JP4055704B2 - 転炉吹錬におけるMn量調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、転炉吹錬の処理終了時の溶鋼中Mnを目標Mn量に合致せしめる転炉吹錬におけるMn量調整方法に関するものである。
転炉吹錬における終点時の溶鋼中Mn量は、溶銑中Mnと吹錬中に投入したMn鉱石などの投入Mn量(Input Mn量)に対して、終点Cの濃度ごとに図2で示されるような飽和曲線で記述されることが知られている。溶鋼中に残らないMnはスラグ中にMnOとして移行するため、この飽和曲線は、Mn歩留まり曲線とも呼ばれる。 実際の転炉吹錬では、終点時のMn量の目標値を与え、この目標値を実現するようなInput Mn量をこのMn歩留まり曲線をもとに決定し、Mn鉱石の投入などが決定される。
また、溶鋼−スラグ間のMn反応に関する平衡定数による方法もある。これは、次に示す転炉におけるMnの化学反応式によっている。
(FeO) + Mn = (MnO) + Fe
ここで、( )はスラグ成分を示す。
終点温度や終点Cを用いて算出される平衡定数から、溶鋼中Mnとスラグ中MnOの比率 Mn/(MnO)を求める。そして、溶銑量、溶銑中Mn、スラグ量(投入副原料から算出)、および目標Mn量から必要とされるMn鉱石投入量を算出するものである。
さらに、特開平9−3518号公報(特許文献1)では、溶鋼Mnセンサの測定値に基づき、公知の酸素・温度バランス式から吹錬終点時の溶鋼中Mn量を予測し、制御する技術が開示されている。
特開平9−3518号公報
このように定めたMn鉱石投入量を投入したときの終点Mnの予測と実績の誤差は、たとえば図3に示すMn歩留まりの実績と予測歩留まり曲線の例で見ると、誤差の標準偏差は200kg以上にもなる。
Mn歩留まりがあたらない理由としては、平衡定数による方法では、平衡定数の決定要因が、計算に用いる温度、終点Cだけではないことにある。理論的には圧力、濃度などが影響を与えるが、炉対状況などが必ずしも毎チャージ同じにならないことがこれらに影響を与えると考えられ、操業状態の推定をその他の操業条件から行う必要がある。 また、特許文献1で示される方法では、使用する溶鋼Mnセンサおよび予測モデルの精度によると考えられる。
これらの予測はずれは、Mn不足の場合には、高価なMn合金の投入量を増やさなければならない。また、過剰にMnが入った場合には、成分はずれとして不良在庫となる可能性もある。このため、この終点Mnを目標に近づけるMn鉱石投入量の予測計算は、きわめて重要で、より精度の向上が望まれている。
また一方、終点MnはInput Mnに対して歩留まりが飽和するような形である(図2および図3参照)ことから、Mn鉱石投入での投入量が多すぎると、終点に残る割合が少なく無駄な投入となり、吹錬後にMn合金を投入したほうがコスト的に有利な場合がある。これまで、このようなコスト計算に基づく投入量決定法は、モデル精度が不十分な点から、積極的には使用されていない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、転炉吹錬の処理終了時の溶鋼中Mnを目標Mn量に精度良く合致せしめ、かつコスト削減を図る転炉吹錬におけるMn量調整方法を提供することにある。
本発明は、転炉に溶銑と各種副原料を投入した状態で吹錬を実施する各チャージの吹錬終了時の溶鋼中Mn量を調整する方法において、新規に実施するチャージの吹錬条件の内、複数項目からなる吹錬条件を新規吹錬ベクトルと定義し、過去に実施された各チャージの吹錬条件実績を記憶した吹錬実績データベースから前記複数項目と同じ吹錬条件を取りだし、それぞれの実績吹錬ベクトルと定義し、前記新規吹錬ベクトルと前記実績吹錬ベクトルを構成する各項目の値を、前記吹錬実績データベースに記憶された各項目の平均値と標準偏差で正規化した値とし、この正規化された新規吹錬ベクトルと実績吹錬ベクトルとの差のノルムを算出して、この算出されたノルムが小さい所定数の実績吹錬ベクトルを、前記新規吹錬ベクトルと類似した所定数の実績吹錬ベクトルとして選択し、この選択された所定数の実績吹錬ベクトルを用いて、前記新規に実施するチャージにおける吹錬終了時の溶鋼中Mn量を推定するモデルを作成し、この作成されたモデルを用いて、前記新規に実施するチャージにおけるMn鉱石投入量を定めることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法である。
また本発明は、請求項1に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、前記複数項目は、少なくとも溶銑量、溶銑温度、溶銑中Mn量、各種副原料投入量、終点温度、終点C量および目標Mn量のいずれかを含むことを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法である。
また本発明は、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、前記吹錬実績データベースに記憶された各項目xijの平均値μjと標準偏差σj(ここで、iはチャージ、jは項目)で正規化した値xij'は、xij'=(xij-μj)/σjにて求め、さらに、ノルムdiは、di=SQRT((xi1'−x01') +(xi2'−x02') +・・・+(xij'−x0j') )にて求めることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法である。
また本発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、前記新規に実施するチャージにおける吹錬終了時の溶鋼中Mn量を推定するモデルは、次式で示されるモデルであることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法である。
(吹錬終了時の溶鋼中Mn量)=
a1*log10(吹錬実施前の溶銑中Mn量+投入したMn鉱石中Mn量)+ a2
ここで、a1およびa2は、それぞれ係数を表わす。
また本発明は、転炉に溶銑と各種副原料を投入した状態で吹錬を実施する各チャージの吹錬終了時の溶鋼中Mn量を調整する方法において、新規に実施するチャージの吹錬条件の内、複数項目からなる吹錬条件を新規吹錬ベクトルと定義し、過去に実施された各チャージの吹錬条件実績を記憶した吹錬実績データベースから前記複数項目と同じ吹錬条件を取りだし、それぞれの実績吹錬ベクトルと定義し、前記新規吹錬ベクトルと前記実績吹錬ベクトルを構成する各項目の値を、前記吹錬実績データベースに記憶された各項目の平均値と標準偏差で正規化した値とし、この正規化された新規吹錬ベクトルと実績吹錬ベクトルとの差のノルムを算出して、この算出されたノルムが小さい所定数の実績吹錬ベクトルを、前記新規吹錬ベクトルと類似した所定数の実績吹錬ベクトルとして選択し、この選択された所定数の実績吹錬ベクトルを用いて、前記新規に実施するチャージにおける吹錬終了時の溶鋼中Mn量を推定するモデルを作成し、Mn鉱石投入量にともなうコストとMn合金投入量にともなうコストの和をコスト関数と定義し、前記推定モデルを制約とし、また、設備諸元等で決まるMn鉱石およびMn合金の投入量の制限を制約とし、前記コスト関数が最小となるMn鉱石投入量およびMn合金投入量を数理計画法を用いて算出することを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法である。
また本発明は、請求項5に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、前記複数項目は、少なくとも溶銑量、溶銑温度、溶銑中Mn量、各種副原料投入量、終点温度、終点C量および目標Mn量であることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法である。
また本発明は、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、前記実績吹錬ベクトルの選択は、前記新規吹錬ベクトルと前記実績吹錬ベクトルを構成する各項目の値を、前記吹錬実績データベースに記憶された各項目の統計量で正規化した値とし、前記吹錬実績データベースに記憶された各項目xijの平均値μjと標準偏差σj(ここで、iはチャージ、jは項目)で正規化した値xij'は、xij'=(xij-μj)/σjにて求め、さらに、ノルムdiは、di=SQRT((xi1'−x01') +(xi2'−x02') +・・・+(xij'−x0j') )にて求めることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法である。
さらに本発明は、請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、前記新規に実施するチャージにおける吹錬終了時の溶鋼中Mn量を推定するモデルは、次式で示されるモデルであることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法である。
(吹錬終了時の溶鋼中Mn量)=
a1*log10(吹錬実施前の溶銑中Mn量+投入したMn鉱石中Mn量)+ a2
ここで、a1およびa2は、それぞれ係数を表わす。
本発明によれば、転炉吹錬終点Mn推定精度が向上して、溶鋼成分に関する品質が向上するとともに、成分はずれによる、不良在庫の増加を抑制することができる。さらに、コスト最適化計算による投入量決定により、コスト低減が実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面等を用いて説明する。図1は、転炉吹錬制御装置の概略構成を示すブロック図である。この転炉吹錬制御装置は、コンピュータ等の情報処理装置で形成されている。図中、1は入力処理部、2は吹錬実績データベース、3は結果出力部、4は新規条件入力部、5は新規条件ベクトル定義部、6は実績条件ベクトル定義部、7は正規化ベクトル作成部、8はノルム算出部、9は類似ベクトル選択部、10は近似ベクトル作成部、11はMn鉱石量算出部をそれぞれ示す。
この転炉吹錬制御装置内には、上位計算機((図示せず)からの指示やキーボードなどからの情報入力を行うための入力処理部1、過去の吹錬実績データを記憶する吹錬実績データベース2、算出されたMn鉱石量などを表示したり、下位制御系に出力する結果出力部3が組み込まれている。
吹錬実績データベース2内には、図4に示すように、過去に実施したチャージのチャージ番号ごとに、吹錬条件、吹錬実績として、複数の項目1〜nにおける実際の値z1,z2,...,znが記憶されている。たとえば、項目1(z1)は転炉に装入する溶銑の量、項目2(z2)は転炉に装入する溶銑の温度、項目3(z3)は転炉に装入する溶銑成分1の組成(溶銑成分1)、項目4(z4)は転炉に装入する溶銑成分2の組成(溶銑成分2)などがある。溶銑の成分としては、C,Si,S,P,Mnなどがある。
項目にはこれらの他、投入した副原料(石灰、ドロマイト、コークス、鉄鉱石、Mn鉱石、など)、送酸量実績、合金鉄(Mn合金やSi合金など)の各実績投入値、吹錬終了時の溶鋼温度、溶鋼中C、溶鋼中酸素などの実績のほか、終点C目標、終点温度目標、終点Mn目標などの各種目標値も含む。また、吹錬実績として、終点温度実績、終点成分実績(C,Mn,P,Si,Sなど)なども含まれる。
次に、転炉吹錬制御装置の各部4〜11の動作を、図7に示す流れ図を用いて説明する。 入力処理部1を介して、新規に実施するチャージにおける前述の1〜n項目に対する値x1,x2,...,xnを新規吹錬条件として入力すると、新規条件入力部4が起動して、この入力した新規吹錬条件を新規条件ベクトル定義部5へ送出する(ステップS1)。
新規条件ベクトル定義部5では、新規吹錬条件の内、例えば図5に示すように8項目、溶銑量(x1)、溶銑温度(x2)、溶銑中Mn(x3)、溶銑C(x4)、終点目標温度(x5)、終点目標C(x6)、目標Mn(x7)およびスラグ量(x8)を選んで、(1)式で示す吹錬条件ベクトルVaを定義する(ステップS2)。
Va = [x01 x02 x03 x04 x05 x06 x07 x08] ・・・・・・(1)
なお、新規に実施するチャージにおける前述の1〜n項目に対する値x1,x2,...,xnは、操作者により入力されるのみならず、直接上位計算機からの指示として送られる場合もある。
次に、実績条件ベクトル定義部6では、吹錬実績データベース2から8項目からなる過去の実績吹錬ベクトルVbi を、各チャージiごとに定める((2)式)。
Vbi = [xi1 xi2 xi3 xi4 xi5 xi6 xi7 xi8] ・・・・・・(2)
このとき、実績吹錬ベクトルでは、終点目標温度の代わりに終点実績温度を、終点目標Cの代わりに終点実績Cを用いる。
次に、これらのベクトルを、正規化ベクトル作成部7にて正規化する。先ず、各項目(xij)の平均値μjと標準偏差σjを求めて(ステップS3)、以下の(3)式で示すように正規化する(ステップS4)。
xij'=(xij-μj)/σj ・・・・・・(3)
正規化されたVa'およびVbi'は、それぞれ以下の(4)式および(5)式で具体的に表わすことが出来る。
Va'=[x01' x02' x03' x04' x05' x06' x07' x08']
=[ (x01-μ1)/σ1 (x02-μ2)/σ2 ... (x08-μ8)/σ8] ・・・・・・(4)

Vbi' = [ xi1' xi2' xi3' xi4' xi5' xi6' xi7' xi8']
=[ (xi1-μ1)/σ1 (xi2-μ2)/σ2 ... (xi8-μ8)/σ8] ・・・・・・(5)
つぎに、Vbi'の中から、Va'の類似データを選ぶ(ステップS5)。類似度を表わすものとしては、例えば、(6)式で示す各Vbi'とVa'の差のノルムdiがある。各チャージiごとに、(6)式で定義されたノルムdiを、ノルム算出部8で計算する。このノルムdiの小さいものほど、類似度が高い実績データ(チャージ)であり、類似ベクトル選択部9で選択を行う。
なお、ここでは、類似度を表わすものとして通常の2-normとしているが、1-normや∞-normあるいは、各要素に重みをつけたものであっても構わない。そして選択する類似データは、あらかじめ定めたk個のデータを選ぶとするか、あるいは、モデル予測誤差が最小となる個数と定めても良い。
集められた各類似データ(チャージi)の溶銑中Mn量(ui1)、投入したMn鉱石Mn量(ui2)、および投入した副原料中Mn量(ui3)から、各吹錬におけるInput Mn(ui)を、(7)式で示すように定める(ステップS6)。
ui = ui1 + ui2 + ui3 ・・・・・・(7)
各類似チャージの吹錬終点時の溶鋼中Mn量をyiとすると、k個のu,yの対(ui,yi)ができる(図6)。
そしてこれらのデータから、近似ベクトル作成部10にて、例えば、図6中の実線で示すようなInput Mn(u)〜終点Mn(y) の関数モデル((8)式)をつくる(ステップS7)。
y = f(u) ・・・(8)
f(u)はuに関するある関数を表わしており、これを新規吹錬に対する終点Mn予測関数あるいは、Mn歩留まり関数と称する。
図6は、このようにしてMn歩留まり関数を定めた例であり、図中丸印で記したものが類似データとして集められた、Mn歩留まり実績である。グラフは、横軸がInput Mn、縦軸が終点Mn実績を示している。このとき、図中に描かれた実線の曲線が類似データから同定したMn歩留まり曲線である。また、図中、星印で記したものが、予測しようとした新規吹錬におけるMn歩留まりの実績値であり、推定曲線は非常に良い近似となっていることが分かる。
前述の(8)式における関数の具体例を挙げれば、例えば以下の(9)式に示すものがある。
y = a1*log10 (u)+ a2 ・・・(9)
上式は、化学反応の平衡定数が概ね対数関数で定義されることに起因しており、係数a1、a2は、類似データから最小2乗法などを用いて算出する。
この推定曲線の関数が決まれば、新規吹錬で投入が必要なMn鉱石Mn量u02は、前述の(7)式を変形して求めることができる。すなわち、新規吹錬の終点Mn目標y0を与えると、溶銑実績として分かっている溶銑中Mn量u01および他の主要成分(終点C、終点Pなど)の調整で決まっている副原料中Mn量u03から、新規吹錬で投入が必要なMn鉱石Mn量u02は、(10)式で示すように計算できる。
u02=invf(y0) - u01 -u03 ・・・(10)
ただし、invf( )は、f( )の逆関数を表わしている。
(10)式でu02が定まれば、成分比率から投入すべきMn鉱石が決定できる(ステップS8)。
終点Mn推定モデルを、一般的な形として(8)式、または具体的な形として(9)式で表わされるとして説明をおこなってきた。以下のコスト関数を用いた方法の説明では、簡単のため(8)式を用いるものとする。
最終的なMn量の目標値yfと、(8)式で求められるy(吹錬終点時の溶鋼中Mn量)との差を、Zmnとする((11)式)。
Zmn = yf − y ・・・(11)
このZmnは、不足するMn量を表わしており、通常の操業ではこの不足分をMn合金の投入によって補っている。これは、終点時の溶鋼中Mnが外れた場合やコストの観点から、通常 yf > yの大小関係をとっているためである。
コスト比較の観点で言えば、Mn鉱石はMn合金の1/3以下のコストであり、Mn鉱石を多くすることがコスト的には良い。ただし、終点Mnは式(8)式や(9)式で記載される歩留まりがあり、通常大量のMn鉱石投入に対しては、きわめて歩留まりが悪くなるという点にも考慮が必要である。
そこで、コスト関数 fc として(12)式を定義する。
fc = (Mn鉱石コスト + Mn合金コスト) ・・・(12)
最適投入量計画としては、決められた制約条件を満たし、かつ与えられた目的関数を最小化する最適化問題として定式化ができる。すなわち、 最適なMn鉱石とMn合金の投入量を求めるには、歩留まり関数(8)または(9)式を制約とし、また、設備諸元等で決まるMn鉱石およびMn合金の投入量の制限を制約とし、コスト関数 fcが最小となるようなMn鉱石とMn合金の投入量を算出する。この解法には、数理計画法で提案されている種々の手法を用いる。
これにより、転炉吹錬の処理終了時の溶鋼中Mnを目標Mn量に合致できるだけでなく、コスト最小となるMn鉱石、Mn合金の投入量を決めることができる。
転炉吹錬制御装置の概略構成を示すブロック図である。 Mn歩留まり曲線を説明する図である。 Mn歩留まり曲線と実績の一例を示す図である。 吹錬実績データベースの一例を示す図である。 類似データテーブルの一例を示す図である。 Mn歩留まり曲線の推定例を示す図である。 Mn量調整方法の処理手順を示す流れ図である。
符号の説明
1 入力処理部
2 吹錬実績データベース
3 結果出力部
4 新規条件入力部
5 新規条件ベクトル定義部
6 実績条件ベクトル定義部
7 正規化ベクトル作成部
8 ノルム算出部
9 類似ベクトル選択部
10 近似ベクトル作成部
11 Mn鉱石量算出部

Claims (8)

  1. 転炉に溶銑と各種副原料を投入した状態で吹錬を実施する各チャージの吹錬終了時の溶鋼中Mn量を調整する方法において、
    新規に実施するチャージの吹錬条件の内、複数項目からなる吹錬条件を新規吹錬ベクトルと定義し、
    過去に実施された各チャージの吹錬条件実績を記憶した吹錬実績データベースから前記複数項目と同じ吹錬条件を取りだし、それぞれの実績吹錬ベクトルと定義し、
    前記新規吹錬ベクトルと前記実績吹錬ベクトルを構成する各項目の値を、前記吹錬実績データベースに記憶された各項目の平均値と標準偏差で正規化した値とし、この正規化された新規吹錬ベクトルと実績吹錬ベクトルとの差のノルムを算出して、この算出されたノルムが小さい所定数の実績吹錬ベクトルを、前記新規吹錬ベクトルと類似した所定数の実績吹錬ベクトルとして選択し、
    この選択された所定数の実績吹錬ベクトルを用いて、前記新規に実施するチャージにおける吹錬終了時の溶鋼中Mn量を推定するモデルを作成し、
    この作成されたモデルを用いて、前記新規に実施するチャージにおけるMn鉱石投入量を定めることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法。
  2. 請求項1に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、
    前記複数項目は、少なくとも溶銑量、溶銑温度、溶銑中Mn量、各種副原料投入量、終点温度、終点C量および目標Mn量のいずれかを含むことを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、
    前記吹錬実績データベースに記憶された各項目xijの平均値μjと標準偏差σj(ここで、iはチャージ、jは項目)で正規化した値xij'は、xij'=(xij-μj)/σjにて求め、
    さらに、ノルムdiは、di=SQRT((xi1'−x01') +(xi2'−x02') +・・・+(xij'−x0j') )にて求めることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、
    前記新規に実施するチャージにおける吹錬終了時の溶鋼中Mn量を推定するモデルは、次式で示されるモデルであることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法。
    (吹錬終了時の溶鋼中Mn量)=
    a1*log10(吹錬実施前の溶銑中Mn量+投入したMn鉱石中Mn量)+ a2
    ここで、a1およびa2は、それぞれ係数を表わす。
  5. 転炉に溶銑と各種副原料を投入した状態で吹錬を実施する各チャージの吹錬終了時の溶鋼中Mn量を調整する方法において、
    新規に実施するチャージの吹錬条件の内、複数項目からなる吹錬条件を新規吹錬ベクトルと定義し、
    過去に実施された各チャージの吹錬条件実績を記憶した吹錬実績データベースから前記複数項目と同じ吹錬条件を取りだし、それぞれの実績吹錬ベクトルと定義し、
    前記新規吹錬ベクトルと前記実績吹錬ベクトルを構成する各項目の値を、前記吹錬実績データベースに記憶された各項目の平均値と標準偏差で正規化した値とし、この正規化された新規吹錬ベクトルと実績吹錬ベクトルとの差のノルムを算出して、この算出されたノルムが小さい所定数の実績吹錬ベクトルを、前記新規吹錬ベクトルと類似した所定数の実績吹錬ベクトルとして選択し、
    この選択された所定数の実績吹錬ベクトルを用いて、前記新規に実施するチャージにおける吹錬終了時の溶鋼中Mn量を推定するモデルを作成し、
    Mn鉱石投入量にともなうコストとMn合金投入量にともなうコストの和をコスト関数と定義し、
    前記推定モデルを制約とし、また、設備諸元等で決まるMn鉱石およびMn合金の投入量の制限を制約とし、前記コスト関数が最小となるMn鉱石投入量およびMn合金投入量を数理計画法を用いて算出することを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法。
  6. 請求項5に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、
    前記複数項目は、少なくとも溶銑量、溶銑温度、溶銑中Mn量、各種副原料投入量、終点温度、終点C量および目標Mn量であることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法。
  7. 請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、
    前記実績吹錬ベクトルの選択は、前記新規吹錬ベクトルと前記実績吹錬ベクトルを構成する各項目の値を、前記吹錬実績データベースに記憶された各項目の統計量で正規化した値とし、
    前記吹錬実績データベースに記憶された各項目xijの平均値μjと標準偏差σj(ここで、iはチャージ、jは項目)で正規化した値xij'は、xij'=(xij-μj)/σjにて求め、
    さらに、ノルムdiは、di=SQRT((xi1'−x01') +(xi2'−x02') +・・・+(xij'−x0j') )にて求めることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法。
  8. 請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の転炉吹錬におけるMn量調整方法において、
    前記新規に実施するチャージにおける吹錬終了時の溶鋼中Mn量を推定するモデルは、次式で示されるモデルであることを特徴とする転炉吹錬におけるMn量調整方法。
    (吹錬終了時の溶鋼中Mn量)=
    a1*log10(吹錬実施前の溶銑中Mn量+投入したMn鉱石中Mn量)+ a2
    ここで、a1およびa2は、それぞれ係数を表わす。
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