以下に、本発明の好適な実施形態1〜8を図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
図2に示すように、本発明実施形態1のパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のカードリーダ13が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。
前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。カードリーダ(以下、プリペイドカードユニットともいう。)13のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。
前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重に嵌め込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。
上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル24が取り付けられている。この発射ハンドル24の外周には、図示しない回動リングが擁され、時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。
上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
図3はパチンコ機10の裏面図である。図示するように、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。この構成により、遊技盤22上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の遊技球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。
また、機構盤26には遊技制御基板30及び賞球制御基板31が脱着可能に、遊技盤22には後述する飾り図柄表示部32および特別図柄表示部52が、飾り図柄表示部32の左側に外部接続端子基板50が、各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
次に図4を用いて遊技盤22について説明する。
図4に示すように遊技盤22には、中央にLCD等を備える飾り図柄表示部32、その下部に第1種始動口としての普通電動役物36および特別図柄表示部52、普通図柄の変動開始に用いられる飾り図柄表示部32の左右の普通図柄作動ゲート38及び39、普通電動役物36下部の大入賞口40、盤面最下部のアウト口41、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。また、飾り図柄表示部32に特別図柄保留記憶表示領域51a〜51d、53、普通図柄保留記憶領域54a〜54dが設けられている。
前述した発射ハンドル24を回動すれば発射制御基板49により発射モータ49aが駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口41を介してアウト球として同様に盤面裏面に取り込まれるよう構成されている。
遊技領域25内には、飾り図柄を可変表示する飾り図柄表示部32及び当否抽選結果を表示するための特別図柄を可変表示する特別図柄表示部52の2種類の表示部が設けられている。特別図柄について、確率変動当り「7」の一桁数字図柄、確率変動でない当り「3」の一桁数字図柄、外れは「3」及び「7」を除く「1」から「9」迄の一桁数字図柄である。飾り図柄の種類は、確率変動当りの場合は、3桁同一の奇数数字図柄、確率変動でない当りの場合は、3桁同一の偶数数字図柄、外れの場合は、3桁同一でない数字図柄の組み合わせである。
飾り図柄表示部32は、LCD、バックライト及びインバータ基板等の付属ユニット等を有する液晶表示装置よりなり、飾り図柄等を可変表示するものである。飾り図柄は、図5(a)に示す通り、左,中,右の各数字図柄表示部32a,32b,32cに表示される3桁の数字図柄(左数字図柄,中数字図柄,右数字図柄)、その背景図柄を表示する背景図柄表示部32dとから構成されている。数字図柄表示部32a〜32cと背景図柄表示部32dとは分離してあるが、一体の構成してもよい。背景図柄は、キャラクタ図柄であり、人間,動物,図形あるいは物等を表わす図柄である。図5(a)に示す飾り図柄は、図5(b)に示す特別図柄表示部52に表示される特別図柄と当否が対応する構成である。
特別図柄表示部52は、図5(b)に示す通り、1つの7セグメントLEDよりなり、特別図柄を可変表示するとともに当否抽選の結果を静止表示するものである。
飾り図柄表示部32及び特別図柄表示部52は、連動して可変表示を行なう。具体的には、特別図柄表示部52の特別図柄の可変表示に連動して、飾り図柄表示部32の飾り図柄の可変表示が行なわれる。このため、飾り図柄表示部32の表示内容と、特別図柄表示部52の表示内容との間には、一定の関連性がある。特別図柄表示部52の表示内容が後述する大当り状態となれば、飾り図柄表示部32の表示内容も大当り状態となる。また、特別図柄表示部52の表示内容が外れ状態となれば、飾り図柄表示部32の表示内容も外れ状態となる。
特別図柄表示部52が、飾り図柄表示部32に表示される飾り図柄がすべて停止して表示結果が得られた直後に、停止される制御が行なわれる。すなわち、飾り図柄表示部32の飾り図柄の表示結果が得られた直後に、特別図柄表示部52の特別図柄の表示結果が同時に得られる。
このような停止制御が行なわれることにより、次のような効果が得られる。すなわち、特別図柄よりも先に飾り図柄の表示結果が得られるため。遊技者の注意を飾り図柄表示部32の表示に集中させることができる。このような停止制御がなされることにより、飾り図柄表示部32と、特別図柄表示部52とは、可変表示中の表示内容には特別な関連性がなく(たとえば、飾り図柄表示部32ではリーチ状態を表示可能であるが、特別図柄表示部52ではリーチ状態を表示不可能である)、大当りであるか否かの表示結果にのみ関連性がある。このため、特別図柄の表示状態と無関係に、飾り図柄によってリーチ状態を発生させても、遊技者が感じる違和感を少なくすることができる。
可変表示中においては、特別図柄表示部52にはリーチ状態が発生せず、飾り図柄表示部32にのみリーチ状態が発生する。したがって、特別図柄の予定停止図柄とは無関係に、飾り図柄によるリーチ状態を発生させることができる。そのようなリーチ状態を発生させるか否かの決定は、図柄制御基板33及び/又は遊技制御基板30でのリーチ乱数の抽出値を判定する処理により行なわれる。
このように、遊技制御基板30のCPU及び図柄制御基板33のCPU33bにより、飾り図柄表示部32において可変表示される飾り図柄を、特別図柄の表示状態とは無関係にリーチ状態にする制御が行なわれる。すなわち、可変表示中の飾り図柄表示部32の表示内容は、最終的な表示結果が特別図柄表示部52の表示結果と一致すればよいため、特別図柄表示部52の表示内容による制約を受けない。このため、たとえば、リーチ表示を発生させやすくする設定または制御を行なうことにより、特別図柄表示部52の表示内容とは無関係に、飾り図柄表示部32のみにおいて、リーチ表示の発生率を高く向上させることができる。さらに、スーパーリーチ等の変化に富んだ可変表示を飾り図柄表示部32に表示させることができる。このようにすれば、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
一方、飾り図柄表示部32は、横3桁の表示である。大当り状態が発生する場合に、飾り図柄表示部32の停止図柄が3桁同一の数字図柄の大当り図柄で揃う。したがって、そのような大当り図柄の表示結果の総数は、特別図柄表示部52で設定されている特別図柄の大当り図柄の表示結果の総数よりも多い。
飾り図柄表示部32は、遊技領域25の中央部に配置されており、可変表示を行なう表示部の数が多く、さらに、大当りが発生する図柄の表示結果の種類が多いため、遊技者は、遊技中にこの飾り図柄表示部32に注目して遊技を行なう。
このように、飾り図柄表示部32を設けたことにより、可変表示の態様を変化に富んだものにすることができ、さらに、大当りが発生する特別図柄の表示結果の種類をバラエティに富んだものにすることができる。その結果として、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、遊技機の設計段階において、大当りの発生等の遊技価値を付与するか否かに関連する図柄の組合せの表示結果のすべての種類が特別図柄表示部52に出現するか否かをチェックすることが行なわれる。
パチンコ機10の設計段階で、大当りの表示結果となる特別図柄の組合せのみをチェックする場合においても、そのチェックが容易にできるようにすることができる。すなわち、特別図柄表示部52の表示結果が大当りの表示結果となる場合には、必ず、飾り図柄表示部32の表示結果も大当りの表示結果となる。したがって、大当りを発生させる表示結果の種類がすべて出現するか否かのチェックは、最低限、遊技価値を付与するか否かに関連する特別図柄表示部52の特別図柄表示結果をチェックすることで足りる。このように、特別図柄の組合せの表示結果の総数が比較的少ない特別図柄表示部52により設計段階での特別図柄の表示結果のチェックを行なうことが可能であるので、そのような設計段階でのチェックを容易にすることができる。さらに、そのようなチェックに要する時間を短時間にすることができる。
次に遊技制御基板30と、サブ制御基板Sと、特別図柄表示部52との間の送受信構成について図6、図7を参照して説明する。ここでいうサブ制御基板Sは、飾り図柄表示部32に表示される飾り図柄を制御する図柄制御基板33、又は、飾り図柄の制御を行うとともに音及び/又は電飾を統合制御する電飾/音制御基板33,34のいずれかである。サブ制御基板Sは、飾り図柄表示部32での少なくとも飾り図柄の停止図柄の種類の決定、記憶等を行うものである。
図6において、遊技制御基板30から特別図柄表示部52へは特別図柄表示制御信号を一方向通信で直接送信して特別図柄を直接に制御する。また、遊技制御基板30から変動時間指定コマンドと当否結果データを中継基板37を介してサブ制御基板Sへ一方向通信に送信する回路構成である。即ち、CPUを搭載しない中継基板37と遊技制御基板30との接続に中継基板37から遊技制御基板30にはデータを送信しない一方向通信回路OC1を遊技制御基板30に備え、且つサブ制御基板S(例えば図柄制御基板33)と中継基板37との接続にサブ制御基板Sから中継基板37にデータを送信しない一方向通信回路OC2を中継基板37に備えている。この中継基板37の回路構成については、外部接続端子としての中継基板37の構成を示す文献として特開2000−262705を参照されたい。遊技制御基板30と中継基板37、及び中継基板37とサブ制御基板Sとの一方向通信回路を形成するにあたり、遊技制御基板30および中継基板37のいずれかにインバータ等の一方向回路を備えることが好適である。また、サブ制御基板S(図柄制御基板33または電飾/音制御基板33,34)と中継基板37との一方向通信回路を形成するにあたり、サブ制御基板Sおよび中継基板37のいずれかにインバータ等の一方向回路を備えることが好適である。即ち、遊技制御基板30、中継基板37およびサブ制御基板Sの3基板のうち少なくとも2基板に、インバータ等の一方向回路を備えるようすることが好適である。一方向通信の回路例として、特開昭11−114166号、特開昭11−290536等が挙げられる。サブ制御基板Sは、CPU、ROM、RAMを搭載し、変動時間指定コマンドと当否結果データとを記憶し、飾り図柄表示部32に表示する飾り図柄の種類、停止図柄の種類に関するデータを記憶し、変動時間指定コマンドと当否結果データにより表示する飾り図柄の種類を選択し、飾り図柄の組み合わせを作成する為のデータを記憶するものである。
また、図柄制御基板33と、電飾/音制御基板34,35の接続に双方向にデータを通信する双方向通信回路BC1及びBC2を備えている。ここでは双方向通信回路BC1が図柄制御基板33に、双方向通信回路BC2が電飾/音制御基板33,34に備えられている。双方向通信回路BC1と双方向通信回路BC2とでデータの授受を双方向に行う。
図7の回路構成は図6の回路構成と同様であるが、中継基板37が遊技制御基板30と特別図柄表示部52との接続に存在する回路構成である。遊技制御基板30から中継基板37を介して特別図柄表示制御信号が特別図柄表示部52へ送信されるようになっていることが相違する。
図8に示す通り、遊技制御基板30は、大当りの当否抽選の際、当否抽選結果に基づいて特別図柄の表示開始から表示終了までの変動時間T1を決定する変動時間決定手段P1と、変動時間T1に従って飾り図柄表示部32に表示される個々の飾り図柄の変動時間T2を指定する変動時間指定コマンドを選出する変動時間指定コマンド選出手段P2と、特別図柄の表示結果に外れ図柄を表示すると決定する場合は、変動開始コマンドを兼ねた変動時間指定コマンドと当否結果データ(外れデータ)を、中継基板37を介してサブ制御基板S(例えば図柄制御基板33)に向けて送信し、特別図柄の表示結果に当り図柄を表示する場合は、変動開始コマンドを兼ねた変動時間指定コマンドと当否結果データ(当りデータ)を、中継基板37を介してサブ制御基板Sに向けて送信する変動時間指定コマンド送信手段P3と、変動時間決定手段P1により決定された変動時間T1に従って特別図柄表示部32を表示制御する特別図柄表示制御手段P4と、を備えている。特別図柄の変動時間T1と、飾り図柄の最初の図柄の変動開始から最後に図柄の変動停止までのトータルな変動時間とは同一値である。
サブ制御基板Sの一つである図柄制御基板33は、遊技制御基板30から送信される前記変動時間指定コマンドと当否結果データを受信すると前記変動時間T2に従って飾り図柄を変動した後、指定された変動時間及び当否結果データに基づき飾り図柄の種類を決定し、飾り図柄の停止図柄を作成し、停止図柄で飾り図柄を静止表示する飾り図柄作成変動表示手段P5と、遊技制御基板30から送信される前記指定された変動時間と当否結果データに基づき作成したデータを電飾/音制御基板33,34に送信する電飾/音データ送信手段P5と、を備えている。
図9は遊技制御基板30からサブ制御基板Sに変動時間指定コマンド及び当否結果データを送信する構成例である。外れ時は変動時間指定コマンドのみ、当り時は変動時間指定コマンドと当否結果データ(ここでは当りデータ)、とする構成を示すものである。変動時間指定コマンドは始動口36への入賞に応答して当否乱数を利用して決定するか、又は、始動口36への入賞に応答して、該入賞から送信までに期間に変動時間決定乱数によって決定してもよい。サブ制御基板S側では、遊技制御基板30側から送られる指定された変動時間及び当否結果データをサブ制御基板Sで変動パターンに変換する。ここでいう変動時間とは、複数の図柄を変動させる時間であり、最初に始動する図柄から最後の図柄の停止までの1回の変動時間である。
遊技制御基板30は、外れ時にはサブ制御基板Sへ変動時間指定コマンドのみ送信する。即ち、遊技制御基板30とサブ制御基板Sの作業との対応は、変動時間1(5秒)に対して飾り図柄の短縮停止、変動時間2(7秒)に対して飾り図柄の短縮停止、変動時間3(12秒)に対して、飾り図柄の通常変動停止、変動時間4(20秒)に対してノーマルリーチ、変動時間5(25秒)に対してノーマルリーチ、変動時間6(45秒)に対してロング1リーチ、変動時間7(60秒)に対してロング2リーチ、変動時間8(90秒)に対してロング3リーチがそれぞれ対応して設定されている。
遊技制御基板30から送信する変動時間指定コマンドが1(5秒)〜3(12秒)の場合、第1停止図柄と第2停止図柄が同じ図柄にならぬよう(非リーチ状態)に図柄を配置している。変動時間が4(20秒)、5(25秒)の場合、第1停止図柄と第2停止図柄が同じ図柄になるよう(リーチ状態)に、且つ第3停止図柄が異なる図柄となるように図柄を配置している。変動時間が6(45秒)、7(60秒)の場合、第1停止図柄と第2停止図柄が同じ図柄になるよう(リーチ状態)に、且つ第3停止図柄が第1停止図柄の+1コマ図柄(1コマ進めた図柄)となるように図柄を配置している。変動時間が8(90秒)の場合、第1停止図柄と第2停止図柄が同じ図柄になるよう(リーチ状態)に、且つ第3停止図柄が第1停止図柄の−1コマ図柄(1コマ戻った図柄)となるように図柄を配置している。なお、ここでいう第1停止図柄、第2停止図柄、第3停止図柄は、左、中、右数字図柄のうち、停止時間の早い順番に設定されるものである。
図9の当り時に、変動時間指定コマンドと共に当否結果データ(当りデータ)を送信する。変動時間4(20秒)に対してノーマルリーチ、変動時間5(25秒)に対してノーマルリーチ、変動時間6(45秒)に対してロング1リーチ、変動時間7(60秒)に対してロング2リーチ、変動時間8(90秒)に対してロング3リーチが設定され、変動時間の値に応じて当り図柄を選択するようになっている。ここでも遊技制御基板30側から送られる情報は、サブ制御基板Sで変動パターンに変換している。なお、確率変動搭載機である場合は、当り時のみ変動時間指定コマンドと同時に確率変動/非確率変動データを送信するようになっている。確率変動/非確率変動データは当り時のことを示すものであるから、当りデータは不要である。
図10は、前記変動時間指定コマンドと当否結果データ(当りデータ)に代えて、それと同様の演出指定コマンドを遊技制御基板30からサブ制御基板S(例えば図柄制御基板33)に送信する構成である。演出指定コマンドは、少なくとも変動時間と当否結果を示すデータを含むものである。変形例として、これに確率変動の実行を示すデータ又は変動時間短縮実行を示すデータを演出指定コマンドとすることも可能である。また、サブ制御基板Sが飾り図柄の種類を決定する構成である。演出指定コマンドは始動口36への入賞に応答して演出指定決定乱数によって決定、又は、当否乱数を利用して決定してもよい。
外れ時に遊技制御基板30から送信する演出指定コマンドと、サブ制御基板Sの図柄変動処理との対応関係は次の通りである。即ち、遊技制御基板30から送信する演出指定コマンド1〜5に対応して通常変動から外れ図柄で停止し、演出指定コマンド6〜10に対応して通常変動からノーマルリーチを経て外れ図柄で停止し、演出指定コマンド11〜20に対して通常変動からロングリーチ1を経て外れ図柄で停止し、演出指定コマンド21〜30に対して通常変動からロングリーチ2を経て外れ図柄で停止するように設定されている。
当り時に遊技制御基板30からサブ制御基板Sに送信する演出指定コマンドと、サブ制御基板Sの図柄変動処理との対応関係は次の通りである。即ち、遊技制御基板30から送信する演出指定コマンド31〜35に対応して通常変動からノーマルリーチを経て当り図柄で停止し、演出指定コマンド36〜45に対応して通常変動からロングリーチ1を経て当り図柄で停止し、演出指定コマンド46〜50に対応して通常変動からロングリーチ2を経て当り図柄で停止するように設定されている。なお、確率変動搭載機である場合は、当り時のみコマンドと同時に確率変動/非確率変動データを送信するようになっている。確率変動/非確率変動データは、当り時のことを示すものであるから、当りデータは不要である。
図11は、サブ制御基板Sが飾り図柄の種類を決定する構成例である。対応関係は図10と同様であるので説明は上記を援用し、飾り図柄の種類の決定を説明する。
遊技制御基板30からの情報が演出指定コマンド1〜5である場合(通常変動−外れ)、第1停止図柄と第2停止図柄が同じ図柄にならぬよう(非リーチ状態)に図柄を配置し、第1停止図柄1〜9、第2停止図柄1〜9(第1決定図柄以外)、第3停止図柄1〜9のいずれかに決定する。
演出指定コマンドが6〜10である場合(通常変動−ノーマルリーチ−外れ)、第1停止図柄と第2停止図柄が同じ図柄になるよう(リーチ状態)に、且つ第3停止図柄が異なる図柄となるように図柄を配置する。第1停止図柄1〜9を決定(自動的に第2停止図柄にセット)、第3停止図柄を決定(第1停止図柄と異なる)する。
演出指定コマンドが11〜20(通常変動−ロングリーチ1−外れ)の場合、第1停止図柄と第2停止図柄が同じ図柄になるよう(リーチ状態)に、且つ第3停止図柄が第1停止図柄の+1コマ図柄となるように図柄を配置する。第1停止図柄1〜9を決定(自動的に第2停止図柄にセット)し、第3停止図柄を決定(第1停止図柄の+1)する。
演出指定コマンドが21〜30(通常変動−ロングリーチ2−外れ)の場合、第1停止図柄と第2停止図柄が同じ図柄になるよう(リーチ状態)に、且つ第3停止図柄が第1停止図柄の−1コマ図柄となるように図柄を配置する。第1停止図柄1〜9を決定(自動的に第2停止図柄にセット)し、第3停止図柄決定(第1停止図柄の−1)する。
演出指定コマンドが31〜35(通常変動−ノーマルリーチ−当り)、36〜45(通常変動−ロングリーチ1−当り)、46〜50(通常変動−ロングリーチ2−当り)の場合、当り図柄を選択し、第1停止図柄1〜9を決定(自動的に第2停止、第3停止図柄にセット)する。
図12は、図11と同様にサブ制御基板Sが飾り図柄の種類を決定する構成例であるが、確率変動搭載機の場合である。図11と同様の点は上記を援用し、異なる点を説明する。
遊技制御基板30からの演出指定コマンド31〜35、36〜45、46〜50の場合には、当りであるから、確率変動信号又は非確率変動信号を付加して送信する。この場合、当り図柄を選択するわけであるが、確率変動信号の場合には、第1停止図柄を1、3、5、7、9よりいずれか決定(自動的に第2停止、第3停止図柄にセット)し、非確率変動信号の場合は、第1停止図柄を0、2、4、68よりいずれか決定(自動的に第2停止、第3停止図柄にセット)する。
次に、飾り図柄表示部32での表示例を説明する。
遊技制御基板30のCPU及び図柄制御基板33のCPU33a,33bにより、特別図柄表示部52及び飾り図柄表示部32を可変開始させた後、それぞれの表示結果を導出表示させる制御を行なうように構成されている。飾り図柄表示部32における飾り図柄の表示結果を、特別図柄表示部52における特別図柄の表示結果に対応する表示結果にする制御が行なわれるが、特別図柄の可変表示中の表示態様とは無関係に飾り図柄表示部32の可変表示中の飾り図柄の表示態様を制御するようにしてもよい。
図柄制御基板33で所定条件によりリーチ状態を表示させる制御を行なうことが可能であり、その場合において、飾り図柄表示部32にリーチ状態を表示させ、遊技制御基板30は、特別図柄表示部52にはリーチ状態を表示できない。
続いて前述したパチンコ機10の電気的構成の一例を図13のブロック図を用いて説明する。
パチンコ機10の電気回路は、図示するように、前述した遊技制御基板30、賞球制御基板31、飾り図柄表示部32の表示制御を行なう図柄制御基板33、効果音制御基板34、電飾制御基板35及び発射制御基板49等から構成されている。なお、特許請求の範囲に記載の電飾/音制御基板は、効果音制御基板34及び電飾制御基板35の各々に対応する。そして、図13では効果音制御基板34及び電飾制御基板35を別々の基板として構成しているが、1つの基板に統合して電飾/音制御基板を構成するようにしてもよい。また、サブ制御基板Sは、図柄制御基板33、効果音制御基板34及び電飾制御基板35に対応する。
遊技制御基板30は、各種機器を制御するためのプログラムに従って遊技機制御を行なう8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、制御用プログラム等を記憶しているROMと、そのプログラムに従って制御動作を行なうためのCPUと、演算等の作業領域として働くRAMと、他各基板又は各種スイッチ類及び各種アクチェータ類との入出力を行う外部入出力回路さらにはクロック発生回路(図示略)とが設けられている。さらに、遊技制御基板30には、電源投入時に遊技制御基板30をリセットするための初期リセット回路(図示略)と、遊技制御基板30に対し定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを与え、所定のゲーム制御用プログラムを先頭から繰返し実行するための定期リセット回路(図示略)と、遊技制御基板30から与えられるアドレス信号をデコードし、遊技制御基板30内に含まれるROM,RAM,外部入出力回路等のいずれか1つを選択するための信号を出力するためのアドレスデコード回路(図示略)とを備えている。
遊技制御基板30の入力側には、第1種始動口スイッチ36a、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、役物連続作動スイッチ(以下、単に「Vスイッチ」と呼ぶ。)40a、カウントスイッチ40b、その他入賞口スイッチ48、満タンスイッチ43、補給スイッチ44、玉抜スイッチ47等が接続されている。また、出力側には、大入賞口ソレノイド40c、Vソレノイド40d、普通役物ソレノイド36b及び外部接続端子基板50、賞球制御基板31、中継基板37、発射制御基板49、特別図柄表示部52等が接続されている。遊技制御基板30は、中継基板37を介して、図柄制御基板33と接続される構成である。
第1種始動口スイッチ36aは前述した遊技盤22上の普通電動役物36内、普通図柄作動スイッチ38a及び39aは各々普通図柄作動ゲート38及び39内、Vスイッチ40aは大入賞口40内の特定領域内、同じくカウントスイッチ40bは大入賞口40内、満タンスイッチ43は下皿23内、補給スイッチ44は球タンク27内、に各々取り付けられている。ここで、Vスイッチ40aは大入賞口40内に入賞した遊技球が特別装置作動領域(以下、「特別領域」という。)を通過したことを、カウントスイッチ40bは大入賞口40内に入賞する全ての遊技球を、満タンスイッチ43は下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、補給スイッチ44は球タンク27内に遊技球が存在することを、各々検出するものである。
また、出力側に接続された大入賞口ソレノイド40cは大入賞口40、Vソレノイド40dは大入賞口40内の特別領域、普通役物ソレノイド36bは普通電動役物36の開閉に各々使用されるものである。
飾り図柄表示部32は、図柄制御基板33と接続されている。図柄制御基板33は、前述した遊技制御基板30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。
この図柄制御基板33への遊技制御基板30からのデータの送信は、遊技制御基板30からのみ送信することができるよう、中継基板37を介して、前述の通り二重の一方向通信の回路として構成されている。この中継基板37は、CPUを搭載しない基板であり、遊技制御基板30と図柄制御基板33とを仲介する基板であれば良く、ノイズの除去や信号の変換を行うことがあってもデータの加工を行わない基板をいう。
図柄制御基板33は、効果音制御基板34及び電飾制御基板35とそれぞれデータを双方向通信する通信回路に構成されており、CPU33a,CPU33bの2個のCPUを分割して搭載している。このCPU33a及びCPU33bは、前述したように8ビットワンチップマイコンであるが、8ビットワンチップマイコンでなくとも良い。2つのCPU33a及びCPU33bに代えて1つのCPUで構成してもよい。
遊技制御基板30から図柄制御基板33には、変動時間指定コマンド、当否結果データ、当りの場合に確率変動か否かを示すデータを送信することになる。飾り図柄の背景図柄は、前回の静止した背景図柄から引き続きストーリーを続行して演出する構成である。CPU33aは、遊技制御基板30より送信された基本変動パターンから表示パターンに振り分けるものであり、表示パターンを決定し、表示パターンに合わせた信号をCPU33bに出力し、振り分けた表示パターンの種類を示すデータをCPU33b、効果音制御基板34及び電飾制御基板35にそれぞれ送信するものである。尚、CPU33aは、効果音制御基板34及び電飾制御基板35に対しては表示パターンの種類を示す信号を送信することなく、表示パターンに従った制御信号を効果音制御基板34及び電飾制御基板35に送信し、該表示パターンに対して効果音や電飾を出力する構成でもよい。詳細は後述する。
CPU33bは、表示パターンに合わせた図柄処理を行なうものであり、送信された表示パターンに従った図柄を変動表示し、変動時間経過後に指示された停止図柄を静止表示するように飾り図柄表示部32に表示される飾り図柄を表示制御するものである。
図柄制御基板33は、2つのCPUの他、各々に図柄制御プログラム及び図柄データ等を格納するROM、図柄データ等を一時的に格納するRAM及び周知のVDPを有する。
図柄制御基板33が有する前記ROMには、飾り図柄表示部32により表示される飾り図柄の種類、例えば、図柄データ、キャラクタ図柄の図柄データ及びアニメーション図柄の図柄データ等のデータが記憶されている。
図柄制御基板33が有する前記RAMは、図柄表示を行なうための作業領域等として用いられる。CPU33bは、CPU33aから受けた可変表示指令信号に応答して、ROMに記憶されている図柄表示用のプログラム及びデータに基づいて、RAMを作業領域として使用しながら図柄表示制御を行なう。具体的には、遊技制御基板30から受信した前記変動時間指定コマンド及び当否結果データに応答して、ROMから図柄表示用のデータを読出し、そのデータに対して、図柄表示のための割付け及び加工等の処理を行ない、図柄表示を行なうためのデータを作成し、その作成したデータに基づいて、飾り図柄表示部32に飾り図柄の種類、例えば、飾り図柄の図柄、キャラクタ図柄、及びアニメーション図柄等を表示する制御を行なう。
一方、特別図柄表示部52には、遊技制御基板30から特別図柄制御信号が送信され、遊技制御基板30によって特別図柄が直接に制御される。特別図柄表示部52において1桁の特別図柄が可変表示される。ただし、1桁の場合のほかに、2桁、3桁でもよい。
賞球制御基板31は、カードリーダ13と双方向通信可能に接続されている。賞球制御基板31の入力側は、払出検出スイッチ29aと接続され、出力側は払出モータ29bと接続されている。
検出スイッチ29aは払出し装置29内の払出モータ29bの下方の配置され、払出検出スイッチ29aは払出モータ29bにより上皿15に排出される賞球を検出するものである。
賞球制御基板31は、図13では、遊技制御基板30からのみデータを送信することができるよう、一方向通信の回路として構成されているが、双方向通信可能としてもよい。遊技制御基板30は入賞に基づく払い出し要求信号を賞球制御基板31に出力し、賞球制御基板31は払出検出スイッチ29aによる払い出しにより賞球管理を実行すると共に、遊技制御基板30に払い出しデータを送信する。従って、賞球管理は遊技制御基板30及び賞球制御基板31の各基板で行われる。なお、賞球制御基板31は遊技制御基板30からの指令に従って遊技球を払い出すが、入賞に対応した遊技球が払い出されているか否かの検知は遊技制御基板30で行われるとしてもよい。
賞球制御基板31は、遊技制御基板30からの指令コマンドに従って払出モータ29bを駆動制御して入賞があった場合に遊技者に賞球としての遊技球を払い出すと共に、前述したプリペイドカードユニット13及びCR精算表示基板42等も制御するものであり、マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。CR精算表示基板42は、前述した上皿15の貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18を制御する。
遊技制御基板30の出力側は、発射制御基板49と接続されている。この発射制御基板49は、発射ハンドル24、タッチスイッチ24a、発射停止スイッチ24bと接続され、出力側はタッチランプ45、発射モータ49aと接続されている。タッチスイッチ24aは発射ハンドル24に内蔵され遊技者が発射ハンドル24に触れていることを検出するものである。タッチランプ45は、タッチスイッチ24aが遊技者が発射ハンドル24に触れていることを検出をしている間、点灯するものである。実施形態1では、タッチスイッチ24aの入力を発射制御基板49に入力する構成としている。
発射制御基板49は、遊技者が操作する発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ49aを駆動制御するものであり、その他、遊技者が発射停止スイッチ24bを押下したとき発射を停止させたり、発射ハンドル24に内蔵されたタッチスイッチ24aがオン状態のときタッチランプ45を点灯させる。
効果音制御基板34は、主としてトランジスタ、音源IC及びアンプ等の駆動素子から構成されており、図柄制御基板33の指令を受けてスピーカ46を制御するものである。
電飾制御基板35は、図柄制御基板33からの指令を受けて、大当りランプやエラーランプ等の各種ランプ60、各種LED(保留記憶表示LED等)61を駆動制御するものである。
図柄制御基板33と効果音制御基板34とは、データを双方向に通信する双方向通信回路を備えている。また同様に、図柄制御基板33と電飾制御基板35とは、データを双方向通信する双方向通信回路を備えている。
効果音制御基板34は、受信した表示パターンの種類に対応する効果音データに従った効果音制御を行うものである。効果音制御基板34には、各表示パターンに対応する音データが記憶されている。
電飾制御基板35は、受信した表示パターンの種類に対応する電飾データに従った電飾制御を行うものである。電飾制御基板35には、各表示パターンに対応する電飾データが記憶されている。
遊技制御基板30、賞球制御基板31、図柄制御基板33、効果音制御基板34、電飾制御基板35、及び発射制御基板49等へは、電源基板55から各種電源が供給されている。電源基板55は、24V交流電源からDC32V、DCRV、DC5V、AC24V、GND、更にコンデンサによりDC5Vのバックアップ電源を生成し、各制御基板に必要な電源を供給するよう構成されている。DC5Vのバックアップ電源は、遊技制御基板30のみに供給されているが、賞球制御基板31にも供給されてもよい。
以上説明した回路構成、送受信構成を有するパチンコ機10の遊技制御基板30内の8ビットワンチップマイコン(以下、単に「マイコン」と呼ぶ。)が実行する処理を図14に示すフローチャートに従って説明する。
ここで、前述の遊技制御基板30に設けられたCPUは、定期的(2ms毎)に定期リセット回路(図示略)からリセット信号が入力され、プログラムを先頭から実行してその最後まで実行したアドレスでリセット待ち状態となっており、前記リセット信号が入力されることにより再度プログラムを先頭から実行しなおすことを繰返し、リセット信号の入力毎にプログラムを先頭から最後まで実行することを繰返すことにより、パチンコ機10の遊技状態を制御できるように構成されている。
図14に示すフローチャートは、遊技制御基板30のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2ms毎のハードウェア割り込みにより定期的に実行される処理である。ステップS100〜S200までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるステップS210及びS220の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(ステップS100)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するものである。正常でない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時には、RAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判定されると(ステップS100:NO)、前記メモリの所定領域に所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(ステップS110)、残余処理に移行する。
正常割り込みとの肯定判定が為されると(ステップS100:YES)、まず初期乱数更新処理が実行される(ステップS120)。この処理は、初期乱数の値をこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「329」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「329」までの330個の整数を繰り返し昇順に作成する。
ステップS120に続く当否乱数更新処理(ステップS130)は、初期乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、「0」〜「329」までの330個の整数値を繰り返し作成する。
当否乱数を構成する「0」〜「329」の330個の各整数値の出現率は均一であり、遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞するタイミングで抽出される当否乱数の値は、前記ハード割り込みの微小時間である2msと比較すれば入賞タイミングを微小時間単位で調節できないことから無作為に抽出された値となり、当否乱数は完全なる乱数として機能する。
大当り図柄乱数更新処理(ステップS140)は、特別図柄表示部52の特別図柄の停止時に表示される大当り図柄を決定するための更新処理をおこなうものであり、「0」、「1」の2個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。乱数値「0」「1」はそれぞれ大当り図柄「3」「7」に対応する。
外れ図柄乱数更新処理(ステップS150)は、外れ図柄乱数から構成され、大当りでないときの特別図柄表示部52の特別図柄の停止時に表示される外れ図柄として使用される。外れ図柄用乱数は、「0」〜「6」の7個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。前記7個の整数はそれぞれ外れ図柄「1」「2」「4」「5」「6」「8」「9」に対応する。
普通図柄乱数更新処理(ステップS160)は、「0」〜「6」の7個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
以上、遊技制御、特別図柄表示部52の可変表示制御等に用いられる各種乱数更新処理を説明したが、その他には、変動時間指定コマンドを決定する乱数(或いは、演出指定コマンドを選択決定する乱数)があり、これらも上記当否乱数と同様に始動口への入賞のタイミングで決定される。決定期間は始動入賞と同時から特別図柄変動直前まででよい。図柄制御基板33側では飾り図柄表示部32においてリーチ表示をするか否かを決定するリーチ表示乱数、飾り図柄表示部32においてなされるリーチ表示の種類を決定するリーチ種類決定乱数を設ける。このリーチ表示の種類は、複数種類予め用意されていてもよい。
前述した各乱数更新処理(ステップS120〜S160)により、初期乱数、当否乱数、大当り図柄乱数、外れ図柄乱数及び普通図柄乱数が各々更新されるが、続く処理(ステップS170)ではパチンコ機10に設けられ遊技制御基板30に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。前述した満タンスイッチ43、補給スイッチ44、タッチスイッチ24a、発射停止スイッチ24b、第1種始動口スイッチ(特別図柄作動スイッチ)36a、普通図柄作動スイッチ38a,39a、払出検出スイッチ29a、カウントスイッチ40b、Vスイッチ40a、その他の入賞口に設けられた図示しない各入賞検知スイッチ、等の各スイッチの作動状況をチェックする処理が実行される。
この入力処理(ステップS170)により第1種始動口スイッチ36aに入力がある場合には、特別図柄作動口としての普通電動役物36に遊技球が入賞したときであり、この割り込み処理時の前記当否乱数の値が抽出され当否判定値と比較される(ステップS180)。
本実施形態のパチンコ機10は、確率変動機として構成され、通常確率時では当否判定値は「1」であり、高確率時には「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」である。抽出された当否乱数の値が当否判定値と一致して大当りとなる確率は、通常確率時には1/330であり、高確率時には1/55(=6/330)となる。この大当りを発生させる確率が低確率状態から高確率状態に移行するのは、大当り発生時の割り込み処理における特別図柄の大当り図柄が「7」の場合であり、大当りが発生するときの1/10の確率で高確率に移行する。そして、高確率中において、再び大当りを発生させたときの大当り図柄が高確率図柄であれば更に高確率状態が継続する。
図14に示す当否判定処理(ステップS180)が終了すると、遊技制御基板30から中継基板37を介して図柄制御基板33に一方向に変動時間指定コマンド及び当否結果データを送信し、及び特別図柄表示部52に特別図柄表示制御信号を送信する図柄出力処理(ステップS190)が実行される。ここで、該図柄出力処理(ステップS190)を、図15を用いて詳細に説明する。図15に示すように、実施形態1の遊技制御基板30と図柄制御基板33との送信コマンドコードは、1.電源投入時、2.客待ちデモ、3.図柄変動中、4.大当り開始、5.大当り中、6.大当り終了、7.動作異常時、の7種類に大別でき、以下、各々のコマンドについて説明する。
1.電源投入時
電源投入時のコマンドは、パチンコ機10に電源が投入されたとき遊技制御基板30から図柄制御基板33に送信されるコマンド信号であり、10Hの動作番号及び01Hの識別番号の2バイト命令で構成されている。図柄制御基板33がこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従って飾り図柄表示部32の画面上に電源投入時のデモ画面を表示する。
2.客待ちデモ
客待ちデモのコマンドは、前記電源投入時のデモ画面が終了した後、又は遊技者が所定時間(通常約3分間)発射ハンドル24に触れていないと判断されたときに送信されるコマンドであり、20Hの動作番号及び01Hの識別番号の2バイト命令で構成されている。図柄制御基板33がこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従って飾り図柄表示部32の画面上に客待ちのデモ画面を表示する。例えば、飾り図柄表示部32a〜32cに変動表示される飾り図柄の変動パターンを全て順番に表示する。このとき、背景画面上には各々の変動パターンに対応した背景図柄及びキャラクタが表示される。この客待ちデモ画面は遊技客が発射ハンドル24を操作するまで全ての変動パターンを順番に表示して一巡した後、繰り返し表示する。尚、遊技者が発射ハンドル24に触れているか否かはタッチスイッチ24aの入力により検知することができる。本実施形態では、タッチスイッチ24aの入力を遊技制御基板30に入力する構成としたので、遊技制御基板30と発射制御基板49との通信を遊技制御基板30からの一方向通信としながらも前記検知が可能なのである。もちろん、遊技制御基板30からタッチスイッチ24aのオンオフ情報は発射制御基板49に送信される。このタッチスイッチ24aの入力を発射制御基板49に入力する構成とし、いずれかの又は全ての入賞口に所定時間入賞がないこと、又は遊技盤22上のアウト口41にスイッチを設けてこのスイッチが所定時間オンしないことにより遊技者が遊技を実行していないことを判断する構成としても良い。
3.図柄変動中
遊技球が普通電動役物36に入賞すると、そのときの当否乱数の値、大当り図柄乱数の値、外れ図柄乱数の値、普通図柄乱数の値が各々抽出される。抽出された当否乱数値は、通常確率時には当否判定値「1」と比較し、高確率時には当否判定値「1」、「3」、「5」、「7」、「9」及び「11」と比較し一致すれば大当りが発生、一致しなければ外れとなる。
(1)変動時間指定コマンドは、特別図柄変動時に、遊技制御基板30から図柄制御基板33へ送信される飾り図柄表示用コマンドである。変動時間指定コマンドは、動作番号として30Hの1バイト命令と識別番号として01Hから09Hの9種類の1バイト命令とからなる9種類の2バイト命令として構成されている。9種類の1バイト命令は、1秒単位の5秒〜35秒の9種類の時間を表している。変動時間指定コマンドは、遊技盤22上に発射された遊技球が特別図柄作動口としての普通電動役物36に入賞したとき2バイトずつほぼ同時に送信されるコマンドである。
(2)当否結果データは、当否抽選の結果を示すデータである。当否結果データは、特別図柄変動時に、遊技制御基板30から図柄制御基板33へ送信されるコマンドである。ここでは、当りを示すデータである。34Hの動作番号と01Hの識別番号からなる命令信号である。
(3)図柄確定コードは、特別図柄変動時に、遊技制御基板30から図柄制御基板33へ送信される飾り図柄の停止を命令するコマンドコードである。飾り図柄の左、中、右図柄の停止タイミングを指令するものである。左図柄確定コードは、35Hの動作番号と01Hの識別番号からなる命令信号、中図柄確定コードは、36Hの動作番号と01Hの識別番号からなる命令信号、右図柄確定コードは、37Hの動作番号と01Hの識別番号からなる命令信号である。
4.大当り開始
大当り開始時コマンド信号は、特別図柄表示部52に「7」を表示した後から大当り動作が開始されるまでの間に大当りが発生したということを遊技者にアピールする飾り図柄を表示するときに使用されるコマンドであり、40Hの動作番号と01Hの識別番号により構成されている。この命令信号を図柄制御基板33が受信すると飾り図柄表示部32の画面上に「大当り」等の文字を表示しキャラクタが喜ぶ図柄を表示すると共に、効果音制御基板34及び電飾制御基板35により効果音を出力する処理がなされる。
5.大当り中
大当り中コマンドは、開放前信号、開放中信号、10カウント入賞信号、V通過信号及びラウンド表示信号の5個のコマンドに分類される。
(1)開放前信号は、50Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成され、図柄制御基板33がこの命令信号を入力すると、大入賞口40を開放することを遊技者に知らせる図柄を背景画面に表示する処理を実行する。
(2)開放中信号は、50Hの動作番号及び02Hの識別番号より構成され、図柄制御基板33がこの命令信号を入力すると、大入賞口40が開放中であることを遊技者に知らせる図柄を表示する処理を実行する。
(3)10カウント入賞信号は、50Hの動作番号及び03Hの識別番号より構成され、遊技制御基板30は大入賞口40に遊技球が入賞したことをカウントスイッチ40b又はVスイッチ40aにより検知する毎にこの命令信号を送信する。図柄制御基板33がこの命令信号を入力すると、入力する毎にその値をインクリメントしその値を背景画面上に表示する処理を行う。これにより、飾り図柄表示部32画面上には、大入賞口40に遊技球が入賞する毎に0から10個までの個数表示がなされる。
(4)V通過信号は、50Hの動作番号及び04Hの識別番号より構成され、遊技制御基板30は大入賞口40内の特別領域を遊技球が通過したことをVスイッチ40aにより検知するとこの命令信号を送信する。図柄制御基板33がこの命令信号を入力すると飾り図柄表示部32の画面に「V」の文字を大きく表示し大入賞口40が閉鎖した後再び開放することを遊技者に知らせる。
(5)ラウンド表示信号は、50Hの動作番号及び05Hの識別番号より構成され、遊技制御基板30は大入賞口40が開放動作終了後に再び開放する毎にこの命令信号を送信する。図柄制御基板33がこの命令信号を入力すると、入力する毎にその値をインクリメントしその値を背景画面上に表示する処理を行う。これにより、遊技者には大入賞口40の開放回数が報知される。
6.大当り終了
大当り終了時コマンドは、大当り終了デモコマンドと高確率移行コマンドとからなる。大当り終了デモコマンドは、大当り動作が終了したとき、即ち大入賞口40の開放動作を終了したときに送信される命令信号であり、60Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成される。図柄制御基板33がこの命令信号を入力すると大当りが終了したことを遊技者に知らせるメッセージを表示する。
高確率移行コマンド信号は、61Hの動作番号及び01H〜02Hの識別番号より構成される。識別番号が01Hのときは高確率状態が継続する場合であり、識別番号が02Hのときは高確率が継続しない場合である。この高確率移行コマンドは、遊技制御基板30から送信する構成としても良いし、前述した変動時間指定コマンドの値から図柄制御基板33が判断する構成としても良い。
7.動作異常時
動作異常時コマンドは、パチンコ機10に異常が発生したときに送信される命令コマンドであり、本実施形態では、70H01HのE1エラー信号、70H02HのE2エラー信号、70H03HのE3エラー信号より構成されている。E1エラー信号は、テンカウント異常エラーであり、大入賞口40が開放したときに遊技球が1個も検知されない場合に出力され、E2エラー信号は下皿23が満杯で満タンスイッチ43がオンしたとき出力され、E3エラー信号は補給スイッチ44がオンしたとき出力される。これらの異常時コマンドを送信することにより表示されるエラーメッセージは、異常が解除されたとき送信される70H04Hのエラー解除信号により消去される。
続く各出力処理(ステップS200)において、遊技制御基板30は、遊技の進行に応じて図柄制御基板33、特別図柄表示部52、賞球制御基板31、発射制御基板49、電飾制御基板35、効果音制御基板34等の各種ソレノイド等に対して各々出力処理を実行する。即ち、前記各入力処理(ステップS170)により遊技盤22上の各入賞口に球の入賞があることが検知されたときには賞球としての球を払い出すべく賞球制御基板31に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータを効果音制御基板34に出力する処理を、パチンコ機10に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく図柄制御基板33、特別図柄表示部52にエラー信号を出力する処理を、更には、大当り発生時には大当り処理等を、各々実行する。
前述した本処理に続く残余処理は、外れ図柄乱数更新処理(ステップS210)及び初期乱数更新処理(ステップS220)から構成されるが、各々前述したステップS150及びステップS120と概ね同じ処理である。この2つの処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。
前述したステップS100〜S200までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図14に示された割り込み処理が1回実行されることにより外れ図柄乱数及び初期乱数の更新される(加算される)値も一律では無くなる。これにより、初期乱数及び外れ図柄乱数が当否乱数と同期する可能性は無くなる。尚、実施形態1においては、当否乱数の更新は初期乱数の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。また、前述した普通図柄乱数更新処理(ステップS160)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
図16のフローチャートに示す特別図柄、飾り図柄同期制御1は、遊技制御基板30のマイコンにより実行される処理を表したものであり、約2ms毎のハードウェア割り込みにより定期的に実行される処理である。この制御1の目的は、特別図柄と飾り図柄の同期制御を行うことである。S300で始動入賞に伴い当否抽選を行い、S310で飾り図柄の最初に始動する図柄から最後の図柄の停止までの1回の変動時間を決定し、S320でこの変動時間を示す変動時間指定コマンド、当否結果データとをサブ制御基板Sに送信し、S330で特別図柄変動制御を開始し、特別図柄の変動時間を計測開始し、S340で特別図柄変動制御終了し、変動終了時間の到達(変動時間経過)を確認し、S350で特別図柄を確定図柄で停止し、リターンに抜ける。図柄制御基板33では遊技制御基板30から受信した変動時間指定コマンド及び当否結果データに従って、指示された変動時間、飾り図柄を変動制御するのである。
これにより、特別図柄と飾り図柄の変動時間が一致することとなる。
図17のフローチャートに示す特別図柄、飾り図柄同期制御2は、遊技制御基板30のマイコンにより実行される処理を表したものであり、約2ms毎のハードウェア割り込みにより定期的に実行される処理である。この制御2の目的は、特別図柄と飾り図柄の同期制御を行うことである。S400で始動入賞に伴い当否抽選を行い、S410で飾り図柄の最初に始動する図柄から最後の図柄の停止までの1回の変動時間を決定し、S420でこの変動時間を示す変動時間指定コマンド及び当否結果データをサブ制御基板Sに送信し、S430で特別図柄変動制御を開始し、特別図柄の変動時間を計測開始し、S440で特別図柄変動制御終了し、変動終了時間の到達を確認し、サブ制御基板Sに図柄確定コード(停止信号)を送信し、S450で特別図柄を確定図柄で停止し、図柄確定コードによって飾り図柄演出表示を変動停止させ、リターンに抜ける。図柄制御基板33では遊技制御基板30から受信した変動時間指定コマンド及び当否結果データに従って、指示された変動時間、飾り図柄を変動制御するのである。
次に、各処理を実行することによる、本実施形態に係るパチンコ機10の主な動作を説明する。
まず、当否乱数の値により大当りを発生させるか否かを事前に決定するための手順を説明する。遊技球が普通電動役物36に入賞して第1種始動口スイッチ36aにより検出されれば、その時点における当否乱数の値を抽出し、その値が前記した所定の値のときに大当りを発生させることが事前決定される。その場合における特別図柄表示部52の大当り図柄は、大当り図柄乱数の抽出値により、大当りとなる図柄が決定される。一方、当否乱数の抽出値が大当り乱数値以外のときには、外れが事前決定される。その場合における特別図柄表示部52の外れ図柄(外れ予定停止図柄)は、遊技制御基板30で決定する。
一方、図柄制御基板33が、変動時間指定コマンド及び当否結果データを主制御基板30から受信したときの図柄制御基板33が行う処理を説明する。飾り図柄表示部32に表示される数字図柄の種類は、指定された変動時間及び当否結果データに従って、図柄制御基板33が大当り図柄の種類を決定する。飾り図柄表示部32のそれぞれの外れ図柄(外れ予定停止図柄)の種類は、図9〜図12で説明したように、図柄制御基板33が、遊技制御基板30からの指定された変動時間及び当否結果データに従って決定する。
即ち、図柄制御基板33は図柄指定コマンドを備え、この図柄指定コマンドが飾り図柄の停止図柄の指定を行うものであり、遊技制御基板30から図柄制御基板33に送信される当否結果データに従って、停止図柄の指定を行う。図柄指定コマンドは、右、中、左停止図柄指定信号を含み、次の通りに設定される。
(a)左停止図柄指定信号
左停止図柄指定信号は、31Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令信号であり、識別番号が01Hのときは左停止図柄として「1」、02Hのときは「2」、03Hのときは「3」、04Hのときは「4」、05Hのときは「5」、06Hのときは「6」、07Hのときは「7」、08Hのときは「8」、09Hのときは「9」の数字図柄を飾り図柄として飾り図柄柄表示部32に表示させるためのものである。
(b)中停止図柄指定信号
中停止図柄指定信号は、32Hの動作番号と01H〜09Hの9種類の識別番号とからなる命令信号であり、識別番号は前記左停止図柄指定信号の識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を飾り図柄として飾り図柄表示部32に表示させるためのものである。
(c)右停止図柄指定信号
右停止図柄指定信号は、33Hの動作番号と01H〜09Hの9種類の識別番号とからなる命令信号であり、識別番号は前記左停止図柄指定信号の識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を飾り図柄として飾り図柄表示部32に表示させるためのものである。
大当り発生時には、左、中及び右停止図柄指定信号の識別番号は同一となる。それらが一致せず外れとなったときには、抽出された外れ図柄乱数の左図柄用乱数値、中図柄用乱数値及び右図柄用乱数値の各々の値に+1とした値を各々左、中及び右停止図柄指定信号の識別番号とする。このとき、偶然に3つの識別番号が一致する場合には、右停止図柄指定信号の識別番号の値を「1」だけ異なる値とする処理が為される。前述した変動時間指定コマンドは、左、中及び右停止図柄指定信号の識別番号が全て一致するときには大きな値とし、全て一致しなくとも左及び中停止図柄指定信号の識別番号が一致するときには中間の値とし、全く一致しないときには小さな値に振り分けられる。
外れ表示は、左、中及び右停止図柄指定信号の識別番号が全て一致しない場合、即ち大当りを発生させないときの図柄処理に用いられる処理である。図柄制御基板33のマイコンが変動時間指定コマンド及び当否結果データを受信すると、受信した変動時間から飾り図柄の変動パターンを作成する処理を実行する。図柄制御基板33のROMには、指定された変動時間及び当否結果データの各値の組み合わせに対応したテーブルが書き込まれている。図柄制御基板33のマイコンは、指定された変動時間及び当否結果データからROMに書き込まれたテーブルを読み出し特別図柄の変動パターンを作成する。
図柄制御基板33のマイコンは、受信した変動時間指定コマンドを参照して、飾り図柄の左、中及び右図柄の変動開始から停止するまでの各々の時間を決定する。作成された飾り図柄の変動パターンに従って、背景画面上に表示される背景及びキャラクタの表示データも作成される。こうして変動パターンが作成されると、この変動パターンに従って左、中及び右の各飾り図柄の変動を開始し指定された停止図柄で確定表示する変動表示処理を実行すると共に、背景及びキャラクタの表示制御も実行され、前記したように決定された停止図柄で停止する。
以上のように、特別図柄表示部52の表示結果が大当り状態になる場合には、飾り図柄表示部32の表示結果も大当り状態にされる。また、特別図柄表示部52の表示結果が外れの状態になる場合には、飾り図柄表示部32の表示結果も外れの状態にされる。
始動口36に入球し、その変動開始直前に当否乱数により当否抽選を行い、その際、当否抽選結果に基づいて特別図柄の結果表示までの変動時間が決定され、決定された特別図柄の結果表示までの変動時間に従って飾り図柄表示部32の演出を指定するための変動時間指定コマンドを選出する。飾り図柄表示部32の演出に関する信号は、遊技制御基板30から中継基板37を介してサブ制御基板Sに対して、変動開始コマンドを兼ねる変動時間指定コマンドと、当否結果データ(当りデータ)とが送信される。特別図柄の表示結果が外れであった場合は変動開始コマンドを兼ねた変動時間指定コマンドのみを送信し、当りであった場合は変動開始コマンドを兼ねた変動時間指定コマンドと当否結果データ(当りデータ)のみを送信する。これにより、遊技制御基板30から中継基板37を介して図柄制御基板33へは、飾り図柄が何の図柄で大当りするかの停止図柄に関する信号は送信しないものとする。
当りの場合のみ当りデータを出すことで、図柄制御基板33は当りデータがこない場合には外れと認識できる。現行の遊技機は変動の大部分が外れ変動で構成されるため、当り時のみ変動時間指定コマンド以外に当りデータを送信するとしても、大した負担にはならず、その信号のほとんどが変動時間指定コマンドのみという状態にできる。
サブ制御基板Sは変動開始コマンドを兼ねた変動時間指定コマンド及び当否結果データ(当りデータ)を受信すると、指定された変動時間に該当する演出パターンを選出し、飾り図柄表示部32に飾り図柄の変動表示を行う。外れであれば当りデータは受信されないので、自動的に外れとなる。その際の図柄構成もサブ制御基板Sに記憶された停止図柄態様に係わる変動時間が指定された段階で作成または選出できる。当りである場合は、当りと報知可能な図柄の組み合わせまたはキャラクタ態様で停止することをサブ制御基板Sが自ら決定し、後は遊技制御基板30より受信した変動時間指定コマンド及び当否結果データに該当する演出表示に併せて飾り図柄表示部32に演出表示する。
次に、リーチ表示を行なうか否かの決定方法については、特許文献4(特開平9−122309号公報)における段落0064〜0071の説明を参照されたい。また、飾り図柄表示部32における時間の変化に伴う各飾り図柄表示部の制御の状態については同段落0073〜0075を参照されたい。特許文献4のように9桁であってもよい。
飾り図柄表示部32に関しては、左数字図柄、右数字図柄、中数字図柄の順に可変表示するとともに背景図柄を変動表示させた後、停止させる制御が行なわれる。その場合の停止図柄は、次のように決定される。図柄制御基板33では、飾り図柄の外れ図柄決定用乱数と、当り図柄決定用乱数とを備え、変動時間指定コマンド及び当否結果データを受信したタイミングなどによって、乱数抽選を行い、前記した停止図柄指定信号を選択するものである。大当たりの場合、大当り図柄乱数の左図柄と右図柄用の乱数の値が、同一の値に揃えられる。これにより、大当り時の予定停止図柄が決定される。一方、当否乱数の抽出値の判定により外れにすることが決定された場合には、各外れ図柄乱数のそれぞれの抽出値に基づいて、左,中,右数字図柄のそれぞれの予定停止図柄が決定される。リーチ状態が発生しない通常状態における飾り図柄表示部32のリーチ状態が発生する場合の制御タイミングについては特許文献4の段落0078〜0090を参照されたい。リーチ表示処理の制御動作については特許文献4の段落0092〜0108を参照されたい。キャラクタ図柄の動作の態様に応じて飾り図柄の可変表示態様を切換える表示例については同段落0110〜0134を参照されたい。飾り図柄の説明については、同段落0031〜0042までを参照されたい。
次に遊技者により操作される発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ33aにより遊技球が遊技盤22上に発射され、発射された遊技球が特別図柄始動口としての普通電動役物36に入賞すれば第1種始動口スイッチ36aにより検出され、遊技制御基板30から特別図柄表示制御信号が特別図柄表示部52に送信されて、特別図柄表示部52に特別図柄を所定時間変動表示した後に確定表示するよう働く。それとともに遊技制御基板30から中継基板37を介して図柄制御基板33へ前述の変動時間指定コマンド及び当否結果データ等が一方向に送信され、図柄制御基板33では、飾り図柄表示部32画面上への飾り図柄、背景図柄等の図柄を表示するように図柄制御が実行される。飾り図柄に関しては、まず左数字図柄が確定表示され、次に右数字図柄が確定表示され、右数字図柄と左数字図柄が一致しない場合は外れが確定し、その後、中数字図柄が確定表示される。右数字図柄と左数字図柄が一致した場合(例えば7?7)はリーチとなり、中数字図柄が変動した後に確定表示する。この確定表示した中数字図柄が右数字及び左数字図柄と一致しない場合はリーチ外れとなる(例えば727)。一方、この確定表示した数字図柄が予め定められた特定図柄、例えば、前記リーチの後、全ての特別図柄が一致した場合(「777」等の3桁同一図柄)を表示すると大当り状態として、その後、遊技者に有利なゲーム内容を提供する。
大入賞口40は、通常時は開閉板が閉成して打玉が入賞不可能な遊技者にとって不利な第2の状態となっているが、大当り状態が発生すれば大入賞口ソレノイド40cが励磁されて開閉板が開成して入賞開口が開放された第1の状態となる。この大入賞口40の第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過あるいは所定個数(たとえば10個)の打玉の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立したことにより終了して第2の状態となる。その入賞開口内に入賞した遊技球がVスイッチ40a,カウントスイッチ40bにより検出され、その検出個数は入賞個数表示器により表示される。また、第1の状態となっている大入賞口40内に入賞した遊技球が予め定められた特定入賞領域(Vポケット)に入賞すれば、その特定入賞玉がVスイッチ40aにより検出され、その回の大入賞口40の第1の状態が終了するのを待って再度、大入賞口40を第1の状態に駆動制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数はたとえば16回と定められている。
以上説明した通り、実施形態1によれば、始動口36に入球し、その変動開始直前に当否乱数により当否抽選を行い、その際、当否抽選結果に基づいて特別図柄の結果表示までの変動時間が決定され、決定された特別図柄の結果表示までの変動時間に従って飾り図柄表示部32の演出を指定するための変動時間指定コマンドを選出する。飾り図柄表示部32の演出に関する信号は、遊技制御基板30からサブ制御基板S(図柄制御基板又は音・電飾制御基板)に対して変動開始コマンドを兼ねる変動時間指定コマンドと、当否結果データ(当りデータ)とが送信される。特別図柄の表示結果が外れであった場合は変動開始コマンドを兼ねた変動時間指定コマンドのみを送信し、当りであった場合は変動開始コマンドを兼ねた変動時間指定コマンドと当否結果データ(当りデータ)のみを送信する。これにより、遊技制御基板30から図柄制御基板32bへは、特別図柄が何の図柄で大当りするかの停止図柄に関する信号は送信しないものとするので、遊技制御基板30の負担が軽減する。
当りの場合のみ当否結果データ(当りデータ)を出すことで、図柄制御基板32bは当否結果データ(当りデータ)がこない場合には外れと認識できる。現行の遊技機は変動の大部分が外れ変動で構成されるため、当り時のみ変動時間指定コマンド以外に当否結果データ(当りデータ)を送信するとしても、大した負担にはならず、その信号のほとんどが変動時間指定コマンドのみという状態にできる。
サブ制御基板Sは変動開始コマンドを兼ねた変動時間指定コマンド及び当否結果データを受信すると、指定された変動時間に該当する演出パターンを選出し、飾り図柄表示部32に飾り図柄の変動表示を行う。外れであれば当否結果データ(当りデータ)は受信されないので、自動的に外れとなる。その際の図柄構成もサブ制御基板Sに記憶された停止図柄態様に係わる変動時間が指定された段階で作成または選出できる。当りである場合は、当りと報知可能な図柄の組み合わせまたはキャラクタ態様で停止することをサブ制御基板Sが自ら決定し、後は遊技制御基板30より受信した変動時間指定コマンドが指定する変動時間及び当否結果データに該当する演出表示に併せて飾り図柄表示部32に演出表示する。
これにより、飾り図柄表示部32に表示される飾り図柄のうちの当り図柄の種類、外れ図柄の種類、停止図柄の種類に関する信号は送信しないものとするので、遊技制御基板30から飾り図柄表示部32への演出に関する送信コマンドを簡略化することで、飾り図柄表示部32を制御するサブ制御基板Sの処理負担を軽減可能となり、よって、演出に関する記憶をより豊富に持つことで演出に自由度が増し、従来にない表示パターンを演出可能であるという効果を発揮する。また、特別図柄の制御を簡略化すると共に、飾り図柄表示部32と特別図柄表示部52の開始と終了に同期を図ることが容易になる。
また、遊技制御基板30からサブ制御基板Sを介して変動時間指定コマンド及び当否結果データが送信されることで飾り図柄を間接的に制御し、サブ制御基板Sは変動開始コマンドを兼ねた変動時間指定コマンド及び当否結果データを受信すると、指定された変動時間及び当否結果データに該当する演出パターンを選出し、表示を行う。指定された変動時間が当り専用のものと外れ専用のものとに分類された状態でサブ制御基板Sは全変動パターンを記憶させておけば、当りの変動パターンを指定する変動時間指定コマンドがくればサブ制御基板Sは特別図柄の当否を判断することなく当りの演出を表示できるし、外れパターンの変動時間指定コマンドであれば、自動的に外れとなる表示を行う。これによりサブ制御基板Sは、自動的に当り外れの判断を行うことができる。
確率変動及び非確率変動を使用する場合は前記した当否結果データ(当りデータ)はいらず、確率変動か非確率変動をするのかを示す信号のみを受信することで自動的に当りと判断することができる。また、当りの場合のみ確率変動か非確率変動かいずれであるのかを示す確率変動信号を、時間情報を含む前記変動時間指定コマンドに併せて受信することで確率変動当りの時は確率変動を報知する図柄で表示可能であるし、非確率変動であれば確率変動時とは異なる図柄で表示できるため、特別図柄の確率変動の当り、非確率変動の当りともに簡単に同期できる。現行の遊技機は変動の大部分が外れ変動で構成されるため、当り時のみ、確率変動か非確率変動かいずれなのかを示す信号を送信するとしても、大した負担にはならず、その信号のほとんどが変動時間指定コマンドのみという状態にできる。確率変動又は非確率変動の遊技付加価値に関する信号が当否結果データ(当りデータ)を兼ねるので、遊技制御基板30とサブ制御基板Sとの送受信が簡素になる。
遊技制御基板30から特別図柄表示部32に対する信号の送信は一方向通信とするので、相互通信可能な構成による外部からの遊技制御基板30への不正な送信による不正防止を実現できる。遊技制御基板30では中継基板60を介し特別図柄表示部52を制御するので、不正防止に効果がある。
また、遊技制御基板30が特別図柄表示部32と直接接続されて、特別図柄を直接に制御する信号を送信させるので、シンプルな通信構成を実現するとともに、変動時間指定コマンド及び当否結果データを図柄制御基板33に向かって送信するので、図柄制御基板33の演出能力を高めることができる。また、図柄制御基板33は、CPUを備える基板であるので、演出効果が高くなる。
遊技制御基板30と図柄制御基板33とは、中継基板37を介して接続され、遊技制御基板30から中継基板37にのみ送信でき、且つ中継基板37から図柄制御基板33にのみ送信できる回路構成である。サブ制御基板Sである図柄制御基板33と、メイン制御基板である遊技制御基板30との接続には、CPUを搭載しない中継基板37が存在し、中継基板37の前後の接続においては遊技制御基板30からのみ図柄制御基板33に送信できる二重の一方向通信回路の回路構成であるので、不正行為が行い難く、不正行為の発見が容易であるという効果を発揮する。即ち、図柄制御基板33から遊技制御基板30に対して不正行為を行うためには、2重の一方向通信回路に対して不正行為を行う必要があり、また中継基板37はCPUを搭載しない基板なので中継基板37からの直接の不正行為は発覚し易いからである。また、サブ制御基板Sである図柄制御基板33と電飾制御基板35、効果音制御基板34とは、双方向通信可能な回路構成であり、図柄制御と、電飾制御及び/又は効果音制御とを緻密に対応させることができる。詳細に説明すると、図柄制御基板33からの遊技制御基板30に対して不正行為を行うためには、図柄制御基板33から遊技制御基板に送信できる配線を行う必要がある。しかしながら、遊技制御基板30と図柄制御基板33とは中継基板37を介して接続されているので、中継基板37を介さずに図柄制御基板33と遊技制御基板30とが接続された配線を不正行為によるものとみなすことができる。従来においては、一方向通信回路であっても、中継基板を介することがなかったので、不正行為による配線を発見することが容易ではなかった。一方、中継基板37からの不正行為による配線により、遊技制御基板30に対して不正遊技を行うことが考えられる。しかしながら、中継基板37はCPUを搭載しない基板として構成されているので、不正改造が容易に発見できる。
また、サブ制御基板Sに対しては、図柄の変動時間と当否結果を示すデータを送信し、図柄制御基板がこれらのデータに基づき図柄の変動を開始し、当否結果に基づき作成した飾り図柄を変動時間経過後に静止表示する構成なので、遊技制御基板30の処理の負担を極めて軽減化できる効果を有しながら、特別図柄表示部52との同期を得ることができる効果を有する。
さらに、中継基板37に接続されるサブ制御基板は、図柄制御基板33のみなので、不正配線のチェックが容易である。図柄制御基板33と電飾制御基板35、効果音制御基板34とは双方向通信であり、データをやり取りしながら緻密な制御が可能である。
次に実施形態2のパチンコ機を図18を参照して説明する。実施形態1では、図柄制御基板33が、効果音制御基板34及び電飾制御基板35の両基板とそれぞれ個別に並列に双方向通信可能に接続されているが、この実施形態2では、遊技制御基板130と図柄制御基板133とは中継基板137を介して遊技制御基板130からのみ送信できる一方向通信回路とし、図柄制御基板130と電飾制御基板135とは双方向通信する通信回路を備え、電飾制御基板135と効果音制御基板134とは双方向通信する通信回路としている。つまり、図柄制御基板130、電飾制御基板135、及び効果音制御基板134とは直列の双方向通信回路を構成する。本実施形態の変形例として、遊技制御基板130と図柄制御基板133とが中継基板137を介して一方向通信回路になっていれば、電飾制御基板135と図柄制御基板133とは一方向通信回路に構成してもよい。
実施形態2によれば、実施形態1と同様の効果を奏する上、電飾制御基板135と効果音制御基板134とは枠側の基板であり、面替え作業時には既存設備として利用でき、この両基板134,135が双方向通信回路構成であるので、既存設備有効利用の効果が大である。また、電飾制御基板135と遊技制御基板130との接続には、中継基板137、図柄制御基板133が存在し、図柄制御基板133の前後の接続においては、中継基板137と電飾制御基板135とが接続され、遊技制御基板130からのみ図柄制御基板133を介して電飾制御基板135にデータを送信できる回路構成なので、不正行為が行い難いという効果を発揮する。即ち、電飾制御基板135又は効果音制御基板134から遊技制御基板130に対して不正行為を行うためには、2重(上記変形例の場合には3重)の一方向通信回路に対して不正行為を行う必要があるからである。なお、図18において、対応する部品番号は100番台として説明は実施形態を援用するほか、他の共通する要素についても説明及び図示は実施形態1を援用する。
実施形態3のパチンコ機を図19を参照して説明する。この実施形態3は、図18に示す実施形態2の「電飾制御基板135、各種ランプ160、各種LED161」と「効果音制御基板134、スピーカ146」の接続位置を交換したものである。なお、図19において、対応する部品番号は200番台として説明は実施形態を援用するほか、他の共通する要素についても説明及び図示は実施形態1を援用する。
実施形態4のパチンコ機を図20を参照して説明する。この実施形態4は、図18に示す実施形態2において、「図柄制御基板133、飾り図柄表示部132」と、「電飾制御基板135、各種ランプ160、各種LED161」の接続位置を交換したものである。電飾制御基板335が、CPU、ROM、RAM等を備えたマイコンであり、遊技制御基板330から送信される前記変動時間指定コマンドと当否結果データを受信すると指定された変動時間T1に従って電飾制御及び/又は効果音の出力制御を行なう電飾/音制御手段と、前記遊技制御基板330から送信される前記データに基づき作成したデータを図柄制御基板333に送信する図柄データ送信手段と、を備えている。また、図柄制御基板333が、前記図柄データ送信手段から送信されるデータを受信すると前記指定された変動時間T1に従って飾り図柄を変動した後、前記指定された変動時間及び当否結果データに基づき作成した飾り図柄を静止表示する飾り図柄作成変動表示手段と、を備えている。図柄制御基板333から送信されるデータに従って、効果音制御基板334がスピーカ346の制御を行う。効果音制御基板334にCPUがないときは、電飾制御基板335で効果音データを作成し図柄制御基板333を介して効果音制御基板334に送信し、一方、効果音制御基板334にCPUがあるときは、スルーで変動時間指定コマンド及び当否結果データを効果音制御基板334に送信する。図20において、対応する部品番号は300番台として説明は実施形態を援用するほか、他の共通する要素についても説明及び図示は実施形態1〜3を援用する。
実施形態5のパチンコ機を図21を参照して説明する。このパチンコ機は、図18の実施形態2の中継基板37を削除し、遊技制御基板430と図柄制御基板433との接続に、図柄制御基板433から遊技制御基板430にはデータ送信しない一方向通信回路を備え、図柄制御基板433と電飾制御基板435との接続に、電飾制御基板435から図柄制御基板にはデータ送信しない一方向通信回路を備えたものである。電飾制御基板435と効果音制御基板434との接続には、双方向にデータを通信する双方向通信回路を備えている。
また、図柄制御基板433は、受信したデータに基づき作成した電飾データ及び効果音データを、電飾制御基板435に送信し、送信されたデータを受信した電飾制御基板435に受信したデータに基づくデータを送信するよう構成している。その他は、前記実施形態2と同様の構成であるので、部品番号を400番台として説明は援用する。
実施形態6のパチンコ機を図22を参照して説明する。このパチンコ機は、実施形態5において、「図柄制御基板433及び飾り図柄表示部432」と、「電飾制御基板435、各種ランプ460及び各種LED461」の接続位置を入れ替えたものであり、他は実施形態5と同様の構成であるので、部品番号を500番台として説明は援用する。また、電飾制御基板535、図柄制御基板533、効果音制御基板534のデータの授受については、実施形態4のデータの授受の説明を援用する。
本発明実施形態7を図23〜図27を用いて説明する。特別図柄表示部52に表示される特別図柄を変動表示させる処理と、前述したコマンドコードを用いて飾り図柄表示部32の画面上に特別図柄と関連付けられた飾り図柄を変動表示させる処理である。
図23及び図24に従って実施形態7の変動時間指定コマンドに対応する基本変動パターンを決定(選択)する処理について説明する。
遊技制御基板30のマイコンは、前記メインルーチンのステップS180における当否判定結果を読み取り(図23のステップS455)、リーチの有無を読み込み(ステップS460)、時短の有無を読み取り(ステップS465)、停止図柄を読み込む(ステップS470)。
リーチの有無は、外れ図柄を表示する場合でも、数字図柄の前記左停止図柄と中停止図柄とが一致するか否かにより判定されるが、リーチ乱数を用いて抽出された乱数値が所定値のときリーチ表示を実行するか否か判定する構成としても良い。
時短とは、前述した高確率状態において、特別図柄表示部52で変動表示する特別図柄の変動時間を通常状態に比べて短縮することをいう。前述したように、高確率時には、普通電動役物36の開放時間は延長させられ、普通図柄の判定結果回数を増加させられる。これにより、高確率時には、普通電動役物36への入賞個数を多くし、また、特別図柄の変動時間も短縮させられているので、特別図柄の保留記憶を減少させて、単位時間当りの特別図柄の判定結果の導出を増加させることができる。飾り図柄も同様である。
前記ステップS455〜S470の処理を実行することにより、当否結果、リーチの有無、時短の有無、及び各停止図柄が読み込まれると、続く処理では、これらの読み込まれたデータに従って基本変動パターンが決定され(ステップS475)、処理はリターンに抜ける。
基本変動パターンの決定は、図24に示すように、ステップS475の処理に移行すると(STP1)、先ず、当否判定の結果により大当り(STP2)又は外れ(STP3)に振り分けられる。外れの場合には、更に、リーチ有り(STP4)又はリーチ無し(STP5)に振り分けられる。
大当り(STP2)、外れ(STP3)のリーチ有り(STP4)又はリーチ無し(STP5)のいずれかに振り分けられると、各々について時短が有るか否かにより振り分けられる(STP6〜STP11)。
大当り(STP2)の時短有り(STP6)は、更に、停止図柄により前記高確率図柄である特定図柄か否かにより振り分けられる(STP12〜STP13)。同様に、大当り(STP2)の時短無し(STP7)は、更に、停止図柄により前記高確率図柄である特定図柄か否かにより振り分けられる(STP14〜STP15)。
外れ(STP3)のリーチ有り(STP4)の時短無し(STP9)は、大当り図柄の前後の図柄であるか否かにより更に2つに振り分けられる(STP16〜STP17)。ここで、大当り前後の図柄とは、右停止図柄が左及び中停止図柄に近い図柄のことをいう。
以上の振り分け処理により振り分けられた、STP12は基本パターン1(STP18)、STP13は基本パターン2(STP19)、STP14は基本パターン3(STP20)、STP15は基本パターン4(STP21)、STP8は基本パターン5(STP22)、STP16は基本パターン6(STP23)、STP17は基本パターン7(STP24)、STP10は基本パターン8(STP25)、STP11は基本パターン9(STP26)、に対応する。
基本パターン1(STP18)は、飾り図柄の数字図柄の変動開始から各図柄が静止して飾り図柄が確定するまでの変動時間は10秒と定められている。同様に、基本パターン2(STP19)は7秒、基本パターン3(STP20)は30秒、基本パターン4(STP21)は25秒、基本パターン5(STP22)は8秒、基本パターン6(STP23)は20秒、基本パターン7(STP24)は28秒、基本パターン8(STP25)は7秒、基本パターン9(STP26)は15秒と定められている。
尚、これらの変動時間は、適宜変更可能である。
前記基本変動パターンを示す変動時間指定コマンド及び当否結果データを受信した図柄制御基板33は、図25に示す「表示パターン選択ルーチン」を実行することで、飾り図柄表示部32にて表示される飾り図柄を表示制御する。一方、特別図柄表示部52での特別図柄については、図23および図24での決定内容に従って、遊技制御基板30により直接に制御される。
図柄制御基板33のCPU33aは、遊技制御基板30より変動時間指定コマンド及び当否結果データの送信があることを判定すると(ステップS480)、基本変動パターン及び各停止図柄を変動時間指定コマンド及び当否結果データから読み取り(ステップS485〜S490)、読み取ったデータから表示パターンの振り分けを実行し(ステップS495)、処理はリターンに抜ける。また、ステップS480で遊技制御基板30より変動時間指定コマンド及び当否結果データの送信がない場合には、処理はリターンに抜ける。図26は、基本変動パターンの9つの基本パターンの各々を、2つ以上の表示パターンに振り分ける構成を示した模式図である。
9つの基本パターンよりなる基本変動パターン1〜9を2つ以上の表示パターンに振り分ける構成を具体的に示したものが図27である。各基本パターン1〜9には、おのおの、表示パターンがあり、最後に停止する停止図柄(ここでは右図柄)の変動時間が同じ変動パターン内では共通(同一)に設定されている。この同一時間は、変動パターン1では10秒、基本変動パターン2では7秒、…、基本変動パターン9では15秒に設定されている。
基本パターン1は、大当りの特定図柄、即ち、「111」、「333」、「555」、「777」、「999」、「BBB」又は「DDD」を表示するときで、且つ時短がある場合である。この基本パターン1では、各飾り図柄の数字図柄が変動表示する時間は、停止図柄指定コードに従い決定される各数字図柄の停止図柄が「1」のときは、各数字図柄表示部32a〜32c上で同時に変動を開始した後、左数字図柄表示部32a上では4秒間スクロール変動表示して「1」の図柄で静止し、中数字図柄表示部32b上では6秒間スクロール変動表示して「1」の図柄で静止し、右数字図柄表示部32c上では10秒間スクロール変動表示して「1」の図柄で静止する。
各数字図柄の停止図柄が「D」のときは、各数字図柄表示部32a〜32c上で同時に変動を開始した後、左数字図柄表示部32a上では4秒間スクロール変動表示して「D」の図柄で静止し、中数字図柄表示部32b上では7秒間スクロール変動表示して「D」の図柄で静止し、右数字図柄表示部32c上では10秒間スクロール変動表示して「D」の図柄で静止する。
各飾り図柄の数字図柄の停止図柄が「3」のときは、各数字図柄表示部32a〜32c上で同時に変動を開始した後、左数字図柄表示部32a上では5秒間スクロール変動表示して「3」の図柄で静止し、中数字図柄表示部32b上では7秒間スクロール変動表示して「3」の図柄で静止し、右数字図柄表示部32c上では10秒間スクロール変動表示して「3」の図柄で静止する。
各飾り図柄の数字図柄の停止図柄が「7」のときは、各数字図柄表示部32a〜32c上で同時に変動を開始した後、全回転変動、即ち3桁同一の図柄のままスクロール変動表示し10秒後に同時に「7」の図柄で静止する。
即ち、基本パターン1では、7種類の3桁同一特定図柄の種類により、変動開始と右数字図柄表示部32c上での変動時間とを同一にしつつも、左数字図柄表示部32a及び中数字図柄表示部32b上での変動時間が異なるよう設定されている。これにより、基本変動パターン1は、7種類の停止図柄により、表示パターンを7種類に振り分けている。
基本パターン2は、大当りの非特定図柄、即ち、「000」、「222」、「444」、「666」、「888」、「AAA」、「CCC」又は「EEE」を表示するときで、且つ時短がある場合である。この基本パターン1では、各数字図柄表示部32a〜32c上で変動表示する時間は、停止図柄指定コードに従い決定される各飾り図柄の数字図柄の停止図柄が「0」のときは、各数字図柄表示部32a〜32c上で同時に変動を開始した後、左数字図柄表示部32a上では4秒間スクロール変動表示して「0」の図柄で静止し、中数字図柄表示部32b上では5秒間スクロール変動表示して「0」の図柄で静止し、右数字図柄表示部32c上では7秒間スクロール変動表示して「0」の図柄で静止する。
各飾り図柄の数字図柄の停止図柄が「E」のときは、各数字図柄表示部32a〜32c上で同時に変動を開始した後、左数字図柄表示部32a上では4秒間スクロール変動表示して「E」の図柄で静止し、中数字図柄表示部32b上では6秒間スクロール変動表示して「E」の図柄で静止し、右数字図柄表示部32c上では7秒間スクロール変動表示して「E」の図柄で静止する。
各数字図柄表示部32a〜32cの停止図柄が「2」のときは、各数字図柄表示部32a〜32c上で同時に変動を開始した後、左数字図柄表示部32a上では5秒間スクロール変動表示して「2」の図柄で静止し、中数字図柄表示部32b上では6秒間スクロール変動表示して「2」の図柄で静止し、右数字図柄表示部32c上では7秒間スクロール変動表示して「2」の図柄で静止する。
各数字図柄表示部32a〜32cの停止図柄が「8」のときは、各数字図柄表示部32a〜32c上で同時に変動を開始した後、全回転変動、即ち3桁同一の図柄のままスクロール変動表示し7秒後に同時に「8」の図柄で静止する。
即ち、基本パターン2では、8種類の3桁同一の非特定図柄の種類により、変動開始と右数字図柄表示部32c上での変動時間とを同一にしつつも、左数字図柄表示部32a及び中数字図柄表示部32b上での変動時間が異なるよう設定されている。これにより、基本変動パターン2は、8種類の停止図柄により、表示パターンを8種類に振り分けている。
前記基本パターン1及び2と同様の処理により、基本パターン3〜9も、変動開始と右数字図柄表示部32c上での変動時間とを同一にしつつも、停止図柄の相違により左数字図柄表示部32a及び中数字図柄表示部32b上での変動時間を異なるよう表示パターンを2つ以上に振り分けられる。
図柄制御基板33のCPU33aは、遊技制御基板30より送信された変動時間指定コマンド及び当否結果データにしたがって、対応する基本変動パターンから表示パターンに振り分けるものであり、表示パターンを決定し、振り分けた表示パターンの種類を示すデータをCPU33b及び効果音制御基板34及び電飾制御基板35に送信するものである。効果音制御基板34及び電飾制御基板35には、表示パターンの種類に対応した音データ、電飾データが記憶され、効果音制御基板34及び電飾制御基板35は、受信した表示パターンの内容を判断し、効果音や電飾を出力すべきタイミングでは効果音、電飾を出力制御する。この制御は、受信した表示パターンに従って必要に応じて逐次実行される。
CPU33bは、CPU33aから受信した表示パターンの種類に対応した図柄制御を実行するものであり、送信された表示パターンに従った図柄を飾り図柄表示部32に変動表示し、変動時間経過後に指示された停止図柄を静止表示し、静止確定信号を受信したタイミングで確定表示するものである。
CPU33aは、効果音制御基板34及び電飾制御基板35に対しては表示パターンの種類を示す信号を送信することなく、表示パターンに従って、制御信号を効果音制御基板34及び電飾制御基板35に送信する構成でもよい。
即ち、効果音制御基板34及び電飾制御基板35には、図柄制御基板33から逐次送信されるデータに対応した音データ、電飾データが記憶され、CPU33aは、選択した表示パターンの種類を示すデータをCPU33bに送信するとともに、選択した表示パターンの内容を判断して効果音、電飾を出力すべきタイミングでは、効果音、電飾に対応したデータを効果音制御基板34及び電飾制御基板35に送信する。図柄制御基板33から効果音制御基板34及び電飾制御基板35への送信は、図柄変動時間の期間中、必要に応じて逐次実行される。効果音制御基板34及び電飾制御基板35は、送信されたデータを受信すると、該データに対応した効果音、電飾を出力制御する。CPU33bは受信した表示パターンの種類に応じた図柄制御を実行する。例えば、決定した表示パターンの内容に従ってCPU33aは、左停止図柄、中停止図柄及び右停止図柄を静止させるタイミングで効果音を出力するよう指示し、またはキャラクタを出現させるタイミングで効果音を出力するよう指示することが考えられる。電飾についても同様である。
効果音制御基板34及び電飾制御基板35は主としてトランジスタ等の駆動素子から構成されており、図柄制御基板33からの指令を受けて、スピーカ46、及び、大当りランプやエラーランプ等のランプ類60及びLED61を点灯表示させる。即ち、図28に示す通り、効果音制御基板34及び電飾制御基板35には、各表示パターンに対応する音データ及び電飾データが記憶され、効果音制御基板34及び電飾制御基板35は、CPU33aから受信オた表示パターンの種類に対応する音データ及び電飾データに従った効果音及び電飾制御を行う。
また一方、効果音制御基板34及び電飾制御基板35からは制御信号が図柄制御基板33へ出力されるようになっている。
以上詳細に説明した図23〜図28に示す実施形態7によると、図柄制御基板33から効果音制御基板34及び電飾制御基板35にデータを双方向に通信可能とし、図柄制御基板33は、遊技制御基板30から中継基板37を介して変動パターンに関する変動時間指定コマンド及び当否結果データを受信すると、受信した変動パターンの変動時間を同一とする、変動表示内容の異なる多数の表示パターンの中から1つの表示パターンを選択し、選択された表示パターンに従って飾り図柄表示部32で数字図柄の変動表示を行い、変動時間経過後に受信した停止図柄で静止表示し、更に、図柄制御基板33は、前記選択された表示パターンに従った信号を効果音制御基板34及び電飾制御基板35に送信し、効果音制御基板34及び電飾制御基板35は、受信した信号に従って効果音及ム電飾の出力制御を行うので図柄制御基板33が受信した変動パターンから表示パターンを選択するが、選択された表示パターンに従って信号が、図柄制御基板から効果音制御基板34及び電飾制御基板35に直接送信される。これにより、遊技制御基板30の処理の負担を増加させることなく、飾り図柄表示部32の表示内容と、効果音制御基板34の効果音及び電飾制御基板35の電飾とを整合させることができる。
また、図柄制御基板33は、効果音制御基板34及び電飾制御基板35に対して表示パターンの種類を示すデータを送信する構成とすれば、効果音との整合性を図るために逐次送信する必要がなくなる。
効果音制御基板34及び電飾制御基板35は、受信した変動パターンの種類を示すデータに従って効果音及び電飾の出力制御を行うので、効果音制御基板34及び電飾制御基板35は1度、変動パターンの種類を示すデータを受信すれば、変動パターンの種類に対応する音データ及び電飾データをROMから必要に応じて呼び出し、効果音及び電飾の出力制御を行うことができる。これにより、図柄制御基板33から制御信号を逐次受信する必要がなくなるので、図柄制御基板33、効果音制御基板34及び電飾制御基板35の制御の簡素化を図ることができる。
図柄制御基板33は、2つのCPU33a及びCPU33bを有し、CPU33aは受信した変動パターンから1つの表示パターンを選択し、選択した表示パターンの種類を示すデータをCPU33bに送信すると共に、選択された表示パターンに従った信号を効果音制御基板34及び電飾制御基板35に送信し、CPU33bが選択された表示パターンに従った変動表示を行うので、CPU33bは表示パターンに従った変動表示だけを実行することができる。
図柄制御基板33は、CPU33aが表示パターンを選択し、選択した表示パターンの種類を示すデータを効果音制御基板34、電飾制御基板35及びCPU33bに送信するだけなので、処理の負担を軽減化できる。
図柄制御基板33と、効果音制御基板34及び電飾制御基板35との通信を双方向とするので、通信の信頼性を高めることができ、表示内容と効果音との整合性を一層高めることができる。効果音制御基板34及び電飾制御基板35、図柄制御基板33と効果音制御基板34とを双方向通信としているが、遊技制御基板30からしか送信できない一方向通信なので、図柄制御基板33、効果音制御基板34及び電飾制御基板35から遊技制御基板30に不正信号を送信することができない。従って、表示内容と効果音の整合性及び不正防止に有効である。さらに、信号の受け渡しに確実性を持たせることができる。
図13に示す例では、賞球制御基板31に対しては、遊技制御基板30からしか送信できない一方向通信であるが、双方向通信としてもよい。このように双方向通信とすれば、賞球の払い出しは賞球制御基板31又は遊技制御基板30だけで実行すれば良く、配線の簡素化が図れ、また、未払賞球個数等のデータの共有化を図ることができ、停電対策を遊技制御基板だけで実行しても、停電復帰後に未払の賞球を払い出すことができる。これにより、賞球制御基板31側で停電対策を行わなくても良くなる。
また、遊技制御基板30と図柄制御基板33とは、中継基板37を介して、遊技制御基板30からのみ送信できる一方向通信とし、図柄制御基板33から効果音制御基板34及び電飾制御基板35に双方向に通信可能としたので、図柄制御基板33から効果音制御基板34及び電飾制御基板35に直接送信することができるので、図柄に整合した効果音を出力することができる。
効果音制御基板34及び電飾制御基板35と、遊技制御基板30とを通信できない構成とするので、効果音制御基板34及び電飾制御基板35は、図柄制御基板33からのみ変動時間指定コマンドや当否結果データを送信でき、しかも遊技制御基板30と図柄制御基板33とは、中継基板37を介して遊技制御基板30からのみ送信できる一方向通信として構成されるので、遊技制御基板30に対する配線の削減化を図ると共に、図柄制御基板33、効果音制御基板34及び電飾制御基板35のいずれの基板からにおいても、遊技制御基板30に対する不正信号の出力を不可能とするという効果を有する。
遊技制御基板30は停電時にも遊技進行状況及び未払の賞球を記憶保持し、停電復帰後には、記憶保持したデータに従って停電前の遊技を続行すると共に未払の賞球を払い出すよう賞球制御基板31に指示するので、遊技制御基板30が遊技進行状況及び未払の賞球を記憶保持することで、賞球制御基板31及の停電対策を行う必要がなく、一層部品点数の削減化、配線の簡略化、弾球遊技機の簡素化を図ることができる。
そして、同一基本パターンでは、飾り図柄表示部32上での数字図柄の変動開始から数字図柄が全て静止して確定するまでの変動時間を同じにしつつ、左数字図柄表示部及び中数字図柄表示部上での変動時間を停止図柄に対応させて異なる変動時間とする2つ以上の表示パターンに振り分けることができる。これにより、遊技制御基板30で作成する基本変動パターンの数を少なくして処理の負担を軽減させつつ、LCDパネル32aの画面上で数字図柄が変動する表示パターンを多くして数字図柄の表示態様を多種多様に変化させることができるという極めて優れた効果を有する。
また、同一基本パターンに属する表示パターンは、数字図柄の変動開始から数字図柄の確定迄の時間は同一なので、数字図柄の変動時間という概念で機械の性能をチェックする場合では、基本変動パターンの数だけチェックすれば良く、試験時間を短縮化することができるという効果も有する。図柄制御基板33のCPU33aは、基本パターン1〜9の1つから表示パターンを選択し、選択した表示パターンを示すデータを効果音制御基板34及び電飾制御基板35に出力する。または表示パターンに従って効果音制御基板34及び電飾制御基板35に効果音の出力を指示するので表示と効果音との整合性がとれるという効果も有する。
次に図29及び図30に従って実施形態8について説明する。
第2の具体例では、第1の具体例で用いた図25に示す「表示パターン選択ルーチン」の替わりに図29に示す「表示パターン選択ルーチン」を用い、図27の図表の替わりに図30の図表を用いるものであり、その他の構成は第1の具体例と略同様である。
この実施形態8では、CPU33aは、遊技制御基板30からサブ制御基板Sに変動時間指定コマンド及び当否結果データの送信があると(ステップS500)、基本変動パターンの読み取りが行われた後(ステップS510)、振り分け乱数FRNDの値が抽出され(ステップS520)、抽出した乱数値から表示パターンの振り分けを実行し(ステップS530)、処理はリターンに抜ける。また、ステップS500で遊技制御基板30より変動時間指定コマンド及び当否結果データの送信がない場合には、処理はリターンに抜ける。振り分け乱数FRNDは、微少時間毎に+1され最大値の「99」に至ると次回には「0」に戻り「0」〜「99」までの100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、図柄制御基板33のマイコンが実行する処理が本処理に移行したときにその値が抽出される。遊技制御基板30から変動時間指定コマンド及び当否結果データが送信されるタイミングは、遊技球が普通電動役物36に入賞するタイミングと関係し予測できないタイミングである。従って、カウンタである振り分け乱数FRNDは文字通り乱数として機能する。
CPU33aは、振り分け乱数FRNDの値を抽出すると、図30に示す図表に従って表示パターンを選択する。CPU33bは、選択された表示パターンに従って、飾り図柄表示部32に図柄を表示する。
図30に示す表示パターンは、同一基本パターンに属すれば、変動開始から全ての数字図柄が確定するまでの変動時間は同じであるが、左数字図柄表示部32a及び右数字図柄表示部32c上での変動表示が相違する。この振り分けは、抽出された振り分け乱数FRNDの値により振り分けられる。このとき、抽出された振り分け乱数FRNDの値が所定値であれば大当り予告が行われる。大当り予告とは、数字図柄が3桁同一で確定する前に大当り図柄を表示することを前もって予告することをいう。この大当り予告は、外れの場合にも一定の確率で実行される。また、リーチ予告を乱数FRNDの値により実行するよう構成することも可能である。リーチ予告とは、中数字図柄表示部での図柄が静止して確定する前にリーチ状態になることを前もって予告することをいう。このリーチ予告も実際にリーチにならない場合でも一定の確率で行われる。
効果音制御基板34及び電飾制御基板35は、実施形態7と同様、CPU33aから受信した表示パターンの種類に対応する音データ及び電飾データに従った効果音及び電飾制御を行う。このとき、大当り予告データがある場合には、該データがCPU33aから送信されてくるので、大当り予告に対応した音データによる音出力をすることもできる。また、リーチ予告も同様の音出力することもできる。電飾出力も同様である。
実施形態8では、表示パターンの振り分けは、乱数FRNDの値により行われる。これにより、第1の具体例と同様の効果を奏する他、大当り予告、又はリーチ予告についての図柄表示と音出力の整合性が高まる。また、停止図柄により表示パターンが固定化されることなく、3つの停止図柄の表示態様が同一でも表示パターンを相違させることができるという効果を有する。また、乱数FRNDの値により大当たり予告、リーチ予告を図柄制御基板33で指示実行することができるという効果を有する。