JP4051433B2 - Zinc oxide polycrystalline tube - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化亜鉛多結晶チューブに関するものであり、更に詳しくは、導電性及び半導体性の酸化亜鉛等の導電性酸化物であって、エネルギー変換や化学反応場として利用可能な数ナノ〜マイクロメーターの内径の一次元のポアを有する管状形状の酸化亜鉛多結晶セラミックス材料、及びそれらをより低負荷環境の水溶液反応により合成する方法に関するものである。本発明の酸化亜鉛多結晶チューブは、例えば、光触媒材料、センサー材料、電子材料、熱電変換材料、及び浄化触媒材料等の環境・エネルギー材料等として有用である。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カーボンナノチューブを代表とする、ナノ〜マイクロサイズの一次元ポア材料は、触媒活性の向上に必要なナノ粒子形成のテンプレート材料としてのみならず、それ自体、水素吸蔵特性、超電導特性等を有する光電材料としても重要であることが報告されている。一方、半導体ないし導電性を示す酸化物等の多結晶セラミックス材料は、それらの結晶構造の特性に起因する光電特性により、誘電材料や過電流制御用のバリスター材料として、また、小型の電子部品の主材料等として、不可欠な材料である。
【0003】
更に、上記多結晶セラミックス材料は、水や汚染化学物質等の分解等に利用する光−化学エネルギー変換触媒材料や熱電エネルギー変換材料、及びセンサー材料等として、様々な工業的な用途が見出されている。また、様々な形状のポアを有するセラミックス材料は、分子サイズの物質、細胞等の幅広い物質をふるい分けるフィルター材料や、それらの物質変化を促す触媒担体として反応場を形成する材料として、重要である。
【0004】
特に、化学的安定性が求められる酸化性の高い高温大気環境下での触媒材料等の用途においては、カーボンナノチューブでは分解の問題があるため、高温条件で安定なセラミックス系材料が、有効である。更に、これらの材料系において、触媒反応制御、センシング効率もしくはエネルギー変換効率の制御と特性向上において、ナノ〜メソ〜マイクロサイズ等の種々のサイズの一次元のポアを有する管状多結晶材料は、重要である。特に、セラミックス材料系では、異種組成の粒子からなる複合材料により機能向上や特性付加がもたらされることから、カーボンナノチューブのような単分子材料のみならず、多粒子の組み合わせからなる多結晶セラミックス材料が必要となる。
【0005】
これらの一次元ポア構造を有する金属酸化物セラミックス材料は、カーボンナノチューブを鋳型として、化学気相析出法(CVD法)やアルミの陽極酸化により、生成する一次元ポア内に析出させる気相合成による方法が検討されている。しかしながら、これらの方法は、真空装置を備えた大規模の装置が必要であり、低収率で、かつ高コストな方法である。また、界面活性材より形成される管状ミセル鋳型を用い、溶液反応により、酸化ケイ素や酸化チタン等のメソポアを有する人工ゼオライト型管状セラミックス材料が合成されている。
【0006】
更に、同様なミセルテンプレートにより、酸化アルミや希土類酸化物の3価の金属イオンを主成分とするメソポア管状セラミックスの溶液合成が報告されている。これらの先行技術文献として、例えば、M. Yada らの"Synthesis of Aluminum-Based Surfactant Mesophases Morphologically Controlled through a Layer to Hexagonal Transition" Inorg. Chem., 36, 5565-5569 (1997) や、M. Yada らの"Mesoporous Gallium Oxide Structurally Stabilized by Yttrium Oxide, "Langmuir, Vol. 16, No. 10, 4752-4755 (2000)、特開平7−196314、及び特開平7−196305等が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、環境・エネルギー材料として利用される半導体ないし導電性酸化物材料のナノ〜マイクロサイズの一次元ポアを有する管状セラミックス粒子に着目すると、既存の手法では、4価〜3価の高イオン価数の金属酸化物系の材料の合成が主であり、酸化亜鉛をはじめとする半導体ないし導電性酸化物に多い2価金属を主成分とする酸化物系での合成例はほとんど無い。これは、3価の金属に比べ、2価の亜鉛イオンや遷移金属イオンは、水溶液中で加水分解速度が比較的遅く、管状ミセルの安定化と加水分解による管状生成物の形成速度の制御が容易では無いためと思われる。しかしながら、pH、ミセル濃度及び反応時間の制御により、生成する多結晶粒子の形状は変化するため、それらの最適条件を用いての形状制御は可能であると考えられる。更に、製造する半導体ないし導電性酸化物管状セラミックスの容易な合成法を見いだすことが重要である。
【0008】
代表的な半導体酸化物である酸化亜鉛は、3価のアルミ等の固溶により直流導電性を示し、バリスター材料、太陽電池、センサー材料、熱電材料、更にはプラズマディスプレー等の光電発光材料として、多くの工業用途が知られる。それらのドーパント金属イオンの共存下での加水分解反応を利用すれば、共沈現象により、低価数のイオンの加水分解も進み、沈澱の収率が向上するとともに、それらの固溶により、生成物のドーパント濃度の制御が必要となる。
【0009】
アルミ固溶酸化亜鉛多結晶材料は、導電性を有する酸化物材料として、光触媒、太陽電池、熱電変換材料等の環境・エネルギーセラミックス材料として重要であるとともに、電極やバリスター等の電子部品材料として、工業的に広く利用される。それらの多結晶材料に、一次元貫通孔のような空間反応場を付加することにより、触媒材料やセンサー材料に重要な比表面積の向上のみならず、空間サイズに基づく分子認識特性等の空間反応場の寄与や空間内へのナノ粒子配置による目的物質の種類の拡大等の機能性の向上が期待できる。
【0010】
更に、材料の導電性を利用すれば、電気化学反応のようなナノリアクターや化学反応とセンシングを組合せたナノ〜マイクロ素子への展開が期待できるため、それらのナノチューブセラミックスの製造は、きわめて重要である。
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであって、酸化亜鉛多結晶ナノチューブ、及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)2価の亜鉛イオン及び3価の金属イオン混合水溶液を調製し、それに水溶性アニオン界面活性剤を混合し、沈澱形成剤を加え、100℃以下の加熱下での加水分解反応と共沈反応による板状、繊維状、又は管状形態の粒子合成を行い、その際に、金属イオン、界面活性剤、沈澱形成剤及び水の成分の組成比を、各成分の種類、処理条件により調整することにより生成する粒子の形態を制御することで、ナノサイズの貫通孔を有する多結晶ナノチューブを合成することを特徴とする3価金属固溶酸化亜鉛多結晶ナノチューブの製造方法。
(2)金属イオンを硝酸塩、塩化物、又は酢酸塩として用いる、前記(1)記載の方法。
(3)3価の金属イオンが、アルミニウム、ガリウム、又はチタンである、前記(1)記載の方法。
(4)水溶性アニオン界面活性剤として、ドデシル硫酸ナトリウムを用いる、前記(1)記載の方法。
(5)沈澱形成剤として、水酸化物、アンモニア、又は尿素の塩基性溶液を加える、前記(1)記載の方法。
(6)金属イオン、界面活性剤、沈澱形成剤、及び水の組成比を調整することにより生成する多結晶粒子の形態を管状形態に制御する、前記(1)記載の方法。
(7)前記(1)から(6)のいずれかに記載の方法で作製した多結晶ナノチューブを、300〜1200℃で焼成することにより結晶化を進めたことを特徴とするチューブ形状の3価金属固溶酸化亜鉛多結晶ナノチューブの製造方法。
(8)前記(1)から(7)のいずれかに記載の方法により作製した、3価金属固溶酸化亜鉛多結晶ナノチューブ。
(9)前記(8)記載の酸化亜鉛多結晶ナノチューブ内へ、遷移金属酸化物、又は貴金属ナノ粒子を包接した、複合酸化亜鉛多結晶ナノチューブ。
(10)前記(8)又は(9)記載の酸化亜鉛多結晶ナノチューブ又は複合酸化亜鉛多結晶ナノチューブを構成要素として含むことを特徴とする、ナノサイズ〜マイクロメータサイズの一次元メソポア及び直流導電性を有する部材。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明では、まず、2価と3価の2種類以上の金属イオン混合水溶液を前駆体とする前駆体溶液を調製する。生成する酸化亜鉛材料の導電性制御において、特に、電子キャリアによるn型材料として、数ppm〜2mol%程度のアルミニウム、ガリウム、チタン等の3価の金属イオンを酸化亜鉛結晶中へ均一固溶することが望ましい。そのためには、2価の亜鉛イオン及び3価のアルミニウム、ガリウム又はチタン等の金属イオンを任意の組成で均一に混合可能な金属塩化物、金属硝酸塩又は金属酢酸塩等として、水に溶解し、調製した混合水溶液を出発原料とすることが好ましい。しかし、これらに制限されるものではなく、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。更に、アルカリによる加水分解において、それらの溶液組成に基づく組成の沈澱を得るために、沈澱形成剤として、例えば、水酸化物、アンモニア、尿素が用いられるが、これらに限らず、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。この場合、水酸化ナトリウム等の目的以外の金属が残存する可能性の高いアルカリ金属水酸化物よりは、加熱等により除去が容易なアンモニア、尿素等の化学種を沈澱形成剤として用いることが重要である。
【0013】
更に、均一形状の生成物を合成するためには、濃厚なアルカリ化学種を混合することで生じる局所的な加水分解反応による高価数イオンの不均一な沈澱を回避し、異種金属イオン共存下で徐々に加水分解を進め、共沈反応により生成生物を得ることが必要である。そのためには、水溶性で、かつ90℃付近の熱分解でアンモニアを生成し、徐々に溶液pHを増加させ、セラミックス材料の均一沈澱剤としてよく知られる尿素等を溶解し、金属イオンと尿素が共存する均一溶液をゆっくりと加熱することにより、徐々に溶液pHを増加させる方法(尿素分解法)を用い、更に、温度上昇に伴う反応速度の増加を利用し、加水分解速度を制御することが好ましい。それにより、20〜40m2 /gの高比表面積のAl固溶酸化亜鉛粒子が高収率で生成することが分かった。
【0014】
次に、本発明では、陰イオン性界面活性材テンプレート共存下での加水分解反応により、共沈反応によるセラミックス多結晶粒子を合成する。
操作が容易な溶液反応を利用して、生成物中にナノ〜メソ〜ミクロメーターサイズのポアを形成する手法として、テンプレートを複合させた材料を形成し、沈澱等で形成した材料から、それらのテンプレートを除去する手法が知られている。特に、金属イオンの加水分解を利用する場合、多種の金属イオンとイオン対を形成し、更に、それらの集合体が溶液条件等に影響され、球状、板状、管状の集合体を形成することが重要となる。セラミックス等の粒子合成に際し、複合化によるポア形成には、水洗や加熱による容易なテンプレート除去を考慮し、有機物テンプレートが多く用いられる。
【0015】
特に、任意の分子長の疎水性アルキル基とイオン性(親水性)イオン基を持つ界面活性剤は、水溶液中では疎水基によるある種の集合体を形成し、その中での溶液反応を疎外するために、それを利用したポアの鋳型形成が可能となる。金属イオン均一水溶液を用い、その金属イオンとのイオン対形成を促進するためには、アニオン性のアルキル基界面活性剤が好ましい。更に、工業的に洗剤等に広く利用されているドデシル硫酸ナトリウム(SDS)は、多くの金属イオン共存下での安定化材としても利用されているが、本発明では、そのような汎用性が高く、安全な界面活性剤を用いることが望ましい。
【0016】
それらの界面活性剤が水溶液中で集合体を形成し始める濃度は、臨界ミセル濃度(CMC)として知られるが、球状、板状、管状の種々の形状の集合体を形成するためには、CMC以上の十分、かつ適度な濃度の界面活性剤濃度が必要である。例えば、SDSのCMCは、約8.0mmol/l(20℃)であるが、その2〜10倍以上程度の濃度が必要である。更に、CMCは、温度、溶液pH、金属イオン濃度ならびにイオン強度等の水溶液中の極性に関する条件に強く影響を受けるため、金属イオン、アルカリ濃度を考慮し、金属イオン:界面活性剤:沈澱形成剤:水のモル比を適切な条件、例えば、1:1〜2:10〜30:60にすることが必要である。本発明では、金属イオン、界面活性剤、沈澱形成剤、及び水の組成比を調整することにより生成する多結晶粒子の形態を制御することができる。
【0017】
これらの手法により得られた粒子を分析した結果、数ナノメーターの一次粒子からなる板状、繊維状、管状のAl等の3価金属固溶酸化亜鉛多結晶粒子が100℃以下の加熱で生成することが分かった。例えば、金属イオン:界面活性剤(SDS):沈澱形成剤(尿素):水=1:2:30:60の組成の溶液を、90℃、12〜24時間加熱することにより、数100nmの内径を有する500〜1000nmのAl固溶多結晶体の管状粒子が生成する。上記成分の組成比は、上記組成比に制限されるものではなく、各成分の種類、処理条件等により適宜調整することができる。上記多結晶ナノチューブを300〜1200℃、好ましくは300〜700℃で焼成することにより、低温で結晶化を進めることができる。
【0018】
次に、本発明では、酸化亜鉛多結晶チューブ内へ、白金等の金属ナノ粒子や酸化物ナノ粒子を析出し、これらを包接することにより、複合酸化亜鉛多結晶ナノチューブを作製することができる。これらの成分としては、例えば、ニッケル、コバルト等の遷移金属酸化物、白金等の貴金属等が例示されるが、これらに制限されない。一次元貫通孔を有する材料の管内又は表面への異種化合物の接合は、触媒等の反応制御やセンサー等の電極形成の上で重要である。その一方法として、得られたチューブ材料を上記成分の均一溶液中に分散し、十分に固液を接触させた条件で、熱分解又は光反応、もしくは化学反応を利用して、溶液内からチューブ表面へ目的の白金等の金属ナノ粒子や酸化物ナノ粒子を析出し、包接することが可能であることが分かった。本発明は、上記酸化亜鉛多結晶ナノチューブ又は複合酸化亜鉛多結晶ナノチューブを構成要素として含む一次元メソポア及び導電性を有する部材を提供するものとして有用である。
【0019】
【作用】
本発明では、2価ないし3価の異種金属イオンの均一溶液を用い、尿素法等でゆっくりと溶液pHを増加させ加水分解を行うことにより、異種金属が固溶した酸化亜鉛等の高比表面積の半導体ないし導電体セラミックス原料を100℃以下の低温で高収率に合成することができる。また、本発明では、それらの沈澱生成時に、金属イオンとイオン対を形成し、かつ水溶液中でミセルを形成する水溶性アルキル陰イオン界面活性剤を臨界ミセル濃度以上の適量混合することにより、数ナノメーターの一次粒子からなる高比表面積の板状、繊維状、管状の多結晶粒子が容易に合成できる。本発明では、更に、金属イオン:界面活性剤:沈澱形成剤:水の組成比を、例えば、Zn+Al:SDS:尿素:水=1:2:30:60に制御することにより、数10〜100nmの内径を有するAl固溶酸化亜鉛の多結晶ナノチューブ材料を合成することができる。これらの界面活性材の共存下で生成する半導体ないし導電性セラミックス材料のメソポア材料は、例えば、光触媒材料、センサー材料、電子材料、熱電変換材料、及びナノ〜マイクロリアクター素子等の触媒材料等として有用である。
【0020】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)前駆体溶液の調製
実施条件(前駆体溶液の組成等)を表1に示す。また、図1に、実験スキームを示す。図1に示されるように、1mol%Al固溶酸化亜鉛の組成比で、金属イオン総濃度0.1Mとなるように、2価の亜鉛及び3価のアルミニウムの水溶性金属塩を蒸留水に溶解し、0.001M硝酸アルミニウム及び0.099M硝酸亜鉛の混合溶液500mL(均一金属塩溶液)を調製した。その後、水溶性アニオン界面活性剤として、約0.15〜0.30gのドデシル硫酸塩ナトリウム(SDS)を均一金属塩溶液に混合し、溶解した。界面活性剤が完全に溶解した後、沈澱形成剤として、約30〜60gの尿素(1〜2M)を混合し、溶解した。
【0021】
【表1】
【0022】
このときの溶液は、初期pHが、図2に示すように、約3.8であり、弱酸性であった。SDSのミセル形成濃度(臨界ミセル濃度:CMC)は、室温で約8mMであることが報告されているが、尿素等の混合下、更には金属イオンの共存下等の溶液組成の変化に伴い増加することが知られている。更に、陰イオン性の界面活性剤は、金属イオンとイオン対を形成し、イオン対を形成した状態でミセル形成することが考えられる。そこで、CMCより十分に高い濃度でイオン対を形成した状態でミセル化が進むことを考え、金属イオン濃度の1〜2倍の界面活性剤の濃度で溶液を調製した。
【0023】
(2)均一共沈反応による粒子合成
ミセル化及びイオン対形成を促進する目的で、上記(1)で得られた均一溶液を約1時間撹拌、混合した。撹拌中の沈澱形成は確認されなかった。その後、ホットプレート上で溶液温度が80℃になるように加熱し、沈澱が終了するまで12〜36時間、撹拌下で加熱した。加熱後2時間での溶液pHの変化を図2に示す。溶液温度が約80℃に達した後、pHが3.8から徐々に増加し、尿素の分解に伴いアンモニア生成により、約10分でpHが8付近に変化した。それとともに、溶液は白濁し、加水分解反応による沈澱が生成した。
【0024】
溶液pHが8に達した後もゆっくりと溶液pHは増加したが、2時間後ほどで一定となり、尿素分解反応が終了した。得られた沈澱の比表面積を計測した結果、金属:界面活性剤(SDS):尿素:水のモル比が1:2:10:60で、80℃、12時間の反応では、約28.68m2 /g、更に、金属:界面活性剤(SDS):尿素:水のモル比が1:2:20:60で、尿素濃度、つまり沈澱形成剤の濃度を増加させた場合には、40.18m2 /gと高比表面積であることが分かった。これらは、市販の気相合成で得られる微粉末(住友大阪セメント製ZNO350)と比較しても、同程度又は高い比表面積であった。
【0025】
(3)多結晶ナノチューブの評価
生成したAl固溶酸化亜鉛の形態等を表1に、更に、生成物の電子顕微鏡写真及びAl固溶酸化亜鉛ナノチューブの拡大図を、それぞれ、図3、図4に示す。金属:界面活性剤(SDS):尿素:水のモル比が1:2:20:60の条件で、80℃、12〜24時間加熱では、100nmの孔径で長さ500nmほどのチューブ形状のAl固溶酸化亜鉛粒子が生成した。一方、同様の組成で36時間加熱したものでは、板状粒子が多く見られ、ナノチューブ形状の粒子が減少し、板状の粒子が生成した。
【0026】
更に、沈澱形成剤(尿素)濃度を減少させた場合、板状粒子の端が管状に巻いたような粒子の生成が電子顕微鏡写真で確認できたが、金属:界面活性剤(SDS):尿素:水のモル比が1:2:10:60の組成で生成したようなナノチューブ形状の粒子は生成しなかった。また、界面活性剤(SDS)濃度を半分もしくは2倍に増加させた場合でも板状粒子が生成し、ナノチューブ状の粒子の収量は極めて少なかった。金属:界面活性剤(SDS):尿素:水のモル比が1:2:10:60の組成で生成したAl固溶酸化亜鉛ナノチューブの拡大像より、チューブは、更に小さな数〜数10nmほどのナノサイズ粒子からなる多結晶材料であることが分かった。
【0027】
また、得られた多結晶ナノチューブの電子線回折エネルギー分布分析により、チューブ状粒子には、Al、Zn、Oのそれぞれの元素が含まれることが確認できた。以上のことから、金属:界面活性剤(SDS):尿素:水のモル比が1:2:20:60の条件で、80℃、12〜24時間加熱では、Al固溶酸化亜鉛多結晶ナノチューブが合成でき、これは、この組成比での界面活性剤のミセル形成と加水分解速度がチューブ状粒子の形成に最適なためであると考えられる。
【0028】
生成した粒子のX線回折分析結果を図5に示す。金属:界面活性剤(SDS):尿素:水のモル比が1:2:20:60の条件で、80℃、12時間で得られた多結晶ナノチューブは、X線回折ピークがほとんど確認できず、結晶性は低かった。これは、ナノ粒子の集合体であることからも確認できた。それらの粒子を300〜700℃で加熱すると、300℃より徐々にX線回折ピークが現れ、300〜700℃の低温で結晶化が進むことが分かった。また、700〜1200℃で焼成後の粒子でもチューブ形状の粒子が残っていることが確認できた。得られた試料を成形し、900℃で焼結した試料では、室温で直流導電性を示し、導電率は、約1×10-1S/cmであった。
【0029】
(4)チューブ内への粒子析出による複合化
上記(1)で得られたチューブ形状の酸化亜鉛粒子を、0.1mMの塩化白金酸アンモニウム水溶液に分散し、十分に撹拌した後、内部照射型光化学反応器中で、常温で、100W高圧水銀ランプによる>290nmの光照射により、チューブ内への白金の光還元析出を試みた。その結果を図6に示す。図6に示されるように、チューブ表面へ数ナノメータの白金粒子の析出が確認できた。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明は、酸化亜鉛多結晶ナノチューブ及びその製造方法に係るものであり、本発明によれば、所定量の多種類の混合金属イオン、水溶性界面活性剤及び沈澱形成剤の混合水溶液を出発原料とし、ゆっくりとした加水分解下での均一共沈反応により、例えば、光触媒材料、センサー材料、電子材料、熱電変換材料及びナノ〜マイクロリアクター素子等の触媒材料として利用可能な2価の金属イオンを主成分とする半導体ないし導電性金属酸化物多結晶材料の高比表面積なメソポア材料を100℃以下の低温で水溶液から高収率で容易に合成することができる。また、界面活性材濃度及び沈澱形成剤の混合比の調整により一次元のメソポアを有する半導体ないし導電性金属酸化物多結晶ナノチューブの合成を簡単に行うことができる。また、それらのナノ〜メソ〜マイクロメーターの空間の修飾等を行い、反応場として利用することにより、分子認識性や化学的安定性を付加した機能性触媒としての利用が可能となる。更に、光、熱、電気等の外部エネルギー等の授受により、光電気化学的な反応やセンシング素子等の様々な機能性付加が可能な材料として、環境・エネルギー、フォトエレクトロニクス等の新規工業材料としての利用展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の実験スキームを示す。
【図2】実施条件での代表的な加熱時間と溶液pHの変化の関係を示す。
【図3】生成物の電子顕微鏡写真を示す。
【図4】Al固溶酸化亜鉛多結晶体ナノチューブのTEM写真を示す。
【図5】生成物のXRDパターンと温度の関係を示す。
【図6】白金を光化学析出させた酸化亜鉛チューブを示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a zinc oxide polycrystalline tube, and more particularly, a conductive oxide such as conductive and semiconducting zinc oxide, which can be used as an energy conversion or chemical reaction field. The present invention relates to a tubular zinc oxide polycrystalline ceramic material having a one-dimensional pore having an inner diameter of a meter, and a method of synthesizing them by an aqueous solution reaction in a lower load environment. The zinc oxide polycrystalline tube of the present invention is useful as an environment / energy material such as a photocatalyst material, a sensor material, an electronic material, a thermoelectric conversion material, and a purification catalyst material.
[0002]
[Prior art]
In general, nano- to micro-sized one-dimensional pore materials represented by carbon nanotubes not only serve as template materials for forming nanoparticles necessary for improving catalytic activity, but also have hydrogen storage characteristics, superconducting characteristics, and the like. It has been reported that it is also important as a photoelectric material. On the other hand, polycrystalline ceramic materials such as semiconductors or conductive oxides are used as dielectric materials, varistor materials for overcurrent control, and small electronic parts because of their photoelectric characteristics due to their crystal structure characteristics. It is an indispensable material as the main material.
[0003]
Furthermore, the above-mentioned polycrystalline ceramic materials have found various industrial uses as photo-chemical energy conversion catalyst materials, thermoelectric energy conversion materials, sensor materials, etc. used for decomposition of water, pollutant chemicals, etc. ing. Ceramic materials with pores of various shapes are important as filter materials that screen a wide range of substances such as molecular size substances and cells, and as a material that forms a reaction field as a catalyst carrier that promotes changes in those substances. .
[0004]
In particular, in applications such as catalytic materials in a high-oxidation high-temperature atmospheric environment where chemical stability is required, ceramic nanotubes that are stable under high-temperature conditions are effective because carbon nanotubes have a problem of decomposition. . Furthermore, in these material systems, tubular polycrystalline materials having one-dimensional pores of various sizes such as nano to meso to micro size are important in controlling catalytic reaction, sensing efficiency or energy conversion efficiency and improving characteristics. It is. In particular, in the ceramic material system, since a composite material composed of particles of different compositions brings about functional improvement and characteristic addition, not only a monomolecular material such as a carbon nanotube but also a polycrystalline ceramic material composed of a combination of multiple particles. Necessary.
[0005]
These metal oxide ceramic materials having a one-dimensional pore structure are produced by vapor-phase synthesis in which carbon nanotubes are used as a template to deposit in the generated one-dimensional pores by chemical vapor deposition (CVD) or anodization of aluminum. A method is being considered. However, these methods require a large-scale apparatus equipped with a vacuum apparatus, and are low-yield and high-cost methods. In addition, an artificial zeolite tubular ceramic material having mesopores such as silicon oxide and titanium oxide is synthesized by solution reaction using a tubular micelle template formed from a surfactant.
[0006]
Furthermore, solution synthesis of mesoporous tubular ceramics mainly composed of aluminum oxide or rare earth oxide trivalent metal ions has been reported using a similar micelle template. As these prior art documents, for example, “Synthesis of Aluminum-Based Surfactant Mesophases Morphologically Controlled through a Layer to Hexagonal Transition” Inorg. Chem., 36, 5565-5569 (1997) and M. Yada et al. "Mesoporous Gallium Oxide Structurally Stabilized by Yttrium Oxide," Langmuir, Vol. 16, No. 10, 4752-4755 (2000), JP-A-7-196314, JP-A-7-196305, and the like are known.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
In this situation, when focusing on tubular ceramic particles having one-dimensional pores of a semiconductor or conductive oxide material that is used as an environment / energy material, the existing methods are tetravalent to three. Mainly the synthesis of metal oxide materials with high ionic valence, and examples of synthesis in oxide systems mainly composed of divalent metals in semiconductors or conductive oxides such as zinc oxide. almost none. Compared with trivalent metals, divalent zinc ions and transition metal ions have a relatively slow hydrolysis rate in an aqueous solution, and stabilization of tubular micelles and control of the rate of formation of tubular products by hydrolysis are possible. It seems that it is not easy. However, since the shape of the generated polycrystalline particles changes by controlling the pH, micelle concentration, and reaction time, it is considered possible to control the shape using these optimum conditions. Furthermore, it is important to find an easy method for synthesizing the semiconductor or conductive oxide tubular ceramic to be produced.
[0008]
Zinc oxide, which is a typical semiconductor oxide, exhibits direct current conductivity due to solid solution of trivalent aluminum and the like, and as a varistor material, a solar cell, a sensor material, a thermoelectric material, and a photoelectric light emitting material such as a plasma display. Many industrial applications are known. If the hydrolysis reaction in the presence of these dopant metal ions is utilized, the coprecipitation phenomenon will also promote the hydrolysis of low-valent ions, improving the yield of the precipitate and producing it by their solid solution. It is necessary to control the dopant concentration of the product.
[0009]
Aluminum solid solution zinc oxide polycrystalline materials are important as environmental and energy ceramic materials such as photocatalysts, solar cells and thermoelectric conversion materials as conductive oxide materials, and as electronic parts materials such as electrodes and varistors. Widely used industrially. By adding a spatial reaction field such as a one-dimensional through-hole to these polycrystalline materials, not only the specific surface area, which is important for catalyst materials and sensor materials, but also spatial reactions such as molecular recognition characteristics based on the spatial size. Functional improvements such as expansion of the types of target substances due to field contributions and nanoparticle arrangement in the space can be expected.
[0010]
Furthermore, if the electrical conductivity of the material is used, the development of nanoreactors such as electrochemical reactions and nano to micro devices that combine chemical reactions and sensing can be expected. Therefore, the production of these nanotube ceramics is extremely important. is there.
The present invention has been made to solve these problems, and an object of the present invention is to provide a zinc oxide polycrystalline nanotube and a method for producing the same.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present invention for solving the above-described problems comprises the following technical means.
(1) Prepare a mixed aqueous solution of divalent zinc ions and trivalent metal ions, mix a water-soluble anionic surfactant, add a precipitation-forming agent, and perform hydrolysis reaction under heating at 100 ° C or lower. precipitation reaction by plate performs fibrous or tubular form of particle synthesis, adjusted to time, metal ions, surfactants, and the composition ratio of the components of the precipitation formation agent, and water, the type of each component, the processing condition A method for producing a trivalent metal solid solution zinc oxide polycrystalline nanotube, comprising synthesizing a polycrystalline nanotube having a nano-sized through-hole by controlling the form of particles produced by the step .
(2) The method according to (1) above, wherein the metal ion is used as nitrate, chloride, or acetate.
(3) The method according to (1), wherein the trivalent metal ion is aluminum, gallium, or titanium.
(4) The method according to (1) above, wherein sodium dodecyl sulfate is used as the water-soluble anionic surfactant.
(5) The method according to (1), wherein a basic solution of hydroxide, ammonia, or urea is added as a precipitation forming agent.
(6) The method according to (1) above, wherein the form of polycrystalline particles produced by adjusting the composition ratio of metal ions, surfactant, precipitation former, and water is controlled to a tubular form .
(7) A tube-shaped trivalent, characterized in that the polycrystalline nanotube produced by the method according to any one of (1) to (6) above has been crystallized by firing at 300 to 1200 ° C. A method for producing a metal solid solution zinc oxide polycrystalline nanotube.
(8) A trivalent metal solid solution zinc oxide polycrystalline nanotube produced by the method according to any one of (1) to (7).
(9) A composite zinc oxide polycrystalline nanotube in which transition metal oxide or noble metal nanoparticles are included in the zinc oxide polycrystalline nanotube according to (8).
(10) The nano-sized to micrometer-sized one-dimensional mesopore and direct-current conductivity, characterized in that the zinc oxide polycrystalline nanotube or the composite zinc oxide polycrystalline nanotube according to (8) or (9) is included as a constituent element A member having
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be described in more detail.
In the present invention, first, a precursor solution is prepared using a divalent and trivalent two or more types of mixed metal ion aqueous solution as a precursor. In controlling the conductivity of the zinc oxide material to be produced, in particular, as an n-type material using electron carriers, trivalent metal ions such as aluminum, gallium, and titanium of several ppm to 2 mol% are uniformly dissolved in the zinc oxide crystal. It is desirable. For that purpose, metal ions such as divalent zinc ions and trivalent aluminum, gallium or titanium can be uniformly mixed in any composition as metal chloride, metal nitrate or metal acetate, etc., dissolved in water, It is preferable to use the prepared mixed aqueous solution as a starting material. However, it is not limited to these, and can be used in the same manner as long as they have the same effect. Further, in the hydrolysis with alkali, in order to obtain a precipitate having a composition based on the solution composition, for example, hydroxide, ammonia, and urea are used as the precipitation forming agent, but not limited to these, the same effect as these. Can be used in the same manner. In this case, it is more important to use a chemical species such as ammonia or urea that is easy to remove by heating or the like as a precipitation-forming agent than an alkali metal hydroxide in which a metal other than the object such as sodium hydroxide is likely to remain. It is.
[0013]
Furthermore, in order to synthesize a product of uniform shape, it avoids non-uniform precipitation of expensive ions due to local hydrolysis reaction caused by mixing concentrated alkaline species, and in the presence of different metal ions. It is necessary to gradually proceed hydrolysis and obtain a product by coprecipitation reaction. For this purpose, it is water-soluble and generates ammonia by thermal decomposition at around 90 ° C., gradually increases the solution pH, dissolves urea, which is well known as a uniform precipitant for ceramic materials, and metal ions and urea are dissolved. It is possible to control the hydrolysis rate by slowly increasing the pH of the solution by slowly heating the coexisting homogeneous solution (urea decomposition method), and further utilizing the increase in reaction rate as the temperature rises. preferable. As a result, it was found that Al solid solution zinc oxide particles having a high specific surface area of 20 to 40 m 2 / g were produced in a high yield.
[0014]
Next, in the present invention, ceramic polycrystalline particles by a coprecipitation reaction are synthesized by a hydrolysis reaction in the presence of an anionic surfactant material template.
As a method of forming nano-meso-micrometer size pores in a product using a solution reaction that is easy to operate, a material in which a template is combined is formed, and from a material formed by precipitation or the like, A technique for removing a template is known. In particular, when metal ion hydrolysis is used, various metal ions and ion pairs are formed, and the aggregates are affected by the solution conditions and the like to form spherical, plate-like, and tubular aggregates. Is important. In the synthesis of particles such as ceramics, organic templates are often used for pore formation by compounding in consideration of easy template removal by washing with water or heating.
[0015]
In particular, a surfactant having a hydrophobic alkyl group of any molecular length and an ionic (hydrophilic) ionic group forms a certain aggregate due to the hydrophobic group in an aqueous solution, and alienates the solution reaction therein. Therefore, it is possible to form a pore template using the same. An anionic alkyl group surfactant is preferred in order to use a homogeneous aqueous metal ion solution and promote ion pair formation with the metal ion. Furthermore, sodium dodecyl sulfate (SDS), which is widely used industrially as a detergent, is also used as a stabilizer in the presence of many metal ions. In the present invention, such versatility is achieved. It is desirable to use a high and safe surfactant.
[0016]
The concentration at which these surfactants begin to form aggregates in aqueous solution is known as the critical micelle concentration (CMC), but in order to form aggregates of various shapes, such as spherical, plate, and tubular, CMC The above-mentioned sufficient and moderate surfactant concentration is required. For example, the CMC of SDS is about 8.0 mmol / l (20 ° C.), but a concentration of about 2 to 10 times or more is required. Furthermore, since CMC is strongly influenced by conditions regarding polarity in an aqueous solution such as temperature, solution pH, metal ion concentration, and ionic strength, the metal ion: surfactant: precipitate-forming agent is considered in consideration of the metal ion and alkali concentration. It is necessary to set the molar ratio of water to appropriate conditions, for example, 1: 1 to 2:10 to 30:60. In the present invention, the form of the polycrystalline particles produced can be controlled by adjusting the composition ratio of the metal ion, surfactant, precipitation former, and water.
[0017]
As a result of analyzing the particles obtained by these methods, trivalent metal solid solution zinc oxide polycrystalline particles such as plate-like, fibrous, and tubular Al composed of primary particles of several nanometers are produced by heating at 100 ° C or lower. I found out that For example, by heating a solution having a composition of metal ion: surfactant (SDS): precipitation agent (urea): water = 1: 2: 30: 60 at 90 ° C. for 12 to 24 hours, an inner diameter of several hundred nm is obtained. 500-1000 nm Al solid solution polycrystalline tubular particles having the following structure are produced. The composition ratio of the above components is not limited to the above composition ratio, and can be appropriately adjusted depending on the type of each component, processing conditions, and the like. By firing the polycrystalline nanotube at 300 to 1200 ° C., preferably 300 to 700 ° C., crystallization can be promoted at a low temperature.
[0018]
Next, in the present invention, composite zinc oxide polycrystalline nanotubes can be produced by depositing metal nanoparticles such as platinum or oxide nanoparticles into a zinc oxide polycrystalline tube and enclosing them. Examples of these components include transition metal oxides such as nickel and cobalt, and noble metals such as platinum, but are not limited thereto. Joining of a different compound to the inside or the surface of a material having a one-dimensional through hole is important for reaction control of a catalyst or the like or formation of an electrode of a sensor or the like. As one method, the obtained tube material is dispersed in a uniform solution of the above components and the tube is removed from the solution using thermal decomposition, photoreaction, or chemical reaction under sufficiently solid-liquid contact. It was found that the target metal nanoparticles such as platinum and oxide nanoparticles can be deposited and included on the surface. INDUSTRIAL APPLICABILITY The present invention is useful as a one-dimensional mesopore containing the zinc oxide polycrystalline nanotube or the composite zinc oxide polycrystalline nanotube as a constituent element and a member having conductivity.
[0019]
[Action]
In the present invention, by using a homogeneous solution of divalent to trivalent different metal ions and slowly increasing the pH of the solution by the urea method or the like to carry out hydrolysis, a high specific surface area such as zinc oxide in which different metals are dissolved. The semiconductor or conductive ceramic raw material can be synthesized at a low temperature of 100 ° C. or less and in a high yield. Further, in the present invention, when these precipitates are formed, by mixing an appropriate amount of a water-soluble alkyl anionic surfactant that forms an ion pair with a metal ion and forms a micelle in an aqueous solution at a critical micelle concentration or more, Plate-like, fibrous, and tubular polycrystalline particles having high specific surface area composed of nanometer primary particles can be easily synthesized. In the present invention, the composition ratio of metal ion: surfactant: precipitation former: water is further controlled to, for example, Zn + Al: SDS: urea: water = 1: 2: 30: 60, thereby being several 10 to 100 nm. It is possible to synthesize a polycrystalline nanotube material of an Al solid solution zinc oxide having an inner diameter of 1 mm. Mesopore materials of semiconductors or conductive ceramic materials produced in the presence of these surfactants are useful as photocatalytic materials, sensor materials, electronic materials, thermoelectric conversion materials, and catalytic materials for nano-microreactor elements, etc. It is.
[0020]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not limited at all by the following examples.
(1) The conditions for preparing the precursor solution (the composition of the precursor solution, etc.) are shown in Table 1. FIG. 1 shows an experimental scheme. As shown in FIG. 1, divalent zinc and a trivalent aluminum water-soluble metal salt are added to distilled water so that the total concentration of metal ions is 0.1 M at a composition ratio of 1 mol% Al solid solution zinc oxide. It melt | dissolved and 500 mL (homogeneous metal salt solution) of the mixed solution of 0.001M aluminum nitrate and 0.099M zinc nitrate was prepared. Thereafter, as a water-soluble anionic surfactant, about 0.15 to 0.30 g of sodium dodecyl sulfate (SDS) was mixed and dissolved in the uniform metal salt solution. After the surfactant was completely dissolved, about 30 to 60 g of urea (1 to 2 M) was mixed and dissolved as a precipitate forming agent.
[0021]
[Table 1]
[0022]
The solution at this time had an initial pH of about 3.8 as shown in FIG. The SDS micelle formation concentration (critical micelle concentration: CMC) has been reported to be about 8 mM at room temperature, but it increases with changes in solution composition such as in the presence of urea or in the presence of metal ions. It is known to do. Furthermore, it is considered that an anionic surfactant forms an ion pair with a metal ion and forms a micelle in a state where the ion pair is formed. Therefore, considering that the micelle formation proceeds in a state where ion pairs are formed at a concentration sufficiently higher than CMC, a solution was prepared at a surfactant concentration of 1 to 2 times the metal ion concentration.
[0023]
(2) The homogeneous solution obtained in the above (1) was stirred and mixed for about 1 hour for the purpose of promoting particle synthesis micelle formation and ion pair formation by homogeneous coprecipitation reaction. Precipitation formation during stirring was not confirmed. Then, it heated so that solution temperature might be set to 80 degreeC on a hotplate, and it heated with stirring for 12 to 36 hours until precipitation was complete | finished. The change in the solution pH after 2 hours of heating is shown in FIG. After the solution temperature reached about 80 ° C., the pH gradually increased from 3.8, and the pH changed to around 8 in about 10 minutes due to ammonia generation accompanying the decomposition of urea. At the same time, the solution became cloudy and a precipitate was formed by the hydrolysis reaction.
[0024]
The solution pH slowly increased even after the solution pH reached 8, but became constant after about 2 hours, and the urea decomposition reaction was completed. As a result of measuring the specific surface area of the obtained precipitate, it was found that the molar ratio of metal: surfactant (SDS): urea: water was 1: 2: 10: 60 and about 28.68 m in a reaction at 80 ° C. for 12 hours. 2 / g, and when the molar ratio of metal: surfactant (SDS): urea: water is 1: 2: 20: 60 and the urea concentration, i.e., the concentration of precipitation former, is increased, 40. It was found to be a high specific surface area of 18 m 2 / g. These were comparable or high specific surface areas even when compared with a fine powder (ZNO350 manufactured by Sumitomo Osaka Cement) obtained by commercially available gas phase synthesis.
[0025]
(3) Evaluation of polycrystalline nanotubes Table 1 shows the form and the like of the generated Al solid solution zinc oxide, and further, an electron micrograph of the product and an enlarged view of the Al solid solution zinc oxide nanotube are shown in FIGS. Shown in Tube-shaped Al having a pore diameter of 100 nm and a length of about 500 nm when heated at 80 ° C. for 12 to 24 hours under a molar ratio of metal: surfactant (SDS): urea: water of 1: 2: 20: 60 Solid solution zinc oxide particles were formed. On the other hand, when the composition was heated for 36 hours, many plate-like particles were observed, the number of nanotube-shaped particles decreased, and plate-like particles were generated.
[0026]
Further, when the precipitation-forming agent (urea) concentration was decreased, the generation of particles in which the ends of the plate-like particles were wound in a tubular shape was confirmed by an electron micrograph, but metal: surfactant (SDS): urea Nanotube-shaped particles produced with a composition having a mole ratio of 1: water of 1: 2: 10: 60 were not produced. Further, even when the surfactant (SDS) concentration was increased by half or twice, plate-like particles were generated, and the yield of nanotube-like particles was extremely small. From the magnified image of the Al solid solution zinc oxide nanotubes produced with a composition of metal: surfactant (SDS): urea: water molar ratio of 1: 2: 10: 60, the tube is a few tens to several tens of nm. It was found to be a polycrystalline material composed of nano-sized particles.
[0027]
Moreover, it was confirmed by electron beam diffraction energy distribution analysis of the obtained polycrystalline nanotube that each element of Al, Zn, and O was contained in the tubular particles. From the above, Al solid solution zinc oxide polycrystalline nanotubes are heated at 80 ° C. for 12 to 24 hours under the condition of metal: surfactant (SDS): urea: water molar ratio of 1: 2: 20: 60. This is considered to be because the micelle formation and hydrolysis rate of the surfactant at this composition ratio are optimal for the formation of tube-like particles.
[0028]
The result of X-ray diffraction analysis of the generated particles is shown in FIG. Polycrystalline nanotubes obtained under the conditions of metal: surfactant (SDS): urea: water molar ratio of 1: 2: 20: 60 at 80 ° C. for 12 hours show almost no X-ray diffraction peaks. The crystallinity was low. This could be confirmed from the aggregate of nanoparticles. It was found that when these particles were heated at 300 to 700 ° C., an X-ray diffraction peak gradually appeared from 300 ° C., and crystallization proceeded at a low temperature of 300 to 700 ° C. Moreover, it has confirmed that the tube-shaped particle | grains remain even in the particle | grains after baking at 700-1200 degreeC. The sample obtained by molding and sintering at 900 ° C. exhibited direct current conductivity at room temperature, and the conductivity was about 1 × 10 −1 S / cm.
[0029]
(4) Compounding by depositing particles in the tube The tube-shaped zinc oxide particles obtained in (1) above are dispersed in a 0.1 mM ammonium chloroplatinate aqueous solution and stirred sufficiently. In the photochemical reactor, photoreduction deposition of platinum in the tube was attempted by irradiation with light of> 290 nm with a 100 W high-pressure mercury lamp at room temperature. The result is shown in FIG. As shown in FIG. 6, it was confirmed that platinum particles of several nanometers were deposited on the tube surface.
[0030]
【The invention's effect】
As described above in detail, the present invention relates to a zinc oxide polycrystalline nanotube and a method for producing the same, and according to the present invention, a predetermined amount of various kinds of mixed metal ions, a water-soluble surfactant, and a precipitation forming agent. It can be used as a catalyst material for photocatalyst materials, sensor materials, electronic materials, thermoelectric conversion materials, and nano-microreactor elements, for example, by a homogeneous coprecipitation reaction under slow hydrolysis using a mixed aqueous solution of A mesopore material having a high specific surface area, which is a semiconductor or conductive metal oxide polycrystalline material mainly composed of a divalent metal ion, can be easily synthesized from an aqueous solution at a low temperature of 100 ° C. or less in a high yield. In addition, a semiconductor or conductive metal oxide polycrystalline nanotube having a one-dimensional mesopore can be easily synthesized by adjusting the surfactant concentration and the mixing ratio of the precipitation forming agent. In addition, by modifying the nano-meso-micrometer space and using it as a reaction field, it can be used as a functional catalyst with added molecular recognition and chemical stability. Furthermore, as a material that can add various functionalities such as photoelectrochemical reaction and sensing element by transferring external energy such as light, heat, electricity, etc., as a new industrial material such as environment / energy, photoelectronics, etc. Can be deployed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows an experimental scheme of an example of the present invention.
FIG. 2 shows the relationship between typical heating time and change in solution pH under the operating conditions.
FIG. 3 shows an electron micrograph of the product.
FIG. 4 shows a TEM photograph of Al solid solution zinc oxide polycrystalline nanotubes.
FIG. 5 shows the relationship between the XRD pattern of the product and the temperature.
FIG. 6 shows a zinc oxide tube on which platinum is photochemically deposited.
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