する。このことは、これらの化合物がEAA受容体の介在する細胞毒性誘導メカニズムに影響を及ぼす可能性を示している。ii)MK801、GM1およびジルチアゼムと異なり、本発明のN-アシルグルカミドはGluの後から加えたときにも(後処理)効果がある(たとえば表4における化合物No.3)。このことは、これらの化合物は、グルタミン酸塩受容体の活性化に続いて起こる現象、たとえば膜酵素の機能に対しても影響を及ぼし得るもので、これにより細胞内へのカルシウムイオンの流入を制限することを示している。
Figure 0004063864
Figure 0004063864
Figure 0004063864
Figure 0004063864
Figure 0004063864
Figure 0004063864
b)神経栄養効果の評価:アポプトーシス性神経細胞死に対する防御
材料および方法
化合物の可溶化
実施例3、5、8、9および11の化合物とGM1をDMSO 0.2%に可溶化し、所望の濃度で細胞に加えた。
細胞培養調製物
マウス(Balb6、生後8〜9日)小脳の顆粒細胞を基底イーグル培地(BEM)+10%ウシ胎児血清+25mM HCl+2mMグルタミン+100μg/mlゲンタマイシンのディッシュ上にまいてポリ/Lリシンで被覆した。まいた6〜9日後に培地を血清不含培地に換えた。KCl 25mM(対照)またはKCl 5mM±試験化合物を補充した血清不含培地中で細胞を洗浄し維持した(S.R. D'Mello et al., Induction of apoptosis in cerebellar granule neurons by low potassium: inhibition of death by insulin-like growth factor I and cAMP(低カリウムによる小脳顆粒ニューロンのアポプトーシスの誘導:インシュリン様成長因子IおよびcAMPによる細胞死の阻害)1993, PNAS 90:10989-10993)。神経細胞生存性を24時間後にMTTアッセイによって測定した。
結果
表7に示すように、本発明の試験した化合物は全てGM1と同様の強度でニューロンのアポプトーシスを減少できる。GM1は公知の栄養性薬剤である。
Figure 0004063864
c)抗炎症効果の評価:RBL−2H3細胞の下方変調(down-modulation)
材料および方法
化合物の可溶化
評価対象である実施例1、3、4および9の化合物はDMSO 0.2%に溶解し、実施例6の化合物はDMSO 1%に溶解し、100μMまたは60μMの所望の濃度で添加した。
RBL細胞培養物の調製
分泌サブライン2H3のラット好塩基球白血病細胞を、2mM L−グルタミン、100IU/mlペニシリンおよび20%(v/v)熱不活化ウシ胎児血清(FCS)を含むように補充したイーグルの最少必須培地中、37℃で静置培養した。細胞は週に2回継代接種した。
3 H]セロトニン放出アッセイ
ジニトロフェノール(DNP)ハプテンに特異的なマウスモノクローナルIgE(クローンSPE−7:Simga)を用いた。ジニトロフェニル化ヒト血清アルブミン(DNP−HSA)をこれらの実験の誘因剤(triggering agent)として用いた。結合レベルはアルブミン(Simga)1モル当たりDNP30〜40モルであった。放出アッセイの前にRBL−2H3細胞を0.5mM EDTA/リン酸アッセイ中に解離した。RBL−2H3細胞を0.5mM EDTA/リン酸緩衝溶液(PBS,pH7.2)中に解離し、直径6mmの96ウエルマイクロプレート(Falcon)に、各ウエルに50μg/mlゲンタマイシン、10%FCSおよび0.1μCiの[3H]セロトニン([5−1,2−3H(N)]ヒドロキシトリプタミン二シュウ酸塩)(26.4Ci/mmol)(New England Nuclear)を補充したRPMI−1640培地100μL中に1x105個の細胞を含むように入れ換えた。37℃で18時間インキュベートした後、培地を1ウエル当たりPIPESバッファー(25mM PIPES、100mM NaCl、5mM KCl、0.4mM MgCl2、1mM CaCl2、5.6mMグルコース、pH7.1)中に0.3μg/mlの濃度で溶かした抗−DNP IgE溶液100μLで置き換えて細胞を感受性とした(1時間、37℃)。次にIgE溶液を同じPIPESバッファー中に0.1μg/mlの濃度で溶かしたDNP−HSAを含む予め暖めておいた溶液に1ウエル当たり100μLで置き換えた。始めの研究では、これらの濃度で[3H]セロトニンの最大放出(15〜30%正味放出)を与えた。この時点で試験化合物を培養ウエルに加えた。さらに15分インキュベーションを続けた(37℃)。次に培養上清をエッペンドルフ管に回収し、遠心(4分、3000rpm)し、50μLを取って標準の液体シンチレーション法でカウントした。各ウエルの細胞内容物をPBS中に1%の濃度で溶かしたトリトンX−100溶液100μLに溶解し、50μLを上述のようにしてカウントした。[3H]セロトニン放出のパーセントを計算した。
バックグラウンド(自然)放出は通常取り込まれた全放射能活性の5%未満であり、これを刺激した放出値から差し引いた(”正味”放出)。
結果
本発明の試験した全ての化合物は同時処理して用いるときDNP−HSA刺激したマスト細胞からの[3H]セロトニン放出を阻害でき、従って表8に示すようにマスト細胞の活性化をネガティブに変調できることを示唆する。
Figure 0004063864
全体的に、本実験の結果は、本発明のN−アシルグルカミドが低濃度であってもニューロン細胞に対する興奮性アミノ酸の細胞毒性に対して特異的な防御活性をもつことを示す。
このN−アシルグルカミドはまた、NGF欠如後に交換神経ニューロンで起きることが明瞭に示されている(S.R. D'Mello, 引用参照文献)プログラム化された細胞死の1つであるアポプトーシス性ニューロン死を制限することができるので、栄養活性も有している。
さらに、本発明のN−アシルグルカミドは、外因性の刺激に対するRBL細胞の応答をネガティブに変調する能力によって示されるように、抗炎症作用も示す。
EAA毒性実験モデルにおいて、1)極めて速い効果をもつ、そして2)興奮性アミノ酸に暴露する前や同時に投与したときだけでなく、暴露の後に投与したときも活性であるので、グルタミン酸やカイニン酸受容体の活性化により媒介される神経毒性メカニズムのみでなく、受容体刺激に続くメカニズムにも影響する、という点において、N−アシルグルカミドの治療上の顕著な重要性は特筆すべきである。さらに、3)栄養支持体が欠如したときに加えても栄養因子欠失と関連するアポプトーシス性のニューロン死を制限できる能力、および4)活性化刺激と同時に加えたときの抗水腫/抗炎症効果を強調することが重要である。
さらに、本発明の化合物は有意な本質的細胞毒性を何ら示さない。
従って、本明細書に記載する誘導体は、その病因や進展が興奮性アミノ酸受容体の過剰刺激と関連するヒトおよび動物のCNS障害を急性期および慢性期の両方で治療するのに有利に使用できる。
現在可能な治療は大脳発作などの病気の急性期に制限され、ニューロン細胞死が薬理学的介在によって制限される期間に関して、極めて狭い”治療ウインドウ”しかもたない。この点において、本発明のN−アシルグルカミドが上述したようにこれらの極めて短期間のみでなく、損傷が確立してしまった後になっても作用できることは非常に重要である。さらに、本明細書で記載する実験証拠に基づいて、これらの新しい誘導体はNMDA受容体の競合的または非競合的阻害剤として作用しないので、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病やあらゆるタイプの痴呆症などの慢性疾患の治療に、生理学的受容体刺激によって誘導される神経形成性プロセスに悪影響を及ぼさず、従ってNMDA受容体阻害剤の引き起こすような臨床結果を悪化させることなく有効に使用できる。
この点において、上記の神経変性疾患は栄養因子の欠失と炎症症状の両方としばしば関連するので、本発明のN−アシルグルカミドによって示される栄養効果および抗炎症効果は特に治療上重要である。
医薬の投与量、時期および方法は疾患の型、段階および重症度により様々であることを銘記すべきである。急性低酸素性虚血症(脳卒中、脳および脊髄損傷、低血糖症、心臓血管手術と関連する大脳低酸素症)または即時かつ大量のグルタミン酸放出を誘導する疾患(癲癇や一過性虚血性発作(TIA)など−これはまた発作性神経ラチリスムの前駆症状であるが)の急性症状の治療と、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、後天性免疫不全症候群ようなウイルスの初感染または次感染による痴呆(AIDS痴呆複合症)および筋萎縮性側索硬化症などの慢性変性疾患の治療との間では区別がなされるべきである。
さらに、緑内障などの無酸素性の一次的網膜症や眼内高血圧と関連する疾患も考慮に入れることができる。上述した全ての疾患は本発明の化合物を経口および非経口で全身投与することにより都合よく治療することができるが、局所投与や経皮投与でもよい。治療量は患者の年齢および体重ならびに病気の型により0.1〜100mg/kg/日、好ましくは1〜100mg/kg/日で病気の型により様々な期間、少なくとも30日投与する。
医薬組成物には治療すべき病気に最適な形での本発明の活性成分の投与に適した医薬的に許容しうる賦形剤を含む全ての製剤を含む。全ての場合において、活性成分をできるだけ生物適合性な形にする。特に、溶液剤は静脈内、皮下および筋肉内用に、また点眼剤(collyria)または軟膏剤の形では特に眼科治療用に適している。経口製剤としては顆粒状粉末、錠剤、丸剤およびカプセルが好ましい。
実施例1:注射用バイアル
各バイアルは以下の成分を含む:
活性成分実施例No.3 10mg
賦形剤:
マンニトール 12mg
メタ重亜硫酸ナトリウム 1.3mg
ベンジルアルコール 80mg
プロピレングリコール 400mg
水酸化ナトリウム pH7.4になる量
注射用水 2mlになる量
実施例2:錠剤
錠剤1個は以下の成分を含む:
活性成分実施例No.3 50mg
賦形剤:
リン酸カルシウム二塩基性二水和物 135.2mg
微顆粒性セルロース 36mg
トウモロコシデンプン 7.2mg
ステアリン酸マグネシウム 1.8mg
水素化植物油 1.2mg
沈降シリカ 0.6mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4.68mg
二酸化チタン 0.32mg
実施例3:点眼剤(collyrium)
各ビンには以下の成分を含む:
活性成分実施例No.6 25mg
賦形剤:
硼砂 15mg
硼酸 75mg
ポリソルベート80 15mg
ラクトース 80mg
フェノール 3.9mg
EDTA二ナトリウム塩(disodium edetate) 5mg
注射用水 5mlになる量
結論として、本発明の化合物は適切に製剤化されると、急性および慢性の神経障害が直接または間接的に興奮毒性アミノ酸の興奮毒性によるか、あるいは直接または間接的にこれと関連する疾患の治療のためにヒトおよび動物で都合よく用いることができる。このような疾患とは、例えば低酸素性および/または虚血性大脳障害、TIAなどの急性または回帰性および一過性発作:脳または脊髄損傷:病因未知の神経変性障害(アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症)、または癲癇や重度の低血糖状態に伴う神経障害に由来する疾患:その一次原因が感染である神経合併症(例えば、HIV痴呆複合症):心臓血管手術または心不全によって引き起こされる低酸素状態に伴う神経合併症:網膜と一般に視覚系に関係する疾患ならびにその他の脳神経、例えば聴覚系への導入神経に関係する疾患である。神経ラチリスムなどの逆代謝(dismetabolic)剤または毒性薬剤の興奮毒性障害と関係する神経疾患も考慮に入れられる。

Claims (25)

  1. 式(I):
    Figure 0004063864
    [式中、
    R1は、1〜24個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖状脂肪族モノカルボン酸または安息香酸の基であり;
    R2は、であり;
    R3は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖状アルキレン鎖であり;
    R4は、前の分子部分とグルコシド結合で結合した糖部分であり、前記糖部分はD-およびL-グルコース、ならびにD-およびL-ガラクトースからなる群より選択され
    nは1で、mは1である]
    で表されるN-アシルアルキルアミンの糖誘導体であって、
    以下の化合物:
    2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-デカノイル-アミノエタノール;
    2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ドデカノイル-アミノエタノール;
    2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ミリストイル-アミノエタノール;
    2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-パルミトイル-アミノエタノール;
    2-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-N-パルミトイル-アミノエタノール;
    2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-デカノイル-3-アミノプロパノール;
    2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ドデカノイル-3-アミノプロパノール;
    2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ミリストイル-3-アミノプロパノール;
    2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-パルミトイル-5-アミノペンタノール;
    2-O-(α-D-グルコピラノシル)-N-デカノイル-アミノエタノール;
    2-O-(α-D-グルコピラノシル)-N-デカノイル-3-アミノプロパノール;
    を除く前記N-アシルアルキルアミンの糖誘導体。
  2. R3がエチレン、プロピレン、または-(CH2)6-である、請求項1に記載の糖誘導体。
  3. 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-アセチル-アミノエタノール。
  4. 2-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-N-ベンゾイル-アミノエタノール。
  5. 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ミリストオレオイル-アミノエタノール。
  6. 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-オレオイル-アミノエタノール。
  7. 2-O-(β-D-グルコピラノシル)-N-ステアロイル-アミノエタノール。
  8. 以下の式:
    Figure 0004063864
    (式中、R1、R2、R3、n、およびmは請求項1で定義した通りである)
    で表されるアミドと反応性糖誘導体とを、無水の非プロトン性溶媒中、等モル量の反応促進剤の存在下に低温で反応させることからなる、請求項1記載の糖誘導体の製造方法。
  9. 溶媒がアセトニトリル、ジクロロメタンまたはその混合物である、請求項8に記載の方法。
  10. 反応促進剤が銀塩である、請求項8に記載の方法。
  11. 銀塩がトリフルオロメタンスルホン酸銀である、請求項10に記載の方法。
  12. 以下の工程:
    A)式R2-NH-R3-OH(式中、R2およびR3は請求項1で定義した通りである)で表されるアミノアルコールを強酸の存在下、窒素雰囲気下で糖と反応させ;
    B)工程A)で得られた反応生成物をR1-COOH(式中、R1は請求項1で定義した通りである)の活性化誘導体を用いてN-アシル化する;
    を含んでなる、請求項1に記載の糖誘導体の製造方法。
  13. 工程A)を不活性溶媒中で行う、請求項12に記載の方法。
  14. 工程A)の強酸がメタンスルホン酸である、請求項13に記載の方法。
  15. 活性成分としての式(I):
    Figure 0004063864
    [式中、1〜24個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖状脂肪族モノカルボン酸または安息香酸の基であり;
    R2は、であり;
    R3は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖状アルキレン鎖であり;
    R4は、前の分子部分とグルコシド結合で結合した糖部分であり、前記糖部分はD-およびL-グルコース、ならびにD-およびL-ガラクトースからなる群より選択され
    nは1で、mは1である]
    で表されるN-アシルアルキルアミンの糖誘導体の少なくとも1種を適当な賦形剤および/または希釈剤とともに含む、興奮性アミノ酸受容体の過剰刺激と関連する中枢神経系の急性または慢性疾患を治療するための医薬組成物。
  16. 経口または非経口経路で投与される、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 顆粒状粉末、錠剤、丸剤またはカプセル剤の形で経口投与可能である、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 静脈内、皮下または筋肉内に投与可能である、請求項16に記載の医薬組成物。
  19. 局所または経皮経路で投与可能である、請求項15に記載の医薬組成物。
  20. 点眼剤または軟膏剤の形で眼科的使用に適した、請求項15に記載の医薬組成物。
  21. 活性成分を0.1〜100mg/kg/日の用量範囲で少なくとも30日間投与する、請求項15に記載の医薬組成物。
  22. 用量範囲が1〜30mg/kg/日である、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 前記疾患が、低酸素性虚血、脳卒中、脳および脊髄損傷、癲癇、一過性虚血性発作、神経ラチリスム、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、一次痴呆、ウイルス病原と関連する痴呆、および無酸素虚血性網膜疾患からなる群より選択される、請求項15に記載の医薬組成物。
  24. 興奮性アミノ酸受容体の過剰刺激と関連する中枢神経系の急性または慢性疾患を治療するための医薬の製造における、式(I):
    Figure 0004063864
    [式中、1〜24個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖状脂肪族モノカルボン酸または安息香酸の基であり;
    R2は、であり;
    R3は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖状アルキレン鎖であり;
    R4は、前の分子部分とグルコシド結合で結合した糖部分であり、前記糖部分はD-およびL-グルコース、ならびにD-およびL-ガラクトースからなる群より選択され
    nは1で、mは1である]
    で表されるN-アシルアルキルアミンの糖誘導体の使用
  25. 前記疾患が、低酸素性虚血、脳卒中、脳および脊髄損傷、癲癇、一過性虚血性発作、神経ラチリスム、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、一次痴呆、ウイルス病原と関連する痴呆、および無酸素虚血性網膜疾患からなる群より選択される、請求項24に記載の使用
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