JP4054949B2 - 光素子モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバなどの光学伝送媒体との間で光学信号を送信および受信する光素子モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
データ伝送の高速化のために、例えば「2001年1月17日,日経産業新聞1面」(文献1)に開示された光配線を用いたプリント基板、あるいは、例えば「新しい概念 光シートバステクノロジー(小関 他,”エレクトロニクス”No.557(2001年10月号),p49〜53,株式会社オーム社)」(文献2)、「光拡散シートを用いた光分岐器の特性評価(浜田 他,信学技報(Technical Report of IEICE)),OCS99−72(1999年10月)」(文献3)および「光拡散シートを用いた光バックプレーンの伝送特性評価(岡田 他,信学技報(Technical Report of IEICE)),OCS99−73(1999年10月)」(文献4)等に開示された光バスが提案されている。
【0003】
CPU等を用いた電子回路と、上述した光バスとは、例えば、光ファイバを介して結合される。
この光ファイバと電子回路との間には、例えば、電気的な信号を光学信号に変換して光ファイバに対して出力するレーザーダイオード(LD)等の発光素子と、反対に、光ファイバから入力される光学信号を電気的な信号に変換するフォトダイオード(PD)等の受光素子とが、1つのパッケージ内に収められた光素子モジュールが用いられる。
【0004】
発光素子と受光素子とを同一のパッケージに収容すると、発光素子から出射された光が、光ファイバの端面あるいは素子の封止体の内面等により受光素子の方向に反射され、ノイズを発生する可能性がある。
また、反射された光は、受光素子にではなく発光素子に戻った場合でも、ノイズを発生する可能性がある。
【0005】
このような不具合に対応するために、「特開2000−36642号公報」(文献5)は、封止体に溝を設けて、発光素子から受光素子への光の入り込みを防ぐ方法を開示し、また、「特開平8−335744号公報」(文献6)は、反射防止膜を用いて光の入り込みを防ぐ方法を開示する。
しかしながら、文献5,6に開示された方法を採ると、封止体の溝あるいは反射防止膜の形成のために製造工程が複雑になり、製造コストも高くなる。
また、文献5,6に開示された方法は、反射光が発光素子に戻ることを防ぐことはできず、受光素子の能率を改善することもできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、光素子から出力された光学信号が、光伝送媒体あるいは封止体等により反射されて、光素子に返ってくることがないようにして、ノイズの発生を抑えた光素子モジュールを提供することを目的とする。
また、本発明は、発光素子から受光素子への光の照射を少なくするとともに、発光素子自体に反射光が戻ることをも防ぐことができる光素子モジュールを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、光伝送媒体と受光素子および発光素子の結合を高め、これらの効率を高めた光素子モジュールを提供することを目的とする。
また、本発明は、封止体の溝あるいは反射防止膜の形成が必要でなく、製造工程が簡単で製造コストが安い光素子モジュールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[第1の光素子モジュール]
上記目的を達成するために、本発明にかかる第1の光素子モジュールは、光学伝送媒体の端部に対して、光学信号を少なくとも発する光素子モジュールであって、前記光学伝送媒体の端部に対して光学信号を少なくとも発する光素子を有し、前記光素子により発せられた光学信号が、前記光学伝送媒体の端部により、前記光素子以外の方向に反射されるように構成されている。
【0009】
好適には、前記光素子を保持するフレームを有し、前記光素子は、前記発せられた光学信号が、前記光学伝送媒体の端部により、当該光素子以外の方向に反射される角度で、前記フレームにより保持される。
【0010】
[第1の光素子モジュールの説明]
以下、具体例を挙げて、第1の光素子モジュールをさらに説明するが、発明を具体化して理解を助けるためであって、本発明の技術的範囲を具体例に限定することを意図するものではない。
第1の光素子モジュールにおいては、例えば、発光素子(光素子)が斜めにリードフレーム(フレーム)に取り付けられる。
フレーム上での発光素子(光素子)の角度は、発光素子からの光学信号が光ファイバの端面に入射し、かつ、光ファイバの端面で反射された光学信号が、受光素子(光素子)に照射されることがないように選ばれる。
【0011】
[第2の光素子モジュール]
光学伝送媒体の端部に対して、光学信号を少なくとも発する光素子モジュールであって、前記光学伝送媒体の端部に対して光学信号を少なくとも発する光素子と、前記光素子を封止する封止部材と有し、前記封止部材は、前記発せられた光学信号を前記光学伝送媒体の端部に対して出射し、前記光学伝送媒体の端部により反射された光学信号を当該光素子以外の方向に向けるように形成された第1の面を有する。
【0012】
好適には、前記光素子を保持するフレームを有し、前記光学伝送媒体は、前記端部に対して出射された光学信号を受け入れて、当該光学伝送媒体の長手方向の軸に沿って、受け入れた光学信号を伝送し、前記光素子は、当該光素子が発する光学信号の光路の軸と、前記光伝送媒体の長手方向の軸とが異なるように前記フレームに保持され、前記第1の面は、前記光素子が発する光学信号を屈折させて、前記光伝送媒体の端部に導くように形成される。
【0013】
好適には、前記封止部材の第1の面は、前記光素子から出射された光学信号を、当該光素子以外の方向に反射するように形成されている。
【0014】
好適には、前記封止部材の第1の面は、前記光学信号の光路に対して、前記光素子から出射された光学信号を当該光素子以外の方向に反射する角度を有するように前記封止部材に形成される。
【0015】
好適には、前記光素子は、前記光学伝送媒体の端部から出射された光学信号を受け入れる受光素子と、前記光学伝送媒体の端部に対して光学信号を発する発光素子とを含み、前記封止部材の第1の面は、前記発光素子から出射された光学信号を、前記受光素子以外の方向に反射するように形成されている。
【0016】
好適には、前記光素子は、前記光学伝送媒体の端部から出射された光学信号を受け入れる受光素子を含み、前記封止部材は、前記光学伝送媒体の端部から出射された光学信号を、前記受光素子に集める第2の面をさらに有する。
【0017】
好適には、前記封止部材は、前記光学信号に対して透明であって、当該封止部材と前記光学伝送媒体との間で前記光学信号を媒体する媒体と異なる屈折率を有する材料により構成される。
【0018】
[第2の光素子モジュールの説明]
以下、具体例を挙げて、第2の光素子モジュールをさらに説明するが、発明を具体化して理解を助けるためであって、本発明の技術的範囲を具体例に限定することを意図するものではない。
【0019】
第2の光素子モジュールは、例えば、リードフレーム(フレーム)上に配設された発光素子および受光素子(光素子)が、光ファイバ(光伝送媒体)と当該光素子モジュールとの間に存在する空気と異なる屈折率を有し、光学信号に対して透明な樹脂などで封止された構成を採る。
受光素子及び発光素子を封止する樹脂(封止部材)には、例えば、光ファイバ(光伝送媒体)の端面に対して所定の角度の切り欠きが、出射面(第1の面)として設けられる。
【0020】
この出射面(第1の面)の角度は、発光素子(光素子)から出射された光学信号が光ファイバ(光伝送媒体)の端面に入射するように、光ファイバ(光伝送媒体)の端面により反射された光学信号が受光素子(光素子)に戻らないように、かつ、樹脂(封止部材)の出射面(第1の面)の内側で反射された光学信号が受光素子(光素子)に戻らないように選ばれる。
【0021】
また、樹脂(封止部材)には、例えば、光ファイバから出射される光学信号を受光素子に集めるような形状に形成されたレンズが入射面(第2の面)として設けられ、光ファイバ(光伝送媒体)の端部から反射された光学信号を受光素子(光素子)に集めることにより、受光素子(光素子)が光学信号を効率よく電気的な信号に変換できるようにする。
【0022】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、図1(A),(B)を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、第1の実施形態として示す本発明にかかる第1の光素子モジュール20の構成を示す図であって、(A)は、光素子モジュール20をN個(N=8の場合を図示)用いた光素子アレイ1の構成を例示し、(B)は、(A)に示した光素子モジュール20−1〜20−Nそれぞれの構成を示す。
【0023】
図1(A)に例示するように、光素子モジュール20−1〜20−N(以下、これらを特定しない場合には光素子モジュール20と記載する)は、金属製のリードフレーム10上に等間隔で配設され、光素子アレイ1を構成する。
光素子アレイ1は、例えば、光学的に信号を伝送する複数の光ファイバ12(図1(B))と、電気的に信号を処理する電子回路との間で信号の形式を変換するインターフェースとして動作し、これらの間の信号を受け渡す。
【0024】
図1(B)に示すように、光素子モジュール20は、リードフレーム10上にベアチップの状態で配設されたレーザダイオード(LD)200、LD200と信号処理回路等の電子回路(図示せず)とを接続するボンディングワイヤ14、LD200を封止する樹脂形成部220、および、樹脂形成部220の表面の出射面240から構成される。
光素子モジュール20は、これらの構成部分により、電気的な伝送信号を光学信号に変換し、光ファイバ12に対して出射する。
【0025】
[LD200]
光素子モジュール20において、LD200は、例えば20μmの口径のレーザーダイオード(LD)あるいは発光ダイオードであって、電子回路(図示せず)からボンディングワイヤ14を介して入力される電気的な伝送信号を光学信号に変換し、樹脂形成部220の表面の出射面240を介して光ファイバ12の端面に対して出射する。
【0026】
[樹脂形成部220]
樹脂形成部220は、LD200が出射する光学信号に対して透明な樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)といった材料を、金型形成して作られる。
樹脂形成部220は、リードフレーム10に配設されたLD200を封止し、LD200が出射した光学信号を出射面240に導く。
【0027】
[出射面240]
樹脂形成部220の表面には、LD200から光ファイバ12に対して出射される光学信号の光軸に対して後述する角度θをとるように、また、LD200からの距離が、例えば300μmになるように、出射面240が、金型形成あるいは切り欠き形成等により形成される。
出射面240は、図1(B)に実線の矢印に示すように、LD200からの光学信号の大部分を光ファイバ12の端面に対して出射し、また、図1(B)に点線の矢印に示すように、LD200からの光学信号の一部を、角度φで反射する。
角度θを後述するように適切に選ぶことにより、出射面240による反射光は、LD200に返ることはない。
【0028】
[光ファイバ12]
光ファイバ12は、図1(B)に実線の矢印で示すように、光素子モジュール20の出射面240から端面に入射した光学的な伝送信号を、その長手方向の軸(長軸)に沿った方向に伝送し、光ファイバ12の他端(図示せず)から出射する。
また、光ファイバ12は、図2以降を参照して後述するように、光ファイバ12の他端(図示せず)から入射した光学的な伝送信号を長軸に沿って伝送し、光素子モジュール20に対して出射する。
【0029】
なお、光ファイバ12と光素子モジュール20の樹脂形成部220(出射面240)との間には、少なくとも樹脂形成部220とは異なる屈折率の物質、例えば、空気あるいはシリコンオイルが存在し、この物質と樹脂形成部220との屈折率の差により、図1(B)に点線の矢印で示すように、LD200から光ファイバ12に対して出射される光学信号の一部が出射面240の内側で反射される。
【0030】
また、光ファイバ12と光素子モジュール20との間の物質の屈折率は、通常、光ファイバ12の屈折率とも異なっており、このため、図4等を参照して後述するように、光素子モジュール20から光ファイバ12に出射された光学信号の一部が反射される。
なお、以下、この明細書において、この物質が空気である場合を具体例とし、その屈折率を1で近似する。
【0031】
[角度θの説明]
以下、図1(B)に示した出射面240の角度θは、下記の条件1,2を満たす必要がある。
【0032】
[条件1]
出射面240から光学信号が出射するためには、角度(π/2−θ)は、臨界角以上でなくてはならない。
樹脂形成部220の材料が、上述のようにPMMAであると、その屈折率は1.49であり、上述のように空気の屈折率をほぼ1とすると、下式1−1〜1−3から、臨界角θTは、47.85°と求められる。
【0033】
【数1】
SinφT=1/1.49 (1−1)
φT=π/2−θT (1−2)
θT=π/2−θ (1−3)
【0034】
[条件2]
出射面240により反射される光学信号がLD200に戻らないように、角度θは、図1(B)に示した角度φから求められる境界角度θR以下でなければならない。
従って、下式2−1,2−2より境界角度θRは88.31°と求められる。
【0035】
【数2】
θR=90°−φ/2 (2−1)
φ=Tan-1(20[μm]/300[μm])
φ=3.38°
【0036】
従って、角度θ(θT<θ<θR)は、上記条件1,2より、47.85°〜88.31°の範囲内から選べばよいことがわかり、例えば、角度θとして60°が選ばれる。
【0037】
[光素子モジュール20の動作]
以下、光素子モジュール20の動作を説明する。
光素子モジュール20のLD200は、電子回路(図示せず)から入力される電気的な伝送信号を光学信号に変換し、樹脂形成部220の表面の出射面240に対して出射する。
出射面240は、図1(B)に実線の矢印で示すように、LD200からの光学信号の大部分を通過させて光ファイバ12の端面に対して出射し、また、図1(B)に点線の矢印で示すように、LD200からの光学信号の一部を、LD200に返らない角度φで反射する。
出射面240から光ファイバ12の端面に入射した光学信号は、光ファイバ12の他端に対して伝送される。
【0038】
なお、光ファイバ12の端面より反射される光学信号は、光ファイバ12の端面での反射による減衰、出射面240の反射による減衰によって光量が減衰し、LD200においてノイズ発生の原因とはならない。
【0039】
[変形例]
なお、以上の第1の実施形態においては、光素子アレイ1の光素子モジュール20−1〜20−Nそれぞれに樹脂形成部220を設ける場合を具体例としたが、光素子アレイ1の光素子モジュール20−1〜20−N全体を、1つの樹脂形成部220で封止してもよい(以下の各実施形態においても同様)。
また、上述した樹脂形成部220の材料、LD200の口径、LD200と出射面240との距離などは例示であって、LD200が出射する光の波長、光素子モジュール20の用途などに応じて、適宜、変更されうる(以下の各実施形態においても同様)。
また、上述した出射面240の光軸に対する角度θは、LD200の口径に応じて、適宜、変更されうる(以下の各実施形態においても同様)。
【0040】
[第2実施形例]
以下、図2を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
図2は、第2の実施形態として示す本発明にかかる第2の光素子モジュール22の構成を示す図である。
なお、図2において、図1に示した光素子モジュール20と共通の構成要素には同じ符号が付してある。
図2に示すように、光素子モジュール22は、LD200、フォトダイオード(PD)210、樹脂形成部222、樹脂形成部222の表面に形成された出射面242および入射面入射面262、および、ボンディングワイヤ14,ボンディングワイヤ16から構成される。
つまり、光素子モジュール22は、図1(B)に示した光素子モジュール20にPD210を加え、樹脂形成部220の形状を変形して樹脂形成部222とし、樹脂形成部222の表面に、出射面240と同様な出射面242に加え、入射面262を設けた構成をとる。
【0041】
光素子モジュール22は、例えば、図1(A)に示した光素子アレイ1において、光素子モジュール20の代わりに用いられる。
光素子モジュール22は、これらの構成要素により、光ファイバ12と信号処理回路等の電子回路(図示せず)との間のインターフェースを行う。
詳細には、光素子モジュール22は、電子回路(図示せず)から入力される電気的な信号を、光学的な信号に変換して、光ファイバ12の端面に対して出射するという光素子モジュール20と同様な動作に加え、光ファイバ12から入射する光学信号を電気的な信号に変換し、電子回路(図示せず)に対して出力する動作を行う。
【0042】
[PD210]
PD210は、Pinダイオードあるいはショットキダイオードであって、LD200と同様にベアチップの状態でリードフレーム10上に配設され、ボンディングワイヤ16を介して電子回路(図示せず)に接続され、光ファイバ12の端面から出射され、樹脂形成部222表面の入射面262から入射した光学信号を電気的な信号に変換し、電子回路(図示せず)に対して出力する。
【0043】
[樹脂形成部222]
樹脂形成部222は、樹脂形成部220(図1(B))と同様な材料が、樹脂形成部220と同様な方法で形成されて作られる。
樹脂形成部222は、樹脂形成部220と同様に、リードフレーム10上に配設されたLD200およびPD210を封止し、LD200が出射した光学信号を出射面242から光ファイバ12の端面に対して出射する他に、光ファイバ12の端面から入射面262に入射される光学信号をPD210に導く。
【0044】
[出射面242]
出射面242は、樹脂形成部222の表面に、出射面240と同様な方法で、LD200が出射する光学信号の光軸に対して、上述した角度θとなるように、また、LD200からの距離が、例えば300μmになるように形成される。
出射面242は、出射面240(図1(B))と同様に、図2に実線の矢印に示すように、LD200からの光学信号の大部分を光ファイバ12の端面に対して出射し、また、図2に点線の矢印に示すように、LD200からの光学信号の一部を、PD210と反対の方向に角度φで反射する。
【0045】
[入射面262]
入射面262は、樹脂形成部222の表面に、出射面240,242と同様な方法で、光ファイバ12から入射する光学信号の光軸に対して、ほぼ直角になるように形成される。
入射面262は、図2に太い矢印に示すように、光ファイバ12の端面から出射された光学信号を通過させてPD210の受光面に導く。
【0046】
[光素子モジュール22の送信動作]
以下、光素子モジュール22が光学信号を送信する動作を説明する。
光素子モジュール22のLD200は、電子回路(図示せず)から入力される電気的な伝送信号を光学信号に変換し、樹脂形成部222の表面の出射面242に対して出射する。
出射面242は、出射面240と同様に、図2に実線の矢印で示すように、LD200からの光学信号の大部分を通過させて光ファイバ12の端面に対して出射し、また、図2に点線の矢印で示すように、LD200からの光学信号の一部を、PD210とは異なる方向に、LD200に返らない角度φで反射する。
出射面242から光ファイバ12の端面に入射した光学信号は、光ファイバ12の他端に対して伝送される。
【0047】
[光素子モジュール22の受信動作]
以下、光素子モジュール22が光学信号を受信する動作を説明する。
光ファイバ12の他端から伝送され、図2に太い矢印で示すように端面から出射された光学信号は、入射面262から樹脂形成部222に入射し、PD210に入射する。
PD210は、入射した光学信号を電気的な信号に変換し、電子回路(図示せず)に対して出力する。
【0048】
[第3実施形態]
以下、図3を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。
図3は、第3の実施形態として示す本発明にかかる第3の光素子モジュール24の構成を示す図である。
なお、図3において、図1(B)および図2に示した光素子モジュール20,22と共通の構成要素には同じ符号が付してある。
【0049】
図3に示すように、光素子モジュール24は、LD200、PD210、樹脂形成部224、樹脂形成部224の表面に形成された出射面244および入射面264、および、ボンディングワイヤ14,ボンディングワイヤ16から構成される。
つまり、光素子モジュール24は、図2に示した光素子モジュール22の樹脂形成部222の形状を変形して樹脂形成部224とし、樹脂形成部222の表面に、出射面242と同様な出射面244を設け、入射面262の代わりに入射面264を設けた構成をとる。
光素子モジュール24も、光素子モジュール22(図2)と同様に、図1(A)に示した光素子アレイ1において、光素子モジュール20の代わりに用いられる。
光素子モジュール24は、これらの構成要素により、光ファイバ12と信号処理回路等の電子回路(図示せず)との間のインターフェースを行う。
つまり、光素子モジュール24は、光素子モジュール22と同様に、電子回路(図示せず)から入力される電気的な信号を、光学的な信号に変換して、光ファイバ12の端面に対して出射し、光ファイバ12から入射する光学信号を電気的な信号に変換し、電子回路(図示せず)に対して出力する。
【0050】
[樹脂形成部224]
樹脂形成部224は、樹脂形成部220,222(図1(B),図2)と同様な材料が、樹脂形成部220,222と同様な方法で形成されて作られる。
樹脂形成部224は、樹脂形成部220,222と同様に、リードフレーム10上に配設されたLD200およびPD210を封止し、LD200が出射した光学信号を出射面244から光ファイバ12の端面に対して出射し、光ファイバ12の端面から入射面264に入射される光学信号を集めてPD210に導く。
【0051】
[出射面244]
出射面244は、樹脂形成部220,222の表面に、出射面240,242と同様な方法で、LD200が出射する光学信号の光軸に対して、上述した角度θとなるように、また、LD200からの距離が、例えば300μmになるように形成される。
出射面244は、出射面240,242(図1(B),図2)と同様に、図3に実線の矢印に示すように、LD200からの光学信号の大部分を光ファイバ12の端面に対して出射し、また、図3に点線の矢印に示すように、LD200からの光学信号の一部を、PD210と反対の方向に角度φで反射する。
【0052】
[入射面264]
入射面264は、樹脂形成部222の表面に、出射面240,242および入射面262と同様な方法で、図3に示すように、光ファイバ12の端面から出射し、PD210に入射する光学信号の光軸に対して位置合せされたと凸レンズの形状に形成される。
入射面264は、図3に太い矢印に示すように、光ファイバ12の端面から出射された光学信号を集光し、PD210の受光面に導く。
【0053】
[光素子モジュール24の受信動作]
光素子モジュール24が光学信号を送信する動作は、光素子モジュール22(図2)と同様なので説明を省略し、以下、光素子モジュール24が光学信号を受信する動作を説明する。
光ファイバ12の他端から伝送され、図3に太い矢印で示すように端面から出射された光学信号は、樹脂形成部224の表面の入射面264により集光され、PD210に入射する。
PD210は、入射した光学信号を電気的な信号に変換し、電子回路(図示せず)に対して出力する。
【0054】
[第4実施形態]
以下、図4を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。
図4は、第4の実施形態として示す本発明にかかる第4の光素子モジュール26の構成を示す図である。
なお、図4において、図1(B)〜図3に示した光素子モジュール20〜24と共通の構成要素には同じ符号が付してある。
【0055】
図4に示すように、光素子モジュール26は、LD202、PD210、保持部材280およびボンディングワイヤ14,16から構成される。
つまり、光素子モジュール26は、図1(B)〜図3に示した光素子モジュール22〜24から樹脂形成部220〜226を取り去り、保持部材280を加え、LD200をLD202で置換した構成をとる。
【0056】
光素子モジュール26も、光素子モジュール22,24(図2,3)と同様に、図1(A)に示した光素子アレイ1において、光素子モジュール20の代わりに用いられる。
光素子モジュール26は、これらの構成要素により、光ファイバ12と信号処理回路等の電子回路(図示せず)との間のインターフェースを行う。
つまり、光素子モジュール26は、光素子モジュール22,24と同様に、電子回路(図示せず)から入力される電気的な信号を、光学的な信号に変換して、光ファイバ12の端面に対して出射し、光ファイバ12から入射する光学信号を電気的な信号に変換し、電子回路(図示せず)に対して出力する。
【0057】
[LD202]
LD202は、図4に示すように、LD200と同様なレーザダイオード(LD)であって、接着剤等の保持部材280により、リードフレーム10に対して斜めに、光ファイバ12の光軸に対して、出射する光学信号の光軸が、下記条件を満たす角度ψとなるように配設される。
LD202は、LD200と同様に、ボンディングワイヤ14により電子回路(図示せず)と接続され、電子回路から入力される電気的な信号を光学信号に変換し、光ファイバ12の端面の中心に対して出射する。
【0058】
[角度ψの条件]
角度ψは、LD202の発光面の中心と、PD210の受光面の中心との距離を|X1−X2|とし、PD210の受光面の半径をrとし、PD210およびLD202から光ファイバ12の端面までの距離をdとして、下式3の条件を満たす。
【0059】
【数3】
|X1−X2|+r<2dTanψ (3)
【0060】
つまり、角度ψは、光ファイバ12の端面で反射された光学信号が、PD210の受光面を超えた位置に反射され、PD210の受光面に当たらないような角度に選ばれる。
【0061】
[PD210]
PD210は、光素子モジュール22,24(図2,3)においてと同じ構成要素であるが、光素子モジュール22,24においてと異なり、図4に太い矢印で示すように、受光面が光ファイバ12の中心軸に合うように、つまり、光ファイバ12の端面から出射される光学信号を、高能率で電気的な信号に変換可能なように位置合わせされてリードフレーム10に配設される。
【0062】
[光素子モジュール26の送信動作]
以下、光素子モジュール26が光学信号を送信する動作を説明する。
光素子モジュール26のLD202は、電子回路(図示せず)から入力される電気的な伝送信号を光学信号に変換し、光ファイバ12の光軸に対して角度ψで光ファイバ12の端面に対して出射する。
LD202から光ファイバ12の端面に入射した光学信号の大部分は、光ファイバ12の他端に対して伝送され、その一部は、光ファイバ12の端面でPD210に当たらない角度で反射される。
【0063】
[光素子モジュール26の受信動作]
以下、光素子モジュール26が光学信号を受信する動作を説明する。
光ファイバ12の他端から伝送され、図4に太い矢印で示すように、光ファイバ12の中心軸に沿って端面から出射された光学信号は、PD210に入射する。
PD210は、入射した光学信号を高能率に電気的な信号に変換し、電子回路(図示せず)に対して出力する。
【0064】
[光素子モジュール26の特徴]
光素子モジュール26は、光素子モジュール20〜24と同様に、LD202から出射された光学信号が光ファイバ12の端面で反射されても、反射光がLD202自身およびPD210のいずれにも返ってこない。
従って、光ファイバ12の端面により反射された光学信号は、LD202に対してもPD210に対しても悪影響を及ぼさず、ノイズを発生させることもない。
また、PD210は、信号が最も強く出射される光ファイバ12の中心軸に、その受光面が合うように位置決めされているので、光ファイバ12と強く光学的に結合され、PD210の変換効率を上げることができる。
【0065】
[第5実施形態]
以下、図5および図6を参照して本発明の第5の実施形態を説明する。
図5は、第5の実施形態として示す本発明にかかる第5の光素子モジュール28、および、第6の実施形態として後述する本発明にかかる第6の光素子モジュール30の構成を示す図である。
図6は、図5に示した光素子モジュール28を、X→X’の方向に見た構成を示す図である。
なお、図5および図6において、図1〜4に示した光素子モジュール20〜26と共通の構成要素には同じ符号が付してある。
図5および図6に示すように、光素子モジュール28は、LD200、PD210、樹脂形成部228、樹脂形成部228の表面に形成された出射面248および入射面268、および、ボンディングワイヤ14,ボンディングワイヤ16から構成される。
つまり、光素子モジュール28は、図1〜3に示した光素子モジュール20〜24の樹脂形成部220〜224の形状を変形して樹脂形成部228とし、樹脂形成部228の表面に、図2に示した光素子モジュール22の入射面262と同様な入射面268を設け、さらに、新たな形状の出射面248を設けた構成をとる。
【0066】
光素子モジュール28は、これまで説明した光素子モジュール22〜26(図2〜4)と同様に、例えば、図1(A)に示した光素子アレイ1において、光素子モジュール20の代わりに用いられる。
光素子モジュール28は、これらの構成要素により、光素子モジュール22〜26(図2〜4)と同様に、光ファイバ12と信号処理回路等の電子回路(図示せず)との間のインターフェースを行う。
【0067】
[PD210]
PD210は、光素子モジュール26(図4)においてと同様に、図5および図6に太い矢印で示すように、受光面が光ファイバ12の中心軸に合うように位置合わせされてリードフレーム10に配設される。
【0068】
[出射面248]
出射面248は、光素子モジュール20(図1(B))の出射面240等と同様な形成方法により凸形のシンドリカルレンズの形に形成される。
出射面248は、図5に実線で示すように、LD200が出射した光学信号を屈折させ、光ファイバ12の端面の中心に導くように、LD200の光軸および光ファイバ12の端面に対して位置合わせされる。
【0069】
[入射面268]
入射面268は、図5および図6に太い矢印で示すように、光ファイバ12の端面からPD210に入射する光学信号の光軸に対してほぼ垂直な面として形成される。
入射面268は、光素子モジュール22の入射面262(図2)と同様に、光ファイバ12から出射された光学信号を通過させて、PD210に導く。
【0070】
[光素子モジュール28の送信動作]
以下、光素子モジュール28が光学信号を送信する動作を説明する。
光素子モジュール28のLD200は、電子回路(図示せず)から入力される電気的な伝送信号を光学信号に変換し、樹脂形成部228の表面の出射面248に対して出射する。
【0071】
出射面248は、図5に実線で示すように、LD200からの光学信号を屈折させて光ファイバ12の端面の中心に導く。
出射面248から光ファイバ12の端面に入射した光学信号の大部分は、光ファイバ12の他端に対して伝送され、その一部は、図5に点線の矢印で示すように、光ファイバ12の端面により、LD200にもPD210にも当たらない方向に反射される。
【0072】
[光素子モジュール28の受信動作]
以下、光素子モジュール28が光学信号を受信する動作を説明する。
光ファイバ12の他端から伝送され、図に太い矢印で示すように端面から出射された光学信号は、入射面268から樹脂形成部228に入射し、PD210に入射する。
PD210は、入射した光学信号を電気的な信号に変換し、電子回路(図示せず)に対して出力する。
【0073】
[光素子モジュール28の特徴]
光素子モジュール28は、光素子モジュール20〜26と同様に、LD200から出射された光学信号が光ファイバ12の端面で反射されても、反射光がLD202自身およびPD210のいずれにも返ってこない。
従って、光ファイバ12の端面により反射された光学信号は、LD202に対してもPD210に対しても悪影響を及ぼさず、ノイズを発生させることもない。
また、PD210は、光素子モジュール26(図4)においてと同様に、信号が最も強く出射される光ファイバ12の中心軸に、その受光面が合うように位置決めされているので、光ファイバ12と強く光学的に結合され、PD210の変換効率を上げることができる。
【0074】
[第6実施形態]
以下、図5および図7を参照して本発明の第6の実施形態を説明する。
図7は、第6の実施形態として示す本発明にかかる第6の光素子モジュール30の構成を示す図である。
なお、光素子モジュール28と同じ方向から見た場合の光素子モジュール30の構成は、図5に示した光素子モジュール28の構成と同様である。
図7において、図1〜6に示した光素子モジュール20〜28と共通の構成要素には同じ符号が付してある。
図5および図7に示すように、光素子モジュール30は、LD200、PD210、樹脂形成部228、樹脂形成部228の表面に形成された出射面248および入射面268、および、ボンディングワイヤ14,ボンディングワイヤ16から構成される。
つまり、光素子モジュール30は、図5,6に示した光素子モジュール28の樹脂形成部228の形状を変形して樹脂形成部230とし、樹脂形成部230の表面に、出射面248の代わりに、新たな形状の出射面250を設けた構成をとる。
【0075】
光素子モジュール30は、これまで説明した光素子モジュール22〜28(図2〜6)と同様に、例えば、図1(A)に示した光素子アレイ1において、光素子モジュール20の代わりに用いられる。
光素子モジュール28は、これらの構成要素により、光素子モジュール22〜28(図2〜6)と同様に、光ファイバ12と信号処理回路等の電子回路(図示せず)との間のインターフェースを行う。
【0076】
[出射面250]
出射面250は、光素子モジュール20(図1(B))の出射面240等と同様な形成方法により、図7に示すように、凸形の1/4球の集光レンズの形に形成される。
出射面250は、図5に実線で示すように、LD200が出射した光学信号を屈折させさらに集光して光ファイバ12の端面の中心に導くように、LD200の光軸および光ファイバ12の端面に対して位置合わせされる。
【0077】
[光素子モジュール28の送信動作]
以下、光素子モジュール28が光学信号を送信する動作を説明する。
光素子モジュール30のLD200は、電子回路(図示せず)から入力される電気的な伝送信号を光学信号に変換し、樹脂形成部230の表面の出射面250に対して出射する。
出射面250は、図5に実線で示すように、LD200からの光学信号を屈折させ、さらに集光して、て光ファイバ12の端面の中心に導く。
【0078】
出射面248から光ファイバ12の端面に入射した光学信号の大部分は、光ファイバ12の他端に対して伝送され、その一部は、図5に点線の矢印で示すように、光ファイバ12の端面により、LD200にもPD210にも当たらない方向に反射される。
なお、光素子モジュール30の受信動作は、光素子モジュール28の受信動作と同様なので、説明を省略する。
【0079】
[光素子モジュール30の特徴]
光素子モジュール30は、光素子モジュール28と同様な特徴を有する他、LD200から出射された光学信号を集光して光ファイバ12の端面の中心に導くので、光素子モジュール28においてよりも、光ファイバ12とLD200との光学的な結合をさらに高めることができる特徴を有する。
【0080】
[第7実施形態]
以下、図8を参照して本発明の第7の実施形態を説明する。
図8は、第7の実施形態として示す本発明にかかる第7の光素子モジュール32の構成を示す図である。
なお、図8において、図1(B)〜図7に示した光素子モジュール20〜30と共通の構成要素には同じ符号が付してある。
【0081】
図8に示すように、光素子モジュール32は、LD202、PD210、樹脂形成部232、樹脂形成部232の表面に形成された出射面252および入射面272、保持部材280、および、ボンディングワイヤ14,ボンディングワイヤ16から構成される。
つまり、光素子モジュール32は、図4に示した光素子モジュール26のLD202およびPD210を、図1(B)に示した光素子モジュール22の樹脂形成部220等と同様な材料および形成方法により作られた樹脂形成部232により封止し、樹脂形成部232の表面に、光素子モジュール22,28,30(図2,図5〜7)の入射面262,268と同様な形状の出射面252、および、光素子モジュール24(図3)の入射面264と同様な入射面272を設けた構成を採る。
【0082】
光素子モジュール32も、光素子モジュール22〜30(図2〜7)と同様に、図1(A)に示した光素子アレイ1において、光素子モジュール20の代わりに用いられる。
光素子モジュール32は、これらの構成要素により、光素子モジュール22〜30と同様に、光ファイバ12と信号処理回路等の電子回路(図示せず)との間のインターフェースを行う。
【0083】
[出射面252]
出射面252は、樹脂形成部232の表面に、入射面262(図2)等と同様な方法で、リードフレーム10の部品搭載面とほぼ平行な面となるように形成される。
入射面262は、図8に太い矢印に示すように、LD202が、リードフレーム10に対して斜めの方向に出射した光学信号を通過させ、光ファイバ12の端面の中心に導く。
【0084】
[入射面272]
入射面272は、樹脂形成部232の表面に、入射面264(図3)等と同様な方法で、図8に示すように、光ファイバ12の端面から出射し、PD210に入射する光学信号の光軸に対して位置合せされたと凸レンズの形状に形成される。
入射面272は、図8に太い矢印に示すように、光ファイバ12の端面から出射された光学信号を集光し、PD210の受光面に導く。
【0085】
[光素子モジュール32の送信動作]
以下、光素子モジュール32が光学信号を送信する動作を説明する。
光素子モジュール32のLD202は、電子回路(図示せず)から入力される電気的な伝送信号を光学信号に変換し、樹脂形成部232の表面の出射面252に対して出射する。
【0086】
出射面252は、図8に実線の矢印で示すように、LD200からの光学信号を通過させて光ファイバ12の端面の中心に向けて出射する。
出射面252から光ファイバ12の端面の中心に入射した光学信号は、光ファイバ12の他端に対して伝送される。
【0087】
[光素子モジュール32の受信動作]
以下、光素子モジュール32が光学信号を受信する動作を説明する。
光ファイバ12の他端から伝送され、図8に太い矢印で示すように端面から出射された光学信号は、入射面272により集光されて樹脂形成部232に入射し、PD210に入射する。
PD210は、入射した光学信号を電気的な信号に変換し、電子回路(図示せず)に対して出力する。
なお、光素子モジュール32も、光素子モジュール30(図5,7)と同様な特徴を有している。
【0088】
[第8実施形態]
以下、図9を参照して本発明の第8の実施形態を説明する。
図9は、第8の実施形態として示す本発明にかかる第8の光素子モジュール34の構成を示す図である。
なお、図9において、図1(B)〜図8に示した光素子モジュール20〜32と共通の構成要素には同じ符号が付してある。
【0089】
図9に示すように、光素子モジュール34は、LD200、PD210、樹脂形成部234、樹脂形成部234の表面に形成された出射面254および入射面274、および、ボンディングワイヤ14,ボンディングワイヤ16から構成される。
つまり、光素子モジュール34は、図5〜7に示した光素子モジュール28,30の樹脂形成部228,230等の形状を変更して樹脂形成部234とし、樹脂形成部234の表面に、光素子モジュール28,30の出射面248と同様な形状の出射面254、および、光素子モジュール24(図3)の入射面264と同様な入射面272を設けた構成を採る。
【0090】
光素子モジュール34も、光素子モジュール22〜32(図2〜8)と同様に、図1(A)に示した光素子アレイ1において、光素子モジュール20の代わりに用いられる。
光素子モジュール34は、これらの構成要素により、光素子モジュール22〜32と同様に、光ファイバ12と信号処理回路等の電子回路(図示せず)との間のインターフェースを行う。
【0091】
[出射面254]
出射面254は、光素子モジュール28,30(図5〜7)の出射面248,250と同様な形成方法により、凸形のシンドリカルレンズあるいは凸形の1/4球の集光レンズの形に形成される。
出射面254は、図9に実線で示すように、LD200が出射した光学信号を屈折させ、光ファイバ12の端面の中心に導くように、LD200の光軸および光ファイバ12の端面に対して位置合わせされる。
【0092】
[入射面274]
入射面274は、樹脂形成部234の表面に、入射面264,272(図3,8)等と同様に、図9に示すように、光ファイバ12の端面から出射し、PD210に入射する光学信号の光軸に対して位置合せされたと凸レンズの形状に形成される。
入射面274は、図9に太い矢印に示すように、光ファイバ12の端面から出射された光学信号を集光し、PD210の受光面に導く。
【0093】
光素子モジュール34の送信動作および受信動作は、光素子モジュール32(図32)と同様なので説明を省略する。
なお、光素子モジュール34も、光素子モジュール32と同様な特徴を有し、特に、出射面254を集光レンズの形状にした場合、光ファイバ12とPD210との光学的結合を、光素子モジュール32においてよりも強めることができる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる光素子モジュールによれば、光素子から出力された光学信号が、光伝送媒体あるいは封止体等により反射されて、光素子に返ってくることがないようにして、ノイズの発生を抑えることができる。
また、本発明にかかる光素子モジュールによれば、発光素子から受光素子への光の照射を少なくするとともに、発光素子自体に反射光が戻ることをも防ぐことができる。
【0095】
また、本発明にかかる光素子モジュールによれば、光伝送媒体と受光素子および発光素子の結合を高め、これらの効率を高めることができる。
また、本発明にかかる光素子モジュールは、封止体の溝あるいは反射防止膜の形成が必要でなく、製造工程が簡単で製造コストが安い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態として示す本発明にかかる第1の光素子モジュールの構成を示す図であって、(A)は、光素子モジュールをN個用いた光素子アレイ1の構成を例示し、(B)は、(A)に示した光素子モジュールそれぞれの構成を示す。
【図2】第2の実施形態として示す本発明にかかる第2の光素子モジュールの構成を示す図である。
【図3】第3の実施形態として示す本発明にかかる第3の光素子モジュールの構成を示す図である。
【図4】第4の実施形態として示す本発明にかかる第4の光素子モジュールの構成を示す図である。
【図5】第5,6の実施形態として示す本発明にかかる第5,6の光素子モジュールの構成を示す図である。
【図6】図5に示した第5の光素子モジュールを、X→X’の方向に見た構成を示す図である。
【図7】図5に示した第6の光素子モジュールを、X→X’の方向に見た構成を示す図である。
【図8】第7の実施形態として示す本発明にかかる第7の光素子モジュールの構成を示す図である。
【図9】第8の実施形態として示す本発明にかかる第8の光素子モジュール32の構成を示す図である。
【符号の説明】
1・・・光素子アレイ
10・・・リードフレーム
12・・・光ファイバ
14,16・・・ボンディングワイヤ
20〜34・・・・光素子モジュール
200,202・・・LD
210・・・PD
220〜234・・・樹脂形成部
240〜254・・・出射面
262〜274・・・入射面
280・・・保持部材
Claims (5)
- 光学伝送媒体において光信号が入出力される端面に対して、光学信号を出力し、前記光学伝送媒体の端部から出射される光信号を受信する光素子モジュールであって、
前記光学伝送媒体の端部に対して、光学信号を出力する発光素子と、
前記光学伝送媒体の端部から出射される光学信号を受ける受光素子と、
前記発光素子および前記受光素子と、前記光学伝送媒体の端部との間で、光学信号を入出力可能に、前記発光素子と前記受光素子とを一体に封止する封止部材と
を有し、
前記封止部材において、
前記光学信号が、前記発光素子から前記光学伝送媒体の端面に対して出射される部分は、前記光学伝送媒体の端面に対して所定の角度を取るように形成され、
前記光学信号が、前記光学伝送媒体の端面から前記受光素子に対して出射される部分は、前記光学伝送媒体の端面に対して、実質的に平行となるように、または、前記光学伝送媒体の端面から出射される光学信号を、前記受光素子に集光するレンズ状に形成される
光素子モジュール。 - 前記封止部材において、前記光学信号が、前記発光素子から前記光学伝送媒体の端面に対して出射される部分の角度は、この部分により、前記光学信号が、前記発光素子および前記受光素子以外の方向に反射されるように決められる
請求項1に記載の光素子モジュール。 - 前記光学信号が、前記光学伝送媒体の端面から前記受光素子に対して出射される部分は、前記光学伝送媒体の端面に対して、実質的に平行となるように形成される
請求項1または2に記載の光素子モジュール。 - 前記光学信号が、前記光学伝送媒体の端面から前記受光素子に対して出射される部分は、前記光学伝送媒体の端面から出射される光学信号を、前記受光素子に集光するレンズ状に形成される
請求項1または2に記載の光素子モジュール。 - 前記光学信号が、前記光学伝送媒体の端面から前記受光素子に対して出射される部分は、前記光学伝送媒体の端面に対して、実質的に平行となるように形成され、
前記光学信号が、前記発光素子から前記光学伝送媒体の端面に対して出射される部分は、前記光学伝送媒体の端面から前記受光素子に対して出射される部分に対して連続的で、前記光学伝送媒体の端面に対して、所定の角度を取る形状に形成される
請求項1〜3のいずれかに記載の光素子モジュール。
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