JP4061419B2 - Process for producing N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法に関する。このN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドは、分析用途や、各種の農薬、医薬の中間体として有用であるほか、吸水剤、増粘剤等に利用できるN−ビニルカルボン酸アミド系のポリマーのモノマーとして、あるいはタウリンおよびシステアミン等の化学薬品の合成原料として極めて有用なN−ビニルカルボン酸アミドの中間体である。
さらに本発明は、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドからのN−ビニルカルボン酸アミドの製造法、また得られたN−ビニルカルボン酸アミドをモノマーとして使用するN−ビニルカルボン酸アミド系ポリマーの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの合成法としては、各種の方法が提案されている。これらの方法について原料に注目すると、アセタールを用いる方法、エチリデンビスカルボン酸アミドを用いる方法、アセトアルデヒドを用いる方法、などに分類される。
【0003】
ジメチルアセタールを原料とする方法として米国特許第4,554,377号公報にジメチルアセタールとカルボン酸アミドをメタンスルホン酸、硫酸等の強酸、あるいは強酸性イオン交換樹脂の存在下、反応させる方法が開示されている。しかし、この方法は、別途にジメチルアセタールを合成し、更にこれを単離して使用する必要がある上に、高収率を得るためにはその原料組成をカルボン酸アミド1モルに対してジメチルアセタール20モルと極めて高度に希釈しなければならず、生産性が著しく低いという欠点を有している。また、特開平2−9851号公報にはホルムアミドとアセタールから同様にN−(1−アルコキシエチル)ホルムアミドが合成されることが報告されているが、同様の問題点がある。
【0004】
また、エチリデンビスカルボン酸アミドを原料に用いる方法として特開平1−100153号公報や特開平2−304053号公報がある。この方法は入手が容易で安価なアセトアルデヒドとカルボン酸アミドあるいはビニルエーテルとカルボン酸アミド等から容易に製造されるエチリデンビスアミドをアルカノールと反応させることにより簡便でかつ収率よく目的とするN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドが得られる。しかし、この方法の問題点として、反応終了後、N−(1−アルコキシエチル)アミドを単離するために、抽出を含む煩雑な操作を必要とするうえ、エチリデンビスカルボン酸アミドの合成とN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの合成の二段階操作を必要とすることが挙げられる。
【0005】
アセトアルデヒドを原料とする方法は、特公平6−17351号公報および特開昭63−96160号公報に記載されている。これらの方法は比較的高収率で目的とするN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドが得られるものの、アセタールおよびエチリデンビスアミドが副生する。同様の方法として特公平5−81581号公報に記載の方法がある。これには、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造において副生するアセタールを反応系にリサイクルして用いる可能性について述べられているが、反応成績に対する影響についてなど何等具体的な開示がなされていない。また、反応成績についても充分なレベルではない。
【0006】
一方、特開平6−100515号公報ではアセタールおよびエチリデンビスカルボン酸第一アミドの存在下で、比較的収率よく目的とするN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造方法が提案されている。
このようにアセトアルデヒドを原料とする方法は入手容易でかつ安価であるカルボン酸アミド、アセトアルデヒド、アルコールの3種類の化合物から強酸性触媒の存在下、一段階で反応させて比較的収率よく目的とするN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを合成できることから工業的に有利に製造する方法として期待される。
【0007】
特開昭62−289549号公報および特開昭63−96160号公報には第一カルボン酸アミド、アセトアルデヒド、および直鎖型もしくは分岐型アルカノールを原料として、カチオン交換樹脂を用いて、比較的高収率で目的とするN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを得る方法が開示されている。この方法は不均一系触媒であるカチオン交換樹脂を使用するため、反応生成物と触媒の分離が容易であるという利点がある。しかし、カチオン交換樹脂を触媒として使用する場合、使用中に失活することがある。これは、反応中に副生する極微量の塩基性イオンや原料中に含まれる金属イオンあるいは塩基性物質などの不純物によるものと推定される。したがって該製造方法を採用するにあたっては、触媒の失活に伴う製造の中断、失活樹脂の再生コスト等の観点から工業的に解決すべき問題がある。
【0008】
また、これらの方法とは別に、特開平6−100515号公報では均一系触媒の使用が述べられている。しかし、この方法は原料に対して多量の酸触媒を必要とするため、反応後の中和塩の廃棄が問題となる。
【0009】
ところで、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造方法は、いずれも平衡反応であるためカルボン酸アミドを全てN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドに変換することは出来ない。したがって、これらの反応液にはいずれもN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの他に原料であるカルボン酸アミドが含まれている。一般に、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドとその原料であるカルボン酸アミドは蒸気圧等の物性が極めて近く、特に、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の低級脂肪族アルコキシル基を含む場合は精製が困難であった。
【0010】
さらに、所望により得られたN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドは熱分解あるいは接触分解反応によりアルコールの脱離反応を行い、N−ビニルカルボン酸アミドの製造に用いられる。この反応も平衡反応であるため、完全にN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドをN−ビニルカルボン酸アミドに変換することはできない。したがって、得られた反応液にはN−ビニルカルボン酸アミドの他に主な不純物として未反応のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドとカルボン酸アミドが含まれている。
この反応液からN−ビニルカルボン酸アミドを回収、精製する方法として、種々の方法が提案されている。たとえば、晶析操作でN−ビニルカルボン酸アミドを得る場合、原理的に全てのN−ビニルカルボン酸アミドを回収することはできず、N−ビニルカルボン酸アミドを含んだN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドとカルボン酸アミドからなる母液が得られる。
【0011】
一方、蒸留や抽出等の分離操作でN−ビニルカルボン酸アミドを得る場合でも、その物性がN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドやカルボン酸アミドと極めて近いため、充分な分離が困難である。したがって、多くの場合、回収、精製されたN−ビニルカルボン酸アミドとN−ビニルカルボン酸アミドを含んだN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドとカルボン酸アミドからなる留分あるいは抽出残分などが得られる。
したがって、これらN−ビニルカルボン酸アミドを含んだN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドとカルボン酸アミドからなる混合物をいかに効率的に、かつ簡便に有用物質として回収するかが問題であった。
【0012】
以上のように、従来のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造方法は、収率、副生物の生成、原料入手の困難さ、触媒の寿命、反応工程や精製工程の煩雑さ等の点において、多くの改良を必要としており、また、未反応カルボン酸アミドの含有量の少ない高純度のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを得ることは困難であった。
さらに、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドをN−ビニルカルボン酸アミドの製造に用いる場合でも、回収、精製工程など後工程を含めた製造プロセス全体の収率、副生物の抑制、煩雑さ等の点において、満足すべき方法とは言い難い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを工業的に有利に製造する方法を開発することにある。また、得られたN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドからN−ビニルカルボン酸アミドを工業的に有利に製造する方法を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酸触媒の存在下、炭素数1〜5のアルコールおよびN−ビニルカルボン酸アミドを反応させることにより、あるいは、未反応原料であるカルボン酸アミド、未反応中間体であるN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、または未回収品であるN−ビニルカルボン酸アミドをN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド合成に利用することにより、簡単且つ良好な最終収得率でN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを効率的に製造する方法を提供する。
【0015】
即ち、本発明は、酸触媒の存在下、炭素数1〜5のアルコールおよびN−ビニルカルボン酸アミドを反応させることにより、あるいは、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミド、エチリデンビスカルボン酸アミド、アセタール、アセトアルデヒドおよび水のうち、少なくとも1種類をさらに原料に加えて反応させることにより、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを製造する方法を提供する。
また上記の方法において、酸触媒として強酸性イオン交換樹脂を使用することにより N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを製造する方法を提供する。さらに当該方法において、強酸性イオン交換樹脂を使用する際に水溶性の強酸を存在させることによりN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを製造する方法を提供する。
【0016】
また、本発明は、上記の方法によりN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを得る第1工程、第1工程のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを接触分解あるいは熱分解し、N−ビニルカルボン酸アミドに変換する第2工程、第2工程液から精製したN−ビニルカルボン酸アミドを得る第3工程からなり、第3工程の残部を第1工程にもどすことを特徴とするN−ビニルカルボン酸アミドの製造方法を提供する。
さらに本発明は、得られたN−ビニルカルボン酸アミドをモノマーとして使用し、N−ビニルカルボン酸アミドのホモポリマーまたはコポリマーの製造法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法についてさらに詳細に説明する。
本発明においては、アルコールとしては炭素数1〜5の脂肪族アルコールを用いることができる。たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、1−ペンタノール等が挙げられ、なかでもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールが好ましい。
N−ビニルカルボン酸アミドとしては、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオン酸アミド、N−ビニルイソプロピオン酸アミド、N−ビニル酪酸アミド、N−ビニルイソ酪酸アミド等のN−ビニル脂肪族カルボン酸アミドが挙げられ、なかでもN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドが好ましく、特にN−ビニルアセトアミドが好ましい。アセタールとしては、例えばアセトアルデヒドとメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ペンタノール等の脂肪族アルコールとから導かれるアセタールが挙げられる。これらのアセタールとアルコールは平衡反応の関係にあり、反応条件下ではアルコキシル基の交換反応が起こることから同一種類のアルコールとアセタールの組合せ、例えば、メタノールとジメチルアセタール、エタノールとジエチルアセタールの組合せなどが好ましい。
【0018】
カルボン酸アミドとしては、一般に脂肪族カルボン酸アミドが使用できる。これらの中にはホルムアミド、アセトアミド、プロピオン酸アミド、イソプロピオン酸アミド、酪酸アミド、イソ酪酸アミド等が挙げられるが、なかでもホルムアミド、アセトアミドが好ましく、特にアセトアミドが好ましい。これらのカルボン酸アミドは本発明の製造工程においてアセトアルデヒド及びアルコール、及び/またはアセタールと反応し、目的のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを与えることができる。
エチリデンビスカルボン酸アミドとしては、例えば、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオン酸アミド、イソプロピオン酸アミド、酪酸アミド、イソ酪酸アミド等の脂肪族カルボン酸アミドからのエチリデンビスカルボン酸アミドが挙げられ、なかでもホルムアミドやアセトアミドからのエチリデンビスカルボン酸アミドが好ましく、特にアセトアミドからのエチリデンビスカルボン酸アミドが好ましい。これらのエチリデンビスカルボン酸アミドは本発明の製造工程においてアルコール、及び/またはアセタールと反応し、目的のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを与えることができる。。
【0019】
目的物であるN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドとしては、炭素数1〜5のアルコキシル基を有し、且つ、カルボン酸アミドとしては前述のようにホルムアミド、アセトアミド、プロピオン酸アミド、イソプロピオン酸アミド、酪酸アミド、イソ酪酸アミド等の脂肪族カルボン酸アミドで、例えば、N−(1−メトキシエチル)ホルムアミド、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド、N−(1−メトキシエチル)プロピオン酸アミド、N−(1−メトキシエチル)イソプロピオン酸アミド、N−(1−メトキシエチル)酪酸アミド、 N−(1−メトキシエチル)イソ酪酸アミド、N−(1−エトキシエチル)ホルムアミド、N−(1−エトキシエチル)アセトアミド、N−(1−エトキシエチル)プロピオン酸アミド、N−(1−エトキシエチル)イソプロピオン酸アミド、N−(1−エトキシエチル)酪酸アミド、N−(1−エトキシエチル)イソ酪酸アミド、N−(1−イソプロポキシエチル)ホルムアミド、N−(1−イソプロポキシエチル)アセトアミド、N−(1−イソプロポキシエチル)プロピオン酸アミド、N−(1−イソプロポキシエチル)イソプロピオン酸アミド、N−(1−イソプロポキシエチル)酪酸アミド、N−(1−イソプロポキシエチル)イソ酪酸アミドなどが挙げられ、N−(1−アルコキシエチル)ホルムアミド、及び、N−(1−アルコキシエチル)アセトアミドが好ましい。特にN−(1−アルコキシエチル)アセトアミドが好ましい。この場合、アルコキシル基はメトキシ基またはエトキシ基が良い。これらのカルボン酸アミド基を持つ物質同士は、平衡反応の関係にあり、反応条件下ではカルボン酸アミド基の交換反応が起こることから、これらを組み合わせて使用するときは、同一種類のカルボン酸アミド基を持つ物質を使用することが適当である。
【0020】
本発明で用いる酸触媒としては、均一系触媒、不均一系触媒のいずれでもよく、前者の例としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸、リンタングステン酸などのヘテロポリ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸などが挙げられる。後者の例としては、ゲル型やポーラス型などの酸性イオン交換樹脂が挙げられ、例えば、「ダイヤイオンSK−1B]、「アンバーライトIR−120B」、「ダウエックス50W]、「ダイヤイオンPK−216]、「アンバーライト200C」、「アンバーリスト15」、「ダウエックスMSC−1」(いずれも登録商標)などが挙げられる。工業的に製造するには、不均一系触媒であるイオン交換樹脂を使用するのが好ましい。
【0021】
また、強酸性イオン交換樹脂を酸触媒として反応させる際に存在させる水溶性の強酸としては、原則的に水溶性で強酸であれば特に制限はなく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸、リンタングステン酸などのヘテロポリ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸などが挙げられる。
本発明のN−(1−アルコキシ)エチルカルボン酸アミドの合成に関わる反応は次の反応式(1)〜(8)を含む。
【0022】
【化1】
【0023】
ここでRは、水素、及びC1 〜C3 までのアルキル基を表し、R1 は、C1 〜C5 までのアルキル基を表す。
これらの反応は、いずれも平衡反応である。したがって、用いる原料の仕込モル比は所望の反応液組成、即ち、反応成績に応じて決定される。また、アルコールやカルボン酸アミドの種類によって平衡定数が異なるため、それぞれ、好ましい仕込モル比の範囲は異なってくる。
【0024】
原料の仕込モル比を設定するにあたって重要なことは、反応成績、即ち、目的化合物であるN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの収率を大きくすることと、その生産性、即ち、反応液中のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド濃度を上げることである。さらに、反応原料にN−ビニルカルボン酸アミドとアルコールの他に、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミド、エチリデンビスカルボン酸アミド、アセタール、アセトアルデヒドまたは水を用いる場合は、反応の前後でアセタールおよび、エチリデンビスカルボン酸アミドなどの副生物が増減しないことが好ましい。これらの化合物は副生物ながら、平衡反応に大きく関与している。通常これらの副生物は廃棄物の削減とコストの削減の観点から反応後、生成物と分離され、反応工程に戻される(リサイクルされる)。したがって、定常的に反応を継続するためには、副生物が増減しないことが好ましい。反応によってこれらの副生物が減少する場合は、減少分の副生物を新たに合成し、反応原料に添加する必要がある。逆に、反応によってこれらの副生物が増加する場合は、増加分を廃棄する必要がある。
【0025】
これらを踏まえた上で、通常、原料中の各成分のモル比は下記の比率が好ましい。N−ビニルカルボン酸アミドとアルコールのモル比は1:0.1〜100の範囲から選択されるが、なかでも1:0.5〜25が特に好ましい。
これらに加えて、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミド、エチリデンビスカルボン酸アミド、アセタール、アセトアルデヒドおよび水を存在させる場合は、N−ビニルカルボン酸アミドとN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミド、エチリデンビスカルボン酸アミド、アセタール、アセトアルデヒドおよび水とのモル比は1:0〜20:0〜20:0〜10:0〜200:0〜50:0〜10の範囲から選択されるのがよく、なかでも1:0.1〜10:0.1〜10:0.01〜1:10〜100:1〜20:1〜5が特に好ましい。
【0026】
N−ビニルカルボン酸アミド、カルボン酸アミドまたはN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドに対してアセトアルデヒドのモル比をこれ以上にしても収率の向上は期待できず、アセトアルデヒド縮合物の生成量が増すだけである。また、これ以下にすると収率が低下する。N−ビニルカルボン酸アミド、カルボン酸アミドまたはN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドに対してアルコールのモル比をこれ以上にするとN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの収率が低下し、アセタールが増加するとともに、生産性が低下する。また、これ以下にすると、N−ビニルカルボン酸アミドへのカルボン酸アミドの付加反応が優先してエチリデンビスカルボン酸アミドの生成量が増し、アセタールが減少してしまう。N−ビニルカルボン酸アミド、カルボン酸アミドまたはN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドに対してアセタールのモル比をこれ以上にすると生産性が低下するとともにアセタール量が減少する。また、これ以下にするとN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの収率が低下し、エチリデンビスカルボン酸アミドの生成量が増す。N−ビニルカルボン酸アミド、カルボン酸アミドまたはN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドに対してエチリデンビスカルボン酸アミドのモル比はこの範囲で反応前後のエチリデンビスカルボン酸アミド量がバランスする。また、N−ビニルカルボン酸アミド、カルボン酸アミドまたはN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドに対して水をこれ以上加えると、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの収率が低下すると共に、アセタールが減少するため、好ましくない。
【0027】
以上、反応原料の各化合物のモル比について、本発明を説明した。しかし、前述のように本発明で用いる反応はいずれも平衡反応である。また、これらの平衡反応は反応原料と生成物がお互いに関連した非常に複雑な反応系である。したがって、反応原料の組成を各化合物のモル比でも説明可能であるが、むしろ、各化合物を構成する「部位」に分解し、その「部位」の比率で本発明の原料組成を説明する。
本発明において「部位」とは、それぞれの化合物を構成する官能基であり、「エチリデン」、「アルコキシル」、「アミド」、「水」の4つの部位があるとする。
例えば、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドは、「エチリデン」部位1つ、「アルコキシル」部位1つ、「アミド」部位1つから成る。アセタールは「エチリデン」部位1つ、「アルコキシル」部位2つから成る。アセトアルデヒドについては次のように考える。アセトアルデヒドとアルコールからのアセタール合成反応を例に挙げて説明する。上で定義したようにアセタールの部位は「エチリデン」部位1つと「アルコキシル」部位2つである。アルコール2当量とH20 は明らかに、それぞれ「アルコキシル」部位2つと「水」部位1つである。したがって、部位についての化学量論式より、アセトアルデヒドの部位は「エチリデン」部位1つと「水」部位1つとなる。
【0028】
【表1】
【0029】
化学量論式
【化2】
同様に、その他の化合物についても構成する部位は下表のようになる。
【表2】
表中、「EA」はN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、「NV」はN−ビニルカルボン酸アミド、「EBA 」はエチリデンビスカルボン酸アミドを表す。「部位」の比率を用いて表した原料組成は「アミド」:「エチリデン」:「アルコキシル」:「水」=1:1〜20:1〜100:0〜10であるのがよく、好ましくは1:5〜15:10〜50:1〜5である。
【0030】
反応形式は回分式あるいは連続式が用いられる。回分式は、均一系触媒を使用する際は、反応器に原料、酸触媒を供給して反応させ、不均一系触媒を使用する際には、反応器に原料、酸触媒、及び水溶性の強酸を供給して反応させる。連続式は、均一系触媒を使用する際は撹拌槽、または管状反応器に、原料と酸触媒を供給して反応させ、不均一系触媒を使用する際は撹拌槽、または管状反応器に、原料と酸触媒、及び水溶性の強酸を供給して反応させる。本発明は、特に触媒を充填した触媒層を用い、この中を水溶性の強酸を含む原料組成物を通過させる連続式に用いる時に効果が大きい。
【0031】
酸触媒の使用量については必ずしも厳密な制限はないが、原料重量に対して0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜15重量%の範囲から適宜に選択される。30重量%以上用いても反応速度の大きな増加はなく、経済的に好ましくない。また、0.01%以下では反応速度が小さく、生産性の点で好ましくない。
また、強酸性イオン交換樹脂を酸触媒として使用する際に存在させる水溶性の強酸の量は、原料のうちカルボン酸アミド基をもつ物質の総モル数に対して、2×10-3〜3×10-1当量の範囲から選択されるのがよいが、2×10-3〜3×10-2当量が好ましく、2×10-3〜1×10-2当量が特に好ましい。このときの当量とは、カルボン酸アミド基に対する酸の量を表すために用いられる化学当量を表す。3×10-1当量を越える量を用いても触媒の長寿命化の効果は飽和しておりそれ以上の長寿命化は望めず、また、強酸の使用量に応じて対応する中和塩の副生が避けられないため好ましくない。また、2×10-3当量未満の量では触媒の長寿命化に顕著な効果は認められず好ましくない。
【0032】
水溶性の強酸の添加方法は、原料組成物中に予め添加しておく方法、強酸性イオン交換樹脂と接触させる直前に添加する方法などいずれでも良く特に制限はない。後者の場合、腐食を防止する観点から水溶性の強酸を希釈して添加する方法が好ましい。この時の希釈剤としては、強酸が均一に溶解するものであれば特に制限はないが、反応原料の組成を変えないためにも、原料として用いられる物質を使用する方法が好ましい。具体的には、前述の炭素数1〜5のアルコール、アセタールが挙げられる。この時、強酸の変質などの好ましくない反応を抑制するために水を少量存在させておくことが効果的である。
【0033】
この反応において、強酸性イオン交換樹脂の長寿命化の理由は明らかではないが、原料中に含まれるごく微量の塩基性物質、あるいは原料中の酸成分による装置の腐食による金属イオン、また、反応時における原料のカルボン酸アミドの加水、加溶媒分解反応によって生成するごく微量の塩基性イオンなどの強酸性イオン交換樹脂への吸着が少量の水溶性の強酸を添加することによって抑えられ、触媒の失活を抑制する効果があるものと推定される。
【0034】
反応温度は通常0〜150℃の範囲から選択されるのがよく、20〜80℃が特に好ましい。0℃以下では、反応速度が遅いため好ましくない。また、150℃以上では、不純物の生成が増加し、好ましくない。
反応時間は反応に用いる触媒量、反応温度、原料の化合物の種類等により異なるが、通常0.05〜10時間の範囲から選択されるのがよく、特に0.1〜5時間が好ましい。
これらの反応条件は、使用するアルコール、アセタール等の原料化合物の種類によって最適条件が異なるので目的物のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを収率よく得るためには上記の範囲でその反応に合った原料組成、反応温度、反応時間を設定することが重要である。また、圧力は減圧、常圧、加圧、のいずれの条件でも可能であるが、通常は常圧で差し支えない。
【0035】
次に、上述の第1工程で得られたN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを接触分解あるいは熱分解し、N−ビニルカルボン酸アミドとアルコールに変換する第2工程について説明する。
N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドのN−ビニルカルボン酸アミドへの変換は熱分解や接触分解など公知の方法による。それらの反応条件としては、たとえば、気相または液相で、反応温度、60〜600℃、反応時間、0.3秒〜2時間、反応圧力、0.1mmHg〜大気圧が挙げられる。接触分解を行う場合に用いる触媒としては、カルボン酸のアルカリ金属塩、例えば、酢酸カリウムなど、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、例えば、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
【0036】
さらに、第2工程液から精製したN−ビニルカルボン酸アミドを得る第3工程の実施態様について詳細に説明する。
本発明の方法において、第3工程としては、精密蒸留法、共沸蒸留法、再結晶法、圧力晶析法など公知の方法が用いられる。
精密蒸留法で分離する場合の蒸留装置としては特に制限はなく、1〜50段の理論段数を有する棚段塔や充填塔が用いられるが、圧力損失が少なく、精留性能の優れた精留塔を用いることが好ましく、このような例として規則充填物を用いた充填塔が挙げられる。N−ビニルカルボン酸アミドは熱に対して変質し易いので可能な限り低温で蒸留することが好ましい。したがって、0.01から100mmHgの減圧下で蒸留が行われる。
【0037】
本発明は連続的にも非連続的にも実施できるが、連続的操作の方が生産性、運転安定性などの点で好ましい。還流比は特に制限はなく、N−ビニルカルボン酸アミドの含有量、種類、蒸留塔の性能などに応じて設定されるが、0.1〜20程度で充分であり、好ましくは0.5〜10程度である。
【0038】
本発明の方法において、N−ビニルカルボン酸アミド溶液の冷却による再結晶法で分離する場合は、これらの溶液を直接冷却してもよいが、N−ビニルカルボン酸アミドとの反応性がなく、適度な溶解性を有する再結晶溶媒を用いてもよい。このような再結晶溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど芳香族炭化水素、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなど脂肪族炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノールなどアルコール類、塩化メチレン、クロロフォルム、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどエステル類、ジエチルエーテルなどエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどアミド類、ジメチルスルフォキシドなどが挙げられ、特に、トルエン、シクロヘキサン、メタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。また、これらの組み合わせも用いられる。冷却温度はN−ビニルカルボン酸アミドと再結晶溶媒の種類や量によって適切な温度が異なるが、−20〜50℃、好ましくは−10〜40℃である。
【0039】
本発明で用いられる晶析装置としては連続式、回分式のどちらでも、また、晶析方法も冷媒との熱交換による方法でも溶媒の蒸発による濃縮と冷却による方法でもよく、構造様式に厳密な条件はない。
本発明で用いられる結晶の分離装置についても真空圧や加圧を利用するもの、重力や遠心力を利用するものなど特に制限はない。
【0040】
本発明においては、晶析操作と分離操作を同一装置内で行う固液分離器も用いることができる。このような例として、再結晶溶媒を用いない場合などには圧力晶析機、流下液膜式晶析機(MWB分別晶析装置など)や塔型連続晶析精製装置(BMC装置など)が好ましい。また、高濃度のスラリーを濾過する場合にはローゼンムンドフィルターのような自動ヌッチェフィルターが好ましい。
第3工程でN−ビニルカルボン酸アミドを精製分離した残部には、主にN−ビニルカルボン酸アミド、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミドが含まれている。本発明では、これらの混合物を第1工程にリサイクルし、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド合成の原料に用いられる。残部をそのままリサイクルしてもよいが、N−ビニルカルボン酸アミドのオリゴマーなど高沸点を有する物質が含まれている場合は、一旦、蒸留精製を行った後、反応に用いてもよい。
【0041】
本発明の方法によって得られるN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドは、主として例えばN−ビニルカルボン酸アミドの製造のための中間体であり、これらは既述のN−ビニルカルボン酸アミド系ホモポリマーまたはコポリマ−や有用な化学薬品へと誘導される。
本発明によれば、本発明で得られたN−ビニルカルボン酸アミドをモノマーとして使用することによって、高分子量のN−ビニルカルボン酸アミドのホモポリマーまたは他の共重合可能なモノマーとのコポリマーを製造できる。
【0042】
本発明でN−ビニルカルボン酸アミドと共重合可能なモノマーとして代表的なものを具体的に例示すれば、以下のようなものが挙げられる。
アクリル酸、メタクリル酸(以下、総称して(メタ)アクリル酸という。)またはそれらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;そのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、パルミチルエステル等のアルキルエステル;そのヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルエステル、ヒドロキシブチルエステル等のヒドロキシ低級アルキルエステル;そのジメチルアミノメチルエステル、ジメチルアミノエチルエステル、ジメチルアミノプロピルエステル、ジメチルアミノブチルエステル、ジエチルアミノメチルエステル、ジエチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノプロピルエステル、ジエチルアミノブチルエステル等の低級アルキルアミノ基で置換された低級アルキルエステル;そのトリメチルアンモニオエチルエステルハライド、トリメチルアンモニオプロピルエステルハライド、トリエチルアンモニオエチルエステルハライド、トリエチルアンモニオプロピルエステルハライド等の第4級アンモニウム基で置換された低級アルキルエステルハライド(ハライドはクロライドまたはブロマイドが好ましい。);そのジメチルアミノメチルアミド、ジメチルアミノエチルアミド、ジメチルアミノプロピルアミド、ジメチルアミノブチルアミド、ジエチルアミノメチルアミド、ジエチルアミノエチルアミド、ジエチルアミノプロピルアミド、ジエチルアミノブチルアミド等の低級アルキルアミノ基で置換された低級アルキルアミド;そのトリメチルアンモニオエチルアミドハライド、トリメチルアンモニオプロピルアミドハライド、トリエチルアンモニオエチルアミドハライド、トリエチルアンモニオプロピルアミドハライド等の第4級アンモニウム基で置換された低級アルキルアミドハライド;そのスルフォメチルアミド、スルフォエチルアミド、スルフォプロピルアミド、スルフォブチルアミド、ソジウムスルフォメチルアミド、ソジウムスルフォエチルアミド、ソジウムスルフォプロピルアミド、ソジウムスルフォブチルアミド、カリウムスルフォメチルアミド、カリウムスルフォエチルアミド、カリウムスルフォプロピルアミド、カリウムスルフォブチルアミド等のスルホン酸またはアルカリ金属スルホン酸で置換された低級アルキルアミド;アクリロニトリル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン等のビニルケトン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の低級カルボン酸ビニル;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ナトリウム、マレイン酸カリウムなどが挙げられる。
【0043】
これらの中で特に(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル酸エステル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステル、塩化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、スルフォプロピルアクリルアミド、スルフォブチルアクリルアミド、ソジウムスルフォプロピルアクリルアミド、ソジウムスルフォブチルアクリルアミド、アクリロニトリル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、酢酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、無水マレイン酸などが好ましいものとして挙げられる。
【0044】
また、本発明でN−ビニルカルボン酸アミドと共重合可能なモノマーとして1分子中に不飽和基を2個以上有する化合物である架橋性モノマーまたは架橋剤を使用することができる。
重合方法については必ずしも制限はないが、従来公知の方法を用いることができる。通常は溶液重合法、逆相懸濁重合法、逆相乳化重合法等の方法によることが好ましい。
例えば、溶液重合法としては、水又は有機溶媒或いはこれらの混合溶媒等の溶媒中にモノマー成分、架橋剤を均一に溶解し、真空脱気あるいは窒素、炭酸ガス等の不活性ガスによる置換等により系内の溶存酸素を除去した後、重合開始剤を添加して反応させる。重合開始温度は通常−10〜60℃程度であり、反応時間は1〜10時間程度である。
【0045】
【実施例】
[実施例1]
5Lガラス製反応器にN−ビニルアセトアミドを1kg、メタノールを3kg、強酸性イオン交換樹脂「ダウエックスMSC−1」(登録商標)30gを加え、室温で5時間撹拌した。反応液を分析したところ、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドが定量的に生成していた。
【0046】
[実施例2]
アセトアミド6.9重量%、N−ビニルアセトアミド57.4重量%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド35.6重量%から成る混合物(以下、NVA混合液と呼ぶ)19.1g、ジメチルアセタール96.0重量%、アセトアルデヒド0.1重量%、メタノール2.9重量%、水分0.23重量%、ヘミアセタール0.27重量%から成る混合液(以下、アセタール原料と呼ぶ)726.5g、アセトアルデヒド86.7g、メタノール126.7g、アセトアミド27.8g、N−ビニルアセトアミド6.8g、水9.9gを混合した。混合液のN−ビニルアセトアミドとN−(1−メトキシエチル)アセトアミド、アセトアミド、アセタール、アセトアルデヒド、水、メタノールとのモル比は1:0.36:2.4:37.2:9.7:3.1:22.3であった。また、これらの比率を「部位」で表すと、「アミド」:「エチリデン」:「メトキシ」:「水」=1:12.9:26.0:3.4であった。これらを十分混合し、反応原料液として、強酸性イオン交換樹脂「ダウエックスMSC−1」(登録商標)10mlを充填した内径25mmの反応管の上部から毎時50ml供給した。反応器のジャケットには40℃の温水を流し、反応温度を40℃に制御した。反応成績は、反応器下部の出口から得られた反応液を中和処理後、ガスクロマトグラフィ−で定量分析して算出した。7時間後の反応成績は、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド収率(アセトアミド+N−(1−メトキシエチル)アセトアミド+N−ビニルアセトアミド基準)87.4%であり、反応副生物であるエチリデンビスアセトアミドの収率(算出基準はN−(1−メトキシエチル)アセトアミド収率と同じ)は、5.2%であった。
【0047】
[実施例3]
NVA混合液11.5g、アセタール原料435.9g、アセトアルデヒド50.6g、メタノール76.0g、アセトアミド14.8g、N−ビニルアセトアミド6.7g、水6.5gを混合した。混合液のN−ビニルアセトアミドとN−(1−メトキシエチル)アセトアミド、アセトアミド、アセタール、アセトアルデヒド、水、メタノールとのモル比は1:2.89:1.7:29.8:7.54:2.68:17.9であった。また、これらの比率を「部位」で表すと、「アミド」:「エチリデン」:「メトキシ」:「水」=1:12.9:26.0:3.4であった。これらを十分混合し、反応原料液として、実施例2と同様に反応したところ、7時間後の反応成績は、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド収率87.5%であり、反応副生物であるエチリデンビスアセトアミドの収率は、5.4%であった。
【0048】
[実施例4]
N−ビニルアセトアミド、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド、アセトアミド、アセトアルデヒドジメチルアセタール、アセトアルデヒド、水、メタノ−ルのモル比1:0.3:0.2:17.3:5.4:2.2:10.3の原料を調製した。これらの比率を「部位」で表すと、「アミド」:「エチリデン」:「メトキシ」:「水」=1:14.1:26.4:4.5であった。これにN−ビニルカルボン酸アミド、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド、アセトアミドの総モル数に対して3.76×10-3当量の硫酸を添加し十分に溶解させ、反応原料液とした。強酸性イオン交換樹脂「ダウエックスMSC−1」(登録商標)10mlを充填した内径25mmの反応管の上部から反応原料液を毎時50ml供給した。反応器のジャケットには40℃の温水を流し、反応温度を40℃に制御した。反応成績は、反応器下部の出口から得られた反応液を中和処理後、ガスクロマトグラフィーで定量分析して算出した。24時間後の反応成績は、アセトアミド転化率93.5%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率96.3%であり、650時間経過後の反応成績は、アセトアミド転化率93.2%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率96.1%であり、活性の低下はみられなかった。ある時間経過したときの反応初期に対するアセトアミド転化率の低下率を活性低下率と定義すると、650時間後の活性低下率は、0.32%であった。また、反応副生物であるエチリデンビスアセトアミドの生成は、2.8%であった。
【0049】
[実施例5]
硫酸の添加量をN−ビニルアセトアミド、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド、アセトアミドの総モル数に対してに対して3.76×10-3当量から1.88×10-2当量に代えた以外は、実施例4と全く同様に操作を行なった。24時間経過後の反応成績は、アセトアミド転化率93.1%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドの選択率95.8%であった。また、650時間経過後の反応成績は、アセトアミド転化率92.9%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドの選択率95.2%であり、活性低下率は、0.21%であった。エチリデンビスアセトアミドの生成は、3.2%であった。
【0050】
[実施例6]
実施例4の原料組成のうち、メタノ−ル1/5量を別にとりこれにN−ビニルアセトアミド、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド、アセトアミドの総モル数に対して3.76×10-3当量の硫酸を添加し十分に溶解した。この2つの溶液を別々に供給し、その他は実施例4と同様に操作を行った。24時間後の反応成績は、アセトアミド転化率92.9%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率90.0%であった。650時間後の反応成績は、アセトアミド転化率92.5%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率89.9%であり、活性低下率は0.43%であった。反応副生物であるエチリデンビスアセトアミドの生成は、4.7%であった。また、2000時間後の反応成績は、アセトアミド転化率92.1%N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率91.6%であり、活性低下率は0.86%であった。また、反応副生物であるエチリデンビスアミドの生成は、5.0%であった。
【0051】
[実施例7]
〔第1工程(N−(1−メトキシエチル)アセトアミド合成工程)〕
後述の水分離工程で得られたジメチルアセタール74.4重量%、メタノール13.8重量%、アセトアルデヒド7.5重量%、酢酸メチル3.3重量%、水1重量%からなるアセタール回収液7869kgと後述のN−ビニルアセトアミド濃縮工程で得られたメタノール144kgに新たにメタノール15kgを加え、さらに、後述のろ液回収工程で得られたアセトアミド11.0重量%、N−ビニルアセトアミド54.4重量%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド32.2重量%、その他の成分2.4重量%から成るリサイクル液212kg、および、アセトアミド239kg、アセトアルデヒド165kgを加え、十分に混合し、反応原料液を調製した。混合液のN−ビニルアセトアミドとN−(1−メトキシエチル)アセトアミド、アセトアミド、アセタール、アセトアルデヒド、水、メタノールとのモル比は1:0.28:3.14:46.4:12.3:3.64:27.8であった。また、これらの比率を「部位」で表すと、「アミド」:「エチリデン」:「メトキシ」:「水」=1:13.2:26.6:3.5であった。この原料を強酸性イオン交換樹脂「ダウエックスMSC−1」(登録商標)150Lを充填した反応器の上部から毎時450L供給した。反応器のジャケットには40℃の温水を流し、反応温度を40℃に制御した。反応成績は、反応器下部の出口から得られた反応液を中和処理後、ガスクロマトグラフィーで定量分析して算出した。反応成績は、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド収率(アセトアミド+N−(1−メトキシエチル)アセトアミド+N−ビニルアセトアミド基準)88.0%であり、反応副生物であるエチリデンビスアセトアミドの収率(算出基準はN−(1−メトキシエチル)アセトアミド収率と同じ)は、4.0%であった。
【0052】
〔アセタール回収工程〕
第1工程(N−(1−メトキシエチル)アセトアミド合成工程)で得られた反応液からジメチルアセタール、メタノール、アセトアルデヒド、酢酸メチル、水など軽沸分を留去する工程である。第1工程(N−(1−メトキシエチル)アセトアミド合成工程)で得られた反応液を150mmHgに減圧した伝熱面積2.8m2 の流下薄膜式連続蒸発器に毎時450Lで供給した。ジャケットには100℃の熱媒を循環させた。エチリデンビスアセトアミドを2.6重量%、アセトアミドを4.4重量%含むN−(1−メトキシエチル)アセトアミドからなる蒸発残分が得られた。ジメチルアセタール72.9重量%、メタノール13.5重量%、アセトアルデヒド7.4重量%、酢酸メチル3.2重量%、水2.9重量%からなる揮発成分を凝縮した液は後述の水分離工程に送液した。
【0053】
〔エチリデンビスアセトアミド分離工程〕
アセタール回収工程で得られたN−(1−メトキシエチル)アセトアミドを主成分とする蒸発残分を5mmHgで単蒸留した。得られた留分のN−(1−メトキシエチル)アセトアミド中のアセトアミドは4.1重量%であった。この液を第2工程(N−ビニルアセトアミド合成工程)に送液した。蒸発残分の主成分はエチリデンビスアセトアミドであった。
【0054】
〔第2工程(N−ビニルアセトアミド合成工程)〕
エチリデンビスアセトアミド分離工程で得られたN−(1−メトキシエチル)アセトアミドを主成分とする留分を毎分33gで、440℃に加熱し100mmHgに減圧した内径20mm、全長6mのステンレス反応管に供給した。反応管出口に設けられた冷却器で熱分解反応で生成したN−ビニルアセトアミドとメタノールの混合物を凝縮し、回収した。N−(1−メトキシエチル)アセトアミドの転化率は88%であった。
【0055】
〔N−ビニルアセトアミド濃縮工程〕
第2工程(N−ビニルアセトアミド合成工程)で得られた反応液を減圧度76mmHgから24mmHgまで上げながら、メタノールを留去した。留去後の残液はN−ビニルアセトアミドを78.0重量%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドを14.6重量%、アセトアミドを5.4重量%、その他の成分を2重量%含んでいた。
【0056】
〔第3工程(N−ビニルアセトアミド精製工程)〕
N−ビニルアセトアミド濃縮工程で得られた粗N−ビニルアセトアミド溶液を28℃に冷却し、N−ビニルアセトアミドの一部を晶析させ、スラリー液にした。このN−ビニルアセトアミドスラリーを高圧容器内で1800kg/cm2 に加圧し、N−ビニルアセトアミドを圧力晶析するとともに、母液を分離した。N−ビニルアセトアミド結晶の純度は99.5%、母液の組成はアセトアミド11.1重量%、N−ビニルアセトアミド54.9重量%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド29.9重量%、その他の成分4.1重量%であった。
【0057】
〔ろ液回収工程〕
第3工程(N−ビニルアセトアミド精製工程)で得られた母液を4mmHgで単蒸留し、アセトアミド11.0重量%、N−ビニルアセトアミド54.4重量%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド32.2重量%、その他の成分2.4重量%から成る留出液を収率90%で得た。得られた液をN−(1−メトキシエチル)アセトアミド合成工程に送り、リサイクルした。
【0058】
〔水分離工程〕
ジメチルアセタール72.9重量%、メタノール13.5重量%、アセトアルデヒド7.4重量%、酢酸メチル3.2重量%、水2.9重量%からなるアセタール回収工程からの留出液を毎時200Lで内径400mm 、充填高さ10mの充填塔の中央部に供給した。還流比は2で、塔頂の温度60℃、塔底の温度が100℃を維持するように加熱を行った。缶出液は実際上水で、留出液はジメチルアセタール74.4重量%、メタノール13.8重量%、アセトアルデヒド7.5重量%、酢酸メチル3.3重量%、水1重量%からなる混合物であった。
【0059】
[実施例8]
ガラス製反応器に水745g、実施例7で得られたN−ビニルアセトアミドを250g、架橋剤としてN,N’−(ジアセチル)−N,N’−(ジビニル)−1、4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン0.409gを加えて溶解し、窒素ガスにて溶存酸素を除去した後、重合開始剤として、脱気水5mLに溶解した2、2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン二塩酸塩0.075gを加え、断熱して静置した。7時間後、重合熱により反応器の内部の温度は71℃に達した。
【0060】
【発明の効果】
本発明のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造方法は、収率、副生物の生成、原料入手の困難さ、触媒の寿命、反応工程や精製工程の煩雑さ等の点において、改良され、未反応カルボン酸アミドの含有量の少ない高純度のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを得ることができる。
さらに、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを高純度のN−ビニルカルボン酸アミドの製造に用いる場合でも、回収、精製工程など後工程を含めた製造プロセス全体の収率、副生物の抑制、煩雑さ等の点において、満足すべき方法を提供する。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide. This N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide is useful as an intermediate for analytical applications, various agricultural chemicals, and pharmaceuticals, and is also an N-vinylcarboxylic acid amide type that can be used as a water-absorbing agent, thickener, etc. It is an intermediate of N-vinylcarboxylic acid amide that is extremely useful as a polymer monomer or as a raw material for the synthesis of chemicals such as taurine and cysteamine.
Furthermore, the present invention relates to a process for producing N-vinylcarboxylic amide from N- (1-alkoxyethyl) carboxylic amide, and an N-vinylcarboxylic amide system using the obtained N-vinylcarboxylic amide as a monomer. The present invention relates to a method for producing a polymer.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, various methods have been proposed for synthesizing N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amides. Focusing on the raw materials for these methods, the methods are classified into a method using acetal, a method using ethylidene biscarboxylic amide, a method using acetaldehyde, and the like.
[0003]
As a method using dimethyl acetal as a raw material, US Pat. No. 4,554,377 discloses a method of reacting dimethyl acetal and a carboxylic acid amide in the presence of a strong acid such as methanesulfonic acid or sulfuric acid, or a strong acidic ion exchange resin. Has been. However, in this method, it is necessary to synthesize dimethyl acetal separately and to use it after further isolation. In addition, in order to obtain a high yield, the raw material composition is dimethyl acetal with respect to 1 mol of carboxylic acid amide. It has the disadvantage that it has to be diluted to a very high 20 mol and the productivity is very low. JP-A-2-9851 reports that N- (1-alkoxyethyl) formamide is similarly synthesized from formamide and acetal, but has the same problems.
[0004]
Moreover, as a method of using ethylidene biscarboxylic amide as a raw material, there are JP-A-1-100353 and JP-A-2-304053. This method can be obtained easily and inexpensively by reacting ethylidene bisamide, which is easily produced from acetaldehyde and carboxylic acid amide or vinyl ether and carboxylic acid amide, etc., with an alkanol. Alkoxyethyl) carboxylic acid amides are obtained. However, as a problem of this method, after completion of the reaction, in order to isolate N- (1-alkoxyethyl) amide, a complicated operation including extraction is required, and the synthesis of ethylidenebiscarboxylic acid amide and N It requires the two-step operation of the synthesis of-(1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide.
[0005]
Methods using acetaldehyde as a raw material are described in JP-B-6-17351 and JP-A-63-96160. Although these methods yield the target N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide in a relatively high yield, acetal and ethylidenebisamide are by-produced. As a similar method, there is a method described in Japanese Patent Publication No. 5-81581. This describes the possibility of reusing the acetal produced as a by-product in the production of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide in the reaction system. Has not been made. Also, the response results are not sufficient.
[0006]
On the other hand, JP-A-6-100515 proposes a method for producing a target N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide in a relatively high yield in the presence of acetal and ethylidenebiscarboxylic acid primary amide. Yes.
As described above, the method using acetaldehyde as a raw material has a relatively high yield by reacting in a single step from the three types of compounds of carboxylic acid amide, acetaldehyde, and alcohol, which are easily available and inexpensive, in the presence of a strongly acidic catalyst. Since N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide can be synthesized, it is expected as an industrially advantageous production method.
[0007]
Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 62-289549 and 63-96160 disclose a relatively high yield using a cation exchange resin using a primary carboxylic acid amide, acetaldehyde, and a linear or branched alkanol as raw materials. A method for obtaining the desired N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide at a high rate is disclosed. Since this method uses a cation exchange resin which is a heterogeneous catalyst, there is an advantage that the reaction product and the catalyst can be easily separated. However, when a cation exchange resin is used as a catalyst, it may be deactivated during use. This is presumed to be caused by impurities such as a very small amount of basic ions by-produced during the reaction, metal ions contained in the raw materials, or basic substances. Therefore, in adopting the production method, there are problems to be solved industrially from the viewpoints of production interruption due to catalyst deactivation, regeneration cost of the deactivated resin, and the like.
[0008]
In addition to these methods, JP-A-6-100515 describes the use of a homogeneous catalyst. However, since this method requires a large amount of acid catalyst for the raw material, disposal of the neutralized salt after the reaction becomes a problem.
[0009]
By the way, since all the manufacturing methods of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide are equilibrium reactions, it is not possible to convert all of the carboxylic acid amides to N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amides. Therefore, all of these reaction solutions contain carboxylic acid amide as a raw material in addition to N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide. In general, N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide and its raw material, carboxylic acid amide, have very close physical properties such as vapor pressure, and in particular, have a lower aliphatic alkoxyl group such as a methoxy group, an ethoxy group, and an isopropoxy group. When it contained, refinement | purification was difficult.
[0010]
Furthermore, the N- (1-alkoxyethyl) carboxylic amide obtained as desired undergoes elimination reaction of alcohol by thermal decomposition or catalytic decomposition reaction, and is used for production of N-vinylcarboxylic amide. Since this reaction is also an equilibrium reaction, N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide cannot be completely converted to N-vinylcarboxylic acid amide. Therefore, the obtained reaction liquid contains unreacted N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide and carboxylic acid amide as main impurities in addition to N-vinylcarboxylic acid amide.
Various methods have been proposed for recovering and purifying N-vinylcarboxylic acid amide from this reaction solution. For example, when N-vinylcarboxylic acid amide is obtained by crystallization operation, not all N-vinylcarboxylic acid amide can be recovered in principle, but N- (1-alkoxy containing N-vinylcarboxylic acid amide is included. A mother liquor consisting of ethyl) carboxylic amide and carboxylic amide is obtained.
[0011]
On the other hand, even when N-vinylcarboxylic acid amide is obtained by a separation operation such as distillation or extraction, its physical properties are very close to those of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide or carboxylic acid amide. is there. Therefore, in many cases, a fraction or an extraction residue comprising N- (1-alkoxyethyl) carboxylic amide and carboxylic amide containing N-vinylcarboxylic amide and N-vinylcarboxylic amide recovered and purified. Etc. are obtained.
Therefore, there has been a problem of how to efficiently and simply recover a mixture of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide containing N-vinylcarboxylic acid amide and carboxylic acid amide as a useful substance. .
[0012]
As described above, the conventional method for producing N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide has yield, production of by-products, difficulty in obtaining raw materials, catalyst life, complexity of reaction process and purification process, and the like. In this respect, many improvements are required, and it has been difficult to obtain high-purity N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide with a low content of unreacted carboxylic acid amide.
Furthermore, even when N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide is used for the production of N-vinylcarboxylic acid amide, the yield of the entire production process including post-processes such as recovery and purification steps, suppression of by-products, and complexity In that respect, it is hard to say that the method is satisfactory.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to develop a method for industrially advantageously producing N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amides. Further, the present invention provides a method for industrially advantageously producing N-vinylcarboxylic amide from the obtained N- (1-alkoxyethyl) carboxylic amide.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, by reacting an alcohol having 1 to 5 carbon atoms and N-vinylcarboxylic amide in the presence of an acid catalyst, or by reacting an unreacted raw material carboxylic acid amide, an unreacted intermediate N- ( By using 1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide or unrecovered N-vinylcarboxylic acid amide for the synthesis of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide, N— A method for efficiently producing (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amides is provided.
[0015]
That is, the present invention can be obtained by reacting an alcohol having 1 to 5 carbon atoms with N-vinylcarboxylic acid amide in the presence of an acid catalyst, or N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide, carboxylic acid amide, Provided is a method for producing N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide by reacting at least one of ethylidenebiscarboxylic acid amide, acetal, acetaldehyde and water by further adding to the raw material.
Moreover, in said method, the method of manufacturing N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide is provided by using a strong acidic ion exchange resin as an acid catalyst. Furthermore, in the said method, the method of manufacturing N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide by making a water-soluble strong acid exist when using a strong acidic ion exchange resin is provided.
[0016]
Further, the present invention provides a first step for obtaining N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide by the above method, catalytic cracking or thermal decomposition of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide in the first step, The second step of converting to N-vinylcarboxylic acid amide, the third step of obtaining purified N-vinylcarboxylic acid amide from the second step liquid, and returning the remainder of the third step to the first step A method for producing N-vinylcarboxylic acid amide is provided.
Furthermore, the present invention provides a method for producing a homopolymer or copolymer of N-vinylcarboxylic amide using the obtained N-vinylcarboxylic amide as a monomer.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the method of the present invention will be described in more detail.
In the present invention, an aliphatic alcohol having 1 to 5 carbon atoms can be used as the alcohol. For example, methanol, ethanol, n-propanol, isopropanol, n-butanol, sec-butanol, 1-pentanol and the like can be mentioned, and methanol, ethanol, isopropyl alcohol and n-butanol are particularly preferable.
Examples of the N-vinylcarboxylic acid amide include N-vinylformamide, N-vinylacetamide, N-vinylpropionic acid amide, N-vinylisopropionic acid amide, N-vinylbutyric acid amide, N-vinylisobutyric acid amide, and the like. -A vinyl aliphatic carboxylic acid amide is mentioned, N-vinylformamide and N-vinylacetamide are especially preferable, and N-vinylacetamide is particularly preferable. Examples of acetals include acetals derived from acetaldehyde and aliphatic alcohols such as methanol, ethanol, n-propanol, isopropanol, n-butanol, sec-butanol, and n-pentanol. Since these acetals and alcohols are in an equilibrium reaction, an exchange reaction of alkoxyl groups occurs under the reaction conditions, so the same kind of alcohol and acetal combination, for example, methanol and dimethyl acetal, ethanol and diethyl acetal, etc. preferable.
[0018]
As the carboxylic acid amide, an aliphatic carboxylic acid amide can be generally used. Among these, formamide, acetamide, propionic acid amide, isopropionic acid amide, butyric acid amide, isobutyric acid amide and the like can be mentioned, among which formamide and acetamide are preferable, and acetamide is particularly preferable. These carboxylic acid amides can react with acetaldehyde and alcohol and / or acetal in the production process of the present invention to give the desired N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide.
Examples of ethylidene biscarboxylic acid amides include ethylidene biscarboxylic acid amides from aliphatic carboxylic acid amides such as formamide, acetamide, propionic acid amide, isopropionic acid amide, butyric acid amide, and isobutyric acid amide. And ethylidene biscarboxylic amide from acetamide is preferred, and ethylidene biscarboxylic amide from acetamide is particularly preferred. These ethylidene biscarboxylic amides can react with alcohol and / or acetal in the production process of the present invention to give the desired N- (1-alkoxyethyl) carboxylic amide. .
[0019]
The target N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide has an alkoxyl group having 1 to 5 carbon atoms, and the carboxylic acid amide includes formamide, acetamide, propionic acid amide, isopropylidene as described above. Aliphatic carboxylic acid amides such as on acid amide, butyric acid amide, isobutyric acid amide, such as N- (1-methoxyethyl) formamide, N- (1-methoxyethyl) acetamide, N- (1-methoxyethyl) propion Acid amide, N- (1-methoxyethyl) isopropionic acid amide, N- (1-methoxyethyl) butyric acid amide, N- (1-methoxyethyl) isobutyric acid amide, N- (1-ethoxyethyl) formamide, N -(1-ethoxyethyl) acetamide, N- (1-ethoxyethyl) propionic acid amide, N- (1-ethoxyethyl) isopropionic acid amide, N- (1-ethoxyethyl) butyric acid amide, N- (1-ethoxyethyl) isobutyric acid amide, N- (1-isopropoxyethyl) formamide, N- (1- Isopropoxyethyl) acetamide, N- (1-isopropoxyethyl) propionic acid amide, N- (1-isopropoxyethyl) isopropionic acid amide, N- (1-isopropoxyethyl) butyric acid amide, N- (1- Isopropoxyethyl) isobutyric acid amide and the like, and N- (1-alkoxyethyl) formamide and N- (1-alkoxyethyl) acetamide are preferable. N- (1-alkoxyethyl) acetamide is particularly preferable. In this case, the alkoxyl group is preferably a methoxy group or an ethoxy group. Substances having these carboxylic acid amide groups are in an equilibrium reaction, and exchange reactions of carboxylic acid amide groups occur under the reaction conditions. Therefore, when these are used in combination, the same type of carboxylic acid amide is used. It is appropriate to use a substance having a group.
[0020]
The acid catalyst used in the present invention may be either a homogeneous catalyst or a heterogeneous catalyst. Examples of the former include mineral acids such as hydrochloric acid, sulfuric acid, nitric acid and phosphoric acid, and heteropolyacids such as phosphotungstic acid. , Organic acids such as methanesulfonic acid and p-toluenesulfonic acid. Examples of the latter include gel type and porous type acidic ion exchange resins such as “Diaion SK-1B”, “Amberlite IR-120B”, “Dowex 50W”, “Diaion PK-”. 216], “Amberlite 200C”, “Amberlist 15”, “Dowex MSC-1” (all are registered trademarks), and the like. For industrial production, it is preferable to use an ion exchange resin which is a heterogeneous catalyst.
[0021]
In addition, the water-soluble strong acid that is present when the strongly acidic ion exchange resin is reacted as an acid catalyst is not particularly limited as long as it is water-soluble and strong acid, for example, hydrochloric acid, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid, etc. Mineral acids, heteropolyacids such as phosphotungstic acid, and organic acids such as methanesulfonic acid and p-toluenesulfonic acid.
The reaction involved in the synthesis of N- (1-alkoxy) ethylcarboxylic acid amide of the present invention includes the following reaction formulas (1) to (8).
[0022]
[Chemical 1]
[0023]
Where R is hydrogen and C 1 ~ C Three Represents an alkyl group up to R 1 Is C 1 ~ C Five Represents an alkyl group up to.
These reactions are all equilibrium reactions. Accordingly, the charged molar ratio of the raw materials used is determined according to the desired reaction solution composition, that is, the reaction results. In addition, since the equilibrium constant varies depending on the type of alcohol or carboxylic acid amide, the range of the preferred charged molar ratio varies.
[0024]
What is important in setting the feed molar ratio of the raw materials is to increase the reaction results, that is, the yield of the target compound N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide, and the productivity, that is, the reaction. It is to increase the concentration of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide in the liquid. Furthermore, in addition to N-vinylcarboxylic acid amide and alcohol as reaction raw materials, when N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide, carboxylic acid amide, ethylidene biscarboxylic acid amide, acetal, acetaldehyde or water is used, It is preferable that by-products such as acetal and ethylidene biscarboxylic acid amide do not increase or decrease before and after. Although these compounds are by-products, they are greatly involved in equilibrium reactions. Usually, these by-products are separated from the product after reaction from the viewpoint of waste reduction and cost reduction, and returned to the reaction process (recycled). Therefore, in order to continue reaction steadily, it is preferable that a by-product does not increase / decrease. When these by-products are reduced by the reaction, it is necessary to newly synthesize the reduced by-products and add them to the reaction raw material. On the contrary, when these by-products increase by reaction, it is necessary to discard the increase.
[0025]
In consideration of these, usually, the molar ratio of each component in the raw material is preferably the following ratio. The molar ratio of N-vinylcarboxylic acid amide and alcohol is selected from the range of 1: 0.1 to 100, with 1: 0.5 to 25 being particularly preferred.
In addition to these, when N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide, carboxylic acid amide, ethylidene biscarboxylic acid amide, acetal, acetaldehyde and water are present, N-vinylcarboxylic acid amide and N- (1- Alkoxyethyl) Carboxylic acid amide, Carboxylic acid amide, Ethylidene biscarboxylic acid amide, Acetal, Acetaldehyde and the molar ratio of water are 1: 0-20: 0-20: 0-10: 0-200: 0-50: 0. It is good to select from the range of -10, Especially, 1: 0.1-10: 0.1-10: 0.01-1: 10-100: 1-20: 1-5 are especially preferable.
[0026]
Even if the molar ratio of acetaldehyde to N-vinylcarboxylic acid amide, carboxylic acid amide or N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide is higher than this, no improvement in yield can be expected, and the amount of acetaldehyde condensate produced Only increase. Moreover, a yield will fall if it makes this below this. When the molar ratio of alcohol to N-vinylcarboxylic acid amide, carboxylic acid amide, or N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide is higher than this, the yield of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide decreases. However, as acetal increases, productivity decreases. On the other hand, when the amount is less than this, the addition reaction of the carboxylic acid amide to the N-vinylcarboxylic acid amide preferentially increases the amount of ethylidene biscarboxylic acid amide generated and decreases the acetal. When the molar ratio of the acetal with respect to N-vinylcarboxylic acid amide, carboxylic acid amide, or N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide is made higher than this, productivity is lowered and the amount of acetal is reduced. On the other hand, if it is less than this, the yield of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic amide is lowered, and the amount of ethylidenebiscarboxylic amide produced is increased. The molar ratio of ethylidene biscarboxylic amide to N-vinylcarboxylic amide, carboxylic amide or N- (1-alkoxyethyl) carboxylic amide balances the amount of ethylidene biscarboxylic amide before and after the reaction within this range. Moreover, the yield of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide decreases when water is further added to N-vinylcarboxylic acid amide, carboxylic acid amide or N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide. In addition, since acetal is reduced, it is not preferable.
[0027]
In the above, this invention was demonstrated about the molar ratio of each compound of a reaction raw material. However, as described above, all the reactions used in the present invention are equilibrium reactions. These equilibrium reactions are very complex reaction systems in which reaction raw materials and products are related to each other. Therefore, the composition of the reaction raw material can be explained by the molar ratio of each compound, but rather, it is decomposed into “parts” constituting each compound, and the raw material composition of the present invention is explained by the ratio of the “parts”.
In the present invention, “site” is a functional group constituting each compound, and there are four sites of “ethylidene”, “alkoxyl”, “amide”, and “water”.
For example, N- (1-alkoxyethyl) carboxylic amides consist of one “ethylidene” moiety, one “alkoxyl” moiety, and one “amide” moiety. Acetal consists of one “ethylidene” moiety and two “alkoxyl” moieties. Acetaldehyde is considered as follows. An acetal synthesis reaction from acetaldehyde and alcohol will be described as an example. As defined above, the acetal moiety is one “ethylidene” moiety and two “alkoxyl” moieties. 2 equivalents of alcohol and H 2 0 is clearly two “alkoxyl” sites and one “water” site, respectively. Therefore, from the stoichiometric formula for the site, the site of acetaldehyde is one “ethylidene” site and one “water” site.
[0028]
[Table 1]
[0029]
Stoichiometric formula
[Chemical 2]
Similarly, the components constituting other compounds are as shown in the table below.
[Table 2]
In the table, “EA” represents N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide, “NV” represents N-vinylcarboxylic acid amide, and “EBA” represents ethylidenebiscarboxylic acid amide. The raw material composition expressed using the ratio of “parts” may be “amide”: “ethylidene”: “alkoxyl”: “water” = 1: 1-20: 1-100: 0-10, preferably 1: 5-15: 10-50: 1-5.
[0030]
The reaction mode is a batch type or a continuous type. In the batch system, when using a homogeneous catalyst, a raw material and an acid catalyst are supplied to the reactor for reaction, and when using a heterogeneous catalyst, the raw material, the acid catalyst, and a water-soluble catalyst are added to the reactor. Supply strong acid to react. In the continuous type, when a homogeneous catalyst is used, a raw material and an acid catalyst are supplied and reacted in a stirring tank or a tubular reactor, and when a heterogeneous catalyst is used, in a stirring tank or a tubular reactor, A raw material, an acid catalyst, and a strong water-soluble acid are supplied and reacted. The present invention is particularly effective when a catalyst layer filled with a catalyst is used and used in a continuous system in which a raw material composition containing a water-soluble strong acid is passed.
[0031]
The amount of the acid catalyst to be used is not necessarily strictly limited, but is appropriately selected from the range of 0.01 to 30% by weight, preferably 0.05 to 15% by weight with respect to the raw material weight. Even if it is used in an amount of 30% by weight or more, there is no significant increase in reaction rate, which is economically undesirable. On the other hand, if it is 0.01% or less, the reaction rate is low, which is not preferable in terms of productivity.
The amount of the water-soluble strong acid that is present when the strong acid ion exchange resin is used as an acid catalyst is 2 × 10 2 with respect to the total number of moles of the substance having a carboxylic acid amide group in the raw material. -3 ~ 3x10 -1 Preferably selected from a range of equivalents, 2 × 10 -3 ~ 3x10 -2 Equivalent is preferred, 2 × 10 -3 ~ 1x10 -2 Equivalent weight is particularly preferred. The equivalent at this time represents a chemical equivalent used to represent the amount of acid relative to the carboxylic acid amide group. 3 × 10 -1 Even if an amount exceeding the equivalent amount is used, the effect of extending the life of the catalyst is saturated, and it is not possible to extend the life beyond that. Since it is not, it is not preferable. 2 × 10 -3 If the amount is less than the equivalent, a remarkable effect is not recognized for extending the life of the catalyst, which is not preferable.
[0032]
The method for adding the water-soluble strong acid may be any method such as a method of adding it in advance to the raw material composition or a method of adding it immediately before contacting with the strong acid ion exchange resin, and there is no particular limitation. In the latter case, a method of diluting and adding a water-soluble strong acid is preferable from the viewpoint of preventing corrosion. The diluent at this time is not particularly limited as long as a strong acid can be dissolved uniformly, but a method using a substance used as a raw material is preferable in order not to change the composition of the reaction raw material. Specifically, the aforementioned C1-C5 alcohol and acetal are mentioned. At this time, it is effective to have a small amount of water in order to suppress undesirable reactions such as alteration of strong acid.
[0033]
In this reaction, the reason for extending the life of the strongly acidic ion exchange resin is not clear, but a very small amount of basic substance contained in the raw material, or metal ions due to corrosion of the equipment due to the acid component in the raw material, or the reaction At this time, the adsorption of a very small amount of basic ions generated by the hydrolysis of the raw carboxylic acid amide and the solvolysis reaction can be suppressed by adding a small amount of a water-soluble strong acid. It is estimated that there is an effect of suppressing deactivation.
[0034]
The reaction temperature is usually selected from the range of 0 to 150 ° C, and 20 to 80 ° C is particularly preferable. Below 0 ° C., the reaction rate is slow, which is not preferable. Further, when the temperature is 150 ° C. or higher, the generation of impurities increases, which is not preferable.
While the reaction time varies depending on the amount of catalyst used in the reaction, reaction temperature, type of raw material compound, etc., it is usually selected from the range of 0.05 to 10 hours, and preferably 0.1 to 5 hours.
These reaction conditions vary depending on the types of raw material compounds such as alcohol and acetal used. Therefore, in order to obtain the desired N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide in a high yield, the above range is used. It is important to set the raw material composition, reaction temperature, and reaction time suitable for the reaction. The pressure can be any of reduced pressure, normal pressure, and increased pressure, but normally it may be normal pressure.
[0035]
Next, the second step of converting the N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide obtained in the first step to catalytic decomposition or thermal decomposition to N-vinylcarboxylic acid amide and alcohol will be described.
Conversion of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide to N-vinylcarboxylic acid amide is performed by a known method such as thermal decomposition or catalytic decomposition. Examples of the reaction conditions include a reaction temperature, 60 to 600 ° C., a reaction time, 0.3 second to 2 hours, a reaction pressure, and 0.1 mmHg to atmospheric pressure in a gas phase or a liquid phase. Examples of the catalyst used for the catalytic cracking include alkali metal salts of carboxylic acids such as potassium acetate and oxides of alkali metals and alkaline earth metals such as magnesium oxide.
[0036]
Furthermore, the embodiment of the third step for obtaining purified N-vinylcarboxylic acid amide from the second step liquid will be described in detail.
In the method of the present invention, a known method such as a precision distillation method, an azeotropic distillation method, a recrystallization method, or a pressure crystallization method is used as the third step.
There are no particular restrictions on the distillation apparatus for separation by the precision distillation method, and a plate tower or packed tower having a theoretical plate number of 1 to 50 is used, but there is little pressure loss and rectification with excellent rectification performance. It is preferable to use a column, and an example of such a column is a packed column using a regular packing. Since N-vinylcarboxylic acid amide is easily denatured by heat, it is preferably distilled at the lowest possible temperature. Therefore, distillation is performed under a reduced pressure of 0.01 to 100 mmHg.
[0037]
Although the present invention can be carried out continuously or discontinuously, continuous operation is preferred in terms of productivity and operational stability. The reflux ratio is not particularly limited and is set according to the content, type, and performance of the distillation column of N-vinylcarboxylic acid amide, but about 0.1 to 20 is sufficient, preferably 0.5 to It is about 10.
[0038]
In the method of the present invention, when the N-vinylcarboxylic acid amide solution is separated by recrystallization by cooling, these solutions may be directly cooled, but there is no reactivity with N-vinylcarboxylic acid amide, You may use the recrystallization solvent which has moderate solubility. Examples of such a recrystallization solvent include aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene and xylene, aliphatic hydrocarbons such as pentane, cyclopentane, hexane, cyclohexane and heptane, methanol, ethanol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, alcohols such as n-butanol, isobutanol, sec-butanol, tert-butanol, cyclohexanol, halogenated hydrocarbons such as methylene chloride, chloroform, chlorobenzene, ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexanone, methyl acetate, ethyl acetate, Esters such as propyl acetate and butyl acetate, ethers such as diethyl ether, amides such as N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, dimethylsulfoxy And the like, in particular, toluene, cyclohexane, methanol, isopropyl alcohol is preferred. A combination of these is also used. The cooling temperature varies depending on the types and amounts of N-vinylcarboxylic amide and the recrystallization solvent, but is -20 to 50 ° C, preferably -10 to 40 ° C.
[0039]
The crystallization apparatus used in the present invention may be either a continuous type or a batch type, and the crystallization method may be a method by heat exchange with a refrigerant or a method by concentration and cooling by evaporation of a solvent, and has a strict structure. There are no conditions.
There are no particular limitations on the crystal separation apparatus used in the present invention, such as those using vacuum pressure or pressurization, and those using gravity or centrifugal force.
[0040]
In the present invention, a solid-liquid separator in which the crystallization operation and the separation operation are performed in the same apparatus can also be used. For example, when a recrystallization solvent is not used, a pressure crystallizer, a falling liquid film crystallizer (such as a MWB fractional crystallizer), or a tower-type continuous crystallizer (such as a BMC device) preferable. Further, when a high concentration slurry is filtered, an automatic Nutsche filter such as a Rosenmund filter is preferable.
The remainder obtained by purifying and separating N-vinylcarboxylic acid amide in the third step mainly contains N-vinylcarboxylic acid amide, N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide, and carboxylic acid amide. In the present invention, these mixtures are recycled to the first step and used as a raw material for N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide synthesis. The remainder may be recycled as it is, but when a substance having a high boiling point such as an oligomer of N-vinylcarboxylic acid amide is contained, it may be used for the reaction after distillation purification once.
[0041]
The N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amides obtained by the process according to the invention are mainly intermediates for the production of, for example, N-vinylcarboxylic acid amides, which are the N-vinylcarboxylic acid amide systems already mentioned Derived into homopolymers or copolymers and useful chemicals.
According to the present invention, by using the N-vinylcarboxylic acid amide obtained in the present invention as a monomer, a homopolymer of a high molecular weight N-vinylcarboxylic acid amide or a copolymer with another copolymerizable monomer can be obtained. Can be manufactured.
[0042]
Specific examples of typical monomers that can be copolymerized with N-vinylcarboxylic acid amide in the present invention include the following.
Acrylic acid, methacrylic acid (hereinafter collectively referred to as (meth) acrylic acid) or alkali metal salts thereof such as sodium salt and potassium salt; methyl ester, ethyl ester, propyl ester, butyl ester, pentyl ester, hexyl Alkyl esters such as esters, heptyl esters, octyl esters, nonyl esters, decyl esters, stearyl esters, palmityl esters; hydroxy lower alkyl esters such as hydroxyethyl esters, hydroxypropyl esters, hydroxybutyl esters; dimethylaminomethyl esters, Dimethylaminoethyl ester, dimethylaminopropyl ester, dimethylaminobutyl ester, diethylaminomethyl ester, diethylaminoethyl ester, di A lower alkyl ester substituted with a lower alkylamino group such as tilaminopropyl ester, diethylaminobutyl ester; its trimethylammonioethyl ester halide, trimethylammoniopropyl ester halide, triethylammonioethyl ester halide, triethylammoniopropyl ester halide A lower alkyl ester halide substituted with a quaternary ammonium group such as halide (the halide is preferably chloride or bromide); its dimethylaminomethylamide, dimethylaminoethylamide, dimethylaminopropylamide, dimethylaminobutyramide, diethylaminomethylamide Lower alkyl amides such as diethylaminoethylamide, diethylaminopropylamide, diethylaminobutyramide, etc. Lower alkylamide substituted with a group; lower alkyl substituted with a quaternary ammonium group such as trimethylammonioethylamide halide, trimethylammoniopropylamide halide, triethylammonioethylamide halide, triethylammoniopropylamide halide, etc. Amido halides; its sulfomethylamide, sulfoethylamide, sulfopropylamide, sulfobutyramide, sodium sulfomethylamide, sodium sulfoethylamide, sodium sulfopropylamide, sodium sulfobutyl Lowers substituted with sulfonic acids or alkali metal sulfonic acids such as amide, potassium sulfomethylamide, potassium sulfoethylamide, potassium sulfopropylamide, potassium sulfobutyramide Acrylamide; Acrylonitrile; Vinyl ethers such as methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether, propyl vinyl ether, and butyl vinyl ether; Vinyl ketones such as methyl vinyl ketone and ethyl vinyl ketone; Lower vinyl carboxylates such as vinyl acetate and vinyl propionate; Maleic anhydride and maleic acid , Sodium maleate, potassium maleate and the like.
[0043]
Among these, (meth) acrylic acid, sodium (meth) acrylate, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, butyl (meth) acrylate, 2-hydroxyethyl (Meth) acrylic acid ester, 2-hydroxypropyl (meth) acrylic acid ester, 2-hydroxybutyl (meth) acrylic acid ester, dimethylaminoethyl (meth) acrylic acid ester, trimethylaminoethyl chloride (meth) acrylic acid ester, Acrylamide, sulfopropylacrylamide, sulfobutylacrylamide, sodium sulfopropylacrylamide, sodium sulfobutylacrylamide, acrylonitrile, methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether, methyl vinyl ketone, ethyl vinyl Ketone, vinyl acetate, N- vinyl-2-pyrrolidone, and as maleic anhydride is preferred.
[0044]
Moreover, the crosslinkable monomer or crosslinking agent which is a compound which has two or more unsaturated groups in 1 molecule can be used as a monomer copolymerizable with N-vinylcarboxylic amide in this invention.
The polymerization method is not necessarily limited, but conventionally known methods can be used. Usually, a method such as a solution polymerization method, a reverse phase suspension polymerization method, or a reverse phase emulsion polymerization method is preferably used.
For example, as a solution polymerization method, a monomer component and a crosslinking agent are uniformly dissolved in a solvent such as water, an organic solvent, or a mixed solvent thereof, and then vacuum degassing or replacement with an inert gas such as nitrogen or carbon dioxide gas. After removing dissolved oxygen in the system, a polymerization initiator is added and reacted. The polymerization initiation temperature is usually about −10 to 60 ° C., and the reaction time is about 1 to 10 hours.
[0045]
【Example】
[Example 1]
To a 5 L glass reactor, 1 kg of N-vinylacetamide, 3 kg of methanol, and 30 g of strongly acidic ion exchange resin “Dawex MSC-1” (registered trademark) were added and stirred at room temperature for 5 hours. When the reaction solution was analyzed, N- (1-methoxyethyl) acetamide was quantitatively produced.
[0046]
[Example 2]
19.1 g of a mixture consisting of 6.9% by weight of acetamide, 57.4% by weight of N-vinylacetamide, 35.6% by weight of N- (1-methoxyethyl) acetamide (hereinafter referred to as NVA mixture), dimethyl acetal 96 726.5 g of a mixed liquid (hereinafter referred to as acetal raw material) consisting of 0.0 wt%, acetaldehyde 0.1 wt%, methanol 2.9 wt%, moisture 0.23% wt, and hemiacetal 0.27 wt%, acetaldehyde 86.7 g, methanol 126.7 g, acetamide 27.8 g, N-vinylacetamide 6.8 g, and water 9.9 g were mixed. The molar ratio of N-vinylacetamide and N- (1-methoxyethyl) acetamide, acetamide, acetal, acetaldehyde, water, methanol in the mixed solution was 1: 0.36: 2.4: 37.2: 9.7: 3.1: 22.3. Moreover, when these ratios were represented by “sites”, they were “amide”: “ethylidene”: “methoxy”: “water” = 1: 12.9: 26.0: 3.4. These were sufficiently mixed, and 50 ml per hour was supplied as a reaction raw material solution from the top of a reaction tube having an inner diameter of 25 mm filled with 10 ml of strongly acidic ion exchange resin “Dawex MSC-1” (registered trademark). Warm water of 40 ° C. was allowed to flow through the reactor jacket to control the reaction temperature at 40 ° C. The reaction results were calculated by neutralizing the reaction solution obtained from the outlet at the bottom of the reactor and quantitatively analyzing it by gas chromatography. The reaction result after 7 hours was an N- (1-methoxyethyl) acetamide yield (based on acetamide + N- (1-methoxyethyl) acetamide + N-vinylacetamide) of 87.4%, and ethylidenebis, a reaction byproduct. The yield of acetamide (calculation criteria is the same as the yield of N- (1-methoxyethyl) acetamide) was 5.2%.
[0047]
[Example 3]
11.5 g of NVA mixed solution, 435.9 g of acetal raw material, 50.6 g of acetaldehyde, 76.0 g of methanol, 14.8 g of acetamide, 6.7 g of N-vinylacetamide, and 6.5 g of water were mixed. The molar ratio of N-vinylacetamide to N- (1-methoxyethyl) acetamide, acetamide, acetal, acetaldehyde, water, methanol in the mixed solution was 1: 2.89: 1.7: 29.8: 7.54: 2.68: 17.9. Moreover, when these ratios were represented by “sites”, they were “amide”: “ethylidene”: “methoxy”: “water” = 1: 12.9: 26.0: 3.4. These were mixed sufficiently and reacted as a reaction raw material solution in the same manner as in Example 2. As a result, the reaction result after 7 hours was an N- (1-methoxyethyl) acetamide yield of 87.5%, and a reaction byproduct. The yield of ethylidene bisacetamide was 5.4%.
[0048]
[Example 4]
N-vinylacetamide, N- (1-methoxyethyl) acetamide, acetamide, acetaldehyde dimethyl acetal, acetaldehyde, water, methanol molar ratio 1: 0.3: 0.2: 17.3: 5.4: 2 .2: 10.3 raw material was prepared. When these ratios were represented by “sites”, they were “amide”: “ethylidene”: “methoxy”: “water” = 1: 14.1: 26.4: 4.5. This is 3.76 × 10 4 with respect to the total number of moles of N-vinylcarboxylic acid amide, N- (1-methoxyethyl) acetamide, and acetamide. -3 An equivalent amount of sulfuric acid was added and sufficiently dissolved to obtain a reaction raw material solution. 50 ml of the reaction raw material solution was supplied from the upper part of the reaction tube having an inner diameter of 25 mm filled with 10 ml of the strongly acidic ion exchange resin “Dawex MSC-1” (registered trademark). Warm water of 40 ° C. was allowed to flow through the reactor jacket to control the reaction temperature at 40 ° C. The reaction results were calculated by neutralizing the reaction solution obtained from the outlet at the bottom of the reactor and quantitatively analyzing it by gas chromatography. The reaction results after 24 hours were acetamide conversion 93.5%, N- (1-methoxyethyl) acetamide selectivity 96.3%, and the reaction results after 650 hours were acetamide conversion 93.2%. N- (1-methoxyethyl) acetamide selectivity was 96.1%, and no decrease in activity was observed. When the rate of decrease of the acetamide conversion rate relative to the initial stage of reaction after a certain period of time was defined as the rate of decrease in activity, the rate of decrease in activity after 650 hours was 0.32%. The production of ethylidenebisacetamide as a reaction byproduct was 2.8%.
[0049]
[Example 5]
The amount of sulfuric acid added is 3.76 × 10 4 with respect to the total number of moles of N-vinylacetamide, N- (1-methoxyethyl) acetamide, and acetamide. -3 Equivalent to 1.88 × 10 -2 The operation was performed in the same manner as in Example 4 except that the equivalent amount was used. After 24 hours, the reaction results were acetamide conversion of 93.1% and N- (1-methoxyethyl) acetamide selectivity of 95.8%. The reaction results after 650 hours were acetamide conversion 92.9%, N- (1-methoxyethyl) acetamide selectivity 95.2%, and activity reduction rate 0.21%. . The production of ethylidene bisacetamide was 3.2%.
[0050]
[Example 6]
In the raw material composition of Example 4, 1/5 amount of methanol was separately taken out and 3.76 × 10 4 with respect to the total number of moles of N-vinylacetamide, N- (1-methoxyethyl) acetamide and acetamide. -3 An equivalent amount of sulfuric acid was added and dissolved sufficiently. These two solutions were supplied separately, and the other operations were performed in the same manner as in Example 4. The reaction results after 24 hours were an acetamide conversion rate of 92.9% and an N- (1-methoxyethyl) acetamide selectivity of 90.0%. The reaction results after 650 hours were an acetamide conversion rate of 92.5%, an N- (1-methoxyethyl) acetamide selectivity of 89.9%, and an activity decrease rate of 0.43%. The production of ethylidenebisacetamide as a reaction by-product was 4.7%. As for the reaction results after 2000 hours, the acetamide conversion rate was 92.1%, the N- (1-methoxyethyl) acetamide selectivity was 91.6%, and the activity reduction rate was 0.86%. The production of ethylidene bisamide as a reaction byproduct was 5.0%.
[0051]
[Example 7]
[First step (N- (1-methoxyethyl) acetamide synthesis step)]
7869 kg of an acetal recovered liquid consisting of 74.4% by weight of dimethylacetal, 13.8% by weight of methanol, 7.5% by weight of acetaldehyde, 3.3% by weight of methyl acetate, and 1% by weight of water obtained in the water separation step described later; 15 kg of methanol was newly added to 144 kg of methanol obtained in the N-vinylacetamide concentration step described later, and further 11.0% by weight of acetamide obtained in the filtrate recovery step described later, and 54.4% by weight of N-vinylacetamide. N- (1-methoxyethyl) acetamide 32.2% by weight and other components 2.4% by weight 212 kg of recycle liquid, acetamide 239 kg and acetaldehyde 165 kg were added and mixed well to prepare a reaction raw material liquid did. The molar ratio of N-vinylacetamide and N- (1-methoxyethyl) acetamide, acetamide, acetal, acetaldehyde, water, methanol in the mixed solution was 1: 0.28: 3.14: 46.4: 12.3: 3.64: 27.8. Moreover, when these ratios were represented by “sites”, they were “amide”: “ethylidene”: “methoxy”: “water” = 1: 13.2: 26.6: 3.5. 450 L of this raw material was supplied from the upper part of the reactor packed with 150 L of the strongly acidic ion exchange resin “Dawex MSC-1” (registered trademark). Warm water of 40 ° C. was allowed to flow through the reactor jacket to control the reaction temperature at 40 ° C. The reaction results were calculated by neutralizing the reaction solution obtained from the outlet at the bottom of the reactor and quantitatively analyzing it by gas chromatography. The reaction result was N- (1-methoxyethyl) acetamide yield (based on acetamide + N- (1-methoxyethyl) acetamide + N-vinylacetamide) 88.0%, and the yield of ethylidenebisacetamide as a reaction by-product (Calculation standard is the same as the yield of N- (1-methoxyethyl) acetamide) was 4.0%.
[0052]
[Acetal recovery process]
This is a step for distilling off light-boiling components such as dimethylacetal, methanol, acetaldehyde, methyl acetate and water from the reaction solution obtained in the first step (N- (1-methoxyethyl) acetamide synthesis step). Heat transfer area 2.8 m obtained by reducing the pressure of the reaction solution obtained in the first step (N- (1-methoxyethyl) acetamide synthesis step) to 150 mmHg 2 Was supplied at 450 L / hr to a falling film type continuous evaporator. A heating medium at 100 ° C. was circulated in the jacket. An evaporation residue consisting of N- (1-methoxyethyl) acetamide containing 2.6% by weight of ethylidenebisacetamide and 4.4% by weight of acetamide was obtained. A liquid obtained by condensing a volatile component consisting of 72.9% by weight of dimethyl acetal, 13.5% by weight of methanol, 7.4% by weight of acetaldehyde, 3.2% by weight of methyl acetate, and 2.9% by weight of water is a water separation step described later. The solution was sent to.
[0053]
[Ethylidenebisacetamide separation step]
The evaporation residue mainly composed of N- (1-methoxyethyl) acetamide obtained in the acetal recovery step was simply distilled at 5 mmHg. The amount of acetamide in N- (1-methoxyethyl) acetamide of the obtained fraction was 4.1% by weight. This solution was sent to the second step (N-vinylacetamide synthesis step). The main component of the evaporation residue was ethylidenebisacetamide.
[0054]
[Second step (N-vinylacetamide synthesis step)]
A fraction mainly composed of N- (1-methoxyethyl) acetamide obtained in the ethylidenebisacetamide separation step was heated at 440 ° C. and reduced in pressure to 100 mmHg at 33 g / min. Supplied. A mixture of N-vinylacetamide and methanol produced by the thermal decomposition reaction was condensed and recovered with a cooler provided at the outlet of the reaction tube. The conversion of N- (1-methoxyethyl) acetamide was 88%.
[0055]
[N-vinylacetamide concentration step]
Methanol was distilled off while raising the reaction solution obtained in the second step (N-vinylacetamide synthesis step) from a reduced pressure of 76 mmHg to 24 mmHg. The residual liquid after distillation contains 78.0% by weight of N-vinylacetamide, 14.6% by weight of N- (1-methoxyethyl) acetamide, 5.4% by weight of acetamide, and 2% by weight of other components. It was out.
[0056]
[Third step (N-vinylacetamide purification step)]
The crude N-vinylacetamide solution obtained in the N-vinylacetamide concentration step was cooled to 28 ° C., and a part of N-vinylacetamide was crystallized into a slurry liquid. This N-vinylacetamide slurry was 1800 kg / cm in a high-pressure vessel. 2 And pressure-crystallizing N-vinylacetamide and separating the mother liquor. The purity of the N-vinylacetamide crystals is 99.5%, the composition of the mother liquor is 11.1% by weight of acetamide, 54.9% by weight of N-vinylacetamide, 29.9% by weight of N- (1-methoxyethyl) acetamide, etc. The component was 4.1% by weight.
[0057]
[Filtrate recovery process]
The mother liquor obtained in the third step (N-vinylacetamide purification step) was simply distilled at 4 mmHg to give 11.0 wt% acetamide, 54.4 wt% N-vinylacetamide, N- (1-methoxyethyl) acetamide 32 A distillate consisting of 0.2% by weight and 2.4% by weight of other components was obtained in a yield of 90%. The obtained liquid was sent to the N- (1-methoxyethyl) acetamide synthesis step and recycled.
[0058]
[Water separation process]
Distillate from the acetal recovery step consisting of 72.9% by weight of dimethyl acetal, 13.5% by weight of methanol, 7.4% by weight of acetaldehyde, 3.2% by weight of methyl acetate, and 2.9% by weight of water was 200 L / h. It was fed to the center of a packed tower having an inner diameter of 400 mm and a packing height of 10 m. The reflux ratio was 2, and heating was performed so that the temperature at the top of the column was maintained at 60 ° C. and the temperature at the bottom of the column was maintained at 100 ° C. The bottom is actually water, and the distillate is a mixture comprising 74.4% by weight of dimethyl acetal, 13.8% by weight of methanol, 7.5% by weight of acetaldehyde, 3.3% by weight of methyl acetate, and 1% by weight of water. Met.
[0059]
[Example 8]
In a glass reactor, 745 g of water, 250 g of N-vinylacetamide obtained in Example 7, and N, N ′-(diacetyl) -N, N ′-(divinyl) -1,4-bis (amino) as a crosslinking agent Methyl) cyclohexane 0.409 g was added and dissolved, and after removing dissolved oxygen with nitrogen gas, 2,2′-azobis-2- (2-imidazoline-2) dissolved in 5 mL of degassed water as a polymerization initiator -Ill) 0.075 g of propane dihydrochloride was added, insulated and allowed to stand. After 7 hours, the temperature inside the reactor reached 71 ° C. due to the heat of polymerization.
[0060]
【The invention's effect】
The production method of N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide of the present invention is, in terms of yield, production of by-products, difficulty in obtaining raw materials, catalyst life, complexity of reaction process and purification process, etc. An improved N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide with high purity and a low content of unreacted carboxylic acid amide can be obtained.
Furthermore, even when N- (1-alkoxyethyl) carboxylic acid amide is used for the production of high-purity N-vinylcarboxylic acid amide, the yield of the entire production process including the subsequent steps such as recovery and purification steps, Provided a satisfactory method in terms of suppression and complexity.
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