JP4054506B2 - Liquid crystal light modulator and display device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶を用いて光強度を変調する液晶光変調器およびこの液晶光変調器を用いた表示装置に関する。
【0002】
[発明の概要]
本発明は、印加電圧により入射光の透過率を制御できる液晶光変調器および表示装置に関するもので、配向膜に高温焼成過程が不要なフッ素樹脂を用いることにより、軽量なプラスティックフィルム基板の使用を可能とし、軽量で大型化が可能な液晶光変調器および表示装置に応用できるようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】
液晶光変調器は、液晶分子の配列状態が電界により変化するという電気光学効果を応用したものであり、表示装置などに広く利用されている。液晶光変調器では、液晶分子の配列の制御を行うことが必要とされており、一般に液晶分子の配列を規制するものとして配向膜が用いられている。
【0004】
従来、液晶用配向膜として汎用されているものにポリイミドがある。ポリイミドは主鎖がイミド酸結合からなる高分子であるため、耐熱性、耐溶剤性に非常に優れるという特徴を有する。さらに、透明で、基板や各種の電極膜に対しての密着性が良く、ラビングあるいは偏光紫外線照射などの処理により、液晶を容易に配向させることが可能である。
【0005】
なお、前記ポリイミド配向膜の成膜方法としては、以下のものが挙げられる。
【0006】
▲1▼ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を有機溶剤に溶かし、スピンコートなどにより基板に塗布した後、200〜300℃で焼成し、イミド化反応を起こさせることによりポリイミド配向膜を成膜する。
【0007】
▲2▼前記ポリアミック酸を有機溶剤中で化学的にイミド化した可溶性ポリイミド溶液を、スピンコートなどにより基板上に塗布した後、180℃程度で溶剤を揮発させることによりポリイミド配向膜を成膜する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ボリイミド配向膜には、以下に述べるような問題点を抱えている。
【0009】
▲1▼の方法により成膜したポリイミド配向膜では、200〜300℃という非常に高い温度での焼成過程が必要とされるため、透明基板であるガラスに熱による変形が生じたり、熱に弱いプラスティックフィルム基板を用いることができないという問題点がある。さらに、上記の方法によりカラーフィルター型カラー液晶素子を作製する際には、高温で加熱されることによるカラーフィルターの劣化が生じるという間題点もある。
【0010】
▲2▼の方法により成膜したポリイミド配向膜では、▲1▼の方法と比較してより低温での成膜が可能であるが、熱に弱いプラスティックフィルム基板上への成膜を行う際には、焼成温度を低くする必要があるため、溶剤が配向膜中に残留して膜の機械的強度が弱くなり、ラビング時などに、膜が基板から剥離するなどの間題が生じる。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑み、請求項1では、高温焼成過程が不要な配向膜を用いることにより、プラスティックフィルム基板を用いることができ、これによって軽量化、大型化を容易にすることができる液晶光変調器を提供することを目的としている。
【0012】
請求項2では、高温焼成過程が不要な配向膜を用いることにより、プラスティックフィルム基板を用いることができ、これによって軽量化、大型化を容易にすることができる表示装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、請求項1では、透明電極が付着した透明基板と、該透明基板上の該透明電極に塗布されたフッ素樹脂配向膜と、該フッ素樹脂配向膜により配向制御された液晶と、該透明電極に電圧を印加する電圧源とを有し、
前記フッ素樹脂配向膜に以下の構造式(但し、nは1以上の整数を表わす)で表される樹脂が用いられることを特徴としている。
【0027】
【化2】
【0028】
請求項2では、請求項1に記載の液晶光変調器を用いることを特徴としている。
【0029】
上記の構成において、本発明では、高分子の側鎖に―R1―(CF2)n―R2という化学構造(但し、nは1以上の整数を表し、R1は直接結合または1つ以上のメチレン基を表し、R2はCF3、CHF2、CH2FまたはCH3を表す)を合むフッ素樹脂を配向膜として用いることにより、高温焼成過程が不要な液晶光変調器の作製を可能とした。
【0030】
なお、本発明のフッ素樹脂配向膜は、分子構造に合まれるC−F結合の高い安定性から、以下に示すような特徴を示す。
【0031】
上記フッ素樹脂は透明であり、透明基板上へ塗布した後に高温焼成処理を施さなくても、耐熱性、耐溶剤性に非常に優れ、さらに膜が透明基板から剥離することはない(▲2▼の問題点を解決)。
【0032】
上記フッ素樹脂は、高温焼成過程を必要としないため、カラーフィルターの特性を劣化させることが無い(▲1▼の問題点を解決)。
【0033】
さらに、熱に弱いプラスティックフィルムを透明基板に用いることも可能となり、計量化、大型化が可能なフラットディスプレイヘの応用もできる(▲1▼、▲2▼の問題点を解決)。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した液晶光変調器の実施の形態を模式的に示す構造断面図である。
【0035】
この図に示す液晶光変調器13では、透明電極3a,3b付き透明基板4a,4b上に付着したフッ素樹脂配向膜1a,1bで、液晶2を挟みこんだ構造をしており、液晶2はフッ素樹脂配向膜1a,1bにより配向制御される。透明電極3a,3bは透明基板4a,4b上に付着され、リード線5a,5bとスイッチ6を介して、電圧源7に接続される。液晶層の厚みは、液晶2中に分散されたスペーサー8により一定に保たれ、液晶2はシール剤9a,9bにより封止してある。入射光10は、偏光板11aにより偏光された後、一方の透明基板4aから入射し、液晶2で偏光状態が制御され、透明基板4b、ついで出射側の偏光板11bを通過した後、出射光12となる。この液晶光変調器13のスイッチ6を入れて透明電極4a,4bに電界を印加すると、液晶の配列が変化し出射光12の強度が変化するため、本液晶光変調器13の制御は電圧源7により行われる。
【0036】
フッ素樹脂配向膜1a,1bとして用いることのできるフッ素樹脂は、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラニン樹脂、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニールアセテート、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコーン樹脂、またはこれらの共重合体である樹脂の側鎖に、―R1―(CF2)n―R2という構造を持つ基(但し、nは1以上の整数を表し、R1は直接結合または1つ以上のメチレン基を表し、R2はCF3,CHF2,CH2FまたはCH3を表す)を合む樹脂である。
【0037】
このフッ素樹脂の成膜は、最初にスピンコーティング、ロールコーティング、ディッピング、スプレー、ブレード、ワイヤーバーコーティング、凸版印刷、フレキソ印刷またはシルク印刷などにより、透明電極3a,3b付き透明基板4a,4b上に塗布した後、溶媒蒸発、光硬化、熱硬化または反応硬化により行うことが可能である。
【0038】
なお、上記透明基板4a,4bと透明電極3a,3bの間に、カラーフィルターやブラックマトリクスなどが設けられていても良く、従来の液晶光変調器に用いられる構造はすべて適用することが可能である。
【0039】
上記の成膜方法では、フッ素樹脂の塗布後の高温焼成過程を必要としないため、透明基板4a,4bとして薄くて柔軟なプラスティックフィルムや厚みが0.6mm以下の薄いガラス板を用いることが可能となり、軽量で柔軟な液晶光変調器が実現できる。
【0040】
また、上記透明基板4a,4bとして、薄いガラス板やプラスティックフィルムを用いる場合には、液晶層の厚みを保持するために、液晶層に球状のスペーサー8を分散させる方法が有用である。
【0041】
上記の方法により成膜したフッ素樹脂配向膜1a,1bに、ラビング処理もしくは偏光紫外光の照射による配向処理を施すことにより、液晶2の分子配列をホモジニアス配向、ホメオトロピック配向または捩れ配向とすることが可能なため、偏光板11a,11bとの組み合わせを変えることにより、種々の光変調器を作製することができる。
【0042】
また、液晶2の材料には、強誘電性液晶を含むスメクティック液晶、ネマティック液晶、コレステリック液晶を用いるが、それらの液晶材料に微細な樹脂を分散して液晶層に導入した液晶光変調器の作製も可能である。
【0043】
また、透明基板4a,4bの一方に、反射板あるいは電極を兼用できる伝導性の反射板を付加することにより、低消費電カの反射型の液晶光変調器を作製することもできる。
【0044】
さらに上記の液晶光変調器を表示装置に応用すると、軽量で柔軟なディスプレー装置を実現できる。
【0045】
一例として試作した実施例では、メタクリル型フッ素樹脂(アスカ電子社HF−2)を用いた。このフッ素樹脂配向膜1a,1bを構成する材料は、以下の構造式で記載することができる。
【0046】
【化3】
【0047】
上述した構造式のメタクリル型フッ素樹脂をスピンコーティングにより、透明電極3a,3b(In203:Sn、厚み150mm)付きプラスティックフィルム透明基板4a,4b(厚み100μm)上に塗布する。そのまま室温で溶媒を揮発させて100nmの配向膜1a,1bを成膜し、微細なレーヨンロールで一方向に擦る(ラビング処理)。この配向膜付きプラスティック透明基板4a,4bの一方となる透明基板4bに、シール剤9a,9bを塗布し、さらに6μmの球状スペーサー8を散布したネマティック液晶(メルクジャパン社BL−008、誘電率異方性△ε=17.3、屈折率異方性△μ=0.28)を塗布して、もう一方の透明基板4aをラビング方向が互いに90度ずれた方向になるように張り合わせ、液晶2を捩れ配向させた。
【0048】
そして、偏光板11aと偏光板11bを偏光軸が互いに平行になるように配置すると、スイッチ6に印加する交流電圧が小さい場合には、入射光10は偏光板11aにより直線偏光された後、液晶2で偏光軸が90度回転するため、出射側の偏光板11bを通過することができず、出射光12は観測されなかった。
【0049】
次にスイッチ6に印加する交流電圧を大きくすると、液晶の長軸が基板に垂直に立ち上がるため、入射光が出射側の偏光板11bを通過できるようになり、出射光12が観測された。
【0050】
以上の測定結果を図2に示す。同図では、ツイストネマティック効果が示され、フッ素樹脂配向膜の配向機能が確認された。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、請求項1の液晶光変調器では、配向膜として、側鎖にフロロメチレン基を合むフッ素樹脂を導入することにより、高温焼成過程を行わなくても配向制御が可能となるため、透明基板にプラスティックフィルム基板などを使用した軽量な液晶光変調器を提供することができる。
【0052】
請求項2の表示装置では、大型フラットディスプレイ等の軽量化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表示装置で使用される液晶光変調器の実施の形態を模式的に示す構造断面図である。
【図2】本発明よる液晶光変調器に印加する交流電庄と透過率の関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1a,1b…フッ素樹脂配向膜
2…液晶
3a,3b…透明電極
4a,4b…透明基板
5a,5b…リード線
6…スイッチ
7…電圧源
8…スペーサー
9a,9b…シール樹脂
10…入射光
11a,11b…偏光板
12…出射光
13…液晶光変調器[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a liquid crystal light modulator that modulates light intensity using liquid crystal and a display device using the liquid crystal light modulator.
[0002]
[Summary of Invention]
The present invention relates to a liquid crystal light modulator and a display device capable of controlling the transmittance of incident light by an applied voltage. By using a fluororesin that does not require a high-temperature baking process for an alignment film, the use of a lightweight plastic film substrate is possible. It is possible to apply to a liquid crystal light modulator and a display device which can be made light and can be enlarged.
[0003]
[Prior art]
The liquid crystal light modulator applies an electro-optic effect in which the alignment state of liquid crystal molecules is changed by an electric field, and is widely used in display devices and the like. In a liquid crystal light modulator, it is necessary to control the alignment of liquid crystal molecules, and an alignment film is generally used to regulate the alignment of liquid crystal molecules.
[0004]
Conventionally, polyimide has been widely used as an alignment film for liquid crystal. Since polyimide is a polymer whose main chain is an imido acid bond, it has a feature of being extremely excellent in heat resistance and solvent resistance. Furthermore, it is transparent and has good adhesion to the substrate and various electrode films, and the liquid crystal can be easily aligned by a process such as rubbing or irradiation with polarized ultraviolet rays.
[0005]
In addition, as a film-forming method of the said polyimide alignment film, the following are mentioned.
[0006]
(1) A polyimide alignment film is formed by dissolving polyamic acid, which is a precursor of polyimide, in an organic solvent and applying it to a substrate by spin coating or the like, followed by baking at 200 to 300 ° C. to cause an imidization reaction. .
[0007]
(2) A soluble polyimide solution obtained by chemically imidizing the polyamic acid in an organic solvent is applied onto a substrate by spin coating or the like, and then the solvent is evaporated at about 180 ° C. to form a polyimide alignment film. .
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, the polyimide alignment film has the following problems.
[0009]
The polyimide alignment film formed by the method (1) requires a baking process at a very high temperature of 200 to 300 ° C., so that the glass which is a transparent substrate is deformed by heat or is weak to heat. There is a problem that a plastic film substrate cannot be used. Further, when producing a color filter type color liquid crystal element by the above method, there is a problem that the color filter is deteriorated by being heated at a high temperature.
[0010]
The polyimide alignment film formed by the method (2) can be formed at a lower temperature than the method (1). However, when the film is formed on a plastic film substrate which is vulnerable to heat. However, since it is necessary to lower the firing temperature, the solvent remains in the alignment film and the mechanical strength of the film becomes weak, and the problem arises that the film peels off from the substrate during rubbing.
[0011]
In view of the above circumstances, in the present invention, a plastic film substrate can be used in
[0012]
In the second aspect of the present invention, a plastic film substrate can be used by using an alignment film that does not require a high-temperature firing process, and thereby an object is to provide a display device that can be easily reduced in weight and size. Yes.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to the present invention, in
A resin represented by the following structural formula (where n represents an integer of 1 or more) is used for the fluororesin alignment film.
[0027]
[Chemical 2]
[0028]
According to
[0029]
In the above structure, in the present invention, the side chain of the polymer has a chemical structure of —R 1 — (CF 2 ) n —R 2 (where n represents an integer of 1 or more and R 1 is a direct bond or one A liquid crystal light modulator that does not require a high-temperature baking process by using a fluororesin that combines the above methylene groups and R 2 represents CF 3 , CHF 2 , CH 2 F, or CH 3 as an alignment film. Made possible.
[0030]
In addition, the fluororesin alignment film of the present invention exhibits the following characteristics from the high stability of the C—F bond matched to the molecular structure.
[0031]
The fluororesin is transparent, and it is very excellent in heat resistance and solvent resistance without being subjected to a high-temperature baking treatment after being applied onto a transparent substrate, and the film does not peel from the transparent substrate ((2) To solve the problem.
[0032]
Since the fluororesin does not require a high-temperature baking process, the characteristics of the color filter are not deteriorated (the problem (1) is solved).
[0033]
Furthermore, it becomes possible to use a heat-sensitive plastic film as a transparent substrate, and it can be applied to a flat display that can be scaled and enlarged (solves the problems (1) and (2)).
[0034]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a structural sectional view schematically showing an embodiment of a liquid crystal light modulator to which the present invention is applied.
[0035]
The liquid
[0036]
The fluororesin that can be used as the
[0037]
The fluororesin film is first formed on the
[0038]
In addition, a color filter, a black matrix, or the like may be provided between the
[0039]
Since the above film forming method does not require a high-temperature baking process after application of the fluororesin, it is possible to use a thin and flexible plastic film or a thin glass plate having a thickness of 0.6 mm or less as the
[0040]
Further, when a thin glass plate or plastic film is used as the
[0041]
The
[0042]
The
[0043]
Further, a reflective liquid crystal light modulator with low power consumption can be produced by adding a conductive reflector that can also serve as a reflector or an electrode to one of the
[0044]
Furthermore, when the liquid crystal light modulator is applied to a display device, a light and flexible display device can be realized.
[0045]
As an example, a methacrylic fluororesin (Asuka Electronics HF-2) was used in the prototype. The material constituting the
[0046]
[Chemical 3]
[0047]
The methacrylic fluororesin having the structural formula described above is applied onto the plastic film
[0048]
When the
[0049]
Next, when the AC voltage applied to the
[0050]
The above measurement results are shown in FIG. In the figure, the twisted nematic effect was shown, and the alignment function of the fluororesin alignment film was confirmed.
[0051]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in the liquid crystal light modulator according to the first aspect of the present invention, the introduction of the fluororesin having a fluoromethylene group in the side chain as the alignment film eliminates the need for a high-temperature baking process. Since the orientation can be controlled, a lightweight liquid crystal light modulator using a plastic film substrate or the like as the transparent substrate can be provided.
[0052]
In the display device according to the second aspect , weight reduction of a large flat display or the like can be expected.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a structural cross-sectional view schematically showing an embodiment of a liquid crystal light modulator used in a display device according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic diagram showing a relationship between AC voltage applied to a liquid crystal light modulator according to the present invention and transmittance.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記フッ素樹脂配向膜に以下の構造式(但し、nは1以上の整数を表わす)で表される樹脂が用いられることを特徴とする液晶光変調器。
A liquid crystal light modulator, wherein a resin represented by the following structural formula (where n represents an integer of 1 or more) is used for the fluororesin alignment film.
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