JP4059221B2 - 内燃機関の停止制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に搭載される内燃機関に関し、特に、内燃機関の停止制御技術に関する。
近年、内燃機関の始動時にクランクシャフトを回転駆動させる手段としては電動機が一般的である。このような電動機は気筒内のガス圧縮力や内燃機関各部のフリクションに抗してクランクシャフトを回転駆動させる必要があるため、電動機の定格が大きくなり易い。その結果、電動機の消費電力も大きくなり易い。
特に、車両の停止期間中に内燃機関の運転を自動的に停止させるシステム、いわゆるアイドルストップシステムでは、内燃機関の運転停止と始動とが頻繁に繰り返される可能性があるため、電動機にかかる負荷が増大し、電動機の消費電力が一層大きくなることが懸念される。
これに対して、電動機を用いずに始動させる技術も提案されている。これは、少なくとも1つのシリンダにおいて上死点後の所定の位置にピストンを停止させ、つまりクランクシャフトの回転角度(クランク角)が所定の位置となるように停止させ、次回始動時に当該シリンダ内に燃料を噴射し点火させることにより始動させるものである。
そして、内燃機関の停止時にガス交換弁(吸気弁と排気弁)を一定期間閉じるようにする(通常運転時よりもバルブが開いている期間を短くする)ことで、少なくとも1つのシリンダにおけるピストンの停止位置を上死点後の所定の位置に制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特表2003−517134号公報 特表2003−518585号公報 特開2000−199445号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている技術においては、内燃機関の機関回転数が低下している最中に、吸気バルブが開いている期間を短くしているので、シリンダ内に吸入される空気量が減少する。そして、吸入空気量が減少した分圧縮行程でのガス圧縮力が弱くなるため、内燃機関の運転が完全に停止するまでの時間が長くなってしまう。
特に、内燃機関のON/OFFが頻繁に繰り返されるアイドルストップシステムにおいて、この影響が顕著に現れる。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、停止時間の長期化を抑制するとともにピストン(クランク角)を所望の位置に停止させることができる内燃機関の停止制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る内燃機関の停止制御装置にあっては、内燃機関の運転停止要求が発生してから運転が停止するまで吸気弁および排気弁の開閉動作が同じであるとした場合に、当該運転停止要求が発生した時点の慣性トルクが零になる時に圧縮行程中の気筒である圧縮気筒を予測する圧縮気筒予測手段と、当該圧縮気筒予測手段にて予測された圧縮気筒における前記慣性トルクが零になる時の気筒内の圧力を予測する圧縮気筒筒内圧予測手段と、当該圧縮気筒筒内圧予測手段により予測された圧力に基づいて前記慣性トルクが零になる時に内燃機関の回転方向とは反対方向に作用する反転トルクを取得する反転トルク取得手段と、当該反転トルク取得手段により取得された反転トルクと内燃機関の慣性モーメントとに基づいて内燃機関が停止するクランク角を推定する停止クランク角推定手段と、当該停止クランク角推定手段により推定されたクランク角が所定クランク角範囲内から逸脱する場合には、前記圧縮気筒筒内圧予測手段にて予測された圧力に基づき、前記圧縮気筒における最終吸気行程の吸気弁の開閉動作を変更させる吸気弁開閉制御手段と、を備えたことを特徴とする。
内燃機関の運転停止要求は、当該内燃機関が運転状態にあるときに、内燃機関を搭載した車の速度(車速)が零かつアクセル操作量が零にされた、車速が零かつブレーキペダルが踏み込まれている、アクセル操作量が零かつブレーキペダルが踏み込まれている、あるいはイグニッションがOFFにされた時等に発生する。
そして、当該運転停止要求が発生すると、点火プラグおよび燃料噴射弁の作動は停止させられるが、クランクシャフトは慣性で回転し続ける。ただし、運転停止要求が発生した後も、クランクシャフトの回転に同期させてそのまま吸気弁および排気弁を開閉させると、圧縮行程にある気筒においてガス圧縮力が発生することにより、その慣性トルクが弱められ最終的にクランクシャフトの回転が停止し、以て内燃機関の運転が停止する。
一方、内燃機関を始動する場合には、内燃機関の気筒内で生じる爆発力が、またはスタータモータあるいはモータジェネレータ等の始動装置の回転駆動力が、気筒内のガス圧縮力や内燃機関各部のフリクション等に抗してクランクシャフトを回転させる必要がある。ゆえに、始動開始時のピストンの位置、言い換えれば機関停止時のクランクシャフトの回転角度(クランク角)如何で、着火始動のし易さまたは始動装置の負荷が大きく異なる。
それゆえ、内燃機関の運転を停止させる際には、着火始動がし易くまたは始動装置の負荷が小さくなる所定クランク角範囲内(例えば、いずれかの気筒のクランク角が圧縮上死点後30°以上120°以下)で停止させることが好適である。
内燃機関の停止の態様としては、運転停止要求が発生した時点の慣性トルクがガス圧縮力に徐々に弱められ、その慣性トルクが零になった時点で停止する場合、あるいは、慣性トルクが零になった時点の圧縮気筒における気筒内の圧力(圧縮気筒筒内圧)が高く、通常の内燃機関の回転方向とは逆に回転した後停止する場合が考えられる。つまり、内燃機関の運転の停止位置は、慣性トルクが零になる時の圧縮気筒筒内圧に応じて変化する。
本発明に係る内燃機関の停止制御装置は、吸気弁開閉制御手段が、運転停止要求が発生した時点の吸気弁および排気弁の開閉動作では内燃機関の運転が所定クランク角範囲内で停止しない場合には、圧縮気筒筒内圧予測手段にて予測された圧力に基づき、前記圧縮気筒における最終吸気行程の吸気弁の開閉動作を変更させるので、当該吸気行程で吸入されるガスの量を変更させて前記圧縮気筒筒内圧を変更させることで、内燃機関の運転が所定クランク角範囲内で停止するようにすることができる。
また、圧縮気筒予測手段が、運転停止要求が発生してから運転が停止するまで吸気弁および排気弁の開閉動作が同じであるとした場合に、運転停止要求が発生した時点の慣性トルクが零になる圧縮気筒を予測し、吸気弁開閉制御手段が吸気弁の開閉動作を変更させるのは、当該圧縮気筒における最終吸気行程の開閉動作のみであるため、吸気弁の開閉動作を変更させることに伴う停止時間の長期化を抑制させることができる。
ただし、吸気弁の開閉機構によっては、その開閉動作を変更できる範囲には限度がある。そのため、吸気弁開閉制御手段が、圧縮気筒における最終吸気行程の吸気弁の開閉動作を最大限に変更させても、内燃機関の運転を所定クランク角範囲内で停止させることがで
きないおそれがある。
そこで、内燃機関の運転停止要求が発生してから運転が停止するまで吸気弁および排気弁の開閉動作が同じであるとした場合に、当該運転停止要求が成立した時点の慣性トルクが零になる時に排気行程中の気筒である排気気筒を予測する排気気筒予測手段と、前記運転停止要求が発生した時点の吸気弁および排気弁の開閉動作では内燃機関の運転が所定クランク角範囲内で停止しない場合には、前記圧縮気筒筒内圧予測手段にて予測された圧力に基づき、前記排気気筒の最終排気行程における排気弁の開閉動作を変更させる排気弁開閉制御手段と、を更に備えることが好適である。
慣性トルクが零になった時点の圧縮気筒筒内圧が高く、通常の内燃機関の回転方向とは逆に回転させるトルク(反転トルク)が大きい場合には、その時点に排気行程中の気筒である排気気筒が膨張行程まで戻る場合がある。その際、排気弁は開いていることから気筒内にガスが吸入され、その後当該ガスが圧縮され排気気筒においてガス圧縮力が発生する。かかる場合、最終的な内燃機関の運転の停止の態様としては、反転トルクが零になった時点で停止する場合、あるいは、反転トルクが零になった時点の排気気筒における気筒内の圧力(逆圧縮気筒筒内圧)が高く、通常の内燃機関の回転方向に再度回転した後停止する場合が考えられる。つまり、かかる場合の内燃機関の運転の停止位置は、反転トルクが零になる時の逆圧縮気筒筒内圧に応じて変化する。
本発明に係る内燃機関の停止制御装置は、排気弁開閉制御手段が、運転停止要求が発生した時点の吸気弁および排気弁の開閉動作では内燃機関の運転が所定クランク角範囲内で停止しない場合には、圧縮気筒筒内圧予測手段にて予測された圧力に基づき、前記排気気筒における最終排気行程の排気弁の開閉動作を変更させるので、逆回転することにより当該排気気筒に吸入されるガスの量を変更させて前記逆圧縮気筒筒内圧を変更させることで、吸気弁の開閉動作の変更では所定クランク角範囲内で停止させることができない場合においても、所定クランク角範囲内で停止させるようにすることができる。
また、排気気筒予測手段が、運転停止要求が発生してから運転が停止するまで吸気弁および排気弁の開閉動作が同じであるとした場合に、運転停止要求が発生した時点の慣性トルクが零になる排気気筒を予測し、排気弁開閉制御手段が排気弁の開閉動作を変更させるのは、当該排気気筒における最終排気行程の開閉動作のみであるため、停止時間の長期化を抑制させることができる。
また、前記圧縮気筒筒内圧予測手段は、内燃機関の温度を考慮して気筒内の圧力を予測することが好適である。ガスを圧縮することによる筒内圧の上昇は、内燃機関の温度状態と相関性を有している。すなわち、機関温度が高くなると、気筒内に吸入された空気がその内部で熱膨張して筒内圧力を増大させる。そのため、圧縮気筒筒内圧予測手段が内燃機関の温度を考慮することでより精度よく気筒内の圧力を予測することができ、より精度よく所定クランク角範囲内で停止させることができる。なお、内燃機関の温度は、内燃機関の内部を循環される冷却水やオイルの温度等を検出することで把握することができる。
以上説明したように、本発明に係る内燃機関の停止制御装置によれば、停止時間の長期化を抑制するとともにクランク角(ピストン)を所望の位置に停止させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を以下の実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。
図1に示す内燃機関1は、車載用の筒内噴射式火花点火内燃機関であり、4つの気筒が直列に配置された4ストローク・サイクルの内燃機関である。図1は、4つの気筒の内の1つの気筒のシリンダセンタにおける断面図である。
図1に示すように内燃機関1は、シリンダブロック2とシリンダヘッド3とを備え、その内部にシリンダ(気筒)4を形成する。シリンダ4内には、ピストン5が往復動可能に収容されており、ピストン5の頭頂面と、シリンダ4の内壁と、シリンダヘッド3とに囲まれた空間で燃焼室6を形成している。
また、シリンダヘッド3には点火プラグ7が設けられている。点火プラグ7は、イグナイタ8を介して適宜のタイミングで通電され、燃焼室6内に充填される燃料および空気の混合気に点火する。また同じく、シリンダヘッド3には、燃焼室6内に直接その噴孔を臨ませた燃料噴射弁9が設けられている。燃料噴射弁9は、高圧ポンプ(図示省略)等によって加圧された加圧燃料を、燃焼室6内に適宜の量、適宜のタイミングで噴射供給する電磁駆動式開閉弁である。
また、シリンダヘッド3には、燃焼室6に連通した吸気ポート10と、同じく燃焼室6に連通した排気ポート11とが形成され、さらに、吸気ポート10と燃焼室6との境界を開放・閉塞する吸気弁12や、排気ポート11と燃焼室6との境界を開放・閉塞する排気弁13が設けられている。
吸気弁12は、軸部材12aの先端に弁体12bを備えて構成され、吸気弁駆動機構14によって開閉駆動される。この吸気弁駆動機構14は、基本的には内燃機関の出力軸であるクランクシャフトの回転に同期して往復運動(開閉弁動作)を繰り返すものであるが、吸気弁12の開閉タイミングや、作用角・リフト量を適宜変更することができる。
また、排気弁13も、吸気弁12と同様に、軸部材13aの先端に弁体13bを備えて構成され、排気弁駆動機構15によって開閉駆動される。排気弁駆動機構15は、基本的にはクランクシャフトの回転に同期して往復運動(開閉弁動作)を繰り返すものであるが、排気弁13の開閉タイミングや、作用角・リフト量も適宜変更することができる。
この吸気弁駆動機構14および排気弁駆動機構15としては、様々な作動原理を利用した機構を採用し得る。例えば、クランクシャフトの回転に連動するカム機構であって、複数形状のカムを選択的に用いて吸気弁12あるいは排気弁13を駆動することのできる機構や、クランクシャフトの回転に連動するカムと、カムの動作を修正するメカニズムとを併せて活用し弁を駆動することのできる機構等を例示することができる。
また、吸気弁12あるいは排気弁13に対し、その往復動作の方向に沿って電磁力を付与することのできる機構を採用することもできる。このような機構を採用した場合、吸気弁12あるいは排気弁13の動作をクランクシャフトの回転に連動させる必要がなくなるため、その動作範囲や動作速度の制御ついて、自由度が高まる。
このような吸気弁駆動機構14および排気弁駆動機構15の機能を活用することにより、後述するECU18は、吸気弁12および排気弁13の開閉タイミングや、作用角・リフト量を可変制御することができる。
また、内燃機関1においては、吸気行程で吸気弁12が開弁することにより吸気ポート10からシリンダ4内に空気が吸入される。その後、シリンダ4内に吸入された空気と燃料噴射弁9から噴射された燃料とからなる混合気の燃焼が行われると、そのときの燃焼エ
ネルギによってピストン5が往復動する。そして、このピストン5の往復運動を、ピストン5に連結されたコンロッド16が、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト17の回転運動に変換する。一方、シリンダ4内に存在する燃焼後の混合気(既燃焼ガス)は、排気行程で排気弁13が開弁することによりシリンダ4内から排気ポート11へ排出される。
以上述べたように構成された内燃機関1には、当該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)18が併設されている。このECU18は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAMなどからなる算術論理演算回路である。
ECU18には、内燃機関1に取り付けられた水温センサ19、クランクポジションセンサ20、車速センサ(図示省略)およびブレーキスイッチ(図示省略)等の各種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種センサの出力信号がECU18に入力されるようになっている。なお、クランクポジションセンサ20は、内燃機関1のカム軸近傍に配置され、クランクシャフト回転角度(以下、「クランク角」という場合もある。)に換算して720度毎に基準パルスを出力する基準パルスセンサ(図示省略)と、内燃機関1のクランクシャフト近傍に配置されクランク角10度毎にクランク角パルスを発生するクランクシャフト回転角センサ(図示省略)との2つのセンサを備えている。そして、この基準パルスとクランク角パルスがECU18に入力され、ECU18は、一定時間毎にクランク角パルス信号の周波数からクランクシャフトの回転数(以下、「機関回転数」という場合もある。)を算出するとともに、基準パルス入力後のクランク角パルス数からクランク角を算出する。
一方、ECU18には、イグナイタ8、燃料噴射弁9等が電気配線を介して接続され、ECU18が、点火プラグ7、燃料噴射弁9等を制御することが可能になっている。また、ECU18には、吸気弁駆動機構14、排気弁駆動機構15等が電気配線を介して接続されており、ECU18が、吸気弁駆動機構14、排気弁駆動機構15等を制御することにより、吸気弁12、排気弁13の動作を制御することが可能になっている。
例えば、ECU18は、一定時間毎に実行すべき基本ルーチンにおいて、各種センサの出力信号の入力、機関回転数の演算、燃料噴射量の演算、燃料噴射時期の演算などを実行する。基本ルーチンにおいてECU18が入力した各種信号やECU18が演算して得られた各種制御値は、該ECU18のRAMに一時的に記憶される。
更に、ECU18は、各種のセンサやスイッチからの信号の入力、一定時間の経過、あるいはクランクポジションセンサ20からのパルス信号の入力などをトリガとした割り込み処理において、RAMから各種制御値を読み出し、それら制御値に従って燃料噴射弁9等を制御する。
ここで、内燃機関1は、上述したように、4つの気筒が直列に配置された4ストローク・サイクルの内燃機関であり、図2示したように、第1気筒(#1)→第3気筒(#3)→第4気筒(#4)→第2気筒(#2)の順に膨張行程を迎えるようになっている。そして、#1が圧縮上死点にあるときに基準パルスが発生するように設定されており、この時のクランク角を0°(720°)とすると、クランク角が0°〜180°の範囲内にあるときは#1が膨張行程となり、クランク角が180°〜360°の範囲内にあるときは#3が膨張行程となり、クランク角が360°〜540°の範囲内にあるときは#4が膨張行程となり、クランク角が540°〜720°の範囲内にあるときは#2が膨張行程となる。
なお、以下の説明においては、点火プラグ7および燃料噴射弁9の作動が停止させられることにより実際には気筒内で燃焼が行われない場合等も含めて、例えば#1では、クランク角が0°〜180°の時は膨張行程、180°〜360°の時は排気行程、360°〜540°の時は吸気行程、540°〜720°の時は圧縮行程という。
このような構成において、内燃機関1が運転状態にあるときに、運転停止要求が発生した場合には、ECU18は、点火プラグ7および燃料噴射弁9の作動を停止させることにより、内燃機関1の運転を停止させる。なお、内燃機関の運転停止要求は、内燃機関1を搭載した車の速度(車速)が零かつアクセル操作量が零である、車速が零かつブレーキペダルが踏み込まれている、アクセル操作量が零かつブレーキペダルが踏み込まれているあるいはイグニッションがOFFにされた時等に発生する。
その後、アクセル操作量が零ではない、ブレーキペダルの踏み込みが解除された、P(パーキング)レンジまたはN(ニュートラル)レンジからそれら以外のシフトレンジへのシフト操作がなされた等のいずれかの条件が成立した場合に、ECU18は、点火プラグ7および燃料噴射弁9を作動させることにより、内燃機関1を始動させ、以て内燃機関1の運転を再開させる。
ところで、内燃機関1の停止と始動が頻繁に行われる場合には、上記の条件が成立した時点で内燃機関1を速やかに始動させる必要がある。
しかしながら、内燃機関1を始動する場合には、内燃機関1の気筒内で生じる爆発力が、またはスタータモータ(図示省略)あるいはモータジェネレータ(図示省略)の回転駆動力が、気筒内のガス圧縮力や内燃機関1各部のフリクション等に抗してクランクシャフトを回転させる必要がある。一方、始動開始時、つまり内燃機関停止時のクランク角如何で、着火始動のし易さまたはスタータモータあるいはモータジェネレータの負荷が大きく異なる。
上述したように、内燃機関1はいずれかの気筒が必ず膨張行程であるものの、停止時のクランク角が圧縮上死点後0°以上30°未満である場合には、燃焼室内に残存する空気量が少ないため、始動時に当該気筒用の点火プラグ7および燃料噴射弁9を作動させても、着火しないか着火しても爆発力が小さい。そのため、他の気筒(#1が膨張行程である場合は#3)のガス圧縮力や各部のフリクション等に抗してクランクシャフトを回転させることができないおそれがある。また、膨張行程である気筒の停止時のクランク角が圧縮上死点後120°より大きく180°未満である場合にも、始動時に点火プラグ7および燃料噴射弁9を作動させても、着火しないか着火しても爆発力が十分ではなく、他の気筒のガス圧縮力や各部のフリクション等に抗してクランクシャフトを回転させることができないおそれがある。
これに対して、膨張行程である気筒の停止時のクランク角が上死点後30°以上120°以下である場合に点火プラグ7および燃料噴射弁9を作動させると、それ以外のクランク角に停止している場合よりも、着火し易く生じる爆発力も大きいため、内燃機関1を始動させ易い。また、膨張行程である気筒の停止時のクランク角が上死点後30°以上120°以下である場合には、上死点後0°以上30°未満である場合よりも、他の気筒のガス圧縮力が小さいため、内燃機関1を始動させるためのスタータモータあるいはモータジェネレータの負荷が小さくなる。なお、上述したクランク角の具体的数字は、内燃機関の慣性モーメント等によって異なるものであるため、内燃機関毎に始動し易いクランク角範囲は異なる。
上述した点に鑑み、本実施例においては、次回始動時に始動し易くすべく、内燃機関の
運転停止時のクランク角が、停止時の最適位置として内燃機関毎に予め定められた所定クランク角範囲内(例えば、いずれかの気筒のクランク角が圧縮上死点後30°以上120°以下)になるように停止させる、停止制御を実行する。
概略としては、運転停止要求が発生した時点の内燃機関1の慣性トルクから、運転停止要求が発生してから運転が停止するまで吸気弁12および排気弁13の開閉動作が同じであるとした場合に、つまり、この間の吸気弁12および排気弁13の作用角・リフト量および開閉タイミングが同じであるとした場合に、どのクランク角で内燃機関1が停止するかを算出し、算出したクランク角が上記所定クランク角範囲内ではない場合は、吸気弁12および/または排気弁13の作用角とリフト量および/または開閉タイミングを変更させて上記所定クランク角範囲内に停止させるようにする。
以下に、運転停止要求が発生してから運転が停止するまで吸気弁12および排気弁13の開閉動作が同じであるとした場合に、どのクランク角で停止するかを把握する手法を説明する。なお、運転停止要求が発生した時点の運転状態はアイドリングであるとし、その時の吸気弁12および排気弁13の開閉動作を通常動作とする。
機関停止要求があると点火プラグ7および燃料噴射弁9の作動は停止させられるものの吸排気弁12、13は通常動作することから、吸気と排気は継続して行われる。ゆえに、圧縮行程においては吸気が圧縮されるために当該圧縮行程の気筒(圧縮気筒)の筒内圧(圧縮気筒筒内圧)が上昇してガス圧縮力が生じ、当該ガス圧縮力により通常の内燃機関の回転方向のトルク(以下、「正転トルク」という。)とは反対方向にトルク(以下、「反転トルク」という。)が生じる。
その結果、機関停止要求時点の慣性トルクは、その後に生じる反転トルクにより徐々に弱められ、最終的にはその慣性トルクが零になる。つまり、正転トルクが反転トルクより大きければそのまま回転するので、その圧縮気筒筒内圧を生じる気筒は、慣性トルクが零となる時点では圧縮気筒にはならない。他方、正転トルクが反転トルクより小さくなれば、慣性トルクが零になるので、その時に圧縮気筒筒内圧を生じる気筒が、慣性トルクが零になる時点の圧縮気筒となる。
図3に示したのがクランク角と圧縮気筒筒内圧との相関関係であるが、本図に示すようにクランク角が上死点に近づくにつれて圧縮気筒筒内圧は大きくなる。そのため、慣性トルクが零になった時点のクランク角によって、圧縮気筒筒内圧は異なり、反転トルクも異なる。
ゆえに、慣性トルクが零になった時点のクランク角によって、慣性トルクが零になった時点で内燃機関1が最終的に停止するか、あるいは通常の回転(以下、「正回転」という場合もある。)方向と逆に回転(以下、「逆回転」という場合もある。)するかが定まる。
また、慣性トルクが零になった時点で停止するか逆回転するかは、内燃機関1の慣性モーメントにもよる。つまり、反転トルクが比較的大きくても慣性モーメントが大きければ逆回転せずにそのまま停止する。他方、反転トルクが比較的小さくても慣性モーメントが小さければ逆回転する。慣性トルクが零になった時点で内燃機関1が最終的に停止するのは、気筒内のガスがピストンリングの合口すきまから徐々に気筒外に漏れるからでもある。
また、逆回転した場合、慣性トルクが一旦零になった時点に圧縮行程であった気筒が吸気行程まで戻る場合がある。そして、反転トルクが零になった時点で最終的に停止するか
、あるいはその後再度正回転する。逆回転した後正回転するのは、慣性トルクが零になった時点に排気行程であった気筒が膨張行程まで戻る際に、排気弁13が開いているため排気ポート11を介してガスが気筒内に吸入され、ガスが吸入された後に排気弁13が閉じるため、気筒内に吸入されたガスが逆回転時に圧縮(以下、この事象のことを「逆圧縮」という。)されて当該気筒内の筒内圧が上昇して逆圧縮力が発生するからである。
クランク角と逆回転して逆圧縮が生じる気筒の筒内圧(逆圧縮気筒筒内圧)との相関関係は図4のようになり、クランク角が上死点に近づくにつれて逆圧縮気筒筒内圧は大きくなる。ゆえに、反転トルクが零になった時点のクランク角によって、反転トルクが零になった時点で内燃機関1が最終的に停止するか、あるいは再度正回転するかが定まる。
以上のことより、内燃機関1の停止の態様は大別して以下の3態様になる。
(1)慣性トルクが零になった後、ガス圧縮力により逆回転し下死点の前で停止する。つまり、慣性トルクが零になった時点に圧縮行程であった気筒が吸気行程に戻る前に停止する。
(2)慣性トルクが零になった後、ガス圧縮力により逆回転し、慣性トルクが零になった時点に圧縮行程であった気筒が吸気行程まで戻り停止する。あるいは、逆回転、正回転が何度か生じた後収束しながら停止する。
(3)逆回転せずに慣性トルクが零になった時点で停止する。
そして、圧縮気筒筒内圧とクランク角には図3に示すような相関関係があるので、上述の3態様の内のいずれの態様で内燃機関1が停止するかは、慣性トルクが零になる時のクランク角および内燃機関毎に定まる慣性モーメントによる。
そのため、運転停止要求が発生した時点の慣性トルクの大きさと当該慣性トルクを零にするにはどれぐらいの反転トルクが必要であるかには相関関係があるので、この関係を予め求めマップとしてROMに記憶しておき、当該マップに、運転停止要求発生時点のクランク角およびその時点の慣性トルクを代入することで慣性トルクが零になる時のクランク角を算出することができるとともにその時点の圧縮気筒を判別することができる。
また、慣性トルクが零になる時の圧縮気筒筒内圧(クランク角)と、吸気弁および排気弁が通常動作であるとした場合にその後上述の3態様の内どの態様で内燃機関が最終的に停止するか、停止時のクランク角は何度になるのかには相関関係があるので、この関係を予め求めマップとしてROMに記憶しておき、当該マップに、慣性トルクが零になる時の圧縮気筒筒内圧(クランク角)を代入することにより、停止するまで吸排気弁が通常動作であるとした場合にクランク角が何度で最終的に停止するかを算出することができる。
以下、具体的に、図5に示すフローチャートを用いて本実施例に係る内燃機関の停止制御について説明する。この制御ルーチンは、予めECU18のROMに記憶されているルーチンであり、一定時間(例えば1msec)の経過をトリガとした割り込み処理としてECU18が実行するルーチンである。
本ルーチンでは、ECU18は、先ず、ステップ(以下、単に「S」という。)101において、上述したようにクランクポジションセンサ20の出力値に基づいて内燃機関1のクランク角を算出する。
その後、S102へ進み、上述した運転停止要求が発生したか否かを判定する。そして、本ステップで肯定判定された場合は、S103へ進み、否定判定された場合は本ルーチンの実行を終了する。
S103においては、所定期間における機関回転数の減速量である減速加速度を算出する。本制御ルーチンは上述したように一定時間毎に実行されるものであるので、前々回のフローにおけるS101での算出値および前回のフローにおけるS101での算出値に基づいて前回のフロー時点の機関回転数を算出でき、また、前回のフローにおけるS101での算出値および今回のフローにおけるS101での算出値に基づいて現時点の機関回転数を算出できるので、算出した前回のフロー時点の機関回転数、現時点の機関回転数および前記一定時間に基づいて減速加速度を算出するものである。
その後、S104へ進み、内燃機関1の慣性トルクを算出する。これは、S103にて算出された減速加速度と内燃機関1の慣性モーメントとを乗じて算出するものである。
その後、S105へ進み、上述したように、S104にて算出した慣性トルク、S102で肯定判定された時にS101で算出されていたクランク角およびマップに基づいて吸気弁12および排気弁13の通常動作で慣性トルクが零になる時のクランク角とその時点に圧縮行程である気筒を判別する。このように、本ステップが圧縮気筒予測手段として機能する。また、同時に慣性トルクが零になる時点に排気行程である気筒を判別することができるので、本ステップは、排気気筒予測手段としても機能する。
その後S106へ進み、S105にて判別された気筒における筒内圧(圧縮気筒筒内圧)を算出する。これは、上述したようにして算出される慣性トルクが零になる時のクランク角と、予めROMに記憶されてある図3に示すようなクランク角と圧縮気筒筒内圧の相関関係のマップとに基づいて算出するものである。このように、本ステップが圧縮気筒筒内圧予測手段として機能する。
その後、S107へ進み、S106にて算出した圧縮気筒筒内圧により内燃機関の回転方向とは反対方向に生じるトルクである反転トルクを算出する。
その後、S108へ進み、吸気弁12および排気弁13が通常動作であるとした場合に逆回転するか否かを判定する。上述したように内燃機関が停止する態様は3態様あり、上述した手法で、つまりS107にて算出した反転トルクに基づいてどの態様で最終的に停止するかを把握することができるので、本ステップでは、上記(1)あるいは(2)の態様で停止すると把握された場合は肯定判定してS109へ進み、上記(3)の態様で停止すると把握された場合は否定判定してS110へ進む。
S109においては、吸気弁12および排気弁13が通常動作であるとした場合に逆回転時に逆圧縮が生じるか否かを判定する。上述したように、内燃機関1がいずれの態様で停止するかは、上述した手法により判定することができるので、本ステップでは、上述の3態様の内(1)の態様で停止すると把握された場合には否定判定してS110へ進み、(2)の態様で停止すると把握された場合には肯定判定してS111へ進む。
S110においては、吸気弁12および排気弁13が通常動作であるとした場合に、クランクシャフトが最適位置、つまり、停止時に膨張行程となる気筒におけるクランク角が前記上死点後の所定クランク角範囲内になるように停止するか否かを判定する。
本ステップには、S108にて否定判定された場合あるいはS109にて否定判定された場合、つまり上述の3態様の内の(1)あるいは(3)の態様で内燃機関1が停止する場合に進む。いずれの場合も上述した手法により、吸気弁12および排気弁13が通常動作であるとした場合に最終的に停止するクランク角を算出することができるので、当該算出したクランク角が前記所定クランク角範囲内であるか否かを判定するものである。
そして、否定判定された場合には最適位置に停止させるべくS116以降の処理を実行する。一方、肯定判定された場合、つまり最適位置に停止する場合には追加の処理を実行する必要がないので本ルーチンの実行を終了する。
S111においても、S110と同様に、吸気弁12および排気弁13が通常動作であるとした場合に、クランクシャフトが最適位置、つまり、停止時に膨張行程となる気筒におけるクランク角が前記所定クランク角範囲内になるように停止するか否かを判定する。
本ステップには、S109にて肯定判定された場合、つまり上述の3態様の内の(2)の態様で内燃機関1が停止する場合に進むが、かかる場合も上述した手法により、吸気弁12および排気弁13が通常動作であるとした場合に最終的に停止するクランク角を算出することができるので、当該算出したクランク角が前記所定クランク角範囲内であるか否かを判定するものである。そして、否定判定された場合には最適位置に停止させるべくS112以降の処理を実行する。一方、肯定判定された場合、つまり最適位置に停止する場合には追加の処理を実行する必要がないので本ルーチンの実行を終了する。
S112へは、S111で否定判定された場合、つまり上述の3態様の内の(2)の態様で内燃機関1が停止する場合であって吸気弁12および排気弁13の通常動作では最終的に最適位置に停止しないと判定された場合に進む。そして、本ステップでは、吸気弁の作用角とリフト量および/または開閉タイミングを通常動作に対して変更させるだけで最適位置に停止させることが可能であるか否かを判定する。
上述したように(2)の態様で停止する場合は、慣性トルクが零になる時点で圧縮気筒筒内圧が大きくその気筒が吸気行程に戻るまで逆回転する。また、その筒内圧が高くなるのは直前の吸気行程での吸気量が多いためである。そのため、吸気弁12の動作を通常動作に対して変更させて吸気量を少なくすれば、圧縮気筒筒内圧を低くすることができ、最終的に最適位置に停止させることができる可能性がある。
例えば、吸気弁12の通常動作よりも吸気弁12の作用角・リフト量を小さくすると、吸気弁12が開いている時間が短くなるので吸気量を少なくすることができる。あるいは、吸気弁12の作用角をそのままにして圧縮行程でも開いたままとなるようにする等、通常動作よりも開閉タイミングを遅角すれば、一旦吸入された空気が再度吸気ポート10に排出されるので慣性トルクが零になる時点における気筒内の空気量が減少する。
ただし、吸気弁12の動作を変更できる範囲には構造的に限度があるので、本ステップでは、その範囲内で変更した場合に最適位置に停止させることができるか否かを判定するものである。具体的には、吸気弁12の動作を変更できる範囲は吸気弁駆動機構14の構造により予め定まるものであり、また慣性トルクが零になる時点のクランク角と、吸気弁12の動作を最大限変更した場合に最適位置に停止させることができるそのクランク角との間には相関関係があるので、その関係を予めマップとして導き出しておき、当該マップと上述の手法により算出した慣性トルクが零になる時点のクランク角とに基づいて判定することができる。そして、否定判定された場合、つまり吸気弁12の動作の変更だけでは最適位置に停止させることができない場合は、排気弁13の動作をも変更させて最適位置に停止させるべくS113以降の処理を実行する。一方、肯定判定された場合はS116以降の処理を実行する。
S113からS115の処理は排気弁13の動作を通常の動作に対してどれ程変更させるべきかを決定するものである。本ステップへは吸気弁12の動作の変更だけでは最適位置に停止させることができない場合に進んでおり、吸気弁12の動作の変更との相互作用により最適位置に停止させることができる排気弁13の動作を決定するものである。
S113においては、排気弁13が通常動作であるとした場合に、逆回転により排気行程から膨張行程に戻り逆圧縮が行われる気筒(逆圧縮気筒)、つまり慣性トルクが零になる時に排気行程中の気筒である排気気筒における逆圧縮時の筒内圧(逆圧縮気筒筒内圧)を算出する。これは、上述したようにして算出される反転トルクが零になる時のクランク角と、予めROMに記憶されてある図4に示すようなクランク角と逆圧縮気筒筒内圧の相関関係のマップとに基づいて算出するものである。
その後S114へ進み、最適位置に停止させるための逆圧縮気筒筒内圧を算出する。これは、反転トルクが零になる時の、クランク角、逆圧縮気筒筒内圧および当該逆圧縮気筒筒内圧からどれ程筒内圧を変化させれば最適位置に停止させることができるかは相関関係があるので、この関係を予め求めマップとしてROMに記憶しておき、当該マップとS113で算出した逆圧縮気筒筒内圧および上述したようにして算出される反転トルクが零になる時のクランク角から導き出すものである。
その後S115へ進み、S114にて算出した逆圧縮気筒筒内圧にするために、排気気筒における最終排気行程、つまり慣性トルクが零になる時点の排気行程の排気弁13の作用角・リフト量および/または開閉タイミングを算出する。排気弁13の作用角・リフト量を小さくする、あるいは開閉タイミングを遅角させると、逆圧縮気筒において、逆回転により排気行程から膨張行程に戻る際に排気ポート11を介して当該気筒内に吸入されるガスの量が減少するので逆圧縮気筒筒内圧を減少させることができる。ゆえに、逆圧縮気筒筒内圧の変化量と排気弁13の作用角・リフト量および/または開閉タイミングの通常動作に対する変更量との関係を予め求めマップとしてROMに記憶しておき、当該マップとS113およびS114にて算出した逆圧縮気筒筒内圧に基づいて通常動作に対する排気弁13の作用角・リフト量および/または開閉タイミングの変更量を算出し、最適な排気弁13の作用角・リフト量および/または開閉タイミングを算出する。このように、本ステップが排気弁開閉制御手段として機能する。
S116へ進み、最適位置に停止させるための圧縮気筒筒内圧を算出する。これは、慣性トルクが零になる時の、クランク角、圧縮気筒筒内圧および当該圧縮気筒筒内圧からどれ程筒内圧を変化させれば最適位置に停止させることができるかは相関関係があるので、この関係を予め求めマップとしてROMに記憶しておき、当該マップとS105で算出した圧縮気筒筒内圧および慣性トルクが零になる時のクランク角に基づいて導き出すものである。
その後S117へ進み、S116にて算出した圧縮気筒筒内圧にするために、圧縮気筒における最終吸気行程、つまり慣性トルクが零になる時点の圧縮行程直前の吸気行程の吸気弁12の作用角・リフト量および/または開閉タイミングを算出する。吸気弁12の作用角・リフト量を小さくする、あるいは開閉タイミングを遅角させると、圧縮気筒における最終吸気行程において、当該気筒内に吸入されるガスの量が減少するので圧縮気筒筒内圧を減少させることができる。ゆえに、圧縮気筒筒内圧の変化量と排気弁13の作用角・リフト量および/または開閉タイミングの変更量との関係を予め求めマップとしてROMに記憶しておき、当該マップとS105およびS116にて算出した圧縮気筒筒内圧に基づいて通常動作に対する吸気弁12の作用角・リフト量および/または開閉タイミングの変更量を算出し、最適な吸気弁13の作用角・リフト量および/または開閉タイミングを算出する。このように、本ステップが吸気弁開閉制御手段として機能する。
上述したように、S116へは、S112で吸気弁12の動作を変動させるだけで最適位置に停止させることができると判定された場合、あるいはS112で吸気弁12の動作を変動させるだけでは最適位置に停止させることができないのでS115にて排気弁13
の最適な作用角・リフト量および/または開閉タイミングを決定した後に進む。
吸気弁駆動機構14の構造は内燃機関毎に予め定められるものであり、吸気弁12の作用角・リフト量あるいは開閉タイミングのいずれしか変更できないもの、吸気弁12の作用角と開閉タイミングの両方を同時に変更できるものがある。
なお、S112で否定判定された場合は、上述したように、吸気弁12の動作の変更と排気弁13の動作の変更の相互作用により最適位置に停止させるのであり、それを実現するための吸気弁12の動作および排気弁13の動作をS113以降の処理で算出する。
その際、S116では、吸気弁12の動作を最大限に変更可能な作用角・リフト量および/または開閉タイミングを算出するものとし、S113からS115の処理では、その吸気弁12の動作の変更では不足する分を補うために排気弁13の作用角・リフト量および/または開閉タイミングを算出してもよい。または、S115では排気弁13の動作を最大限に変更可能な作用角・リフト量および/または開閉タイミングを算出するものとし、S116およびS117の処理では、その排気弁13の動作の変更では不足する分を補うために吸気弁12の作用角・リフト量および/または開閉タイミングを算出してもよい。
そして、S112で肯定判定された場合は、S105にて判別された圧縮気筒の最終吸気行程における吸気弁12の動作が、S117にて算出された作用角・リフト量および/または開閉タイミングとなるように、ECU18は、吸気弁駆動機構14を制御する。
一方、S112で否定判定された場合は、S105にて把握される慣性トルクが零になる時点に排気行程である気筒の最終排気行程における排気弁13の動作が、S115にて算出された作用角・リフト量および/または開閉タイミングとなるように、そして、S105にて把握される慣性トルクが零になる時点に圧縮行程である気筒の最終吸気行程における吸気弁12の動作が、S117にて算出された作用角・リフト量および/または開閉タイミングとなるように、ECU18は、吸気弁駆動機構14および排気弁駆動機構15を制御する。
なお、ガスを圧縮することによる筒内圧の上昇は、内燃機関1の温度状態と相関関係を有している。すなわち、機関温度が高くなると、気筒内に吸入された空気がその内部で熱膨張して筒内圧を増大させる。そのため、内燃機関1の内部を循環される冷却水やオイルの温度等の機関温度状態を表すパラメータに基づいて、慣性トルクあるいは反転トルクが零となるときの筒内圧の大きさを補正することができる。
そこで、図3および図4に示すクランク角と筒内圧の相関関係を、水温センサ19の検出値に基づいて補正することが好適であり、上記制御ルーチンでは、図3および図4の代わりに図6および図7に示す相関関係に基づいて筒内圧を算出してもよい。
実施例に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例に係る内燃機関のクランク角および行程の関係を示した図である。 クランク角と圧縮気筒筒内圧の関係を示した図である。 クランク角と逆圧縮気筒筒内圧の関係を示した図である。 実施例に係る停止制御のフローチャート図の前段部である。 実施例に係る停止制御のフローチャート図の後段部である。 クランク角、圧縮気筒筒内圧および冷却水の温度の関係を示した図である。 クランク角、逆圧縮気筒筒内圧および冷却水の温度の関係を示した図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 シリンダ
5 ピストン
6 燃焼室
7 点火プラグ
8 イグナイタ
9 燃料噴射弁
10 吸気ポート
11 排気ポート
12 吸気弁
13 排気弁
14 吸気弁駆動機構
15 排気弁駆動機構
16 コンロッド
17 クランクシャフト
18 ECU
19 水温センサ
20 クランクポジションセンサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の運転停止要求が発生してから運転が停止するまで吸気弁および排気弁の開閉動作が同じであるとした場合に、当該運転停止要求が発生した時点の慣性トルクが零になる時に圧縮行程中の気筒である圧縮気筒を予測する圧縮気筒予測手段と、
    当該圧縮気筒予測手段にて予測された圧縮気筒における前記慣性トルクが零になる時の気筒内の圧力を予測する圧縮気筒筒内圧予測手段と、
    当該圧縮気筒筒内圧予測手段により予測された圧力に基づいて前記慣性トルクが零になる時に内燃機関の回転方向とは反対方向に作用する反転トルクを取得する反転トルク取得手段と、
    当該反転トルク取得手段により取得された反転トルクと内燃機関の慣性モーメントとに基づいて内燃機関が停止するクランク角を推定する停止クランク角推定手段と、
    当該停止クランク角推定手段により推定されたクランク角が所定クランク角範囲内から逸脱する場合には、前記圧縮気筒筒内圧予測手段にて予測された圧力に基づき、前記圧縮気筒における最終吸気行程の吸気弁の開閉動作を変更させる吸気弁開閉制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
  2. 内燃機関の運転停止要求が発生してから運転が停止するまで吸気弁および排気弁の開閉動作が同じであるとした場合に、当該運転停止要求が成立した時点の慣性トルクが零になる時に排気行程中の気筒である排気気筒を予測する排気気筒予測手段と、
    記停止クランク角推定手段により推定されたクランク角が前記所定クランク角範囲内から逸脱する場合には、前記圧縮気筒筒内圧予測手段にて予測された圧力に基づき、前記排気気筒の最終排気行程における排気弁の開閉動作を変更させる排気弁開閉制御手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の停止制御装置。
  3. 前記圧縮気筒筒内圧予測手段は、内燃機関の温度を考慮して気筒内の圧力を予測することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の停止制御装置。
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