JP4061465B2 - Lower anchor structure with seat adjuster for automobile seats - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車等の座席シートにおいて、シートバックを回動可能に支持するヒンジ軸の両端に取り付けられているシートアジャスタに対し、ロアアンカを付設するロアアンカ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の自動車シートでは、CRS(Child Restraint System)を取り付けるためにシート所定部位にロアアンカが備えられている。たとえば図7に示すシートにおいて、まずシートクッション1に対してシートバック2が回動可能、すなわちリクライニング可能に取り付けられている。この場合、シートバック2は左右のシートアジャスタ3を介して、そのリクライニング角度が調整されるようになっている。
【0003】
シートアジャスタ3相互間にはパイプ材でなるヒンジ軸100が結合し、ロアアンカ101は、このヒンジ軸100のシートアジャスタ3寄りの位置に配置固定される。CRS200は一点鎖線で示すようにシートクッション1上に取り付けられ、その際、CRS200に設けたフック手段をロアアンカ101に係合させることで、該CRS200がシート所定部位に固定される。
【0004】
ロアアンカ101は図8に示されるように、この例では概略「コ」字状に屈曲形成したワイヤ材でなっている。そして、図9に示すようにヒンジ軸100に巻き付けるかたちで結合させたワイヤ材の端部を溶接することにより、ロアアンカ101はヒンジ軸100に固定される。ここで、このように設けられたロアアンカ101には、CRS200を搭載するに際して、法定の強度要件である前方引張り荷重F(図8参照)が付与され、このような強度要件を具備するロアアンカ構造を採用することが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のロアアンカ構造では、ロアアンカ101はヒンジ軸100に直接に取付固定されているため、前方引張り荷重Fが作用すると、図10に示したようにヒンジ軸100に対しては曲げ荷重が入力される。したがって、このような曲げ荷重に耐え得る高い強度のパイプ材を必要とするため、ヒンジ軸100として径が大きく、肉厚が厚い強固なパイプ材を使用せざるを得なかった。そのため、従来のロアアンカ構造では、その重量が重く、材料費が高いものになっていた。
【0006】
本発明は以上の点に鑑み、軽量化および低コスト化を実現する自動車シートのシートアジャスタ付きロアアンカ構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自動車シートのヒンジ軸の両端に取り付けた左右のシートアジャスタに付設されるロアアンカを有するシートアジャスタ付きロアアンカ構造であって、ロアアンカは左右のシートアジャスタ相互間を結合する補強部材に沿って、この補強部材とは別体に左右のシートアジャスタ間に横架され、ロアアンカに対して直角方向の引張り荷重が作用した際、ロアアンカの端部を経由して、補強部材に対して圧縮荷重を作用させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明の自動車シートのシートアジャスタ付きロアアンカ構造において、前記ロアアンカの端部を前記シートアジャスタの外側に延出させて、前記シートアジャスタに結合させることが好ましい。
【0010】
本発明の自動車シートのシートアジャスタ付きロアアンカ構造では、好ましくは、前記ロアアンカはワイヤ材でなり、前記補強部材は金属部材でなる。
【0011】
また、本発明の自動車シートのシートアジャスタ付きロアアンカ構造において、好ましくは、前記ロアアンカはワイヤ材でなり、前記補強部材は前記シートアジャスタと別体または一体に構成されたパイプ材又はアングル材でなる。
【0012】
本発明によれば、ロアアンカはシートアジャスタ相互間を結合する補強部材に沿って、この補強部材とは別体にシートアジャスタ間に横架される。その場合、ロアアンカの端部をシートアジャスタの外側に延出させて固着させる。このようにロアアンカを設けることで、ロアアンカに対して所定の引張り荷重が作用した際、ロアアンカの端部を経由して補強部材に対して圧縮荷重が作用する。そのため、ヒンジ軸が変形してリクライニング不能になるのが防止されるとともに、ヒンジ軸及びロアアンカの径や肉厚を実質的に小さく、薄くしながら法定の強度要件を具備することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基き、従来例と実質的に同一または対応する部材には同一符号を用いて、本発明による自動車シートのシートアジャスタ付きロアアンカ構造の好適な実施の形態を説明する。
【0014】
図1は、この実施形態におけるシートまわりを示している。図において、シートバック2はシートクッション1に対して回動可能に支持され、左右のシートアジャスタ3を介して、そのリクライニング角度が調整されるようになっている。この例においても、CRS(Child Restraint System、図7参照)を取り付けるためにシートの所定部位に本発明によるロアアンカ10が備えられている。そして、CRSに設けたフック手段をロアアンカ10に係合させることで、CRSがシート所定部位に固定されるようになっている。
【0015】
シートアジャスタ3相互間には、金属部材、この実施形態では中空パイプ材でなる補強部材11が結合し、ロアアンカ10はワイヤ材(たとえば、直径6mm程度の鋼製の中実ワイヤ)でなり、補強部材11に沿って、この補強部材11とは別体にシートアジャスタ3間に横架されている。図2に示すように、ロアアンカ10は両側のシートアジャスタ3寄りの位置に、CRSのフック手段が係合するように屈曲形成した係合部10aを有しており、この係合部10aにおいて法定の強度要件である前方引張り荷重Fが付与されるようになっている。
【0016】
また、本発明のロアアンカ構造において、図3に示すようにロアアンカ10の端部10bをシートアジャスタ3を貫通してその外側に延出させ、引張り荷重方向と反対方向にシートアジャスタ3に固着させる結合構造としている。この場合、シートアジャスタ3の所定部位に、ロアアンカ10の端部10bを貫通・延出させるための通し孔3aを開設する。そして、図示のように通し孔3aを挿通してシートアジャスタ3の外側に延出するロアアンカ10の端部10bを、シートアジャスタ3に溶接Wすることにより、ロアアンカ10がシートアジャスタ3に固定される。また、補強部材11の端部11aも、シートアジャスタ3に設けた通し孔3bに挿通させて、このシートアジャスタ3に溶接Wすることにより、補強部材11がシートアジャスタ3に固定される。
【0017】
ここで、図4に示すように、シートアジャスタ3は、シートバック2の回動軸となるヒンジ軸4の両端に取り付けられている。また、シートアジャスタ3はブラケット5を介して、シートクッション1のシートクッションフレーム(その基体部分)6と連結する。シートクッションフレーム6は、ボディのフロアFに敷設されたガイドレール7に沿ってスライド可能に支持されている。
【0018】
上記構成において、本発明によれば、図5に示されるようにロアアンカ10に対して係合部10aの部位に所定の引張り荷重Fが作用すると、図示例の点線で示す状態から実線で示す形態に変形する。このときロアアンカ10の端部10bを経由して、補強部材11の端部11aに対して圧縮荷重Pが作用する。
【0019】
このようにロアアンカ10に対して直角方向に作用する引張り荷重を、シートアジャスタ3を介して補強部材11の圧縮荷重Pとして受けるように構成したことで、曲げ荷重の場合に比べて補強部材11が持つべき許容応力を小さく設定することができる。したがって、補強部材11をはじめ、ロアアンカやヒンジ軸の径や肉厚を実質的に小さく、薄くしても、法定の強度要件を適正に具備することができる。その結果、補強部材11ひいてはロアアンカ構造まわりの重量が軽量化するとともに、材料費等の低コスト化を図ることができる。
【0020】
つぎに、図6は本発明による自動車シートのシートアジャスタ付きロアアンカ構造の変形例を示している。
これらの例では、ロアアンカ10は、前述の実施の形態と同様にワイヤ材でなり、補強部材11はシートアジャスタ3と別体(図6(a))または一体(図6(b))に構成された略L字状断面を有するアングル材でなっている。また、いずれの場合もロアアンカ10の端部10bをシートアジャスタ3の外側に延出させてシートアジャスタ3に溶接する。なお、このロアアンカ10の端部10bを補強部材11の端部11aに固着させることもできる。
【0021】
これらの変形例においては、前述の実施形態と同様に、補強部材11に対する入力荷重を圧縮荷重Pとして受けるようにした結果、ロアアンカ構造まわりの軽量化と低コスト化を図ることができる。
【0022】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものでなく、本発明の範囲内で適宜変更等が可能である。
たとえば、ロアアンカ10のワイヤ材の径等の具体的数値等は適宜変更可能であり、補強部材11として矩形断面を有する所謂、角パイプ材を用い、さらにアングル材などの板材を用いる場合の補強部材11の断面形状はL字状に限らず、必要に応じて適宜採用可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、この種のシートアジャスタ付きロアアンカ構造において補強部材に対する入力荷重を圧縮荷重として受けるようしたことで、補強部材の径や肉厚を実質的に小さく、薄くすることにより軽量化と低コスト化を有効に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシートアジャスタ付きロアアンカ構造の実施の形態におけるシートまわりを示す斜視図である。
【図2】本発明のシートアジャスタ付きロアアンカ構造の実施の形態を示す斜視図である。
【図3】本発明のシートアジャスタ付きロアアンカ構造の実施の形態における要部構成を示す部分平面図である。
【図4】本発明のシートアジャスタ付きロアアンカ構造の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】本発明のシートアジャスタ付きロアアンカ構造の実施の形態における作用を示す斜視図である。
【図6】本発明のシートアジャスタ付きロアアンカ構造の変形例を示すそれぞれ斜視図である。
【図7】従来例に係るシートまわりを示す斜視図である。
【図8】従来のロアアンカ構造の要部構成を示す斜視図である。
【図9】図8のA−A線に沿う断面図である。
【図10】従来例における作用を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シートクッション
2 シートバック
3 シートアジャスタ
4 ヒンジ軸
5 ブラケット
6 シートクッションフレーム
7 ガイドレール
10 ロアアンカ
10a ロアアンカの係合部
10b ロアアンカの端部
11 補強部材
11a 補強部材の端部
F 引張り荷重[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a lower anchor structure in which a lower anchor is attached to seat adjusters attached to both ends of a hinge shaft that rotatably supports a seat back in a seat of a passenger car or the like.
[0002]
[Prior art]
In this type of automobile seat, a lower anchor is provided at a predetermined portion of the seat for attaching a CRS (Child Restraint System). For example, in the seat shown in FIG. 7, the
[0003]
A
[0004]
As shown in FIG. 8, the
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional lower anchor structure, the
[0006]
In view of the above, an object of the present invention is to provide a lower anchor structure with a seat adjuster for an automobile seat that realizes weight reduction and cost reduction.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
This onset Ming, a Roaanka structure with seat adjuster having a Roaanka annexed to the right and left seat adjuster attached to both ends of the hinge axis of the motor vehicle seat, Roaanka is along the reinforcing member that couples between the left and right seat adjusters mutually Separately from this reinforcing member, it is horizontally mounted between the left and right seat adjusters , and when a tensile load in the direction perpendicular to the lower anchor is applied, the compressive load is applied to the reinforcing member via the end of the lower anchor. It is characterized by having acted .
[0008]
In the lower anchor structure with a seat adjuster for an automobile seat according to the present invention, it is preferable that an end portion of the lower anchor extends outside the seat adjuster and is coupled to the seat adjuster.
[0010]
In the lower anchor structure with a seat adjuster for an automobile seat according to the present invention, preferably, the lower anchor is made of a wire material, and the reinforcing member is made of a metal member.
[0011]
In the lower anchor structure with a seat adjuster for an automobile seat according to the present invention, preferably, the lower anchor is made of a wire material, and the reinforcing member is made of a pipe material or an angle member which is configured separately or integrally with the seat adjuster.
[0012]
According to the present invention, the lower anchor is horizontally mounted between the sheet adjusters separately from the reinforcing member along the reinforcing members that connect the sheet adjusters to each other. In that case, the end of the lower anchor is extended to the outside of the seat adjuster and fixed. By providing the lower anchor in this manner, when a predetermined tensile load acts on the lower anchor, a compressive load acts on the reinforcing member via the end of the lower anchor. Therefore, it is possible to prevent the hinge shaft from being deformed and become unable to be reclined, and to satisfy legal strength requirements while making the diameter and thickness of the hinge shaft and the lower anchor substantially small and thin.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of a lower anchor structure with a seat adjuster for an automobile seat according to the present invention will be described using the same reference numerals for members that are substantially the same as or correspond to those of a conventional example based on the drawings.
[0014]
FIG. 1 shows the periphery of the sheet in this embodiment. In the figure, the
[0015]
A reinforcing member 11 made of a metal member, in this embodiment a hollow pipe material, is coupled between the
[0016]
Further, in the lower anchor structure of the present invention, as shown in FIG. 3, the
[0017]
Here, as shown in FIG. 4, the
[0018]
In the above configuration, according to the present invention, as shown in FIG. 5, when a predetermined tensile load F acts on the
[0019]
As described above, the tensile load acting in the direction perpendicular to the
[0020]
Next, FIG. 6 shows a modified example of a lower anchor structure with a seat adjuster for an automobile seat according to the present invention.
In these examples, the
[0021]
In these modifications, as in the above-described embodiment, the input load applied to the reinforcing member 11 is received as the compression load P. As a result, the weight and cost of the lower anchor structure can be reduced.
[0022]
The preferred embodiment of the present invention has been described above, but the present invention is not limited to the above-described embodiment, and can be appropriately changed within the scope of the present invention.
For example, specific numerical values such as the diameter of the wire material of the
[0023]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in this type of lower anchor structure with a seat adjuster, the input load to the reinforcing member is received as a compressive load, so that the diameter and thickness of the reinforcing member are substantially reduced and thinned. Thus, weight reduction and cost reduction can be effectively realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing the vicinity of a seat in an embodiment of a lower anchor structure with a seat adjuster of the present invention.
FIG. 2 is a perspective view showing an embodiment of a lower anchor structure with a seat adjuster according to the present invention.
FIG. 3 is a partial plan view showing a configuration of a main part in an embodiment of a lower anchor structure with a seat adjuster of the present invention.
FIG. 4 is a perspective view showing an embodiment of a lower anchor structure with a seat adjuster according to the present invention.
FIG. 5 is a perspective view showing an operation in the embodiment of the lower anchor structure with a seat adjuster of the present invention.
FIG. 6 is a perspective view showing a modification of the lower anchor structure with a seat adjuster according to the present invention.
FIG. 7 is a perspective view showing the periphery of a seat according to a conventional example.
FIG. 8 is a perspective view showing a main configuration of a conventional lower anchor structure.
9 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 10 is a perspective view showing an operation in a conventional example.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
Claims (4)
前記左右のシートアジャスタ相互間を結合する補強部材と、
該補強部材とは別体に前記左右のシートアジャスタ間に横架されるロアアンカと、を有し、
前記ロアアンカに対して直角方向の引張り荷重が作用した際、前記ロアアンカの端部を経由して、前記補強部材に対して圧縮荷重が作用することを特徴とする、自動車シートのシートアジャスタ付きロアアンカ構造。A lower anchor structure with a seat adjuster attached to the left and right seat adjusters attached to both ends of the hinge shaft of the automobile seat,
A reinforcing member for coupling the left and right seat adjusters ;
A lower anchor that is placed between the left and right seat adjusters separately from the reinforcing member ;
A lower anchor structure with a seat adjuster for an automobile seat , wherein a compressive load acts on the reinforcing member via an end of the lower anchor when a tensile load in a direction perpendicular to the lower anchor acts. .
Priority Applications (1)
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JP2002020756A JP4061465B2 (en) | 2002-01-29 | 2002-01-29 | Lower anchor structure with seat adjuster for automobile seats |
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JP2003220862A JP2003220862A (en) | 2003-08-05 |
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