JP4051428B2 - 歯ブラシ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯ブラシに関し、より詳細には歯磨き剤、歯への塗布物及び殺菌剤等を歯ブラシ内部からブラシ部分に吐出することができる歯ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
歯ブラシは、ブラシを形成するブラシ毛と、該ブラシ毛の末端が植設された植毛部分をその一端に有する本体部分と、を備え、例えば、歯磨きに使用される場合は別個のチューブ等に充填された歯磨き剤をブラシ毛に塗布した後、ブラッシングして使用されていた。また、歯ブラシによって歯へ塗布物や殺菌剤等を塗布する場合には、別個の容器内に貯蔵された塗布物や殺菌剤等をブラシ毛にたびたび塗布しつつブラッシングを行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の歯ブラシの場合、歯磨きを行う場合には歯ブラシとは別の、歯磨き剤が充填されたチューブ等を取り出し、該チューブから歯磨き剤を適量絞り出して歯ブラシのブラシ毛に塗り付ける必要があった。また、歯へ塗布物や殺菌剤等を塗布する場合には歯ブラシとは別の、塗布物や殺菌剤等が貯蔵された容器を取り出し、塗布物や殺菌剤等を適量歯ブラシのブラシ毛に(歯に塗布される塗布物等がむらにならないように)度々塗り付ける必要があった。このように歯磨きや歯への塗布物等の塗布に際して、従来の歯ブラシは、歯ブラシとは別個のチューブや容器を取り出してその内容物をブラシ毛に一度又は度々塗り付ける必要があり、作業性が良くなかった。
【0004】
そこで本発明においては、流動物(液体、ゲル状、スラリー状)を歯ブラシ内部に貯蔵しておき、必要なときに所望量の該流動物を容易にブラシ部分に吐出させることができる歯ブラシを提供することを目的とする。これによって歯ブラシのみを用意することで、歯磨きや歯への塗布物の塗布を行うことができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ブラシを形成するブラシ毛と、該ブラシ毛の末端が植設された植毛部分をその一端に有する本体部分と、を備える歯ブラシであって、該本体部分がその内部に形成されたシリンダー部と該シリンダー部の内部に挿設されたピストン部とを有し、該本体部分が、該シリンダー部の先端内部に連通し該植毛部分の表面の一部に形成された本体開口と、該本体開口の内周とその外周とが着脱自在に嵌合するノズル部であって該本体開口と嵌合状態のとき該シリンダー部の該先端内部と該本体部分の外部とを連通させる導管部分をその内部に有するノズル部と、を有するものである、歯ブラシである。こうすることでシリンダー部内部に充填された流動物(液体、ゲル状、スラリー状のいずれのものでもよい)をピストンによって圧送し、本体開口に嵌合されたノズル部の導管部分を介して、本体部分の外部へと該流動物を所望量吐出することができる。このためシリンダー部内部に流動物が充填されている本発明の歯ブラシを用意することで、所望量の該流動物を迅速、容易かつ所望の際にブラシ部分へ塗布することができる。
【0006】
本発明の歯ブラシ(以下、「本歯ブラシ」という。)は、ブラシを形成するブラシ毛と、該ブラシ毛の末端が植設された植毛部分をその一端に有する本体部分と、を備える歯ブラシである。ブラシ毛とは、従来の歯ブラシが有するものと同様にその先端部分が歯の表面に接触し歯の表面を擦る毛であり、従来の歯ブラシが有するものと同様に形成される(材質は特に限定されないが、例えば従来のものと同様に、ポリアミドやポリブチレンテレフタレート等を使用することができる。)。ブラシ毛の末端が、本体部分(通常、柄と呼ばれる部分)の一端に位置する植毛部分に植毛されている。本体部分は、従来の歯ブラシが有するものと同様に手によって把持される棒状の部分をいい、本体部分が形成される材質は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン等の従来の歯ブラシの柄を形成していた材質によって形成されることができる。
【0007】
本歯ブラシの本体部分は、本体部分の内部に形成されたシリンダー部と該シリンダー部の内部に挿設されたピストン部とを有する。シリンダー部の内周面とピストン部とは液密的に密接する。シリンダー部内部には流動物が貯蔵され、流動物はピストンによって圧送される。流動物は、液体、ゲル及びスラリー等いかなる状態であってもよく、また流動物は、歯の表面に接触させるべきものであれば特に制限はなく、例えば、歯磨き剤、消毒剤(酸化電位水等も含む)、歯への塗布物(本出願人出願の平成9年特許願第309268号及び平成10年特許願第58871号に係わる歯牙被覆組成物も本歯ブラシによって歯牙にむらなく塗布することができる。)等いかなるものでもよい。ピストン部はシリンダー部に対して液密的に進退又は進入することができる。ピストン部がシリンダー部内部へ進むことでシリンダー内部に充填されていた流動物が本体開口に向かって圧送され、ピストン部がシリンダー部内部から退く(ピストン部がシリンダー部内部から抜き取られる方向へと移動させられる)ことでシリンダー内部に新たな流動物が受け入れられ充填されることができる。ここに「進退又は進入」とあるように、ピストン部がシリンダー部に対して進むこと(ピストン部がシリンダー部内部に挿入される方向に移動すること)と退くこと(ピストン部がシリンダー部内部から抜き取られる方向に移動すること)との両方を行う場合(進退)であっても、またピストン部がシリンダー部に対して進むこと(ピストン部がシリンダー部内部に挿入される方向に移動すること)のみを行う場合(進入のみ。従って、ピストン部は退かないので、シリンダー部内部への流動物の再充填はできない。)のいずれであってもかまわない。なお、シリンダー部が本体部分内部に形成される方向は、特に限定されるものではないが、シリンダー部の長手方向が本体部分の長手方向に対して平行方向になるように形成されればシリンダーの長さを大きくとることができるので好ましい。さらに、ピストン部をシリンダー部から完全に抜き取ることができるようにして、ピストン部を抜き取った部分(開口)から流動物をシリンダー部内部へ充填することができるようにしてもよい。
【0008】
ピストン部がシリンダー部に対して進退又は進入することができるように、ピストン部が雄ねじ部の先端に取り付けられ、本体部分が該雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有するようにしてもよい。こうすることで雄ねじ部を雌ねじ部に対して回転させることで、ピストン部をシリンダー部に対して進退又は進入させることができるので好ましい。また、このように両ねじ部の螺合によってピストン部を進退又は進入させれば、ピストン部の進退又は進入を細かく調節することができるので流動物の所望量を正確に圧送することができ、さらにピストン部を所定位置に保持することができるのでピストン部が不意に移動してシリンダー部内部から流動物が不意に流出したりシリンダー部内部に空気を吸い込むことを防止することができるので好ましい。
【0009】
本歯ブラシの本体部分は、シリンダー部の先端内部に連通し植毛部分の表面の一部に形成された本体開口と、本体開口の内周とその外周とが着脱自在に嵌合するノズル部であって本体開口と嵌合状態のときシリンダー部の先端内部と本体部分の外部とを連通させる導管部分をその内部に有するノズル部と、を有する。本体開口は、シリンダー部の先端内部に連通しており、ピストン部によってシリンダー部の先端から圧送された流動物が本体開口に向かって吐出される。ここに「シリンダー部の先端」とは、ピストン部が挿入される、シリンダー部の端部とは反対側のシリンダー部の端部をいい、この先端内部と本体開口を連通させることによってシリンダー部内部に充填された流動物をピストン部によって本体開口へと円滑に圧送することができる。なお、「シリンダー部の先端」はシリンダー部の底面(シリンダー部内部が円柱形であれば円形部分)に必ずしも形成される必要はなく、ピストン部がシリンダー部の最も奥まで挿入される間、流動物を吐出することができれば側面に形成されてもよい。本体開口は、ブラシ毛の末端が植設された植毛部分の表面の一部に形成される。ここにいう「植毛部分の表面の一部に形成」とは、本体開口の周囲が植毛部分によって取り囲まれている場合のみならず、植毛部分の外郭に接するように本体開口が形成されている場合も含まれる。
【0010】
ノズル部は、ノズル部の外周が本体開口の内周へ着脱自在に嵌合することで本体開口へ着脱自在に取付けられる。ノズル部は、流動物の性質(粘度、浮遊物の有無及び大きさ等)や目的(歯磨き剤、歯への塗布剤等)に応じて適当なものに交換することができ、さらにノズル部を本体開口から取り外した状態で本体開口を介してシリンダー部内部へ流動物を充填することもできる。なお、ピストン部がシリンダー部に対して進退する場合、流動物を再充填することで本歯ブラシを繰り返し使用することができる。ノズル部は、それが本体開口と嵌合状態のとき、シリンダー部の先端内部と本体部分の外部とを連通させる導管部分をその内部に有する。即ち、ノズル部が本体開口と嵌合している状態において、ピストン部がシリンダー部内部に充填された流動物を圧送すれば、流動物はシリンダー部先端からノズル部の導管部分を通過して本体部分の外部へと流出する。流動物が流出する位置はブラシ毛に隣接した場所であるので、主として流出物はブラシ毛に付着してブラシ毛の毛細管現象によってブラシ毛の先端へと吸い上げられ、流動物は歯の表面にうまく接触することができる(ブラッシングにおいては歯ブラシのブラシ毛の先端が歯の表面に接触する)。
【0011】
ノズル部が本体開口と嵌合状態のとき本体部分の外部へ面する、ノズル部の表面に、ノズル部の周囲のブラシ毛と同方向に伸びるようにその末端が植設されたノズル毛をノズル部が有してもよい。こうすることでノズル部の導管部分を通過して本体部分の外部へと流出した流動物がノズル毛にうまく付着し(流動物が流出する場所からノズル毛までの距離が、該場所からブラシ毛までの距離よりも小さいので、ノズル毛に付着しやすい。)、流出した流動物の大部分がノズル毛先端へと毛細管現象によって移送されるので、流動物は歯の表面に無駄なく一層効果的に接触することができる。この場合、ノズル毛の先端がブラシ毛の先端よりも突出するようにしてもよい。こうすれば歯の表面にノズル毛の先端のみを接触させることができ(ブラシ毛の先端が歯の表面に接触しない)、流動物が接触する歯の表面の部分を狭く限定することができる。
【0012】
シリンダー部の先端内部と本体開口との間の連通を断続するためにシリンダー部の内部に弁部を形成してもよい。弁部は、シリンダー部の先端内部と本体開口との間の連通を遮断する目的で使用され、例えば、本体開口を介して流動物が不意に流出すること等を防止することができる。弁部は、歯ブラシ内部(シリンダー部の内部)に形成されるので小型、軽量、かつ構造が簡単であることが好ましく、例えば、本体開口に向かって断面積が減少する弁座部分であってその頂点部分に本体開口と連通する弁座開口を有する弁座部分と、該弁座部分にその外面が当接することでシリンダー部の内部から本体開口への連通を遮断するボールと、を有するように構成することができる。弁座部分は、ボールの外面が当接することでシリンダー部内部から本体開口への連通を遮断することができるよう本体開口に向かって断面積が次第に減少する形状を有しており、例えば、円錐形(円錐台形)の内部形状と同様な形状を有するようにしてもよい。弁座部分はその頂点部分(本体開口に向かって断面積が減少した最も奥の部分)に弁座開口が形成されており、弁座開口は本体開口と連通している。このためボールの外面が弁座部分に当接していない状態では、シリンダー部内部から弁座開口を経由して本体開口へと自由に連通した状態になっているが、ボールの外面が弁座部分に当接するとボールはそれ以上弁座開口方向へは移動することができずさらにボール外面と弁座部分との液密的な当接によってシリンダー部内部から弁座開口への連通は遮断される。
【0013】
このようなボールと弁座部分とによって構成された弁部であれば、ボールの密度が1g/cm3よりも大きくなるようにしてもよい。こうすることで弁座開口が下向きになったとき(通常、本体開口及びノズル部も下向きになり、流動物が重力によって自然に流出しやすくなる)、流動物(ほぼ密度が1g/cm3前後のものが多い。)中に存在するボールが自然に下方へ降下しボール外面が弁座部分と当接し、シリンダー部内部から弁座開口への連通は遮断されるので、流動物が弁座開口、本体開口、ノズル部を経て不意に流出することを回避することができる。なお、ここにいう「ボールの密度」とはボール全体の見かけ密度をいい、流動物の密度や粘度等に応じて適宜定められれば良いが、通常、5〜13g/cm3の範囲とされればよく、とりわけ7〜12g/cm3の範囲とされることが好ましい。ボールを形成する材料は、流動物と接触しても変質等しない材料であれば特に制限なく使用することができ、例えば、樹脂材料、無機材料、金属材料等いかなるものであってもよいが、ボール密度の適正範囲を考慮すると金属材料とりわけ鋼材が好ましい。
【0014】
上記のように、ボールは弁座開口が下向きになったとき自然に下方へ降下しそれによって確実に弁座部分に当接し、シリンダー部内部から弁座開口への連通が遮断されることが好ましい。このためにはボールが弁部に局在化するように(ボールが弁部から飛び出し、弁部から離れたシリンダー部の部分に存在しないように)、シリンダー部の内部の、弁部への入口部分をボールが通過できないよう該入口部分を塞ぐための網目状のボール止めをさらに備えるようにしてもよい。ボール止めは、流動物を通過させるがボールを通過させないものであればよく、その程度の目の荒さ(例えば、流動物がスラリー状であればそれに含まれる固形物を通過させる程度の目の大きさを有する必要がある)を有する網目状(メッシュ状)のものを使用することができる。ボール止めを設ける弁部への入口部分は、歯ブラシが様々な方向に向けられた後でも全て、弁座開口が下向きになったとき、ボールが自然に下方へ降下しそれによって確実に弁座部分に当接することができる位置であればいかなる位置に形成されてもよく、例えば、弁座開口が鉛直方向上向きになった状態における弁座部分の下方への投影領域内にボールがとどまるようにボール止めを設ければよい(弁座開口が鉛直方向下向きになった状態では該投影領域内からボールを落下させれば弁座部分にボールが落下する。)。
【0015】
本歯ブラシのシリンダー部内部に流動物を充填した状態で流通させる場合等においては、本歯ブラシが使用される迄、流動物が本体開口から流出しない確実な措置がとられることが好ましい。このためにはボールが弁座開口を塞いだ状態で固定されるための、弁座部分の頂点部分に形成されたボール嵌入部を弁座部分がさらに有し、ボール嵌入部に嵌入されたボールは、ノズル部を本体開口へと嵌合させた際、ノズル部の末端(ノズル部を本体開口へ嵌合させる際の、ノズル部の先頭部分)によってボール嵌入部から押し出されるようにしてもよい。こうすることでシリンダー部内部に流動物を充填した本歯ブラシを出荷する際にボールをボール嵌入部に嵌入しておくことで(ノズル部は本体開口へ嵌合させない状態で出荷する)、本歯ブラシ使用前の流動物の流出を確実に防止すると共に、使用に際してはノズル部を本体開口へと嵌合させることでボールをボール嵌入部からシリンダー方向へと迅速かつ容易に押し出すことで弁座開口が開放され流動物をノズル部から流出させて本歯ブラシを使用することができるので、極めて便利である。ボール嵌入部は、ボールが弁座開口を塞いだ状態で固定される構造を有するものであればいかなるものであってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
図1は、一実施例の本歯ブラシを示す上面図である(ブラシ毛の先端が向いている方を上方とする)。図1を参照して、歯ブラシ11は、ブラシ毛13(ブラシ毛13が伸びる方向から見ているので点に近い形に見える)と、ブラシ毛13の末端が植設された植毛部分15をその一端に有する本体部分17と、を備えている。本体部分17は、その長手方向に沿ってその内部に形成されたシリンダー部19(本体部分17の内部に形成されているので、図1には直接現れない。)と、シリンダー部19の内部に挿設されたピストン部21と、を有する。シリンダー部19の内面とピストン部21の外面とは、液密的に摺動可能になっており、ピストン部21はシリンダー部19の長手方向23に沿って進退可能になっている。なお、本実施例の場合、ピストン部21はシリンダー部19内部に進退可能になっているが、進入のみを行うものであってもよい。ピストン部21は、雄ネジ部31の先端に取り付けられ、本体部分17は雄ネジ部31と螺合する雌ネジ部33を有する。このため雄ネジ部31の末端のハンドル35を回転させることによって、雄ネジ部31を雌ネジ部33に対して進退(図1中では左右に移動)させ、ピストン部21がシリンダー部19に対して進退(図1中では左右に移動)させられる。一方、本体部分17は、ノズル部25を有する。ノズル部25は、シリンダー部19の先端内部と本体部分17の外部29とを連通させる導管部分27をノズル部25の内部に有する。なお、ノズル部25の外周は後述するように本体開口の内周と着脱自在に嵌合しており、本体部分17の外部29へ面する、ノズル部25の表面に、ノズル毛37の末端が植設されている。ノズル毛37は、ノズル部25の周囲のブラシ毛13と同方向に伸びるように植設されている。また、後で図示するが、ノズル毛37の先端は、ブラシ毛13の先端よりも突出(ノズル毛37の先端の方が高い)した状態になっている。
【0018】
図2は、図1のY−Y断面図である。図2を参照して、本体部分17はブラシ毛13の末端が植設された植毛部分15をその一端に有している。本体部分17は、その長手方向に沿ってその内部に形成されたシリンダー部19と、シリンダー部19の内部に挿設されたピストン部21と、を有する。シリンダー部19は円柱状の内部を有しており、ピストン部21は該円柱状の内部に液密的に摺動しつつ進退可能な円柱状の形状を有している。ピストン部21は、雄ネジ部31の先端に取り付けられ、本体部分17は雄ネジ部31と螺合する雌ネジ部33を有する。このため雄ネジ部31の末端のハンドル35を回転させることによって、雄ネジ部31を雌ネジ部33に対して進退(図2中では左右に移動)させ、ピストン部21がシリンダー部19に対して進退(図2中では左右に移動)させられる。
【0019】
一方、本体部分17は、ノズル部25を有する。ノズル部25は、シリンダー部19の先端内部と本体部分17の外部29とを連通させる導管部分27をその内部に有する。ノズル部25の外周39は、本体開口(図2ではノズル部25が嵌合することで塞がれている。)の内周41と着脱自在に嵌合している。なお、本実施例の場合、ノズル部25の外周39にはシールリップ43が形成されると共に、本体開口の内周41にはシールリップ43と嵌合する嵌合溝45が形成されているので、ノズル部25の外周39と本体開口の内周41とが確実に嵌合している。本体部分17の外部29へ面する、ノズル部25の表面にノズル毛37の末端が植設されている。ノズル毛37は、ノズル部25の周囲のブラシ毛13と同方向に伸びるように植設されている。ノズル毛37の先端37aが、ブラシ毛13の先端13aよりも突出した(ノズル毛37の先端37aの方がブラシ毛13の先端13aよりも高い)状態になっている。
【0020】
さらに、シリンダー部19の内部には弁部47が備えられている。弁部47は、弁座部分49とボール51とを有する。弁座部分49は、本体開口に向かって(図2においてはノズル部25に向かって)断面積が減少する円錐形(円錐の頂点部分が欠けた形状であるので円錐台形ともいえる。)の内部形状を有する。弁座部分49はその頂点部分に弁座開口57を有する。弁座開口57は本体開口(図2のようにノズル部25が本体開口に嵌合した状態では、ノズル部25の導管部分27)と連通している。ボール51は、弁座部分49にその外面が当接することでシリンダー部19の内部から本体開口(図2ではノズル部25の導管部分27)への連通を遮断する(図6を参照のこと)。ボール51は中空部分を有さないステンレス鋼製の球(直径は約2mm)である。また、ボール51が弁部47に局在化するようにボール止め53が設けられている。ボール止め53はシリンダー部19の内部の、弁部47への入口部分に設けられており、ボール51が通過できずかつ流動物が通過することができる程度の網目構造を有している(1個の網の目はほぼ1mm×1mmの正方形である)。
【0021】
また、弁座部分49の頂点部分にはボール嵌入部55が形成されている。ボール嵌入部55はノズル部25が本体開口へ嵌合していないとき、ボール51を嵌入されることでボール51を保持し、それによってボール51が弁座開口57を塞ぐ。ボール嵌入部55の上縁部55aと下縁部55bとによってボール51は保持され、ボール嵌入部55に嵌入されたボール51は、ノズル部25を図2のように本体開口へと嵌合させた際、ノズル部25の末端25aによってボール嵌入部55から押し出される(押し出された状態が図2の状態である)。
【0022】
図3は、図1及び図2に示された一実施例の本歯ブラシからノズル部25を取り外したところを示す上面図である(従って、図1からノズル部25を取り外したところを示している)。図1と同じ参照番号は図1のものと同じ要素を示しているので、説明を省略する。本体部分17は、シリンダー部19の先端内部に連通する本体開口61を有する。本体開口61は植毛部分15の表面の一部に形成されており、本体開口61の内部には、ボール嵌入部55が観察される(ボール嵌入部55を通して弁部47も観察される)。本体開口61とボール嵌入部55とはボール嵌入部55の上縁部55aによって区分されている。
【0023】
図4は、図3のX−X断面図である。図4を参照して、本体部分17は本体開口61を有する。本体開口61は植毛部分15の表面の一部に形成されており、本体開口61の内周41には、嵌合溝45(ノズル部25の外周39に形成されているシールリップ43と嵌合する)が形成されている。本体開口61に連通するように弁部47が形成されており、弁部47の弁座部分49が円錐台形(円錐形の頂点部分を該円錐形の中心軸に対して垂直面によって切断した形状)の内部形状になるように形成されている。本体開口61と弁部47との間にはボール嵌入部55が形成されている。ボール51(図4においては図示しない)が、嵌入部55の上縁部55aと下縁部55bとの間に保持されることができる。一方、シリンダー部19の内部の、弁部47への入口部分には網目状のボール止め53が備えられている。
【0024】
図5は、シリンダー部19の内部に流動物を充填した、図1乃至図4に示された歯ブラシ11を出荷する際の状態を示す断面図であり、図2と同位置の断面を示している。図5を参照して、ノズル部25が本体開口61へ未だ嵌合されていない状態になっている。ボール51がボール嵌入部55へ嵌入され固定されており、それによってボール51が弁座開口57を塞いでいる(ボール51のボール嵌入部55への嵌入は、ボール嵌入部55の上縁部55a又は下縁部55bの弾性変形を利用したり、ボール51を成形型内にインサートすることによって行えばよく、例えば、本体開口61側からボール51をボール嵌入部55に向かって押し込んで嵌入すればよい。)。ボール嵌入部55の上縁部55aと下縁部55bとによってボール51は確実に保持され、シリンダー部19内部と本体開口61との間の連通をボール51が完全に遮断している(図5においては図示を容易にするためにボール51とボール嵌入部55との間に隙間が存在するが、実際には両者は液密的に密接している。)。一方、シリンダー部19の内部には歯への塗布物が充填されている。該塗布物はボール51とピストン部21とによってシリンダー部19の内部に封入されており、この状態で歯ブラシ11を出荷流通させても歯ブラシ11が需要者に使用されるまで該塗布物が外部へ流出したりシリンダー部19の内部に空気が流入する問題は生じない。なお、歯ブラシ11の出荷に際しては、雄ねじ部31が雌ねじ部33に対して回転しないように固定するための雄ねじ部止め(図示せず)が取り付けられるので、流通途中でピストン部21がシリンダー部19に対して進退することはない。さらに、ノズル部25は本体開口61に嵌合させない状態で出荷する。
【0025】
図5の状態の歯ブラシ11を使用する際には、ノズル部25を本体開口61へと嵌合させればよい。それによってノズル部25の末端25aがボール51をボール嵌入部55から弁部47の方向へ押し出し、図2に示した状態になる。図2の状態では、シリンダー部19に充填された塗布物がピストン21の圧送によってノズル部25の導管部分27を経由して本体部分17の外部29へと流出することができる。
【0026】
図6は、弁座開口57がシリンダー部19よりも下方になるように歯ブラシ11が向けられた状態を示す断面図であり(図2の状態から歯ブラシ11の長手方向の周りに180度歯ブラシ11を回転させた状態である)、図2と同位置の断面を示している。図6を参照して、ボール51が重力によって弁部47の下方へと落下し、落下したボール51aの外面が弁座部分49に当接しており、シリンダー部19の内部から本体開口(図6の場合では本体開口へノズル部25が嵌合しているのでノズル部25の導管部分27)への連通が遮断されている(内部が空洞の円錐形の内部に球を入れて該円錐形の頂点を下向きに向けた状態で該球が該頂点方向に降下し、該球が該内部の内面に当接した状態に類似した状態になっている。)。このためシリンダー部19に充填された塗布物(流動物)は本体開口(図6の場合ではノズル部25の導管部分27)から重力によって不意に流出することがなく(ボール51aが連通を遮断しないと、該塗布物(流動物)が重力によって流出する)、塗布物(流動物)の無駄、過剰塗布、塗布むら等の問題を回避することができる。なお、歯ブラシ11を図6の状態から弁座開口57がシリンダー部19よりも上方になるように向けると、ボール51aは重力によって落下し弁座部分49から離れ、図2の状態になる。このようにボール51は弁座開口57が下方に向いたとき、弁座部分49に当接し連通を遮断するよう働き、重力による意図しない流動物の流出を防止する。
【0027】
本発明は上記した実施例に限定されるものでないことは言うまでもなく、さらに、特許請求の範囲と実質的に均等の範囲のものまで含む。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、本発明の歯ブラシによれば、シリンダー部の内部に充填された流動物をピストン部によって圧送することでノズル部の導管部分を経由して植毛部分に流出させることができるので、流動物の貯蔵容器等(例えば、歯磨き剤が充填されたチューブ等)を別に用意することなく必要なときに所望量の該流動物を容易にブラシ部分(ブラシ毛)に吐出させ塗布することができる。また、このように容易に流動物をブラシ部分に吐出させ塗布することができるので、歯への塗布物を塗布する際に常に適切な量の塗布物がブラシ部分へ付着した状態にすることができ、歯への塗布を適切な厚みでむらなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の本歯ブラシを示す上面図である。
【図2】図1のY−Y断面図である。
【図3】図1に示された一実施例の本歯ブラシからノズル部を取り外したところを示す上面図である。
【図4】図3のX−X断面図である。
【図5】シリンダー部の内部に流動物を充填した、図1乃至図4に示された歯ブラシを出荷する際の状態を示す断面図である。
【図6】弁座開口がシリンダー部よりも下方になるように歯ブラシが向けられた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
11 歯ブラシ
13 ブラシ毛
13a ブラシ毛の先端
15 植毛部分
17 本体部分
19 シリンダー部
21 ピストン部
23 長手方向
25 ノズル部
25a ノズル部の末端
27 導管部分
29 本体部分の外部
31 雄ネジ部
33 雌ネジ部
35 ハンドル
37 ノズル毛
37a ノズル毛の先端
39 ノズル部の外周
41 本体開口の内周
43 シールリップ
45 嵌合溝
47 弁部
49 弁座部分
51 ボール
51a 落下したボール
53 ボール止め
55 ボール嵌入部
55a ボール嵌入部の上縁部
55b ボール嵌入部の下縁部
57 弁座開口
61 本体開口

Claims (6)

  1. ブラシを形成するブラシ毛と、
    該ブラシ毛の末端が植設された植毛部分をその一端に有する本体部分であって、その内部に形成されたシリンダー部と、該シリンダー部の内部に挿設されたピストン部と、該シリンダー部の先端内部に連通し該植毛部分の表面の一部に形成された本体開口と、該本体開口の内周とその外周とが着脱自在に嵌合し該本体開口と嵌合状態のとき該シリンダー部の該先端内部と該本体部分の外部とを連通させる導管部分をその内部に有するノズル部と、を有する本体部分と、
    該シリンダー部の内部と該本体開口との連通を断続するために該シリンダー部の内部に形成された弁部であって、該本体開口に向かって断面積が減少する弁座部分であってその頂点部分に該本体開口と連通する弁座開口を有する弁座部 と、該弁座部分にその外面が当接することで該シリンダー部の該内部から該本体開口への連通を遮断するボールと、を有するものである弁部と、
    を備える歯ブラシであって、
    該ボールが該弁座開口を塞いだ状態で固定されるための、該弁座部分の該頂点部分に形成されたボール嵌入部を該弁座部分がさらに有し、
    該ボール嵌入部に嵌入された該ボールは、該ノズル部を該本体開口へと嵌合させた際、該ノズル部の末端によって該ボール嵌入部から押し出されるものである、歯ブラシ。
  2. 該ピストン部が該シリンダー部に対して進退又は進入することができるように、該ピストン部が雄ねじ部の先端に取り付けられ、該本体部分が該雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有するものである、請求項1に記載の歯ブラシ。
  3. 該ノズル部が該本体開口と嵌合状態のとき該外部へ面する、該ノズル部の表面に、該ノズル部の周囲の該ブラシ毛と同方向に伸びるようにその末端が植設されたノズル毛を該ノズル部が有するものである、請求項1又は2に記載の歯ブラシ。
  4. 該ノズル毛の先端が、該ブラシ毛の先端よりも突出しているものである、請求項3に記載の歯ブラシ。
  5. 該ボールの密度が1g/cmよりも大きいものである、請求項1乃至4のいずれか1に記載の歯ブラシ。
  6. 該ボールが該弁部に局在化するように、該シリンダー部の内部の、該弁部への入口部分を該ボールが通過できないよう該入口部分を塞ぐための網目状のボール止めをさらに備えるものである、請求項1乃至5のいずれか1に記載の歯ブラシ。
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