JP4063727B2 - コンクリート非破壊検査法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートの圧縮強度を検査するコンクリート非破壊検査法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
コンクリートの圧縮強度を非破壊で測定するものとして、例えば、テストハンマーがある。
【0003】
このテストハンマーは、本体となる握持筒部に打撃ポンチと同様な測定物打撃用プランジャを突没動自在に垂設し、握持筒部内にはこのプランジャを打撃するハンマーをこの握持筒部の長さ方向に摺動自在に設け、このハンマーと握持筒部とをスプリングで連結し、測定物となるコンクリートの表面にこのプランジャの先端面を当接し、握持筒部を握持して測定面に強く押し付けていくことで前記プランジャが徐々に測定面に生じる反抗力により握持筒部に没入していき(この際、ハンマーは握持筒部の基端側へスプリングの弾性復帰力に抗して移動する。)、このプランジャが所定量以上没入したとき、スプリングの弾性復帰力によって、ハンマーがプランジャの基端部を打撃し、これにより、プランジャの先端がコンクリート面を強く打撃するもので、この打撃時のハンマー体のプランジャに対する反発移動量を計測することでコンクリートの硬度を簡易に測定できるものである。
【0004】
このコンクリートテストハンマーは、コンクリートの表面をハンマーにより所定強さで打撃することで変形したり破損したりすることを観察することでコンクリートの硬度を測定するのではなく、前述のように、単にコンクリート表面をハンマーでプランジャを介して打撃し、この際のプランジャに対する反発移動量を計測することでコンクリートの硬度を測定するため、簡易に硬度を測定できる反面、安定した正確な測定値を得にくい。
【0005】
一方、鋼材の硬さ試験方法の一つにブリネル硬さ試験がある。
【0006】
このブリネル硬さ試験とは、直径Dmmの鋼球をPkgの荷重で被測定物(例えば試験片。)に押し込んだ際、この押し込みにより、深さtmm,直径dmmの圧痕が試験片に生じた場合に、P/(球と試験片の接触面積)(N/mm2)をブリネル硬さHBと定めて被測定物の硬さを測定するものである。
【0007】
そして、このブリネル硬さ試験では、ブリネル硬度計なる専用の測定機器を用いて鋼材の硬度を測定する。
【0008】
一般的なブリネル硬度計は、試料載置用のテーブルの上に硬度を測定したい試料を載せ、この試料を載せたテーブルを上昇させて前記試料の上方に設けた鋼球圧子に試料を接触させる。
【0009】
この状態で、鋼球圧子を下方に向けて油圧ポンプにより加圧し、所定圧力となったところで加圧を止め、前記所定圧力のまま30秒保持する。
【0010】
その後、試料を載せたテーブルを下降させて鋼球圧子から試料を離し、被測定物の表面に生じた圧痕の直径dを読み取り用マイクロスコープで読み取り、また、圧痕の深さを計測し、この圧痕の直径dと深さとからブリネル硬さを求める。
【0011】
即ち、このブリネル硬さ試験によれば、ブリネル硬度計を用いての鋼材の硬度測定は正確な数値が得られる反面、簡易に行えるとは言い難い。
【0012】
本発明は、テストハンマーに、鋼材の硬さ試験方法の一つであるブリネル硬さ試験の原理を適用することで、測定が容易に実施できるとは言い難いブリネル硬度計を用いずに前記ブリネル硬さ試験の原理を利用して、コンクリートの正確な圧縮強度を簡易に計測することができるこれまでにないコンクリート非破壊検査法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0014】
コンクリートの検査面1を打撃した際、この打撃箇所2での凹む範囲がコンクリートの圧縮強度に応じて広狭することを視認すべく打撃凹み範囲が変色あるいは着色するなど表出変化する記録紙3をこのコンクリート検査面1に付設し、このコンクリート検査面1の記録紙3を、一定の打撃力で打撃する打撃検査具4を用いて打撃し、前記記録紙3に表出した表出変化部5の大きさあるいは面積を観察若しくは測定してこのコンクリートの圧縮強度を測定することを特徴とするコンクリート非破壊検査法に係るものである。
【0015】
また、前記打撃検査具4は、一定の打撃力でコンクリートの検査面1を打撃してその反発力によってコンクリートの圧縮強度を測定するコンクリート圧縮強度検査用非破壊検査具を採用したことを特徴とする請求項1記載のコンクリート非破壊検査法に係るものである。
【0016】
また、前記記録紙3は、前記打撃凹み範囲が地色に対して変色して表出変化する記録紙としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のコンクリート非破壊検査法に係るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0018】
コンクリートの検査面1に試験紙3を付設し、この試験紙3を介して前記コンクリート検査面1を打撃すると、この打撃によって、コンクリート検査面1の打撃箇所2が凹む。
【0019】
この際、打撃箇所2にあたる記録紙3が、変色あるいは着色するなど表出変化することとなる。
【0020】
即ち、打撃箇所2の凹み度合いに応じて記録紙3の表出変化部5(コンクリート検査面1と打撃検査具4との接触部位)の大きさあるいは面積が変化することとなり、この表出変化部5の大きさあるいは面積を観察若しくは測定することで、コンクリート検査面1の圧縮強度を測定できることとなる。
【0021】
これにより、従来のように、被測定物に鋼球圧子を、油圧ポンプ等で所定圧力で所定時間押し当て、これにより生じた圧痕の直径と深さを直接測定せずとも、単に打撃検査具4により被測定物(コンクリート検査面1)を試験紙3を介して打撃し、この打撃により表出した表出変化部5の大きさあるいは面積を観察することで、コンクリート検査面1の圧縮強度を簡単に測定できることとなる。
【0022】
しかも、表出変化部5は、打撃検査具4によるコンクリート検査面1への打撃によってこのコンクリート検査面1が実際に凹んだ範囲(大きさあるいは面積)を正確に表出したものであるため、この表出変化部5を観察若しくは測定することで、コンクリート検査面1の圧縮強度を正確に測定できることとなる。
【0023】
従って、本発明は、打撃検査具4による打撃によって実際に凹んだ範囲(コンクリート検査面1と打撃検査具4との接触面積)を、試験紙3の表出変化部5により観察若しくは測定することで、測定を容易に行えるとは言い難いブリネル硬度計を用いずにブリネル硬さ試験の原理を利用でき、よって、正確な硬度測定を簡単に行うことができる極めて実用性に秀れた画期的なコンクリート非破壊検査法となる。
【0024】
また、例えば、前記打撃検査具4は、一定の打撃力でコンクリートの検査面1を打撃してその反発力によってコンクリートの圧縮強度を測定するコンクリート圧縮強度検査用非破壊検査具を採用すれば、既存のコンクリート圧縮強度検査用非破壊検査具を用いて一層簡易に硬度測定を行うことができ、また、一定の打撃力でコンクリート検査面1を例えば複数箇所打撃できるため、精度の高い測定が行えるなど、一層実用的となる。
【0025】
また、例えば、前記記録紙3は、前記打撃凹み範囲が地色に対して変色して表出変化する記録紙とすれば、一見してコンクリート検査面1の凹み範囲(コンクリート検査面1と前記打撃検査具4との接触面積)を視認でき、よって、コンクリート検査面1の凹み範囲(表出変化部5)が見やすいために、より正確に前記表出変化部5の大きさあるいは面積を観察若しくは測定してコンクリート検査面1の圧縮強度をより一層確実且つ簡易に測定できることとなるなど、一層実用的となる。
【0026】
【実施例】
図面は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0027】
本実施例は、鋼材の硬さ試験に用いられているブリネル硬さ試験の原理をテストハンマー試験に適用したもので、更に精度が良い新しい非破壊検査法としてテストハンマー硬さによるコンクリートの圧縮強度試験法を提案するものである。
【0028】
即ち、コンクリートの検査面1を一定の打撃力で打撃する打撃検査具4を用いて打撃した際、この打撃箇所2での凹む範囲がコンクリートの圧縮強度に応じて広狭することを視認すべく打撃凹み範囲が変色あるいは着色するなど表出変化する記録紙3をこのコンクリート検査面1に付設し、このコンクリート検査面1の記録紙3を、前記打撃検査具4を用いて打撃し、前記記録紙3に表出した表出変化部5の大きさあるいは面積を観察若しくは測定してこのコンクリートの圧縮強度を測定する構成としている。
【0029】
具体的には、前記打撃検査具4は、一定の打撃力でコンクリートの検査面1を打撃してその反発力によってコンクリートの圧縮強度を測定するコンクリート圧縮強度検査用非破壊検査具を採用した構成としている。
【0030】
更に具体的には、本実施例では、前記打撃検査具4として、筒状の本体6内にハンマー体7をこの本体6の長さ方向に摺動自在に設け、このハンマー体7をスプリング8の弾性復帰力で、本体6に突出動自在に設けたコンクリート打撃用のプランジャ9に打撃し、この打撃によるハンマー体7の反発移動量によってコンクリートの硬度を測定する非破壊式のコンクリートテストハンマーを採用している。
【0031】
この非破壊式のコンクリートテストハンマーについて更に述べれば、本体6の先端部には、図15に示すように、この本体6に対して長さ方向に突出動自在なプランジャ9を設けた構成としている。
【0032】
また、本体6内の長手方向、具体的には軸方向にはガイド軸10を設け、このガイド軸10の先端部をプランジャ9の基端部に設けた係合孔に遊嵌した構成としている。
【0033】
ガイド軸10にはハンマー体7をこのガイド軸10に沿って摺動自在に設けた構成としている。
【0034】
また、本体6の先端内部には、リング状の金具で構成されたスプリング取付体14を配設し、このスプリング取付体14にスプリング8の一端部を付設し、このスプリング8の他端部をハンマー体7の先端部に付設することで、ハンマー体7を本体6の先端方向に向けて弾圧付勢した構成としている。
【0035】
また、ガイド軸10の基端部には、プランジャ9,ガイド軸10及びハンマー体7を本体6の長さ方向にガイドするガイド板11を設けた構成としている。
【0036】
即ち、このガイド板11は、外縁部の所定位置に略対向状態で切り欠き溝(図示省略)を設け、一方、この切り欠き溝に対向し得る本体6の内面所定位置には、長さ方向にガイド凸条(図示省略)を設けて、ガイド板11がガイド凸条に沿ってスライド移動することで、プランジャ9,ガイド軸10及びハンマー体7を本体6の長さ方向に真っすぐに摺動できる構成としている。
【0037】
また、このガイド板11と本体6の基端との間にはスプリング12を介装し、ガイド板11を本体6の先端方向に弾圧付勢した構成としている。
【0038】
また、ガイド板11には、逆L字形の係止レバー15を係止ピン16によって回動自在に軸着した構成とし、この係止レバー15の一端部に、前記ハンマー体7の基端部に設けた掛止部20に掛止係止し得る係止爪17を形成し、他端部に、係止爪17の掛止部20への掛止係止状態を解除する解除部18を設けた構成とし、この係止レバー15は、解除部18近傍に設けたスプリング19によって、係止爪17が掛止部20に係止する方向に弾圧付勢した構成としている。
【0039】
また、本体6の基端中央には、係止レバー15に当接して掛止部20に係合係止した係止爪17を係止解除するための解除ボルト21を本体6の先端側に向けて螺着した構成としている。即ち、解除ボルト21に、係止爪17で掛止部20を係止した係止レバー15を当接した際、係止レバー15が前記解除ボルト21により押動されることで係止レバー15が係止ピン16を支点に回動し、これにより、ハンマー体7の掛止部20に掛止係止した係止爪17を解除するように構成している。
【0040】
本体6の外面部には、その長さ方向に長窓22を形成し、この長窓22にポテンションメータ23を付設した構成としている。
【0041】
また、本体6の内面部には、前記長窓22に沿ってスライド杆24を設け、このスライド杆24に前記ポテンションメータ23に記載された数値を指示する指示片25をスライド自在に設けた構成としている。
【0042】
また、この指示片25は、その端部を本体6の先端側内方へ突出した構成とし、ハンマー体7がプランジャ9を打撃して反発した際、ハンマー体7の外面部に設けた係合段部29に前記指示片25の突出端部が係合することで前記指示片25を押し上げ、この押し上げられた指示片25が示すポテンションメータ23の数値がコンクリート検査面1の硬度となるように構成している。尚、押し上げられた指示片25は、硬度測定後にプランジャ9を本体6から突出動させる際に、このプランジャ9及びプランジャ9に遊嵌したガイド軸10と共に本体6の先端側へ移動するガイド板11の外縁部に当接することで、零の値を示す部位まで押し下げられる構成となっている。
【0043】
尚、図中符号33は、ガイド板11,ガイド軸10,ハンマー体2及びプランジャ4を所定位置に保持し得るストッパーを示している。
【0044】
前記記録紙3は、前記打撃凹み範囲が地色に対して変色して表出変化する記録紙とした構成としている。
【0045】
具体的には、記録紙3は、図15に示すように、予め打撃箇所を表示した打撃位置表示紙3Aと、この打撃位置表示紙3Aの下面とコンクリート検査面1との間に敷設され、前記打撃位置表示紙3Aの打撃位置表示箇所を前記コンクリートテストハンマーにより打撃した際、前記打撃により凹むコンクリート検査面1の凹み具合に応じて前記打撃位置表示箇所の裏面に前記表出変化部5を形成するカーボン紙(図示省略)とから成る構成としている。これにより、打撃位置表示紙3Aの打撃表示箇所をコンクリートテストハンマーで打撃すると、コンクリートテストハンマーのプランジャ9とコンクリート検査面1との接触部位(接触面積)、即ち、プランジャ9の打撃により凹んだコンクリート検査面1の凹み部位(凹み面積)がカーボン紙により着色することになる。
【0046】
尚、本実施例では、記録紙3を、前記打撃位置表示紙3Aとカーボン紙とから成る構成としたが、コンクリートテストハンマーでコンクリート検査面1を打撃した際、この打撃により凹んだ範囲を変色あるいは着色するなど表出変化させ得る構成であれば、適宜採用しても良い。
【0047】
本実施例では、コンクリートの圧縮強度を測定する前に、予め、低強度用のテストアンビルによりコンクリートテストハンマーの検定を行うことで、より正確な硬度測定を行えるようにしている。
【0048】
即ち、低強度用のテストアンビルを使用し、コンクリートの圧縮強度を測定する測定日ごとにテストハンマーの基準値を測定してコンクリートの反発値を較正することにより、前記コンクリートの圧縮強度を一層正確に測定することができる。
【0049】
次に、本実施例の実験例について述べる。
【0050】
試験概要
本実験例は、コンクリートテストハンマーによるコンクリート(供試体)検査面1の打撃面積を測定するもので、このときテストハンマー硬さHTを、荷重P/テストハンマーのプランジャと供試体の接触面積(N/mm2)と定める(図1参照)。
【0051】
接触面積は、前述のように、供試体検査面1に記録紙3を貼り、この記録紙3を介して供試体検査面1をテストハンマーで打撃することで測定する。
【0052】
供試体は、曲げ供試体、柱部材及び床部材を採用し、表1に示す強度が異なる4配合のレディーミクストコンクリートを用いて、養生条件を次のように変化させて作製した(カッコ内は、試験材齢)。
【0053】
曲げ供試体:5日間湿潤+空気中(7日、14日、21日、28日、35日、42日、49日、57日の8材齢),同後水中(57日の1材齢)の2種類
【0054】
柱部材:5日間湿潤+空気中の1種類(7日、28日、49日の3材齢)
【0055】
床部材:空気中、膜養生剤65g/m2塗布養生、膜養生剤130g/m2塗布養生、5日間湿潤+空気中の4種類(7日、28日、49日の3材齢)
【0056】
【表1】
【0057】
尚、本実施例では、曲げ供試体は高さ15cm×15cm×53cmの大きさのもの、柱部材は高さ60cm×50cm×20cmの大きさのもの、床部材は高さ20cm×60cm×50cmの大きさのものを使用している。
【0058】
測定箇所は、曲げ供試体の場合:左右2箇所、柱部材の場合:上部、中部、下部の左右各2箇所、床部材の場合:4種類の各養生部の左右2箇所とし、それぞれから左右2個のコアを採取して圧縮強度を測定して、平均値からコア圧縮強度を求めた。
【0059】
コンクリートテストハンマーには、衝撃エネルギーが2.207Nmを2機種(ハンマー▲1▼、ハンマー▲2▼)、0.74Nmを1機種(ハンマー▲3▼)使用した。
【0060】
試験結果と考察
1 テストハンマー硬さの測定法
テストハンマー硬さ試験は、記録紙をコンクリート面に貼り、テストハンマーによる反発度の測定と同時にテストハンマーによるコンクリート表面の打撃面積を、測定(本実験では20点)するものである。記録紙3の画像は、図2に示すように、コンクリート表面(供試体)の打撃部が黒く求められ(接触面積)、凹部は白抜きで現される。この画像から、最大径,楕円面積(最大径とこの直角方向径とから算出)、接触面積、空隙率[(楕円面積−接触面積)/(楕円面積)]を高精度画像処理システムにより測定し、テストハンマー硬さを定めた。
【0061】
記録紙3の厚さ(紙厚)と反発度,接触面積との関係は、それぞれ図3、図4に示す通りである。即ち、紙厚の増加に伴い、反発度,接触面積のいずれも増加する傾向が認められるが、一方、紙厚が薄すぎる場合、記録紙3が破損することから、本実験例では紙厚を0.10mmとした。
【0062】
2 圧縮強度との関係
コア圧縮強度(7〜57日の8材齢)と反発度との関係は、打撃方向の補正及びアンビルの補正を行い、図5に示す。これに対し、テストハンマー硬さを定めるため、同様に打撃方向の補正を図6に示すように行い、コア圧縮強度と最大径、楕円面積、接触面積、空隙率、(1/楕円面積)との関係を、それぞれ図7〜図11に示す。
【0063】
反発度、(1/楕円面積)が増加するほど、最大径,楕円面積,接触面積、空隙率が減少するほどコア圧縮強度が増加する関係が認められ、(1/楕円面積)との相関性が良い。床部材(上面)は、柱部材に比べると、ブリーディングによって多孔質になり楕円面積・空隙率が高く測定され、コア圧縮強度が低くなる傾向が認められる。
【0064】
また、楕円面積は、反発度30程度以下の低強度になるほど大きく測定される関係(図12参照)があり、低強度域の反発度の鈍感性が補完される。
【0065】
これらの試験結果から、テストハンマー硬さTkを(1/楕円面積)と定義し、反発度HAと共にコア圧縮強度FC(N/mm2)との関係を、各テストハンマーごとに重回帰分析(変数増減法、Fin=Fout=2.0)で求めた結果、式(1)〜(3)及び図13が得られた(n:データ数,R:重相関係数,式の下段のカッコ内はt値)。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
いずれもTk及びHAの複合式で表され、これらの単回帰式より相関性が良くなっている。さらに、HA・Tk(反発度/楕円面積)とコア圧縮強度との関係を、各テストハンマーごとに求めると図14に示すとおりであり、式(4)〜(6)が得られた。
【0070】
FC=8.30+36.628Tk・HA (式4)
(n=120,R=0.819)
【0071】
FC=6.89+31.759Tk・HA (式5)
(n=120,R=0.824)
【0072】
FC=12.87+24.761Tk・HA (式6)
(n=120,R=0.832)
【0073】
こちらの単回帰式は、コア圧縮強度との関係式として最も相関性が良く、精度が向上している。
【0074】
上記実験例により、テストハンマー硬さによるコンクリートの圧縮強度試験法は、テストハンマー試験による反発値と同時に測定され、構造物中のコンクリートの非破壊検査法として実用されることが検証された。
【0075】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、打撃検査具による打撃によって実際に凹んだ範囲(コンクリート検査面と打撃検査具との接触面積)を、試験紙の表出変化部により観察若しくは測定することで、測定を容易に行えるとは言い難いブリネル硬度計を用いずにブリネル硬さ試験の原理を利用でき、よって、正確な硬度測定を簡単に行うことができるこれまでにない極めて実用性に秀れた画期的なコンクリート非破壊検査法となる。
【0076】
また、請求項2記載の発明においては、既存のコンクリート圧縮強度検査用非破壊検査具を用いて一層簡易に硬度測定を行うことができ、また、一定の打撃力でコンクリート検査面を例えば複数箇所打撃できるため、精度の高い測定を行うことができる極めて実用性に秀れた画期的なコンクリート非破壊検査法となる。
【0077】
また、請求項3記載の発明においては、一見してコンクリート検査面の凹み範囲(コンクリート検査面と前記打撃検査具との接触面積)を視認でき、よって、コンクリート検査面の凹み範囲(表出変化部)が見やすいために、より正確に前記表出変化部の大きさあるいは面積を観察若しくは測定してコンクリート検査面1の圧縮強度をより一層確実且つ簡易に測定することができる極めて実用性に秀れた画期的なコンクリート非破壊検査法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実験例の硬度測定方法を示す説明図である。
【図2】本実験例の打撃により記録紙が表出変化したことを示す説明図である。
【図3】本実験例の試験紙の紙厚と反発度との関係を示す説明図である。
【図4】本実験例の試験紙の紙厚と、プランジャ及びコンクリート検査面の接触面積との関係を示す説明図である。
【図5】本実験例の反発度とコア圧縮強度との関係を示す説明図である。
【図6】本実験例の鉛直方向と水平方向の楕円面積との関係を示す説明図である。
【図7】本実験例の最大径とコア圧縮強度との関係を示す説明図である。
【図8】本実験例の楕円面積とコア圧縮強度との関係を示す説明図である。
【図9】本実験例の接触面積とコア圧縮強度との関係を示す説明図である。
【図10】本実験例の空隙率とコア圧縮強度との関係を示す説明図である。
【図11】本実験例の(1/接触面積)とコア圧縮強度との関係を示す説明図である。
【図12】本実験例の反発度と楕円面積との関係を示す説明図である。
【図13】本実験例の測定値と計算値との関係を示す説明図である。
【図14】本実験例の(反発度/楕円面積)とコア圧縮強度との関係を示す説明図である。
【図15】本実施例の硬度測定状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コンクリート検査面
2 打撃箇所
3 記録紙
4 打撃検査具
5 表出変化部
Claims (3)
- コンクリートの検査面を打撃した際、この打撃箇所での凹む範囲がコンクリートの圧縮強度に応じて広狭することを視認すべく打撃凹み範囲が変色あるいは着色するなど表出変化する記録紙をこのコンクリート検査面に付設し、このコンクリート検査面の記録紙を、一定の打撃力で打撃する打撃検査具を用いて打撃し、前記記録紙に表出した表出変化部の大きさあるいは面積を観察若しくは測定してこのコンクリートの圧縮強度を測定することを特徴とするコンクリート非破壊検査法。
- 前記打撃検査具は、一定の打撃力でコンクリートの検査面を打撃してその反発力によってコンクリートの圧縮強度を測定するコンクリート圧縮強度検査用非破壊検査具を採用したことを特徴とする請求項1記載のコンクリート非破壊検査法。
- 前記記録紙は、前記打撃凹み範囲が地色に対して変色して表出変化する記録紙としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のコンクリート非破壊検査法。
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