JP4050823B2 - 仙腸関節異常矯正装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、仙腸関節異常に起因するさまざまな障害を矯正又は防止するため、仰向けに寝た状態で腰椎付近背中側に接当させ、腰椎を押圧刺激するという装置の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脊柱は、からだの背側を縦に走る棒のような骨格であり、正常な状態では左右対称形であるから背腹方向に見ればほぼ真っ直ぐに走っているが、側面から見ると、頚部から尾部まで複雑な湾曲を繰り返している。この湾曲は、からだを支えるための力学的及び建築学的要請に従っているもので、動物の生態に応じたものとなっている。なかでも人間は、直立歩行をするので他の動物には見られない特有の湾曲を示しており、頚部及び腰部においては前の方に凸湾し、胸部と仙尾部とでは後の方に凸湾し、全体としてはなだらかなS字状をしている。
【0003】
そして、直立歩行の故に人間の脊椎を構成する各骨は、重い頭部を支える等の理由により昼間の活動期に各骨の間隔が僅かではあるが縮まったりずれて変位する。通常は、夜間就寝時に筋肉が弛緩した状態で寝返りを打つ等によりこれら骨の変位は自然の状態に復帰するが、柔らかい寝具のために寝返りがしにくいとか無理な姿勢で就寝したりするとこれらの変位が解消されず、変位が蓄積してついには前記正常な湾曲に異常が生じるに至ることになる。
【0004】
特に、腹腔の底と骨盤腔を形成し内臓を保護すると共に、体幹と上肢の重量負荷を支え、またこの重量を両側の下肢に分散させる骨格である「骨盤」は、直立歩行による無理を最も強く受けている骨格の一つであるといえる。骨盤は、左右の寛骨が、体躯後方では脊柱の左右の仙骨部に結合(仙腸関節)し、前方では直接結合(恥骨結合)して成るものである。なおこの寛骨は、腸骨、座骨、恥骨が癒合して形成されており、各骨間には関節部分はない。恥骨結合については、両側の恥骨結合面が硝子軟骨で覆われ、これらを恥骨間円板が連結したもので、その上後部に狭い裂け目のような腔を含む。この腔は、女性の方がやや広く、出産時に恥骨結合が開くということはあるが、基本的にはほとんど動かない。
【0005】
仙腸関節について詳述するとこれは、仙骨の耳状面と腸骨の耳状面との間に形成される関節である。即ち、対向する腸骨の仙骨盤面と仙骨の外側部との間の前下方の一部分にできる関節であって、これ以外の対向面は骨間仙腸靱帯による靱帯結合で固く結着されており殆ど動かない。但し、左右軸を中心とした仙骨の「わずかな回転」は起こり得、この可動性は女性の方がやや大きいという。
【0006】
そして、この「わずかな回転」が回復しないと、骨格バランスがくずれ、さまざまな異常が生じることになる。例えば、左右の仙腸関節の片方の「わずかな回転」が回復しない場合であると、寛骨臼位置が変わり、大腿骨頭の位置もそれによって変わることになる。すると、見かけの下肢長が左右で異なるようになる。加えて、筋や靱帯も位置を変えるため腰椎下端付近を側方から圧迫し腰椎を倒すことになる(側湾)。そしてこれを補正しバランスを保つために、この上の脊柱(胸椎や頸椎)は不自然に変形し、腰痛や肩コリを訴えるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこうした脊柱の湾曲異常は、基本的に余程異常が進行しない限り自覚症状がないものであるし、例えば頚椎について言えば、例え自覚症状である「肩コリ」「頭痛」等が発生した場合であっても原因である湾曲異常についての措置が講じられることは稀であり、肩コリや頭痛等の症状に対して按摩や鍼灸、頭痛薬などで対症療法的に対応するのが普通である。また、形成外科医や施術師が湾曲異常について措置をとる場合、脊椎に対して引張や加圧を加えることが通常であり、仙腸関節の回転異常の修復に寄与しないことが多い。またその際筋肉が緊張して脊椎を構成する骨の復位を妨げるため、効果を生じないことも多い。更に、従来提供されている多くの治療具は筋肉を緊張させるものが殆どであるため、使用時間や苦痛の割には矯正効果が十分でなかった。
【0008】
よって、予防具としても使用できる程度に簡単に取り扱うことができ、しかも矯正効果の高い仙腸関節異常矯正装置の出現が待たれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、上記諸点に鑑み鋭意研究の結果本発明の仙腸関節異常矯正装置を完成させたものである。この装置は、支持台とこれに回動自在に固定されるか、或いは嵌め込み固定される1個の台錐状矯正具とにより構成されるものであり、矯正具は稜長さの長い台錐状のものであって、該稜を下にして置いたときの高さが、一端は7〜9cm、他端は2〜5cmであり、また両端間距離が20〜30cmのものからなる。そして、回動自在に固定される場合、該回動は該台錐状矯正具の細い方の端部近傍を中心とするものであり、嵌め込み固定は、支持台に設けられた凹部に該台錐状矯正具を嵌め込むことで行ない、且つ該凹部はほぼ直角を成すV字状のもので、該台錐状矯正具の細い方が該V字の折曲点側に配置されるものである。
【0010】
なお矯正具の両端の太さに差を設けた理由は、寛骨の腸骨の上端付近に押圧力が集中するようにするためであるが、こうして太さに差があると、矯正の程度の差や体格差にある程度対応できることにもなる。例えば仙腸関節位置異常の程度が大きく、それに由来する例えば脊柱や頸椎の形状異常を来しているといった場合には、極くわずかな差しかないものを下において寝るだけでも相当の痛みを生じることがある。本発明矯正装置に用いる矯正具は、勿論この段階まで進行した変形異常に対しては直ちに使用しても効果は小さいことが多い(何故なら既述したように、痛みがある間は筋肉は緊張しており脊柱のズレを正常位置に復帰させるのを阻害するからである)。そして、それ程ではない異常の場合でも、当然異常の程度に差がある。また、矯正効果が現れてくるにつれて位置異常の程度は次第に正常状態に近づく。従って、矯正具の高さはそれに応じて高いものとする必要がある。これを両端の太さが等しい円筒形状の矯正具によって対応しようとすれば、いろいろな高さのものを多種揃えておかなければならないことになる。そこで、本発明矯正装置に用いる矯正具の如く太さに差がある円筒形状に近い錐体のものにすれば、仰向けに寝た状態で仙腸関節位置近傍に差し込まれる矯正具の箇所を調整すれば実質的な高さを適宜変えることができるので、非常に便利である。但し、どの程度差し込めば最適であるのかは、使用者が判断した場合誤ることもあるので、基本的には何種類かの高さの矯正具の中から最適なものを専門家に選択してもらう方が良い。
【0011】
また本発明の名称である「仙腸関節異常矯正装置」に使用している「矯正」の語義は、厳密には仙腸関節の位置に異常が生じた後にそれを正規の位置に戻すことを指すが、そうした異常を来すことがないように「予防具」として利用した場合であってもその概念に含めるものとする。
【0012】
ここで請求項3で言う「稜」とは、数学では「多面体の相隣る二の面の交わりであるところの線分」として定義されているが、本発明においては多面体には限定しない。例えば円錐体を、その母線に沿った平面でそぎ取った場合、残った該円錐体の周面と該平面が交わる線分が現れるが、これも稜であるものとする。そして、「稜長さの長い台錐」とは、例えば円錐台で言えば、上下底それぞれの径に比して母線長さの長い形状を指す。本発明矯正装置に用いる矯正具の場合、円錐台に限らず多角錐台でも良いし、上下底についても平面でなくて良い。更に、矯正具はこれを専用台に置き、その上に仰向けに寝るというものであるので、安定性を向上させるために下端に水平部を設けたものも、「台錐」の範疇に属するものとする。
【0013】
本発明矯正装置に用いる矯正具は、稜を下にして置き使用するものである。そこで矯正具の両端とは円錐台でいうところの上下底を指す。厳密には円錐台の高さと母線長さとは異なるし、底は母線に対して垂直には位置していないが、矯正具は上述した如くその形状が厳密な台錐でなくとも良いのと同レベルで、端部についての定義、或いは長さや高さについての定義はおおまかであり、例えば円錐台の母線長さを以て両端間距離とし、底の直径を以て一端部の高さとしても良いものとする。
【0014】
なお、本発明矯正装置に用いる矯正具の材質については特に限定はしないが、良好な装用感と充分な矯正効果を両立させるための工夫として、請求項4或いは5に記載したような材質構造とすると好適である。即ち、請求項4に示したように、「伸縮しにくい布等を表皮とし、これに円柱体、円筒体、或いは球体等の充填物を密に多数充填したもの」、及び請求項5に示したように、「木製或いは硬質プラスチック製の台錐状体表面を布、発泡プラスチック等の柔軟素材で被覆し、且つ錐体内には電動式振動器を格納したもの」である。
【0015】
請求項4において、「伸縮しにくい布等」とは、一般に伸縮性が大きいとされるメリヤス編み等の布や薄手の布を除外する意味であり、比較的厚地の平織り等が好適に用いられる。或いは伸縮しにくい布地にプラスチックコーティングしたものなども用いられる。
【0016】
この表皮内に充填される「充填物」は、小型の円柱体、円筒体、又は球体などであり、これを多数充填することによって本発明矯正装置に用いる矯正具に、からだに痛みを与えない適当な硬さ、保形性、クッション性、適当な変形性を与える。適当な変形性とは、人体には凹凸があり骨の突出もあるので、押圧刺激する箇所は、これらの突出箇所や凹み状態に応じた上下や横方向の可動性を意味する。
【0017】
個々の充填物の寸法は、円柱体や円筒体の場合径が4〜10mm、長さ8〜20mm程度、球体の場合は直径が4〜10mm程度のものが好適である。材質については、木製の小型円柱体やプラスチック製中空円筒体などが特に好適であるが、勿論これらに限定されるものではない。このプラスチック製中空円筒体とは、パイプ状のプラスチックをその円周方向に切断した如きものであり、プラスチックの材質については限定しない。但し本発明矯正装置に用いる矯正具に使用する場合、変形しやすいものは好ましくないので、硬度の低いものの場合であれば厚みの大きいものを使用する必要がある。
【0018】
充填物の充填密度は具体的には限定しないが、自身が腰部を載置した状態で身体を左右に動かす程度ではさして変形しない程度のものを良好とする。しかし、相当密な状態に充填しても、なお幾分の変形性・クッション性はあるし、わずかな変形は好ましい場合もあるので、密な範囲である程度の固さの調節を可能とすることも好適である。例えば内部に棒状体を入れてその両端に押圧板を設け、該棒状体は螺合された一対の雄螺子部と雌螺子部をそれぞれ有するようにすれば、棒状体を回動させて両押圧板の距離を変えることができるが、距離を小さくすれば固くなり、大きくすれば解弛されて幾分変形しやすくなることになる。あるいは、多少変形しやすい矯正具本体を、「樋」状の保持具に嵌め込みその形状保持を図るという方法を採用するようにしても良い。
【0019】
請求項5では、基体として硬質材料を使用しその表面を柔軟素材で覆ったものを示している。硬質材料部分には木製或いは硬質プラスチック製のものが採用され、これが充分な矯正効果をもたらす役目を負っている。また柔軟素材には布、発泡プラスチックその他のクッション性のある材質のものが採用されこれが好適な装用感をもたらしている。更に、内部には電動式振動器は格納されており、電気振動によって仙腸関節の位置矯正効果はより大きいものとなる。
【0020】
本発明の仙腸関節異常矯正装置は、支持台と1個の台錐状矯正具とにより構成されるものであり、該台錐状矯正具は支持台に対して回動自在に、或いは支持台に設けられた凹部に嵌め込むことによって固定される。回動タイプの場合該回動の中心は、該台錐状矯正具の細い方の端部近傍である。また凹部に嵌め込むタイプの場合には、凹部の全体形状をV字状(即ち線分が一点で折曲したような形状)としこのV字の成す角度が概ね直角としておく。台錐状矯正具は折曲されて二線となった凹部のいずれかに嵌め込まれることになる。そしてV字の折曲箇所には台錐状矯正具の細い方が配置されるようになっている。こうした位置に配置された支持台に仰向けに寝ると、矯正具の細い方の先端は仙骨下端付近に、太い方の先端は腸骨外側上端付近に当たることになる。この状態で単に寝ているだけで、体重によって仙腸関節は正規の位置に回復するようになる。関節異常の期間が短い場合や発育期の場合には、変形した筋や靱帯等の回復は早く、そうでない場合には仙腸関節を本発明矯正装置によって正規の位置に正しても、復元してしまいなかなか効果を挙げないことになる。
【0021】
支持台は、床や寝台などに載置されるものであり、台錐状矯正具はこの支持台上に配置され、使用者は更にその上に仰向けに寝るものであるが、腰部近傍を支持し得る程度の広さであれば良く、30〜40 cm 四方程度の矩形平板、或いは体躯に沿った曲面を有する湾曲板が良い。材質は、本発明者が試作したものは木製でありこれが好適であるが、プラスチック、金属、或いはこれらの複合物を使用しても構わないものとする。要は、強度が確保でき、装用感を損なわないものであれば何でも良い。
【0022】
台錐状矯正具は、前述(段落12〜19)のような構成からなるが、支持台とセットで使用されるものであるので、この支持台の形状に依存して台錐状矯正具の形状が決定される。特に嵌め込みタイプの場合には、凹部の深さによって実質高さが変わるので、嵌めこまれる台錐状矯正体の高さは大きくなる。
【0023】
使用に際しては、矯正装置を床や布団或いはベッド等の上に置き、矯正箇所を接当させるようにした上でその上に仰向きになって寝れば良い。支持台上の台錐状矯正具が効果的な矯正位置に当たるように、体躯の位置や台錐状矯正体の位置を調整するのが好ましい。仙腸関節は左右に一つずつ対称にあり、そのどちらを矯正するかによって、台錐状矯正体の位置を変える必要がある。但し、台錐状矯正体の位置に関しては、回動タイプ、嵌め込みタイプのいずれであっても、変えるといっても二箇所のみである。嵌め込みタイプの場合には調整の必要はない。回動タイプの場合には、台錐状矯正体の回動機構内にストッパーを設けたり、支持台上の設定位置に目印を付ける程度で的確に対応できる。また体躯の位置設定は、台錐状矯正体の回動軸が仙骨下端で尾骨上端付近になるようするのが理想的であるので、台錐状矯正体が左右いずれにあっても体躯の位置は一定である。従って、支持台上におおよその体躯の輪郭線を記載するなどで使用しやすいものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明に係る仙腸関節異常矯正装置に用いる矯正具1の一例を示すものであり、図より明らかなように、矯正具1は、表皮2及びこの中に密に充填される多数のプラスチック製中空円筒体3とにより構成される、円筒形状に近い錐体状のものである。両端の太さは異なっており、且つその形状も太い方の端部付近では断面が概ね円形で、細い方の端部付近では断面が概ね長円になっている。高さは、太い方が8cm、細い方が長径側で6cm、短径側で4cmとなっている。また表皮2は、厚手の木綿平織物を用いた伸縮しにくいものを採用している。
【0026】
なお充填物としてプラスチック製中空円筒体以外に、木製(ヒノキ)の円柱体(直径8mm×高さ15mm)を多数密に充填したものを試作してみた。この場合、多少重量のある矯正具となったが、プラスチック製中空円筒体より変形しにくいものであるためか、或いはその香りや感触が良いことに起因するのか不明であるが使用後の爽快感は良好という声が多かった(図示略)。
【0027】
図2は仙腸関節異常矯正装置に用いる矯正具1の他の例を示すものであり、主体部分4が硬質のプラスチックによりなっており図1のものとは異なり荷重を受けても全く変形しないので、使用中に高さが減少して矯正効果が小さくなるということはない。そして主体部分4はスポンジ性表皮5で覆われているので装用感も悪くはない。主体部分4の形状は、母線長さの長い円錐台を一母線に沿って少しそぎ取り平坦部41を形成させたような形状のものである。この平坦部41を下にして載置すると使用時の安定性が確保され都合が良い。また、主体部分4内部には振動体6が埋設されている。これは電動式であり、本例の場合には交流電流によって駆動しているが電池を内蔵し携帯時の利便性を配慮したものであっても良い(図示せず)。
【0028】
図3は、本発明に係る仙腸関節異常矯正装置10(以下「本発明矯正装置10」という)の一例を示すものであり図の如く、木製矩形板である支持台7と、この支持台7上に設置される台錐状矯正具8とにより構成されるものである。支持台7には、人体腰部付近輪郭線71、及び骨盤概形図(図示略)が印刷されている。そして台錐状矯正具8を固定している固定ピン9の位置を通り体躯軸線と45°を成す直線二本が、台錐状矯正具8の設定角度線72としてそれぞれ印刷されている。
【0029】
図4は、本発明矯正装置10の他の例を示すものであり、台錐状矯正具8は支持台7に固定されておらず、V字状凹部73に嵌め込んで固定される。角度設定は前例の回動タイプの装置よりも簡単なものとなっている。
【0030】
本発明矯正装置10の使用方法は、基本的に支持台7を具備していない矯正具1と同様であり、単にその上に寝るだけで良い。但し、この上に下肢を伸展した状態で寝るのは困難であるということも充分あるので、そうした場合には矯正具1を差し込んでいる側の膝を曲げて、足を逆の脚の膝の下に差し込んでおく。腰椎に湾曲異常が認められる患者の多くは、差し込んだ側の膝は床面から高く浮いており、床面に近づけるとわずかな痛みが生じるが、筋肉を弛緩させ得る範囲でできるだけ近づけるようにすると効果がある。そして膝と床面との距離は、仙腸関節位置異常の回復に従って次第に小さくなり、いずれは膝が床面に接触しても痛みがなくなってくる。仙腸関節異常の予防のために使用する場合には、腰付近の筋肉が緊張しない範囲でできるだけ大きな圧迫感を感じるところまで、矯正具1を差し込むようにすると、概ねその位置が最も効果が期待できる位置となる。
【0031】
本発明者は、図1、図2、図3及び図4で示した矯正具1、及び充填物として木製(ヒノキ)の円柱体を使用した矯正具を、実際にそれぞれ3個ずつ試作し、12名の仙腸関節位置が異常である者に五カ月使用(1日3回、1回3分間)してもらって、回復の有無或いはその様子、使用感等について質問した。この12名はいずれも腰椎に湾曲(側湾)異常があるが使用開始当時の湾曲異常の程度は軽く、且つこの中9名については、病院その他で装具療法や体操、骨盤牽引療法等を長期間(2年以上)継続して行なっていた。そこで本発明矯正装置に用いる矯正具の使用は、そうした治療法と並行して行なってもらった。残る3名の内訳は、7年前から腰痛で悩んでいたが、継続的な治療を行なっているわけではなく腰に強い痛みがあった時に病院で骨盤牽引療法を集中的に(週2〜3回の割合で)痛みが引くまで行なう、という者が1名、仙腸関節には位置異常が認められるものの何ら自覚症状がなく、対策を講じてもいない者が2名というものであった。
【0032】
その結果、本発明矯正装置を使用したことによって症状が悪化した者は皆無であった。またはっきりと回復した或いは回復したように思うという回答が8名であった。この12名については、いずれも実験開始以前と実験終了後に撮ったX線フイルムが入手できたが、11名については改善がはっきりと確認できた。残る1名については、実験開始以前のX線フイルム自体に湾曲異常がはっきりと認識できず、差異はないように見えた。腰痛の原因が脊柱湾曲異常に起因するものであるか否か不明のため、本実験対象者として不適格だった可能性もある。また、これまで継続的な治療をしていなかった1名については、矯正具の使用中の五カ月、及び実験終了後4か月を経過してもわずかな痛みすら発生していない。自覚症状のなかった2名についてはいずれも、矯正具の使用開始からわずかな期間(1名は8日、もう1名は約1か月)で仙腸関節が正規の位置に回復しており、実験前よりも体調が良くなったせいか、疲れにくくなったという回答であった。なお、今回の実験には重度の湾曲異常者が参加していなかったので、重度の患者に対して効果があるかどうかは不明であるが、本発明者の感触では十分に効果があるように思えた。使用感に関しては、全員が使用後毎回爽快感が得られるとのことであった。
【0033】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る仙腸関節異常矯正装置は、支持台とこれに回動自在に固定されるか、或いは嵌め込み固定される台錐状矯正具とにより構成されるものであり、矯正具は稜長さの長い台錐状のものであって、該稜を下にして置いたときの高さが、一端は7〜9cm、他端は2〜5cmであり、また両端間距離が20〜30cmのものからなり、回動自在に固定される場合、該回動は該台錐状矯正具の細い方の端部近傍を中心とするものであり、嵌め込み固定とは、支持台に設けられた凹部に該台錐状矯正具を嵌め込むことで行ない、且つ該凹部はほぼ直角を成すV字状のもので、該台錐状矯正具の細い方が該V字の折曲点側に配置されるものである点を特徴とするものであり、以下述べる如き種々の効果を有する非常に高度な発明である。
【0034】
1)布団や床等の上に置き、その上に仰向けになって適宜箇所に差し込み寝ころぶようにするだけで、仙腸関節の位置異常を正常な状態に保持或いは矯正することができることになる。
2)左右の高さが異なるので、体躯をわずかにずらすだけで矯正具の実質高さを簡単に変更することができ、体型の大小や症状の軽重、治癒段階等に応じた調整が簡単に図れる。
3)伸縮しにくい布等より成る表皮内に多数の充填物を密に充填して全体形状を構成したものにあっては、湾曲の形状や骨の突出箇所に応じて変形させ得る。従って、最適な押圧刺激を得ることができる。
4)本発明装置では、角度設定などが予めなされたものの上に寝るだけであるので、理想的な角度での矯正が簡単に行なえる。
5)特別な技術を有する者の手によることなく使用者が単独で、仙腸関節異常の矯正または防止のための運動をすることができる。
6)構造が簡単で、且つ矯正運動を実施する際の付属設備もほとんど必要ないので、安価に提供、採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る仙腸関節異常矯正装置に用いる矯正具の一例を示す一部を切り欠いた概略斜視図である。
【図2】 本発明に係る仙腸関節異常矯正装置に用いる矯正具の他の例を示す一部を切り欠いた概略斜視図である。
【図3】 本発明に係る仙腸関節異常矯正装置の一例を示す概略斜視図である。
【図4】 本発明に係る仙腸関節異常矯正装置の、台錐状矯正具取り付け方法に関する他の例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
仙腸関節異常矯正装置に用いる矯正具
2 表皮
3 プラスチック製中空円筒体
4 主体部分
41 平坦部
5 スポンジ製表皮
6 振動体
7 支持台
71 人体腰部付近輪郭線
72 設定角度線
73 V字状凹部
8 台錐状矯正具
9 固定ピン
10 本発明に係る仙腸関節異常矯正装置

Claims (5)

  1. 支持台と、これに回動自在に固定される1個の台錐状矯正具とにより構成される装置であって、該支持台7には、人体腰部付近輪郭線71と、仙骨下端で尾骨上端付近となる固定ピン9の位置を通り体躯軸線と45°を成す設定角度線72が印刷されていおり、台錐状矯正具8は、その細い方の端部近傍を該固定ピン9で該支持台に回動自在に固定されており左右いずれかの設定角度線72の位置に設定されるものであることを特徴とする、仙腸関節異常矯正装置。
  2. 支持台と、これに固定される1個の台錐状矯正具とにより構成される装置であって、該支持台7には、人体腰部付近輪郭線71が印刷されるとともに、請求項1の設定角度線の位置に該台錐状矯正具を嵌め込むための凹部をほぼ直角を成すV字状に設け、該台錐状矯正具は左右いずれかの凹部にその細い方が該V字の折曲点側に配置されるように設定されるものであることを特徴とする、仙腸関節異常矯正装置。
  3. 台錐状矯正具は、稜を下にして置いたときの高さが一端は7〜9cm他端は2〜5cmで且つ両端間距離が20〜30cmであり、支持台は、30〜40cm四方の矩形平板或いは体躯に沿った局面を有する湾曲板である、請求項1又は請求項2記載の仙腸関節異常矯正装置。
  4. 台錐状矯正具は、伸縮しにくい布等を表皮とし、これに円柱体、円筒体、或いは球体等の充填物を密に多数充填したものである請求項1、請求項2又は請求項3記載の仙腸関節異常矯正装置。
  5. 台錐状矯正具は、木製或いは硬質プラスチック製の台錐状体表面を布、発泡プラスチック等の柔軟素材で被覆し、且つ錐体内には電動式振動器を格納したものである請求項1、請求項2又は請求項3記載の仙腸関節異常矯正装置。
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