JP4056045B2 - 旗用錘 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、旗部材に取り付けられ、強風にあおられた場合、旗部材が支持部材に沿ってずり上がったり、旗部材が支持部材への絡みつくことを防止することができる旗用錘に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、旗はその手軽さゆえに重要な広告用媒体として使用されている。このような旗は、強風にあおられた際には、図4(a)に示すように、旗部材100が支持部材110に沿ってずり上がったり、同図(b)に示すように、旗部材100が支持部材110に絡みつく等して広告の機能を果たさないという問題があった。
【0003】
上記問題点を解決するために、例えば、特開2002―116723号公報には、金属製の錘本体部とそれに一体的に固定された左右一対のフックからなる舞い上がり防止具が開示されているが、この旗の舞い上がり防止具は、錘本体部以外に、錘本体部を帯状の連結部材に取り付けるための左右一対のフックが必要となり、製造コストが上昇するという問題があった。
【0004】
また、上記公報には、一対の金属製の錘本体部と、それらを連結する連結部が一体的に鋳造成形され、一方の錘本体部の内側に係止部を有し、他方の錘本体部の内側にその係止部を収容する大きめの凹みが形成されている舞い上がり防止具が開示されており、使用時は、錘本体部の両側からペンチや指などで押して、本体部の凹み内に係止部を収容することにより、両錘本体部で旗を挟み付ける構成が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記のように構成された舞い上がり防止具は、錘本体部に係止部及び凹みを形成しなければならず、製造コストがかかるとともに、係止部が凹み内部に入ることにより錘本体部を固定する構成としているため、係止部と凹みのかみ合いが十分でない場合には、舞い上がり防止具を旗に確実に固定することができないおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、構成が簡単で、製造コストを安価に抑えることができ、さらに、確実に旗部材に取り付けることができる旗用錘を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、竿状の支持部材に支持された旗部材に取り付けられる旗用錘において、旗部材を挟持する挟持面を備えた一対の挟持部材と、これら一対の挟持部材の挟持面で旗部材を挟み込んだ状態に両挟持部材を結合する結合部材が備えられ、前記一対の挟持部材は同一材質から形成された同一大きさの半球状であり、前記挟持面は円形の平面であって、また結合部材は、前記一対の挟持部材のいずれか一方に挿通されたタッピングネジと、前記一対の挟持部座の他方に設けられて前記タッピングネジがねじ込まれるねじ込み孔から構成され、前記タッピングネジの前記ねじ込み孔へのねじ込みにより、前記一対の挟持部材を球状に結合するようにしていることを特徴とする。
【0008】
【作用】
請求項1の発明によれば、旗用錘の挟持部材の挟持面で旗部材が挟み込まれた状態で、すなわち、各挟持部材の挟持面が旗部材に面接触した状態で、結合部材により両挟持部材が結合される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の旗用錘及び旗用錘を取り付けた旗の一例である幟旗について、図1〜3を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の旗用錘Aの断面図である。同図に示すように、この旗用錘Aは、旗部材を挟持する一対の挟持部材10、20及びこれら挟持部材10、20を結合する結合部材30を備えている。
【0010】
挟持部材10は、真鍮製で、半球状に形成されており、この円形の平面部分が後述する旗部材を挟持する挟持面11を形成している。
また、この挟持部材10には、結合部材30としてのタッピングネジ(以下、単にタッピングネジ30と呼ぶ)を挿通するための挿通孔12が形成されている。
この挿通孔12は、半球の挟持部材10の中心線上で、挟持部材10の頭頂部にかけて挟持面11に対して垂直方向に貫通して形成されている。
【0011】
ここで、上記挿通孔12の球状面側の開口部には、タッピングネジ30の頭部を受け入れるための受け入れ孔13が形成されている。
この受け入れ孔13は、上記挿通孔12よりも一回り大きい寸法の円径を備え、タッピングネジ30の頭部が、受け入れ孔13の底部に係止される構成となっている。
【0012】
挟持部材20は、挟持部材10と同寸法で、真鍮製の半球状に形成されており、この断面円形の平面部分が旗部材を挟持する挟持面21を形成している。
また、この挟持部材20には、タッピングネジ30をねじ込むためのねじ込み孔22が形成されている。
このねじ込み孔22は、半球の挟持部材20の中心線上で、挟持部材20の頭頂部付近にかけて挟持面21に対して垂直方向に形成されている。
【0013】
ここで、上記ねじ込み孔22は、上記挿通孔12より一回り小さい寸法に形成されており、上述した挟持部材10、20のそれぞれの挟持面11及び挟持面12を互いに対向させた状態で接触させると、挿通孔12及びねじ込み孔22が連通して連通孔が形成される構成となっている。
なお、本実施形態においては、上記ねじ込み孔22は、挟持部材20を貫通して形成されているのではなく、その先端部は挟持部材20内部に止まっている。
【0014】
結合部材30は、本実施形態においては、ステンレス製のタッピングネジが用いられており、各挟持部材の挟持面を対向させた状態で挟持部材10、20の挿通孔12、ねじ込み孔22を互いに連通させ、これにより形成される連通孔にタッピングネジ30を挿通し、このタッピングネジ30の先端部をねじ込み孔22内にねじ込むことにより各挟持部材10、20を結合させる。
【0015】
つぎに、上記のように構成された旗用錘Aの使用方法について図2を用いて説明する。
なお、この旗用錘Aは、同図に示すように、幟旗Bに取り付けられて使用されるため、以下に、まず、幟旗Bの構成について説明した後、本発明の旗用錘Aが幟旗Bにいかに取り付けられているかについて説明する。
【0016】
上記幟旗Bは、図2(a)に示すように、旗部材40が竿状の支持部材50に支持されている。
上記旗部材40は、ほぼ矩形状に形成された旗本体41と、この旗本体41を支持部材50に取り付けるリング状に形成された複数の連結部材42〜49とを備えている。
【0017】
上記旗本体41は、本実施形態においては、矩形状の旗本体41の下部及び連結部材45〜49が設けられていない側の側端部の周縁41aに、例えば、有機溶剤に合成樹脂を混ぜた接着剤が塗布されており、この接着剤が乾燥して、旗の織り目がほつれることを防止する。
なお、上記合成樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂やスチロール樹脂等が挙げられる。
【0018】
図3(a)、(b)は、連結部材49の正面図及び平面図をそれぞれ示している。
まず、連結部材49は、同図に示すように、帯状部材の長手方向両端部が縫い合わされてリング形状に形成され、帯状部材の縫い目部49aには、旗用錘Aを取り付けるための取り付け孔49bが設けられている。
また、各連結部材42〜48は、旗用錘Aを取り付けるための取り付け孔が設けられていない以外は、上記連結部材49と同様に構成され、これら連結部材42〜49は、各縫い目部内に旗本体41の周縁が縫合されることにより配設されている。
なお、本実施形態においては、図2に示すように、連結部材42〜44が旗本体41の上部に、連結部材45〜49が旗本体41の側方部に配設されている。
【0019】
そして、上記のように構成された幟旗Bの旗部材40は、図2(a)に示すように、その各連結部材42〜49により形成されるリング内に支持部材50が挿通されて支持されている。
【0020】
つぎに、上記のように構成された幟旗Bに、旗用錘Aがいかに取り付けられているかについて説明する。
まず、旗用錘Aは、図1に示すように、一対の挟持部材10、20の間に連結部材49の縫い目部49aを挟み込んだ状態で、タッピングネジ30により各挟持部材10、20を結合することにより取り付けられる。
【0021】
すなわち、タッピングネジ30は、挟持部材10の受け入れ孔13から導入され、この受け入れ孔13と連通している挿通孔12を介して連結部材49の取り付け孔49bを貫通し、その先端部は、挟持部材20のねじ込み22内にねじ込まれてネジ止めがなされる。
【0022】
ここで、挟持部材20の挿通孔22内には、タッピングネジ30をねじ込むためのネジ溝が形成されていないが、タッピングネジ30はステンレス製で、挟持部材20は真鍮製であるため、タッピングネジ30に形成されたネジ山に沿って挟持部材20の挿通孔22内にネジ溝が刻設されながら、タッピングネジ30の先端部が挟持部材20の挿通孔22内部にねじ込まれる。
【0023】
以上のように、旗部材40の連結部材49に取り付けられた挟持部材10、20及び結合部材30により構成される旗用錘Aによれば、以下のような効果を得ることができる。
【0024】
すなわち、本実施形態における旗用錘Aは、挟持部材10、20のそれぞれの挟持面11、21が連結部材49の縫い目部49aと面接触した状態でタッピングネジ30により結合されているため、旗部材40に対する挟持部材10、20の接触面積が充分広くなって、旗用錘Aが旗部材40に安定した状態で確実に取り付けられる。
また、本発明の旗用錘Aによれば、各挟持部材及び結合部材により構成されているため、構成が単純で製造コストを安価に抑えることができるという効果がある。
【0025】
さらにまた、上述したように、旗部材40の周縁に接着材が塗布されて保護膜が形成されているため、強風時に旗部材40がなびくことによる、旗部材40の周縁のほつれ等が起きることを防ぎ、旗部材40の寿命を約2倍長持ちさせることができ、これにより経費の削減をはかることができるという効果がある。
【0026】
なお、本実施形態においては、旗部材40が、縦、横の寸法がそれぞれ180cm、60cmで、旗用錘Aの総重量が60gであり、強風時においても旗部材40が支持部材50に沿ってずり上がったり、旗部材40が支持部材50に絡みつくことを防ぎ、旗部材40が広告機能を十分に発揮することができる。
【0027】
以上、本発明の旗用錘Aを取り付けた幟旗Bの一実施形態について詳細に説明してきたが、本発明の旗用錘Aを取り付けた幟旗Bは、種々に変更可能であって、例えば、旗用錘Aの重量は、旗部材の大きさに合わせて、広告機能を発揮させるのに十分な重さがあれば、どのような寸法及び形状に形成されていても構わない。
また、上記実施形態においては、旗用錘は旗部材の連結部材に取り付けられていたが、旗本体に直接取り付けることも可能であり、また、この旗用錘を取り付ける位置も旗部材のどの位置に取り付けても構わない。
さらにまた、上記旗用錘を旗部材に複数個取り付けることも可能であり、また、この旗用錘を取り付けた幟旗の形状及び寸法は、どのように形成されていても構わない。
【0028】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、旗用錘の挟持部材の挟持面で旗部材が挟み込まれた状態で、すなわち、旗部材が同一材質から形成された同一大きさの半球状の挟持部材における円形の挟持面に面接触した状態で、結合部材により結合される。
この結果、旗部材に対する挟持部材の接触面積が充分広くなって、旗用錘が旗部材に安定した状態で確実に取り付けられる。
また、この旗用錘は、各挟持部材及び結合部材により構成されているため、構成が単純で製造コストを安価に抑えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の旗用錘の断面を示す断面図である。
【図2】本発明の旗用錘を取り付けた幟旗を示す正面図である。
【図3】旗の連結部材を示す正面図及び平面図である。
【図4】従来の幟旗を示す正面図である。
【符号の説明】
10 挟持部材
11 挟持面
12 挿通孔
13 受け入れ孔
20 挟持部材
21 挟持面
22 ねじ込み孔
30 結合部材
Claims (1)
- 竿状の支持部材に支持された旗部材に取り付けられる旗用錘において、
旗部材を挟持する挟持面を備えた一対の挟持部材と、これら一対の挟持部材の挟持面で旗部材を挟み込んだ状態に両挟持部材を結合する結合部材が備えられ、前記一対の挟持部材は同一材質から形成された同一大きさの半球状であり、前記挟持面は円形の平面であって、また結合部材は、前記一対の挟持部材のいずれか一方に挿通されたタッピングネジと、前記一対の挟持部座の他方に設けられて前記タッピングネジがねじ込まれるねじ込み孔から構成され、前記タッピングネジの前記ねじ込み孔へのねじ込みにより、前記一対の挟持部材を球状に結合するようにしていることを特徴とする旗用錘。
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