JP4061404B2 - 電磁振動による組織微細化のための連続鋳造方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁振動により金属組織を微細化して連続鋳造する方法及びその装置に関するものであり、更に詳しくは、電磁振動により金属組織を微細化する工程において、固液共存層の厚みをコントロールすることにより、連続的に、効率よく、微細化された鋳造物を連続製造する方法、及びその連続鋳造装置に関するものである。本発明は、電磁振動によって組織の微細化された金属材料及び電気伝導性を有する他の材料を連続的に鋳造することを可能とする新しい連続鋳造技術を提供するものとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
今までの金属組織を微細化して連続鋳造する方法は、水冷鋳型を通過中の金属に、その周囲に配置した電磁コイルにより鉛直面内又は水平面内あるいはスパイラル面内に電磁力を付与して、凝固中の金属に攪拌を与えることで行っていた。このため、組織は柱状とならず等軸状にはなるが、その大きさは数mmから数cmが限界であった。更に、攪拌中の固相率が30%以上になると粘性増加により攪拌が不可能となる等の問題があった。それらの具体的な例をいくつか例示してみると、溶融金属の連続鋳造方法として、例えば、水冷鋳型に、上下方向に一定周期の振動を付与すると共に鋳型を包囲して配置した電磁コイルにより鉛直面内に電磁力を付与して溶融金属の連続鋳造を行う方法において、金属組織の微細化を図るために溶融金属中に酸化物を均一に分散させる連続鋳造方法が提案されている(特許文献1参照)。また、表面改質されたアルミニウム板の製造方法として、例えば、アルミニウム板の表面において急冷凝固を利用して化合物二次相又は結晶粒の微細化を図るために、アルミニウム連続鋳造鋳塊の表面に、所定のエネルギー密度をもつビームを照射して該アルミニウム連続鋳造塊の表面を溶融し、次に、所定の冷却速度で冷却し、その後熱間圧延を行うことからなるアルミニウム板の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−155613号公報
【特許文献2】
特公平7−45702号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、電磁振動により金属組織を微細化して連続的に効率良く連続鋳造する方法及びその装置を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、電磁振動により金属組織を微細化する工程において、固液共存層の厚みをコントロールすることにより所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、電磁振動による金属組織微細化のための連続鋳造方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記連続鋳造に好適な、モールド、加熱炉、冷却チル及び鋳造物引っ張り手段等を含む連続鋳造装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)電磁振動により金属組織を微細化するための連続鋳造装置であり、金属材料を投入するモールド、投入された金属を溶融し、固液共存層を形成するためにモールド周囲に位置する加熱炉、上記溶融金属に交流電場及び直流磁場を印加するための電極及び磁場形成手段、溶融した金属材料を固化するための冷却チル、固化した金属材料を連続的に引っ張り出す手段、上記固化した金属材料の引っ張り速度、冷却チルによる冷却条件及びモールド周囲の加熱炉の加熱条件を制御する手段、を構成要素として含む、連続鋳造装置を使用して、電磁振動により金属組織を微細化して連続鋳造する方法であって、金属材料をモールドに投入し、モールド周囲の加熱炉によって溶融し、該金属材料の固液共存層を形成させ、固液共存層に交流電場及び直流磁場を印加して金属材料を微細化し、冷却チルで冷却固化した金属材料をモールド出口より連続的に引っ張り出す工程において、1)上記固液共存層の厚みを、上記固化した金属材料の引っ張り速度、冷却チルによる冷却条件及びモールド周囲の加熱炉の加熱条件を制御することによってコントロールすること、2)電流が、モールド周囲に設置された電極を通して固液共存層を中心に流れるように、電極の位置又は固液界面の位置を設定すること、3)電極の設置位置温度が、加熱炉、冷却チル及び引っ張り速度の制御によって、注入された金属材料の液相線温度になるように、温度をコントロールすること、4)固液界面の位置をコントロールしながら冷却固化した金属材料を引っ張り出すこと、5)液体中の電流密度の範囲が0.1×10 −7×10 A/m であり、磁束密度の範囲が0.5−15Tであること、を特徴とする連続鋳造方法。
)前記(1)に記載の方法で使用する、電磁振動により金属組織を微細化するための連続鋳造装置であって、金属材料を投入するモールド、投入された金属を溶融し、固液共存層を形成するためにモールド周囲に位置する加熱炉、上記溶融金属に交流電場及び直流磁場を印加するための電極及び磁場形成手段、溶融した金属材料を固化するための冷却チル、固化した金属材料を連続的に引っ張り出す手段、上記固化した金属材料の引っ張り速度、冷却チルによる冷却条件及びモールド周囲の加熱炉の加熱条件を制御する手段、を構成要素として含み、電極の位置又は固液界面の位置は、電流が、モールド壁に設置された電極を通して固液共存層中を流れるような位置に設定されており、上記固液共存層の厚みを、上記引っ張り速度、冷却チル及び加熱炉を制御することによってコントロールするようにしたことを特徴とする連続鋳造装置。
)加熱炉が、電気炉、電気抵抗加熱炉、カーボンヒーター、セラミックヒーター、又は光学式ヒーターであり、モールド周囲に設置されていることを特徴とする前記()に記載の装置。
)冷却チルが、モールド出口に設置されていることを特徴とする前記()に記載の装置。
)電極近辺の温度をモニターする熱電対を有することを特徴とする前記()に記載の装置。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の装置の一例を模式的に図1及び図2に示す。本発明の装置は、注入材の状態によって分けられ、溶融金属等の液体材を注入する場合を図1に、また、塊、粉体等の固体材を注入する場合を図2に示す。図1に示されるように、連続的な溶液注入(Continuous Melt Input)によりモールド(Mold)に注入された溶液(Melt)に交流電流と直流磁場を同時に印加することによって、凝固中の鋳造物に電磁振動を発生させ、連続的に金属組織の微細化を行う。直流磁場は、モールドの外部に設置されたマグネット(Magnet)によって印加され、そして、交流電流は、電源からモールド壁に固定された電極によって溶液に直接供給(AC/DC Power Supply)される。
【0007】
本発明においては、注入材として液体材を利用するとき、場合によっては、本発明の装置から加熱炉を除くことも可能である。また、注入材の状態(固体、液体)に関係なく、必要により、冷却チルを除くことも可能である。これらの場合は、上記固液共存層の厚みのコントロールが厳しくなるが、注入材の温度及び引っ張り速度だけでコントロールを行うことが可能である。
【0008】
組織が微細化された製品(Refined Solid)は、適切な装置、例えばステッピングモーター(Stepping Motor)等によって、適切な速度で固液界面の位置をコントロールしながら引っ張り出される。本発明では、溶湯温度、すなわち、固液界面をより正確にコントロールするために、モールド出口には水供給用の入口(Water Inlet)と出口(Water Outlet)を具備する水冷チル(Water−cooled Chill)、そして、モールド周囲に加熱炉(Furnace)を設置し、電極近辺の温度は、熱電対(Thermocouple)でモニターされる。図2は、注入材として固体を利用する場合を示す。この場合には、固体は、連続的な固体注入(Continuous Solid Input)により直接モールドに注入され、モールド内でモールドの周囲に設置されている加熱炉によって溶解され、溶融(Semi−Solid)状態となる。これ以後のプロセスは、図1の液体材の場合と同様である。
【0009】
本発明は、金属材料に適用されるが、ここで言う金属材料とは、金属、合金及び電気伝導性を有する他の材料を含むものとして定義されるものであり、狭義の金属に限らず、金属と同等もしくは類似のあらゆる種類の電気伝導性を有する材料であれば同様に適用対象とされる。本発明の装置は、電磁振動により金属組織を微細化するための連続鋳造装置であって、金属材料を投入するモールド(Mold)、投入された金属を溶融し、固液共存層を形成するためにモールド周囲に位置する加熱炉(Furnace)、上記溶融金属に交流電場及び直流磁場を印加(AC/DC Power Supply)するための電極及び磁場形成手段(Magnet)、溶融した金属材料を固化するための冷却チル(Water−cooled Chill)、固化した金属材料を連続的に引っ張り出す手段(Stepping Motor)、上記固化した金属材料の引っ張り速度、冷却チルによる冷却条件及びモールド周囲の加熱炉の加熱条件を制御する手段、を構成要素として含み、上記固液共存層の厚みを、上記引っ張り速度、冷却チル及び加熱炉を制御することによってコントロールするようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
上記各手段の具体的な構成は、特に制限されるものではなく、任意に設計することができ、また、同様の機能を有する同様の手段で適宜置換することができる。液体材を注入する注入口(Tundish)には、注入された液体材を加熱するための加熱炉(Furnace)が設置される。溶融材には、固液共存層において、モールドの中段に設置した電極及びマグネットにより、交流電場と直流磁場が印加される。それによって、発生したキャビティーにより、組織が微細化される。この場合、固液共存層が薄いほど、高い電流密度が得られ、一方、固液共存層が薄いほど、電流が固体層に流れる確率が高くなることから、固液共存層の厚さを適切にコントロールすることが重要である。
【0011】
本発明では、この固液共存層の厚さを、鋳造物の引っ張り速度、冷却チルの冷却条件及びモールド周囲の加熱炉の加熱条件を制御することによりコントロールする。これらを調整することにより、固液共存層の厚さをコントロールし、それによって、連続的で、効率の良い連続鋳造が可能となる。冷却チルは、モールドの出口近辺に設置される。モールドの中段に設置される電極の位置は、固液界面との関係で好適な部位に設定される。加熱炉としては、例えば、金属製及びセラミック製のヒーターを使った電気炉、電気抵抗式加熱炉、カーボンヒーター、セラミックスヒーター、光学式ヒーター等が例示され、また、マグネットとしては、例えば、超電導マグネットが例示されるが、これらに制限されるものではなく、同効の手段であれば同様に使用できる。モールドは、好適には、例えば、窒化珪素製のモールドが例示される。
【0012】
次に、図3及び図4に基づいて、本発明のメカニズムについて説明する。溶融金属に交流電場(周波数“f”、電流密度“J”)と直流磁場(磁束密度“B”)を同時に印加することによって液体中に交流電流の周波数と同じ周波数で振動する力(F=J×B)が発生し、液体のすべての粒子が振動する。この振動力によって圧力“P=BJ(V/A)Sin(2πft)”が生じる。ここで、“V”及び“A”はそれぞれ固液共存層の体積と力方向に直角方向での断面積である。固液界面では、振動力が圧縮力と膨張力の動きとして繰り返される。膨張力として現れる振動力が液体を固体から引き離すための強さを有したときに、キャビティーを発生することが可能になる。
【0013】
発生したキャビティーは、次の半周期で働く圧縮力の影響で収縮され、膨張中に周囲から吸収したガスの一部を周囲に放出する。ただし、圧縮中のキャビティーは拡散面積が膨張中のキャビティーより少なく、すべてのガスを放出できないため、完全に消滅されない場合がある。このような現象の繰り返しによって一定の大きさに成長したキャビティーが内部と外部圧力のバランスによって破壊され、固体界面に衝撃を与えることにより凝固組織に影響を及ぼす可能性がある。そして、更に、交流電流とそれによって発生する誘導磁場からなる力が生じ、溶液の攪拌と組織の均一化をもたらす。
【0014】
図3及び図4において、モールド(Mold)に注入された金属材料の固液共存層(Liquid−Solid Zone)の厚さは、連続鋳造の実施及びその効率の面で重要なファクターであり、また、電極(Electrode)の設置位置は、液相線温度(Liquidus Temp.)を的確にコントロールするために、きわめて重要である。固液共存層は、モールドの出口近辺の冷却チルにより冷却され、その固相線温度(Solidus Temp.)で固液界面を形成し、微細化固体(Refined Solid)を形成する。電極が、固液界面に近い位置にあると、電流(AC Current)は電気伝導性の高い固体層に流れるので、電極の位置又は固液界面の位置は、電流が、モールド壁に設置された電極を通して固液共存層中を中心に流れるような位置に設定することが重要である。尚、モールドに固体材を注入した場合は、固体材は、固液共存層で浸食されて溶融する。
【0015】
上述のように、電極の設置位置は重要であるが、もちろん温度は電極の設置位置によってコントロールされるのではなく、電極の設置位置近辺の温度は、加熱炉、冷却チル及び引っ張り速度によって、注入された金属材料の液相線温度(Liquidus Temp.)になるように、温度をコントロールすることがきわめて重要である。そして、液相線温度(Liquidus Temp.)及び固相線温度(Solidus Temp.)は、金属材料の成分及びその組成によって変化し(圧力を一定に考えた場合)、それらは、それぞれの合金金属の状態図で確認できる。したがって、上述のように、上記引っ張り速度、冷却チル及び加熱炉を制御することによって、注入する金属材料を適切な温度にコントロールすることで上記固液共存層の厚みを制御することが重要である。
【0016】
液体注入材の場合は、通常、金属の場合では溶融状態よりも固体の電気伝導性が高いため、電流は、モールド壁に設置された電極を通して固液共存層を中心に流れ、凝固中の鋳造物を微細化する(図3)。
また、固体注入材の場合には、上記の効果以外に、注入される固体は電磁振動から生じるキャビテーション現象によって侵食され、溶解を助ける効果がある(図4)。本発明において、金属組織を微細化するための条件としては、好適には、例えば、液体中の電磁圧(P)は、10Pa以上であり、電流密度の範囲は、0.1×10−7×10A/ であり、磁束密度の範囲は0.1−15Tであり、周波数の範囲は10Hz−5kHzである。液相線温度及び固相線温度は、圧力が一定の場合、金属材料の成分及びその組成によって変化することから、注入する金属材料に応じて、電極の設置位置近傍の温度が、液相線温度になるように、上記引っ張り速度、冷却チル及び加熱炉の条件を制御する。
【0017】
【実施例】
次に、本発明の好適な実施例について説明する。
実施例
(1)本装置による金属材料の微細化実験
実験目的のために、凝固中に電磁振動が印加可能な連続鋳造装置を設計及び作製し、超電導マグネットの中心部に設置した。この装置では、外形及び内径それぞれ50mm及び40mmの窒化珪素製モールドの両側に直径7mmの黒鉛電極が貫通され、鋳造物に直接電流を流すことが可能になっている。Al−7wt%Si合金をモールドの周囲に取り付けた加熱炉によってモールド内で617℃まで加熱溶解した。磁束密度10Tの磁場中で、電流密度1.4×106 A/m2、周波数200Hzの電場を印加し、電磁振動を発生させ、組織の微細化を試みた。無振動のミクロ組織を図5に、電磁振動によって微細化された組織を図6にそれぞれ示す。これらの結果によって、金属組織の微細化が確認され、本装置の微細化機能とその有効性が確認できた。
【0018】
(2)電流密度、磁束密度及び周波数範囲の検討
次に、好適な電流密度、磁束密度及び周波数範囲の検討について実験をした。上記装置及び材料を用いて、電流密度、磁束密度及び周波数範囲の好適な条件を調べた。固液共存層が薄いほど高い電流密度が得られ、電磁振動による微細化効果の効率の向上につながった。しかし、固相率が高いほど電流がつながりあった固体に流れる確率が高くなることから、電磁振動の効率が下がった。したがって、固液共存層の厚みを適切にコントロールすることが重要であることが分かった。固液共存層の厚みは、引っ張り速度、冷却チル及びモールド周囲の加熱炉によってコントロールした。その結果、以下の事項が分かった。
好適な微細化効果を得るためには、液体中の電磁圧(P)は105 Pa以上にする必要があった。ただし、溶融金属に含まれているガスの量によって、より低い電磁圧でも一定の微細化効果が得られる。また、電流密度の範囲は0.1×106 −7×106 A/m2 であり、磁束密度の範囲は0.5−15Tであった。また、最適な周波数範囲は10Hz−5kHzであった。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明は、電磁振動による組織微細化のための連続鋳造方法及びその装置に係るものであり、本発明により、1)連続的に、効率よく微細化された鋳造物を製造できる、2)電磁振動による組織微細化のための新規連続鋳造技術を提供できる、3)凝固中の鋳造物を連続的に微細化するための連続鋳造装置を提供できる、4)電極からの電流のロスを軽減し、省エネルギーで効率よく連続鋳造することを可能とする、という効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造装置の一例を示す。
【図2】本発明の連続鋳造装置の一例を示す。
【図3】電磁振動による組織微細化のメカニズムを示す図である(液体材注入の場合)。
【図4】電磁振動による組織微細化のメカニズムを示す図である(固体材注入の場合)。
【図5】微細化されていない鋳造物のミクロ組織を示す。
【図6】微細化された鋳造物のミクロ組織を示す。

Claims (5)

  1. 電磁振動により金属組織を微細化するための連続鋳造装置であり、金属材料を投入するモールド、投入された金属を溶融し、固液共存層を形成するためにモールド周囲に位置する加熱炉、上記溶融金属に交流電場及び直流磁場を印加するための電極及び磁場形成手段、溶融した金属材料を固化するための冷却チル、固化した金属材料を連続的に引っ張り出す手段、上記固化した金属材料の引っ張り速度、冷却チルによる冷却条件及びモールド周囲の加熱炉の加熱条件を制御する手段、を構成要素として含む、連続鋳造装置を使用して、電磁振動により金属組織を微細化して連続鋳造する方法であって、金属材料をモールドに投入し、モールド周囲の加熱炉によって溶融し、該金属材料の固液共存層を形成させ、固液共存層に交流電場及び直流磁場を印加して金属材料を微細化し、冷却チルで冷却固化した金属材料をモールド出口より連続的に引っ張り出す工程において、1)上記固液共存層の厚みを、上記固化した金属材料の引っ張り速度、冷却チルによる冷却条件及びモールド周囲の加熱炉の加熱条件を制御することによってコントロールすること、2)電流が、モールド周囲に設置された電極を通して固液共存層を中心に流れるように、電極の位置又は固液界面の位置を設定すること、3)電極の設置位置温度が、加熱炉、冷却チル及び引っ張り速度の制御によって、注入された金属材料の液相線温度になるように、温度をコントロールすること、4)固液界面の位置をコントロールしながら冷却固化した金属材料を引っ張り出すこと、5)液体中の電流密度の範囲が0.1×10 −7×10 A/m であり、磁束密度の範囲が0.5−15Tであること、を特徴とする連続鋳造方法。
  2. 請求項1に記載の方法で使用する、電磁振動により金属組織を微細化するための連続鋳造装置であって、金属材料を投入するモールド、投入された金属を溶融し、固液共存層を形成するためにモールド周囲に位置する加熱炉、上記溶融金属に交流電場及び直流磁場を印加するための電極及び磁場形成手段、溶融した金属材料を固化するための冷却チル、固化した金属材料を連続的に引っ張り出す手段、上記固化した金属材料の引っ張り速度、冷却チルによる冷却条件及びモールド周囲の加熱炉の加熱条件を制御する手段、を構成要素として含み、電極の位置又は固液界面の位置は、電流が、モールド壁に設置された電極を通して固液共存層中を流れるような位置に設定されており、上記固液共存層の厚みを、上記引っ張り速度、冷却チル及び加熱炉を制御することによってコントロールするようにしたことを特徴とする連続鋳造装置。
  3. 加熱炉が、電気炉、電気抵抗加熱炉、カーボンヒーター、セラミックヒーター、又は光学式ヒーターであり、モールド周囲に設置されていることを特徴とする請求項に記載の装置。
  4. 冷却チルが、モールド出口に設置されていることを特徴とする請求項に記載の装置。
  5. 電極近辺の温度をモニターする熱電対を有することを特徴とする請求項に記載の装置。
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