JP4054664B2 - ビッカース硬さ試験機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビッカース硬さ試験機に係り、特に、複数の対物レンズを切り替えて使用するビッカース硬さ試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のビッカース硬さ試験機100を図10〜12に基づいて説明する。図10は従来のビッカース硬さ試験機100の正面図を示し、図11はビッカース硬さ試験機100の要部の側面に沿った断面図であり、図12は圧痕が形成された試料を従来のビッカース硬さ試験機100により観察した像を示す説明図である。
【0003】
図10に示すように、従来のビッカース硬さ試験機100は、硬さ試験の対象物である試料Sを載置する試料台102と、この試料台102を昇降させる昇降機構121と、試料台102上の試料Sに対して圧痕の形成を行う圧痕形成手段123と、試料Sに向けて配置される第一と第二の対物レンズ105,106と、各対物レンズ105,106を保持すると共にこれらを選択的に試料台102上の試料Sに対する観察位置に位置決めするターレット140と、圧痕の測定を行う測定手段130と、圧痕Mの撮像を行うCCDカメラ150と、上記各部を支持する装置フレーム103とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記ターレット140は、図11に示すように、試料台102の上方において垂直方向を回転軸として回転自在にフレーム103に支持されている。このターレット140は、その回転軸を中心とする同一円周上で第一と第二の対物レンズ105,106及び圧痕形成手段123のダイヤモンド圧子124を支持している。
【0005】
そして、この円周上の所定の一点の垂直下方が、試料台102上における試料Sの設置位置と一致するように設定されている。つまり、ターレット140の回転操作により上述の円周上の所定の一点(この点を観察位置とする)に第一と第二の対物レンズ105,106又はダイヤモンド圧子124を位置決めすることで、試料Sの圧痕観察を行ったり、圧痕形成を行ったりする。
【0006】
圧痕形成手段123はダイヤモンド圧子124を上下方向に往復移動可能に支持している。かかる圧痕形成手段123をターレット140により観察位置に位置決めすると、その上方にある図示しない圧子押し付け機構によりダイヤモンド圧子124を所定の押し付け力で下方に押し付ける。これによりダイヤモンド圧子124の先端部が試料Sに押し付けられて圧痕が形成される。
【0007】
各対物レンズ105,106はそれぞれレンズ鏡筒107,108に保持されている。そして、これらのレンズ鏡筒107,108はいずれもその内側上部にミラーを備えており、観察位置に位置決めされると、対物レンズ105,106の光軸を通過する光を装置フレーム103に支持された光路管109側に反射するようになっている。
【0008】
光路管109の光入射側とは反対側の端部にはCCDカメラ150が設けられており(図11では図示略)、その途中には、測定手段130が設けられている。上記CCDカメラ150は、圧痕M及び測定線L1,L2の像を撮像し、装置外部の図示しない情報処理装置に撮像信号を出力し、情報処理装置は撮像信号に基づいてモニタ出力を行う。
【0009】
測定手段130は、図12に示すように、CCDカメラ150の視界内で測定線L1,L2の像を形成し、圧痕Mと共に撮像させる。また、これら測定線L1,L2の像はいずれも調節ツマミを操作して圧痕Mの像の両側で左右に移動させることができ、測定の際には、圧痕Mの像の左右の端部にそれぞれ測定線L1,L2の位置決めを行う。また、測定手段130は90[°]回転させることが可能であり、圧痕Mの像の上下の端部にそれぞれ測定線L1,L2の位置決めを行うこともできる。そして、各調節ツマミにはその操作量を検出するエンコーダが装備されており、検出した操作量を情報処理装置に出力する。
【0010】
情報処理装置は、各エンコーダからの出力により各測定線L1,L2の位置を認識し、それらの間隔距離を算出する。これにより、圧痕Mの左右幅と上下幅を取得することができ、これらにより圧痕Mの面積を求め、圧痕形成の際のダイヤモンド圧子124の加圧量からビッカース硬さを算出する。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−310869号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、各対物レンズ105,106は、各レンズ鏡筒107,108を介してターレット140に同焦点となるように支持されている。つまり、いずれか一方の対物レンズの焦点合わせを行えばターレット104を回転させて他方の対物レンズを使用する際にも当該他方のレンズについても焦点が合ってしまうように図9のΔHの距離が設定されている。
しかしその場合、対物レンズ105と対物レンズ106とでは、それぞれの光学的筒長(対物レンズの後側焦点からCCDカメラの光学系の前側焦点までの距離)に差を生じることとなる。その結果、それぞれの対物レンズ105,106で同じ圧痕Mを撮像した場合に、CCDカメラにより撮像される圧痕Mの像の大きさが各対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさにならなくなるという不都合があった。図12の二点鎖線M‘は対物レンズのレンズ倍率に比例して表されるべき大きさを示し、実線は実際に撮像される大きさを示している。
【0013】
このため、上記従来のビッカース硬さ試験機100では、上記問題に対処するために、情報処理装置に補正プログラムを入力し、測定手段130により圧痕Mの幅を求める際に、各対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさとなるように数値の修正を行っていた。
しかし、上記解決方法は情報処理段階で実行されるため、測定手段が測定線の位置情報を出力し、情報処理装置がそれを処理するいわゆるデジタル方式のビッカース硬さ試験機でなければ対処することはできなかった。このため、従来は、情報処理装置を有しておらず、視認により測定を行う形式の測定手段を有するいわゆるアナログ方式のビッカース硬さ試験機では、複数の対物レンズを有し、切り替え使用することができないという不都合があった。
また、上記理由により、複数種の対物レンズをビッカース硬さ試験機に搭載しようとすると、デジタル式の測定手段と情報処理装置が不可欠となり、装置コストが急に高くなるという不都合もあった。
また、情報処理段階で補正を行うビッカース硬さ試験機の場合には、かかる補正プログラムやその記憶手段或いはその入力手段が必要となり、かかる面からも装置の生産性の低下を招く、という不都合があった。
【0014】
本発明は、情報処理に依らずに倍率の異なる複数の対物レンズごとの誤差を解消することを、その目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、圧痕(M)が形成された試料(S)を載置する試料台(2)と、試料に向けて配置される倍率が異なる複数の対物レンズ(5,15)と、各対物レンズを保持すると共にこれらを選択的に試料台上の試料に対する観察位置に位置決めするレンズ保持手段(4)と、選択された対物レンズを介して試料の観察を行うための観察手段(9)と、試料の圧痕の大きさを測定する測定手段(30)と、を備え、選択された対物レンズから観察手段までの間での光学的筒長を,光路を形成する部材(42,44)の伸縮により調節する筒長調節手段(50)を有し、筒長調節手段50は、いずれも光路を形成する部材であって,一方が他方の内側に挿入可能な二つの筒状体(42,44)と、二つの筒状体の互いに相対する周面間に設けられ,外側となる筒状体の回転操作により各筒状体をそれらの中心線方向に沿って相対的に移動させる移動機構(55)とを有し、各対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさの圧痕の像を観察手段で観察するための調節位置を示す指標(81,82,83)を各対物レンズごとに備えている、という構成を採っている。
【0016】
上記構成では、レンズ保持手段により対物レンズを選択し、試料台上の試料の圧痕を観察手段を介して観察し、測定手段により圧痕の大きさを測定する。かかる観察手段は、例えば、CCDカメラや接眼レンズであっても良い。また、測定手段は前述したデジタル式でもアナログ式でも良い。
さらに、レンズ保持手段により他の対物レンズに切り替えて同一の圧痕を測定する場合には、筒長調節手段により光路を形成する部材の伸縮を行い、所定の光学的筒長に調節する。なお、各対物レンズごとの光学的筒長を予め測定や計算により求め、筒長調節手段に各対物レンズごとの調節位置を記入しても良い。
【0018】
また、上記構成では、光路を形成する部材として一方が他方に挿入可能な二つの筒状体により構成され、その伸縮は一方の筒状体の他方の筒状体への挿入量に応じて行われる。
また、伸縮による光学的筒長の調節は、外側の筒状体を回転させることにより移動機構が作用して両筒状体をその中心線方向に相対移動させることにより行われる。
さらに、上記構成では、光学的筒長の調節を行うに際して筒長調節手段を操作する場合に、選択した対物レンズに対応する指標に従って調節位置を決定すればよい。かかる指標は、予め測定や計算により求め、これを筒長調節手段に記入することで形成される。
【0019】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明と同様の構成を備えると共に、移動機構(55)を、一方の筒状体(44)に設けられた従動突起(51)と、他方の筒状体(42)に設けられた従動突起(51)を案内するカム溝部(52)とを有するカム機構(55)とする、という構成を採っている。
【0020】
上記構成では、請求項記載の発明と同様の動作が行われると共に、光学的筒長の調節がいずれか一方の筒状体の回転操作により行われる。即ち、一方の筒状体を回転させると、従動突起はカム溝に対して相対的に当該カム溝に沿って移動することとなる。その結果、二つの筒状体は双方の中心線(各筒状体は一方が他方に挿入されているので双方の中心線は平行となる)に沿って相対的に移動し、二つの筒状体は伸縮によりその全体的な長さが変化することとなる。そして、これによって、光学的筒長の調節が行われる。
【0021】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明と同様の構成を備えると共に、移動機構を、二つの筒状体の互いに相対する周面に設けた雄ネジ部と雌ネジ部とからなるネジ機構とする、という構成を採っている。
【0022】
上記構成では、請求項記載の発明と同様の動作が行われると共に、光学的筒長の調節がいずれか一方の筒状体の回転操作により行われる。即ち、一方の筒状体を回転させると、ネジ機構の作用により二つの筒状体は双方の中心線に沿って相対的に移動し、二つの筒状体は伸縮によりその全体的な長さが変化することとなる。そして、これによって、光学的筒長の調節が行われる。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項1,2,又は3記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記複数の対物レンズは、第一の対物レンズと第二の対物レンズを備え、
前記第二の対物レンズ用の指標は、前記第一の対物レンズを使用して測定した圧痕の測定結果と前記第二の対物レンズを使用して測定した前記圧痕の測定結果が各対物レンズの倍率に比例する前記筒状体の調節位置となっている、という構成を採っている。
【0025】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明と同様の構成を備えると共に、対物レンズを二つ備え、筒長調節手段は、各対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさの圧痕の像を観察手段で観察するための二つの調節位置の範囲でのみ操作を可能とする規制手段(56,57)を設ける、という構成を採っている。
【0026】
上記構成では、請求項記載の発明と同様の動作が行われると共に、光学的筒長の調節を行うに際して筒長調節手段を操作する場合に、規制手段により操作が規制される範囲の一端と他端とそれぞれ二つの対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさの圧痕の像を観察手段で観察するための二つの調節位置に設定する。かかる位置設定は、予め測定や計算により求めれば良い。そして、選択した対物レンズに対応するいずれか一方の規制位置に従って操作位置を決定すればよい。
【0027】
請求項記載の発明は、請求項1,2,3,4又は5記載の発明と同様の構成を備えると共に、各対物レンズの選択に応じて、筒長調節手段を、各対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさの圧痕の像を観察手段で観察するための調節位置に可動させる連動手段(70)を備える、という構成を採っている。
【0028】
上記構成では、請求項1,2,3,4又は5記載の発明と同様の動作が行われると共に、いずれかの対物レンズを選択すると、かかる選択動作に伴い、連動手段が筒長調節手段を可動させて当該対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさの圧痕の像を観察手段で観察するための調節位置に調節する。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施形態の全体構成)
本発明の実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。図1は本実施形態たるビッカース硬さ試験機10の正面図を示し、図2はビッカース硬さ試験機10の試料台2の上方における部分の構成を装置の側面に沿った断面により一部を切り欠いて示した説明図を示している。
【0030】
かかるビッカース硬さ試験機10は、硬さ試験の対象物である試料Sを載置する試料台2と、この試料台2を前後左右上下の三方向に移動させて位置決めする試料台位置調節手段20と、試料台2上の試料に対して圧痕M(図6参照)の形成を行う圧痕形成手段23と、試料Sに向けて選択的に配置される倍率の異なる第一及び第二の対物レンズ5,15と、各対物レンズ5,15を保持すると共にこれらを選択的に試料台2上の試料Sに対する観察位置に位置決めするレンズ保持手段としてのターレット4と、測定線L1,L2(図10参照)により圧痕Mの大きさを測定する測定手段30と、選択された対物レンズ5(又は15)を介して試料Sの観察を行うための観察手段としての接眼レンズ9と、選択された対物レンズ5(又は15)から接眼レンズ9までの間での光学的筒長を光路を形成する部材の伸縮により調節する筒長調節手段50と、上記各構成を支持する装置フレーム3とを備えている。
以下、ビッカース硬さ試験機10の各部について詳細に説明する。
【0031】
(試料台,試料台位置調節手段及び装置フレーム)
上記試料台2は、上面に試料Sを載置するための平滑面が形成されており、下面を試料台位置調節手段20の昇降機構21により支持されている。
一方、試料台位置調節手段20は、試料台2を上下方向に自在に移動させる上記昇降機構21と、左右方向に自在に移動させる左右移動機構22と、前後方向に自在に移動させる前後移動機構(図示略)とを備えている。
昇降機構21は当該試料台2の上下移動により位置決めを行うのみではなく、試料Sの圧痕Mの測定の際には選択された対物レンズ5(又は15)との距離調節を行う焦点調節手段としても機能する。
また、左右移動機構22と前後移動機構とは、いずれも試料台2に併設されており、試料Sを載置される上面部分を左右方向と前後方向(図1における紙面に垂直な方向)に移動させて試料Sの位置決めを行う。これらの移動機構はマイクロメータを使用しており、高い精度での位置決めを可能としている。
【0032】
装置フレーム3は、前述した通り、ビッカース硬さ試験機10の各構成を,直接的に支持し又は他の構成が介在して間接的に支持する据え置き型の枠体である。装置フレーム3の下部には前述した昇降機構21を保持し、装置フレーム3が水平面上に据え置かれた状態(以下、各部の構成の説明で方向が示された場合には、特にことわりがある場合に除き装置フレーム3が水平面上に据え置かれた状態での方向を示しているものとする)で、昇降機構21を介して支持された試料台2の上面部も水平となるように設定されている。
また、装置フレーム3は、図2に示すように、ちょうど試料台2の上方となる位置に垂直方向を軸として回転自在にターレット4を支持すると共に、さらにその前方(図1における紙面手前方向、図2における左方)側で測定手段30を支持している。
【0033】
(ターレット)
ターレット4は回転テーブルとなっており、その回転軸を中心とする同一円周上に圧痕形成手段23のダイヤモンド圧子24と第一の対物レンズ5と第二の対物レンズ15とを支持している。必要に応じてターレット4を回転させることで、圧痕形成手段23と第一の対物レンズ5と第二の対物レンズ15と選択的に試料台2上にセットされた試料Sの真上となる位置(観察位置)に位置決めすることを可能としている。例えば、図2では、第一の対物レンズ5が観察位置に位置決めされているが、かかる状態から、上方から見て反時計方向に90度の角度でターレット4を回転させることによりダイヤモンド圧子24が観察位置に位置決めされ、さらに90度ターレット4を回転させることにより第二の対物レンズ15が観察位置に位置決めされる。
【0034】
また、ターレット4は、各対物レンズ5,15を、各鏡筒6,16を介して試料台2上の試料Sに対して同焦点となるように支持されている。つまり、いずれか一方の対物レンズの焦点合わせを行えばターレット4を回転させて他方の対物レンズを使用する際にも当該他方のレンズについても焦点が合ってしまうように光軸方向に沿った位置設定がなされている。
【0035】
(圧痕形成手段)
圧痕形成手段23は、図2に示すように、その下端部が試料Sに押し付けられて正方形状の圧痕Mを形成するダイヤモンド圧子24と、当該ダイヤモンド圧子24をターレット4上で上下動可能に支持する圧子支持機構25と、この圧子支持機構25を介してダイヤモンド圧子24を下降させ且つ所定の押し付け力で押し付ける押し付け機構(図示略)とを備えている。
上記押し付け機構は、ターレット4の回転により前述の観察位置に位置決めされたダイヤモンド圧子24を下方に押し下げることが可能な配置で装置フレーム3の内部に装備されている。なお、この押し付け機構は、コイルにより動作するアクチュエータや錘により回動するアーム機構等その押し付け力が調節可能な機構が望ましい。
【0036】
(対物レンズ周辺)
第一の対物レンズ5は、図2に示すように、鏡筒6に保持されている。この鏡筒6は下端部で第一の対物レンズ5を保持し、上端部の内側で反射ミラー7を備えている。鏡筒6は、自らの中心線と第一の対物レンズ5の光軸とが一致するように保持し、さらに反射ミラー7は光軸に沿った光を水平方向に反射する。そして、ターレット4上において、鏡筒6が観察位置に位置決めされると、反射ミラー7による光軸に沿った光の反射光が装置フレーム3に支持された光路管40に入射するように、鏡筒6はターレット4に支持されている。
【0037】
なお、光路管40は一端部が装置フレーム3に支持され、他端部には接眼レンズ9が設けられ、その途中には装置フレーム3から接眼レンズ9に向かう方向に沿って筒長調節手段50と測定手段30とが順番に配設されている。そして、上記反射ミラー7に反射された第一の対物レンズ5の光軸通過光が、筒長調節手段50と測定手段30とを通過して接眼レンズ9の主点に到達する方向に進行するように反射ミラー7の設置角度が設定されている。
【0038】
なお、第二の対物レンズ15についても、第一の対物レンズ5と同様に、鏡筒16に保持され、当該鏡筒16内には光軸に沿った光を反射する反射ミラー(図示略)が設けられている。また、ターレット4により鏡筒16が観察位置に位置決めされると、反射ミラーが第二の対物レンズの光軸通過光を、光路管40を通って接眼レンズ9の主点に到達する方向に向けて反射する点も第一の対物レンズ5の場合と同様である。
【0039】
(測定手段及び光路管)
測定手段30及び光路管40について図2,3,4に基づいて説明する。図3は光路管40に沿って並んで支持される筒長調節手段50,測定手段30及び接眼レンズ9を示す斜視図であり、図4は測定手段30の内部構造を示す分解斜視図である。
光路管40は、いずれも同一中心線上となる第一〜三の筒体41,42,43から構成される。第一の筒体41は装置フレーム3と筒長調節手段50との間に配設され、第二の筒体42は筒長調節手段50と測定手段30との間に配設され、第三の筒体43は測定手段30と接眼レンズ9との間に配設される。そして、筒長調節手段50の説明の際に詳述するが、第二の筒体42は、光路を形成する部材であって筒長調節手段50の一方の筒状体として機能する。
【0040】
測定手段30は、各対物レンズ5,15を通過して反射ミラーにより反射された反射光が通過可能に構成されている。即ち、この測定手段30は、反射光がその中央部を通過する筐体32と、この筐体32の内部において反射光の光路を挟んで両側にそれぞれ配置された測定線形成用の目盛板33,34と、各目盛板33,34を個別に位置調節するための調節ツマミ37,38と、各調節ツマミ37,38の回転操作により各目盛板33,34をそれぞれ移動させる支持軸35,36とを備えている。
【0041】
筐体32は内部中空の直方体形状を成しており、その長手方向を水平且つ光路と直交する方向に向けて第二の筒体42に連結されている。かかる筐体32は、その長手方向中間部で第二の筒体42と連結されており、当該筐体32を挟んで第二の筒体42の向かい側には第三の筒体43が連結されている。
【0042】
各目盛板33,34は、図4に示すように、筐体32の内部において、互いのその先端部を対向させた状態で、図示しないガイドにより、いずれもがその平板面の向きを一定に維持したまま筐体32の長手方向に沿ってスライド可能に支持されている。また、各目盛板33,34の撮像ユニット50側を向いた面の先端部には測定線が記入されている。
【0043】
各支持軸35,36はそれぞれ一端部が調整ツマミ37,38と連結され、他端部は目盛板33,34と連結されている。また、各支持軸35,36の他端部がその中間部に至るまでネジ溝が形成され雄ネジ部を構成する。その一方、各目盛板33,34にはネジ穴が設けられ、それぞれ支持軸35,36の他端部の雄ネジ部が螺合するように挿入される。前述したように、各目盛板33,34はその平板面の向きを一定に維持したままスライド可能に筐体32の内部で支持されているので、これら目盛板33,34に対して調節ツマミ37,38を介して支持軸35,36を回転させることにより、その回転中心線に沿って各目盛板33,34をそれぞれスライド移動させることが可能である。
【0044】
このため、測定時おいて、接眼レンズ9により観察される圧痕Mに対して各目盛板33,34の先端部でこれを挟むようにそれぞれを位置決めし、各目盛板33,34の先端部の間隔を測定することで圧痕Mの横方向幅を測定することができる。各調節ツマミ37,38にはその回転操作量を認識するためのゲージが記されており、当該ゲージを読むことで各目盛板33,34の移動量を知ることができ、かかる移動量から各目盛板33,34の先端部の間隔を知ることが可能である。つまり、従来例で示した測定手段130と異なり、目盛板の移動量を信号出力するデジタル方式ではなく目視により測定を行うアナログ方式を採っている。
また、測定手段30の筐体32は、第二の筒体42に対して90度の範囲で回転させることが可能であり、かかる回転によりその姿勢を水平状態から垂直状態に切り替えることができる。これにより、圧痕Mの横幅だけでなく、縦方向長さを測定することも可能である。
【0045】
(接眼レンズ及び筒長調節手段)
次に、接眼レンズ9及び筒長調節手段50について、図3,5に基づいて説明する。図5は筒長調節手段50の一部の構成を水平面に沿って切り欠いた説明図である。
上記接眼レンズ9は、測定手段30の筐体32に一端部が連結された第三の筒体43の他端部に支持されている。そして、各対物レンズ5,15が観察位置にある場合においてその光軸通過光の反射ミラーによる反射光が接眼レンズ9の光軸を通過するように当該接眼レンズ9は第三の筒体43に支持されている。
【0046】
筒長調節手段50は、前述したように、選択された対物レンズ5(又は15)から接眼レンズ9までの間での光学的筒長を調節する機能を備えている。かかる光学的筒長を調節により変動させると、接眼レンズ9で観察される圧痕Mの像の大きさにも変動を生じる。つまり、各対物レンズ5,15がターレット4上で同焦点となるように支持されていることによる光学的筒長の違いから生じる圧痕Mの大きさの変動をこの筒長調節手段50により補正しようとするものである。
光学的筒長は、選択された対物レンズ5(又は15)の後側焦点から接眼レンズの前側焦点までの光の経路に沿った距離であり、この範囲内のいずれか一部分を伸縮調節すれば光学的筒長全体について変動を生じるので、この筒長調節手段50では、上記範囲内で光路を形成する部材である二つの筒状体としての第二の筒体42と調節操作用筒体44と合計長さを伸縮調節することとしている。
【0047】
筒長調節手段50は、一方が他方の内側に挿入可能な二つの筒状体としての第二の筒体42及び調節操作用筒体44と、これらの互いに相対する周面間に設けられ,外側となる調節操作用筒体44の回転操作により第二の筒体42をその中心線方向に沿って移動させる移動機構55とを備えている。
【0048】
上記調節操作用筒体44は、第一の筒体41の端部に設けられた連結用筒体45に対して回転自在に連結されている。即ち、連結用筒体45はその一端部に第一の筒体41の先端部が挿入され、ネジ止めにより固定連結される。さらに、連結用筒体45の他端部が調節操作用筒体44の一端部に挿入されると共に連結用筒体45と調節操作用筒体44との間に軸受けが介挿され、連結用筒体45に対して調節操作用筒体44は回転自在に連結される。
そして、この調節操作用筒体44の他端部には第二の筒体42の一端部が挿入され、調節操作用筒体44は第二の筒体42に対しても回転自在とされている。
なお、調節操作用筒体44は止めネジ46,47(図5では図示略、図2参照)により連結用筒体45と第二の筒体42に対して個別に回転不能に固定することができる。
【0049】
移動機構55は、調節操作用筒体44の内周面上に突設された従動突起51と、第二の筒体42の一端部の外周面上に従動突起51を所定方向に案内するカム溝を形成するカム溝部52とを有する構成となっている。そして、このカム溝は、調節操作用筒体44に回転力を加えることにより、従動突起51を介して第二の筒体42と調節操作用筒体44との間で相互に中心線方向に移動させる方向に沿って形成されている。具体的には、カム溝は第二の筒体42の外周面に沿って螺旋状に形成されている。
【0050】
さらに、上記筒長調節手段50は、図2に示すように、調節操作用筒体44と連結用筒体45とに、各対物レンズ5,15のレンズ倍率に比例した大きさの圧痕Mの像を接眼レンズ9で観察させるための調節位置を示す指標としてのマーキングが付されている。かかるマーキングは連結用筒体45の外周面上に付された基準線81と調節操作用筒体44外周面上に付された第一の対物レンズ5に対応する位置決め用の指示線82(図2ではAと表示)と、調節操作用筒体44外周面上に付された第二の対物レンズ15に対応する位置決め用の指示線83(図2ではBと表示)とからなる。つまり、ターレット4により第一の対物レンズ5を観察位置に選択したときには、基準線81と第一の対物レンズ用の指示線82とが一致するように調節操作用筒体44の回転操作を行い、第二の対物レンズ15を観察位置に選択したときには、基準線81と第二の対物レンズ用の指示線83とが一致するように調節操作用筒体44の回転操作を行う。
【0051】
上記第一の対物レンズ用の指示線82は、通常形成されうる大きさの圧痕が第一の対物レンズ5を使用して観察した場合に、接眼レンズ9における視界に圧痕Mの像が入りきる範囲で任意の位置に設ければ良い。その一方で、第二の対物レンズ用の指示線83は、第一の対物レンズ5を使用して測定した同一の圧痕Mの測定結果と第二の対物レンズ15を使用して測定した圧痕Mの測定結果が各対物レンズの倍率に比例する調節操作用筒体44の操作位置を測定試験や計算により予め求めた上で決定される。
【0052】
(ビッカース硬さ試験機の動作説明)
上述の構成からなるビッカース硬さ試験機10の動作を説明する。試料台2上に試料Sをセットし、ターレット4の回転操作により、圧痕形成手段23を観察位置に位置決めする。そして、押し付け機構の駆動によりダイヤモンド圧子24を所定の押し付け力で試料Sに押し付け、圧痕を形成する。
【0053】
次に、ターレット4を操作して第一の対物レンズ5を観察位置に位置決めする。そして、筒長調節手段50の止めネジ46,47を緩め、基準線81と第一の対物レンズ用の指示線82とが一致するように調節操作用筒体44の回転操作を行い、所定の光学的筒長に調節する。そして、止めネジ46,47を締め付け、調節操作用筒体44を固定する。さらに、測定手段30の筐体32が水平方向となるように姿勢を維持し、接眼レンズ9から圧痕Mを観察する。次に、測定は、測定手段30の両調節ツマミ37,38により圧痕Mの左右に測定線L1,L2が揃うように位置合わせを行い、その際の両調節ツマミ37,38のゲージから両測定線L1,L2の間隔を読み、第一の対物レンズ5のレンズ倍率から実測幅を算出することにより行われる。また、測定手段30の筐体32を垂直方向となるように回転させて、同様の手順で圧痕Mの上下幅も求められる。そして、圧痕Mの左右幅と上下幅からその面積が求められ、ダイヤモンド圧子24の加圧力で除算することでビッカース硬さが求められる。
【0054】
次に、同一の圧痕Mについて第二の対物レンズ15により観察し測定する場合を説明する。ターレット4により第二の対物レンズ15を観察位置に位置決めする。そして、筒長調節手段50の止めネジ46,47を緩め、基準線81と第二の対物レンズ用の指示線83とが一致するように調節操作用筒体44の回転操作を行い、所定の光学的筒長に調節する。そして、調節操作用筒体44を固定し、測定手段30を水平状態として測定を行う。
このとき、筒長調節手段50により光学的筒長が調整されているので、圧痕Mの左右に測定線L1,L2の位置合わせを行い、第二の対物レンズ15のレンズ倍率から算出した実測幅は、第一の対物レンズ5で観察した場合の(第二対物レンズのレンズ倍率/第一の対物レンズのレンズ倍率)倍となる。また、圧痕Mの上下幅を測定した場合も同様である。
【0055】
(ビッカース硬さ試験機の効果)
以上のように、上記ビッカース硬さ試験機10では、筒長調節手段50により光学的筒長の調節が可能であることから、複数の切り替え使用する異なる倍率の対物レンズ5,15を同焦点でターレット4に支持させた状態であっても、光学的筒長の調節が可能となり、接眼レンズ9で観察される圧痕像の大きさは各レンズ倍率に比例したものとすることが可能となる。
その結果、従来の如く、測定結果を信号出力させて情報処理により補正する必要がなくなり、そのような信号出力可能なデジタル式の測定手段や情報処理装置自体を有することなく複数の異なる倍率の対物レンズを装備して切り替え使用することも可能となった。
【0056】
また、筒長調節手段50は、カム機構55を備え、調節操作用筒体44の回転操作により光学的筒長の調節を行うので、カム溝部52の勾配によりより精度良く光学的筒長を調節することが可能となる。
また、調節操作用筒体44及び連結用筒体45の外周面上に所定の光学的筒長とする調節位置を示すマーキング81,82,83が付されているので、光学的筒長の調節を迅速且つ正確に行うことが可能である。
【0057】
(その他)
上記ビッカース硬さ試験機10は、対物レンズが二種類のみなので、筒長調節手段50の調節操作用筒体44の回転操作について、第一の対物レンズ5と第二の対物レンズ15とのそれぞれに対応する操作位置が決められれば良い。従って、図6に示すように、カム溝部52内において従動突起51は、規制手段としてのピン56,57によりその移動範囲を制限し、それぞれのピン56,57に当接して従動突起51の移動が止められる二つの位置(図6中二点鎖線で表示)の一方を第一の対物レンズ5に好適な光学的筒長とし、他方を第二の対物レンズ15に好適な光学的筒長とする構成としても良い。これにより、光学的筒長の調節に際して、調節操作用筒体44の回転操作時において、各ピン56,57によって移動が規制される位置が適切な位置と認識することができ、迅速且つ正確な調節が可能となり、操作性の向上を図ることが可能となる。なお、この場合、マーキング81,82,83に替えて、調節操作用筒体44の外周面上に一方の回転方向に回転させると第一の対物レンズに好適であり、他方に回転させると第二の対物レンズに好適であることを示す矢印を付すとより望ましい。
【0058】
また、90度の範囲の回転により水平方向と垂直方向の測定を切り替えられる測定手段30を有するので、筒長調節手段50の調節操作用筒体44の回転操作行う際に、測定手段30の姿勢が不安定となりやすいので、姿勢安定手段60を設けても良い。
かかる姿勢安定手段60は、装置フレーム3の前面であって測定手段30よりも上方の位置において、上下移動可能なスライダ61と、このスライダ61に支持され、測定手段30の筐体32の上面に当接する安定板62とを備えている。この安定板62は下面が水平となる状態をいつも維持され、測定手段30により圧痕の左右幅を測定する際には筐体32の上面に当接して測定手段30の回転の発生を規制する。また、安定板62は、圧痕の上下幅を測定する際にはスライダ61により上方に移動されてから90度回転した筐体32の側面に当接して測定手段30の回転の発生を規制する。そして、このように回転を規制された状態で安定して筒長調節手段50による光学的筒長の調節が行われる。
【0059】
また、筒長調節手段50は、手動操作により光学的筒長の調節を行なっているが、図8に示すように、ターレット4により対物レンズ5,15の切り替えが行われると、自動的に光学的筒長の調節を行う連動手段70を新たに有する構成としても良い。
この連動手段70は、回転量を外部からの信号により制御可能なステッピングモータ71と、このステッピングモータ71の回転に応じて筒長調節手段50の調節操作用筒体44を回転させるギヤ列72と、第一の対物レンズ5の選択を検知する第一のマイクロスイッチ73と、第二の対物レンズ15の選択を検知する第二のマイクロスイッチ74と、いずれかの対物レンズ5,15の選択を検知すると各々に好適な光学的筒長となるようにステッピングモータ71の回転量を制御して駆動させる制御経路75とを備えている。
上記第一のマイクロスイッチ73はターレット4に設けられ、第一の対物レンズ5が観察位置に位置決めされたときに閉じられるように配置される(例えば観察位置に突起を設けてターレット4の回転によりマイクロスイッチが突起に押されるように配置する)。また、同様に、第二のマイクロスイッチ74もターレット4に設けられ、第二の対物レンズ15が観察位置に位置決めされたときに閉じられるように配置される。
一方、制御回路75は、調節操作用筒体44を各対物レンズ5,15に対応する所定位置に位置決めさせる回転量が予め記憶され、各マイクロスイッチ73,74の検知信号を受けると、各回転量に応じてステッピングモータ71を駆動する動作制御を行う。
かかる構成により、ターレット4により対物レンズ5,15のいずれかを選択する回転操作を行えば、自動的に調節操作用筒体44が駆動されて所定の光学的筒長に調節が行われる。そして、これにより、ビッカース硬さ試験機10に対する人為的操作量を低減し、より操作性の向上を図ることが可能となる。
【0060】
また、上記ビッカース硬さ試験機10では観察手段として接眼レンズを使用したが、これに限定するものではなく、図9に示すように、圧痕像を撮像し、撮像信号として出力する撮像手段であるCCDカメラ9Aをも設けても良い。かかる場合、圧痕Mの観察にはCCDカメラ9Aの出力する撮像信号を処理する情報処理装置と出力ディスプレイを要し、ディスプレイ出力される圧痕像の観察を行いながら測定を行うこととなる。この場合、筒長調節手段50により装置の低コスト化による効果が低減するが、情報処理装置に補正プログラムを加え、これを記憶する記憶手段や入力手段を不要とすることができるので、装置の生産性の向上には貢献する。
【0061】
また、上記筒長調節手段50の移動機構としてはカム機構55を採用しているが、第二の筒体42の外周面上と調節操作用筒体44の内周面上にそれぞれ雄ネジ部止めネジ部とを形成し、これ螺合させた結果、調節操作用筒体44の回転操作により第二の筒体42を中心正方向時移動せしめる構成としても良い。かかる構成も、調節操作用筒体の回転操作により光学的筒長の調節を実現することができ、また、回転操作量に対して微少量の中心線方向の変位を生じさせることができ、より精密に光学的筒長を調節することが可能である。
【0062】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、選択された対物レンズから観察手段までの間での光学的筒長を伸縮動作により調節する筒長調節手段を有するため、倍率が異なる複数の対物レンズに対して個別に光学的筒長の調節を行うことが可能である。このため、複数の対物レンズごとに圧痕の像をそのレンズ倍率に比例した大きさで観察することが可能となる。
【0063】
また、測定手段をデジタル式に限定されることなく、また情報処理装置も不要とすることが可能となり、いわゆるアナログ式のビッカース硬さ試験機にも複数の対物レンズを装備することが可能となる。従って、複数対物レンズを備えるビッカース硬さ試験機を安価に提供することが可能となる。また、いわゆるデジタル式のビッカース硬さ試験機に複数の対物レンズを装備する場合であっても、補正プログラムやその記憶手段或いはその入力手段を不要とすることが可能となり、デジタル式のビッカース硬さ試験機の生産性の向上を図ることも可能である。
【0064】
また、各対物レンズごとの光学的筒長の調節が光路を形成する二つの筒状体の伸縮による長さ調節という具体的且つ簡易な方法により実現させることが可能となる。また、かかる二つの筒状体の伸縮を一方の筒状体の回転操作により行うことができ、操作性の向上を図ることが可能となる。
さらに、光学的筒長の調節が光路を形成する二つの筒状体の伸縮により行う構成のため、従来のビッカース硬さ試験機の光路を形成する部材の交換とその移動機構の取り付けにより、本発明を実現することができ、従来のビッカース硬さ試験機を無駄なく活用することが可能である。
加えて、光学的筒長の調節を行うに際して筒長調節手段を操作する場合に、選択した対物レンズに対応する指標に従って操作位置を決定することができ、当該調節作業をより簡易,迅速且つ確実に行うことができ、操作性の向上を図ることが可能となる。
【0065】
請求項及び記載の発明は、それぞれカム機構又はネジ機構を採用することにより、二つの筒状体の伸縮による長さ調節動作を具体的且つ簡易な方法により実現させることが可能となり、生産性の向上を図ることが可能となる。また、カム機構又はネジ機構であれば、その簡易な構造により伸縮動作を故障なく安定して確実に実行することができ、装置の信頼性の向上も図ることが可能となる。
【0066】
請求項記載の発明は、第二の対物レンズ用の指標は、第一の対物レンズを使用して測定した圧痕の測定結果と第二の対物レンズを使用して測定した圧痕の測定結果が各対物レンズの倍率に比例する筒状体の調節位置となっている。
【0067】
請求項記載の発明は、光学的筒長の調節を行うに際して筒長調節手段を操作する場合に、規制手段により操作範囲が規制される二つの内のいずれか一方の規制位置に従って操作位置を決定することができ、当該調節作業をより簡易,迅速且つ確実に行うことができ、さらなる操作性の向上を図ることが可能となる。
【0068】
請求項記載の発明は、連動手段により、対物レンズを選択するだけで、筒長調節手段を可動させて当該対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさの圧痕の像を観察手段で観察するための調節位置に調節されるので、人為的な操作が低減され、さらなる操作性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態としてのビッカース硬さ試験機の正面図である。
【図2】ビッカース硬さ試験機の試料台の上方における部分の構成を装置の側面に沿った断面により一部を切り欠いて示した説明図である。
【図3】光路管に沿って並んで支持される筒長調節手段,測定手段及び接眼レンズを示す斜視図である。
【図4】測定手段の内部構造を示す分解斜視図である。
【図5】筒長調節手段の一部の構成を水平面に沿って切り欠いた説明図である。
【図6】筒長調節手段のカム溝部にピンを設けた例を示す部分断面図である。
【図7】ビッカース硬さ試験機に姿勢安定手段を設けた例を示す説明図である。
【図8】ビッカース硬さ試験機に連動手段を設けた例を示す説明図である。
【図9】観察手段として接眼レンズに替えてCCDカメラを装備した例を示す斜視図である。
【図10】従来のビッカース硬さ試験機の正面図を示す。
【図11】ビッカース硬さ試験機の要部の側面に沿った断面図である。
【図12】圧痕が形成された試料を従来のビッカース硬さ試験機により観察した像を示す説明図である。
【符号の説明】
2 試料台
4 ターレット(レンズ保持手段)
5 第一の対物レンズ
9 接眼レンズ(観察手段)
9A CCDカメラ(観察手段)
10 ビッカース硬さ試験機
15 第二の対物レンズ
30 測定手段
42 第二の筒体(一方の筒状体)
44 調節操作用筒体(他方の筒状体)
50 筒長調節手段
51 従動突起
52 カム溝部
55 カム機構(移動機構)
56,57 ピン(規制手段)
70 連動手段
81,82,83 マーキング(指標)
M 圧痕
L1,L2 測定線
S 試料

Claims (6)

  1. 圧痕が形成された試料を載置する試料台と、
    前記試料に向けて配置される倍率が異なる複数の対物レンズと、
    前記各対物レンズを保持すると共にこれらを選択的に前記試料台上の試料に対する観察位置に位置決めするレンズ保持手段と、
    選択された前記対物レンズを介して前記試料の観察を行うための観察手段と、
    前記試料の圧痕の大きさを測定する測定手段と、を備え、
    前記選択された対物レンズから前記観察手段までの間での光学的筒長を,光路を形成する部材の伸縮により調節する筒長調節手段を有し、
    前記筒長調節手段は、
    一方が他方の内側に挿入可能な二つの筒状体と、前記二つの筒状体の互いに相対する周面間に設けられ,外側となる前記筒状体の回転操作により前記各筒状体をそれらの中心線方向に沿って相対的に移動させる移動機構とを有し、前記各対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさの前記圧痕の像を前記観察手段で観察するための調節位置を前記各対物レンズごとに示す指標を備えていることを特徴とするビッカース硬さ試験機。
  2. 前記移動機構は、一方の前記筒状体に設けられた従動突起と、他方の前記筒状体に設けられた従動突起を案内するカム溝部とを有するカム機構であることを特徴とする請求項記載のビッカース硬さ試験機。
  3. 前記移動機構は、前記二つの筒状体の互いに相対する周面に設けた雄ネジ部と雌ネジ部とからなるネジ機構であることを特徴とする請求項記載のビッカース硬さ試験機。
  4. 前記複数の対物レンズは、第一の対物レンズと第二の対物レンズを備え、
    前記第二の対物レンズ用の指標は、前記第一の対物レンズを使用して測定した圧痕の測定結果と前記第二の対物レンズを使用して測定した前記圧痕の測定結果が各対物レンズの倍率に比例する前記筒状体の調節位置となっていることを特徴とする請求項1,2,又は3記載のビッカース硬さ試験機。
  5. 前記筒長調節手段は、前記各対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさの前記圧痕の像を前記観察手段で観察するための二つの調節位置の範囲でのみ操作を可能とする規制手段を設けたことを特徴とする請求項記載のビッカース硬さ試験機。
  6. 前記各対物レンズの選択に応じて、前記筒長調節手段を、前記各対物レンズのレンズ倍率に比例した大きさの前記圧痕の像を前記観察手段で観察するための調節位置に可動させる連動手段を備えることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載のビッカース硬さ試験機。
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