JP4050905B2 - フェノール類のメチレン化物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホルムアルデヒドを原料とするフェノール類のメチレン化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フェノール類のメチレン化物のひとつであるジフェノキシメタン類は、医薬、農薬、染顔料、樹脂原料、溶剤など広範囲に用いられるエーテル化合物である。エーテル類の合成方法としては、例えばウィリアムソンのエーテル合成法として一般によく知られた方法や、四級アンモニウム塩を相間移動触媒として用いるエーテル合成[Tetrahedron Letters No.2,95−96(1976)、およびJ.Chem.Tech.Biotechnol Vol.64,325−330(1995)]がある。いずれの場合も原料としてハロゲン化アルキルを用いる方法である。
【0003】
このように、原料としてハロゲン化アルキルを用いるため、目的とするエーテル類と共に、化学量論量のハロゲン化アルカリを副生成することから、大量の利用されない廃棄物を発生させるという問題があった。
また、フェノール類のメチレン化物の一つであるサリチルアルコール類は、香料や植物成長調整剤として使用されるオルトヒドロキシメチルフェニル酢酸の望ましい中間体である。その製造方法は硼酸共存下で硼酸フェノールエステルを中間体として生成して製造する方法(特公昭63−40774号公報)等が知られているが、大量に使用される硼酸の消費と共に多量の廃棄物を生成させるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多量の廃棄物を発生させない、フェノール類のメチレン化物の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来法の問題点を解決するために鋭意検討した結果、フェノール類を超臨界状態にあるアルデヒド類と反応させることによって、多量の廃棄物を生じることなくフェノール類のメチレン化物を生成させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
[1] フェノール類と、ホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド発生物質とを、ホルムアルデヒドが超臨界状態となる条件下で、無触媒で反応させることを特徴とするフェノール類のメチレン化物の製造方法、
[2] フェノール類が、一般式(1)であらわされるフェノール類であることを特徴とする上記[1]のフェノール類のメチレン化物の製造方法、
【0006】
【化3】
【0007】
(式中、Rは、水素原子、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1から10個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヒドロキシル基、ホルミル基、フェニル基またはフェノキシ基を表し、nは1〜3の整数である。nが2以上の場合には、Rは同一であっても、それぞれ異なっていても良い。)
[3] フェノール類のメチレン化物が一般式(2)及び一般式(3)であらわされるフェノール類のメチレン化物であることを特徴とする上記[2]のフェノール類のメチレン化物の製造方法、
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、Rは、水素原子、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1から10個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヒドロキシル基、ホルミル基、フェニル基またはフェノキシ基を表し、nは1〜3の整数である。nが2以上の場合には、Rは同一であっても、それぞれ異なっていても良い。)
である。
従来、ホルムアルデヒドのフェノール類アセタールの形態であるジフェノキシメタン類を製造するに際し、ハロゲン化メチル等を使用しなければならなかったが、本発明によれば、フェノール類とホルムアルデヒドから直接ジフェノキシメタン類を得ることができる。また、従来サリチルアルコール類の製造に際しては硼酸等の触媒が必要であったが、本発明によれば、無触媒でサリチルアルコール類を得ることができる。
【0010】
ホルムアルデヒドは通常、水素結合によって多量体として存在しているが、超臨界状態では、分子間力よりも運動エネルギーが上回っており、それぞれの分子が分子間力に束縛されず、単独で存在している状態に変化する。ホルムアルデヒド臨界点は臨界圧力が約6.5MPa、臨界温度が135℃であることが知られている(齋藤正三郎著 超臨界流体の科学と技術 三共ビジネス有限会社刊を参照)。
【0011】
しかしながら、酸又は塩基などの触媒共存下でフェノール類を超臨界状態のホルムアルデヒドと反応させると、急激な重合反応が進行して架橋されたフェノール樹脂となる。従ってこれまでの硼酸等を使用したサリチルアルコール類の製造方法では、通常120℃程度までの低い温度領域で反応させている。
本発明は、無触媒でフェノール類と超臨界状態のホルムアルデヒドを反応させると、驚くべきことに、このような思わしくない重合反応が殆ど進行せず、フェノール類のメチレン化物であるジフェノキシメタン類及びサリチルアルコール類が生成することを見いだしたことに基くものである。
【0012】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明においては、フェノール類を超臨界状態にあるホルムアルデヒドと反応させてフェノール類のメチレン化物を製造する。
本発明で使用されるフェノール類は下記一般式(1)で表されるフェノール類である。
【0013】
【化5】
【0014】
(式中、Rは、水素原子、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1から10個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヒドロキシル基、ホルミル基、フェニル基またはフェノキシ基を表し、nは1〜3の整数である。 nが2以上の場合には、Rは同一であっても、それぞれ異なっていても良い。)
これらのうち、超臨界ホルムアルデヒドへの溶解等を考慮すれば、フェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノールが好ましく、更に好ましくはフェノールである。
【0015】
本発明においてはホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド発生物質が使用される。本発明においてホルムアルデヒド発生物質とは、ホルムアルデヒドの臨界点以上でホルムアルデヒドを発生するような物質であればよいが、好ましくはパラホルムアルデヒドである。本発明においては、ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒドが好ましく用いられる。
反応温度はホルムアルデヒドが超臨界状態となる臨界温度である135℃以上であればよいが、副反応の発生を考慮すれば、135℃以上170℃以下の範囲が好ましい。反応圧力は、ホルムアルデヒドが超臨界状態となる臨界圧力である約6.5MPa以上であることが好ましく、反応中も超臨界状態を維持するために好ましくは7.0MPa以上であり、副反応の発生を考慮すれば300MPa以下であることが好ましい。
【0016】
本発明において、必要に応じて溶媒を共存させることができる。この溶媒としてはホルムアルデヒド及びフェノール類と反応しない溶媒を選択することができる。好ましい溶媒としては、ペンタン、ヘキサンなどの飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセンなどの不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、エチレングリコール、プロパンジオールなどの飽和炭化水素アルコール、プロペノール、ブテノール、ペンテノール、ヘキセノールなどの不飽和炭化水素アルコール、ベンジルアルコールなどのアラルキルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素、エーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、クラウンエーテルなどの脂肪族エーテル、ジフェニルエーテルなどの芳香族エーテル類が使用できる。
【0017】
溶媒を添加することによって反応の選択率を変化させることが可能な場合がある。ジフェノキシメタン類の選択率をあげようとすれば、極性の低い脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が好ましく、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが好ましい。更に好ましくはヘキサンである。サリチルアルコール類の選択率をあげようとすれば、脂肪族エーテルを共存させることが好ましく、このような例としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルである。なお、酸又は塩基性を示す溶媒は、該溶媒を使用した場合に好ましくない重合反応が起こるために使用できない。
【0018】
使用されるフェノール類の量は、反応中にホルムアルデヒドが消費されるために、フェノール類は、反応中にホルムアルデヒドが超臨界状態を維持できる量を使用することが好ましい。これらフェノール類と、ホルムアルデヒドの量比としては、フェノール類の転化率によって好ましい値は異なるが、ホルムアルデヒドの好ましい範囲として、フェノール類に対するモル比で表せば0.5倍以上1000倍以下であり、フェノール類の転化率を高くしたい場合には2倍以上1000倍以下の範囲で実施するのが更に好ましい。
【0019】
本発明で得られるフェノールのメチレン化物の混合物は容易に分離単離することができる。これは、本発明で得られる生成物において、極性の大きく異なる化学式(2)表されるジフェノキシメタン類と化学式(3)で表されるサリチルアルコール類が高い選択率で得られるているからである。
反応生成物からの単離は、一般に用いられる抽出方法、蒸留方法、クロマト分離方法、晶析方法などが好ましく使用される。高純度で得ようとすれば、抽出方法、蒸留方法、晶析方法を組み合わせた方法が好ましい。
【0020】
抽出方法で用いられる溶媒としては、極性の低いジフェノキシメタン類と極性の高いサリチルアルコール類を分配できる溶媒であれば何でも良いが、好ましい溶媒の例としては、極性の低いジフェノキシメタン類を容易に溶解させ、極性の高いサリチルアルコール類を溶解させない溶媒があげられる。このような溶媒の例としては、ヘプタン、ヘキサン、ヘプテン、ヘキセンなどの飽和および不飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素などが使用できる。これら溶媒へ抽出されたジフェノキシメタン類と抽出されないサリチルアルコール類は、それぞれを水などで洗浄して未反応ホルムアルデヒド、フェノール類を除去したのち乾燥すれば、容易に高純度のジフェノキシメタン類とサリチルアルコール類を得ることができる。
【0021】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
(分析方法)
炭酸エステルのガスクロマトグラフィー分析法
装置:(株)島津製作所社製 GC−2010システム
(1)分析サンプル溶液の作成。
反応物を0.06gを計り取り、脱水されたジメチルホルムアミド(和光純薬(株)製 脱水グレード)を2.5ml加える。さらに内部標準としてエチルベンゼン(和光純薬(株)製 特級)を0.06g加えて、ガスクロマトグラフィー分析サンプル溶液とする。
【0022】
(2)ガスクロマトグラフィー分析条件。
カラム:DB−1(J&W Scientific)
液相:100%ジメチルポリシロキサン
長さ:30m
内径:0.25mm
フィルム厚さ:1μm
カラム温度:50℃(10℃/minで昇温)300℃
インジェクション温度:300℃
検出器温度:300℃
検出法:FID
(3)定量分析法
各標準物質の標準サンプルについて分析を実施し作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施する。
【0023】
【実施例1】
[溶媒としてヘキサンを使用し、フェノールと超臨界状態のホルムアルデヒドを反応させる方法]
パラホルムアルデヒド(和光純薬社製 1級)0.96g、フェノール(和光純薬社製 特級)0.94g、ヘキサン(和光純薬社製 特級)1.7gおよび振とう攪拌のためのSUS316製のボールを、配管(SUS316製)とバルブを装着したチューブリアクター(容積8ml、外径12.7mm、肉厚2.1mmのSUS316製)に入れた。リアクターを150℃オイルバスに浸漬して3時間振とうさせた。振とう後、リアクターを20℃に冷却したのち、内容物を取り出した。分析結果、フェノール転化率46%であり、ジフェノキシメタンの選択率は21%、サリチルアルコールの選択率は66%であった。
[ジフェノキシメタンとサリチルアルコールの単離]
得られた反応物を50mlなす形フラスコに移しとり、ヘキサン10gを加え、攪拌子を入れて20℃で2時間攪拌した。スラリー状となった液を桐山濾紙(5A)で濾過し、更に濾紙上の固形分にヘキサン5gをふりかけ2回洗った。濾液を分液ロートに移して水10gを加えて良くふり、ヘキサン相を分取した後、エバポレーターを用いてヘキサン及びフェノールを留去した。分析結果、得られた液体はジフェノキシメタンであり、乾燥重量98mg、純度は91.6%であった。
【0024】
濾過操作で濾紙上に残った固形分を集め、3wt%の硫酸ナトリウム水溶液1g及びメチルイソブチルケトン5gを加えて分液ロートに移し激しく振とうし、有機溶媒相と水溶液相を分離した。水溶液相は更に5gのメチルイソブチルケトンを加えて分液ロートで激しく振とうした後、分相した有機溶媒相を前記の有機溶媒相と併せてロータリーエバポレーターで100℃、5Torrで減圧蒸留をおこない、メチルイソブチルケトンとフェノールを蒸留分離した。蒸留残さに1.5gのベンゼンを加え、5℃でサリチルアルコールを晶析後、濾過した。得られたサリチルアルコールの乾燥重量は0.21g、純度は89%であった。
【0025】
【実施例2】
[溶媒を用いず、フェノールと超臨界状態のホルムアルデヒドを反応させる方法]
パラホルムアルデヒド(和光純薬(株)製 1級)1.92g、フェノール(和光純薬(株)製 特級)0.94gおよび振とう攪拌のためのSUS316製のボールを、配管(SUS316製)とバルブを装着したチューブリアクター(容積8ml、外径12.7mm、肉厚2.1mmのSUS316製)に入れた。リアクターを150℃オイルバスに浸漬して3時間振とうさせた。振とう後、リアクターを20℃に冷却したのち、内容物を取り出した。分析結果、フェノール転化率35%であり、ジフェノキシメタンの選択率は5.1%、サリチルアルコールの選択率は38%であった。
【0026】
【実施例3】
[溶媒としてテトラエチレングリコールジメチルエーテルを使用し、フェノールと超臨界状態のホルムアルデヒドを反応させる方法]
パラホルムアルデヒド(和光純薬(株)製 1級)0.96g、フェノール(和光純薬(株)製 特級)0.94g、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(和光純薬(株)製 1級)2.2gおよび振とう攪拌のためのSUS316製のボールを、配管(SUS316製)とバルブを装着したチューブリアクター(容積8ml、外径12.7mm、肉厚2.1mmのSUS316製)に入れた。リアクターを150℃オイルバスに浸漬して3時間振とうさせた。振とう後、リアクターを20℃に冷却したのち、内容物を取り出した。分析結果、フェノール転化率23%であり、ジフェノキシメタンの選択率は6%、サリチルアルコールの選択率は66%であった。
【0027】
【実施例4】
[溶媒としてアセトンジメチルアセタールを使用し、フェノールと超臨界状態のホルムアルデヒドを反応させる方法]
パラホルムアルデヒド(和光純薬(株)製 1級)0.96g、フェノール(和光純薬(株)製 特級)0.94g、アセトンジメチルアセタール(和光純薬(株)製 1級)0.52gおよび振とう攪拌のためのSUS316製のボールを、配管(SUS316製)とバルブを装着したチューブリアクター(容積8ml、外径12.7mm、肉厚2.1mmのSUS316製)に入れた。リアクターを150℃オイルバスに浸漬して3時間振とうさせた。振とう後、リアクターを20℃に冷却したのち、内容物を取り出した。分析結果、フェノール転化率26%であり、ジフェノキシメタンの選択率は6%、サリチルアルコールの選択率は51%であった。
【0028】
【実施例5】
[溶媒としてトルエンを使用し、フェノールと超臨界状態のホルムアルデヒドを反応させる方法]
パラホルムアルデヒド(和光純薬社製 1級)0.96g、フェノール(和光純薬社製 特級)0.94g、トルエン(和光純薬社製 特級)1.8gおよび振とう攪拌のためのSUS316製のボールを、配管(SUS316製)とバルブを装着したチューブリアクター(容積8ml、外径12.7mm、肉厚2.1mmのSUS316製)に入れた。リアクターを150℃オイルバスに浸漬して3時間振とうさせた。振とう後、リアクターを20℃に冷却したのち、内容物を取り出した。分析結果、フェノール転化率49%であり、ジフェノキシメタンの選択率は11%、サリチルアルコールの選択率は50%であった。
【0029】
【比較例1】
[二酸化炭素の超臨界中でホルムアルデヒドとフェノールを反応させる方法]
パラホルムアルデヒド(和光純薬社製 1級)0.15g、フェノール(和光純薬社製 特級)0.94gおよび振とう攪拌のためのSUS316製のボールを、配管(SUS316製)とバルブを装着したチューブリアクター(容積8ml、外径12.7mm、肉厚2.1mmのSUS316製)に入れた。リアクターをドライアイスーエタノールで冷却し、SUS配管とバルブを通して、減圧弁で約2MPaとした高純度二酸化炭素をボンベから静かに注入した。注入された二酸化炭素は2.8gであった。リアクターを150℃オイルバスに浸漬して3時間振とうさせた。振とう後、リアクターを20℃に冷却したのち、過剰の二酸化炭素をパージして常圧に戻し、内容物を取り出した。分析結果、フェノール転化率39%であり、生成物はジヒドロキシジフェニルメタンであり、ジフェノキシメタン及びサリチルアルコールは得られなかった。
【0030】
【比較例2】
[ペンタンの超臨界中でホルムアルデヒドとフェノールを反応させる方法]
パラホルムアルデヒド(和光純薬(株)製 1級)0.15g、フェノール(和光純薬(株)製 特級)0.94g、ペンタン(和光純薬(株)製 特級)1.44gおよび振とう攪拌のためのSUS316製のボールを、配管(SUS316製)とバルブを装着したチューブリアクター(容積8ml、外径12.7mm、肉厚2.1mmのSUS316製)に入れた。リアクターを200℃オイルバスに浸漬して1時間振とうさせた。振とう後、リアクターを20℃に冷却したのち、常圧に戻し、内容物を取り出した。内容物は樹脂状となり、ジフェノキシメタン及びサリチルアルコールは検出できなかった。
【0031】
【発明の効果】
本発明により、フェノール類と超臨界状態のホルムアルデヒドとを反応させて、ジフェノキシメタン類及びサリチルアルコール類を製造することができる。従来の方法のように利用できない廃棄物を発生させず、また分離が必要な触媒を用いる必要もないため、本発明方法は工業的にも有用である。
Claims (3)
- フェノール類と、ホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド発生物質とを、ホルムアルデヒドが超臨界状態となる条件下で、無触媒で反応させることを特徴とするフェノール類のメチレン化物の製造方法。
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JP2002015509A JP4050905B2 (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | フェノール類のメチレン化物の製造方法 |
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JP2002015509A JP4050905B2 (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | フェノール類のメチレン化物の製造方法 |
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