(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における温度測定システム1を保冷箱又は保温箱に適用した場合の全体構成を示す図である。
同図のように、温度測定システム1は温度測定装置10と温度センサ50とから構成され、本体5と蓋6とからなり保冷及び保温作用を有する保冷箱4に対して蓋6の裏側に温度センサ50が貼り付けられている。保冷箱4には、例えば、ビール、ジュースなどの飲料水や野菜、肉、魚などの保冷すべき生鮮食料品、冷凍食品、暖かい弁当、熱々の麺類や焼きたてのピザなどの保温すべき食料品等が収められる。
温度センサ50は、アンテナコイルLと、このアンテナコイルLに並列に接続されるコンデンサCとからなる共振回路を備える無線タグであって、温度に依存して共振周波数が変化する構成となっている。
温度測定装置10は、温度センサ50に対して温度を測定するための電波を出射し、電波による電磁誘導によって非接触で温度センサ50の共振回路を共振させ、その共振周波数の値によって温度センサ50の温度を測定する。
図2は、図1に示される温度センサ50の外観図である。同図のように、温度センサ50は、上記アンテナコイルL及びコンデンサCが形成される基材54と、この基材54の下面及び上面にそれぞれ貼着される一対の被覆部材51,57とを備える。基材54及び被覆部材51,57は、電気絶縁性を有する薄いシート材で、同サイズの四角形に形成される。被覆部材51、57の少なくとも一方は熱伝導性の良い材料により構成され、内部のコンデンサCに対する外部からの熱伝導性を高めることが望ましい。
図3は、図1及び図2に示される温度センサ50の分解斜視図である。
図3に示されるように、温度センサ50は、上記の基材54、被覆部材51,57の他、基材54の下面に貼着されるアンテナコイル53(アンテナコイルL)と、一対の電極52,56と、この電極52,56間に介装される誘電体55とをさらに備える。なお、基材54のほぼ中央には四角形状に形成された窓54aが設けられ、基材54の1つの角には、切り欠き54bが形成される。
一対の電極52,56は、窓54aとほぼ同サイズに形成され、基材54の下面側及び上面側にそれぞれ配設される。この一対の電極52,56と、誘電体55とで、コンデンサCが構成される。誘電体55は、電極52,56と同様に窓54aとほぼ同サイズ、かつ、ほぼ一定の厚みに形成され、温度に応じて誘電率が変化する特性を有している。誘電体55の材料としては、温度に依存して誘電率が変化する性質をもついわゆるペロブスカイト型化合物などを用いている。例えば、(化1)に示すチタン酸バリウム、(化2)に示すバリウムとカドミウムと酸化チタンとの化合物、(化3)に示すカルシウムとビスマスとタンタルとの化合物、(化4)に示すチタン酸ストロンチウムとニオビウム酸ストロンチウムの化合物など強誘電体材料(又は強誘電体セラミックス)を用いることができる。化学式中のxは混合比率を示す。誘電体55は温度に依存して誘電率が変化することから、コンデンサCの容量も温度に依存して変化することになる。
アンテナコイル53は、1本のストリップ線が複数回巻回されてなる。アンテナコイル53の一方端53aは、電極52と電気的に接続される。アンテナコイル53の他方端は、切り欠き54bと対応する位置に配設される接続端子53bと電気的に接続される。一方、電極56は、切り欠き54bと対応する板に配設される接続端子56bと電気的に接続される。両接続端子53b,56bは、切り欠き54bの位置においてかしめや圧接等によって電気的に接続される。この結果、アンテナコイル53にこのコンデンサCが並列に接続され、両者で共振回路が形成される。この共振回路は、温度に応じてコンデンサCの容量が変化することから、温度に応じて共振周波数も変化する。それゆえ。温度測定装置10から電波を出射して温度センサ50の共振周波数を検知し、その共振周波数に対応する温度を特定する。
図4は、(化2)に示した材料で形成された場合の誘電体55について、比誘電率εrの温度特性を示す図である。同図において混合比率x=0.025の場合の比誘電率εrは、例えば温度0度で約9300、30度で約6000、90度で約1200、120度で約900であり、温度に応じて変化することがわかる。
図5は、図4の温度特性(混合比率x=0.025)を有するコンデンサCについて、容量の温度特性を示す図である。ただし、コンデンサCの電極52、56が2mm四方の正方形、電極間の距離を0.5mmとしている。同図においてコンデンサCの容量は、例えば温度0度で659pF、30度で602pF、90度で85pF、120度で64pFであり、温度に応じて変化することがわかる。
図6は、温度センサ50のアンテナコイルLとコンデンサCとからなる共振回路の共振周波数の温度特性を示す図である。ただし、アンテナコイルLのインダクタンスを0.04μHとしている。同図において共振周波数は、例えば温度0度で31.6MHz、30度で38.6MHz、90度で86.3MHz、120度で99.7MHzであり、温度に応じて変化することがわかる。
図7は、図1に示される温度測定装置10の外観構成を示す図である。
温度測定装置10の機体表面には、止め具11と、複数のボタンから構成される操作部21と、操作メニューや測定温度や警告等を表示するためのLCD部22と、警告等を音で知らせるためのスピーカ23と、図示しないホスト等にデータを無線で送受信するためのアンテナ25等が設けられている。
なお、操作部21には、例えば、温度測定を指示するための測定ボタン21a、温度を監視し特定温度になれば警告することを指示するための監視ボタン21b、周期的に温度測定して履歴を記録することを指示するための履歴ボタン21c、測定温度の補正をするための補正ボタン21d、監視温度や補正温度などの温度をセットするセットボタン21e、リセットするためのリセットボタン21fなどから構成される。
図8は、温度センサ50及び温度測定装置10の電気的構成を示す図である。
温度センサ50は、図3に示した各パーツによって、アンテナコイルLと、温度によって容量が変化するコンデンサCとからなるLC共振回路を有する無線タグである。
温度測定装置10は、大きく分けて入出力部20とコントロール部30とアンテナ部40とからなる。
入出力部20は、操作部21と、LCD部22と、測定完了を音で知らせるためのスピーカ23と、測定完了を振動で知らせるためのバイブモータ24と、測定した温度の履歴情報その他のデータやコマンドをホストコンピュータ(図示せず)などに無線で送受信するためのアンテナ25と、ホストコンピュータにデータを送受信するためのレベルコンバータ26とを備える。
コントロール部30は、その内部にプログラムを予め格納したROM、操作部21に操作されたボタン種別などのデータを一時的に保持するメモリ、プログラム実行時のワークエリアを提供するメモリ、時刻を計時するタイマ、プログラムを実行するCPU等により1チップで構成されるマイコン部31と、D/A変換部32と、印加電圧に応じた発振周波数の高周波信号を出力する発振器であるVCO(Voltage−Controled Oscillator)33と、アンテナ部40によって受信された電波を復調する復調部34と、A/D変換部35と、温度センサ50の周波数対温度特性を示す温度テーブル36aと、温度の履歴を格納するための履歴テーブル36bなどを記憶する不揮発性メモリ36とを備える。
アンテナ部40は、VCO33から出力された信号を増幅する増幅器41と、増幅器41によって増幅された信号を出射する送信用アンテナコイル42と、温度センサ50から電波を受信する受信用アンテナコイル43と、受信用アンテナコイル43によって受信された電気信号を増幅する増幅器44とを備える。
図9は、温度テーブル36aの一例を示す図である。同図は、図6に示した周波数対温度特性に基づいて作成され、工場出荷時などに格納され、適宜ユーザにより補正される。同図では便宜上、温度間隔が不揃いであるが、1度あるいはそれ以下の間隔でよい。なお、温度テーブル36aの代わりに、VCO33の入力電圧のデジタル値(つまりD/A変換部32の入力データ)と温度との対応関係を示すテーブルとして構成してもよい。
図10は、図8に示したマイコン部31の制御により温度を測定する温度測定装置10における各種の動作を示すフローチャートである。なお、図10においてステップS102、S104、S109、S114は同じサブルーチンである。
マイコン部31は、まず、ユーザから操作部21を介して動作モードを指定する操作を受け付け、どの動作モードかを判断する(S101)。動作モードには、(A)その時点の温度を測定する測定モード、(B)周期的に温度を測定して測定温度を履歴として蓄積する履歴モード、(C)指定した温度に達したかどうかを監視する監視モード、(D)測定温度の誤差を補正する補正モードなどがある。
(A)測定モードの開始の操作がなされた場合、マイコン部31は、温度センサ50の現在の温度Tcを測定し(S102)、LCD部22に測定した温度Tcを表示する(S103)。
現在温度Tcの測定処理は、図11に示すサブルーチンに従ってなされる。同図において、マイコン部31は、D/A変換部32を介してVCO33に与える電圧を徐々に変化させることにより、送信用アンテナコイル42から出射される検知電波の周波数をスイープさせ(S120)、受信用アンテナコイル43によって受信された電波の受信レベルが最低となるときの周波数を特定し(S121、図12(a)参照)、温度テーブル36aから特定された周波数に対応する温度を読み出して現在の温度Tcとする(S122)。ここで、送信周波数のスイープは、例えばマイコン部31から出力するデジタル値を、温度テーブル36aの周波数の範囲で徐々に大きくすることにより、VCO33に入力される電圧を徐々に上げ、VCO33から出力される信号の周波数を徐々に上げることによりなされる。このようにして周波数をスイープすると、受信用アンテナコイル43によって受信された電波の受信レベルは、温度センサ50の共振周波数の少し手前で一定値から急速に低下し(図12(a)参照)、共振周波数で最小となり、この周波数を超えると再び急速に増大し、一定値に戻る。すなわち、ディップが生じる。したがって、ディップ受信時におけるマイコン部31から出力するデジタル値から、共振周波数を簡単に特定し、さらに温度テーブル36aに基づいて現在の温度Tcを特定することができる。
さらに、温度測定装置10は、測定モードでは現在の温度Tcをユーザに知らせる。現在温度の測定は非接触でなされるので、ユーザが保冷箱4の蓋6を開けて外気が混入することによる温度上昇(又は低下)を無駄に発生させることなく、保冷箱4内部の現在の温度Tcを知ることができる。例えば、保冷箱4の中身がビールであればおいしく飲むための温度にあるかどうか、ピザであればチーズがとろけそうな状態で美味しく食べる適温にあるかどうかを知ることができる。
なお、LCD部22への測定温度の表示と同時にスピーカ23、バイブモータ24により測定完了をユーザに報知してもよい。
また、温度センサ50が図6に示した温度特性を有する場合には、約マイナス30度から約33度の範囲では約7度を境にして、1つの共振周波数に対して2つの温度が特定される。この場合には、温度測定装置10は2つの温度を表示する。ユーザにどちらが正しいか判断を委ねることになる。あるいは、測定対象の温度範囲に対応した温度特性をもつ温度センサ50及び温度測定装置10を使用することが望ましい。
(B)履歴モードの開始の操作がなされた場合、マイコン部31は、温度センサ50の現在の温度Tcを測定し(S104)、測定した温度を日時などの付随データとともに不揮発性メモリ36の履歴テーブル36bに記録(追記)し(S105)、さらに一定時間(ここでは3分)経過したか否かを判断する(S106)。経過したと判断した場合にはS104に戻り、同様に上記測定と上記追記を行う。このように履歴モードでは、履歴テーブル36bには、一定時間ごとの測定が付属情報とともに履歴として温度情報が記録される。
履歴モードの適用例として、生鮮食料品や冷凍食品の宅配における輸送記録や保管記録の一部として温度履歴を利用することができる。
また、温度センサ50の他に一般的な無線タグと併用すれば、商品管理・物流管理、製造業の容器・パレット管理等と併用して温度履歴による温度管理も行うことができる。
また、履歴モードの他の適用例として、温度センサ50を化学実験用の試験管などの器具に貼り付けた場合、その容器で発熱を伴う化学反応の実験を行う際に、温度履歴をとることができ、発熱量や反動速度の算出に役立つ。
(C)監視モード開始の操作がなされた場合、マイコン部31は、まず、ユーザによる任意の温度を設定する操作を受け付け、受け付けた温度を監視温度Ttとして内部に保持し(S107)、一定時間(ここでは1分)経過したか否かを判断する(S108)。マイコン部31は、1分経過した場合には、現在の温度Tcを測定し(S109)、測定した温度Tcと保持している監視温度Ttとの差分ΔTを算出し(S110)、差分ΔTの絶対値がしきい値T1よりも小さいか否かを判定する(S111)。ここでしきい値は、予め定められた値であって、例えば0.5度などである。
さらに、マイコン部31は差分ΔTの絶対値がしきい値よりも小さい場合には(S111:yes)、現在の温度Tcが監視温度Ttに達したものと判断して、スピーカ23による音や、バイブモータ24による振動、アンテナ25からホストへの無線通信によって等によってその旨を警告する(S112)。また、マイコン部31は差分ΔTの絶対値がしきい値よりも小さくない場合には(S111:no)、現在温度がまだ監視温度に達していない(図12(b)参照)ものと判断してステップS108に戻る。
このように、監視モードでは、温度測定装置10はユーザにより任意に設定された監視温度に達した時点でその旨を警告する。
監視モードの適用例として、保冷箱4がビールを収容している場合、ユーザが美味しく飲める適温から外れる温度を監視温度Ttとして設定しておけば、警告後に氷などの保冷剤を保冷箱4に補充することができ、再度適温に保つことができる。
また、監視モードの他の適用例として、温度センサ50を日本酒の熱燗用の徳利に貼り付けた場合、監視温度として、日向燗なら30〜35℃、人肌燗なら35〜40℃、ぬる燗なら40〜45℃ 、上燗なら45〜50℃、熱燗なら50〜55℃、飛びっ切り燗なら55℃程度の温度を、ユーザが設定しておけば、日本酒が監視温度に達した時点で警告することになる。監視温度の値はユーザの任意なので、ユーザの嗜好に適した燗をつけることができる。
(D)補正モード開始の操作がなされた場合、マイコン部31は、まず、ユーザによる温度センサ50の実際の温度Taを入力する操作を受け付け、受け付けた温度を監視温度Ttとして内部に保持する(S113)。例えば、ユーザは温度センサ50を既知の温度にしておいた上で、その温度を実際の温度Taとして入力する。ここで、既知の温度として、例えば、温度センサ50を氷水に浸けた状態や氷の上においた状態にしておけば、0度補正ができるし、沸騰する湯に浸けられた状態にしておけば、100度補正ができる。
次に、マイコン部31は現在の温度Tcを測定し(S114)、測定された温度Tcと実際の温度Taとの差分ΔTを算出し(S115)、その差分ΔTがしきい値T2よりも大きいか否かを判断する。ここで、しきい値T2は誤差として許容可能な値で予め定められた値とする。
差分ΔTがしきい値T2以下である場合、つまり測定温度Tcが誤差の許容範囲内にある場合には(S116:no)、マイコン部31は、補正モードを終了する。この場合温度テーブル36aは補正の必要がない。
差分ΔTがしきい値T2よりも大きい場合、つまり誤差の許容範囲を超えた場合には(S117)、マイコン部31は、温度テーブル36aを補正する(S118)。ここでの補正は、最も簡単な方法として、温度テーブル36aの各欄における温度値を、ΔTだけ差し引いた値に更新すればよい。
このように、補正モードでは、温度センサ50の繰り返し利用、経年変化等により共振周波数が当初よりもずれてしまい、誤差ΔTが許容できなくなったとしても、温度テーブル36aをより正しい値に補正するので、精度を劣化させることなく現在温度を測定することができる。
以上の説明してきたように、本実施の形態1における温度測定システム1によれば、温度センサ50を貼り付けた測定対象物の温度を非接触で測定することができる。
なお、マイコン部31は、図11に示した監視モード処理(S107〜112)の代わりに、マイコン部31の処理負荷が小さく、より速い周期で監視可能な処理として図13に示す別の監視モードの処理を行うようにしてもよい。図13において、マイコン部31は、監視温度Ttを受け付けた(S130)後、温度テーブル36aを参照して監視温度Ttに対応する周波数を決定し(S131)、一定時間(ここでは1分)経過する毎に、D/A変換部32、VCO33及びアンテナ部40を介して、当該周波数で電波を送信し(S133)、アンテナ部40、復調部34、A/D変換部35を介してその送信時の受信レベルを測定し(S134)、受信レベルがしきい値V1以下であれば(S135:yes)、警告をする(S136)。これは、温度センサ50の温度が監視温度Ttとは異なる温度である場合には受信レベルが比較的大きく(図14の一点鎖線及び破線参照)、温度センサ50が監視温度Ttに達したときに受信レベルが最小になる(図14の実線参照)ことを利用している。しきい値V1は同図の最小の受信レベルよりもいくらか大きい値でよい。
このように、図13の監視モード処理では、図11における周波数スイープが不要であり、監視温度Ttに対応する一つの周波数で電波を送信するので、一定時間毎の処理(S133〜S135)時間を大きく短縮することができる。それゆえ、図13の監視モード処理は、測定対象の温度変化が速い場合により適している。
また、上記の履歴モードにおいて、履歴をとる開始条件、終了条件を設定するようにしてもよい。例えば、開始条件又は終了条件としては、ユーザが予め設定した時刻の到来、ユーザが予め設定した温度又は温度範囲になったこととしてもよい。
さらに、図10のS105において、履歴を追加する条件を設定してもよい。例えば、測定温度Tcがユーザの予め設定した温度範囲内(又は範囲外)である場合のみ履歴に追加記録するようにしてもよい。
また、上記履歴モードにおいて監視モードの警告をも行う(複合モードと呼ぶ)ようにしてもよい。その場合、図10のS110〜S112のステップを、S105の直後に追加した構成とすればよい。
さらに、温度センサ50は、図15に示すように、被覆部材51の下面にファスナーの一方の面(例えば、ループ材59a)を貼着し、取り付け位置(蓋6の裏側)にファスナーの他方(例えば、フック材59b)を貼着し、簡単に温度センサ50を取着したり取り外したりすることができるように構成してもよい。
また図15のように、熱伝導性の高い材料でできた吸熱板を備える構成とし、周囲温度を反映しやすくしてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1の温度センサ50は受動的な素子であったが、本実施の形態では、温度センサ自身が無線タグとして温度履歴を内部に記録する構成について説明する。
図16は、実施の形態2における温度センサ70の外観を示す図である。同図の温度センサ70は、図2に示した温度センサ50と比べて、ICチップ60を追加した無線タグとなっている。
図17は、温度センサ70の機能的な構成を示すブロック図である。同図のように温度センサ70は、アンテナコイルLとコンデンサCとICチップ60からなる。アンテナコイルL及びコンデンサCは図3と同様の構成である。ICチップ60は、電力生成部71、クロック再生部72、復調部73、変調部74、マイコン部75、メモリ76を備え、無線により外部から電力供給を受けて、データを送受信するよう構成されている。
電力生成部71は、外部の温度測定装置80からアンテナ部(アンテナコイルL及びコンデンサC)を介して電力搬送電波を受信している間、電磁誘導方式、あるいは電磁結合方式によって誘起電力を生成して、ICチップ60内部に直流電源を供給する。そのため、電力生成部71は、内部に誘起電力を整流するダイオードや、整流された誘起電力の電圧を平滑化したり直流電力を蓄電するコンデンサや、一定の値(Vcc)に安定化するレギュレータなどを備える。ここで、電力搬送電波は、図18に示す電力搬送波A、ASK変調波Bなどの高周波信号である。
クロック再生部72は、受信された電力搬送波からクロック信号を再生し、マイコン部75に供給する。
復調部73は、アンテナ部を介して受信した高周波信号を復調することによりデータを取り出す。例えば、図18に示すようなASK変調波Bを復調し、その結果をデータCとしてマイコン部75に出力する。
変調部74は、マイコン部75から入力されるデータに基づいて高周波信号を変調する。例えば図18に示すデータDをBPSK変調波Eにする。
マイコン部75は、復調部73により復調されたデータCを解釈し、解釈の結果コマンドであれば、それに応じた応答又は処理を実行する。コマンドには、受信データをメモリ76への書き込むことを指示するライトコマンドと、メモリ76のデータを読み出して、変調部74、アンテナ部を介して送信することを指示するリードコマンド等がある。
メモリ76は、電力生成部71による電力供給がなくても消えることのない不揮発性メモリである。
図19は、本実施の形態における温度測定装置80の機能的な構成を示すブロック図である。同図の温度測定装置80は、図8に示した温度測定装置10と比較して、コントロール部30の代わりにコントロール部81を備えている点が異なり、温度センサ70との間でコマンド及びデータの送受信をするよう構成されている。以下、同じ構成要素は説明を省略して異なる構成要素を中心に説明する。
コントロール部81は、コントロール部30と比べて、新たに変調部82が追加された点と、復調部34の代わりに復調部83を備える点とが異なっている。また、マイコン部31内のROMに格納されているプログラムも異なっている。
変調部82は、VCO33からの高周波信号をマイコン部31からのデータCに基づいて変調し、アンテナ部40に出力する。ここでは、変調部82は、図18に示したASK変調を行うものとする。また、変調部82が無変調動作であれば、図18に示した電力搬送波Aが送信されることになる。周波数スイープにおいても同様に無変調である。
復調部83は、温度センサ70からアンテナ部40を介して受信された電波を復調する。ここでは、BPSK復調をするものとする。
マイコン部31は、ROMに格納されているプログラムの実行により、実施の形態1の機能に加えて、(1)測定した温度を温度センサ70内部に履歴情報として記録させる処理と、(2)温度センサ70内部に記録された温度履歴を読み出す処理とを行う。
(1)温度センサ70内部に履歴情報を記録する処理
図20は、マイコン部31の制御により、温度センサ70内部に温度履歴を記録させる処理を示すシーケンス図である。
同図の処理は、ユーザ操作に従って開始及び終了する。開始の操作を受けて温度測定装置80内のマイコン部31は、まず温度センサ70の現在の温度Tcを測定する(S190)。現在温度Tcの測定は、実施の形態1に示した図11の処理と同様に、マイコン部31が周波数スイープ(S191)を行って、受信レベルが最小の周波数を求め、その周波数に基づいて温度テーブル36aから現在の温度を求める。
次に、マイコン部31は温度センサ70に測定した現在温度Tcを温度情報として送信する処理を行う(S192)。具体的には、マイコン部31は、電力搬送波の送信を開始し(S193)、温度センサ70に電源が供給された状態にした後、変調部82及びアンテナ部40を介してライトコマンドを送信し(S194)、続けて温度情報(現在温度Tc及び日時など)を送信し(S195)、所定時間経過後に電力搬送波の送信を停止する(S196)。ここで、所定時間とは、温度センサ70内部のメモリ書き込み動作完了に十分な時間をいう。また、コマンド及びデータ(温度情報)はASK変調されたシリアルデータとして送信され、この送信時のASK変調波も電力搬送波として機能するので、温度センサ70は電源が供給された状態になっている。
さらに、温度測定装置80内のマイコン部31は、一定時間(同図では10分)経過したとき(S200)上記の現在温度Tc測定と温度情報送信処理とを行う。これにより、一定時間(10分)間隔の温度情報を温度センサ70に送信する。
一方、温度センサ70においてマイコン部75は、電源供給された状態になった後、コマンドを受信し(S197)、解釈した結果ライトコマンドであることから、引き続きデータ受信を行い(S198)、受信した温度情報をメモリ76に履歴として記録(追記)する(S199)。メモリ76への追記は、上記の一定時間間隔をおいて繰り返されるので、メモリ76には履歴として温度情報が蓄積されていくことになる。
(2)温度センサ70内部に記録された温度履歴を読み出す処理
図21は、マイコン部31の制御により、温度センサ70内部に記録された温度履歴を温度測定装置80に送信させる処理を示すシーケンス図である。
同図の処理も、ユーザ操作に従って開始及び終了する。開始の操作を受けて、温度測定装置80内のマイコン部31は、温度履歴読み出し処理を行う(S201)。具体的には、マイコン部31は、電力搬送波信号A(図18参照)の送信を開始し(S202)、温度センサ70を電源が供給された状態にした後、変調部82及びアンテナ部40を介してリードコマンドを送信し(S203)、さらに、温度センサ70から送信される温度履歴を受信し(S204)、受信完了後に、電力搬送波信号の送信を停止する(S205)。これにより、温度センサ70内部に蓄積されていた温度履歴が温度測定装置80に転送される。転送された温度履歴は、さらに温度測定装置80から外部のホストコンピュータにアンテナ25を介して無線で送信され、温度測定の対象物の輸送管理などに役立てられる。
以上説明してきたように本実施の形態における温度測定システム2によれば、温度センサ70自身の内部メモリに温度履歴を記録しておき、さらに温度測定装置80にその温度履歴を転送することができる。
なお、温度センサ70内のメモリ76には温度履歴に加えて、温度測定対象物のID(商品ID)や、入出庫履歴(輸送履歴)を付属情報として記録してもよい。
また、温度測定装置80から温度センサ70に対するコマンドは、上記のライトコマンド、リードコマンドに限らず、リセットコマンドやメモリクリアコマンドなどを設けてもよい。
さらに、図20、図21における温度測定装置80と温度センサ70との間のコマンド又はデータ送受信に先立って、一方向又は双方向に認証シーケンスを行うように構成してもよい。
また、暗号化したデータを送受信する構成としてもよい。こうすれば、温度センサ70が無線タグとして利用される場合に営業秘密に関する事項も安全に記録することができる。
さらに、本実施の形態では、温度測定装置80からの周波数スイープにより温度センサ70の温度を測定しているが、温度センサ70自身が周波数スイープにより温度を測定するよう構成してもよい。その場合の構成例として、図7の構成に加えて、ボタン電池や太陽電池などの電源部と、変調部74後段に周波数スイープして電波を送信するための送信アンテナと、メモリ76内部に上記の温度テーブルとを追加し、マイコン部75において図11に示した温度測定処理を行う構成とすればよい。その際、マイコン部75は、受信レベルが最小の周波数をもって共振周波数と特定する代わりに、共振回路における誘導電流が最大になる時点をもって共振周波数を特定するようにしてもよい。あるいは、誘導電流が最大になる時点前記共振回路の共振周波数を検知し、検知された共振周波数に基づいて温度を特定する制御回路を設けてもよい。
(実施の形態3)
図22は、本発明の実施の形態3における温度測定テムを複数の保冷箱に適用した場合の全体構成を示す図である。同図の温度測定システムは温度センサ70a〜70cと温度測定装置80とから構成され、温度センサ70a〜70cはそれぞれ保冷箱の内部に貼り付けられている。
温度センサ70a〜70cは、それぞれ実施の形態2で説明した温度センサ70と同様であるが、共振周波数の温度特性が互いに異なっている。すなわち、温度センサ70a〜70cは、同じ温度であっても共振周波数が異なるよう構成されている。例えば図23の実線に示すように、温度が同じとき、温度センサ70a〜70cの共振周波数は、それぞれf1、f2、f3となっている。さらに、温度センサ70a〜70cは、利用される温度範囲において、その温度範囲内における共振周波数の範囲が重ならないような温度特性を有している。図24に、温度センサ70a〜70cの共振周波数対温度特性の一例を示す。同図において、温度センサ70a〜70cは、0度〜30度の温度範囲において、共振周波数の範囲が約35〜48MHz、約49〜63MHz、約64〜78MHzになっている。この温度特性の違いは、温度センサ70a〜70cにおけるコンデンサCの面積や電極間距離や誘電体55の特性の違い(つまり容量の違い)や、アンテナコイルLの巻き数や直径の違い(つまりインダクタンスの違い)を持たせることにより容易に実現できる。このような温度特性の違いにより1台の温度測定装置80により温度センサ70a〜70cの何れが共振しているのかを区別可能になる。
温度測定装置80は、実施の形態2で説明したものと同様であるが、温度テーブル36aには図24に示すような共振周波数対温度特性を表す温度テーブルが格納され、共振周波数に対応する温度を求めるとともに温度センサの区別も行う。
このような構成により、本実施の形態における温度測定システムは、実施の形態1と同様に、温度センサ70a〜70cの個別に測定モード、履歴モード、警告モード、補正モード、複合モードの各動作をするほか、複数履歴モード、複数警告モードをサポートする。温度測定装置80は、複数履歴モードでは同時に複数の温度履歴をとり、複数警告モードでは同時に温度監視を行い、複数複合モードでは複数の温度履歴をとりつつ温度監視を行うことになる。
なお、複数履歴モードでは、温度測定装置80内の不揮発性メモリ36に記録するようにしてもよいし、各温度センサ内部のメモリ76に記録してもよい。
また、温度センサ70a〜70cそれぞれにIDを付与しておき、温度測定装置80と各温度センサとの間の通信ではIDにより区別することが望ましい。
(実施の形態4)
上記実施の形態1に係る温度センサ50においては、アンテナコイル53が1つの面上に平面的に形成されている。このような構成では、温度測定装置10のアンテナ面と、アンテナコイル53のなすタグ面とが平行になったときに最大の交信距離がえられる。言い換えれば、一定の距離の下では、アンテナ面とタグ面とが平行であるときに最大の電磁誘導が生じ、検出感度において方向依存性がある。このため、タグが傾いていると、電磁誘導が低下し、温度測定に際して共振周波数の特定が困難になる可能性がある。
そこで、実施の形態3における温度センサでは、アンテナコイルを立体的に形成することにより、上記の方向依存性の解消を図っている。
図25は、本実施の形態における温度センサ50Aの構成を示す図であり、特に図25(a)は温度センサ50Aの機械的構成の斜視図を、同図(b)は温度センサ50Aの電気的構成の回路図を、それぞれ示している。なお、ここではアンテナコイルの立体的な構成の説明に主眼があるので、図25(a)においては、コンデンサを構成する電極52,56、誘電体55等の図示が省略されている。
この温度センサ50Aは、例えば1辺数mm程度と小型に形成された立方体61の隣接する3面にアンテナコイルLx〜Lzをそれぞれ形成し、アンテナコイルLx〜Lzを直列に接続することにより構成されている。この立方体61は、絶縁体材料で形成されている。
温度測定装置10のアンテナ面がアンテナコイルLxのなす面と平行である場合、このアンテナコイルLxとの間で電磁誘導が最も生じる。温度測定装置10のアンテナ面がアンテナコイルLyあるいはアンテナコイルLzのなす面と平行である場合、このアンテナコイルLyあるいはアンテナコイルLzとの間で最も電磁誘導が生じる。一方、温度測定装置10のアンテナ面がアンテナコイルLx〜Lzのなす面からそれぞれ傾いている場合、アンテナ面に対するアンテナコイルLx〜Lzの平行成分を合算した分電磁誘導が生じる。すなわち、一定の距離の元では、アンテナ面とタグ面とがいかなる角度をなしても常に、温度測定装置10のアンテナ面があるアンテナコイルと平行であるときとほぼ同じ値の電磁誘導が生じる。このため、実施の形態1の場合に生じる電磁誘導の低下、方向依存性が解消され、共振周波数を確実に検出することができる。また、同図のアンテナコイルは、実施の形態2、3における温度センサ70についても同様に適用できる。
なお、上記実施の形態では、立方体の3面だけにアンテナコイルLx〜Lzをそれぞれ形成したが、残りの3面にもアンテナコイル形成してもよい。
また、上記実施の形態3では、平面にそれぞれ形成されたアンテナコイルLx〜Lzを組み合わせることにより、3次元的なアンテナコイルを形成したが、図26(a)に示されるように、凹面に1つのアンテナコイルL1を形成することにより3次元的なアンテナコイルを形成してもよい。また、凸面に1つのアンテナコイルL1を形成することにより3次元的なアンテナコイルを形成してもよいのはいうまでもない。このような簡易なアンテナコイルL1によっても、アンテナコイルLx〜Lzとほぼ同様な効果を得ることができる。
さらに、図26(b)に示されるように、球体62の中心を3次元直交座標の原点とするX,Y,Z軸周りの球体表面に、アンテナコイルL2,L3,L4を形成し、アンテナコイルL2〜L4を直列に接続するように構成してもよい。
この場合においても、アンテナコイルLx〜Lzの場合と同様に、実施の形態1,2の場合に生じる電磁誘導の低下が解消され、共振周波数を確実に検出することができる。
また、上記各実施の形態では温度に依存して共振周波数が変化する共振回路を、温度に依存して容量が変化するコンデンサCにより実現する例を説明したが、このコンデンサCの代わりに、温度に依存してインダクタンスが変化するコイルLを用いる構成としてもよい。その場合、形状記憶合金を材料として特定温度における巻き線の間隔又は直径と、他の温度におけるそれらとが異なるコイルを利用してもよい。さらに、このコイルと温度に依存して容量が変化するコンデンサCとを組み合わせて共振回路を構成してもよい。この場合、特定温度における共振周波数の変化を急峻にすることができる。
なお、各実施の形態の図10、11、13、20、21に示したフローチャート又はシーケンス図は、温度測定装置10、80又は温度センサ70内のマイコンにおいてプログラムとして実現していることは言うまでもない。このプログラムは、CDなどの記録媒体や電気通信回線を通して流通及び配信可能である。
以上説明してきたように本発明の温度センサは、温度に依存して共振周波数が変化する共振回路を有する無線タグとして構成されている。
この構成によれば、温度測定装置が無線で共振回路の共振周波数を特定し、共振周波数に基づいて無線タグの温度を特定することにより、温度を測定することができ、無線タグを応用して温度センサとすることができるという効果がある。
ここで、前記共振回路はコイルとコンデンサとからなり、前記コンデンサの電極間には温度変化に応じて誘電率が変化する材料を備える構成としてもよい。
この構成によれば、共振回路がコイルとコンデンサという受動回路からなるので、安価かつ小型にすることができるという効果がある。
また、前記材料は強誘電体により構成してもよい。前記材料は、(a)チタン酸バリウム、(b)バリウムとカドミウムと酸化チタンとの化合物、(c)カルシウムとビスマスとタンタルとの化合物のうちの何れかとすることができる。
この構成によれば、強誘電体材料の種類によって、温度センサの用途あるいは測定温度の範囲に適した種々の周波数対温度特性を容易に実現できる。
ここで、前記温度センサは、さらにメモリと通信手段とマイコンとを有し、前記マイコンは、通信手段を介して受信した温度情報をメモリに記録する構成としてもよい。
また、前記マイコンは前記温度情報を履歴として蓄積する構成としてよい。さらに、前記マイコンは、通信手段を介して受信したコマンドに従って、メモリに記録された温度情報を読み出して通信手段を介して送信する構成としてもよい。
この構成によれば、温度センサ内のメモリに測定結果の温度や温度の履歴を記録するので、商品輸送や保管に際して温度管理を行うのに適している。
ここで、前記温度センサは、さらにメモリと通信手段とマイコンとを有し、前記メモリは、前記共振回路における共振周波数対温度特性をテーブルとして記憶し、前記マイコンは、通信手段を介して周波数を変化させながら電波を送受信することにより前記共振回路の共振周波数を特定し、テーブルを参照することにより当該共振周波数に対応する温度を特定する構成としてもよい。また、前記マイコンは、前記特定された温度をメモリに記録するようにしてもよい。また、前記マイコンは、前記共振周波数の特定および温度の特定を周期的に行い、特定された温度をメモリに履歴として記録するようにしてもよい。
この構成によれば、外部の温度測定装置などから温度センサの共振周波数を検知する必要がなく、温度センサ自身が単体で温度測定することができる。また、外部からの操作を必要とすることなく、温度センサ自身が単体で温度を測定し、内部のメモリに履歴として保持することができる。
また、本発明の温度測定装置は、温度に依存して共振周波数が変化する共振回路を備えた無線タグに対して電波を送受信することにより、前記共振回路の共振周波数を検知する検知手段と、検知された共振周波数に基づいて無線タグの温度を特定する特定手段とを備える。
この構成によれば、無線タグを温度センサとして温度を測定することができ、例えば、無線タグを用いた商品管理・物流管理、製造業の容器・パレット管理等を履歴として管理する場合において、温度をも管理対象とすることができるという効果がある。
ここで、前記温度測定装置は、さらに前記無線タグが特定温度にあるときユーザ入力された当該特定温度の値に従って、前記テーブルを補正するようにしてもよい。
この構成によれば、温度測定の精度を劣化させることなく、測定温度の信頼性を高めることができる。
ここで、前記温度測定装置は、さらに検知手段及び特定手段により周期的に温度を特定させるよう制御する制御手段と、周期的に特定された温度を履歴としてメモリに記録する記録手段とを備える構成としてもよい。
この構成によれば、温度測定装置内のメモリに温度履歴を記録するので、リアルタイムに温度履歴を管理・分析するのに適している。
また、前記温度測定装置は、さらに検知手段及び特定手段により周期的に温度を特定させるよう制御する制御手段と、周期的に特定された温度を無線タグに送信し、無線タグ内のメモリに温度を履歴として記録させる送信手段とを備える構成としてもよい。
この構成によれば、温度センサ自身の内部メモリに温度履歴を記録するので、事後的に温度履歴を管理・分析するのに適している。
また、本発明の温度測定装置は、温度に依存して共振周波数が変化する共振回路を備えた無線タグに対して特定周波数の電波を送受信する送信手段と、当該送信電波の反射波の受信レベルに応じて前記無線タグの温度を判断する判別手段とを備える構成としてもよい。
ここで、前記送信手段は、ユーザ入力された監視温度に対応する共振周波数を前記特定周波数とし、前記判別手段は、前記受信レベルがしきい値よりも小さい場合は、無線タグがほぼ監視温度にあると判断するようにしてよもよい。
この構成によれば、周波数を変化させながら電波を送信するのではなく、監視温度に対応する特定周波数の電波を送信してその反射波の受信レベルを判断するので、電波送信から温度判断までを高速化することができる。