JP4050144B2 - 油圧操作装置の作動油浄化装置及び作動油浄化方法 - Google Patents

油圧操作装置の作動油浄化装置及び作動油浄化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧操作機構を採用した電力用開閉器の作動油の保守管理に係り、特に、作動油の浄化の効率を向上させることを可能とした油圧操作装置の作動油浄化装置及び浄化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電力用開閉器は静止電気機械に分類され、電路の切換や落雷や地絡等、事故の影響除去のために行う開閉時以外は、通電状態(閉路状態)あるいは開路状態を維持することが基本運用状態であるという機器の性格上、一般の常時動作している機械のような頻繁な保守点検は行われていない。
【0003】
このような電力用開閉器の内、油圧操作機構を採用する電力用開閉器としては電力用遮断器が多く、この電力用遮断器は機械的動作責務が最も過酷な機械といえる。この様な機械では、油圧操作機構の作動油として、夏の外気温40℃程度から、冬の厳冬期の屋外機器温度−20℃の間、動作時間が0.005秒程度の差に収まるよう配慮するため、油の粘度の影響を受けないように構造面の配慮をするだけでなく、作動油にも粘度指数が300を超えるような温度変化に対する粘度変化の少ない特殊な作動油を使うことが一般的である。
【0004】
この様な作動油は、冷凍倉庫用の機械や航空機に使用する作動油として市販されている。これらの作動油では、基油を溶剤に近いほど低粘度にすると共に、粘度安定剤をポリマー重量として10%程度添加するなど、通常の作動油の数倍の添加剤を使用して粘度安定性を確保している。また、酸化防止剤や極圧剤等によって、過酷な使用状態に対する耐性を確保している。
【0005】
一方、電力用開閉器では低温粘性を最重要基準としてこの様な作動油を採用するが、高温での使用が少ないこと、高速動作による発熱等を考えた場合、機器の実際の動作が年間高々数回と極めて少ないことから、酸化劣化や摩擦発熱等が少ないため、油の劣化は極めて少なく、通常6年間や12年間という長期間、作動油交換をしないことが一般的である。
【0006】
しかし、詳細に調査すると、長期間の屋外使用等によって、極圧剤の例えば燐酸トリクリシル等の燐酸エステル等が穏やかに金属と反応したり、分解したりしており、通常の過酷使用では発生しない反応中間生成物が発生することが判ってきた。このため、添加剤の析出等で、機器性能の内、特に微細隙間の閉塞やサクションストレーナ等の閉塞などが確認されている。
【0007】
これらの対策としては、より短期間での作動油交換等が考えられるが、機器運用効率の向上を考えると、定期的な運用停止による保守活動の回数を減らすことが強く望まれている。これまでの保守方法は、一定期間毎に機器を停止し、作動油の交換や機器動作の確認を実施してきた。例えば、小形の開閉器で1日、大形の開閉器で3日程度の機器補修を6年間に1回程度実施していた。しかし、機器運用の効率化の観点から、この補修期間を倍に延長することが望まれている。
【0008】
以下、図を参照して従来の遮断器点検時の作動油交換方法を説明する。なお、図6は遮断器の油管系統を示すものである。すなわち、機器運用中は、油槽34内の作動油を油圧ポンプ31によりストレーナ314を介して吸い込み、ラインフィルタ313を介して蓄圧器であるアキュムレータ4に送り込む。アキュムレータ4内は、作動油と反対側に可動ピストンを介して高圧窒素ガス等の不活性ガスが封入されており、作動油を圧入すると作動油の圧力と不活性ガス圧力がつり合うように可動ピストンが移動する。この様なアキュムレータは、一般にピストン型アキュムレータと呼ばれている。
【0009】
作動油をポンプで高圧側に圧送し続けると、油圧が徐々に上昇し、圧力スイッチ33が所定圧力を検出するとポンプの運転を停止する。その後は、圧油を使用した場合や自然の圧油漏れに伴ってアキュムレータ4内の圧油量が低下すると、油圧が低下するために、圧力スイッチ33が油圧低下を検出してポンプを再度運転する。
【0010】
そして、遮断器の接点を駆動する場合、電磁弁27または28を動作させて、駆動シリンダ内のピストン22の両側の油圧力を変更することで遮断器の接点を移動させると、この時の動作に必要な圧油がアキュムレータ4から供給され、使用後の圧油は排油路を通ってポンプのRポートに戻される。
【0011】
一方、点検の場合には、ポンプ電源を断って、止め弁39を開くことによって、人為的にアキュムレータ4内の圧油を油槽34内に戻す。この時、圧油の大半が油槽34に戻り、油槽内液面が最上限まで至る。この段階で作動油を油槽34から抜き取って作動油を交換する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の作動油交換は、油圧を放圧して機器不動作の状態で実施しており、この場合、使用作動油中約90%程度の量の交換が可能であったが、この作業を実施するためには、機器を動作不能にするため、運転を停止して実施していた。
【0013】
このように、作動油交換を機器を停止した状態で行うこととした理由は、機器運用中はいつ系統事故が発生するか判らない状況下で可動部を含む機器機構箱内で作業をすることへの安全上の配慮、作動油を抜き去った場合に、機器動作に伴って作動油供給が必要になった場合に、補給用の油槽内の作動油がなくなっていると、作動油補給ができずに機器動作に支障をきたすこと等を考慮したためである。
【0014】
しかしながら、機器停止を極力なくして機器運用効率を高める昨今の要求から、機器定期点検周期を延長していくと、作動油交換の周期も同様に延長することになり、添加剤の劣化物等の相互作用で発生する老廃物が、ストレーナやより高圧部の微細隙間に影響を与える可能性が考えられるため、機器停止間隔の延長は困難であった。
【0015】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その第1の目的は、機器運用状態で作動油中の老廃物を除去することができる油圧操作装置の作動油浄化装置を提供することにある。
また、第2の目的は、機器運用状態のまま、作動油の異常状態を検出して、適切なタイミングで作動油の浄化を行うことができる油圧操作装置の作動油浄化方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の油圧操作装置の作動油浄化装置は、油圧操作装置の機構箱の外部に、互いに直列に接続した第1の吸い込み装置と第1の異物除去装置を設置し、前記油圧操作装置内の作動油を、給油ホースを介して前記第1の吸い込み装置に導入し、前記第1の異物除去装置を経由した作動油を、戻りホースを介して、前記油圧操作装置に戻すように構成した油圧操作装置の作動油浄化装置であって、前記第1の吸い込み装置及び第1の異物除去装置と並列に、透過粒径50ミクロン以上の第2の異物除去装置を直列に接続した第2の吸い込み装置を配設し、前記第1の吸い込み装置と前記第2の吸い込み装置を、同時に又は交互に運転するように構成したことを特徴とする
【0017】
上記のような構成を有する請求項の発明によれば、第2の吸い込み装置に直列に接続した第2の異物除去装置によって、主として大粒径の粒子や比重の高い粒子を捕捉すると同時に、第1の異物除去装置によって、微細粒径の異物除去を行うことによって、高効率の浄化作業が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る油圧操作装置の作動油浄化装置及び浄化方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図6に示した従来型と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0025】
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態の構成を示すものであって、要部の油槽を含むポンプユニット部分を示したものである。
本実施形態においては、開閉器の外部に、個別のポンプを含む第1の吸い込み装置250と、この第1の吸い込み装置250から作動油を供給され、内部に設けられた異物除去部で作動油中の異物を除去する第1の異物除去装置450とが配設されている。
【0026】
また、前記第1の吸い込み装置250は、給油ホース200によって、開閉器の低圧油槽開口部(図中では、注油口兼呼吸器316部分)を介して油槽34と連通されている。また、前記第1の異物除去装置450と油槽34とは、戻りホース300によって連通され、第1の異物除去装置450内の作動油が所定量以上になると、開閉器の油槽34に作動油を戻すように構成されている。
【0027】
なお、給油ホース200及び戻りホース300と、第1の吸い込み装置250、第1の異物除去装置450内に初期空間があると、これらの装置を運用した直後、その空間分だけ開閉器内油槽34の油量が減少するため、この減少を最小限にするための調整用作動油を運用前に予備作動油容器500から第1の異物除去装置450内に取り込んでおくことが望ましい。
【0028】
このように構成された本実施形態においては、まず、戻りホース300を開閉器油槽34に取付け、給油ホース200を予備作動油容器500に取付けて第1の吸い込み装置250を駆動し、戻りホース300内が作動油で充満するようにした後、給油ホース200を開閉器油槽34内に装着する。この段階から第1の吸い込み装置250を運転すると、開閉器油槽34内の作動油は、給油ホース200→第1の吸い込み装置250→第1の異物除去装置450→戻りホース300を介して循環するため、開閉器内の作動油量は一定値を保って、外部に設けられた第1の異物除去装置450との間を循環することができる。
【0029】
なお、第1の異物除去装置450として、濾過装置や静電浄油装置、脱水装置等、作動油の浄化に最適な装置を用いることにより、油槽内の作動油を効率よく浄化することができる。また、通常、濾過装置や浄化装置は密閉式なので、第1の吸い込み装置250の流量を系全体で一定に保ち、初期に油量調整することによって、開閉器側の油量を変化させずに、作動油を循環浄化することができる。
【0030】
このように、本実施形態によれば、機器運用中の浄化作業が可能となり、長時間の機器停止ができない状況でも、作動油の健全性を確保することができる。
【0031】
(2)第2実施形態
次に、本発明に係る作動油の浄化装置の第2実施形態を図2を用いて説明する。本実施形態は上記第1実施形態の変形例であって、第1実施形態の構成に第2の吸い込み装置251、第2の給油ホース201及び第2の戻りホース301を追加したものである。
【0032】
通常、浄油作業を実施すると、老廃物や沈降異物、油槽壁面に付着した異物等の存在が見出されることが多い。この沈降異物は比重の重い金属反応物が多く、その上に有機物が沈降している。また、壁面や油面付近には粘着性有機物が多く存在する。
【0033】
これらの異物を除去するために、濾過精度を高めようとすると、透過粒径に小さな濾過材を使用するか、静電吸着等を使用することが多い。しかし、これらの装置を使用した場合、浄化装置部分の流速を高めると浄化性能が低下する傾向にあるため、開閉器油槽内の作動油を撹拌する能力が制限されてしまう。
【0034】
本実施形態は、この様な問題点を解決することを目的とするものであり、濾過機能を具備しない撹拌用装置として機能する第2の吸い込み装置251を、第1の吸い込み装置250及び第1の異物除去装置450と並列に取付けたものである。
【0035】
このような構成を有する本実施形態においては、油槽34から給油ホース200に導入した作動油の一部を、第2の給油ホース201を介して、撹拌用の第2の吸い込み装置251に導き、第2の戻りホース301を介して、そのまま油槽34に戻す。一方、油槽34から給油ホース200に導入した作動油の残りは、第1実施形態と同様に、第1の吸い込み装置250及び第1の異物除去装置450に導入され、異物除去がなされる。
【0036】
このようにすると、開閉器油槽34内は強度に撹拌され、底部沈降物や壁面付着物が作動油に分散され、第1の異物除去装置450に導かれるため、老廃物除去の効率をより高めることができる。
【0037】
なお、この様な撹拌装置としては、スクリュー式の撹拌装置等も市販されているが、機器運用中にこの様な装置を装着することは、機構箱内に持ち込む装置が増加するため好ましくない。また、作動油の撹拌滞電や加熱等を考えると、余り強固に長時間撹拌しない方が良い場合もある。本発明者等の試験結果では、油槽内作動油を3分間で全量交換できる程度の流量で10分間程度撹拌継続すると、ほぼ油中粒子数は上限値になった。
【0038】
したがって、浄化処置前にこの様な撹拌を実施してから作業をするか、あるいは交互に撹拌と浄化を実施することで沈降性異物・付着性異物をより効率的に除去することができる。なお、図2では、開閉器油槽内には吸排2本のホースしか装着していないが、作業条件が許せば、撹拌用の吸排のホースを独立に装着することも可能である。
【0039】
(3)第3実施形態
次に、本発明に係る作動油の浄化装置の第3実施形態を図2を用いて説明する。なお、本実施形態は上記第2実施形態の変形例であって、第2の吸い込み装置251に、例えば、透過粒径50ミクロン以上の粗い透過装置や、サイクロンのような遠心除去装置、あるいは磁力を使用した吸着装置等の第2の異物除去装置(図示せず)を直列に接続したものである。
【0040】
このような構成を有する本実施形態によれば、第2の吸い込み装置251に直列に接続した第2の異物除去装置によって、大粒径の異物や極めて比重の高い異物を除去することができる。特に、磁力を使用した吸着装置は、磁性金属異物を吸着するが、金属異物は比重が重いため、低速流の装置では装置に到達する前にホース内で壁面に付着して捕捉できないが、高速流の装置では捕捉装置まで流れに乗せて持ち込むことが可能である。
【0041】
このようにすると、大粒径の異物や金属分等を予め除去できると同時に、循環している異物の粒径を均質化できるため、例えば静電式除去装置等では、極板間の不慮の短絡等を防止する効果もあり、効率向上に有効である。
【0042】
(4)第4実施形態
上記の実施形態においては、作動油中の異物除去について述べてきたが、次にこの様な油中異物除去を実施する場合に、運用中の機器の機構箱を開放状態で作業することとなり、循環浄化作業に要する数時間の間、天候変化等から機器をも守るために処置をする必要がある。本実施形態は、このための対応策を提案するものである。
【0043】
すなわち、本実施形態においては、図3に示すように、扉部材600に開口部604が形成され、この開口部604に、中央に穴部605を有する貫通板603が着脱可能に取り付けられている。この貫通板603は、ゴムパッキン601及びくさび602を介して、前記開口部604を閉塞できるように取り付けられている。そして、浄化作業の実施中には、この貫通板603の穴部605に上記2つの吸排ホースを挿入し、作業が終了した後は、穴部を有しない閉塞板(図示せず)を取り付けるように構成されている。
【0044】
なお、この貫通板としては、開閉器の内部観察用に機構箱扉に設けられた透明な窓を利用することもできる。この窓は、一般にプラスチック板か強化ガラス板をゴムパッキンで鉄板の扉に装着して構成されている。
【0045】
このような構成を有する本実施形態によれば、機器使用中に長時間作動油処理を実施していても扉を開放しておく必要がなく、機器の内部に悪影響を与えることなく作業ができる。
【0046】
(5)第5実施形態
本実施形態は、上記の実施形態で述べた油中異物除去を実施するタイミングを適切に判断する方法を提供するものである。なお、図4は開閉器機構箱の内部配置例を示す側面図、図5は正面図である。
【0047】
一般に、油槽34には油面を確認するために透明な油面計36が設けられている。この油面計36には、その上下で油槽内部と連通する竪穴が形成されており、油面計36内に作動油が導かれている。そのため、油槽34内の作動油のごく一部がこの部分から直接目視確認することができる。
【0048】
本発明者等はこの点に着目し、油面計36の背後または見る位置の横方向から均質な光を照射することができる光源(図示せず)を配設したものである。なお、この光源としては、光量が均一で安定していることが必要であり、キセノンランプやハロゲンランプ、または蛍光燈が望ましい。
【0049】
そして、このような光源を油面計36の側面または背面から照射して、油面計36内の作動油を観察する。一般に、変質した作動油は透明度が低下することが多く、また、変質分は作動油と微かに比重が異なるか、または極性を帯びて異物同士集合する傾向があるため、この観察結果を、同様の照射条件で劣化作動油モデルを撮影した写真と比較することにより、透過光の差や透明度の差を判断することができる。
【0050】
このようにして油中劣化物を確認した場合、所定の期間以内に上記第1実施形態〜第3実施形態の浄化作業を実施するようにすると、定期的に作業する場合に比べて作業量を低減でき、より効率的な保守が可能となる。
【0051】
(6)第6実施形態
本実施形態も、上記の実施形態で述べた油中異物除去を実施するタイミングを適切に判断する方法を提供するものである。
すなわち、作動油劣化物で最も直接的に開閉器の性能に影響するのは、ストレーナの閉塞をもたらすような異物である。この異物発生の確認を簡易的にする方法として、油槽底部から適量の作動油を採取し、目開き50μm乃至150μmの金網を通過させる。
【0052】
本発明者等の試験では、100ml当り通常は何回繰り返しても数秒で通過するが、異物が発生している作動油では、10秒を超える通過時間を観察し、作業を繰り返すことで通過できなくなることを確認した。程度は対象とするストレーナの網目目開きで変るが、採取通過を3回程度繰り返し、通過時間が明らかに延長する場合、影響が発生すると判断できる。
【0053】
この様な確認によって異物を発見した場合、明らかに網目に異物の付着も確認できる。この様な簡易判断の結果、異物が確認された場合に、上記第1実施形態〜第3実施形態の浄化作業を実施するようにすると、定期的に作業する場合に比べて作業量を低減でき、より効率的な保守が可能となる。
【0054】
(7)第7実施形態
本実施形態も、上記の実施形態で述べた油中異物除去を実施するタイミングを適切に判断する方法を提供するものである。
一般に、油中析出物は油中にある程度分散するため、急激にストレーナを目詰まりさせるものではないが、徐々に閉塞させる。油圧回路でストレーナは大気圧とポンプ吸い込みによる負圧の差圧力だけで透過させているため、最も閉塞しやすい部分である、高圧開路中に設けた細孔やフィルタでは、閉塞した場合、閉塞点前後の差圧が高くなるが、ストレーナでは高々1気圧の差圧力しか発生しないためである。このストレーナの閉塞はポンプの吐出量に直接影響する。
【0055】
開閉器では機器は静止待機しているが、高低圧間の油漏れは必ず存在し、このためにポンプ圧油が減少してポンプは適度に自動運転して所定油圧を保つように設定されている。この補充用の自動運転は圧力スイッチで実施しているため、ポンプ性能が一定であれば補充用運転時間もほぼ一定である。そこで、ポンプ運転回路に積算時間計と運転回数計を設けることで、所定回数ポンプが運転した場合のポンプ運転積算時間を得ることができる。
【0056】
この様な記録をすることで、ポンプの運転時間が延長した場合、ポンプ性能の低下としてストレーナの閉塞を感知できる。ポンプ補充運転時間が一定値を超えた場合に、上記第1実施形態〜第3実施形態の浄化作業を実施するようにすると、その後の閉塞要素を除去することができる。なお、遮断器等の開閉器では20%乃至50%以上時間が延びた場合に処置をすることが望ましいが、この値は機器の運用状況や裕度の設定によって適宜値を選定することができる。
【0057】
(8)第8実施形態
本実施形態も、上記の実施形態で述べた油中異物除去を実施するタイミングを適切に判断する方法を提供するものである。
本実施形態は、粘着性異物が油面付近の金属壁面に付着し易い性質を利用したものである。すなわち、添加剤、特に極圧剤系統の劣化物は金属壁面に付着し易く、これらを核にした異物は壁面付着性がある。但し、大量の油中では壁面よりも劣化物相互に引き合って集合を作るため明確な壁面付着は見え難い。
【0058】
一方、油面付近では、前述のポンプの補充運転の影響で、静止機器といえども常時油面は一定範囲で変動しており、この部分では壁面に付着した劣化物が作動油を除かれ濃縮する。このため油中よりも壁面付着性が現れやすい。
【0059】
さらに、気液界面であるために酸化や加水反応も起こり易く、様々な異物が液面付近の壁面に付着する。この壁面をファイバースコープ等を挿入して確認すると、劣化物の多寡が明確に判断できる。高性能ファイバースコープでは油中のストレーナを直接観察できるが、高性能ファイバースコープは高価であり、また作動油と色相の類似した析出物の判断は難しい。
【0060】
しかし、液面の若干上の気中部分を観察するのには通常のファイバースコープで可能であり、色相も液面上に液面と類似のものが見えることから判断が容易である。絶対量評価は困難であるが、上記の浄化処置を実施する時期の目途を得るためにはこれで充分である。
【0061】
(9)他の実施形態
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、第1及び第2の異物除去装置としては、除去対象となる異物に応じて適切な装置に交換することもできる。また、第5〜第8実施形態に示した油中異物除去を実施するタイミングの判断方法は、単一で用いるだけでなく、複合して用いることにより、より多面的な判断ができることは言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、機器運用状態で作動油中の老廃物を除去することができる油圧操作装置の作動油浄化装置を提供することができる。また、機器運用状態のまま、作動油の異常状態を検出して、適切なタイミングで作動油の浄化を行うことができる油圧操作装置の作動油浄化方法を提供することができる。
【0063】
その結果、これまで機器の停止点検に合わせて実施してきた作動油の交換等の作業を、機器運用中にあるいはごく短時間の機器停止の機会に実施することができるため、機器の定期停止点検期間の延長が可能になり、開閉器の運用効率を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油圧操作装置の作動油浄化装置の第1実施形態の構成を示す概略図。
【図2】本発明に係る油圧操作装置の作動油浄化装置の第2・第3実施形態の構成を示す概略図。
【図3】本発明に係る油圧操作装置の作動油浄化装置の第4実施形態の構成を示す概略図。
【図4】電力用開閉器機構箱の内部配置例を示す側面図。
【図5】電力用開閉器機構箱の内部配置例を示す正面図。
【図6】一般的な開閉器の油圧操作機構の構成を示す油管系統図。
【符号の説明】
1…遮断部
11…遮断部内の開閉器接点
2…操作シリンダ(アクチュエータ)
21…シリンダ
22…ピストン
27、28…電磁弁
211…ピストンロッド
3…ポンプ関連部分
31…油圧ポンプ
32…電動機
33…圧力スイッチ
34…油槽
35…油面計
36…圧力計
37…高圧配管
38、39…止め弁
310…逆止弁
311…逃し弁
312…継手
313…ラインフィルタ
314…ストレーナ
315…油面スイッチあるいはフロートスイッチ
316…注油口兼呼吸器
320…低圧配管
4…アキュムレータ(蓄圧器)
9…機構箱
100…油面
200…給油ホース
300…戻りホース
250…吸い込み装置
251…第2の吸い込み装置
450…異物除去装置
500…予備作動油容器
600…扉部材
601…ゴムパッキン
602…くさび
603…貫通板
604…開口部
605…穴部

Claims (1)

  1. 油圧操作装置の機構箱の外部に、互いに直列に接続した第1の吸い込み装置と第1の異物除去装置を設置し、
    前記油圧操作装置内の作動油を、給油ホースを介して前記第1の吸い込み装置に導入し、
    前記第1の異物除去装置を経由した作動油を、戻りホースを介して、前記油圧操作装置に戻すように構成した油圧操作装置の作動油浄化装置であって、
    前記第1の吸い込み装置及び第1の異物除去装置と並列に、透過粒径50ミクロン以上の第2の異物除去装置を直列に接続した第2の吸い込み装置を配設し、前記第1の吸い込み装置と前記第2の吸い込み装置を、同時に又は交互に運転するように構成したことを特徴とする油圧操作装置の作動油浄化装置。
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