JP4054385B2 - 画像形成装置の現像装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の現像装置、さらに詳しく言えば、補給用現像剤を収納した容器を着脱可能に備えた画像形成装置の2成分現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
2成分現像剤は、寿命枚数程度の現像を行うと、キャリアとトナーとの間で摩擦帯電が行われなくなり、それによってトナーが帯電されなくなると画質の悪化、トナー飛散による装置本体内の汚染等が生ずる。このため、寿命のきた現像剤は回収し新しい現像剤と交換する必要がある。このような現像剤を回収する装置は、既にいくつか提案されている。
【0003】
実開昭57−205161号公報には、現像装置底部に開閉可能な開口部を設け、現像剤を自重により落下させ回収する機構が開示されている。
【0004】
この機構は、誤開閉により大量の現像剤を機外に放出する危険性があり、ユーザによる交換には不適な方法である。また、自然落下させたままで開口部を開放すると、開口部周辺に堆積している粉体がわずかな振動でも落下してしまうので、装置内の該開口部周辺の汚損が避けられない。
【0005】
また、特開昭64−21469号公報には、開閉可能な現像剤供給口と現像剤回収口とを具備するカートリッジに現像剤循環経路の1部を形成し、現像剤の補給と回収を行う現像装置が記載されている。
【0006】
この装置では、上記供給口と回収口とが現像剤循環を妨げないような充分な大きさであることが必要であり、しかも上記2つの開口部にそれぞれ開閉装置が必要なので、開閉の故障が発生し易い。そして、一旦故障が発生すると、現像剤の溢れ等の致命的な故障になりかねない。また、カートリッジの誤セット等により大量の現像剤が装置外に放出される危険性があるので、この方式はユーザによる交換には不適である。
【0007】
さらに、実開平3−62363号公報には、現像剤カートリッジに補給現像剤の収納室と回収現像剤の収納室とを一体的に構成し、そして補給および回収のための開口部を現像装置内の撹拌パドルと同軸上の同心円に構成した現像装置が記載されている。
【0008】
この現像装置は、現像剤の交換が手軽にできる特長があるが、しかし現像剤カートリッジの誤セット等により大量の現像剤が装置外に放出される危険性があり、この方式もユーザによる交換には不適である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、現像剤の回収に際し生ずる前述の従来の問題点を解消した現像装置を提案することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、本発明により、補給用現像剤を充填する第1空間室と回収現像剤のための第2空間室とを有した円筒状容器を着脱自在に備え、且つ画像形成装置における回転軸回りに全体的に回転して作像状態から着脱可能状態になるように構成された画像形成装置用2成分現像装置であって、上記第1空間室と第2空間室とが円筒状容器の軸線方向で相前後するように並んで配設されており、更に現像剤貯留室を現像装置内の現像剤循環経路に隣接して設け、作像動作時の現像剤表面高さ近傍に、上記現像剤貯留室と上記現像剤循環経路とを連結する小開口を配し、この小開口を介して上記現像剤貯留室内にオーバーフローした現像剤が、現像装置全体の回転に伴う現像装置本体と容器の相対位置関係に対する重力作用方向の変化により、重力作用の下で上記容器へ移動し回収されることにより解決される。
【0011】
また、本発明は、上記の課題を有利に解決するために、現像装置内の現像剤循環経路に隣接して現像剤貯留室を設け、作像動作時の現像剤表面高さ近傍に、上記現像剤貯留室と上記現像剤循環経路とを連結する小開口を配し、この小開口を介して上記現像剤貯留室内にオーバーフローした現像剤が、上記回転に伴う現像装置内の重力作用方向の変化により、重力作用の下に上記容器へ移動することを提案する。
【0014】
【発明の効果】
請求項1の発明では、現像装置全体を回転することにより、この回転に伴い現像装置内の重力の作用方向が変化することを利用し、補給現像剤用容器へ現像剤を移動させ、このように現像剤の溜った上記容器を交換するように現像装置を構成したので、収納した補給用現像剤を使い終わり、当該容器を交換する際に、自動的に現像装置内の使用済み現像剤を回収でき、また使用済み現像剤を容器に回収する際に重力を利用しているので、複雑な構成を用いる必要がなく、ユーザが簡単に現像剤の交換を行うことができる。
【0015】
請求項2の発明では、現像装置内の現像剤性能を一定に維持することが可能である。
【0016】
請求項3の発明では、現像装置内の現像剤循環経路とこれに隣接して設けた現像剤貯留室とを連結する小開口を作像動作時の現像剤表面高さ近傍に設け、この小開口を介して上記現像剤貯留室内にオーバーフローした現像剤が、上記回転に伴う現像装置内の重力作用方向の変化により、重力作用の下に補給現像剤用容器へ移動する。これにより、補給による現像剤量の変動に見合った現像剤回収を精度よく容易に行うことができ、現像剤表面高さを維持することができるので、現像剤溢れや回収し過ぎによる現像剤不足等の補給トラブル発生を防止することができる。
【0023】
【実施例】
以下に、本発明を適用したレーザビームプリンタを図面により説明する。
【0024】
図1に示すレーザビームプリンタ1は、画像形成部2、この画像形成部2に給紙する給紙部3、排紙トレイ4等を備えている。画像形成部2には、光書き込みレーザユニット5、現像装置6、定着装置7等が設けられ、給紙部3には給紙トレイ3a、3bが装着されている。
【0025】
上記画像形成部2のうち、ポリゴンミラー8等を有する光書き込みレーザユニット5、感光体ドラム9、トナー・現像剤ボトル10等を有する現像装置6、帯電ローラ11、クリーニングローラ12等を含むトナー像作成プロセス部は、実線で示す作像状態から二点鎖線で示す着脱可能状態へ、軸芯13の周りに一体的に回転可能に構成されている。トナー像作成プロセス部がほぼ180°回転した二点鎖線で示す着脱可能状態では、作像状態の底部を上面に開口した状態となり、トナー・現像剤ボトル10および感光体ドラム9は着脱可能となり、その動作位置より取り出すことがてきるので、容易に交換することができる。
【0027】
図2に示す実施例では、トナー・現像剤ボトル20がトナー・現像剤補給ボトル20aとトナー・現像剤回収ボトル20bとに分割して構成されている。トナー・現像剤回収ボトル20bは、現像装置6内の現像剤を一定量ずつ回収する回収容量を備えている。この場合、新しい現像剤をトナー補給と同様に少量ずつ補給するように構成し、これに見合った量の現像剤回収を行えば、キャリアの性能を現像剤の部分的交換量に応じて維持することができる。このような回収容量を一定化するために、現像装置6の端部に現像剤循環経路に隣接して現像剤貯留室15を設けている。
【0033】
次に、図2に示す分割型のトナー・現像剤ボトル20の操作例を、図3ないし図7により説明する。
【0034】
トナー像作成プロセス部が作像状態に装着されているとき、現像装置6内に溜められている現像剤18は、図3に示すように、現像装置6内に位置している。現像装置6内の現像剤18は、現像剤表面高さ近傍に配置された小開口21を経由して、現像装置6の端部で現像剤循環経路に隣接して設けた現像剤貯留室15(図2)へオーバーフローするようになっている。図示しない手段により、新しい現像剤が少量ずつ補給されると、混合された現像剤の1部がオーバーフローして現像剤貯留室15内に徐々に溜る。
【0035】
このように、オーバーフローにより現像剤貯留室15に溜った現像剤は、トナー像作成プロセス部の着脱可能状態への回転に伴い、図4に示すように、トナー・現像剤回収ボトル20b内に落下し移動する。図5に示すように、トナー像作成プロセス部が着脱可能状態へ完全に回転すると、オーバーフローしたほぼ全量の現像剤がボトル20b内に移動し、ボトルの取り出しにより現像剤の回収を行うことができる。
【0036】
本実施例の場合は、現像剤貯留室15へオーバーフローした現像剤のみの回収を行うので、簡単な構成で現像装置6内の現像剤の量をほぼ一定に保ことができる。従って本実施例は、新しい現像剤を少量ずつ補給することにより現像剤の性能を保とうとする方式に利用すると、大いに有効である。
【0037】
本実施例においても、トナー・現像剤回収ボトル20bの開口部22には、シャッタ部材23が設けられ、図6に示すように、トナー・現像剤ボトル10を現像装置6より取り外すときは、シャッタ部材23が閉じ、現像剤の飛散を防止する。さらに、図6に示す状態にて、該開口部22はほぼ水平方向に向いているので、シャッタ部材23の開閉に伴う現像剤の落下、移動は起こらない。また、小開口21からの現像剤の落下があっても、この現像剤が直接ボトル20bの開口部22に落下することはないので、この点でも現像剤の飛散とそれによる汚染は、従来のものに比べ著しく少ない。
【0038】
トナー像作成プロセス部を着脱可能状態への回転操作を行ったのみで現像剤回収を行わず、そのまま再度作像状態へ戻すと、図7に示すように、トナー・現像剤回収ボトル20bの形状により同ボトル20b内の現像剤はトラップされ、現像装置6内に戻ることがない。
【0039】
従って、上記の回転操作を行うたびにオーバーフローした現像剤は次々にボトル20b内に移動し、その結果現像剤貯留室15の容量以上の現像剤の回収が可能となり、効果的である。
【0040】
本実施例では、図7に示すように、ボトル20b内に回収された現像剤を幾何学的形状によりトラップするように構成したが、その他にキャリアを吸着する磁石をボトル20b内に配置し、または逆流を阻止する弁機構を設けることも可能である。
【0049】
現像装置の内圧は、外気と接している現像スリーブの回転に伴う吸気流により上昇する傾向がある。この内圧の上昇を回避するために、通常、通気可能なフイルタ部材を現像装置のケースの1部に取付けることが行われている。しかし、現像剤貯留室と上記現像剤循環経路とを連結する小開口を設ける図3ないし図7の実施例では、現像剤回収ボトル周辺で通気経路が存在すると、気圧差に基づく小開口からの異常な現像剤の噴出が生ずる場合がある。
【0050】
前述のような現像剤の噴出を避けるためには、小開口において気圧差が生じないようにすればよいとの認識の下に、最も通気経路を形成し易い現像剤回収ボトル40の現像剤回収室40aと現像剤貯留室15との接合面に、Oリング状の弾性変形可能な気密部材を設ける。
【0051】
気密の方法はこの例に限定されるものではなく、各種の形状の弾性部材あるいは粘弾性部材、テープ等の粘着性材料、磁性流体等によって気密を行ってもよい。
【0052】
前述した気密を実施した場合、小開口より現像剤が出入りしようとすると、現像装置内と現像剤貯留室との間に気圧差が生じ、現像剤のスムーズな移動が阻害される事態が生ずる。これに対し、通気口を現像剤により開口を阻害されない現像剤表面以上の位置に設け、現像装置内と現像剤貯留室との間に気圧差の生ずることを防止し、現像剤のスムーズな移動を保証する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したレーザビームプリンタの図式説明図である。
【図2】 本発明によるトナー・現像剤ボトルの斜視図である。
【図3】 現像剤表面高さ近傍に小開口を配置した図2に示すトナー・現像剤ボトルの横断面図である。
【図4】 トナー像作成プロセス部がほぼ90°回転したときの図3のトナー・現像剤ボトルである。
【図5】 トナー像作成プロセス部が180°の回転により着脱可能状態となったときの図2のトナー・現像剤ボトルである。
【図6】 図5の状態からトナー・現像剤ボトルを取り出すのを示す図である。
【図7】 図5の状態から再装着したトナー・現像剤ボトルの図である。
【符号の説明】
1 レーザビームプリンタ
6 現像装置
9 感光体ドラム
10、20、30、40 トナー・現像剤ボトル
10a 現像剤回収室
15 現像剤貯留室
18 現像剤
20a トナー・現像剤補給ボトル
20b トナー・現像剤回収ボトル
21 小開口
22 開口部
23 シャッタ部材
Claims (2)
- 補給用現像剤を充填する第1空間室と回収現像剤のための第2空間室とを有した円筒状容器を着脱自在に備え、且つ画像形成装置における回転軸回りに全体的に回転して作像状態から着脱可能状態になるように構成された画像形成装置用2成分現像装置であって、上記第1空間室と第2空間室とが円筒状容器の軸線方向で相前後するように並んで配設されており、更に現像剤貯留室を現像装置内の現像剤循環経路に隣接して設け、作像動作時の現像剤表面高さ近傍に、上記現像剤貯留室と上記現像剤循環経路とを連結する小開口を配し、この小開口を介して上記現像剤貯留室内にオーバーフローした現像剤が、現像装置全体の回転に伴う現像装置本体と容器の相対位置関係に対する重力作用方向の変化により、重力作用の下で上記容器へ移動し回収されることを特徴とする現像装置。
- 上記容器から、補給用現像剤が少量ずつ現像装置に供給されるようになったことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
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