JP4056544B2

JP4056544B2 - 分解移動可能な組立式パイプハウス

Info

Publication number: JP4056544B2
Application number: JP2005369047A
Authority: JP
Inventors: 英良島田
Original assignee: 英良島田
Priority date: 2005-12-22
Filing date: 2005-12-22
Publication date: 2008-03-05
Anticipated expiration: 2025-12-22
Also published as: JP2007166974A

Description

本発明はパイプを使用した組立式ビニールハウスに係り、特に組立，解体が容易で移動可能な組立式パイプハウスに関するものである。

近年、各種野菜，果物などの促成栽培が盛んに行なわれてビニールハウスや温室の使用が一段と増大すると共に、簡易ビニールハウスの建設が試みられている。例えばアーチ状骨部材の固定用金具にアーチ状骨部材を挿通し、コ字状ブラケットの受枠に形成した溝に固定金具のくさび形フランジ部を挿入し、打ち込むことによりアーチ状骨部材に連結金具を緊縮，固定したもの（例えば特許文献１参照）や、地面に溝を掘り、溝の所定個所に栗石を敷き、栗石の上にモルタル等の半固形物を載せて、半固形物がある程度固まった後、支柱に主柱を載せることなどが提案されている。（例えば特許文献２参照）
実公平４−２４９２２号公報特開平１０−１８３０３号公報

しかし、上記ビニールハウスは何れも固定式であり、連作障害予防などのためビニールハウスを移動する必要がある場合には、自由に移動することが出来ないという難を有している。

本発明はかかる実状に鑑み、特に分解，組立が容易なビニールハウスの構成を見いだすことにより、分解，組立を簡単にし、かつ、幅，長さも自由に決め得ると共に簡易組立てで随時、移動を容易ならしめることを目的とするものである。

即ち、上記目的に適合する本発明の特徴は、断面コ字状で所要長さを有する台座金具の開放面側に適宜間隔をおいてハウスパイプを差し込むための差し込み用パイプを取り着けてなるハウスパイプ基礎台座を所要間隔で互いに対向させ、かつ前記差し込み用パイプを対向させて土台土部上に配置し、差し込み用パイプ内に鉄筋固定棒を適宜間隔で貫通させることによりその下半部を土中に埋設して固定し、互いに対向する差し込み用パイプ間にわたりアーチ状ハウスパイプを、その下端を前記差し込み用パイプに嵌着して並設すると共に、前記ハウスパイプ基礎台座の外側に、該台座に沿ってマルチ紐を固定するマルチ線を張設してその両端を土台土部に埋設した固定杭により固定し、該マルチ線に下端を止着してアーチ状ハウスパイプ上面に張設した合成樹脂フィルム上に該フィルムを押さえるマルチ紐を適宜間隔をおいて張着してなる組立式パイプハウスにある。

請求項２は上記パイプハウスにおいて、マルチ紐を固定するマルチ線をハウスパイプ基礎台座内面側に設けた固定棒に一端を固定した繋ぎ紐により止着したことを特徴とする。また、請求項３はハウスパイプが天井パイプと両側面の側面ハウスパイプとの繋合により作成されていることを特徴とする。

本発明は断面コ字状の所要長さの台座金具にハウスパイプを嵌着する差し込み用パイプを取り付けたものを基礎台座として、該差し込み用パイプに鉄筋固定棒を貫通させ、その下半部を地中に埋設することにより固定して差し込み用パイプにアーチ状ハウスパイプを嵌着してパイプハウス本体を組み立てるようにしたものであるから、コンクリートを使用ぜず、しかも組み立て用の素材のみであるから組立，解体が容易で、設備場所を変えるときに簡単に移動させ組み立てが出来る利点があり、しかも基礎台座の外側に台座に沿ってマルチ線を土台土部に埋設した固定杭を利用して張設し、これに下端を止着してアーチ状パイプ上面に張設した合成樹脂フィルム上にマルチ紐を張設し、押さえるようにしているので合成樹脂フィルムが風により飛散の恐れはなく、頗る安定した状態を保持することができる効果を有している。

以下、更に本発明の具体的形態を添付図面に基づいて説明する。図１は本発明に係るパイプハウスの基礎台座を示し、１は断面コ字状で組立ハウスの大きさに合わせて1個又は複数個使用される台座金具であり、その開放面側に所要間隔をおいて、後述のハウスパイプを差し込むための差し込み用パイプ２が取着されて構成されている。

そして、ハウスの組み立てにあたっては上記コ字状台座金具１と差し込み用パイプ２からなる基礎台座を基本とするが、組み立てに先立ち予め、組み立てる土地の整備をし、利用目的に応じて消毒，肥料の散布などを済ませてハウスの大きさに合わせて整地し、このハウス予定地の四隅に３０〜４０ｃｍ位の棒を立て基準となる糸紐を引いておいて、この基準紐の外側に排水溝４，内側に図３に示す基礎台座金具の土止め用の杭７及び止め板６を取り着ける一方、土台土部を適宜高さ、通常、２０〜３０ｃｍの高さに盛り土し、上部の幅を略２０ｃｍ前後にして出来るだけ水平に、そして適当な固さに仕上げて適宜、その上部に雨水進入防止及び離草の発生をなくするため黒マルチを布設する。

このようにして基礎となる盛土をすると、次に前記基礎台座を盛土をした土台土部Ａ上に配置し、前述の差し込み用パイプ２の位置を決めて鉄筋よりなる固定棒３をパイプ穴に１又は２飛ばして仮に差し込み、組み立て後の風の強さなどを考え、棒の長さ，間隔等を加減して地面に垂直に打ち込んで行く。この時、固定棒の上部はハウス分解時、抜くのに容易なように１〜２ｃｍ位、出しておくのが好ましい。なお、基礎台座は適宜、ハウスの大きさに合わせて台座金具をつなぎ部１ａによって繋いでゆく。

かくして、上記基礎台座が固定されるが、基礎台座の内側には後述のビニールの如き樹脂製のマルチ紐１３を固定するマルチ線固定用の固定棒５が前記差し込み用パイプ２とは別に配設されていて、基礎台座の外側で端部に設けた固定杭８に固定具１０によって固定されて、基礎台座に沿って併設されているマルチ線９を基礎台座下部を通って繋ぎ紐１１により止着部１２に繋止せしめている。

このマルチ紐を固定するマルチ線９は太さ５〜８ｍｍの軟鋼線が用いられ、後述するが、アーチ状ハウスパイプ１５の下端を左右両側の基礎台座に設けられた差し込み用パイプ２に差し込み組み立てて、その上面に合成樹脂フィルムを被着した時にマルチ紐１３を張設し、該フォームを抑える役目をする。

なお、ハウスパイプ下端と差し込み用パイプ２との嵌合に際して、ハウスパイプのサイズ太さ，径と、差し込み用パイプのサイズが必らずしも一致するとは限らない。従って下部は差し込み用パイプサイズに合わせ、上部は新しく差し込むパイプサイズに合わせ小径とした継ぎ足し金具を用いることも良策である。

また、マルチ線９はビニール製などのマルチ紐１３を締め付ける際、ハウスに掛かる揚力を支える部分が必要で、台座金具１、差し込み用パイプ２、鉄筋固定棒３、繋ぎ紐止着部１２及びマルチ線９が互いに作用し合ってハウスを固定する。従って、マルチ紐１３を強く締め付けるとマルチ線９は多少、上下に曲がるようになる。そのため防止杭８´，軟鋼線１１´で固定する。

以上のようにして基礎台座にマルチ紐を固定するマルチ線９が沿設され、固定部１０で固定されると、アーチ状ハウスパイプ１５の組み付けが行なわれ、差し込み部が左右等しく正確に差し込まれているのを確認し、アーチ状ハウスパイプ１５の下端を差し込み、図４の如く順次並列状に組み立てる。なお、始めに組み立てたハウスパイプ１５による組み立ては以後の組み立てハウスの形状を左右するので、ハウスパイプの中央線と、重りを付けた糸の垂線がハウスの横からみて大体一致するように確かめる。ここで、アーチ状ハウスパイプ１５は単独のアーチ状パイプであってもよいが、図４〜図６の如く側部のパイプ１５を夫々左右別々にし、上部に天井パイプ１６を配してこの天井パイプ１６両端に夫々側部のパイプ１５を繋ぎ合わせてアーチ状にすることも可能であり好適である。また上部の天井パイプ１６が重みで下がらないよう図４，図５に示すように支えパイプ１７を並列されたハウスパイプの下側を通して設けるのが好ましい。なお、側部パイプ１５も必要に応じ図６に示すように接合部（ａ），（ｂ）を設けてつなぐようにすれば設置面積に応じ任意に調整でき、また、長パイプの運搬も容易である。また、ハウス移動の際、新しく立て替える基礎地面の高低の多少のずれに対してハウスパイプの上下間隔を微調整する上に調整金具に用いることが好適である。

図５は特に本発明組立てパイプハウスを出入口側からみた場合であり、上記により左右の側面パイプ１５と天井パイプ１６によってアーチ状ハウスパイプ形状が形成され、順次、並列されて、ハウス本体部分が形成されると、引き続き図５に示す出入口の組み立てが行なわれる。

この組み立ては図示の如く、先ず縦パイプ１８の下端を先のハウスパイプ同様、基礎台座に止着した差し込み用パイプ２に差し込んで組み立てる。このとき縦パイプ１８の長さに長短があれば、適宜、図６（ロ），（ハ）に示すように短尺金具１９で長さ，横の振れを調節し、一方をＵ字金具２０を用いて止めボルトで固定すると共に、他方をＵボルト２２で固定する。また、ハウス移動の際、移動を容易にするためにも継ぎ足し式にするのが好適である。そして、入口部では頭が当たらないように横方向パイプ２１を適宜配設し、夫々適宜手段で固定する。

なお、ハウスに上部や側部から斜め方向より風圧が掛かり、ハウス全体が大きく波打ち現象が生ずるので図７に示す火打ちパイプ２３を介在させ両端を天井パイプ１６及び縦パイプ１８に短尺パイプ２４とＵ状金具などにより止着させるのが効果的である。

このようにしてハウス本体及び出入口部におけるハウスの骨格が形成されると、その外側に合成樹脂フィルム、例えばビニルフィルムを取り付け、フィルムの皺が出来ないように適宜、止め金を使用し、両側面及び前後のフィルムを固定して行く。

かくして、以上の作業が終わると、最終仕上げとしてマルチ紐１３でフィルムに緩みがないようにマルチ紐をマルチ線９に結んで行く。そして、マルチ紐１３を固定する前に、マルチ線９を横に固定杭８を打ち込み、そのマルチ線９を横にして端部でターンバックルに係止してハウス側面に沿って強く引き固定する。このとき、マルチ線９を適宜、複数個所で強く固定し、またハウス横方向の動き，浮き上がりを防ぐため適宜、前述の如く防止杭８´を埋設し、軟鋼線１１´などで固定するようにするのが効果的である。

このようにして本発明パイプハウスは出来上がるが、このハウスは基礎台座と、これに取り付けられた差し込み用パイプ２にハウスパイプ１５を差し込むことを基本として形成されているから、随時、場所を変えてこのハウスを移動するときは、基礎台座の差し込み用パイプよりハウスパイプを外し基礎台座の固定棒を抜けば容易に解体することができ、そして移転しようとする場所において再び、上述した各組み立て作業によってハウス組立てが出来、従って従来のハウスの如く設置場所が固定されたり、転移することが困難なようなことはなく、解体，組立が容易で、実用的効果は頗る大である。

本発明のハウスの基礎をなす基礎台座の構成を示す概要説明図である。基礎台座の部分図である。基礎台座部分の断面図である。ハウスパイプの配列構成の一部を示す説明図である。本発明ハウスの出入口側の構成を示す概要説明図である。ハウスパイプの繋ぎ態様例を示し、（イ）は側部ハウスパイプの場合、（ロ）は出入口の立てパイプの場合の正面図、（ハ）は同側面図である。ハウスに斜め方向より風圧がかかる際の防止構造例である。

符号の説明

Ａ：土台土部
１：基礎台座台座金具
２：差し込み用パイプ
３：差し込み用パイプ固定棒
４：溝
５：マルチ線固定棒
６：止め板
７：止め杭
８：マルチ線固定杭
９：マルチ線
１０：マルチ線固定具
１１：マルチ線繋ぎ紐
１２：マルチ線繋ぎ紐止着部
１３：マルチ紐
１４：マルチ紐止着部
１５：ハウスパイプ
１６：天井パイプ
１７：支えパイプ
１８：縦パイプ
１９：短尺金具
２０：Ｕ状金具
２１：横パイプ

Claims

断面コ字状で所要の長さを有する台座金具の開放面側に適宜間隔をおいて、ハウスパイプを差し込む差し込み用パイプを取り着けてなるハウスパイプ基礎台座を所要間隔で互いに対向させ、かつ前記差し込み用パイプを対向させて土台土部上に配置し、差し込みパイプ内に差し込み用パイプ固定棒を適宜間隔で貫通させることによりその下半部を土中に埋設して基礎台座を固定し、互いに対向する差し込み用パイプ間にわたりアーチ状ハウスパイプを、その下端を前記差し込み用パイプに嵌着して並設すると共に、前記ハウスパイプ基礎台座の外側に該台座に沿ってマルチ紐を固定するマルチ線を張設してその両端を土台土部に埋設した固定杭により固定し、該マルチ線に下端を止着して上記アーチ状ハウスパイプ上面に張設した合成樹脂フィルム上に該フィルムを押さえるマルチ紐を適宜間隔をおいて張着してなることを特徴とする分解移動可能な組立式パイプハウス。
マルチ線をハウスパイプ基礎台座内面側に設けたマルチ線固定棒に一端を固定した継ぎ紐により止着した請求項１記載の分解移動可能な組立式パイプハウス。
アーチ状ハウスパイプが天井パイプと両側面の側面ハウスパイプとの繋合により作成されている請求項１又は２記載の分解移動可能な組立式パイプハウス。